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クルマの無い人生なんて皆さんこんにちは。私は循環器内科医として長年病院勤務でカテーテル治療などに携わってきましたが、7年余り前から東京都八王子市でクリニックを開業しています。前回の岩岡先生とは千葉大学の同期で今年9月に62歳になりましたが、彼とは違い、この歳まで未だポルシェは(ましてフェラーリなどは)ハンドルすら握ったことがありません。そんな私がこのようなエッセイを書かせていただくのもおこがましいのですが、クルマ好きには変わりありませんので、現在までの所有車の思い出などを含め、私のきわめて個人的なカーライフを書かせていただこうと思います。医師の先生方にはクルマ好きの方が多いかと思いますので、忙しい診療の合間や当直の夜にでも読んでいただければ幸いです。クルマ好きと言ってもそのスタンスはさまざまです。クルマには3つの楽しみがあると思います。所有する(綺麗に磨き上げる)楽しみ、いじる(自分なりにカスタマイズする)楽しみ、そして運転する楽しみです。それからすると、私を含め周りのクルマ好きたちは、車を運転すること自体が楽しくて仕方ない人がほとんどです。その中には、走りを追及し装備も至れり尽くせりの高級車を所有している人もいれば、Fun to Driveの小型車を所有している人もいます。しかし両者に共通しているのは、所有車が全て「運転して元気になれるクルマ」であることです。クルマを単なる移動手段とは考えていないということです。クルマとの出会い、ラリーとの出会いさて私のカーライフは、大学生が免許を持たない今とは違い、当時は入学とセットのようだった運転免許を取得した所から始まります。家には親のトヨタコロナがありましたが、2年生から下宿を始めたのに合わせ、最初のクルマはイエローの三菱ランサーセレステでした。懇意にしている叔父が三菱自動車勤務だったため、他のメーカーの選択肢は有りませんでした(オーバーフェンダーの27トレノ、レビン…残念でした)。初めてのクルマでまだ運転の楽しみもわからずもっぱら下駄替わりでしたが、当時所属していたスキー部の先輩にクルマ好きが数人いて、その方々の影響が決定的でした。先輩達はラリーが好きで、当時プレイドライブという車雑誌に毎月載っていた「PDラリー」という自主参加型のラリーを走りに行く時に、いつも連れて行ってくれたのです。これで決定的にラリー(特に未舗装路(ダート)走行)が好きになった私と、同期のT君(セリカ1600GT所有、後に37レビン)は、家庭教師のバイト代をつぎ込んでお互いのクルマをラリー用に改造して行きました。当時は、ディーラーでロールバーを装着してくれるようなおおらかな時代でした。サスペンション、ミッション、ノンスリップデフなどを交換装着しましたが、当然お金がないので、近くの修理工場の心優しいご主人に教わりながら、自分達で出来る所は自力でやりました。そのT君と2人で、地元千葉のラリーチームの主宰者の助言を受けながら色々なラリーに参加しました。中級以上のラリーでは、速く走る事だけが目的のスペシャル・ステージという部分が組み込まれていました。一応公道なので、林道を法律上の制限速度60km/hの指示速度で走るというような無謀なものでした。しかし若かったわれわれは、スタートの瞬間から頭の中では一流ラリーストに勝手に変身してしまい、イメージだけはドリフトでダートのコーナーをこなして行くのでした(汗)。しかし、当然のように腕が伴わず、何回も途中でコースアウトを経験しました。横倒しになった車のドアを車内から持ち上げて開けるのが、あんなに重くて大変だという事も初めて知りました。まあこのような訳で、私はクルマの運転の楽しさに惹かれていったのでした。卒業して医者になった後に手に入れた2台目は、当時世界のラリー界で活躍していた三菱ランサーEXターボGSR(通称ランタボ)でした。普通の4ドアセダンですが、かつての初代ニッサン・スカイラインGTRのように“羊の皮をかぶった狼”で、こちらも当然のようにラリー仕様に改造しました(固いサスペンションは、同乗者の評判悪し)。しかし、研修医のわれわれには、なかなかラリーに参加する時間が取れず、時間を見つけては夜中に房総の林道を走りに行きました。夏休みなどにロングドライブに行っても、脇道に素敵なダートがあるとつい道を折れて走ってしまい、目的地に着く予定が遅くなったものです。ページTOPへラテンの外車の虜に千葉での3年間の研修の後、4年目は東京都心の病院での研修でした。当然ダートを走る機会も激減し、そろそろ3台目を考えましたが、やはりラリーが頭から離れませんでした。そこで、当時ラリー界で活躍していたプジョー205T16(ミッドシップ+4WD)のベースである、ガンメタのプジョー205GTIが、わが家にやって来ました。この車は小さいですが元祖ボーイズレーサーと言われ、エンジンも良く回り活発で、車重も軽く、運転していてとても楽しいクルマでした。ダートは卒業して、奥多摩や箱根のワインディングロードを走りに行ってました。ワインディングロードを走る楽しみを教えてくれたのが、この3台目で、私の目を国産車から外車に移らせたエポックメイキングのクルマでした。友人のBMWなども運転させてもらいましたが、なぜかしっくりせず、このクルマ以降ラテン系のクルマばかりになってしまいました(笑)。そんな経緯で4台目は、同じプジョーの濃いグリーンメタリックのプジョー405Mi16 X4(バイ フォーと読みます)になりました。これも普通の4ドアセダンですが、この車種唯一のDOHCエンジンの4WDで、とくに長距離単騎行には最適でした。しかしやはりラテンのクルマ、納車当日に首都高を走りに行った際に右助手席の窓が開かず、クルマから降りて通行料を払いに行った覚えがあります(笑)。高速上でのオーバーヒート等々トラブルもありましたが、忘れられないのはこのクルマで北海道をドライブしたことです。素晴らしい景色の中、気持ち良い運転を堪能しました。毎日いつまでも運転していたいと思ったことを、今でも覚えています。ページTOPへそして、アルファロメオへ画像を拡大する愛車のアルファロメオ155V6この後の5台目で、ついにあこがれのアルファロメオを手に入れました。アルファは常に気になる存在ではありましたが出会いに恵まれませんでした。そんな時、ドイツのツーリングカーレースDTMで活躍するアルファ155の格好良さに一目惚れしてしまいました。何十年振りかでプラモデルも制作してしまいました(笑)。そんな訳でわが家にブラック(ネロ)のアルファロメオ155V6がやって来ました。ラリー用の改造は別としてクルマはほとんどいじらないのですが、この155だけはエグゾーストを憧れのDTMタイプに交換しました。この車は現在も所有しており、すでに21年目です。途中何年もスピードメーターが死んでいたため(どうやって車検通ったのでしょう?)、軽く10万キロは超えていると思いますが、実際の走行距離は分かりません(笑)。画像を拡大する無骨だけれど格好良いV6エンジン20年以上過ごしているため、このクルマとは、さまざまな思い出があります。お年寄りの病気自慢のようになってしまうので、あえて書きませんが、トラブルも多く、随分迷惑も被りました。しかし、1度として手放そうとは思いませんでした。ちょっとしたクルマなら1台買えるくらいの出費をしてからは、ほぼトラブルフリーの優等生になっています。ラテンのクルマ、それもアルファロメオだと思えば、許せてしまいます。ちょっと頭は弱いけど、気立てが良くて放っておけない可愛い女の娘=アルファロメオでしょうか(笑)?高速道路の料金所や流入などで2速で引っ張った時の4,500~6,500回転の自然吸気V6のエンジン音は、本当に官能的です。当時の車雑誌には、「エグゾーストノートは素晴らしく、貧乏人のフェラーリと言っても良い」と書いてありました(笑)。この間に、マニュアルトランスミッションが使えない妻のために(それまでBMW Z3所有)、私の独断でアルファ156スポーツワゴン、次いで159スポ-ツワゴンもやって来て、ガレージには常に2台のアルファロメオがいる、という至福の時を過ごしていました。その後アルファ159の後継車がなかなか発表されず、残念なことに妻のクルマは現在のアウディRSQ3に取って代わられ、ガレージのアルファは1台のみになってしまいました。ページTOPへでも、今は…画像を拡大する愛車のアルファロメオ4Cスパイダーそのタイミングでアルファロメオは、なんと4Cという、何とも魅力的なミッドシップスポーツカーを発表。めったにクルマを誉めない妻の「これ、かっこいいね」というひと言、2シーターとSUVの2台では何かと不便だなと思っていたところに娘の「3台にすればいいじゃん」と言う言葉、親友の「155は十分元とったから4C買ってもバチは当たらないよ」という言葉、これらに背中を押されて(まっ、決めたのは私自身ですが・・・)画像を拡大する浅間山と4Cスパイダー昨年10月に6ヵ月待ってレッド(ロッソ)の4Cスパイダーがやって来ました。この4Cとは、軽井沢の親友を訪れるたびに、毎度色々なワインディングロードを満喫しています。今は155と4Cの2台のアルファ(とアウディ)に挟まれて幸せです。ページTOPへ最後に画像を拡大するアルファロメオのワイン残念ながら紙面が尽きてしまいました。とにかく、この車を運転したいから次の休みはどこへ行こうかな、と後から目的地を考えるのが、クルマ好きの私の思考回路のようです。しようもない超個人的な駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。還暦過ぎても少年のようなクルマ好きがいることを、知っていただければ幸いです。最後に、ワインラヴァーでもある私にとって「No Car or Wine, No Life!!」という事で、今夜は写真のワインを楽しむことにします(笑)。