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(第51回日本糖尿病学会年次学術集会から) -2型糖尿病治療の新たな戦略- インクレチン治療(1) GLP-1誘導体

2008年5月21日~24日(土)まで、東京国際フォーラムにおいて、これまでで最多である11,623名が参加した「第51回日本糖尿病学会年次学術集会(会長:東京大学大学院医学系研究科 門脇 孝氏)」が、開催された。数多くのシンポジウムやワークショップ、共催セミナーが開催され、さらには過去最多の一般演題が発表、海外から第一線で活躍する50名以上の先生方が参加した本集会において、最も多くの参加者を集めたのは、「インクレチン治療」をテーマとしたプログラムであった。わが国では現在、インクレチンを利用したいくつかのGLP-1受容体作動薬(皮下注射剤)およびDPPⅣ阻害薬(経口薬)が、申請中、あるいは臨床試験中であり、発売が待たれているが、欧米では、これら薬剤は、既に数年前から、多くの2型糖尿病患者に用いられている。古くて新しい“インクレチン”インクレチンは、小腸から分泌されるホルモンの総称で、栄養素の消化吸収とともに、消化管から分泌され、膵β細胞からのインスリン分泌を促進させる作用を有する。100年くらい前には既に小腸から抽出した因子に、血糖降下作用があることがわかっていたが、その実態については、しばらく明らかにされていなかった。しかし、血中の血糖上昇を同程度になるよう調整したブドウ糖を経静脈により流入させたときと、経口で摂取させたときの血糖降下程度に差があり、後者の方がより低下し、より血中のインスリン濃度が高くなることが明らかになったことから、それら因子は、糖が消化管を通過することで、インスリン分泌を促進させる作用を持つことが示された。その後の研究により、それが小腸から分泌されるいくつかのホルモンであることが明らかとなり、それらは総称して、その働きである「Secreti(o)n of insulin(インスリン分泌)」から、「incretin」と名づけられた。インクレチンの中で、膵β細胞に結合し、インスリン分泌を促進させる作用があることがわかっているのは、小腸上部のK細胞から分泌されるGIP(Gastric inhibitory polypeptide)と、小腸下部のL細胞から分泌されるGLP-1(Glucagon-like peptide-1)であり、GLP-1は、その機能を保ちつつ、体内で分解されにくい構造にしたGLP-1誘導体として、欧米では既に多くの2型糖尿病患者に用いられている。GLP-1は、SU薬とは異なる機序でインスリン分泌を促進元来、インスリン分泌能の低い日本人では、糖尿病を発症すると、インスリン分泌の低下が主体となる病態になることが多いため、インスリン分泌を促進する薬剤は非常に有用となる。現在、インスリン分泌を促進する薬剤としては、スルホニル尿素(SU)薬と速効型インスリン分泌促進薬がある。SU薬は、古くから使われており、確実に血糖を低下させることから、非常に多くの2型糖尿病患者に使われているが、しばしば、膵β細胞の疲弊による効果の減弱(二次無効)や低血糖の発現、体重の増加が問題となる。GLP-1は小腸で栄養素が消化吸収されることにより分泌され、膵β細胞のGLP-1受容体に結合し、インスリン分泌を促進させる。つまり、投与されたGLP-1誘導体のインスリン分泌促進作用は血中グルカゴン濃度依存性であるため、GLP-1誘導体は、絶え間なく膵臓を刺激し、インスリン分泌を促進し続けるSU薬と異なり、生理的なインスリン分泌促進作用(食後のインスリン分泌作用)を持ち、低血糖を来たしにくいという利点を有する。GLP-1は膵β細胞の機能を回復?GLP-1は膵β細胞のアポトーシスを抑制させる(in vitro)との報告や、糖尿病モデルラットにおいて、膵β細胞の数を増加させたとの報告などから、GLP-1誘導体は膵β細胞の機能を回復させる可能性があることが示唆されている。GLP-1は食欲を抑制し、体重を減少させる-GLP-1の膵外作用-膵外作用として、GLP-1は中枢神経に作用し、食欲を抑制することが、ラットおよびヒトで明らかになっており、実際にGLP-1誘導体を服用した2型糖尿病患者において、体重が減少することが報告されている。強力な血糖低下作用を持つSU薬を服用すると、空腹感から食欲が増し、体重が増加、さらに血糖が悪化するという悪循環に陥ることがあるが、この点からも、GLP-1誘導体が有用であると考えられている。わが国で発売が待たれるGLP-1誘導体現在、わが国では、GLP-1誘導体として、エクセナチド(イーライリリー/既に米国と欧米で使用中)が第2相試験中、リラグルチド(ノボノルディスク/米国と欧米で承認申請中)が第3相試験中である(ともに1日1回投与)。これらについては、本集会においても、海外における数多くのエビデンスが報告され、多くはないが日本人のエビデンスも発表された。生理的なインスリン分泌促進作用を持つGLP-1誘導体。さらに、低血糖が発現しにくく、体重増加がなく、むしろ体重を減少させ、その上、膵β細胞の機能を回復させる可能性が示唆されている。このように非常に期待できる有用な治療薬であり、わが国でもその使用が待たれているが、唯一の弱点は、皮下注射剤であるということである。インスリン注射と同様に、注射剤は、診療する医師にとっても、患者にとっても、なかなか導入が困難であるが、エクセナチドについては、週1回製剤も開発段階にあり、将来的には、週1回の注射のみで、良好な血糖コントロールが可能になる時代も期待できるかもしれない。次回は「(第51回日本糖尿病学会年次学術集会から)-2型糖尿病治療の新たな戦略-インクレチン治療(2) DPP-IV阻害薬」を紹介する。(ケアネット 栗林 千賀)

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9割は自分のHbA1c値を知らない

サノフィ・アベンティス株式会社が行った調査から、血糖コントロールの重要な指標となるグリコヘモグロビン(HbA1c)の認知度が低いことがわかった。調査は全国の30歳以上男女416人を対象にインターネットを通じて実施された。その結果、30代以上の男女95%が「糖尿病は怖い病気である」と回答する一方、92%以上が自分のHbA1c値を知らなかった。また特定健診については「知らない」が25%以上と認知度が低くく、実施の趣旨も全体の6割が「肥満の検査」と回答するなど、十分に理解されていないことが判明した。詳細はプレスリリースへhttp://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/ja/layout.jsp?scat=F46269E9-3D18-4250-BA23-5A6A7A0ECD74

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自己血糖測定は無益であるばかりか患者のうつ病悪化をもたらす

自己血糖測定は、血糖コントロールに有益な影響を及ぼさないばかりか、うつ病を増幅する――。新規の非インスリン治療の2型糖尿病患者を対象に、セルフモニタリングが、血糖コントロール、および患者の治療に対する姿勢、満足度に及ぼす効果を検討していたMaurice J O’Kane氏らESMON studyグループは、このような調査結果を報告した。BMJ誌2008年5月24日号(オンライン版2008年4月17日号)掲載より。セルフモニタリング群と対照群を1年間追跡ESMON studyは、自己血糖測定を行うよう介入を行った群(セルフモニタリング群)と非介入群(対照群)とを比較するプロスペクティブな無作為化試験である。70歳未満で新規に2型糖尿病と診断された184例(うち男性は111例)が参加。二次性糖尿病患者、インスリン治療対象者、自己血糖測定の経験がある者は除外された。セルフモニタリング群(96例、うち男性55例)と対照群(88例、うち男性56例)に無作為化された参加者は、3ヵ月に1回の間隔で1年間追跡調査が行われた。両群とも、同一内容の教育プログラムを受講した後、セルフモニタリング群にのみ付加的な教育が課せられた。主要評価項目は、HbA1c、心理的指標、経口血糖降下剤服用の有無、BMI、および報告された低血糖の頻度。両群間の基線値はほとんど差がなく、平均年齢はセルフモニタリング群57.7歳(SD:11.0)vs. 対照群60.9歳(11.5)。HbA1cは8.8%(2.1)vs. 8.6%(2.3)。ただしBMIについては、34(7)vs. 32(6.2)でセルフモニタリング群のほうが高かった。追跡期間中いずれに時点でも有意差認められず結果は、追跡調査期間中のいずれの時点でも、両群間に有意差は認められなかった。HbA1c(SD)は6.9%(0.8)vs. 6.9%(1.2)(P=0.69、差異に対する95%信頼区間:0.25%~0.38%)。BMIは33.1(6.4)vs. 31.8(6.0)(基線BMIに対する調整P=0.32)。経口血糖降下薬の使用や低血糖の頻度の報告数にも有意差は認められなかった。ただし、うつ病に関するスコア(well-beingアンケートに基づくサブスケールで測定)がセルフモニタリング群で6%高まっていた(P=0.01)。これらの結果から、「自己血糖測定が、血糖コントロールに有益な影響を及ぼすことはない。かえってうつ病悪化に結びつく」と結論している。

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費用対効果が高い糖尿病スクリーニング戦略とは?

英国レスター大学ヘルスケアサイエンス部門のClare L Gillies氏らは、2型糖尿病の4つのスクリーニング戦略について費用対効果を検証し、コストおよび臨床的な有益性に資する要素について検討した。その結果、高リスク患者(耐糖能異常)へのスクリーニング+治療介入という戦略に費用対効果が望めるようだと報告した。BMJ誌2008年5月24日号(オンライン版2008年4月21日号)掲載より。4つのスクリーニング戦略の費用対効果を検討比較検討されたのは、(1)早期発見と治療を目的に行われる1回限りのスクリーニング、(2)耐糖能(IGT)検査を行い異常が認められた者には糖尿病の発病予防および遅延のため生活改善指導を行うというスクリーニング戦略、(3)(2)に薬物療法を加えた戦略、(4)特に何も行わない(no screening)。4つの戦略について、スクリーニングから死亡までの介入を想定したモデル解析によって費用対効果の検討が行われた。想定モデルの母集団は、45歳時にスクリーニングを受けた者で以後(45歳以上)に糖尿病発病リスクを有する者。文献データベース、補足ソースとしてイングランド-ウェールズ保健省、STAR(screening those at risk)study、ADDITION studyのレスター大学分も加えたデータソースから、臨床試験および疫学研究を取り集めて解析が行われた。効果があるのはIGT患者を見いだし治療を行うこと解析は、各スクリーニング戦略の長期的な臨床効果および費用効果を検討するために開発された複合型デシジョンツリー/マルコフモデルによって実施。50歳時点で年3.5%の費用対効果を得ていると仮定するモデルを用い、感受性分析で最も大きな影響を及ぼした要因の同定が行われた。結果、QALY(生活の質で調整した生存率)を得るために各戦略が要したコスト(対no screening)は、(1)14,150ポンド(17,560ユーロ、27,860ドル)、(2)6,242ポンド、(3)7,023ポンド。2万ポンドを投じた場合に各戦略が費用対効果を得られる確率は、(1)49%、(2)93%、(3)85%であった。この結果を踏まえGillies氏は、「費用対効果があるスクリーニング戦略は、IGT患者を見いだし治療を行うことのようだ」と結論。スクリーニングの回数およびコンプライアンス、治療コンプライアンスは結果に影響しないとも述べている。ただし、耐糖能異常が見つかった場合で治療を行わなかった戦略の費用対効果は定かではないので、その点も含めさらなる長期の検証が必要だとも述べている。

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「厳格な血圧コントロール」と「腎機能の改善」によって糖尿病合併高血圧例の予後が改善 -Challenge DM study CKDサブ解析より-

CKD治療のポイントは「厳格な血圧コントロール」と「腎機能改善」5月31日、第51回日本腎臓学会学術総会において梅村敏氏(横浜市立大学大学院医学研究科病態制御内科学)は、腎機能の低下と不十分な血圧コントロールが糖尿病を合併した高血圧症例の心血管系イベントの発症を増加させることを示し、血圧コントロールと腎保護の重要性を訴えた。これは『Candesartan antiHypertensive Assessment for Long Life Enrolled by General practitioners - target on hypertension with Diabetes Mellitus (Challenge-DM) study』に参加した16,860例(有効性評価対象症例数)のうち、登録時から酵素法によって血清クレアチニン値を測定していた4,799例を用いたCKDサブ解析の結果によるもの。Challenge-DM studyは、糖尿病を合併した高血圧症例にカンデサルタンをベースとした治療を施行し、平均2年5ヵ月追跡した観察研究であり、総イベントは突然死、脳血管系イベント、心血管系イベント、脳・心血管疾患系イベント、重篤な不整脈、重篤な腎障害、その他の血管障害と設定された。eGFRが60mL/min/1.73m2未満をCKDと定義した場合、糖尿病を合併した高血圧症例4,799例中、1,704例(35.5%)が登録時にCKDであった。糖尿病合併高血圧にCKDを併発すると、心血管系イベントの発現がさらに高率になるCKD群では非CKD群と比べると、総イベントが有意に多く発現した。これをCKDのステージ分類別にみると、ステージ4(eGFR15以上30未満)群で14.6%と総イベント発現率が高く、ステージ3(eGFR30以上60未満)群と比較すると有意に高かった。CKDの放置は心血管系イベントの発症を招くまた、「登録時におけるCKDの有無」と「経過観察時におけるCKDの有無」によって、「登録時も経過観察時もCKDが認められなかった群(無→無群)」、「経過観察中にCKDが発症した群(無→有群)」、「経過観察中にCKDが改善した群(有→無群)」、「登録時も経過観察時も継続してCKDが認められた群(有→有群)」の4群に分けて解析した。「有→有群」は「無→無群」より有意に総イベント発現率が高く(p

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新たな抗酸化薬succinobucolは急性冠症候群の転帰を改善しない

 抗酸化薬succinobucol(AGI-1067)は、標準治療を受けている急性冠症候群(ACS)患者に併用投与しても心血管疾患の転帰を改善する効果はないことが、カナダMontreal大学Montreal心臓研究所のJean-Claude Tardif氏らが実施したプラセボ対照比較試験で明らかとなった。酸化ストレスおよび炎症は動脈硬化の病態生理に関与している。succinobucolは抗酸化薬プロブコールのモノコハク酸エステルであり、代謝が安定的でin vitroではプロブコールよりも細胞内の抗酸化作用が優れるという。Lancet誌2008年5月24日号掲載の報告。標準治療+succinobucolの効果を検討する無作為化プラセボ対照比較試験 研究グループは、従来の治療法で管理されている急性冠症候群(ACS)の心血管の転帰に及ぼすsuccinobucolの効果を評価するために、二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験を実施した。 対象は登録前14~365日にACSを発症した6,144例であり、標準治療との併用でsuccinobucol(3,078例)あるいはプラセボ(3,066例)を投与する群に無作為に割り付けた。登録は2003年7月に開始され、主要エンドポイントのイベント発生が規定数に達した2006年8月に終了した。 主要複合エンドポイントは、心血管死の初回発生までの期間、心停止からの蘇生、心筋梗塞、脳卒中、不安定狭心症、冠動脈血行再建術とした。主要複合エンドポイントのイベント発生に対する抑制効果は認めず 有効性の解析には無作為割り付けの対象となったすべての症例が含まれた。主要複合エンドポイントのイベント発生数はsuccinobucol群が530件、プラセボ群が529件であり、succinobucolの効果は認められなかった(ハザード比:1.00、95%信頼区間:0.89~1.13、p=0.96)。 副次複合エンドポイントである心血管死、心停止、心筋梗塞、脳卒中の発生数は、プラセボ群の252件に比べsuccinobucol群は207件と有意に少なかった(0.81、0.68~0.98、p=0.029)。3次エンドポイントである糖尿病の新規発症は、ベースライン時に糖尿病が見られなかったプラセボ群では1,950例中82例で発現したのに対し、succinobucol群では1,923例中30例と有意に少なかった(0.37、0.24~0.56、p<0.0001)。 心房細動はプラセボ群の2,787例中55例に見られ、succinobucol群では2,818例中107例に認められた(1.87、1.67~2.09、p=0.0002)。治療に関連した緊急の有害事象を報告した症例数は両群間で同等であったが、重篤な有害事象として出血(32例 vs 18例)および貧血(37例 vs 10例)を報告した症例は、プラセボ群よりもsuccinobucol群で多かった。 プラセボ群に比べ、succinobucol群ではLDLコレステロール、収縮期血圧が上昇し、HDLコレステロール、糖化ヘモグロビンが有意に低下した(p<0.0001)。 Tardif氏は、「succinobucolは主要エンドポイントに対する効果を認めなかったが、succinobucolを動脈硬化の患者あるいは抗糖尿病薬として使用する前に、効果および有害事象に関する他の臨床転帰の発生率の変化について、さらに評価を行う必要がある」と結論している。

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積極的なライフスタイル介入が、糖尿病の発症を長期的に抑制する

6年間の積極的なライフスタイルへの介入により、その後14年間にわたり糖尿病の発症予防あるいは遅延が可能なことが、中国・中日友好病院内分泌科のGuangwei Li氏らが実施した20年に及ぶフォローアップ研究の結果から明らかとなった。ライフスタイルに対する強力な介入により、耐糖能異常が見られる患者において2型糖尿病の発症率が低下することがわかっているが、これらのベネフィットは積極的介入終了後どのくらいの期間持続するか、またこのような介入の心血管疾患や死亡リスクの低減効果については不明である。Lancet誌2008年5月24日号掲載の報告。耐糖能異常に対する食事/運動療法の長期的効果を評価本試験は、ライフスタイルに対する強力な介入による、糖尿病、糖尿病性の大血管/小血管合併症、死亡に対する長期的な効果を評価する縦断的フォローアップ研究(China Da Qing Diabetes Prevention Study; CDQDPS)である。1986年、中国の33施設に耐糖能異常を呈する577名の成人が登録され、対照群あるいは3つのライフスタイル介入(食事療法、運動療法、食事+運動療法)のうち1つを実施する群に無作為に割り付けられた(対照群:138人、介入群:438人)。積極的介入は1992年まで6年にわたって実施された(対照群:133人、介入群:397人)。2006年、介入の長期的効果を評価するためのフォローアップを実施した(対照群:82人、介入群:266人)。主要評価項目は、糖尿病の発症、心血管疾患の発症、死亡、全原因死亡であった。介入群の糖尿病発症率が20年間で43%低下2006年までに142人(25%)が死亡し、426人(74%)が生存していた。対照群に比べ介入群は、介入実施中の糖尿病発症率が51%低下し(ハザード比:0.49、95%信頼区間:0.33~0.73)、20年間では43%低下していた(0.57、0.41~0.81)。20年間の累積糖尿病発症率が介入群80%、対照群93%とすると、糖尿病の年間平均発症率は対照群の11%に対し介入群では7%であった。介入群の糖尿病罹患期間は、対照群よりも3.6年短かった。心血管疾患の初回イベント発生率(0.98、0.71~1.37)、心血管疾患死亡率(0.83、0.48~1.40)、全原因死亡率(0.96、0.65~1.41)は両群間に有意な差を認めなかったが、本試験はこれらの転帰の差を検出するには統計学的なパワーに限界があった。Li氏は、「6年間のライフスタイルへの積極的介入により、介入終了後14年間にわたり糖尿病の発症予防あるいは遅延が可能であった。心血管疾患、死亡のリスクの低減効果については明らかでなかった」と結論し、「毎年、世界で300万人以上が糖尿病が原因で死亡している。ライフスタイル介入は、公衆衛生学的な対策として開発途上国、先進国の双方において正当化できる方法と考えられる」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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PCI前提で早期にabciximabを投与しても転帰改善に寄与しない

急性のST上昇型心筋梗塞患者に対して、プライマリ経皮的冠動脈形成術(PCI)を施行する直前に抗血小板薬abciximabを投与するより、もっと早い段階で、abciximabとreteplase半量を投与する「併用facilitated-PCI」、もしくはabciximabを単独投与する「abciximab facilitated-PCI」を行ったほうが、転帰が改善する可能性があるのではないか。大規模な試験が行われていたが、米国・クリーブランド・クリニックのStephen G. Ellis氏らは「PCIを前提として早期にfacilitated-PCIを行っても、臨床転帰は改善されない」との結果を報告した。NEJM誌2008年5月22日号より。2,452例を対象にPCI「前処置」と臨床転帰を比較これは、患者計2,452例を対象に行われた国際的な二重盲検プラセボ対照試験で、患者はST上昇型心筋梗塞を発症してから6時間以内に、「併用facilitated-PCI」または「abciximab facilitated-PCI」もしくは「プライマリPCI」に無作為に割り付けられた。すべての患者には、PCI前に未分画ヘパリンまたはエノキサパリンが投与され、PCI後には12時間のabciximab静脈投与が行われた。主要エンドポイントは、全死因の死亡、無作為化後48時間以降に発生した心室細動、心原性ショック、無作為化後90日間に発症したうっ血性心不全の複合とした。ST上昇は解消するがエンドポイントには有意差なしST上昇がいち早く解消された患者は、併用facilitated-PCI群の43.9%に対して、プライマリPCI群31.0%、abciximab facilitated-PCI群は33.1%と、後二者に比べて有意に高かった(それぞれP = 0.01と同 = 0.003)。これに対して主要エンドポイントの発生は、併用facilitated-PCI群は9.8%だったが、abciximab facilitated-PCI群は10.5%、初回PCI群が10.7%だった(P = 0.55)。また、90日間の死亡率はそれぞれ5.2%、5.5%、4.5%だった(P = 0.49)。この結果、ST上昇型心筋梗塞の患者に対して、PCI施行直前になってからabciximabを投与するのではなく、PCIを前提として発症後早期にabciximabおよびreteplaseを投与する「併用facilitated-PCI」または「abciximab facilitated-PCI」を行っても、臨床転帰は有意に改善されないと結論している。(武藤まき:医療ライター)

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遺伝子治療でレーバー先天性黒内障患者は失明から救われる?

 レーバー先天性黒内障(LCA)は幼児期に発症し重度の視力障害から青年期には失明に至る一群の遺伝性疾患。異常な眼振を主症状とし網膜電図検査と対光反射で診断が行われるが、治療は現在のところない。ペンシルベニア大学Scheie Eye InstituteのAlbert M. Maguire氏らは、同疾患のうちLCA2の患者に対して遺伝子治療を行い、正視には至らなかったが有害事象もなく視力改善に成功したことを報告した。NEJM誌2008年5月22日号(オンライン版4月27日号)に掲載されたブリーフレポートより。組み換え型アデノウイルスベクターを網膜下に注入 LCA2は網膜色素上皮特有の遺伝子RPE65の突然変異によって発症することから、RPE65相補DNAを含む組み換え型アデノウイルスベクターであるAAV2.hRPE65v2を網膜下に注入する遺伝子治療が行われた。本手法についてはすでにイヌモデルでの長期の視覚機能回復の実証データがあり、ヒトでの安全性が検討された。 患者は2007年9月~2008年1月の間に治験登録した19歳女性と26歳男女の計3人。フィラデルフィア小児病院で生成された最新のベクターが全身麻酔下で、右眼にのみ注射された。 術後6ヵ月間、主観的な視力テスト、対光反射および眼振テストが行われ安全性および有効性が評価された。 臨床的ベネフィットは6ヵ月経っても継続 患者は3人とも術後2週時点で主観的な視力テストで網膜機能に適度の改善が認められた。対光反射も改善し、治療を受けた右眼は術前より約3倍、光に対する感度が増していた。眼振については治療後、右眼だけでなく左眼ともに減少が認められた。 障害物コースの操縦テストについては、治療前は大きな困難があったにもかかわらず治療後は可能となった患者が1人いた。 視力の改善について、6週時点まで向上し続けその後改善率は鈍化したことが観察されている。また1人の患者について、治療を受けていない左眼の視力も改善していたが、これはイヌモデルでも報告されたように、眼振の改善に伴うものではないかとしている。 ベクター曝露に関連した有害事象は局所性・全身性ともに認められなかった。患者のうち1人に無症候性黄斑円孔が発症したが、炎症性あるいは急性の網膜毒性の徴候は認められなかった。また無症候性黄斑円孔を発症した患者も、網膜機能は治療前より回復している。 患者に対する臨床的ベネフィットは6ヵ月経っても継続。Maguire氏は安全性と有効性を評価するため、より長期および大規模な試験が必要であること、また「弱視と網膜変性が確定される前、すなわち小児期に治療を行えばより有効性が向上するのでは」と述べ、「追跡期間が短く正視には至っていないが、今回の治験結果はLCAおよび一連の他網膜変性疾患への遺伝子治療のアプローチの可能性を示すものとなった」とまとめた。

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16-17歳の献血は合併症リスクが高い

米国では輸血や製剤用の血液需要増加を背景に、献血年齢の引き下げを求める動きが高まっているが、「若年」「初回献血」は合併症のリスクが高いことが知られている。このため米国赤十字社のAnne F. Eder氏らが、16-17歳の献血者の合併症リスクを調査。「献血リスクは年長者より高く、ドナーの安全に対する適切な対策が必要」と報告した。JAMA誌2008年5月21日号より。巡回採血車で献血の高校生と18歳以上を比較米国赤十字社による若年者(16-17歳)の献血量は、すでに全献血量の約8%を占め、各地の高校を定期的に回る採血車で献血する若者のうち、16-17歳の提供者は80%に上る。Eder氏らの調査は、採血車を運行する米国内9ヵ所の地方血液センターから、標準的な採血手順と定義、報告様式に基づくデータを求め、16-17歳で全血献血した者の合併症を、年長者と比較して評価した。対象は、2006年に米国赤十字社が9センターで採血した全血献血者で、16-17歳が14万5,678例、18-19歳が11万3,307例、20歳以上は151万7,460例。主要評価項目はドナー1万人当たりの全身性(失神など)等の合併症発生率とした。献血後に失神・転倒して負傷するケースも各年齢層の合併症は、16-17歳が1万5,632例(10.7%)、18-19歳が9,359例(8.3%)、20歳以上は4万2,987例(2.8%)で、多変量ロジスティック回帰分析の結果、「若年」であることが合併症と最も強く関連(オッズ比:3.05、95%信頼区間:2.52~3.69、P<0.001)。次いで、「初回献血」(2.63、2.24~3.09、P<0.001)、「女性」(1.87、1.62~2.16、P<0.001)と続いた。失神して転倒、負傷するケースもあり、16-17歳群が86件(5.9件/万)と有意に多く、18-19歳群が27件(2.4件/万、オッズ比:2.48、95%信頼区間:1.61~3.82)、20歳以上群が62件(0.4件/万、14.46、10.43~20.04)の順だった。16歳の献血者で、軽度でも合併症を経験したグループが12ヵ月以内に再献血する割合は、問題のなかったグループより少なかった(52%対73%、オッズ比:0.40、95%信頼区間:0.36~0.44)。こうした結果からEder氏らは「16-17歳の若者が献血した場合、年長者より高い頻度で合併症と傷害が起こる。定期的に採血車が巡回する高校で、若い献血者を確保・維持するには、ドナーの安全に配慮する必要がある」としている。(朝田哲明:医療ライター)

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酸化LDLが高値ほどメタボ発症率上昇

実験レベルでは、酸化LDLとメタボリックシンドロームの関与説が支持されているが、ヒトレベルではどうなのか。メタボリックシンドロームと酸化LDLの関係を検証していたオランダ・ルーヴァン・カトリック大学のPaul Holvoet氏らは、「血中の酸化LDLレベルが高いとメタボリックシンドロームの発症率は上昇する」との報告を行った。JAMA誌2008年5月21日号より。米国の都市住民1889例を20年間追跡調査住民ベースで前向きの観察研究「The coronary artery risk development in young adults」(CARDIA)に、1985~1986年に登録された、米国4大都市圏に居住する18歳~30歳の参加者1,889例(アフリカ系アメリカ人41%、女性56%)を対象に、登録から15年目(2000-2001年、年齢33~45歳)および20年目(2005-2006年)の時点で、血中酸化LDLレベルとメタボリックシンドローム発症の頻度を比較した。酸化LDLレベルは、モノクロナール抗体による検定法で測定。メタボリックシンドロームの定義は、米国の「Cholesterol Education Program」が規定した「Adult Treatment Panel III」によった。当初ゼロから20年後には12.9%が発症追跡調査15年時点ではメタボリックシンドローム事象が見られなかった参加者だが、20年時点では12.9%(1,889例中243例)がメタボリックシンドロームと診断された。この5年間の調査結果を、年齢、性別、人種、検査センター、喫煙、BMI、身体活動度、LDLコレステロール濃度で補正して、酸化LDLレベル5分位ごとに分け、メタボリックシンドローム発症オッズ比を対最小値(<55.4 U/L)群で見たところ 第2分位(55.4~69.1 U/L)では2.1(95%信頼区間:1.1~3.8) 第3分位(69.2~81.2 U/L)では2.4(1.3~4.3) 第4分位(81.3~97.3 U/L)では2.8(1.5~5.1) 第5分位(97.4 U/L以上)では3.5(1.9~6.6)とレベルが上がるほど高くなる相関が確認された。メタボリックシンドロームの各構成要素のオッズ比は、第1分位 vs 第5分位では腹部肥満が2.1(95%CI:1.2~3.6)、高血糖が2.4(95%CI:1.5~3.8)、高TG血症は2.1(95%CI:1.1~4.0)だった。しかし、LDLコレステロール値とメタボリックシンドローム発症との相関関係は確認されなかった。また、酸化LDLを組み込んだ完全調整モデルで構成要素の関連は確認されなかったが、Holvoet氏らは上記結果を踏まえ「血中の酸化LDLレベルが高いほど、個々の症状だけでなく、全体としてメタボリックシンドロームの発症増加に関係する」と結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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医療従事者向けの子宮頸がん情報サイト開設

グラクソ・スミスクライン株式会社は、同社ホームページ内の医療従事者向けページに子宮頸がん情報サイトを新しく開設した。子宮頸がんクリップアート(診療や講演の際に使える子宮頸がんに関する画像集)や子宮頸がんムービー(発がん性ヒトパピローマウイルスの感染からがん発症までのプロセスをわかりやすく解説した動画コンテンツ)、プレゼンテーションスライド、オンライン・コンファレンス: 専門医による子宮頸がんに関する講演の模様を動画配信などを提供する。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2008_01/P1000482.html

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新たな脳卒中の再発予防手段の誕生か? ~EPAが脳卒中の再発リスクを抑制(JELISサブ解析)~

高純度EPA製剤の有用性を検討したJELIS*(Japan EPA Lipid Intervention Study)のサブ解析が、雑誌『Stroke』のオンライン版に掲載された(1)。今回発表されたサブ解析は、脳卒中の発症抑制効果を調べたものである。結果、脳卒中の初発予防に関して、EPA投与群で8,841例中133例(1.5%)、EPA非投与群で8,862例中114例(1.3%)の発症率となり、統計学的な有意差は認められなかった。一方、脳卒中の再発予防に関しては、EPA投与群で485例中33例(6.8%)、EPA非投与群で457例中48例(10.5%)の発症率となり、相対リスクは20%減少した。わが国では、降圧療法の普及などにより、脳卒中の死亡者数が大きく減少したことは有名である。しかし、ここ数年その減少は下げ止まり、再び上昇に転じる様相も見せている。また脳卒中の慢性期患者は増加し、「寝たきりの原因の第一位」、「医療費第一位」という新たな問題を生み出している。そのようなことから、現在、降圧に次ぐ新たな治療手段が求められていた。これまで、アトルバスタチンを用いたSPARCL(Stroke Prevention by Aggressive Reduction of Cholesterol Lowering)で、脳卒中の再発抑制が認められたことから、新たな脳卒中再発抑制手段としてアトルバスタチンによるLDLコレステロールの管理が期待されていた(2)。今回発表されたJELISサブ解析の結果は、アトルバスタチンに続き、脳卒中再発予防に対する新たな手段としての「高純度EPA製剤」を提案したと言えるのではないだろうか。*JELIS(Japan EPA Lipid Intervention Study)日本人の高コレステロール血症18,645例(1次予防:14,931例、二次予防:3,664例)を対象とした無作為化非盲検化比較試験で、スタチン療法に加え、EPAの投与により心血管イベントの発症が抑制されるかを検討した試験。約5年間の追跡調査の結果、1次エンドポイント(主要な冠動脈イベント)はEPA投与群で有意に19%減少した(3)。既にスタチンが投与されている患者に対してもEPAを投与することにより、さらに心血管イベントを抑制できることを示した。 (1) Tanaka K et al. Stroke. 2008, [Epub](2) Amarenco et al. N Engl J Med. 2006; 355: 549-559(3) Yokoyama M et al. Lancet. 2007; 369: 1090-1098(ケアネット 鈴木 渉)

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子癇前症をきたす妊婦は妊娠第1、2期の平均動脈圧が高い

妊娠第1、2期の血圧測定において、子癇前症の最も優れた予測因子は平均動脈圧であることが、オランダ・アカデミック医療センター一般医療科のJeltsje S Cnossen氏らが行ったメタ解析で明らかとなった。子癇前症は、母子ともに重篤な結果がもたらされる可能性があるため、妊娠期の重要な疾患とされる。子癇前症を呈する女性は、正常妊婦に比べ妊娠第1、2期および妊娠前の平均動脈圧が高いとする研究がある。BMJ誌2008年5月17日号(オンライン版2008年5月14日号)掲載の報告。子癇前症の検出における種々の血圧関連因子の正確度を評価研究グループは、子癇前症の検出における収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧、血圧上昇の正確度(accuracy)の評価を目的に、系統的なレビューとメタ解析を行った。解析対象のデータは、医学データベース、論文や総説の文献リストなどから抽出した。記述言語に制限は設けず、子癇前症の検出を目的に妊娠中の血圧測定値の正確度を評価した論文を、2名の研究者が個々に選択した。2×2テーブルを作成するために、試験の特性、質、結果に基づいてデータが抽出された。サマリー受信者動作特性曲線(SROCC)および尤度比が種々のレベルおよびその閾値に対して算出された。妊娠第2期平均動脈圧>90mmHgの陽性尤度比3.5、陰性尤度比0.4634試験に登録された6万599人の女性(子癇前症3,341例)が解析の対象となった。子癇前症の低リスク群における妊娠第2期血圧測定値の収縮期血圧に対するSROCC下面積は0.68(95%信頼区間:0.64~0.72)、拡張期血圧に対するSROCC下面積は0.66(0.59~0.72)、平均動脈圧に対するSROCC下面積は0.76(0.70~0.82)であった。妊娠第1期についても類似のパターンが示された。妊娠第2期平均動脈圧>90mmHgにおける陽性尤度比は3.5(2.0~5.0)、陰性尤度比は0.46(0.16~0.75)であった。高リスクとされた群では、妊娠13~20週の拡張期血圧>75mmHgが子癇前症を最もよく予測した[陽性尤度比:2.8 (1.8~3.6)、陰性尤度比:0.39(0.18~0.71)]。付加的なサブ解析では、予測値の正確度の改善は示されなかった。Cnossen氏は、「妊娠第1、2期の血圧測定時は、収縮期血圧、拡張期血圧、血圧上昇よりも平均動脈圧が子癇前症のより優れた予測因子であった」と結論し、「妊娠第1、2期の健常な正常血圧女性では、初回妊産婦検診時の血圧測定は子癇前症の予測には役立たない」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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BPLTTCから新たなメタ解析:65歳の上下で降圧薬の有用性を比較

降圧大規模試験に関する前向きメタ解析であるBlood Pressure Lowering Treatment Trialists’Collaboration(BPLTTC)から新たなデータが報告された。65歳未満の高血圧患者には「ACE阻害薬」、「より積極的な降圧」、「利尿薬またはβ遮断薬」がイベント抑制の観点からは好ましいようだ。BMJ誌2008年5月17日号(オンライン版2008年5月14日号)からの報告。31試験20満例弱を対象今回解析対象となったのは31試験に参加した190,606例。異なった薬剤あるいは降圧目標を比較した降圧無作為化試験のうち、1,000人年以上の規模を持ち2006年9月までにデータを入手でき、かつ本メタ解析が事前に定めている患者情報の得られた試験である。65歳「未満」群(平均年齢57歳)と「以上」群(平均年齢72歳)に分け、1次評価項目である心血管系イベント(脳血管障害、冠動脈イベント[突然死含む]、心不全)のリスクが比較された。65歳「以上」「未満」間で有意なバラツキみられず結果だが、まずプラセボ群と比較したACE阻害薬群、Ca拮抗薬群の心血管系イベント減少率は65歳「未満」「以上」で同等だった。すなわちプラセボ群と比較したACE阻害薬群の心血管系イベント相対リスクは、65歳未満で0.76(95%信頼区間:0.66~0.88)、65歳以上で0.83(95%信頼区間:0.74~0.94)[バラツキ:P=0.37]、Ca拮抗薬群では65歳未満0.84(95%信頼区間:0.54~1.31)、65歳以上0.74(95%信頼区間:0.59~0.92))[バラツキ:P=0.59]だった。「非積極的降圧」と「積極的降圧」を比較しても同様で、積極的降圧群の相対リスクは65歳未満で0.88(95%信頼区間:0.75~1.04)、65歳以上1.03(95%信頼区間:0.83~1.24 [バラツキ:P=0.24] となっていた。「ACE阻害薬 vs 利尿薬またはβ遮断薬」、「Ca拮抗薬 vs 利尿薬またはβ遮断薬」、「ACE阻害薬 vs Ca拮抗薬」、「ARB vs その他」で比較しても同様で、65歳「以上」と「未満」の間にイベント抑制作用の有意なバラツキはみられなかった。65歳「未満」・「以上」ではなく年齢を連続変数として解析しても、各種降圧薬による心血管系イベント抑制作用は有意な影響を受けていなかった。なお65歳「未満」と「以上」の間に「一定度の降圧により得られるイベント相対リスクの減少率」の差もなかった。降圧治療は少なくとも本解析で検討された範囲であれば年齢の高低を問わず有用であり、また年齢により降圧薬の有用性に差はない──と研究者らは結論している。(宇津貴史:医学レポーター)

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Challenge DM study発表される! -血糖管理に加えて徹底した血圧管理が心血管系イベントを抑制する重要な戦略-

17,000例を超える糖尿病合併高血圧例の観察研究がお披露目 23日、第51回日本糖尿病学会年次総会において河盛隆造氏(順天堂大学医学部)は、17,000例を超える糖尿病を合併した高血圧症例に関する観察研究『Candesartan antiHypertensive Assessment for Long Life Enrolled by General practitioners - target on hypertension with Diabetes Mellitus (Challenge-DM) study』の結果を初めて公表し、血糖管理に加えて血圧を130/80mmHg未満にコントロールすることで、さらに30%の心血管疾患系イベントの発症を抑制できることを示した。Challenge-DM studyは、糖尿病を合併した高血圧症例17,622例にカンデサルタンをベースとした治療を施行し、平均2年5ヵ月追跡した観察研究である。総イベントは突然死、脳血管系イベント、心血管系イベント、脳・心血管疾患系イベント、重篤な不整脈、重篤な腎障害、その他の血管障害と設定された。130/80mmHg未満にコントロールされていた症例は20%に満たない 『高血圧治療ガイドライン2004年版』(JSH2004)では糖尿病を合併した高血圧症の降圧目標を130/80mmHg未満と設定しているが、Challenge-DM studyにおいてこの目標値に到達した割合は1年後で13.6%、3年後で18.0%に留まった。降圧目標未達例における使用降圧薬数は平均1.9剤、カンデサルタンの平均用量は7.3mg/日と、標準用量の8mgを下回っていた。 一方、血糖管理については『糖尿病治療ガイド2008-2009』では、HbA1c<6.5%を「良」とし、まずは「良」を目指すべき管理目標値として定めているが、この推奨値に到達した割合は1年後で44.8%、3年後で45.4%であった。血圧値、HbA1c値、総コレステロール値、トリグリセリド値の全てがガイドライン推奨値に到達した割合は3年後においてもわずか3.2%に過ぎなかった。血糖管理+血圧管理によって、さらに30%のイベント抑制が可能に 有効性評価対象症例数16,869例中、826例に総イベントが認められ、これは年間1,000人あたり20.7人が発現することになり、この成績について河盛氏は、「10年も前に発表された久山町研究と大きく変化していない」と治療の選択が増えたにも関わらず改善していない状況を問題視した。 これをHbA1c値が6.5%未満に到達した7,651例と、6.5%以上であった9,017例に分けて解析すると、6.5%未満にコントロールすることで総イベント発現率が15%有意に低下することが示された。さらに6.5%未満にコントロールされていた7,651例を血圧値が130/80mmHg未満であった1,391例と130/80mmHg以上であった6,260例に分けて解析すると、降圧目標に達していた130/80mmHg未満群では、達していなかった群に比べて30%有意に軽減できることが明らかにされた。このことは日本人の糖尿病を合併した高血圧症例においてHbA1c値を6.5%未満にコントロールすることの重要性を示した初のエビデンスであるとともに、血圧を130/80mmHg未満に低下させることの意義を示した。 >総イベントの発現率を使用されていた糖尿病治療薬別にみると、インスリン抵抗性改善薬ピオグリタゾンが投与されていた群では、非投与群に比べ有意に少なかったという糖尿病を治療する医師の立場にとって非常に興味深い結果が得られたと発表した。 以上、Challenge-DM studyについて発表された内容をまとめてみたが、ここからは既報の糖尿病合併高血圧症に関する知見より、今回発表されたChallenge-DM studyも交えて考察してみる。糖尿病と高血圧は合併しやすく、合併することで危険度が高まる 糖尿病症例では高血圧を併発しやすく、端野・壮瞥町研究によると糖尿病の実に62%が高血圧を伴っている1)。またその逆も然りで、高血圧患者において糖尿病の頻度は2~3倍高い。糖尿病患者は非糖尿病患者に比べ、心血管系疾患が2~3倍高率に発症する。高血圧の合併は心血管系疾患の発症率をさらに2~3倍増加させる。厳格な血圧管理によって心血管系イベントが抑制できることは証明済み このような糖尿病合併高血圧に対し、厳格な血圧管理(平均144/82mmHg)を行った群と、通常の血圧管理(平均154/87mmHg)を行った群を比較した介入試験UK Prospective Diabetes Study Group(UKPDS)試験において、厳格な血圧管理によって心血管系疾患の発症率が有意に少ないことが示された2)。また、最適な降圧目標を検証するために実施されたHypertension Optimal Treatment (HOT)試験では、拡張期血圧80mmHg以下を降圧目標にした群で、85mmHg以下群、90mmHg以下群に比べて心血管系イベントの発現リスクが有意に低かったことが示された3)。これらの試験結果より「糖尿病を合併した高血圧」においては130/80mmHg未満を降圧目標として設定されている。糖尿病患者さんの血圧コントロールは難しい しかし、この降圧目標はReal Worldでは20%も達成されておらず、わが国で2002年に実施された疫学研究によると、糖尿病合併高血圧症例のわずか11.3%しか130/80mmHg未満に達成していない4)。また、降圧薬を服用中の高血圧症例のうち、糖尿病を合併していた症例における解析においては、家庭血圧計において130/80mmHg未満に到達していた割合は18%に過ぎなかったことも報告されている5)。Challenge-DM studyにおいても目標血圧到達率は20%未満であり、目標到達の難しさを支持している。8割以上の医師が「糖尿病患者さんの血圧は130/80mmHg以下に!」と考えている 弊社が高血圧症例を10例/月以上診察しているケアネット会員医師を対象に実施した2007年6月に実施したアンケート調査によると、回答した81%の医師が糖尿病合併高血圧症に対しては130/80mmHg以下を治療目標としており、この点ではガイドラインが推奨する目標値との乖離はそれほど大きくない(ただし、58%の医師が130/80mmHgと回答)。心血管イベント発現抑制のカギは「徹底した血圧管理」 前述のUKPDS試験は収縮期血圧を10mmHg、拡張期血圧を5mmHg低下させることにより、HbA1c値を0.9%低下させるよりも、合併症のリスク低下が大きい傾向が認められ、糖尿病患者における血圧管理の重要性も示した。この結果は、糖尿病患者において血圧のコントロールが血糖のコントロールに勝るとも劣らない効果を有することと、血圧は低ければ低いほどよいことを示した。Challenge-DM studyは、血糖値に加えて血圧値もガイドラインで推奨されている範囲にコントロールできた場合、血糖値だけがコントロールできている場合よりさらにイベントの発現を30%低下させられることを証明した。この研究では血糖値と血圧値が目標レベルに達していたのは8%ほどであったが、とくに達成率が低かった血圧値をより厳格に管理することで心血管系疾患の発症を抑制されることができるのではないだろうか。カンデサルタンとピオグリタゾンの併用に新たな可能性 「HbA1c値を6.5%未満に管理した上で血圧を厳格にコントロールする」、Challenge-DM studyはもう1つイベントの発現を低下させる戦略を示している。ピオグリタゾン投与例では、非投与例に比べ、総イベント発現率が有意に少なかった。 これに関連して、最近、熊本大学 中村・光山氏のグループは、脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)においてピオグリタゾンの糖代謝改善作用と独立した心筋における抗炎症作用、線維化抑制作用、血管内皮機能改善作用、心筋・血管に対する抗酸化作用があることをHypertension誌に発表した6)。そしてこれらの作用はカンデサルタンの併用により増強されるというのである。 今回、Challenge-DM studyにおいてピオグリタゾン投与例でイベント発症率が低かったことは、基礎研究の結果が臨床においてその有効性が窺えたと考えられる。今後、無作為化比較試験が実施され、この新しいレジメンの有用性が証明されることを期待したい。1) Iimura O:Hypertens Res.1996;19(Suppl 1):S1-S82) UK Prospective Diabetes Study Group:BMJ.1998;317:703-7133) Hansson L et al:Lancet.1998;351:1755-17624) Mori H et al:Hypertens Res.2006;29:143-1515) Obara T et al:Diabetes Res Clin Pract.2006;73:276-2836) Nakamura T et al:Hypertensio

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中等度~重度の乾癬に対するustekinumabの有効性と安全性を確認

中等度~重度の乾癬に対する抗インターロイキン(IL)-12/23ヒトモノクローナル抗体ustekinumab(ウステキヌマブ、CNTO 1275)の有効性が、米国Saint Louis医科大学のCraig L Leonardi氏らが行った第III相試験(PHOENIX 1)で確認された。乾癬は皮膚の慢性的な免疫介在性炎症性疾患であり、世界の人口の2~3%が罹患しているという。ustekinumabは乾癬の病態生理で重要な役割を担うヒトIL-12とIL-23の共通サブユニットp40蛋白に特異的に結合することで細胞表面上のIL12Rβ1受容体との相互作用を阻害する。同様の試験PHOENIX 2でも同様の結果が得られており、ともにLancet誌2008年5月17日号で報告された。2種類の用量とプラセボの短期的効果、長期的な維持療法の効果を検証本研究は、2005年12月~2007年9月に北米およびベルギーの48施設で実施された二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験。中等度~重度の乾癬766例が、0および4週(12週ごと)にustekinumabを45mg投与する群(255例)、90mg投与する群(256例)、プラセボ群(255例)に無作為に割り付けられた(プラセボ対照期:0~12週)。プラセボ投与群は12週時にustekinumab 45mg投与群(123例)あるいは90mg投与群(120例)に割り付けられた(プラセボクロスオーバー・積極的治療期:12~40週)。0週にustekinumabの投与を受けた例のうち長期的な有効性[28および40週に、乾癬範囲および重症度指標が少なくとも75%改善(PASI 75)]が達成された症例は、40週の時点で、効果が消失するまで同用量で維持療法を継続する群と治療を中止する群(プラセボ投与)に無作為に割り付けられた(無作為化治療中止期:40~76週)。ustekinumab投与群の有効性は短期的にも長期的にも有意に優れる12週の時点で、45mg投与群の171例(67.1%)、90mg投与群の170例(66.4%)、プラセボ群の8例(3.1%)がPASI 75を達成した(プラセボ群に対し45mg投与群:p<0.0001、90mg投与群:p<0.0001)。40週における長期的な効果は45mg投与群の150例、90mg投与群の172例で達成された。これらのうち、162例が維持療法群に、160例が治療中止群に割り付けられた。PASI 75は、40週で治療が中止された群よりも維持療法が行われた群において少なくとも1年以上にわたり良好に維持された[p<0.0001(log-rank検定)]。12週までの有害事象は、ustekinumab投与510例のうち278例(54.5%)に、プラセボ群255例のうち123例(48.2%)に認められた。重篤な有害事象は、それぞれ6例(1.2%)、2例(0.8%)であった。有害事象のパターンは、プラセボクロスオーバー・積極的治療期、無作為化治療中止期ともに、プラセボ対照期ときわめて類似していた。Leonardi氏は、「中等度~重度の乾癬に対するustekinumabの12週ごとの投与法は、多くの症例において少なくとも1年間は効果が持続しており、安全に投与可能なことが示唆された」と結論し、「この高い有効性は、現在使用されている生物学的製剤に匹敵する」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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悪性胸膜中皮腫、化学療法のベネフィットはほとんど期待できないが…

積極的症状コントロール(ASC)に化学療法を追加しても、悪性胸膜中皮腫の生存およびQOLにベネフィットはもたらされないことが、英国Leeds総合診療所のMartin F Muers氏らが実施した多施設共同無作為化試験(MS01)で明らかとなった。悪性胸膜中皮腫はほぼ致死的な疾患であり、現状では治療選択肢はほとんどない。これまでASCが推奨されてきたが、化学療法の役割についてはコンセンサスが得られていなかったという。Lancet誌2008年5月17日号掲載の報告。ASC単独とASCに2種類の化学療法レジメンを追加する3群を比較MS01試験には、2001年9月~2006年7月に英国の76施設およびオーストラリアの2施設から悪性胸膜中皮腫409例が登録され、以下の3群に無作為に割り付けられた。ASC単独群(136例):ステロイド薬、鎮痛薬、気管支拡張薬、緩和的放射線照射などを実施、ASC+MVP群(137例):ASCに加えマイトマイシンC 6mg/m2+ビンブラスチン6mg/m2+シスプラチン50mg/m2の3週ごとの投与を1コースとして4コース施行、ASC+V群(136例):ASCに加えビノレルビン30mg/m2を週1回、12週間投与。無作為割り付けはPS(WHO)、組織型、施設により層別化した。フォローアップは無作為割り付け後から3週ごとに21週行い、その後は8週ごとに実施した。症例登録の進捗が遅かったため、主要評価項目である全体の生存率については2つの化学療法併用群を統合してASC単独群と比較した。探索的な解析ではビノレルビンによる生存ベネフィットの可能性示唆解析時には393例(96%)が死亡していた[ASC単独群:132例(97%)、ASC+MVP群:132例(96%)、ASC+V群:129例(95%)]。ASC単独と比較してASC+化学療法の生存ベネフィットは大きくなく、有意差な差は認めなかった(ハザード比:0.89、95%信頼区間:0.72~1.10、p=0.29)。生存期間中央値はASC単独群が7.6ヵ月、ASC+化学療法群は8.5ヵ月であった。探索的な解析では、ASC+V群の生存期間中央値は9.5ヵ月であり、ASC単独に比べ有意差はないものの生存への寄与が示唆された(0.80、0.63~1.02、p=0.08)。ASC+MVP群の生存ベネフィットを示すエビデンスは得られなかった(0.99、0.78~1.27、p=0.95)。事前に設定されたQOLに関する4つのサブスケール[身体機能、疼痛、呼吸困難、全般的健康状態(global health status)]は、治療開始から6ヵ月間のいずれの時点の評価でも各群間に差は見られなかった。Muers氏は、「悪性胸膜中皮腫の管理では、ASCに化学療法を追加しても生存およびQOLに有意なベネフィットはもたらされない」と結論したうえで、「探索的な解析の結果により、1つの治療選択肢としてビノレルビンにシスプラチンやペメトレキセドを併用するアプローチは試みる価値があることが示唆されるが、他の多くのと同様に、悪性胸膜中皮腫の場合も新規抗剤や分子標的薬がもっとも有望かもしれない」と考察している。(菅野守:医学ライター)

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複数バイオマーカーの使用が心血管系の死亡リスク予測に有用

心血管系に起因する高齢者の死亡リスクを予測するために、スウェーデン・ウプサラ大学のBjorn Zethelius氏らは、確立したリスク因子の他に、異なる疾患経路に複数のバイオマーカーを加えることの有用性を検討。心血管だけでなく腎の異常についてのバイオマーカーも加えると、心血管系の死亡リスクの層別化が改善されると報告している。NEJM誌2008年5月15日号より。高齢男性対象に腎不全と炎症のマーカーも追加高齢男性を対象とした地域ベースのコホート研究である「ウプサラ成人男性縦断研究」(ULSAM)のデータを使い、参加者1,135例(ベースラインの平均年齢71歳)について、追跡調査(中央値10.0年)を行った。心筋細胞傷害、左室機能不全、腎不全および炎症を反映するバイオマーカー(それぞれトロポニンI、N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド、シスタチンC、C反応性蛋白)の組み合わせが、すでに確立している心血管疾患のリスク因子(年齢、収縮期血圧、降圧剤使用の有無、総コレステロール、高比重リポ蛋白コレステロール、脂質降下剤使用の有無、糖尿病の有無、喫煙状態、肥満度指数)に基づく評価より、個人のリスク層別化を改善するかどうかを検討した。心血管疾患の有無にかかわらずリスク予測を改善追跡調査の間に1,135例中315例が死亡し、うち136例は心血管疾患による死亡だった。確立したリスク因子で補正したコックス比例ハザードモデルでは、すべてのバイオマーカーが、心血管系の原因による死亡リスクを有意に予測した。前記の4バイオマーカーを、確立したリスク因子のモデルに組み込むと、C統計量は、全コホート(バイオマーカー有:0.766対バイオマーカー無:0.664、P

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心筋トロポニン陽性は独立した院内死亡の予測変数

心筋トロポニンは急性冠動脈症候群の診断と予後に関する情報を提供するが、急性非代償性心不全での役割はわかっていない。クリーブランド・クリニックのW. Frank Peacock IV氏らの研究グループは、急性非代償性心不全で入院した患者の中で、心筋トロポニン濃度が高い症例を分析し、有害事象との関連を説明するためレトロスペクティブ解析を行った。NEJM誌2008年5月15日号より。急性非代償性心不全患者4240例を解析研究グループは、2001年10月から2004年1月にかけて急性非代償性心不全で入院し、Acute Decompensated Heart Failure National Registry(ADHERE)に登録された患者を対象に分析を行った。登録の基準となるトロポニン濃度は入院時に得られた数値としたが、特にトロポニンTは腎不全患者でも血中濃度が高くなるため、血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL未満(177μmol/L)の患者に限って登録した。トロポニン検査陽性は、心筋トロポニンIレベルが1.0μg/L以上、心筋トロポニンTレベルは0.1μg/L以上と定義。急性非代償性心不全で入院した患者105,388例のうち、84,872例(80.5%)で測定が行われた。これらの症例のうち、67,924例がクレアチニン濃度2.0mg/dl未満だった。心筋トロポニンIは61,379例、心筋トロポニンT は7,880例で測定され、両方のトロポニンが測定されたのは1,335例。これらのうち4,240例(6.2%)がトロポニン陽性と判定された。心筋トロポニン陽性は院内死亡率が有意に高いトロポニン陽性例はトロポニン陰性例と比べて、入院時の収縮期血圧および駆出率が低く、院内死亡率も高かった(8.0%対2.7%、P

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