日本人統合失調症患者の自殺、そのリスク因子は:札幌医大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/06/09 最近の報告によると、統合失調症患者の約5%は生涯自殺リスクを有しているといわれている。この値は、一般集団の自殺リスクよりも有意に高く、統合失調症患者における自殺リスクの検出は臨床的に重要である。札幌医科大学の石井 貴男氏らは、統合失調症患者の自殺企図の特性を定義するため、自殺を企図した気分障害患者との比較検討を行った。PloS One誌オンライン版2014年5月8日号の報告。 すべての患者は、ICD-10の基準を用いて診断を行った。対象は、F2群(統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害)65例とF3群(気分障害)94例。 主な結果は以下のとおり。 ・F2群は、平均年齢が有意に若く、「過去または現在、精神科治療を受けている」、「精神科治療を3ヵ月以上中断」の項目が有意に高かった。 ・対照的に、「身体疾患の併存」「自殺企図に際してアルコールを摂取」「遺書を残していた」の項目で、F3群が有意に高かった。 ・F2群ではより致死的な方法で自殺を試みた。 ・さらに、「幻覚・妄想」はF2群における最も一般的な動機であり、致死的な自殺企図の方法と有意な関連を示した唯一の要因であった(OR 3.36、95%CI:1.05~11.33)。 関連医療ニュース 日本人統合失調症患者における自殺企図の特徴は?:岩手医科大学 双極性障害とうつ病で自殺リスクにどの程度の差があるか 境界性パーソナリティ障害患者の自殺行為を減少させるには 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ishii T, et al. PLoS One. 2014 May 8;9(5):e96272. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 初発統合失調症患者が抗精神病薬を服薬中断した理由 医療一般(2023/02/27) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 小児心臓弁膜症、部分心臓移植は実現可能か/JAMA(2025/09/10) 「かぜ」への抗菌薬処方、原則算定不可へ/社会保険診療報酬支払基金(2025/09/10) がん患者への早期緩和ケア、終末期の救急受診を減少(2025/09/10) 双極症に対する気分安定薬使用が認知機能に及ぼす影響〜メタ解析(2025/09/10) 日本女性、出産意欲の向上に関連する要素は?/神奈川県立保健福祉大学(2025/09/10) AIによる診療記録作成で医師のバーンアウトが減少(2025/09/10) 肺切除後の肺瘻リスク、低侵襲開胸手術で軽減の可能性(2025/09/10) [ あわせて読みたい ] 非機器的早期運動療法はDVT発生率を低減【論文から学ぶ看護の新常識】第1回(2025/02/05) トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) 災害対策まとめページ(2024/02/05) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11)