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焦燥性興奮に対し、どうサポートしていくべきか

 認知症者や急性期病院のせん妄患者では、焦燥性興奮のみられる言動が認められるが、その発生率や病棟スタッフの対応法に関する研究はない。英国・ノッティンガム大学病院NHSトラストのFrancesca Inkley氏らは、混乱した高齢入院患者の焦燥性興奮のみられる言動の発生率およびスタッフによるマネジメント戦略について評価した。Nursing older people誌2016年2月26日号の報告。 8つの高齢者病棟において、言語上の焦燥性興奮が認められたすべての患者に対し、看護チームが2週間、毎日評価を行った。6項目の半構造化インタビューをスタッフと行い、3時間の非参与観察を行った。 主な結果は以下のとおり。・平均6%の患者(13/223例)において、言語上の焦燥性興奮が毎日認められた。・マネジメント戦略は、試行錯誤、気をそらすことや約束、安心感を与えること、コミュニケーションや親交を深めることなどであった。・病棟でのトレーニングやサポート、スタッフ・場所・活動などのリソース不足により、職員はこれら患者へのケアプランを作成する体系的なアプローチを実施できていなかった。 結果を踏まえ、著者らは「言葉上の焦燥性興奮が認められる患者に対して、サポートするスタッフのための介入法の開発や評価が必要とされる」としている。関連医療ニュース せん妄に対する薬物治療、日本の専門家はどう考えているか せん妄管理における各抗精神病薬の違いは せん妄治療への抗精神病薬投与のメタ解析:藤田保健衛生大

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労働者のメタボ予防に効果的なのは

 余暇における身体活動の強度がメタボリックシンドロームに及ぼす影響についてのデータは少ない。また、職場や通勤時の身体活動がメタボリックシンドロームに及ぼす影響に関する前向き研究データはない。国立国際医療研究センターの桑原 恵介氏らは、日本の労働者において、余暇における運動の強度、および仕事中や通勤時の身体活動によるメタボリックシンドロームリスクを比較した。その結果、高強度のみの運動、または高強度と中強度の運動の組み合わせ、および職場における身体活動への介入が日本の労働者のメタボリックシンドロームの予防に役立つ可能性を示唆した。Endocrine誌オンライン版2016年3月7日号に掲載。 著者らは、メタボリックシンドロームではない30~64歳の2万2,383人の参加者を2014月3月まで追跡した(最大追跡期間5年)。身体活動は自己申告、メタボリックシンドロームの定義は共同声明の基準を用いた。メタボリックシンドロームのハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)はCox回帰モデルを用いて推定した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間(平均4.1年間)中、5,361人の労働者がメタボリックシンドロームを発症した。・共変量調整後、運動しない人に対する、中強度の運動のみを行う人におけるHR(95%CI)は、METs・時/週が7.5未満、7.5以上16.5未満、16.5以上で分類した場合、それぞれ0.99(0.90~1.08)、0.99(0.90~1.10)、0.95(0.83~1.08)であった。また、高強度の運動のみを行う人では、0.93(0.75~1.14)、0.81(0.64~1.02)、0.84(0.66~1.06)、中強度・高強度の両方の運動を行う場合は0.90(0.70~1.17)、0.74(0.62~0.89)、0.81(0.69~0.96)であった。・職場での高い身体活動は、メタボリックシンドロームのリスク低下に関連しており、その関連は弱いが有意であった。・徒歩通勤とメタボリックシンドロームとの関連はみられなかった。

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身長・BMIが学歴や年収に影響?/BMJ

 体重と身長は、学歴や年収などの社会経済的地位に影響を及ぼすことが、英国・エクセター大学のJessica Tyrrell氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌オンライン版2016年3月8日号に掲載された。社会経済的地位は罹病や死亡に影響を及ぼすとされ、最近の調査ではロンドン市の最貧困地区と最も裕福な地区では、男性の寿命に18年もの差があることが報告されている。一方、高身長や低BMIは社会経済的地位が高いことと関連するが、どちらが原因でどちらが結果かはよくわかっておらず、この問題は保健衛生や福利政策にとって重要とされる。世帯年収などの指標に関して身長およびBMIの因果的作用を検証 研究グループは、身長および体重は、年収などの社会経済的地位に影響を及ぼす因果的役割を持つかとの問いに答えるための検討を行った。 メンデル無作為化解析法を用い、世帯年収など社会経済的地位の5つの指標に関して、身長およびBMIの因果的作用を検証した。遺伝子型は受胎時に無作為に割り付けられるが、メンデル無作為化解析はこの事実を活用するため、遺伝学的因子以外の因子による交絡の影響を受けないとされる。 解析には、英国バイオバンクに登録された37~73歳の英国人家系の男女11万9,669人のデータを用いた。5つの指標は、(1)正規の就学期間を終了した年齢、(2)教育レベル、(3)職務等級、(4)世帯年収、(5)タウンゼント剥奪指標(特定の集団内の物質的な窮乏の指標)であった。 全体の平均年齢は56.9歳(7.9標準偏差[SD])、男性が47.3%、平均BMIは27.5(4.8 SD)、平均身長は168.8cm(9.2 SD)であった。身長が高くなると世帯年収がより高額 低身長および高BMIは、低い社会経済的地位と関連が認められた。低身長と低い社会経済的地位の関連は男性でより強力で、高BMIと低い社会経済的地位の関連は女性でより強い傾向がみられた。 たとえば、BMIが1 SD高くなると、男性の世帯年収が210ポンド(276ユーロ、300ドル、95%信頼区間[CI]:84~420、p=0.006)低くなり、女性では世帯年収が1,890ポンド(95%CI:1,680~2,100、p=6×10-15)低下した。 遺伝子解析では、これらの関連には部分的に因果関係があることを示すエビデンスが得られた。 遺伝学的に確定された身長が1 SD(6.3cm)高くなると、正規の就学期間を終了した年齢が0.06年(95%CI:0.02~0.09、p=0.01)高くなり、専門性の高い職業に就くオッズ比が1.12(95%CI:1.07~1.18、p=6×10-7)に上がり、世帯年収は1,130ポンド(95%CI:680~1,580、p=4×10-8)高額となった。これらの関連は、男性でより強力だった。 女性では、遺伝学的に確定されたBMIが1 SD(4.6)上昇すると、世帯年収が2,940ポンド(95%CI:1,680~4,200、p=1×10-5)低下し、窮乏の程度が0.10(0.04~0.16、p=0.001)増大した。 著者は、「身長とBMIは社会経済的地位に部分的に重要な影響を及ぼすとのエビデンスを支持するデータが得られた」とし、「身体測定値の特徴や社会経済的地位を導く因子や、これらの特徴から導かれる因子を理解するには、さらなる検討を要する」と指摘している。

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抗PD-L1抗体atezolizumab、既治療NSCLCのOS延長/Lancet

 既治療の非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、新規免疫チェックポイント阻害薬atezolizumabは、ドセタキセル(商品名:タキソテールほか)に比べ予後が良好であることが、米国・カイザーパーマネンテ医療センターのLouis Fehrenbacher氏らが行ったPOPLAR試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年3月9日号に掲載された。ニボルマブやペムブロリズマブがT細胞上のPD-1を標的とするのに対し、atezolizumabは腫瘍細胞および腫瘍浸潤免疫細胞上に発現しているPD-L1(PD-1のリガンド)に対するヒト型IgG1モノクローナル抗体で、T細胞上のPD-1だけでなくB7.1(CD80)との結合を阻害する。それゆえ、T細胞活性化阻害作用の抑制効果が抗PD-1抗体よりも高い可能性があり、またPD-L2とPD-1の相互作用には影響しないことから、免疫系の恒常性への影響を回避できると考えられている。ドセタキセルと比較する無作為化第II相試験 POPLAR試験は、既治療のNSCLC患者においてatezolizumabとドセタキセルの有用性を比較し、PD-L1発現レベルを評価する非盲検無作為化第II相試験(F Hoffmann-La Roche/Genentech社の助成による)。 対象は、プラチナ製剤による化学療法後に病勢が進行したNSCLCで、全身状態(ECOG PS)が0/1、測定可能病変(RECIST ver.1.1)を有する患者であった。 被験者は、腫瘍浸潤免疫細胞上のPD-L1の状態、組織型、前治療レジメン数で層別化され、atezolizumab(1,200mg、静脈内投与)またはドセタキセル(75mg/m2、静脈内投与)を3週ごとに投与する群に無作為に割り付けられた。 免疫組織化学(IHC)検査に基づき、腫瘍細胞上のPD-L1(TC3:≧50%、TC2:5~50%、TC1:1~5%、TC0:<1%)および腫瘍浸潤免疫細胞上のPD-L1(IC3:≧10%、IC2:5~10%、IC1:1~5%、IC0:<1%)をスコア化した。 主要評価項目は全生存期間(OS)とし、探索的解析としてバイオマーカーの評価を行った。 2013年8月5日~14年3月31日までに、13ヵ国61施設に287例が登録された。atezolizumab群に144例、ドセタキセル群には143例が割り付けられ、それぞれ142例、135例が1回以上の投与を受けた。OS中央値:約3ヵ月延長、PD-L1発現率が高いほど良好 年齢中央値は両群とも62歳、男性はatezolizumab群が65%、ドセタキセル群は53%であり、喫煙者/元喫煙者がそれぞれ81%、80%、前治療レジメン数は1が65%、67%、2が35%、33%だった。 OS中央値はatezolizumab群が12.6ヵ月であり、ドセタキセル群の9.7ヵ月に比べ有意に延長した(ハザード比[HR]:0.73、95%信頼区間[CI]:0.53~0.99、p=0.04)。 また、OS中央値はPD-L1の発現率が高い患者ほど良好であった(TC3またはIC3=HR:0.49[0.22~1.07]、p=0.068/TC2/3またはIC2/3=HR:0.54[0.33~0.89]、p=0.014/TC1/2/3またはIC1/2/3=HR:0.59[0.40~0.85]、p=0.005/TC0およびIC0=HR:1.04[0.62~1.75]、p=0.871)。 既存免疫(エフェクターT細胞およびインターフェロン-γの関連遺伝子発現≧中央値で定義)を有する患者の探索的解析では、atezolizumab群のOS中央値が有意に改善された(HR:0.43、95%CI:0.24~0.77)。 atezolizumab群で頻度の高い全原因有害事象として、食欲減退、呼吸困難、悪心、下痢、発熱などが認められ、免疫関連有害事象としてAST上昇(4%)、ALT上昇(4%)、肺臓炎(3%)、腸炎(1%)、肝炎(1%)がみられた。 治療関連有害事象の発現率は、atezolizumab群が67%、ドセタキセル群は88%であった。有害事象による治療中止は、atezolizumab群が8%(11例)、ドセタキセル群は22%(30例)、Grade 3/4の治療関連有害事象はそれぞれ11%(16例)、39%(52例)であり、atezolizumab群で少なかった。治療関連死はatezolizumab群が<1%(1例:心不全)、ドセタキセル群は2%(3例:敗血症、急性呼吸窮迫症候群、原因不明)だった。 著者は、「atezolizumabはドセタキセルに比べ既治療のNSCLC患者の予後を改善した」とまとめ、「PD-L1の発現は、atezolizumabのベネフィットを予測するバイオマーカーとなる可能性が示唆される」と指摘している。

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ICL視力矯正手術による白内障リスク、長期予後は

 Implantable Collamer Lens(ICL:後房型有水晶体眼内レンズ、後房型フェイキックIOL)は、強度近視または乱視に対する屈折矯正法の1つである。短期および中期的な矯正効果と安全性は良好であるが、重大な合併症として白内障が知られていることから、スイス・ローザンヌ大学のIvo Guber氏らは、ICL挿入10年後の予後を後ろ向きに検討した。その結果、短期研究と同様、強度近視患者に長期的に安全で良好な矯正効果をもたらすことが示されたが、白内障および高眼圧症の発症率について臨床的に意味のある結果が確認されたという。著者は、「白内障、高眼圧症の10年後の発症率に関する情報を、ICL挿入前に患者に提供すべきであろう」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2016年3月3日号の掲載報告。ICL挿入133眼のうち白内障手術は5年後5眼、10年後18眼 研究グループは、スイス・ローザンヌのJules-Gonin Eye Hospitalにおいて、1998年1月1日~2004年12月31日の間に、ICL(V4モデル)挿入術を行った78例133眼(男性34例、女性44例、登録時の平均年齢38.8±9.2歳)を対象として、ICL視力矯正手術10年後の白内障発症と屈折予後について調査した。 挿入されたレンズは、-15.5D以上のV4モデルICLが53眼、-15.5D未満のV4モデルICLが73眼、近視のためのV4モデルトーリックICLが7眼であった。 主要評価項目は、白内障手術、水晶体混濁、眼圧、安定性、安全性などで、解析は2014年1月1日~同年5月31日に行われた。 ICL視力矯正手術10年後の白内障リスクについて調査した主な結果は以下のとおり。・ICL挿入後の水晶体混濁発生率は、5年後40.9%(95%信頼区間[CI]:32.7~48.8%)、10年後54.8%(95%CI:44.7~63.0%)であった。・超音波水晶体乳化吸引術(白内障手術)は、ICL挿入5年後で5眼(4.9%、95%CI:1.0~8.7%)、10年後で18眼(18.3%、95% CI:10.1~25.8%)に行われていた。・水晶体前面とICL後面の距離(平均±標準偏差)は、術直後426±344μmから、10年後は213±169μmに減少しており、距離の短さと水晶体混濁発生および白内障手術との関連が認められた(p=0.005およびp=0.008)。・眼圧は、手術後15mm Hgで、10年の追跡調査時までは有意な増加は観察されなかった。ただし10年後の時点で、12眼(12.9%、95%CI:5.6~19.6%)に局所薬物治療を要する高眼圧症が認められた。・安全係数は1.25±0.57で、等価球面度数は術後1年時-0.5D、10年時-0.7Dであった。

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末梢血管用ステントZilver PTX、2年目も良好な結果

 2016年3月19日、日本循環器学会学術集会「Late Breaking Clinical Trials/Cohort Studies III」が行われ、福岡山王病院 循環器センター 横井 宏佳氏が、浅大腿動脈用ステントZilver PTXの市販後調査2年目のフォローアップ試験の結果を発表した。 Zilver PTXは、日本が世界に先駆けて発売した浅大腿動脈専用の薬剤溶出ステント(DES)であるが、すでに世界50ヵ国で2,400例以上に使用されている。Zilver PTXは、承認前にはZilver PTX RCT、Zilver PTX SAS試験、市販後にはZilver PTX Japan PMS、Zilver PTX US PAS、EUでの長病変に対するレジストリ研究が行われている。市販後試験の1つ、Zilver PTX Japan PMSの1年の試験結果は、本年のJournal of American College of Cardiology Cardiovascular Intervention誌2016年2月8日号1)で発表されたが、今学会では、その2年フォローアップデータおよび、承認前の2試験(Zilver PTX RCT、Zilver PTX SAS)と比較検討した結果が発表された。 Zilver PTX Japan PMS試験における登録患者の平均年齢は74歳であり、承認前の2試験に比べ高齢であった。また、承認前の2試験に比べ、糖尿病と腎障害を有する例が有意に多く、病変長は14.7mmと有意に長く、完全閉塞が47%、再狭窄への使用が19%と有意に高かった。また、Rutherford 4以上(CLI)も22%含まれており、リアルワールドでは、承認前試験以上に、患者背景が複雑かつ劣悪な患者であることが明らかになった。 この試験では907例、1,075病変をZilver PTXで治療した。2年間のフォローアップ適格患者は741例で、完全フォローアップはそのうち624例である。Thrombosis/Occlusionの発生率は、1年目3%、2年目は3.6%で、1年間で0.6%増加した。これは承認前の2試験や、従来の報告と同等の結果であった。TLR回避率は、1年目91%、2年目は85%で、これも承認前の2試験と同等の結果であった。Primary patency は1年目86.4%、2年は72.3%であり、RCT試験と比べるとやや低いものの、当試験の劣悪な患者背景を考えると、十分容認できるものといえる。 リアルワールドでは、承認前試験と比べ、より複雑な患者・病変背景の中で使われていた。2年目のZilver Japan PMSの結果は、臨床現場においてもこのステントが承認前の成績とほぼ同等の有効性と安全性が得られたことが明らかになった。

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高リスク処方回避の具体的方策が必要(解説:木村 健二郎 氏)-499

 プライマリケア医のみならず、すべての医師の処方から、予防可能な薬剤関連の合併症を可能な限り減らすことは、医療人に全幅の信頼を寄せて服薬される患者さんに対する、われわれの義務である。 私は、健康被害救済制度における副作用被害判定に関わっているが、医療の現場では、かなり際どいことが行われている現実に驚かされることがしばしばある。 ある薬剤が腎障害があるにもかかわらず、投与され続けて末期腎不全になった症例を最近経験した。これは、添付文書情報を得ていれば防げたはずである。また、「慢性腎臓病ならRA系阻害薬」と一時喧伝されたため、慢性腎臓病の高齢者に大量のRA系阻害薬が処方され急性腎障害を発症したという事例もある。これは、腎臓学会のガイドラインの情報を得ていれば防げたはずである。 このように、処方する医師にとって、薬剤に関する情報は必須であるにもかかわらず、十分にその情報が浸透していないという現実がある。本研究は、専門家による教育、情報科学、患者の病歴の見直しなどの介入を48週行った結果、高リスク処方が減少することを示した点で意義がある。日本においても、高リスク処方回避のための、全般的かつ具体的な方策を検討すべきである。関連コメント診療所における高リスク処方を減らすための方策が立証された(解説:折笠 秀樹 氏)ステップウェッジ法による危険な処方を減らす多角的介入の効果測定(解説:名郷 直樹 氏)「処方箋を書く」医師の行為は「将棋」か「チェス」か?(解説:後藤 信哉 氏)診療の現場における安全な処方に必要なものは何か…(解説:吉岡 成人 氏)

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自己免疫性膵炎〔AIP : autoimmune pancreatitis〕

1 疾患概要■ 概念・定義自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis:AIP)は、わが国から世界に発信された新しい疾患概念である。わが国におけるAIPは、病理組織学的に膵臓に多数のIgG4陽性形質細胞とリンパ球の浸潤と線維化および閉塞性静脈炎を特徴とする(lymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis:LPSP)。高齢の男性に好発し、初発症状は黄疸が多く、急性膵炎を呈する例は少ない。また、硬化性胆管炎、硬化性唾液腺炎などの種々の硬化性の膵外病変をしばしば合併するが、その組織像は膵臓と同様にIgG4が関与する炎症性硬化性変化であることより、AIPはIgG4が関連する全身性疾患(IgG4関連疾患)の膵病変であると考えられている。一方、欧米ではIgG4関連の膵炎以外にも、臨床症状や膵画像所見は類似するものの、血液免疫学的異常所見に乏しく、病理組織学的に好中球病変による膵管上皮破壊像(granulocytic epithelial lesion:GEL)を特徴とするidiopathic duct-centric chronic pancreatitis(IDCP)がAIPとして報告されている。この疾患では、IgG4の関与はほとんどなく、発症年齢が若く、性差もなく、しばしば急性膵炎や炎症性腸疾患を合併する。近年、IgG4関連の膵炎(LPSP)をAIP1型、好中球病変の膵炎(IDCP)をAIP2型と分類するようになった。本稿では、主に1型について概説する。■ 疫学わが国で2016年に行われた全国調査では、AIPの年間推計受療者数は1万3,436人、有病率10.1人/10万人、新規発症者3.1人/10万人であり、2011年の調査での年間推計受療者数5,745人より大きく増加している。わが国では、症例のほとんどが1型であり、2型はまれである。■ 病因AIPの病因は不明であるが、IgG4関連疾患である1型では、免疫遺伝学的背景に自然免疫系、Th2にシフトした獲得免疫系、制御性T細胞などの異常が病態形成に関与する可能性が報告されている。■ 症状AIPは、高齢の男性に好発する。閉塞性黄疸で発症することが多く、黄疸は動揺性の例がある。強度の腹痛や背部痛などの膵炎症状を呈する例は少ない。無症状で、糖尿病の発症や増悪にて発見されることもある。約半数で糖尿病の合併を認め、そのほとんどは2型糖尿病である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)自己免疫性膵炎臨床診断基準2018(表)を用いて診断する。表 自己免疫性膵炎臨床診断基準2018【診断基準】A.診断項目I.膵腫大:a.びまん性腫大(diffuse)b.限局性腫大(segmental/focal)II.主膵管の不整狭細像:a.ERPb.MRCPIII.血清学的所見高IgG4血症(≧135mg/dL)IV.病理所見a.以下の(1)~(4)の所見のうち、3つ以上を認める。b.以下の(1)~(4)の所見のうち、2つを認める。c.(5)を認める。(1)高度のリンパ球、形質細胞の浸潤と、線維化(2)強拡1視野当たり10個を超えるIgG4陽性形質細胞浸潤(3)花筵状線維化(storiform fibrosis)(4)閉塞性静脈炎(obliterative phlebitis)(5)EUS-FNAで腫瘍細胞を認めない.V.膵外病変:硬化性胆管炎、硬化性涙腺炎・唾液腺炎、後腹膜線維症、腎病変a.臨床的病変b.病理学的病変VI.ステロイド治療の効果B.診断I.確診(1)びまん型 Ia+<III/IVb/V(a/b)>(2)限局型 Ib+IIa+<III/IVb/V(a/b)>の2つ以上またはIb+IIa+<III/IVb/V(a/b)>+VIまたはIb+IIb+<III/V(a/b)>+IVb+VI(3)病理組織学的確診 IVaII.準確診限局型:Ib+IIa+<III/IVb/V(a/b)>またはIb+IIb+<III/V(a/b)>+IVcまたはIb+<III/IVb/V(a/b)>+VIIII.疑診(わが国では極めてまれな2型の可能性もある)びまん型:Ia+II(a/b)+VI限局型:Ib+II(a/b)+VI〔+;かつ、/;または〕(日本膵臓学会・厚生労働省IgG4関連疾患の診断基準並びに治療指針を目指す研究班. 膵臓. 2020;33:906-909.より引用、一部改変)本症の診断においては、膵がんや胆管がんなどの腫瘍性の病変を否定することがきわめて重要である。診断に際しては、可能な限りのEUS-FNAを含めた内視鏡的な病理組織学的アプローチ(膵液細胞診、膵管・胆管ブラッシング細胞診、胆汁細胞診など)を施行すべきである。診断基準では、膵腫大、主膵管の不整狭細像、高IgG4血症、病理所見、膵外病変とステロイド治療の効果の組み合わせにより診断する。びまん性の膵腫大を呈する典型例では、高IgG4血症、病理所見か膵外病変のどれか1つを満たせばAIPと診断できる。一方、限局性膵腫大例では、膵がんとの鑑別がしばしば困難であり、従来の診断基準では内視鏡的膵管造影(ERP)による主膵管の膵管狭細像が必要であった。しかし、昨今診断的ERPがあまり行われなくなってきたことなどを考慮して、MR胆管膵管撮影(MRCP)所見、EUS-FNAによるがんの否定所見とステロイド治療の効果を組み込むことにより、ERPなしで限局性膵腫大例の診断ができるようになった。■ 膵腫大“ソーセージ様”を呈する膵のびまん性(diffuse)腫大は、本症に特異性の高い所見である。しかし、限局性(segmental/focal)腫大では膵がんとの鑑別が問題となる。腹部超音波検査では、低エコーの膵腫大部に高エコースポットが散在することが多い(図1)。腹部ダイナミックCTでは、遅延性増強パターンと被膜様構造(capsule-like rim)が特徴的である(図2)。画像を拡大する画像を拡大する■ 主膵管の不整狭細像ERPによる主膵管の不整狭細像(図3、4)は本症に特異的である。狭細像とは閉塞像や狭窄像と異なり、ある程度広い範囲に及んで、膵管径が通常より細くかつ不整を伴っている像を意味する。典型例では狭細像が全膵管長の3分の1以上を占めるが、限局性の病変でも、狭細部より上流側の主膵管には著しい拡張を認めないことが多い。短い膵管狭細像の場合には膵がんとの鑑別がとくに困難である。主膵管の狭細部からの分枝の派生や非連続性の複数の主膵管狭細像(skip lesions)は、膵がんとの鑑別に有用である。MRCPは、主膵管の狭細部からの分枝膵管の派生の評価は困難であることが多いが、主膵管がある程度の広い範囲にわたり検出できなかったり狭細像を呈する、これらの病変がスキップして認められる、また、狭細部上流の主膵管の拡張が軽度である所見は、診断の根拠になる。画像を拡大する画像を拡大する■ 血清学的所見AIPでは、血中IgG4値の上昇(135mg/dL以上)を高率に認め、その診断的価値は高い。しかし、IgG4高値は他疾患(アトピー性皮膚炎、天疱瘡、喘息など)や一部の膵臓がんや胆管がんでも認められるので、この所見のみからAIPと診断することはできない。今回の診断基準には含まれていないが、高γグロブリン血症、高IgG血症(1,800mg/dL以上)、自己抗体(抗核抗体、リウマチ因子)を認めることが多い。■ 膵臓の病理所見本疾患はLPSPと呼ばれる特徴的な病理像を示す。高度のリンパ球、形質細胞の浸潤と、線維化を認める(図5)。形質細胞は、IgG4免疫染色で陽性を示す(図6)。線維化は、紡錘形細胞の増生からなり、花筵状(storiform fibrosis)と表現される特徴的な錯綜配列を示し、膵辺縁および周囲脂肪組織に出現しやすい。小葉間、膵周囲脂肪組織に存在する静脈では、リンパ球、形質細胞の浸潤と線維化よりなる病変が静脈内に進展して、閉塞性静脈炎(obliterative phlebitis)が生じる。EUS-FNAで確定診断可能な検体量を採取できることは少ないが、腫瘍細胞を認めないことよりがんを否定できる。画像を拡大する画像を拡大する■ 膵外病変(other organ involvement:OOI)AIPでは、種々のほかのIgG4関連疾患をしばしば合併する。その中で、膵外胆管の硬化性胆管炎、硬化性涙腺炎・唾液腺炎(ミクリッツ病)、後腹膜線維症、腎病変が診断基準に取り上げられている。硬化性胆管炎は、AIPに合併する頻度が最も高い膵外病変である。下部胆管に狭窄を認めることが多く(図4)、膵がんまたは下部胆管がんとの鑑別が必要となる。肝内・肝門部胆管狭窄は、原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis:PSC)や胆管がんとの鑑別を要する。AIPの診断に有用なOOIとしては、膵外胆管の硬化性胆管炎のみが取り上げられている。AIPに合併する涙腺炎・唾液腺炎は、シェーグレン症候群とは異なって、涙腺分泌機能低下に起因する乾燥性角結膜炎症状や口腔乾燥症状は軽度のことが多い。顎下腺が多く、涙腺・唾液腺の腫脹の多くは左右対称性である。後腹膜線維症は、後腹膜を中心とする線維性結合織のびまん性増殖と炎症により、腹部CT/MRI所見において腹部大動脈周囲の軟部影や腫瘤を呈する。尿管閉塞を来し、水腎症を来す例もある。腎病変としては、造影CTで腎実質の多発性造影不良域、単発性腎腫瘤、腎盂壁の肥厚病変などを認める。■ ステロイド治療の効果ステロイド治療の効果判定は、画像で評価可能な病変が対象であり、臨床症状や血液所見は対象としない。ステロイド開始2週間後に効果不十分の場合には再精査が必要である。できる限り病理組織を採取する努力をすべきであり、ステロイドによる安易な診断的治療は厳に慎むべきである。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)経口ステロイド治療が、AIPの標準治療法である。経口プレドニゾロン0.6mg/kg/日の初期投与量を2~4週間投与し、その後画像検査や血液検査所見を参考に約1~2週間の間隔で5mgずつ漸減し、3~6ヵ月ぐらいで維持量まで減らす。通常、治療開始2週間ほどで改善傾向が認められるので、治療への反応が悪い例では膵臓がんを疑い、再検査を行う必要がある。AIPは20~40%に再燃を起こすので、再燃予防にプレドニゾロン5mg/日程度の維持療法を1~3年行うことが多い(図7)。近年、欧米では、再燃例に対して免疫調整薬やリツキシマブの投与が行われ、良好な成績が報告されている。図7 AIPの標準的ステロイド療法画像を拡大する4 今後の展望AIPの診断においては、膵臓がんとの鑑別が重要であるが、鑑別困難な例がいまだ存在する。病因の解明と確実性のより高い血清学的マーカーの開発が望まれる。EUS-FNAは、悪性腫瘍の否定には有用であるが、採取検体の量が少なく病理組織学的にAIPと診断できない例があり、今後採取方法のさらなる改良が求められる。AIPでは、ステロイド治療後に再燃する例が多く、再燃予防を含めた標準治療法の確立が必要である。5 主たる診療科消化器内科、内分泌内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報自己免疫性膵炎診療ガイドライン 2020(日本膵臓学会ホームページ)(医療従事者向けのまとまった情報)自己免疫性膵炎臨床診断基準[2018年](日本膵臓学会ホームページ)(医療従事者向けのまとまった情報)1)日本膵臓学会・厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等政策研究事業)「IgG4関連疾患の診断基準並びに治療指針の確立を目指す研究」班.自己免疫性膵炎診断基準 2018. 膵臓. 2018;33:902-913.2)日本膵臓学会・厚生労働省IgG4関連疾患の診断基準並びに治療指針を目指す研究班.自己免疫性膵炎診療ガイドライン2020. 膵臓. 2020;35:465-550.公開履歴初回2014年03月06日更新2016年03月22日更新2024年07月25日

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第1世代抗精神病薬はどの薬剤も変わらないのか

 記述的、非体系的レビューによると、薬理学的に同等な仮説を有するさまざまな第1世代抗精神病薬(FGA)間に有効性の差がないことが明らかになっている。オーストリア・ウィーン医科大学のMarkus Dold氏らは、すべてのFGAの有効性が同等であるとの仮説を、メタ解析統計を用いたエビデンスベースの検討を行った。The world journal of biological psychiatry誌オンライン版2016年2月26日号の報告。 統合失調症における経口ハロペリドールと他のFGAとを比較したすべてのRCTを特定するため、システィマティック文献サーベイ(Cochrane Schizophrenia Group trial register)を適用した。主要評価項目は、2群の治療反応とした。副次的評価項目は、尺度によって測定された症状重症度、中止率、特定の有害事象とした。 主な結果は以下のとおり。・1962~99年に公表された79件のRCTより、4,343例が抽出された。・ネモナプリドだけがハロペリドールと間に有意な群間差が認められ、検討されたその他19薬剤では認められなかった。・中止率に有意な差は認められなかった。 結果を踏まえ、著者らは「単一メタ解析比較のほとんどは、検出力不足であると見なすことができ、すべてのFGAは同等の効果であるとの仮説のエビデンスは決定的ではない。したがって、この論点に関する先行研究の記述的、非体系的レビューにおける仮説は、確認も否定もできなかった。また、本調査結果は、個々の比較におけるサンプル数の不足や方法論的な質の低さから限定的である」としている。関連医療ニュース いま一度、ハロペリドールを評価する 第1世代と第2世代抗精神病薬、認知機能への影響の違いは 第1世代 vs 第2世代抗精神病薬、初回エピソード統合失調症患者に対するメタ解析

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降圧薬、アドヒアランス不良でCVD死亡リスク1.6倍以上

 降圧薬のアドヒアランス不良は、心血管疾患(虚血性心疾患・脳出血・脳梗塞)による死亡および入院リスクの上昇と有意な関連が認められることが、韓国・Korea Cancer Center HospitalのSoyeun Kim氏らによる研究で明らかになった。著者らは、実臨床における服薬アドヒアランス改善と監視システムの重要性を強調した。Hypertension誌2016年3月号の報告。 心血管疾患予防において、降圧薬の服薬アドヒアランスが重要であるかは十分に解明されていない。そのため、本研究では、降圧薬の服薬アドヒアランスが特定の心血管疾患(虚血性心疾患・脳出血・脳梗塞)の死亡率に及ぼす影響について検討した。 韓国の国民健康保険の登録者からランダムに抽出した3%のサンプルコホートのデータを使用した。調査対象は、2003~04年に降圧薬治療を新規に開始した20歳以上の高血圧患者であった。降圧薬の服薬アドヒアランスは、累積服薬順守率から推定した。対象を、アドヒアランス良好群(累積服薬順守率80%以上)、アドヒアランス中間群(同50~80%)、アドヒアランス不良群(同50%未満)に分類し、時間依存Cox比例ハザードモデルを用いて、服薬順守率と予後との関連を評価した。 主な結果は以下のとおり。・3万3,728例の適格者のうち、670例(1.99%)がフォローアップ中に冠動脈疾患、あるいは脳卒中で死亡した。・アドヒアランス不良群は、良好群よりも心血管疾患による死亡リスクが有意に高い傾向が認められた。虚血性心疾患(ハザード比[HR] 1.64、95%CI:1.16~2.31、p for trend=0.005)脳出血(HR 2.19、95%CI:1.28~3.77、p for trend=0.004)脳梗塞(HR 1.92、95%CI:1.25~2.96、p for trend=0.003)・心血管疾患による入院の推定ハザード比は、死亡のエンドポイントと一致した。

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アレルギー予防、生後3ヵ月からの食物摂取の効果は?/NEJM

 生後3ヵ月という早期からアレルギー性食物の摂取を始めても、食物アレルギー発症防止に関する有意な効果は認められなかったことが、英国・ロンドン大学のMichael R. Perkin氏らが行った1,303例を対象とした無作為化試験の結果、示された。世界保健機関(WHO)が生後6ヵ月までの完全母乳哺育を推奨している一方で、アレルギー性食物摂取の待機的開始を推奨していた欧米の2つのガイドラインはすでに撤回されている。これまでに観察研究や無作為化試験で、早期からアレルギー性食物を与えることの食物アレルギー発症の抑制効果が報告されていたが、開始年齢については明らかになっていなかった。研究グループは、生後3ヵ月での開始の効果について検証した。NEJM誌オンライン版2016年3月4日号掲載の報告より。生後3ヵ月で6種のアレルギー性食物摂取を開始、食物アレルギー発症率低下を評価 試験は、英国セント・トーマス病院単施設で2009年11月2日~12年7月30日に、イングランドとウェールズの一般集団から、生後3ヵ月間、母乳のみで育てられた乳児1,303例を集めて行われた。 被験者を、6種のアレルギー性食物(ピーナッツ、鶏卵、牛乳、ゴマ、白身魚、小麦)の早期摂取開始群(652例)、または現在英国で推奨されている生後約6ヵ月間は完全母乳哺育を行う(標準摂取開始)群(651例)に無作為に割り付けた。 主要アウトカムは、1~3歳で発症した6種のうち1種以上の食物アレルギーとした。標準摂取開始(6ヵ月)群と有意差みられず 結果、intention-to-treat解析(追跡データが得られ解析できた全被験者を包含)では、6種のうち1種以上の食物アレルギーを発症したのは、標準摂取開始群7.1%(42/595例)に対し、早期摂取開始群は5.6%(32/567例)であり、早期開始による有意な抑制効果はみられなかった(相対リスク[RR]:0.80、95%信頼区間[CI]:0.51~1.25、p=0.32)。 per-protocol解析は、割り付け介入の十分順守(両群とも母乳は月齢5ヵ月以上与え、標準摂取開始群は月齢5ヵ月以前にピーナッツ、鶏卵、ゴマ、白身魚の消費なし、早期摂取開始群は、月齢3~6ヵ月に5種以上を5週間以上摂取など)が確認された全被験者を包含して行った。その結果では、全食物アレルギー発症率は、標準摂取開始群(7.3%、38/524例)よりも早期摂取開始群(2.4%、5/208例)で有意な低下が認められた(RR:0.33、95%CI:0.13~0.83、p=0.01)。種別では、ピーナッツアレルギーが早期摂取開始群は0%、標準摂取開始群2.5%(p=0.003)、卵アレルギーは1.4% vs.5.5%(p=0.009)で有意差がみられた。牛乳、ゴマ、白身魚、小麦については有意な効果がみられなかった。 ピーナッツまたは卵の白身の2g/週摂取が、非摂取と比較して、有意なピーナッツアレルギー、卵アレルギーの発症の抑制と関連していた。 なお、6種すべての食物の早期摂取開始について、安全性に問題はなかったが、早期摂取の達成に困難性がみられた。 これらの結果を踏まえて著者は、「今回の試験でintention-to-treat解析の結果では、アレルギー性食物の早期摂取開始の有効性は示されなかった」と述べるとともに、「さらなる解析の結果、標準母乳哺育で複数のアレルギー性食物の早期摂取を開始するという食物アレルギー予防策は、アドヒアランスや用量によって可能であることが示唆された」とまとめている。

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肥満治療薬naltrexone/bupropion合剤の安全性/JAMA

 過体重/肥満患者へのnaltrexone/bupropion組み合わせ治療は、主要有害心血管イベント(MACE)の発生について、プラセボとの比較において非劣性のマージン内であったことが、米国クリーブランド・クリニックセンターのSteven E. Nissen氏らによる、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照非劣性試験の結果、示された。ただし、著者は試験の検出力不足について指摘し、さらなる検討の必要性を提言している。肥満治療について、心血管アウトカムを評価した試験はほとんど行われていない。naltrexoneとbupropionはそれぞれ米国上市薬であるが、両者を組み合わせた肥満治療薬は心血管系の安全性について議論の的となっていた。JAMA誌2016年3月8日号掲載の報告。初回MACE発生までの期間を無作為化試験で評価 試験は、米国266の医療施設で、2012年6月13日~13年1月21日に、心血管リスクが高い過体重/肥満の患者8,910例を登録して行われた。全員に、インターネットベースの体重管理プログラムが提供され、プラセボを受ける群(4,454例)、もしくはnaltrexone 32mg/日+bupropion 360mg/日を受ける群(4,456例)に、無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、無作為化から初回MACE発生までの期間であった。 主要解析では非劣性ハザード(HR)を評価。計画では、米国FDAの命に基づき、378例のイベント発生後のHRの95%信頼区間(CI)上限値1.4で評価すること(試験終了時)、約87例のイベント発生後に同上限値を2.0で評価すること(25%のイベント発生での中間解析)が計画に盛り込まれた。試験スポンサー(Orexigen Therapeutics社)とFDAにより、25%中間解析結果は、試験終了時まで開示しないことで合意がなされたが、スポンサーが特許公開をしたことで25%中間解析結果が公表されるところとなり、その違法性を理由に、試験のアカデミックリーダーシップが試験終了を勧告。スポンサーはこれを了承し試験は早期に打ち切りとなった。MACE発生に関する非劣性マージンは満たしたが、早期終了で検出力不足 被験者8,910例は、平均年齢61.0(SD 7.3)歳、女性が54.5%、32.1%に心血管疾患歴があり、85.2%が糖尿病を有していた。BMI中央値は36.6(四分位範囲33.1~40.9)であった。 25%中間解析の結果、MACE発生は、プラセボ群59例(1.3%)、naltrexone/bupropion群35例(0.8%)であった(HR:0.59、95%CI:0.39~0.90)。 事前計画イベント数の50%発生時の解析では、MACE発生は、プラセボ群102例(2.3%)、naltrexone/bupropion群90例(2.0%)であった(HR:0.88、95%CI:0.57~1.34)。 有害事象の頻度はnaltrexone/bupropion群が高く、胃腸系イベント14.2% vs.1.9%(p<0.001)、中枢神経系症状5.1% vs.1.2%(p<0.001)などが報告された。 著者は、「25%および50%中間解析でも、プラセボと比較したnaltrexone/bupropion MACE発生HRの95%CI上限値は2.0を超えなかった。一方で、予想外の試験早期終了のため、事前に設定された上限値1.4での非劣性の評価ができなかった。したがって、本治療の心血管系の安全性については、なお不明であり、十分な検出力を備えた試験で評価を行うことが必要であろう」とまとめている。

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てんかん重積状態に対するアプローチは

 てんかん重積状態と群発発作は、よくみられる神経救急状態である。ドイツ・ザールラント大学のArmin Bachhuber氏らは、ベンゾジアゼピン非応答のてんかん重積状態と群発発作の治療における異なる抗てんかん薬治療を比較評価するため、単施設後ろ向きコホート研究を行った。CNS neuroscience & therapeutics誌2016年3月22日号(オンライン版2016年2月4日)の報告。 著者らは、2007年1月~2012年7月にザールラント大学神経内科で、ジアゼパム換算20mg以上のベンゾジアゼピンに応答しないてんかん重積状態または群発発作により治療を受けた66例の診療記録をレビューした。エンドポイントは、第2、第3ラインの治療として使用したlacosamide、レベチラセタム、バルプロ酸、フェニトインの有効性、および7日後のグラスゴー・アウトカム・スケールを分析した。 主な結果は以下のとおり。・61例(92.4%)がてんかん重積状態であり、5例(7.6%)が群発発作であった。・比較薬は、発作抑制に等しく有効であった。・7日後のグラスゴー・アウトカム・スケールに有意な差は認められなかった(p=0.60)。 結果を踏まえ、著者らは「本結果は、てんかん重積状態や群発発作の治療における、レベチラセタム、バルプロ酸、lacosamideなど現在の抗てんかん薬による治療戦略を支持する」としている。関連医療ニュース てんかん重積状態の薬物療法はエビデンス・フリー・ゾーン 高齢者焦点てんかん、治療継続率が高い薬剤は てんかんと自殺企図、病因は共通している

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ベジタリアン/ヴィーガンダイエットって実際どうなの?

 ベジタリアン1)ダイエットは虚血性心疾患とすべてのがんの発症および死亡リスクを、また、ヴィーガン(完全菜食主義)2)ダイエットはすべてのがんの発症リスクを有意に低下させることが、イタリア・フィレンツェ大学のMonica Dinu氏らによるメタ解析で明らかになった。Critical reviews in food science and nutrition誌オンライン版 2016年2月6日号の報告。 ベジタリアンおよびヴィーガンダイエットの有益な効果は、すでに報告されている。 本研究では、ベジタリアン/ヴィーガンダイエットと、慢性疾患のリスク因子、すべての原因による死亡、心血管疾患の発症および死亡、すべてのがん・特定のがんの発症および死亡リスク(大腸がん、乳がん、前立腺がん、肺がん)との関連を明確にする目的でメタ解析を行った。 文献データベースは、MEDLINE、EMBASE、Scopus、The Cochrane Library、Google Scholarを用い、包括的な検索を行った。 主な結果は以下のとおり。・横断的研究86件と前向きコホート研究10件を解析対象とした。<横断的研究の解析結果>・ベジタリアン/ヴィーガン群は雑食群よりも、BMI・総コレステロール・LDLコレステロール・血糖値が有意に低下した。<前向きコホート研究の解析結果>・ベジタリアン群の虚血性心疾患の発症および/または死亡リスク(RR 0.75、95%CI:0.68~0.82)とすべてのがん発症リスク(RR 0.92、95%CI:0.87~0.98)は、雑食群よりも有意に低下したが、心血管疾患・脳血管疾患の発症および死亡リスク、すべての原因による死亡リスク、がんによる死亡リスクに有意な低下はみられなかった。また、特定のがんの発症および死亡リスクとの間には有意な関連は認められなかった。・ヴィーガンのみを対象とした解析では、研究数が限られているものの、すべてのがんの発症リスクが雑食群よりも有意に低下した(RR 0.85、95%CI:0.75~0.95)。・以上の結果より、ベジタリアンダイエットは、虚血性心疾患の発症および/または死亡リスクを25%低下、すべてのがん発症リスクを8%低下させ、ヴィーガンダイエットは、すべてのがんの発症リスクを15%低下させることが示された。1)ベジタリアン:菜食主義者。野菜中心の食生活をする。2)ヴィーガン:完全菜食主義者。肉、魚、卵、乳製品、ハチミツを一切摂取しない。

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米臨床試験で治療成績向上の実績、TAVI生体弁「Sapien3」承認

 エドワーズライフサイエンス株式会社(東京都新宿区、代表取締役会長:ケイミン・ワング)は3月11日、TAVI(経カテーテル大動脈弁治療)用の生体弁「エドワーズ サピエン3」(以下サピエン3)の製造販売承認を取得した。5月を目途に保険償還を経て、必要なトレーニングを修了した医療機関に向けて販売を開始、今年中には既存のすべてのTAVI実施施設にて使用開始できる予定。 TAVIは2007年にヨーロッパで初めて臨床に導入されたが、いかに生体弁を細くたたみ、カテーテル全体をより細くできるかが課題であった。サピエン3は生体弁のデザインを進化させることで、血管径の適用を従来の6.0mm以上から5.5mm以上とすることに成功。また、生体弁周囲に付けたスカートにより、血流の漏れを防げるようになったという。サピエン3の登場により、これまで血管が細いなどの理由でTAVIが困難とされた患者へ治療の広がりが期待される。「サピエン3」概要 販売名:エドワーズ サピエン3 (承認番号:22800BZX00094000) サイズ:(径)20mm、23mm、26mm、29mm 原材料:(弁尖)牛心のう膜、(フレーム)コバルトクロム合金 ※専用カテーテル(デリバリーシステム)他とのキット単位での提供。アプローチは経大腿(TF)のみエドワーズライフサイエンス株式会社のプレスリリースはこちら。

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電極リードも不要、ジェネレーター用の皮下ポケットも不要。近未来のリードレスペースメーカ(解説:矢崎 義直 氏)-498

 ペースメーカが、初めて人体に植込まれてから50年以上もの月日が経つ。現在に至るまで、安全性に関してさまざまな改良がなされてきたが、電極リードを経静脈的に挿入する従来のペースメーカにおける合併症の発生率は、10%前後といまだ高い。そのほとんどが、電極リードやジェネレーター用の皮下ポケットに関連するものである。 これらデバイスの感染は、とくに敗血症などの致命的な合併症へと進展する可能性があり、細心の注意が必要だが、経皮的に皮下、静脈内、心腔内に異物を留置する限り、デバイス感染は一定の確率で起こる。よって、“リードレス”ペースメーカは、まさに循環器医が切望してきたデバイスである。ペースメーカの小型化が進み、すべてが心腔内のみに収まる、体積わずか0.8cm3、重さ2gのジェネレーターと電極が一体型のデバイスが開発され、ついに、リードレスペースメーカの時代が訪れた。 リードレスペースメーカは、大腿静脈経由でデリバリー用カテーテルを用いて右室心尖部に4本のタインにて固定される。レートレスポンス等の機能が備わり、電池寿命も10年前後と従来のペースメーカ機能と遜色ない。 本試験は、多施設共同の前向き研究で、リードレスペースメーカ植込みの安全性と効果を検討した。対象は、恒久的ペースメーカ(VVIモード)植込みの適応となる725症例である。対象年齢は19~94歳と幅は広いが、平均76歳と多くは高齢者であり、約70%が心房細動症例などであるという患者背景をみると、リアルワールドに近いVVI適応群が対象となっている。 本試験は初期のラーニングカーブを含んでいるにもかかわらず、植込み成功率が99.2%と高い。今までにない新しいデバイス植込みの方法ではあるが、従来の植込みより際立って難しい手技ではないといえる。安全性に関しては、従来型ペースメーカの6つの既報の臨床試験から2,667例をコントロール群として、比較している。安全性の1次エンドポイントは、死亡、デバイス機能の停止、再入院、入院の延長に関与した有害事象の発生である。 従来のペースメーカで懸念されるリードやポケットのトラブルの心配もなく、有害事象の発生率は、全体の4%と経静脈的ペースメーカと比較すると有意に少ない。合併症のうち、唯一、心臓穿孔を1.6%に生じており、有意差はないもののコントロール1.1%と比較して多かった。 デリバリー用のカテーテルの外径が27Frとかなり太く、操作には注意が必要である。とくに日本人は欧米人と比較して体格が小さく、サイズが問題となる場合もあるが、本試験の対象患者の身長、体重はともに幅広く、比較的体格の小さな症例も多く含まれている。 治療効果の1次エンドポイントは、植込みから半年後のデバイスチェックでペーシング閾値が低く(0.24msecで2.0V未満)、安定した(閾値上昇が1.5V以内)症例の割合を評価した。症例297例のうち、98.3%の症例が6ヵ月後のペースメーカチェックにてエンドポイントの条件を満たした。全症例で、デバイスの位置移動や脱落はなく、植込み後6ヵ月を通して、閾値や感度、抵抗値の変動はみられず、非常に安定したペースメーカ機能を保っていた。 本試験は、従来のペースメーカと無作為割り付けされた試験ではないので強くはいえないが、リードレスペースメーカは、より安全に植込むことが可能であり、安定したペーシング機能が期待できそうである。本デバイスは、まだシングルチャンバーのみで、適応に制限はあるが、デュアルチャンバーやICDとの連携システムも開発中であり、今後、リードレスがペースメーカの主流になる日も近いかもしれない。

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