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水疱性類天疱瘡へのドキシサイクリン vs.標準治療/Lancet

 水疱性類天疱瘡へのドキシサイクリン投与は、標準治療のプレドニゾロン投与と比べ、短期間での水疱コントロール効果について非劣性であることが示された。さらに安全性については、プレドニゾロン投与に比べ重篤な有害事象リスクが有意に低かった。英国・ノッティンガム大学のHywel C Williams氏らが、253例を対象に行った非劣性無作為化比較試験の結果、明らかにし、Lancet誌オンライン版2017年3月6日号で発表した。6週間後の水疱3つ以下の患者の割合を比較 研究グループは2009~13年にかけて、英国54ヵ所とドイツ7ヵ所の医療機関を通じて、水疱性類天疱瘡で2ヵ所以上の部位に水疱が3~4個あり、線状IgG基底膜腎炎、または線状C3基底膜腎炎を有する患者を無作為に2群に分け、一方にはドキシサイクリンを(200mg/日、132例)、もう一方にはプレドニゾロン(0.5mg/kg/日、121例)をそれぞれ投与し、ドキシサイクリンのプレドニゾロンに対する非劣性を検証した。無作為化では、ベースラインの症状の程度に応じて階層化を行った。治療開始1~3週間は局所補助療法として、局所ステロイド30g/週未満の使用を可能とした。 有効性の主要評価項目は、6週間後に水疱が3つ以下になった患者の割合とした。非劣性の評価は、ドキシサイクリンの効果がプレドニゾロンに対して25%低いと仮定し許容マージンを37%とした。 安全性の主要評価項目は、52週までの重篤な生命の危険を伴うまたは致死的な有害事象(Grade 3~5)の発生だった。重篤有害事象発生率、ドキシサイクリン群で有意に低率 被験者の平均年齢は77.7歳で、68%が水疱性類天疱瘡中等症~重症の患者だった。 試験の結果、治療6週間後に水疱が3つ以下になった患者の割合は、ドキシサイクリン群が74%(112例中83例)に対し、プレドニゾロン群は91%(101例中92例)だった。両群の補正後差は18.6%、90%上側信頼限界値は26.1%で、事前に規定した許容マージンを下回り、ドキシサイクリンのプレドニゾロンに対する非劣性が示された。 さらに安全性については、52週における評価項目の発生率は、プレドニゾロン群で36%(113例中41例)に対し、ドキシサイクリン群では18%(121例中22例)で、補正後差19.0%と有意に低かった(p=0.001)。

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MRI対応の新型S-ICD、AFモニタリング機能も:ボストン・サイエンティフィック

 現在日本では、1年間に約7万6,000人が心臓突然死により命を落としているといわれている。その心臓突然死に対する治療方法の1つとして植込み型除細動器(ICD)治療が存在する。ICD患者の半数以上が10年以内にMRI検査と推察されているが、心血管系の埋め込みデバイス患者へのMRI施行は長年にわたり禁忌である。このMRI検査とICD装着患者の安全性については議論が繰り広げられ、本サイトでもいくつかの記事が取り上げられている。 そのような中、完全皮下埋め込み型除細動器(S-ICD)を発売していたボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社が2017年1月より、新たにMRI撮像に対応したEMBLEM MRI S-ICDシステムを導入し、2016年2月に販売開始した。ボストン・サイエンティフィック マーケティング部の古閑智寿氏によれば、MRI対応になったことによる臨床現場の反響は大きいという。 このシステムでは、MRI撮像による適性診断のほか、心房細動モニタリングが機能搭載されている(A219 型)。S-ICDシステムがMRI撮像対応になるとともに心房細動をみる視覚を得たことで、無症候性の心房細動検出が期待でき、発症原因不明の潜因性脳卒中(ESUS:Embolic stroke of undermined source)の機序の解明にも一役買うと予想される。さらに、血栓塞栓症が発生した症例においてもMRIを用いた十分な全身検査ができるようになり、原因特定を可能とする。EMBLEM MRI S-ICD システム 販売名:S-ICDパルスジェネレータ(承認番号:22700BZX00132000) 販売名:S-ICDリード(承認番号: 22700BZX00133000)  販売名:S-ICDプログラマ(承認番号: 22700BZX00134000) (ケアネット 細田 雅之)関連医療ニュースペースメーカー・ICD装着患者も安全にMRI検査が可能/NEJM:ジャーナル四天王

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質の高い論文はここが違う~日本の無作為化比較試験

 読む価値のある論文を、アブストラクトで効率よくスクリーニングすることはできないだろうか。東京大学の米岡 大輔氏らが、どのような文章が質の高い無作為化比較試験(RCT)の指標となるのかを調べるために、日本のRCTの論文を評価したところ、質の高いRCTと質の低いRCTではアブストラクトの文章の特徴にいくつかの有意な差があることがわかった。著者らは、この結果がrisk-of-bias tool の代わりに、価値のある論文をすばやくスクリーニングする新たな判断基準として使用できるとしている。PLOS ONE誌2017年3月9日号に掲載。 本研究では、2010年に日本で実施されたすべてのRCTについて、2名の査読者が独立して、risk-of-bias toolを用いてデータを評価した。著者らは、論文の言語スタイルの3つの側面で定量化し、アブストラクトのみでRCTの質を評価するための文書評価モデルを構築した。 主な結果は以下のとおり。・質の評価のために選択された302件のRCTのうち、255件が「質が高い」、47件が「質が低い」と評価された。・質の高い論文は、質の低い論文よりも長い単語を使用する傾向があった(p=0.048)が、文は一般的に短かった(p=0.004)。・質の高い論文では、名詞の割合が大きく(p=0.026)、動詞の割合が小さかった(p=0.041)。・論文の質を評価するための最適なトピック数は4つであると同時に、2つのトピックが質との有意な関連があった。

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貨幣状湿疹

【皮膚疾患】貨幣状湿疹◆症状コインのように丸くもりあがった湿疹で、かゆみがあります。掻きこわしになるとジクジクして、離れた場所にも同様の湿疹ができることがあります(自家感作性皮膚炎)。◆原因肌の乾燥が原因のことが多いので、高齢者によくみられます。とくに冬季に多い湿疹です。アトピー性皮膚炎やかぶれが原因のこともあります。◆治療と予防・ステロイド外用薬で治療します。ジクジクしたら、包帯で保護します。・肌の乾燥を防ぐため、お風呂上りに保湿をしましょう。●一言アドバイス再発したらすぐにステロイド外用薬を塗るようにしましょう。監修:浅井皮膚科クリニック 院長Copyright © 2017 CareNet,Inc. All rights reserved.浅井 俊弥氏

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抗精神病薬のプロラクチンへの影響、ARPとQTPどちらが低い

 高プロラクチン血症は、抗精神病薬により問題となる副作用の1つである。これまで、高プロラクチン血症に関する第2世代抗精神病薬間での直接比較を行った臨床事例はほとんどない。スペイン・カンタブリア大学のBenedicto Crespo-Facorro氏らは、プロラクチンへの影響が少ないといわれている第2世代抗精神病薬の種類によりプロラクチンレベルに違いがあるか、それは性別により影響を受ける可能性があるかを検討した。Schizophrenia research誌オンライン版2017年2月17日号の報告。 初回エピソードの非感情性精神病(non-affective psychosis)患者のプロラクチン血漿レベルに対し、プロラクチンへの影響が少ないといわれている3種類の抗精神病薬(アリピプラゾール、クエチアピン、ziprasidone)の1年間の治療効果の違いを調査した。2005年10月~2011年1月まで、無作為化プロスペクティブオープンラベル研究を行った。対象患者141例は、アリピプラゾール群(56例)、クエチアピン群(36例)、ziprasidone群(49例)に無作為に割り付けられた。主要アウトカムは、3種類の抗精神病薬の1年間の追跡調査におけるプロラクチン血漿レベルの差とした。プロラクチンレベルは、分布に偏りがあったため、統計解析前にログ変換を行った。 主な結果は以下のとおり。・アリピプラゾール群の男性は、プロラクチン血漿レベルの増加リスクが低かった(n=71、F=12.645、p<0.001)。・男性では、プロラクチンの平均変化量が小さく、性差の影響が認められた。・アリピプラゾール群の高プロラクチン血症リスクは19.6%で、クエチアピン群(44.4%)、ziprasidone群(32.7%)と比較し、減少していた(p=0.038)。男性において非常に類似した所見が認められた(p=0.040)。・女性では、有意な差が認められなかった。・軽度のプロラクチン過剰率は、アリピプラゾール群14.3%、クエチアピン群36.1%、ziprasidone群18.4%であった(χ2=6.611、p=0.037)。関連医療ニュース 統合失調症に対する増強療法、評価が定まっている薬剤はこれだけ 高プロラクチン血症、アリピプラゾール切り替えと追加はどちらが有効か リスペリドン誘発性高プロラクチン血症、減量で軽減するのか

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肉を多く食べる男性の大腸がんリスク1.3倍以上:高山スタディ

 肉を多く食べる男性は、そうでない人と比べて、大腸がんの発症リスクが有意に高いことが、岐阜大学の和田 恵子氏らによる研究で明らかになった。肉を多く食べ過ぎないことが、大腸がんの発症抑制につながるかもしれない。Cancer science誌オンライン版2017年3月3日号の報告。 日本人における肉の消費と大腸がんに関するエビデンスは、欧米人のそれと比較して限られている。そのため著者らは、日本において集団ベースの前向きコホート研究を実施し、食肉の消費と大腸がんリスクの関連について評価した。 対象は、1992年9月時点で35歳以上の男性1万3,957人、女性1万6,374人。食肉の消費は、食物摂取頻度調査票を用いて評価した。大腸がんの発症率は、地域集団ベースのがんレジストリおよび2つの主要病院で実施された大腸内視鏡検査における組織学的同定により調査した。 主な結果は以下のとおり。・1992年9月~2008年3月までに、男性429人、女性343人が大腸がんを発症した。・複数の交絡因子の調整後、男性の総食肉摂取量および赤肉摂取量の最高四分位群は、最低四分位群と比較して大腸がんの相対リスクが有意に上昇した。  総食肉(ハザード比:1.36、95%CI:1.03~1.79、p for trend=0.022)  赤肉(ハザード比:1.44、95%CI:1.10~1.89、p for trend=0.009)・男性の加工肉の摂取と結腸がんリスクとの間に正の関連性が認められた。・女性の大腸がんと食肉消費との間には有意な関連は認められなかった。

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小児がんサバイバー、放射線治療減少で新生物リスク低下/JAMA

 1990年代に診断を受けた小児がんサバイバーの初回診断後15年時の悪性腫瘍のリスクは、上昇してはいるものの、1970年代に診断されたサバイバーに比べると低くなっており、その主な要因は放射線治療の照射線量の減少であることが、米国・ミネソタ大学のLucie M Turcotte氏らの調査で明らかとなった。同氏らは、「現在も続けられている長期の治療毒性の軽減に向けた取り組みが、サバイバーの新生物罹患リスクの低減をもたらしている」と指摘する。JAMA誌2017年2月28日号掲載の報告。2万3,603例を治療年代別に後ろ向きに検討 研究グループは、小児がんサバイバーにおいて、時代による治療量の変化と新生物のリスクの関連を定量的に評価するレトロスペクティブな多施設共同コホート研究を行った(米国国立先進トランスレーショナル科学センターなどの助成による)。 対象は、1970~99年に米国およびカナダの小児病院で診断を受けた21歳未満の小児がん患者で、5年以上生存し、2015年12月にフォローアップが可能であった者とした。治療年代別の新生物の15年累積罹患率、累積疾病負担、悪性腫瘍の標準化罹患比(SIR:実測罹患数/期待罹患数)、5年ごとの相対罹患率(RR)の評価を行った。 2万3,603例が解析の対象となった。治療時期は1970年代(1970~79年)が6,223例、1980年代(1980~89年)が9,430例、1990年代(1990~99年)は7,950例であった。悪性腫瘍累積罹患率:2.1%→1.7%→1.3% 初回診断時の平均年齢は7.7(SD 6.0)歳、女児が46.3%であった。初回診断名は、急性リンパ芽球性白血病(35.1%)が最も多く、次いでホジキンリンパ腫(11.1%)、星状細胞腫(9.6%)、ウィルムス腫瘍(8.0%)、非ホジキンリンパ腫(7.2%)、神経芽細胞腫(6.8%)の順であった。 治療年代別の平均フォローアップ期間は、70年代が27.6年、80年代が21.1年、90年代は15.7年であった。全体の平均フォローアップ期間20.5年(37万4,638人年)の間に、1,639例が3,115個の新生物を発症し、そのうち1,026個が悪性腫瘍、233個が良性髄膜腫、1,856個が非黒色腫皮膚がんであった。最も頻度の高い悪性腫瘍は、乳がんおよび甲状腺がんであった。 放射線治療の施行率は、70年代の77%から90年代には33%まで低下し、照射線量中央値は70年代の30Gy(IQR:24~44)から90年代には26Gy(IQR:18~52)まで減少した。また、アルキル化薬やアンスラサイクリン系薬の使用率は経時的に上昇したが、用量中央値は減少した。プラチナ製剤の使用率は増加したが、エピポドフィロキシンは80年代には累積用量中央値が増加したが、90年代には減少した。 新生物の累積罹患率は、70年代が2.9%、80年代が2.4%、90年代は1.5%と、経時的に有意に低下した(70 vs.80年代:p=0.02、70 vs.90年代:p<0.001、80 vs.90年代:p<0.001)。サバイバー100例当たりの累積疾病負担は、70年代が3.6、80年代が2.8、90年代は1.7であり、やはり経時的に有意に軽減した(同p=0.02、p<0.001、p=0.001)。 悪性腫瘍の累積罹患率は、90年代が1.3%と、80年代の1.7%(p<0.001)、70年代の2.1%(p<0.001)に比し有意に低かった。同様の傾向が、非黒色腫皮膚がんにもみられたが、髄膜腫には認めなかった。 基準となる背景因子(化学療法非施行、脾臓摘出術、放射線治療、男性、28歳)のサバイバーにおける1,000人年当たりの絶対罹患率は、悪性腫瘍が1.12、髄膜腫が0.16、非黒色腫皮膚がんは1.71であった。 悪性腫瘍のSIRは、到達年齢が上がるにしたがって3つの治療年代とも低下した。性、診断時年齢、到達年齢で補正した新生物のRRは、5年経過するごとに有意に低下し(RR:0.81、95%CI:0.76~0.86、p<0.001)、悪性腫瘍(0.87、0.82~0.93、p<0.001)、髄膜腫(0.85、0.75~0.97、p=0.03)、非黒色腫皮膚がん(0.75、0.67~0.84、p<0.001)のRRも有意に低くなった。 媒介分析では、放射線治療の照射線量の変化は、治療年代関連の新生物罹患率の低下の主要な寄与因子であり、経時的な新生物罹患率低下と有意な関連を示す治療変量の唯一の構成要素であった。

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2型糖尿病患者の動脈壁硬化に関わる因子

 2型糖尿病患者において、従来の心血管リスク因子や生活習慣は動脈壁硬化と関連するが、それらの因子を調整後も実際に動脈壁硬化と関連するかどうかは不明である。順天堂大学代謝内分泌学講座の研究グループが、日本人の2型糖尿病外来患者で、上腕足首間脈波伝播速度(baPWV)に関連する因子を調べたところ、従来の心血管リスク因子と生活習慣を調整後も、年齢、2型糖尿病の罹病期間、収縮期血圧、血清尿酸、尿中アルブミン排泄、睡眠の質の低下がbaPWVと関連していた。Journal of clinical medicine research誌2017年4月号に掲載。 本研究には心血管疾患の既往のない日本人の2型糖尿病の外来患者724例が参加し、自記式質問票を用いて生活習慣を分析した。従来の心血管リスク因子・生活習慣のbaPWVとの関連性を多変量線形回帰分析によって調べた。 以下の結果は以下のとおり。・被験者の平均年齢は57.8±8.6歳、62.8%が男性であった。・平均HbA1cは7.0±1.0%、2型糖尿病の罹病期間は9.9±7.2年であった。・年齢および性別を含む重回帰分析により、年齢および男性がbaPWVと正の関連が示された。・数多い従来の心血管リスク因子および生活習慣を調整後も、年齢、2型糖尿病の罹病期間、収縮期血圧、血清尿酸、尿中アルブミン排泄、睡眠の質の低下がbaPWVと正の相関を示した。一方、BMIはbaPWVと負の相関を示した。

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PD-L1発現肺がん、ペムブロリズマブで長期生存を得る確率

 ペムブロリズマブの非小細胞肺がん(以下、NSCLC)に対する効果は、一部の患者で非常に持続的である。ペムブロリズマブの長期生存の恩恵を受ける患者の割合はどの程度なのだろうか?このテーマに関する知見が、本年(2017年)のASCO-SITC(SITC:society of immune therapy of cancer)で発表された。 ペムブロリズマブは、KEYNOTE-001研究で進行NSCLCへの有望な効果を示し、KEYNOTE-010試験ではドセタキセルと比べ全生存期間(OS)の有意な延長を示した。しかし、ペムブロリズマブの長期生存の恩恵を受ける患者の割合については、典型的なパラメトリックな生存モデルでは解析できない。研究者らはそれに代わり、長期生存時間解析と呼ばれる確立された統計モデルを用いて、5年を超える長期生存を達成した患者の割合を「長期生存率」として直接推定している。  分析には、KEYNOTE-001およびKEYNOTE-010試験における既治療のPD-L1発現(腫瘍比率スコアTPS≧1%)患者からのデータが用いられた。KEYNOTE-001試験のデータはペムブロリズマブの初期の長期生存率の推定に、KEYNOTE-010試験のデータはその後の独立した因子の検証に用いられた。 主な結果は以下のとおり。・KEYNOTE-001試験(n=306)におけるペムブロリズマブ治療患者の推定長期生存率は25.4%(95%CI、15.2~33.3)であった。・KEYNOTE-010試験(n=690)では25.3%(95%CI、8.9~36.9)であった。・KEYNOTE-010試験におけるドセタキセル群(n=343)の推定長期生存率は3.2%(95%CI:0~17.4)であった。 2つの独立したデータセットでは、既治療のPD-L1発現NSCLCの患者の25%が、ペムブロリズマブ単剤療法から長期間の利益を得ることができると推定された。今後の長期的なフォローアップが、当知見の検証をさらに進めるであろう。(ケアネット 細田 雅之)参考KEYNOTE-001試験(Clinical Trials.gov)KEYNOTE-010試験(Clinical Trials.gov)

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硬膜下血腫例の約半数が抗血栓薬服用、高齢化社会では今後ますます増えることが予想される(解説:桑島 巖 氏)-652

 硬膜下血腫は、しばしば認知症と誤診されたり、見逃した場合には死に至ることもある重要疾患である。本研究は、その硬膜下血腫の実に47.3%が抗血栓薬を服用していたという衝撃的な成績を示し、高齢化がいっそう進み、今後さらに急増していくことを示唆している点で重要な論文である。 この研究は、2000年から2015年にデンマークでの国民登録研究からのケースコントロール試験による成果である。抗血栓薬の使用頻度は、2000年には一般住民1,000人当たり31人程度にすぎなかったが、5年後の2015年には76.9人に急増している。硬膜下血腫が、それと軌を一にして増加したかを明確に示している。とくに、75歳以上での硬膜下血腫の頻度は2000年では10万人当たり年間55.1人であったのが、2015年では99.7人とほぼ倍増している。また発症例では、ワルファリン使用率が非発症例に比べて3.69倍高く、ワルファリンと抗血栓薬との併用例はさらに高い。 本試験では、INRについての記載がなく、ワルファリンのコントロール状況との分析ができていないため、抗血栓薬併用例などで適切な用量設定ができていなかったことが一因として考えられる。しかし、2000~15年はまだ新規抗凝固薬(NOAC、DOAC)がそれほど普及していない時期にしてこの結果である。2015年以降、固定用量が処方される新規抗凝固薬が相次いで世の中に登場し、また冠動脈インターベンションの普及による2剤併用抗血小板療法(DAPT:dual antiplatelet therapy)の処方も増えている。さらに、人口の高齢化率も増えたことと相まって、今後、硬膜下血腫の頻度はいっそう増加の一途をたどることが予想される。 抗血栓薬と抗凝固薬併用症例では、抗凝固薬の用量を適正に調節することや血圧を厳格にコントロールすることが予防手段となろう。

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マヤロ熱に気を付けろッ!【新興再興感染症に気を付けろッ!】

ケアネットをご覧の皆さま、こんにちは。国立国際医療研究センター 国際感染症センターの忽那です。本連載「新興再興感染症に気を付けろッ!」、通称「気を付けろッ」は「新興再興感染症の気を付け方」についてまったりと、そして時にまったりと、つまり一貫してまったりと学んでいくコーナーです。本連載もついに第27回を迎えました。27回も書いてるのに、誰からも「ケアネットの連載、読んでるよ」って言われたことないんですけど、大丈夫でしょうか。まあ、マニアックな疾患について書いてますからね、ダニ脳炎だのクリプトコッカス・ガッティだの…。そんなもん診る機会あるかっつ~の。でも安心してください。今回取り上げる疾患も、今後読者の皆さまが診る可能性が極めて低い「マヤロ熱」ですッ! と書くと、これ以上読んでいただけないので、なぜそんなマヤロ熱を取り上げたのかという理由も述べたいと思います。近年、蚊媒介性感染症の広がりが世界的な脅威になっています。2014年にはデング熱が日本でアウトブレイクしました。同じころ、チクングニア熱が中南米で大流行し、そして、2015~16年にはジカウイルス感染症の流行が社会問題になったことは、記憶に新しいところです。そして…次に来てしまうのは、今回紹介するマヤロ熱ではないかと個人的には思っているのですッ!日本でも流行が危惧されるマヤロ熱マヤロ熱はマヤロウイルスによる蚊媒介性感染症です。マヤロウイルスは、チクングニアウイルスと同じアルファウイルス属トガウイルス科に属するウイルスで、1954年にトリニダード・トバゴで発見されています。トリニダード・トバゴは南米の国ですね。その後、フランス領ギアナ、スリナム、ベネズエラ、ペルー、ボリビア、ブラジルでもこのウイルスが見つかっており、南米に広がっているウイルスであると考えられていました。典型的には、ジャングルの労働者である成人男性が感染したという孤発例としての報告が多いのですが、これまでに何度か中規模の流行を起こしています。蚊媒介性感染症と言いましたが、蚊の中でもHaemagogusという種類の蚊が主に媒介すると考えられています。蚊媒介性感染症に詳しい方は、もしかしたら「ヤブカ属(Aedes)じゃないんだったら、日本に入ってくる心配はないな」と思われたかもしれませんが、実験ではヤブカ属のうちネッタイシマカも、そして、日本に広く分布するヒトスジシマカも、このマヤロウイルスを媒介することが判明しているのですッ! つまり…マヤロ熱は南米だけでなく、世界中に広がりうるポテンシャルを秘めているのですッ!現にマヤロウイルスは南米を飛び出し、すでにカリブ海のハイチでの感染例が報告されています。マヤロウイルス、恐るべし!マヤロ熱の症状は何かと似てるマヤロ熱の臨床症状ですが、いわゆる急性発熱疾患であり、高熱に加えて頭痛、関節痛、筋肉痛、皮疹、時に嘔吐などの消化器症状を呈します。さらに関節痛にとどまらず関節炎を起こし、手関節・足関節を中心に腫脹することがあります。発熱などの症状が治まった後も、この関節炎の所見だけは数年にわたって続くことがあります。こう書くとある疾患に似ていることに、気付きませんか? そう、同じトガウイルス科であるチクングニアウイルスによるチクングニア熱に激似なのですッ! ちゅ~か、ほぼ一緒ッ! 忘れてしまっている方は、本連載の「チクングニア熱に気を付けろッ! その1」を読み返してみてください。つまり、チクングニア熱とはほぼ同じ臨床症状で、さらにデング熱とジカウイルス感染症ともよ〜く似ているわけです。この3つの感染症の臨床上の違いを表にまとめました。マヤロ熱の臨床像についてはまだ十分なデータがありませんが、おそらくチクングニア熱の臨床像にクリソツだと考えられています。画像を拡大するこれらの4つの感染症は同じ中南米で今も流行しているのです。現地の臨床医にとって、これらの鑑別は非常に悩ましいところでしょう。われわれにとっても他人事ではありません。すでにマヤロ熱の輸入例は海外で報告されています。今後、このマヤロ熱の流行がさらに大規模になってきた場合、鑑別疾患として外せない蚊媒介性感染症となるでしょう。とか言ってまったく流行せずに、このまま終息したりして…それはそれでいいんですが。マヤロ熱の治療と予防他の蚊媒介性感染症と同様に、マヤロウイルスに有効な治療薬というものはありません。支持療法を行うのみでありますが、これまでにマヤロ熱での死亡例は報告されていません。ただし遷延する関節炎については、チクングニア熱と同様に患者のQOLを下げるいまいましい症状のようです。ワクチンの開発もこれからのようです。予防のために、流行地域に渡航する際には防蚊対策を徹底することが重要です。流行地域で外出するときは、なるべく肌の露出の少ない服装にして、DEETなどの成分を含む防虫剤を使用することが重要です。これも「チクングニア熱に気を付けろッ! その2」で触れていますので、確認してください。というわけで、もし今後マヤロ熱が世界的に広がった場合は「あ~そういえば忽那がなんか言っていた感染症だな」と思い出してください。このままとくに流行しなければ、どうぞそのまま忘れてください…。次回は、隣国の中国で感染者が激増しているH7N9鳥インフルエンザについて、ご紹介したいと思いますッ!1)Halsey ES, et al. Emerg Infect Dis. 2013;19:1839-1842.2)Lednicky J, et al. Emerg Infect Dis. 2016;22:2000-2002.3)Ioos S, et al. Med Mal Infect. 2014;44:302-307.

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日本成人の自殺予防に有効なスクリーニング介入:青森県立保健大

 自殺予防にスクリーニング介入が有効であることが示唆されている。しかし、中年期の自殺による死亡など、アウトカム対策への影響について報告された研究はほとんどない。青森県立保健大学の大山 博史氏らは、日本のコニュニティベースにおける介入群と対照群の自殺率の比較を行った。Psychological medicine誌オンライン版2017年2月14日号の報告。 日本のコニュニティベースの介入を行った自治体(介入群)と対照群をマッチさせた準実験的な並列クラスタ設計を用いた(総適格人口:9万人)。介入群の住民には、一般的なうつ病スクリーニングとその後のケアサポートを行った。40~64歳成人を対象に、実施前後4年間の自殺率の変化を、介入群、対照群、全国と比較した。アウトカム発生率比(IRR)の算出には、年齢、性別、相互作用で調整し、混合効果陰性2項回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・スクリーニングの手続きは52%で行われ、そのうち61%が実施期間中にレスポンスがあった。・介入群は、対照群と比較し、自殺率が低下した(IRR:0.57、95%CI:0.41~0.78、F 1,36=12.52、p=0.001)。また、全国と比較し、自殺率が低下した(IRR比:1.64、95%CI:1.16~2.34、F 1,42=8.21、p=0.006)。・1次分析結果は、感受性分析により確認された。・実施期間中の対照群と比較し、スクリーニングに対するレスポンダー、非レスポンダー共に自殺率が低かった。 著者らは「自殺予防のためのうつ病のスクリーニング介入は、自殺率を低下させるであろう」としている。関連医療ニュース 双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント 自殺予防に求められる、プライマリ・ケア医の役割 うつ病や自殺と脂質レベルとの関連

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心房細動患者のCCrとイベントの関連、日本の実臨床では?

 心房細動(AF)患者における非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)の投与量調節と禁忌患者の除外のために、クレアチニンクリアランス(CCr)が広く使用されているが、AF患者のCCrと有害な臨床転帰との関連をみたリアルワールドデータはほとんどない。今回、国立病院機構京都医療センターの阿部 充氏らは、日本のAF患者の大規模前向きコホートである「伏見心房細動患者登録研究」で、CCr 30mL/分未満の患者が脳卒中/全身塞栓症および大出血などのイベントと密接に関連していたことを報告した。The American Journal of Cardiology誌オンライン版2017年1月25日号に掲載。 本研究では、伏見心房細動患者登録研究における患者3,080例を、CCr 30mL/分未満、30~49mL/分、50mL/分以上の3群に分け、追跡期間中央値(1,076日)後に臨床的特徴と有害事象を評価した。 主な結果は以下のとおり。・事前に指定された因子の調整後、CCr 30mL/分未満の患者は50mL/分以上の患者と比べて、脳卒中/全身塞栓症(ハザード比[HR]:1.68、95%信頼区間[CI]:1.04~2.65、p=0.04)および大出血(HR:2.08、95%CI:1.23~3.39、p=0.008)のリスクが高かった。・CCr 30mL/分未満の患者は、全死因死亡、心不全による入院、心筋梗塞、全死因死亡および脳卒中/全身塞栓症の複合アウトカムのリスクも高かった。・CCr 30~49mL/分の患者では、脳卒中/全身塞栓症(HR:1.10、95%CI:0.76~1.58、p=0.6)や大出血(HR:0.98、95%CI:0.63~1.48、p=0.9)の超過リスクは認められなかった。

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血友病A治療は個別化治療の時代へ

 血液凝固因子欠乏の遺伝性疾患である血友病。今回は、近年相次いで新薬が発売され、改めて注目されている血友病Aにフォーカスし、2016年6月にバイエル薬品株式会社(以下、バイエル薬品)により発売された「コバールトリイ(一般名:オクトコグ ベータ)」について広報担当者より話を聞いた。血友病治療の概要とコバールトリイの特徴 血友病は、第VIII因子欠乏である血友病Aと第IX因子欠乏である血友病Bに分類されている。2015年度の全国調査の結果では、血友病A患者の割合は血友病患者全体の約8割を占め、患者数は約5,000人であった1)。 血友病に対する治療は、欠乏した血液凝固因子を補充する「補充療法」で、そのタイミングや目的によって、(1)定期補充療法 (2)予備的補充療法 (3)出血時補充療法の3種類に分類される。なかでも、出血の有無に関わらず血液凝固因子の活性トラフ値が維持できるため、定期的に血液凝固因子を補充する定期補充療法が治療の主流である。 コバールトリイは、バイエル薬品が販売する「コージネイトFS(一般名:オクトコグ アルファ)」の後継品であり、コージネイトFSと同じアミノ酸配列を有した第VIII因子を有効成分とした製剤である。ウイルスろ過膜処理の導入、そして培養工程以降で動物・ヒト由来の原料を使用していない、といった製造工程の改良により、感染症の潜在的なリスクが排除されることが期待される。国際共同臨床試験:LEOPOLDプログラム コバールトリイは、国内外で実施した複数の国際共同臨床試験(LEOPOLDプログラム)の結果から有効性・安全性を確認した。主な試験結果は以下のとおりである。●LEOPOLD II試験2) <対象> 12~65歳の治療歴のある重症型血友病A患者80例(日本人8例) <投与量>  ・定期補充療法群(低用量):20~30IU/kg・週2回  ・定期補充療法群(高用量):30~40IU/kg・週3回  ・出血時補充療法群:コージネイトFSの用法・用量に準じる <主要評価項目> 推定年間出血率(ABR)  ・定期補充療法群一人あたりのABR:1.98回/年(中央値)  ・出血時補充療法群一人あたりのABR:59.96回/年(中央値) <結果> 出血時補充療法群に対する定期補充療法群の優越性を確認●LEOPOLD Kids試験(パートA※)2) <対象> 12歳以下(小児)の治療歴のある重症型血友病A患者51例 <投与量> 25~50IU/kg・週2回以上 <主要評価項目> 定期補充療法の各投与後48時間以内の全出血のABR  ・0.00回/年(中央値) <結果> 週2回、週3回または隔日投与の定期補充療法レジメンの有効性を確認※パートB(未治療患者を対象とするLEOPOLD Kids試験)は現在継続中である。  LEOPOLDプログラムにおいて認められた副作用は193例中10例(5.2%)で、主な副作用はそう痒2例(1.0%)であった。個別化治療の時代へ 現在、治療の主流は定期補充療法であるが、今後はさらに、個々に応じた定期補充療法が提案される時代になるといわれている。これは、生活スタイルや出血傾向が患者ごとに異なり、薬剤の投与量・投与間隔の調整など、個々に応じた治療が求められるためである。 コバールトリイを定期補充療法に使用する場合、成人に対しては「週2回または週3回投与」、12歳以下の小児に対しては「週2回、週3回または隔日投与」することが可能である。バイエル薬品の広報担当者は「コバールトリイは週2回または週3回投与による定期補充療法のエビデンスがあるため、個々の患者さんに合わせた柔軟な治療が1剤で提案できると考えられます」と話す。 新薬登場によって治療法の選択肢が増え、患者によって異なる出血傾向や生活スタイルに応じた治療が必要とされている。個別化治療にも対応できるコバールトリイが、患者のQOL向上をもたらす選択肢の1つとなるかもしれない。(ケアネット 木津 朋也)参考1)血液凝固異常症全国調査平成27年度報告書;2016.p.3.(公益財団法人エイズ予防財団.血液凝固異常症全国調査運営委員会. )2)News Release 2016年3月28日(バイエル薬品)

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妊娠中の潜在性甲状腺疾患治療は児のIQを改善するか/NEJM

 妊娠8~20週の妊婦の潜在性甲状腺機能低下症または低サイロキシン血症に、甲状腺ホルモン補充療法を行っても、児の5歳までの認知アウトカムは改善しないことが、米国・テキサス大学サウスウェスタン医療センターのBrian M Casey氏らの検討で示された。妊娠中の潜在性甲状腺疾患は、児のIQが正常値より低いなどの有害なアウトカムに関連する可能性が指摘されている。レボチロキシンは、3歳児の認知機能を改善しないとのエビデンス(CATS試験)があるにもかかわらず、欧米のいくつかのガイドラインではいまだに推奨されているという。NEJM誌2017年3月2日号掲載の報告。約1,200例の妊婦を疾患別の2つの試験で評価 研究グループは、児のIQに及ぼす妊娠中の潜在性甲状腺機能低下症と低サイロキシン血症のスクリーニング、およびサイロキシン補充療法の有効性を評価するために、2つの多施設共同プラセボ対照無作為化試験を実施した(Eunice Kennedy Shriver National Institute of Child Health and Human Developmentなどの助成による)。 妊娠8~20週の単胎妊娠女性において、潜在性甲状腺機能低下症および低サイロキシン血症のスクリーニングを行った。潜在性甲状腺機能低下症は、甲状腺刺激ホルモンが≧4.00mU/L、遊離サイロキシン(T4)が正常値(0.86~1.90ng/dL[11~24pmol/L])と定義し、低サイロキシン血症は、甲状腺刺激ホルモンが正常値(0.08~3.99mU/L)、遊離T4が低値(<0.86ng/dL)と定義した。 試験は2つの疾患別に行い、被験者はレボチロキシンを投与する群またはプラセボ群にランダムに割り付けられた。甲状腺機能は毎月評価し、甲状腺刺激ホルモン(サイロトロピン)または遊離T4の正常値を達成するためにレボチロキシンの用量を調整し、プラセボは偽調整を行った。児には、発達および行動の評価が年1回、5年間行われた。 主要評価項目は、5歳時のIQスコア(検査データがない場合は3歳時)または3歳未満での死亡とした。IQの評価には、幼児版ウェクスラー知能検査(Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence III[WPPSI-III])を用いた。 2006年10月~2009年10月に、潜在性甲状腺機能低下症677例(レボチロキシン群:339例、プラセボ群:338例)と、低サイロキシン血症526例(265例、261例)が登録された。割り付け時の平均妊娠週数は、それぞれ16.7週、17.8週であった。児のIQ、母子のアウトカムに差はない ベースラインの平均年齢は、潜在性甲状腺機能低下症のレボチロキシン群が27.7±5.7歳、プラセボ群は27.3±5.7歳、低サイロキシン血症はそれぞれ27.8±5.7歳、28.0±5.8歳であった。また、平均妊娠期間は、潜在性甲状腺機能低下症のレボチロキシン群が39.1±2.5週、プラセボ群は38.9±3.1週(p=0.57)、低サイロキシン血症はそれぞれ39.0±2.4週、38.8±3.1週(p=0.46)であった。 児の4%(47例、潜在性甲状腺機能低下症:28例、低サイロキシン血症:19例)で、IQのデータが得られなかった。妊婦および新生児の有害なアウトカムの頻度は低く、2つの試験とも2つの群に差はみられなかった。 潜在性甲状腺機能低下症の試験では、児のIQスコア中央値はレボチロキシン群が97(95%信頼区間[CI]:94~99)、プラセボ群は94(92~96)であり(差:0、95%CI:-3~2、p=0.71)、有意な差は認めなかった。また、低サイロキシン血症の試験では、レボチロキシン群が94(91~95)、プラセボ群は91(89~93)であり(-1、-4~1、p=0.30)、やはり有意差はなかった。 12、24ヵ月時のBayley乳幼児発達検査第3版(Bayley-III)の認知、運動、言語の各項目などを含む副次評価項目は、いずれも2つの試験の2つの群に差はみられなかった。 著者は、「本研究の結果は、英国とイタリアで2万1,846例の妊婦を対象に実施されたCATS試験と一致する」としている。

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東京タラレバ娘【ブリーフセラピーとは?】

今回のキーワード発達心理学アイデンティティ親密性ミラクル・クエスチョンタイムマシン・クエスチョンリソーススケーリングみなさんは、「あの時ああだったら」「もっとこうしてれば」と思うことはありますか? このように「~たら」「~れば」と後悔することはよくありますよね。これが、「タラレバ」です。ただこの「タラレバ」は否定的な意味合いだけでしょうか? このプラス面はないでしょうか?それが、ブリーフセラピーです。今回は、ブリーフセラピーをテーマに、ドラマ「東京タラレバ娘」を取り上げます。主人公の倫子は30歳の売れない脚本家。高校時代からの親友でネイリストの香と居酒屋の看板娘の小雪といっしょに、 まめに女子会を開き、「~したら」「~すれば」と好き勝手に言い合いながら酒を飲むのが一番の楽しみです。3人とも長らく彼氏がいない中、今年こそはと奮起して、それぞれの幸せを手に入れようとするラブコメディーです。彼女たちは、恋愛に行き詰まっています。その原因を、発達心理学のライフステージをキーワードにして、解き明かします。そして、その解決策を、ブリーフセラピーに当てはめて探っていきましょう。倫子たちのライフステージは?倫子は脚本家として独立し、香はネイリストとして開業し、小雪は居酒屋の跡取りとして、3人ともそれぞれの自分の道を決めて、突き進んでいます。そんな3人は、小雪の居酒屋で「今日も朝まで女子会だー」「8年前の告白を受けてたら」「早坂さん(倫子の同僚)と付き合ってれば」と毎回騒いでいます。ある時、隣の席にたまたま座っていた常連の金髪男のKEYに「そうやって一生、女同士でタラレバつまみに酒飲んでろよ」と言われ、3人ともショックを受けてしまいます。その後、倫子は、一時期うまく行かず、脚本家の道をあきらめようとするシーン。たまたま倫子が携わった町おこしの短編ドラマの脚本で、町の良さを届けたいという町の人たちの熱心な思いに刺激を受け、「この町が私を見つけてくれた」「私はここにいる」「ここに来れば自分らしさが見えてくる」というセリフを役者に言わせます。倫子自身が自分らしさを再確認します。3人とも「自分とはどういう人か?」「自分が生きていくために何をするのか?」という自分らしさがはっきり分かっています。これは、発達心理学では、アイデンティティ(自己同一性)がすでに確立されていると言えます。また、3人は、このアイデンティティの維持のために頻繁に集まって、それぞれの仕事の愚痴や恋愛話で毎回盛り上がります。同性同年代の仲間(ギャング集団)の関係が10年以上続いています。ここで、人生をいくつかの段階に分けてみましょう。これをライフステージ(発達段階)と言います(グラフ1)。それぞれのステージにはそれぞれの発達課題があります。倫子たちは、立派に思春期の発達課題であるアイデンティティの確立をクリアしています。問題なのは、次の成人早期のライフステージの発達課題の前で足踏みをしていることです。つまり、倫子たちは30歳にもなっても、心は思春期のままだということです。それをKEYに言い当てられてしまったのでした。それでは、次のライフステージの発達課題とは何でしょうか?倫子たちの次の発達課題は?倫子がバーテンダーの奥田と交際するエピソード。奥田は、イケメンで高身長の上に人柄もよく相手としては申し分ないです。にもかかわらず、倫子は、だんだん疲れてきて、「やっぱ独りの方が楽」「自分のことだけ考えてたらいいじゃん」と香と小雪に打ち明けます。なぜなのでしょうか?ドラマでは、「独りに慣れすぎ(ていたから)」と香に突っ込まれています。もっと正確に言えば、倫子は、異性との心理的距離の縮め方が分からなくなっていたのです。そして、孤独を選ぼうとしています。これは、成人早期のライフステージに上がれない場合の状態です(グラフ1)。そうなると、さらにその先のライフステージに上がるのがますます難しくなっていきます。ここで分かることは、倫子の次の発達課題は、お互いの価値観(アイデンティティ)を尊重し合って、パートナーとの一体感を抱くこと、つまり親密さです。これは、「いい男と結婚して幸せになる」という倫子の本来の目的に当てはまります。ところが、倫子は、焦るあまりに、幸せになるという中身よりも、結婚するという形を優先させてしまっています。その心理によって、「嫌われたくない」という思いから、相手にどう見られるかということばかりに目が行き、受け身になり、緊張や不安ばかり募らせています。逆に、相手をどう見るか、どうして行きたいかという働きかけによる楽しさや心地良さがありません。親密さを実感していれば、自分がどう見られるかを気にすることが減り、むしろその方が楽になるということに倫子は気付いていません。一方、奥田も課題があります。奥田の好みのマニアックな映画を倫子が楽しんでいないことを奥田は察していません。倫子を脚本家に導いたアメリカのドラマ「セックスアンドザシティ」を「登場人物が恋愛しか考えてない話って、テーマが見えない」と否定します。そして、「倫子さんもこの(自分の好きなフランス映画の女優)髪型にしたらどう?」「絶対に似合うよ。この髪型にしてくれたらうれしいんだけどなあ」と言います。たまりかねた倫子から「もし私が映画好きじゃなくても、付き合おうって言ってくれてました?」と聞かれて、奥田は「もし嫌いでも、いっしょに見ているうちにきっと好きになってくれると思うから」と言い切ります。表面的には穏やかですが、実は一方的で、相手を自分好みの女性にしようとしている点で独りよがりです。奥田は、自分のアイデンティティへのこだわりが強すぎて、倫子のアイデンティティを受け入れようとはしていません。また、セカンド女になっている香や不倫女になっている小雪は、「違う人間同士、そのままでうまくいくわけじゃないんだから、寄せて行かないと」と倫子に説きます。彼女たちなりの親密さがうかがえますが、自分が相手にとって一番ではなく、フェアな関係ではない点で、その親密さには危うさがあります。実際に、香の彼氏の涼は、「(本命の)彼女も好きだけど、香も好き」と無邪気に言い、わがままです。小雪の不倫相手の丸井は、産後クライシスの妻との関係について「気が重いことばっかりでさ」「こうやって小雪さんと話したり、おいしいもの食べてる時の方がずっと楽しくてよっぽど幸せを感じちゃう」と小雪に漏らしています。彼は、困難を前にして親密さをいっしょに守るべき妻から小雪に一時的に逃げ込んで、甘えているだけです。さらに、倫子の同僚のADのマミにも課題があります。マミはもともと独特で奇抜なファッションセンスがあります。これがマミのアイデンティティです。ところが、付き合う男性の好みに合わせて、ファッションもヘアスタイルもあっさり変えています。一見いじらしいですが、よくよく考えると、相手のアイデンティティを優先させ、自分がありません。自分を押し殺しています。だからこそ、マミの交際は毎回ふわふわとして長続きしないのです。親密さを育むには、倫子のように我慢ばかりするのでもなく、奥田のように一方的になるのでもなく、香や小雪のようにアンフェアになるのでもなく、涼のようにわがままになるのでもなく、丸井のように単に甘えるのでもなく、麻美のように言いなりになるのでもないということです。婚活とは、単に理想の相手を見つけることだと思われがちです。しかし、実際はそれだけではなく、お互いがお互いの理想となれるように、この親密さを育むメンタリティも必要であるということです。倫子たちはどうすれば良いの?それでは、倫子たちはどうすれば良いのでしょうか?その答えを、倫子たちの女子会トークから探り、ブリーフセラピーという心理療法の手法に当てはめてみましょう。ブリーフセラピーとは、できるだけブリーフに(短い時間で)、困りごとを解決するセラピーです。セラピーがブリーフであることで、効率・効果やインパクトなどの満足度に重きを置くのが特徴です。これは、心療内科や精神科だけでなく、禁煙外来やリハビリテーションなどの他の科にも、そして、学校教育、新人研修、育児などにも、幅広く使うことができます。ここから、大きく3つのステップに分けて、考えてみましょう。(1)タラレバ話1つ目のステップは、タラレバ話をすることです。これは、すでに倫子たちが日々やっていることですが、注意点があります。それは、ネガティブな過去ではなく、ポジティブな未来に限ることです。そうすれば、タラレバ話は、後悔ではなく、現実的な野望としてプラスに働きます。そして、うまく行っている自分をイメージアップさせることです。そのための具体的なやり方が3つあります。a. 奇跡の自分を描く倫子たちが「今まで通り仕事がんばって、女磨きも抜かりなくしてたら、もっといい男現れるよ」「今よりダイエットしてきれいになったら」「もっともっといい男が現れる」などとも話しているシーンが参考になります。1つ目は、うまく行かない自分ではなく、うまく行く自分、そしてあえて奇跡の自分を具体的に思い描くことです。これは、ブリーフセラピーのミラクル・クエスチョンに当てはまります。例えば、「もしも今晩、眠っている間に奇跡が起きたら。その奇跡とは、いい男ともう付き合っていること。そしたら、明日の朝に目覚めてから、まずどんな違いに気付く?」「どんな1日になる?」などのようにです。すると、倫子はこう考えるでしょう。「朝、目が覚めると、もう起きてる彼氏が微笑んでる」「鏡に映る自分は生き生きしている」「朝ご飯をおいしくいっしょに食べる」「休日に公園に遊びにいってはしゃいでいる」「いっしょに好きなお笑い番組を見る」などなどわくわくすることばかりです。このように、想像をすることは、それ自体で、その気を高めています。これは、想像力とやる気に関係する脳内の物質(ドパミン)が活性化するからです。受け身ではなく、自分から何かしようとする積極的な心のあり方を引き出します。それが次の行動のエネルギーになっていきます。b. うまく行っている未来の自分を見る奥田と別れた倫子は「10年後の私の声が聞こえる気がする」「彼を追いかけて、あの手をつかんで。じゃないと、10年後も独りで寂しくて後悔することになるって」と言います。香から「(奥田さんは傷つけたけど)他は誰にも迷惑をかけてないんだからさ」と言われて、倫子は「迷惑かけてるかも。未来の私に」「ごめ~ん!未来の私!」と叫び、沈んでいきます。これは、うまく行っていない未来の自分を想像していますので、避けた方が良いです。2つ目は、うまく行っていない未来ではなく、うまく行っている未来の自分を具体的に見ることです。これは、ミラクル・クエスチョンの変法であるタイムマシン・クエスチョンに当てはまります。ミラクル・クエスチョンとの違いは、いつの未来かという時間の設定ができる点です。3か月後でも良いですし、10年後でも良いです。例えば、「もしもタイムマシンに乗って、2020年(3年後)の東京オリンピックの時の自分を見に行ったら。自分はどんな夫と子どもと過ごしている?」などのにようにです。すると、倫子はこう考えるでしょう。「朝、目が覚めた自分の隣りには夫と子どもがまだ眠っている」「作った朝ご飯をおいしく食べてくれる」「午前中に脚本の仕事がはかどる」「午後に自分の子どもと香と小雪と彼女たちの子どもたちといっしょにオリンピックの観戦をして盛り上がる」などなどわくわくすることばかりです。このように、うまく行かないことに目を向けて、負のスパイラルに陥るのなら、徹底的にうまく行くことに目を向けることで、その気を高めることができます。c. うまく行っている未来の自分と話す早坂さん(倫子の同僚)に未練を残す倫子は「もしタイムマシンがあったら」「あの日に戻って22歳の私に伝えたい」と言います。そして、想像上の22歳の自分に向かって「私は8年後の未来から来たあなた・・・このバカタレ小娘が!」と自分をぶん殴るシーンがあります。倫子は、過去の自分と話をしています。3つ目は、うまく行かなかった過去の自分ではなく、うまく行っている未来の自分と話をすることです。これは、タイムマシン・クエスチョンとマインドフルネス(認知行動療法)の併用に当てはまります。例えば、「2020年の倫子さん、どうしたらあなたのようになれる?」と尋ねることです。すると、今度は2020年の倫子になりきって、「2017年の倫子よ、まずは・・・」と前向きな話が膨らんでいくでしょう。このように、自分自身から距離を置いて、自分をポジティブに見つめ直すことができます。これは、ちょうどドラマでたびたび登場する倫子の幻覚のタラとレバとの会話にも似ています。タラとレバは、「おまえは大馬鹿者だ」「いい加減に目を覚ませ!」などと毎回ののしり、倫子を追い込んでいますが、彼らはもう1人(2人?)の倫子の心の叫びと言っても良いでしょう。このように、誰かからの説教などで言われたことではなく、自分で思い付いたことは、受け入れやすく、その気を高めることができます。これは、スポーツ選手のいわゆる「イメージ・トレーニング」に通じるものがあります。(2)フォロー倫子たちは「大丈夫だよ」と慰め合います。そして、お互いの良いところを励まし合っています。幻覚のタラから「仕事がうまく行けば恋愛もうまく行くタラ」と言われて、倫子は元気を取り戻しています。2つ目のステップは、フォローすることです。ここでの注意点は、付き合う相手の悪さや自分の弱みではなく、自分の強みや周りで使えるものです。そうすれば、フォロー話は、男の悪口や傷のなめ合いではなく、自分の持っている武器の再確認というプラスに働きます。これは、ブリーフセラピーのリソースに当てはまります。例えば、「自分の知識、経験、能力、好み、キャラで生かせることは?」「自分の売りは?」「周りで利用できることは?」「今までにうまくいったやり方は?」などと整理することです。(3)とりあえず行動倫子たちは、お互いに「とりあえず、どうしたら良い?」と尋ね合うシーンがたびたびあります。3つ目のステップは、とりあえず行動をすることです。ここで注意点は、「何となく」「できるだけ」「いつか」のような抽象的で大きく無期限の行動ではなく、「これを」「これだけ」「この日までに」のような具体的で小さく期限付きの行動を積み重ねることです。そうすれば、とりあえず話は、現実逃避ではなく、戦略としてプラスに働きます。これは、ブリーフセラピーのスケーリングに当てはまります。これを、3つの要素の例をそれぞれあげて、説明しましょう。a. 具体的に例えば、倫子は奥田と結ばれるために、とりあえず「嫌われない」ようにしました。これは「~しない」という心理の罠です。これで受け身になってしまい、けっきょく我慢の限界が来てしまいました。そうではなくて、「嫌われない」という抽象的な行動の代わりに、具体的に何をするかです。例えば、それはいっしょに楽しめる映画を探すことです。b. 小さく例えば、倫子たちは、結婚相手をいきなり求めています。かなりハードルが高いです。そうではなくて、最終的に結婚相手を見つけるために、越えられそうな小さなハードルをまず設定することです。例えば、それは、友人の紹介で異性と知り合いになることです。その後に、その人と合コンをしたり、さらにその人から別の異性を紹介してもらい、男友達を増やすことです。c. 期限付き例えば、倫子たちは「3年後の東京オリンピックまでに結婚して子どもがほしい」と言っています。これは年単位の話です。そうではなくて、年単位の目標のために、週単位の期限でできる行動を設定することです。例えば、結婚相談所に入会して、1週間に最低1人とデートすることです。表1 倫子たちの女子会トークに当てはまるブリーフセラピー「女子」か「女性」か?小雪の居酒屋の常連客たちが倫子たちを見て、「女子ってのはいくつくらいまでのことを言うんだろね?」「さあなあ、学生さんぐらいまでじゃねえのか」と話しています。倫子たちは、まさに次のライフステージの発達課題である親密さを育むために、タラレバ話で野望を持ち、フォローし合って武器を探し、とりあえず行動を積み重ねて戦略を立てることで、積極的に恋愛の場数を踏んでいます。そうすることで、彼女たちは自分の夢だけ見る「女子」ではなく、周りの現実も見る「女性」であると自覚できるのではないでしょうか? そして、その時、「女子」であるか「女性」であるかは、年齢でも周りの評価でもなく、自分自身のメンタリティによるものであることに気付くのではないでしょうか?1)東村アキコ:東京タラレバ娘1巻~7巻、講談社、2011-20162)鈴木忠ほか:生涯発達心理学、有斐閣アルマ、20163)森俊夫、黒澤幸子:解決志向ブリーフセラピー、ほんの森出版、2002

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わかる統計教室 第4回 ギモンを解決!一問一答 質問8(その1)

インデックスページへ戻る第4回 ギモンを解決!一問一答質問8 Cox比例ハザードモデルとは?(その1)生存率の分析の手法に、カプランマイヤー法、Cox比例ハザードモデルがあります。これらの手法は、ある事象が起こった群と起こらない群の2群に対して、時間的な要素を考慮して解析する方法です。目的変数は「アウトカム」とも呼ばれ、死亡/生存(時には、再発する/再発しない、寛解する/寛解しないなど)の2群のカテゴリーデータになります。カプランマイヤー法について、「わかる統計教室 第1回」で詳しく説明していますので、そちらを参照ください。■Cox比例ハザードモデル(Cox回帰モデル)Cox比例ハザードモデルは、死亡/打ち切りのデータから生存率を求め、生存率の時間的な要素を考慮し、生存率に影響を及ぼす変数との関係式を作成する方法です。つまり、治療法や背景因子などが生存期間に与える影響を評価する際に用います。関係式の目的変数(アウトカム)は1、0の2値データです。1、0データは死亡/打ち切りにとどまらず、死亡/生存、再発する/再発しない、寛解する/寛解しないなど、いろいろな場面が想定されます。説明変数は、生存率に影響を及ぼす治療方法や性別、年齢、BMIなどの背景因子が用いられます。Cox比例ハザードモデルは、説明変数のハザード比を算出します。ハザードは危険を意味するので、生存でなく死亡に対するリスクを示す尺度です。ハザードは、ある時点の瞬間における死亡率であり、時間とともに変化します。単位は「人/単位時間」ということになります。下図は事例としてカプランマイヤーの生存曲線の観察データを示しています。図 カプランマイヤーの生存曲線の観察データそれでは、表1から目的変数(アウトカム)を「1:死亡、0:打ち切り」、説明変数を処方薬剤、喫煙の有無としてCox比例ハザードモデルを適用し、処方薬剤、喫煙の有無のハザード比を求めてみましょう。目的変数(アウトカム)は、死亡(再発)など危険要素を1、ほかを0とします。説明変数が2分類のカテゴリーデータの場合、死亡率が低いと仮定するほうを1、ほかを0とします。製品A、非喫煙を1としました。表1 事例の基礎データ■ハザード比の結果表2に関係式の回帰係数とハザード比を示します。表2 関係式の回帰係数とハザード比ハザード比は次式によって求められる値です。ハザード比=e回帰係数 ただし、eは自然対数の底で、2.7183…です。【計算例】薬剤のハザード比=e-0.950=0.387 Excelの関数=EXP(-0.950)Cox比例ハザードモデルを使って目的を解明する場合、危険度の高さを示す回帰係数でなく、ハザード比を用います。ハザード比から、説明変数がアウトカムに対して、どれくらい寄与しているかを調べることができます。たとえば説明変数が、「治療方法P、治療方法Q」の場合、ハザード比からアウトカム発生確率(死亡率)は、PはQに比べ何倍高いかを示せます。また、3年間の観察期間において、アウトカムが「1:死亡、0:打ち切り」のハザード比が「1.5」だったとします。この場合の解釈は、「治療方法Pは、Qに比べ、3年の間に死亡する度合いは1.5倍高い」となります。つまり治療方法Pは、Qに比べ、良くないということです。この例題のハザード比は「0.387」で「1」を下回りました。この場合の解釈は、アウトカム発生確率(死亡率)は、製品Aはプラセボに比べ0.387倍高いとなります。つまり製品Aはプラセボに比べ、死亡率を61.3%(=1-0.387)減少させ、製品Aの延命効果はあったと解釈されます。喫煙の有無のハザード比は0.480なので、非喫煙は喫煙に比べ死亡率を52.0%減少させたとなります。次回は、ハザード比の信頼区間についてご説明いたします。今回のポイント1)ハザード比は「1」が基準となり、「1」の場合は説明変数の値が変化しても、アウトカム発生までの時間に変化はないことを意味し、「1」より大きい場合はリスクが高くなり、「1」より小さい場合はリスクが小さくなることを表している!2)ハザード比が「1」を超えている場合は、「死亡や病状進行のリスクが対照群に比べて○○%高くなる」ということになる!3)逆に、ハザード比が「1」を超えていない場合は、「死亡や病状進行のリスクが対照群に比べて○○%低くなる」ということになる!インデックスページへ戻る

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158)「あぶら」の違いを漢字から解説【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生、あぶらって2種類あるじゃないですか?医師2種類?患者「油」と「脂」です。これはどう違うんですか?医師まず、字が違いますね。「油」はさんずい偏だから、液体。オリーブ油や魚油は、室温では液体なので「油」です。それに対して。患者それに対して?医師バターやラードなど常温で固体となるものが「脂」です。患者なるほど。医師「月」(にくづき)のつく脂なので、魚の油と肉の脂と覚えておくとわかりやすいですよ。患者わかりました。頑張って体から脂を取るようにします!●ポイント「油」と「脂」の違いを融点(溶け出す温度)の差であることをわかりやすく説明します

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双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント

 双極性障害(BD)のとくに疾患フェーズに関連する自殺企図の発生率やリスク因子を調査した長期的な研究は少ない。フィンランド・National Institute of Health and WelfareのSanna Pallaskorpi氏らは、双極I型障害(BD-I)および双極II型障害(BD-II)患者の長期プロスペクティブコホート研究において、BDのさまざまなフェーズにおける自殺企図の発生率とうつ病エピソード期における自殺企図のリスク因子について調査した。Bipolar disorders誌オンライン版2017年2月8日号の報告。 Jorvi Bipolar Study(JoBS)では、BD-IおよびBD-II患者191例を対象に、ライフチャート法を用いて追跡した。異なる疾患フェーズの患者177例(92.7%)の自殺企図に関するプロスペクティブな情報は、最大5年が利用可能であった。自殺企図の発生率およびその予測因子は、ロジスティック回帰、ポアゾン回帰モデルを用いて調べた。うつ病エピソード期に発生する自殺企図のリスク因子には、2項ランダム切片ロジスティック回帰モデルを用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。・5年間のフォローアップ期間中に、718患者年当たり90件の自殺企図が発生した。・発生率は、混合状態で最も高く、正常状態より120倍以上であった(765/1,000人年、95%CI:461~1,269人年)。また、うつ病エピソード期でもとても高く、正常状態より約60倍高かった(354/1,000人年、95%CI:277~451人年)。・うつ病エピソード期の自殺企図リスクの重要な予測因子は、うつ病エピソードの持続期間、うつ病の重症度、クラスターCのパーソナリティ障害であった。 著者らは「この長期にわたる研究により、自殺企図は、混合状態およびうつ病フェーズで起こることが確認された。自殺企図の発生率の変動は、正常状態と病期の間で顕著に大きく、BD患者の自殺リスクは、“だれ”よりも“いつ”に関連する可能性が高いことが示唆された。しかし、うつ病エピソードのリスクは、パーソナリティ要因の影響を受ける可能性が高い」としている。関連医療ニュース 自殺予防に求められる、プライマリ・ケア医の役割 うつ病から双極性障害へ移行しやすい患者の特徴 双極性障害の再発エピソード、持効性注射剤の効果は

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座高は循環器・呼吸器疾患の死亡率と逆相関

 成人の身長および座高は、遺伝的・環境的要因を反映しうる。以前の研究で、身長とがんや循環器疾患の死亡率との関連は報告されているが、座高と死亡率との関連の報告は少ない。今回、欧州における40万人以上の大規模コホート研究で、身長はがん死亡率と正相関する一方、循環器疾患死亡率とは逆相関を示し、また座高は循環器疾患死亡率および呼吸器疾患死亡率と逆相関を示した。PLOS ONE誌2017年3月3日号に掲載。 計40万9,748人の前向きコホートであるEuropean Prospective Investigation into Cancer and Nutrition(EPIC)スタディにおいて、成人の身長・座高と全死因および疾患別死亡率との関連が調査された。身長はほとんどの参加者で測定され、座高は約25万3,000人で測定された。多変量Cox回帰を用いて、身長または座高の最低五分位に対する最高五分位のハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を男女別に計算した。 主な結果は以下のとおり。・平均追跡期間12.5年の間に2万9,810人が死亡した(がん 1万1,931人、循環器疾患 7,346人)。・身長は、がん死亡率と正相関を示し(男性のHR:1.11、95%CI:1.00~1.24、女性のHR:1.17、95%CI:1.07~1.28)、循環器疾患死亡率とは逆相関を示した(男性のHR:0.63、95%CI:0.56~0.71、女性のHR:0.81、95%CI:0.70~0.93)。・座高は、がん死亡率とは関連していなかったが、循環器疾患死亡率(男性のHR:0.64、95%CI:0.55~0.75、女性のHR:0.60、95%CI:0.49~0.74)および呼吸器疾患死亡率(男性のHR:0.45、95%CI:0.28~0.71、女性のHR:0.60、95%CI:0.40~0.89)とは逆相関していた。

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