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統合失調症へのメマンチン追加療法のメタ解析:藤田保健衛生大

 藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らは、統合失調症治療において抗精神病薬へのメマンチン追加療法が有用であるかを、システマティックレビューおよびメタ解析により検討を行った。Psychopharmacology誌オンライン版2017年5月15日号の報告。 抗精神病薬を投与されている統合失調症患者に対するメマンチン追加療法の二重盲検無作為化プラセボ対照試験を分析した。主要アウトカムは、陰性症状の改善、全原因による中止とした。2値アウトカムをリスク比(RR)として示し、連続アウトカムを平均差(MD)、標準化平均差(SMD)として示した。 主な結果は以下のとおり。・8件(448例)の研究が抽出された。・メマンチン追加療法は、プラセボ群と比較し、PANSS陰性症状(SMD:-0.96、p=0.006、I2:88%、7研究、367例)、総合精神病理尺度(MD:-1.62、p=0.002、I2:0%、4研究、151例)およびMMSE(MD:-3.07、p<0.0001、I2:21%、3研究、83例)において改善が認められたが、全般的(SMD:-0.75、p=0.06、I2:86%、5研究、271例)、陽性症状(SMD:-0.46、p=0.07、I2:80%、7研究、367例)、抑うつ症状(SMD:-0.127、p=0.326、I2:0%、4研究、201例)、全原因による中止(RR:1.34、p=0.31、I2:0%、8研究、448例)、グループ間における個々の有害事象(疲労、めまい、頭痛、吐き気、便秘)において統計学的に有意な差は認められなかった。・陰性症状については、リスペリドン試験で検討した場合、有意な異質性は消失した(I2:0%)。・しかし、メマンチン追加療法は、プラセボよりも優れていた(SMD:-1.29、p=0.00001)。・メタ回帰分析では、患者の年齢がメマンチンによる陰性症状改善と関連していることが示唆された(slope:0.171、p=0.0206)。 著者らは「メマンチン追加療法は、統合失調症患者の精神病理学的症状(とくに陰性症状)を治療するうえで有用である。陰性症状のエフェクトサイズは、若年成人の統合失調症患者と関連する可能性がある」としている。■関連記事 統合失調症とグルテンとの関係 せん妄治療への抗精神病薬投与のメタ解析:藤田保健衛生大 抗うつ薬治療患者に対するベンゾジアゼピン投与の安全性は:藤田保健衛生大

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先天異常の原因、5人中4人は「未知」/BMJ

 米国・ユタ大学のMarcia L. Feldkamp氏らが実施したコホート研究の結果、主要な先天異常の5人に4人はその原因が不明であることが明らかとなった。著者は、「一次予防や治療の根拠となる基礎研究ならびにトランスレーショナル研究を早急に行う必要がある」と述べている。これまでは、病院ベースで既知の原因の有無別に先天異常の割合を評価した研究が2件あるだけだった。BMJ誌2017年5月30日号掲載の報告。先天異常児約5,500例について解析 研究グループは、主要な先天異常の原因と臨床像を評価する目的で、集団ベースの症例コホート研究を行った。 地域住民のサーベイランスシステムで確認されたユタ州在住女性が2005~09年に出産した児のすべての記録を臨床的に再調査し、生児出生および死産を合わせた計27万878例のうち、軽度の単独所見(筋性部心室中隔欠損症、遠位尿道下裂など)を除く主要な先天異常児5,504例(有病率2.03%)について分析した。 主要評価項目は、形態学(単独、多発、小奇形のみ)および病理発生(シーケンス、発生域欠損、パターン)別の、原因が既知(染色体、遺伝子、ヒト催奇形因子、双胎形成)または未知の先天異常の割合である。5人に4人は未知の原因 確実な原因は20.2%(1,114例)で確認された。このうち染色体または遺伝子異常が94.4%(1,052例)を占め、催奇形因子が4.1%(46例、ほとんどが糖尿病合併妊娠のコントロール不良)、双胎形成が1.4%(16例、結合双胎児または無心症)であった。 残りの79.8%(4,390例)は、原因が未知の先天異常として分類された。このうち88.2%(3,874例)は単独の先天異常であった。家族歴(同様に罹患した一等親血縁者)は4.8%で確認された。5,504例中5,067例(92.1%)は生児出生(単独および非単独先天異常)、4,147例(75.3%)は単独先天異常(原因が既知または未知)と分類された。 著者は、「喫煙や糖尿病のように既知の原因に関しては、個々の症例で原因を決定することが課題として残っている。一方、未知の原因に関しては、それを突き止めるために包括的な研究戦略が必要である」と述べている。

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CVDリスクを予測する最新QRISK3モデルを検証/BMJ

 心血管疾患(CVD)の10年リスクを予測するQRISK2に新規リスク因子を加えた新しいQRISK3リスク予測モデルが開発され、英国・ノッティンガム大学のJulia Hippisley-Cox氏らが検証結果を発表した。追加された臨床変数は、慢性腎臓病(CKD)、収縮期血圧(SBP)の変動性、片頭痛、ステロイド薬、全身性エリテマトーデス(SLE)、非定型抗精神病薬、重度の精神疾患および勃起障害で、これらを組み入れたQRISK3は、医師が心疾患や脳卒中のリスクを特定するのに役立つ可能性が示されたという。現在、英国のプライマリケアではQRISK2が広く活用されているが、QRISK2では完全には捉えられないリスク因子もあり、CVDリスクの過小評価につながる可能性が指摘されていた。BMJ誌2017年5月23日号掲載の報告。抽出コホート789万例、検証コホート267万例のデータから新モデルを作成・検証 研究グループは、英国のQResearchデータベースに参加している一般診療所1,309施設を、抽出コホート(981施設)と検証コホート(328施設)に無作為に割り付け、抽出コホートにおける25~84歳の患者789万例と、検証コホートの同267万例のデータを解析した。ベースラインでCVDがあり、スタチンが処方されている患者は除外された。 抽出コホートでは、Cox比例ハザードモデルを用い、男女別にリスク因子を検討し、10年リスク予測モデルを作成した。検討したリスク因子は、QRISK2ですでに含まれている因子(年齢、人種、貧困、SBP、BMI、総コレステロール/HDLコレステロール比、喫煙、冠動脈疾患の家族歴[60歳未満の1親等の親族]、1型糖尿病、2型糖尿病、治療中の高血圧、関節リウマチ、心房細動およびCKD[ステージ4、5])と、新規のリスク因子(CKD[ステージ3、4、5]、SBPの変動性[反復測定の標準偏差]、片頭痛、ステロイド薬、SLE、非定型抗精神病薬、重度の精神疾患およびHIV/AIDS、男性の勃起障害の診断または治療)であった。 検証コホートでは、男女別に、年齢、人種およびベースライン時の疾患の状態によるサブグループで適合度と予測能を評価した。評価項目は、一般診療、死亡および入院の3つのデータベースに記録されたCVD発症とした。最新QRISK3モデル、心血管疾患のリスク評価に有用 抽出コホートの5,080万観察人年において、36万3,565件のCVD発症例が特定された。 検討された新規リスク因子は、統計学的に有意なリスクの増大が示されなかったHIV/AIDSを除き、すべてモデルへの組み入れ基準を満たした。 新規リスク因子を追加したQRISK3モデルの測定能は良好で、また高い予測能を示した。QRISK3モデルのアルゴリズムにおいて、女性では、CVD診断までの時間のばらつきを示すR2値(高値ほどばらつきが大きいことを指す)は59.6%で、D統計量は2.48、C統計量は0.88であった(どちらも数値が高いほど予測能がよいことを表す)。また、男性ではそれぞれ、54.8%、2.26および0.86であった。全体としてQRISK3モデルのアルゴリズムの性能は、QRISK2と同等であった。

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EGFR変異陽性肺がんの再発リスクを40%減、ゲフィチニブ補助療法/ASCO2017

 非小細胞肺がん(NSCLC)と診断された患者の20~25%は手術適応である。プラチナベースの術後補助化学療法は、Stage II~IIIA非小細胞肺がん(NSCLC)の患者のスタンダードとなっている。一方、EGFR-TKIは進行EGFR変異陽性NSCLC1次治療の標準である。しかし、EGFR-TKIによる術後補助化学療法については、過去のBR19やRADIANT試験からも利点は証明されていない。 EGFR変異陽性のNSCLC患者の術後補助療法として、化学療法をEGFR-TKIで代替できないか。そこでEGFR変異陽性NSCLCの術後補助療法において、ゲフィチニブと化学療法(ビノレルビン+シスプラチン)を比較する初めての無作為化第III相試験となるADJUVANT試験が行われた。中国Guangdong General HospitalのYi-Long Wu氏が、その結果を米国臨床腫瘍学会年次大会(ASCO2017)にて発表した。 同試験の対象は、完全切除後のStage II~IIIA(TNM分類第7版N1-N2)のEGFR変異陽性NSCLC患者。登録された患者は、無作為にゲフィチニブ(250mg×1/日)24ヵ月間投与群と化学療法群(ビノレルビン25mg/m2を1日目と8日目に投与+シスプラチン75mg/m2を1日目に投与)3週ごと4サイクル投与群に、1:1に割り付けられた。主要評価項目は無病生存期間(DFS)。DFSの改善は40%以上とした。 結果、2011年9月19日~2014年4月24日に222例の患者が登録された(ゲフィチニブ群、化学療法群ともに111例)。治療期間の中央値は36.5ヵ月で、ゲフィチニブ群の投与期間は18ヵ月以上が最も多く67.9%、化学療法群は4サイクルが最も多く83.0%を占めた。 主要評価項目であるDFSは、ゲフィチニブ群で28.7ヵ月(24.9~32.5ヵ月)、化学療法群で18.0ヵ月(13.6~22.3ヵ月)と、ゲフィチニブ群で有意に長く(HR:0.60、95%CI:0.42~0.87、p=0.005)、その差は10.7ヵ月であった。3年DFS(3yDFS)はゲフィチニブ群の34.0%に対し、化学療法群は27.0%で、ゲフィチニブ群で有意に高かった(p=0.013)。全生存期間(OS)は未達成。 Grade3以上の有害事象の発現率は、ゲフィチニブ群で12.3%、化学療法群は48.3%と、ゲフィチニブ群で有意に少なかった(p<0.001)。健康関連QOLについては、Total FACT-L、LCSS、TOIの3種の評価ともゲフィチニブ群で有意に優れていた。 EGFR変異陽性のStage II~IIIA(N1-N2)NSCLC切除可能患者に対する、ゲフィチニブの術後補助療法は、これらの患者集団における重要な選択肢であると考えられるべきである。 DiscussantであるVU University Medical CenterのSuresh Senan氏は、「DFSの10.7ヵ月の延長は注目すべきである。今後は、どのような患者にベネフィットがもたらされるのかなど、より詳細に研究していくべきである。また、3yDFSの34%という結果は満足できるものではなく、対象症例などに注目してさらなる改善を図るべきであろう」と述べた。■参考 ADJUVANT試験(NCT01405079) BR19試験 RADIANT試験

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大規模個別患者データに基づくBayes流メタ解析が“非ステロイド性消炎鎮痛薬(COX-2を含む)が総じて急性心筋梗塞発症リスクを増加させる”と報告(解説:島田 俊夫 氏)-685

 本論文では、急性心筋梗塞(AMI)発症の既往歴を有する6万1,460例を含む44万6,763例(38万5,303例はコントロール)の信頼できる大規模個別データ(カナダおよび欧州)を対象にAMIを主な評価項目とし、COX-2選択的阻害薬と従来型NSAIDsの使用と非使用者でAMI発症リスク差を検証するためにBayes流メタ解析1,2)が行われた。 最初1週目(1~7日)、1ヵ月未満、1ヵ月以上の期間でのNSAIDs投与が、いずれの期間においてもAMI発症リスクを有意に増加させた。最初1週目のNSAIDs使用によるAMI発症リスクの事後確率(オッズ比>1.0の事後確率)は、セレコキシブで92%、イブプロフェンで97%、 ジクロフェナク、ナプロキセンおよびrofecoxib(心血管系の副作用のために2004年に米国で販売中止、日本では未承認)でそれぞれ99%であった。対応する調整オッズ比(95%信頼区間)は、セレコキシブで1.24(0.91~1.82)、イブプロフェンで1.48(1.00~2.26)、ジクロフェナクで1.50(1.06~2.04)、ナプロキセンで1.53(1.07~2.33)、 rofecoxibで1.58(1.07~2.17)と高い発症リスクを示し、NSAIDsの高用量投与でさらにリスクが増加することも明らかになった。 1ヵ月を超える長期に渡る投与でのAMI発症リスクは、1ヵ月未満の投与と比較して、そのリスクを上回ることはなかった。服用中止による30日未満では、AMI発症リスクはわずかに低下するにとどまったが、その後1年間でAMI発症リスクはほぼ前の状態に復した。コメント: NSAIDs服用はAMI発症リスクを増加させると言われていたが、大規模症例の確保が難しい状況もあり信頼に足る大規模研究の実施は困難で、議論の余地が残っていた。従来のNSAIDsとCOX-2を含めた経口非ステロイド性消炎鎮痛薬のAMI発症リスク評価のために、ビッグデータを用いた個別データBayes流メタ解析手法3)を使用することで、症例数の不足やその他の問題点の解決に道が開かれた。 本研究によりナプロキセンを含むすべてのNSAIDsが、AMI発症リスクの増加と密接に関係していることが明らかになった。セレコキシブ(COX-2)のAMI発症リスクは従来のNSAIDsとほぼ同等かやや少ない程度であり、 rofecoxib(COX-2)よりは有意に低かった。AMI発症リスクはNSAIDsの最初の1ヵ月の使用期間中で、しかも高用量投与においてAMI発症リスクが最も高くなった。 要するに、NSAIDsの種類によりAMI発症リスクに多少の差があるけれども、COX-2および従来型NSAIDsともAMI発症リスクは五十歩百歩で、総じて気安く使用することへの警鐘として本論文の結果を真摯に受け止めることは重要である。今後、本論文で使用されたビッグデータとしての個別患者データに基づくBayes流メタ解析は、大規模集団形成が難しい研究に使用される有望な解析モデルになるかもしれない。■参考Kalil AC, et al. Intensive Care Med. 2011;37:420-429.Shimada T, et al. Rinsyo Byori. 2016;64:133-141.Riley RD, et al. BMJ. 2010;340:c221.

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「ザ・ゴール」の内容【Dr. 中島の 新・徒然草】(173)

百七十三の段 「ザ・ゴール」の内容前回は「ザ・ゴール-企業の究極の目的とは何か」(ダイヤモンド社)のシリーズを最近になって読み直し、その先見の明にあらためて感心し、医療にも応用できるのではないかと述べました。今回はまず「ザ・ゴール」でのアレックス・ロゴ所長の工場における生産性向上のための具体的方法を2つ紹介したいと思います(多少のネタバレあり)1つ目はボトルネックの活用です。この工場では色々な機械の組み合わせで製品を作っているのですが、その多くはNCX-10という最新式の機械で処理をする必要があります。そしてNCX-10の前には仕掛在庫が山のようにたまっている一方で、この機械から部品が出てくるのが遅いとよく後工程の人がせっつきに来るのです。すなわち、このNCX-10がボトルネックなのです。にもかかわらず、NCX-10は作業員の休憩時間に合わせて停まっていたりして、その能力はフル活用されていませんでした。そこで、アレックスは工員の休憩時間をもう少し柔軟に運用してNCX-10をできるだけ休ませないようにしました。さらにNCX-10以前に使っていた旧式の機械を倉庫から引っ張り出して来て手助けをさせます。これらの工夫でボトルネックであるNCX-10の担当工程を目一杯使ったところ、一気に生産力があがりました。このことから分かるのは、全体の生産性はボトルネックに依存しており、全体最適化を図るにはボトルネックという要所を改善しなくてはならないということです。2つ目は、いかなる難題に対しても適切な解決法を考えろ、ということです。アレックスの工場は色々な工夫で大きく生産性をアップすることができたのですが、そこに難題が降ってきました。バーンサイドという大口顧客から12型モデルを2週間以内に1,000台納入できないか、というものです。これに応えることができれば、今後バーンサイドを囲い込むことができそうですが、いかにアレックスの工場といえども、そこまでの生産力はもっていません。そこで考えたのが、小分けにすることでした。2週間後に250台、その後は1週間ごとに250台ずつの納入ではどうか、とバーンサイドに打診したところ、「その方がむしろ都合がいい」という返事をもらえました。その結果、アレックスはバーンサイドの注文にうまく対応することができ、先方からも本社からも素晴らしい評価を得ることができたのです。このエピソードは、顧客の要求と自分の見込み案を足して2で割って妥協するのではなく、双方がウィン・ウィンとなる解決策を追求することの大切さを示しています。次回はいよいよ「ザ・ゴール」を医療へ応用する方法について、私のアイデアを述べたいと思います。とりあえず1句何事も ウイン・ウインの解決だ

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第10回 インスリン療法のキホン【糖尿病治療のキホンとギモン】

【第10回】インスリン療法のキホン―インスリン治療の開始はどのように判断したらよいでしょうか。内服から切り替える場合の基準、製剤選択についても教えてください。 インスリン治療の適応には、インスリン依存状態(1型糖尿病)や高血糖性の昏睡を来した状態(糖尿病ケトアシドーシスなど)、重度の肝・腎障害の合併、糖尿病合併妊婦などの「絶対的適応」と、インスリン非依存状態(2型糖尿病)が対象の「相対的適応」があります。2型糖尿病の場合、「著明な高血糖(空腹時血糖値250mg/dL以上、随時血糖値350mg/dL)を認める」「経口薬のみでは良好な血糖コントロールが得られない」「やせ型で栄養状態が低下」「糖毒性を積極的に解除する必要がある」などが相対的な適応とされています1)(絶対的適応の場合は、専門医に相談)。 インスリン以外で治療中の2型糖尿病患者さんで、たとえば高用量のSU薬に加え、作用機序の異なる薬剤を併用しているにも関わらず、空腹時血糖値が250mg/dLを超える状態が数ヵ月続く場合は、インスリン治療を検討します。その際、内因性インスリンを評価するために、空腹時血中Cペプチドもみるとよいでしょう。朝食前血中Cペプチドの正常値は1.0~3.5ng/mL(0.5ng/mL以下でインスリン依存状態)で、低値であればあるほど、内因性インスリン分泌が低下しており、インスリン療法が必要です。空腹時血中Cペプチドが0.8ng/mL以下であれば、インスリン治療適応と考えてよいと思います。 インスリン導入にあたって、入院と外来の2つの方法があり、インスリンの絶対的適応では入院が望ましく、また、2型糖尿病でも可能であれば入院がよいですが、外来での導入も可能です。導入方法には、内服薬からの切り替えと、現在服用している経口薬を続けながらインスリンを併用するBOT(Basal Supported Oral Therapy)があります。 健康な成人のインスリン分泌は、1日中少しずつ分泌される「基礎分泌(Basal)」と食後の血糖上昇に合わせて瞬時に分泌される「追加分泌(Bolus)」からなります。インスリン治療では、健康な成人にできるだけ近いインスリン分泌パターンを作り、1日の血糖値の動きを正常域内に収めることが求められるため、基礎分泌と追加分泌を補う必要があります。そのため、切り替えの場合は、基礎分泌を補う目的で「中間型」もしくは「持効型」のインスリンを1日1~2回、追加分泌を補う目的で食事毎に「速効型」もしくは「超速効型」のインスリンを注射する「Basal-Bolus療法」が基本です。 経口薬にインスリンを上乗せするBOTでは、作用発現が遅く、ほぼ1日にわたり持続的な作用を示し、基礎分泌を補う「持効型溶解インスリン製剤」を追加します。持効型溶解インスリン製剤は主に空腹時血糖値を低下させるので、併用する(継続する)経口薬は食後の血糖低下効果を持つ薬剤がよいです。インスリン製剤で外因性インスリンを補うことで、疲弊している膵β細胞を休ませ、糖毒性を解除することが期待できます。糖毒性が解除されると、既存の経口薬の効果が増強されることがあるので、血糖低下状況をみながら、インスリンを中止し、経口薬のみに戻すことも可能です。―外来でインスリンを導入する方法と注意点について教えてください。 外来でインスリンを導入する場合、血糖自己測定(SMBG)と頻回の通院(週1回)が必要になります。SMBGは、インスリン治療を行う2型糖尿病でも保険が適用されますが、1日2回までとなっていますので※、その範囲で測定する場合は、1回は朝食前空腹時血糖値に、残り1回は昼食前血糖値あるいは夕食前血糖値と交互にするとよいでしょう。朝食前血糖値が高いと、下駄を履いたまま1日が始まり、全体的に血糖値が底上げされた状態になります。まずは朝食前血糖値をしっかり下げること、そして、そこが落ち着いたら食後高血糖をコントロールしましょう。※血糖自己測定に基づく指導を行った場合、インスリン自己注射指導管理料に加算して、血糖自己測定を1日に1回、2回または3回以上行っているものに対して、それぞれ400点、580点または860点を加算することとされている。 その際、注意することは、朝食前空腹時血糖値を“下げすぎない”ことです。インスリン治療の問題に「体重増加」がありますが、下げすぎると強い空腹感から食べてしまい、体重増加を来します。また、もう1つインスリン治療で問題になるのが「低血糖」です。朝食前空腹時血糖値を下げすぎてしまうと、その前の夜間に低血糖を起こしてしまう可能性があります。強化療法による2型糖尿病患者さんの心血管障害の発症抑制を検討したものの、死亡率が予想を上回ったために早期終了となった「ACCORD:Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes」では、強化療法による厳格な血糖コントロールによって生じた重症低血糖が、死亡リスク増大と関連したことが示されました2)。また、夜間低血糖については、不整脈との関連も示唆されています3)。朝食前血糖値は120~130mg/dLを目指すようにし、100mg/dLを下回らないようにしましょう。さらに、血糖コントロール長期不良例では、急激に血糖を低下させると網膜症や神経障害が悪化する可能性があるので1)、徐々に目標値に近づけましょう。―インスリンの初回投与量の設定について教えてください。 インスリン導入の際には、入院か外来で適切な投与量(単位)を決めますが、開始時の投与量は体重1kg当たり1日0.2~0.3単位(8~12単位)、体重1kg当たり1日0.4~0.5単位(20~30単位)まで増量することが多いとされています1)。単位の変更は、「責任インスリン(その血糖値に最も影響を及ぼしているインスリン)」で決めます。SMBGを同時に開始しますが、Basal-Bolus療法を行っている場合、たとえば昼食前の血糖値が高ければ、その血糖値に影響を及ぼしている朝のBolusを見直す、夕食前の血糖値が高ければ、その血糖値に影響を及ぼしている昼のBolusを見直す、また、朝食前の血糖値が高ければ、朝食前血糖値に影響を及ぼすBasalを見直します。その患者さんに適したインスリン量を決めるにあたり、SMBGの記録は大変重要です。―独居の高齢患者さんや認知機能低下のある患者さんに対するインスリン導入に悩みます。どのように判断したらよいでしょうか? 独居の高齢者でも、認知機能に問題がなく自分で管理できればインスリン治療は可能ですし、認知機能が低下していても、同居家族や補助者がきちんと管理できれば問題ありません。 インスリン治療で最も怖いのは低血糖です。昏睡に至ることもあり、前述のように、心血管疾患との関連も示されています。インスリン導入にあたり、決められた量を決められた時間に打つことができるかどうかを確認することも大切ですが、低血糖管理、とくに低血糖を予防することができるかどうかを見極めることが重要です。インスリン治療を行っている場合、まず、食事を1日3回、必要十分量とる必要があります。とくに高齢者の場合、インスリンを投与し、いざ食事しようとしたら、いつもの量が食べられなかった、ということがしばしばあります。―シックデイのインスリン投与はどのようにしたらよいでしょうか。インスリンの種類による対応の違いと患者さんへの説明の仕方を教えてください。 シックデイで食事がとれない場合は、まず、食事を工夫してできるだけ普段と同じカロリーの食事がとれるようにし、インスリン注射はやめないようにします。どうしても食事がとれないときは、医師や看護師、薬剤師などに相談してもらいますが、その際も、基礎分泌を補うBasalは食事とは関係がないので、中止しないようにします。SMBGもやめないようにしてもらいます。また、できるだけ水分摂取を心がけてもらい、吐き気や嘔吐のために水分もとることができないときは連絡してもらいます。―心理的抵抗がある患者さんにインスリンを導入する場合は、どのように指導したらよいでしょうか? 近年のインスリン製剤の開発や注射器具の改良、簡便なSMBG機器の出現により、患者さんの負担を最小限にしたインスリン治療ができるようになっています。2型糖尿病患者さんにも、幅広く受け入れてもらえるようになりました。しかしそれでもまだ、「インスリン(注射)」と聞くと「最後の治療」と感じてしまう患者さんもいます。そのような患者さんには、「決して最後の治療ではないこと」「インスリンにより糖毒性が解除されれば、また経口薬でのコントロールに戻ることができるようになる」などを説明し、心理的障壁を取り除くようにします。「自分で打つのはいやだけど、医療従事者が打つなら」という患者さんもいます。そのような方で、たとえばリタイアされていて時間があるような場合は、1日1回、持効型溶解インスリン製剤を打ちに来院してもらうという方法をとるのもよいでしょう。また、注射に慣れていただくために、週1回のGLP1-受容体作動薬を来院して打つ、あるいはご自分で打つことから始め、慣れてからインスリンを導入するという手もあります。1)日本糖尿病学会編・著. 糖尿病治療ガイド2016-2017. 文光堂;2016.2)Bonds DE, et al. BMJ. 2010;340:b4909.3)Chow E, et al. Diabetes. 2014;63:1738-1747.

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加齢黄斑変性へのbrolucizumab vs.アフリベルセプト

 滲出型加齢黄斑変性(AMD)に対する抗VEGF薬の有効性と安全性について、brolucizumabとアフリベルセプトを比較した第II相無作為化試験が、米国・Retinal Consultants of ArizonaのPravin U. Dugel氏らにより行われた。治療サイクル8週ごと(q8)の検討において、両者の有効性および安全性は同等であることが示されたが、brolucizumab群のほうが、中心領域網膜厚(CSFT)減少が安定的で、予定外治療の頻度が少なく、網膜下液などの溶解率が高かった。また、brolucizumab投与の治療サイクル12週ごと(q12)の検討で、最高矯正視力(BCVA)を治療を受けた眼の約50%で得ることが示された。Ophthalmology誌オンライン版2017年5月24日号掲載の報告。 試験は多施設共同で前向き二重盲検法にて行われた。被験者は活動性の、AMD続発性の新生血管を有する50歳以上の患者89例。1対1の割合で、硝子体内にbrolucizumab(6mg/50μL)またはアフリベルセプト(2mg/50μL)を注射投与する群に無作為に割り付けられた。 両群とも月1回3ヵ月間の投与を受けた後、8週に1回投与を受け40週時点で評価を受けた。またbrolucizumab群は、最終q8サイクルで12週に1回投与の2サイクルに更新され、56週時点で評価を行った。アフリベルセプト群はq8投与が継続され、56週時点で評価を受けた。なお、両群とも予定外の治療は研究者の裁量で容認された。 主要および副次的仮説は、brolucizumab群がアフリベルセプト群に対し、ベースラインから12週および16週それぞれの時点でBCVAスコアの変化が非劣性である(マージン:片側αレベル0.1で5 letters)、とした。試験全体を通して、BCVA、CSFT、形態的特色について評価が行われた。主な結果は以下のとおり。・BCVAのベースラインからの平均変化値について、12週時点の評価で、brolucizumab群のアフリベルセプト群に対する非劣性が示された。5.75 vs.6.89(80%信頼区間[CI]:-4.19~1.93)。・16週時点においても、brolucizumab群のアフリベルセプト群に対する非劣性が示され(6.04 vs.6.62、80%CI:-3.72~2.56)、40週時点でも顕著な差は認められなかった。・q8治療サイクル中の疾患活動性の評価アウトカムにおいて、brolucizumabを受けた患者のほうが、予定外治療を受けた頻度が少なく(6 vs.15)、CSFTの減少がより安定していたことが示された。・さらに事後解析において、brolucizumab治療を受けた眼のほうがアフリベルセプト治療を受けた眼と比べて、網膜内および網膜下液の溶解率がより高かった。・また、q12サイクルにおいて、brolucizumab治療を受けた眼の約50%が、安定したBCVAを有した。・brolucizumabとアフリベルセプト関連の有害事象は類似していた。

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III期NSCLCの化学放射線同時併用療法に適用するレジメンは?本邦のランダム化試験の結果発表/ASCO2017

 化学放射線同時併用療法(CCRT)は、手術不能なIII期非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する標準治療であるが、最良の化学療法レジメンは特定されていない。S-1とシスプラチン(CDDP)の併用(SP)は進行NSCLCに対する標準化学療法レジメンの1つであり、CCRTにおける良好な成績も報告されている。day1、8に分割したドセタキセルとCDDPの併用(DP)を用いたCCRTは、旧世代のCDDPレジメンとの比較試験で、良好な結果(2年生存割合)を示しているが、全生存については有意な差は認めていない。そこで、日本医科大学の久保田 馨氏らは、NSCLC患者に対するCCRTにおいて、SPとday1のみにドセタキセル+CDDPを投与するDPの2つの併用化学療法レジメンの成績を評価するランダム化第II相試験TORG1018を行い、その結果を米国臨床腫瘍学会年次大会(ASCO2017)で発表した。 対象は手術不能なIII期NSCLC患者で、化学療法、放射線療法、外科療法歴なし。登録された患者をSP群またはDP群にランダムに割り付けた。SP群ではS-1 80~120mg/m2/日(day1~14)とCDDP 60mg/m2(day1)を4週ごとに、DP群ではドセタキセル50mg/m2とCDDP 80mg/m2(両薬ともday1)を4週ごとに投与した。同時併用する放射線療法(60Gy/30分割)は、両群ともにday1から開始した。CCRT後、両群の患者は、3週ごとの地固め化学療法をさらに2回受けた。主要評価項目は2年生存割合(2yOS)、副次評価項目は全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、毒性プロファイル、用量強度、奏効割合(ORR)。期待2yOSは65%、閾値2yOSは50%とした。 結果、2011年5月~2014年8月に、19施設から110例の患者が登録され、106例(各群53例)が評価対象となった。男性83例、女性23例、年齢中央値は65歳(42~74)であった。観察期間39.3ヵ月での2yOSはSP群で79%(95%CI:66~88%)、DP群では69%(95%CI:55~80%)であり、両群共に主要評価項目を達成した。OS中央値はSP群で55.23ヵ月、DP群で50.83ヵ月、ORRとPFSはSP群でそれぞれ71.7%、11.63ヵ月、DP群では67.9%、19.91ヵ月であった。 DP群におけるGrade3/4の白血球減少および好中球減少はSP群より有意に高かった。また、発熱性好中球減少症、肺臓炎はDP群でより高い傾向があった。毒性の少なさと共に2yOSはSP群で良好であり、将来はSPを放射線同時併用の適用レジメンとして選択する、と著者は結んでいる。■参考 ASCO2017 Abstract

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認知症予防に柑橘類は効果的か:東北大

 いくつかの実験的な生物学的研究では、柑橘類が認知症予防効果を有していることが報告されている。東北大学のShu Zhang氏らは、柑橘類摂取と認知症との関連をコホート研究で調査した。The British journal of nutrition誌オンライン版2017年5月19日号の報告。 ベースライン調査では、日常の柑橘類摂取(2回以下/週、3~4回/週、ほぼ毎日)および他の食品の摂取に関するデータはFFQを用いて収集し、他の共変量データは自己報告アンケートより収集した。認知症発症に関するデータは、日本の介護保険データベースより収集した。柑橘類の摂取に応じた認知症のハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)は、多変量調整Coxモデルを用いて評価した。主な結果は以下のとおり。・1万3,373例における5.7年間の認知症発症率は、8.6%であった。・認知症発症の多変量調整HRは、柑橘類を2回以下/週摂取した群と比較して、3~4回/週群で0.92(95%CI:0.80~1.07、p trend=0.065)、ほぼ毎日群で0.86(95%CI:0.73~1.01、p trend=0.065)であった。・フォローアップの最初の2年間で認知症を発症した患者を除いた後でも、この逆相関関係は維持された。・多変量HRは、柑橘類の摂取が2回以下/週を1.00(参照値)とした場合、3~4回/週で0.82(95%CI:0.69~0.98、p trend=0.006)、ほぼ毎日で0.77(95%CI:0.64~0.93、p trend=0.006)であった。 著者らは「交絡因子で調整後においても、柑橘類の摂取が頻繁であれば、認知症発症リスクが低いことが示唆された」としている。■関連記事 魚を食べると認知症は予防できるのか 認知症予防、毎日の野菜・果物摂取が大切 「歯は大切に」認知症発症にも影響:久山町研究

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DAAレジメン無効のHCVに3剤合剤が効果/NEJM

 C型肝炎ウイルス(HCV)慢性感染患者で、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)を含むレジメンで治療を行っても持続的ウイルス学的著効(SVR)が得られない患者に対し、ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬ソホスブビル+NS5A阻害薬velpatasvir+プロテアーゼ阻害薬voxilaprevirの配合剤を12週間投与することで、9割超のSVRが達成できることが示された。フランス・セントジョセフ病院のMarc Bourliere氏らが、2件の第III相無作為化比較試験を行って明らかにしたもので、NEJM誌2017年6月1日号で発表した。現状では、DAAを含む治療でSVRが達成できない場合には、次の治療選択肢は限られているという。「POLARIS-1」と「POLARIS-4」の2試験で評価 研究グループは2015年11月~2016年5月にかけて、DAAを含むレジメン治療歴のある患者を対象に、2件の第III相試験「POLARIS-1」と「POLARIS-4」を行った。 「POLARIS-1」試験では、HCV遺伝型1型に感染しNS5A阻害薬を含むレジメンの治療歴がある患者を無作為に2群に分け、一方にはソホスブビル+velpatasvir+voxilaprevirの配合錠を(150例)、もう一方にはプラセボを(150例)、それぞれ1日1回12週間投与した。また、その他のHCV遺伝型の患者については、ソホスブビル+velpatasvir+voxilaprevirの配合錠を投与した(114例)。 「POLARIS-4」試験では、HCV遺伝型1型、2型、3型に感染しNS5A阻害薬を含まないDAAレジメンで治療歴のある患者を無作為に2群に分け、ソホスブビル+velpatasvir+voxilaprevirの配合錠(163例)、またはソホスブビル+velpatasvirの配合錠を(151例)、それぞれ12週間投与した。また、HCV遺伝型4型の患者については、ソホスブビル+velpatasvir+voxilaprevirの配合錠を投与した(19例)。 主要エンドポイントは、治療終了12週時点のSVR率とした。ソホスブビル+velpatasvir+voxilaprevirでSVR率は96~98% 被験者のうち、実薬を投与した3群では、その46%が代償性肝硬変だった。 POLARIS-1試験では、SVR率はプラセボ群で0%だったのに対し、ソホスブビル+velpatasvir+voxilaprevirの3剤合剤群では96%(95%信頼区間[CI]:93~98)と、事前に規定した効果目標の85%に比べ、有意に高かった(p<0.001)。 POLARIS-4試験ではまた、ソホスブビル+velpatasvirの2剤合剤群のSVR率は90%だったのに対し、ソホスブビル+velpatasvir+voxilaprevirの3剤合剤群では98%(95%CI:95~99)と、同じく効果目標の85%に比べ有意に高率だった(p<0.001)。 発生頻度の高かった有害事象は、頭痛、疲労、下痢、悪心などだった。実薬を投与した群で、有害事象により治療を中断した人の割合は1%以下だった。

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10代の自傷・薬物・飲酒による緊急入院、自殺リスクが大幅増/Lancet

 自傷行為や薬物乱用、アルコール摂取関連といった理由で緊急入院した10~19歳の青少年は、事故で緊急入院した青少年に比べ、退院後10年間の自殺リスクが3.2~4.5倍高いことが示された。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのAnnie Herbert氏らが、緊急入院をした青少年約100万人について後ろ向きコホート研究を行い明らかにした。Lancet誌オンライン版2017年5月25日号掲載の報告。15年間の病院データを基にした後ろ向きコホート研究 研究グループは、1997年4月~2012年3月の英国内の病院データHospital Episode Statistics(HES)を基に、緊急入院した10~19歳の青少年を対象に、後ろ向きコホート研究を行った。 被験者について、救急外来受診の原因が自傷行為、薬物乱用やアルコール関連、暴力による外傷といった逆境関連の場合と、それ以外の事故関連の場合に分け、退院後10年間の死亡リスクを比較した。死亡の原因は、自殺、薬物またはアルコール関連死、他殺、事故死、その他の5つに分類した。自傷者の自殺リスク、事故受傷者に比べ5~6倍 対象期間中に確認された、緊急入院をした青少年は108万368例で、そのうち女子は38万8,937例(36.0%)、男子は69万546例(63.9%)、性別の記載不明が885例(0.1%)だった。このうち、性別の記載不明885例と、慢性疾患などによる入院(男子5万6,107例[8.1%]、女子4万549例[10.4%])を除外して分析した。 逆境関連の外傷で入院したのは33万3,009例(30.8%)で、うち女子は54.6%、男子は45.4%だった。また、事故関連の受傷で入院したのは64万9,818例(60.2%)で、うち女子は25.6%、男子は74.4%だった。 対象となった青少年のうち、退院後10年間の死亡は4,782例(0.5%)だった(女子1,312例[27.4%]、男子3,470例[72.6%])。 逆境関連入院群は事故関連入院群に比べ、退院後10年間の自殺リスクが約3.2~4.5倍だった(補正後サブハザード比:女子4.54、男子3.15)。薬物またはアルコール関連死のリスクも、約3.5~4.7倍に上った(同:女子4.71、男子3.53)。なお、逆境関連入院群の10年死亡リスク推計には殺人リスクも含んだが、発生件数が少なく統計的に明らかなリスクは提示できなかった。 退院後10年間の補正後事故死リスクは、男子では逆境関連入院群が事故関連入院群と比べて有意な増加を示したが(補正後サブハザード比:1.26、95%信頼区間[CI]:1.09~1.47)、女子では有意な増加は認められなかった(1.21、0.90~1.63)。また、その他の要因についても、死亡リスクの低下が女子では認められたが(0.64、同0.53~0.77)、男子では認められなかった(0.99、0.84~1.17)。 自傷行為での入院群は事故関連入院群と比べ、退院後の自殺リスクが大幅に増大し、女子では補正後サブハザード比は5.11(95%CI:3.61~7.23)、男子では6.20(同:5.27~7.30)だった。そのほか、薬物乱用やアルコール摂取関連の入院群では、同リスクが女子で4.55倍、男子で4.51倍だった。暴力による入院群は、同リスクが男子でのみ有意に増大し1.43倍だった。しかしながら暴力による入院をした女子では、事故関連入院群と比較して、自殺リスクが増大したが、統計的な有意差は認められなかった(補正後サブハザード比:1.48、95%CI:0.73~2.98)。 なお、各外傷タイプについて、自殺リスクと薬物またはアルコール関連死のリスクは、同程度に増大が認められた。 これらの結果を踏まえて著者は、自傷に限らず、薬物乱用とアルコール関連で入院した青少年に対しても、退院後の自殺予防のための介入が必要だと述べている。

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MTXによる表皮壊死、初期徴候と予後因子は

 メトトレキサート(MTX)誘発性表皮壊死症(Methotrexate-induced epidermal necrosis:MEN)は、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN)に類似した、まれな、しかし致命的な皮膚反応である。台湾・国立陽明大学のTing-Jui Chen氏らは、MENの臨床病理、リスク因子および予後因子について調査し、MENはSJS/TENとは異なる臨床病理的特徴を示すことを明らかにした。著者は、「ロイコボリンが有効な場合があるので、初期徴候と予後因子を認識しておくことが重要である」と述べたうえで、「MENのリスクを低下させるためには、高リスク患者へのMTX投与を避け、MTXの投与量は葉酸を併用しながら漸増していかなければならない」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年5月10日号掲載の報告。 研究グループは、MENを呈した24例ならびに対照150例を登録し、患者背景、病理学および血漿中MTX濃度について解析した。 主な結果は以下のとおり。・MEN患者は、広範囲な皮膚壊死(総体表面積の平均33.2%)を呈し、標的病変はなく、病理組織学的にはケラチノサイトの変性を示した。・MENの初期徴候は、痛みを伴う皮膚びらん、口腔の潰瘍、白血球減少および血小板減少であった。・79.2%の患者がロイコボリン治療を受けたが、死亡率は16.7%に上った。・MENのリスク因子は、高齢(>60歳)、慢性腎疾患、および葉酸を併用せずにMTXの投与を高用量から開始することであった。・腎機能不全によりMTXのクリアランスが遅延した。・重篤な腎疾患および白血球減少は、MENの予後不良の予測因子であったが、TEN重症度スコアはいずれもMENの死亡率とは関係していなかった。

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新たなアンチセンス薬、動脈硬化進展を抑制/NEJM

 マウスAngptl3遺伝子を標的とするアンチセンス・オリゴヌクレオチド(ASO)は、マウスのアテローム性動脈硬化の進展を抑制し、アテローム生成性リポ蛋白を低下させることが、米国・Ionis Pharmaceuticals社のMark J. Graham氏らの検討で示された。ASOの第I相試験では、ヒトANGPTL3遺伝子を標的とする戦略の有用性を示唆する知見が得られた。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2017年5月24日号に掲載された。疫学研究やゲノムワイド関連分析により、アンジオポエチン様3をコードするANGPTL3遺伝子の機能喪失型変異は、血漿リポ蛋白の低下と関連することが示されている。開発中のIONIS-ANGPTL3-LRxは、肝のANGPTL3 mRNAを標的とする第2世代リガンド結合アンチセンス薬(GalNAc結合ASO薬)である。治療標的の可能性を前臨床と無作為化第I相試験で評価 研究グループは、心血管疾患のリスク低減における、循環代謝性疾患の治療標的としてのANGPTL3遺伝子の意義を評価するために、前臨床試験と二重盲検プラセボ対照無作為化第I相試験を行った(Ionis Pharmaceuticals社の助成による)。 前臨床試験では、マウスを用いて、血漿脂質値、トリグリセライド(TG)・クリアランス、肝TG含量、インスリン感受性、アテローム性動脈硬化に及ぼすASOの効果を評価した。 引き続き、第I相試験で健常成人ボランティア44例を、ASOの単回皮下投与(20、40、80mg)、6回皮下投与(10、20、40、60mg/週×6週)、それぞれのプラセボ投与群にランダムに割り付け、安全性、副作用、薬物動態、薬力学の評価を行い、脂質値、リポ蛋白の変動について検討した。用量依存的にANGPTL3蛋白、脂質値が低下 ASO投与マウスでは、用量依存的に肝臓でのAngptl3 mRNA、Angptl3蛋白、TG、LDLコレステロール(LDL-C)が低下するとともに、肝TG含量とアテローム性動脈硬化の進展が抑制され、インスリン感受性が増大した。 ヒトの単回投与(被験薬群:9例、プラセボ群:3例)の検討では、15日時のANGPTL3蛋白、TG、VLDL-C、非HDL-C、総コレステロール(TC)の値が低下するとともに、ベースラインからの平均低下率が増大し、用量依存性の傾向が認められた。これらの結果には、有意な差はみられなかったが、サンプル数が少ないのが原因と推察された。 6回投与(被験薬群:24例、プラセボ群:8例)の検討では、43日(最終投与から1週後)時のANGPTL3蛋白の発現が、すべての用量でプラセボ群に比べ有意に抑制された(すべて、p<0.01)。また、ANGPTL3蛋白のベースラインから43日時の平均低下率は、10mg群が46.6%(プラセボ群との比較で、p=0.001)、20mg群が72.5%(p=0.003)、40mg群が81.3%(p=0.001)、60mg群は84.5%(p=0.001)と、用量依存的に増大した。 さらに、6回投与では、TG(各用量の43日時の平均低下率:33.2、63.1、53.8、50.4%)、LDL-C(1.3、4.3、25.4、32.9%)、VLDL-C(27.9、60.0、48.5、48.7%)、非HDL-C(10.0、17.6、31.1、36.6%)、アポリポ蛋白B(3.4、13.3、25.7、22.2%)、アポリポ蛋白C-III(18.9、57.8、50.7、58.8%)も、全般に高用量で低下率が高く、40mg群と60mg群は、これら6つの項目の低下率がすべてプラセボ群に比べ有意に増大した。 試験期間中に重篤な有害事象は発現しなかった。6回投与の20mg群の1例が5回目投与後にフォローアップできなくなったが、これ以外に投与中止は認めなかった。また、注射部位反応の報告はなく、単回投与では有害事象は発現しなかった。6回投与では、3例に頭痛(プラセボ群の1例を含む)、3例にめまい(プラセボ群の2例を含む)がみられた。

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ホルモン抵抗性乳がんに著明な効果、CDK4/6阻害薬abemaciclib/ASCO2017

 CDK4/6選択的阻害薬abemaciclibのフルベストラントとの併用における忍容性と臨床活性が第III相試験であるMONARCH 2試験で支持された。米国臨床腫瘍学会年次大会(ASCO2017)においてスタンフォード大学のGeorge W. Sledge氏が発表した。 MONARCH 2試験は、ホルモン受容体陽性HER2陰性進行乳がんで内分泌療法を受けた女性669例を対象とした第III相二重盲検試験。対象はネオアジュバント/アジュバント内分泌療法で進行した患者、または転移のある乳がんで初回内分泌療法で進行した患者。参加者は、abemaciclib+フルベストラント(A+F)群とプラセボ+フルベストラント(P+F)群に2:1に無作為に割り当てられた。 主要評価項目は、治験担当者評価による無増悪生存期間(PFS)、副次的評価項目は、客観的奏効率(ORR)、その他の有効性および安全性であった。abemaciclib+フルベストラント群のハザード比(HR)は0.703と仮定した。 結果、19.5ヵ月間の追跡期間(中央値)のPFSは、A+F群で16.4ヵ月、P+F群で9.3ヵ月と、A+F群で有意に改善した(HR:0.553、95%CI:0.449~0.681、p<0.0000001)。また、測定可能な疾患を有する患者のORRは、A+F群で48.1%、P+F群では21.3%と、A+F群で2倍以上の結果となった。A+F群で多く見られた治療関連有害事象は、下痢86.4%(P+F群24.7%)、好中球減少46.0%(P+F群4.0%)、悪心45.1%(P+F群22.9%)、疲労感39.9%(P+F群26.9%)であった。Sledge氏は、下痢は早期に起こり(典型的には初回の治療サイクルで発現)、その強度と頻度はabemaciclibの開始用量と強く関連していると解説した。 DiscussantであるIngrid A. Mayer氏(Vanderbilt-Ingram Cancer Center and Vanderbilt University Medical Center)は、MONARCH 2試験におけるPFSと最近公表されたPALOMA-3試験(palbociclib+フルベストラントまたはプラセボの試験)の結果との違いについて触れた。HRが同等であるにもかかわらずPALOMA-3試験のPFSがMONARCH 2試験より短い(palbociclib群9.5ヵ月、プラセボ群4.6ヵ月)のは、MONARCH 2試験の被験者の適格基準は化学療法未経験であるが、PALOMA-3試験には化学療法経験者が含まれていたことによるものであると述べた。この試験結果は、学会発表と同時にJournal of Clinical Oncology誌で公開された。■参考ASCO2017 AbstractSledge GW, et al. J Clin Oncol.2017 Jun 3.[Epub ahead of print]MONARCH 2試験(Clinical Trial.gov)

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慢性期統合失調症、陰性症状に有効な補助療法

 統合失調症の陰性症状を緩和する際、リスペリドンの補助薬としてのホスホジエステラーゼ3選択的阻害剤シロスタゾールの有効性、安全性について、イラン・Kurdistan University of Medical SciencesのFarzin Rezaei氏らが評価を行った。Human psychopharmacology誌オンライン版2017年4月18日号の報告。 対象は、慢性期統合失調症患者84例。リスペリドンのアジュバント療法としてシロスタゾール(50mg、1日2回)群とプラセボ群に無作為に割り付け、8週間投与を行った。ベースラインおよび2、4、6、8週目にPANSSを用いて評価した。主要アウトカム指標は、PANSS陰性尺度スコアの改善とし、シロスタゾール群の有効性をプラセボ群と比較した。主な結果は以下のとおり。・一般線形モデル反復測定では、PANSS陰性尺度スコア(p<0.001)とPANSS総スコア(p=0.006)において、時間×治療相互作用の有意な改善効果を示したが、PANSS陽性尺度スコア(p=0.37)、PANSS総合精神病理尺度スコア(p=0.06)では、有意な効果は認められなかった。・有害事象の頻度は、両群間で有意な差は認められなかった。・重篤な有害事象は、観察されなかった。 著者らは「リスペリドンの補助薬としてシロスタゾールを用いた8週間の治療は、統合失調症患者において良好な安全性と有効性プロファイルを示した」としている。■関連記事 各抗精神病薬、賦活系と鎮静系を評価 初発統合失調症、陰性症状の経過と予測因子 統合失調症に対する増強療法、評価が定まっている薬剤はこれだけ

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長門流 認定内科医試験BINGO! 総合内科専門医試験エッセンシャル Vol.3

第9回 血液第10回 循環器第11回 神経第12回 総合内科/救急 認定内科医試験に向けた全3巻の実践講座の第3巻です。重要ワードは「頻出」。長年試験問題を分析し続けている長門先生が、実際の試験問題に近い予想問題を作成し、頻出ポイントをテンポよく解説します。もちろん最新のガイドラインのアップデートにも対応。各科目で試験に問われやすいポイントを押さえていますので、認定内科医試験はもちろん、総合内科専門医試験を受ける先生方も確実に得点アップにつながります。年々難しくなっているといわれる内科系試験。このDVDでぜひ合格を勝ち取ってください。第9回 血液血液領域の中心はなんといっても白血病です。染色の特徴や検査データ、予後因子をしっかり確認しておきましょう。また、貧血に関する問題も例年多く出題されています。この番組で頻出ポイントをチェックして、効率よく勉強を進めてください。第10回 循環器循環器の領域では、弁膜症や心筋梗塞などの主要疾患はもちろん、高血圧や感染性心内膜炎の問題も毎年出題されています。長年試験問題を分析し続けている長門先生だからこそわかる頻出ポイントを確認して、得点アップにつなげましょう。第11回 神経神経の領域では、「脳卒中治療ガイドライン2015」からの出題が予想されます。後期高齢者の降圧目標や脳卒中のリスク因子は必ず押さえておきましょう。また、認知症スクリーニング検査の点数で認知症の有無を判定させる問題も毎年出題されています。長門流の予想問題を通して、試験の「出るところ」を確認してください。第12回 総合内科/救急総合内科/救急は出題数は少ないですが、確率統計に関する計算のように毎年出題される問題があるので、確実に点を取れるようにしておきましょう。また「心肺蘇生ガイドライン2015」と「日本版敗血症診療ガイドライン2016」からの出題も予想されます。全13科目の「頻出」「ポイント」「アップデート」のすべてがわかるこの番組で効率的に勉強し、ぜひ合格を勝ち取ってください。

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第2回 レセプトの内容について ~レセプト作成を制する2つのポイント【医師が知っておきたいレセプトの話】

前回は日本の医療保険制度の仕組みとその中におけるレセプトの位置付けをご紹介させていただきました。今回からは「診療報酬明細書=レセプト」の中身に関して一緒に学んでいきましょう。ちなみにレセプトの語源は、ドイツ語で「処方せん」を意味する“Rezept”に由来すると言われています。日々の診療記録を制するものがレセプトを制す!皆さんは、レセプトと言われるとどんな印象をお持ちでしょうか? 「細かい」、「面倒くさい」、「よくわからない」という声が聞こえてきそうです。しかし、本来レセプトとは、「日々の診療記録を請求形式に合わせて抜き出したもの」であり、カルテに記載された情報がきっちりとしていれば、レセプトにそれらがきちんと抜き出されているかどうかをチェックするだけでいいのです。ついつい構えがちになってしまうレセプトですが、実は「日々の診療記録をきっちりとカルテ内に残すことを心掛ける」というシンプルかつ当たり前の意識がポイントなのです。とは言うものの、一定の「お作法」があることは否定できませんので、レセプトの様式を確認しながら掘り下げていきましょう。レセプト内で完結を!画像を拡大する多くの先生が図の帳票を見慣れていると思いますが、この2つが実際の医科レセプトの帳票です。「入院」、「入院以外」で分かれていますが、基本的な構成は大きく変わりません。ちなみに、紙媒体でチェックを行っている医療機関も多いと思いますが、平成23年度より、オンラインもしくは電子媒体での提出が義務付けられています。さて、ここで2つのチェックポイントをお伝えしましょう。1)「傷病名」、提供した「診療行為」がきっちりとカルテから転記されているか対象期間内に「対象患者が患っていた、もしくは疑われた疾病や傷病名」および「対象期間内に実際に提供した診療行為」がカルテからレセプトに転記されているかをチェック2)「傷病名」と「診療行為」の整合性がとれているか対象期間内に行った診療行為の裏付けとなる傷病名が記載されているか、また、整合性がとれているかをチェックレセプトにはさまざまな項目が並んでいますが、基本的には上記2項目のチェックだけでまずは十分です。提出されたレセプトをチェックする審査員(医師)は「レセプトそのもの」だけを見て審査を行います。つまり、レセプトだけが勝負となります。審査員に伝わるように情報の不足がないか、また、不自然ではないかを確認することが重要です。疑い病名の記載漏れに注意「傷病名」に関しては、「疑い病名」の記載に関して注意が必要です。たとえば、「ある疾病が疑われて検査を行ったが、結果的にはその疾病ではなかった」というケースを考えましょう。その際には、「この疾病を疑ったために、この検査を実施した!」という過程をきっちりと診療録内に残す必要があります。「医師は無駄な検査を実施するわけはない」と考えられますが、レセプト内ではあくまでも「傷病名」と「診療行為」との整合性を文書上でとることが必要なのです。さらに、傷病名が漏れていたことによる「査定」に関しては、再請求(異議申し立て)ができないのが原則です。可能性のある病名に関しては、それが「疑い」であってもきちんと診療録に記載し、レセプトに転記されているかどうかをチェックすることが非常に重要となります。医師の皆様は、患者さんのためを思って日々一生懸命に診療されています。日常の診療をしっかりと記録し、レセプトにきちんと転記することで、診療行為が正当に評価される仕組みがレセプトなのです。皆様の頑張りが報酬の面でも、しっかり評価されるようにしたいですね。

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抗精神病薬使用は長期死亡リスクに悪影響なのか

 統合失調症患者は、他の精神疾患患者よりも死亡リスクが高い。これまでの研究では、抗精神病薬治療の長期死亡リスクとの関連については確定的ではなかった。オランダ・Academic Medical CenterのJ. Vermeulen氏らは、統合失調症患者の長期死亡率と抗精神病薬曝露との関連について、文献のシステマティックレビューとメタ解析を実施した。Psychological medicine誌オンライン版2017年4月11日号の報告。 いずれかの抗精神病薬を用いた統合失調症患者の長期死亡率を明らかにし、抗精神病薬を使用していない患者との比較を行った。また、累積曝露と死亡率との関連を調査し、死因を評価した。死亡率と抗精神病薬の使用に関して1年以上のフォローアップ期間を設けた研究を、EMBASE、MEDLINE、PsycINFOのデータベースよりシステマティックに検索した。主な結果は以下のとおり。・基準を満たした研究は、20件であった。・これらの研究では、患者数13万3,929例(82万1,347例年)のうち、2万3,353例の死亡が報告されていた。・死亡率は、研究ごとに大きく異なっていた。・4つの研究のサブグループにおけるメタ解析では、フォローアップ期間中に抗精神病薬を使用していない統合失調症患者で、長期死亡リスクの一貫した増加傾向が認められた。・抗精神病薬へのあらゆる曝露を支持する、プールされたリスク比は0.57(LL:0.46、UL:0.76、p<0.001)であった。・統計学的異質性が高かった(Q:39.31、I2:92.37%、p<0.001)。 著者らは「抗精神病薬を使用していない統合失調症患者の死亡リスク増加の理由は、さらなる研究が必要である。今後の検証研究では、抗精神病薬曝露の一定基準、死因の分類が必要とされる」としている。■関連記事 抗精神病薬は統合失調症患者の死亡率を上げているのか 抗精神病薬の高用量投与は悪か 統合失調症と気分障害の死亡率、高いのは

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尿pHで糖尿病発症を予測できるか~日本の大規模コホート

 これまでに2型糖尿病患者の低い尿pHとの関連が明らかになっているが、尿中pHと2型糖尿病の発症との関連は不明である。今回、京都府立医科大学の橋本 善隆氏らは、わが国における男性の大規模コホート研究で、低い尿pHが糖尿病の独立した予測因子となることを報告した。尿pHが簡単で実用的な糖尿病のマーカーである可能性が示唆された。Diabetes research and clinical practice誌オンライン版2017年5月9日号に掲載。 本研究は男性3,119人の5年間の観察研究である。参加者を尿pHで4群に分け、多変量ロジスティック回帰分析により、2型糖尿病発症の調整オッズ比(OR)および95%CIを算出した(年齢、BMI、喫煙、運動、飲酒、高血圧症、高トリグリセライド血症、LDLコレステロール値、空腹時血糖異常で調整)。 主な結果は以下のとおり。・追跡調査において113人が糖尿病と診断された。・糖尿病の発症率は、尿pHが最も低い群(尿pH=5.0)で6.9%(318人中22人)、2番目に低い群(尿pH=5.5)で3.4%(1,366人中46人)、3番目に低い群(尿pH=6.0)で3.5%(856人中30人)、最も高い群(尿pH≧6.5)で2.6%(579人中15人)であった。・尿中pHが最も低い群では、その他の群と比較して糖尿病発症リスクが高かった。2番目に低い群に対する多変量ORは1.91(95%CI:1.05~3.36、p=0.033)、3番目に低い群に対する多変量ORは1.99(95%CI:1.05~3.71、p=0.036)、最も高い群に対する多変量ORは2.69(95%CI:1.30~5.72、p=0.008)であった。

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