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113)寝不足が続くと肥満になる!?【高血圧患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者仕事が忙しくて、なかなか食事療法に取り組めなくて……。 医師確かに。仕事が忙しいと、健康的な食事を摂るのは難しいですよね(共感)。 患者そうなんです。何かいい方法はありませんか? 医師そうですね。睡眠不足になると、満腹ホルモンであるレプチンが減少し、摂食ホルモンであるグレリンが増えて、太りやすいホルモン環境になります。それに……。 患者えっ、そうなんですか!? それに?(少し驚いた顔) 医師それに、お菓子など甘い物、ポテトチップスやナッツなど塩辛いもの、パンやパスタなど炭水化物を好む嗜好になるそうです。 患者なるほど。まずは、睡眠不足を解消することが大切なんですね。 医師そうですね。どうやったら睡眠不足を解消できるかを、一緒に考えていきましょう。 患者よろしくお願いします。●ポイント睡眠不足になるとホルモン環境が変わり、太りやすい食品を嗜好するようになることをわかりやすく説明します 1) Taheri S, et al. PLoS Med.2004;1:e62. 2) Crispim CA, et al. Nutr Res Rev.2007;20:195-212.

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青年期からの適切な対策で精神疾患の発症予防は可能か

 青年から成人への移行期には、身体的、感情的および社会的な変化が大きいが、この発達期における慢性症状と精神疾患との関連について調べた研究はほとんどない。カナダ・マックマスター大学のM. A. Ferro氏は、青年から成人への移行期(emerging adulthood)に該当する15~30歳成人の疫学的サンプル調査により、慢性症状の有無別に性特異的な生涯精神疾患の有病率を調べた。結果、同年代では、身体的症状と精神的症状の併存は一般的であり、それらが相乗的に増大するという関連はみられなかったが、障害や痛みのレベルによっては関連する可能性があることを明らかにした。そのうえで、慢性症状を有するこの年代の成人の精神疾患の予防・減少を促進するために、行政は健康、教育、社会的サービスを統合・調整していくことが重要であると報告した。Epidemiology and Psychiatric Sciences誌オンライン版2015年9月8日号の掲載報告。 研究グループは、慢性症状の有無を問わず15~30歳成人の疫学的サンプルを用いて、生涯精神障害の性特異的有病率を調べた。社会人口統計学的因子、健康因子で補正後、慢性症状と精神障害の関連を定量化し、また、性別、障害および痛みのレベルによる調節・媒介の可能性を調べた。Canadian Community Health Survey-Mental Healthの回答者で、慢性症状について自己報告していた15~30歳5,947例のデータを用いて分析を行った。慢性症状は、呼吸器系、筋骨格/関節組織、心血管、神経学的、内分泌/消化器系で分類。WHOの統合国際診断面談(Composite International Diagnostic Interview ; CIDI)3.0版を用いて、精神疾患(うつ病、自殺行為、双極性障害、全般性不安症)の有無を評価した。 主な結果は以下のとおり。・生涯精神疾患有病率は、慢性症状あり群が健康対照と比べて有意に高率だった。・精神疾患の有病率は、女性では認められなかったが男性では、かなりの不均一性が認められた。・社会人口統計学的および健康因子で補正後のロジスティック回帰モデルにおいて、慢性症状がある人は、精神疾患リスクが高いことが示された。・障害や痛みのレベルが、慢性症状と精神疾患との関連を調整するというエビデンスは認められなかった。・性別は、筋骨格/関節組織症状と双極性障害の関連を調整することが認められた(β=1.71、p=0.002)。・探索的分析においては、障害と痛みのレベルが慢性症状と精神疾患との関連を媒介することが示唆された。関連医療ニュース 青年期うつは自助予防可能か 若年男性のうつ病予防、抗酸化物質が豊富な食事を取るべき 日本人のうつ病予防に期待?葉酸の摂取量を増やすべき  担当者へのご意見箱はこちら

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高出血リスク患者へのPCI、薬剤被膜ステントが優れる/NEJM

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた出血リスクが高い患者について、ポリマーフリーumirolimus(バイオリムスA9)被覆ステントの有効性および安全性をベアメタルステントと比較した結果、前者の優越性が認められたことを、スイス・ラ・トゥール病院のPhilip Urban氏らLEADERS FREE試験グループが報告した。高出血リスク患者のPCIではベアメタルステントを用い、術後1ヵ月間の抗血小板薬2剤併用療法を行う頻度が高い。この場合、出血リスクは最小化されるが、再ステント術や再介入を要するリスクも高く、研究グループは、ポリマーフリーかつ抗体フリー薬剤被膜ステントでumirolimusを血管壁へ1ヵ月間送達させることについて検討を行った。NEJM誌オンライン版2015年10月14日号掲載の報告。2,466例を登録し無作為化二重盲検臨床試験 LEADERS FREE試験は、4大陸20ヵ国68地点で現在も進行中の無作為化二重盲検臨床試験。高出血リスクPCI患者について、薬剤被膜ステント使用と類似のベアメタルステント使用を比較した。被験者全員に、1ヵ月間の抗血小板薬2剤併用療法が行われた。 主要安全性エンドポイントは、心臓死、心筋梗塞、ステント血栓症の複合で、非劣性および優越性両者について検討した。主要有効性エンドポイントは、臨床的に必要であった標的病変の血行再建であった。 2012年12月~14年5月に2,466例が無作為化を受けた(薬剤被膜ステント[DCS]群1,239例、ベアメタルステント[BMS]群1,227例)。2,432例がPCIを実施し、2,385例(98.1%)が死亡までまたは390日間の追跡を受けた。安全性、有効性について薬剤被膜ステントの優越性確認 390日時点の主要安全性エンドポイントの発生は、DCS群112例(9.4%)、BMS群154例(12.9%)であった。リスク差は-3.6ポイント(95%信頼区間[CI]:-6.1~-1.0)、ハザード比(HR)は0.71(95%CI:0.56~0.91)であった(非劣性p<0.001、優越性p=0.005)。 一方、同一期間中の主要有効性エンドポイント(標的病変血行再建必要例)の発生は、DCS群59例(5.1%)、BMS群113例(9.8%)であった。リスク差は-4.8(95%CI:-6.9~-2.6)、HRは0.50(95%CI:0.37~0.69)であった(p<0.001)。

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大腸腺腫の再発予防にビタミンD、カルシウムは有効か/NEJM

 大腸腺腫の切除術後の再発予防に、ビタミンD3およびカルシウムの摂取は有効ではないことが、米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のJohn A Baron氏らの検討で示された。疫学データや前臨床データでは、ビタミンDの摂取量や血中濃度が高いほど、またカルシウムの摂取量が多いほど大腸新生物のリスクが低いことが示唆されている。また、これらを併用すると、相乗的な化学予防効果が得られる可能性が指摘されていた。NEJM誌2015年10月15日号掲載の報告より。腺腫切除例を4群に分け、3~5年の再発リスクを評価 研究グループは、ビタミンDおよびカルシウムの栄養補助食品の摂取による大腸腺腫の再発予防効果を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化試験を実施した(米国国立がん研究所[NCI]の助成による)。 対象は、年齢45~75歳、登録前の120日以内に1つ以上の大腸腺腫の切除術を受け、全大腸内視鏡検査で残存ポリープを認めず、内視鏡治療医が推奨する3年または5年の大腸内視鏡によるフォローアップ検査に同意した患者であった。被験者は、部分的2×2ファクトリアルデザインを用いて以下の4つの群に無作為に割り付けられた。 (1)ビタミンD3錠剤(1,000IU/日)のみを服用する群、(2)カルシウム錠剤(炭酸塩、1,200mg/日)のみを服用する群、(3)2種の錠剤を併用する群、(4)いずれも服用しない群(プラセボ群)。女性患者は、カルシウム単剤またはビタミンD3+カルシウム併用の2群への無作為割り付けを選択することができた。 2004年7月~08年7月までに、米国の11施設に2,259例(4群割り付け:1,675例、2群割り付け[女性]:584例)が登録された。ベースラインの各群の平均年齢は56.7~58.7歳、4群割り付けの女性は14.5~15.9%で、ほとんどが非ヒスパニック系の人種であり、肥満者(BMI≧30)が35%以上含まれた。腺腫数が3個以上の患者が11%、1つ以上の進行腺腫を有する患者は18%であった。単剤、併用ともに効果なし、予想に反する結果 ビタミンDを服用した群の患者は、プラセボ群に比べ血清25-ヒドロキシビタミンD値が平均7.83±13.4ng/mL増加した。また、腺腫の評価が行われた2,059例のうち880例(43%)で腺腫の再発が認められた。 腺腫の再発に関するビタミンD群の非ビタミンD群に対する補正リスク比(aRR)は0.99(95%信頼区間[CI]:0.89~1.09)、カルシウム群の非カルシウム群に対するaRRは0.95(0.85~1.06)であり、併用群のカルシウム群に対するaRRは1.01(0.88~1.15)、併用群のプラセボ群に対するaRRは0.93(0.80~1.08)と、いずれも有意な差を認めなかった。 進行腺腫のaRRは、それぞれ0.99(95%CI:0.75~1.29)、1.02(0.76~1.38)、0.89(0.63~1.26)、0.99(0.63~1.56)であり、腺腫の結果と同様であった。 尿路結石のリスクは、カルシウム群が非カルシウム群よりもわずかに高く(2.4 vs.1.8%、p=0.40)、ビタミンD群は非ビタミンD群よりも低い傾向がみられた(1.7 vs.2.5%、p=0.18)が、いずれも有意差はなかった。 ベースラインの血清クレアチニンが正常で、フォローアップ期間中に異常高値を示した患者の割合は、カルシウム群が非カルシウム群に比べ高い傾向にあり、統計学的な差は境界値であった(7.0 vs.4.9%、p=0.06)。 また、カルシウム群は非カルシウム群に比し、心筋梗塞の発症率が有意に低かった(0.2 vs.1.1%、p=0.03)。一方、脳卒中、一過性脳虚血発作、すべてのがん、大腸がん、骨折の発症率については、ビタミンD群と非ビタミンD群、カルシウム群と非カルシウム群の間に差はみられなかった。 ベースラインの血清25-ヒドロキシビタミンD値や食事由来のカルシウム摂取量は、腺腫の再発リスクに関して、上述のビタミンDおよびカルシウムの摂取の知見とほぼ同様の傾向を認め、進行腺腫のリスクとも関連しなかった。 著者は、「これらの結果は予想に反するもの」とし、「ビタミンDについては、ある程度の化学予防効果を否定するものではないが、これまで指摘されていた顕著な効果は支持されない」としている。

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食事回数と肥満の関係

 食物摂取頻度と肥満との関連の研究結果は一貫していない。滋賀県立大学の村上 健太郎氏らは、米国National Health and Nutrition Examination Survey(NHANES)2003-2012のデータを用いた横断研究から、米国成人の1日の全食事回数・食事(間食を除く)回数・間食回数の多さが、過体重/肥満と中心性肥満のリスク増加に関連することが示唆される、と報告した。the Journal of Nutrition誌オンライン版2015年10月14日号に掲載。 米国の20歳以上の成人1万8,696人において、食物摂取量を2回の24時間食事思い出し法を用いて評価した。50kcal以上の食物摂取すべてを、エネルギー摂取量(15%以上または15%未満)、自己申告、摂取時刻(6~10時、12~15時、18~21時、その他)のそれぞれに基づいて、食事または間食に分類した。オッズ比(OR)および95%CIの算出には多変量ロジスティック回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・推定エネルギー必要量に対する推定エネルギー摂取量の比率(EI:EER)を調整せずに解析した場合、全食事頻度、食事(間食を除く)頻度、間食頻度のすべてにおいて、過体重/肥満(BMI:25以上)および中心性肥満(腹囲:男性102cm以上、女性88cm以上)と逆相関の関連または関連なしと示された。しかし、EI:EERの調整後、全食事頻度と過体重/肥満および中心性肥満との間には正の相関があった。・全食事頻度が最も高い(1日5回以上)カテゴリーにおける過体重/肥満のOR(95%CI)は、最も低いカテゴリー(1日3回以下)に比べて、男性で1.54(1.23~1.93、傾向のp=0.003)、女性で1.45(1.17~1.81、傾向のp=0.001)であった。中心性肥満のORは、男性で1.42(1.15~1.75、傾向のp=0.002)、女性で1.29(1.05~1.59、傾向のp=0.03)であった。・食事(間食を除く)頻度については、「自己申告に基づく食事頻度」と「摂取時刻に基づく食事頻度」が、過体重/肥満、中心性肥満、またはその両方と相関していたが、「エネルギー摂取量に基づく食事頻度」は関連がみられなかった。間食頻度との関連については、男性ではすべての間食頻度との正の相関がみられ、女性では「エネルギー摂取量に基づく間食頻度」との正相関がみられた。

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青年期の運動能力と筋力は血管疾患や不整脈イベントと関連するか(解説:三浦 伸一郎 氏)-439

 Dr. Anderson氏らは、青年期の運動能力と筋力が高い群では、共に低い群に比較して、将来の血管疾患イベントが有意に減少していたという興味深い結果を報告した。従来、中高年者の中で運動能力が高い人では、心血管疾患の罹患率や死亡率がそうでない人と比べて有意に低下していることはよく知られていた。しかし、今回の報告のように、青年期の運動能力と筋力が予後に関与するかについての報告はなかったため、このことがBMJ誌に掲載された1つの理由であろう。しかし、今回の結果は、いくつかの点を熟慮しなければならない。 第一に、今回の結果は、青年期の運動能力や筋力とその後の26.3年の追跡における、血管疾患や不整脈イベントの関連性をみた研究であることに注意すべきである。青年期の運動能力などが高ければ、一般的にその後も運動習慣を心掛ける傾向にあると思われる。しかし、追跡期間にそれらの能力が保持されていたか、または、減弱したのかは検討されていないし、検討することも容易ではないであろう。もし、追跡中も能力が保たれていれば直接的な効果ということができ、そうでなければ、青年期のレガシー効果というべきであろうか。 第二に、運動習慣は、生活歴の中で重要な位置を占めているが、対象者の食習慣、喫煙・飲酒習慣、さらには、家族歴などの因子も本研究では考慮されていない。食習慣や喫煙などは、各々の臨床研究により明らかに血管疾患イベントと関連性のある因子である。したがって、青年期の運動能力や筋力よりも、さらにイベントと関連する有用な因子であるかは明らかでない。また、対象者が男性のみであったため、性別による違いも不明である。 最後に、血管疾患と不整脈イベントの結果が若干異なる点である。血管疾患の中でも心血管疾患死が運動能力の高い者では、減少していることが重要である。次に、心不全も同様に減少している。しかし、不整脈の中でも、運動能力が高いと心房粗細動や徐脈性不整脈は増加するという異なった結果となっており、その原因として迷走神経緊張、容量負荷、圧負荷、心房過伸展などとの関わり合いが指摘されている。 いずれにしても、青年期の運動能力と筋力が高い群では、血管疾患イベントが減少していたという事実には変わりがなく、どの年齢層においても適度の運動習慣は必要であろう。

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カルシウム製剤について

【治療薬】カルシウム製剤について、教えてください【骨粗鬆症】牛乳が苦手、小魚が食べられないというカルシウムが不足しがちな人向けのお薬です。骨をつくるカルシウムを、お薬のかたちで補充します。監修:習志野台整形外科内科 院長 宮川一郎 氏Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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早期アルツハイマー病診断に有用な方法は

 アミロイドPET検査ならびにCSFバイオマーカーは、いずれも高い精度で早期アルツハイマー病を診断できることを、スウェーデン・ルンド大学のSebastian Palmqvist氏らがBioFINDER研究で明らかにした。最も有効なCSF測定値とPET検査所見の間に違いはなく、それらを組み合わせて使用しても精度は向上しなかったことから、著者らは「早期アルツハイマー病の診断においてCSFバイオマーカーとアミロイドPET検査はどちらも精度は同等に高いので、利便性、費用、医師や患者の好みによる選択が可能である」とまとめている。Neurology誌2015年10月号の掲載報告。 研究グループは、前向き縦断研究BioFINDERのコホートから、健康な高齢者122例と、追跡期間中(3年以内)にアルツハイマー型認知症へ進行した軽度認知障害(MCI-AD)患者34例を対象として検討を行った。[18F]-フルテメタモールを用いたPET検査により脳の9領域におけるアミロイドβ(Aβ)の蓄積を評価するとともに、INNOTESTとEUROIMMUN ELISAを用いてCSFを分析した。さらにその結果を、ADNI(Alzheimer's Disease Neuroimaging Initiative)研究の対照群146例およびMCI-AD患者群64例で再検証した。 主な結果は以下のとおり。・MCI-ADの鑑別に最も有効なCSFの測定値は、Aβ42/総タウ蛋白(t-tau)およびAβ42/過リン酸化タウ(p-tau)であった(曲線下面積[AUC]:0.93~0.94)。・PET測定値も類似していた(AUC:0.92~0.93;前帯状回、後帯状回/楔前部および全新皮質の取り込み)。・CSFのAβ42/t-tauおよびAβ42/p-tauは、CSFのAβ42およびAβ42/40より良い結果であった(AUC差:0.03~0.12、p<0.05)。・カットオフ値は最適化されていないが、すべてのCSF/PETバイオマーカーの中でCSFのAβ42/t-tauが最も精度が高かった(感度97%、特異度83%)。・CSFとPETの組み合わせは、いずれか一方のバイオマーカーを単独で使用した場合より良好な結果は得られなかった。・これらの結果は、ADNI研究のコホートでも再現された。関連医療ニュース SPECT+統計解析でアルツハイマー病の診断精度改善:東北大 レビー小体型とアルツハイマー型を見分ける、PETイメージング アルツハイマーの早期発見が可能となるか

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外傷性脳損傷への低体温療法、有益性なし/NEJM

 外傷性脳損傷で頭蓋内圧亢進の認められる成人患者に対する低体温療法は、臨床転帰を悪化させる可能性があることが報告された。英国・ウェスタン総合病院のPeter J.D. Andrews氏らが、400例弱を対象に行った無作為化比較対照試験の結果、明らかにした。これまで、外傷性脳損傷における低体温療法は、頭蓋内圧亢進を低下することは知られていたが、機能的アウトカムへの有益性は不明であった。NEJM誌オンライン版2015年10月7日号掲載の報告。6ヵ月後のGOS-Eスコアを比較 研究グループは2009年11月~14年10月にかけて、18ヵ国47ヵ所の医療機関を通じ、外傷性脳損傷の成人患者で、人工呼吸などの第1段階治療を行っても20mmHg超の頭蓋内圧亢進が認められた患者387例を対象とした。無作為に2群に割り付け、一方には低体温療法(32~35℃)と標準的治療を、もう一方の対照には標準的治療のみを行った。 対照群には、頭蓋内圧コントロールを目的に、必要に応じて高張液注射療法などの第2段階治療を行った。低体温療法群にも、低体温療法で頭蓋内圧コントロールが不能な場合に第2段階治療を行った。また、両群ともに第2段階治療によっても頭蓋内圧コントロールが不能の場合は、第3段階治療(バルビツレート療法、減圧開頭術)を実施した。 主要アウトカムは、6ヵ月後の拡張グラスゴー転帰尺度(Glasgow Outcome Scale:GOS-E、スコア範囲:1~8で低いほど機能的アウトカム悪化を示す)だった。GOS-Eスコア良好の割合は対照群37%、低体温療法群26% その結果、第3段階治療を要した人の割合は、対照群が54%に対し、低体温療法群が44%だった。 GOS-Eスコアのオッズ比は1.53(95%信頼区間:1.02~2.03、p=0.04)と、対照群に比べ低体温療法群のアウトカムのほうが悪いことが示された。 GOS-Eスコアが、5~8とアウトカムが良好だった人の割合も、対照群37%に対し、低体温療法群は26%と有意に低率だった(p=0.03)。

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急性冠症候群疑い、受診時トロポニン値5ng/L未満は入院不要/Lancet

 急性冠症候群(ASC)疑いで受診するも退院可能であった心臓イベント低リスク患者のうち、約3分の2の患者の高感度心臓トロポニン値Iが低値(血漿中濃度5ng/L未満)であったことが確認された。英国・エディンバラ大学のAnoop S V Shah氏らが、6,304例について行った前向きコホート研究の結果、報告した。ASC疑いは緊急入院の理由として最も多く、医療の大きな負担となっている。そのため即時退院が適切な低リスク患者を特定する戦略が、大きな有益性をもたらすとして検討されている。今回の結果を踏まえて著者は、「高感度トロポニン値Iを評価するというアプローチは、入院を大きく減らし、患者と医療従事者双方に大きなベネフィットをもたらすと思われる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2015年10月7日号掲載の報告。30日時点の心筋梗塞、心臓死の陰性適中のトロポニン値を調査 検討は、スコットランドの4つの第2次および第3次医療提供病院を受診したASC疑いの連続患者6,304例を対象に行われた。 受診時に高感度心臓トロポニンI検査で血漿中濃度を測定。抽出コホート(4,870例)と検証コホート(内的および外的検証コホートの2つで1,434例)それぞれで、主要アウトカム陰性適中のトロポニン値を調べた。主要アウトカムは、30日時点の心筋梗塞またはその疑い例もしくは心臓死であった。5ng/L未満患者61%、陰性適中率は99.6% 抽出コホート4,870例のうち、心筋梗塞を発症したのは782例(16%)。心筋梗塞再発は32例(1%)、心臓死は75例(2%)であった。 受診時に心筋梗塞を有していなかった患者において、トロポニン値が5ng/L未満だった患者は2,311/3,799例(61%)であり、主要アウトカムの陰性適中率は99.6%(95%信頼区間[CI]:99.3~99.8%)であった。 同様の陰性適中率が、年齢、性別、リスク因子、心血管疾患既往歴により層別化した全群で認められた。 検証コホートでトロポニン値が5ng/L未満だった患者は594/1,061例(56%)であり、陰性適中率は99.4%(95%CI:98.8~99.9%)であった。 また、トロポニン値5ng/L未満だった患者は、1年時点の心筋梗塞および心臓死のリスクも有意に低かった(対5ng/L以上患者との発生率比較:0.6% vs.3.3%、補正後ハザード比:0.41、95%CI:0.21~0.80、p<0.0001)。

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健康寿命の延伸は自立した排尿から!

 10月19日、株式会社リリアム大塚(大塚グループ)は、膀胱内の尿量を連続的に測定するセンサー「リリアムα-200」の製品発表会と排尿ケアに関するプレスセミナーを都内にて開催した。使いやすい機能で排尿支援 「リリアムα-200」は、4つのAモード超音波で得た情報から膀胱内の尿量を推定する測定器である。尿意を失った患者さんに対し、適切に導尿のタイミングを通知する機能を有し、尿道留置カテーテルの抜去やオムツからの離脱など、患者さんの排尿自立につながることが予想されている。 基本機能として、次の機能が搭載されている。 1)残尿測定:位置決めモードにより簡便に膀胱内の尿量測定を行う 2)排尿タイミングモード:任意に設定した膀胱内尿量で患者に通知 3)定時測定モード:連続的尿量測定により蓄尿・排尿状態を把握 4)排尿日誌機能:排尿時にボタンを押すことで排尿日誌の作成が可能 同社では、本製品の普及により、排尿で問題を抱えている多くの方々のQOLの向上や患者ADLの向上、看護・介護に携わる方々の労力の軽減と効率化、さらには患者さんの尊厳に関わる医療ケアに大きく貢献できるものと、期待を膨らませている。 希望小売価格は税抜35万円(初回に同包する各種アクセサリを含むセット価格)。11月2日より発売。非専門医ももっと泌尿器診療へ プレスセミナーでは、高橋 悟氏(日本大学医学部泌尿器科学系 主任教授)が、「超高齢社会に於ける排尿ケアの課題と対策」と題しレクチャーを行った。 尿意切迫感、切迫性尿失禁などの排尿トラブルは、健康な人でも40歳を超えると年齢とともにその数は増加する。まして、脳血管障害、運動器障害、認知症などの基礎疾患がある要介護状態では、半数以上で何らかの排尿障害があると報告されている。わが国では、要介護認定者は600万人を超えており、排泄介護は今後も大きな問題になる。そして、排泄介護は、負担が非常に大きく、自宅復帰を阻害する要因となっている。 これら排尿障害の臨床では、「過活動膀胱診療ガイドライン」をはじめ、多数のガイドラインが使用されている。それらで取り上げられている残尿測定と排尿日誌は、基礎的評価として重要な項目であり、一般の外来でも行われることが期待されている(現在、残尿測定検査は超音波検査で55点、導尿で45点の保険適用)。 しかし、残尿測定検査は、特別に機器が必要とされ、外来でも煩雑であり、排尿日誌は、自立排尿できない患者さんや介護者の負担などの理由でなかなか記録されないという課題がある。 診断後は、頻尿、尿失禁、排出障害などに対して、排尿障害治療薬も発売されている。しかし、十分な治療効果がない場合は、成人用オムツが多用されており、また、在宅介護では、留置カテーテルも少なくないという。排尿予測が患者、介護者の負担を軽減する このように課題の多いわが国の排尿管理において、高齢者80名に反復的尿量測定と排尿誘導を行った結果、オムツ使用の軽症化、身体機能の改善、認知機能の改善、介護ストレスの軽減に有用であったとする研究がある(Iwatsubo E, et al. Int J Urol. 2014;21:1253-1257.)。 今後の排尿ケアにおいては、膀胱機能アセスメントとして、残尿(尿量)測定と排尿日誌、行動療法統合プログラムの実施が望まれる。また、回復期リハビリテーションや地域包括ケアでの積極的な介入が重要となる。 その際に、「リリアムα-200」のような携帯型の残尿測定器があれば、排尿ケア・プランの立案ができ、適切な排尿誘導が可能となる。これにより、必要のないオムツの取り外しや留置カテーテルの抜去ができ、患者さんの尊厳回復やQOLの向上、介護者の負担軽減につながり、ひいては高齢者の健康寿命の延伸に期待が持たれる、とレクチャーを終えた。「リリアムα-200」の製品紹介はこちら関連リンクケアネット・ドットコム 特集「排尿障害」

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東海大学医学部、米国式医学教育の実践へ ハワイ大学と教育連携

 東海大学医学部(神奈川県伊勢原市下糟屋143、学長 山田 清志、学部長 今井 裕)は2015年10月19日、ハワイ大学医学部(米国ハワイ州、学部長 Jerris R. Hedges)と「ハワイ医学教育プログラム」(HMEF:Hawaii Medical Educational Program)導入の覚書を締結したと発表。 同プログラムの導入により東海大学は日本で初めて本格的な米国式医学教育を実践する医学教育機関となる。これに伴い、東海大学は米国ECFMG(Educational Commission for Foreign Medical Graduates)の認定要件を満たすロールモデルとなり、世界の医学教育や医療のリーダーとして国際的に活躍し得る医師の育成を行うことで、日本の医学教育や国際標準化に貢献することが可能になるという。HMEPプログラム1.ハワイ大学医学部が、米国で臨床研修経験がある医師を東海大学医学部に講師として派遣、1~3年生を対象にしたカンファレンスと講義を実施(日英両語)2.1を受講した学生の中で10~20人を選抜し、ハワイ大学医学部の臨床実習準備教育プログラムを1~2カ月間受講する(東海大学内で実施する基礎臨床実習として認定)3.2の修了者は、ハワイ大学医学部が準備・提携する日本国内の臨床実習病院において米国式臨床実習を履修する(東海大学医学部5年生の臨床実習として認定)

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工業型トランス脂肪酸使用禁止は、冠動脈疾患死を減らす有効手段!(解説:島田 俊夫 氏)-437

 循環器疾患は、英国において最大の死亡原因であり、なかでも最も多いのが冠動脈疾患である。この背景を踏まえて英国・ランカスター大学のKirk Allen氏らは、疫学モデル(IMPACT-SEC model)を用いて、食品のトランス脂肪酸(TFA)使用禁止または削減が、健康や社会経済に与える影響と費用対効果について報告した(BMJ誌オンライン版2015年9月15日号掲載)。 工業型TFAは、賞味期限の延長、旨味強化などを安価に実現できるため加工食品に多用されてきた。ところが、TFAが冠動脈疾患による死亡、全死亡を増やすことが取りざたされると使用禁止が叫ばれるようになった。これを受け、食品へのTFAの使用禁止の影響について検証済みモデルを用いて解析が行われた。データベースとして、英国民食事栄養調査(National Diet and Nutrition Survey)、低所得者食事栄養調査(Low Income Diet and Nutrition Survey)、そのほかの公表済み医療経済データなどがモデル試算に使われた。25歳以上の成人を対象に、社会経済的状況に基づき5群に層別化後、TFA使用禁止、ラベル表示改善、レストランおよびファストフードでの使用禁止の各効果について、試算された。TFAを減らすことによる健康面での利益 TFAの減少を2015~20年の期間中の冠動脈疾患死(冠動脈死)に置き換えると、全面禁止は冠動脈死を約2.6%(7,200例)減らし、最貧群(IMDQ5)では高い冠動脈死とTFAの著減により、大きな利益を受けることが判明した。このことにより、冠動脈死と関連する不平等が約15%是正された。社会格差のないラベル表示は、全面禁止の約2分の1の効果をもたらすが、社会格差があれば効果は約3分の1程度に減弱する。家庭外のTFA消費が最貧群で高いと仮定すると、ファストフードでの使用禁止効果は全面禁止の約3分の1程度になり、レストランでの使用禁止効果は最富裕群(IMDQ1)では全面禁止の約4分の1程度になる。2020年の死亡減少を質調整生存年(QALY)に変換すると、群全体での心血管死亡の差は若年層でより大きく、死亡回避の生存年延長は全面禁止により最貧群でとりわけ大きかった。対策オプションの費用対効果 全面禁止による楽観的試算(完全禁止中の生産活動が通常のビジネスサイクルとして行われる)では、正味のコスト削減は2億6,400万ポンドになる。通常のビジネスサイクル外での本質的改良を負う場合の悲観論的試算では、全面禁止による正味のコスト削減は約6,400万ポンドである。加工食品中トランス脂肪酸の完全禁止は実現可能であり、ほかのいかなる対策に比べても圧倒的効果が期待できるため、TFAを食事から完全に排除することは健康を守るうえからももっともな考えである。 わが国のTFAへの取り組みの遅れはほかの先進国に比べても際立っており、TFA問題に限らず食の安全に対する真摯な対応は、国民の健康を守るため必要不可欠である。

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EMPA-REG OUTCOME試験:糖尿病治療薬久々の朗報~治療学的位置付けは今後の課題~(解説:景山 茂 氏)-438

 慢性疾患の治療において、短期間の薬効を示す指標(surrogate endpoint)と長期間の治療による予後を示す指標(true endpoint)が乖離することが最初に示されたのは、1970年のUGDP研究である。この研究では、スルホニル尿素類のトルブタミド(商品名:ラスチノン)はプラセボおよびインスリンに比較して死亡率、とくに心血管死が有意に高いことが示された。その後、同研究により、現在は用いられていないビグアナイド類のフェンホルミンについてもトルブタミドと類似の結果が示された。その後も、チアゾリジンジオン類のロシグリタゾンについて、心筋梗塞を増やす可能性が示唆されている。 糖尿病特有の合併症である細小血管障害は、血糖コントロールと密接な関係があることが示されている。一方、大血管障害については、DCCT/EDICおよびUKPDSでは、良好な血糖コントロールが大血管障害を改善することを示したが、VADT、ACCORD、ADVANCEの数年間の臨床試験では大血管障害の予後改善を示せなかった。 このような状況の中で、米国FDAは2008年に企業向けのガイダンスで、糖尿病治療薬については治験段階から心血管イベントの収集をしてメタ解析ができるよう求めている。 さて、今回のEMPA-REG OUTCOME試験は予想外の良い結果が示された。本試験では、心血管疾患のハイリスク患者に対して、標準治療にエンパグリフロジンの上乗せは、プラセボよりprimary outcome(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中から成る複合エンドポイント)を有意に減少させることを示した。この臨床試験は、薬効のメカニズムを検討するものではないが、なぜこのような結果が得られたかは考察する必要があろう。primary outcomeについては、グラフからは試験開始3ヵ月後から群間の乖離が認められる。primary outcomeの構成要素にはなっていないが、心不全による入院は試験開始後間もなく群間に差が認められる。 これらの成績からは、エンパグリフロジンの利尿作用が心不全の予防と改善に効果を及ぼしたことが推測される。そして、これが心血管死の減少に寄与した可能性が考えられる。HbA1c、体重、腹囲、収縮期・拡張期血圧、HDLC、尿酸にエンパグリフロジンの効果が認められているが、少なくとも短期間の心血管イベントの発症には、これらの因子の改善よりも水およびNaの利尿効果が予後改善には有効であったと考えるのが妥当ではないだろうか。 さて、本試験のprimary outcomeは複合エンドポイントであり、その構成要素の組み合わせは妥当なものである。複合エンドポイントは、当該治療の全般的な治療効果がみられるという利点がある一方、その構成要素となっている事象への作用の方向性が異なる場合は、解釈が難しくなるという欠点がある。単一エンドポイントではサンプルサイズが大きくなり、追跡期間が長くなるので、試験の実施可能性の観点から複合エンドポイントが採用されることも多い。 EMPA-REG OUTCOME試験では、これらの構成要素に同様な効果がもたらされたわけではなく、エンパグリフロジンは心血管死と非致死性心筋梗塞を減少させる方向に働いているが、脳卒中についてはむしろ増やす方向に作用しているようにみえる。これについては、今後の研究を待たねばならない。 今回の試験成績は、予想を超えた素晴らしい結果であるが、ぜひSGLT2阻害薬について、同様の成績を示す臨床試験がもう1つ欲しいところである。その折には、EMPA-REG OUTCOME試験により示されたSGLT2阻害薬の心血管疾患抑制効果はより確かなものとなり、効果がclass effectか否かも明らかになるであろう。 また、SGLT2阻害薬の治療学的位置付けを検討する研究が望まれる。今回はあくまで心血管疾患のハイリスク患者に標準治療に上乗せした場合、エンパグリフロジンはプラセボより心血管疾患の予防効果が優れていたという成績である。今後は、SGLT2阻害薬をより早い段階から用いた場合の、より一般的な糖尿病患者における効果の検討が望まれる。また、大血管障害のみならず細小血管障害に関する検証も必要であろう。 ともすればsurrogate endpointとtrue endpointが乖離するというparadoxicalな結果が懸念される糖尿病治療薬において、EMPA-REG OUTCOME試験は久々の朗報である。今後の検討に期待したい。関連コメントEMPA-REG OUTCOME試験の概要とその結果が投げかけるもの(解説:吉岡 成人 氏)リンゴのもたらした福音~EMPA-REG OUTCOME試験~(解説:住谷 哲 氏)EMPA-REG OUTCOME試験:SGLT2阻害薬はこれまでの糖尿病治療薬と何が違うのか?(解説:小川 大輔 氏)EMPA-REG OUTCOME試験:それでも安易な処方は禁物(解説:桑島 巌 氏)

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動物脳神経外科【Dr. 中島の 新・徒然草】(090)

九十の段 動物脳神経外科聴衆A「実験で使っているイヌの硬膜が薄くて縫いにくいんですけど、先生はどのようにしておられますか?」講師「いや四隅を適当に合わせているだけです。それでも髄液のリークは起こりません」聴衆B「家内がペット・ロスみたいになってしまって。どうすればいいんでしょうか?」講師「そっちの方はあまり得意じゃないんだな、僕は。ウチではスタッフがいろいろケアをしているみたいなんですけどね」先週、札幌で行われた脳外科学会の1コマ。地元企画として、動物脳神経外科を専門としている獣医さんが講師として招かれたのです。最近の動物病院の中には、イヌの脳腫瘍をMRIで診断してマイクロ手術を行うというくらい進んでいるところもあるそうです。実際、講演で供覧された手術ビデオの映像は、人間の手術とも何ら変わらないものでした。とはいえ、聴衆の方はイヌ好きネコ好きの脳外科医たちで、講演後の質疑応答が異様に盛り上がったのは、冒頭に紹介したとおりです。講師によれば、イヌは家で居場所のなくなったお父さんにも嬉しそうに尻尾を振り、反抗期の子供達にも変わらぬ忠実さで接してくれるので、家族の一員としてなくてはならない存在になっていることが多いのだそうです。確かに、人間のように感情に左右されることもなく、イヌはいつも笑っているイメージがあります。女房「そんなことあるかいな!」家に帰ってその話をしたところ、女房に一蹴されてしまいました。ちなみに女房は高校生時代、ロッキーという名前のビーグルを飼っていました。中島「えっ?イヌはいつも飼い主に尻尾を振っとるような気がするけど」女房「皆の癒しになるってか。それはラブラドールとかゴールデン・レトリバーとか、お利口さんのイヌだけや」中島「そうはいかんのか、阿呆イヌは?」女房「好き嫌いが激しいし、気に入らん奴には吠えたり噛みついたりして全然言うこと聞きよらへん」中島「ロッキーもそうやったんか」女房「そや。散歩のときだけ尻尾を振っとったけどな。散歩に連れて行くのが遅れたりしたら拗ねてしまって動きよらへんし、よそのイヌに構ったらヤキモチを妬いて暴れるし、もう家族全員が振り回されてボロボロや」中島「イヌも拗ねたり妬いたりするんか」女房「するする。人間にある感情は全部イヌも持っとるで」ある意味、本当に家族の一員だったようです。中島「デキの悪いイヌを持つと大変やなあ」女房「その阿呆なところが可愛いんやけどな、飼い主にとっては」中島「あらら」イヌ好きの人の考え方というのは、一般人には到底理解できませんね。講演での質疑応答は手術手技やペット・ロスだけでなく、ターミナル・ケアや治療費用に至るまで多岐に渡りました。ともあれ、人間相手でも動物相手でも医療というのは共通点がたくさんあるようです。いろいろと学ぶところの多い講演でした。ということで、イヌに代わって最後に一言遅れたら 散歩になんか 行かないぞ

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難治性そう痒にアザチオプリンが有効である可能性

 慢性かつ重症で治療抵抗性のそう痒は生活を変えるほどであり、臨床医と患者の両方にとって難題である。このようなそう痒は、免疫が関与している場合があり免疫抑制薬に反応することがあるが、これまで詳細な調査は行われていなかった。米国・エモリー大学のAlexander Maley氏らは、アザチオプリンで治療した全身性ステロイド反応性のそう痒患者について後ろ向きに再調査した。その結果、アザチオプリンが難治性そう痒の症状を、著明に改善する可能性があると報告した。Journal of the American Academy of Dermatology誌2015年9月号(オンライン版2015年6月12日号)の掲載報告。 研究グループは、難治性そう痒治療におけるアザチオプリンの有効性と忍容性を評価する目的で、全身性ステロイド反応性の慢性そう痒に対しアザチオプリンによる治療を行った96例を後ろ向きに再調査した。 主な結果は以下のとおり。・治療前の症状持続期間は、平均52.9ヵ月(範囲2~360ヵ月、標準偏[SD]:64.8)、そう痒スコア(視覚アナログスケールによる;最大スコア10)は、9.25(範囲3~10、SD:1.37)であった。・治療後のそう痒スコアは、1.625(範囲0~8、SD:1.67)(p<0.0001)であった。・副作用は62例(65%)にみられた。32例(33%)は治療中止を要した。

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認知症患者の精神症状に対し、抗不安薬の使用は有用か

 認知症患者の神経精神症状や機能レベルに対する入院および向精神薬の影響について、フィンランド・タンペレ大学のHanna-Mari Alanen氏らが調査を行った。その結果、認知症患者の神経精神症状に対する抗不安薬の使用を支持しない結果が得られたことを報告した。Dementia and geriatric cognitive disorders誌オンライン版2015年9月4日号の報告。 89例の認知症患者を対象とし、行動障害、認知機能、機能状態を、Neuropsychiatric Inventory(NPI)、Mini-Mental State Examination(MMSE)、Barthel Index、Alzheimer's Disease Cooperative Study-Activities of Daily Living(ADCSADL)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・入院中(平均44日)に、NPI総スコアは34.6から19.5(p<0.001)、ADLは32.2から21.7(p<0.001)へそれぞれ低下した。・ADLの変化は、抗不安薬の影響のみが有意であった(p=0.045)。・NPIの変化と抗精神病薬、抗不安薬の投与量は、MMSEスコアを共変量とした場合、有意な関連は認められなかった。・抗精神病薬や抗不安薬の使用により、入院中の精神症状は改善したが、抗不安薬による患者の機能低下は重大であった。関連医療ニュース 非定型抗精神病薬は認知症に有効なのか 認知症治療、薬物療法にどの程度期待してよいのか 長期ベンゾジアゼピン使用は認知症発症に影響するか  担当者へのご意見箱はこちら

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心臓手術におけるRIPC、臨床転帰は改善するか/NEJM

 心肺バイパスを要する待機的心臓手術において、遠隔虚血プレコンディショニング(RIPC)を行っても、臨床転帰は改善しないことが示された。ドイツ・フランクフルト大学病院のPatrick Meybohm氏らが、約1,400例を対象に行った多施設共同前向き無作為化二重盲検試験の結果、報告した。心臓手術患者へのRIPCにより、虚血・再灌流傷害バイオマーカーの低下が報告されていたが、臨床転帰については不明なままだった。NEJM誌2015年10月8日号(オンライン版2015年10月5日号)掲載の報告。プロポフォール静注による全身麻酔下でRIPC 研究グループは、プロポフォール静注による全身麻酔下で、心肺バイパスを要する待機的心臓手術を受ける成人患者1,403例を対象に試験を行った。被験者を無作為に2群に分け、一方の群には上肢にRIPCを、もう一方には偽処置を行い、それぞれのアウトカムを比較した。 主要評価項目は、退院時までの死亡、心筋梗塞、脳卒中、急性腎不全の複合エンドポイントだった。副次評価項目は、主要評価項目それぞれ、および90日後までの主要評価項目の発生などだった。主要・副次評価項目のいずれも両群で有意差なし 被験者のうち、分析の対象となったのはRIPC群692例、偽処置群693例の合わせて1,385例だった。 主要評価項目の発生率は、RIPC群14.3%(99例)、偽処置群14.6%(101例)と同程度だった(p=0.89)。 また、主要評価項目の各項目の発生率も、死亡がそれぞれ1.3%と0.6%(p=0.21)、心筋梗塞が6.8%と9.1%(p=0.12)、脳卒中が2.0%と2.2%(p=0.79)、急性腎不全が6.1%と5.1%(p=0.45)と、いずれも有意差はなかった。 さらに、トロポニン放出量、人工呼吸器の使用期間、ICU入室または入院期間、心房細動の新規発生率、術後せん妄の発生率についても、両群で有意な差は認められなかった。 なお、RIPC関連の有害事象の発生は報告されていない。

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高齢者の服薬、併存疾患の組み合わせの確認を/BMJ

 米国・イェール大学医学部のMary E Tinetti氏らは複数の慢性疾患を有する高齢者の、ガイドラインに基づく服薬と死亡の関連を調べた。その結果、とくに心血管薬の生存への影響は、無作為化試験の報告と類似していたが、β遮断薬とワルファリンについて併存疾患によりばらつきがみられたことを報告した。また、クロピドグレル、メトホルミン、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)は、生存ベネフィットとの関連がみられなかったという。結果を踏まえて著者は、「併存疾患の組み合わせによる治療効果を明らかにすることが、複数慢性疾患を有する患者の処方せんガイドになるだろう」とまとめている。BMJ誌オンライン版2015年10月2日号掲載の報告より。頻度の高い4疾患併存の高齢者の服薬と死亡の関連を調査 研究グループは、65歳以上の代表的サンプルを全米から集約した住民ベースコホート研究Medicare Current Beneficiary Surveyで、複数慢性疾患を有する高齢者のガイドライン推奨による服薬と死亡を調べる検討を行った。 被験者は、2つ以上の慢性疾患(心房細動、冠動脈疾患、慢性腎臓病、うつ病、糖尿病、心不全、脂質異常症、高血圧症、血栓塞栓症)を有する高齢者8,578例で、2005~2009年に登録、2011年まで追跡した。 被験者は、β遮断薬、Ca拮抗薬、クロピドグレル、メトホルミン、RAS系阻害薬、SSRI、SNRI、スタチン薬、サイアザイド系利尿薬、ワルファリンを服用していた。 主要評価項目は、疾患を有しガイドライン推奨薬を服用していた患者の、非服用患者と比較した死亡に関する補正後ハザード比で、頻度の高い4疾患を有していた患者における死亡補正後ハザード比とした。単疾患では抑制効果が高くても4併存疾患では減弱があることを確認 全体で、各疾患を有する患者の50%以上が、併存疾患にかかわらずガイドライン推奨薬を服用していた。 3年間の追跡期間中の死亡例は、1,287/8,578例(15%)であった。 心血管薬では、β遮断薬、Ca拮抗薬、RAS系阻害薬、スタチンは、対象疾患に関する死亡を抑制することが認められた。たとえば、β遮断薬の補正後ハザード比は、心房細動を有する患者では0.59(95%信頼区間[CI]:0.48~0.72)、心不全患者では0.68(同0.57~0.81)であった。 これら心血管薬の補正後ハザード比は、4つの併存疾患を有する被験者でも類似した値がみられたが、β遮断薬は4併存疾患の組み合わせによりばらつきがみられた。0.48(心房細動/冠動脈疾患/脂質異常症/高血圧)から、0.88(うつ病/冠動脈疾患/脂質異常症/高血圧)にわたっていた。 一方、クロピドグレル、メトホルミン、SSRI、SNRIでは、死亡の抑制効果はみられなかった。 また、ワルファリンは、心房細動(補正ハザード比:0.69、95%CI:0.56~0.85)、血栓塞栓症(0.44、0.30~0.62)を有する患者で、死亡リスクの抑制が認められたが、頻度の高い4併存疾患患者では、その抑制効果が減弱することが確認された。0.85(心房細動/冠動脈疾患/脂質異常症/高血圧)から、0.98(心房細動/うつ病/脂質異常症/高血圧)の範囲にみられた。

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