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虚血性僧帽弁逆流症に対する弁置換 vs.弁形成:2年成績(ランダム化比較試験)(解説:大野 貴之 氏)-452

 虚血性僧帽弁逆流症に対する外科的治療としては、弁形成術と弁置換術がある。過去の観察試験から、僧帽弁置換術は形成術と比較して術後死亡率と合併症発生率が高いこと、弁形成術のほうが術後心機能は良好であることが指摘されている。 一方、僧帽弁置換術も弁下組織を温存する術式を採用することにより、術後心機能を保てるとの意見もある。これまで、弁置換と弁形成を比較したランダム試験はなかった。本論文は、重症(severe)虚血性僧帽弁逆流症の患者251例を対象として、弁形成(downsized annuloplasty)と弁尖温存弁置換術を比較したランダム化試験である。 評価項目は、追跡期間2年間の心機能、脳梗塞、中等度以上の僧帽弁逆流、再入院、QOL である。結果(弁形成 vs.弁置換)は、術後心機能に関して、左室収縮終期容積係数(LVESVI)は52.6mL/m2 vs.60.6mL/m2(p=0.19)、死亡19.0% vs.23.2%(p=0.39)、脳梗塞7.9% vs.5.6%(p=0.46)、中等度以上の僧帽弁逆流58.8% vs.3.8%(p<0.001)、心血管事故に関連した入院48.3% vs.32.2%(p=0.01)であった。QOLに関しては有意な差を認めなかった。 つまり、観察研究で指摘されていたように弁置換の死亡率が高く、弁形成術で術後心機能が良好であることはなかった。この試験結果で特筆すべきは、弁形成術で圧倒的に僧帽弁逆流再発が多いこと、そして、おそらく逆流再発が原因と考えられる心不全による再入院が多いことである。ただし、弁置換後の血栓塞栓症・心内膜炎に関しては、長期追跡が必要である。さらにこの試験には、弁形成術の経験豊富な外科医が参加しているが、弁形成術は単なるdownsized annuloplastyであり、弁下部に対する付加的手技(乳頭筋吊り上げ、2次腱索の切断など)は施行されていない。弁下部に対する付加的手技を加えた弁形成術と弁置換を比較したランダム化試験が必要である。

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厳格降圧のベネフィットは高リスク患者ほど大きい/Lancet

 中国・北京大学第一病院のXinfang Xie氏らは高血圧治療に関する最新のシステマティックレビューとメタ解析を行い、厳格降圧療法は標準降圧療法と比べて血管保護効果が大きいことを報告した。最近改訂された現行の高血圧ガイドラインは、心血管疾患や腎疾患、糖尿病などを有する高リスク患者の降圧目標について、以前とは推奨を逆転させている。検討グループは、このガイドラインの変化が厳格降圧療法戦略に対する疑念を提示したものとして、厳格降圧療法の有効性と安全性を評価するため本検討を行った。Lancet誌オンライン版2015年11月7日号の掲載報告より。メタ解析で、降圧の重大心血管イベントなどへの影響を評価 検討は、1950年1月1日~2015年11月3日のMEDLINE、Embase、Cochrane Libraryを検索し無作為化対照試験を包含して行った。適格条件は、フォローアップ6ヵ月以上、目標降圧値やベースラインからの血圧変化値は問わず、被験者を厳格降圧療と非厳格降圧療法に無作為に割り付けた試験とした。被験者の年齢、また論文の言語は問わなかった。 メタ解析で、降圧の重大心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、心不全、心血管死の各発生および複合発生)への相対リスク(RR)を評価した。また、非血管死および全死因死亡、末期腎臓病、有害事象についても評価し、糖尿病患者参加試験ではアルブミン尿、網膜症の進行についても調べた。140mmHg未満への降圧ベネフィットも確認 19試験、4万4,989例のデータを特定した。重大心血管イベントは、フォローアップ平均3.8年(範囲:1.0~8.4年)で2,496例が記録されていた。 メタ解析において、厳格降圧療法群の平均血圧値は133/76mmHg、非厳格降圧療法群は140/81mmHgであった。 厳格降圧療法群におけるRR抑制は、重大心血管イベントは14%(95%信頼区間[CI]:4~22%)、心筋梗塞13%(同:0~24%)、脳卒中22%(10~32%)、アルブミン尿10%(3~16%)、網膜症進行19%(0~34%)であった。 一方で、心不全(RR:15%、95%CI:-11~34%)、心血管死(9%、-11~26%)、総死亡(9%、-3~19%)、末期腎臓病(10%、-6~23%)については、厳格降圧療法の明確な効果は認められなかった。 重大心血管イベントの抑制は、患者群を問わずみられ、収縮期血圧140mmHg未満患者へのさらなる降圧についても、明確なベネフィットが認められた。最も大きな絶対ベネフィットは、心血管疾患、腎疾患、糖尿病を有する患者が参加した試験でみられた。 重大有害事象は、降圧と関連していたが、報告は6試験のみであり、年当たりのイベント発生率は、厳格降圧療法群1.2%、非厳格降圧療法群は0.9%であった(RR:1.35、95%CI:0.93~1.97)。厳格降圧療法群のほうが重大低血圧症の発生頻度が有意に高かったが(RR:2.68、95%CI:1.21~5.89、p=0.015)、過剰絶対リスクは小さかった(追跡期間中の人年当たり0.3% vs.0.1%)。 これらの結果を踏まえて著者は、「厳格降圧療法は、標準降圧療法よりも血管保護効果が大きいことが示された。また、高リスク患者では、140mmHg未満患者も含めて降圧が厳格なほどベネフィットは大きかった」と述べ、「厳格降圧のネット絶対ベネフィットは、高リスク患者ほど大きい」とまとめている。

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肺動脈ワイヤレス・モニタリングの長期有効性を確認/Lancet

 埋込式圧センサーで肺動脈圧をモニタリングする「CardioMEMS」システムについて、NYHA心機能分類III患者を対象とした無作為化試験CHAMPIONの延長フォローアップ試験の結果が発表された。通常ケアのみと比べて心不全による入院発生は有意に低く、長期的ベネフィットが確認されたという。米国・オハイオ州立大学のWilliam T Abraham氏ら試験グループが報告した。同試験については6ヵ月時点で、通常ケアと比較して心不全入院発生の有意な低下が確認されていた。研究グループはシステムの長期有効性を調べるため、モニタリング群を18ヵ月時点で評価する延長試験を、また対照群について圧情報アクセスをオープンとしてその臨床的効果を調べるため13ヵ月間の追加試験を行った。Lancet誌オンライン版2015年11月6日号掲載の報告より。通常ケアのみ群を対照に無作為化試験 CHAMPION試験は、前向き並行群間比較の単盲検多施設共同にて、NYHA心機能分類IIIの症候性心不全で入院歴のある患者を登録して行われた。患者は、センターでのコンピューター割り付けで、モニタリング群と対照群に無作為に割り付けられた。モニタリング群は、日々のアップロード肺動脈圧を用いた薬物療法が行われ、対照群は同利用のない薬物療法が行われたが、ガイドラインに基づく標準的な治療、デバイス、疾病管理戦略のすべてが行われた。 モニタリング群の患者は患者の登録が終了するまで割り付けを知らされず、最低6ヵ月間の追跡を受けた(無作為化アクセス期間)。平均追跡期間は18ヵ月間であった。 同期間終了とともに、研究者は全患者について肺動脈圧モニタリングを行いながら治療を行う13ヵ月間のフォローアップを行った(オープンアクセス期間)。 主要アウトカムは、無作為化アクセス期間およびオープンアクセス期間における、モニタリング群と対照群の入院発生率で、intention to treat解析にて評価した。無線システム使用群の心不全入院率は33%低下 2007年9月6日~09年10月7日に、550例の患者をモニタリング群(270例)または対照群(280例)に無作為に割り付けた。 無作為化アクセス期間は2010年8月に完了し、347例の患者(モニタリング群177例、対照群170例)が、オープンアクセス期間に移行、2012年4月30日まで追跡を受けた。 結果、無作為化アクセス期間において、心不全入院率は、対照群と比較してモニタリング群で33%低かった(ハザード比[HR]:0.67、95%信頼区間[CI]:0.55~0.80、p<0.0001)。 治療ガイドのための肺動脈圧情報が入手可能となったオープンアクセス期間(13ヵ月間)において、対照群の心不全入院率は、無作為化アクセス期間よりも48%減少した(HR:0.52、95%CI:0.40~0.69、p<0.0001)。 有害事象などの報告は、デバイスまたはシステム関連の合併症が8例(1%)、処置関連の有害事象の7例(1%)であった。

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神経障害性疼痛を伴う慢性腰痛へのプレガバリン、費用対効果は良好

 神経障害性疼痛を伴う慢性腰痛(CLBP-NeP)の治療におけるプレガバリン(商品名:リリカ)の費用対効果について、東京大学大学院 薬学系研究科・薬学部 准教授の五十嵐 中氏らが、公的医療費支払者および社会の視点から分析した。日常的な臨床診療のデータと仮定を用いた結果、わが国においてCLBP-NePに対するプレガバリンによる治療は、費用対効果が良好であることが示されたという。ClinicoEconomics and Outcomes Research誌オンライン版2015年10月7 日号の掲載報告。 研究グループは、CLBP-NePに対するプレガバリンと通常治療の費用対効果を、増分費用対効果比(ICER)を用いて検討した。 効果はEQ-5D-5L調査より算出した質調整生存年(QALYs)で測定し、医療費および生産性損失を算出して、状態遷移モデル(軽度、中等度および重度疼痛の状態推移を表す)を用いた12ヵ月間のコホートシミュレーションを行った。疼痛重症度の分布は8週間の非介入研究から、また、各重症度に関する直接医療費を推計するための医療資源の消費は医師調査から得た。 1QALY獲得当たりのICERを算出するとともに、感度解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・直接医療費および入院費はいずれも、通常治療群と比較してプレガバリン群が低かった。・基本ケースにおいて、プレガバリンによる1QALY獲得当たりのICERは、公的医療費支払者の立場で約202万5,000円、社会の立場(生産性損失に関連した間接費を含む)で143万5,000円であった。・非介入研究から得られた術後疼痛スコア、最初の疼痛重症度レベルおよび現時点のEQ-5D-5Lスコアに関する代替値を使用した感度解析により、費用対効果解析の結果の頑健性が認められ、ICERsは基本ケースと類似していた。・費用対効果受容曲線を描出した結果、プレガバリンの費用対効果が良好となる確率は高かった(≧75%)。

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多発性骨髄腫に対するVTD療法 vs. VTDC療法、長期アウトカム比較

 多発性骨髄腫の導入療法として、VTD療法(ボルテゾミブ+サリドマイド+デキサメタゾン)とVTDC療法(VTD+シクロホスファミド)の長期アウトカムの違いを評価するため、オーストリア・Wilhelminenがん研究所のHeinz Ludwig氏らは、無作為化第II相試験のフォローアップ結果を報告した。British journal of haematology誌2015年11月号の報告。 多発性骨髄腫の新規診断患者98例をVTD(ボルテゾミブ静注[1.3mg/m2、第1、4、8、11日目]+サリドマイド[100mg、第1~21日目]+デキサメタゾン[40mg、第1~4日目および9~12日目])群とVTDC(VTD+シクロホスファミド[400mg/m2、第1、8日目])群に1:1で割り付け、幹細胞動員・移植前に4サイクル(21日/サイクル)実施した。 主な結果は以下のとおり。・中央値64.8ヵ月のフォローアップ後、次の治療までの期間(中央値)は、VTD群で51.8ヵ月、VTDC群で47.9ヵ月であった。・その後の治療内容は、両群とも類似していた。・中途打ち切りを調整後、進行までの期間(中央値)は、VTD群(35.7ヵ月)とVTDC群(34.5ヵ月)との間で有意な差は認められなかった(HR 1.26、95%CI:0.76~2.09、p=0.370)。・5年生存率は、VTD群で69.1%、VTDC群で65.3%であった。・微小残存病変(minimal residual disease:MRD)の有無により分析すると、骨髄で完全奏効(CR)が確認された患者の全生存期間は、MRD陽性と比較しMRD陰性で長かった(HR 3.66、p=0.0318)。・VTD療法に続く移植は、多発性骨髄腫の長期コントロールを可能とする。1次解析の結果と一致し、VTD療法にシクロホスファミドを追加することによるメリットは示されなかった。(ケアネット 鷹野 敦夫)血液内科関連Newsはこちらhttp://www.carenet.com/hemato/archive/news原著論文はこちらLudwig H, et al. Br J Haematol. 2015;171:344-354.

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喘息に抗IL-5モノクローナル抗体mepolizumabを承認:FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は2015年11月4日、mepolizumab(商品名:Nucala)を12歳以上の重症喘息患者の維持療法に他剤との併用で適応を承認した。 mepolizumabはヒト化抗IL-5モノクローナル抗体で、血中の好酸球レベルを下げることで喘息重責発作を抑える。4週ごとに皮下注射で投与する。 今回の承認は、既治療の重症喘息患者に対し、従来の治療にmepolizumabまたはプラセボ追加して比較した3つの二重盲検無作為プラセボ対照試験の成績によるもの。mepolizumab治療群の患者は、プラセボ群に比較して急性発作(増悪)による入院または救急部受診を減少させた。くわえて、経口ステロイドの使用量が大幅に減少した。一方、有意な呼吸機能(1秒量)の改善にはつながらなかった。 mepolizumabで頻度の高い副作用は頭痛、注射部疼痛(痛み、発赤、腫脹、かゆみ、灼熱感)、背部痛、疲労感であった。過敏性反応は数時間から数日の間に発生し、顔面・口・舌の腫脹;失神、めまい、もうろう感;じんましん;呼吸困難、皮疹であった。 mepolizumabはGlaxoSmithKlineが製造する。FDAのプレスリリースはこちら。

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新規抗てんかん薬P3、てんかん部分発作の補助治療に有用

 米国・Mid-Atlantic Epilepsy and Sleep Center のPavel Klein氏らは、選択的高親和性シナプス小胞タンパク質2Aリガンドであるbrivaracetam(BRV、国内未承認)の、てんかん部分(焦点)発作(POS)の補助治療としての有効性と安全性を明らかにする、第III相の多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検試験を行った。その結果、発作頻度の減少および反応率のいずれにおいても、BRV100mg/日およびBRV200mg/日投与はプラセボに比べ有意に優れ、忍容性も良好であることを報告した。Epilepsia誌オンライン版2015年10月16日号の掲載報告。 試験は、16歳以上80歳未満のPOS成人男性におけるBRVの有効性と安全性/忍容性を明らかにすることを目的とした。1~2種類の抗てんかん薬によってもコントロール不良なPOS患者を対象とし、初回診察前90日以内にレベチラセタムの投与を受けた患者は除外した。8週間のベースライン期を経た後、被験者をプラセボ群、BRV100mg/日群、BRV200mg/日群に1対1対1に無作為に割り付け、漸増することなく12週間治療を行った。主要有効性アウトカムは2つで、28日目の調整POS頻度のプラセボに対する減少率と、ベースラインから治療期までのPOS頻度減少率に基づいて算出した反応率(50%以上)とした。 主な結果は以下のとおり。・768例が無作為化され、有効性の解析対象症例は760例であった(プラセボ群259例、BRV100mg/日群252例、BRV200mg/日群249例)。・28日目の補正後発作頻度のプラセボ群に対する減少率(95%信頼区間[CI])は、BRV100mg/日群22.8%(13.3~31.2%、p<0.001)、BRV200mg/日群23.2%(13.8~31.6%、p<0.001)であった。・50%以上の反応率は、プラセボ群21.6%、BPV100mg/日群38.9%(プラセボに対するオッズ比:2.39、95%CI:1.6~3.6、p<0.001)、BRV200mg/群37.8%(同:2.19、1.5~3.3、p<0.001)であった。・治療下で発現した有害事象は、プラセボ群では261例中155例(59.4%)、BRV投与群(安全性解析対象症例)では503例中340例(67.6%)であった。・治療下で発現した有害事象による治療中止率は、プラセボ群3.8%、BPV100mg/日群8.3%、BRV200mg/日群6.8%であった。・最も高頻度に認められたTEAE(プラセボ vs.BRV)は、眠気(7.7% vs.18.1%)、めまい(5.0% vs.12.3%)、疲労(3.8% vs.9.5%)であった。関連医療ニュース 高齢てんかん患者への外科的切除術は行うべきか てんかんドライバーの事故率は本当に高いのか 日本人難治性てんかん、レベチラセタムは有用か  担当者へのご意見箱はこちら

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糖尿病治療中こそ禁煙が大事!

糖尿病とタバコの関係 喫煙により、インスリンの効きが悪くなること(インスリン抵抗性)が知られています。 現在は糖尿病でない方も、糖尿病になる可能性も上がります。 血管に負担がかかるため、腎機能障害が進みやすく透析になってしまう確率も上がります。2 糖尿病患者が喫煙をすると、喫煙をしない場合に対して死亡率が1.55倍に上昇するという結果が報告されました。1-糖尿病患者の死亡リスク1.55非喫煙者喫煙者Pan A, et al. Circulation. 2015 Aug 26. [Epub ahead of print]糖尿病治療中の方こそ、禁煙が大事です!社会医療法人敬愛会 ちばなクリニックCopyright © 2015 CareNet,Inc. All rights reserved.清水 隆裕氏

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ジェットコースターに乗って耳が聞こえるようになった少女【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第55回

ジェットコースターに乗って耳が聞こえるようになった少女 FREEIMAGESより使用 ジェットコースターは苦手です。私は絶叫マシンが大嫌いで、ディズニーランドのメリーゴーラウンドでもビビるくらいです。 ジェットコースターは強い重力、いわゆる“G”がかかります。そのため、身体的には非常に負荷がかかります。それによって健康を損なわれることもあるかもしれません。そういう報告もたくさんあります。2ヵ月前の連載でも「ジェットコースターに乗ったら喀血した女性」を紹介しました。 しかし今回紹介するのは、ジェットコースターに乗ったら耳が聞こえるようになった奇跡の物語。 Kumar A, et al. Resolution of sudden sensorineural hearing loss following a roller coaster ride. Indian J Otolaryngol Head Neck Surg. 2011;63:104-106. この論文はインドの耳鼻咽喉科の医学雑誌に発表されました。うーん、見たことも聞いたこともない医学雑誌だ…。主人公である16歳の少女は、飛行機に乗った後右側の聴覚が失われていることに気付き、耳鼻咽喉科を受診しました。純音聴力検査では両側感音性難聴があり、とくに右側で強かったそうです。左側にも感音性難聴がありましたが、とくに自覚はなかった(聞こえていた)とのこと。インピーダンス聴力検査では両側A型という結果でした。突発性難聴も鑑別に入れ、経験的にステロイドやアシクロビルなどの治療が行われましたが、その後2ヵ月もの間、残念ながら聴覚はまったく戻らなかったそうです。イギリスにある超絶叫マシン「Rita-Queen of Speed」。少女はこれに乗ったそうです。スタッフォードシャーの人気テーマパーク「アルトン・タワーズ」にある世界的に有名なジェットコースターです。YouTubeを見るとわかりますが、ガタゴトガタゴトと上に昇っていくあの恐怖がなく、いきなり高速発車というとんでもない絶叫マシンです。重力負荷は4.7Gだそうです。いやあコワイ。私はこんなの乗れません。乗った後に驚いたでしょうね、2ヵ月以上も聞こえなかった右耳が突然元に戻っていたのですから。耳鼻咽喉科を受診したところ、純音聴力検査は正常に戻っていたそうです。臨床的な経過としては突発性難聴でよさそうな感じですが、回復過程が典型的ではないと論文に書かれています。確かに、2ヵ月後にジェットコースターに乗ったらいきなり治りました、というのはあまり見かけませんよね。さすがに、「絶叫マシンが突発性難聴の治療法となりうる」という極論までは書かれていませんでした。インデックスページへ戻る

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新生児期の百日咳感染、てんかんリスク増大/JAMA

 百日咳の病院診断歴のある新生児は、一般集団と比較して10歳時のてんかんリスクが1.7倍高いことが、デンマーク全国患者レジストリ(DNPR)の長期追跡データの分析から示された。ただし絶対リスクは1.7%と低かった。同国オーフス大学病院のMorten Olsen氏らが報告した。新生児における百日咳罹患は脳症およびけいれん発作と関連するが、その後の小児てんかんリスクについては不明であった。JAMA誌2015年11月3日号掲載の報告。1978~2011年の住民ベース医療レジストリデータを分析 研究グループは、百日咳が長期てんかんリスクと関連しているかどうかを調べるため、デンマーク全病院をカバーする住民ベースの医療レジストリの中から、1978~2011年に生まれ百日咳を有した(入院または病院外来部門で百日咳と診断)全患者コホートを特定し、2011年末まで追跡した。また、Civil Registration Systemを用いて、百日咳患者1例につき10例の、性別と出生年を適合させた一般集団からの対照を特定した。 主要評価項目は、てんかん累積発生率およびハザード比(百日咳コホート vs.一般集団コホート)で、出生年、性別、母親のてんかん歴、先天奇形の有無、在胎月齢で補正を行い評価。個人認証データシステムと突合して死亡、転居、病院受診についてフォローアップを完遂した。罹患児の10歳時点のてんかん累積発生率1.7%、一般集団は0.9% 対象期間中の百日咳患者は、4,700例(48%が男児)であった。53%が6ヵ月未満での罹患で、出生年別にみると1993~97年が23%と最も多く、直近の2008~11年が4%と最も少なかった。 患者群のうち90例が、フォローアップ中にてんかんを発症した(罹患率1.56/1,000人年、対照群[511例]罹患率は0.88/1,000人年)。 10歳時点のてんかん累積発生率は、百日咳患者群が1.7%(95%信頼区間[CI]:1.4~2.1%)、対照群は0.9%(同:0.8~1.0%)であった。補正後ハザード比は1.7(同:1.3~2.1)であった。

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入院医療費が高額な医師ほど訴訟リスクは低い/BMJ

 同じ専門科の中で医療資源の使用(入院医療費)が高額の医師のほうが、低額の医師に比べ、翌年の医療過誤訴訟の発生リスクが低い傾向にあることが明らかにされた。産科婦人科については、帝王切開実施率が高い医師ほど、同訴訟リスクが低かった。米国・ハーバード大学医学校のAnupam B. Jena氏らが、約2万5,000人の医師について行った観察試験の結果、報告した。先行研究で、多くの医師が自衛的医療を行っていることが明らかになっていたが、医療資源の使用と医療過誤訴訟リスクとの関連については検討されていなかった。BMJ誌オンライン版2015年11月4日号掲載の報告より。7つの専門科における入院医療費データを調査 研究グループは2000~09年にかけて、フロリダ州の急性期病院入院データを用い、7つの専門科担当医(内科、内科各専門、家庭医、小児科、一般外科、外科各専門、産科婦人科)について、使用した医療資源(入院医療費)が高額なほど、翌年の医療過誤申し立て件数が少ない傾向がみられるかを調べた。入院医療費は五分位に層別化して評価。患者の特性、併存疾患、診断名について補正を行った。 調査では、医師2万4,637人、延べ15万4,725人年、入院1,835万2,391件、医師に対する医療過誤訴訟数4,342件(2.8%/医師年)のデータが得られ分析した。専門科を問わず、入院医療費が高額なほど訴訟リスクは低い 結果、専門科を問わず平均入院医療費が高額な医師ほど、医療過誤で訴えられるリスクが少ない傾向が認められた。 具体的には、内科医の医療過誤訴訟発生率は、平均入院医療費が最も低い第1五分位(入院1件当たり1万9,725ドル)群では1.5%(95%信頼区間:1.2~1.7)だったのに対し、最も高い第5五分位(同3万9,379ドル)群は0.3%(同:0.2~0.5)だった。同様に、内科各専門医は1.7%(入院1件当たり2万3,626ドル)と0.2%(4万6,654ドル)、家庭医は0.5%(1万3,809ドル)と0.2%(3万5,305ドル)、小児科医は0.7%(9,121ドル)と0.1%(1万9,916ドル)、一般外科医は2.3%(2万5,141ドル)と0.4%(5万1,987ドル)、外科各専門医は1.7%(2万6,979ドル)と0.1%(6万1,907ドル)、産科婦人科医は1.9%(8,653ドル)と0.4%(1万8,162ドル)だった。 産科婦人科では、帝王切開が医師の自衛的医療の影響を受けると考えられており、帝王切開件数と翌年の医療過誤件数との関連を調べた。 その結果、リスク補正後の帝王切開年間実施率が高い医師のほうが、翌年の医療過誤訴訟の発生率が低かった。具体的には、年間実施が最も少ない第1五分位(実施率5.1%)群では5.7%であり、最も多い第5五分位(31.6%)群では2.7%だった。

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FDA、第3世代TKI(AZD9291)を承認

 アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者[CEO]:パスカル・ソリオ、以下、アストラゼネカ)は、2015年11月13日、AZD9291(商品名:TAGRISSO)80mg錠が、EGFR-TKIによる治療後に病勢進行した転移 EGFR T790M変異陽性非小細胞肺がん(以下、NSCLC)の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得したと発表。AZD9291はFDAにより、迅速審査、画期的治療薬、優先審査および迅速承認のステータスを付与されていた。 AZD9291のFDA承認は、EGF-TKIの使用中または使用後に病勢進行した411例のEGFR T790M変異陽性NSCLCにおいて、有効性を示した2つのAURA第II相試験(AURA第II相延長試験、AURA2試験)のデータに基づいている。  AZD9291の頻度の高い有害事象は、下痢(全グレード:42%、グレード3/4:1%)、発疹(全グレード:41%、グレード3/4:0.5%)、皮膚乾燥(全グレード:31%、グレード3/4:0%)、爪毒性(全グレード:25%、グレード3/4:0%)であった。警告・使用上の注意には間質性肺疾患、QT間隔延長、心筋症、および胎児毒性が含まれる。 AZD9291のコンパニオン診断薬として、cobas EGFR Mutation Test v2も承認された。アストラゼネカ株式会社プレスリリースはこちら。FDAのプレスアナウンスメントはこちら。

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「糖尿病トライアルデータベース」がリニューアル

 ライフサイエンス出版株式会社は、約1,000報の糖尿病関連トライアルを収載した日本最大級の糖尿病研究データベース「糖尿病トライアルデータベース」を11月にリニューアルした。  目まぐるしく新薬ラッシュが続く糖尿病領域において、試験概要をもう一度詳しく調べたい場合や研究内容のチェックに活躍する。検索しやすく、編集委員のコメント付き 特長として、糖尿病のトライアルに関し、さまざまな方法で検索できることが挙げられる。たとえば、トップページの検索窓に任意の検索語を直接入力する方法や、トライアル名や著者名の頭文字がわかっている場合は、検索窓の下に並ぶアルファベットをクリックするだけで、表示された一覧から目的のトライアルを探すことができる。 トライアルの詳細は、抄録が項目(目的/試験デザイン/対象患者/方法/結果/結論)ごとにコンパクトかつ必要十分にまとめられているので、短時間で必要とする情報にたどり着くことができる。さらに、片山 茂裕氏(埼玉医科大学かわごえクリニック・埼玉医科大学)をはじめとする、糖尿病領域のオピニオンリーダー6人の編集委員による各トライアルについてのコメントも付いている。それぞれのトライアルの重要度を4段階で評価し、「研究結果の捉え方」や「今後の糖尿病治療への影響」など、さまざまな側面からの解説がなされている。 また、糖尿病治療に大きなインパクトを与えた研究(例:ACCORD、ADVANCE、UKPDS 80、久山町研究、熊本スタディなど)は「おさえておきたい重要トライアル」のコーナーにまとめられており、利便性も図られている。データベースは無料かつ会員登録不要 同データベースの閲覧はすべて無料であり、会員登録も不要としている。定期的にサイトにアクセスするだけで、新しいエビデンスに触れることができる。なお、データベース更新のお知らせはtwitter「@EBM_Library」でもツイートされている。「糖尿病トライアルデータベース」は、こちら詳しくは、ライフサイエンス出版株式会社まで。

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アルツハイマー病、進行前の早期発見が可能となるか

 アルツハイマー病(AD)に対する新しい治療法の開発を促進するため、早期診断バイオマーカーに大きな関心が寄せられている。MRIによる神経変性の測定はバイオマーカーの良い候補と考えられているが、これまでのところ病理学的な初期段階で有効性は示されていない。フランス国立科学研究センター(CNRS)のPierrick Coupe氏らは、MRIを用いた新たな海馬評価スコアを開発し、認知機能が障害されていない患者における認知症発症の早期発見に役立つかどうかを検証した。その結果、ADへ進行する7年前の海馬評価スコアが、海馬容積やMMSEスコアよりも予測精度が高いことを明らかにした。著者らは、「今回の研究は先行研究と比較して追跡期間が長期であり、この新しい画像バイオマーカーは臨床的に重要な意義がある。精度が高いことから、ADへ進行するリスクが高い認知機能正常患者の特定に役立つだろう」とまとめている。Human Brain Mapping誌オンライン版2015年10月10日の掲載報告。 研究グループは、健常者とAD患者を含むフランス3都市コホート研究の対象者において、MRIを用い、解剖学的パターンと類似性の高い新しい海馬評価スコアをパターン認識手法に基づいて作成し、12年間追跡調査した。 主な結果は以下のとおり。・ADへ進行する7年前の海馬評価の予測精度は最大72.5%(p<0.0001)で、海馬容積(58.1%、p=0.04)とMMSEスコア(56.9%、p=0.08)のどちらよりも精度が高かった。・ROC曲線下面積は、海馬容積(64.6%)より海馬評価(73.0%)が8.4ポイント高く、画像バイオマーカーの有効性が示された。・この新しい方法は、臨床スコアの推定に適応できることも示された。関連医療ニュース 早期アルツハイマー病診断に有用な方法は 統合失調症の正確な早期診断のためには 軽度認知障害からの進行を予測する新リスク指標  担当者へのご意見箱はこちら

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