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28)超簡単!糖尿病三大合併症の覚え方【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者どんな合併症が起こるんですか?医師糖尿病は別名、血管の病気といわれていますから、全身のあらゆる場所に、ありとあらゆる合併症が起こる可能性があります。患者血管の病気ってなんですか?医師特に、糖尿病の人に起こりやすいのが、糖尿病の3大合併症ともいわれています。患者それは何ですか?医師手足のしびれやこむら返りなどの神経障害、失明の原因となる眼の合併症、透析の原因となる腎臓の合併症です。患者なるほど。医師神経障害、眼、腎臓の頭文字をとって「し・め・じ」と覚えておくといいですね。患者キノコのしめじですね。しめじは大好きです。それなら覚えられそうです。●糖尿病の3大合併症1.し しんけい(神経)障害2.め め(眼)の合併症(網膜症)3.じ じん(腎)症●ポイント語呂合わせで、教えることで記憶に残ります

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29)低血糖の症状を覚えてもらうコツ【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師この薬を飲むと、低血糖が起こる可能性があります。患者低血糖ってどんな症状が出るのですか?医師代表的な5つの症状を覚えておいてください。患者5つの症状?医師強い空腹感、冷や汗やふるえ、動悸、何も処置せずに放っておくと、意識がなくなる人もいます。患者なるほど。医師低血糖は「ハ行」で覚えておくといいですね。患者ハ行!?医師腹が減り(ハ)、冷や汗(ヒ)、震え(フ)、変にドキドキ(へ)、放置しておくと意識がなくなる(ホ)です。患者なるほど。それなら、私にも覚えられそうです。●低血糖は、ハ行「ハヒフヘホ」ハハラ(腹)が減り(空腹感)ヒヒヤ(冷)汗フフル(震)えヘヘン(変)にドキドキ(動悸)ホホウ(放)置しておくと意識がなくなる(昏睡)●ポイント語呂合わせで説明することで、記憶に残ります

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30)休日はゴロゴロしている人への指導法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者休みになると、体重が増えてしまいます。医師働かざる者・・・という言葉がありますね。患者働かざる者 食うべからずですね。医師そうです。働かざる者食うべからずです。これからにんべんをとると・・・。患者にんべんをとる?医師「動かざる者食うべからず」ということになります。患者なるほど!医師「動いた時は食べる、動かない時は食べない」これが大切です。患者私、逆になっていますね。平日はよく動いているのか、食べないのに、休みの日はゴロゴロして、何かつまんでばかりです。これから気をつけます。●ポイント慣用句を用いて、説明すれば患者さんの理解度が深まります

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糖尿病認知症劇場 「もしかして認知症なの?」

糖尿病患者さんには、さまざまな合併症に注意が必要です。今回は、その中でも「認知症」に焦点をあて、いつもみえられる患者さんの、ちょっと気になる点を寸劇でご紹介します。言動、挙動など医師、医療スタッフが気がついておきたいポイントをご覧ください。演者は、近畿で活躍する看護師、薬剤師などの医療従事者がつとめます。明日からの診療にお役立てください。

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BPSD治療にベンゾジアゼピン系薬物治療は支持されるか

 米国・テキサス大学サンアントニオ校のRajesh R. Tampi氏らは、認知症の行動・心理症状(BPSD)に対するベンゾジアゼピン系薬物治療の有効性と忍容性に関する、無作為化試験のシステマティックレビューを行った。その結果、現状の入手できたデータは、限定的ではあるが、BPSDへのベンゾジアゼピン系薬物治療をルーチンに行うことを支持しないものであったことを報告した。ただし特定の状況では使用される可能性があることも示唆されている。American Journal of Alzheimer's Disease and Other Dementias誌オンライン版2014年3月6日号の掲載報告。 研究グループは、ベンゾジアゼピン系薬物の使用について入手可能なデータを要約することを目的に、BPSD治療に関する無作為化試験をレビューした。5大主要データベース(PubMed、MEDLINE、PsychINFO、EMBASE、Cochrane Collaboration)をシステマティックに検索して行った。 主な結果は以下のとおり。・レビューの結果、無作為化試験5本が得られた。・ジアゼパムとチオリダジン(国内発売中止)を比較したもの1試験、オキサゼパム(国内未発売)とハロペリドールまたはジフェンヒドラミンを比較したもの1試験、アルプラゾラムとロラゼパムを比較した1試験、ロラゼパムとハロペリドールを比較した1試験、筋注(IM)ロラゼパムとIMオランザピン(国内未発売)またはプラセボと比較した1試験であった。・5試験のうち4試験のデータにおいて、BPSD治療の有効性について試験薬間の有意差は示されていなかった。・残る1試験で、チオリダジンがジアゼパムよりもBPSD治療についてより有効である可能性(better)が示唆されていた。・また1試験では、プラセボと比較した場合に試験薬の有効性がより高かった(greater)。・忍容性については、試験薬間で有意差はみられなかった。しかし5試験のうち2試験において、約3分の1の被験者が試験途中で脱落していた。・入手データの分析の結果、限定的ではあるが、BPSD治療についてベンゾジアゼピン系薬物のルーチン使用は支持されなかった。しかし、BPSDを有する人で他の向精神薬使用が安全ではない場合、もしくは特定の向精神薬についてアレルギーや忍容性の問題が顕著である場合はベンゾジアゼピン系薬物が使用される可能性があった。関連医療ニュース ベンゾジアゼピン使用は何をもたらすのか 認知症のBPSDに対する抗精神病薬のメリット、デメリット ベンゾジアゼピン系薬物による認知障害、α1GABAA受容体活性が関与の可能性

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アトピー性皮膚炎に紫外線療法は有効な選択肢

オランダ・アムステルダム大学のF M Garritsen氏らは最新のシステマティックレビューを行い、アトピー性皮膚炎に対する紫外線療法は有効な治療オプションとなりうることを発表した。また著者は、今回のレビュー結果に基づき、紫外線(UV)A1およびナローバンド(NB)-UVBが有用であると述べている。一方で、今後さらによりよくデザインされた、検出力が十分な無作為化試験の必要性についても 言及した。紫外線療法はアトピー性皮膚炎患者において一般的に行われているが、その効果のエビデンスについて、直近の系統的なレビューは行われていなかった。British Journal of Dermatology誌2014年3月号の掲載報告。 本レビューは、アトピー性皮膚炎患者の紫外線療法の有効性を評価すること、エビデンスベースに基づく治療勧告を提言することを目的に行われた。 MEDLINE、EMBASE、Cochrane Central Register of Controlled Trials (CENTRAL)、Global Resource of EczemA Trials(GREAT)の電子的文献検索と、前向き試験レジスター、さらにPubMed検索で直近の試験を検索した。 アトピー性皮膚炎治療としての紫外線療法に関するすべての無作為化試験を、データ抽出対象とみなし評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・検索の結果、19試験・被験者905例が包含された。・無作為化試験は概して、臨床的および質的に不均一なものであった。そのため、正式なメタ解析はできなかった。・包含されたエビデンスに基づき(サンプルサイズが小さく、試験の質にばらつきがあり、直接比較は小数ではあったが)、UVA1、NB-UVBは、臨床的徴候および症状の減少に最も有効な治療法と思われた。・高用量UVA1と、中程度UVA1には差がみられなかった。・UVABは、UVAおよびブロードバンドUVBよりも、臨床的症状改善について、より効果的であることが示唆された。なおUVA1との比較は行われていなかった。・その他有効な治療オプションとしては、フルスペクトラムライト、ソラレン+UVA、balneophototherapyなどがあった。・重篤な副作用は報告されていなかった。

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ミスト(前編)【信じ込む心(宗教)】

今回のキーワード信じ込む原始宗教同調崇拝モラル(集団規範)社会構造「なんでこんなにみんなで一生懸命になるの?」皆さんは、単なる利益追求をしない医療機関などで、同僚と一致団結して働いていて、すがすがしく思う一方、「自分は特別には得しないのになんでこんなにみんなで一生懸命になってしまうんだろう?」と不思議に思ったことはありませんか?そのわけは「そうするのが良いから」と信じ込んでいるわけです。それでは、なぜ「信じ込む心」は起きるのでしょうか?実は、この心理には、集団の安定や一体化のために駆り立てられている心理が関係していることがよくあります。さらに、それは宗教と同じくする根っこの心理でもあります。今回は、「信じ込む心」をテーマに、2007年の映画「ミスト」を取り上げます。そして、自己愛、社会性の心理を掘り下げ、そこから宗教の起源の心理に迫っていきたいと思っています。これらの心理を、新しい科学の分野である進化精神医学や進化心理学の視点から解き明かし、私たちはこの信じ込む心とどううまく付き合っていけば良いのかをいっしょに考えていきましょう。私たちはなぜ争うのか?―自己愛性舞台はある田舎町。最初のシーンで、大嵐の後、主人公のデヴィッドの庭にあるボート小屋は、隣人のノートンさんの倒れた枯れ木によって、破壊されていました。デヴィッドは「3年前に切ってくれと頼んでたのに」と苛立ちます。以前からデヴィッドは土地の境界線争いでノートンさんともめており、仲が悪かったのです。このように、私たちは常日頃から隣人トラブルによる争いに悩まされます。規模が大きくなれば、それは領土問題などの隣国トラブルになります。もともと私たち人間を含む多くの動物は、このような縄張り争いの行動をとります。私たちの遺伝子は、縄張りを守ることで心地良く感じるようにプログラムされているようです。それはなぜでしょうか?私たち人間を含む動物の祖先は、もともと食糧や繁殖のパートナーなどの資源が限られた環境で自分の縄張りのための争い(競争)を本能的に行ってきました。そして、約700万年前にチンパンジーとの共通の祖先と分かれた人間は、この利己的な行動を動機付ける心理、つまり自分が大事であるという心理(自己愛)を進化させてきました。そして、この心理を持っている種が子孫をより残してきたわけです。さらに、約1万年前に狩猟採集による移動から農耕牧畜による定住へと私たちの生活スタイルが大きく変わりました。この時から、土地などのさまざまな所有権の概念が芽生え、争いは激化していったのです。私たちはなぜ助け合うのか?―社会性デヴィッドは状況を伝えにノートンさん宅に行きます。すると、ノートンさんの方は、枯れ木によって愛車のクラシックカーが大破していたのでした。デヴィッドは「気の毒に。心から同情するよ」と気遣います。それを聞いたノートンさんは笑みを浮かべ「そう言ってくれると嬉しいよ」「(ボート小屋については)後で保険会社の連絡先を伝える」と心を許したのでした。そして、「もしかして今日、町に行く予定はある?」とデヴィッドに尋ねます。こうして、町まで同乗させてほしいというノートンさんの申し出にデヴィッドは応じるのです。このように、私たちは、助け合うこと(協力)をきっかけにしてお互いの心の距離を縮め、親近感や友情を芽生えさせることもできます。私たちの遺伝子は、助けることを心地良く感じるようにプログラムされているようです。それはなぜでしょうか?私たち人間の祖先は、300~400万年前にアフリカの森から草原へ出ました。その時は、猛獣の襲撃や飢餓などの脅威があり、まだまだ弱々しい存在でした。しかし、私たちの祖先は、生き延びるために、血縁関係をもとに共同体(集団)の人数を増やしていき、助け合ったのです。そして、この助け合いを動機付ける心理、つまり相手(集団)が大事であるという心理(社会性、利他性)を進化させてきました(社会脳)。そして、この心理をより持っている種の共同体が子孫をより残してきたわけです。私たちは、自己愛性によって利己的であると同時に、社会性によって利他的でもあるのです。私たちはなぜ噂好きなのか?―情報への嗜好性町に向かう車の中で、すれ違う軍隊の車両を見てノートンさんは「きみは地元民だ」「『アローヘッド計画』、何か知らないか?」とデヴィッドに訊ねます。近くの山の上には軍の基地があるからです。デヴィッドは「ミサイル防衛に関する研究らしい」「きみも知ってるだろ」と答えます。ノートンさんは「基地には墜落したUFOと宇宙人の冷凍死体があるって聞いたよ」と冗談めかして言うと、デヴィッドは「エドナ(町の知り合い)だな」「歩くタブロイド紙だからな」と答え、噂話をして盛り上がります。このように、私たちは噂話を楽しみます。私たちの遺伝子は、噂をすることを心地良く感じるようにプログラムされているようです。それはなぜでしょうか?私たちは助け合い(協力)をするようになって、生存確率を高めました。しかし、同時に、協力して得た資源を横取りする種、つまり裏切り者に悩まされるようになりました。「ただ乗り遺伝子(フリーライダー)」です。この遺伝子は、みんながお金を払って乗り物に乗っているのに、1人だけただで乗ろうとするような心理を駆り立てます。私たちは、助け合いの心理を進化させる中で、実はこの困った心理も進化させてしまったのです。なぜなら進化の本来の姿は競争だからです。私たちの祖先は、信頼による協力と騙しによる競争の心理を器用に使い分けて、バランスを取りながら進化してきたのでした。つまり、私たちの心の中には、信頼の心と同時に、常に裏切りの心が潜んでいるわけです。そんな中、約20万年前に私たちの祖先が現生人類(ホモ・サピエンス)に進化してから、喉(のど)も進化して、複雑な発声ができるようになり、言葉を話すようになりました。そして、言葉によってその場にいない人のことを伝え合い、裏切り者を事前に知ることができるようになりました。さらに、裏切りに対する抑止も働き、お互いの人間関係がよりスムーズになったのです。こうして、噂を話す行動を動機付ける心理、つまり相手や自分の評判(情報)を気にする心理(情報への嗜好性)を進化させてきました。そして、この心理をより持っている種の共同体は、子孫をより残してきたわけです。かつては、共同体のあるメンバーの裏切りが成功したら、残りのメンバーたちの生存が脅かされる状況があったのでしょう。だからこそ、現代の私たちは良い噂よりも悪い噂に敏感です。自分についての悪口はもちろんですが、他人についての悪口や裏話にもつい聞き耳を立ててしまいます。私たちのおしゃべりの大半は、共通に知っている人の新しい噂話の共有であると言えます。ですので、テレビの事件報道、ゴシップ特集、ワイドショーの視聴率が良いのもうなずけます。表1 自己愛性と社会性の違い自己愛性社会性特徴競い合い(競争)利己的騙し、裏切り助け合い(協力)利他的信頼私たちはなぜ感謝の言葉を口にするのか?―互恵性の確認町のスーパーマーケットで、ノートンさんはデヴィッドに「今日は助かったよ。ありがとう」とお礼を言います。いっしょに連れられてきたデヴィッドの幼い息子ビリーはその言葉を聞いて、「友達になれたの?」「ケンカしないね」とデヴィッドに訊ねてきます。デヴィッドは「どうかな。これから友達になれそうかな」とほほ笑みます。このように、私たちは好意、感謝、同情などの気持ちをあえて言葉にして確認し合います。その言葉だけでは相手に何も物理的に得になることはありません。しかし、私たちの遺伝子は、そうすることを心地良く感じるようにプログラムされているようです。それはなぜでしょうか?その理由は好意、感謝、同情という抽象的な言葉が、助け合いの心理の証となり、将来的な見返りがなされるシンボルの役割を果たすようになったからです(返報性、互恵性)。こうして、私たち人間の祖先は、約10万年前には、様々なシンボルを用いるようになりました。シンボルは、言葉だけでなく、首飾りなどの贈り物(トークン)や貨幣にも発展していきます。私たちはなぜまとまるのが難しいのか?―認知のずれデヴィッドたちがスーパーマーケットで買い物をしていると、突然、非常サイレンが鳴り渡り、外では辺り一面に濃い霧(ミスト)が立ち込め覆い尽くします。そして、人々を飲み込んだ霧の中からは、次々と悲鳴や絶命の叫び声が聞こえてきます。ある男性は「霧の中に何かいる!」「ドアを閉めろ!」と血だらけになりながら、スーパーマーケットの中に駆け込みます。ガラス越しに見える外の濃い真っ白な霧の世界では、想像もできない何かが起こっているのです。こうして、デヴィッドたちを含む数十人の買い物客たちは、スーパーマーケットに閉じ込められてしまいます。食糧には困りませんが、電話、テレビ、ラジオなどのあらゆる通信機器が機能せず、助けも来ず、先行きも見えず、彼らは完全に孤立しています。その後、霧の中から現れた巨大なタコの触手のような吸盤によって、ある店員が皮膚を丸ごと剥ぎ取られた上に連れ去られます。このあり得ない状況をデヴィッドたちの限られた数人がまず目の当たりにします。一方、ノートンさんは、弁護士でもあることから、デヴィッドの話を「証拠が足りない」として信じられず、自然災害だと決め付けてしまいます。状況が分からない不安から苛立ちが募り、デヴィッドとノートンさんはせっかく仲直りしていたのに、また言い争いを始めます。そして、ノートンさんは、しびれを切らします。助けを求めるために、数人を引き連れて外の霧の中に入っていくのです。スーパーマーケットにたまたま居合わせた数十人の群集は、まさに原始の時代の閉ざされた1つの共同体に見立てられます。運命共同体です。約20万年前には、私たちの祖先は、最大100~150人(ダンバー数)くらいの閉鎖的な共同体(集団)をそれぞれつくっていました。しかし、集団全員の考えは毎回必ずしも一致するわけではありません。情報が不確かであればあるほど、意見の違い(認知のずれ)が起こり、裏切りや争いを招きやすくなります。私たちは何によってまとまるのか?―(1)知識や知恵(文化)買い物客の中からは、「隣町の工場から出た汚染物質の雲だよ」「化学薬品の爆発だろう」と様々な憶測が飛び交います。こうして、憶測が憶測を呼び、伝えられていきます。このように、私たちは、人間関係の噂話だけでなく、その延長として、環境のあらゆることについての噂話(情報)も伝達し合います(情報の嗜好性)。約20万年前に私たちの祖先が言葉を話すようになってから、噂話は、単にその時の共同体のメンバーの間だけでなく、祖先からの教えとして世代を超えて語り継がれていくようになりました。それは、共通の生きる知識や知恵(文化)として、共同体の生存の確率を高める役割も果たしていたことでしょう。こうして、この文化によって、私たち人間は、遺伝子の突然変異による進化よりも、早く広く環境に適応することができるようになりました。つまり、文化は、「第2の遺伝子」とも言えそうです。私たちは何によってまとまるのか?―(2)宗教スーパーマーケットにいる買い物客の中で、カーモディさんはもともと信心深い人です。しかし、同時に信仰への勧誘に熱心すぎたため、町の変わり者として人々からは距離を置かれていました。しかし、あり得ない異様な事態の中、彼女は存在感を発揮し始めます。彼女は恐怖におののく人々に「外は死よ」「この世の終わり」「ついに審判の日が来たの」「間違いない」「あなたたちは罪深い人生を送ってきた」「神のご意志には逆らえない」「見ようとしない者ほど盲目な者はいない」「その目を開いて真実を悟りなさい」と熱心に説き始めます。そして、自分たちの状況を聖書の教えになぞらえ、「今夜、闇と共に怪物が襲ってきて、誰かの命を奪う」と予言します。そして、その予言が当たってしまいます。人々には、さもずばり的中させたかに見えてしまうのです。すると、人々は、今まで聞く耳を持とうとしていなかったのに、次々と彼女の話に耳を傾け始め、「信徒の群れ」になっていくのです。一体、何が起きているのでしょうか?カーモディさんの導く信仰心によって、人々は感情的に結び付きを強めていきます。信仰の秘めたる力です。この信仰が組織化され制度化されたものが宗教です。そもそも宗教(religion)の語源は、ラテン語の「再び結ぶ(religare)」に由来しています。この宗教の秘めたる力の正体は何か?なぜ宗教に染まるのか?そもそもなぜ宗教はあるのか?これらの疑問を踏まえて、宗教の本質から私たちの心の本質を探っていきましょう。宗教の起源(原始宗教)には、3つの要素があります。宗教の起源とは?―(1)同調周りの人が目の前で次々と死んでいくという極限状況の中、デヴィッドたち数人を除くほとんどの人々がカーモディさんの元に集まります。彼女がその信者たちに「共に神の道を歩みたい」と呼びかけると、彼らは揃って「償いだ!」と同じ言葉を唱え、エネルギッシュに1つにまとまっていきます。このように、人々は、同じ言葉を唱えたり拝んだり、一緒に歌を歌ったり、ダンスでリズムを合わせたりして一体感を高めます。私たち人間の遺伝子は、同じ発声や動作をすることを心地良く感じるようにプログラムされているようです。それはなぜでしょうか?私たち人間の祖先は、助け合い(協力)をする中で、共同体のメンバーの和を乱さないように周りを意識して(心の理論)、周りに調子を合わせる心理(同調)を進化させてきました。20万年前よりもさらに遡った原始の時代では、複雑な発声がまだできませんでした。しかし、その代わりに唸り声などの音を合わせたり、歩調を合わせたりして、協力するサインを出していたでしょう(サイン言語、非言語的コミュニケーション)。このように、周りに調子を合わせることで、連帯感や共通の意識を強め、共同体への帰属意識(集団同一性)を高めました。そして、この心理をより多く持っている種の共同体ほど助け合い、生存確率が高まっていたわけです。このように、同じ発声や動作を繰り返すことで、共同体が1つにまとまりました。そして、それは音楽やダンスのリズムとして儀式化されていきました。この儀式こそが、現代の私たちが宗教と呼ぶものの起源の1つの要素となっているのではないかと思います。つまり、宗教という制度が先にあったのではなく、同調の心理を高めるために行っていた儀式が先にあり、それが制度化されて後に宗教と呼ばれるになったと考えられます。この同調の心理は、現代ではコミュニケーションのテクニックとして意識的に利用されています。例えば、さりげなく相手と同じしぐさをしたり口癖を言うことで、相手からの好感を高めることができます(ミラーリング)。また、「似た者夫婦」とは、仲の良い夫婦が無意識のうちに同調の心理を高めていると言えます。昔から「類は友を呼ぶ」とはよく言ったものです。宗教の起源とは?―(2)崇拝 1. 超越的な存在デヴィッドは、買い物に出かける前、湖の対岸から大きく立ち込めて来た不気味な霧を見て、妻に「2つの前線がぶつかって起きた現象さ」「おれは気象予報士じゃないけどね」と説明して、納得しようとしていました。このように、現代の私たちは、自然現象を科学的にとらえようとします。そこに、恐怖はありません。しかし、科学が発展していない原始の時代はどうだったでしょうか?地震、嵐、雷などの様々な災いを招く自然の脅威や謎に対して説明する役割を果たしたのは、超越的な存在への崇拝であったと考えられます。その理由はこうです。私たちの祖先は、助け合い(協力)と競い合い(競争)の狭間で、相手の心を読む、つまり相手の視点に立つ心理を進化させてきました(心の理論)。その相手は、人間だけでなく、自然や動物などあらゆるものへと広がりました。つまり、自然や動物とも協力関係を築こうと、それらを崇拝したのです(アニミズム)。相手の視点に立つのは同時に、外から自分自身を見る視点でもあり、さらには過去・現在・未来という時間軸の全体像を見る視点でもあります(メタ認知)。こうして、約10万年前にシンボルを用いる心理(抽象的思考)が発達してからは「自分は死んだらどうなるのだろう?」「世界は何でできているのだろう?」と死後の世界や自然環境に対して好奇心や恐怖を抱くようになりました。この好奇心や恐怖から、自然を観察し、気候の変化や動物の行動のパターンを予測しようとしました。そして、少しずつ、自然をコントロールできるようになりました。例えば、水がないなら井戸を掘り、風除けがないなら石壁を作りました。大きな土木工事も行うようになりました。また、実験的に植物や動物を管理するようになりました。こうして、自然の環境は変えられるという発想が生まれていきました。その時、コントロールしている側とされている側の両方の視点に立つことができるようになったのです。そして、自分たちを支配している超越的な存在を意識するようになったのです。宗教の起源とは?―(2)崇拝 2. 神秘体験スーパーマーケットにたまたま居合わせたある軍人は、カーモディさんに問い詰められて、真相を打ち明けます。「この世界は異次元空間に囲まれていて、軍の科学者がそこに『窓』を開けたんだ」「事故で向こうの世界がこっちに来た」と。まさにカーモディさんが「大地は忌まわしい汚物(=霧)を吐き、残忍で汚れた恐ろしい魔物(=見たこともない生物)が解き放たれた」と説いた教えに重なります。原始の時代の私たちの祖先が意識した超自然界は、この「異次元空間」に見立てることができます。そして、この超自然界を確信させたのは、夢見やトランスなどの神秘体験であると思われます。夢見は、すでに亡くなった家族と夢で再会することがあるため、神秘的な意味付けがされたでしょう。亡くなった家族は、あの世という超自然界で生きていると思えたのです。こうして、すでに超自然界に旅立った祖先たちを、超自然界で自分たちを見守ってくれる存在として崇め奉りました(祖先崇拝)。画像また、トランスは、同調の心理を高めるための儀式を延々とやっている最中に、重度の疲労から意識がもうろうとして体験される錯覚や幻覚です(せん妄)。夢との連続性があり、白昼夢とも言えます。これは、苦行という儀式を強いる古くからの宗教と重なります。こうして、トランスも、超自然界との交信の場という神秘的な意味付けがなされたでしょう。例えば、幻聴は、超自然界からのメッセージ、つまりお告げと受け止められます。そこから、予知夢、正夢という過剰な意味付けもなされたでしょう。さらに、トランスは、薬草や毒キノコによって、より手軽に体験できることが後に発見されます。そして、金縛り(睡眠麻痺)、幽体離脱(体脱体験)や臨死体験など様々な精神症状も、神秘的な意味付けがされるようになりました。それは、超自然界を垣間見て、魂の存在を確信する体験です。てんかん発作もまた、超自然界に近付ける神聖な病であると解釈されました。統合失調症の妄想は、現代では「自分は巨大な闇の組織に操られている」という訴えが典型的です。しかし、その訴えは、原始の時代では、超自然界を確信しているというだけのごく当たり前のことだったでしょう。このように、いくつかの精神症状は、神秘体験との共通点があり、原始の時代には一定の役目を果たしていた可能性も考えられます。宗教の起源とは?―(2)崇拝 3. 心の拠りどころ(愛着)カーモディさんの教えに従い、スーパーマーケットで信者と化した人々は、神に祈りを捧げます。このように、原始の時代の人々も、自然崇拝(アニミズム)や祖先崇拝から、超越的な存在そのもの、つまり神を崇拝するようになっていきました(神仏信仰)。彼らは、その見返り(恩)として、恵み(恩恵)、慈しみ(慈悲)、そして助け(救済)を求めました。それは、協力関係を超えて、保護者(母親)と子どもの関係です。そこから、神が、人間を含む万物を創り上げた生みの親であるという発想が生まれます。神(母親)が人間(子ども)を無条件に守ること(母性)を意識することで、人間が神に無条件に守られていると信じ込む心理(愛着)が働きます。こうして、神の存在は、人々が共通して信じる心の拠りどころとなっていくのです。そこには、母親に抱かれる赤ん坊になったような安らぎがあります。母性や愛着の心理と同じように、信仰の心理にも、オキシトシンという精神状態を安定させるホルモンが関係している可能性が考えられます。神という保護者に見守られていると確信しているからこそ、そして、全ては神の思し召し(意図)という解釈がなされるからこそ、自らの死への恐れや大切な人の死への悲しみなどを引き起こす不運や災難にも、意味を見いだし、受け入れ、乗り越えることができるようになりました。「信じる者は救われる」という言い回しは、的を射ています。神の恩恵や救済を信じてすがることで、愛着の心理であるオキシトシンが活性化して、ストレス耐性を高めるメカニズムが考えられるからです。これが、宗教的な寛大さや寛容さの源でもあります。それは同時に、心の拠りどころを共有することで、個人だけでなく、共同体(集団)の結束力(協力関係)も強めるというメリットもあります。例えば、昔から、神の超越的な力で病気を治してもらうために、お祈り(ヒーリングダンス)、お祓い、お参りなどがなされてきました。もちろん科学的には効果はなく、病気は治りません。しかし、これらの行為は、みんなが揃って何かをするという同調の心理を高めます。同調もまた、オキシトシンを活性化させます。この心理とあいまって、結果的に人々の心を一体化させ、不安におののく集団への癒しの役目を果たしていたのでした。このように、心の拠りどころを共有することで、共同体が1つにまとまりました。そして、それは、共同体の中で、超越的な存在(神)への崇拝として制度化されていきました。これこそが、現代の私たちが宗教と呼ぶものの起源の1つの要素となっているのではないかと思います。つまり、神の存在が先にあったのではなく、人々が共通に抱いていた超越的な存在が先にあり、それが後に神と呼ばれるようになったのでしょう。また、宗教という制度が先にあったのではなく、超越的な存在(神)への崇拝が先にあり、それが制度化されて後に宗教と呼ばれるになったと考えられます。「なぜ神はいるのか?」という宗教的、哲学的な問いへの答えはなかなか見つかりません。しかし、「なぜ神はいると思うのか?」という進化心理学的な問いへの答えは、このような人間の心理を根拠に説明することができます。宗教の起源とは?―(3)モラル(集団規範)デヴィッドたち数人のグループは、カーモディさんの一団を尻目に話し合います。「ここは文明社会よ」と言う女性に、デヴィッドは「都市(文明社会)が機能していて、警察通報できるならね」「でもひとたび闇の中に置かれ、恐怖を抱くと人は無法状態になる」「粗暴で原始的に」「恐怖にさらされると人はどんなことでもする」と答えます。さらに別の男性は「人間は根本的に異常な生き物だよ」「部屋に2人以上いれば最後は殺し合うんだ」「だから政治と宗教がある」と付け加えます。デヴィッドたちは、状況を鋭く言い当てています。スーパーマーケットに閉じ込められてから、その外では、科学では説明できないことが次々と起こっています。これは、まさに原始の時代の自然環境に見立てられます。そこは、次に何が起きるか予測ができず、翻弄されるばかりの恐ろしい世界です。原始の時代、このような恐怖に安心感や安全感を与え、共同体を平穏に保つ役割を果たしたのは、すでに超自然界に旅立った祖先たちによって語り継がれてきた教えだったでしょう。そして、その教えは、やがて生きる道しるべや戒めとして普遍性を帯びていき、共同体のメンバーに同じ考えを根付かせて同じ方向を向かせる拠りどころとなったのです。つまりはモラル(集団規範)です。このモラルを自分たちが守っているかどうかを、超自然界にいる祖先、さらには絶対的な存在(神)が見張っていると人々は解釈しました。見守られていることは、見方を変えれば、見張られていることでもあります。神は、保護者(母性)の役割だけでなく、監視者(父性)の役割も果たしていることが分かります。こうして、モラルは、人々に共通の意識を生み出し、そこからより高度な秩序が生まれました。このように、モラルを持つことで共同体が1つにまとまりました。そして、それは政治などのルール作りの源になっています。このモラルによる社会構造こそが、現代の私たちが宗教と呼ぶものの起源の1つの要素となっているのではないかと思います。つまり、宗教という制度が先にあったのではなく、モラルによる社会構造が先にあり、それが制度化されて後に宗教と呼ばれるになったと考えられます。表2 宗教の3つの要素同調崇拝モラル(集団規範)特徴同じ発声や動作を繰り返すことによる一体感同じ思いを持つことによる一体感神秘体験による強化神の保護による集団の安全感(心の拠りどころ)神の監視による秩序形成ルール作りの源医療機関で働く私たちは?これまで考えてきた宗教の3つの要素から、宗教とは、原始の時代から共同体を1つにまとめ上げるシステム(社会構造)そのものであることが分かります。私たちの祖先は、原始の時代からこのシステムと共に歩んできました。そして、人間の文明の進歩に大きな役割を果たしてきました。その1つとして挙げられるのが、大陸大移動(グレートジャーニー)の促進説です。20万年前に現生人類(ホモ・サピエンス)が誕生してから、寒冷期(氷河期)と温暖期が繰り返されていました。しかし、最初は温暖期になってもなかなか人類は広がりません。しかし、6万年前の4回目の温暖期で突然、私たちの祖先は大胆な移動を始めたのです。その理由こそ、当時に出来上がった宗教が共同体の絆を強くしていたからであるという可能性が考えられます。現代の社会で、宗教そのものは原始の時代ほど大きな役割を果たしていません。なぜなら、現代の私たちは、ルール(法律)と科学によって理性的な社会生活を送っているからです。しかし、逆に、私たちが組織(集団)になる時、そして一致団結する時、得てして原始の時代の宗教的な心が目を覚ましやすくなります。それは、集団の安定のために、相手と同じ行動や考えを好み(同調)、何かを拠りどころとして信じ込み(崇拝)、従いやすくなる心理(集団規範)です。これは、私たちの本質的な心理です。例えば、医療機関という組織(集団)で働く私たちは、みな白衣を着て自分たちしか分からない専門用語を駆使して、職業倫理や崇高な理念を持ち、組織の独自のルールにも従っています。それ自体は、すばらしいことです。この心理があるからこそ、医療機関の組織は、単なる利益集団にはなりません。また、このように組織に染まる仕組みが分かっているからこそ、組織では、新人教育で泊まり込みの合宿などをさせて、この心理を芽生えさせ、感化させようとするわけです。私たちの社会(集団)は、程度の差はあれ、この心理により、うまく回っていると言えます。しかし、この心理に魅力がある一方で、危うさもあります。例えば、それはマインドコントロールです。私たちは、この心理の魅力と同時に、危うさもよく知っておく必要があります。次回は、その危うさやデメリットであるマインドコントロールについて、さらに深く掘り下げていき、私たちの組織のあり方や私たちの生き方そのものを見つめ直してみたいと思います。果たしてカーモディさんの説く教えによって1つになった彼らに未来はあるのでしょうか?1)ニコラス・ウェイド:宗教を生み出す本能、NTT出版、20112)NHKスペシャル取材班:ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか、角川書店、20123)進化と人間行動:長谷川眞理子、長谷川寿一、放送大学教材、2007

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術後患者の生存率は看護師の人数と学歴で改善できる(コメンテーター:中澤 達 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(189)より-

コストカット目的での看護師減員は患者アウトカムに悪影響をもたらす一方で、学士号取得の看護師配置を手厚くすると院内死亡は減少するという研究報告が発表された。 本検討は、病院運営上最も大きなコスト要素の1つである、看護師に関する意思決定を目的としたRN4CAST研究である。RN4CASTには12ヵ国が参加しているが、今回の検討では、同様の患者退院データを有する9ヵ国(ベルギー、英国、フィンランド、アイルランド、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、スイス)300病院における、2009~2010年のデータより解析が行われた。 方法は、一般外科、整形外科または血管外科手術を受けた50歳以上の患者42万2,730例の退院データを入手、診療データを標準プロトコル(ICD-9または10に準拠)でコード化し、年齢、性別、入院タイプ、43のダミー変数で分類した手術タイプ、17のダミー変数で分類した入院時の併存疾患のリスク調整を用いて、30日院内死亡率を評価した。同時に、2万6,516人の看護師の看護職員配置と教育レベルを調査した。 結果として、看護師の労働負荷が患者1人分増大するにつき、入院患者の30日院内死亡率は7%上昇することが示された(オッズ比:1.068、95%信頼区間[CI]:1.031~1.106)。また、学士号取得看護師が10%増えると院内死亡率は7%低下することが示された(同:0.929、0.886~0.973)。つまり、看護職員の60%が学士号取得者で看護体制6対1の病院は、同看護職員が30%で看護体制8対1の病院と比べて、院内死亡が約30%低いことになる。 米国、カナダで行われた調査でも今回と同様の結果であり、病院支出を最小とするための人件費削減は患者アウトカムに悪影響を与えることが示唆された。同様の検討が心臓手術のようなハイリスク手術、内科治療についてもヨーロッパで行われている。 日本では入院治療に携わる看護師数である看護体制に加算があり、医療の質の評価として間違いではないことが証明された。今後、死亡以外の有害アウトカムに対する業務コストを算出し、労働力投資が最大価値を生む疾患群を解明する必要がある。さらにその結果が、保険償還制度に反映され、医療の質向上に寄与することが期待される。

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急性心筋梗塞後にも心房細動患者にはCKDのステージに関わらずワルファリンを投与すべき!でも、日本でも同じ?(コメンテーター:平山 篤志 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(190)より-

ワルファリンは、心房細動患者で心原性脳梗塞や全身性塞栓症を予防するには有効な薬剤で、出血のリスクはあっても、Net Clinical Benefitの点からCHADS2スコアを考慮して使用すべきとされている。しかし、CKDのステージが進行するにつれ出血のリスクが増加することから、ワルファリン投与についてはControversialであった。 Carreroらはスウェーデン国内のすべての病院から急性期心疾患の登録研究を用いて、急性心筋梗塞後に退院した心房細動患者でワルファリン治療の効果を検討した結果、CKDのステージに関係なくワルファリン投与が優れていることを示した。また同時に、本論文においては急性心筋梗塞であっても抗血小板薬よりワルファリンの投与を優先すべきであることも示唆した。 しかし、この結論をすぐにわが国における実臨床の場に適応できるかというと、2つの問題点をあげておかなければならない。 まず、ワルファリンのコントロール状況を示すTime in Therapeutic Range(TTR)は、スウェーデンでは実臨床において70%以上である。TTRが低下すれば、よりイベントは塞栓症の発症も出血も多くなることが知られている。わが国では循環器専門病院でも50~60%と報告されていることから考えれば、さらに実際は低いと考えられるので、スウェーデンと同等のワルファリンの効果が得られるかは疑問である。 次に、急性心筋梗塞の治療でのPCIを含めた血行再建の頻度である。この登録研究では、PCIとCABGを含めた血行再建の頻度が30%程度である。おそらく90%以上に血行再建が行われ、しかもステントがPCIのほとんどに使用されているわが国の状況では、アスピリンとチエノピリジン系の2剤の抗血小板療法(Dual Antiplatelet Therapy:DAPT)が通常処方されている。心房細動があれば、ワルファリンを加えた3剤投与(Triple therapy)が必要となり、さらに出血のリスクが増加すると予測される。 WOEST試験でもTriple therapyには疑問が出されている。この論文でも、DAPTの頻度がワルファリン使用群で16.8%であるのに比べ、ワルファリン非使用群では52.6%であることを考えれば、直ちにすべての患者、とくに出血リスクの高い進行したCKD患者で、しかも実臨床で厳密なTTRのコントロールが困難なわが国において、同様なアウトカムを出せるかは疑問である。 今後CKDを合併した心房細動を有する心筋梗塞患者は、わが国でも増加すると考えられる。これらの患者にどのような抗凝固・抗血栓療法を行うかは、われわれが解決しなければならない問題である。

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抗うつ薬が奏効しないうつ病患者への抗精神病薬追加投与は本当に有効か

 抗うつ薬による治療後に症状が悪化した患者に対するうつ病治療(抗精神病薬による補助療法を含む)の有効性は十分に検討されていない。米国・カリフォルニア大学のJ Craig Nelson氏らは、抗うつ薬による治療で効果不十分であった大うつ病性障害患者に対するアリピプラゾール補助療法の有効性、安全性、忍容性を検討した。CNS spectrums誌オンライン版2014年3月18日号の報告。 抗うつ薬による治療(ADT)で効果不十分であった大うつ病性障害患者を対象にアリピプラゾール補助療法の有効性、安全性、忍容性を検討した3試験(プラセボ対照二重盲検試験と同様に設計)のデータを利用し、事後解析を行った。研究は、8週間のADT期間と6週間の補助療法期間(アリピプラゾールまたはプラセボ)の2期に分かれていた。本研究では、ADT期間中に症状が悪化した患者に焦点を当て分析を行った。悪化の定義は、MADRS総スコア0%超の増加とした。補助療法期間における治療反応はMADRS総スコア50%以上減少と定義した。寛解はMADRSスコア10以下とした。 主な結果は以下のとおり。・ADT期間に反応が得られなかった患者は1,065例であった。そのうち症状悪化が認められたのは160例(ADT悪化群)、症状が不変であったのは905例(ADT非悪化群)であった。・ADT悪化群における補助療法後(エンドポイント)の治療反応率は36.6%(アリピプラゾール補助療法)、22.5%(プラセボ)であった。・ADT非悪化群における治療反応率は37.5%(アリピプラゾール補助療法)、22.5%(プラセボ)であった。・また、ADT悪化群における寛解率は25.4%(アリピプラゾール補助療法)、12.4%(プラセボ)であった。・ADT非悪化群における寛解率は29.9%(アリピプラゾール補助療法)、17.4%(プラセボ)であった。 以上の結果より、抗うつ薬単独療法で効果不十分な患者に対するアリピプラゾール補助療法は有効な介入方法であることが示された。関連医療ニュース 治療抵抗性うつ病に対し抗精神病薬をどう使う 治療抵抗性うつ病患者が望む、次の治療選択はどれ 難治性うつ病に対する効果的な治療は何か

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ヒトライノウイルス感染後の細菌感染、繰り返すCOPD増悪の原因に

 ヒトライノウイルス(HRV)感染後は、二次性細菌感染を起こすことがよくあり、これがCOPD増悪の再発の機序と考えられ、新たな治療に向けた潜在的なターゲットとなりうることが、ロンドン大学のSiobhan Nicole George氏らによって報告された。The European Respiratory Journal誌オンライン版2014年3月13日の掲載報告。 HRV感染はCOPD増悪の重要なトリガーであるが、増悪の自然史において、その頻度を決定づけるHRVのフェノタイプや感染後の経過についてはあまり知られていない。HRV(388サンプル)と肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリス(89サンプル)の両方に関して、77例の患者からの喀痰サンプルをリアルタイム定量PCRによって分析した。増悪の定義は、日誌で呼吸器症状の悪化が認められた場合とした。 主な結果は以下のとおり。・増悪時のヒトライノウイルスの検出率やウイルス量は、安定期と比べて有意に高かったが(検出率53.3% vs 17.2%、それぞれp<0.001)、増悪後の35日間までには、0%まで低下していた。・風邪症状を有する患者、喉の痛みを有する患者では、それらがない患者と比べて、HRVの量が有意に多かった(それぞれ、p=0.046、p=0.006)。・細菌は陰性でHRVは陽性だった患者の73%は、14日間以内に細菌が陽性になっていた。・増悪時に、HRVが検出された患者は、検出されなかった患者と比べて、1年間当たりの増悪回数が有意に多かった(3.01回/年 [四分位範囲:2.02~5.30] vs 2.51回/年 [2.00~3.51]、p=0.038)。 COPD増悪時にはHRVの検出率やウイルス量が多かったが、回復後は治癒していた。また、増悪を繰り返すことで、HRVに感染しやすくなることもわかった。■「COPD増悪」関連記事COPD増悪抑制、3剤併用と2剤併用を比較/Lancet

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高齢者の肺塞栓症除外には年齢補正Dダイマー値が有用/JAMA

 血漿Dダイマー値を用いた急性肺塞栓症(PE)患者の除外診断について、固定指標値500μg/Lをカットオフ値として用いるよりも、年齢補正Dダイマー値を用いたほうが有用であることが、スイス・ジュネーヴ大学病院のMarc Righini氏らによる多施設共同前向き試験ADJUSTの結果、示された。Dダイマー測定は、PEが臨床的に疑われる患者において重要な診断戦略として位置づけられている。しかし、高齢者の診断ではその有用性が限定的で、年齢補正の必要性が提言されていた。JAMA誌2014年3月19日号掲載の報告より。19施設のERでPE診断戦略の精度を検討 ADJUST試験は、2010年1月1日から2013年2月28日にかけて、ベルギー、フランス、オランダ、スイスの19の医療施設で、治療アウトカムを前向きに評価して行われた。試験施設の救急部門を受診したPEが臨床的に疑われた全連続外来患者を、逐次診断戦略で評価した。診断はPEに関する簡易改訂ジュネーブ・スコアまたは2-level Wellsスコアを用いて行われ、臨床的可能性が高い患者についてはCT肺動脈造影[CTPA]が、低い/中等度の患者については高感度Dダイマー測定が行われ、全患者を形式的に3ヵ月間追跡した。 主要アウトカムは、診断戦略の失敗で、3ヵ月の追跡期間中に年齢補正のDダイマーカットオフ値に基づき抗凝固療法が行われず血栓塞栓症を発生した場合と定義した。75歳以上における年齢補正Dダイマー値による除外患者の割合は6.4%から29.7%に上昇 PEが疑われた患者3,346例が対象に含まれ、そのうちPE発生率は19%であった。 PEの臨床的可能性が低い/中等度であった2,898例のうち、Dダイマー値500μg/L未満の患者が817例(28.2%、95%信頼区間[CI]:26.6~29.9%)、同500μg/L以上だが年齢補正Dダイマーカットオフ値未満であった患者(年齢補正群)は337例(11.6%、同:10.5~12.9%)であった。 年齢補正群の3ヵ月間の診断戦略失敗率は、患者331例につき1例(0.3%、95%CI:0.1~1.7%)であった。 また75歳以上の患者766例のうち、673例がPEの臨床的可能性が低い/中等度の患者であったが、Dダイマー値の従来カットオフ値500μg/Lに年齢を加味することで、除外患者の割合は、673例のうち43例(6.4%、95%CI:4.8~8.5%)から200例(29.7%、同:26.4~33.3%)に上昇した。ほかの偽陰性所見はとくに伴わなかった。

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乳がん術後リンパ節転移への放射線療法、効果が明確に/Lancet

 乳房切除術および腋窩郭清後の放射線療法の効果について、1~3個のリンパ節転移があり全身治療が行われた場合でも、再発率、乳がん死亡率を低下することが明らかにされた。英国・オックスフォード大学のEarly Breast Cancer Trialists 共同研究グループ(EBCTCG)が22試験、8,135例の患者データをメタ解析し報告した。先行研究のメタ解析で、乳がん切除後の放射線療法は、リンパ節転移が認められる全女性について、再発および乳がん死亡の両リスクを低下することが示されていた。しかし、転移が1~3個と少ない患者におけるベネフィットは不明であり、本検討は、それらの患者の放射線治療の効果について評価することが目的であった。Lancet誌オンライン版2014年3月19日号掲載の報告より。22試験8,135例のデータをメタ解析 メタ解析には、1964~1986年に行われた無作為化試験22試験に参加した8,135例の患者個人データが含まれた。乳房切除術および腋窩郭清後に胸壁と局所リンパ節に放射線療法を受けたか、もしくは同術後に放射線療法を受けていなかった者が対象である。 再発は10年間死亡は20年間または2009年1月1日時点まで追跡し、参加試験、個々の追跡年、試験開始時年齢、リンパ節の病理所見で層別解析した。 対象患者のうち3,786例がレベルII以上の腋窩郭清を行い、リンパ節転移がゼロ、1~3個または4個以上を有する集団に分けて分析した。1~3個の転移でも局所再発、全再発、乳がん死亡を有意に抑制 結果、腋窩郭清を受けリンパ節転移がなかった700例については、放射線療法は局所再発(両者の有意水準[2p]>0.1)、全再発(放射線療法群vs. 非療法群のリスク比[RR]:1.06、95%信頼区間[CI]:0.76~1.48、2p>0.1)、乳がん死亡(同:1.18、0.89~1.55、2p>0.1)に統計学的に有意な影響を及ぼさなかった。 腋窩解剖郭清を受けリンパ節転移が1~3個であった1,314例では、放射線療法は局所再発(2p<0.00001)、全再発(RR:0.68、95%CI:0.57~0.82、2p=0.00006)、乳がん死亡(同:0.80、0.67~0.95、2p=0.01)を抑制した。これら1,314例のうち1,133例が全身治療(シクロホスファミド、メトトレキサート、フルオロウラシルまたはタモキシフェン)を試験中に受けており、これらの症例でも局所再発(2p<0.00001)、全再発(RR:0.67、95%CI:0.55~0.82、2p=0.00009)、乳がん死亡(同:0.78、0.64~0.94、2p=0.01)を抑制した。 腋窩郭清を受けリンパ節転移が4個以上だった1,772例でも、放射線療法は局所再発(2p<0.00001)、全再発(RR:0.79、95%CI:0.69~0.90、2p=0.0003)、乳がん死亡(同:0.87、0.77~0.99、2p=0.04)の抑制がみられた。

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検査所見の確認が遅れて心筋炎を見落とし手遅れとなったケース

循環器最終判決判例時報 1698号98-107頁概要潰瘍性大腸炎に対しステロイドを投与されていた19歳男性。4日前から出現した頭痛、吐き気、血の混じった痰を主訴に近医受診、急性咽頭気管支炎と診断して抗菌薬、鎮咳薬などを処方した。この時胸部X線写真や血液検査を行ったが、結果は後日説明することにして帰宅を指示した。ところが翌日になっても容態は変わらず外来再診、担当医が前日の胸部X線写真を確認したところ肺水腫、心不全の状態であった。急性心筋炎と診断してただちに入院治療を開始したが、やがて急性腎不全を合併。翌日には大学病院へ転送し、人工透析を行うが、意識不明の状態が続き、初診から3日後に死亡した。詳細な経過患者情報19歳予備校生経過1992年4月10日潰瘍性大腸炎と診断されて近所の被告病院(77床、常勤内科医3名)に入院、サラゾスルファピリジン(商品名:サラゾピリン)が処方された。1993年1月上旬感冒症状に続き、発熱、皮膚の発赤、肝機能障害、リンパ球増多がみられたため、被告病院から大学病院に紹介。2月9日大学病院に入院、サラゾピリン®による中毒疹と診断されるとともに、ステロイドの内服治療が開始された。退院後も大学病院に通院し、ステロイドは7.5mg/日にまで減量されていた。7月10日頭痛を訴えて予備校を休む。次第に食欲が落ち、頭痛、吐き気が増強、血の混じった痰がでるようになった。7月14日10:00近所の被告病院を初診(以前担当した消化器内科医が診察)。咽頭発赤を認めたが、聴診では心音・肺音に異常はないと判断(カルテにはchest clearと記載)し、急性咽頭気管支炎の診断で、抗菌薬セフテラムピボキシル(同:トミロン)、制吐薬ドンペリドン(同:ナウゼリン)、鎮咳薬エプラジノン(同:レスプレン)、胃薬ジサイクロミン(同:コランチル)を処方。さらに胸部X線写真、血液検査、尿検査、喀痰培養(一般細菌・結核菌)を指示し、この日は検査結果を待つことなくそのまま帰宅させた(診察時間は約5分)。帰宅後嘔気・嘔吐は治まらず一段と症状は悪化。7月15日10:30被告病院に入院。11:00診察時顔面蒼白、軽度のチアノーゼあり。血圧70/50mmHg、湿性ラ音、奔馬調律(gallop rhythm)を聴取。ただちに前日に行った検査を取り寄せたところ、胸部X線写真:心臓の拡大(心胸郭比53%)、肺胞性浮腫、バタフライシャドウ、カーリーA・Bラインがみられた血液検査:CPK 162(20-100)、LDH 1,008(100-500)、白血球数15,300、尿アセトン体(4+)心電図検査:心筋梗塞様所見であり急性心不全、急性心筋炎(疑い)、上気道感染による肺炎と診断してただちに酸素投与、塩酸ドパミン(同:イノバン)、利尿薬フロセミド(同:ラシックス)、抗菌薬フロモキセフナトリウム(同:フルマリン)とトブラマイシン(同:トブラシン)の点滴、ニトログリセリン(同:ニトロダームTTS)貼付を行う。家族へは、ステロイドを服用していたため症状が隠されやすくなっていた可能性を説明した(この日主治医は定時に帰宅)。入院後も吐き気が続くとともに乏尿状態となったため、非常勤の当直医は制吐薬、昇圧剤および利尿薬を追加指示したが効果はなく、人工透析を含むより高度の治療が必要と判断した。7月16日主治医の出勤を待って転院の手配を行い、大学病院へ転送。11:00大学病院到着。腎不全、心不全、肺水腫の合併であると家族に説明。14:00人工透析開始。18:00容態急変し、意識不明となる。7月17日01:19死亡確認。当事者の主張患者側(原告)の主張1.病因解明義務初診時に胸部X線写真を撮っておきながら、それを当日確認せず心筋炎、肺水腫を診断できなかったのは明らかな過失である。そして、胸部X線で肺水腫があれば湿性ラ音を聴取することができたはずなのに、異常なしとしたのは聞き漏らしたからである2.転院義務初診時の病態はただちに入院させたうえで集中治療を開始しなければならない重篤なものであり、しかも適切な治療設備がない被告病院であればただちに治療可能な施設へ転院させるべきなのに、病因解明義務を怠ったために転院措置をとることができなかった初診時はいまだ危機的状況とまではいえなかったので、適切な診断を行って転院措置をとっていれば救命することができた病院側(被告)の主張1.病因解明義務初診時には急性咽頭気管支炎以外の異常所見がみられなかったので、その場でX線写真を検討しなかったのはやむを得なかった。また、心筋炎があったからといって必ず異常音が聴取されるとはいえないし、患者個人の身体的原因から異常音が聴取されなかった可能性がある2.転院義務初診時の症状を急性咽頭気管支炎と診断した点に過失がない以上、設備の整った病院に転院させる義務はない。仮に当初から心筋炎と診断して転院させたとしても、その重篤度からみて救命の可能性は低かったさらに大学病院の医師から提案されたPCPS(循環補助システム)による治療を家族らが拒否したことも、死亡に寄与していることは疑いない裁判所の判断当時の状況から推定して、初診時から胸部の異常音を聴取できるはずであり、さらにその時実施した胸部X線写真をすぐに確認することによって、肺水腫や急性心筋炎を診断することは可能であった。この時点ではKillip分類class 3であったのでただちに入院として薬物療法を開始し、1時間程度で病態の改善がない時には機械的補助循環法を行うことができる高度機能病院に転院させる必要があり、そうしていれば高度の蓋然性をもって救命することができた。初診患者に上記のような判断を求めるのは、主治医にとって酷に過ぎるのではないかという感もあるが、いやしくも人の生命および健康を管理する医業に従事する医師に対しては、その業務の性質に照らし、危険防止のため必要とされる最善の注意義務を尽くすことが要求されることはやむを得ない。原告側合計7,998万円の請求に対し、7,655万円の判決考察「朝から混雑している外来に、『頭痛、吐き気、食欲がなく、痰に血が混じる』という若者が来院した。診察したところ喉が赤く腫れていて、肺音は悪くない。まず風邪だろう、ということでいつも良く出す風邪薬を処方。ただカルテをみると、半年前に潰瘍性大腸炎でうちの病院に入院し、その後大学病院に移ってしまった子だ。どんな治療をしているの?と聞くと、ステロイドを7.5mg内服しているという。それならば念のため胸部X線写真や採血、痰培をとっおけば安心だ。ハイ次の患者さんどうぞ・・・」初診時の診察時間は約5分間とのことですので、このようなやりとりがあったと思います。おそらくどこでも普通に行われているような治療であり、ほとんどの患者さんがこのような対処方法で大きな問題へと発展することはないと思います。ところが、本件では重篤な心筋炎という病態が背後に潜んでいて、それを早期に発見するチャンスはあったのに見逃してしまうことになりました。おそらく、プライマリケアを担当する医師すべてがこのような落とし穴にはまってしまうリスクを抱えていると思います。ではどのような対処方法を採ればリスク回避につながるかを考えてみると、次の2点が重要であると思います。1. 風邪と思っても基本的診察を慎重に行うこと今回の担当医は消化器内科が専門でした。もし循環器専門医が患者の心音を聴取していれば、裁判官のいうようにgallop rhythmや肺野の湿性ラ音をきちんと聴取できていたかも知れません。つまり、混雑している外来で、それもわずか5分間という限定された時間内に、循環器専門医ではない医師が、あとで判明した心筋炎・心不全に関する必要な情報を漏れなく入手することはかなり困難であったと思われます。ところが裁判では、「いやしくも人の生命および健康を管理する医業に従事する医師である以上、危険防止のため必要とされる最善の注意義務を尽くさなければいけない」と判定されますので、医学生の時に勉強した聴打診などの基本的診察はけっしておろそかにしてはいけないということだと思います。私自身も反省しなければいけませんが、たとえば外来で看護師に「先生、風邪の患者さんをみてください」などといわれると、最初から風邪という先入観に支配されてしまい、とりあえずは聴診器をあてるけれどもざっと肺野を聞くだけで、つい心音を聞き漏らしてしまうこともあるのではないでしょうか。今回の担当医はカルテに「chest clear」と記載し、「心音・肺音は確かに聞いたけれども異常はなかった」と主張しました。ところが、この時撮影した胸部X線写真にはひどい肺水腫がみられたので、「異常音が聴取されなければおかしいし、それを聞こえなかったなどというのはけしからん」と判断されています。多分、このような危険は外来患者のわずか数%程度の頻度とは思いますが、たとえ厳しい条件のなかでも背後に潜む重篤な病気を見落とさないように、慎重かつ冷静な診察を行うことが、われわれ医師に求められることではないかと思います。2. 異常所見のバックアップ体制もう一つ本件では、せっかく外来で胸部X線写真を撮影しておきながら「急現」扱いとせず、フィルムをその日のうちに読影しなかった点が咎められました。そして、そのフィルムには誰がみてもわかるほどの異常所見(バタフライシャドウ)があっただけに、ほんの少しの配慮によってリスクが回避できたことになります。多くの先生方は、ご自身がオーダーした検査はなるべく早く事後処理されていることと思いますが、本件のように異常所見の確認が遅れて医事紛争へと発展すると、「見落とし」あるいは「注意義務違反」と判断される可能性が高いと思います。一方で、多忙な外来では次々と外来患者をこなさなければならないというような事情もありますので、すべての情報を担当医師一人が把握するにはどうしても限界があると思います。そこで考えられることは、普段からX線技師や看護師、臨床検査技師などのコメデイカルと連携を密にしておき、検査担当者が「おかしい」と感じたら(たとえ結果的に異常所見ではなくても)すぐに医師へ報告するような体制を準備しておくことが重要ではないかと思います。本件でも、撮影を担当したX線技師が19歳男子の真っ白なX線写真をみて緊急性を認識し、担当医師の注意を少しでも喚起していれば、医事紛争とはならないばかりか救命することができた可能性すらあると思います。往々にして組織が大きくなると縦割りの考え方が主流となり、医師とX線技師、医師と看護師の間には目にみえない壁ができてセクショナリズムに陥りやすいと思います。しかし、現代の医療はチームで行わなければならない面が多々ありますので、普段から勉強会を開いたり、症例検討会を行うなどして医療職同士がコミュニケーションを深めておく必要があると思います。循環器

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子供はよく遊ばせておいたほうがよい

 小児および思春期の身体活動パターンと将来のうつ病との関連はほとんど知られていない。オーストラリア・Menzies Research Institute TasmaniaのCharlotte McKercher氏らは、小児期から成人期における余暇の身体活動パターンと青年期うつ病リスクとの関連についてナショナルサーベイ被験者を対象に検討した。その結果、小児期に不活発であった群に比べ、活動的であった群では青年期にうつ病を発症するリスクが少ないことを報告した。Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology誌オンライン版2014年3月14日号の掲載報告。 ナショナルサーベイの9~15歳被験者(男性759 例、女性871例)を対象に、約20年後に再び聞き取り調査を行った。余暇の身体活動について、1985年のベースライン時と2004~2006年の追跡調査時に自己申告してもらい、また両時点の間隔をつなぐため、15歳から成人までの余暇の身体活動を、追跡調査時に後ろ向きに自己申告してもらった。 身体活動を公衆衛生の観点から群別し、最も不利(持続的に不活発)なパターンを、より有利(活動性が増減および持続)なパターンと比較した。うつ病(大うつ病性障害または気分変調性障害)の評価は、統合国際診断面接(Composite International Diagnostic Interview ; CIDI)により行った。 主な結果は以下のとおり・結果は、小児期のうつ病発症例を除外し、社会人口統計学的因子および健康因子で補正を行った。・その結果、活動性が増加傾向または持続していた男性は、持続的に不活発であった群と比べ、成人期にうつ病を発症するリスクがそれぞれ69%、65%少なかった(いずれもp<0.05)。・後ろ向き解析において、活動性が持続していた女性は成人期にうつ病を発症するリスクが51%少なかった(p=0.01)。・有意差はなかったものの、女性における余暇の身体活動と男性における過去の余暇活動に同様の傾向がみられた。・前向きおよび後ろ向きの両検討結果から、小児期から日常的に自由に活動させておくことが、青年期にうつ病を発症するリスクを減少させることが示唆された。関連医療ニュース 少し歩くだけでもうつ病は予防できる 若年男性のうつ病予防、抗酸化物質が豊富な食事を取るべき 大うつ病性障害の若者へのSSRI、本当に投与すべきでないのか?  担当者へのご意見箱はこちら

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パーキンソン病患者の骨の状態は?―系統的レビューとメタ解析結果より―

 パーキンソン病患者は健常者と比較して、骨粗鬆症および骨量減少ともにリスクが高く、とくに男性よりも女性でリスクが高いことが、英・West Middlesex病院のKelli M Torsney氏らによって明らかとなった。著者らはまた、パーキンソン病の患者では骨密度(BMD)も低く、骨折リスクが高まっていると示している。Journal of neurology, neurosurgery, and psychiatry誌オンライン版2014年3月11日号掲載の報告。 パーキンソン病と骨粗鬆症は、共に加齢に伴う慢性疾患である。両疾患の関連を示したある研究結果では、骨折リスクが増加していた。この系統的レビューとメタ解析の目的は、パーキンソン病と骨粗鬆症、BMDおよび骨折リスクの関連を評価することである。 文献検索は、複数のインデックス作成データベースおよび関連する検索用語を使用して2012年9月4日に行われた。文献の妥当性をスクリーニングし、選択基準を満たし十分な水準であった研究からデータを抽出した。データは、標準的なメタ解析法を用いて統合した。 主な結果は以下のとおり:・23報の研究を対象に最終分析を行った。パーキンソン病患者は健常者に比べ、骨粗鬆症のリスクが高かった(オッズ比[OR]:2.61、95%信頼区間[CI]:1.69~4.03)。・男性患者は女性患者よりも骨粗鬆症や骨減少症のリスクが低かった(OR:0.45、95%CI:0.29~0.68)。 ・パーキンソン病患者は健常対照と比較して、股関節、腰椎および大腿骨頸部のBMDレベルが低かった。大腿骨頸部 差の平均値:-0.08、95%CI:-0.13~-0.02腰椎    差の平均値:-0.09、95%CI:-0.15~-0.03股関節   差の平均値:-0.05、95%CI:-0.07~-0.03・パーキンソン病患者は、骨折のリスクも高かった(OR:2.28、95%CI:1.83~2.83)。

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