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事例07 特定疾患療養管理料の査定(診療所 初診から1月以内)【斬らレセプト】

解説特定疾患療養管理料が、D事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められる)にて査定となった理由の問い合わせがあった。同管理料の留意事項には、「初診料を算定した初診の日又は退院の日からそれぞれ起算して1か月を経過した日以降に算定する。ただし、本管理料の性格に鑑み、1か月を経過した日が休日の場合であって、その休日の直前の休日でない日に算定要件を満たす場合には、その日に算定できる」ともあるとの訴えであった。よく内容を伺うと、事例の初診日3月20日から1ヵ月を経過した日は、4月20日となる。当日は日曜休診日であり、その前日の19日は土曜休診日であった。したがって、18日が算定要件を満たす日と判断してコメントを付記して提出したと説明された。しかし、この事例の19日は土曜日であって、「休日加算の取り扱い」(診療報酬点数表初診料の留意事項)に示される日曜日及び国民の祝日等に示される休日にはあたらないのである。もしも事例の19日が国民の休日にあたる場合には、18日に同管理料の算定はできる。

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事例08 トラフェルミン(商品名: フィブラストスプレー500)の査定【斬らレセプト】

解説事例のトラフェルミンが、C事由(その他の医学的理由により適当と認められないもの)にて査定となった。同剤の添付文書を見てみると効能・効果に「褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)」とあった。傷病名には褥瘡があり、部位も明記されている。左肘には熱傷潰瘍もある。トラフェルミンの査定の理由がわからなかった。しかし、レセプトの摘要欄に目をやると、トラフェルミンの使用目的が臀部から大腿にかけての皮膚潰瘍であることがコメントされていた。つまり、レセプトとコメントの傷病名と部位が一致しておらず、薬剤の用途外使用が疑われた内容である。おそらくここを根拠に査定されたものと思われる。電子レセプトチェックでは問題がなかったものの、目視のコメント精査にて査定されたものと思われる。医師に確認したところ、カルテ内容は褥瘡で問題はないが、コメント時に皮膚潰瘍と誤って記載していたとのことであった。コメントは、査定を防ぐために有効な手段であるが、レセプト本体との整合性が無い場合や説明しすぎる場合は、査定が増える傾向にある。レセプトにコメントを記入する時は、レセプト提出前に必ずレセプトとコメントの間に矛盾や過剰記載が無いように見直すことが必要である。

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がん患者のうつ病を簡単にスクリーニングするには

 がん患者ではうつ病を併発することも少なくない。診療ガイドラインでは、がん患者のうつ病に対する認識の改善や迅速かつ適切な管理のために、体系的なスクリーニングを推奨している。台湾・E-Da HospitalのChun-Hsien Tu氏らは、構造化されたツールを使用して、がん入院患者のうつ病をスクリーニングし、その適用性を探索した。Psycho-oncology誌オンライン版2014年5月6日号の報告。 対象はがん入院患者。まず、Taiwanese Depression Questionnaire(TDQ)を使用し看護師によるスクリーニングを行った。その後、陽性患者に対し、精神科医による臨床評価と診断を任意で行った。この2段階の手順を完了した患者を分析サンプルとした。 主な結果は以下のとおり。・27ヵ月間で8,800例の患者をスクリーニングしたところ、1,087例が該当し、そのうち298例(27.4%)が精神科医の診断を完了した。・診断結果は、抑うつ障害群が62.1%(185例)であった。主な疾患は、適応障害23.8%、うつ病21.5%であった。・TDQスコアの結果と、うつ病の臨床診断結果から得られる曲線下面積は0.72であった。・うつ病の最適な診断精度のためのTDQカットオフ値は26以上であった。・この2段階うつ病診断スクリーニングおよび診断ストラテジーは、とくにがん患者のうつ病やその他の抑うつ障害の認識を改善し、包括的ながんケアシステムにおいて日常的に活用可能な方法であると考えられる。関連医療ニュース うつ病診断は、DSM-5+リスク因子で精度向上 せん妄の早期発見が可能に がん患者のせん妄治療に有効な抗精神病薬は…  担当者へのご意見箱はこちら

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コーヒーなどのカフェインが基底細胞がんリスクを4割以上も低下させる

 米国・イェール大学公衆衛生大学院のLeah M Ferrucci氏らによる検討の結果、お茶とコーヒーには、カフェインに起因した基底細胞がん(BCC)の若年発症に対する保護効果がわずかだがあることが示唆された。これまでも皮膚の発がん性に対する保護作用があるといわれてきたが、疫学的な検証エビデンスはさまざまであった。結果を踏まえて著者は、「本研究の結果は、これらの飲料に健康ベネフィットがある可能性を増幅させるものである」と報告をまとめている。European Journal Cancer Prevention誌2014年7月号(オンライン版2014年5月16日号)の掲載報告。 研究グループは、お茶、コーヒーおよびカフェイン類とBCCの若年発症との間に関連があるかについて調べるため、コネチカット州で行われたケースコントロール試験の参加者で40歳未満の非ヒスパニック系白人767例のデータを評価した。 エール皮膚科疾患データベースを通じて、BCC例(377例)を特定し、対照(390例)は、同一データベースから無作為に、皮膚科診断良性で、年齢、性別、生検部位を適合して抽出した。 被験者に対して個別に、カフェイン含有のコーヒーやホットティーに関するインタビュー調査を行い、条件なしロジスティック回帰分析にて、定期的摂取量、頻度、期間について多変量オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出して評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・カフェイン含有コーヒー+ホットティーの複合定期的摂取量は、BCC若年発症と逆相関の関連を示した(OR:0.60、95%CI:0.38~0.96)。・これらのうち最もカフェイン含有が高値であった群では、非摂取群と比較して、BCCのリスクが43%低かった(OR:0.57、95%CI:0.34~0.95、傾向のp=0.037)。

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COPD合併肺がん患者、肺線維症で肺切除後の生存率が低下

 肺切除後のCOPD合併肺がん患者において、肺線維症は生存率を低下させる独立したリスクファクターとなることが、東京女子医科大学八千代医療センターの関根 康雄氏らにより報告された。The Thoracic and Cardiovascular Surgeon誌オンライン版2014年5月30日の掲載報告。 本研究の目的はCOPD合併肺がん患者を対象に、肺線維症の有無が肺切除術後合併症や長期の生存率にどれほどインパクトを与えるかを調べる事である。1990年~2005年の期間中に大学病院で肺がんによる肺切除が実施された患者のうち、COPDを合併していた380例を対象にレトロスペクティブなカルテレビューを行った。COPDの定義は術前の1秒率(FEV1/FVC)が70%未満で、肺線維症の定義はCTにより下肺野に明らかな両肺の線維化病変が認められた場合とした。 主な結果は以下のとおり。・COPD合併患者380例のうち、肺線維症が認められたのは41例(10.8%)で、339例(89.2%)では認められなかった。・術前の1秒量は肺線維症を有する患者群で有意に低かった(p<0.05)。・術後急性肺傷害(ALI)と在宅酸素療法は肺線維症を有する患者群で有意に高かったが、30日死亡率は同等であった。・3年間と5年間の累積の生存率は、肺線維症を有する患者群でそれぞれ53.6%、36.9%、肺線維症が認められない患者群では71.4%、66.1%であった(p=0.0009)。・加齢、BMI低値、病理病期の進行、肺線維症の存在は、生存率を低下させる独立したリスクファクターであった。

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日本人統合失調症患者の自殺、そのリスク因子は:札幌医大

 最近の報告によると、統合失調症患者の約5%は生涯自殺リスクを有しているといわれている。この値は、一般集団の自殺リスクよりも有意に高く、統合失調症患者における自殺リスクの検出は臨床的に重要である。札幌医科大学の石井 貴男氏らは、統合失調症患者の自殺企図の特性を定義するため、自殺を企図した気分障害患者との比較検討を行った。PloS One誌オンライン版2014年5月8日号の報告。 すべての患者は、ICD-10の基準を用いて診断を行った。対象は、F2群(統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害)65例とF3群(気分障害)94例。 主な結果は以下のとおり。・F2群は、平均年齢が有意に若く、「過去または現在、精神科治療を受けている」、「精神科治療を3ヵ月以上中断」の項目が有意に高かった。・対照的に、「身体疾患の併存」「自殺企図に際してアルコールを摂取」「遺書を残していた」の項目で、F3群が有意に高かった。・F2群ではより致死的な方法で自殺を試みた。・さらに、「幻覚・妄想」はF2群における最も一般的な動機であり、致死的な自殺企図の方法と有意な関連を示した唯一の要因であった(OR 3.36、95%CI:1.05~11.33)。関連医療ニュース 日本人統合失調症患者における自殺企図の特徴は?:岩手医科大学 双極性障害とうつ病で自殺リスクにどの程度の差があるか 境界性パーソナリティ障害患者の自殺行為を減少させるには  担当者へのご意見箱はこちら

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新たな輸液プロトコル、造影剤誘発急性腎障害の予防に有効/Lancet

 心臓カテーテル検査例の造影剤誘発急性腎障害の予防において、左室拡張末期圧(LVEDP)ガイド下輸液法は安全に施行でき、高い有効性を示すことが、米国・カイザーパーマネンテのSomjot S Brar氏らが行ったPOSEIDON試験で確認された。造影剤誘発急性腎障害の予防法は基本的に静脈内輸液であるが、輸液法の指針となる明確なプロトコルは存在していないという。Lancet誌2014年5月24日号掲載の報告。新輸液法の有用性を無作為化試験で評価 POSEIDON試験は、心臓カテーテル検査例の造影剤誘発急性腎障害の予防における、新たに開発されたLVEDPに基づく輸液プロトコルの有用性を評価する単盲検対照比較無作為化第III相試験。対象は、年齢18歳以上、推定糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m2以下で、造影剤誘発急性腎障害のリスク因子(糖尿病、うっ血性心不全の既往、高血圧、年齢75歳以上)のうち1つ以上を有する心臓カテーテル検査施行例であった。 患者は、LVEDPガイド下輸液法を受ける群または標準的な輸液法を受ける群(対照群)に無作為に割り付けられた。両群ともに、検査開始1時間前に生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)3mL/kgを静脈内投与された。 主要評価項目は、造影剤誘発急性腎障害(血清クレアチニン[Cre]値の前値に比べ25%以上または0.5mg/dL以上の増加)の発現とした。有害事象の評価は30日および6ヵ月後に行った。実践的で、高価ではなく、入院期間の延長も要さない 2010年10月10日~2012年7月17日までに、カイザーパーマネンテ医療センターに396例が登録され、LVEDPガイド下輸液法群に196例(平均年齢71歳、女性36%、LVEDP 12mmHg、eGFR 48mL/分/1.73m2、Cre 1.4mg/dL)、対照群には200例(72歳、41%、12mmHg、48mL/分/1.73m2、1.4mg/dL)が割り付けられた。 造影剤誘発急性腎障害の発生率は、LVEDPガイド下輸液法群が6.7%(12/178例)と、対照群の16.3%(28/172例)に比べ有意に改善された(相対リスク:0.41、95%信頼区間[CI]:0.22~0.79、p=0.005)。 血清Cre値の25%以上の上昇は、LVEDPガイド下輸液法群が6.7%、対照群は15.7%(相対リスク:0.43、95%CI:0.22~0.82、p=0.008)と有意差がみられたのに対し、血清Cre値の0.5mg/dL以上の上昇はそれぞれ2.8%、6.4%(同:0.44、0.16~1.24、p=0.11)と同等であった。 30日までの全死因死亡率は、LVEDPガイド下輸液法群が0%、対照群は1.5%、心筋梗塞の発症はそれぞれ0.5%、2.0%、腎代替治療の導入は0.5%、1.5%で、これらの累積発生率は1.0%、4.0%であり、いずれも有意差は認めなかった。 また、6ヵ月後の全死因死亡率はそれぞれ0.5%、4.0%(p=0.037)、心筋梗塞の発症は2.0%、6.5%(p=0.029)と有意差がみられたが、腎代行治療の導入は0.5%、2.0%(p=0.37)と有意差はなかった。しかし、これらの累積発生率は3.1%、9.5%とLVEDPガイド下輸液法群で有意に良好だった(p=0.008)。 呼吸促迫による輸液の早期終了が、両群ともに3例ずつ認められた。 著者は、「LVEDPガイド下輸液法は心臓カテーテル検査施行例の造影剤誘発急性腎障害の予防法として安全かつ有効と考えられる」とまとめ、「この新たな戦略は既存の治療パターンへ簡単に統合が可能な実践的なプロトコルであり、高価ではなく、入院期間の延長も要さず、外来または入院での心臓カテーテル施行例に適用可能である」と述べている。

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肥満の有病率は世界的に増加している/Lancet

 1980~2013年の33年間に、世界の過体重、肥満の有病率は、先進国/開発途上国、年齢、性別を問わず実質的に増加していることが、米国・ワシントン大学のMarie Ng氏らの調査で明らかとなった。2010年には、世界的に340万人が過体重または肥満で死亡したと推定され、これは損失生存年数の3.9%、障害調整生存年数(DALY)の3.8%に相当するという。公衆衛生学的な影響を定量し、医療活動の優先順位を決定するには、肥満の程度や傾向に関する比較可能な最新の情報が必要となる。Lancet誌オンライン版2014年5月29日号掲載の報告。1980~2013年の国別の肥満有病率を解析 研究グループは、肥満の疾病負担の1980~2013年における世界的な肥満の有病率を調査し、地域別、国別に解析を行った。BMI≧25、<30を過体重、≧30を肥満と定義した。 身体検査と自己申告の双方による身長、体重のデータを含む調査や報告書、公表された試験を同定した(1,769件)。年齢、性、国、年代別の肥満および過体重の有病率のデータ(1万9,244件)を取得し、時空間的ガウス過程回帰モデルを用いて有病率の95%不確定性区間(uncertainty interval:UI)を推算した。 188ヵ国が解析の対象となったが、5ヵ国からはデータが得られなかった。2~4歳から80歳以上まで、17の年齢層に分けて解析した。世界の成人の過体重以上の割合は男女ともに上昇 世界の成人(20歳以上)における過体重以上(BMI≧25)の有病率は、男性は1980年の28.8%(95%UI:28.4~29.3)から2013年には36.9%(同:36.3~37.4)へ、女性は29.8%(同:29.3~30.2)から38.0%(同:37.5~38.5)へと上昇した。 先進国の若年(20歳未満)では、実質的なBMI≧25有病率の上昇が認められ、2013年に男性が23.8%(95%UI:22.9~24.7)、女性は22.6%(同:21.7~23.6)であった。また、開発途上国の若年でも、男性は1980年の8.1%(同:7.7~8.6)から2013年には12.9%(同:12.3~13.5)へ、女性では8.4%(同:8.1~8.8)から13.4%(同:13.0~13.9)へと上昇した。 成人において、この間に肥満の有病率が50%以上上昇した国は、男性ではトンガ、女性ではクウェート、キリバス、ミクロネシア連邦、リビア、カタール、トンガ、サモアであった。先進国の成人肥満者の増加は、2006年以降、抑制される傾向にある。 著者は、「肥満は確立された健康上のリスクであり、その有病率は実質的に増加していることから、世界的な保健医療の重要な課題となっている実態が明らかとなった」と結論し、「この33年間に、肥満の増加のみならず、減量が成功した国の報告もない。各国に、より効果的な介入の支援を行うには、国際的な緊急活動や指導力が必要とされる」と指摘している。

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アルコール使用障害の治療に関するメタ解析に驚く話(コメンテーター:岡村 毅 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(210)より-

一般的な研修コースを歩んだ精神科医師は、さまざまな症例の経験を経て、順調に行けば卒後5年強で精神保健指定医となる(近年は専門医制度も確立したが、私の頃は整備がなされていなかった)。 指定医になるには、治療論や法的側面などを緻密に書かないと落とされてしまう症例レポートの提出が義務付けられており、「依存症」も課題の一つだった。多くの同僚は、症例に遭遇する確率が高いこともありアルコール依存症でレポートを書いたもので、研修コースにはアルコール病棟のある病院が多く含まれていた。 正直に告白すると、私はアルコール依存症のマネジメントはあまり得意ではなかった。アルコール依存症のレポートでは、意識清明となった患者に対してあらためて断酒意欲を確認し、ピア・サポートなどの助けも借りながらアルコールの有害性を学習し、断酒意欲を強化し、断酒維持に向かって伴走する、というような入院、退院、外来治療の経過を書くことが求められていたと記憶している。そこでは薬物治療の出る幕はあまりなく、あくまで離脱や二次的不眠等の対症療法であった。あるいは抗酒薬(飲酒してしまうと不快感が生じる物質を本人納得のもとに使用する)というものもある。 しかし、そもそもアルコールは日本中どこでも売っていて、いわゆる違法薬物ではない。アルコールで人生が破綻した悲惨なケースをたくさん見てきたし、破綻したからアルコールに走ったというケースも多々あった。そういう人が死ぬ思いで断酒しているのに、数十メートルも歩けば簡単に手に入る状況というのも理不尽にも思えて、真にアルコールの弊害を解決したければ国家として禁酒をしたほうがいいのではないか、などと考えもした。 また、アルコール依存の人は内科治療が必要な割にはずいぶん縁遠い人生を歩むことが多い(真面目に治療を受けなかったりするため)が、人生の最終局面では肝硬変と静脈瘤破裂で一瞬だけ内科の患者さんになっていたりする。「私は無力だ」そう思ったので得意ではなかったのだろう。これを読んでご不快に感じられた依存症の専門家がおられたら、専門外の人間の浅い理解と嗤っていただきたい。 いずれにせよ、アルコール依存症の症例レポートを書くためというのもあり、不思議な穏やかさと仲間意識の混在する梅雨どきのアルコール専門病棟にてしばらく働いたことを思い出した。 なんだかまったりしたエッセイになってしまったが、本論文を読んで、まずは外来でのアルコール使用障害(AUD)治療における薬物治療のメタ解析であることに驚いた。前述のような私の経験(入院中心の心理教育)とは、ずいぶんと距離がある。 本論文の考察において、「米国でもプライマリ・ケア医はAUDの治療には障壁があり専門機関に紹介する傾向があった」、「しかしプライマリ・ケアの段階での治療をすることが望まれる」と書いてあり、すわAUD治療のノーマライゼーションかと驚く。もっともAUDの1/3以下しか治療を受けていない、10%以下しか薬物治療を受けていない、とも記載されているので理念の表明なのだろう。時代の潮流を見極める必要がある。 次に、エビデンスがあるAUDの外来薬物療法が確立したことは素晴らしいことであるが、医学モデルが問題解決に必要十分と早とちりしないことも重要である。 極端な例だが、アルコール問題のあるホームレスの人には、治療を受けるならば居住施設に入ってもらうという姿勢よりも、治療を受ける受けないにかかわらず、まずは住居を提供することで、結果的に生活が安定しアルコールの問題も減るのではないかと考えられないだろうか? 実際、そのような報告がJAMAでなされている(Larimer ME, et al. JAMA. 2009 ;301(13):1349-1357.)。 私は本論文を批判しているのではなく、筆者らはこんなことは当然承知のうえだ。考察では、疫学研究ではさまざまな因子が飲酒に関連することに言及しているし、プライマリ・ケアでAUDの治療をするためにはメンタルヘルスの専門家との連携が鍵となることを公平に記載している。 いずれにしろ、この論文は新しい時代の羅針盤となるべき重要な論文かもしれない。2013年からアカンプロサートは本邦でも発売されている。多くの方が救われることを心から願う。 なお、最新の米国精神医学会の診断マニュアル(DSM-5)からはアルコール依存症と乱用という2分法は消滅してしまい、アルコール使用障害(AUD)という概念が使われている。

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歩いて糖尿病を予防!

よく歩く人は糖尿病になりにくい1.22型糖尿病の相対危険度職場まで片道10分未満しか歩いていない人に比べると、20分以上歩いている人は糖尿病になりにくいことがデータで示されています。1.01.000.860.80.730.60.40.200~10分11~20分21分以上仕事場まで歩く時間Sato KK, et al. Diabetes Care. 2007; 30: 2296-2298.より作図Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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透析原因の4割は糖尿病

透析を始める患者さんの約4割は「糖尿病」が原因2012年に人工透析をはじめた患者さんのうち、44.1%は糖尿病性腎症を原因とした導入でした。%70年別透析導入患者の主要原疾患の割合推移2012年糖尿病性腎症:44.1%慢性糸球体腎炎:19.4%腎硬化症:12.3%多発性嚢胞腎:2.6%慢性腎盂腎炎:0.8%急速進行性糸球体腎炎:1.3%SLE腎炎:0.7%不明:11.2%60504030糖尿病性腎症慢性糸球体腎炎腎硬化症多発性嚢胞腎慢性腎盂腎炎急速進行性糸球体腎炎SLE腎炎不明201001983 8485868788989091929394959697989900010203040506070809101112年患者調査による集計『一般社団法人 日本透析医学会 統計調査委員会「図説 わが国の慢性透析療法の現況(2012年12月31日現在)」』Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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血糖管理は食後も大事

空腹時血糖値だけではなく食後の血糖値もしっかり管理しましょう空腹時血糖値が正常(110mg/dL未満)な場合でも…総死亡に対する相対危険率2.52.02.001.51.591.01.000.50.0空腹時血糖値が正常でも食後血糖値が高くなると死亡の危険率は高くなります。140未満140~200未満200以上食後血糖値(mg/dL)DECODE study group. Lancet. 1999; 354: 617-21より作図Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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熱射病で意識不明となった高校生を脳震盪と誤診したケース

救急医療最終判決判例時報 1534号89-104頁概要校内のマラソン大会中に意識不明のまま転倒しているところを発見された16歳高校生。頭部CTスキャンでは明かな異常所見がなかったため、顔面打撲、脳震盪などの診断で入院による経過観察が行われた。当初から意識障害があり、不穏状態が強く、鎮静薬の投与や四肢の抑制が行われた。入院から約3時間後に体温が40℃となり、意識障害も継続し、解熱薬、マンニトールなどが投与された。ところが病態は一向に改善せず、入院から約16時間後に施行した血液検査で高度の肝障害、腎障害が判明した。ただちに集中治療が行われたが、多臓器不全が進行し、入院から約20時間後に死亡確認となった。詳細な経過患者情報学校恒例のマラソン大会(15km走)に参加した16歳男性経過1987年10月30日13:30マラソンスタート(気温18℃、曇り、湿度85%)。14:45スタートから約11.5km地点で、意識不明のまま転倒しているところを発見され、救急室に運び込まれた。外傷として顔面打撲、口唇、前歯、舌、前胸部などの傷害があり、両手で防御することなくバッタリ倒れたような状況であった。診察した学校医は赤っぽい顔で上気していた生徒を診て脱水症を疑い、酸素投与、リンゲル500mLの点滴を行ったが、意識状態は不安定であった。15:41脳神経外科病院に搬送され入院となる(搬送時体動が激しかったためジアゼパム(商品名:セルシン1A)使用)。頭部・胸部X線写真、頭部CTスキャンでは異常所見なし。当時担当医は手術中であったため、学校医により転倒時に受傷した口唇、口腔内の縫合処置が行われた(鎮静目的で合計セルシン®4A使用)。18:30意識レベル3-3-9度方式で100、体動が激しかったため四肢が抑制された。血圧98(触診)、脈拍118、体温40℃。学校の教諭に対し「見た目ほど重症ではない、命に別状はない」と説明した。19:00スルピリン(同:メチロン)2A筋注。クーリング施行。下痢が始まる。21:00血圧116(触診)、体動が著明であったが、痛覚反応や発語はなし。マンニトール250mL点滴静注。10月31日00:00体温38.3℃のためメチロン®1A筋注、このときまでに大量の水様便あり。03:00体温38.0℃、四肢冷感あり。体動は消失し、外観上は入眠中とみられた。このときまでに1,700mLの排尿あり。引き続きマンニトール250mL点滴静注。その後排尿なくなる。06:00血圧測定不能、四肢の冷感は著明で、痛覚反応なし。血糖を測定したところ測定不能(40以下)であったため、50%ブドウ糖100mL投与。さらにカルニゲン®(製造中止)投与により、血圧104(触診)、脈拍102となった。06:40脈拍触知不能のため、ドパミン(同:セミニート(急性循環不全改善薬))投与。その後血圧74/32mmHg、脈拍142、体温38.3℃。08:00意識レベル3-3-9度方式で100-200、血糖値68のため50%ブドウ糖40mL静注。このときはじめて生化学検査用の採血を行い、大至急で依頼。09:00集中治療室でモニターを装着、中心静脈ライン挿入、CVP 2cmH2O。10:00採血結果:BUN 38.3、Cre 5.5、尿酸18.0、GOT 901、GPT 821、ALP 656、LDH 2,914、血液ガスpH7.079、HCO3 13.9、BE -16.9、pO2 32.0という著しい代謝性アシドーシス、低酸素血症が確認されたため、ただちに気管内挿管、人工呼吸器による間欠的陽圧呼吸実施、メイロン®200mL投与などが行われた10:50心停止となり、蘇生開始、エピネフリン(同:ボスミン)心腔内投与などを試みるが効果なし。11:27急性心不全として死亡確認となる。当事者の主張患者側(原告)の主張1.診察・検査における過失学校医や教諭から詳細な事情聴取を行わず、しかも意識障害がみられた患者に対し血液一般検査、血液ガス検査などを実施せず、単純な脳震盪という診断を維持し続け、熱射病と診断できなかった2.治療行為における過失脱水状態にある患者にマンニトールを投与し、医原性脱水による末梢循環不全、低血圧性ショックを起こして死亡した。そして、看護師は十分な観察を行わず、担当医師も電話で薬剤の投与を指示するだけで十分な診察を行わなかった3.死亡との因果関係病院搬入時には熱射病が不可逆的段階まで達していなかったのに、診察、検査、治療が不適切、不十分であったため、熱射病が改善されず、低血糖症を併発し、脱水症も伴って末梢循環不全のショック状態となって死亡した病院側(被告)の主張1.診察・検査における過失学校医は意識障害の原因が脳内の病変にあると診断して当院に転医させたのであるから、その診断を信頼して脳神経外科医の立場から診察、検査、経過観察を行ったので、診察・検査を怠ったわけではない。また、学校医が合計4Aのセルシン®を使用したので、意識障害の原因を鑑別することがきわめて困難であった2.治療行為における過失マンニトールは頭部外傷患者にもっとも一般的に使用される薬剤であり、本件でCTの異常がなく、嘔吐もなかったというだけでは脳内の異常を確認することはできないため、マンニトールの投与に落ち度はない3.死亡との因果関係搬入後しばらくは熱射病と診断できなかったが、輸液、解熱薬、クーリングなどの措置を施し、結果的には熱射病の治療を行っていた。さらに来院時にはすでに不可逆的段階まで病状が悪化しており、救命するに至らなかった裁判所の判断1. 診察・検査における過失転倒時からの詳細な事情聴取、諸検査の実施およびバイタルサインなどについての綿密な経過観察などにより、熱射病および脱水を疑うべきであったのに、容易に脳震盪によるものと即断した過失がある。2. 治療行為における過失病院側は搬送直後から輸液、解熱薬の投与、クーリングなどを施行し、結果的には熱射病の治療義務を尽くしたと主張するが、熱射病に対する措置や対策としては不十分である。さらに多量の水様便と十分な利尿があったのにマンニトールを漫然と使用したため、脱水状態を進展させ深刻なショック状態を引き起こした。さらに、夜間の全身状態の観察が不十分であり、ショック状態に陥ってからの対処が不適切であった。3. 死亡との因果関係病院側は、患者が搬送されてきた時点で、すでに熱射病が不可逆的状態にまで進行していたと主張するが、当初は血圧低下傾向もなく、乏尿もなく、呼吸状態に異常はなく、熱射病により多臓器障害が深刻な段階に進んでいるとはいえなかったため、適切な対策を講ずれば救命された可能性は高かった。8,602万円の請求に対し、6,102万円の支払命令考察まずこのケースの背景を説明すると、亡くなった患者は将来医師になることを目指していた高校生であり、その父親は現役の医師でした。そのため、患者側からはかなり専門的な内容の主張がくり返され、判決ではそのほとんどが採用されるに至りました。本件で何よりも大事なのは、脱水症や熱射病といった一見身近に感じるような病気でも、判断を誤ると生命に関わる重大な危機に陥ってしまうということだと思います。担当された先生はご専門が脳神経外科ということもあって、頭部CTで頭蓋内病変がなかったということで「少なくとも生命の危険はない」と判断し、それ以上の検索を行わずに「経過観察」し続けたのではないかと思います。しかも、前医(学校医)が投与したセルシン®を過大評価してしまい、CTで頭蓋内病変がないのならば意識が悪いのはセルシン®の影響だろうと判断しました。もちろん、搬入直後の評価であればそのような判断でも誤りではないと思いますが、「脳震盪」程度の影響で、セルシン®を合計4Aも使用しなければならないほどの不穏状態になったり、40℃を越える高熱を発することは考えにくいと思います。この時点で、「CTでは脳内病変がなかったが、この意識障害は普通ではない」という考えにたどりつけば、内科的疾患を疑って尿検査や血液検査を行っていたと思います。しかも、頭部CTで異常がないにもかかわらず、意識障害や不穏を頭蓋内病変によるものと考えて強力な利尿作用のあるマンニトールを使用するのであれば、少なくとも電解質や腎機能をチェックして脱水がないことを確認するべきであっと思います。ただし、今回の施設は脳神経外科単科病院であり、緊急で血液検査を行うには外注に出すしかなかったため、入院時に血液生化学検査をスクリーニングしたり、容態がおかしい時にすぐに検査をすることができなかったという不利な点もありました。とはいうものの、救急指定を受けた病院である以上、当然施行するべき診察・検査を怠ったと認定されてもやむを得ない事例であったと思います。本件から得られる重要な教訓は、「救急外来で意識障害と40℃を超える発熱をみた場合には、熱射病も鑑別診断の一つにおき、頭部CTや血液一般生化学検査を行う」という、基本的事項の再確認だと思います。救急医療

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プールの飛び込み失敗で肺挫傷【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第20回

プールの飛び込み失敗で肺挫傷そろそろプールが恋しくなる季節でしょうか。夏休みをどこで過ごすか計画中の医療従事者の方々も多いでしょう。肺挫傷といえば、高エネルギー外傷によって起こる重篤な肺の外傷性病変です。スポーツによる肺挫傷も報告がありますが、やはりフットボールなどの強い衝撃によって起こったものがほとんどです(Clin J Sport Med. 2006;16:177-178. )。しかし、ただのプールの飛び込みで肺挫傷を起こしたアメリカの症例報告があります。ちなみに私は水泳が驚くほど苦手で、プールに飛び込むことすらできません。運動音痴だと思われるのがイヤなので、陸上競技は得意であると、何となく付け加えておきます。Lively MW.Pulmonary contusion in a collegiate diver: a case report.J Med Case Rep. 2011;5:362.この症例報告によれば、19歳の男子大学生がプールの端にあった1メートルほどの飛び込み台からジャンプしたそうです。しかし、タイミングが合わなかったためか飛び込みに失敗してしまい、プールの水で胸を強打したそうです。通常であれば「いってー!」と言いながら赤くなった胸を周りに見せるのでしょうか、医学的にはほとんど問題ない衝撃だろうと思います。しかしながら驚くべきことに、彼の場合は飛び込み後に数mLの喀血を来しました。あわてて病院に搬送してもらったところ、胸部CTで軽度の肺挫傷が確認されました。軽度だったため、翌週には肺挫傷の陰影も消えていたそうです。胸部CT所見は気道出血の吸い込みをみていただけなのかもしれませんが、飛び込みだけでも出血を来すことがあるのですね。飛び込み外傷で多いのは頚椎損傷と誤解されがちですが、実際の頻度としてはかなり少ないそうです(J Trauma. 2001;51:658-662. )。必要がなければプールにはあえて飛び込まないほうが無難かもしれませんね。私のように水泳が得意ではない人は、プールについているハシゴを使って、静かにプールに入りましょう。

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心電図のみかた、考え方 応用編

心電図の判読に自信を取り戻せ。対話形式で学ぶ心電図の読み方本書では、一見とっつきにくい心電図判読を分かりやすく解説しています。研修医との対話形式で、素朴な疑問を取り上げ、「神業、達人、超、必殺割り切り戦法」などの現代日本語で、初心者に敷居を低く、ワクワクしながら読めるように工夫をしています。具体的な内容としては、全体を16章に分け「P波の異常を斬る」「Q波から考える」「QRS波の高さに注目」などP波→PR→Q波→QRS波→ST→T波の順で、各種心疾患の診断方法を絡めながら分かりやすくレクチャーされています。研修医はもとより、日ごろ心電図と接していない医師も知識の確認に読んでおきたい1冊です。画像をクリックすると、内容の一部をPDFでご覧いただけます。   心電図のみかた、考え方 応用編定価 6,200円+税判型 B5判頁数 396頁発行 2014年3月著者 杉山 裕章Amazonでご購入の場合はこちら

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日本のがんサバイバーはなぜ禁煙できないのか

 日本人のがんサバイバーの多くが、がん診断後も喫煙を続けている。国立がん研究センター東病院の藤澤 大介氏らは、がんサバイバーの喫煙に関連する因子を調査するために、彼らにおける喫煙以外の健康に関わる習慣(飲酒、運動、社会活動)と禁煙方法との関連を調査した。 その結果から、がんサバイバーの多くに、喫煙を減らすか禁煙する意向があるにもかかわらず、医療従事者から関連情報やサポートを提供されていないことが判明した。これは、医療従事者がカウンセリングやエビデンスのある介入を提供する機会を逸してきたことを示唆する。著者らは、禁煙や健康的な習慣を促す教育に関する専門的なサポートの推進が必要と結論している。Supportive Care in Cancer誌オンライン版2014年5月22日号に掲載。 著者らは、ウェブでの匿名断面調査で、診断後10年までのさまざまなタイプのがんサバイバーを登録した。喫煙状況、社会経済的地位、喫煙以外の健康に関わる習慣、参加者が行った禁煙方法を評価し、多変量解析を用いてがん診断後の喫煙継続に関連する因子を検討した。 主な結果は以下のとおり。・がん診断時に喫煙していた168人の参加者のうち96人(57.1%)が喫煙を続けていた。・喫煙を継続していたがんサバイバー96人のうち、67人(69.8%)が喫煙を減らすか禁煙する意向があった。しかし、禁煙のためのカウンセリングや介入を受けたのは39人(40.6%)のみであった。・男性、がん診断からの期間が短いこと、定期的な運動の不足が、喫煙継続に関連していた。・がん再発に対する高い不安は、喫煙中止に関連していた(有意傾向)。

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MRIよりも膝の関節摩擦音、疼痛が病変予測に優れる?

 膝蓋大腿関節(PFJ)は変形性膝関節症(膝OA)の早期発見に重要であるが、特異的な臨床所見とPFJのMRI所見との関係についてはほとんどわかっていない。オランダ・エラスムス大学のDieuwke Schiphof氏らは、ロッテルダム研究のサブ研究において、摩擦音や膝蓋骨痛の既往歴はPFJのMRI所見と関連していることを明らかにした。著者らは、「今回得られた知見が、今後、膝OA早期診断の項目に加える価値があるかどうかを確認する必要がある」とまとめている。Osteoarthritis and Cartilage誌2014年5月号(オンライン版2014年2月26日号)の掲載報告。 研究グループの目的は、膝蓋骨の臨床所見とPFJのMRI所見との関係を最近提案されたMRIの定義に基づいて検討することであった。 ロッテルダム研究のサブ研究として行われたもので、膝OA(PFJまたは脛骨大腿関節(TFJ)のOA)のない45~60歳の女性888人(1,776膝、平均55.1歳、平均BMI 27.0kg/m2)を対象に、PFJ MRI所見を半定量的スコアリングにて評価するとともに、膝蓋骨テストを行い、膝蓋骨痛の既往歴と現在の膝痛について調査した。 主な結果は以下のとおり。・摩擦音とPFJ MRI所見全項目との間に、有意な関連が認められた(オッズ比[OR]範囲:2.61~5.49)。・膝蓋骨痛の既往は、骨棘を除くPFJ MRI所見と関連していた(OR 軟骨:1.95、嚢胞:1.86、骨髄病変:1.83)。・臨床所見とTFJ MRI所見との間に、有意な関連はみられなかった。

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