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ステップ4の気管支喘息患者にできればステロイドを内服させたくない(解説:倉原 優 氏)-258

外来で診ている最重症の気管支喘息患者では、ステロイドの経口投与やIgEをターゲットにしたオマリズマブ(商品名:ゾレア)を使うことがある。それでもコントロールができない患者は多く、さらなる武器に期待している呼吸器内科医は少なくないだろう。その1つが、モノクローナル抗体を用いた抗体医薬品である。メポリズマブは、インターロイキン-5をターゲットとしている。 本試験の登録患者は、少なくとも半年間、ステロイドの全身投与をプレドニゾロン換算で1日当たり5~35mg内服している。すなわち、ステップ4の中でも“やむなく”経口ステロイドを使わざるを得なかった患者が対象となっている。 ご存じの通り、経口ステロイドを長期に続けていると、数々の副作用を起こすだけでなく、日和見感染症によって呼吸器疾患が急性増悪することがしばしばある。そのため、喘息治療においては、できる限り経口ステロイドを減らしたいというのが呼吸器内科医の総意であろう。 今回の結果、メポリズマブによる経口ステロイドの減量効果が認められた。半数以上の患者が50%以上の減量に成功しているが、ただしプラセボにおいても3割の患者が50%以上の減量に成功している。統計学的に有意な差とはいえ、ベースラインとして、本当に経口ステロイドが必要なステップ4の患者だったのかどうか疑問は残る。 ちなみに、ゾレアにもステロイド減量効果があると言われているが、現時点ではまだ結論は出ていない1)。

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産婦人科医ユミの頼られる「女性のミカタ」

第1回 いつもの外来+αで月経痛をケアしよう! 第2回 性感染症へのアプローチ 第3回 何が怖い?妊婦の急変 第4回 妊娠と薬、授乳と薬 第5回 長引く月経を止める    ―女性ホルモンマスターへの道(1)― 第6回 低用量ピルの使い方    ―女性ホルモンマスターへの道(2)― 第7回 更年期障害をケアしよう! 第8回 どう言ったらいい!?言いにくいあのコト、    このコト 女性医療の場面で陥りがちなコミュニケーションの失敗例を、美人産婦人科医ユミこと、池田裕美枝先生がさまざまな患者に扮(ふん)して熱演。その七変化ぶりから一転、クールな白衣姿でのレクチャーは細かなポイントまでしっかり押さえつつも、わかりやすく明快!「プライマリケア医にも気軽に実践できるよう、女性医療のエッセンスを届けたい」というユミ先生が、月経困難症や性感染症、更年期障害など、女性特有の悩みや疾患に対し、内診をしなくても実践できる診断・治療法を解説します。気を遣う問診時の言葉の選び方や患者コミュニケーション法など、診療にすぐに取り入れられるノウハウも満載。さあ、あなたもユミ先生に女性の正しい診かたを学んで、「女性のミカタ」になろう!第1回 いつもの外来+αで月経痛をケアしよう! 月経困難症(いわゆる月経痛)を訴える女性患者が訪れたとき、婦人科専門医へコンサルトする前にできることがあります。この回では、内診を行わなくても可能な月経困難症への対処法をご紹介します。冒頭のスキットでは、ユミ先生扮する理屈っぽいキャリアウーマンが喉の痛みで受診。喉の痛み止めるために処方されたロキソニンを、月経痛にも転用して使いたいと訴えます。ところが、頭の固い(?)男性医師は、異なる用途で鎮痛薬を出すことに躊躇してしまい、険悪なムードに…これを受けたレクチャーで、NSAIDsや低用量ピルの選び方と使い方を詳しく解説します。適正な薬物療法は、悩ましい月経痛を軽減するだけでなく、子宮内膜症などを防ぐメリットも!「女性のミカタ」になれる情報満載です。第2回 性感染症へのアプローチ 性感染症は性行動が活発な人特有のものではありません。子宮が未熟な10代女性の場合、それだけで性感染症に罹患するリスクが高いのです。この回では、プライマリ・ケアの現場で積極的に実践してほしい性感染症のスクリーニング検査について解説します。冒頭のスキットでは、ユミ先生扮するギャル風女子高生が腹痛で受診。実は付き合い始めたばかりの彼氏がいて、性交時につらい痛みがあることも打ち明けます。男性医師は、性感染症が原因の腹痛かもしれないので、パートナーも含めた治療が必要であると説明。女子高生はすっかり取り乱してしまい…レクチャー編では、感染例が最も多いクラミジアの治療法のほか、代表的な性感染症のスクリーニング検査法、感染予防の観点も踏まえた「5C」の指導法について解説します。第3回 何が怖い?妊婦の急変 妊婦が急な腹痛を訴えて産婦人科以外に受診したとき、どう対応したら良いでしょうか?重要なポイントになるのが、妊娠にまつわる腹痛なのか、そうではないのかの見極めです。今回は、ただちに産婦人科へコンサルトすべき緊急疾患と、その鑑別方法について解説します。冒頭のスキットでは、ユミ先生扮する妊婦が腹痛を訴えて受診。しかしよく聞いてみると、どうやら食べ過ぎが原因の模様。男性医師は、あきれつつ下痢止め薬を処方しますが、「妊婦が薬を飲むとお腹の赤ちゃんに影響するのでは」と食い下がり、医師も対応に困惑…レクチャー編では、特に注意すべき妊娠後期の緊急疾患8つを挙げ、それぞれ特有の症状と鑑別方法を詳しく解説します。第4回 妊娠と薬、授乳と薬 妊娠中の女性が、かぜや腰痛など、妊娠関連疾患以外の理由で訪れた時、的確な診察ができれば、頼れるかかりつけ医になれます!今回は、妊娠期と授乳期に分けて、検査や薬の処方の仕方を解説します。冒頭のスキットでは、妊婦が長引く咳を主訴に来院。念のために胸のレントゲン検査を勧める医師に対し、胎児への放射線の影響を心配して診察が進まず…レクチャー編では、妊娠週数による対応方法の違い、そして薬を処方する際に気をつけなければいけないポイントを解説。授乳期には、母親が心配する「薬の成分の母乳移行」が実際にどの程度のものなのか、何を注意すべきなのかを詳しく説明します。第5回 長引く月経を止める ―女性ホルモンマスターへの道(1)― 体が発達途中の10代女性。無理なダイエットをしたりすることで、婦人科系に思わぬ変調をきたすことがあります。今回は、不正性器出血を女性ホルモンを使ってどう対処するのかを解説します。冒頭のスキットでは、ダイエットでまともな食事をとっていない女子高生が、終わらない月経に不安を訴えて来院。食生活の改善と薬で月経を止めることを提案しますが…続くレクチャー編では、まず不正性器出血の原因を探ります。若い女性の場合、がんや筋腫などの婦人科病変よりも、ホルモンバランスが崩れることで生じた「機能性子宮出血」であることがほとんど。そこで、出血を止め、子宮を正常に戻してあげるための女性ホルモンが有用。プライマリ・ケアの現場でも大いに役立つことでしょう。第6回 低用量ピルの使い方 ―女性ホルモンマスターへの道(2)― 低用量ピルは、避妊、月経痛の軽減効果だけでなく、子宮のメカニズムを利用した月経周期コントロールにも有用です。今回は、月経コントロールを希望する患者にどのような処方や指導を行えばよいかを解説します。冒頭のスキットでは、前回の月経不順の女子高生が再来院。今回は大事なイベントに月経が重ならないようにしたいという相談で訪れて…レクチャーでは、低用量ピルの選び方、処方する際に必要な、月経周期に合わせた飲み方の指導方法や、まれではあるものの起こると重篤になりがちな副作用リスクについて詳しく解説します。第7回 更年期障害をケアしよう! 女性は生涯にわたって、ホルモンの変化の波にさらされます。更年期障害も、その影響で起こります。更年期にまつわるつらい症状を訴える患者に、適切な治療ができるようになりましょう。今回は、更年期障害の中でも血管運動性症状の治療に有効なホルモン補充療法について解説します。冒頭のスキットでは、一見元気そうなオバちゃんが来院。問診していくと、急に暑がったり、顔がほてったりすることがわかり、医師は更年期障害を疑いますが、治療をうまく勧められず・・・レクチャーでは、更年期障害の判断方法、エストロゲン補充療法が有効な症状と禁忌、治療の効果や副作用リスクについて詳しく解説します。第8回 どう言ったらいい!?言いにくいあのコト、このコト女性診療の場面で、言葉の選び方や言い回しをちょっと工夫すると、コミュニケーションがスムーズになることもあります。今回は、池田先生自身が産婦人科外来で「これは使える!」と思った言葉と言い回しのうち、選りすぐりの10パターンを紹介します。いずれもすぐに診療に生かせて有用ですが、やみくもにパターン化するのではなく、患者の年齢やキャラクターを加味し、ケースバイケースで言葉の使い分けが必要です。それぞれの言葉や言い回しについて、池田先生の経験に基づいた解説にも注目してご覧ください。

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脳梗塞のフォローはここを押さえて ~Neurologistからのメッセージ~

※タイトルを選ぶとお好きなチャプターからご覧いただけます。虚血性疾患といえば心臓疾患が注目されがちであるが、日本人では心筋梗塞よりも脳梗塞が圧倒的に多い。その発症率は米国人の3~4倍であることは意外と知られていない。今回は、分類から二次予防の抗血栓療法まで、脳梗塞の基本情報を同領域のスペシャリスト北里大学 神経内科学 教授 西山 和利氏がレクチャーする。チャプター(順次公開)1.脳梗塞の疫学2.脳梗塞再発の危険因子とは3.心原性脳塞栓症の二次予防4.非心原性脳梗塞の二次予防5.人種差と抗血栓療法

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事例23 レボフロキサシン(商品名:クラビット)投与日数の査定【斬らレセプト】

解説前月受傷の足底挫創に対して状態確認に通院された患者が熱発を訴えていた。足底の傷はきれいに治癒していたので、口腔内を目視したところ、扁桃腺に膿が付着していた。これが熱発の原因であると考えて急性扁桃炎と診断、クラビット®錠(レボフロキサシン)を14日分処方した。しかし、B事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす)を理由に7日分へと査定になった。同薬剤の添付文書を見てみると、「本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめる」と限度日数の明記はない。そのため14日分までは良いと考え、投与していた。しかし、「最小限の期間」とは、「感受性検査などを行ったうえで効果が予見できる期間」とされている。その期間は、他の多くの抗菌薬では添付文書にて7日間を限度とされていることから、保険診療における抗菌薬使用限度は、7日間が1つの目安とされていることが推測できる。事例もこの目安で7日分に査定となったものであろう。外来であって、急性感染症に対する抗菌薬の1処方に対して感受性検査などもないことから、7日以内に査定となっていてもおかしくはなかった事例であった。

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事例24 鶏眼処置後の処置の査定【斬らレセプト】

解説右足底の鶏眼に鶏眼処置を実施後に、2次感染を発症した事例である。J057-3鶏眼処置は、数日にわたり薬剤を貼付、皮膚を柔らかくして鶏眼部分を切除する一連の行為に対しての診療報酬である。同一部位に対して行われる一連の治療については、その範囲にかかわらず月1回のみ算定するとされ、「同一月の2回目以降は別に処置料を算定できない」と規定されている。事例では、初診に引き続き鶏眼処置を実施後、6日ほど経過したところで、鶏眼処置部位に2次感染を来したため、消毒などの処置を行った。この処置は、2次感染に対してであり、鶏眼処置とは別に算定できると考えていた。しかし、鶏眼処置は、同一部位に発症した2次感染も含めて一連の治療と考えられている。2次感染に対する創傷処置は、過剰としてB事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす)を理由に査定となったのである。なお、鶏眼・胼胝処置の部位の考え方に対して、手・足は別、左右は一連とする通知が発出されているので留意して、算定されたい。

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産後うつ病への抗うつ薬治療、その課題は

 産後うつ病に対する抗うつ薬治療は安全に行うことができるのか。英国・ロンドン大学のEmma Molyneaux氏らは、産後うつ病の抗うつ薬治療について、複数の抗うつ薬の有効性を評価し、それぞれの有効性についてその他のあらゆる治療、プラセボまたは標準治療と比較した、レビュー論文のアップデート(前回は2001年に実施)を行った。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2014年9月11日号の掲載報告。 レビューは2014年7月11日時点で、Cochrane Depression, Anxiety and Neurosis Group's Specialized Register(CCDANCTR)を検索し、分娩後6ヵ月以内にうつ病を呈し、抗うつ薬(単独または複数の組み合わせ)治療と他の治療、プラセボまたは標準治療を受けた女性が参加した無作為化試験(RCT)論文を適格とした。 2名のレビュワーがそれぞれ試験報告からデータを入手。また、不足情報については、可能な限り研究担当者から入手し、intention-to-treat解析が可能となるデータの探索を行った。比較試験であることが特定されたデータをプールし、ランダム効果メタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・レビューに組み込んだのは6試験、被験者596例であった。・全試験が、無作為化対照並行群間比較試験で、2件が英国で、3件が米国、1件がイスラエルで行われたものであった。・メタ解析は、抗うつ薬とプラセボを比較した試験から反応率と寛解率のプールデータについて行った。その他の比較は、識別できた試験数が少なくメタ解析はできなかった。・4試験(計233例)が、SSRIとプラセボの比較試験であった(セルトラリン使用が2件、パロキセチン使用1件、フルオキセチン使用1件)。・このうち2試験では、試験薬群、プラセボ群ともに精神療法も受けていた。・3試験(146例)のデータに基づくプールリスク比(RR)は、SSRIはプラセボよりも反応率(RR:1.43、95%信頼区間[CI]:1.01~2.03)、寛解率(同:1.79、1.08~2.98)が高いことを示した。残る1試験は反応率および寛解率のデータが報告されていなかった。・1試験(254例)では、抗うつ薬治療と、標準治療(当初4週間)+その後に聞き取り訪問を行った介入との比較が行われていた。結果、抗うつ薬治療は、標準治療(当初4週間)よりも改善率が有意に高率であった。しかし、その後の聞き取り訪問とでは差は認められなかった。・さらに、セルトラリンと三環系抗うつ薬ノルトリプチリンを比較した1試験(109例)があったが、有効性に差は認められなかった。・副作用は、多くの被験者女性が経験していたが、全試験の治療群間の有害反応数にエビデンスとして意味がある差は認められなかった。また、有害事象について、母乳を与えられた新生児に関するデータは限定的で、長期追跡したものはなかった。・1件を除く全試験で、高率または不確かな漸減バイアスと選択的なアウトカム報告が認められた。また、1件のプラセボ対照試験では途中脱落が50%超であった。 本結果を踏まえ、著者らは「SSRI投与を受けた群の反応率、寛解率がプラセボよりも高率であるとの所見が得られた。しかし、レビュー対象の試験が少なく、重要なアウトカム、とくに子供への影響の可能性に関する情報がほとんどなく、限定的な結論しか得られなかった」とまとめ、さらなる大規模長期の無作為化試験の必要性を提言している。関連医療ニュース 日本語版・産後うつ病予測尺度「PDPI-R-J」を開発 統合失調症女性の妊娠・出産、気をつけるべきポイントは 栄養補助食品は産後のうつ病予防に有用か  担当者へのご意見箱はこちら

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航空機乗務員のメラノーマリスクは約2倍

 パイロットや客室乗務員のメラノーマの発生率は、一般集団と比較して約2倍であることを、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のMartina Sanlorenzo氏らがメタ解析の結果、報告した。パイロットや客室乗務員は職業的に、一般集団よりも高率に宇宙線や紫外線に曝されるが、メラノーマの発生リスクについてはいまだ確立されていない。今回の結果を踏まえて著者は、「発生機序と最適な職業的予防のさらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年9月3日号の掲載報告。 検討は、PubMed(1966年~2013年10月30日)、Web of Science(1898年~2014年1月27日)、Scopus(1823年~2014年1月27日)を検索して行われた。標準化罹患比(SIR)、標準化死亡比(SMR)が報告されており、メラノーマまたはメラノーマによる死亡が予想および確認された症例のデータが、全フライトベースにおけるSIRやSMRを算出するために用いられている試験を適格とし、主要ランダムエフェクトメタ解析にて分析した。 主要評価項目は、パイロットと客室乗務員の集約したSIR、SMRであった。 主な結果は以下のとおり。・3,527件の検索引用から、試験19件、被験者26万6,431例のデータを解析に組み込んだ。・全フライトベースにおける被験者の全集約SIRは、2.21(95%CI:1.76~2.77、p<0.001、14件)であった。・パイロットの集約SIRは、2.22(同:1.67~2.93、p=0.001、12件)であった。・客室乗務員の集約SIRは、2.09(同:1.67~2.62、p=0.45、2件)であった。・また、全フライトベースにおける被験者の全集約SMRは、1.42(同:0.89~2.26、p=0.002、6件)であった。・パイロットの集約SMRは、1.83(同:1.27~2.63、p=0.33、4件)であった。・客室乗務員の集約SMRは、0.90(同:0.80~1.01、p=0.97、2件)であった。

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C型肝炎の適切な治療選択~ガイドライン改訂

 近年、C型肝炎に対する抗ウイルス薬の開発が進んでいる。昨年9月のシメプレビル3剤併用療法に続き、今年7月にインターフェロン(IFN)を併用しないダクラタスビルとアスナプレビルの併用療法が承認され、今後も新しい抗ウイルス薬の承認が期待されている。このたび、都内にて10月1日(水)に開催されたヤンセンファーマメディアセミナーで、武蔵野赤十字病院 副院長 泉 並木氏が「C型肝炎の最新治療と適切な治療選択の重要性」と題し、9月に改訂された日本肝臓学会の「C型肝炎治療ガイドライン(第3版)」の解説も含めて講演した。肝がん発症を防ぐためには早期の治療が必要 C型肝炎は肝がんの成因の約7割を占める。治療開始年齢と肝がん発症リスクの関係をみると、65歳以上で急激に発症リスクが増加することから、早期の治療が必要という。 治療の第一目標はC型肝炎ウイルス(HCV)の排除であり、抗ウイルス療法が原則である。抗ウイルス療法で使用する薬剤には、抗ウイルス蛋白や免疫を誘導するIFNと、HCVのプロテアーゼ・NS5Bポリメラーゼ・NS5Aを阻害する直接作用型抗ウイルス薬があり、これらの中から、プロテアーゼ阻害剤+ペグインターフェロン(Peg-IFN)+リバビリン、または、2つないしは3つの直接的抗ウイルス薬の組み合わせ(プロテアーゼ阻害剤+NS5A阻害剤、NS5A阻害剤+NS5Bポリメラーゼ阻害剤)が今後主流になる。シメプレビル3剤併用療法は、高齢者や女性にも高い効果 昨年承認されたシメプレビル+Peg-IFN+リバビリンの3剤併用療法は、国内臨床試験において、初回治療と再燃例に対し90%前後という高い抗ウイルス効果を示している。泉氏は、発売後の臨床成績として、武蔵野赤十字病院における2013年12月以降の導入症例101例の治療効果を紹介した。それによると、HCV RNA陰性化率は4週で83%まで達し、早期に効果が認められたという。また、国内臨床試験では対象となっていなかった70歳以上の高齢患者においても、65歳未満、65~69歳と同等の抗ウイルス効果がみられ、男女においても効果に差がなかったとのことである。一方、有害事象は、ほとんどがインターフェロンやリバビリンでみられる症状であり、唯一ビリルビン上昇がシメプレビルでみられる有害事象であるが一過性と説明した。治療選択は専門医の判断が必要 ダクラタスビルとアスナプレビルの発売に合わせて今年9月に改訂された「C型肝炎治療ガイドライン(第3版)」では、ゲノタイプ1b型・高ウイルス量症例に対する初回治療について、高発がんリスク群(高齢者かつ線維化進展例)・中発がんリスク群(高齢者または線維化進展例)・低発がんリスク群(非高齢者かつ線維化軽度例)ごとに、IFN適格例と不適格例に分けて治療の原則を提示している。 まず、IFN適格例では、すべてのリスク群でシメプレビル/Peg-IFN/リバビリン併用を原則としている。またIFN不適格例では、高発がんリスク群はダクラタスビル/アスナプレビル、中発がんリスク群はダクラタスビル/アスナプレビルもしくは治療待機としている。ただし、ダクラタスビル/アスナプレビル治療前には極力Y93/L31変異を測定し、変異があれば治療待機を考慮することとし、治療待機の場合の発がんリスクならびに変異例にダクラタスビル/アスナプレビル治療を行う場合の著効率と多剤耐性獲得のリスクを十分に勘案して方針を決定するとしている。また、低発がんリスク群には、早期の治療導入の必要性は少ないが、Y93/L31変異がない場合に限り、ダクラタスビル/アスナプレビル治療も可能という。 なお、ダクラタスビル/アスナプレビル治療の適応がIFN不適格な患者であるため、本治療を受けた患者については、以後のIFNを含む治療法は医療費助成の対象としない対応方針が示されている。 泉氏は、治療決定に際しては耐性ウイルスの有無を調べることが重要であると述べ、最適な治療選択や医療費助成を受けるために、専門医による判断が必要であることを強調した。日本肝臓学会「C型肝炎治療ガイドライン(第3版)」はこちら

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肺がんPET、肺感染症流行地では不適/JAMA

 18F-フルオロデオキシグルコース(FDG)PET検査による肺がんの診断は、肺感染症の流行を繰り返したり蔓延している地域(流行地)での使用は支持できないことが、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのStephen A. Deppen氏らによるメタ解析の結果、明らかにされた。FDG-PETによる肺結節に対する診断精度は非常にばらついており、FDG-PET+CTによる悪性腫瘍の特定は、肺感染症流行地では同非流行地と比べて低いことが判明したという。FDG-PETは肺がん疑い症例への非侵襲的な診断手法として使用が推奨されているが、著者は、「今回のデータは、肺感染症流行地での使用は、診断精度が同程度にならない限り支持できないことを示すものであった」とまとめている。JAMA誌2014年9月24日号掲載の報告。肺がんFDG-PET検査成績の感度と特異度についてメタ解析 研究グループは、2000年10月1日~2014年4月28日にMEDLINE、EMBASE、Web of Scienceにて、FDG-PETによる肺がん診断の感度と特異度について十分な報告を行っている論文を検索。良性および悪性病変を有する患者が10例以上参加していた試験のみを選択した。 リサーチライブラリアンが適格論文を収集し、2名のレビュワーが個別にレビューを行った。階層サマリーROC曲線を作成し、ランダム効果ロジスティック回帰モデルを用いて、検査成績への肺感染症流行地の影響を評価。主要評価項目は、FDG-PET検査成績の感度と特異度とした。特異度、肺感染症流行地61%、非流行地77% 検索により論文1,923件が得られ、そのうち257件の適格性が評価された。結果、解析には70試験が組み込まれた。それらの報告では、計8,511例の結節が評価されており、うち5,105例(60%)が悪性であった。 解析の結果、感度(I2=87%)および特異度(I2=82%)はいずれも試験間のバラツキが大きかった。 そのうえで、プール解析による感度(補正前)は89%(95%信頼区間[CI]:86~91%)、同特異度は75%(同:71~79%)であった。 また特異度(補正後平均値)について、肺感染症流行地と非流行地を比べると、前者のほうが16ポイント低かった(61%vs. 77%)。特異度は、厳正に実施された試験、また適切な対照を置いた比較試験ほど低かった。 なお、感度は流行地の状況で変化がみられるということはなく、関連因子で補正後も変化しなかった。

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Dr.ハギーの関節リウマチ手とり足とり~まずは触ってみる~ <早期介入編>

第1回 関節リウマチ診療の現在     ~T2Tとはなんだ~第2回 早期診断のコツ     ~ぐっと握ってRAを疑う~第3回 関節リウマチの良し悪し     ~疾患活動性を評価する~ 第4回 抗リウマチ薬の使い方     ~寛解目指して一直線(1)~ 第5回 関節注射の勘どころ     ~寛解目指して一直線(2)~ 第6回 生物学的製剤の使い方     ~寛解目指して一直線(3)~ 関節リウマチ診療は近年大きな変貌を遂げ、「治らない疾患」から「寛解が可能な疾患」となりました。重要なのは疾患の早期発見・早期介入。関節リウマチを早期に診断し寛解へ導くには、プライマリ・ケア医の役割がとても大きいのです。一方で、何十年と長期で関節リウマチを患っている患者は、近年の著しい関節リウマチ医療進展の恩恵を受けていません。しかしながら、長期罹患患者も現在の関節炎の程度と身体障害の程度を適切に評価し、可能な限り疾患活動性を低くする治療を行えば、患者のQOLを高めることができます。つまり長期罹患患者に対しても、プライマリ・ケア医ができることはたくさんあります。この番組は、関節リウマチの診療の最新知見を「早期介入編」と「長期罹患編」に分け、プライマリ・ケア医が臨床上必要なリウマチ診療に関する知識と手技を、楽しい小噺を交え、手とり足とり解説します。第1回 関節リウマチ診療の現在 ~T2Tとはなんだ~ プライマリ・ケア医にとってはとっつきにくいイメージのある関節リウマチ。しかし近年、治療法が格段に進歩し、今では早期発見・介入し寛解を目指すのが常識となっています。この世界的な新しい関節リウマチ治療方針がTreat to Target(T2T)。その鍵を握っているのは、プライマリ・ケア医です。早期介入編第1回は「関節リウマチ診療の現在」と題して、まずリウマチ診療の昨今の激変を概観し、一般医にもできるリウマチ診療の道筋を示します。講師は、リウマチ専門医の若きホープDr.ハギーこと萩野昇先生。落語家に扮したリウマチ小噺を交え、わかりやすく、楽しくリウマチ診療の今をレクチャーします。第2回 早期診断のコツ ~ぐっと握ってRAを疑う~ 関節リウマチ診療において、早期診断は極めて重要です。そのために知っておかなければならないのは確定診断のための診断基準ですが、それ以前にプライマリ・ケア医にとって大事なのは、まず症状が軽微なうちからリウマチを疑う姿勢。そこで役立つのが「スクイーズテスト」です。第2回「早期診断のコツ」では、関節リウマチと診断する際の基準についての説明と、「ぐっと握って関節リウマチを疑う」スクイーズテスト、そして関節診察の実演を、まさに手とり足とりお伝えします。第3回 関節リウマチの良し悪し ~疾患活動性を評価する~ 関節リウマチは、『これさえ診ておけばよい』というスタンダードの検査値が存在しないため、疾患活動性の評価が難しいとされています。現在では、その指標のひとつに、膝から上の28関節を評価する「DAS(Disease Activity Score)28」と呼ばれるスコアが主に使用されています。28ヵ所の関節を押して圧痛・腫脹の有無を確認し、炎症反応などを加えてスコアリングし算出するものです。実演では、関節のどの部分にどのくらいの力加減で圧痛の有無を確認するか、丁寧にご説明します。ただし、膝から下の関節についての評価がすっかり抜けているので、足の診察も行いましょう。疾患活動性評価の一番の基本は診断と同じく、「まずは触ってみる」こと。患者の関節に触って、腫れや痛みを診ることが大切です。第4回 抗リウマチ薬の使い方 ~寛解目指して一直線(1)~ 抗リウマチ薬の中で非常に大きな成果を得た薬剤に「メトトレキサート(MTX)」があります。日本ではなかなか十分な量を処方できなかったMTXですが、2011年より最大量1週間に16mgまで使用できるようになりました。ただし、効き目があるからといってMTXをやみくもに使っていては寛解に導くことはできません。用量や増量スケジュール、どんな副作用があって投与方法はどうするか?今回は、MTXを中心とした抗リウマチ薬を手とり足とり解説します。禁忌がなければMTX。MTXを制する者は関節リウマチを制すると言っても過言ではありません。第5回 関節注射の勘どころ ~寛解目指して一直線(2)~ 関節リウマチ患者の関節の痛みを改善させる治療法の中で、とくに即効性があり、安価で副作用の少ない方法は関節腔内への注射療法ではないでしょうか。関節腔内・筋骨格軟部組織へのステロイド注射の手法は決して難しくなく、非専門医でも施行できます。ぜひ日常診療に取り入れて患者の悩み・痛みをピンポイントで解決してください。第5回「関節注射の勘どころ」では実演を織り交ぜて、関節腔内注射の準備・手順、そして関節へのアプローチまでをまさに手とり足とりお伝えします。第6回 生物学的製剤の使い方 ~寛解目指して一直線(3)~ 生物学的製剤はリウマチ診療にとってなくてはならないものになりつつあります。日本では10年以上の使用経験があり、すでに一般的治療となっている生物学的製剤ですが、どの患者にどの生物学的製剤が効果があるかなどを予想する方法は、実はまだ確立されていません。しかし現時点では、生物学的製剤を使用する前に潜在性結核に罹患しているかを確かめることが一番大切です。そのためにはどんなスクリーニングが必要か?潜在性結核のほかに必要な検査とは?Dr.ハギーが手とり足とり解説する生物学的製剤の基本ついて、プライマリ・ケア医もここまでは押さえておきましょう。

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58)ストップ!泳いでいるのに体重増加【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者膝が悪くて、運動したいと思っているんですが、プールで運動すると、余計にお腹が空いて、食べ過ぎて・・・ 医師どんなパターンか、教えて頂けますか? 患者朝食を食べて、午前中にプールにいきます。お昼を少し回って、お腹ペコペコで家に帰るので、どうしても食べ過ぎてしまって・・・ 医師なるほど。 患者そして、今日は運動したからっておやつも食べて・・・ 医師確かに、運動するとお腹が空きますからね。それなら良い方法がありますよ。 患者それは何ですか?(興味津々) 医師食べるタイミングです。運動した直後は、それほどお腹が空いていませんから、そこで軽く食べるんです。そうすると、その後の食べ過ぎにつながりません。 患者なるほど! タイミングですね。一度、試してみます。●ポイント運動後に食べ過ぎるパターンを聴取し、食事を摂るタイミングについてアドバイスをします 1) King JA, et al. J Obes. 2011;2011.

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認知症タイプ別、各認知機能の経過を比較

 オランダ・アムステルダム大学医療センターのLL Smits氏らは、認知症のタイプ別に認知機能低下の経過を長期に観察し、コントロールと比較検討した。その結果、認知症のタイプにより記憶、言語、注意、実行機能、視空間機能、全般的認知などの低下において、それぞれ特徴がみられることを報告した。今回の結果について著者は、「アウトカム評価として神経精神学的データを使用するケースが増えているため、認知症自然経過の推定は、臨床試験をデザインするうえで重要な意義がある」と考察している。Psychological Medicine誌オンライン版2014年9月17日号の掲載報告。 研究グループは、認知症の各タイプにおける認知機能低下の経過をコントロールと比較検討する長期観察研究を行った。アルツハイマー病(AD)患者199例、血管性認知症(VaD)患者10例、レビー小体型認知症(DLB)患者26例、前頭側頭型認知症行動バリアント(bvFTD)患者20例、前頭側頭型認知症言語バリアント(lvFTD)患者15例、およびコントロール112例を対象とし、Mini-Mental State Examination(MMSE)を用いて5つの認知ドメイン(記憶、言語、注意、実行機能、視空間機能)と、全般的認知を評価した。すべての被験者に対し、2回以上の神経精神学的評価を行った(中央値2回、範囲:2~7回)。神経精神学的データは、コントロールのベースライン状況をリファレンスとし、zスコアに標準化。年齢、性別、学歴で調整し、線形混合モデル(LMMs)を用いて、各認知症タイプにおけるベースラインの認知機能および経過に伴う認知機能低下を推定した。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時、認知症患者はコントロールに比べ、視空間機能を除くすべての認知ドメインの機能が不良であった(p<0.05)。なお、視空間機能は、AD患者とDLB患者のみで障害がみられた(p<0.001)。・追跡期間中、AD患者ではすべての認知ドメインで機能の低下が認められた(p<0.001)。・ DLB患者では、言語と全般的認知を除くすべてのドメインで機能の低下がみられた。・bvFTD患者では記憶、言語、注意および実行機能において急速な低下がみられた(すべてp<0.01)。一方、視空間機能はほぼ安定していた。・lvFTD患者では、主に注意と実行機能の低下がみられた(p<0.01)。・VaD患者では、注意と実行機能の低下がみられた。関連医療ニュース 認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能 日本人若年性認知症で最も多い原因疾患は:筑波大学  担当者へのご意見箱はこちら

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米国糖尿病、直近5年は横ばい/JAMA

 米国1980~2012年の糖尿病の有病率(糖尿病と診断された人の割合)と発生率(年間新規診断者の割合)を調べた結果、1990~2008年では倍増していたが、直近の2008~2012年は横ばいに推移していることが判明した。米国疾病予防管理センター(CDC)のLinda S. Geiss氏らが報告した。糖尿病の有病率と発生率については、直近10年の動向については調査が行われ、増大傾向であることが報告されていた。しかし、長期にわたる全米レベルでの統計的な調査は行われていなかった。JAMA誌2014年9月24日号掲載の報告より。1980~2012年の全米健康調査のデータを分析 調査は、1980~2012年の米国民健康聞き取り調査(NHIS)から、20~79歳66万4,969例分のデータを分析して行われた。全米国民レベルと、人口動態的なサブグループ(年齢、性別、人種/民族、教育レベル)の有病率と発生率を算出し評価した。 主要評価項目は、糖尿病(1型および2型)の有病率と発生率の、年間発生率の変化(APC)であった。80年代は有意な変化みられず、90年代以降に倍増、しかし2008年以降は横ばい 補正後の有病率と発生率のAPCは、1980年代は有意な変化がみられなかった(有病率:0.2%[p=0.69]、発生率:-0.1%[p=0.93])。しかし、1990~2008年の間はいずれも有意な急増が認められた(有病率:4.5%[p<0.001]、発生率:4.7%[p<0.001])。その後、2008~2012年は有意な変化はみられなくなり横ばいに推移していた(有病率:0.6%[p=0.64]、発生率:-5.4%[p=0.09])。 有病率は100人当たり、1990年は3.5(95%信頼区間[CI]:3.2~3.9)、2008年は7.9(同:7.4~8.3)、2012年は8.3(同:7.9~8.7)であった。 発生率は1,000人当たり、1990年は3.2(同:2.2~4.1)、2008年は8.8(同:7.4~10.3)、2012年は7.1(同:6.1~8.2)であった。 サブグループの動向も大半は同様のものであったが、非ヒスパニック系白人との比較で、非ヒスパニック系黒人(p=0.03)、ヒスパニック系(p=0.01)では増大が続いていることが示された。また、有病率の増大が、高卒超の教育レベルの人と比べて高卒以下の人で有意に高かった(中卒までp=0.006、高卒p<0.001)。

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エボラウイルス病、11月には2万例超えるか/NEJM

 西アフリカのエボラウイルス病(EVD)患者は、感染対策の抜本的な改善がなされなければ、今後、毎週数百~数千例の割合で増加し続け、11月初旬には2万例を超えると予測されることが、WHO Ebola Response Teamの調査で明らかとなった。2014年3月23日、WHOはギニアにおけるEVDのアウトブレイクを公式に認定した。また、8月8日には、この流行に対し「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(public health emergency of international concern)」を宣告している。NEJM誌オンライン版2014年9月23日号掲載の報告。4ヵ国4,010例のデータを詳細に解析 2013年12月30日~2014年9月14日までに、エボラウイルス感染の疑い例および確定例は4,507例に上り、このうち西アフリカ5ヵ国(ギニア、リベリア、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネ)からEVDによる死亡例が2,296例報告されている。 WHOの研究チームは、9月14日までにギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネの4ヵ国から収集されたエボラウイルス感染疑い例3,343例および確定例667例のデータを詳細に解析した。発熱、疲労感、嘔吐が高頻度、特異的な出血はまれ 患者のほとんどが15~44歳で、男性は49.9%であった。感染の臨床アウトカムが判明している患者の死亡率は70.8%(95%信頼区間[CI]:69~73%)に上った。 発症から感染が確定されるまでにみられた主な症状は、発熱87.1%、疲労感76.4%、食欲減退64.5%、嘔吐67.6%、下痢65.6%、頭痛53.4%、腹痛44.3%で、特異的な出血症状はまれであったが、「説明不能な出血」が18.0%で報告されている。 これらの徴候や症状のほか、潜伏期間(11.4日)、発症間隔(感染源の発症から2次感染者の発症までの期間は15.3日)などの感染過程は、以前のEVDのアウトブレイクの報告と類似していた。 初回指数増殖期のデータに基づくと、推定基本再生産数(basic reproduction number:R0)は、ギニアが1.71、リベリアが1.83、シエラレオネは2.02であった。また、推定現再生産数(current reproduction numbers:R)はそれぞれ1.81、1.51、1.38であり、倍加時間は15.7日、23.6日、30.2日と推算された。 この流行に対する感染対策に変化がないと仮定すると、2014年11月2日までに感染疑い例と確定例の累積報告数はギニアで5,740例、リベリアで9,890例、シエラレオネでは5,000例に及び、全体で2万例を超えることが予測される。 研究チームは、「感染対策の抜本的な改善がなされなければ、今後数ヵ月にわたり、EVD患者および死亡例は毎週数百~数千例の割合で増加し続けると予測される」と結論づけている。

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新しい形のがん患者支援キックオフ

 新しい形のがん患者支援「maggie's tokyoプロジェクト」のキックオフミーティングが、先月(2014年9月)都内で開催された。ミーティングではmaggie's tokyo代表である秋山 正子氏と鈴木 美穂氏らが講演、プロジェクトの趣旨説明と設立・運営寄付への協力を呼びかけた。 マギーズセンターは、乳がん患者であった英国の造園家マギー・K・ジェンクス氏が、当時の担当看護師のローラ・リー氏(現CEO=最高経営責任者)とともに、がん患者、家族らのための空間と専門家のいる場所を造ろうと、入院していた病院の敷地内に小屋を借り、誰でも気軽に立ち寄れる空間を作ったのが始まり。1996年に、「マギーズ・キャンサー・ケアリング・センター」としてオープンした。 マギーズセンターは、がん患者や家族、医療者などが、いつでも無料で利用できる。カウンセリングや栄養、運動の指導などの専門的な支援が無料で受けられ、助成金や医療制度の活用など生活についても相談することができる。その活動は広がり、2014年現在、英国では15ヵ所のセンターが運営されている。さらに、2013年には英国外で初めてのセンターが香港に開設された。 秋山氏は看護師。家族のがん看護の経験から訪問看護に従事する。その中で、患者や家族の情報伝達不足を実感。より早い時期に患者や家族が相談でき、さまざまな情報が届けられる場が必要と考えていた。そんな折、マギーズセンターの存在を知る。「いつでも行ける相談の場」という施設のあり方に感銘を受けたという。その後、日本でもマギーズセンターを作りたいと、同センターの環境と新しい相談支援の形を取り入れた「暮らしの保健室」を東京都内に立ち上げた。 鈴木氏は自身も乳がんサバイバー。闘病を通し、一人ではないと思えることの心強さを知り、若くしてがんに罹患した人たちの出会いの場を作りたいとフリーペーパー「STAND UP」、団体「Cue」を立ち上げる。そのような中、マギーズセンターの存在を知る。日本でマギーズセンターを作れないかと考え、すぐに秋山氏にコンタクトしたという。そして、「暮らしの保健室」と「Cue」共同でmaggie's tokyoプロジェクトを立ち上げることとなった。 マギーズ東京はすでに設立候補地が決定し、NPO法人の設立準備中である。運営費はチャリティで賄う。寄付会員という継続的な寄付方式のほか、クレジットカードやクラウドファンディングなどを活用した随意寄付を受け付ける体制を整え、資金調達に挑戦している。maggie's tokyoプロジェクトHPmaggie's tokyoプロジェクトFaceBookmaggie's tokyo プロジェクトクラウドファンディング(READYFOR)

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臨床試験データの公開が必要な時代に!(解説:折笠 秀樹 氏)-257

本論文の連絡著者は、メタアナリシスや臨床試験方法論で著名なIoannidis博士である。現在はスタンフォード大学だが、ギリシャ・アテネ育ちである。オックスフォード大学のDoug Altman博士と共に来日されたとき会食したが、お刺身など日本料理は苦手な様子だった。 さて、この論文は臨床試験方法論に関するものであり、Editorialも同時掲載された注目論文である。RCT原著論文と同じ作業仮説で、同じデータを使った再解析論文37報を調べたところ、35%が異なる結論だったという。原著論文と再解析論文で最も違っていた(49%)のは、使用された統計手法だった。統計手法を変えたら、結論が35%も変わったというから驚きだ。再解析論文を書いたのは、ほとんどが原著論文と同じグループだった(32報、86%)。また、原著論文の研究データが公開されているのは2報(5%)しかなかった。 Editorialでも述べられているように、臨床試験データの透明性と公開が望まれるところである。臨床試験はIRBや登録サイト(ClinicalTrials.gov など)で調査できるが、完了した臨床試験データを研究グループ以外の研究者は使用できない。研究グループで収集したデータだから自分たちの持ち物というわけだろうが、本当にそれでよいのだろうか?本報告では異なる解析をしたら結論が35%も変わったというのだから、研究グループとは別の研究者が解析し直す必要性があると思われた。研究不正がささやかれる昨今においては、データの公開により信憑性を確認できることは大切だろう。 大学病院医療情報ネットワーク研究センターはUMINサービスの一環として、2013年11月28日に世界初の症例データレポジトリを開始した。第1例目はJ-PREDICTという臨床試験であった。研究グループの主導者はぜひデータの公開に理解を示していただきたい。

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運動療法は効果的

Dr.桑島の高血圧をわかりやすく説明できるスライド“お得”が積み重なる運動療法!メモ体脂肪を減らせば血圧は下がります!おすすめは、早歩き、ジョギング、自転車(ゆっくり)、水泳(ゆっくり)などの全身運動。運動療法は効果が出るまで4週間。長い目をもって。薬を飲んでいる人にも効果的です。監修:東京都健康長寿医療センター顧問 桑島 巌 氏Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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塩分の摂り過ぎに注意

Dr.桑島の高血圧をわかりやすく説明できるスライド塩 はごく少量あれば生きていける!目標は、1日6gメモ日本人の塩分摂取量は1日平均約10g。しかし、海外には1日1g以下で生活している民族もいます。とくに日本人は塩分を摂ると血圧が高くなりやすい人種だといわれています。塩分の摂り過ぎには注意しましょう。監修:東京都健康長寿医療センター顧問 桑島 巌 氏Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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