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てんかん発作を8分前に予知する技術を開発

 いつ起こるかわからない「てんかん発作」を心拍数の変動から予知する仕組みが開発された。熊本大学の山川 俊貴氏は、京都大学の藤原 幸一氏、東京医科歯科大学の宮島 美穂氏らとの共同研究で、脳の病気であるてんかんの発作を、脳波ではなく心電図を基に算出した「心拍変動」から高精度で予知することに成功した。本研究は、日常的に身につけることが可能(ウェアラブル)なてんかん発作予知システムの開発のため行われた。本研究結果により、発作によるけがや事故を防ぎ、患者さんが安心して暮らすことのできる社会の実現につながると期待が寄せられている。IEEE transactions on bio-medical engineering誌2015年12月24日号の掲載報告。  心拍数を用いたてんかん発作の予知においては、これまで変動解析手法による分析方法が用いられていたが、平常時と発作前の差がわかりにくい、個人差が大きいといった理由から、実用化は困難と考えられていた。 そこで研究グループは、多変量統計的プロセス管理(MultivariateStatistical Process Control:MSPC)という工学的手法で心拍数の揺らぎを解析した。対象としたのはビデオ脳波モニタリングのために入院した患者14例で、心電図データをMSPCによって解析した。 主な結果は以下のとおり。・91%の精度で発作を予知することが可能であることが示された(偽陽性頻度は1時間に0.7回)。・また、発作が起こる約8分前(494±262秒[平均±SD]前)に予知することが可能であることがわかった。 本研究の結果について、研究グループは「わかりやすく、偽陽性が少ないことから、高精度なてんかん発作の予知が可能であることが証明された」と結論付け、心臓のそばに取り付けるウェアラブル予知デバイスの開発を進めることにしている。 熊本大学プレスリリースはこちら(PDF)。

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DPP-4阻害薬と心不全による入院に関連はあるのか?(解説:小川 大輔 氏)-494

 2型糖尿病の治療において、DPP-4阻害薬は海外では第1選択薬のメトホルミンに次ぐ第2選択薬の1つという位置付けであるが、わが国では最も広く使用されている糖尿病治療薬である。DPP-4阻害薬が汎用される理由は、使い勝手が良く低血糖を起こしにくいためと考えられる。 一方で、DPP-4阻害薬は免疫系に対する影響や、膵炎・膵臓がんに対するリスク、心不全に対するリスクが以前より懸念されている。最近BMJ誌に、インクレチン関連薬と膵臓がんに関するレビュー1)と、DPP-4阻害薬と心不全に関するレビューが同時に掲載された2)。それぞれ、ジャーナル四天王の2016年3月2日公開の記事(インクレチン製剤で膵がんリスクは増大するか)および2016年2月26日公開の記事(DPP-4阻害薬は心不全入院リスクを高める可能性)に、要旨が掲載されているので参照されたい。 今回、中国の研究者らは、2型糖尿病患者におけるDPP-4阻害薬の使用による心不全リスクの増大について、無作為化比較試験(RCT)および観察研究のシステマティックレビューとメタ解析を行い報告した。心不全については、RCTと観察研究のいずれの解析においても、DPP-4阻害薬群と対照群との間で心不全のリスクに有意差は認められなかった。一方、心不全による入院に関しては、RCT・観察研究ともDPP-4阻害薬群で対照群よりリスクが増加することが示唆された。 この論文では、とくに心血管疾患のリスクを有する2型糖尿病患者においてはDPP-4阻害薬の使用により、心不全そのもののリスクは増えないものの、心不全による“入院”のリスクが若干増大する可能性がある、と指摘している。しかし、この結論をそのまま受け入れることは難しい。なぜなら、著者らが本文中に記載しているとおり、RCT・観察研究の追跡期間が約1~2年と短く、また解析対象とした研究のエビデンスの質が、すべてにおいて高いとはいえないためである。 それ以前に、心不全は増えないが心不全による“入院”が増えるとは、一体何を意味するのか? 心不全が増えなければ、それによる入院も増えるはずがないのではないだろうか。結局、「DPP-4阻害薬の使用により、心不全のリスクも心不全による入院のリスクも増加するかどうかは不明である」というのがこのレビューの結論であろう。

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また新たに創薬のターゲットにされる脂質異常症関連遺伝子(解説:興梠 貴英 氏)-495

 2013年11月に発表されたAHA(米国心臓協会)の脂質異常症治療に関するガイドラインでは、動脈硬化性心血管疾患の発症リスクを有意に減少させるのはスタチンのみである、と結論付けている。その後、IMPROVE-IT試験でエゼチミブのスタチンへの上乗せ効果が認められたこともあり、臨床現場でも脂質異常症治療として、まずLDL-C低下が治療の第1選択肢となっている。しかし、LDL-Cを十分に下げても必ずしもイベント発症を完全に予防できるわけではなく、残存リスク低減のための新しい脂質異常症治療がいまだに求められており、たとえばAPOC3やLPAをターゲットにしたアンチセンス療法の治験が進みつつある。 Dewey氏らは、LPLを阻害することで中性脂肪濃度を上昇させる作用があるANGPTL4に機能喪失型の変異があるときにTG濃度が下がることを、4万2,930人を対象にエクソームシーケンスを行うことで調べ、さらに心血管系リスクも低下することを示した。また、この研究ではANGPTL4を低下させる抗体医薬をマウスおよびサルに対して投与し、TG濃度が下がることを確認している。 一方で、Angptl4のノックアウトマウスではTG濃度は下がるものの、高脂肪食を与えた場合には、小腸由来のリンパ管や腸間膜リンパ節に乳糜腹水を伴う脂肪肉芽腫様の炎症を起こし、寿命が短くなることが報告されており1)、本研究においても抗体医薬投与を受け、高脂肪食を与えられたマウスにおいて、脂肪を蓄積したツートン型巨細胞および腸管リンパ節の腫脹を認めている。 さらに、サルでもメスにおいてのみではあるが、腸管リンパ節に脂肪の蓄積を認めている。ANGPTL4に機能喪失型の変異を有する被験者のカルテ調査をした限りでは、腹部その他のリンパ関連疾患は見つからなかった、ということであるが、今後薬剤の開発が進んでいく中では、同様の副作用が出現しないか注目する必要があるだろう。 また、ターゲット遺伝子や蛋白の発現量を下げるための手法として、アンチセンスや抗体医薬は比較的開発しやすいのかもしれないが、脂質異常症があったからといって、ただちに生命の危機につながるわけではなく、逆に、薬物によって減らせるリスクがさほど大きくないことを考えた場合、高価になりがちな治療法が現実に用いられるようになるのかはやや疑問である。LPAのようにそれ自身に酵素活性などなく、遺伝子発現を抑えるしかない場合はともかく、それ以外の場合は将来的には(発見されれば、という条件付きではあるが)低分子薬が本命となるのではないか、と考えられる。

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尿素サイクル異常症〔UCD : urea cycle disorders〕

1 疾患概要■ 概念・定義尿素サイクル異常症(urea cycle disorders:UCD)とは、尿素サイクル(尿素合成経路)を構成する代謝酵素に先天的な異常があり高アンモニア血症を来す疾患を指す。N-アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症、カルバミルリン酸合成酵素欠損症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、シトルリン血症I型、アルギニノコハク酸尿症、高アルギニン血症(アルギナーゼ欠損症)、高アンモニア高オルニチン高ホモシトルリン尿(HHH)症候群、リジン尿性蛋白不耐症、シトリン異常症、オルニチンアミノ基転移酵素欠損症(脳回転状脈絡膜網膜萎縮症)が含まれる。■ 疫学UCDは、希少難病である先天代謝異常症のなかで最も頻度が高い疾患のひとつであり、尿素サイクル異常症に属する各疾患合わせて、約8,000人に1人の発生頻度と推定されている。家族解析やスクリーニング検査などで発見された「発症前型」、新生児早期に激しい高アンモニア血症を呈する「新生児期発症型」、乳児期以降に神経症状が現れ、徐々に、もしくは感染や飢餓などを契機に、高アンモニア血症と症状の悪化がみられる「遅発型」に分類される。■ 病因尿素サイクルは、5つの触媒酵素(CPSI、OTC、ASS、ASL、ARG)、補酵素(NAGS)、そして少なくとも2つの輸送タンパクから構成される(図1)。UCDはこの尿素サイクルを構成する各酵素の欠損もしくは活性低下により引き起こされる。CPSI:カルバミルリン酸合成酵素IOTC:オルニチントランスカルバミラーゼASS:アルギニノコハク酸合成酵素ASL:アルギニノコハク酸分解酵素ARG:アルギナーゼ補助因子NAGS:N-アセチルグルタミン酸合成酵素ORNT1:オルニチンアミノ基転移酵素CPSI欠損症・ASS欠損症・ASL欠損症・NAGS欠損症・ARG欠損症は、常染色体劣性遺伝の形式をとる。OTC欠損症はX連鎖遺伝の形式をとる。画像を拡大する■ 症状疾患の重症度は、サイクル内における欠損した酵素の種類、および残存酵素活性の程度に依存する。一般的には、酵素活性がゼロに近づくほど、かつ尿素サイクルの上流に位置する酵素ほど症状が強く、早期に発症すると考えられている。新生児期発症型では、出生直後は明らかな症状を示さず、典型的には異化が進む新生児早期に授乳量が増えて、タンパク負荷がかかることで高アンモニア血症が助長されることで発症する。典型的な症状は、活力低下、傾眠傾向、嘔気、嘔吐、体温低下を示し、適切に治療が開始されない場合は、痙攣、意識障害、昏睡を来す。神経症状は、高アンモニア血症による神経障害および脳浮腫の結果として発症し、神経学的後遺症をいかに予防するかが重要な課題となっている。遅発型は、酵素活性がある程度残存している症例である。生涯において、感染症や激しい運動などの異化ストレスによって高アンモニア血症を繰り返す。高アンモニア血症の程度が軽い場合は、繰り返す嘔吐や異常行動などを契機に発見されることもある。睡眠障害や妄想、幻覚症状や精神障害も起こりうる。障害性脳波(徐波)パターンも、高アンモニア血症においてみられることがあり、MRIによりこの疾患に共通の脳萎縮が確認されることもある。■ 予後新生児透析技術の進歩および小児肝臓移植技術の進歩により、UCDの救命率・生存率共に改善している(図2)。それに伴い長期的な合併症(神経学的合併症)の予防および改善が重要な課題となっている。画像を拡大する2 診断 (検査・鑑別診断も含む)UCDの診断は、臨床的、生化学的、分子遺伝学的検査に基づいて行われる(図3)。血中アンモニア濃度が新生児は120μmol/L(200μg/dL)、乳児期以降は60μmol/L(100 μg/dL)を超え、アニオンギャップおよび血清グルコース濃度が正常値である場合、UCDの存在を強く疑う。血漿アミノ酸定量分析が尿素サイクル異常の鑑別診断に用いられる。血漿アルギニン濃度はアルギナーゼ欠損症を除くすべてのUCDで減少し、一方、アルギナーゼ欠損症においては5~7倍の上昇を示す。血漿シトルリン濃度は、シトルリンが尿素サイクル上流部の酵素(OTC・CPSI)反応による生成物であり、また下流部の酵素(ASS・ASL・ARG)反応に対する基質であることから、上流の尿素サイクル異常と下流の尿素サイクル異常との鑑別に用いられる。尿中オロト酸測定は、CPSI欠損症・NAGS欠損症とOTC欠損症との判別に用いられる。肝生検が行われる場合もある。日本国内の尿素サイクル関連酵素の遺伝子解析は、研究レベルで実施可能である。画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)確定診断後の治療は、それぞれのUCDの治療指針に従い治療を行う。各専門書もしくはガイドライン(EUおよび米国におけるガイドライン)が、インターネットで利用できる。日本国内では、先天代謝異常学会を中心として尿素サイクル異常症の診療ガイドラインが作られて閲覧可能である。専門医との連携は不可欠であるが、急性発作時には搬送困難な場合も多く、状態が安定しないうちには患児を移動せずに、専門医と連絡を取り合って、安定するまで拠点となる病院で治療に当たることが望ましい場合もある。■急性期の治療は、以下のものが主柱となる。1)血漿アンモニア濃度の迅速な降下を目的にした透析療法血漿アンモニア濃度を早急に下降させる最善策は透析であり、血流量を速くするほどクリアランスはより早くに改善される。透析方法は罹患者の病状と利用可能な機材による。具体的には、血液濾過(動脈‐静脈、静脈‐静脈のどちらも)、血液透析、腹膜透析、連続ドレナージ腹膜透析が挙げられる。新生児に対しては、持続的血液濾過透析(CHDF)が用いられることが多い。2)余剰窒素を迂回代謝経路により排出させる薬物治療法アンモニア生成の阻害は、L-アルギニン塩酸塩と窒素除去剤(フェニル酪酸ナトリウムと安息香酸ナトリウム)の静脈内投与により行われる。負荷投与後に維持投与を行い、初期は静脈内投与により行い、病状の安定に伴い経口投与へ移行する(投与量は各専門書を参照のこと)。フェニル酪酸ナトリウム(商品名:ブフェニール)は、2013年1月に処方可能となった。投与量は添付文書よりも少ない量から開始することが多い(上記、国内ガイドライン参照)。3)食物中に含まれる余剰窒素の除去特殊ミルクが、恩賜財団母子愛育会の特殊ミルク事務局から無償提供されている。申請が必要である。4)急性期の患者に対してカロリーは炭水化物と脂質を用いる。10%以上のグルコースと脂肪乳剤の静脈内投与、もしくはタンパク質を含まないタンパク質除去ミルク(S-23ミルク:特殊ミルク事務局より提供)の経鼻経管投与を行う。5)罹患者において、非経口投与から経腸的投与への移行はできるだけ早期に行うほうがよいと考えられている。6)24~48時間を超える完全タンパク質除去管理は、必須アミノ酸の不足により異化を誘導するため推奨されていない。7)神経学的障害のリスクの軽減循環血漿量の維持、血圧の維持は必須である。ただし、水分の過剰投与は脳浮腫を助長するため昇圧薬を適切に併用する。心昇圧薬は、投与期間と神経学的症状の軽減度には相関が認められている。※その他マンニトールは、尿素サイクル異常症に伴う高アンモニア血症に関連した脳浮腫の治療には効果がないと考えられている。■慢性期の管理1)初期症状の防止異化作用を防ぐことは、高アンモニア血症の再発を防ぐ重要な管理ポイントとなる。タンパク質を制限した特殊ミルク治療が行われる。必要ならば胃瘻造設術を行い経鼻胃チューブにより食物を与える。2)二次感染の防止家庭では呼吸器感染症と消化器感染症のリスクをできるだけ下げる努力を行う。よって通常の年齢でのワクチン接種は必須である。マルチビタミンとフッ化物の補給解熱薬の適正使用(アセトアミノフェンに比べ、イブプロフェンが望ましいとの報告もある)大きな骨折後や外傷による体内での過度の出血、出産、ステロイド投与を契機に高アンモニア血症が誘発された報告があり、注意が必要である。3)定期診察UCDの治療経験がある代謝専門医によるフォローが必須である。血液透析ならびに肝臓移植のバックアップが可能な施設での管理が望ましい。罹患者年齢と症状の程度によって、来院回数と調査の頻度を決定する。4)回避すべき物質と環境バルプロ酸(同:デパケンほか)長期にわたる空腹や飢餓ステロイドの静注タンパク質やアミノ酸の大量摂取5)研究中の治療法肝臓細胞移植治療が米国とヨーロッパで現在臨床試験中である。:国内では成育医療センターが、わが国第1例目の肝臓細胞移植を実施した。肝幹細胞移植治療がベルギーおよび米国で臨床試験中である。:国内導入が検討されている。6)肝臓移植肝臓移植の適応疾患が含まれており、生命予後を改善している(図4)。画像を拡大する4 今後の展望UCDに関しては、長い間アルギニン(商品名:アルギUほか)以外の治療薬は保険適用外であり自費購入により治療が行われてきた。2013年に入り、新たにフェニル酪酸ナトリウム(同:ブフェニール)が使用可能となり、治療の幅が広がった。また、海外では適用があり、国内での適用が得られていないそのほかの薬剤についても、日本先天代謝異常学会が中心となり、早期保険適用のための働きかけを行っている。このような薬物治療により、アンモニアの是正および高アンモニア血症の治療成績はある程度改善するものと考えられる。さらに、小児への肝臓移植技術は世界的にも高いレベルに達しており、長期合併症を軽減した手技・免疫抑制薬の開発、管理方法の改善が行われている。また、肝臓移植と内科治療の中間の治療として、細胞移植治療が海外で臨床試験中である。細胞移植治療を内科治療に併用することで、コントロールの改善が報告されている。5 主たる診療科小児科(代謝科)各地域に専門家がいる病院がある。日本先天代謝異常学会ホームページよりお問い合わせいただきたい。学会事務局のメールアドレスは、JSIMD@kumamoto-u.ac.jpとなる。※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報日本先天代謝異常学会(医療従事者向けのまとまった情報)尿素サイクル異常症の診療ガイドライン(医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報全国尿素サイクル異常症患者と家族の会日本先天代謝異常学会 先天代謝異常症患者登録制度『JaSMIn & MC-Bank』公開履歴初回2013年12月05日更新2016年03月15日

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アリピプラゾール持続性注射剤を使いこなすために

 アリピプラゾール持続性注射剤(ALAI)が臨床使用可能となった。オーストラリア・モナッシュ大学のNicholas A Keks氏らは、ALAIの使用を決定する際の臨床医を支援するため本研究を行った。Australasian psychiatry誌オンライン版2016年2月23日号の報告。 主なまとめは以下のとおり。・アリピプラゾールは、過鎮静を起こしにくく、代謝プロファイルも比較的良好であり、プロラクチンを低下または上昇させない特長を有するドパミンパーシャルアゴニストである。・アリピプラゾールは10年以上使用されており、統合失調症治療に有用な選択肢として、多くの臨床医に認識されている。・ALAIは、水溶性結晶アリピプラゾール懸濁液で、初回筋肉内注射後、定常状態に達するまで5~7日間を要する薬剤である。・毎月注射を行うことで、4ヵ月で定常状態に達する。・研究では、ALAIは、アリピプラゾール応答患者に有効であることが実証されている。・ALAIは、一般的に忍容性が良好だが、経口投与よりも錐体外路系の副作用を起こしやすい傾向がある。・ALAIは、他の持続性注射剤との比較は行われていない。・推奨される開始用量は400mgだが、大幅な個人差による用量設定が必要な可能性がある。・各患者における至適用量の最適化は、最高の有効性と忍容性のために必要である。・ALAIは、現時点では、持続性注射剤が必要なアリピプラゾール応答患者に適切である。・しかし、臨床医は、とくに他の持続性注射剤で体重増加や高プロラクチン血症が問題となる患者に投与する可能性がある。関連医療ニュース アリピプラゾール持続性注射剤の評価は:東京女子医大 アリピプラゾール注射剤、維持療法の効果は 2つの月1回抗精神病薬持効性注射剤、有用性の違いは

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HDL-C高値で冠動脈疾患リスク減、超高値では?

 HDL-コレステロール(HDL-C)が高値(~2.06mmol/L)の場合は冠動脈疾患に対して保護作用を示すが、さらに高い値では保護作用はみられなかったと、NIPPON DATA90研究グループが20年間のコホート研究の結果、報告した。Journal of atherosclerosis and thrombosis誌オンライン版2016年2月26日号に掲載。 HDL-Cが非常に高い場合、冠動脈疾患および他の原因での死亡率にどのように影響するのかを調査したコミュニティベースのコホート研究は存在しない。NIPPON DATA90研究グループでは、日本人の代表的なサンプルの20年間のコホート研究において、HDL-C超高値と原因別死亡率の関係を調査した。 日本人の一般的な集団から7,019人(男性2,946人、女性4,073人)を追跡し、HDL-C値は、低値(<1.04mmol/L)、基準値(1.04~1.55mmol/L)、高値(1.56~2.06mmol/L)、超高値(2.07mmol/L以上)に分類・定義した。全死因または原因別死亡率のための多変量調整ハザード比(HR)は、他の古典的危険因子について調整Cox比例ハザードモデルを用いて計算した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中、1,598人が死亡した。・HDL-Cと全死因死亡率および脳卒中死亡率との間に有意な関連はみられなかった。・HDL-C高値群における冠動脈疾患リスクは、HDL-C基準値群より低かった。・男性におけるHRは0.51(95%CI:0.21~1.23)、女性では0.33(95%CI:0.11~0.95)、男女合わせると0.41(95%CI:0.21~0.81)であった。・一方、HDL-C超高値群では、冠動脈疾患および他の原因別死亡率との有意な関連はみられなかった。 著者らは結論で、今回の日本人7,019人を対象とした20年間の追跡調査では、HDL-C超高値群における原因別死亡のサンプルサイズが不十分であったとし、より大規模なコホート研究が実施されるべきとしている。

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ジカウイルスとギラン・バレー症候群の関連、初のエビデンス/Lancet

 ジカウイルスがギラン・バレー症候群を引き起こすという、初となるエビデンス報告が、Lancet誌オンライン版2016年2月29日号で発表された。仏領ポリネシアのタヒチにあるInstitut Louis MalardeのVan-Mai Cao-Lormeau氏らの研究グループが、症例対照研究の結果、報告した。Cao-Lormeau氏は、「ジカウイルス感染症が南北・中央アメリカ中に広がりをみせている。リスクに曝されている国では、ギラン・バレー症候群患者を集中的に治療するための十分なベッドを確保しておく必要がある」と警告を発している。仏領ポリネシアでは2013年10月~14年4月の間に、ジカウイルス感染症の大規模なアウトブレイクを経験。同期間中に、ギラン・バレー症候群の患者が増大したことが報告され、ジカウイルスとの関連が指摘されていた。アウトブレイク中の患者を対象に症例対照研究で関与を検証 研究グループは、ギラン・バレー症候群発症において、ジカウイルス感染症およびデング熱ウイルス感染症が関与しているかを調べる症例対照研究を行った。 症例は、前述したアウトブレイク期間中に、タヒチ島の首都パペーテにあるCentre Hospitalier de Polynesie Francaiseで、ギラン・バレー症候群と診断された患者とした(症例群)。 対照は、年齢・性別・住所でマッチした非発熱性疾患患者(対照群1:98例)、年齢でマッチした急性ジカウイルス感染症患者で神経症状はみられない患者(対照群2:70例)とした。 症例群、対照群の感染ウイルス特定には、RT-PCR法、蛍光抗体マイクロスフェア(microsphere immunofluorescent)法、血清中和アッセイ法などが用いられた。ギラン・バレー症候群の診断では、ELISA法および複合マイクロアッセイを用いて、血清糖脂質抗体の測定が行われた。ギラン・バレー症候群患者98%がジカウイルスIgM/IgG陽性 試験期間中にギラン・バレー症候群と診断された患者は42例であった。そのうち41例(98%)がジカウイルスIgMまたはIgG陽性であった。 症例群の全患者(100%)が、ジカウイルス中和抗体を保有していた。一方、対照群1(98例)における保有者は54例(56%)であった(p<0.0001)。 症例群のうちジカウイルスIgM陽性は39例(93%)で、また、37例(88%)は、神経症状発症の中央値6日(IQR:4~10)前に、ジカウイルス感染症に罹患したことを示唆する一過性の疾患を有していた。 症例群では、電気生理学的検査で軸索型(AMAN)の所見、および急速進行(急速進行初期[installation phase]中央値6[IQR:4~9]日、静止期[plateau phase]中央値4[3~10]日)の所見が認められた。呼吸補助を必要としたのは12例(29%)、死亡例はなかった。 ELISA法による血清糖脂質抗体陽性は、13例(31%)で認められた。そのうちGA1抗体保有者が最も多く8例(19%)の患者で認められた。また、入院時の糖アッセイでは19/41例(46%)が陽性を示した。なお、典型的なAMANに関連する抗糖脂質抗体を有していた患者はまれであった。 デング熱ウイルス感染症歴については、症例群(95%)と、2つの対照群(89%、83%)で有意差はみられなかった。

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アトピーが食物アレルギーの要因にも?

 アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは、因果関係が示唆されているものの完全には明らかになっていない。このことが予防と治療に重大な影響を及ぼしている。英国のキングス・カレッジ・ロンドンのTeresa Tsakok氏らは、システマティックレビューの結果、アトピー性皮膚炎、食物感作および食物アレルギーとの間には強くかつ用量依存的な関連があることを確認したという。著者は、「重症度および慢性度が高いアトピー性皮膚炎は、とくに食物アレルギーと関連しており、アトピー性皮膚炎が食物感作および食物アレルギーの発現に先行するエビデンスもある」と述べている。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌オンライン版2016年2月18日号の掲載報告。 研究グループは、アトピー性皮膚炎の重症度・慢性度・発症年齢に対する食物アレルギーの影響、および両者の時間的関係について調べる検討を行った。MEDLINEおよびEmbaseを用い、2014年11月までに発表されたアトピー性皮膚炎と食物アレルギーに関する研究論文を検索し、調査した。 主な結果は以下のとおり。・66件の研究をレビューに組み込んだ。・住民ベース研究が18件、高リスクコホートが用いられた研究は8件で、残りはアトピー性皮膚炎または食物アレルギーと診断された患者を対象としていた。・住民ベース研究の分析の結果、生後3ヵ月時の食物感作の可能性が、健常児に比べアトピー性皮膚炎患児で6倍高かった(オッズ比:6.18、95%信頼区間:2.94~12.98、p<0.001)。・また、他の住民ベース研究を分析した結果、アトピー性皮膚炎を有する参加者の53%が食物に感作しており、最大で15%が負荷試験において食物アレルギーの徴候を示したことが報告されていた。・アトピー性皮膚炎確定患者を対象とした研究の分析では、食物感作の割合は66%に達し、負荷試験で食物アレルギーを呈した患者の割合は81%にものぼった。・16件の研究が、食物アレルギーは重症アトピー性皮膚炎と関連していることを示唆した。・6件の研究は、早期発症または持続性のアトピー性皮膚炎が、とくに食物アレルギーと関連していることを示した。・1件の研究は、アトピー性皮膚炎が食物アレルギーの発症に先行したことを明らかにした。

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わかる統計教室 第3回 理解しておきたい検定 セクション5

インデックスページへ戻る第3回 理解しておきたい検定セクション5 標準誤差(SE)とはセクション1 セクション2 セクション3 セクション4セクション4では、仮説検定の概念としてその考え方と具体的な検定手順を学習しました。引き続いてセクション5では、標準誤差を求め、データの散らばり具合をみて、検定の正確性を判断します。■標準偏差と標準誤差仮説検定で最初にすることは、標準誤差(SE)を求めることです。よく似た統計用語に標準偏差(SD)がありますね。標準誤差(standard error)とは、標準偏差を√nで割った値です。注)標準誤差と標準偏差とは類似しているので、混乱を避けるため本文では標準誤差をSE(標準誤差)あるいはSEで表します。このSEとはいったい何なのかが、気になりますね。今までの勉強で、この式の中にある標準偏差(SD)はおわかりだと思います。データの散らばりの程度を示す値です。SDが大きいと、外れ値があったり、解熱剤で言えば解熱の効き目が患者によって異なったりするという傾向が大きいということです。したがって、SDは小さいほうが良いわけです。では、サンプルサイズnの大小関係については、どう考えれば良いでしょうか。母集団のことを知るためには、サンプルサイズnは大きいほうが良いですね。SEの式を見てください。SD、nがどのような場合、SEは小さくなるでしょうか。SDが小さく、nが大きいときにSEが小さくなります。つまり、データの散らばり程度とサンプルサイズnの大きさを考慮して求められたSEは、母集団のことを知るためのバロメーターとなるのです。ですから、SEは重要だということです。SEについて、興味深いお話をしておきましょう。少し難しいかもしれません。●SEは標本平均の分布の散らばり程度(標準偏差)ある調査の標準偏差をsとする。SEはs÷√nである。nが十分に大きな値のときは、sは母集団の標準偏差に等しい。調査の実施は通常1回だが、多数回(たとえば1,000回)実施したとする。各調査の平均値をx1、x2、…、x1,000とする。この平均値を「標本平均」と言う。標本平均x1、x2、…、x1,000 1,000個の標準偏差をuとする。1回の調査より求められたSEであるs÷√nは、標本平均の標準偏差であるuに等 しい。調査より求められたSEは、実際には実施していない多数回(1,000回)の調査の標本平均の散らばり程度(標準偏差)を示しているということである。この法則を「中心極限定理」と言う。1730年代にフランスの数学者シモン・ラプラス(Pierre-Simon de Laplace)は、中心極限定理の法則を見出した。最終的に1930年代フィンランドのリンデベルグ(Jarl Waldemar Lindeberg)とフランスのレヴィ(Paul Pierre Levy)が、中心極限定理が成立することを証明した。このようにSEは、標本平均のSDであるという考えに基づき、仮説検定の公式が作られているということです。仮説検定を学ぶために、SEとは別にもう1つ知っておくべきことがあります。それが、「対応のあるデータ」「対応のないデータ」です。こちらについては、セクション6で学んでいきましょう。■今回のポイント1)標準偏差(SD)が小さく、サンプルサイズnが大きいときに標準誤差(SE)は小さくなる!2)データの散らばり程度、サンプルサイズnの大きさを考慮して求められたSEは、母集団のことを知るためのバロメーター!3)SEは標本平均の分布のSD!インデックスページへ戻る

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118)白衣高血圧は何が悪いのか?【高血圧患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 医師血圧はどうでしたか? 患者普段、血圧はそんなに高くないんですが、美人の看護師さんに測ってもらったから高くなっちゃって…。(普段の血圧は正常であると強調) 医師ハハハ、そうでしたか。 患者白衣を見ると、血圧が上がるんです。 医師なるほど。緊張すると血圧が上がるわけですね。 患者そうなんです。 医師それを「白衣高血圧」と言います。そういった人も動脈硬化が進みやすいと言われていますので、緊張しても血圧が上がらない方法を一緒に考えてみましょう。 患者よろしくお願いします。●ポイント白衣高血圧も動脈硬化リスクが高いことを説明し、生活習慣改善の必要性を伝えます 1) Cuspidi C, et al. Blood Press Monit.2015;20:57-63. 2) Cuspidi C, et al. J Hypertens.2015;33:24-32.

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医学の進歩はてんかん発症を予防できるようになったのか

 てんかんの新規発症の予防は、重要な公衆衛生上の問題であり、緊急のアンメットニーズである。しかし、その予防が進んでいるかは不明である。フィンランド・トゥルク大学のMatti Sillanpaa氏らは、この40年間の医学の発展による、フィンランドにおけるてんかん予防の進展を検討した。JAMA neurology誌オンライン版2016年2月15日号の報告。 504万人のフィンランドの長期的国家レジスタ研究を使用し、1973~2013年にフィンランドで新規にてんかんと診断された入院患者を検討した。てんかん患者は、2回以上の非誘発性発作の発生により定義した。本研究は、2015年7月に実施された。なお、フィンランドではてんかん患者は診断時にルーチンに入院していることから、てんかん発症のエビデンスが存在する。 主な結果は以下のとおり。・1973~2013年にフォローアップされたフィンランド人平均504万人のうち、10万792人がてんかんと同定された。・このうち、4万6,995人(47%)は、焦点てんかんであった。・研究に含まれた患者の平均年齢は、男性45歳(四分位範囲:24~65歳)、女性46歳(同:23~71歳)であった。・年齢範囲65歳未満のてんかん発症率に変化は認められなかった(1973年:10万人当たり60人、2013年:同64人)。・しかし、65歳超では、有意なてんかんの増加が認められた(1973年:10万人当たり57人、2013年: 同217人)。 著者らは「本研究では、この40年間で、65歳未満の新規てんかん発症が予防されたとのエビデンスは見受けられなかった。むしろ実際には、高齢者では、新規てんかん発症が約5倍に上昇していた」とまとめている。関連医療ニュース てんかんの原因遺伝子発見により臨床にどのような変化が起こったか 薬剤抵抗性てんかんに関する新たな定義を検証 てんかん重積状態の薬物療法はエビデンス・フリー・ゾーン

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生活習慣病予防プログラム、40年の成果/BMJ

 冠動脈疾患の主要かつ古典的なリスク因子である喫煙・脂質異常症・高血圧症(3リスク)を低減することを目的とした集団ベース介入の1次予防プログラムは、疾患発症や死亡の低下に寄与する有効な手段なのか。フィンランド国立健康福祉研究所のPekka Jousilahti氏らが、同国東部住民を対象とした40年にわたる観察研究(FINRISK研究)の結果、同プログラムが冠動脈疾患死の低下に寄与したことを確認したと報告した。また、高リスクの人への2次予防および急性冠症候群の治療の介入についても分析し、それらが付加的ベネフィットをもたらしたことも確認されたという。BMJ誌オンライン版2016年3月1日号掲載の報告より。喫煙・脂質異常症・高血圧症への介入による変化と死亡への影響を調査 フィンランドでは、1950年代から食事や生活習慣の変化に伴い、冠動脈疾患死亡率の上昇がみられ、60年代後半には世界で最も同死亡率が高い国となった。とくに働き盛り世代の東部住民男性で高率だったという。そこで72年から冠動脈疾患予防プロジェクトをスタート。その主目的は、働き盛り世代男性の3リスクを低減するというもので、地域保健活動を介し行動変容を促すこと、および高リスクの人のスクリーニングと薬物治療をサポートするというものであった。 研究グループは94年に、介入の成果を評価。20年(72~92年)の間に死亡率は低下し、リスク因子の変化が寄与したことを報告している。 今回、同一サンプルを対象に、その後の20年間の冠動脈疾患死亡の傾向を調べ、3リスクの影響を調べた。 FINRISK研究(1972~2012年)の参加者は、30~59歳のフィンランド東部住民男女3万4,525例であった。 主要評価項目は、年齢で標準化した冠動脈疾患の予測死亡率と実際の死亡率であった。予測変化を、リスク因子データ(72年から5年ごと計9回行われたサーベイ対象集団から集めたデータ)を用いたロジスティック回帰分析で算出。実死亡率を、National Causes of Death Registerから入手し分析した。直近10年の冠動脈疾患死低下、約3分の2は3リスク低減が寄与 40年の間、2007~12年に血清コレステロール値が男女共わずかに上昇していたことを除けば、3リスクの値は低下した。男性の3リスクデータは、1972年当時は喫煙52.6%、血清総コレステロール(TC)値6.77mmol/L、収縮期血圧(SBP)値147.1mmHgであったが、2012年には29.3%、5.44mmol/L、135.9mmHgにいずれも低下した。女性については、喫煙者はもともと70年代は非常に少なく11.4%であった。2002年に22%まで上昇したが、その後は低下し12年は19.4%であった。TC値は6.69から5.30mmol/Lに、SBP値は149.2から129.1mmHgに低下した。 1969-72~2012年の間に、35~64歳住民の冠動脈疾患死亡率は、男性が82%減少(10万人当たり643例から118例)、女性が84%減少(同114例から17例)していた。 研究開始当初10年間で、3リスク因子の変化が、実死亡率の低下に寄与したことが確認された。また80年代中旬以降は、予測死亡率よりも実死亡率が下回った。 直近10年のデータの分析から、死亡減少の約3分の2(男性69%、女性66%)は3リスクの変化によるもので、残る3分の1がその他の要因であることが確認されたという。 これらの結果を踏まえて著者は、「集団ベース介入の1次予防プログラムにより、冠動脈疾患の疾病負荷および死亡は低減可能である。高リスクの人の2次予防や急性冠症候群の治療が、付加的ベネフィットをもたらす」と結論している。

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35歳以上の妊婦に分娩誘発は有害か/NEJM

 高年齢妊婦では帝王切開の頻度が高いが、35歳以上の初産妊婦に対し妊娠39週での分娩誘発は、待機的管理と比べて、帝王切開率へ有意な影響をもたらすことはなく、また母体および新生児への短期的有害作用も及ぼさないことが明らかにされた。英国・ノッティンガム大学のKate F. Walker氏らが無作為化試験の結果、報告した。35歳以上の妊婦では、より若い妊婦の場合と比べて正期産における死産リスクが高い。一方で、分娩誘発によりそのリスクは低下可能だが、帝王切開リスクが上昇する可能性が示唆されていた。NEJM誌2016年3月3日号掲載の報告。619例を対象に待機的管理群と比較した無作為化試験で評価 試験は2012年8月~15年3月に、英国内の38ヵ所のNHS病院と、1ヵ所のPrimary Care Trustの施設で、35歳以上の初妊婦619例を集めて行われた。 被験者を無作為に2群に割り付けて、一方には妊娠39週0日~6日の間に分娩誘発を行い(分娩誘発群)、もう一方には待機的管理(自然陣痛の発来まで待機、もしくは医学的処置による誘発が必要と判断されるまで)を行った(待機的管理群)。 主要アウトカムは、帝王切開とした。試験は、分娩誘発の死産に対する影響を評価するようデザインされてはおらず、検出力も有していなかった。帝王切開率に有意差なし、母体・新生児の有害転帰への影響も有意差みられず 無作為化された619例を含めたintention-to-treat解析の結果、両群間で、帝王切開を受けた妊婦の割合に有意な差はみられなかった。分娩誘発群98/304例(32%)、待機的管理群103/314例(33%)で、相対リスク(RR)は0.99(95%信頼区間[CI]:0.87~1.14)であった。 また、鉗子・吸引分娩が行われた妊婦の割合についても有意差はみられなかった。分娩誘発群115/304例(38%)、待機的管理群104/314例(33%)、RRは1.30(95%CI:0.96~1.77)であった。 母体あるいは新生児の死亡の報告はなかった。出産経験に関することや母体や新生児の有害転帰の頻度についても有意差はみられなかった。

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「果実のスムージー」が肌の色を変える?

 スムージーは、生の緑の葉野菜やフルーツなどと水をブレンダーやミキサーで混ぜ合わせた飲み物ものである。野菜や果物に豊富に含まれるカロテノイドをはじめとする栄養素や、豊富な食物繊維が簡単に、おいしく摂取できるため、健康志向の人々の間で注目されている。 カロテノイドのサプリメントがアジア人の肌の色に与える影響についてはこれまでに多くの研究が報告されているが、果物や野菜中のカロテノイド摂取量が肌の色に与える影響については、ほとんど知られていない。そこで、ノッティンガム大学マレーシアキャンパスのKok Wei Tan氏らは、フルーツスムージー中のカロテノイドが肌の色に与える影響を調査した。PLOS ONEオンライン版2015年7月号の報告。 調査対象は81人の健常なマレーシア系華人の大学生(男性34人、女性47人)、平均年齢は20.48歳(SD=1.22)であった。フルーツスムージーを摂取する群(介入群)と、ミネラルウオーターを摂取する群(対照群)に無作為に割り付け、6週間毎日 500mLずつ摂取させた。被験者は肌の黄色み、赤み、輝度に関するベースラインからの変化を介入期間中2回、2週間のフォローアップ期間終了後に1回測定された。 主な結果は以下のとおり。・4週後、介入群の肌の黄色みは有意に増加した。(p<0.001)・4週後、介入群の肌の赤みは有意に増加したが、黄色みと比較すると軽度の変化であった。(p<0.001)・介入群の肌の赤み、黄色みともにフォローアップ期間後も増大したままだった。・肌の輝度は、介入群でわずかに減少したものの、対照群と有意差はみられなかった 。(p=0.013) 著者らは、本試験を「カロテノイドが豊富に含まれたフルーツスムージーはアジア人の肌の黄色み・赤みを増大させる」と結論付けた。また、肌の反射スペクトルの解析結果から、肌の色の変化は、カロテノイドの肌への沈着による肌の色の変化によるものであろうと考察した。

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スーグラほかSGLT2阻害薬は高齢者に安全か

 3月3日、アステラス製薬株式会社は、「本邦の高齢者におけるSGLT2阻害薬の安全性と有効性」と題し、演者に横手 幸太郎氏(千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学講座 教授)を招き、プレスセミナーを開催した。講演では、65歳以上の高齢者7,170人を対象としたSGLT2阻害薬イプラグリフロジン(商品名:スーグラ)錠の大規模調査「STELLA-ELDER」の中間報告も行われた。約10年でHbA1cは下がったが… はじめに、2型糖尿病をメインにその概要や機序が説明された。わが国の糖尿病患者は、疫学推計で2,050万人(2012年)と予想され、この5年間で予備群といわれている層が減少した半面、糖尿病と確定診断された層は増加しているという。血糖コントロールについては、さまざまな治療薬の発売もあり、2002年と2013年を比較すると、2型糖尿病患者のHbA1cは7.42%から6.96%へと低下している。しかしながら、患者の平均BMIは24.10から25.00と肥満化傾向がみられる。SGLT2阻害薬の課題 これまで糖尿病の治療薬は、SU薬をはじめメトホルミン、チアゾリジン、DPP-4阻害薬などさまざまな治療薬が上市されている。そして、これら治療薬では、患者へ食事療法などの生活介入なく治療を行うと、患者の体重増加を招き、このジレンマに医師、患者は悩まされてきた。 そうした中で発売されたSGLT2阻害薬は、糖を尿中排出することで血糖を下げる治療薬であり、体重減少ももたらす。また、期待される効果として、血糖降下、膵臓機能の改善、血清脂質の改善、血圧の低下、腎機能の改善などが挙げられる。その反面、危惧される副作用として、頻尿による尿路感染症、脱水による脳梗塞などがあり、昨年、日本糖尿病会から注意を促す「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」が発出されたのは記憶に新しい。 米国では、処方率においてDPP-4阻害薬をすでに抜く勢いであるが、わが国では、5%前後と低調である。今後、わが国でも適応の患者にきちんと使えるように、さらなる検証を行い、使用への道筋を作ることが大切だという。スーグラ処方の注意点 続いて、イプラグリフロジン(スーグラ)錠について、高齢者を対象に行われた全例調査「STELLA-ELDER」の中間報告の説明が行われた。 「STELLA-ELDER」は、スーグラの高齢者への安全性について確認することを目的に、2014年4月から2015年7月にかけて、本剤を服用した65歳以上(平均72.2歳)の2型糖尿病患者(n=7,170)について調査したものである。 スーグラの副作用の発現症例率は全体で10.06%(721例)であった。多かった副作用の上位5つをみてみると皮膚疾患(2.27%)が最も多く、次に体液量減少(1.90%)、性器感染症(1.45%)、多尿・頻尿(1.32%)、尿路感染症(0.77%)などであった。いずれも重篤ではなく、90%以上がすでに回復している。また、これら副作用の発現までの日数について、「脱水・熱中症」「脳血管障害」「皮膚関連疾患」「尿路/性器感染」は、投与開始後早期(30日以内)に発現する傾向が報告された。 スーグラの全例調査で注目すべきは、高齢者に懸念される「低血糖」の発現状況である。全例中23例(0.3%)に低血糖が発現し、とりわけBMIが18.5未満の患者では発現率が高い(6.8%)ことが示された。また、腎機能に中等度障害、軽度障害がある患者でも高いことが報告された。その他、体液減少に伴う副作用の発現については、75歳以上(68/2,223例)では75歳未満(68/4,947例)に比べ、発現率が約2倍高くなることも示された。 最後に、横手氏は、「これらの調査により、腎機能が低下している、痩せている高齢者(とくに75歳以上)には、処方でさらに注意が必要となることが示された。今後も適正な治療を実施してほしい」とレクチャーを終えた。アステラス製薬 「STELLA-ELDER」中間報告はこちら(pdfが開きます)「SGLT2阻害薬」関連記事SGLT2阻害薬、CV/腎アウトカムへのベースライン特性の影響は/Lancet

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CTO再灌流、生存率改善はみられないものの、バイパス術施行を有意に減らす

 慢性完全閉塞(CTO)に対する経皮的冠動脈形成術(PCI)の成功率は、術者の経験の蓄積、デバイスや手技の改善により向上している。とくに薬剤溶出ステント(DES)の登場によって、ベアメタルステントに比べて再狭窄発生や再灌流療法の再施行が減少し、複雑なCTOに対するPCI施行が容易になった。これまでにも、CTOに対する再灌流療法によって、症状の改善、左室駆出率の改善、バイパス術の減少などが報告されているが、生命予後の改善に関しては一定した結果が得られていない。韓国のグループが、DESのみを用いたPCIによる研究結果をJACC Cardiovascular Interventions 誌オンライン版2016年2月25日号で発表した。CTOレジストリを使用し、nativeの冠動脈に対するCTO患者1,173例を解析 2003~14年に登録された、nativeの冠動脈(血行再建を受けていない)にCTO病変を有する患者1,173例が解析の対象となった。すべてのPCI成功患者においてDESが使用された(1,004例、85.6%)。主要安全性評価項目は、CTO-PCI成功群と非成功群間の全死亡および死亡とQ波心筋梗塞発生の複合。主要有効性評価項目は、標的血管の再灌流とバイパス手術の発生であった。4.6年のフォローアップ、全死亡および死亡と心筋梗塞の発生率もCTO-PCI成功群と不成功群で有意差なし フォローアップ期間の中央値は4.6年で、患者の平均年齢は60歳、82.7%が男性であった。全死亡率および死亡と心筋梗塞の複合発生率いずれにおいても、調整リスクはCTO-PCI成功群と非成功群で同等であった(HR:1.04、95%CI:0.53~2.04、p=0.92とHR:1.05、95%CI:0.56~1.94、p=0.89)。CTO以外の冠動脈への完全再灌流が行われた879例の全死亡および死亡と心筋梗塞発生の複合リスクも、CTO-PCI成功患者と不成功患者とで違いは認められなかった。この結果は、患者がCTOを含めた多枝病変を持っている場合、もしくはCTO単独病変の場合のいずれにおいても同様であった。CTO-PCI不成功群では再灌流、バイパス術の施行率が有意に高い PCI後のフォローアップにおいて、CTO-PCI成功群では95.2%が無症候であったのに対し、CTO-PCI不成功群では半数以上が何らかの狭心症症状を訴えていた。標的血管の再灌流療法とバイパス術の施行率は、CTO-PCI不成功群で有意に高かった(HR:0.15、95%CI :0.10~0.25、p

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過敏性腸症候群に新たな光が(解説:内藤 正規 氏)-493

 過敏性腸症候群は、日本人の約10~15%に認められる頻度の高い疾患であり、消化器症状により受診する人の約3割を占めるといわれている。内視鏡検査や血液検査で明らかな異常がないにもかかわらず、腹痛や腹部不快感を伴う便秘や下痢が長く続き、多くの人々を悩ませている。そのような人々に光を差す可能性がある、下痢型の過敏性腸症候群に対しての新たな治療薬である混合型オピオイド作用を有する製剤eluxadolineの有効性を示す第III相試験の結果が、Anthony J Lembo氏らのグループにより報告された。 オピオイド受容体には、μ・κ・δの3種類のサブタイプがあり、主な発現部位や薬理作用が異なる。μ受容体の刺激は、鎮痛作用と消化管運動の抑制作用を発揮し、κ受容体の活性化は鎮痛・鎮静作用を発揮する。一方、δ受容体は、情動・神経伝達物質の制御や依存に関与する。eluxadolineは、μ・κ受容体のアゴニスト、δ受容体のアンタゴニストであり、鎮痛・鎮静作用と消化管運動の抑制作用を有し、依存性を回避できる薬といえる。 eluxadolineの投与により、腹痛の軽減、便性状の改善が得られた症例の割合は投与期間を問わず、プラセボ群、150mg/日を投与した群、200mg/日を投与した群の順に有意に高くなり、下痢型の過敏性腸症候群に対して量依存性に有効であった。一方、悪心・便秘・腹痛といった有害事象は、有意ではないものの量依存性にプラセボ群と比較して高い傾向にあり、少ないものの膵炎の発症も認めた。 本試験の結果から、過敏性腸症候群に対してeluxadolineが有効で安全であることが示された。下痢型の過敏性腸症候群の治療に新たな光を差す薬剤であると考えられるが、有害事象に対する医療者の注意も必要である。

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タバコ有害説は江戸時代から!?

タバコの害は400年以上前から知られていた!? 日本にタバコが伝来したのは安土桃山時代。ポルトガル人宣教師らが持ち込んだといわれています。タバコを吸う人を初めてみた当時の日本人は「南蛮人は腹の中で火を焚いている」と思ったそうです。 1605年に国内で初の禁煙令が出されたという記録があります。以後、江戸時代には何度も「禁煙令」が出されています。 1713年、儒学者もタバコの害に言及しています。「烟草(タバコ)は性毒あり。烟(けむり)をふくみて、眩(めま)ひ倒るる事あり。習へば大なる害なく、少しは益ありといへ共、損多し。病をなす事あり。又火災のうれひあり。習へばくせになり、むさぼりて、後には止めがたし。事多くなり、いたつがはしく家僕を労す。初めよりふくまざるにしかず。貧民は費多し」「タバコには毒性がある。(中略)知ってしまうと癖になり、次から次へと吸い、そうなってしまうと止められなくなる。(中略)初めから喫煙しないのが良い」(貝原益軒『養生訓』より)社会医療法人敬愛会 ちばなクリニック 清水 隆裕氏Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

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急性双極性うつ病に対する非定型抗精神病薬の信頼性は

 双極性障害(BD)に関連する混合性の特徴を伴う急性うつ病の治療における第2世代抗精神病薬(SGA)の使用を支持するエビデンスは乏しく、不明確である。そのような中、米国・コロンビア大学のMichele Fornaro氏らは、混合特徴を伴う急性BDのうつ病治療に対するSGAを調査した研究のシステマティックレビューと予備メタ解析を行った。International journal of molecular sciences誌2016年2月号の報告。 独立した2人の著者が、1990~2015年9月の期間で主要な電子データベースより、混合性の特徴を伴う急性双極性うつ病治療に対するSGAの有効性を調査した無作為化(プラセボ)対照比較試験(RCT)またはオープンラベル臨床試験の検索を行った。ランダム効果メタ解析により、SGAとプラセボ間のうつ症状および躁症状のスコアのベースラインからエンドポイントまでの変化に関する標準化平均差(SMD)、95%信頼区間(CI)を計算した。 主な結果は以下のとおり。・RCT 6報、オープンラベルプラセボ対照研究(事後レポートを含む)1報から1,023例の患者が抽出された。・対象患者には、ziprasidone、オランザピン、lurasidone、クエチアピン、asenapineのいずれかが、平均6.5週間投与されていた。・Duval and Tweedie調整により出版バイアスを加味したメタ解析では、SGAは、ヤング躁病評価尺度(YMRS)総スコアの平均値により評価されるように、混合性の双極性うつ病の躁(軽躁)症状の有意な改善をもたらした(SMD:-0.74、95%CI:-1.20~-0.28、SGA:907例、対照:652例)。・メタ解析では、SGA治療患者(979例)は、プラセボ群(678例)と比較してモンゴメリ・アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)スコアの大幅な改善が認められた(SMD:-1.08、95%CI:-1.35~-0.81、p<0.001)。 著者らは「全体的に、SGAはプラセボと比較し、MADRSやYMRSスコアの良好な改善が認められた。しかし、本報告の予備的な性質を考えると、信頼性の向上や決定的な結論を導くために追加のオリジナル研究が必要とされる」とまとめている。関連医療ニュース 双極性障害への非定型抗精神病薬、選択基準は 治療抵抗性うつ病に対する非定型抗精神病薬の比較 精神病性うつ病に、抗うつ薬+抗精神病薬は有効か

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