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統合失調症治療薬ルラシドンの長期投与試験

統合失調症治療薬ルラシドンの12ヵ月にわたる長期投与試験の結果が発表された。Citrome氏らはルラシドンの長期安全性および忍容性を評価する目的でリスペリドンとの二重盲検比較試験を実施し、「ルラシドンは長期投与により良好な忍容性が示された」と報告した。安定した統合失調症外来患者427例をルラシドン群(40-120mg/日)とリスペリドン群(2-6mg/日)に2:1の比率で割り付け比較検討した。主な結果は以下のとおり。 1)ルラシドン群(vs リスペリドン群)で最も多くみられた有害事象は、嘔気(16.7% vs 10.9%)、不眠症(15.8% vs 13.4%)、鎮静(14.6% vs 13.9%)であった。2)リスペリドン群(vs ルラシドン群)で最も多くみられた有害事象は、体重増加(19.8% vs 9.3%)、傾眠(17.8% vs 13.6%)、頭痛(14.9% vs 10.0%)であった。3)少なくとも7%の体重増加がみられた患者はリスペリドン群 vs ルラシドン群=14% vs 7%であった。4)プロラクチン値の変化量はリスペリドン群で有意に高かった(p

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日本人健診データからみる、hsCRPと糖尿病発症の関係

糖尿病発症と高感度C-反応性タンパク質(hsCRP)との関係を明らかにする目的で、日本人男性を対象とした5年間の前向きコホート研究が行われた。試験参加者は2005年~2010年の間に毎年健康診断を受けた鉄鋼工場勤務の19~75歳の日本人男性7,392名。本研究のエンドポイントである新規糖尿病発症は、HbA1c値が6.5%以上、または、抗糖尿病薬服用として定義した。年齢、ベースライン時のBMI、ベースライン以降のBMI増加、血液生化学検査の値、業務スケジュールや業務上のストレス、といった、さまざまな因子を調整し、ロジスティック回帰分析を用いて調べた。主な結果は以下のとおり。 ・本研究における糖尿病発症率は13.9/1000人・年であった。・多変量解析の結果、糖尿病発症と、ベースライン時点におけるhsCRP高値、ベースライン以降のhsCRP上昇との間に有意な相関がみられた。オッズ比は2.9[±1幾何標準偏差]・ベースライン時点におけるhsCRP高値とのオッズ比は1.18(95%信頼区間[CI]:1.03~1.34、P=0.018]、およびベースライン以降のhsCRP上昇とのオッズ比は1.21(95%CI:1.03~1.41、P=0.018)であった。・hsCRPは、BMI、業務スケジュールや業務上のストレスといったさまざまな交絡因子と同様、日本人男性における糖尿病発症の独立した予測因子であることが示された。(ケアネット 佐藤 寿美)

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日本睡眠学会第37回定期学術集会のご案内 会長の井上氏より

2012年6月28~30日にパシフィコ横浜にて日本睡眠学会第37回定期学術集会が開催されます。会長の井上雄一氏より寄稿文をいただきました。是非ご覧ください。来る平成24年6月28日から30日の3日間、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)にて、日本睡眠学会第37回定期学術集会を会長として主催いたします。本学術集会は毎年1回、睡眠ならびに生体リズムのメカニズムと病態、社会的意義を解明し、実生活に活かすことを目的に開催され、全国の基礎医学、社会医学、臨床医学、薬学、検査医学、臨床ならびに実験心理学、看護学等の研究者や臨床家が参加し、過去最多となる45のシンポジウムが予定されています。本年度は「睡眠研究 新世代への架け橋」をテーマに掲げ、快適な睡眠がストレス社会の現代で人間性を回復させるために重要であり、睡眠健康の増進が高血圧や糖尿病という生活習慣病の予防・治療や、うつ病に代表される精神疾患、ひいては自殺の抑制にも有益であることを訴求、提案していく予定です。今回は、睡眠学の学際的な進歩を広く若手研究者に普及・拡大させるのみならず、睡眠を専門としない医療関係者の皆様にも広く門戸を開くため、開催期間中は常時、学会員以外の医療関係者が聴講できるシンポジウムを開催いたします。本学会は、事前の参加申込み不要、当日会場にて参加登録頂けます。多くの医師、医療関係者の皆様のご参加をお待ちしております。 日本睡眠学会第37回定期学術集会会長 井上 雄一東京医科大学睡眠学講座 教授 医療法人社団絹和会 理事長公益財団法人神経研究所附属睡眠学センター センター長 日本睡眠学会第37回定期学術集会テーマ:「睡眠研究 新世代への架け橋」会 期:2012年6月28日(木)/29日(金)/30日(土)会 場:パシフィコ横浜 http://www.pacifico.co.jp/(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1) 主なシンポジウム: ■6月28日(木)シンポジウムS2「睡眠呼吸障害と上気道~睡眠中の上気道と呼吸調節における進歩」シンポジウムS4「頭痛と睡眠障害」シンポジウムS7「不眠症治療薬開発の現状と未来」シンポジウムSS2「睡眠と生活習慣病がからむ血管内皮機能障害」 ■6月29日(金)シンポジウムS15「循環器領域における睡眠呼吸障害のガイドラインを検証する」シンポジウムS21「OSAS治療の長期化について考える」シンポジウムS22「産業保健と睡眠・睡眠障害」シンポジウムS26「高齢社会における睡眠障害の意義と対応」 ■6月30日(土)シンポジウムS30「我が国における不眠症に対する認知行動療法の現状(CBT-I up to date in Japan)」シンポジウムS34「睡眠関連運動障害」  *シンポジウムの最新情報はウェブサイトにて随時更新しています。 日本睡眠学会第37回定期学術集会ウェブサイト:http://www.c-linkage.co.jp/jssr37/本学会はFacebook、Twitterも開設しています。Facebook: http://www.facebook.com/jssr37Twitter: http://twitter.com/37jssr

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不眠に悩んでも半数以上は医療機関を受診せず

QLifeは18日、同社がスリープ&ストレス クリニック院長 林田健一氏監修のもとで行った『不眠症治療ならびに不眠症治療薬に関する大規模調査』の発表した。この調査は、全国のインターネット利用者にアンケートを行ったもの。回答数は6,044人。調査結果は以下のとおり。(1)42%が不眠の症状に悩んだ経験があるものの半数以上は医療機関を受診せず(2)医療機関の受診率は約45%。その半数がかかりつけ医を受診し、75%が不眠の症状が「解消された」と実感した。(3)患者は不眠症治療薬に「熟睡感」を期待するも、約半数が処方変更を求めた経験がある。また、患者が不眠症治療に求めるのは「熟睡感」「即効感」「安全性」の3点。(4)医療機関受診経験の有無にかかわらず、不眠症治療にはネガティブなイメージを抱いている。詳細はこちらhttp://www.qlife.co.jp/news/2942.html

30325.

乳がんにおける術後タキサン単独化学療法の忍容性は?:無作為化比較試験N-SAS BC 02

乳がんの術後化学療法においては、アンスラサイクリン系の薬剤が中心をなしてきたが、心毒性などの有害事象があることから、アンスラサイクリンを含まないレジメンの検討がなされている。わが国でも、無作為化比較試験によりタキサン単独療法が検討され(N-SAS BC 02)、現在、「乳診療ガイドライン」において術後化学療法の選択肢の1つとして勧められている。一方、タキサン投与により末梢神経障害が多くみられることから、忍容性の検討が求められる。立命館大学の下妻晃二郎氏らは、化学療法による末梢神経障害(CIPN)の重症度と健康関連QOLを用いて、タキサンを含む術後化学療法における相対的忍容性を評価。その結果、「患者評価によるCIPNは、タキサン単独療法がAC(アンスラサイクリン+シクロホスファミド〔商品名:エンドキサン〕)→タキサンに比べ有意に重篤であった。しかしながら、健康関連QOLの結果はタキサン単独療法の忍容性を支持している」と下妻氏らは報告した。この論文はSupport Care Cancer誌2012年5月15日付オンライン版に掲載された。本試験では、多施設第III相試験(N-SAS BC 02)で最初に登録された腋窩リンパ節転移陽性乳がん患者300例が以下の4群に無作為に割り付けられ、CIPNと健康関連QOLが評価された。 1)AC→パクリタキセル(商品名:タキソールなど) 2)AC→ドセタキセル(商品名:タキソテールなど) 3)パクリタキセル単独 4)ドセタキセル単独 CIPNの評価は患者評価(Patient Neurotoxicity Questionnaire:PNQ)と医師評価(NCI-CTC)が、また、健康関連QOLの評価は患者評価(Functional Assessment of Cancer Therapy -General:FACT-G)が用いられている。主な結果は以下のとおり。 ・PNQスコアは、タキサン単独療法群がAC→タキサン群に比べて有意に高かった(p=0.003)。パクリタキセルを含むレジメンとドセタキセルを含むレジメンの間に有意差はみられなかった(p=0.669)。・PNQスコアは、術後化学療法1年以内でほとんどが回復した。・FACT-Gスコアは、治療期間中、いずれのレジメン間においても有意差はみられなかった。(ケアネット 金沢 浩子)

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統合失調症の再発予防のポイントとは?

統合失調症の治療において、再発を予防することは極めて重要な課題である。Leucht氏らは抗精神病薬の再発予防への影響を分析した。統合失調症患者の維持治療期おける65件のプラセボ対照無作為化試験から得られた116件の報告より6,493名の患者データを抽出した。主要評価項目は7~12ヵ月後の再発率とし、忍容性や機能的な影響に関しても調査した。主な結果は以下のとおり。 1)抗精神病薬投与群ではプラセボ群と比較して1年後の再発率を有意に低下させた(27% vs 64%、リスク比=0.40(95%信頼区間=0.33-0.49)、number needed to treat to benefit(NNTB)=3(95%信頼区間=2-3))。2)抗精神病薬投与群では再入院率は低かった(10% vs 26%、リスク比=0.38(95%信頼区間=0.27-0.55)、NNTB=5(95%信頼区間=4-9))。3)抗精神病薬投与群で良好なQOL(両群間の変化差=-0.62(95%信頼区間=-1.15 to -0.09))、攻撃性の低下(2% vs 12%、リスク比=0.27(95%信頼区間=0.15-0.52)、NNTB=11(95%信頼区間=6-100))が認められた。4)抗精神病薬投与群では体重増加(10% vs 6%、リスク比=2.07(95%信頼区間=2.31-3.25))、運動障害(16% vs 9%、リスク比=1.55(95%信頼区間=1.25-1.93))、過鎮静(13% vs 9%、リスク比=1.50(95%信頼区間=1.22-1.84))が多く認められた。5)サブグループ解析の結果、エピソード数、寛解率の有無、治療中止方法、症状安定期間、第1世代または第2世代抗精神病薬使用状況、無作為割り当て方法に関しては有意な影響を及ぼさなかった。6)デポ剤投与患者では経口剤投与患者と比較して再発率が低かった(リスク比=0.31(95%信頼区間=0.21-0.41))。7)抗精神病薬の効果は非盲検下の2試験においてより大きかった。8)メタ回帰分析では、抗精神病薬投与群とプラセボ群の差は試験期間により減少した。

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日本人を含むアジア人を対象にした、リキシセナチド1日1回投与の有効性

アジア人の2型糖尿病患者を対象とした、リキシセナチド1日1回投与の有効性と安全性に関するデータが示された。スルホニル尿素薬(SU薬)併用の有無にかかわらず、基礎インスリン投与下で、GLP-1受容体作動薬のリキシセナチドを1日1回追加投与することで、プラセボ群に比べ、HbA1cが有意に低下することが明らかになった。これは、日本人を含むアジア人2型糖尿病患者を対象に検討した臨床第3相試験「GetGoal-L-Asia」試験の結果である。関西電力病院院長の清野氏らの報告によるもので、SU薬併用の有無にかかわらず、基礎インスリンを投与されている、日本、台湾、フィリピン、韓国のアジア4ヵ国から登録した311例(リキシセナチド群n=154、プラセボ群n=157)が対象。リキシセナチド追加による効果をHbA1c変化値の観点から検討することを目的に実施された。主要評価項目は24週後のHbA1c値の変化である。無作為化二重盲検比較試験。主な結果は以下のとおり。 ・リキシセナチド1日1回投与群の24週時点でのHbA1c値の変化は、プラセボと比べ-0.88%(95%信頼区間:-1.116~‐0.650 , p

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COPDの悪液質患者のグレリン治療

 COPD(慢性閉塞性肺疾患)の悪液質患者にグレリンを投与することにより、症状や呼吸筋力が改善する可能性があることを国立病院機構 刀根山病院の三木 啓介氏らが報告した。肺の悪液質は、病態が進行したCOPDでは一般的な徴候であり、死亡の独立した危険因子である。グレリンは新たな成長ホルモン放出ペプチドであり、成長ホルモンの独立した効果を有している。 研究グループはCOPDの悪液質患者33例を対象にグレリン投与群とプラセボ投与群に割り当て、多施設共同無作為化二重盲検比較試験を行った。試験期間中、両群とも呼吸リハビリテーションが並行して行われた。 主要アウトカムは6分間歩行距離とSGRQ(St. George Respiratory Questionnair)であった。 主な結果は以下のとおり。・フォロー期間は7週間であった。・投与開始3週後(95%Cl: -37~48、p=0.81)、7週後(95%Cl:-15~73、p=0.19)ともに6分間歩行距離に両群間で有意差は認められなかった。・SGRQでは7週後の「症状項目」のみ、両群間で有意差が認められた(95%Cl:-29.5~2.1、p=0.026)。・副次アウトカムでは7週後のMRC息切れスケール(95%Cl: -1.4~-0.1、p=0.030)と最大呼気筋力(95%Cl: 4.1~35.6、p=0.015)で有意差が認められた。

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単純性急性虫垂炎、一次治療の抗菌薬投与で合併症リスク3~4割低減

単純性急性虫垂炎への一次治療には、抗菌薬投与のほうが切除術に比べ、合併症リスクは3~4割低減することがあきらかにされた。英国・ノッティンガム大学病院のKrishna K Varadhan氏らによる、4つの無作為化比較試験の被験者900人を対象にしたメタ解析の結果で、BMJ誌2012年5月5日号(オンライン版2012年4月5日号)で発表した。合併症、治療有効性や入院期間、複雑性虫垂炎などを比較同研究グループは、4つの無作為化比較試験に参加した単純性急性虫垂炎の患者、計900人について、一次治療としての抗菌薬投与と虫垂切除術の治療アウトカムについて、メタ解析で比較した。被験者のうち、抗菌薬投与を受けたのは470人、虫垂切除を行ったのは430人だった。主要アウトカムは、合併症発症率とし、副次アウトカムは、治療有効性、入院期間、複雑性虫垂炎と再入院とした。抗菌薬治療群の合併症リスク31~39%減、治療成功率は63%その結果、抗菌薬治療群は虫垂切除群に比べ、合併症発症リスクが31%低かった(リスク比:0.69、95%信頼区間:0.54~0.89、p=0.004)。抗菌薬投与群から虫垂切除群へ移行した患者を除いて2次分析を行ったところ、抗菌薬治療群は虫垂切除術群に比べ、合併症発症リスクは39%低かった(リスク比:0.61、同:0.40~0.92、p=0.02)。抗菌薬治療群の治療成功率は、63%(438人中277人)だった。同群20%が症状再発のため再入院し虫垂切除を行ったが、そのうち穿孔性虫垂炎が認められたのは9人、壊疽性虫垂炎は4人だった。副次アウトカムの、治療有効性、入院期間、複雑性虫垂炎発症リスクについては、両群で有意差はなかった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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妊娠中と産後の女性、DVTスクリーニングに単回の圧迫超音波検査が有効

深部静脈血栓症(DVT)が疑われる妊娠中および出産後の女性に対し、単回の圧迫超音波検査は、安全で合理的なスクリーニング法であることが示された。同スクリーニングで陰性でありながら、後にDVTの診断を受けた人の割合は1.1%と低かったという。フランス・Cavale Blanche大学のGregoire Le Gal氏らが、妊娠中・出産後の女性200人超について行った前向き試験で明らかにしたもので、BMJ誌2012年5月5日号(オンライン版2012年4月24日号)で発表した。妊娠はDVTのリスク因子であることが知られているが、一方で妊婦はDVTでなくても、それと似た症状を発症することが少なくないことも知られている。フランスとスイスの18ヵ所で210人を検査し追跡同研究グループは、フランスとスイスの18カ所の血管治療専門医療機関で、DVTが疑われた妊娠中または産後の女性226人について、単回の圧迫超音波検査によるDVTスクリーニングを行い、その後のDVT発症の有無について追跡した。被験者のうち16人は、主に肺血栓塞栓症の疑いにより、除外された。残った210人の、年齢中央値は33歳(四分位範囲:28~37)、妊娠中の女性は167人、出産後の女性は43人だった。当初DVT診断を受けなかった177人のうち、2人がDVT発症被験者のうち、圧迫超音波検査などでDVTの診断を受けたのは22人(10.5%)だった。また、同検査結果が陰性だった人のうち10人は、標準用量の抗凝固療法を行った。DVTの診断を受けず、また十分な抗凝固療法を行わなかった177人について、3ヵ月間追跡調査を行った。追跡期間中にDVTの診断を受けたのは、2人(1.1%、95%信頼区間:0.3~4.0)だった。同割合は、これまでに妊娠していない患者について行った静脈造影法によるDVTスクリーニングで、陰性でありながら後にDVTの診断を受けた割合と同等だった。研究グループは、「妊娠中または出産後の女性に対し、単回の圧迫超音波検査は安全で有効なDVTスクリーニングである」と結論付けた。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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【第56回日本リウマチ学会】アバタセプト全例調査 中間解析結果

第56回日本リウマチ学会総会・学術集会(JCR2012 )が2012年4月26日から28日にかけて品川で開催された。その中で産業医科大学第1内科学講座の田中良哉氏によって、生物学的製剤のアバタセプト(商品名:オレンシア)の使用成績調査(全例調査)の中間解析結果が報告された。標的部位の異なる生物学的製剤現在、関節リウマチ(RA)治療に用いられる生物学的製剤はTNF阻害剤が4製品、IL-6阻害剤とT細胞阻害剤がそれぞれ1製品発売されている。T細胞阻害剤であるアバタセプトは抗原提示細胞とT細胞間の共刺激シグナルを遮断し、T細胞の活性化とサイトカイン産生を阻害する薬剤である。これまでのTNFαやIL-6をターゲットとした生物学的製剤とはコンセプトの異なる薬剤として注目されている。3000例を目標とする全例調査2010年9月から症例登録が開始され、目標症例数は3000例(24週の観察期間を終了する症例数)である。本中間解析では登録開始後の初期1000例を対象として解析された。 性別 男性18.1%、女性81.9%平均年齢 61.4歳生物学的製剤の使用歴 未使用27.2% 既使用72.8%メトトレキサートの併用状況 非併用35.7% 併用64.3%安全性について有害事象は236例(23.6%)、うち重篤な有害事象は33例(3.3%)にみられ、副作用は160例(16.0%)、うち重篤な副作用は24例(2.4%)であった。重篤な副作用のうち感染症は8例(0.3%)で、そのうち呼吸器は6例、皮膚は1例、消化器は1例であった。また、生物学的製剤を投与する際には結核等の再燃が危惧されるが、本中間解析において結核の報告はなかった。なお、重篤な副作用発現に対するリスク因子として、リンパ球数1000mm3未満と体重40kg未満が示唆された。バイオナイーブ群ではより高い改善効果DAS28(CRP)*1平均値は投与前は4.3であったが、24週時点で3.3まで低下した。SDAI*2、CDAI*3はそれぞれ投与前が23.9、22.1あったのに対し、投与後は14.6、13.5にまで改善した。また、生物学的製剤による前治療の有無別でDAS28(CRP)の経時的推移をみたところ、既投与例は24週時点で2.3未満の寛解状態に達している患者は18.3%であったのに対し、未投与(バイオナイーブ)群では35.3%となり、バイオナイーブの患者でより大きな改善がみられた。より高い治療効果への期待全例調査の中間解析により、アバタセプトは比較的副作用の頻度が少なく、安全性の高さが示唆された。また、田中氏は、「アバタセプトは生物学的製剤未投与の患者で有効性が高かったため、より高い治療効果を得るには、バイオナイーブ症例への導入が鍵となる」と述べた。また、アバタセプトは効果発現の時期に関して、使用状況の異なる臨床でのイメージのみで議論されることがあるが、バイオナイーブ症例では、効果発現や有効性がTNF阻害剤と同等であるという報告もあり、今後さらなるデータの蓄積が期待される。 *1 DAS28(CRP)28の関節のうちの圧痛・腫脹関節数、患者による健康状態の評価、CRP(C反応性蛋白)による評価*2 SDAI28の関節のうちの圧痛・腫脹関節数、患者による全般評価、医師による全般評価、CRPによる評価*3 CDAI28の関節のうちの圧痛・腫脹関節数、医師による全般評価(ケアネット 森 幸子)

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双極性I型障害におけるアリピプラゾールの有効性-AMAZE試験より-

2012年、抗精神病薬アリピプラゾールは、日本における「双極性障害における躁症状の改善」の効能追加を取得した。九州大学の神庭氏らはアジアの双極性I型障害患者における急性躁病または混合性エピソードに対するアリピプラゾールの有効性および忍容性を調査し、発表した。258例の双極I型障害患者をアリピプラゾール(24mg/日)群128例とプラセボ群に無作為に割り付け、3週間後の有効性および忍容性を評価した。有効性はヤング躁病評価尺度(YMRS)トータルスコアの平均ベースラインからの変化量にて評価した。主な結果は以下のとおり。 1)本試験完了は136例(アリピプラゾール群:56.3%、プラセボ群:49.2%)であった。2)アリピプラゾール群のうち92.6%の患者は24mg/日で投与が継続された。3)YMRSトータルスコアの変化量はアリピプラゾール群で有意に高かった(-11.3 vs -5.3、p<0.001)。4)アカシジア発現率(22.0% vs 5.6%)、不眠症発現率(16.3% vs 9.6%)であった。5)体重変化は両群間で有意な差は認められなかった(-0.4kg vs -0.7kg、p=0.231)。6)アリピプラゾール群は血清プロラクチン値への影響は認められなかった。

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ラベプラゾールは低用量アスピリンによる消化性潰瘍再発リスクを低減するか?:国内における前向き無作為化実薬対照試験結果

低用量アスピリンを使っている患者では、胃・十二指腸粘膜病変、上部消化管症状のリスクが上昇することが知られている。心血管または脳血管疾患に対して低用量アスピリンを服用している消化性潰瘍の既往歴がある261例を対象として、前向き無作為化実薬対照試験が行われた。試験結果から、ラベプラゾール(商品名:パリエットなど)はゲファルナート(商品名:ゲファニールなど)よりも、消化性潰瘍、食道炎、そして低用量アスピリンによる消化管症状の再発リスクを減らす効果が高いという結論が得られた。主要評価項目は12週目における胃・十二指腸潰瘍の累積発現率である。神戸 大学の佐貫氏らが「J Gastroenterol」誌オンライン版に4月17日に報告した。主な結果は次のとおり。 ・12週目における胃・十二指腸潰瘍の累積発現率は、ラベプラゾール10mg(n=87)、ラベプラゾール20mg(n=89)、ゲファルナート100mg(n=85)において、それぞれ7.4%、3.7%、26.7%であった(ラベプラゾール群5.5% vsゲファルナート群26.7%、ハザード比:0.179、95%信頼区間:0.082~0.394、p

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MTX抵抗性関節リウマチに対する生物学的製剤のアドオン治療2年後の結果:Swefot試験

メトトレキサート(MTX)抵抗性の関節リウマチ(RA)患者では、生物学的製剤インフリキシマブ(商品名:レミケード)の追加治療は、従来の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)の追加治療に比べ2年後の手足の画像所見が良好なことが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のRonald F van Vollenhoven氏らが進めるSwefot試験のフォローアップ解析で示された。同試験の治療1年後の解析で確認された同薬追加による臨床アウトカムの改善効果は、2年後にはみられなかった。Lancet誌2012年5月5日号(オンライン版2012年3月29日号)掲載の報告。Swefot試験の2年フォローアップ解析Swefot試験は、MTX抵抗性のRA患者に対する従来のDMARDsの追加治療と生物学的製剤の追加治療の有用性を比較する非盲検無作為化試験。今回、2年間のフォローアップ解析が行われた。2002年12月~2006年12月までに、スウェーデンの15施設から症状発現1年以内の18歳以上のRA患者が登録され、全例にMTX(20mg/週)が投与された。3~4ヵ月後にMTX治療が無効であった患者(DAS 28≧3.2)を、従来治療群(MTXにスルファサラジン[1,000mg×2回/日]+hydroxychloroquine[400mg/日]を追加)あるいは生物学的製剤群(MTXにインフリキシマブ[3mg/kg/日、初回、2、6週、以後8週ごと]を追加)に1対1の割合で無作為に割り付けた。米国リウマチ学会(ACR)および欧州リウマチ学会(EULAR)の効果判定基準を用いて18、24ヵ月後の臨床アウトカムを評価し、Sharp/Van der Heijdeスコアで12、24ヵ月後の手足のX線画像所見の検討を行った。従来のDMARDsのアドオン治療も適切な選択肢487例が登録され、従来治療群に130例が、生物学的製剤群には128例が割り付けられた。治療18ヵ月におけるEULAR判定基準によるgood response率は、従来治療群が29%(38/130例)、生物学的製剤群は38%(49/128例)でリスク比1.31(95%信頼区間[CI]:0.93~1.85)、治療24ヵ月ではそれぞれ31%(40/130例)、38%(49/128例)であり(p=0.204)、いずれも有意な差は認めなかった。ベースラインから治療24ヵ月までのSharp/Van der Heijdeスコアによる画像上の病勢進行は、従来治療群の7.23に対し生物学的製剤群は4.00と有意に良好だった(p=0.009)。重篤な有害事象は3例に認められた(従来治療群1例、生物学的製剤群2例)。著者は、「初回MTX治療が無効であったRA患者に対し、生物学的製剤追加治療は妥当な選択肢である」と結論したうえで、「生物学的製剤群は治療24ヵ月の画像所見が良好であったが、治療12ヵ月にみられた臨床アウトカムの有意な改善効果は、24ヵ月後には消失しており、コストは実質的に増大したことを十分に考慮すべきである。従来のDMARDsのアドオン治療も、MTX抵抗性RA患者の適切な治療選択肢である」と考察を加えている。

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分娩第3期の積極的管理、臍帯牽引は省略できるか?

分娩第3期の積極的管理では、コントロール下の臍帯牽引を省略すると重度出血のリスクがわずかながら高まる可能性があることが、世界保健機構(WHO)のA Metin Gulmezoglu氏らの調査で示された。分娩第3期の積極的管理により分娩後の出血リスクが低減する。積極的管理に含まれるコントロール下の臍帯牽引は高度な技術を要するが、出血抑制への影響が大きくないことが証明されれば省略が可能となり、医療資源の有効活用などへの寄与が期待されるという。Lancet誌2012年5月5日号(オンライン版2012年3月6日号)掲載の報告。臍帯牽引省略の可能性を検証する非劣性試験研究グループは、分娩第3期の積極的管理において、重度出血のリスクを増やさずにコントロール下の臍帯牽引の省略が可能なことを検証するために、無作為化非劣性試験を行った。2009年6月1日~2010年10月30日までに、8ヵ国(アルゼンチン、エジプト、インド、ケニア、フィリピン、南アフリカ、タイ、ウガンダ)の16の病院と2つのプライマリ・ケア診療所から、単胎経膣分娩(すなわち計画的帝王切開ではない)が予定されている女性が登録された。これらの妊婦が、胎盤を自然に娩出する群(省略群)あるいは子宮収縮を確認後に臍帯を結紮し、即座にコントロール下に臍帯の牽引を行う群(臍帯牽引群)に無作為に割り付けられた。分娩直後に、全妊婦に出血の予防を目的にオキシトシン(10IU)を筋注し、各施設の規則に従って子宮マッサージが行われた。主要評価項目は分娩後の1,000mL以上の失血(重度出血)とし、95%信頼区間(CI)の上限値が1.30未満の場合に非劣性と定義した。95%CI上限値が非劣性境界値をわずかに超える省略群に1万2,227人が、臍帯牽引群には1万2,163人の妊婦が割り付けられた。緊急帝王切開となった妊婦を除き、省略群の1万1,861人および臍帯牽引群の1万1,820人が解析の対象となった。1,000mL以上の失血がみられた妊婦は、省略群が239人(2%)、臍帯牽引群は219人(2%)であり、リスク比は1.09(95%CI:0.91~1.31)であった。わずかだが、95%CI上限値が1.30を超えたため、非劣性は証明されなかった。臍帯牽引群で1人の妊婦に子宮内反症がみられた。ほかの有害事象はいずれも出血関連のものだった。著者は、「非劣性の仮説は検証されなかったが、コントロール下の臍帯牽引を省略しても重度出血のリスクへの影響はきわめて小さいことが示唆された」と結論し、「専門病院がない環境で出血予防プログラムを拡充するには、オキシトシンの使用に重点的に取り組む必要がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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MEDiSHAREキックオフ~ITによる学生からの医療改革~ イベント開催のご案内

ITによる学生からのボトムアップ医療改革を目指す医療学生の団体「MEDiSHARE」は5月26日(土)、Apple Store, Ginza 3F theater にてキックオフイベント「ITによる学生からの医療改革」を開催する。また、スペシャルゲストにはチーム医療3.0のメンバーであり、TEDxOsakaのオーガナイザーでもある神戸大学の杉本真樹氏を迎える。 【日時】5月26日(土) 17:00~19:00(その後、希望者で懇親会 19:30~21:30) 【場所】Apple Store, Ginza(http://www.apple.com/jp/retail/ginza/map/) 【対象】現役医学生限定80名(座席の都合上、それ以上は立ち見となります。)以下のような医学生にピッタリです!・将来の医療現場にはiPadのようなデバイスが不可欠だと思う。・ITによって医療はもっと良くなるはずと考えている。・今の日本の医療に危機感を抱いている。・将来に向けて今から自分で何かアクションを起こしたい。・これからの医学生は医学だけ学んでいれば良い訳ではないと思う。・プレゼンテーションスキルを身に付けたい! 【参加費用】Apple Storeでのイベントは参加費無料。その後の懇親会は飲食代1,500円。 【内容】1.現在の医療とこれからの医療~データから未来を考える~ Speaker: 慶應義塾大学医学部2年 大岡 令奈 氏2.医学教育におけるiPadの活用 ~海外事例の紹介と日本での試み~ Speaker: 慶應義塾大学医学部5年 田沢 雄基 氏3.次世代医学教育のカタチ ~医学生によるOsiriX活用への取り組み~ Speaker: 昭和大学医学部4年 鷺坂 彰吾 氏4.これからの医学生に必要なスキル ~想いが届くPresentation思考術~ Special Guest: 神戸大学医学部 杉本 真樹 氏 イベント詳細http://medishare.jp/index.php/ja/2012イベントページ(Facebook)http://www.facebook.com/events/365568666822131/

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維持期の統合失調症患者において現在の薬物投与量は最適か?

統合失調症の薬物療法において、ドーパミンD2受容体の占有率を最適化することが求められる。従来から、統合失調症の適切な治療域(therapeutic window)としてD2受容体占有率を65-80%に保つべきとされてきた。慶応大学の水野氏らは、統合失調症の維持治療期においても同様なD2受容体占有率が必要か否かを検討した。水野氏らは「安定期の統合失調症患者においては65%以上のD2受容体占有率が必ずしも必要でない可能性がある」と報告した。2010年9~12月にリスペリドンまたはオランザピンを投与中の安定した統合失調症患者35例(48.8±13.8歳)を対象に、D2受容体占有レベルのトラフ値とピーク値を毎日測定した。主な結果は以下のとおり。 1)各薬剤の投与量はリスペリドン群(n=20):3.2±2.3mg/日、オランザピン群(n=15):9.2±4.9mg/日であった。2)17/35例(48.6%)の患者においてD2受容体占有率65%以上が維持されていなかった。3)さらに、4/35例(11.4%)の患者においてD2受容体占有率は65%未満に維持されていた。

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2型糖尿病肥満、薬物療法+外科的肥満手術で血糖コントロール有意に改善

2型糖尿病非コントロールの肥満患者について、薬物療法に加えて胃バイパス術など外科的肥満手術を行うことが、薬物療法単独よりも有意に血糖コントロールを達成するとの報告が発表された。米国・Bariatric and Metabolic InstituteのPhilip R. Schauer氏らが、無作為化非盲検単独施設試験の結果、報告したもので、これまでは観察研究においては、胃バイパス術などを受けた2型糖尿病患者における病状の改善が認められていた。NEJM誌2012年4月26日号(オンライン版2012年3月26日号)掲載報告より。150例を対象に薬物療法単独と外科的手術群の血糖コントロール改善を比較Schauer氏らによるSurgical Treatment and Medications Potentially Eradicate Diabetes Efficiently(STAMPEDE)試験は、2007年3月から2011年1月にクリーブランドクリニック単施設で行われた無作為化試験で、2型糖尿病を有するBMI 30~35以上の肥満患者を対象に、血糖コントロール達成について、薬物療法単独と外科的手術(Roux-en-Y胃バイパス術と胃切除術)を併用する群とを比較して行われた。被験者は150例、平均年齢は49±8歳、66%が女性であり、血糖値平均は9.2±1.5%であった。追跡期間は12ヵ月、主要エンドポイントは、治療12ヵ月後に血糖値6%以下に到達した患者の割合とした。被験者150例のうち93%が、12ヵ月の追跡期間を完了した。治療後の血糖値平均、薬物療法単独群7.5%に対し、胃バイパス術群6.4%、胃切除群6.6%結果、主要エンドポイントを達成した患者の割合は、薬物療法単独群12%(5/41例)に対し、胃バイパス術群42%(21/50例、P=0.002)、胃切除群37%(18/49例、P=0.008)だった。血糖コントロールは3群すべて改善したが、薬物療法単独群の改善された血糖値平均7.5±1.8%に比べて、胃バイパス術群は6.4±0.9%(P<0.001)、胃切除群は6.6±1.0%(P=0.003)だった。手術群はいずれも、術後は血糖降下薬、脂質低下薬、降圧薬の使用量が減少した。一方で、薬物療法群は増量していた。また、手術群はインスリン抵抗性指数(HOMA-IR)も有意に改善していた。その他には、患者4例が再手術を受けていたが、死亡や命に関わるような合併症の発生例はなかった。研究グループは今回の結果を受け、さらなる無作為化試験での検証の必要性を提言している。

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虫垂炎疑いへの低線量CT、標準量CTと比べて非劣性

虫垂炎が疑われる患者に対し、低線量CTによる診断は標準量CTに対して非劣性であることが明らかにされた。韓国・国立ソウル大学のKyuseok Kim氏らが行った15~44歳の若年成人891例を対象とする単施設単盲検非劣性試験の結果による。成人では、虫垂炎診断ではCT検査が優勢を占めるようになってきているが、子どもや若者では、CT放射線被曝についての不安がある。Kim氏らは、低線量CTと標準量CTとによる診断結果に基づく不必要な虫垂炎手術の実施割合について評価を行った。NEJM誌2012年4月26号掲載報告より。低線量CT群116mGy・cm、標準量CT群は521mGy・cm試験は虫垂炎が疑われ緊急救命室を受診した891例を、低線量CT群(444例)と標準量CT群(447例)に無作為化して行われた。平均被曝線量は、低線量CT群が116mGy・cm、標準量CT群は521 mGy・cmだった。主要エンドポイントは、非偶発性の虫垂炎全例に占める陰性(不必要な)虫垂炎手術の割合とした。非劣性マージンは5.5ポイントとした。また、副次エンドポイントとして、虫垂穿孔率、さらなる画像検査を必要とした患者の割合などとした。不必要な虫垂炎手術の実施割合、低線量CT群は標準量CT群に非劣性結果、陰性虫垂炎手術の割合は、低線量CT群で3.5%(6/172例)、標準量CT群では3.2%(6/186例)で、格差は0.3ポイント(95%信頼区間:-3.8~4.6)だった。両群間の虫垂穿孔率についても有意差は認められなかった。低用量CT群26.5%、標準量CT群23.3%だった(P=0.46)。また、さらなる画像検査を必要とした患者の割合についても有意差は認められなかった(それぞれ3.2%と1.6%、P=0.09)。(武藤まき:医療ライター)

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