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高齢者に対する1次予防のICDは予後を改善するか。観察研究のバイアスとの戦い(解説:矢崎 義直 氏)-454

 本試験は、心不全を呈する65歳以上の高齢者を対象とし、ICD植込みによる1次予防の予後改善効果を検討した観察研究である。これまでの多くのICDに関する大規模臨床試験の対象は55歳前後であるが、実臨床では高齢者がICDの適応となることがより多い。また、通常のICDの1次予防に関する試験は、病態が安定した外来通院中に植込みの適応を決めているが、本試験では心不全増悪や非心臓疾患による入院中の症例がターゲットとなっており、よりリアルワールドを反映した観察研究といえる。 観察研究で問題となるのが、患者選択の際に起こるバイアスの影響である。ガイドライン上、ICDの適応を満たしているにもかかわらず、なんらかの理由で主治医がICDを挿入しないと判断した症例が対照群となる。高齢者に対するICD植込みは、患者の全身状態や環境を加味して選択することが多い。つまり、対照群は必然的にもとより予後が悪い症例となるため、観察研究では純粋にICDの効果を比較するのは難しい。また、これまでのICD関連の無作為化比較試験でみられるICDによる予後改善効果は、1年以上経ってから認めることが多いが、本試験ではかなり早期にICD群と対照群で予後に差がついており、患者選択におけるバイアスの影響が示唆される。 そこで本試験は、バイアスがかかりやすい試験開始初期に一定のブランキングピリオドを設けたり、High dimensional propensity scoreを用いて、より精度の高い多変量解析を行い、バイアスによる影響を排除する試みがなされている。最終的な統計処理の結果、1次予防を目的としてICD植込みが行われた高齢者群には、対照群と比較して予後改善効果を認めなかった。 今回の結果は、高齢者にICDは無効というメッセージではなく、やはり高齢者は非心臓疾患や全身状態、環境などのさまざまな因子が予後に大きく関わっている可能性が示唆された。今回、有意差はつかなかったが、陳旧性心筋梗塞や左脚ブロックの症例、BNPが低値の群では、ICDにより予後が改善傾向にあった。やはり、高齢者でICDが必要な症例は存在しており、その予測因子の特定が今後の課題である。また、この研究ではCRTD例は除外されており、ICDのみでの効果に差が出にくかった可能性も考えられる。

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Japan Physical Club 2015

年末スペシャル2015へ戻る 画像を拡大する 2015年10月10日・11日の両日にわたり奄美大島で開催された「JPC2015」。 全国各地から医師・医学生ら121名が、臨床現場でのフィジカル力アップを目指し集結した。このコーナーでは、当日開催されたさまざまなレクチャーより、とくに日常診療で役立つと思われる問診や診断のポイント、聴診、打診など手技のレクチャーを選び、お届けする。(下の動画は30秒の予告編) (スチールカメラ:戸田 敏治)

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セクション1 腹部のフィジカル

セクション1 腹部のフィジカル講師 徳田安春氏(地域医療機能推進機構本部 総合診療 顧問)第1弾は、総合診療の第一人者、徳田 安春氏の登場です。今回は、腹部の診察について、動画と図表を用いてわかりやすく、そして、丁寧にレクチャーを行います。これで腹水のフィジカルはマスター!

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統合失調症患者の不安症状はしばしば軽視されている

 統合失調症患者において不安症状の有症率は65%にも上り、併存するさまざまな不安障害(強迫性障害や心的外傷後ストレス障害を含む)の診断は転換期を迎えている。南アフリカ・ケープタウン大学のHenk Temmingh氏らは、統合失調症患者における不安症の臨床所見、診断、神経生物学および薬物治療についてレビューした。著者らは、「統合失調症患者の不安症状や不安障害の診断および治療はしばしば軽視されている」と警鐘を鳴らしている。CNS Drugs誌オンライン版2015年10月19日号の掲載報告。統合失調症患者における不安障害の有病率は38%と推定 統合失調症患者における不安症についてのレビューの概要は以下のとおり。・統合失調症患者における不安障害の有病率は38%と推定され、社交不安障害が最も一般的である。・陽性症状の重症度は不安症状の重症度と相関するが、不安症は精神病症状とは独立してみられる。・不安症は良好な病識と関連するが、うつ病、自殺傾向、医療サービスの利用および認知障害の増加とも関連している。・不安症状を有する患者は、外在化症状とはまったく異なる他の内在化症状を有しているおそれがある。・統合失調症における不安症の診断は、陽性症状(不安症をわかりにくくしている)、感情表出やコミュニケーションの乏しさ(診断を妨げる)およびアカシジアのため、困難と思われる。・急性期精神症状消失後のアセスメントや、スクリーニング用質問票および疾患特異的な自己記入式質問票の使用によって、高い診断率が得られる。・不安症を有する統合失調症患者では、自律反応の増加や中性刺激への反応増加以外の、不安誘発刺激存在下における恐怖回路の機能低下が認められている。・最近の研究では、セロトニントランスポーター遺伝子、脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子およびセロトニン1a (5-HT1A)受容体の関与が示唆されているが、予備的研究であり再現研究が必要である。・統合失調症患者の不安症状や不安障害に対する精神療法に関する無作為化比較試験は、ほとんどない。・薬物療法に関しては、アリピプラゾールおよびリスペリドンが強迫および社交不安症状に、クエチアピンおよびオランザピンが全般不安症に有効であることが、少数の無作為化試験および非盲検試験で示されている。・トリフロペラジンのような古い薬剤が、併存する不安症状を軽減する可能性もある。・代替選択肢には選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と抗精神病薬併用による増強療法等があるが、エビデンスは少なく(少数の無作為化試験、小規模な非盲検試験、症例報告)、チトクロムP450薬物相互作用ならびにQT間隔延長に注意が必要である。・buspironeとプレガバリンによる増強療法も考慮される。

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米国の非急性PCIの不適切施行、5年で大幅減/JAMA

 米国における2009~14年の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の施行動向を調べた結果、非急性PCIの不適切施行は26.2%から13.3%に有意に減少していたことが、イェール大学医学部のNihar R. Desai氏らによる調査の結果、明らかにされた。一方で、非急性PCIの不適切施行率の病院間のばらつきは、2014年時点でも5.9%~22.9%にわたっており解消されていなかった。本検討は、2009年にリリースされたAppropriate Use Criteria for Coronary Revascularizationを踏まえて、PCI施行の動向を初めて調査した結果だという。JAMA誌2015年11月17日号掲載の報告。2009~14年の全米766病院、270万例のPCI施行例を分析 Appropriate Use Criteria for Coronary Revascularizationは、米国心臓病学会(ACC)と米国心臓協会(AHA)、その他関連専門学会が、PCIのクリティカルな評価と患者選択の改善を目的にリリースしたものである。 研究グループは、同基準導入後の米国におけるPCI施行数、患者選択、施行の適切さについて、2009年7月1日~14年12月31日のNational Cardiovascular Data Registry CathPCIレジストリデータを基に分析し調べた。 主要評価項目は、2012年版 Appropriate Use Criteria for Coronary Revascularizationの評価で不適切な非急性PCIと分類された施行割合で、患者および病院単位で評価した。 分析には、総計766病院、270万例のPCI施行データが組み込まれた。このうち、76.3%が急性PCI例、14.8%が非急性PCI例であった。病院間のばらつきは変わらず 年間のPCI全施行数は、2010年53万8,076例から14年は45万6,507例と減少していた。このうち急性PCIの年間施行数は、2010年37万7,540例、14年も37万4,543とほぼ変わらなかったが、非急性PCIは8万9,704例から5万9,375例へと有意に減少していた(p<0.001)。 非急性PCIを受けた患者についてみると、重度の狭心症での施行率が有意に上昇しており(カナダ心臓血管学会分類III/IVの狭心症が2010年15.8%、14年38.4%)、PCI施行前の抗狭心症薬服用(2剤以上服用が2010年22.3%、14年35.1%)、非侵襲検査で認められた高リスク症例(22.2%、33.2%)の割合も、それぞれ有意に上昇していた(すべてのp<0.001)。多枝冠動脈疾患の施行割合も、わずかだが有意に増えていた(43.7%、47.5%、p<0.001)。 また、非急性PCI不適切施行例の割合は、2010年26.2%(95%信頼区間[CI]:25.8~26.6)から14年は13.3%(同:13.1~13.6)に、施行数でみると2万1,781例から7,921例に減少していた。 病院単位でみた非急性PCI不適切施行例の割合は、2009年中央値25.8%であったのに対し14年は同12.6%と減少していた。ただし病院間のばらつきは変わっておらず、2009年の分布範囲は16.7%~37.1%、14年は5.9%~22.9%であった。

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小児の乾癬発症、抗菌薬や感染症との関連は?

 抗生物質(抗菌薬)はヒトの微生物叢を破壊し、いくつかの小児の自己免疫疾患と関連している。一方、乾癬は、A群溶連菌およびウイルス感染と関連していることが知られている。米国・ペンシルベニア大学のDaniel B. Horton氏らは、抗菌薬治療や感染症が小児における偶発的な乾癬と関連しているかどうかを調べる目的で、コホート内症例対照研究を行った。その結果、感染症は小児の乾癬発症と関連しているが、抗菌薬は実質的にはそのリスクはないことを報告した。JAMA Dermatology誌オンライン版2015年11月11日号の掲載報告。 研究グループは、英国におけるプライマリケアの医療記録データベースであるThe Health Improvement Networkを用い、1994年6月27日~2013年1月15日のデータを2014年9月17日~2015年8月12日に分析した。 症例は、初めて乾癬と診断された1~15歳の小児(免疫不全、炎症性大腸疾患および若年性関節炎患児を除く)(845例)で、年齢および性別をマッチさせた乾癬の既往のない対照小児(8,450例)と比較した。対照は、乾癬と診断した小児が1例以上いるプライマリケアにおいて診断と同時期に受診した小児から無作為抽出された。 全身投与の抗菌薬処方、および乾癬と診断される前2年以内の皮膚ならびに他の部位の感染症について調べ、主要評価項目を乾癬の発症として、乾癬と抗菌薬治療ならびに感染症との関連性について条件付きロジスティック回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・マッチング、地域、社会経済的貧困、外来受診および過去2年以内の感染症に関して調整後、最近2年間の抗菌薬治療は偶発的な乾癬とわずかに関連していた(調整オッズ比[aOR]:1.2、95%信頼区間[CI]:1.0~1.5)。・皮膚感染症(aOR:1.5、95%CI:1.2~1.7)およびその他の感染症(同:1.3、1.1~1.6)の関連性は類似していた。・抗菌薬で治療した非皮膚感染症(1.1、0.9~1.4)ではなく、未治療の非皮膚感染症(1.5、1.3~1.8)が乾癬と関連していた。・曝露期間を生涯とした場合も、結果は類似していた。・抗菌薬の種類や抗菌薬を初めて投与された年齢は、乾癬と関連していなかった。・乾癬診断前の期間を2年からさまざまな期間に変えた場合でも、所見は実質上変化しなかった。

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EGFR-TKI耐性肺がんの再生検 その現状

 EGFR-TKI耐性非小細胞肺がん(以下、NSCLC)に有効な第3世代EGFR-TKIの登場で、耐性獲得後の遺伝子変異が治療方針に大きな影響を及ぼすこととなり、同時に耐性獲得時の再生検も重要性が増すことになる。再生検は、診断時生検に比べ手技的難易度が高いといわれるものの、その実施状況についての情報は少ない。そのような中、2015年11月26日から開催された第56回日本肺学会において、EGFR-TKI耐性NSCLCの再生検が大きく取り上げられた。細胞診が半数を占める先進5施設の成績 ワークショップ「再生検」(座長:大阪府立成人病センター 今村文生氏、ディスカサント:兵庫県立がんセンター 里内美弥子氏)では、5人の演者(がん研究会有明病院 小栗知世氏、倉敷中央病院 横山俊秀氏、埼玉県立がんセンター 福泉 彩氏、大阪市立総合医療センター 津谷あす香氏、鹿児島大学 隈元朋洋氏)が、再生検の現状の研究結果を発表。5つの演題を総括して、里内美弥子氏は以下のように解説した。 第3世代EGFR-TKI、AZD9291(osimertinib)は、本邦でも早期に臨床の舞台に現れると予想される。AZD9291の使用にあたっては、コンパニオン診断薬cobas EGFR Mutation Test v2でのEGFR変異の確認が必要である(FDA、第3世代TKI(AZD9291)を承認 参照)。 5つの演題をまとめると、再生検の部位は、診断時と比べ原発巣からの採取が大きく減って3割程度となり、脊髄液や胸水からの採取が増えている。再生検時の手技は、診断時に比べ気管支鏡が大幅に減り、胸水および腹水穿刺が増加し半分以上を占める。また、いずれの施設も組織検体を採る難易度が高いためか、細胞診が半数程度であった。 T790M陽性率は全体で4割程度。採取部位によって陽性率は異なり、髄液での陽性率は低かった(髄液を除くと5割程度となった)。 EGFR変異の検査法については、今後使われるであろうCobas法での実施は少なく、発表施設中1施設のみ、他の施設はPCR Invader法であった。AZD9291のコンパニオン診断薬であるCobas法では細胞診検体は指定外であり、再生検で多くなると予想される細胞診検体に対し、どう対応していくか検討が必要となるだろう。ハイボリュームセンターにおける再生検の現状 次に、九州がんセンター 瀬戸 貴司氏らによる、本邦最大規模となる再生検の実態調査結果がポスターセッションで発表された。この調査は、再生検の経験がある国内の30施設における進行NSCLCの再生検の実態を調査した多施設共同後ろ向き観察研究である(胸水を用いた再生検例は対象から除外)。主要評価項目は再生検成功率(がん細胞が採取できた症例数/再生検症例数)であった。 調査の結果、成功率は79.5%(314例/395例)であった。再生検時の検体採取部位は原発巣55.7%、転移巣30.6%であった。転移巣は診断時の9.1%と比べ大きく増加していた。再生検の採取方法は経気管支アプローチが62.0%、経皮的アプローチが29.1%で、経皮的アプローチは診断時の7.6%から大幅に増加していた。採取部位と採取方法による成功率の差はみられなかった。再生検時の合併症は5.8%であった。 里内氏はワークショップの中で、現状の再生検の実施状況はばらつきが多いが、AZD9291の登場により、再生検は避けて通ることができないものになるだろう、と述べた。

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梅毒に気を付けろッ! その2【新興再興感染症に気を付けろッ!】

ケアネットをご覧の皆さま、こんにちは。国立国際医療研究センター 国際感染症センターの忽那です。本連載「新興再興感染症に気を付けろッ!」、通称「気を付けろッ」は「新興再興感染症の気を付け方」についてまったりと、そして時にまったりと、つまり一貫してまったりと学んでいくコーナーです。第14回となる今回は梅毒の続きで、性交渉歴の聴取の仕方と梅毒の臨床症状についてです。デリケートな内容へのアプローチ梅毒は性感染症ですので、梅毒を疑った時点で性交渉歴を聞かなければなりません。読者の皆さまは、性交渉歴をどのように聴取していますでしょうか?もちろん「ねえねえ、セックスやってる~?」という90年代のバブリーなノリで聞いてはいけません。ここはビーチやゲレンデ、ましてやジュリアナ東京ではありません! われわれがいるのは病院であり、相手にしているのは患者さんなのですッ!われわれは、常日頃から性交渉歴というきわめて個人的な内容について、聴取していることに自覚的でなければなりません。患者さんのセックスについて、けっして軽く聞いてはならないのです。しかし、いきなり初対面の患者さんに、性交渉歴を聞くのはちょっとためらいがあることと思います。そんなときには「これはすべての患者さんに聞いていることなのですが…」「診断で大事なことかもしれないので、聞かせていただきたいのですが…」などの前置きをすると、患者さんも回答に抵抗が少ないかもしれません。「5つのP」を重点に肝心の問診の内容ですが、性交渉歴を聴取する際には「5つのP」を意識して問診することが重要です。米国疾病対策予防センター(CDC)のSTDガイドラインには「5P」と書いてあるのですが、性交渉の話で5Pっていうと、わが国では何となく誤解を招きやすい表現である気がしますので、私は「5つのP」と言っています、はい。表がその「5つのP」になります。画像を拡大するとくに重要なのはパートナーのPとプラクティスのPです。パートナーについては、男性か、女性か、両方かを聞きます。男性だから女性と、女性だから男性としか性交渉しないとは限りません。また、特定の相手のみとしか性交渉がないのか、不特定の相手ともあるのかによってSTDのリスクが大きく異なります。プラクティスは性交渉の内容です。通常の生殖器同士の性交渉だけでなく、オーラルセックス、オーラル・アナル・セックスなどの性交渉を行っているかを聴取します。3つ目のプロテクションのPは、コンドームの使用の有無によって感染のリスクを推定することができますし、4つ目の既往歴は性感染症の既往のある人は、また性感染症になりやすいという、けっして偏見ではなくキラリと光る真実に基づいています。このような「5つのP」を意識しながら、性感染症のリスク評価を行うわけですが、前回もご紹介したとおり、現在梅毒は大流行している状況です。また、今回の梅毒の流行は、当初MSM(Men who has sex with Men:男性と性交渉する男性)の間で始まりましたが、現在は男性-女性間でも感染例が多数報告されている状況です。ですからわれわれ臨床医は、とくに梅毒に関して疑う閾値を低くして診療に望む必要があります。再確認、梅毒の病態どのような場合に梅毒を疑うか? それは、今どの時期の梅毒を診ているのかを意識することが重要です。図1は梅毒の自然経過ですが、見ておわかりのとおりかなり複雑です。画像を拡大する第1期梅毒は、梅毒の病原微生物であるTreponema pallidumが進入した部位(陰茎、膣、肛門、口唇など)に、約3週間の潜伏期の後に硬性下疳と呼ばれる丘疹を生じる病態です(図2)。画像を拡大するこの硬性下疳は痛くないのが特徴で、本人も気付かないことが多々あります。この際、鼠径リンパ節腫大を伴うこともあります。第1期梅毒のときに治療がされなければ、約4~10週を経て第2期梅毒に移行します。第2期梅毒で特徴的なのは前回もご紹介したとおり、皮疹です。梅毒の皮疹は手のひら、足の裏にも皮疹が出るのが特徴です(図3)。画像を拡大するちなみに梅毒以外で手のひら・足の裏にも皮疹がみられる感染症としては、手足口病、日本紅斑熱、感染性心内膜炎、髄膜炎菌感染症などがあります。第2期梅毒のその他の臨床症状としては、発熱、全身倦怠感、リンパ節腫脹、関節痛などを呈することもあります。あるいは「腹痛の原因精査で内視鏡をしたら胃梅毒だった」「ネフローゼ症候群の原因が梅毒だった」「ブドウ膜炎の原因(以下同文)」というような、さまざまな病態を呈することがあります。第2期梅毒の臨床症状は非常に多彩です。かと思うと、第2期梅毒の臨床症状をまったく呈さずに、潜伏期梅毒に移行する症例もあり、梅毒の診断は時に非常に難しいのです。症状の出ない潜伏期梅毒潜伏期梅毒はその名のとおり、とくに症状を有さない梅毒の状態ですが、感染後1年以内のものは早期潜伏期梅毒、1年を越えるものは後期潜伏期梅毒と定義されます。厳密にきっちり1年で分かれるものではありませんが、早期潜伏期梅毒は性交渉でも感染性を有し、第2期梅毒を再発することがあるのに対し、後期潜伏期梅毒は、性交渉で感染することは少なくなります(母胎感染はありえます)。感染後さらに時間が経過すると、晩期梅毒という病態に移行するといわれています。しかし、抗菌薬が頻繁に処方される現代では、非常にまれな病態とされています。臨床現場でも、とりあえずカッコつけのために、鑑別診断として挙げることはありますが、ぶっちゃけ私も診たことがありません。さらにさらに、このような第1期から晩期までの梅毒の流れとは別に、いつのステージであっても神経梅毒という中枢神経系の感染症を発症することがあります。神経梅毒は早期には無症状であることも多く、臨床症状はなく髄液検査でのみ異常がみられることも多々あります。時間が経過すると、慢性に進行する認知症状などを呈し「なんか最近言っていることがおかしい」「計算ができなくなった」などといった症状で、神経内科や精神科などを受診することもあります。こうなってくると、いわゆる「Treatable Dementia(見逃してはいけない認知症)」の鑑別になってきます。いやー、梅毒の病態は非常に複雑です。梅毒がひっそりと流行しているのは、このような「診断の難しさ」も関与しているものと思われます。さて、梅毒だけでけっこう引っ張ってしまいましたが、次回はいよいよ梅毒の診断と治療についてご紹介いたしますッ!!1)Workowski KA, et al. MMWR Recomm Rep.2015;64:1-137.2)柳澤如樹ほか. モダンメデイア.2008;54:14-21.

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若き医師にエールを!

.case dl dt{width: 5em; font-weight: bold;}.case dl dd{margin-left: 6em;}.case dl{width: auto;}これからの医療を担う若き医師の皆さんを応援する動画コンテンツをご用意しました。それぞれの現場でメンターとして活躍する先生方からの実践的な生のメッセージをお届けします!CareNeTV LiVE!「医師としての経験から学ぶこと」人気のメンターから熱いメッセージとエールをお届けする対談シリーズ。JPC2015 in Amamiセレクト10月に行われたJPC2015から、フィジカルの達人たちの選りすぐりのコンテンツを紹介!右側に30秒の予告編を公開中。出演医師の関連コンテンツ山中 克朗氏診療よろず相談TV「総合診療」平島 修氏Dr.平島のフィジカル教育回診フィジカル王にオレはなる!身体診察技法を熱く学ぶ!01忽那 賢志氏新興再興感染症に気を付けろッ!診療よろず相談TV「肺炎」明日から役立つ内科診療ベストライブ「不明熱」徳田 安春氏明日から役立つ内科診療ベストライブ「こんなときフィジカル」 

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PCIは虚血性心疾患患者の長期生存に寄与するか/NEJM

 安定虚血性心疾患患者の初期管理において、至適な薬物療法に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を併用しても、薬物療法単独に比べ長期的な生存率に差はないことが、米国・ニューヨーク退役軍人省健康管理ネットワークのSteven P Sedlis氏らが行ったCOURAGE試験の拡張調査で確認された。PCIは、ST上昇急性心筋梗塞患者の生存率を向上させ、非ST上昇心筋梗塞患者の長期生存を改善して早期および晩期の心イベントを低減することが示されている。一方、安定虚血性心疾患患者では、PCIは狭心症を軽減し、心筋虚血の領域を減少させるが、生存の改善を示した臨床試験はないという。NEJM誌2015年11月12日号掲載の報告。最長15年の追跡期間の拡張調査で生存率を評価 COURAGE試験では、1999年6月~2004年1月に、安定虚血性心疾患患者2,287例が、至適な薬物療法のみを行う群(薬物療法群)または至適薬物療法+PCIを施行する群(PCI群)に無作為に割り付けられた。 追跡期間中央値4.6年の時点で、全死因死亡と非致死的心筋梗塞の複合エンドポイントの発生率は、PCI群が19.0%、薬物療法群は18.5%であり、両群間に差を認めなかった(ハザード[HR]:1.05、95%信頼区間[CI]:0.87~1.27、p=0.62)(Boden WE, et al. N Engl J Med 2007; 356: 1503-1516)。 研究グループは今回、本試験の拡張調査を行い、最長15年追跡した患者の死亡率を報告した(VA Cooperative Studies Programの助成による)。 米国退役軍人省(VA)の医療施設およびVA以外の米国のいくつかの施設で本試験に参加した患者から、社会保障番号の使用許可を得て、元の試験の終了以降の生存を追跡した。 VAの全国的なCorporate Data Warehouseおよび全米死亡記録(National Death Index)を検索して、生存情報および全死因死亡の日付のデータを収集した。生存率はKaplan–Meier法で算出し、ベースラインの背景因子の群間の有意差はCox比例ハザードモデルを用いて補正した。全体の死亡率:PCI群25%、薬物療法群24% 拡張調査の生存情報は、1,211例(元の患者集団の53%)で得られた(PCI群:613例、薬物療法群:598例)。全体の患者の追跡期間中央値は6.2年(範囲:0~15)であり、生存の追跡の許可が得られた施設の患者の追跡期間中央値は11.9年(範囲:0~15)であった。 全体で2,287例中561例が死亡し、死亡率は25%であった。このうち、元の試験の追跡期間中の死亡が180例、拡張調査の追跡期間中は381例であった。 治療群別の死亡率は、PCI群が25%(284/1,149例)、薬物療法群は24%(277/1,138例)であり、未補正HRは0.98(95%CI:0.83~1.15、p=0.77)、補正HRは1.03(95%CI:0.83~1.21、p=0.76)であった。 拡張調査期間の死亡率はPCI群が41%(253/613例)、薬物療法群は42%(253/598例)であり、未補正HRは0.95(95%CI:0.79~1.13、p=0.53)であった。 拡張調査の有無、年齢(60歳以下、60歳超)、喫煙歴の有無、性別など11項目のサブグループ解析では、両群間に有意な差を認めたものはなかった。 著者は、「最長15年間の拡張追跡調査において、安定虚血性心疾患患者の初期治療戦略として、PCI+薬物療法と薬物療法単独の間に生存率の差を認めなかった」とまとめ、「これは、糖尿病と安定虚血性心疾患の双方を有する2,368例を5.3年間追跡したBARI 2D試験(PCI、CABG)の全死因死亡の結果と一致する」と指摘している。

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CKDリスクを予測する新たなバイオマーカーの可能性/NEJM

 可溶性ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベータ受容体(suPAR)の上昇は、ベースライン時の腎機能正常者において、慢性腎臓病(CKD)の発症および推定糸球体濾過量(eGFR)の加速度的な低下と有意に関連することが、米国・エモリー大学医学部のSalim S Hayek氏らの検討で示された。血漿中のsuPARの高値は、多様な病態の患者集団において、不良な臨床転帰や巣状分節性糸球体硬化症、糖尿病性腎症と関連することが知られている。これらの知見はまだ検証中であるが、腎臓病におけるsuPARの広範な役割が示唆されている。NEJM誌2015年11月12日号(オンライン版2015年11月5日号)掲載の報告。血漿suPAR値とCKD発症の関連を前向きコホート試験で評価 研究グループは、「血漿suPAR値はCKDの新規発症と関連する」との仮説を検証するために、心血管疾患患者を対象に大規模な前向きコホート試験を実施した(Abraham J and Phyllis Katz Foundationなどの助成による)。 2003~09年に、アトランタ市の3施設で心臓カテーテルを施行され、エモリー心血管バイオバンクに登録された3,683例(平均年齢63±12歳、男性65%、suPAR中央値3,040pg/mL)の血漿suPAR値を測定した。このうち2,292例(62%)で、登録時とフォローアップ期間中の受診時に腎機能の評価を行った。 suPAR値とベースラインのeGFR、eGFRの経時的変化、CKDの発症との関連につき、人口統計学的変量および臨床的変量で補正後に、線形混合モデルとCox回帰を用いて解析を行った。suPAR値の四分位数(Q1~Q4)別に、eGFRの変化およびCKDの発症の比較を行った。CKDは、eGFR<60mL/分/1.73m2と定義した。 ベースラインのsuPAR値が≧3,040pg/mL(中央値)の患者は、<3,040pg/mLの患者に比べ、年齢が高く、女性が多く、喫煙歴、高血圧、糖尿病、蛋白尿、冠動脈疾患、心筋梗塞歴の頻度が高く、高感度CRPが高値で、eGFRは低値であった(いずれもp<0.001)。CKD発症率が、Q3はQ1の2倍、Q4は3倍以上に ベースラインのsuPAR値が高い患者ほど、フォローアップ期間を通じてeGFR低下の程度が大きく、suPAR値が最大四分位群(Q4)の患者のeGFRの年間の変化が-4.2mL/分/1.73m2であったのに対し、最小四分位群(Q1)では-0.9mL/分/1.73m2であった(p<0.001)。 Q4のeGFRの年間の低下は、Q1およびQ2よりも大きく(いずれも、p<0.001)、Q3もQ1およびQ2に比べ年間の低下が大きかった(いずれも、p<0.001)。Q1とQ2、Q3とQ4の間には有意な差はなかった。 suPAR値関連のeGFRの低下は、ベースラインのeGFRが<60mL/分/1.73m2の患者では有意ではなく(-0.1%、95%信頼区間[CI]:-0.9~0.7)、≧60mL/分/1.73m2の患者では有意であり(-1.2%、95%CI:-1.8~-0.6)、これらの間には有意な差が認められた(交互作用検定:p<0.001)。 また、ベースラインのeGFRが低い患者ほどsuPAR値に関連するeGFRの変動が小さく、ベースライン時に正常(90~120mL/分/1.73m2)であった921例のsuPAR値関連eGFRの低下が最も大きかった(交互作用検定:p<0.001)。 一方、ベースラインのeGFRが≧60mL/分/1.73m2の1,335例におけるCKDの発症率は、suPAR値の四分位がQ1からQ4へ1段階ずつ上がるに従って有意に増加し(ハザード比[HR]:1.40、95%CI:1.26~1.55、p<0.001)、≧3,040pg/mLの患者は<3,040pg/mLに比べて約2倍高かった(HR:1.97、95%CI:1.53~2.54、p<0.001)。 また、suPAR値がQ1の患者に比べて、Q3の患者のCKD発症率は2倍(HR:2.00、95%CI:1.38~2.89、p<0.001)、Q4は3倍以上(HR:3.13、95%CI:2.11~4.65、p<0.001)に達し、Q4はQ3の約1.5倍であった(HR:1.51、95%CI:1.11~2.06、p=0.01)。 著者は、「suPAR高値は、ベースライン時の腎機能正常者においてCKDの発症およびeGFRの加速度的な低下とそれぞれ独立の関連を示した」とまとめ、「これらの結果は、suPARが、CKDのバイオマーカーとして不可欠の要件を満たすことを示唆する」と指摘している。

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再発・難治性多発性骨髄腫治療に対するcarfilzomibレジメン

 多種類の前治療歴を有する再発・難治性の多発性骨髄腫患者に対する治療選択肢は限られている。米国・テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターのJatin J Shah氏らは、carfilzomib+ポマリドミド+デキサメタゾンからなるCPD療法の治療レジメンを、多施設共同オープンラベル第I相用量漸増試験により評価した。Blood誌2015年11月12日号の報告。 前治療後に再発または直近に実施した治療で難治性であった患者を対象とした。すべての患者は、レナリドミド前治療に対して不応であった。患者には、carfilzomib静注(初回用量20mg/m2、以降27mg/m2に増加、第1、2、8、9、15、16日目)、ポマリドミド(初期用量レベルとして4mg、第1~21日目)、デキサメタゾン(40mgを経口または静注、第1、8、15、22)を、28日サイクルで治療を行った。試験の主な目的は、安全性の評価とレジメンの最大耐量(MTD)を決定することとした。 主な結果は以下のとおり。・32例の患者が登録された。・レジメンのMTDは、用量レベル1(carfilzomib:20/27mg/m2、ポマリドミド:4mg、デキサメタゾン:40mg)であった。・血液学的有害事象は、全患者の60%以上(Grade3以上の貧血11例を含む)で発生した。・呼吸困難はGrade1/2に限られ、10例の患者で認められた。末梢神経障害は、まれでGrade1/2であった。・治療中に8例で投与量の減量を行い、7例は有害事象により治療を中止した。・2例の死亡例は、それぞれ肺炎、肺塞栓症によると考えられた。 結果を踏まえ、著者らは「再発・難治性の多発性骨髄腫患者に対するCPD療法は、良好な忍容性と非常に有望な活性をもたらす」としている。(ケアネット 鷹野 敦夫)参考文献Shah JJ, et al. Blood. 2015;126:2284-2290.血液内科関連Newsはこちらhttp://www.carenet.com/hemato/archive/news

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COPD治療の新薬スピオルト レスピマット12月に発売

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青野吉晃、以下「日本ベーリンガーインゲルハイム」)は2015年11月26日、慢性閉塞性肺疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン剤および長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)の効能・効果で薬価基準に収載されたスピオルト レスピマット28吸入(一般名:チオトロピウム臭化物水和物/オロダテロール塩酸塩製剤)(以下、スピオルト)を、12月3日に発売すると発表した。  スピオルトは、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)チオトロピウムと、長時間作用性β2刺激薬(LABA)オロダテロールの配合剤。主要な検証試験においてスピオルトは、スピリーバと比べて呼吸機能、息切れ、QOLなどを有意に改善することを示している。スピオルト レスピマット28吸入の薬価は4,256.90円。日本ベーリンガーインゲルハイムのプレスリリースはこちら。

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うつ病にEPAやDHAは有用なのか

 大うつ病性障害(MDD)に対するn-3系多価不飽和脂肪酸(n-3PUFAs;オメガ3脂肪酸としても知られる)の有効性のエビデンスは、現時点では不明であるとする報告が、英国・ボーンマス大学のAppleton KM氏らにより発表された。プラセボを対照とした24件の試験および抗うつ薬治療を対照とした1件の試験、計25件の試験をレビューした結果、プラセボと比べうつ症状に対して低度~中等度のベネフィットがあること、抗うつ薬と同様の効果が得られることを示したが、いずれもエビデンスの質は非常に低いものであった。著者は、「今後さらなる検討が必要である」と指摘している。Cochrane Database Systematic Reviewオンライン版2015年11月5日号の掲載報告。 MDDへのn-3PUFAsの役割を示唆するエビデンスは、さまざまに報告されているが確定的なものはない。その中で、より重症のうつ症状を呈する患者を対象とした試験ではベネフィットが得られる可能性が示されていた。そこで研究グループは、成人MDDに対するn-3PUFAsと対照(プラセボ、抗うつ薬治療、標準治療、無治療、治療待機対照)の有効性を比較検討した。2015年5月時点で、Cochrane Depression, Anxiety and Neurosis Review Group's Specialised Registers(CCDANCTR)、国際臨床試験登録(International Trial Registries)を検索。また、2013年9月までの、データベースCINAHLの記録を検索した。主要アウトカムは、うつ症状(有効な評定尺度を使用して連続データを収集)および有害事象。副次アウトカムはうつ症状(寛解および反応に関する二分データ)、QOL、試験の非完遂とした。 主な結果は以下のとおり。・検索により26件を特定した。25件(1,438例)はn-3PUFA補給 vs.プラセボ、1件(40例)はn-3PUFA補給 vs.抗うつ薬治療の検討であった。・n-3PUFA補給はプラセボに比べ、うつ症状に対して低~中等度のベネフィットを示した(標準化平均差[SMD]:-0.32、95%信頼区間[CI]:-0.12~-0.52、25試験・1,373例、エビデンスの質は非常に低い)。ただし、この効果は臨床的意義につながる可能性は低かった。SMDの0.32はHDRS(17項目)のスコアにしておよそ2.2ポイント(95%CI:0.8~3.6)の差を示した。・信頼区間には、臨床的に重要な効果を示すものとわずかな効果の可能性のみに留まるものの両方が認められ、試験間に重大な不均質性も認められた。・介入群とプラセボ群で有害事象を経験した被験者数は同程度であった(オッズ比[OR]:1.24、95%CI:0.95~1.62、19試験・1,207例、非常に低い)。信頼区間は、n-3PUFAsに関して有害事象の有意な増加を示し、減少の可能性はほとんど認められなかった。・寛解率、反応率、QOL、非完遂率はいずれも群間で同程度であったが、信頼区間に関してはやはりばらつきが大きかった。・これらの結果を基盤とするエビデンスは、非常に限定的である。・解析に使用した試験は、すべて今回の研究課題に直接関連するものであったが、すべてのアウトカムのエビデンスに関し、質は低から非常に低いと評価した。・解析に使用した試験の数および被験者数が少なく、大半が小規模の試験であったため、複数の評価項目で高いバイアスリスクが認められた。・今回の解析は、3つの大規模試験の影響を大きく受けた可能性が高かった。これら試験についてバイアスリスクは低いと判断しているものの、それらはデータの26.9~82%を網羅していた。・今回算出したエフェクトサイズの推定値も正確といえないものであった。ファンネルプロットの非対称性および感度解析(固定効果モデルを使用、選択バイアス、パフォーマンス・バイアス、アトリションバイアスのリスクが低い試験のみを使用)では、n-3PUFAs に対するポジティブな所見のバイアス傾向が示された。・主要アウトカムであるうつ症状の解析においても重大な不均質性が存在した。この不均質性は併存疾患の有無、あるいは補助療法の有無により説明されなかった。・抗うつ薬との比較試験では、うつ症状(平均差[MD]:-0.70、95%CI:-5.88~4.48)、治療反応率、試験の非完遂における差異は認められなかった。また、有害事象については解析に適した形での報告はなされておらず、うつ寛解率およびQOLに関する報告はなかった。・以上より、現時点ではMDDの治療法としてn-3PUFAsの効果を判断する質の高いエビデンスが十分にない状況といえた。・今回の初回解析は、プラセボと比較してn-3PUFAsのうつ症状に対する低度~中等度の非臨床的なベネフィットを示している。しかし、この結果の基となっているエビデンスの質は低いあるいは非常に低いと判定されており、この予測は正確なものとはいえなかった。・感度解析、ファンネルプロット解析、そして適切に実施された大規模試験の結果と今回得た結果との比較により、今回の効果予測がn-3PUFAsに対するポジティブな所見のバイアス傾向が示され、実際の効果はさらに小さいものであることが示唆された。・今回のデータでは、n-3PUFA群とプラセボ群において同様の有害事象発現率、試験非完遂例数も示されているが、これも決して正確なものとはいえない。レビューの中でn-3PUFAsと抗うつ薬を直接比較した唯一の試験では、両群に同等のベネフィットが認められた。n-3PUFAsのMDDに対するポジティブおよびネガティブな影響に関する、より多くのエビデンス、そしてより完全なエビデンスが必要である。関連医療ニュース EPA、DHA、ビタミンDは脳にどのような影響を及ぼすか 双極性障害エピソードと脂肪酸の関連を検証 統合失調症の再発予防、ω-3脂肪酸+α-LAは有用か  担当者へのご意見箱はこちら

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