サイト内検索|page:1130

検索結果 合計:36567件 表示位置:22581 - 22600

22581.

011)国試会場での思い出【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第11回 国試会場での思い出しがない皮膚科勤務医デルぽんです☆今年から2日間になった医師国家試験。今年の傾向など詳しいことは把握していませんが、自分のときの(遠いおぼろげな)記憶を辿りつつ、今回は試験会場での思い出を漫画にしました!デルぽんは、県外からの遠征だったため、会場近くに宿をとっての受験となった訳ですが。ほんとうに消耗し、脳が溶け出るかと思われた、あの3日間!もはや過去すぎて細かいことは忘れましたが、思い出すのはしょうもないエピソードばかり・・・です。とくに、試験前夜に某バラエティ番組の収録会場を路上で見かけたことと、試験3日目の最終試験終了後に、後ろの席の男子が隣の女子をナンパしていたことが印象に残っています。(いずれも試験関係なし)男というものは、いかなる状況でもナンパを止めない生き物なのでしょうか・・・。念のために補足すると、デルぽんは「女医」ですよ。フフフ(よく勘違いされる)。国試の3日間しんどかったですけど、不思議と楽しかったような記憶にすり替えられつつある試験の思い出でした~!(専門医試験のほうがもっと暗黒でした☆)では、また次回! バーイ☆

22582.

アイザックス症候群〔Isaacs syndrome〕

1 疾患概要■ 概念・定義アイザックス症候群は、1961年にIsaacsが、後天性に全身の筋硬直と筋電図で持続する運動単位電位の自発放電を特徴とする2例を報告したのが最初である1)。その病態機序は末梢神経の過剰興奮であり、その病態は自己抗体による自己免疫性疾患である。症状が筋疾患であるミオトニア症候群に似ているが、病変部位が末梢神経であるため、後天性ニューロミオトニア(acquired neuromyotonia)とも呼ばれている2)。■ 疫学詳細な疫学の報告はない。海外では発症年齢の多くが40歳半ば、男女比は2:1で男性に多く、診断までに3~4年を要している2)。わが国での1次調査では、全国に100例前後の患者がいると思われる。■ 病因病態である末梢神経の過剰興奮を引き起こす病因は、末梢神経の電位依存性Kチャネル(VGKC)および、VGKCに関連する蛋白に対する自己抗体であることが明らかになっている1,3)。VGKCは、末梢神経の脱分極後に再分極を起こし、膜の興奮性を安定させるイオンチャネルであり、その障害で興奮性が増加して症状を引き起こす。末梢神経には血液神経関門があり、通常血中の自己抗体は軸索のVGKCにはアクセスできないが、末梢神経の神経根および最末梢の神経終末では血液神経関門が脆弱であり、このような部位が標的となっていると考えられる4,5)。以上のように、概念的にはランバート・イートン症候群などのように免疫介在性チャネロパチーの1つといえる。■ 症状臨床的には全身の末梢運動神経の過剰興奮により、広汎に有痛性筋けいれん・筋硬直と筋のぴくつき(fasciculation)や筋の波打つような不随意運動(myokymia)などを主徴とし、全例で認められる。また、ニューロミオトニア(繰り返す把握運動後の弛緩障害[grip myotonia]はあるが、叩打ミオトニア[percussion myotonia]がない)は、本症に比較的特異な症状で約1/3に認められる2,4)。筋けいれん、筋硬直は睡眠時も起こり、運動負荷、寒冷、虚血で増強する。持続性の筋けいれんは筋肥大を来すことがある。そのほか、発汗過多、下痢、皮膚色調の変化、原因不明の高体温などの自律神経症状を30~50%の症例で伴う4)。約半数の症例で異常感覚や複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome)に類似の疼痛などの感覚障害を伴うことがまれではなく、当初は筋けいれんに伴うものと考えられていたが、筋けいれんの発症前に感覚異常で発症する症例の報告もあり、現在は感覚異常とくに疼痛も重要な症状の1つと考えられている6)。そのほか、Hartら2)によると約1/4の症例で何らかの中枢神経症状を有している。末梢運動神経の症状である筋けいれん・筋硬直やニューロミオトニアと記銘力障害、不眠、睡眠障害、幻覚などの大脳辺縁系症状や多彩な自律神経症状を伴うMorvan症候群が知られていたが、この疾患でアイザックス症候群と共通の抗VGKC抗体がその原因であることが明らかになっている3)。■ 分類臨床的にニューロミオトニアを呈する疾患には、先天性と後天性があり、さらに後天性の原因にもさまざまなものがある7)。この中で自己抗体が関与する後天性かつ免疫介在性のニューロミオトニアには、全身性にみられるアイザックス症候群のほかに、主に下肢に限局するcramp-fasciculation syndrome、中枢神経症状を伴うMorvan症候群などがある。■ 予後自然寛解はまれであり、多くは症状が緩徐に進行し、全身の筋硬直、歩行困難などでADLが障害される。注意すべきは、本症は傍腫瘍性症候群の一面も持っており、胸腺腫や肺がんの合併が報告されている8)。しかし、これらの腫瘍の外科的切除による症状の改善は一定ではない。通常は後療法として、免疫療法や対症療法が必要な場合がある。一方、このような悪性腫瘍の合併が明らかではない場合も、4年後にがん病変が発見された症例の報告もあり、十分な経過観察が必要である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)診断は上記の特徴的な症状と、以下の検査所見でなされる。末梢神経の過剰興奮性の有無を診断するには、神経生理学的検査が必要である。針筋電図でmyokymic dischargesが特徴的であり、安静時や弱収縮時に同じ運動単位電位の反復発火(doublet、multiplet)としてみられる。発火頻度が高くなるとneuromyotonic dischargesがみられることもある1,4,7)。体幹などの深部筋では筋電図によるこれらの異常放電を捉えることは困難であるが、そのような場合には超音波検査で筋の不随意運動を観察して診断する。特異度の高い検査は血清中の抗VGKC関連抗体であり、臨床症状と本抗体が陽性であれば診断はほぼ確定する。当初VGKC自体に対する抗体そのものがアイザックス症候群の病因と考えられていたが、その陽性率は50%以下であった。その後の研究でVGKCはいくつかの分子と複合体を形成し、抗体が認識しているのはVGKC以外の分子が主であることが明らかとなった2)。これらの分子の中で最も頻度の高いものは、contactin-associated protein2(Caspr2)とleucine-rich glioma-inactivated protein1(Lgi1)である2,9)。Lgi1の発現は末梢では少ないので、アイザックス症候群ではCaspr2に対する抗体が主となる。しかし、これらの自己抗体の陽性率も必ずしも高くない。なお、抗VGKC抗体は低力価の場合は臨床症状との関連でその意味を考える必要がある。また、抗VGKC抗体は鹿児島大学神経病講座で測定しているが、Caspr2に対する抗体は、わが国ではルーチンに測定しているところはなく、診断には臨床症状と筋電図を用いることが多い。そのほかに自己免疫疾患としての側面から、重症筋無力症、胸腺腫、橋本病などさまざまな自己免疫疾患を合併する。とくに重症筋無力症との合併が多い。抗VGKC抗体以外の自己抗体として抗アセチルコリン受容体抗体(抗AChR抗体)、抗核抗体、抗GAD抗体の陽性率が高い。また、自己免疫疾患であるからには免疫療法で症状の改善をみることも重要であり、これらの点を考慮して次表のような診断基準が出されている。表 アイザックス症候群の診断基準A.主要症状・所見1.ニューロミオトニア(末梢神経由来のミオトニア現象で、臨床的には把握ミオトニアはあるが、叩打ミオトニアを認めないもの)、睡眠時も持続する四肢・躯幹の持続性筋けいれんまたは筋硬直(必須)2.myokymic discharges、neuromyotonic dischargesなど筋電図で末梢神経の過剰興奮を示す所見3.抗VGKC複合体抗体が陽性(72pM以上)4.ステロイド療法やそのほかの免疫療法、血漿交換などで症状の軽減が認められるB.支持症状・所見1.発汗過多2.四肢の痛み・異常感覚3.胸腺腫の存在4.皮膚色調の変化5.そのほかの自己抗体の存在(抗アセチルコリン受容体抗体、抗核抗体、抗甲状腺抗体)C.鑑別診断以下の疾患を鑑別するスティッフパーソン症候群や筋原性のミオトニア症候群、糖原病V型(McArdle病)などを筋電図で除外する<診断のカテゴリー>Definite:Aのうちすべてを満たし、Cの鑑別すべき疾患を除外したものProbable:Aのうち1に加えて、そのほか2項目以上を満たし、Cの鑑別すべき疾患を除外したものPossible:Aのうち1を満たし、Bのうち1項目以上<診断のポイント>自己免疫的機序で、末梢神経の過剰興奮による運動単位電位(MUP)の自動反復発火が起こり、持続性筋収縮に起因する筋けいれんや筋硬直が起こる。末梢神経起源なので叩打ミオトニアは生じないが、把握ミオトニア様にみえる手指の開排制限は起こりうる。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)アイザックス症候群の治療の主体は、日常生活にさほど影響がないほどの軽症であれば、末梢神経の過剰興奮性を抑制する薬剤(カルバマゼピン[商品名:テグレトール]、フェニトイン[同:アレビアチン、ヒダントール]、ラモトリギン[同:ラミクタール]、バルプロ酸ナトリウム[同:デパケン]、ガバペンチン[同:ガバペン]など)による対症療法が原則である。この中でAhmedら7)はカルバマゼピンを第1選択としている。症状が強くなるに従い、1種類の薬剤でのコントロールが困難なことが多く、血中濃度や副作用に注意しつつ、数種類の抗てんかん薬を用いることが多い。さらに症状が重篤であり、これらの対症療法が無効な症例、激しい有痛性筋けいれんなどにより日常生活に重大な支障が起こる症例では、血漿浄化療法、免疫グロブリン療法、プレドニゾロン(同:プレドニゾロン、プレドニン)などの免疫療法が試みられる。とくに抗体強陽性例では、免疫吸着療法を含む血漿浄化療法が有効であるとの報告が多く、治療で臨床症状の改善とともに筋電図上の異常放電の減少や抗VGKC抗体の抗体価の低下がみられる7)。経験的には血漿浄化療法の効果は重症筋無力症ほど急速にはみられず、1~2週間程経って徐々に効果がみられることが多く、十分な経過観察が必要である。免疫グロブリン大量療法には有効・無効の両者の報告がある。また、プレドニゾロン単独での効果は明らかではないが、メチルプレドニゾロン(同:メドロール)によるパルス療法が有効な場合もある。しかし、いずれの免疫療法を行った場合も、抗てんかん薬などの併用が必要である。4 今後の展望まずは、簡便で高感度な抗VGKC抗体およびその関連分子(Caspr2)に対する抗体の測定法の確立である。また、VGKC、Caspr2以外のVGKC関連蛋白などの抗原検索も必要である。治療としては、より簡便で副作用の少ない免疫療法の開発が必要であるが、症例数が少ないために有効な治療法の評価ができにくいことが問題である。5 主たる診療科神経内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)が2015年1月1日に施行された。これにより指定難病が一気に拡大され、アイザックス症候群も同年7月に指定された。現在では、重症例は医療費補助の対象となっている。診療、研究に関する情報難病情報センター アイザックス症候群(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)鹿児島大学神経病講座 抗VGKC複合体抗体の測定(医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報りんごの会(アイザックス症候群患者とその家族の会)1)Arimura K, et al. Muscle Nerve.2002;11:S55-58.2)Hart IK, et al. Brain.2002;125:1887-1895.3)Irani SR, et al. Brain.2010;133:2734-2748.4)Arimura K, et al. Brain Nerve.2010;62:401-410.5)Arimura K, et al. Clin Neurophysiol.2005;116:1835-1839.6)Klein CJ, et al. JAMA Neurol.2013;70:229-234.7)Ahmed A, et al. Muscle Nerve.2015;52:5-12.8)Tan KM, et al. Neurology.2008;70:1883-1890.9)Watanabe O. Brain Nerve.2013;65:401-411.公開履歴初回2018年02月27日

22583.

「1日でも長く生きたい…」ある乳がん患者の想い

第6回日本HBOCコンソーシアム学術総会 市民公開講座のシンポジウムにパネリストとして参加した塩崎 良子氏に乳がん治療に対する想いと今後について話を伺った。 まず家族歴などの背景と乳がん診断までのプロセスについて教えてください。親族の中で乳がんになったのは祖母だけですが、それ以外の親族も40代でがんを発症するケースが多く、いわゆる「がん家系」であると漠然と思っていました。ただ、遺伝子についてとくに意識したことはなく、食生活など生活習慣に原因があるのかなと思っていました。私自身が乳がんの診断を受けたのは4年前、33歳の時です。リンパ節にも転移が認められ、サブタイプ分類はトリプルネガティブでした。その後どのような診療プロセスを経ましたか?2種類の抗がん剤治療を行いましたが、2つ目の抗がん剤の効果が不十分だったため、化学療法を中止し、右胸の全摘手術を行いました。そこで、いったん治療は終了し、経過観察となりましたが、無治療の状態に不安を感じ、1日でも長く生きるために何かできることはないかと自分で治験情報を探していました。その中でPARP阻害薬の情報を見つけ、主治医に依頼して治験を実施している聖路加国際病院への紹介状を書いてもらいました。治験に参加するために遺伝子検査を行ったところ、検査結果はBRCA遺伝子変異陰性だったので、治験には参加できず、放射線治療を行った後、再び経過観察となりました。遺伝子検査の結果を聞いてどのように思いましたか?その時は何か治療をしたいという気持ちだったので、治験に参加できないことにがっかりしました。乳がん診断当時は、乱れた生活習慣のせいではないかと自分を責めたこともあり、がんの原因が遺伝子にあるのなら自分を責める気持ちも軽くなったのにと考えたこともあります。もしかすると、BRCA遺伝子以外の変異があるのかもしれません。ただ、改めて考えてみるとBRCA遺伝子変異陽性でも陰性でも良いことも悪いこともあり、どちらの場合もできることをやるだけだと思い直しました。現在はどのような生活を送られていますか?今は経過観察中ですが、骨が痛むと骨転移を、記憶力の低下を感じると脳転移を疑うなど、転移に対する不安は常にあります。ただ、時間が経つにつれて徐々に不安との付き合い方がわかってきました。また、治験への参加を希望していたPARP阻害薬オラパリブが卵巣がんに対して承認を取得したことはとても前向きなニュースで、未来への希望を与えてくれました。現在は、自ら立ち上げたケア・介護用品事業を軌道に乗せるために忙しい日々を送っています。どのような経緯で事業を立ち上げられたのでしょうか?もともとおしゃれが大好きで、がんになる前はアパレル業を営んでいました。がん発症後は、自分を取り巻く環境や外見の変化に戸惑い、ときには将来への不安や死への恐怖に襲われ、自分自身についても見つめなおす日々が続きました。そんな中、主治医から、乳がん患者が登壇するファッションショー開催の勧めがありました。ショー開催にあたっては色々な不安がありましたが、ランウェイで堂々と歩くがん患者の女性たちの姿に、表面的ではない真の美しさを見た気がしました。そこから「自分が本当にやりたいことは何か?」を模索する中で、既存のケア・介護用品は、ワンパターンでいかにも病人といったデザインが多いことに気付きました。闘病中でも自分らしく輝いて生きていくためのお手伝いをしたいと考え、おしゃれなケア・介護用品ファッションブランド「KISS MY LIFE」を立ち上げました。また病院内でも買い物を楽しむ事ができ、コミュニティーの場所にもなる、院内店舗やワゴンショップの運営事業もあわせて行っています。最後にHBOCを診療する先生へメッセージをお願いします。治療中の患者にとって、主治医はとても大きな存在のため、治験のために転院したいと申し出ることはとても勇気が必要でした。お世話になっている先生の元から自ら離れることは寂しく、葛藤もありました。やりとりを重ね、最終的には転院をすることになりましたが、そのハードルが下がるといいなという気持ちがあります。また、病院の外来はいつもとても混んでいて、多くの患者さんが順番を待っている中で聞きたいことをなかなか聞けなかった経験があるので、気軽に質問したり、不安なことを相談できるような窓口があるといいなと思います。【インタビューを終えて】朗らかで柔らかい雰囲気を持つ塩崎さんだが、言葉の端々に「1日でも長く生きるためにできることは何でもする」という命への強い思いを感じた。機能性が重視されがちな闘病生活に、輝きや美しさといった新しい概念を持ち込んだのは、アパレル業と闘病生活の両方を経験した塩崎さんならではの視点によるものである。今回のインタビューを通じて、自分の強みを生かしてほかの人の役に立ちたいと行動する塩崎さんの前向きな姿勢に勇気づけられた。■参考リンクTOKIMEKU JAPAN

22585.

てんかん患者の傷害・事故リスクに関するコホート研究

 てんかんの診断を新規に受けた患者における、合併症関連の傷害・事故リスクについて、スウェーデン・カロリンスカ研究所のBenno Mahler氏らが検討を行った。Neurology誌オンライン版2018年1月31日号の報告。 対象はストックホルム北部のてんかん患者で、2001年9月~2008年8月に非誘発性発作を起こした2,130例。すべてのてんかん患者につき、集水域の人口から性別および包含年に一致した8個体をランダムに抽出し、対照群(16,992例)とした。傷害・事故の発生は、スウェーデン患者レジストリおよび死亡原因レジストリの2013年12月までのデータより収集した。また、これらのレジストリから、併存疾患(脳腫瘍、脳卒中、精神医学的疾患、糖尿病など)に関する情報も収集した。 主な結果は以下のとおり。・傷害・事故は、てんかん患者1,033例、対照群6,202例において認められた(HR:1.71、95%CI:1.60~1.83)。・てんかんの診断から最初の2年間におけるリスクが高かった。・性別および教育状況は、ハザード比に有意な影響を及ぼさなかった。・そのリスクは、小児では正常であったが、成人では増加した。・溺水、中毒、服薬による有害事象、重篤な外傷性脳損傷で、ハザード比が最も高かった。・併存疾患のない対照群と比較したハザード比は、併存疾患のないてんかん患者1.17(95%CI:1.07~1.28)、併存疾患のある対照群4.52(95%CI:4.18~4.88)、併存疾患のあるてんかん患者7.15(95%CI:6.49~7.87)であった。 著者らは「新規てんかん患者において、傷害・事故リスクに関するカウンセリングを行う際には、併存疾患の有無を考慮する必要がある。てんかん診断から最初の2年間のリスクが最も高いため、早期の情報提供が重要である」としている。■関連記事てんかんドライバーの事故率は本当に高いのか寛解後、抗てんかん薬はすぐに中止すべきかADHDの小児および青年における意図しない怪我のリスクとADHD薬の影響

22586.

第1回稲門医学会学術集会を開催

 2018年1月28日、早稲田大学校友の医療者で組織する稲門医師会が新たに立ち上げた稲門医学会*は、早稲田大学で初めての学術集会を開催した。当日は、全国より医療関係者が多数参集。基礎医学、臨床医学、社会医学など幅広い分野にわたり、シンポジウムや口演が開催された。*稲門医師会は2016年に設立された早稲田大学公認の校友会。早稲田大学校友(中退含む)で、医師・歯科医師・看護師・薬剤師のいずれかの資格者と学生で構成(2017年7月現在で会員数345名)。会員同士の親睦・交流に留まらず、医療に関する社会への情報発信、健康分野における研究・教育面で大学との連携、地域稲門会・学生・校友との連携など、さまざまな観点からの活動の展開を目標としている。次代の医師に必要な力とは? 学術集会では3題の基調講演が行われ、初めに「これからの医師に求められること(日本・アジアでの在宅医療・遠隔医療・ICTシステムの開発の経験から)」をテーマに武藤 真祐氏(鉄祐会 祐ホームクリニック理事長 )が、医師が今後おかれる環境について語った。 武藤氏は、循環器内科の臨床家としての顔だけでなく、過去に医療系コンサルタントとして活躍した経歴を持つ臨床医である。2010年より在宅医療を提供するクリニックを運営し、東日本大震災の直後には、甚大な被害のあった石巻の医療の空白を埋めるべく、祐ホームクリニック 石巻を立ち上げ、医療・生活支援を現在も行っている。 こうした在宅診療所の成功の裏には、医師が診療に集中できるための仕組み作りが欠かせないと語る。たとえば、ICTを活用したハードウェアの導入、メディカルクラークによる医師負担の軽減がある。そして、在宅医療を行って感じた課題として、「医療へのアクセス」「患者の理解度のばらつき」「患者のアドヒアランス」があると指摘。これらを解決する手段としてICTの活用は欠かせないと提案した。また、今後、本格的に導入されると思われる医師と患者の遠隔診療について「YaDoc」を開発し、現在、福岡で従来の対面診療の補完として試行をしていると紹介。今後こうしたシステムが、日本型の地域包括ケアの一形態となり、患者を見守る仕組みとして普及していくと展望を述べた。 武藤氏は最後に、「医師が、今後増え続ける膨大な医療情報を覚え理解することは不可能に近い。そこで、これからの医師には『人間力が必要だ』」と語る。「たとえば、『患者に寄り添う力』は人工知能(AI)にはできないことであり、次代の医師にはこうした力をつけて欲しい」と述べ、講演を終えた。2035年の日本の医療の姿 次に「医療の将来と医師の働き方」をテーマに渋谷 健司氏(東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教授)が、2015年に厚生労働省が発表した「保健医療2035」を題材に、医療のこれからの在り方と医師の働き方改革への提言を行った。 高齢化が進む日本で、高齢者の平均寿命の延びに伴い、健康寿命の延伸も政府の目標となっているが、国内では地域により寿命格差がすでに生じていると指摘する。こうした環境の中で、保健や医療は患者個々の要求に合わせる時代へと入り、今までのトップダウン型からボトムアップ型への体制変革が求められていると、新しい保健医療制度の必要性を強調した。 そして、新しい制度の概念として、医療経済では規制の強化と市場原理の導入という相反する考え方のバランスを考慮すること、健康が当たり前の社会となるように予防医学などにも力を入れることなど具体策を提案した。 また、医師の働き方については、現在の行政の問題設定に苦言を呈し、「まず実態を把握し、それに基づいた問題設定をしないと解決は難しく、医師不足だから増員や強制配置では解決にならない」と渋谷氏は指摘した。たとえば医師の偏在であれば、「各地域で必要とされる機能を確認し、配置を考えないといけない」と提案を行い、講演を終えた。かかりつけ医が患者を支える地域医療へ向けて 最後に「地域医療体制の再構築に向けて」をテーマに横倉 義武氏(日本医師会会長、世界医師会会長)が、医師会の役割と今後の展望、そして地域医療の将来を語った。 医師会は学術団体であり、会員は常に倫理・品性の確立と医療知識の習得、技術の向上を図っている。地域の医師会では、行政協力も盛んであり、まさに住民の健康を支えていると医師会の役割について述べた。また、世界医師会は、患者や医師にとって重要なステートメントである「リスボン宣言(患者の権利)」や「ヘルシンキ宣言(医の倫理)」などを発し、世界の医療の向上に貢献をしていると説明した。 次いで、今後の地域医療について解説し、高齢化社会の現在、持続可能な社会保障のための提言と解決策として、外来では「かかりつけ医」を主体に適切な受診行動や地域包括ケアができること、コスト意識を持った処方をガイドラインへの掲載を通じて行うこと、長期処方の是正はかかりつけ医の服薬管理で行うことなどの提案を行った。また、高齢化社会における医療提供体制の構築については、地域医療構想調整会議を経て計画・調整されつつあり、2025年の医療需要に焦点をあて策定されると説明した。そのほか、切れ目のない医療・介護の提供のため、かかりつけ医を中心とした仕組み作りを推進。地域の医療・介護資源に応じた対応を、行政、専門医療機関、多職種間の連携により実施していきたいと展望を語った。 横倉氏は最後に、「より良い医療を国民と医師とで考えながら、今後も医療全体の向上に寄与していきたい。また、昨年、医師会の設立記念日の11月1日を『いい医療の日』と制定した。今後もいい医療の提供にまい進していきたい」と語り、講演を終えた。■参考稲門医学会

22587.

非転移性去勢抵抗性前立腺がん、アパルタミドがMFS延長/NEJM

 アンドロゲン受容体の競合的阻害薬apalutamideは、高リスクの非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者の転移および死亡のリスクを改善し、無転移生存期間(MFS)を延長することが、米国・マサチューセッツ総合病院がんセンターのMatthew R. Smith氏らが行ったSPARTAN試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年2月8日号に掲載された。apalutamideは、開発中の非ステロイド性抗アンドロゲン薬で、病勢進行リスクの高い非転移性去勢抵抗性前立腺がんの第II相試験において、良好な前立腺特異抗原(PSA)奏効期間が報告されている。アンドロゲン遮断療法との併用の効果をプラセボと比較 SPARTAN試験は、高リスクの非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者の治療における、apalutamideの有用性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化第III相比較試験である(Janssen Research and Development社の助成による)。 対象は、年齢18歳以上で、転移のリスクが高い去勢抵抗性前立腺がんの男性患者であった。持続的アンドロゲン遮断療法(両側除睾術またはGnRHアゴニスト/GnRHアンタゴニストによる治療)を施行中のPSA倍加時間が10ヵ月以内の場合に、転移リスクが高いと定義した。 被験者は、apalutamide(240mg/日)またはプラセボを経口投与する群に、2対1の割合でランダムに割り付けられた。治療は、プロトコールで規定された病勢進行、有害事象、同意撤回が発生するまで行った。全例が、アンドロゲン遮断療法を継続した。 主要エンドポイントは、MFS(ランダム割り付け時から画像上での遠隔転移の初回検出または死亡までの期間)とした。 2013年10月14日~2016年12月15日の期間に、日本を含む26ヵ国332施設に1,207例が登録され、apalutamide群に806例、プラセボ群には401例が割り付けられた。全体のフォローアップ期間中央値は20.3ヵ月であった。転移・死亡のリスクが72%低下、MFSは2年以上延長 ベースラインの年齢中央値は、apalutamide群が74歳(範囲:48~94)、プラセボ群も74歳(52~97)であり、初回診断から割り付けまでの期間中央値はそれぞれ7.95年、7.85年、PSA倍加時間中央値は4.40ヵ月、4.50ヵ月であった。 MFS中央値はapalutamide群が40.5ヵ月と、プラセボ群の16.2ヵ月に比べ有意に延長した(ハザード比[HR]:0.28、95%信頼区間[CI]:0.23~0.35、p<0.001)。事前に規定されたサブグループのすべてで、MFS中央値はapalutamide群のほうが良好だった。 副次エンドポイントのうち、転移までの期間中央値(40.5 vs.16.6ヵ月、HR:0.27、95%CI:0.22~0.34、p<0.001)、無増悪生存期間中央値(40.5 vs.14.7、0.29、0.24~0.36、<0.001)、症状が進行するまでの期間中央値(未到達vs.未到達、0.45、0.32~0.63、<0.001)は、いずれもapalutamide群が有意に優れた。全生存期間中央値(未到達vs.39.0ヵ月、HR:0.70、95%CI:0.47~1.04、p=0.07)には有意な差はなかった。 探索的エンドポイントでは、2次無増悪生存期間中央値(未到達vs.39.0ヵ月、HR:0.49、95%CI:0.36~0.66)と、PSA増悪までの期間中央値(未到達vs.3.7ヵ月、0.06、0.05~0.08)が、apalutamide群で有意に良好だった。 有害事象により治療が中止された患者の割合は、apalutamide群が10.6%、プラセボ群は7.0%であり、重篤な有害事象の発現率はそれぞれ24.8%、23.1%であった。apalutamide群で頻度の高い有害事象として、皮疹(23.8% vs.5.5%)、甲状腺機能低下症(8.1% vs.2.0%)、骨折(11.7% vs.6.5%)が認められた。 著者は、「副次および探索的エンドポイントの一貫した改善は、主要エンドポイントの知見の正確性を裏付けるものである」としている。

22588.

第6回HBOCコンソーシアム学術総会レポート 後編

本年(2018年)1月21日(日)、第6回日本HBOCコンソーシアム学術総会(会長:山内 英子氏/聖路加国際病院副院長)が、「実戦! THE NEXT STEP HBOC診療」をテーマに、聖路加国際大学で開催された。今回は、後編として、シンポジウム2「リスク低減手術」、同3「サーベイランス」、同4「前立腺がん」の概要を紹介する。リスク低減手術…RRSOとRRMリスク低減卵巣卵管切除術(RRSO)について野村 秀高氏(がん研究会有明病院)、塩田 恭子氏(聖路加国際病院)が、リスク低減乳房切除術(RRM)については山内 清明氏(北野病院)、吉田 敦氏(聖路加国際病院)が、それぞれ発表した。野村氏は、自施設にてRRSOを施行した55例を報告した。同氏によると、オカルトがんおよびSTIC(漿液性卵管上皮内がん)はMRIを含む術前検査でも指摘できず、p53シグネチャーを含めて病理学的に異常を認めた症例はすべて50歳以上であり、無症状の進行卵巣がんも経験したという。塩田氏は、BRCA1/2変異保因者の卵巣がんの発症リスクおよびRRSOのベネフィットとリスクについて概説し、卵巣がんのリスク低減エビデンスが確立しているのはRRSOのみだが、RRSO後の腹膜がんの増加などの問題があるため、術後のフォローアップが必要だと述べた。山内氏は、より高い整容性とより少ない残存乳腺組織量を目指したRRMの解剖学的な至適切除範囲を考察した。また、HBOC診療のnext stepとして、薬物、ゲノム改編治療の可能性について期待を示し、臨床試験やさらなる技術革新の必要性を強調した。吉田氏からは、BRCA遺伝子変異陽性例へのRRMの施行状況が紹介され、整容、残存リスク、患者の意思決定などの問題点が提示された。そして、患者自身による選択を導き出すためには、患者の理解力や経済的な状況なども考慮し、十分なコミュニケーションをとることが重要であると言及した。サーベイランス…乳房MRI、卵巣がん、Li-Fraumeni症候群HBOCやほかの遺伝性腫瘍のサーベイランスについて、戸崎 光宏氏(相良病院附属ブレストセンター)、秋谷 文氏(聖路加国際病院)、舩戸 道徳氏(長良医療センター)らが発表し、討論がなされた。その中で、課題として、NCCNガイドラインで推奨されているMRIによるサーベイランスがあまり知られていないこと、それを実施できる施設・人材が限られていること、経済的負担、患者・家族の精神的な負担などが挙げられた。前立腺がん…HBOCとの関連従来、前立腺がんとBRCA遺伝子に関連はないとされてきたが、最近になって、その関連を示唆するデータが報告され注目を集めている。この点に関し、前立腺がん専門医の立場からみたHBOCについて、新保 正貴氏(聖路加国際病院)と大家 基嗣氏(慶應義塾大学)が発表した。新保氏は、家族歴および原因遺伝子からみたHBOCと前立腺がんの関連について概説した。現在のところ、HBOCと強く関連する前立腺がんの頻度は、前立腺がん全体の中ではおそらく1%程度ではないかと予想されるが、実際にBRCA1/2遺伝子変異例も見つかるため、HBOCと診断された家族へは前立腺がんの注意喚起をすべきだとした。また、同氏は、「今後は、前立腺がんを発端としてHBOCの可能性を疑っていくというアプローチも必要かもしれない」と述べた。大家氏は『遺伝性乳卵巣症候群(HBOC)診療の手引き2017年版』への執筆を依頼された時、初めてHBOCに注目したという。BRCA1/2遺伝子変異保因者は、通常より若い40歳でのPSA検査と、より低いPSA値(3.0ng/mL以上)での生検が推奨される。BRCA1/2変異を原因とした前立腺がん発症は、人種差が大きく罹患率と死亡率を一般化することが難しいため、全国的な調査が必要だという。また、BRCA1/2遺伝子変異陽性の転移性前立腺がんでは、今後、PARP阻害薬(未承認)が有効となる可能性がある。コメント…医師の視点から(ケアネットCMO 宮本 研)HBOCは乳腺外科や婦人科の疾患と考えがちであるが、今回の学術総会を聴講し、泌尿器科や消化器内科・外科、小児科も連携すべき遺伝性疾患と再認識した。患者のみならず親族のBRCA1/2遺伝子変異が確認されたり、疑われたとき、かかりつけ医も最新の知識に基づき発症予防策を提案すべきだ。世代を超えた家族歴の聴取が改めて重要視されるだろう。

22589.

高齢者に不向きな抗うつ薬の使用とその後の認知症リスクとの関連

 効果に比べ有害事象のリスクが高い薬剤は高齢者に向いているといえず、これらの薬剤はPIM(Potentially Inappropriate Medication)と呼ばれている。一部の抗うつ薬はPIMであると考えられるが、抗うつ薬とその後の認知症との関連については、これまでの研究で明らかになっていない。ドイツ・ボン大学のKathrin Heser氏らは、抗うつ薬(とくにPriscusリスト[ドイツ版のビアーズリスト]でPIMとみなされている抗うつ薬)の服用が、認知症発症を予測するかについて検討を行った。Journal of affective disorders誌2018年1月15日号の報告。 非認知症のプライマリケア患者3,239例(平均年齢:79.62歳)におけるプロスペクティブコホート研究のデータを用いて、Cox比例ハザードモデルの計算を行った。12年間で8回以上のフォローアップにおけるその後の認知症リスクは、抗うつ薬服用および共変量に応じて推定した。 主な結果は以下のとおり。・抗うつ薬服用は、その後の認知症リスク増加と関連が認められた(HR:1.53、95%CI:1.16~2.02、p=0.003[年齢、性別、教育で調整後])。・年齢、性別、教育、うつ症状で調整したモデルにおいて、PIMとみなされている抗うつ薬は、その後の認知症リスク増加と関連が認められた(HR:1.49、95%CI:1.06~2.10、p=0.021)。一方、その他の抗うつ薬は、関連が認められなかった(HR:1.04、95%CI:0.66~1.66、p=0.863)。・ベースライン時に全体的な認知機能がコントロールされた場合、有意な関連は消失した。 著者らは「選択バイアスや自己報告による薬物評価など、方法論的な限界が本結果に影響を及ぼした可能性がある」としながらも、「PIMとみなされる抗うつ薬だけが、その後の認知症リスク増加と関連していた。これは、抗コリン作用が、原因の可能性がある。そして、この関連は、ベースライン時の全体的な認知機能を統計学的にコントロールした後に消失した。そのため、医師は可能な限り、高齢者へのPIMとみなされる抗うつ薬使用を避けるべきである」としている。■関連記事注意が必要、高齢者への抗コリン作用抗コリン薬は高齢者の認知機能に悪影響うつ薬の適応外処方、普及率はどの程度

22590.

主要医学雑誌の論文、データの入手可能性と再現性は/BMJ

 医学雑誌編集者国際委員会(ICMJE)は、投稿論文にデータ共有計画の記載を求めており、医学ジャーナルのBMJとPLOS Medicineは、ランダム化対照比較試験(RCT)の出版の条件として、データ共有を明確に求める強固な指針を示している。米国・スタンフォード大学のFlorian Naudet氏らは、これら2つのジャーナルに掲載されたRCT論文を調査し、データの入手可能性は十分とはいえないが、データの共有が可能であった場合は、再解析のほとんどで、元論文の結果がほぼ再現されたと報告した。研究の成果は、BMJ誌2018年2月13日号に掲載された。データ入手可能性と解析の再現性、問題点を検討 研究グループは、全データ共有指針を有する医学ジャーナルに掲載されたRCT論文により、データ共有の有効性を評価し、主要アウトカムの再解析の実施過程で直面する可能性のある問題点の記述を目的とする調査を行った(研究助成は受けていない)。 医学データベース(PubMed、Medline)を検索して、データ共有指針を採択後のBMJおよびPLOS Medicineに掲載されたRCT論文を選出した。 主要アウトカムはデータの入手可能性とし、「当該RCTの主要アウトカムの再解析に、十分な情報を提供するデータの最終的な受領」と定義した。また、再現性を評価するために主要アウトカムの再解析を行い、問題点を記述した。 2013~16年に発表されたRCT論文37編(BMJ:21編、PLOS Medicine:16編)が適格基準を満たした。データ共有率46%、十分ではないが他に比べ良好 全37編のサンプルサイズ中央値は432例(IQR:213~1,070)であった。26編(70%)は企業の助成を受けておらず、25編(67%)は欧州の研究チームの論文で、12編(33%)が感染症関連論文であり、20編(54%)が薬物療法、9編(24%)が複合的介入(精神療法プログラム)、8編(22%)はデバイスの評価を行うRCTの論文であった。 37編中17編(46%、95%信頼区間[CI]:30~62)がデータ入手可能性の定義を満たし、このうち14編(82%、95%CI:59~94)は再解析で主要アウトカムが完全に再現された。再現性が不完全だった3編のうち、1編は「方法」の情報が不十分で、2編はエラーがみつかったものの再解析の結論は元論文とほぼ同様であった。 再解析の過程でみられた問題点としては、「元論文の著者との連絡が困難」「元論文の著者がデータセットを提供する際の時間と財源の欠落」「研究グループ間でデータ共有の方式が大きく異なる」などが挙げられた。 著者は、「2つのジャーナルのデータ入手可能性は十分ではないが、46%というデータ共有率は他の生物医学文献に比べ良好であった」とし、「意味のあるデータの再解析や再利用を可能とするには、データ共有の方式をもっと受け入れやすく、合理的なものにする必要がある」と指摘している。

22591.

ジカウイルスワクチン、初期結果は有望/Lancet

 ジカウイルス感染の予防では、安全かつ有効で、急速な感染拡大にも対応できるワクチンが求められている。米国・ウォルター・リード陸軍研究所(WRAIR)のKayvon Modjarrad氏らは、精製ホルマリン不活化ジカウイルスワクチン(ZPIV)候補の開発を進めており、今回、第I相試験の初期結果をLancet誌2018年2月10日号で報告した。健常成人で安全性を評価 研究グループは、ヒトを対象に、アジュバント(水酸化アルミニウム)添加ZPIVに関する二重盲検プラセボ対照第I相試験を3施設で実施し、統合解析を行った。本試験は米国陸軍省、国防総省、国立アレルギー・感染症研究所の助成を受け、これらの資金提供者は試験のデザインと運営、データの収集、解析、解釈および論文の執筆に関与した。 試験は、WRAIR、セントルイス大学(SLU)、ベス・イスラエル・ディコネス医療センター(BIDMC)で行われた。対象は18~49歳の健常成人で、ZPIV(5μg)またはプラセボ(生食)を投与する群に、WRAIRでは4対1、SLUとBIDMCでは5対1の割合でランダムに割り付けられ、試験1日目および29日目に接種(筋肉注射)された。 主要評価項目はZPIVの安全性および免疫原性とし、57日までに発現した有害事象およびジカウイルス・エンベロープのマイクロ中和抗体価を評価した。良好な忍容性と免疫原性を確認 2016年11月7日~2017年1月25日の期間に、3施設で68例が登録され、67例(ZPIV群:55例、対照群:12例)が実際に投与を受けた。年齢は平均31.5歳(SD 8.9)、中央値29歳(範囲:18~49)で、35例(52%)が男性であった。 ワクチン関連の有害事象のほとんどが軽度~中等度であった。とくに注目すべき神経学的または神経炎症性の有害事象や、ワクチン関連の重篤な有害事象、試験中止を誘導する他の有害事象は認めなかった。 56例(84%)で、1つ以上の有害事象が発現した。最も頻度の高い局所有害事象は接種部位の疼痛(40例、60%)および圧痛(32例、47%)であり、全身反応原性有害事象は疲労(29例、43%)、頭痛(26例、39%)、不快感(15例、22%)であった。 57日までに、ZPIV群の52例中48例(92%)で抗体価が陽転した(マイクロ中和抗体価≧1:10)。陽転の閾値をマイクロ中和抗体価≧1:100とすると、40例(77%)に陽転が認められた。幾何平均抗体価(GMT)のピーク値は43日目にみられた。 著者は、「ZPIVは、健常成人において良好な忍容性と免疫原性を示した」とまとめ、「これらの結果と既存の知見を合わせると、不活化というプラットフォームは、ワクチン開発の進展に寄与する候補であると示唆される」としている。

22592.

新規抗インフルエンザ薬ゾフルーザ、承認取得

 塩野義製薬株式会社が創製した新規抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ錠10mg・20mg」(一般名:バロキサビル マルボキシル、開発コード:S-033188)が、2月23日付で「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症」の適応で承認された。 ゾフルーザはキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬で、既存の薬剤とは異なる新しい作用機序でインフルエンザウイルスの増殖を抑制する。2015年10月に厚生労働省より先駆け審査指定制度の対象品目に指定され、2017年10月25日に製造販売承認を申請していた。薬価基準収載後早期に発売予定。 ゾフルーザによる治療は、1回の錠剤服用で完結するため、利便性が高く、良好なアドヒアランスが期待でき、インフルエンザ患者のQOL向上に貢献することが期待される。■参考塩野義製薬株式会社ニュースリリース

22594.

第6回HBOCコンソーシアム学術総会レポート 前編

本年(2018年)1月21日(日)、第6回日本HBOCコンソーシアム学術総会(会長:山内 英子氏/聖路加国際病院副院長)が、「実戦! THE NEXT STEP HBOC診療」をテーマに、聖路加看護大学アリスホールで開催された。ここでは、4つのシンポジウムで構成された当総会を2回に分けてレポートする。今回は、前編として、シンポジウム1「チーム医療」の概要を紹介する。HBOCのチーム医療の現況…6施設の報告から当シンポジウムでは、6施設が、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)のチーム医療の現況を報告した。引き続き、来場者参加型の投票システムを用いて、HBOC診療に関する質問への回答を即座に集計してスクリーンに掲示することで、HBOC診療の現状を広く共有し、議論を深める試みがなされた。最初に報告を行った関西ろうさい病院(兵庫県尼崎市)では、臨床遺伝専門医、遺伝カウンセラー、各種専門看護師を中心とした遺伝カウンセリング外来を設置して遺伝性腫瘍の診療を行っている。また、乳腺科や婦人科などとの連携を常に意識して診療に当たっている。臨床試験に頼らずにHBOCの拾い上げを行うことが今後の課題であり、日本遺伝性乳卵巣総合診療制度機構(JOHBOC)の基幹施設になることが目標だという。東京医療センター(東京都目黒区)では、HBOC診療において、乳腺科・婦人科との連携から、臨床遺伝センターでの遺伝カウンセリング、遺伝学的検査、各科のサーベイランス、予防切除術まで、一貫して行える体制を整備してきた。HBOC疑い例の拾い上げには、問診票を用いているが、かかりつけ医からの紹介なども重要だという。そのため、かかりつけ医を対象とする講演会を実施し、リーフレットを作製して保健所や福祉センター、区役所に送付するなど、地域連携を積極的に進めている。北野病院(大阪府大阪市)では、遺伝性疾患サポートチームを中心に、複数の診療科などが連携している。HBOC疑い例の拾い上げを重視し、乳腺外科では初診患者に対し初診問診票を用いて、婦人科では卵巣がんと診断された患者に対し遺伝性腫瘍に特化した問診票を用いて家族歴を聴取している。最近、消化器内科と乳腺外科との連携による、膵がんへの取り組みも開始した。また、地域の他施設医療者への遺伝性腫瘍セミナーや、市民公開講座を開催し、院外からの遺伝カウンセリングや、リスク低減手術の依頼にも応じている。今後は、HBOC診療に関わる診療科を増やすとともに、人材育成、保険診療の実現に向けた学会からの働きかけを推進する予定だという。名古屋市立大学病院(愛知県名古屋市)では、臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラーから成る臨床遺伝医療部が、他科との連携のもとで遺伝性腫瘍の遺伝カウンセリングを行っている。今後は、消化器内科、外科、泌尿器科との連携を強化し、認定遺伝カウンセラーの雇用条件の改善と増員、遺伝子パネル検査の導入を進める予定だ。新潟大学医歯学総合病院(新潟県新潟市)は、新潟県立がんセンター新潟病院(新潟県新潟市)との共同でHBOC niigata meetingを組織した。両施設の連携のもと、症例の拾い上げからカウンセリング、BRCA遺伝子検査、リスク低減手術、サーベイランスまで、包括的なHBOC診療の取り組みを開始している。当面の課題として、県内のほかの地域の施設との連携強化、リスク低減手術を含めたHBOC診療の県内での完結、とくに乳がんからの拾い上げ基準の確立などを目指している。四国がんセンター(愛媛県松山市)では、遺伝性がん診療科を中心にHBOC診療を進めている。最近、看護師や遺伝カウンセラーが、卵巣がん患者、子宮体がん患者から家族歴を聴取し、家系図の作成に取り組んだ。この経験を踏まえ、HBOCを考慮した問診票を作成し、家系図の作成に活用する試みを開始している。今後は、このアプローチをよりよく継続するための工夫を重ね、HBOC診療に関わる多職種の連携の円滑化を図りたいという。来場者参加型アンケート調査の結果来場者参加型の投票システムを用いたアンケート調査の主な結果は、以下のとおりであった。同一施設所属者が複数いること、HBOC診療に興味を示す者であること、誤操作した可能性などがあり、一般調査結果とは異なると予想されるが、参考値として紹介する。質問1)拾い上げの基準はどのように設定しているか?NCCNガイドラインに準拠:18%NCCNガイドラインを参考に一部改変して使用:40%NCCNガイドライン以外の基準を参考にしている:3%施設内で検討した基準を使用:14%検討中:24%質問2)一次拾い上げをする人は主に誰か?主治医:62%臨床遺伝専門医:1%外来看護師:12%病棟看護師:2%認定遺伝カウンセラー:16%その他:6%質問3)主治医がどのくらい遺伝カウンセリングに関わっているか?主治医が遺伝カウンセリングをしている:18%主治医はまったく関わっていない:36%状況に応じて:46%質問4)RRM(リスク低減乳房切除術)は実施しているか?実施している:29%実施していない:25%準備中:28%導入する予定はない:8%その他:10%質問5)RRSO(リスク低減卵巣卵管切除術)は実施しているか?実施している:48%実施していない:17%準備中:19%導入する予定はない:6%その他:9%質問6)リスク低減手術の合併症の治療は保険か自費か?保険:14%自費:29%症例に応じて:12%準備中:45%

22595.

パニック症への薬物治療のリスクとベネフィット

 パニック症は、効果的に治療することができる不安症である。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やベンゾジアゼピンは、パニック症に最も汎用される薬剤の1つである。ブラジル・リオデジャネイロ連邦大学のLaiana A. Quagliato氏らは、これら2つの治療薬の有効性、有害事象、限界に関する、現在のエビデンスについて検討を行った。Expert opinion on drug safety誌オンライン版2018年1月22日号の報告。 パニック症治療におけるSSRI、ベンゾジアゼピンに関するオープンラベルまたはプラセボ対照試験を、MEDLINE、PubMed、Web of Scienceのデータベースを用いて、検索を行った。 主な専門家の意見は以下のとおり。・文献検索により、このテーマに関する4,957件の論文が抽出された。このうち、24件をレビューに含んだ。・SSRIは、パニック症に有効であるにもかかわらず、治療効果の発現に数週間の遅延を伴い、治療の初期においては不安症状やパニック症状を悪化させる可能性がある。・ベンゾジアゼピンは、急速な作用を示すが、耐性や依存を引き起こす可能性がある。・パニック症治療においてSSRIとベンゾジアゼピンの有効性は、強いエビデンスで証明されているにもかかわらず、これら2つの治療薬を突き合わせて比較した研究はほとんど行われていない。 著者らは「パニック症の薬理学的治療に関する今後の研究は、各群のリスク、ベネフィット、限界を、直接比較すべきである。これは、パニック症に対するエビデンスベースの薬物治療の改善に役立つ可能性がある」としている。■関連記事パニック症に対し第2世代抗精神病薬は有用かパニック障害 + うつ病、副作用と治療経過の関係はパニック障害 + 境界性パーソナリティ障害、自殺への影響は?

22596.

コーヒーと大腸がんの関連、日本の8研究をプール解析

 コーヒーは、がん発症を抑制する可能性のある生物活性化合物が豊富な供給源だが、大腸がんとの関連は不明であり、がんの部位別に調べた研究はほとんどない。今回、わが国の「科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」の研究班が、日本の8つのコホート研究のプール解析により、コーヒーと大腸がんの関連を検討した。その結果、女性において1日3杯以上のコーヒー摂取が結腸がんリスクを低下させる可能性が示唆された。International Journal of Cancer誌オンライン版2018年2月15日号に掲載。 本研究では、32万322人の参加者における450万3,276人年の追跡調査の結果、6,711件の大腸がんが確認された。Cox比例ハザードモデルを用いて、研究ごとのハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定し、ランダム効果モデルを用いて統合した。 主な結果は以下のとおり。・男女とも、コーヒー摂取は大腸がんリスクに実質的に関連していなかった(男性における統合HR:0.92、95%CI:0.82~1.03、女性における統合HR:0.90、95%CI:0.76~1.07)。・部位別の解析においては、1日3杯以上コーヒーを飲む女性で結腸がんリスクが低下した(統合HR:0.80、95%CI:0.64~0.99)が、男性ではこのような関連はなかった。・男女ともコーヒー摂取は直腸がんリスクに関連していなかった。・非喫煙者でも、頻回のコーヒー摂取で直腸がんリスクが高いことを除き、結果は事実上同様であった。

22597.

タバコ企業がらみの資金援助にNo! 北米の17公衆衛生大学院

 2017年9月、フィリップ モリス インターナショナルは、Smoke-Free World財団に資金を提供するため、10億ドル近く寄付する予定であると発表した。この資金は、タバコによる死と疾病の減少を目指したものである。 一方、ジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院のほか16校の米国とカナダの公衆衛生大学院は、2018年1月、このSmoke-Free World財団からの研究資金援助を拒絶する、17校の学長名が入った声明を出した。 ジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院学長のEllen J. MacKenzie氏はHarvard T.H. Chan School of Public Healthのホームページの中で、「公衆衛生大学院の学長として、数多くの要素や科学的なベストプラクティスを考慮したうえで、われわれはこの基金からの資金援助を受け入れないことを発表する。この結果をもたらしたのは、何百万もの世界中の人々に死をもたらす製品を持つ企業と財団との密接な関係である」と述べている。 また、Smoke-Free World財団について声明では、「財団の最高経営責任者(CEO)は、財団の細則および構成は企業基金の使用基準を満たしていると表明しているが、この主張は真実ではない。研究アジェンダの透明性の欠如、フィリップ モリス インターナショナルの広報による利点、製品のマーケティングの増加という点が大きな違いである」としている。 声明では最後に、1)研究アジェンダがどのように確立されているか、2)フィリップ モリス インターナショナルと財団の間に完全なファイアウォールがあるのか、3)フィリップ モリス インターナショナルがこの資金援助をどのように活用するのか、4)フィリップ モリスがタバコ製品やその広告を段階的に廃止する具体的なタイムラインとマイルストーンなど企業としての取り組みをどう示すのか、といったことの詳細が明らかになれば、今の姿勢を再検討するための回答を探るとしている。■参考Statement on the Foundation for a Smoke-Free World

22598.

MG治療の新たなる幕開け

 2018年2月16日、都内にて「全身型重症筋無力症の治療課題と今後の展望」と題するセミナーが開かれた(主催:アレクシオンファーマ合同会社)。 セミナーでは、指定難病である重症筋無力症(MG:Myasthenia Gravis)の治療課題と、昨年12月に全身型重症筋無力症の適応が追加された新薬エクリズマブ(商品名:ソリリス)の可能性について、医師と患者それぞれの立場から語られた。演者の1人である村井 弘之氏(国際医療福祉大学 医学部 神経内科学 主任教授)は、「従来薬とは異なる作用機序を持つソリリスは、難治性MGの強力な次の一手になりうる」と、新薬への期待を述べた。 以下、セミナーの内容を記載する。プライマリケア医も診察する可能性のある難病 MGは指定難病で、本邦における患者数は約22,000人と推定される。眼瞼下垂、複視、筋力低下が主な症状で、易疲労性、日内変動を特徴とする。具体的には、夕方になると瞼が下がる(眼瞼下垂)、水を飲むとむせやすい(嚥下障害)、布団を持ち上げられない(筋力低下)、といった形で症状が現れる。しかし、これらの症状には波があり、疲れによる一過性のものと思われることも多い。それ故、患者が最初に来院するのも眼科や耳鼻咽喉科、内科などであり、MGを専門的に診療している神経内科に至るまでに複数の診療科を巡ることも多い。 このようにMGは、プライマリケア医も診察する可能性のある難病といえる。MGは寛解が得られにくい疾患 現在、このMGの治療では、高用量経口ステロイド剤の普及により死亡率は著しく減少している。しかし、寛解レベルに至る患者の割合は低く、MGは寛解が得られにくい疾患とされている。 「全国筋無力症友の会」の事務局長である北村 正樹氏は、会員へのアンケート調査で、障害者手帳の取得状況が2006年と比較して2016年では減少している一方、重度等級(1・2級)の割合は増加していることを紹介。こうした症状管理が困難な難治性MG患者は、全身型MG患者の10~15%、約900人前後に存在し、新たな治療が望まれていた。難治性MG治療における新たな一手 こうした中、新たな治療薬として登場したのが、ソリリスだ。ソリリスは昨年12月、全身型重症筋無力症の適応が新たに追加された。ソリリスは補体活性化を抑制する薬剤だ。MGの機序として、神経筋接合部の補体活性化による運動終板の破壊が示唆されているが、ソリリスは、ヒト補体タンパクC5に結合し、補体の活性化を抑制することで、運動終板の破壊に歯止めをかける。実際、第III相臨床試験「REGAIN試験」において、ソリリスによるMG-ADL総スコアの早期かつ持続的な改善が示されている。髄膜炎菌感染症のリスクもあるため適正使用が求められるが、ソリリスの登場で難治性MG患者のQOL向上が期待される。MG患者の抱える悩み MG患者はその症状に波があることから、周囲の理解や就労の困難といった社会的不利益を被っており、4分の1が失職を経験しているといったデータもあるという。 MGの患者で、『I’m“MG”~重症筋無力症とほほ日記~』(三輪書店. 2007)の著者でもある渡部 寿賀子氏は、MGのつらさは、その症状に加え「見た目でのわかりにくさ」にあると述べた。一見健康な人と変わらなくても、職場では頻繁な休憩が必要で役割を果たせず離職に追い込まれ、「社会の中で自分の居場所がない」と感じた経験を紹介した。女性の場合は、発症時期が20~40代と若いため、高用量経口ステロイド剤による妊娠・出産への影響や合併症の不安も付きまとう。長期・慢性疾患の患者にとって、「病と共に過ごす人生」は退院後のほうが長い。同氏は、「新薬承認のニュースは心に明かりがともるようなニュースだ」と述べた。 本講演は、「難病が難病でなくなる日が来ることを期待したい」という渡部氏の言葉で締めくくられた。

22599.

レンバチニブ vs.ソラフェニブ、切除不能肝細胞がん初回治療/Lancet

 切除不能肝細胞がんの初回治療において、レンバチニブはソラフェニブに対し全生存期間(OS)の非劣性が認められた。また、レンバチニブの安全性および忍容性プロファイルは、これまでの研究と一致していた。近畿大学の工藤 正俊氏らが、国際多施設共同無作為化非盲検第III相非劣性試験(REFLECT試験)の結果を報告した。切除不能肝細胞がん患者の初回全身療法として承認されているのはソラフェニブのみであり、新しい治療薬の開発が望まれていた。レンバチニブは、VEGF受容体(VEGFR)であるVEGFR1~3、FGF受容体(FGFR)であるFGFR1~4、PDGF受容体α、RET、KITを標的とするキナーゼ阻害薬で、第II相試験において肝細胞がんに対する有効性が示唆されていた。Lancetオンライン版2018年2月9日号掲載の報告。レンバチニブとソラフェニブで全生存期間を比較 REFLECT試験は、アジア太平洋、ヨーロッパおよび北米の20ヵ国、計154施設で実施された。対象は、全身化学療法歴のない切除不能肝細胞がん患者である。音声自動応答システム/Web登録システムを用い、地域、肉眼的門脈侵襲(MVI)、肝外転移(EHS)、MVI・EHS、ECOG-PS、体重を層別化因子として、レンバチニブ群およびソラフェニブ群に1対1の割合で無作為に割り付けた。 レンバチニブ群では、体重60kg以上には12mg/日、60kg未満は8mg/日、ソラフェニブ群は1回400mgを1日2回、28日ごとに経口投与した。 主要評価項目は、無作為割り付け日から全死因死亡日までのOSであった。有効性はintention-to-treat集団、安全性は治療を受けた患者のみを解析対象集団とした。また、非劣性マージンは1.08とした。レンバチニブ群13.6ヵ月、ソラフェニブ群12.3ヵ月、OS中央値は非劣性 2013年3月1日~2015年7月30日に1,492例が登録され、適格患者954例が割り付けられた(レンバチニブ群478例、ソラフェニブ群476例)。OS中央値は、レンバチニブ群13.6ヵ月(95%信頼区間[CI]:12.1~14.9)、ソラフェニブ群12.3ヵ月(95%CI:10.4~13.9)、ハザード比0.92(95%CI:0.79~1.06)で、非劣性基準を満たした。 頻度が高かった有害事象(全グレード)は、レンバチニブ群では高血圧201例(42%)、下痢184例(39%)、食欲低下162例(34%)、体重減少147例(31%)、ソラフェニブ群では手足症候群249例(52%)、下痢220例(46%)、高血圧144例(30%)、食欲低下127例(27%)であった。

22600.

救急での肺塞栓症の除外、PERCルールが有用/JAMA

 低リスクの肺塞栓症(PE)が疑われる患者において、肺塞栓症除外基準(PERC:Pulmonary Embolism Rule-Out Criteria)を用いた場合、3ヵ月間の血栓塞栓イベント発生率は従来の方法と比較して非劣性であり、PERCルールの安全性が支持された。フランス・パリ第4大学のYonathan Freund氏らが、PERCルールを検証したPROPER試験の結果を報告した。PEを除外することを目的とした8項目からなる臨床基準PERCの安全性は、これまで無作為化試験で検証されたことはなかった。JAMA誌2018年2月13日号掲載の報告。救急受診後3ヵ月間の血栓塞栓イベント発生を、通常ルール使用と比較 研究グループは、2015年8月~2016年9月に、フランスの救急外来14施設において、臨床的に肺塞栓症の可能性が低い患者を登録し、クロスオーバークラスター無作為化非劣性試験を実施した(2016年12月まで追跡調査)。 各施設を、対照期(通常ケア)→PERC期、またはPERC期→対照期(各期6ヵ月、ウォッシュアウト2ヵ月)に無作為化した。PERC期では、PERCルール8項目(年齢50歳以上、心拍数100/分以上、SpO2が94%以下、片側下肢腫脹、血痰、最近の手術もしくは外傷、肺塞栓や深部静脈血栓の既往、エストロゲン製剤の使用)のすべてが陰性の場合、追加の検査を行わず肺塞栓症の診断は除外された。 主要評価項目は、初診で肺塞栓症と診断されなかった後の追跡3ヵ月間における血栓塞栓イベント発生(非劣性マージン1.5%に設定)。また、CT肺血管造影(CTPA)の実施率、救急外来滞在期間の中央値、入院率を副次評価項目とした。PERC群は追跡期間に血栓塞栓イベントは増加せず、CTPA実施や入院率は減少 無作為化された14施設において、登録された計1,916例(平均年齢44歳、女性980例[51%]:対照群954例、PERC群962例)のうち、1,749例が試験を完遂した。 初診で肺塞栓症と診断された患者は、対照群26例(2.7%)、PERC群14例(1.5%)であった(群間差:1.3%、95%信頼区間[CI]:-0.1~2.7%、p=0.052)。追跡期間中に、PERC群で1例(0.1%)(対照群は0例)が肺塞栓症と診断された(群間差:0.1%[95%CI:-∞~0.8%])。CTPAを実施した患者の割合はPERC群13%、対照群では23%であった(群間差:-10%、95%CI:-13%~-6%、p<0.001)。PERC群において、救急外来滞在期間の中央値(平均短縮:36分、95%CI:4~68分)と、入院率(平均減少:3.3%、95%CI:0.1~6.6%)は有意に低かった。

検索結果 合計:36567件 表示位置:22581 - 22600