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「ランタス注ソロスター」新発売

サノフィ・アベンティス株式会社は、6月20日、 1型および2型糖尿病患者を対象とするディスポーザブル型インスリンペン型注入器を用いたキット製剤「ランタス注ソロスター」の販売を開始した。ランタス注ソロスターは、1日1回投与の持効型溶解インスリンアナログ製剤「ランタス」〔インスリン グラルギン(遺伝子組換え)〕を投与するためのディスポーザブル型の新しいインスリンペン型注入器を用いたキット製剤。詳細はプレスリリースへhttp://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/ja/layout.jsp?scat=F46269E9-3D18-4250-BA23-5A6A7A0ECD74

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HIV感染症治療薬「ストックリン錠600mg」新発売

万有製薬株式会社は、HIV感染症治療薬「ストックリン錠600mg」(エファビレンツ)を、6月20日の薬価基準収載を受けて新発売した。ストックリンは米国本社が開発した非ヌクレオシド系の逆転写酵素阻害剤(NNRTI)で、1998年9月に米国で承認され、日本では1999年9月に「ストックリンカプセル200」を発売している。「ストックリン錠600mg」は、これまで「ストックリンカプセル200」が1日1回3カプセルの服薬であったのに対し、1日1回1錠の服薬となる。詳細はプレスリリースへhttp://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/2008/product_news_0620.html

30563.

粘液溶解薬カルボシステインが、COPDの増悪予防に有効

粘液溶解薬であるカルボシステインが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪の予防に有効なことが、中国で実施された臨床試験で明らかとなった。COPDは気道制限を特徴とし、粘液過剰分泌、酸化ストレス、気道炎症など多くの構成因子を有する。カルボシステインは、喀痰を伴う呼吸器疾患の治療に広く用いられる粘液溶解薬のひとつであり、抗炎症作用および抗酸化作用を持つためCOPDの増悪の抑制に有効な可能性があるという。広州医科大学第一病院広州呼吸器疾患研究所のJin-Ping Zheng氏らの報告で、Lancet誌2008年6月14日号に掲載された。中国の22施設から709例が登録された二重盲検プラセボ対照無作為化試験PEACE試験は二重盲検プラセボ対照無作為化試験であり、2005年1~9月に中国の22施設から709例が登録された。気管支拡張薬吸入後の1秒量(FEV1)と努力肺活量(FVC)の比(FEV1/ FVC)<0.7、FEV1の予測値が25~79%の場合にCOPDと診断し、年齢40~80歳、最近2年間に2回以上のCOPD増悪の既往歴を有し、試験前4週間以上は臨床的に病態が安定していた症例を適格例とした。症例は、カルボシステイン(1,500mg/日、1年間投与)あるいはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられ、主要評価項目は1年増悪率とした。1例当たりの1年増悪回数が有意に低下354例がカルボシステイン群に、355例がプラセボ群に割り付けられた。1例当たりの1年増悪回数は、プラセボ群に比しカルボシステイン群で有意に低下した[1.01(SE 0.06) vs. 1.35(SE 0.06)、リスク比:0.75(95%信頼区間:0.62~0.92、p=0.004)]。カルボシステインの予防効果は、吸入ステロイドの併用、COPDの重症度、喫煙との間に有意な相関を認めなかった。また、有害事象は胃腸障害が4例、肺炎、上気道感染、疲労感、倦怠感がそれぞれ1例ずつ見られたが、耐用性は良好であった。Zheng氏は、「カルボシステインなどの粘液溶解薬は、COPDの中国人症例における増悪の予防に用いる価値のある治療法とみなすべき」と結論している。なお、本試験ではカルボシステインによるQOLの改善効果も確認されている。また、治療3ヵ月の時点ではプラセボとの間に有効性の差は見られなかったことから、COPDの増悪予防には長期投与が有効なことが示唆されるという。(菅野守:医学ライター)

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旅行者下痢の予防に大腸菌由来毒素含有ワクチンパッチが有効

旅行者下痢に対し、腸管毒素原性大腸菌(ETEC)由来の易熱性毒素(LT)を含有する経皮吸収型のワクチンが有効なことが、IOMAI Corporation(米国、Gaithersburg)のSarah A Frech氏らが健常な旅行者を対象に行った第II相試験で示された。ETECは、流行地への旅行者や開発途上国の幼児の下痢の主要原因である。毎年2,700万人の旅行者および2億1,000万人の小児が急性の下痢を発症し、38万人の子どもが死亡しているという。Lancet誌2008年6月14日号掲載の報告。メキシコあるいはグアテマラへの旅行者を対象とした無作為化第II相試験本研究は、メキシコあるいはグアテマラへの旅行を計画している18~64歳の健常成人のうち、米国の地域ワクチンセンターにアクセスした者を対象に行われた無作為化第II相試験である。割り付けには中央無作為化コードを用い、参加者および各施設のスタッフには割り付け状況はマスクされた。主要エンドポイントはETEC性下痢の発症率およびワクチンパッチから放出されたLTの安全性の評価とした。副次エンドポイントは旅行者下痢およびETECに対するワクチンの有効性などとした。参加者は旅行前に2~3週間隔で2枚のパッチを用いてワクチンを接種された。パッチにはLT 37.5μgあるいはプラセボが含有された。参加者は旅行先の国でカード形式の日誌に排便量を記録し、下痢を起こした場合は病原菌同定のためにサンプルを提出した。下痢の重症度は24時間における軟便の排便回数で評価した(軽度:3回、中等度:4、5回、重度:6回以上)。なお、旅行者下痢は一般に18回ほどの軟便の排便回数を伴って4~5日間持続し、通常、悪心・嘔吐、腹部疝痛、衰弱、脱水をきたす。ワクチンパッチは重度の下痢を有意に予防、罹病期間、軟便排便回数を低減2006年5~12月に201人が登録され、そのうち178人が2回のワクチン接種を受けてメキシコおよびグアテマラに旅行し、170人が解析の対象となった。プラセボ群の111人のうち24人(22%)が下痢を発症したが、ETEC性の下痢は11人(10%)であった。ワクチンは安全であり、免疫原性は発揮されていた。ワクチン群の59人においては、中等度~重度の下痢(予防効果:75%、p=0.0070)および重度の下痢(予防効果:84%、p=0.0332)に対する有意な予防効果が認められた。下痢をきたしたワクチン群の症例は、プラセボ群に比べ罹病期間が有意に短く(0.5日 vs 2.1日、p=0.0006)、軟便の排便回数が有意に少なかった(3.7回 vs 10.5回、p<0.0001)。Frech氏は、「旅行者下痢は一般的な疾病であり、旅行先での下痢の10%は腸管毒素原性大腸菌(ETEC)によるものである。ワクチン貼付薬は安全かつ実行可能であり、旅行者下痢の発症頻度および重症度を抑制する効果を有する」と結論している。また、同氏は「経皮的パッチは簡便かつ注射器不要で、低温流通体系(cold chain)を必要とせず、旅行者および途上国での使用に適するようデザインされている。今回確認された効果は第III相試験で検証する必要がある」とコメントしている。(菅野守:医学ライター)

30565.

血糖降下強化療法は有害:ACCORD

2型糖尿病患者の糖化ヘモグロビン値と心血管イベントとの関連はこれまで疫学研究で示されている。2型糖尿病の大規模試験ACCORD(The Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes)研究グループは、糖化ヘモグロビン値を正常化するための強化療法が心血管イベントを減らすかどうかを検討していたが、死亡リスクが増大し試験は中止に至った。NEJM誌2008年6月12日号(オンライン版2008年6月6日号)より。患者1万251例を強化療法群と標準治療群に割り付け試験は、糖化ヘモグロビン値の中央値8.1%の患者計1万251例(平均年齢62.2歳、女性38%、心血管イベント経験35%)を、強化療法(糖化ヘモグロビン値の目標値6.0%未満)または標準治療(同7.0~7.9%)に無作為に割り付け行われた。主要転帰は、非致死的な心筋梗塞、非致死性の脳卒中、または心血管系の原因による死亡の複合。死亡率は上昇し心血管イベントの減少はわずか本試験は、平均3.5年の追跡調査後、強化療法群の死亡率が標準治療群よりも高まったため試験は中断されるに至った。試験開始1年目に、糖化ヘモグロビン値は強化療法群では6.4%、標準治療群では7.5%の安定した中央値が達成された。しかし追跡調査の間に、主要転帰の発生が、強化療法群では352例、標準治療群では371例でハザード比は0.90(95%信頼区間:0.78~1.04、P=0.16)。一方、死亡に関しては、標準治療群では203例だったのに対し強化療法群では257例発生し、ハザード比は1.22(95%信頼区間:1.01~1.46、P=0.04)だった。また強化療法群のほうが、低血糖症および10kg以上の体重増加の頻度が高かった(P

30566.

強化血糖コントロールは血管系転帰を改善:ADVANCE

本論は、2型糖尿病の大規模試験ADVANCE(the Action in Diabetes and Vascular Disease:Preterax and Diamicron Modified Release Controlled Evaluation)研究グループによる、2型糖尿病患者に対する強化血糖コントロールの、血管系転帰に与える影響の検討結果。NEJM誌2008年6月12日号(オンライン版2008年6月6日号)に掲載された。同日掲載されたACCORD研究グループでは、「血糖降下強化療法は死亡率を高め心血管イベント減へのベネフィットはない」と結論していたが、ADVANCE研究グループからは反対の見解が報告されている。経口血糖降下薬で強化血糖コントロール2型糖尿病患者1万1,140例を、標準血糖コントロールと強化血糖コントロールに無作為に割り付け、強化コントロールでは、糖化ヘモグロビン値が6.5%以下になるように、SU系経口血糖降下薬グリクラジドと、必要に応じて他剤を併用した。主要転帰は、主要大血管イベント(心血管系の原因による死亡、非致死的な心筋梗塞または脳卒中)と主要細小血管イベント(腎症、網膜症の発現または悪化)の複合とし、合同評価と個別評価を行っている。腎症発生率21%低下で主要血管系イベントの複合転帰10%低下中央値5年の追跡調査の結果、糖化ヘモグロビン平均値は、強化コントロール群(6.5%)のほうが標準コントロール群(7.3%)より低く、主要大血管と細小血管イベントの複合発生率も、強化群(18.1%)のほうが標準群(20.0%)より低下した(ハザード比:0.90、95%信頼区間:0.82~0.98、P=0.01)。主要細小血管イベント単独でみた場合も、強化群のほうが標準群より低下した(9.4%対10.9%、ハザード比:0.86、95%信頼区間:0.77~0.97、P=0.01)。これは主に、腎症発生率が低下したためで(4.1%対5.2%、0.79、0.66~0.93、P=0.006)、網膜症に対する有意な効果は認められていない(P=0.50)。血糖コントロール方法が違っても、主要大血管イベントや心血管系の原因による死亡に有意な影響はなかったことも確認された。強化コントロール群の主要大血管イベントのハザード比0.94(95%信頼区間:0.84~1.06、P=0.32)、同心血管系の原因による死亡のハザード比0.88(0.74~1.04、P=0.12)、同全死因死亡は0.93(0.83~1.06、P=0.28)。ただし重篤な低血糖症は、件数はまれだが強化群のほうが、発生率が高かった(2.7%対1.5%、ハザード比:1.86、95%信頼区間:1.42~2.40、P

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認知症改善のため日光浴を

多くの認知症高齢患者と介護者を苦しめる、認知低下や気分障害、行動・睡眠障害およびADL(日常生活動作)の制限は、サーカディアンリズム障害が関連している。オランダ神経科学研究所(Netherlands Institute for Neuroscience)のRixt F. Riemersma-van der Lek氏らは、サーカディアンリズムの2大同調因子である「明るい光」と「メラトニン」を長期間、単独もしくは組み合わせることで、認知症状の進行を改善できるかどうかを検証する長期2×2因子二重盲検無作為化プラセボ対照試験を行った。JAMA誌2008年6月11日号より。オランダの12施設で最長3.5年間にわたり比較試験は1999年から2004年にかけて、オランダのグループケア施設12ヵ所の居住者計189例を対象に行われた。平均年齢は85.8歳(SD:5.5年)、90%が女性、87%は認知症だった。対象を、平均15ヵ月間(SD:12ヵ月間、最長3.5年間)、全日明るい(±1000ルクス)もしくは薄暗い(±300ルクス)状況、夕方にメラトニン(2.5mg)またはプラセボを、施設ごとに無作為に割り付けた。主要転帰尺度は、6ヵ月ごとに、標準的な評価検査や指標[認知機能検査のMini-Mental State Examination (MMSE)、うつ症状を評価するCornell Scale for Depression in Dementia(CSDD)、看護情報に基づく日常生活動作スケールなど]を用いて認知症状の進行状況やADLの制限、および有害事象に関する評価を行った。光+メラトニン療法は攻撃的態度や夜間不穏もやや改善結果、光療法は、認知症状をMMSEで平均0.9ポイント改善させたほか、うつ症状はCSDDで1.5ポイント寛解、ADLの制限は年1.8ポイント改善した。メラトニン投与は睡眠開始までの時間を8.2分短縮し、睡眠時間を27分延長した。ただしメラトニン投与をPhiladelphia Geriatric Centre Affect Rating Scaleを用いて行った評価では、ポジティブ感情がマイナス0.5ポイント、ネガティブ感情がプラス0.8ポイントだった。またMulti Observational Scale for Elderly Subjects scaleを用いた評価では、引きこもり行動が1.02ポイント増加していたが、光療法との併用では増加はみられなかった。併用療法については、Cohen-Mansfield Agitation Indexの評価で、攻撃的態度が3.9ポイント減少させ、睡眠効率を3.5%増加し、夜間不穏を年間1時間当たり1分間改善させた。Lek氏は「光療法は、認知症高齢者の症状をある程度改善する効果がある。一方メラトニン投与は気分障害の副作用が出るため、光療法との併用のみ推奨される」と結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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QRS幅拡大は心不全患者の退院後死亡・再入院の独立予測因子

心不全で入院した患者は、退院後も死亡率と再入院率の高いことはわかっているが、入院中のQRS波持続時間による予後予測については、これまであまり検討されていない。そこで、米国ノースウエスタン大学医学部(シカゴ)のNorman C. Wang氏らは、左室駆出率(LVEF)低下に伴う心不全の入院患者のQRS幅と予後の関係について検討し、「QRS幅延長は、高い退院後死亡率の独立因子である」と報告している。JAMA誌2008年6月11日号より。南北アメリカ、欧州の2,962例を分析検討は、LVEF 40%以下の心不全入院患者を対象としたイベント駆動二重盲検無作為化プラセボ対照試験「Efficacy of Vasopressin Antagonism Heart Failure Outcome Study With Tolvaptan」(EVEREST)のデータに基づく遡及的解析。2003年10月7日~2006年2月3日にかけて、南北アメリカ、ヨーロッパの359施設で登録された患者4,133例のうち、登録時にペースメーカーや埋込型除細動器を装着していた1,029例、およびベースラインのQRS幅が報告されなかった142例を除外した2,962例が分析された。このうち1,641例はQRS幅正常(120ms未満)、1,321例はQRS幅拡大(120ms以上)だった。主要エンドポイントは全原因死亡率と、心血管死亡と心不全による再入院の組み合わせとした。QRS幅正常群よりも拡大群は、死亡率、再入院率ともに悪化中央値9.9ヵ月の追跡期間中、全原因死亡率は、ベースラインのQRS幅正常群は18.7%、QRS幅拡大群は28.1%だった(ハザード比:1.61、95%信頼区間:1.38~1.87)。心血管死亡または心不全再入院は、QRS幅正常群は32.4%だったが、拡大群では41.6%だった。QRS幅拡大がリスク上昇に関連することは、全原因死亡率でハザード比1.24、心血管死亡または心不全再入院で同1.28で、ともに確認された。ベースラインでQRS幅拡大群だった患者で、入院中の最終心電図でQRS幅正常に戻ったのは105例(3.6%)のみだった。QRS幅拡大は、LVEF低下による心不全入院患者に一般的に見られるが、Wang氏は「QRS幅拡大は、高い退院後死亡率と再入院率の独立予測因子である。これを介入の潜在的目標とすれば、退院後の死亡率、再入院率を改善できる可能性がある」と結論した。(朝田哲明:医療ライター)

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臨床試験での治療有効性に対する医師と患者の評価は一致している

さまざまな疾患の治療有効性を評価するため、患者および医師による総合評価(global assessments)が一般的に用いられるようになっている。しかし一方で、患者の総合評価と医師の総合評価は必ずしも一致しないとのエビデンスも示されている。そこでギリシャ・イオアニア医科大学Evangelos Evangelou氏らは、コクランデータベースで臨床試験における医師、患者の総合評価に関するシステマティックレビューを行った。結果は「おおむね一致する」と報告している。BMJ誌2008年6月7日号(オンライン版2008年5月21日号)掲載より。コクランデータベースから検証データを抽出治療効果に対する医師の総合評価が患者の総合評価と一致するかどうか調べるために、多様な状況下で行われた治療の系統的検討結果を蓄積した「コクランデータベース」から、同種治療に対する患者の総合評価と医師の総合評価に関する情報を抽出。主要転帰尺度は、相対オッズ比(実験的介入群と制御群の総合的改善に対して、患者評価と医師評価を比較したオッズ比の比率)と、医師と患者の評価に基づく改善比率とした。治験と日常診療を補完する情報を提供する可能性も18状況下63種類の治療(240の試験的治療を含む)で行われた、医師の総合評価と患者の総合評価の比較の結果では、相対オッズ比は0.98(95%信頼区間:0.88~1.08)で有意差はなかった(Iの2乗=0%、95%信頼区間:0%~30%)。ただし63種類のうち62種類の治療では、患者と医師の間に治療効果の評価に相違はなかったが、1種類だけ信頼区間の幅が明らかに大きいものがあった。平均改善率も、相対オッズ比は0.98(0.88~1.06)で、医師評価と患者評価に違いはなかった(Iの2乗=0%、0%~24%)。Evangelou氏は、治療効果に対する医師の総合評価と患者のそれとほぼ一致していると結論している。

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英国で進行中の患者治療記録のIT共有プロジェクトに対する人々の反応は?

英国では、NHS(National Health Service)のスタッフや患者が、電子化した患者の治療記録サマリーを共有できるよう大規模なITプロジェクトが進められている。SCR(summary care record)と呼ばれるサマリーは、一般開業医の診療記録から抽出・電子化されたもので、患者もHealthSpaceというWEBサイトを通じてアクセスすることができる。治療効率のアップ、それに伴う治療コスト削減が期待される本システムだが、一方で実用性、システムにかかるコスト、個人情報管理などに疑念を呈する声も絶えない。そこでロンドン大学のTrisha Greenhalgh氏らが、患者、スタッフが本システムをどう見ているのか質的研究を行った。BMJ誌2008年6月7日号(オンライン版2008年5月29日号)掲載より。システムを知っているか、記録の共有についてどう思うかを質問研究調査は103人への個別インタビューと7つのフォーカスグループ参加者に対して行われた。参加者は、プロジェクト初期からSCRやHealthSpaceに関わっている3つのプライマリ・ケア集団(生活レベルは3つとも同一)を通じて集められた。個別インタビュー対象者は、一般外科医院から、センター病院を時間外および入院、救急利用したことがある者が集められた。フォーカスグループ参加者は任意集団だが、HIV患者やメンタルヘルスケアサービス利用者、若者、高齢者、ドラッグ・リハビリ・プログラム参加者など社会的弱者と言われるような人々や英語が満足に話せない人々だった。それら参加者に、SCRとHealthSpaceを知っているか、電子媒体によるサマリー共有についてどう思うか意見を聞いた。認知度は低いがシステム自体には肯定的結果は、大半の人がSCRとHealthSpaceの存在を知らず、そこから情報をとれることを想起できなかった。またSCRに対する意見から利点と欠点があることがわかったが、それは個人的経験に基づくものであることが明らかとなった。意見を左右した主要な因子は、疾患の性質(特に緊急性が高い医療ニーズを必要とするかどうか)、ヘルスケアシステムやサーベイにより受けたこれまでの経験、健康教養レベル、主要なヘルスケアチームあるいはNHSそのものに対する信頼度などが挙げられた。全体として、薬害や医療ミス被害者が、社会的弱者と呼ばれる人々よりSCRに対して肯定的だった。SCRに関する誤解は、共通していた。特にそれがどんなデータを含んでいるのか、そして、誰がそれにアクセスできるかに関する混乱があった。大半の人は医療データを記録するかどうか、HealthSpaceを介して自分たちのSCRにアクセスするかどうかということには興味がない。しかし、持病を有する人々のセルフ・マネジメントおよび治療に、多少なりとも役立つ可能性もうかがえた。Greenhalgh氏は、「大規模な情報プログラムにもかかわらず、共有電子記録政策に関する公式見解は現時点は不明なままである。しかし、人々はこれを非常にポジティブに展開していくと見なしている」と結論。また、SCRにアクセスしやすくするためSCRデータ更新者や利用者が再訪問する際は「暗黙の同意」で済むようなシステム改善の必要性も提言している。 

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原発性高アルドステロン症、高血圧患者における有病率はそれほど高くない

治療抵抗性の高血圧患者では原発性高アルドステロン症の有病率が高いが、現在報告されているほどではなく、それゆえ高血圧患者一般の有病率も低いと推察されることが、20年以上をかけて集積した症例のレトロスペクティブな観察研究で明らかとなった。最近の報告では、一般的な高血圧患者の約10%が原発性高アルドステロン症(Conn症候群)に罹患しているとされるが、この高い有病率については疑問の声が上がっていた。アリストテレス大学Hippokration病院(ギリシャ、セサロニキ)のStella Douma氏らがLancet誌2008年6月7日号で報告した。ARRだけでなく、スピロノラクトン治療に対して反応した場合に確定診断研究グループは、治療抵抗性高血圧患者の大規模集団において原発性高アルドステロン症の有病率の評価を行った。外来通院中の治療抵抗性高血圧患者(利尿薬を含む3剤併用レジメンによる治療を行っても>140/90mmHgを示す患者)を対象に、血清アルドステロン濃度および血漿レニン活性を測定し、その比を算出した。陽性例[アルドステロン/レニン活性比(ARR)>65.16、アルドステロン濃度>416pmol/L]に対し、さらに塩分抑制検査(生理食塩水とフルドロコルチゾンを静注)を行い、原発性高アルドステロン症の診断はスピロノラクトン治療に対して反応した場合に確定診断とした。治療抵抗性高血圧における有病率は11.3%20年以上をかけて集積した治療抵抗性高血圧の1,616例について解析した。338例(20.9%)がARR>65.16、アルドステロン濃度>416 pmol/Lを満たした。塩分抑制検査に基づいて、183例(11.3%)が原発性高アルドステロン症と診断され、スピロノラクトン治療に反応したことから確定診断とした。このうち低カリウム血症が見られたのは83例(45.6%)のみであった。Douma氏は、「治療抵抗性高血圧患者では原発性高アルドステロン症の有病率が高いが、実質的に5つの既報のデータ(14~23%)よりは低い。それゆえ、一般の高血圧患者の有病率はずっと低いと推察される」と結論している。また、同氏は「5つの既報の研究の症例数は合計で418例にすぎない。これらの試験とわれわれのデータのプール解析では有病率は12.3%であり、試験間の不均一性を考慮した場合でも15.75%であった。したがって、一般的な高血圧患者における原発性高アルドステロン症のまん延を示唆する考え方は支持されない」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

30572.

メタボの診断基準では心血管疾患や糖尿病を予測できない?

メタボリックシンドローム(MetS)とその構成因子は高齢者の2型糖尿病とは相関するものの、血管リスクとの関連はないか、あるいは弱いため、心血管疾患(CVD)と糖尿病のリスクを同時に予測するMetSの判定規準を策定する試みは有益でないことが、2つのプロスペクティブ試験の予後データの解析から明らかとなった。MetS診断基準はインスリン抵抗性と血管疾患の関連をよりよく理解できるように策定されたが、その臨床的な役割には疑問の声もあるという。英国Glasgow大学医学部のNaveed Sattar氏らによる報告で、Lancet誌2008年6月7日号(オンライン版2008年5月22日号)に掲載された。PROSPERのデータを解析、BRHSで裏付け研究グループは、MetSおよびその5つの構成因子[BMIあるいはウエスト周囲長、トリグリセライド(TG)、HDLコレステロール、空腹時血糖、血圧]が高齢者におけるCVDと糖尿病のリスクをどの程度まで予測できるかを調査した。MetSは、National Cholesterol Education Program第3報の判定規準に基づいて定義した。Prospective Study of Pravastatin in the Elderly at Risk(PROSPER)に登録された70~82歳の非糖尿病患者4,612例において、MetSおよびその構成因子とCVDおよび2型糖尿病のイベント発生リスクの関連について解析した。次いで、得られた知見について、60~79歳の非糖尿病患者2,737例が参加したもうひとつのプロスペクティブ試験British Regional Heart Study(BRHS)のデータを用いて検証した。個々の疾患の至適なリスクアルゴリズムの確立を目指すべきPROSPERでは、3.2年間に772例がCVDをきたし、287例が糖尿病を発症した。MetSは、ベースライン時に疾患に罹患していない登録者のCVDリスクを上昇させなかったが(ハザード比:1.07 、95%信頼区間:0.86~1.32)、糖尿病のリスクは上昇させた(4.41、3.33~5.84)。糖尿病では、MetSのすべての構成因子のリスクが上昇したが、とくに空腹時血糖の異常が顕著であった(18.4、13.9~24.5)。CVDに罹患している参加者においても、同様の結果が得られた。BRHSでは、7年間に440例がCVDを、105例が糖尿病を発症した。MetSはCVDリスクを中等度にしか上昇させなかったが(相対リスク:1.27、1.04~1.56)、糖尿病リスクは顕著に上昇させた(7.47、4.90~11.46)。両試験ともに、BMIあるいはウエスト周囲長、TG、血糖のカットオフ値はCVDリスクと相関しなかったが、5つの構成因子はいずれも糖尿病の新規発症との関連を示した。Sattar氏は、「MetSとその構成因子は高齢者の2型糖尿病のリスクを上昇させるが、血管リスクとの関連はないか、あるいは弱いため、CVDと糖尿病のリスクを同時に予測するMetSの判定規準を策定する試みは有益でない」と結論し、「従来どおり、個々の疾患の至適なリスクアルゴリズムの確立に臨床的関心を向けるべきである」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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小児の外傷性脳損傷後の低体温療法は死亡率上昇の危険性

低体温療法は外傷性脳損傷後の生存率と神経病学的転帰を改善することが、動物モデルでは知られているが、人間の子どもでは?これまで効果が明らかにされていなかった、重篤な外傷性脳損傷を受けた小児に対する低体温治療の、神経病学的転帰と死亡率についてカナダ・トロント小児病院のJames S. Hutchison氏らが調査を実施。「かえって死亡率を上昇させる危険性がある」と警告する報告を寄せた。NEJM誌2008年6月5日号より。小児225例を32.5℃ 24時間と37.0℃の群に割り付け本研究に参加したのは小児外傷性脳損傷低体温療法の研究者およびカナダ救命救急治験グループのメンバー。カナダ、アメリカ、イギリスの17医療センターによる多施設共同国際試験で、重篤な外傷性脳損傷を受けた小児225例を、受傷後8時間以内に低体温療法(32.5℃で24時間)を始める群と、正常体温(37.0℃)で治療する群に無作為に割り付け試験された。主要転帰は、Pediatric Cerebral Performance Category score(小児脳機能分類スコア)に基づき6ヵ月時点で評価した転帰不良(重度障害、遷延性植物状態、死亡)の小児の割合。死亡、低血圧、投薬とも低体温群が上回る平均到達体温は、低体温治療群33.1±1.2℃ 、正常体温治療群36.9±0.5℃ だった。6ヵ月時点で転帰不良と評価されたのは、低体温治療群31%に対して正常体温治療群22%だった(相対リスク:1.41、 相対リスク:0.89~2.22、 P=0.14)。このうち死亡は低体温治療群23例(21%)に対して正常体温治療群14例(12%)(相対リスク:1.40、相対リスク:0.90~2.27、P=0.06)。低体温治療群は復温期間中に正常体温治療群より低血圧症が多発し(P=0.047)、血管作用薬の投与も多く必要とした(P

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中国製原料使用のヘパリンが毒ヘパリンであるEBM

年明けの日本では毒ギョーザが話題となっていたが、米国では透析患者から相次いでいた静脈注射用ヘパリン投与後のアナフィラキシー様反応の報告が大きな関心事となっていた。死亡例も相次いだ本件に関して米国疾病管理センターは共通の症例報告からBaxter Healthcare社のヘパリン製剤を特定。1月17日にリコール開始、2月28日に回収を終了する。しかし3月6日、ドイツから他社製品での事例が報告。これを受け米食品医薬品局(FDA)はヘパリンの全製造業者に汚染物質混入の検査を命じた。そして混入が明らかになったのが、過硫酸化コンドロイチン硫酸(OSCS)。本論は、これまで立証されていなかったOSCSと臨床有害事象との生物学的関連を目的に、Momenta Pharmaceuticals社のTakashi Kei Kishimoto氏らが、FDAの協力を得て行った試験結果。NEJMオンライン版2008年4月23日に速報され、本誌では2008年6月5日号にて掲載された。ブタ体内で有害事象の再現実験試験はFDAから、有害事象との関連が疑われたヘパリン製剤ロットと比較対照用のロットの提供を受けて実施された。OSCSの有無、および汚染物質と観察された臨床有害事象(低血圧、顔面浮腫、頻脈、蕁麻疹、吐き気など)とを結び付ける可能性がある生物活性について盲検下でスクリーニング。in vitroで接触系活性化と補体カスケードを分析。さらにブタの生体内でOSCSが問題の臨床症状を再現するかどうかin vivoの試験も行われた。ブタもヒトもOSCSに同様の反応示す未分画へパリンの汚染ロットで見つかったOSCSは、標準試料の合成OSCSと同様に直接、ヒト血漿中のキニンカリクレイン経路を活性化したが、これは強力な血管作用を持つブラジキニン産生につながる可能性を示唆するものでもあった。加えてOSCSは、補体系タンパク由来の強力なアナフィラトキシンであるC3a、C5aの産生も誘導した。意外なことに、この2つの経路の活性化は連鎖しており、第XII因子の液相活性化に依存していた。また、さまざまな種の血漿サンプルのスクリーニングによって、ブタとヒトのOSCSの作用に対する感受性は同様なことがわかった。ブタの静脈に投与したOSCS汚染ヘパリンと合成OSCSは、いずれもカリクレイン活性化に関連する低血圧を引き起こした。これらからKishimoto氏は「本試験結果は、疑惑のヘパリン・ロットに混入しているOSCSが、観察された有害事象と生物学的な関連のあることを示す科学的根拠を提供するものだ」と結論。また、カリクレインのアミド溶解性の活性を評価する分析試験を行い、ヘパリンのOSCSや、その他の接触系を活性化する高度の過硫酸化多糖類の混入物質をスクリーニングすることで、ヘパリン供給経路を保護するための分析試験を補足できるとも報告した。(武藤まき:医療ライター)

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慢性心不全患者は余命を過大評価する傾向がある

長期生存が難しい慢性心不全患者の余命について、患者自身がどのように予想しているかは検討されてこなかった。そこで、心不全患者の生存に関する予想を定量化し、患者の予想をモデル予測と比較、さらに患者自身の予想と症例モデルによる余命予測の食い違いに関連する因子を検証する研究を、米国・デューク大学メディカルセンター臨床研究所のLarry A. Allen氏らが行った。結果、「患者は自分たちの余命を、モデル予測よりかなり過大評価する傾向がある」と報告している。JAMA誌2008年6月4日号より。122例を3年間追跡調査し患者予想の割合を数値化デューク大学が2004年7~12月に「Heart Failure Disease Management Program」で行った、患者に対する前向きの面接調査結果を、2008年2月に追跡調査した。コホートは患者122例(平均年齢62歳、アフリカ系アメリカ人47%、NYHA分類III度-IV度の患者42%)で構成されていた。患者予想余命は視覚的アナログ・スケールを用いて得た。モデル予測余命は、「Seattle Heart Failure Model」で算出。年齢と性別のみからの保険統計予測余命は、生命表から算出した。実際の生存期間は、診療記録のレビューと社会保障死亡記録を検索して確定した。主要評価項目は、モデル予測余命に対する患者予想余命の割合(LER)とした。患者はモデル予測より余命を3年長く予想結果、患者はおおむね、自らの余命をモデル予測余命よりも過大評価していることがわかった。患者予想余命の中央値は13.0年、モデル予測余命は10.0年。LERの中央値は1.4(四分位数間領域:0.8~2.5)で、LERが高くなる最も重要な予測因子は、若年齢、NYHA分類の進行、低い駆出率、抑うつ症状の少ないことであった。なお当初コホートの29%は、中央値3.1年の追跡期間中に死亡している。LERの高率と生存期間改善には何の関連性も見いだせなかった(LER一致と比較した過大評価の調整ハザード比:1.05、95%信頼区間:0.46~2.42)。Allen氏は「心不全の外来患者はモデル予測と比べて自分たちの余命を、かなり過大評価する傾向があった。生存期間に違いが生じることは、先進治療の方向と終末期の生き方に関する意思決定に影響を及ぼすため、こうした余命予測の不一致の原因は、さらに検証されなければならない」とまとめている。(朝田哲明:医療ライター)

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糖尿病臨床試験の多くは患者にとって重要な転帰と無関係

米国・メイヨー・クリニック医科大学(ミネソタ州)のGunjan Y. Gandhi氏らは、糖尿病治療の安全性や有効性への懸念が消えない理由の一つとして、糖尿病に関する無作為化対照臨床試験(randomized clinical trial=RCT)が、患者にとって重要な転帰(patient-important outcomes)、すなわち死あるいはQOL(疾患状態、疼痛、身体機能)を検証してこなかったことにあると指摘。現在進行中の多数の試験を検証し、「患者にとって重要な転帰を評価しているものは少ない」と報告した。JAMA誌2008年6月4日号より。データベースに登録された臨床研究436件を検証本研究の目的は、現在進行中か今後予定されている糖尿病RCTの範囲・限界を系統的に検証し、患者にとって重要な転帰が含まれているかどうかを確認すること。2007年11月10日時点で、主要なRCTが登録されている臨床研究データベースのClinicalTrials.gov(http://www.clinicaltrials.gov)、International Standard Randomized Controlled Trial Number Register(http://isrctn.org)、Australian New Zealand Clinical Trials Registry(http://www.anzctr.org.au)を検索した。条件に適合した第2相~第4相のRCT は2,019件中1,054件。無作為に50%(527件)のサンプルをとり、登録が義務化された2004年以降の登録研究436件を選定した。それら対象試験で測定される転帰と、それが(1)生理学的転帰、(2)代替転帰(患者にとって重要な転帰のリスク上昇を反映すると考えられる)、(3)患者にとって重要な転帰、のいずれに該当するかを決定した。「患者に重要」18%、「生理学的」16%、「代替」61%対象試験436件のうち24件(6%)は被験者登録をしていなかったが、109件(25%)は積極的に登録を行い、303件(69%)は登録を完了していた。試験の主要転帰が、患者にとって重要な転帰だったのは78件(18%、95%信頼区間:14~22%)で、生理学的転帰またはラボレベルの評価が69件(16%、13~20%)、代替転帰は268件(61%、57~66%)だった。患者にとって重要な転帰が主要またはそれに次ぐ転帰として報告されていたのは201件(46%、41~51%)。多変量解析の結果、患者100例以上の大規模試験(オッズ比:1.10、95%信頼区間:1.02~1.19)と30日以上の長期試験(1.03、1.01~1.06)は、患者にとって重要な転帰を評価する傾向があると言えたが、パラレルデザインのRCT(0.15、0.05~0.44)、2型糖尿病試験(0.23、0.09~0.61)はあまり測定されていない。この結果からGandhi氏らは「現在、登録され進行中の糖尿病RCTのうち、患者にとって重要な転帰を含んでいる試験は18%にすぎない」と結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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ゾメタ、早期乳がんの女性に対し無病生存・無再発生存を有意に改善

ノバルティスファーマ株式会社は、ゾメタ(ゾレドロン酸水和物)が閉経前のホルモン感受性早期乳がん患者に対して、有意な再発抑制効果を示すことが示唆されたと発表した。今回の研究から、術後のホルモン療法にゾメタを追加投与した場合、ホルモン療法単独の場合と比較して、がんの再発リスクが36%減少することが判明したという。この結果は、米国イリノイ州シカゴで開催された第44回米国臨床腫瘍学会(ASCO2008)で、オーストリアの乳房・結腸直腸がん研究グループ(Austrian Breast & Colorectal Cancer Study Group:ABCSG)の医師らが発表したもの。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2008/pr20080606_02.html

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直接的レニン阻害剤アリスキレン、2型糖尿病で腎保護作用示す

ノバルティスファーマ株式会社は、直接的レニン阻害剤アリスキレンが高血圧と腎障害を合併した2型糖尿病患者で腎保護作用を示すことを証明したと発表した。AVOID試験の結果によると、ARBロサルタンにアリスキレンを追加併用することで、高血圧と腎障害を合併している2型糖尿病の患者の尿中アルブミンを20%減少させた、という。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2008/pr20080606_03.html

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HPVワクチンのガーダシル、欧州にて膣部前がん病変の適応追加の推奨を受ける 

万有製薬株式会社は、子宮頸がんを予防する4価HPVワクチンGARDASILが、欧州医薬品庁の医薬品委員会より、腟部前がん病変の適応追加について推奨を受けたと発表した。GARDASILは米国など100カ国以上で承認されており、多くの国で接種の義務化や接種費用の公費助成が行われている。多くの国での現在の適応は、9~26歳の女性に対するHPV6,11,16,18型に起因する子宮頸がん、前がん病変、異形成、尖圭コンジローマの予防。詳細はプレスリリースへhttp://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/2008/merck_0606.html

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ひょっとして抗うつ薬のほうが禁煙補助薬より有効かも?

世界中で一般的に用いられている禁煙治療の薬剤は3つある。1つは経口禁煙補助薬バレニクリン酒石酸塩(チャンピックス;2008年1月承認)、あとの2つは抗うつ薬で、bupropionとノルトリプチリン(ノリトレン)である。このうちノルトリプチリンをめぐる試験結果で、禁煙補助剤+ノルトリプチリンが、禁煙補助剤単独よりも有効とする報告があり、「それが事実なら、禁煙補助剤+ノルトリプチリンはバレニクリンよりも有効では」と、英国バーミンガム大学プライマリ・ケア/公衆衛生部門のPaul Aveyard氏らが、最適治療選択を目的とするプラセボ対照無作為化試験を実施した。BMJ誌2008年5月31日号(オンライン版2008年4月27日号)掲載より。禁煙補助剤+ノルトリプチリンをプラセボ対照無作為化試験試験は英国の国民健康保険NHS(National Health Service)対象の禁煙治療クリニックで行われた。1日10本以上喫煙する18歳以上の禁煙希望者を試験適格者として参加者を募集。ノルトリプチリン・禁煙補助剤禁忌や他の抗うつ薬を服用している者を除外し対象として901例が選定された。参加者は無作為で禁煙補助剤+ノルトリプチリン(445例)もしくはプラセボ服用群(456例)に割り付けられた。禁煙補助剤の選択は対象者に行ってもらい、服薬を厳守してもらえるよう書面での情報提供や看護師による電話相談サポートを提供して実施。服薬は、禁煙開始日の1~2週前から開始。最初の3日間は25mg/日、続く4日は50mg/日、以後最大投与量として75mg/日を最大6週間、その後1週間減量投与し、試験トータル8週間として行われた。主要評価項目は6ヵ月時点で禁煙が続いているか、副次評価項目は12ヵ月時点で禁煙が続いているか、薬物の使用状況、副作用重症度評価、ニコチン離脱症状と喫煙衝動。併用療法の有効性確認できず6ヵ月時点で禁煙できていたのは、ノルトリプチリン群72例(16%)、プラセボ群55例(12%)、相対リスクは1.34(95%信頼区間:0.97~1.86)だった。 12ヵ月時点では、ノルトリプチリン群49例(11%)、プラセボ群40例(9%)で、相対リスクは1.87(0.84~1.26)。禁煙開始日以降に禁煙補助剤+薬剤(両群中央値75mg/日)を行っていたのは、ノルトリプチリン群337例(79%)、プラセボ群325例(75%)で、服薬の割合はプラセボ群のほうがノルトリプチリン群よりも低かった。副作用に関しては、口渇や便秘を訴えたのはノルトリプチリン群のほうがプラセボ群よりも顕著に高かった。ただし発汗や薬物効果への疑念を呈した割合については僅差だった。喫煙衝動は両群ともほぼ変わらない。ただしノルトリプチリン群のほうが抑うつ感や不安が抑えられていたが、離脱症状のスコアは全体として相違はなかった。これらからAveyard氏は、「ノルトリプチリン、禁煙補助剤はいずれもそれぞれに禁煙治療に効果的である。しかし組み合わせての併用療法は単独療法ほどの効果はなく、併用療法が単独療法より効果的であるとのエビデンスは得られなかった」と結論づけた。

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