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ウイルス性肝炎の世界疾病負担、約20年間で上昇/Lancet

 ウイルス性肝炎は、世界的に死亡と障害の主な原因となっており、結核、AIDS、マラリア等の感染症と異なり、ウイルス性肝炎による絶対的負担と相対的順位は、1990年に比べ2013年は上昇していた。米国・ワシントン大学のJefferey D Stanaway氏らが、世界疾病負担(Global Burden of Disease:GBD)研究のデータを用い、1990~2013年のウイルス性肝炎の疾病負担を推定した結果、報告した。検討は、ウイルス性肝炎に対するワクチンや治療が進歩してきていることを背景に、介入戦略を世界的に周知するためには、疾病負担に対する理解の改善が必要として行われた。結果を踏まえて著者は、「ウイルス性肝炎による健康損失は大きく、有効なワクチンや治療の入手が、公衆衛生を改善する重要な機会となることを示唆している」と述べている。Lancet誌オンライン版2016年7月6日号掲載の報告。急性ウイルス性肝炎、肝硬変と肝がんの罹患率と死亡率を評価 研究グループは、GBDのデータを用い1990~2013年における、重要な4つの肝炎ウイルス(HAV、HBV、HCV、HEV)による急性ウイルス性肝炎の罹患率と死亡率、ならびにHBVとHCVによるウイルス性肝炎に起因した肝硬変および肝がんの罹患率と死亡率を、年齢・性別・国別に算出した。 方法としては、急性肝炎については自然経過モデルを、肝硬変・肝がんについてはGBD 2013の死因集合モデルを用いて死亡率を推定するとともに、メタ回帰モデルを用いて全肝硬変有病率および全肝がん有病率、ならびに各原因別の肝硬変および肝がんの割合を推定した。その後、原因別有病率(全有病率と特定の原因別の割合の積)を算出した。障害調整生存年(DALY)は、損失生存年数(YLL)と障害生存年数(YLD)の合計とした。ウイルス性肝炎に起因する死亡数は世界で63%増加 世界のウイルス性肝炎による死亡数は、1990年の89万人(95%不確定性区間[UI]: 86~94万)から2013年は145万人(134~154万)に増加した。同様にYLLは、3,100万年(2,960~3,260万)から4,160万年(3,910~4,470万)へ、YLDは65万年(45~89万)から87万年(61~118万)へ、DALYは3,170万年(3,020~3,330万)から4,250万年(3,990万~4,560万)に上昇した。 ウイルス性肝炎は、1990年では主要死因の第10位(95%UI:10~12位)であったのに対して、2013年では第7位(95%UI:7~8位)であった。 2013年にウイルス性肝炎に起因する死亡が最も多かったのは、アジア東部および南部で、ウイルス性肝炎関連死亡の96%(95%UI:94~97)をHBVとHCVが占めていた。この2つのウイルスの割合はほぼ同等で(HBV 47%[95%UI:45~49] vs.HCV 48%[46~50])であった。 ウイルス性肝炎による死亡数は、結核、AIDS、マラリアの年間死亡数と同等以上であった。

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その症状、夏風邪ではなく肺炎かもしれない

 「夏風邪は長引く」と慣用句的に言われるが、診察室に来た高齢の患者が長引く発熱や咳の症状を訴えた時、急性上気道炎と決めてかかるのは危険かもしれない。6月30日、都内でファイザー株式会社がプレスセミナー「夏風邪かと思っていたら肺炎に!? 高齢者が注意すべき夏の呼吸器疾患の最新対策」を開催した。講演に登壇した杉山 温人氏(国立国際医療研究センター病院 呼吸器内科診療科長)は、「肺炎はワクチンで予防できる呼吸器疾患だが、当事者である高齢患者たちはワクチン接種の必要性を感じておらず、接種を勧めたい医療者の認識との間に大きな乖離がある」と述べた。急性上気道炎(感冒)との鑑別が紛らわしい肺炎 いまや肺炎は、がん、心疾患に続く日本人の死因第3位となっている。また、肺炎はその死亡の96.9%を高齢者が占めている。高齢者の肺炎は、若年者や中高年者の肺炎と異なり、罹患がADLの低下や心身の機能低下へと連鎖し、寝たきりや、認知症の進行といった悪循環に陥りやすいという特徴がある。 杉山氏によると、夏風邪と紛らわしい肺炎の鑑別にはとくに注意が必要だという。問診時に聞き取るポイントとして、発熱期間(風邪が数日~1週間程度であるのに対し、肺炎は1週間以上続く)や痰の色(肺炎の場合は黄~緑色、鉄さび色)などが挙げられる。しかし、高齢者の場合には、無熱性の場合があることも鑑別を難しくしており、意識障害のみで搬送され、肺炎と診断されたケースもあるという。肺炎への危機感が希薄な高齢者 肺炎の主な原因菌は何なのか。65歳以上の市中肺炎で入院したケースをみると、インフルエンザ菌や黄色ブドウ球菌などと比べても、肺炎球菌が圧倒的に多い。大学病院における医療・介護関連肺炎(NHCAP)についても同様に、肺炎球菌が最も多いことが過去の調査から明らかになっている。 2014(平成26)年10月から、65歳以上の高齢者を対象に肺炎球菌ワクチンが定期接種化(65歳より5歳刻み)されたが、ファイザーが同年11月に行ったインターネット調査によると、65~70歳の男女600人のうち、肺炎球菌ワクチンを接種したことがある人は、70歳で14%、65歳ではわずか3%にとどまった。さらに、肺炎にかかる可能性を感じているかと尋ねたところ、「感じている」と答えた人は70歳では10%、65歳では5%にとどまり、危機感がきわめて希薄である実情も浮き彫りになった。複雑なワクチン接種フローが課題 国内で承認されている肺炎球菌ワクチンは、13価結合型ワクチン(商品名:プレベナー)と、23価多糖体ワクチン(同:ニューモバックス)の2種類があるが、65歳以上の肺炎球菌ワクチン接種で公費対象となっているのは23価ワクチンのみである。一方、13価ワクチンは小児(生後2ヵ月~6歳未満)の定期接種で使用されており、優れた免疫応答と長期的な免疫記憶の獲得が特徴である。 杉山氏は「作用機序が異なるプレベナーとニューモバックス、2種類をうまく組み合わせて肺炎球菌に対する抵抗力を維持することが肝要である」と強調。さらに、定期接種はニューモバックスのみでプレベナーは任意接種であるために、ワクチン接種のフローが複雑になっている課題を指摘し、「現場の運用はシンプルであるべき。ニューモバックスだけでなく、プレベナーについても定期接種化を望みたい」と述べた。

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新医療機器―早期の解禁と安全面の担保、どちらを優先しますか?(解説:折笠 秀樹 氏)-566

 EU・米国で認可された医療機器の安全性に関する報告があった。EU・米国で認可された309件の医療機器を調査した。EUで先に認可された機器に安全面の問題が多かった、という結論である。安全面の報告レベルには、安全性警告(Safety Alert)・回収(Recall)・撤収(Withdrawal)の3種類が知られる。この順に厳しくなっている。本研究では、安全性警告・回収の割合をEU・米国で比較した。EU先行認可の機器では27%(=62/232件)、米国先行認可の機器では14%(=11/77件)であり、EUで先に認可された医療機器に安全面の懸念がうかがわれた。 では、どうしてだろうか?それはたぶん、EUと米国で医療機器の認可制度が異なるためだろう。米国ではClass IIIというハイリスク医療機器の多くには、臨床試験を課している。いわゆるPMA制度で承認されなければならない。本研究でも、PMA対象の機器でEUより3年も認可が遅れていた。一方、510(k)という届出で済む機器では遅れはみられなかった。PMA対象の物には心臓関係の機器が多く、しかも、ピカ新といわれる機器が多い。そうした機器では、米国ではより慎重に審査をしてから認可しているが、EUでは少し甘いように思われる。いち早く利用できることと安全面の担保、あなたならどちらを重視しますか? 米国FDAでは医療機器の安全性については、MedWatchというデータベースが公開されている。どのような安全性警告が出ているかを確認できるので、一度開いてみてほしい1)。食品・医薬品・化粧品などの安全性情報も載っている。医療機器ではそうでもないが、医薬品では膨大な警告リストが挙がっている。

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全粒穀物摂取があらゆる病気発症リスクの抑制/回避に役立つ可能性を示唆!(解説:島田 俊夫 氏)-567

 私たちは、主に三大栄養素(炭水化物、脂肪、タンパク質)をエネルギーの糧として生きているが、そのなかでも炭水化物が最大のエネルギー源であることは周知の事実である。しかしながら、炭水化物の摂り過ぎが、糖尿病、肥満、心臓疾患、がんの誘因になりうる可能性が取りざたされており、その反動で行き過ぎた糖質制限食が一部で行われ、逆に健康を悪化させているケースも散見されている。本研究は、炭水化物の主たるエネルギー源を精製穀物でなく全粒穀物に置き換えれば、がん1)、心血管疾患1)、脳血管障害1)、糖尿病2)、炎症性疾患らを対象とした全死亡リスクの発症抑制または回避に役立つことを、厳選された既存論文に基づき明らかにすることである。この視点から、英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのDagfin Aune氏らがシステマティックレビュー・メタ解析を行い、レビュー論文をBMJ誌2016年6月14日号に掲載した。目的:全粒穀物および特定穀物の消費量と心血管疾患、全がん、全病因および死因別死亡リスク間での用量反応関係を定量評価化すること。データ選択と分析手法:2016年4月3日までにPubMedおよびEmbaseに掲載された論文を検索し、全粒および特定穀物の摂取量と心血管疾患・全がん・全死因または死因別死亡リスクとの関連を報告した前向き研究45件(64論文)を特定し、ランダム効果モデルを用いて要約相対リスクおよび95%信頼区間を算出した。結果:全粒穀物の食事摂取が1日90g増加すれば(90gは3食分に相当;たとえば、全粒パン2枚と全粒シリアル1ボウルまたは全粒ピタパン1.5枚)、要約相対リスクは冠動脈疾患:0.81(95%CI:0.75~0.87、I2=9%、n=7)、脳卒中:0.88(95%CI:0.75~1.03、I2=56%、n=6),心血管疾患:0.78(95%CI:0.73~0.85、I2=40%、n=10)それぞれで低下した。また、死亡の相対リスクは、がん全体:0.85(95%CI:0.80~0.91、I2=37%、n=6)、全死亡:0.83(95%CI:0.77~0.90、I2=83%、n=11)、呼吸器疾患:0.78(95%CI:0.70~0.87、I2=0%、n=4)、糖尿病:0.49(95%CI:0.23~1.05、I2=85%、n=4)、感染症:0.74(95%CI:0.56~0.96、I2=0%、n=3)、神経疾患:1.15(95%CI:0.66~2.02、I2=79%、n=2)、非血管疾患または非がんによる死亡:0.78(95%CI:0.75~0.82、I2=0%、n=5)で、それぞれ同様に低下した。1日210~225gまでの摂取量(7~7.5食/日)では、要約相対リスクの多くの評価項目で低下が観察された。全粒パン、全粒シリアル、ブラン添加など、特定の種類の全粒穀物およびパン全体ならびに朝食用シリアル全体で、心血管疾患や全死亡リスク低下と関連は認めたが、精製穀物、白米、米全体あるいは穀物全体では関連性はほとんど認められなかった。コメント:全粒穀物の摂取は、非線形用量反応分析から、1日90gから210~225gまでは明らかに有効で、曲線の急峻~やや急峻な下降部位がまず観察され、その後、緩徐~フラットな部位に移行する。このシステマティックレビュー・メタ解析論文は、急峻~やや急峻部位で全粒穀物を摂取することが病気発症予防上重要なポイントで、健康維持/病気回避を達成するための全粒穀物適量摂取に目を向けている。しかしながら、選択論文の出所対象集団が欧州、米国に偏り過ぎていること、および選択された論文間の不均質性が解釈の一般化にわずかながら疑問が残る。

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大衆はメディアに左右されがちだが、ほとぼりが冷めると元に戻るもの(解説:折笠 秀樹 氏)-565

 2013年10月から2014年5月にかけて、脂質改善薬であるスタチンの副作用が懸念された時期があった。非盲検の観察研究の結果に過ぎなかったのだが、BMJ誌にネガティブデータが2報発表された。それを受けて、2014年3月13日に、イギリス大衆誌であるDaily Mail(日本でいうと夕刊フジに類する)に記事が掲載された。さらに、同年5月18日には大手一般新聞であるThe Guardianにも記事が掲載された。こうしたメディア情報に影響され、その後6ヵ月間にスタチン投与をやめた人の割合が、1.12倍に増加したそうだ。元々は不十分な根拠だったにもかかわらず、大衆はメディアの発する健康情報に対して敏感に影響されがちである。しかし、安心したことには、そのまた6ヵ月後にはほぼ1倍と、元の状態に戻っていた。つまり、一時的には大衆はメディアに洗脳されたものの、ほとぼりが冷めるとちゃんと元に戻っていた。 この研究は、イギリスのGP(かかりつけ医)データベースから、スタチンの薬歴情報を時系列的に調べるという地道な研究であった。常識的な結論ではあったが尊敬に値するだろう。なお、高齢者ほど、そして長く服用しているほど、メディアの発する副作用情報に対して敏感に反応していた。高齢者になると無頓着になるかと思いきや、イギリスのお年寄りはたいしたものである。

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怒られる夢【Dr. 中島の 新・徒然草】(127)

百二十七の段 怒られる夢今朝、お好み焼き屋に怒られる夢を見ました。事の始まりはこうです。目の前の鉄板で焼いていた兄ちゃんに、「お客さん、良かったら餅を乗せてください」と言われました。そこで餅を取ろうとしたら、数枚重なっていたのがバラバラッと倒れてしまったのです。すると、いきなり兄ちゃんに「何枚も取んなよ、コラ!」と怒鳴られたのです。「あわわ」と思っていたら、遠くの方から高校時代の同級生の女の子が「中島く~ん。焼きそばとモダン焼きも頼んどいて~」と言ってきました。まだ怒っている兄ちゃんに「あの、焼きそばとモダン焼きもお願いします」と言ったのですが、無視されてしまいました。「えらいことになっちまった」と、うろたえているところでハッと目が覚めたのです。アホらしいといえば、アホらしい夢です。でも、何か意味のある夢だったのかもしれないと思って、「怒られる夢」というキーワードでGoogle検索すると、夢占いのサイトがズラリと出てきました。「人に構われたいという甘えの気持ちがあることを暗示しています」とか、「あなたが友達を欲しがっているという現れなのです」などなど。人に構われたい? ほんまかいな。実は、学生時代に本当にお好み焼き屋のおっちゃんに怒鳴られたことがあります。友人たちと3人で昼休みに地下街のお好み焼き屋で食べていた時のことでした。もうすぐ試験があるので、夢中になって予想問題を話していたのです。すると突然、「あんたら、食べたらさっさと出ていってくれ。他のお客さんが待っとるんや!」と店の大将に怒られてしまったのです。横には怖い顔でにらんでくる女将さんも……。慌てて支払いを済ませ、「すいませんでした」と謝ってゾロゾロと店を出ました。何もいきなり怒鳴らなくても、普通に言ったら良かったんじゃないかという気もします。でも80年代ってのはそんな時代でした。今考えると、バブルの時代も含めて結構殺伐としていました。乱暴者は多かったし、皆が煙草を吸っていたし、駅のトイレは汚かったし。よく病院の雑談で、若い人たちから「私たち、バブルってのを知らないんです~」と言われますが、必ずしも楽しい事ばかりでもありませんでした。「あの頃に戻りたいか」と言われれば、ちょっと勘弁して欲しいですね。今の時代の方が平和で、ずっと住みやすいように感じます。バブル経験者の皆さんはどう思われますか。最後に1句バブルでは お好み焼きまで 怖かった

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日本人うつ病患者、抗うつ薬維持量に影響する因子:静岡県立大

 うつ病の再発を防ぐためには、急性期の抑うつ症状を効果的に抑制する用量の抗うつ薬で、6ヵ月以上治療を継続するのが理想的である。しかし、治療反応を得たり維持するための抗うつ薬の用量は、個人間で異なる。静岡県立大学の井上 和幸氏らは、日本人うつ病患者を対象に維持期の抗うつ薬投与量における遺伝子多型を含む臨床的特徴の役割を調査した。Biological & pharmaceutical bulletin誌オンライン版2016年6月17日号の報告。 対象は、日本人うつ病患者82例。抗うつ薬の用量はイミプラミン換算を用いて計算し、併用した抗不安薬や催眠薬の用量はジアゼパム換算を用いて計算した。対象患者82例は、イミプラミン換算の中央値に基づき2群に割り付け、抗うつ薬の維持用量における患者特性の影響、脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子多型(rs6265)およびCREB1遺伝子多型(rs2253306、rs4675690、rs769963)の存在について調べた。 主な結果は以下のとおり。・多変量ロジスティック回帰分析では、併用薬のジアゼパム換算量とCREB1 rs4675690は、抗うつ薬の維持量と有意に関連していることが示された。・日本人うつ病患者の維持期における抗うつ薬投与量に対し、これらの要因が影響を与えると考えられるが、さらなる大規模コホート研究が必要とされる。関連医療ニュース 各種抗うつ薬の長期効果に違いはあるか うつ病急性期治療、どの抗うつ薬でも差はない 抗うつ薬の効果発現を加速するポイントは

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トリプルネガティブ乳がん、veliparib+CBDCA併用の術前化学療法でpCR向上/NEJM

 トリプルネガティブの乳がん患者では、術前補助化学療法として標準療法に加え、ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬veliparib+カルボプラチンを併用することで、病理学的完全奏効率が向上することが示された。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のHope S. Rugo氏らが、多施設共同の適応的無作為化第II相試験「I-SPY2」で明らかにしたもので、NEJM誌2016年7月7日号で発表した。乳がんは、遺伝的・臨床的不均一性から有効な治療の特定が困難になっている。研究グループは、実験的試験で効果のあるがんサブタイプを見つけることを目的とした。被験者を10種のバイオマーカー標識に分類 試験は、腫瘍が直径2.5cm以上でステージIIまたはIIIの乳がんの女性を対象に、実験的レジメンにより治療アウトカムが向上する乳がんサブタイプについて調べるもので、現在も継続中である。 具体的には、乳がんをヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)、ホルモン受容体、70の遺伝子アッセイにより8つのバイオマーカー・サブタイプに分類。そのうえで、あらかじめ定義したバイオマーカーの組み合わせで10種のバイオマーカー標識を作成し、標準治療と実験的レジメンを比較することとした。被験者は、標準療法よりも良好な成績のレジメンを受けられるよう、バイオマーカー・サブタイプ内で適応的無作為化を行った。 今回報告されている標準療法にveliparibとカルボプラチンを併用するレジメンは、HER2陰性腫瘍について検討され、3標識について評価が行われた。 主要評価項目は、病理学的な完全奏効で、治療中にMRIで腫瘍体積を測定して完全奏効を予測する形で評価。また、ベイズ確率で第III相試験での成功予測が高いと示されたレジメンについて、第II相から第III相へ進めると判定することとした。標準療法にveliparib+カルボプラチンで病理学的完全奏効が51% veliparib+カルボプラチンを投与した被験者は72例、対照群は44例だった。トリプルネガティブ(エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・HER2が陰性など)の患者において、化学療法終了時点で病理学的完全奏効が予測された人の割合は、veliparib+カルボプラチン群が51%(95%ベイズ確率区間:36~66)だったのに対し、対照群では26%(同:9~43)だった。 また、トリプルネガティブ乳がんに関して、veliparib+カルボプラチンレジメン治療が第III相で成功する確率は88%だった。 なお、veliparib+カルボプラチン群の毒性は、対照群より高かった。

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気道感染症への抗菌薬処方を減らした影響は?/BMJ

 気道感染症に対する抗菌薬処方が減っても、肺炎と扁桃周囲膿瘍の発症リスクがわずかに増大するものの、乳様突起炎や蓄膿症、細菌性髄膜炎、頭蓋内膿瘍、レミエール症候群の合併症リスクは増加しなかった。英国キングス・カレッジ・ロンドンのMartin C. Gulliford氏らが、英国内610ヵ所のプライマリケア診療所を対象に行ったコホート試験の結果、示されたもので、BMJ誌オンライン版2016年7月4日号で発表した。延べ4,550万人年の患者について前向きに追跡 Gulliford氏らは2005~14年にかけて、英国内のプライマリケア診療所610ヵ所で診察を受けた患者、延べ4,550万人年について調査を行った。 気道感染症で診察を受けた患者のうち、抗菌薬を処方された割合を診療所別に調べ、肺炎や扁桃周囲膿瘍、乳様突起炎などの合併症発生リスクとの関連を検証した。抗菌薬投与率を10%引き下げで、肺炎患者は1年に1人増加するのみ 英国全体の傾向としては、2005~14年にかけて、気道感染症で診察を受け抗菌薬を処方された人の割合は、男性は53.9%から50.5%へ、女性は54.5%から51.5%へと減少した。また、同期間に新たに細菌性髄膜炎、乳様突起炎、扁桃周囲膿瘍の診断を受けた人の割合も、年率5.3%、4.6%、1.0%それぞれ減少した。一方で肺炎については、年率0.4%の増加が認められた。 診療所別にみると、年齢・性別標準化後の肺炎と扁桃周囲膿瘍発症率は、気道感染症で抗菌薬を投与した割合が最も低い四分位範囲(44%未満)の診療所において、最も高い四分位範囲(58%以上)の診療所に比べ高かった。 気道感染症への抗菌薬投与率が毎10%減ることによる、肺炎発症に関する補正後相対リスク増加幅は12.8%だった(95%信頼区間:7.8~17.5、p<0.001)。扁桃周囲膿瘍発症についての同補正後相対リスク増加幅は、9.9%(同:5.6~14.0、p<0.001)だった。この結果は、登録患者7,000人の平均的な診療所において、気道感染症で抗菌薬を投与する割合が10%減った場合に、1年間で肺炎発症が1.1人、10年間で扁桃周囲膿瘍が0.9人増加するにとどまるというものだった。 そのほか、乳様突起炎、蓄膿症、細菌性髄膜炎、頭蓋内膿瘍、レミエール症候群の発症率についてはいずれも、気道感染症への抗菌薬投与率の「最低四分位範囲の診療所」と「最高四分位範囲の診療所」で同等だった。 これらの結果を踏まえて著者は、「抗菌薬処方がかなり減っても、関連する症例の増加はわずかだった。ただし、高リスク群では、肺炎のリスクについては注意が必要だろう」とまとめている。(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)【訂正のお知らせ】本文内の表記に誤りがあったため、一部訂正いたしました(2016年7月14日)。 

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解析対象9,000例、リバーロキサバンのリアルワールドでの使用成績は?

 バイエル薬品株式会社は7月6日に都内にて、リアルワールド・エビデンスに関するプレスセミナーシリーズの第2回を開催し、慶應義塾大学医学部循環器内科特任講師の香坂 俊氏と東邦大学医学部内科学講座循環器内科学分野主任教授 池田 隆徳氏が登壇した。(第1回:リアルワールドの成績はどう読み解くべき?)リアルワールド・エビデンスはなぜ必要か? リアルワールド・エビデンスとは、臨床研究のうちコホート研究、データベース研究、症例対照研究と呼ばれるものから得られるエビデンスのことである。香坂氏は、開発段階の無作為化対照試験(RCT)の問題点が明らかになった事例として、心不全の標準治療に抗アルドステロン薬を追加することの有効性を示したRALES試験を紹介した。同試験の発表後、カナダ・オンタリオ州では高カリウム血症による入院が顕著に増加したという。その原因として、リアルワールドでは臨床試験で除外されていた腎機能障害例などにも同療法が使用されたことや、実臨床では臨床試験ほど厳格な管理が行われない点などが考えられている。これらのことから、薬自体の有効性はRCTから確認できるが、治療法を適応できる人やその恩恵を享受できる人を見極めるために、リアルワールド・エビデンスが重要であることを同氏は説明した。 そのうえで、「RCTが可能性を示し、診療ガイドラインがルールを設定し、それに沿って実践した結果であるリアルワールド・エビデンスが、さらにフィードバックをかけるという循環が機能することが、現在の医療においてあるべき体制である」と述べた。解析対象9,000例、リバーロキサバンのリアルワールドでの使用成績は?  続いて池田氏が講演し、臨床試験の結果とリアルワールド・エビデンスにおいて、一貫性が得られるかどうかを検証する必要があると述べた。また、欧米と日本では用量設定が異なることから、日本におけるリアルワールド・エビデンスが重要であることを強調し、同氏が委員を務める、平均観察期間392日、9,011例を解析対象としたリバーロキサバン市販後特定使用成績調査XAPASSの第3回中間集計結果(2015年9月15日時点)を発表した。 同調査では、重大な出血事象1.31%/年、脳卒中・非中枢神経系塞栓症・心筋梗塞の複合イベントの発現1.42%/年であり、第III相臨床試験であるJ-ROCKET AF試験と比較して、予測し得ない頻度の出血関連イベントや複合イベントは確認されていないとのことである。この結果を受けて、同氏は、リアルワールドにおける有効性と安全性はこれまでのところ、きわめて良好なバランスであるとの見解を示した。今後、用量ごとのアウトカム、ならびに服薬アドヒアランスとの関係についても、より詳しく調査していく予定であると述べた。本解析結果の詳細は、8月に開催される2016年欧州心臓病学会(ESC)のLate Braking Science Sessionで発表される予定だ。

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リラグルチドはインクレチン関連薬のLEADERとなりうるか?(解説:住谷 哲 氏)-564

 インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬およびGLP-1受容体作動薬)は、血糖依存性インスリン分泌作用を有することから低血糖の少ない血糖降下薬と位置付けられ、とくにDPP-4阻害薬は経口薬であることから、わが国で多用されている。心血管イベント高リスク2型糖尿病患者に対する安全性を確認する目的でこれまでに報告されたCVOTs(CardioVascular Outcomes Trials)は、SGLT2阻害薬エンパグリフロジンを用いたEMPA-REG OUTCOME試験を除くと、SAVOR-TIMI53(サキサグリプチン)、EXAMINE(アログリプチン)、TECOS(シタグリプチン)、ELIXA(リキシセナチド)とも、すべてインクレチン関連薬を用いた試験であった。しかし、これら4試験においてはプラセボに対する有益性を示すことができず、インクレチン関連薬は2型糖尿病患者の心血管イベントを減らすことはできないだろうと考えられていた時に、今回のLEADER試験が発表された。  その結果は、リラグルチド投与量の中央値1.78mg/日(わが国の投与量の上限は0.9mg/日)、観察期間3年において、主要評価項目である心血管死、非致死性心筋梗塞および非致死性脳卒中からなる3-point MACEが、リラグルチド投与により13%減少し(HR:0.87、95%CI:0.78~0.97、p=0.01)、さらに全死亡も15%減少する(同:0.85、0.74~0.97、p=0.02)との結果であった。 主要評価項目を個別にみると、有意な減少を示したのは心血管死(HR:0.78、95%CI:0.66~0.93、p=0.007)のみであり、非致死性心筋梗塞(0.88、0.75~1.03、p=0.11)、非致死性脳卒中(0.89、0.72~1.11、p=0.30)には有意な減少が認められなかった。3-point MACEの中で心血管死のみが有意な減少を示した点は、SGLT2阻害薬を用いたEMPA-REG OUTCOME試験と同様である。 この結果は、心血管イベント高リスク2型糖尿病患者に対する包括的心血管リスクの減少を目指した現時点での標準的治療(メトホルミン、スタチン、ACE阻害薬、アスピリンなど)により、非致死性心筋梗塞・脳卒中の発症がほぼ限界まで抑制されている可能性を示唆している。したがって、本試験の結果もEMPA-REG OUTCOME試験と同じく、リラグルチドの標準的治療への上乗せの効果であることを再認識しておく必要がある。 ADA/EASD2015年高血糖管理ガイドライン1)では、メトホルミンへの追加薬剤としてSU薬、チアゾリジン薬、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬、基礎インスリンの6種類を横並びに提示してある。どの薬剤を選択するかの判断基準として提示されているのは、有効性(HbA1c低下作用)、低血糖リスク、体重への影響、副作用、費用であり、アウトカムに基づいた判断基準は含まれていない。今後も多くのCVOTsの結果が発表される予定であるが2)、将来的にはガイドラインにもアウトカムに基づいた判断基準が含まれることになるのだろうか? ここで、CVOTsから得られるエビデンスについて、あらためて考えてみよう。本来CVOTsは、新規血糖降下薬が心血管イベントのリスクを、既存の標準的治療に比べて増加しないことを確認するための試験である。そこで、新規血糖降下薬が有する可能性のある血糖降下作用以外のリスクを検出するために、新規血糖降下薬群とプラセボ群とがほぼ同等の血糖コントロール状態になるよう最初からデザインされている。つまり、血糖降下薬に関する試験でありながら、得られた結果は血糖降下作用とは無関係であるという、ある意味矛盾した試験デザインとなっている。さらに、対象には心血管イベントをすでに発症した、または発症のリスクがきわめて高い患者、かつ糖尿病罹病歴の長い患者が含まれることになる。したがってCVOTsで得られたエビデンスは、厳密には糖尿病罹病歴の長い2次予防患者にのみ適用されるエビデンスといってよい。 一方、ADA/EASDをはじめとした各種ガイドラインは、初回治療initial therapyを示したものであり、その対象患者はCVOTsが対象とする患者とは大きく異なっている。したがって、ここではEBMに内包されている外的妥当性 external validity(一般化可能性 generalizability)の問題を避けて通れないことになる。換言すれば、糖尿病罹病歴の長い2次予防患者で得られたCVOTsのエビデンスを、ガイドラインが対象とする初回治療患者に適用できるのだろうか?教科書的には2次予防のエビデンスと1次予防のエビデンスははっきり区別しなければならない。つまり、CVOTsで得られたエビデンスは、厳密には1次予防には適用できないことになる。しかし、2次予防のエビデンスのない薬剤と2次予防のエビデンスのある薬剤との、二者のいずれかを選択しなくてはならない場合には、眼前の患者におけるリスクとベネフィットを十分に考慮したうえで、2次予防のエビデンスのある薬剤を選択するのは妥当と思われる。この点でリラグルチドは、インクレチン関連薬のLEADERとしての資格はあるだろう。ただし、部下の標準的治療(メトホルミン、スタチン、ACE阻害薬、アスピリンなど)に支えられてのLEADERであるのを忘れてはならない。 ADA/EASDのガイドラインには、治療にかかる費用も薬剤選択判断基準の1つに含まれている。本試験における全死亡のNNTは3年間で98であり、0.9mg/日の投与で同様の結果が得られると仮定すると(大きな仮定かもしれない)、薬剤費のみで約5,500万円の医療費を3年間に使用することで、1人の死亡が防げる計算になる。これが、高いか安いかの判断は筆者にはつきかねるが、この点も患者とのshared decision makingには必要な情報であろう。

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日本食は認知症予防によい:東北大

 日本食は、認知症発症の予防効果を有すると推測されているが、この課題を検討した報告はまだない。東北大学の遠又 靖丈氏らは、前向きコホート研究により、日本人高齢者を対象に、食事パターンと認知症発症との関連を検討した。The journals of gerontology誌オンライン版2016年6月29日号の報告。 自治体ベースのコホート研究(大崎コホート研究)に参加した、65歳以上の高齢者1万4,402人を5.7年間フォローアップしたデータを分析した。食物摂取頻度調査票を用いて、39の食品および飲料の消費に関する主成分分析を行い、食事を日本食パターン、動物性食品パターン、高乳製品パターンの3種類に分類した。認知症発症に関するデータは、公的介護保険データベースより収集した。 主な結果は以下のとおり。・7万1,043人年のフォローアップ中、認知症発症率は9.0%であった。・日本食パターンのスコアは、認知症発症リスクの低さと関連が認められた(最高四分位 vs.最低四分位;HR:0.80、95%CI:0.66~0.97、p=0.016)。・動物性食品パターンおよび高乳製品パターンでは、認知症発症との有意な関連は認められなかった。関連医療ニュース 日本人の認知症リスクに関連する食習慣とは 認知症によいサプリメント、その効果は 魚をよく食べるほど、うつ病予防に:日医大

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入院中の心房細動発症、脳卒中と死亡リスクが増大

 入院中に心房細動を新規発症した患者の転帰は明らかにされておらず、同患者集団のマネジメントについて現行ガイドラインは特記していない。米国・アルベルト・アインシュタイン医学校のDaniele Massera氏らは、入院中に心房細動を新規発症した患者の大規模コホートを対象に、死亡および院内発症脳卒中の発症率を検討した。その結果、入院患者における心房細動の新規発症が、脳卒中の院内発症率と死亡率の増加に独立して関連していることを示した。Europace誌オンライン版2016年5月20日号掲載の報告。 対象は、2005年4月20日~2011年12月31日に3次大学医療センターに入院した50歳以上の患者8万4,919例。患者を「心房細動を新規発症」「心房細動の既往あり」「心房細動なし」にカテゴリ化し、人口統計学的変数を比較した。一般化推定方程式(GEE)によるアウトカム比較には、傾向スコアマッチ解析を用いた。主要エンドポイントは30日および1年の全死亡、ならびに院内発症脳卒中だった。入院患者のうち1,749例(2.1%)が新規に心房細動を発症した。 主な結果は以下のとおり。・入院中に新規発症した心房細動患者の30日および1年の全死亡率は、心房細動のない患者よりも高かった(30日時点:OR 2.28、95%CI:1.72~3.02、p<0.0001;1年時点:RR 1.53、95%CI:1.36~1.73、p<0.0001)。また、心房細動の既往のある患者と比較したところ、30日死亡率は高かったが(OR 1.52、95%CI:1.06~2.17、p=0.02)、1年時点ではこの傾向は有意ではなくなった(RR 1.14、95%CI:0.98~1.34、p=0.09)。・新規発症の心房細動患者における院内発症脳卒中リスクは、心房細動のない患者よりも高かった(OR 4.53、95%CI:1.36~15.11、p=0.02)。・新規発症の心房細動患者において、CHA2DS2-VAScスコアは脳卒中の院内発症率と相関していた。

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進行全身性肥満細胞症、midostaurinが有効/NEJM

 すでに進行した全身性肥満細胞症に対する、新規開発薬midostaurin(PKC412)の有効性が、米国・スタンフォードがん研究所のJason Gotlib氏らによる国際多施設共同の第II相非盲検試験の結果、確認された。対象被験者には致死率の高い異型肥満細胞白血病の症例も含まれていた。進行全身性肥満細胞症は、予後不良で有効な治療選択肢がないまれな造血器腫瘍を伴う。midostaurinは、疾患発症の主因子であるKIT D816Vを阻害するマルチキナーゼ経口阻害薬である。NEJM誌2016年6月30日号掲載の報告。29医療施設で患者116例を登録、midostaurin 100mgを1日2回経口投与 試験は単群非盲検試験で2009年1月~2012年7月に、29の医療施設で患者116例を登録し、midostaurin 100mgを1日2回経口投与した。 116例のうち89例において、主要有効性集団の包含基準を満たす肥満細胞症の関連臓器障害が認められた(侵襲性全身性肥満細胞症16例、関連造血器腫瘍を有する全身性肥満細胞症57例、肥満細胞白血病16例)。 主要アウトカムは、最良総合効果(best overall response)であった。全生存期間中央値28.7ヵ月、無増悪生存期間14.1ヵ月 全奏効率(overall response)は、60%(95%信頼区間[CI]:49~70)であった。うち45%の患者で、少なくとも1種類の肥満細胞症の関連臓器障害の完全な消失として定義した、著効(major response)が認められた。 奏効率は、進行全身性肥満細胞症の病型の違いや、KITの異型、または既治療を問わず類似していた。 骨髄肥満細胞負荷、および血清トリプターゼ値の最良変化率の中央値は、それぞれ-59%、-58%であった。 全生存期間中央値は、28.7ヵ月であり、無増悪生存期間は14.1ヵ月であった。肥満細胞白血病を認めた16例の全生存期間は9.4ヵ月(95%CI:7.5~推定不能)であった。 全体で56%(65例)の患者で、毒性による投与量減量が行われたが、そのうち32%において、開始用量までの再増量を図ることができた。 頻度の高かった有害事象は悪心(79%)、嘔吐(66%)、下痢(54%)であったが、そのうち薬物関連と思われるGrade III/IVの事象はそれぞれ6%、6%、8%であった。また、新規発症または増悪したGrade III/IVの好中球減少24%、貧血41%、血小板減少29%が認められ、それら患者の多くで血球減少の既往があった。

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血圧と眼球後方の血行動態は関連している?

 高血圧症を合併する原発開放隅角緑内障(POAG)患者において、血圧は眼球後方の血行動態と関連しているのだろうか。セルビア・ベオグラード大学のIvan Marjanovic氏らは、外来患者を対象とした観察研究で、dipper型の高血圧症を有するPOAG患者では血圧と眼動脈の血管抵抗指数(resistivity index)が有意に関連しており、non-dipper型のPOAG患者と比較してdipper型で眼球後方の血行動態パラメータの低下がみられることを明らかにした。European Journal of Ophthalmology誌オンライン版2016年6月21日号の掲載報告。 研究グループは、眼科外来を受診したdipper型およびnon-dipper型の高血圧症を有するPOAGの連続症例を対象に、前向き横断的観察研究を行った。 24時間血圧測定、ドップラー法および脈拍眼圧(ocular pulse amplitude:OPA)測定を同じ日に行い、夜間の血圧が日中から10%以上減少している患者をdipper型、10%未満の患者をnon-dipper型とし、血圧と眼球後方(眼動脈、網膜中心動脈および短後毛様体動脈)の血行動態パラメータとの関連を評価した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は、計114例(dipper型78例、non-dipper型36例)であった。・non-dipper型よりdipper型で、拡張終期速度が有意に低く、比抵抗指数(resistivity index:RI)が有意に高かった(どちらもp<0.0001)。・dipper型では、眼動脈のRIが日中および夜間の収縮期血圧、ならびに日中平均動脈圧と有意に関連していた。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第30回

第30回:造影CT検査を適正に行うために監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 CT(Computed Tomography)検査は物体を透過したX線の量をデータとして集めてコンピュータ処理し、物体の断面画像を得る検査です。現在、多くの施設で実用化されている装置はマルチスライスCTと呼ばれ、短時間で広範囲を撮影することができるうえ、立体的な画像(3D画像)を容易に撮像できるようになり、今日の日常診療で欠かせない検査となっています1) 。 今回の記事では造影CT検査撮像の適応、造影剤の副作用などを中心に、適正な使用について今一度整理をしてみます。 以下、American Family Physician 2013年 9月1日号2) より造影CT検査を適切に行うためには造影剤の種類・リスク・禁忌・造影剤使用が適切な臨床状況を知っておくことが必要である。<製剤の種類と投与経路>最もよく使用される造影剤はバリウムやヨード製剤があり、投与経路は経口・直腸・静脈・くも膜下投与が挙げられる。経口製剤は一般的に腸の病変が疑われる場合や、腹部・骨盤CTで使用される。直腸投与は直腸穿孔が疑われるときに適応となる。静脈製剤は血管組織や腹部・骨盤の固形臓器の評価の際に適応となる。くも膜下でのヨード製剤投与は脊髄造影で、脊髄・基底槽病変や脳脊髄液漏出の評価に用いられる。<造影剤の副作用>ヨードの濃度で高浸透圧か低浸透圧に分類され、ほとんどの施設は非ヨード性製剤(低浸透圧製剤)を使用する。重篤な副反応にはアナフィラキシー症状が挙げられ、頻度は1/170,000とされている。非ヨード製剤のほうが副反応は少ないとされている。造影剤の副作用のリスクとしては、薬剤アレルギーと気管支喘息が挙げられる。また腎障害も造影剤使用の際には注意が必要である。腎機能のスクリーニングとして、検査1ヵ月前にクレアチニンが測定され、一般的にクレアチニン1.5~2.0mg/dL以上、または増加傾向のときに他の投与方法を検討しなければならない。造影剤による腎症を起こすリスク因子は、慢性腎臓病・糖尿病・心不全・高齢・貧血・左室機能障害・大量の造影剤使用が挙げられる。<造影剤使用の注意点>静注製剤が忌避を検討すべきときは、造影剤への過敏性の既往・妊娠・甲状腺疾患に対するヨード製剤使用・メトホルミン製剤使用・腎不全が挙げられる。過敏反応はその重症度を評価し、それが小さな反応であれば前投薬(ジフェンヒドラミンとコルチコステロイド)でリスクが減る可能性がある。【アナフィラキシー反応の既往がある患者】緊急時以外は造影剤使用を控えるべきである。【妊婦】造影剤が胎盤を通過するため注意が必要である。アメリカ放射線学会では妊婦に対する造影剤使用の推奨があり、母体と胎児のケアに影響がある情報が造影剤使用でないと得られず、撮像指示医が妊娠後まで待てないと判断した場合に推奨される。【ヨード製剤で加療中の甲状腺疾患の患者】ヨード系造影剤使用で甲状腺へのI-131の取り込みが減弱し、治療効果が落ちるので使用を避けるべきである。【メトホルミン使用の患者】腎機能を変化させメトホルミン排泄を障害する可能性があり、代謝性アシドーシスのリスクが上がる (頻度はまれだが、腎機能障害の患者で相対的に多い)。アメリカ放射線学会の推奨では、腎機能正常時・合併症がないときはメトホルミン使用継続・クレアチニンの測定不要で、それ以外ではメトホルミン内服制限・クレアチニン測定が推奨される。※本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) 日本放射線技術学会. CT検査. http://www.jsrt.or.jp/data/citizen/housya/ct-01/ (2016.6.30参照). 2) James V,et al. Am Fam Phisician.2013;88(5):312-316

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Dr.平島のフィジカル教育回診

第4回 もっと頸静脈診察を極めよう!今回は、前回に引き続き、頸静脈診察にさらに深くアプローチしていきます。第4回では、さまざまな症例を振り返りながら、実臨床では、頸静脈がどのように動くのか、心音はどのように聴こえるのかなどを平島部長のコンパクトなレクチャーで学習していきます。各項目として、回診編(1)では、内頸静脈診察のまとめを振り返りつつ、傍胸骨拍動、心雑音のフィジカル回診編(2)では、症例を基に腹部圧迫試験の手順とその診断回診編(3)では、外頸静脈からCVPの上昇を診察するテクニックを学んでいきます。視聴後、すぐ臨床で役立つ知識を、目いっぱい詰め込んでお届けするフィジカル教育回診。回診スタートです。

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統合失調症患者の入院、1日の気温差が影響

 気候変動の重要な指標である気温の日較差(DTR)は、健康に対する気温変動性の影響を評価するために使用されることが増えている。しかし、統合失調症に対するDTRの影響は、あまりわかっていない。中国・安徽医科大学のDesheng Zhao氏らは、DTRと統合失調症の入院との関連、さらに患者特性や試験期間によりこれらの関連が変化するかを検討した。The Science of the total environment誌オンライン版2016年6月16日号の報告。 2005~14年の中国・合肥市の毎日のDTRと統合失調症のデータを、長期的および季節的傾向、平均気温、相対湿度、その他の交絡因子で調整した後、ポアソン一般化線形回帰と分散型ラグ非線形モデル(DLNM)を組み合わせて分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者において、非常に大きいDTRによる急性の悪影響が観察された。非常に高いDTR後には、統合失調症の1日の入院率が2.7%増加した(95%CI:1.007~1.047、95パーセンタイル vs.50パーセンタイル)。・大きなDTR曝露による統合失調症発症リスクは、最初の5年間(2005~09年)から次の5年間(2010~14年)にかけて増加した。・15~29歳および50~64歳、男性、春または秋生まれ、既婚の統合失調症患者は、DTRの影響に対し、とくに脆弱であると考えられる。しかし、中程度に大きいDTR(75パーセンタイル)と統合失調症との間に有意な関連は認められなかった。・本研究では、非常に大きいDTRは、中国・合肥市の統合失調症患者の入院における潜在的なトリガーであることが示唆された。関連医療ニュース 気温31℃超で気分症状が再発!入院も増加 精神科再入院を減少させるポイントとは 統合失調症の再入院や救急受診を減らすには

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wide QRS頻拍への対応、プロカインアミド vs. アミオダロン

 血行動態が保たれた心室頻拍の患者に対してはプロカインアミドとアミオダロンの静脈注射が選択肢となるが、どちらを使用するかについてはガイドラインでさえも明示していない。Mercedes Ortiz氏らは、血行動態の保たれたQRS幅が広い頻拍(心室頻拍の可能性が高い)に対するプロカインアミドおよびアミオダロンの有効性と安全性を評価するために、多施設共同無作為化非盲検試験を実施した。スペインからの報告で、European Heart Journal誌オンライン版2016年6月28日号に掲載された。74例のregular wide QRS頻拍の患者を無作為化 以下の基準を満たす74例が試験の対象となった: QRS幅が120ms以上、120拍/分以上の規則正しい頻拍、血行動態が保たれている、収縮期血圧が90mmHg以上、安静時の息切れや胸痛がない、末梢の循環不全の症状を伴わない。 試験期間は40分間で、プロカインアミド(10mg/kg)もしくはアミオダロン(5mg/kg)を20分間かけて静注し、さらに20分間で効果と安全性を検討した。試験終了後24時間、患者を観察した。 主要評価項目は重大な心臓に関する副作用の発生。副次評価項目は両薬剤の頻拍の急性停止に対する有効性と全観察期間の副作用の発生。プロカインアミド群、心関連副作用が少なく急性停止にもより有効 分析の対象となった62例のうち(12例は除外)、15例(24%)に重大な心臓に関する副作用が発生し、プロカインアミド群(33例中3例、9%)がアミオダロン群(29例中12例、41%)と比べて有意に少なかった(オッズ比[OR]:0.1、95%CI:0.03~0.6、p=0.006)。深刻な血圧の低下のために電気的除細動を必要としたというのが、最も多い心臓に関する副作用であった。40分以内の頻拍の停止はプロカインアミド群(67%)がアミオダロン群(38%)より有意に多かった(OR:3.3、95%CI:1.2~9.3、p=0.026)。構造的心疾患を有する49例でも、プロカインアミド群で心臓に関する副作用は少なかった(11% vs.43%、95%CI:0.04~0.73、p=0.017)。 報告者らは、プロカインアミドの静注は40分以内の急性停止でアミオダロン群より重大な心関連副作用が少なく、有効性も高かったと結論付けている。患者の登録がうまく進まず、26施設で6年かけて実施したが、最終的には登録が遅れ試験を中止し、解析を行ったとしている。(カリフォルニア大学アーバイン校 循環器内科 河田 宏)関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

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