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最も評価しているコリンエステラーゼ阻害薬は?

抗認知症薬(効能・効果は「アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」)であるコリンエステラーゼ阻害薬は、1999年11月にドネペジル(商品名:アリセプト)、2011年3月にガランタミン(同:レミニール)、同年7月にリバスチグミン(同:イクセロン、リバスタッチ)が登場し、これらの3剤が使用できるようになってから約2年が経ちました。この2年における臨床経験から、現在、これらの3剤がどのように評価されているのか、ケアネット会員の内科・精神科の先生方に尋ねました。対象ケアネット会員の医師(内科・精神科)368名方法インターネット調査実施期間2013年6月13日~20日Q1過去1年間で、認知症患者さんに対してコリンエステラーゼ阻害薬を処方したことがありますか?Q2コリンエステラーゼ阻害薬のうち、最も高く評価している薬剤はどれですか?Q3Q2で選んだ理由について、当てはまるものをすべてお選びください。2013年6月ケアネット調べ

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てんかんと診断されることは怖くない

2013年7月4日、東京都港区において小児てんかんをテーマにしたプレスセミナー(共催:大塚製薬・UCBジャパン)が開催された。そこで行われた、岩崎 俊之氏(北里大学医学部小児科学講師)による講演「てんかん治療と家庭生活・学校生活への影響」についてレポートする。岩崎氏は、日常的に小児てんかん患児を診ており、てんかん患児が安全で快適な日常生活を過ごすためには、てんかんについて正しい知識を持つことが重要である、と訴えた。小児において、てんかんは約100人に1人の割合でみられる決して珍しくない疾患である1)。痙攣や意識消失などの発作が主な症状である。小児てんかんの治療には、抗てんかん薬による薬物治療と並んで、家庭と医療機関、そして教育現場がともに連携することが、非常に重要である。セミナーでは、それを物語るひとつの事例が紹介された。症例:7歳の男児。抗てんかん薬を内服していたが、発熱時に全身性の強直間代性痙攣が出現するため、解熱の坐剤を併用していた。幼稚園までは、男児の発熱時に職員が坐剤を挿肛する対応ができたため、治療による発作の抑制が可能であった。しかし、小学校では、教師による医療行為が法的に許可されていないため、男児の発熱時に坐剤投与ができずにいた。この問題について家族は、主治医・教育委員会職員・校長・担任および養護教諭との話し合いを重ね、緊急時の医療行為の必要性について訴えた。ついには、市の教育委員会が現場の小学校と連携して、特例として男児の発熱時の坐剤使用を認めた。この動きにより、小児てんかんに限らず、必要不可欠な場合には医療行為が可能になるよう検討が進められている。これは、家族が積極的に働きかけを行ったことによって、問題が明らかになった典型的な事例である。現在、保健師助産師看護師法第4章第31条により、保育所・幼稚園と特別支援学校では、主治医からの指示があれば医療行為を行うことができるが、小学校の教師にはこの法律が適用されない。このような状況では、関係者全員が話し合い協力することで、ケースごとに解決策を見出すほかなく、ときには、主治医と学校関係者が直接話すことも重要であると岩崎氏は語る。てんかんは、てんかん発作を主症状とする大脳の慢性疾患であるため、罹患すると完治は難しいと考えられてきたが、小児てんかんについては、適切な時期に適正な治療を行うことで、発作抑制が可能である。薬剤によってコントロールされれば、ほとんどの学校行事に参加可能であり、海外旅行も不可能ではないという。しかし、てんかんの症状は、痙攣に限ったものではない。家族は日ごろから、子供の性格の変化(怒りっぽくなったなど)や成績の悪化、同じ動作を繰り返すなどのサインを見逃さないことが重要である。小児てんかんと診断されても薬剤によるコントロールが可能となった今、てんかんの症状や治療に対する誤解を少しでも減らし、各々が正しい理解を持って、てんかん患児と接することが必要なのではないだろうか。出典:1) Murray CJL, et al. Global Comparative Assessment in the Health Sector: Disease Burden. Expenditures, and Intervention Packages. Geneva. World Health Organization. 1994.(ケアネット 岸田有希子)

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維持期統合失調症でどの程度のD2ブロックが必要か

 統合失調症の薬物治療ではドパミンD2受容体を65~80%占有することで、錐体外路症状や認知機能障害のリスクを最小限にし、治療効果を最適化できると考えられている。この受容体占有率を保つことが維持期治療でも必要かどうかは不明である。慶應義塾大学の森口 翔氏らは、維持期におけるD2受容体占有をCATIE試験のフェーズ1のデータより再評価した。Journal of clinical psychopharmacology誌オンライン版2013年 7月29日号の報告。 対象は、抗精神病薬により寛解した統合失調症患者30例[リスペリドン12例、オランザピン12例、ジプラシドン(国内未承認)6例]。寛解の定義は、初期評価および1、2、6ヵ月時点でPANSS特定8項目(2005年のAndreasenらの定義による)が3以下であることとした。6ヵ月時点でのD2受容体占有率のピーク値およびトラフ値は、母集団薬物動態解析およびD2予測モデルを用い、抗精神病薬の血漿中濃度より推定した。 主な結果は以下のとおり。・6ヵ月時点でのD2受容体占有率のピーク値およびトラフ値はそれぞれ70.3%±9.8%、60.5%±20.2%であった(推定平均±SD)。・約半数(46.7%、14例)の患者においては、D2受容体占有率が65%未満であった。・統合失調症の維持治療において、D2受容体占有率は必ずしも65%以上必要でない可能性があることが示唆された。関連医療ニュース 抗精神病薬の等価換算は正しく行われているのか 維持期の統合失調症患者において現在の薬物投与量は最適か? 統合失調症“再発”の危険因子は?

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血小板反応性とステント血栓症発生との関連が明確に/Lancet

 米国・コロンビア大学医療センターのGregg W Stone氏らは、冠動脈への薬剤溶出性ステント留置が成功した患者への、アスピリンとクロピドグレル(商品名:プラビックス)併用療法時の血小板反応性と臨床転帰との関連について調べた。その結果、アスピリン、クロピドグレルそれぞれの高い血小板反応性とステント血栓症などの発生との違いについて明らかにした。ステント血栓症の発生は心筋梗塞や死亡の高率な発生と関係しているが、留置後の血小板反応性とステント血栓症や大出血、その他の重大事象との関連については明確にはされていなかった。今回の結果を受けて著者は、「より高い抗血小板のベネフィットが得られるよう、安全な薬剤あるいは強力な薬剤使用のテーラーメイド戦略を開発しなければならない」と提言している。Lancet誌オンライン版2013年7月26日号掲載の報告より。アスピリン/クロピドグレル併用療法の血小板反応性と臨床転帰との関連を調査 冠動脈への薬剤溶出性ステント留置が成功した患者へのアスピリン/クロピドグレル併用療法について、血小板反応性と臨床転帰との関連を検討した試験「ADAPT-DES」は、米国およびヨーロッパの複数(10~15)施設にて、前向き多施設レジストリ研究の手法にて行われた。 経皮的冠動脈介入(PCI)成功後に、VerifyNow(血小板活性簡易測定キット)にて高い血小板反応性を特定し評価を行った。 主要エンドポイントは、確定または未確定を含むステント血栓症の発生とした。その他のエンドポイントは、全死因死亡、心筋梗塞、臨床関連の出血であった。 血小板反応性と有害事象との関連は、傾向補正した多変量解析にて確定した。クロピドグレル、アスピリンで異なる関連の特徴が明らかに 2008年1月7日~2010年9月16日の間に米国とドイツの11施設で8,665例が前向きに登録され、そのうち適格条件を満たした8,583例を解析に組み込んだ。 追跡期間1年時点のステント血栓症の発生は、70例(0.8%)だった。心筋梗塞は269例(3.1%)、臨床関連の出血は531例(6.2%)、死亡は161例(1.9%)であった。 クロピドグレルの高い血小板反応性は、ステント血栓症(補正後ハザード比[HR]:2.49、95%信頼区間[CI]:1.43~4.31、p=0.001)、心筋梗塞(同:1.42、1.09~1.86、p=0.01)と強い関連がみられた。一方、出血については逆相関が認められ(同:0.73、0.61~0.89、p=0.002)、また死亡との関連はみられなかった(同:1.20、0.85~1.70、p=0.30)。 アスピリンの高い血小板反応性は、ステント血栓症(同:1.46、0.58~3.64、p=0.42)、心筋梗塞、死亡との関連は有意ではなかった。出血については逆相関が認められた(同: 0.65、0.43~0.99、p=0.04)。 著者は、「今回の検討において、ステント留置後の出血性および虚血性合併症のカウンターバランスの影響が明確になった」と結論。「より高い抗血小板のベネフィットが得られるよう安全な薬剤あるいは強力な薬剤使用のテーラーメイド戦略を開発しなければならないことが示された」とまとめている。

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情報提供でプライマリでの抗菌薬使用が3割低下/BMJ

 急性呼吸器感染症への抗菌薬処方について、特別に訓練を受けた一般開業医が訓練を受けていない一般開業医に対して情報提供をすることで、同割合がおよそ3割低下した。抗菌薬を処方した場合でも、より狭域な抗菌薬であるペニシリンV投与の割合が増加した。ノルウェー・オスロ大学のSvein Gjelstad氏らが、400人弱の一般開業医を対象に行った無作為化試験の結果で、現状では急性呼吸器感染症に対し、過度な抗菌薬処方が広く行われているという。BMJ誌オンライン版2013年7月26日号掲載の報告より。2回訪問し、急性呼吸器感染症への抗菌薬投与に関するガイドラインなどを説明 研究グループは、ノルウェーの一般開業医79グループ・382人を対象に無作為化試験を行った。介入群の医師(39グループ、183人)には、特別な訓練を受けた一般開業医が2回訪問し、急性呼吸器感染症への抗菌薬投与に関するガイドラインや、最近のエビデンスについて説明をした。また、特別なソフトウエアを用い、その医師の前年の抗菌薬処方に関するデータを電子カルテから集め、それに基づいてディスカッションを行った。 対照群(40グループ、199人)には、70歳以上高齢患者への適切な処方に関する説明を行った。 主要評価項目は、抗菌薬の処方率と、ペニシリンV以外の抗菌薬の処方割合だった。介入群で抗菌薬処方率はおよそ3割減、ペニシリンV以外の抗菌薬の割合も減少 その結果、介入群のベースライン時の急性呼吸器感染症への抗菌薬処方率は33.2%から31.8%へ減少し、対照群は33.4%から35.0%へ増加し、介入群での有意な減少が認められた(オッズ比:0.72、95%信頼区間:0.61~0.84)。また処方された抗菌薬のうち、非ペニシリンV抗菌薬の占める割合も、介入群で有意に減少した(同:0.64、0.49~0.82)。 なお、患者1,000人当たりの抗菌薬処方件数は、介入群で80.3から84.6へ、コントロール群で80.9から89.0へ増加していたが、これは抗菌薬処方を必要とする急性呼吸器感染症(とくに肺炎)の患者数が増加したことを受けてのものであった。

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欧州では小児アトピーに免疫抑制薬を処方

 難治性小児アトピー性皮膚炎の処方薬について、欧州8ヵ国で行われたインターネットサーベイの結果、全身性の免疫抑制薬が幅広く多岐にわたって用いられていることが明らかにされた。英国・Guy's and St Thomas' NHS Foundation TrustのL.E. Proudfoot氏ら、ヨーロッパ皮膚疾患疫学ネットワーク(EDEN)のヨーロッパ重症小児アトピー性皮膚炎治療タスクフォース(ヨーロッパTREAT)が報告した。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年7月16日号の掲載報告。 従来療法に対し難治性を示す小児アトピー性皮膚炎において、全身性治療薬を用いることのエビデンスは不足している。そのため、患者の治療は、バリエーションが多いものになっている。 ヨーロッパTREATサーベイは、臨床における最新の処方データを集めて、特定の全身性治療薬の使用に影響している因子を特定すること、および適切な介入による臨床試験を行うための情報提供を目的に行われた。 Webベースで行われたサーベイには、ヨーロッパ8ヵ国の小児皮膚科学会および団体に所属する専門医が参加した。複数回答形式の質問票で、一般的診療データと同時に、難治性小児アトピー性皮膚炎での全身性治療薬に関する詳細な情報が集められた。 主な結果は以下のとおり。・サーベイ参加を呼びかけたeメールに対し、765人のうち343人(44.8%)から回答を得られた。回答者のうち、89.2%が皮膚科医であった。・重症アトピー性皮膚炎の子どもに対して、71%が全身性免疫抑制薬による治療を開始していた。・第一選択薬は、シクロスポリン(43.0%)、経口コルチコステロイド(30.7%)、アザチオプリン(21.7%)であった。・第二選択薬も、シクロスポリンが最も多かった(33.6%)。・第三選択薬は、メトトレキサートが最も多かった(26.2%)。・53.7%は、ルーチンで皮膚感染について調べ、全身性治療薬投与の開始に先立って皮膚感染症の治療を行うと回答した。・ヨーロッパ8ヵ国全体で、ペニシリンは抗菌薬の第一選択薬であった(78.3%)。・以上の結果を踏まえて著者は、「明らかなエビデンスベースがない中で、ヨーロッパTREATサーベイにより、難治性小児アトピー性皮膚炎において全身性の免疫抑制薬の処方が幅広く多岐にわたって用いられていることが確認された。この結果は、ヨーロッパ全体の患者の治療に関連する無作為化試験のデザインに活用すべきであろう」と結論している。

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大気汚染を無視できない 生活習慣病としての急性心不全(コメンテーター:平山 篤志 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(122)より-

1900年初頭、英国でコレラが発生したとき、その対策を立てる中で疫学が生まれた。これにより公衆衛生学が進歩し、下水道の完備などによって感染症は、先進国では克服された。その後、大気汚染による喘息の発生も公害対策により減少した。下水道の完備や環境対策によって、汚染による疾患は減少したように思われていた。 しかし、Lancet誌に掲載された大気汚染と心不全による入院や死亡リスクの関連を明らかにした論文をみると、決して減少しているのではなく、むしろ疾病の形を変えて増加していることが示されている。食生活などの生活習慣や、高齢化などで増加すると思われていた心不全も、大気汚染との関連で増加しているなら、医療に携わる者は大気汚染にもっと関心を持たねばならない。 たしかに、大気汚染と心不全の直接的な因果関係は不明であるが、大気汚染対策は恒久的に継続する必要がある。とくに、近隣諸国からのPM2.5などの問題が大きく取り上げられる中で、国際的にも今後このようなエビデンスを広く知らしめる必要があると考える。

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小児急性中耳炎診療ガイドライン2013年度改訂版トピックス-肺炎球菌迅速検査キット導入の意義-

■2013年度改訂の背景小児急性中耳炎診療ガイドラインはエビデンスに基づいた推奨治療法の作成を目的とし、中耳炎患者の診断・治療に有益となることを目標としており、Minds(医療情報サービス)へも掲載されている。前回(2009年)の改訂以降、肺炎球菌ワクチンの国内導入、またテビペネムピボキシル(TBPM-PI)、トスフロキサシン(TFLX)などの新薬が認可されるとともに、2011年11月には肺炎球菌迅速検査キット「ラピラン®肺炎球菌HS」が保険収載され、診療ガイドラインにおけるこれらの位置づけを明確に提示することとなった。■主な改訂ポイント2013年版 小児急性中耳炎診療ガイドラインの主な改訂ポイントとして、以下の点が挙げられる。1)重症度スコアリング項目から「光錐」を削除し、スコア5点以下を軽症、6〜11点を中等症、12点以上を重症と再定義した。2)中等症、重症において抗菌薬投与後3日目に病態を確認する。3)治療薬として、新たに経口抗菌薬2剤(TFLX、TBPM-PI)を追加した。4)7価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV-7)項目を追加した。5)迅速検査キット「ラピラン®肺炎球菌HS(中耳・副鼻腔炎)」を導入した。以下、今回の改訂の特徴の1つである肺炎球菌迅速検査キット「ラピラン®肺炎球菌HS(中耳・副鼻腔炎)」の位置づけや使用法について概説する。■肺炎球菌迅速検査キットの意義急性中耳炎においても原因微生物の同定は重要なステップである。従来からの起炎菌検査法であるグラム染色法は多忙な日常臨床のなかで実施することは難しく、また細菌培養法は結果まで数日を要するため、治療開始時点では起炎菌が不明な場合が多い。このような背景からも迅速検査キットの活用により治療前に原因微生物を推定することは有用である。「ラピラン®肺炎球菌HS」は、中耳炎および副鼻腔炎における肺炎球菌抗原診断として、国内で初めて保険収載された迅速診断薬(保険点数210点、判断料(月1回に限る)144点)で、早期の起炎菌検索に有用である。臨床性能試験における本キットの成績は培養検査と良好な一致率を示した(図1)。図1 迅速検査キット「ラピラン®肺炎球菌HS」の臨床性能試験成績画像を拡大するこれらの成績により、本キットは中耳炎や鼻副鼻腔炎の肺炎球菌感染診断に有用と考えられた1)。また中耳炎・副鼻腔炎合併症例を対象とした検討で、中耳貯留液の肺炎球菌培養検査を基準としたときに、鼻咽腔ぬぐいの培養検査と本キットの検査結果がほぼ同等の成績であったため、中耳貯留液の採取が難しい場合には、鼻咽腔の検体を代用できることが示唆された。 留意点として死菌検出、偽陰性(抗原量少ない場合)、鼻咽腔ぬぐい液では鼻咽腔定着細菌の検出などが挙げられる。本キットの診断意義としては、陽性:肺炎球菌が起炎菌、また死菌残存(中耳貯留液)、常在菌(上咽頭ぬぐい)もあり得る。陰性:インフルエンザ菌やMoraxella catarrhalisが起炎菌、非細菌性またはウイルス性、また肺炎球菌量が少ない(偽陰性)場合がある。■本キットの結果に基づく抗菌薬選択について本キットが陽性であれば、AMPC高用量、クラブラン酸・アモキシシリン合剤(CVA/AMPC)、テビペネムピボキシル(TBPM-PI)など、肺炎球菌をターゲットとした治療が考えられる。また、本キットは薬剤耐性菌やその他の起炎菌の情報は得られないが、2歳未満、集団保育、1ヵ月以内の抗菌薬前治療などの薬剤耐性菌リスク因子を考慮したうえで迅速キットを使用すれば早期の治療選択に役立てることができる。画像を拡大する■迅速検査キット使用のタイミング小児急性中耳炎診療において、次のような場合に肺炎球菌迅速検査キットの結果が参考になる(アルゴリズム中の*印)。1)軽症(スコア≦5点):(図2-A)   3日間の経過観察で改善せず、アモキシシリン(AMPC)を3日間投与しても改善が認められない症例の抗菌薬選択(3回目診察、4回目診察)。2)中等症(スコア6-11点):(図2-B)   AMPC高用量3日間による初回治療後に改善がみられない症例の抗菌薬選択(2回目診察、3回目診察)。3)重症(スコア12点以上):(図2-C)   初診時あるいは初回治療後に改善がみられない症例の抗菌薬選択。■図2 重症度別の治療アルゴリズムA. 軽症(スコア≦5点)画像を拡大するB. 中等症(スコア6~11点)画像を拡大するC. 重症(スコア≧12点)画像を拡大する■肺炎球菌迅速検査キットの使用法キットの使用法を図3に示す。抽出操作は約5分、反応時間は15分で、測定開始から15分が経過していなくても判定部に2本の赤い線が確認できた時点で陽性と判定可能である。図3 「ラピラン®肺炎球菌HS(中耳・副鼻腔炎)」の操作法および判定法画像を拡大する■まとめ治療開始の時点では起炎菌が不明なことが多い小児急性中耳炎診療の現場では、迅速検査キットの導入によって、早期の適切な治療アプローチが可能となり、治癒の達成、患児のQOLの改善とともに耐性菌や医療費の抑制にもつながると期待される。1)Hotomi M, et al. PLoS One. 2012; 7(3) :e33620.関連ニュース4年ぶりの改訂『小児急性中耳炎診療ガイドライン2013年版』発売【問い合わせ先】 大塚製薬株式会社 医薬情報センター〒108-8242 東京都港区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー電話:0120-189-840

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認知症患者の約2割にせん妄が発現

 神戸大学大学院医学研究科精神医学分野の長谷川典子氏らは、外来の認知症患者におけるせん妄の発現状況について検討した。その結果、認知症患者の約2割にせん妄が認められ、その発現は認知症のタイプにより異なること、またCVD併発例で多くみられることを報告した。International Psychogeriatrics誌オンライン版2013年7月22日号の掲載報告。 せん妄と認知症は深く関連するが、認知症に重なるこの変性意識状態を検討した包括的な疫学研究はほとんどない。今回、認知症外来患者におけるせん妄の頻度、認知症タイプ別の発現状況、神経変性疾患による認知症患者の脳血管疾患(CVD)との関連について検討した。2010年4月~2011年9月において、精神病院のメモリークリニックを受診した外来患者261例(連続症例)を対象とした。全患者について、臨床検査、CT検査、Mini-Mental State Examination(MMSE)、Neuropsychiatric Inventory(NPI)、Physical Self-Maintenance Scale(PSMS)、およびDelirium Rating Scale-Revised-98スコアを評価した。せん妄の診断はDSM-Ⅳ-TRにより行い、CVDはCTにより検出した。 主な結果は以下のとおり。・認知症患者206例のうち、せん妄は40例(19.4%)に認められた。・認知症タイプ別のせん妄の発現状況は、アルツハイマー病が14.7%、血管性認知症で34.4%、レビー小体型認知症が31.8%で、前頭側頭葉変性型では認められなかった。・せん妄は、認知症とCVD併発例に多くみられた。・NPI総スコアおよび興奮のサブスケールスコアは、せん妄を伴う認知症患者のほうが、せん妄を伴わない認知症患者に比べ有意に高かった。・PSMSスコアは、せん妄を伴う患者のほうが、せん妄を伴わない患者に比べ有意に低かった。・以上より、認知症のタイプによってせん妄の頻度はさまざまであること、せん妄はADL(日常生活動作)を低下させ、認知症の行動・心理症状を悪化させること、神経変性疾患による認知症患者におけるCVD併発と関連することが示された。関連医療ニュース 高齢者のせん妄に対する抗精神病薬のリスクは? せん妄はレビー小体型認知症のサイン?! たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能

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腎結石の女性、CHDリスクが増大/JAMA

 腎結石を有する女性は冠動脈心疾患(CHD)のリスクが有意に増大しているが、男性にはこのような関連は認めないとの研究結果が、JAMA誌2013年7月24日号に掲載された。これまでの検討では、腎結石の既往歴とCHDリスクの上昇との関連について一貫性のある結果は得られていないという。今回、イタリア・Columbus-Gemelli病院(ローマ市)のPietro Manuel Ferraro氏らは、米国の医療従事者を対象とした3つの大規模な前向きコホート試験のデータを解析した。24万例以上の前向きデータを解析 米国の調査では、腎結石の有病率は1976~1980年の3.8%から2007~2010年には8.8%(男性10.6%、女性7.1%)へと増加している。腎結石は動脈硬化、高血圧、糖尿病、メタボリック症候群、心血管疾患などとの関連が示唆されているが、これらの疾患は腎結石患者に多い腎疾患やカルシウム代謝異常に起因する可能性もあるという。 研究グループは、米国で医療従事者を対象に実施された以下の3つの前向きコホート試験の参加者のうち、ベースライン時にCHDの既往歴のない24万2,105例(男性4万5,748例、女性19万6,357例)について検討した。 Health Professionals Follow-up Study(HPFS:男性4万5,748例、40~75歳、1986~2010年)、Nurses’ Health Study I(NHS I:女性9万235例、30~55歳、1992~2010年)、Nurses’ Health Study II(NHS II:女性10万6,122例、25~42歳、1991~2009年)。 主要評価項目はCHDであり、致死的または非致死的心筋梗塞の発症および冠動脈血行再建術の施行と定義した。フォローアップ期間中は2年に1回、質問票を用いて腎結石とCHDを同定し、診療記録で確認した。HRは男性1.06、女性1.18、1.48 男性は最長24年、女性は18年のフォローアップが行われ、期間の中央値はHPFSが9.8年、NHS Iが8.2年、NHS IIは8.9年であった。1万9,678例が腎結石を、1万6,838例がCHDを発症した。 平均年齢は、HPFSの腎結石群が55.8歳、非腎結石群は53.7歳、NHS Iはそれぞれ59.0歳、58.4歳、NHS IIは37.4歳、36.6歳だった。3試験とも腎結石群で高血圧、チアジド系利尿薬の使用、高コレステロール血症が多く、NHS Iでは腎結石群で糖尿病が、HPFSとNHS Iでは腎結石群で痛風が多かった。また、腎結石群ではカルシウム、カフェイン、ビタミンDの摂取量が少なかった。 女性の交絡因子調整後のCHD発生率は、腎結石群が非腎結石群に比べ有意に高かった。すなわち、NHS Iでは10万人年当たりのCHD発生率が腎結石患群754、非腎結石群514(ハザード比[HR]:1.18、95%信頼区間[CI]:1.08~1.28)、NHS IIではそれぞれ144、55(HR:1.48、95%CI:1.23~1.78)であった。 男性(HPFS)では、10万人年当たりのCHD発生率が腎結石群1,355、非腎結石群1,022(HR:1.06、95%CI:0.99~1.13)であり、有意な差は認めなかった。 致死的/非致死的心筋梗塞(HPFS=536 vs 432/10万人年、HR:1.01、95%CI:0.92~1.11、NHS I=289 vs 196、1.23、1.07~1.41、NHS II=61 vs 25、1.42、1.07~1.90)および冠動脈血行再建術(HPFS=941 vs 706、1.06、0.98~1.14、NHS I=605 vs 401、1.20、1.09~1.32、NHS II=107 vs 40、1.46、1.17~1.81)についても同様の結果が得られた。 著者は、「腎結石の女性ではCHDのリスクが、強固ではないが有意に増大していた。このような性差の原因を解明し、病態生理学的な基礎を確立するために、さらなる検討を進める必要がある」と指摘している。

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高齢者の障害リスク、不健康な生活習慣により増大/BMJ

 不健康な生活習慣は身体障害リスクを増大し、そのリスクは不健康な生活習慣の数が多いほど上昇することが、フランス・INSERMのFanny Artaud氏らによる同国高齢者を対象としたコホート研究データからの解析の結果、明らかになった。これまで、不健康な生活習慣およびその数が慢性疾患や突然死などのリスクを高めることは示されていたが、障害との関連について調べた研究はほとんどなかった。BMJ誌オンライン版2013年7月23日号の掲載報告より。3,982人を12年間追跡 本検討は、1999~2001年に登録・開始されたフランス3都市の住民で65歳以上高齢者を対象とした前向きコホート研究「3Cスタディ」のうち、ディジョン市住民データについて行われた。同被験者群は、研究者がとくに身体機能と障害に注目して追跡を行っていた。 Artaud氏らは、ベースライン時で生活習慣の評価を行っており、身体障害のなかった3,982人(うち女性60.5%)について12年間追跡を行い、障害の発生程度や生活習慣との関連について評価した。 主要評価項目は、運動能、手段的な日常生活動作、基本的な日常生活動作の3つの障害尺度のデータを、2001年から2012年の間に5回評価し統合した障害重症度の階層的指標(なし、軽度、中等度、重度)とした。運動不足、果物・野菜不足、喫煙が増大、一方でアルコールとの関連はみられず 12年間の追跡期間中に、1,236人(うち女性69.7%)が、中等度または重度の障害を有していた。 解析の結果、障害発生と独立した関連を示したのは、運動不足(ハザード比:1.72、95%信頼区間[CI]:1.48~2.00)、果物や野菜の摂取が1日1回未満(同:1.24、1.10~1.41)、喫煙している/少し前まで喫煙していた(同:1.26、1.05~1.50)ことであった。一方、アルコール摂取との強い関連はみられなかった。 障害リスクは、不健康な生活習慣の数が多いほど上昇がみとめられた(p<0.001)。不健康な生活習慣が3つ以上あった高齢者は、1つもなかった人と比べて、障害を有するリスクが2.53倍(95%CI:1.86~3.43)高かった。 バイアス検討のため、追跡期間の最初の4年間で障害を有した被験者を除外して行った890例についての解析の結果も、先の主要解析の結果と同様のものであった。 不健康な生活習慣と障害発生との関連のうち、BMI・認知機能・抑うつ症状、外傷、慢性疾患、心疾患およびそのリスクファクターが30.5%を占めていた。そのうち慢性疾患が占める割合が大きく、抑うつ症状、外傷、BMIが続いていた。 以上を踏まえて著者は、「不健康な生活習慣は障害リスクの増大と関連していた。また、その数が多いほどリスクは高まることが示され、慢性疾患、抑うつ症状、外傷、BMIが関連していることが示された」と結論している。

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加水分解小麦含有石鹸による運動誘発アナフィラキシーの臨床経過

 近年、加水分解物小麦含有石鹸の使用により接触感作された、小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA:wheat-dependent exercise-induced anaphylaxis)が相次いで報告され、社会問題となっている。WDEIAは小麦含有食品を摂取しただけでは症状を呈さないが、小麦含有食品摂取と運動負荷が重なることで発症する即時型の食物アレルギーである。 広島大学の平郡 真記子氏らは、加水分解物小麦含有石鹸とWDEIAの関連、およびその経過について報告した。その結果、加水分解物小麦含有石鹸の使用とWDEIAには関連がみられ、石鹸の使用中止により、加水分解物小麦への感受性は経時的に減少、治癒する可能性が示された。Allergology International誌オンライン版2013年7月25日掲載報告。 平郡氏らは、2010年1月から2011年6月に広島大学でWDEIAと診断された患者36例に対して、詳細な病歴の確認、皮膚プリックテスト、抗原特異的IgE抗体検査およびヒスタミン遊離試験を実施した。その後、患者の臨床症状の経過を調査した。 主な結果は以下のとおり。・患者は大部分が女性で、36例中30例は同一の加水分解物小麦含有石鹸を使用していた。・主な症状は顔の症状と血管性浮腫であった。なお、従来のWDEIAよりも血圧低下の頻度は低かった。・ω-5グリアジン特異的IgE抗体価よりも、グルテン特異的IgE抗体価のほうが高値であった(p<0.05、一元配置分散分析)。・加水分解物小麦は、ヒスタミン遊離試験を実施したすべての患者で陽性であった。・従来の小麦抗原のうち、好塩基球からのヒスタミン遊離はグルテニンで最も多かった。・グルテンとグルテニンに対する感受性は、加水分解物小麦含有石鹸の使用中止により、減少した。

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糖尿病患者の血圧を下げるのは緑茶orハイビスカスティー?

 1日3杯、ハイビスカスティーや緑茶を飲むことは、血圧高めの2型糖尿病患者に好影響を与えるかもしれない。 2型糖尿病患者における軽度高血圧症にハイビスカスティーと緑茶が及ぼす影響を比較した試験の結果から、4週間、毎日3杯のハイビスカスティーや緑茶を飲むことは、どちらも収縮期および拡張期血圧の低下につながることが明らかになった。本研究は、イラン・Shahid Sadoughi 医科大学のHassan Mozaffari-Khosravi氏らによる検討で、Journal of Dietary Supplements誌2013年6月10日号に掲載された。 試験対象は、軽度高血圧症を合併した2型糖尿病患者100例で、それぞれハイビスカスティー群(ST)と緑茶群(GT)の2群に無作為に割り付けられた。対象者は4週間にわたって、1日3回、食後2時間時点に、それぞれハイビスカスティーか緑茶を飲むよう指示された。対象者の血圧値は1日目、15日目、および試験終了時点に測定された。 主な結果は以下のとおり。・試験終了時の収縮期血圧は、両群とも有意な減少が認められた。ST群では123.1±15.5mmHgから116.8±16.3mmHg、GT群では119.4±15.1mmHgから114.8±15.9mmHgへの低下が認められた。・試験終了時の拡張期血圧についても、両群とも有意な減少が認められた。ST群では79.4±11.1から74.5±9.3 mmHg、GT群では78.9±8.3から75.3±7.7 mmHgへの低下が認められた。・お茶を飲むことの治療効果は、試験開始時と比較してST群で43.5%、GT群で39.6%に認められた。

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椎間板性腰痛、パルス高周波療法は有効

 椎間板に起因する疼痛は腰痛の重大な原因であるが、近年開発された治療法として、椎間板に高周波電流を適用するパルス高周波療法(PRF)がある。滋賀医科大学医学部附属病院ペインクリニック科の福井 聖氏らは、慢性椎間板性腰痛患者を対象に前向き研究を行い、椎間板内PRFは疼痛緩和および障害軽減に有効であることを示した。比較的少数例で薬物療法や心理的影響などを評価しておらず研究に限界があるものの、本療法は安全で侵襲性の少ない治療法と考えられる、とまとめている。同院ペインクリニック科は、国公立大学病院では日本で初めてのペインクリニック単独での診療科として開設された。Pain Physician誌2013年7-8月号の掲載報告。 対象は、椎間板ブロックによって慢性椎間板性腰痛と診断され保存的治療の効果がない患者23例であった(平均年齢35.3±9.86歳)。 Diskit II針(長さ15cm、先端20mm露出の20G)を椎間板の中央に設置し、PRF(5×5ms/s、60V)を15分間適用した。 治療前および治療1、3、6および12ヵ月後に、疼痛の数値的評価スケール(NRS、0~10で数値化)およびローランド・モリス障害質問票(RMDQ)スコアを測定した。 主な結果は以下のとおり。・NRSスコア平均値は、治療前の7.47±0.85から治療12ヵ月後には3.13±2.58に有意に改善した(p<0.01)。・RMDQスコアも、治療前の11.4±1.57から治療12ヵ月後には2.90±2.97に有意に改善した(p<0.01)。・治療12ヵ月後において、23例中19例(82.6%)はNRSスコアが2以上改善し、15例(65.2%)は疼痛が50%以上減少した。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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BPSDだけではない!認知症の生活障害にどう対応する?

最近では、一般人向けの新聞記事でも目にするなど、「BPSD(認知症の行動・心理症状)」の概念が広まりつつあり、BPSDに対する介護者の大変さはよく知られてきている。それに加え認知症の介護では、食事、排尿・排便、更衣、入浴など基本的な日常生活ができなくなる「生活障害」への対応も、介護者にとっては大きな負担となる。その対応について、筑波大学臨床医学系精神医学 教授 朝田 隆氏が「認知症の生活障害とその対応」と題して、第109回日本精神神経学会学術総会(2013年5月23日~25日)にて講演した。その内容を紹介する。認知症介護者がつらい原因は「希望がない」「BPSD」「生活障害への対応」わが国では、殺人・殺人未遂事件件数は昭和50年代のピーク時(約3,000件)に比べ、2009年には約3分の1に減少しているが、子が加害者で親が被害者であった事件件数は1985年から2009年の間に約3倍に増えている。その陰には、介護殺人、とくに認知症の介護殺人の存在があることが報告されている。また、そこまで極端ではなくとも、認知症の介護者はうつ症状・うつ病になりやすく、この頻度は少なくとも一般人口比で3倍以上ということが報告されている。認知症介護者がつらい要因として、根本治療薬がなく希望がないこと、BPSDのつらさ、生活障害への対応のつらさが挙げられる。生活障害とは?生活障害とは、いわゆる基本的な日常生活を構成する行動の障害であり、認知症のごく初期では、電話、買い物、料理、キャッシングなどができなくなることが特徴的である。朝田氏が、若年性認知症患者の家族の方々に、認知症に気付いたきっかけを聞いたところ、多くは記憶障害であったが、食事のときに片手だけしか使わずボロボロこぼすようになるというものがあった。認知症が進行するとともに、服の着方・脱ぎ方がわからなくなる、布団がきちんと敷けなくなる、敷き布団の下にもぐって寝る、回すという動作ができずドアを開けることができない、便座と自分の位置関係がわからず逆向きに座るなどの障害が日常化してゆく。この生活障害は、その行為が時にできなくなることに始まり、認知症が進行するに伴って成功確率が低下する。当初はできないことで苛立つが、イライラは次第に消えおとなしくなる。さらに、できないことが自覚できなくなるため、介護者に言われると立腹し、そのうちできなくて当然、やってもらって当然になる。BPSDと生活障害は似ているが、生活障害のほうがBPSDより技術的な対応が必要である。また、BPSDは連続性がなく突然発現するが、生活障害には日々現れる症状のため介護者の苛立ちがたまるという特徴がある。生活障害に対する基本の対応は?それでは、生活障害にどのように対応すればよいのだろうか。朝田氏は、一連の行為を一つひとつの動作に分解して、それらの順序立てを考えるのがわかりやすいと言う。たとえば、歯磨きという行為は、洗面所の前に立つ、歯ブラシを取る、ペーストチューブを取る、チューブの蓋を開ける、歯ブラシにペーストを付ける、チューブの蓋を閉める、チューブを元の場所に戻す、などの動作が連続的に順序よくなされて完成する。認知症患者の行動を観察すると、動作の順番を間違ったり、歯ブラシやペーストチューブを認識できなかったりすることが歯磨き行為をできない原因となっていることがわかる。その他の行為、たとえば排泄や食事も一連の動作に分けることによって、失敗のパターンと手助けすべきところが見えてくる。これらの生活障害に対して、基本となる対応は「仕切り直し」である。介護者が焦らず間を置くことで、当事者は混乱と苛立ちを忘れる。学問的にも「場所と時が変わればできてしまう、失行とはそんなもの」とされている。仕切り直しの例として、朝田氏は、施設の送迎車の座席に正しく座れなかった患者が、一度自動車を降りて再度乗車させると正しく座れた例を紹介した。また、動作の流れの手助けをして成功した例として、上着をうまく脱ぐことができない患者に、背後にまわって肩甲骨のあたりを少し引っ張るとそれが反射となり脱ぐことができた例を挙げた。「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」朝田氏は、山本五十六の語録「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」が認知症介護にも通じており、認知症患者の家族に伝えるべき言葉だという。実践的には、全部をしてあげるのではなく当事者の能力を最大限に活かすこと、また、流れの乱れが基本にあるためリズムに乗せることが大事であり、端緒がどこかをしっかり見ることが重要であると述べた。脳科学としての生活行為の研究にも挑戦本講演で朝田氏は、認知症ケアの知恵集めのほか、認知症専門医や神経心理学・認知リハビリの専門家、脳機能評価に精通した研究者と連携し、脳磁図(磁気で見た脳波)で行為時の脳の働きをモニターするなど、脳科学として生活行為の研究にも挑戦し始めていることを紹介した。

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低線量CTによる検診は肺がん死を減少させうるか(コメンテーター:小林 英夫 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(121)より-

本論文は、2011年に発表されたAmerican National Lung cancer Screening Trial(NLST)、N Engl J Med. 2011; 365: 395-409の追加解析報告である。2011年報告は5万名以上という大規模集団での比較試験であり、低線量CT検診により20%の肺死亡減少効果が示されたエビデンスレベルの高い研究であった。続編としての本報告は、対象集団を保有リスク別に5群分別し、群毎の肺がん死抑制効果を解析している。結果はある意味予測通り、リスクの高い群ほど肺がん死減少効果が高く、低リスク群では減少効果も少ないというものとなった。結論として、肺がんの低線量CT検診は高リスク群(喫煙経験者)において、より高率に肺がん死を抑制できることが示された。 以下、肺がん検診に直接関わっていない医師に向けて解説したい。 検診によって疾患の早期発見を目指すことが望ましいという概念は当然のことと思われていたが、30年前と20年前に、胸部X線撮影による検診では、発見数は増えても肺がん死を減少させられないという衝撃的な論文が登場した(Mayo Lung Project, Prostate, Lung, Colorectal, and Ovarian(PLCO)Cancer Screening Trial)。本邦の検診とは精度やシステムが大きく異なるものの、その後も欧米ではほぼ既成事実ととらえられている(Oken MM et al. JAMA. 2011; 306: 1865-1873.)。一方本邦では現在も、精度管理が適切に遵守できれば胸部X線による肺がん検診は推奨できると考えられている(http://canscreen.ncc.go.jp/pdf/guideline/guide_lung070111.pdf)。ただし、適切に管理できていない検診が実施されていることも事実であり、現場運営での問題点として指摘されている。 それならば、X線撮影に比し、より病変検出力が高いCTならば肺がん死を減じられるかどうかが新たな検討事項となった。すでにいくつもの報告がなされており、2013年7月にU.S. Preventive Services Task Force(USPFTS)が発表した肺がん検診draftも、このNLST研究の結果を主に反映して、低線量CTの有効性はほぼ認められてきている。とはいえ、コストや放射線被曝量といった問題点も存在することから、対策型検診(住民検診など)への安易な導入が直ちに推奨できないこと、また本邦ではどのように運営すべきかなどは未解決である。 検診には疑陽性者への過剰介入といった不利益も伴うため、不適切な検診は有害であるとも極論される。本邦では肺がんCT検診認定機構がCT検診に備えた人材育成を、日本CT検診学会がガイドラインを公表し、将来に向けた研究と準備が開始されている。

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認知症高齢者5人に1人が抗コリン薬を使用

 認知症を有する人に対する抗コリン薬の使用は、認知機能に悪影響を及ぼす。しかし、米国のコミュニティベースにおける認知症高齢者の抗コリン薬治療の頻度やその使用に関連する因子については、これまでほとんど検討されていなかった。米国・ヒューストン大学のSneha D. Sura氏らは、認知症高齢者における抗コリン薬の使用状況と使用に関連する因子を明らかにすることを目的に、米国民の非入院患者の代表的な集団であるMedical Expenditure Panel Surveys (MEPS)の2005~2009年のデータをレトロスペクティブに解析した。その結果、認知症高齢者の5人に1人が抗コリン薬を使用しており、その使用に気分障害、尿失禁および居住地域が関連していることを報告した。Drugs & Aging誌オンライン版2013年7月24日号の掲載報告。 地域在住の65歳以上の認知症患者を対象に、研究期間中の抗コリン薬の毎年の使用頻度、抗コリン薬使用に関連する因子について評価した。Anticholinergic Drug Scale(ADS)を用いて抗コリン薬を特定し、臨床的に意味のある抗コリン薬の使用(ADSレベル2または3)と関連する予測因子を明らかにするため、Anderson Behavioral Modelの概念的枠組みの範囲で多重ロジスティック回帰解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・MEPSの研究期間中、認知症高齢者は年間で合計156万人(95%信頼区間[CI]:134~173万人)いることが認められた。・認知症高齢者の約23.3 %(95%CI:19.2~27.5)が、臨床的に意味のある抗コリン薬の使用(ADSレベル2または3)を行っていた。・抗コリン薬の使用を必要とする因子の中でも、気分障害(オッズ比[OR]:2.19、95%CI:1.19~4.06)と尿失禁(同:6.58、2.84~15.29)に対して、より抗コリン薬を使用する傾向がみられた。・より高用量の抗コリン薬を使用する確率は、北東地域に在住している患者に比べ西部地域に在住している患者のほうが有意に低かった(OR:0.41、95%CI:0.17~0.95)。・以上より、認知症高齢者の5人に1人が臨床的に意味のある抗コリン薬の使用を行っていることが明らかになった。また、気分障害、尿失禁および居住地域が抗コリン薬の使用と有意に関連していることが示された。・この結果を踏まえて、著者は「臨床的に意味のある抗コリン薬に焦点を当て、薬物使用の質改善に向け一丸となった努力が求められる」と提言している。関連医療ニュース 抗精神病薬と抗コリン薬の併用、心機能に及ぼす影響 統合失調症治療にベンゾ併用は有用なのか? ベンゾジアゼピン系薬物による認知障害、α1GABAA受容体活性が関与の可能性

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アルツハイマー情報サイト公開 米ADEARの日本語版

 臨床研究情報センターは1日、アルツハイマー病に関する正しい知識の普及およびその理解の推進を図ることを目的に、『アルツハイマー病情報サイト』(http://adinfo.tri-kobe.org/)を公開した。 同サイトでは、米国国立加齢研究所アルツハイマー病啓発・情報センター(Alzheimer's Disease Education and Referral Center:ADEAR)が配信する、アルツハイマー病に関する最新かつ包括的な情報の日本語版を公開している。なお、翻訳にあたっては、東京大学岩坪 威 教授の指導のもとで監訳・監修を受けているという。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.tri-kobe.org/news/pdf/20130801_PressRelease.pdf

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