サイト内検索|page:1116

検索結果 合計:35223件 表示位置:22301 - 22320

22301.

atalurenはデュシェンヌ型筋ジスに有用か?/Lancet

 ジストロフィン遺伝子にナンセンス変異を認めるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)患者(7~16歳男児)に対する、ataluren治療の有効性と安全性を評価する第III相の国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果が発表された。主要エンドポイントとした6分間歩行(6MWD)のベースラインからの変化について、intention-to-treat(ITT)集団および事前規定サブグループのうちベースラインの6MWDが300m未満群または400m以上群においては、ataluren群とプラセボ群で有意差は示されなかったが、同300m以上400m未満群ではataluren群の有意な改善が記録されたという。米国・カリフォルニア大学デービス校のCraig M. McDonald氏らによる検討で、結果はLancet誌オンライン版2017年7月17日号で発表された。atalurenの有効性と安全性をナンセンス変異を有する男児で評価 DMDは、重篤な進行性の稀少神経筋疾患であり、X連鎖性の遺伝性疾患である。疾患の基礎を成すのはジストロフィン蛋白の欠如で、その産生を回復するための変異遺伝子に特異的な治療法の開発が進められている。atalurenは、ナンセンス変異のリードスルーを促進することでジストロフィン遺伝子機能をフルレンジさせる作用を有し、これまでの第IIa、IIb臨床試験でその薬効について有望視される所見が示されていた。2014年には欧州医薬品庁が、5歳以上のDMD患者の治療薬として条件付き承認をしている。 研究グループは、約10~15%のDMD患者にみられるナンセンス変異を有する男児を対象に、外来設定でのatalurenの有効性と安全性を評価した。試験は北米、欧州、アジア太平洋地域、中南米から18ヵ国54施設が参加して行われた。 被験者は、ナンセンス変異を有する7~16歳、ベースライン6MWDが150m以上、身長が年齢予測標準値の80%以下であるDMD男児。1対1の割合で無作為にatalurenを1日3回(40mg/kg/日)経口投与する群もしくは適合プラセボ群に割り付け追跡評価を行った。割り付けについては、患者、保護・介護者、施設関係者、製剤製造元社員ほかすべての試験関係者に対して、データベースをロックするまでマスキングがされていた。 主要エンドポイントは、ベースラインから48週までの6MWDの変化で、intention to treatで評価した。また、主要エンドポイントについて、事前規定のサブグループについても解析を行い、その結果が疾患進行の1年予測率と関連するかについても評価した。ataluren群は300m以上400m未満群でのみ有意な改善 2013年3月26日~2014年8月26日に、230例がataluren投与群(115例)またはプラセボ群(115例)に無作為に割り付けられた。intention-to-treat集団は228例であった。 ベースライン~48週の6MWDの変化の最小二乗平均値は、ataluren群-47.7m(SE:9.3)、プラセボ群-60.7m(SE:9.3)であった(差:13.0m[SE:10.4]、95%信頼区間[CI]-7.4~33.4、p=0.213)。 事前規定のサブグループについて、同変化値のataluren群とプラセボ群の差は、ベースライン6MWDが300m未満群では-7.7m(SE:24.1、95%CI:-54.9~39.5、p=0.749)、ベースライン6MWDが300m以上400m未満群では42.9m(同15.9、11.8~74.0、p=0.007)、ベースライン6MWDが400m以上群では-9.5m(17.2、-43.2~24.2、p=0.580)であった。 atalurenの忍容性は概して良好で、治療で発現した有害事象の大半は軽度~中等度のものであった。重篤な有害事象は8例(各群4例、3%)で報告されたが、プラセボ群での報告1例(おそらく治療に関連があると考えられる肝機能の異常)を除き、治療とは無関係と考えられるものであった。 なお、atalurenによる有意な改善が認められたサブグループ群のベースライン6MWD値(300m以上400m未満)は、1年間の予測される疾患進行がより低いこととの関連が認められ、著者は、「この所見は、今後の6MWDをエンドポイントとしたDMD試験のデザインに影響を及ぼすものと考えられる」と述べている。

22302.

新たなエビデンスを生み続けるMAMS(解説:榎本 裕 氏)-704

 STAMPEDE試験といえば、2016年のLancet誌に出た報告が記憶に新しい。未治療の進行前立腺がんに対し、標準的なADTにドセタキセル(DTX)化学療法を6コース追加することで全生存率の有意な改善を示したものである。前年に同様の結果を報告したCHAARTED試験とともに、未治療進行前立腺がんの治療を変容しつつある(本邦では保険適応の問題から、普及にはまだ遠いが)。 STAMPEDE(Systemic Therapy in Advancing or Metastatic Prostate cancer: Evaluation of Drug Efficacy)は、初回ホルモン治療(ADT)を行う局所進行ないし転移性前立腺がん患者を対象とした前向き臨床試験で、複数のRCTを同時進行で行うMAMS(multiarm, multistage)プラットフォームを特徴としている。今回の報告は、ADT単独療法を対照として、アビラテロン(ABI)+プレドニゾロン(PSL)の追加がOSを改善するかどうかを検討した。 STAMPEDEでは、未治療転移性がんだけではなく、未治療局所進行がん、さらには前立腺全摘や根治照射後の再発例も対象に含んでいる。今回の解析対象患者のうち再発症例は4~7%のみであるが、遠隔転移がなく根治照射を予定している患者が41%程度含まれていることは注意が必要だ。遠隔転移のある症例では病勢進行までADT(またはADT+ABI+PSL)が継続されるが、遠隔転移がなく根治照射を行った例では病勢進行がない場合、薬物治療は最長2年間となっている。 今回の試験結果では、転移性がんではABI+PSLの追加が有意なOS改善をもたらした(HR:0.61)。この結果は、同時に発表されたLATITUDE試験の結果を再現している。転移のない症例でもOSは改善傾向であったが、40ヵ月という追跡期間では十分な差を出せていない。転移性がんについていえば、ADT+DTXが引き続き今後の標準治療になるのか、ADT+ABI+PSLが取って代わるのか、はたまたADT+DTX+ABI+PSLの併用に進んでいくのか、今後の研究に期待したい。

22303.

166)手軽な食材の飽和脂肪酸に要注意【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者薬をできるだけ使わずにコレステロールを下げたいんですが、どんな食品に気を付けたらいいですか?医師キーワードは「飽和脂肪酸」です。患者飽和脂肪酸?医師そうです。肉の脂身や菓子パンに含まれている脂肪のことです。患者なるほど。医師とくにハンバーグ、ハムやソーセージなどの加工肉の摂り過ぎには注意が必要です。これらの摂り過ぎと心臓病による死亡には関連があると言われています。患者全部、よく食べています。これから食べ過ぎに注意します。●ポイント飽和脂肪酸を含む食品として加工肉に注目することと、心血管死のリスクが増強することを説明します1)O'Sullivan TA, et al. Am J Public Health. 2013;103:e31-42.

22304.

侍オンコロジスト奮闘記~Dr.白井 in USA~ 第43回

第43回:CTLA-4を標的にしてリウマチとがんがぶつかっています(視聴者からの質問)キーワードイピリムマブアバタセプトリウマチ膠原病メラノーマ肺がんUemura M,et al.Selective inhibition of autoimmune exacerbation while preserving the anti-tumor clinical benefit using IL-6 blockade in a patient with advanced melanoma and Crohn's disease: a case report.J Hematol Oncol.2016 Sep 5.[Epub ahead of print]

22305.

アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の安全性、専門家による評価

 アルツハイマー型認知症(AD)の罹患率は上昇し続けているが、認知機能障害への治療選択肢は限られている。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(AChEI)は、認知機能低下に対しベネフィットをもたらすことを目指しているが、有害事象がないわけではない。最近では、新用量や新剤形が承認され、処方する前に各薬剤の安全性プロファイルを注意深く考慮する必要がある。カナダ・トロント大学のDana Mohammad氏らは、3種類のAChEIについて専門家による安全性評価を行った。Expert opinion on drug safety誌オンライン版2017年7月12日号の報告。 対象薬剤は、ADのさまざまな段階での治療に承認されたAChEIである、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンの3種類の薬剤。数多くの臨床研究および市販後の研究より、AD治療におけるこれらのAChEIの安全性、有効性、忍容性を評価した。薬物動態データベース、薬物相互作用、処方カスケード、治療中止率を含むトピックスについても検討した。 専門家の主な意見は以下のとおり。・軽度、中等度、高度のAD患者に対するAChEIの使用は、認知、機能、行動の適度な改善をもたらす。・AChEIを用いたADの薬理学的治療は、軽度の有害事象と関連する。・患者個々に最適な投与経路を決定する際には、剤形の相違を考慮する必要がある。・AChEIの中断は、認知機能障害の悪化と関連している可能性があるため、慎重に監視しなければならない。■関連記事抗認知症薬と抗コリン薬の併用、アジア太平洋諸国の現状抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か?白質の重症度で各抗認知症薬の効果に違い:岡山大

22306.

成人前のボディサイズが乳がんリスクと逆相関

 成人前の体の大きさが成人後の乳がんリスクと逆相関するが、この関連が腫瘍の特性によって異なるかどうかは不明である。今回、スウェーデン・カロリンスカ研究所のMd Shajedur Rahman Shawon氏らが行ったプール解析により、その逆相関がさらに支持され、また18歳時の体の大きさと腫瘍サイズとの逆相関がみられた。腫瘍サイズとの逆相関について、著者らはマンモグラフィ密度が関わっているかもしれないと考察している。Breast cancer research誌2017年7月21日号に掲載。 本研究は、スウェーデンの2つの集団研究のプール解析で、浸潤性乳がん症例6,731人と年齢が一致した対照2万8,705人について、7歳時および18歳時の体の大きさと乳がんリスクとの関連を調べた。被験者は7歳時および18歳時の体の大きさを9レベルのピクトグラムで自己申告し、小、中、大の3カテゴリに分けられた。乳がん診断時年齢、初潮年齢、子供の数、ホルモン補充療法の使用、乳がんの家族歴で調整した症例対照分析において、多変量ロジスティック回帰モデルから、乳がんのオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を推定した。また、7~18歳における体のサイズの変化と乳がんリスクの関連も評価した。さらに乳がん症例において、腫瘍特性により関連が異なるかどうかを調べた。 主な結果は以下のとおり。・7歳時と18歳時における体の大きさが中または大の女性の乳がんリスクは、小の女性と比較して統計的に有意に低かった(順に、統合OR:0.78、95%CI:0.70~0.86、傾向のp<0.001、統合OR:0.72、95%CI:0.64~0.80、傾向のp<0.001)。・女性のほとんど(~85%)が、7歳時と18歳時で体の大きさのカテゴリに変化がなかった。・7歳時と18歳時に体の大きさが中または大のままだった女性は、どちらも小であった女性に比べて乳がんリスクが有意に低かった。また、7歳時から18歳時までに体が小さくなった女性も小のままだった女性に比べて乳がんリスクが低かった(統合OR:0.90、95%CI:0.81~1.00)。・7歳時の体の大きさと腫瘍特性との間には有意な関連はみられなかった。18歳時の体の大きさは、腫瘍サイズと逆相関し(傾向のp=0.006)、エストロゲン受容体の状態およびリンパ節転移とは関連がなかった。

22307.

幼児へのビタミンDはかぜ予防に有用か?/JAMA

 健康な1~5歳児に、毎日のビタミンDサプリメントを2,000IU投与しても、同400IUの投与と比較して、冬期の上気道感染症は減らないことが、カナダ・セント・マイケルズ病院のMary Aglipay氏らによる無作為化試験の結果、示された。これまでの疫学的研究で、血清25-ヒドロキシビタミンDの低値とウイルス性上気道感染症の高リスクとの関連を支持するデータが示されていたが、冬期のビタミンD補給が小児のリスクを軽減するかについては明らかになっていなかった。結果を踏まえて著者は「ウイルス性上気道感染症予防を目的とした、小児における日常的な高用量ビタミンD補給は支持されない」とまとめている。JAMA誌2017年7月18日号掲載の報告。冬期の最低4ヵ月間、高用量(2,000IU) vs.標準用量(400IU)投与で評価 検討は、オンタリオ州トロント市(北緯43度に位置)で、複数のプライマリケアが参加する研究ネットワーク「TARGet Kids!」に登録された1~5歳児を対象とし、2011年9月13日~2015年6月30日に行われた。 研究グループは参加児703例を、2,000IU/日のビタミンDサプリメントを受ける群(高用量群349例)または同400IU/日を受ける群(標準用量群354例)に無作為に割り付けて追跡した。サプリメントの投与は保護者の管理の下、登録(9~11月)からフォローアップ(翌年4~5月)の間、冬期(9月~翌年5月)の最低4ヵ月間に行われた。 主要アウトカムは、冬期の間に、保護者によって採取された鼻腔用スワブ検体によりラボで確認されたウイルス性上気道感染症例とした。副次アウトカムは、インフルエンザ感染症、非インフルエンザ感染症、保護者報告による上気道疾患、初回上気道感染症までの期間、試験終了時の血清25-ヒドロキシビタミンD値であった。上気道感染症発症に有意差なし、初回発症までの期間も有意差みられず 無作為化を受けた703例(平均年齢2.7歳、男児57.7%)のうち、試験を完遂したのは699例(99.4%)であった。 小児1例当たりに確認された上気道感染症の報告数は、高用量群1.05回(95%信頼区間[CI]:0.91~1.19)、標準用量群1.03回(同:0.90~1.16)で、両群間に統計的有意差はみられなかった(発症率比[RR]:0.97、95%CI:0.80~1.16)。 初回上気道感染症までの期間についても、統計的有意差は示されなかった。具体的な同期間は、高用量群は3.95ヵ月(95%CI:3.02~5.95)、標準用量群3.29ヵ月(同:2.66~4.14)。また、保護者報告による上気道疾患についても有意差はなかった(高用量群625件 vs.標準用量群600件、発症RR:1.01、95%CI:0.88~1.16)。 試験終了時の血清25-ヒドロキシビタミンD値は、高用量群48.7ng/mL(95%CI:46.9~50.5)、標準用量群は36.8ng/mL(同:35.4~38.2)であった。

22308.

イダルシズマブはダビガトラン中和薬として有用/NEJM

 イダルシズマブ(商品名:プリズバインド)の、ダビガトラン(商品名:プラザキサ)の中和薬としての有効性、安全性について検討した臨床試験「RE-VERSE AD」のフルコホート解析の結果が発表された。緊急時においてイダルシズマブは、迅速、完全かつ安全にダビガトランの抗凝固作用を中和することが示されたという。イダルシズマブの有用性は、同試験の登録開始90例の時点で行われた中間解析で示されていたが、今回、米国・トーマス・ジェファーソン大学のCharles V. Pollack氏らが全503例の解析を完了し、NEJM誌オンライン版2017年7月11日号で発表した。39ヵ国173施設で登録された503例について評価 試験は多施設共同前向き非盲検にて行われ、イダルシズマブ5g静注がダビガトランの抗凝固作用を中和可能かについて、重大出血を呈した患者(A群)または緊急手術を要した患者(B群)を対象に検討された。 主要エンドポイントは、イダルシズマブ投与後4時間以内のダビガトラン抗凝固作用の最大中和率(%)で、希釈トロンビン時間とエカリン凝固時間について確認された。副次エンドポイントは、止血までの時間や安全性評価などが含まれた。 2014年6月~2016年7月に、39ヵ国173施設で503例が登録された。A群は301例、B群は202例であった。95%以上の患者が、心房細動に関連する脳卒中予防の目的でダビガトランを服用しており、年齢中央値は78歳であった。患者報告に基づく、最終ダビガトラン投与から初回イダルシズマブ投与までの時間は、A群14.6時間、B群18.0時間であった。なお被験者の多くが試験登録時に合併症を有していた。A群では、消化官出血が45.5%、頭蓋内出血32.6%、外傷性出血25.9%などが、B群では重大または命を脅かす出血が88.0%、外科的介入に至った出血が20.3%、出血で血行動態が不安定となった患者が37.9%いた。最大中和率は100%(95%CI:100~100) 解析の結果、ダビガトランの最大中和率は、希釈トロンビン時間とエカリン凝固時間ともに100%(95%信頼区間[CI]:100~100)であった。 A群における止血までの時間中央値は、2.5時間であった。B群では、計画的処置介入の開始までの時間中央値は1.6時間であった。また、B群において、93.4%の患者が周術期止血は正常と評価され、軽度異常は5.1%、中等度異常は1.5%であった。 90日時点で、血栓性イベントが報告されたのはA群6.3%、B群7.4%であった。また死亡率はそれぞれ18.8%、18.9%であった。安全性に関わる重篤有害なシグナルはなかった。 結果を踏まえて著者は、「イダルシズマブは、重大出血を呈した患者や緊急手術を要した患者でダビガトランの中和に有効であった。血栓溶解または血栓摘出は、イダルシズマブによるダビガトラン中和後に安全に実行可能であることを示すケースが報告されているが、さらなる市販後調査によって、引き続きイダルシズマブの有効性をモニタリングし、安全性を評価することが求められる」とまとめている。

22309.

オシメルチニブ、肺がんFLAURA試験の主要評価項目を達成

 AstraZeneca社は2017年7月27日、第III相FLAURA試験で、未治療の転移性EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)において、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)が、エルロチニブまたはゲフィチニブと比較して、統計的に有意で臨床的に有意な無増悪生存期間(PFS)を示したと発表。 FLAURA試験は上記患者を対象に、オシメルチニブと、標準治療のEGFR-TKIであるエルロチニブまたはゲフィチニブの効果と安全性を比較した二重盲検無作為化試験。30ヵ国から556例の患者が登録されている。主要評価項目はPFS、副次評価項目は全生存率、客観的奏効率、奏効期間、病勢コントロール率、安全性、健康関連QOLであった。 FLAURA試験の具体的な結果は今後の学会で発表される予定。■参考 AstraZeneca(グローバル)プレスリリース FLAURA試験(Clinical Trials.gov)

22310.

急性脳卒中後の頭位、仰臥位 vs.頭部挙上のアウトカムを検討(中川原 譲二 氏)-703

 急性脳卒中後の頭位について、仰臥位は脳血流の改善に寄与するが、一方で誤嚥性肺炎のリスクを高めるため、臨床現場ではさまざまな頭位がとられている。オーストラリア・George Institute for Global HealthのCraig S. Anderson氏らは、急性虚血性脳卒中患者のアウトカムが、脳灌流を増加させる仰臥位(背部は水平で顔は上向き)にすることで改善するかどうかを検討したHead Positioning in Acute Stroke Trial(HeadPoST研究)の結果を結果をNEJM誌2017年6月22日号で報告した。9ヵ国の急性脳卒中患者約1万1,000例を対象に検討 HeadPoST研究は、9ヵ国(英国、オーストラリア、中国、台湾、インド、スリランカ、チリ、ブラジル、コロンビア)で、実用的なクラスター無作為化クロスオーバー試験として実施された。18歳以上の脳内出血(クモ膜下出血を除く)を含む急性脳卒中患者1万1,093例(85%が虚血性脳卒中)を登録し、仰臥位で治療を行う群(仰臥位群)と、頭部を30度以上挙上し上体を起こした姿勢で治療を行う群(頭部挙上群)のいずれかに、入院施設単位で無作為に割り付けた。指定された体位は、入院直後に開始し24時間続けられた。主要アウトカムは90日後の機能障害の程度で、修正Rankinスケール(mRSスコアの範囲:0~6、スコアが高いほど障害の程度が大きく、6は死亡)を用いて評価した。頭位の違いで、アウトカムや有害事象には有意差はなかった 脳卒中発症から割り付け指定の頭位を開始するまでの時間の中央値は、14時間であった(四分位範囲:5~35時間)。仰臥位群は、頭部挙上群より24時間の頭位維持率が有意に低かった(87% vs.95%、p<0.001)。一方で、酸素飽和度や血圧、他の治療管理面について、両群間に有意差は確認されなかった。比例オッズモデルによる検討で、両群の90日後のmRSスコアの分布は同等であった(仰臥位群の頭部挙上群に対するmRSスコア分布差の未補正オッズ比:1.01、95%信頼区間:0.92~1.10、p=0.84)。90日以内の死亡率は、仰臥位群7.3%、頭部挙上群7.4%であった(p=0.83)。重篤な有害事象の発現率も、それぞれ14.3%、13.5%、肺炎は3.1%、3.4%で、両群間で有意差は認められなかった。急性脳卒中後の頭部挙上は、脳虚血リスクを増大しないことを示唆 本研究では、急性脳卒中後の患者の頭位を、24時間仰臥位とした場合と24時間30度以上の頭部挙上とした場合では、アウトカムには有意差は認められなかった。著者らは、急性の虚血性脳卒中患者では、脳血流の自動調節能が消失しており、頭部挙上で脳灌流圧の低下が生じると脳虚血リスクが増大するため、仰臥位のほうが脳血流の改善が得られるとして、この研究を始めたと考えられる。しかし、頭部挙上で脳灌流圧の低下が生じるとすることには大きな疑問がある。脳灌流圧は、動脈圧(全身平均血圧)-静脈圧(=頭蓋内圧)で表され、頭部挙上による動脈圧の低下は比較的軽度であるとともに、同時に頭蓋内圧の低下が生じることから、脳灌流圧の低下はそれほど問題にはならない。本研究結果は、急性脳卒中後の頭部挙上は、脳虚血リスクを増大させないことを示唆している。過度な全身血圧の下降がない限り、急性期の頭部挙上、坐位の保持は容認される。 また、著者らは、本研究で肺炎の発現率が低かったことについて、挿管中などのハイリスク患者が除外されたことや、嚥下障害のスクリーニングプロトコルが使用されたことなどを挙げている。しかし、発症後24時間の仰臥位の維持は、早期離床と急性期リハビリを推奨する最近の急性期脳卒中患者の全身管理のコンセプトに相応しくない。

22311.

食事のタイミングが体内時計を調節

 人間の概日系に対する食事のタイミングの影響についてあまりよくわかっていない。今回、英国・サリー大学のSophie M.T. Wehrens氏らの研究で、人間の分子時計が食事時刻によって調節される可能性が示された。決まった食事時刻は、末梢の概日リズムを同期させる役割を果たしており、とくに概日リズム障害患者、交代制勤務者、子午線を超える旅行者で関係するかもしれない。Current biology誌2017年6月19日号に掲載。 本研究では、食事時刻を5時間ずつ遅らすことによる、マスタークロックと末梢の概日リズムのマーカーへの影響を調べた。健康な若者10人が13日間の実験に参加し、起床後0.5時間もしくは5.5時間に食事を開始、それぞれ5時間間隔で3回(朝、昼、夕)食事した。参加者は早い食事に順応した後、遅い食事を6日間実施した。各食事スケジュールの終了後に、1時間おきに同等のカロリーのスナックと置き換える間に睡眠および環境のリズムを取り除いた、37時間の定常検査方式で、参加者の概日リズムを測定した。 主な結果は以下のとおり。・定常検査方式では、主観的な空腹や眠気のリズム、マスタークロックマーカー(血漿メラトニン、血漿コルチゾール)、血漿トリグリセライド、全血中の時計遺伝子発現に、食事のタイミングは影響しなかった。・遅い食事スケジュール後、血漿グルコースリズムは5.69±1.29時間遅延し(p<0.001)、平均グルコース濃度は0.27±0.05mM減少した(p<0.001)。・脂肪組織では、PER2 mRNAリズムが0.97±0.29時間遅れた(p<0.01)。

22312.

HER2陽性乳がんの延長アジュバントにneratinib承認

 米国食品医薬品局(FDA)は2017年7月17日、早期のHER2陽性乳がんの長期アジュバント治療に、pan-HERチロシンキナーゼ阻害薬neratinibを承認した。neratinib治療は、この対象患者で初となる延長アジュバント療法であり、がんの再発リスクをさらに下げるため初回治療後に行われる。neratinibの適応患者はトラスツズマブレジメンの既治療患者である。 今回の承認は、第III相ExteNET 試験と、第II相CONTROL 試験の結果に基づくもの。ExteNET 試験の初回解析では、2年間の無浸潤無病生存率(iDFS)は、neratinib治療患者では94.2%、プラセボ患者では91.9%であった(HR:066、95% CI:0.49-0.90、p=0.008)。 neratinibの安全性と有効性は、過去2年間にトラスツズマブで治療を完了した早期HER2陽性乳がん患者2,840例の無作為化試験で研究された。neratinibの主な副作用は、下痢、悪心、腹痛、疲労感、嘔吐、皮疹、口内炎、食欲不振、筋痙攣、消化不良、肝障害(ASTまたはALT上昇)、爪障害、乾燥皮膚、腹部膨満、体重減少、尿路感染症であった。 国立がん研究所(NCI)は、本年、米国では約25万人の女性が乳がんと診断され、4万人が乳がんにより死亡すると推定している。また、HER2陽性患者は乳がんの約15%である。■参考FDAニュースリリース

22313.

季節農家の労働者はうつ病になりやすいのか

 農家労働者の生活困難は、ストレスやうつ病リスク上昇をもたらすといわれている。これまでの限られた研究では、主に季節農家に集中していたが、先行研究では、移住農家労働者または両集団を調査している。米国・イーストカロライナ大学のBeth H. Chaney氏らは、季節農家労働者のうつ病レベルおよび抑うつ症状の予測因子について調査を行った。International journal of environmental research and public health誌2017年6月30日号の報告。 対象は、ラテン系季節農家労働者150人。対象のストレスおよびうつ病レベルを評価し、年齢、性別、婚姻状況、教育水準、居住期間、文書による健康管理の問題、言語の障壁、交通、コスト、医療保険、ストレスレベルなどの共変量がうつ病の重要な予測因子かどうかを検討した。有意な共変量を確認するため、階層的バイナリロジスティック回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・統計学的に有意な共変量は、健康保険の補償(p=0.025)とストレス(p=0.008)のみであった。・健康保険未加入の農家労働者は、加入者と比べてうつ病症状を有する割合が1.8倍であり、ストレスレベルが高いほどうつ病症状の出現する割合については7倍以上であった。■関連記事公園や緑地が少ないとうつ病になりやすいのか職場ストレイン、うつ病発症と本当に関連しているのかたった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

22314.

遠隔医療で炎症性腸疾患の外来受診と入院が減少/Lancet

 炎症性腸疾患(IBD)患者に対する遠隔医療(myIBDcoach)は安全で、標準治療と比較し外来受診と入院の頻度を減少させることが、オランダ・マーストリヒト大学医療センターのMarin J de Jong氏らによる実用的多施設無作為化比較試験の結果、明らかとなった。IBDは、疾患の複雑さ、外来診療所へのプレッシャーの高まり、罹患率増加などにより、従来の状況では厳格で個別的な管理が困難となっているという。これまでに開発されたIBD患者の遠隔医療システムは、疾患活動性が軽度~中等度の特定の患者用でその効果は一貫していなかった。今回開発されたシステムはサブタイプを問わず適用可能であり、著者は「この自己管理ツールは、治療の個別化と価値に基づく医療(value-based health care)に向けたIBD治療の改革に役立つだろう」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年7月14日号掲載の報告。遠隔医療システムを用いた介入と標準治療で、外来受診者数と医療の質を比較 研究グループは2014年9月9日~2015年5月18日に、オランダの大学病院2施設および一般病院2施設にて試験を実施した。対象は、回腸嚢肛門吻合術または回腸嚢直腸吻合術の既往がなく、インターネットにアクセス可能でオランダ語が堪能な18~75歳のIBD外来患者909例。疾患の活動性などをモニターし記録する遠隔医療システム(myIBDcoach)による介入群と、標準治療群に1対1の割合で無作為に割り付け(コンピュータが作成した割振りと最小化法を使用)、12ヵ月間追跡調査を行った。なお、患者、医療従事者およびアウトカムの評価者は盲検化されていない。 主要評価項目は、消化器内科医または看護師の外来診療所を受診した数と患者報告による医療の質(0~10点の視覚アナログスケールで評価)、安全性評価項目は、フレア数、ステロイド治療数、入院数、救急外来受診数、外科手術数で、intention to treat解析が実施された。遠隔医療群で外来受診数と入院数が有意に減少、患者が報告した医療の質は同等 遠隔医療群465例、標準治療群444例において、12ヵ月時における平均外来受診数(±SD)は、それぞれ1.55±1.50および2.34±1.64と遠隔医療群が有意に少なく(差:-0.79、95%信頼区間[CI]:-0.98~-0.59、p<0.0001)、平均入院数も同様の結果であった(0.05±0.28 vs.0.10±0.43、差:-0.05、95%CI:-0.10~0.00)、p=0.046)。 12ヵ月時における患者が報告した医療の質の平均スコアは、両群ともに高値であった(8.16±1.37 vs.8.27±1.28、差:0.10、95%CI:-0.13~0.32、p=0.411)。フレア数、ステロイド治療数、救急外来受診数、外科手術数は両群間で差はなかった。 なお、著者は「患者と医師のいずれも盲検化されておらず、追跡調査期間が短いことなど研究の限界がある」と述べている。

22315.

ebselenは騒音性難聴の予防に有効か?/Lancet

 騒音性一過性閾値変化(TTS)の予防に、新規グルタチオンペルオキシダーゼ1(GPx1)様物質ebselenの投与(400mgを1日2回)は有効かつ安全であることが示された。米国・Sound Pharmaceuticals社のJonathan Kil氏らが、若年成人を対象とした第II相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果を報告した。先行研究において、急性騒音曝露後にGPx1活性が減少することや、ebselenが一過性騒音性難聴および永久性騒音性難聴の両方を軽減させることが動物実験で示されていた。騒音性難聴は、職業性または娯楽に関連した難聴の主たる原因であり、加齢性難聴の主要な決定要素でもあるが、その予防薬あるいは治療薬は開発されていない。著者は、「今回の結果は、急性騒音性難聴におけるGPx1活性の役割を支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年7月14日号掲載の報告。騒音曝露後の一時的な聴力低下をebselenとプラセボとで比較 研究グループは2013年1月11日~2014年3月24日に、フロリダ大学単施設で試験を実施した。対象は18~31歳の健常成人83例で、ebselen 200mg、400mg、600mgまたはプラセボを1日2回4日間経口投与する群に1対1対1対1の割合で無作為に割り付けた(無作為化は独立した第三者機関が作成した割り振り順番を用いて実施)。治験薬投与開始2日後に来院してもらい、騒音を再現した負荷試験(calibrated sound challenge:ロックもしくはポップスの楽曲を4時間、挿入型イヤホンを介して聞いてもらい、リアルワールドの複合的騒音を体験させる)の前および15分後、1時間15分後、2時間15分後および3時間15分後に純音聴力検査を行った。 主要評価項目は、負荷試験15分後の4kHzの平均TTSで、プラセボ群と比較してebselen群で50%減少した場合を臨床的に意義があると判定した。統計解析は、治験薬を1回以上服用し負荷試験を受けた参加者を有効性評価解析対象とし、また無作為化された参加者全員を安全性解析対象とした。ebselen 400mg群で4kHzの平均TTSが68%減少 83例(ebselen 200mg群22例、400mg群20例、600mg群21例、プラセボ群20例)中、ebselen 200mg群の2例が選択基準を満たさないため負荷試験前に中止となり、有効性解析から除外された。 4kHzの平均TTS(±標準誤差[SE])は、ebselen 400mg群1.32±0.91dB、プラセボ群4.07±0.90dBであり、ebselen 400mg群で68%有意に減少した(差:-2.75dB、95%信頼区間[CI]:-4.54~-0.97、p=0.0025)。また、プラセボ群と有意差はなかったが、ebselen 200mg群で21%減少(3.23±0.91dB vs.プラセボ群4.07±0.90dB、差:-0.84dB、95%CI:-2.63~0.94、p=0.3542)、ebselen 600mg群で7%減少した(3.81±0.90dB vs.プラセボ群4.07±0.90 dB、差:-0.27、95%CI:-2.03~1.05、p=0.7659)。 ebselenのすべての用量群について忍容性は良好であり、血液学的、血液生化学的および放射線学的検査に関して、ebselen群とプラセボ群で差は認められなかった。

22316.

転移性前立腺がんの初期治療の行方は?(解説:榎本 裕 氏)-702

 1941年のHuggins and Hodgesの報告以来、転移性前立腺がん治療の中心はアンドロゲン除去療法(ADT)であった。近年、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に対する治療薬が次々に登場し、治療戦略が大きく変容しているが、転移性前立腺がんの初期治療に関しては70年以上にわたってほとんど進歩がなかった。第1世代の抗アンドロゲン薬(ビカルタミド、フルタミドなど)を併用するMAB(maximum androgen blockade)療法が広く行われているが、OSに対するベネフィットを示す報告は少ない。 この状況に風穴をあけたのが2015-16年に報告されたCHAARTED試験、STAMPEDE試験である。未治療の進行前立腺がんに対し、標準的なADTにドセタキセル(DTX)化学療法を6コース追加することで全生存率の有意な改善を示した。CRPCに対して予後改善効果のある薬剤をホルモン感受性のうちに「前倒しして」投与することでPFSのみならずOSまで改善するという報告は強いインパクトを与えた。 今回の報告は、ホルモン感受性の転移性前立腺がんに対し、第2世代の抗アンドロゲン薬であるアビラテロンをADTに併用するプラセボ対照の前向きRCTである。アビラテロンの追加は、死亡リスクを有意に低下させた(HR:0.62)。直接比較はできないものの、この数値はDTX追加によるベネフィット以上である可能性があり、非常に有望なアプローチといえる。一方、長い治療期間(DTX 6コースは18週間だが、アビラテロンは2年以上)による副作用とコスト増は懸念されるところであろう。とくにアビラテロンではプレドニゾロンの併用が必須であり、ステロイドによる副作用も懸念される。より長期間の追跡調査が必要である。 さらに、ADTにアビラテロンとDTX両方を上乗せする臨床試験が行われている。作用機序の異なる薬剤の併用は、さらなる予後改善をもたらすのか? 続報に期待したい。

22317.

複雑系とトヨタ生産方式【Dr. 中島の 新・徒然草】(180)

百八十の段 複雑系とトヨタ生産方式昨年のある日、学会でヨーロッパの医師たちと複雑系について議論していたときのことです。ふと私が「トヨタのやり方ってのは複雑系にうまく対応しているんじゃないか」と口にしました。そうすると隣にいた男性内科医師に「ほお? なら説明してみろ」と言われたのです。欧米の医療機関では上から押しつけられたトヨタ生産方式に現場が辟易している、と耳にしていたので、ちょっと軽はずみな発言だったのかもしれません。自分でもあまり整理できていない考えを英語で説明するのは無理な話。「あー、うー」とやっているうちに、相手に「もういい、もういい」と呆れられてしまいました。それから1年、もうちょっとうまく説明できなかったものか、と自分なりに色々な本を読んで勉強しました。その結果「やはりトヨタのやり方はよくできている」と思ったので、まずは読者の皆さんに私の考えを聞いていただきたく披露する次第です。まずは複雑系について説明しましょう。この世の出来事はすべて因果関係で成り立っていると我々は思いがちですが、そうでないことのほうがほとんどです。天候や自然災害、株価、為替相場などは複雑すぎて近未来の予測すら不可能です。個々の細胞が相互作用を及ぼしつつ全体を構成する人体というシステムもまた複雑系です。さらに、ある人が何月何日の何時何分に脳出血を起こすか、ということを正確に予測することは不可能です。このような人体という複雑怪奇なものを診断・治療しようとする医療現場もまた複雑系だといえます。経過を正確に予測できない疾病や外傷を扱う場合、その場その場で最善手を打ち続ける、ということを続けざるを得ません。さて、自動車産業においても、どの車種がどれだけ売れるのかをあらかじめ正確に予測することはできません。したがって個々の注文に対して、いかに短時間に正確に対応するかが大切です。私自身が10年ほど前にトヨタの車を買った時には、成約から納車まで約1ヵ月かかったように記憶しています。ユーザーからの個々の注文に対応しながら効率よく車を生産するためにトヨタが行っている工夫は、“アンドン”と“カンバン”という言葉に象徴されます。アンドンというのは情報表示板で、「不具合」「点検中」「調整中」などと状況を表示し続けます。これは自動車生産工場での不具合発生時に使われます。何か起こったときには、誰でもボタン1つでラインを停止させていいことになっています。そして皆が不具合発生場所に集まって状況をチェックし、調整した後に再スタートするのです。そうすることによって万一にも不良車が出荷されないようにしているのです。このコンセプトは、その昔、豊田自動織機が運転中の不具合発生とともに自動停止するようにできていたことに由来しているそうです。次にカンバンです。これは各生産工程からの注文票です。すべての工程は必要最小限の部品在庫だけを持ち、使った分だけ補充してもらうそうです。過剰な在庫は工場のスペースを占めたり余分な維持費用を要したりするので、絶対に避けなくてはなりません。このコンセプトは、必要な時に必要な部品を必要なだけ持ってくる、というジャスト・イン・タイムという名前で知られています。つまり予測困難な自動車生産現場という複雑系の中で、アンドンとカンバンを用いてうまく対応しようというのがトヨタ生産方式の骨格をなすものだといえましょう。ということで、今度ヨーロッパで同じ先生に会ったら、トヨタ生産方式についてもう少しうまく説明したいところです。もっとも、その前に、英語の練習も必要ですね。最後に1句複雑系 トヨタの技で 乗りきるぞ「現場で役立つ 英会話でトヨタ生産方式」(松崎久純 著)日刊工業新聞社「トヨタ生産方式」(大野耐一 著)ダイヤモンド社

22318.

日本人双極性障害患者のリチウム治療反応予測因子:獨協医大

 双極性障害患者では、機能的アウトカムに有意な影響を及ぼす認知機能障害が問題となることが多い。しかし、認知機能や機能的アウトカムの中心的な役割に対するリチウムの影響はよくわかっていない。獨協医科大学の齋藤 聡氏らは、リチウム治療中の双極性障害患者において、患者背景および臨床的変数(リチウムへの治療反応を含む)によって、認知機能および機能的アウトカムが予測されるかを検討した。Bipolar disorders誌オンライン版2017年7月10日号の報告。 リチウム治療中の双極性障害患者96例および年齢、性別をマッチさせた健常対照者196例を対象に、統合失調症認知機能簡易評価尺度(BACS)を用いて評価を行った。双極性障害患者は、SFS(社会機能評価尺度)およびAldaスケール(リチウム治療への反応評価尺度)総スコアの連続計測または二分法でそれぞれ評価した。 主な結果は以下のとおり。・重回帰分析より、以下の2つの重要な知見が明らかとなった。 ◆発症前のIQ、年齢、気分エピソード数がBACS複合スコアの予測因子であった。 ◆BACS複合スコア、陰性症状、Alda総スコアの連続計測(二分法でない)がSFS総スコアの予測因子であった。・これらの知見を確認し、さらに明らかにするためSEM(構造方程式モデリング)を用いたところ、Aldaスケールは、どのように評価されたかにかかわらず、陰性症状や気分エピソード数と有意な関連が認められた。 著者らは「患者背景、臨床的変数、認知機能、リチウム治療に対する反応は、社会的機能と関連し、集約されていることが、SEMにより明らかとなった。社会的機能に対するAldaスケールの役割は、さらなる研究が必要であると考えられる」としている。■関連記事双極性障害、リチウムは最良の選択か双極性障害に対するアジュバント介入~メタ解析妊婦へのリチウム使用、幼児への影響は

22319.

来たれ!リサーチ・マインドを持つ医療者…日本臨床疫学会 第1回大会開催

 日本臨床疫学会は、2017年9月30日~10月1日の2日間、第1回年次学術大会を東京大学本郷キャンパスにて開催する。 日本臨床疫学会は、「臨床研究で医療を元気にする」というキャッチフレーズのもと、2016年12月に発足した学会。クリニカル・マインドとリサーチ・マインドを持つ医療者による質の高い研究を推進し、現在の医療が直面する諸課題の解決に貢献することをミッションとしている。第1回年次学術大会のテーマは「日本の臨床疫学-天地開闢」。大会長は、東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻臨床疫学・経済学 教授康永 秀生氏。 同学術大会は、教育公演・研究実践ワークショップ・統計セミナーなどの教育的コンテンツが主体となる。特別講演、教育講演は、本邦を代表する臨床研究者・疫学研究者が登壇。シンポジウムでは、医療ビッグデータ、観察研究の統計手法、個人情報保護、臨床学会との連携、産学連携をテーマに取り上げる。また、事前登録制の参加型の研究実践ワークショップおよび統計セミナーも開催する。 大会長の康永 秀生氏は、自分たちが手に入るデータから臨床研究は可能、職種や診療科を問わず参加して欲しい、と述べる。 主なテーマは以下のとおり特別講演■臨床疫学は日本の医療を変えるか?演者:大橋 靖雄氏(中央大学 生物統計学)教育講演■医療技術評価の国際動向と今後の展開演者:池田 俊也氏(国際医療福祉大学 公衆衛生学)■コクラン・レビュー演者:森 臨太郎氏(国立成育医療研究センター 臨床疫学部)■ロコモの疫学演者:吉村 典子氏(東京大学医学部附属病院 ロコモ予防学講座)■統合研究(pooled analysis)の実際演者:二宮 利治氏(九州大学 衛生・公衆衛生学)シンポジウム■ビッグデータを用いた臨床疫学研究座長:宮田 裕章氏(慶応義塾大学 医療政策・管理学)■観察研究における統計手法座長:康永 秀生氏(東京大学 臨床疫学・経済学)■医療者と企業と官との産官学連携の新しい方向性座長:宮田 俊男氏(国立がん研究センター 企画戦略局政策室、日本医療政策機構)■日本臨床疫学会と各臨床専門学会の連携座長:川上 浩司氏(京都大学 薬剤疫学)■個人情報保護法・倫理指針の改正は臨床研究をどう変えるか?座長:山本 隆一氏(医療情報システム開発センター)■参考日本臨床疫学会第1回年次学術大会ホームページ

22320.

1日6杯超の飲酒で胃がんリスクはどれだけ増えるか

 近年、多量飲酒と胃がんリスクとの関連が報告されているが、飲酒量について課題が残っている。今回、症例対照研究のプール解析であるStomach cancer Pooling(StoP)Projectにおいて、これらの関連性がより詳細に示された。International Journal of Cancer誌オンライン版2017年7月18日号に掲載。 本研究は、欧州、アジア、北米の計20研究におけるケース9,669例およびコントロール2万5,336例のプール解析である。ランダム効果メタ回帰モデルを使用して、研究ごとのオッズ比(OR)をプールし、要約オッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・4杯/日以下の飲酒者の胃がんリスクは非飲酒者と比べて増加しなかったが、多量飲酒者(4杯/日超~6杯/日)ではORが1.26(95%CI:1.08~1.48)、超多量飲酒者(6杯/日超)では1.48(95%CI:1.29~1.70)であった。・4杯/日超の飲酒者の胃がんリスクは、生涯非喫煙者ではORが1.87(95%CI:1.35~2.58)と、現喫煙者の1.14(95%CI:0.93~1.40)より高かった。・非噴門部(OR:1.28、95%CI:1.13~1.45)より噴門部(OR:1.61、95%CI:1.11~2.34)の胃がん、びまん型(OR:1.29、95%CI:1.05~1.58)より腸型(OR:1.54、95%CI:1.20~1.97)のがんで、多量飲酒とやや強い関連が認められた。・この関連は、H.pylori感染者(OR:1.52、95%CI:1.16~2.00)および非感染者(OR:1.69、95%CI:0.95~3.01)において同程度であった。

検索結果 合計:35223件 表示位置:22301 - 22320