臓器移植レシピエントのがん発症リスクは2倍以上、最大は非ホジキンリンパ腫の7.5倍

提供元:ケアネット

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公開日:2011/11/15

 



臓器移植を受けた人(レシピエント)のがん発症リスクは、一般の人の2倍以上に増大することが明らかにされた。32種類のがんについてレシピエントの発症リスク増大が認められ、なかでも最も発症頻度が高かったのは非ホジキンリンパ腫で、発症リスクは約7.5倍に上った。米国国立がん研究所(NCI)のEric A. Engels氏らが、約18万人のレシピエントと、13州のがんに関する登録簿を調べ、明らかにしたもので、JAMA誌2011年11月2日号で発表した。これまでの研究から、レシピエントは、免疫機能低下や臓器ウイルス感染が原因で、がんの発症リスクが増大することは知られていた。

がん全体の標準化罹患比は2.10、過剰絶対リスクは10万人・年当たり719.3




研究グループは、1987~2008年の米国移植レシピエントの登録簿「US Scientific Registry of Transplant Recipient」に登録された17万5,732人の臓器移植レシピエントを元に、多種のがん発症リスクについて分析した。同レシピエントのうち、腎臓が58.4%、肝臓が21.6%、心臓が10.0%、肺が4.0%だった。

全体では、がんを発症したのは1万656人で、発症率は1,375人/10万人・年、標準化罹患比は2.10(95%信頼区間:2.06~2.14)、過剰絶対リスクは719.3/10万人・年(同:693.3~745.6)だった。

肝臓移植後6ヵ月以内の肝臓がん発症リスクは500倍超




なかでも、非ホジキンリンパ腫の発症頻度が最も高く、発症者数は1,504人、発症率は194.0/10万人・年、標準化罹患比は7.54(同:7.17~7.93)、過剰絶対リスクは168.3/10万人・年(同:158.6~178.4)だった。

次いで頻度が高かったのは肺がんで、発症者数は1,344人、発症率は173.4/10万人・年、標準化罹患比は1.97(同:1.86~2.08)、過剰絶対リスクは85.3/10万人・年(同:76.2~94.8)。続いて肝臓がんで、発症者数は930人、発症率は120.0/10万人・年、標準化罹患比は11.56(同:10.83~12.33)、過剰絶対リスクは109.6/10万人・年(同:102.0~117.6)、腎臓がんの、発症者数752人、発症率は97.0/10万人・年、標準化罹患比は4.65(同:4.32~4.99)、過剰絶対リスクは76.1/10万人・年(同:69.3~83.3)だった。

肺がんについては、肺移植レシピエントで最も発症リスクが高く標準化罹患比は6.13だったが、他の臓器移植レシピエントでも高く、心臓2.67、肝臓1.95、腎臓1.46であった。

肝臓がんについては、肝移植レシピエントでのみ発症リスクが増大し、標準化罹患比は43.83、なかでも移植後6ヵ月の同リスクは著しく高く同比508.97に上った。術後10~15年のリスクも2倍以上に上った(標準化罹患比:2.22、95%信頼区間:1.57~3.04)。

腎臓がんは、腎移植レシピエントで高く標準化罹患比は6.66で、その値は追跡期間中に上昇したり下降したりした。また肝移植レシピエント(同1.80)、心移植レシピエント(同2.90)でもリスク増大が認められた。