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リアルワールドデータにおける治療抵抗性うつ病

 抗うつ薬に反応しないうつ病を、治療抵抗性うつ病(TRD:treatment-resistant depression)という。TRDの定義には、治療反応、治療用量、治療期間の評価が含まれるが、これらの定義を医療保険データベースで実施することは困難である。米国・ヤンセン・リサーチ&ディベロップメントのM. Soledad Cepeda氏らは、データ駆動型TRD定義を構築し、その性能を評価した。Depression and anxiety誌オンライン版2017年12月15日号の報告。 対象は、1剤以上の抗うつ薬を使用し、躁病および認知症または精神病の診断がない成人のうつ病患者で、TRDのプロキシ(電気けいれん療法、深部脳刺激療法、迷走神経刺激療法)の有無にかかわらず層別化した。ランダムに選択された来院日のデータがない対象者がいるため、TRDのプロキシを有する対象者のインデックス日は施術日とした。使用したデータベースは3つであった。決定木(decision tree)による予測モデルに合致させた。インデックス日より3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月前の、適切な治療用量および治療期間にかかわらない抗うつ薬の数、抗精神病薬および心理療法の数、専門家ベースの定義が含まれた。性能を評価するため、曲線下面積(AUC)および輸送性(transportability)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・TRDのプロキシがない3万3,336例と、TRDのプロキシがある3,566例を分析した。・抗うつ薬および抗精神病薬の数は、すべての期間において選択された。・最も優れたモデルは12ヵ月時点で、AUC=0.81であった。・このルールを適用すると、前の年に抗精神病薬1剤以上または抗うつ薬3剤以上を使用の成人うつ病患者がTRDであり、治療対象者の15.8%がTRDであった。 著者らは「TRDかどうかの最も良い区分の定義は、前の年での異なる抗うつ薬3剤以上または抗精神病薬1剤以上の使用とみなされる」としている。■関連記事SSRI治療抵抗性うつ病、治療前に識別可能か:大分大治療抵抗性うつ病、抗うつ薬併用 vs. 抗精神病薬増強治療抵抗性うつ病に対する非定型抗精神病薬の比較治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのかを検証

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医療者が壊れる前のファーストエイド

 医療事故に直面し傷ついた患者・遺族と医療者双方をケアし、支援していくシステムの普及を目指し設立された一般社団法人Heals(Healthcare Empowerment and Liaison Support)の設立シンポジウムが、2017年12月23日に都内において開催された。シンポジウムでは、医師、看護師をはじめとする医療従事者、弁護士など法曹関係者、患者団体など約170名が参加し、現状の問題点や今後の展望についてディスカッションが行われた。医療事故で傷ついた人々の橋渡しに はじめに同団体の代表理事の永尾 るみ子氏が、「Healsの理念」について講演を行った。講演では、乳幼児突然死症候群(SIDS)により自身が愛児を失い医療不信になったこと、その後看護師として医療の世界に身を置き感じた医療システムなどの不安定さについて語った。これらを踏まえ、医療事故後の患者と医療者の関係性について、傷を負った双方が心の問題を抱え込まず、ケアをすることができないかとHealsを考え、団体設立となったと説明した。 とくに医療事故の後、医療者の多くは自責の念や事故への対応や裁判への不安など非常に不安定な心理状態におかれているにも関わらず、周囲に相談できず、負の感情を抱えたまま職場を去ったり、心のバランスを崩したりする人がいると問題を浮き彫りにする。医療事故後には、「遺族、医療者の双方がケアされる環境づくりが大事だ」と同氏は指摘し、そのためには、「Healsを通じて患者・遺族への相談、医療者へのピアサポーター養成、遺族と医療者の対話のあり方について学ぶテキスト、さまざまな研修プログラムの開発などを行っていきたい」と展望を語った。事故医療者へ必要なファーストエイド 次に曽根 美穂氏(青山心理発達相談室・臨床心理士)が、「傷ついた医療者の心理とケア」をテーマに説明を行った。 医療事故は突然起こるものであり、事故が起きると患者・遺族も医療者も強いストレスを受け、心的外傷(トラウマ)を負う。そして、負ったトラウマは、心理面(自責の念、後悔の念など)、身体面(不眠、動悸など)、社会生活面(孤立化、過敏反応など)で影響を及ぼし、ケアされないと心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder:PTSD)を発症する。 PTSDを発症すると再体験(フラッシュバックやパニック状態)、回避・まひ(事故の現場へ行けない、周囲との付き合いを避けるなど)、過覚醒(常時緊張や不眠・悪夢)を起こし、社会生活が困難となるばかりか、専門的な治療が必要になる。そのため、トラウマの段階でのケアが重要であり、治療では秘密が守れる場所で、事故者本人が信頼できる人が、本人を孤立させず、気持ちに寄り添い、話を聞きその内容を言語化する必要がある。「トラウマの解消には言語化が必要であり、言語化されることで気持ちが整理され、本人にとって受け入れられる出来事になる」と同氏は説明し、「医療事故が起きた場合、医療機関は、傷ついた医療者のファーストエイドに、医療メディエーターを活用して欲しい」と説明を終えた。ファーストエイドを担うピアサポーターの役割 次に井上 真智子氏(浜松医科大学地域家庭医療学講座 特任教授)が「ピアサポートのしくみと過程」をテーマに、アメリカのピアサポートを例に解説した。 ピアサポートとは、心理的ファーストエイドとして同じ立場の人間が支援をし合う仕組みであり、アメリカでは、医療者をシステムエラーの第2の被害者として捉え、ピアサポートが医療者のバーンアウトを防ぐとされ、10数年前から行われている。 アメリカでは、2002年に医療事故の患者と医療者の交流・赦しを目的にNPO法人MITSS(Medically Induced Trauma Support Services )が設立され、サポートが開始された。 ピアサポートは、グループセッションと個人セッションの2形態があり、事故の発生後に最大48時間以内にサポートを実施するフローになっている。ピアサポーターの役割として、「本人の感情の正当化」「能力・適正に自信を持たせる」「専門的ケアの必要性の評価」などが挙げられ、その一方で「事故の原因究明」「患者への説明・謝罪の助言」「職務能力の評価」などは行わないとされている。また、サポーターは研修への参加、メールでの報告(内容は実施件数と状況のみ)、サポーターミーティングへの参加が求められている。これらはボランティアの形で行われ、ピアサポートの医療者のミスを責めない姿勢は、医療者を疲弊させない文化で院内を変えていくと説明されている。 医療者の心が傷ついたとき、回復には6段階プロセスがあるという。すなわち(1)混乱と反応→(2)侵入思考・振り返り→(3)自己一貫性の修復→(4)調査への対応→(5)感情への対応 →(6)切り替え・前進の順で本人は回復していき、(6)の「切り替え・前進」では、「職場の移動・退職」「事態をやり過ごして生き残り」「成長・洞察」の3パターンがある。早い段階からサポートすることで、その後のキャリアへの影響を防ぐことが大切という。 最後に井上氏は「医療の現場では、個人を責めない『公正な文化』に基づく、職場内での支援が必要」と語り、レクチャーを終えた。電話相談から始まるピアサポート 次に和田 仁孝氏(早稲田大学大学院法務研究科 教授)が、「Healsの果たすべき役割」について説明を行った。 医療事故で傷ついた当事者である患者・遺族と医療者に対して、電話相談か面接によるケアサポートを実施する。その導入として、現況のアセスメント、施設適合的なシステムの提案、関連部署管理者へのレクチャー、サポートシステム管理者の研修が行われる予定である。早い時期での実施を計画しているが、ボランティアベースによるものなので、開催は月1回からのペースになるという。 参考までにアメリカでは、医療事故以外の事由のサポートも行われ、個々の医療機関独自のやり方でよいとしている。ピアサポーターの75%が医師で、看護師も多く、宗教者もいる。 今後の展望としては、「医療機関だけでなく学会での普及も視野に入れるとともに、私見ながら『患者・医療者の対話カフェ』の実現やピアサポート導入パッケージの推進、サポーター養成の研修事業などを行っていきたい」と将来の発展を語った。患者・患者遺族、医療者の視点で医療事故後の対応を考える 後半のシンポジウムでは大磯 義一郎氏(浜松医科大学医療法学 教授)を司会に迎え、先ほどの講演者と会場とで活発な意見交換が行われた。 シンポジウムでは、患者視点として肉親を医療事故で失くし、自身も医療事故の被害者となった女性が事故後の対応の問題(一例として医療者からの情報不足など)を語った。これに対し近年では、医療者が患者に共感をもって接し、医療情報の提供、謝罪を行うように変化している現状が報告され、こうした案件に対してHealsには、両者が対立軸にならないように、患者・遺族、医療者の重大な心理的負担を受け止める役割が期待されると今後の働きを示した。 また、医療者の視点からは薬剤誤投与での患者死亡のケースが報告され、当時のサポートの状況と反省点などが語られた。事故には医師を含む複数の医療者が関係し、事故後に医療者には病院が主体となって弁護士相談やメンタルサポート、就業支援が行われた一方で、遺族との交渉状況は何ら医療当事者には知らされなかったという。また、医師の精神面でのフォローがなかったことから、精神状態が不安定な状況におかれた点は反省すべきであったと説明された。経過として、その後遺族側から医師と面談したいとの提案により面談が実現し、医師が謝罪し、遺族も医師に同情を示し、精神的な安定へとつながった。このケースを踏まえて「医療者が一番癒されるのは、患者や遺族からの『赦し』を受け取ることであり、そのためには双方が落ち着いて話せる安全なコミュニケーションの場が大切ではないかと考える。事故後、早い段階で医師に声をかけ、想いを語る機会をもつ必要があったと思う。情報を遮断して守るのではなく、医師のトラウマケアを意識した守り方が必要だったと考える」と提言を述べた。 同団体では、今後もホームページなどで情報発信を行っていくので、参照していただきたい。■参考一般社団法人Heals ホームぺージ

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日本人のビタミンD摂取量と脳卒中死亡が逆相関

 ビタミンDの心血管の健康に及ぼす重要性に関する報告が増えている。今回、JACC研究(The Japan Collaborative Cohort Study)で日本人集団における食事でのビタミンD摂取量と脳卒中・冠動脈疾患死亡リスクの関連を調べたところ、ビタミンD摂取量が脳卒中死亡と逆相関することが示唆された。Stroke誌オンライン版2018年1月8日号に掲載。 本研究は、40~79歳の健康成人5万8,646人(男性2万3,099人、女性3万5,547人)を対象とした前向き研究で、追跡期間中央値は19.3年(1989~2009年)。食事によるビタミンD摂取量を自記式食物摂取頻度調査で評価した。ビタミンD摂取量で分類し、死亡のハザード比および95%信頼区間を計算した。 主な結果は以下のとおり。・96万5,970人年の追跡期間中、脳卒中による死亡は1,514例、冠動脈疾患による死亡は702例報告された。・ビタミンD摂取量は、脳卒中全体、とくに脳実質内出血による死亡リスクとの間に逆相関が示されたが、冠動脈疾患による死亡リスクとは示されなかった。・ビタミンD摂取量が最低のカテゴリー(110IU/日未満)に対する、最高のカテゴリー(440IU/日以上)の多変量ハザード比(95%信頼区間)は、脳卒中全体で0.70(0.54~0.91、傾向のp=0.04)、脳実質内出血では0.66(0.46~0.96、傾向のp=0.04)であった。

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日本HBOCコンソーシアム学術総会開催

 2018年1月20日、21日に第6回日本HBOCコンソーシアム学術総会が開催される。 今回の総会のテーマは「実戦!THE NEXT STEP HBOC診療」。まさにTHE NEXT STEPに入ったHBOC診療を日常診療とするための実践知識と技術・経験の獲得、および各施設での知恵の共有を目的としている。 学術総会では、本邦のHBOC診療の第一線で活躍する医療者が一堂に会し、HBOCのチーム医療、リスク低減手術、HBOCサーベイランス、HBOCが関わる前立腺がんになど、HBOCを取り巻くさまざまなテーマを取り上げる。 市民公開講座では、「話そう、シェアしよう」と題し、患者さん協力のもと、HBOC以外にも遺伝医療への理解を深めるため啓発活動も行う。 ケアネットでは、この第6回日本HBOCコンソーシアム学術総会 会長である聖路加国際病院 山内英子氏に、今回の学術集会の内容について、HBOCを取り巻く現状も含め単独インタビューを行った。学術集会の内容もこちらから。第6回HBOCコンソーシアム学術総会 会長インタビュー第6回日本HBOCコンソーシアム学術総会・会期 2018年1月20日(土)13:30~15:30 市民公開講座 2018年1月21日(日)9:00~17:00 学術総会・場所:聖路加国際大学アリスホール 〒104-0044 東京都中央区明石町10番1号

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高リスク重度ASへのTAVR、MEV vs.SEV/JAMA

 症候性の重度大動脈弁狭窄症の高リスク患者への経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)において、機械的拡張型カテーテル心臓弁(MEV)は自己拡張型経カテーテル心臓弁(SEV)に対し、安全性や有効性について非劣性であることが示された。有効性や中等度以上の弁周囲漏出率については、MEVのSEVに対する優越性も示された。米国・エバンストン病院(ノースショア大学ヘルスケアシステム)のTed E.Feldman氏らが、北米や欧州など55ヵ所の医療機関と共同で行った無作為化比較試験「REPRISEIII」で明らかにしたもので、JAMA誌2018年1月2日号で発表した。超高リスク・高リスク患者912例を対象に試験 「REPRISEIII」試験では、2014年9月22日~2015年12月24日にかけて、北米、欧州、オーストラリアの55ヵ所の医療機関を通じて、症候性の重度大動脈弁狭窄症の超高リスク・高リスク患者912例を対象に試験を開始し、2017年3月8日まで追跡した。 同試験では、被験者を無作為に2群(2対1)に分け、一方にはMEVを(607例)、もう一方にはSEVを(305例)それぞれ使用してTAVRを行い、MEVのSEVに対する非劣性を検証した。 安全性に関する主要評価項目は、術後30日の全死因死亡、脳卒中、致死的出血または大出血、ステージ2または3の急性腎障害、主要血管合併症の複合アウトカムの発生で、非劣性マージンは10.5%とした。 有効性に関する主要評価項目は、術後1年の全死因死亡、機能障害を伴う脳卒中、中等度以上の弁周囲漏出の複合アウトカムの発生で、非劣性マージンは9.5%とした。術後1年中等度以上の弁周囲漏出率、SEV群6.8%に対しMEV群0.9% 被験者の平均年齢は82.8歳(SD 7.3)で、女性が51%を占め、1年時点の評価が可能だったのは874例(96%)だった。 安全性に関する術後30日複合アウトカムの発生率は、MEV群20.3%、SEV群17.2%で、MEVのSEVに対する非劣性が示された(群間差:3.1%、Farrington-Manning非劣性検定による97.5%信頼区間[CI]:-∞~8.3、非劣性p=0.003)。 有効性に関する術後1年複合アウトカムの発生率についても、MEV群15.4%、SEV群25.5%と、MEVのSEVに対する非劣性が示された(群間差:-10.1%、同97.5%CI:−∞~4.4、非劣性p<0.001)。 副次評価項目の術後1年の中等度以上の弁周囲漏出率については、MEV群0.9%に対しSEV群6.8%で、MEV群のSEV群に対する優越性が示された(群間差:-6.1%、95%CI:-9.6~-2.6、優越性p<0.001)。優越性分析では主要有効性に関しても、MEV群のSEV群に対する統計的有意差が示された(群間差:-10.2%、同:-16.3~-4.0、優越性p<0.001)。 なお、MEV群は新規のペースメーカー植え込み(permanent pacemaker implantation)率が高く(35.5% vs.19.6%、p<0.001)、弁血栓症の割合は高かったが(1.5% vs.0%)、再手術率は低かった(0.2% vs.2.0%)。また、TAV-in-TAV処置率(0% vs.3.7%)、弁位置異常率(0% vs.2.7%)も低率だった。

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1型DMリスク乳児に加水分解粉ミルクの影響は?/JAMA

 遺伝的に1型糖尿病のリスクがある乳児に対し、離乳後にカゼイン完全加水分解粉ミルクを与えても、通常の粉ミルクを与えた場合と比べて1型糖尿病発症リスクは変わらないことが示された。フィンランド・ヘルシンキ大学のMikael Knip氏らが行った、無作為化プラセボ対照二重盲検試験「TRIGR」の結果で、JAMA誌2018年1月2日号で発表された。これまでの研究で、複合的な食品含有タンパク質の早期曝露が、1型糖尿病のリスクを高める可能性が示されていたが、今回の結果を踏まえて著者は、「1型糖尿病リスクのある乳児に対する食事の推奨を、修正する必要性を支持する所見は示されなかった」とまとめている。粉ミルクを60日以上投与し1型糖尿病リスクを比較 研究グループは2002年5月~2007年1月にかけて、15ヵ国78ヵ所の試験参加センターを通じて、ヒト白血球型抗原(HLA)関連疾患への感受性が高く、第1度近親者に1型糖尿病患者がいる乳児2,159例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはカゼイン完全加水分解の粉ミルクを(1,081例)、もう一方には通常の粉ミルク(80%)と完全加水分解粉ミルク(20%)の混合を(1,078例)、それぞれ投与した。粉ミルク投与期間は、月齢6~8ヵ月までの60日以上とした。2017年2月末まで追跡を行った。 主要アウトカムは、WHO基準による1型糖尿病の診断。副次評価項目は、同診断時の年齢、安全性(有害事象)などだった。1型糖尿病発症リスクは両群とも約8% 被験者のうち、女児は47.3%(1,021例)で、試験を完了したのは80.8%(1,744例)だった。観察期間の中央値は11.5年(四分位数[Q]:10.2[1Q]~12.8[3Q])だった。 1型糖尿病の絶対発症リスクは、加水分解粉ミルク群が8.4%(91例)に対し、通常粉ミルク群は7.6%(82例)で、有意差はなかった(群間差:0.8%、95%信頼区間[CI]:-1.6~3.2)。HLAリスクグループや授乳期間、粉ミルク投与期間、性別、試験地で補正後、ハザード比は1.1(95%CI:0.8~1.5、p=0.46)だった。 1型糖尿病と診断された年齢の中央値についても、それぞれ6.0歳(3.1[1Q]~8.9[3Q])、5.8歳(同2.6~9.1)と、同等だった(差:0.2歳、95%CI:-0.9~1.2)。 最も多く発症した有害事象は上気道感染症で、発症頻度はそれぞれ0.48件/年、0.50件/年だった。

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突然やってくる!? 外国人患者さん対応エピソード集 第8回

第8回 海外では前払いが主流!? 未払いにつながるトラブルを防ぐために2017年10月27日(金)、JIGH主催で「【外国人患者受入れ体制整備支援セミナー】訪日外国人4000万人時代の 医療機関に求められる新たな備えとは〜医療安全から訴訟・医療費未払い対策まで〜」と題したセミナーが開催され、医療機関の外国人患者受け入れ担当者と医療法学の専門家によるパネルディスカッションが行われました。外国人患者受け入れ体制を整備しなければならないが、一体何をどこまでやるべきか。体制整備をしないとどんなことが起こり得るのか。備えるべきリスクとはどのようなものなのか。医療機関の担当者からの疑問に医療法学の専門家が答える形で議論は進められました。ここでは、未払い問題についての議論を一部抜粋してご紹介します。パネラー浜松医科大学医学部 医療法学教授(医師・弁護士) 大磯 義一郎 氏群馬大学医学部附属病院 医事課 医療安全係 天田 麻里 氏国立国際医療研究センター 国際診療部 堀 成美 氏当日のパネルディスカッションと会場の様子JIGH:外国人患者さんに対して、事前に価格を提示せず、会計時に金額を知らせたところ「そんなの事前に聞いていない」と言われ、支払いを拒否されてしまうというケースにどう対応すべきかというご質問がきています。医療機関ではこういったケースが実際に起きているのでしょうか。堀:当院(国立国際医療研究センター)では今は事前に概算を提示しているため起きていないですが、以前はよく起きていたようです。JIGH:概算費用の事前提示を始めてから、未払いは減っているということですか。堀:難民の仮放免中で本当に支払い能力がないなどのケースもあり、完全に0にするのはなかなか難しいですが、医療機関としての努力で限りなく0に近づけることはできています。支払いの問題の多くは、患者さん側ではなく、医療機関側の努力不足にあり、きちんと対応すれば支払ってもらえます。海外では前払いが当たり前の国が多いですから、治療に緊急性のない場合は事前に、緊急性のある場合でもできるだけ早い段階で概算費用を提示して、支払いについて工面を開始してもらうことが重要です。とくに初期、患者さんがとにかく治して欲しいという気持ちを強く持っている間にお金の話をして、前納していただくのがとても有効ですね。回復してきて、後は退院するだけの段階になると、支払いに対する気持ちが下がってきてしまい渋られるケースもありますので、支払いの話はとにかく早い段階ではじめたほうが未払いは防げます。先にお金の話をするのは、日本の医療者からすると違和感があるかもしれません。でも世界的に見ると前払いは一般的ですし、そういう文化の国から来た患者さんからすると、お金の話を最初にすることに違和感はありません。逆にお金の話をまったくしないと「一体いくらかかるんだろう、支払えるだろうか。」と不安を感じる方が多いので、患者さんのためにも、できるだけ早めに支払いについての話を始めるほうが良いと思います。天田:当院(群馬大学医学部附属病院)の場合、まだまだ医療機関としての努力が不足していると感じています。先日、研修(注:JIGH主催の「外国人患者受入れ医療コーディネーター研修」のこと。堀成美さんが講師として登壇。)で堀さんの未収金対策の講義を受け、・写真付きの身分証明書の確認とコピーをとること・概算費用を早めにお伝えすること・家族など本人以外の人の力も借りて支払いをしてもらうことなど、未払い防止に重要なことを学びました。それを持ち帰って、入院費の算定係といろいろと話をしました。その後、旅行中に救急搬送された外国人患者さんがいたのですが、算定の担当者とソーシャルワーカーの連携で、一緒に旅行に来ていた家族に働きかけ、無事100%回収できたという事例ができました。そういった成功事例を積み重ねていくことが重要であると感じており、未払い防止のための体制整備を院内にさらに働きかけていきたいと思っています。大磯:事前の請求は法律的にも可能ですので、法律的な側面から確認しておきたいと思います。民法649条で「委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない」とあり、入院の際などに前払いをお願いすることは、民法649条に基づく請求になります。<本事例からの学び>訪日外国人患者さんの医療費の未払いは、医療機関の努力次第で限りなく0に近づけることができる。海外では前払いが一般的であることを理解し、お金の話を早期に始めることが、外国人患者さんの不安軽減にもつながる!※パネラーに岡村 世里奈氏(国際医療福祉大学大学院 医療経営管理分野/医療通訳・国際医療マネジメント分野 准教授)を加え、応召義務や体制整備について議論したセミナー全体のレポートをご希望の方は、下記申し込みフォームからお申し込みください(JIGH運営の外部サイトに移動します。リンク先のフォームはケアネットが運営するものではないことをご了承ください。入力いただいた情報の取扱い等に関するご要望・質問等については、当該フォームの運営者にお問い合わせください)。フォームはこちら

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第6回HBOCコンソーシアム学術総会 会長インタビュー

第6回HBOCコンソーシアム学術総会が本年(2018年)1月20日~21日に開催される。今大会の開催への思いと見どころについて、会長である聖路加国際病院 副院長・ブレストセンター長・乳腺外科部長の山内 英子氏に聞いた。 今回の学術総会はHBOC(遺伝性乳卵巣症候群、Hereditary Breast and Ovarian Cancer Syndrome)診療について、多方面から取り上げています。私がアメリカに留学中の1994年、三木 義男先生(現:がん研究所遺伝子診断研究部部長)によるBRCA遺伝子発見のニュースを知り、「がんの原因遺伝子が発見された。これでがんが無くなるかもしれない」と大きな話題となりました。その後、BRCA2遺伝子も発見され、アメリカで臨床を始めた時期には、遺伝子検査が導入され始めていました。片側の乳がん患者さんでも、両側乳房全摘術を行っている場合があるのに、カルテに理由が書かれていない。疑問に思っていると、実は「BRCA遺伝子検査が陽性であったので予防的切除を受けた」という時代でした。その後、遺伝子検査の実施に関係なく、両側乳房全摘術を受けた患者さんすら見るようになりました。2009年に日本へ帰国後、中村 清吾先生(HBOCコンソーシアム理事長、現:昭和大学病院乳腺外科教授)と遺伝性腫瘍について、臨床と研究の両面で取り組みを継続しました。「日本ではHBOC患者は少ないのではないか?」という意見もまだ多かった時期でした。アメリカではすでに予防的切除も含めて選択できる時代でしたから、「女性が平等に選択肢を得られる」診療体制を整えることに注力しました。こうした中で2013年、女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが将来の乳がんを予防するために両側切除術を受けたというニュースが、日本で大きな注目を集めました。色々なメディアで、予防的乳房・卵巣卵管切除術や遺伝子検査について取り上げられたのです。私は社会に正しい知識を広めることが必要と考え、同年8月には書籍を執筆しました。(「乳って遺伝するの?」主婦の友社刊)。1日目の市民公開講座には、「話そう、シェアしよう」というタイトルが付いています。この本には、HBOC患者さんの一人が当事者として、手記を寄せてくださいました。もちろん、患者さん自身も大変悩んでいらっしゃるのですが、葛藤を含めて客観的に表現していただきました。きっと彼女のストーリーを知り、勇気をもらう方も多いのではないでしょうか? 市民公開講座でも、ご本人からお話しいただける予定です。また、私がHBOCの最新知識について講演を行います。その後にGirl’s Talkとして、実際にBRCA遺伝子検査を受けて陰性であった方、検査を受けるべきか現在も悩んでいる方、未発症だけれども検査陽性で予防的切除を行った方に、登壇いただきます。それぞれ、ご自身の思いを率直に語っていただき、シェアしてもらうための市民公開講座です。2日目は、各科が連携して関わるべきHBOC診療を第一線の医師が議論する、意欲的なプログラムですね。かつて「日本人のHBOCは、アメリカ人ほど多くない」と言われていた時代から、知見も大きく変化し、エビデンスもたくさん出てきて、実臨床に入ってきています。このため、2日目はプラクティカルなHBOC診療を、幅広く取り上げることにしました。それを表すために「実戦!THE NEXT STEP」という大きなテーマを掲げています。シンポジウム1では、実践的に何ができるかを、チーム医療の観点で取り上げます。HBOC診療を日々行っていると、看護師や遺伝カウンセラーなどと素晴らしいチームを作ることが、非常に重要だと感じます。けれども多くの乳腺外科医にとって、遺伝カウンセラーと協力していくことは、これからの新しいチーム医療です。そこで、発表いただくチームはさまざまな規模の病院からの公募制にして、他のチームと実践的な内容を当日から共有できるように工夫しました。チーム同士が今後もお互いに繋がりを持てるよう、抄録集の構成も工夫しています。医療現場での課題や実践方法は、会場の聴講者にもアナライザーのアプリを使って質問します。「家族歴を誰が聴取しているのか?」といった具体的な方法も含めて、会場全体で本当の意味でのプラクティカルな実践をわかっていただく内容です。ランチョンセミナーでは、当事者の声としてHBOCの方に話していただく演題もあります。午後のプログラムでは、より実臨床に踏み込んだ発表が続きますね?シンポジウム2では、当科に対して全国の病院から寄せられるご質問、たとえば「リスク低減手術はどうしているのか?」「患者さんにどのように説明している?」「同意書はどういった内容か?」「手術手技のコツは?」などを、皆で共有できるようにしています。抄録集には、各病院でHBOC診療を担っている先生たちの、熱い意気込みも書かれています。シンポジウム3は、サーベイランスがテーマです。乳房MRIでのフォローや、他の遺伝性腫瘍についてもご発表いただきます。とくにリ・フラウメニ(Li-Fraumeni)症候群は、TP53遺伝子の変異のため、小児から全身どこにでも腫瘍が発症する可能性がある。こうした遺伝性腫瘍についても、HBOCだけでなく広く知っていただく必要があると思います。シンポジウム4では、HBOCの前立腺がんをテーマとしました。乳がんや卵巣がんから、女性の疾患とつい考えがちですが、HBOCは若い男性のアグレッシブな前立腺がんにも関わっています。泌尿器科と密に連携すべきステップまで、実は考えなければいけないのです。泌尿器科では前立腺がんの全員に家族歴を聞いていないかもしれないので、開業医を含めて知っていただく必要があります。膵がんも含めて、男性のがんにもHBOCが関わっているという認識を医師に広げていく必要があります。日常診療とHBOCは、実は深く関わっているわけですね?今回の学術総会は、HBOC診療に対してプラクティカルなものにしたいと願っています。実際、どの医師の目の前にも、HBOCで困っている患者さんが現れる可能性があります。遺伝性腫瘍の特徴は、その患者さんだけで治療は終わらないことです。たとえば、親族の男性がBRCA遺伝子検査陽性であれば、前立腺がんのサーベイランスを医師が考慮すべきなのです。これからのHBOC診療は今にも増して、「多診療科・チーム医療」でサポートしなければいけません。家族を含めてHBOCを診ていかなければいけないのです。日本でも、開業医が担うべきHBOC診療ということですね?そうです。アメリカではプライマリケアの先生が、患者さんの家族歴をすべて把握していて、遺伝子検査を積極的に勧めたり、その遺伝的背景に基づいて検診を組んでいくことが多いです。日本でも、開業医の先生方の協力なしに、遺伝性腫瘍を見つけ、がんの発症を防いでいくことは難しいと思います。これまでのような疾患ごとの治療ではなく、高齢化社会の中で、日本のプライマリケアの先生たちが「病気を発症しないように」大きな役割を果たしていくのです。むしろ、開業医こそ、積極的に関与していく。HBOCを含む遺伝性腫瘍をプライマリケアの中で発見していただき、私たちのような専門医へ紹介する舵取りを、広く担っていただくべきでしょう。発症予防を担い、1次予防すら遺伝子検査でできる時代です。もし、体調不良の患者さんの家族歴を聴取したときに、HBOCのような遺伝性腫瘍について知識があれば、専門医へ速やかに紹介することができます。日本には潜在的なHBOC患者さんがまだいるはずですから、リスク低減手術よりもさらに前に、本当の意味での発症予防を目指すべきです。今回の学術総会では、こうした多岐にわたるテーマを活発な議論によって掘り下げていきたいと考えています。第6回日本HBOCコンソーシアム学術総会会期:2018年1月20日(土)13:30~15:30 市民公開講座2018年1月21日(日)9:00~17:00 学術総会場所:聖路加国際大学アリスホール〒104-0044 東京都中央区明石町10番1号学術総会ホームページ :http://hboc.jp/meeting/山内 英子氏の編著書実践! 遺伝性乳がん・卵巣がん診療ハンドブックメディカ出版乳がんって遺伝するの?主婦の友社マンガでわかる乳がん主婦の友社

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腎細胞がん、レンバチニブ・ペムブロリズマブ併用にブレークスルーセラピー指定

 エーザイ株式会社とMerck&Co.,Inc.,は2017年1月9日、エーザイ創製のマルチキナーゼ阻害剤レンバチニブ(商品名:レンビマ)とMSDの抗PD-1 抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)との併用療法による進行性または転移性腎細胞がんの適応に対して、米国食品医薬品局(FDA)よりブレークスルーセラピー指定を受けたと発表。 今回のブレークスルーセラピー指定は、臨床第Ⅰb/Ⅱ相試験(111試験)のうち、腎細胞がんコホートに関するもの。固形がんを対象とした111試験は、レンバチニブとペムブロリズマブとの併用療法の有効性と安全性を評価する多施設共同、非盲検の臨床第Ⅰb/Ⅱ相試験であり、米国および欧州(EU)で実施されている。

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不眠症治療における睡眠衛生教育のメタ解析

 睡眠衛生教育は、プライマリケアにおいて不眠症の治療に用いられている。より強力な治療法として報告されている睡眠衛生教育や不眠症に対する認知行動療法が、最初から実践されるべきかについては、不明である。中国・香港大学のKa-Fai Chung氏らは、睡眠不足または不眠症に対する睡眠衛生教育の有効性に関する検討を行った。Family practice誌オンライン版2017年11月29日号の報告。 2017年5月までに6つの主要な電子データベースにアップされた研究をシステマティックに検索した。2人の研究者が独立して関連出版物を選定し、データ抽出を行い、コクランの基準に従って方法論的質を評価した。15件のうち12研究は、睡眠衛生教育と認知行動療法の比較であった。残り3件は、マインドフルネスベースの治療との比較で、偽治療または未治療と比較を行った研究はなかった。睡眠、物質使用、定期的な運動、寝室の整理に関する一般的な知識は、カバーされていた(睡眠覚醒の規則性、7つのプログラムにおける昼寝の回避、5つのプログラムによるストレス管理)。 主な結果は以下のとおり。・睡眠衛生教育により、治療前から治療後に有意な改善を示した。エフェクトサイズは、小~中程度であった。・睡眠衛生教育は、不眠症に対する認知行動療法よりも有意に効果が低く、エフェクトサイズの差は、中~大程度であった。・睡眠日誌による睡眠効率に関して、治療前後の改善平均差は、睡眠衛生教育で5%、不眠症に対する認知行動療法で8%であった。ピッツバーグ睡眠質問票に関しては、それぞれ2ポイントであった。・主観的尺度のみ、有意であった。・受容性、アドヒアランス、理解、費用対効果に関するデータはなかった。 著者らは「睡眠衛生教育は、不眠症に対する認知行動療法よりも効果は低い。睡眠衛生教育が、プライマリケアにおける不眠症のための段階的ケアモデルの役割を担っているかどうかは、未解決の方法論および実施上の問題のため、確固たる結論に至っていない」としている。■関連記事音楽療法が不眠症に有用不眠症の人おすすめのリラクゼーション法とは不眠症になりやすい食事の傾向

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GERDは上部気道消化管がんリスクにも関連

 胃食道逆流症(GERD)は食道腺がんの危険因子として知られているが、今回、米国の高齢者での症例対照研究から、GERDが喉頭などの上部気道消化管(UADT)の悪性腫瘍の発症にも関連することが示唆された。JAMA otolaryngology-head & neck surgery誌オンライン版2017年12月21日号に掲載。 米国Tulane UniversityのCharles A. Riley氏らは、Surveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)-Medicareデータベースを用いて、2003年1月~2011年12月にUADTの悪性腫瘍と診断された66歳以上の米国人で症例対照研究を実施、GERDとの関連を調査した。対照は、悪性腫瘍のないメディケア受給者の5%ランダムサンプルからマッチされた。主要アウトカムはUADTの浸潤性悪性腫瘍の発症率とし、多変量無条件ロジスティック回帰を実施した。 主な結果は以下のとおり。・UADTの悪性腫瘍患者1万3,805例(年齢中央値[範囲]:74[66~99]歳、女性3,418例[24.76%]、男性1万387例[75.24%])を、性別・年齢・診断年をマッチさせた1万3,805例と比較した。・GERDは、下記の悪性腫瘍発症率が高いことと関連していた。 <調整オッズ比(95%信頼区間)>  喉頭:2.86(2.65~3.09)  下咽頭:2.54(1.97~3.29)  中咽頭:2.47(1.90~3.23)  扁桃:2.14(1.82~2.53)  鼻咽頭:2.04(1.56~2.66)  副鼻腔:1.40(1.15~1.70) この関連について、著者らは、因果関係および診断的有用性を決定するためにさらなる検討が必要である、としている。

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骨折治療用インプラント除去後感染に術前抗菌薬は有用か/JAMA

 膝下の骨折の治療に用いた整形外科用インプラント除去後の手術部位感染の予防において、手術前に抗菌薬投与を行っても感染リスクは低減しないことが、オランダ・アムステルダム大学医療センターのManouk Backes氏らが実施したWound Infections Following Implant Removal(WIFI)試験で示された。整形外科用インプラント除去術の手技は“clean(皮膚の菌汚染や局所感染がない)”とされ、手術部位感染率は2~3.3%と予測されるため、米国疾病管理予防センター(CDC)の最新のガイドラインでは抗菌薬の予防投与の適応はない。その一方で、予測を超える高い感染率が複数の研究で報告されている。JAMA誌2017年12月26日号掲載の報告。予防投与の効果を無作為化試験で評価 WIFI試験は、感染率が最も高い領域とされる膝下の骨折治療に用いられた整形外科用インプラント除去後の、抗菌薬予防投与の効果を評価する多施設共同二重盲検無作為化試験である(Netherlands Organization for Health Research and Development[ZonMw]の助成による)。 対象は、年齢18~75歳で、膝下(足、くるぶし、下腿)の骨折治療後に整形外科用インプラントの除去術を受けた患者であった。除外基準は、活動性の手術部位感染症や瘻孔、インプラント除去時の抗菌薬治療、術中の骨接合材の再設置、セファロスポリンのアレルギー、腎疾患、免疫抑制薬の使用、妊娠であった。 被験者は、術前にセファゾリン1,000mg+生理食塩液(0.9%)または生理食塩液(0.9%)をそれぞれ静脈内ボーラス投与する群に無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは、米国CDCの判定基準に基づく術後30日以内の手術部位感染であり、副次アウトカムは身体機能、健康関連QOL、患者満足度とした。 2014年11月~2016年9月にオランダの19施設に500例が登録され、477例が割り付けの対象となった。6ヵ月間のフォローアップが行われ(最終フォローアップ日:2017年3月28日)、470例(セファゾリン群:228例、生食群:242例)が解析の対象となった。30日以内の手術部位感染:13.2% vs.14.9% 割り付け対象例(477例)の平均年齢は44歳(SD 15)、女性が274例(57%)であった。インプラント設置からの経過期間中央値は11ヵ月(IQR:7~16)だった。 30日以内の手術部位感染は66例(14.0%)で発症した(表層感染:58例、深層感染:8例)。このうちセファゾリン群が30例(13.2%)、生食群は36例(14.9%)と、両群間に有意な差を認めなかった(絶対リスク差:-1.7、95%信頼区間[CI]:-8.0~4.6、p=0.60)。 表層感染はセファゾリン群が29例(12.7%)、生食群は29例(12.0%)で、深層感染はそれぞれ1例(0.4%)、7例(2.9%)であり、いずれも両群間に有意差はみられなかった。 健康関連QOL(EuroQol 5-Dimension 3-Level[EQ-5D-3L])、身体機能(Lower Extremity Functional Scale[LEFS])、患者満足度(視覚アナログスケール[VAS])についても、両群間に有意な差はなかった。 著者は、「本試験の手術部位感染率は、既報の一連の後ろ向き試験に比べて高かった。前向き試験では退院後の手術部位感染の適切な把握は困難で、一般に過少報告となるため感染率は高くなることが多いとはいえ、14.0%は予想を超えて高く、観血的整復固定術後の感染率を上回る値である」としている。

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DHA、EPAの摂取量と緑内障予防の関連は?

 毎日の食事で摂取する多価不飽和脂肪酸(PUFA)の量と緑内障の罹患率との間に関連があるか確認することで、緑内障の発症に関与する食事のリスク因子を修正できる可能性がある。米国・UCLAデイビッド・ゲフィン医科大学院のYe Elaine Wang氏らは、2005~08年の米国国民健康栄養調査(NHANES)のデータを分析し、エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取量が多いほど、緑内障性視神経症のリスクが低いことを明らかにした。しかし、1日のPUFA総摂取量が四分位で2番目と3番目に多い群では、緑内障のリスクが有意に高かった。この結果について著者は、「ω-6とω-3脂肪酸の相対的な摂取量および他の交絡併存症(confounding comorbidities)によるものと思われる」との見解を示したうえで、「本研究から、毎日のPUFA摂取量を全体的に制限するとともに、ω-3脂肪酸の割合を増やすことが緑内障の予防につながる、という仮説を立てることができるだろう」と述べ、「この仮説を評価するため、長期的な調査または無作為化臨床試験が必要である」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年12月21日号掲載の報告。 研究グループは、ω-3脂肪酸を含むPUFAの1日摂取量と緑内障との関連を分析する目的で、横断研究を行った。対象は、2005~08年のNHANESにおいて、眼の健康と食事摂取アンケートに参加し、臨床検査および眼科検査(Frequency Doubling Technology視野計、視神経乳頭写真を含む)の結果が入手可能であった40歳以上の3,865例であった。今回の研究に関するデータは、2017年5月1日~30日にデータベースからダウンロードされ、同年6月1日~10月1日に解析が行われた。 調査項目は、ω-3脂肪酸を含むPUFAの1日摂取量と、ロッテルダム診断基準(視神経乳頭陥凹または非対称の形成、ならびに視野欠損)に基づく緑内障の罹患率であった。 主な結果は以下のとおり。・今回の横断研究に含まれた参加者の重み付け調査数は8,364万3,392例で、このうち4,366万327例(52.2%)が女性、307万6,410例(3.7%)が緑内障の基準を満たした。・緑内障有病者は、非有病者と比較し高齢であった(平均年齢:61.4±0.8歳 vs.53.7±0.4歳、p<0.001)。・EPAおよびDHAの1日摂取量の多さは、緑内障のリスクが有意に低いことと関連していた(それぞれ、オッズ比[OR]:0.06[95%信頼区間[CI]:0.00~0.73]、OR:0.06[95%CI:0.01~0.87])。・しかし、1日のPUFA総摂取量が第2四分位および第3四分位の群は、緑内障のリスクが有意に高かった(それぞれ、OR:2.84[95%CI:1.39~5.79]、OR:2.97[95%CI:1.08~8.15])。

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レパーサ新剤形発売。9分で投与可能に

 アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社(本社:東京、代表取締役社長:スティーブ・スギノ)とアステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:畑中好彦)は2018年1月12日、抗PCSK9モノクローナル抗体エボロクマブ(商品名:レパーサ皮下注40mgシリンジ、レパーサ皮下注140mgペン)への追加剤形として「レパーサ皮下注420mgオートミニドーザー(AMD)」の発売を開始した。レパーサは、心血管イベントの発現リスクが高く、スタチンで効果不十分な家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症の治療に適応される。 ニュースリリースによれば、レパーサ皮下注420 mg AMDは、手のひらに収まるコンパクトサイズで、薬剤が充填されたカートリッジと、専用の自動注入器から構成されている。従来のシリンジまたはペン製剤では420mgの投与に140 mg剤形を用いて3回の皮下注射の必要があったところ、AMD 製剤は、1回9分かつハンズフリーで投与でき、歩行、手を伸ばす、腰を曲げるといった日常の軽い動作の妨げにならない。また、投与の際に注射針が見えにくい製品設計になっている。

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製薬企業データを活用しAIで創薬/DeNA

 株式会社ディー・エヌ・エー(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:守安 功)および株式会社DeNAライフサイエンス(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長:大井 潤)は、旭化成ファーマ株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:柴田 豊)および塩野義製薬株式会社(所在地:大阪府大阪市、代表取締役社長:手代木 功)と、旭化成ファーマおよび塩野義製薬が所有する化合物情報(構造式および特性情報)を用いて、AI創薬の実現可能性を技術的に検証する共同研究を2018年1月から開始する。 製薬企業では、創薬プロセスの生産性向上のためAI技術に大きな期待が寄せられている。本共同研究は、DeNAおよびDeNAライフサイエンスのAI技術と製薬企業のデータを活用して、化合物最適化段階の大幅なコストおよび時間低減に繋がる技術を開発し、検証することを目的としている。 また本共同研究には、科学技術顧問としてIT/AI創薬の専門家である東京工業大学 情報理工学院 石田 貴士准教授が就任する。

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重症喘息の現状とアンメットメディカルニーズ

 アストラゼネカ株式会社は、日本で専門医を受診している成人喘息患者を対象とした調査研究であるACQUIRE-2試験のサブグループ解析を発表し、その結果からコントロール不良の重症喘息患者におけるQOL低下とアンメットメディカルニーズの存在が示唆された。重症喘息の病態 喘息は、治療を行うことである程度まで良好にコントロールできるようになったものの、吸入ステロイド薬を含む強力な治療を行ってもその効果が十分に現れず、症状をコントロールできない場合がある。症状のコントロールに高用量吸入ステロイド薬および長時間作用性β2刺激薬(LABA)、加えてロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)、テオフィリン徐放製剤、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)、経口ステロイド薬(OCS)、抗IgE抗体の投与を要する喘息、またはこれらの治療でもコントロールができないような喘息を「重症喘息」または「難治性喘息」という。 ACQUIRE-2試験では、高用量の吸入ステロイド薬と長期管理薬の併用治療を受けている、または経口ステロイド薬を長期管理薬として使用していて、次のいずれかに当てはまる場合に「コントロール不良の重症喘息」と定義した。 ・ACQスコア1)が1.5超 ・全身ステロイド投与が連続3日以上必要な喘息の増悪を研究への登録の前年に2回以上経験 ・1秒量(FEV1)が80%未満 また、喘息にはさまざまな病態が関与しており、好酸球性、好中球性、アレルギー性などのフェノタイプが特定されてきた。このうち、喘息の重症化には好酸球が大きく関わると考えられており、海外では重症喘息患者の半数以上が好酸球性喘息であるとの報告もある2)。コントロール不良な重症喘息患者の現状 ACQUIRE-2試験では、解析の対象となった喘息患者のうち12.3%がコントロール不良の重症喘息患者であると特定された。さらに、そのうち75.3%が夜間症状を経験し、27.2%が睡眠障害を経験していることが明らかとなった。コントロール不良な喘息は日常生活に与える影響が大きく、患者QOLが著しく低下する。発作が命にかかわることもあり、コントロール不良の重症喘息患者の死亡リスクは重症喘息患者の8倍とも言われている3-4)。生物学的製剤の可能性 そのような中、生物学的製剤への期待が高まっている。生物学的製剤は、IgG抗体やサイトカインなどの炎症物質に直接的に作用するため、喘息の重症化予防の観点からも効果が期待されている。現在、喘息に使用可能な生物学的製剤はオマリズマブ(抗IgE抗体)、メポリズマブ(抗IL-5抗体)の2剤であるが、それに加えて抗IL-5抗体であるbenralizumabの開発が進んでいる。 benralizumabは、第III相試験であるSIROCCO試験およびCALIMA試験において、コントロール不良の好酸球性重症喘息に対する効果を示した。標準治療にbenralizumab 30mgを追加することで、症状の増悪頻度の有意な低減(benralizumab投与群とプラセボ群とを比較して年間喘息増悪率が最大51%低下)が認められたほか5)、CALIMA試験の日本人患者83例を対象としたサブグループ解析では、benralizumabの56週投与は、プラセボ群と比較して喘息増悪の年間発生率を最大83%低下させた6)。 benralizumabの使用により、経口ステロイド薬減量の可能性が4倍以上高いことも示されており7)、生物学的製剤は重症喘息患者のQOL改善にも効果が期待できる。重症喘息患者のアンメットメディカルニーズを満たす薬剤として、生物学的製剤が希望をもたらす存在となりつつある。■参考1)Juniper EF, et al. The European Respiratory Journal. 1999;14:902-907.2)Schleich F, et al. Respir Med. 2014;108:1723-1732.3)Price D, et al. NPJ Prim Care Respir Med. 2014;12:14009.4)Fernandes AG, et al. J Bras Pneumol. 2014;40:364-372.5)Bleeker ER, et al. Lancet. 2016;388:2115-2127.6)FitzGerald JM, et al. Lancet. 2016;388:2128-2141.7)Nair P, et al. N Engl J Med. 2017;376:2448-2458.

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心臓サルコイドーシスの診断と予後の評価、心臓MRIは有意義か?

 心臓サルコイドーシスは健康状態を悪化させ、死にもつながる疾患である。心臓に関連した症状がある患者の評価において、心臓MRIは重要な診断ツールであるが、これまでに使われてきたテストに加えてMRIを行うことが、心臓サルコイドーシスの診断に有用であるかは不明である。Vasileios Kouranos氏らによる本研究の目的は、心臓サルコイドーシスにおけるさまざまな検査の診断的価値を評価するとともに、心臓MRIの役割を示し、リスクが高い患者を特定することである。Journal of American College of Cardiology誌12月号に掲載。サルコイドーシス患者321例の検査に心臓MRIを加え、予後をフォロー 本研究では、生検でサルコイドーシスと診断された患者321例に対し、一般的な検査に加えて心臓MRIとガドリニウム遅延造影を行い、1次エンドポイント(全死亡率、持続性心室頻拍エピソード、心不全による入院)と2次エンドポイント(非持続性心室頻拍エピソード)を同定しながらフォローアップした。心臓MRIは心臓エコーが正常な患者でも有用 米国心臓不整脈学会(Heart Rhythm Society)のコンセンサス診断基準に基づき、29.9%が心臓サルコイドーシスと診断された。心臓MRIは最も感度が高く、特異的な検査であった(ROC曲線のAUC:0.984)。心臓MRIによって、心臓に関する症状があるか心電図異常を伴う、もしくはその両方を有するが心エコーが正常な44例に加え、無症状でほかの検査も正常だった15例においても心臓サルコイドーシスが確認された。心臓に関する病歴と心電図に心エコーを加えても、最初のスクリーニングにおける感度は変わらなかった(68.8% vs.72.9%)。一方で、高い陽性的中率(83.9%)にもかかわらず、心エコーは感度が低かった(27.1%)。フォローアップ期間中、患者の7.2%で1次エンドポイントが発生し、3.4%で2次エンドポイントが発生した。ガドリニウム遅延造影は1次エンドポイントの独立した予測因子であった(ハザード比[HR]:5.68、95%CI:1.74~18.49、p=0.004)。ガドリニウム遅延造影、年齢、ベースラインで非持続性心室頻拍を有していることが、すべてのイベントに対する独立した予測因子であった。心臓に関連した症状があるか心電図異常がある、またはその両方を有する場合、心臓MRIは診断の正確性を高め、独立して1次エンドポイントを予測できた(HR:12.71、95%CI:1.48~109.35、p=0.021)。心臓MRIが心臓サルコイドーシスの診断と予後の評価に最も有用 一般サルコイドーシス患者に対する検査の中で、心臓MRIが心臓サルコイドーシスの診断と予後の評価に最も有用であった。心エコーはスクリーニングテストとしての診断的価値に限界がある。心エコーにおける異常は陽性的中率が高いが、確定診断には心臓MRIが必要なケースがあると考えられる。(カリフォルニア大学アーバイン校 循環器内科 河田 宏)関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

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初の「サルコペニア診療ガイドライン」発刊

 本邦初となる「サルコペニア診療ガイドライン2017年版」が2017年12月25日に発刊されたことを受け、2018年1月10日、都内でプレスセミナー(日本サルコペニア・フレイル学会主催)が開催された。セミナーでは本ガイドラインの作成委員長を務めた荒井 秀典氏(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター長)が登壇し、サルコペニア診療ガイドライン作成の背景と、その概要について解説した。サルコペニア診療ガイドラインはCQ形式で定義・診断から治療まで サルコペニアは、2016年10月に国際疾病分類第10版(ICD-10)のコード(M62.84)を取得し、独立した疾患として国際的に認められた。転倒・骨折につながるなど高齢者の日常生活動作(ADL)低下のリスク因子となるほか、併存疾患の予後にも影響を及ぼすが、早期介入により維持・改善が可能な場合もあることが明らかになっている。しかし、現在のところ本邦の傷病分類には含まれておらず、国際的にも診断・治療の標準となるガイドラインは存在しない。これらを背景に、“現時点での標準的な診療情報を提供すること”を目的として日本サルコペニア・フレイル学会、日本老年医学会、国立長寿医療研究センターが主体となり、ガイドライン作成が進められた。 サルコペニア診療ガイドラインは全編Clinical Question(CQ)形式で構成され、「サルコペニアの定義・診断」「サルコペニアの疫学」「サルコペニアの予防」「サルコペニアの治療」という4つの章ごとに全体で19のCQを設定。予防・治療に関しては、システマティックレビューによるエビデンスの評価に基づき、「エビデンスレベル」「推奨レベル」が提示されている。サルコペニア診療ガイドラインでは診断基準にAWGSのものを推奨 サルコペニアの診断に関しては、複数の基準が提唱されており、今回のガイドライン作成にあたってのレビューでは7種の診断基準が確認された。サルコペニア診療ガイドラインでは、アジア人を対象として設定されたAsian Working Group for Sarcopenia(AWGS)の診断基準を推奨している。「ただし、診断に使われる骨格筋量の測定/分析装置(DXAあるいはBIA)のある医療機関は限られているため、日本人を対象として開発された“指輪っかテスト”等、誰にでもできるスクリーニング法が有用だ。握力テストと組み合わせることで、診療所などでもリスクの高い患者をスクリーニングすることが可能だろう」と荒井氏は述べた。 サルコペニア診療ガイドラインは今後5年ごとの改訂を目指している。荒井氏は最後に、「長期的なアウトカム等、診断から治療まで全体としてまだまだエビデンスが不足している。より簡便・正確な診断法、薬物療法を含む新たな治療法も今後開発されていくと思われ、5年後を目途にエビデンスを蓄積していきたい」とまとめた。

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統合失調症の再入院に対する抗精神病薬の比較

 再発予防、とくに初回エピソード統合失調症患者における、新規抗精神病薬の長期有効性の比較についてはあまり知られていない。フィンランド・東フィンランド大学のHeidi Taipale氏らは、統合失調症患者の再入院リスクに対する各種抗精神病薬の影響について、比較検討を行った。Schizophrenia bulletin誌オンライン版2017年12月20日号の報告。 フィンランドヘルスケアレジストリより、1972~2014年のフィンランド統合失調症入院患者の全国データを、プロスペクティブに取集した。全体で統合失調症患者6万2,250例が、プリバレントコホートに含まれ、初回エピソード統合失調症患者8,719例がインシデントコホートに含まれた。抗精神病薬のフォローアップは、プリバレントコホートでは1996年より開始し、インシデントコホートでは入院患者の初回退院時より開始した。精神医学的および全原因による入院リスクについての個々のCox回帰モデルは、選択バイアスを排除するため、患者自身をコントロールとして使用し、抗精神病薬使用の有無によるリスクを比較するために構築した。 主な結果は以下のとおり。・20年間のフォローアップにおいて、プリバレントコホートの59%は、精神医学的入院治療が必要なため再入院した(中央値:14.1、四分位範囲:6.9~20.0)。・プリバレントコホートにおいて、精神科再入院リスクが最も低かった抗精神病薬は、オランザピン持効性注射剤(調整ハザード比:0.46、95%CI:0.36~0.61)、クロザピン(調整ハザード比:0.51、95%CI:0.49~0.53)、パリペリドン持効性注射剤(調整ハザード比:0.51、95%CI:0.40~0.66)であった。・初回エピソード統合失調症患者では、flupentixol持効性注射剤(調整ハザード比:0.24、95%CI:0.12~0.49)、オランザピン持効性注射剤(調整ハザード比:0.26、95%CI:0.16~0.44)、ペルフェナジン持効性注射剤(調整ハザード比:0.39、95%CI:0.31~0.50)において、最もリスクが低かった。 著者らは「クロザピンと持効性注射剤は、両コホートにおいて、全原因による入院リスクが最も低かった。クロザピンと持効性注射剤は、慢性期統合失調症患者と初回エピソード統合失調症患者の精神医学的要因および全原因による入院を予防するうえで、最も効果的な治療法であると考えられる」としている。■関連記事統合失調症の再入院、剤形の違いで差はあるのか長時間作用型注射製剤は、統合失調症患者の入院減少と入院期間短縮に寄与統合失調症の再発率比較、併用療法 vs. 単独療法 vs. LAI

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ビッグデータの分析による正常体温の個体差/BMJ

 正常体温は、加齢とともに低下し、正常体温が高いことはがんやBMIの増加と関連する可能性があることが、米国・ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のZiad Obermeyer氏らによる、長期的なビッグデータを用いた検討で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2017年12月13日号に掲載された。19世紀に開始されたヒトの深部体温の研究には長い伝統があるが、主に特定の集団の平均体温の確立に重点が置かれてきた。一方、体温は、患者によって大きく異なる多彩な因子(年齢と体内時計、代謝、排卵周期など)の影響を受けることが知られ、個々の患者のベースラインの正常体温には系統的な差異がある可能性が高まっているという。約3万5,000例の患者の体温と併存疾患などとの関連を解析 研究グループは、個々の患者の体温の評価を行い、ほかの生理学的測定値や健康状態との相関について検討するコホート研究を行った(米国国立衛生研究所[NIH]の助成による)。 米国の大規模研究病院の電子記録のデータセットを用いた。2010~12年に病院の救急部および外来を受診した患者を同定し、これらの患者の2009~14年の体温測定を含む外来受診データを収集した(37万4,306件)。 このうち、感染症の診断を受けていないか、抗菌薬を処方されておらず、体温が正常範囲内と予測される患者3万5,488例(体温測定:24万3,506件)を解析の対象とした。解析した因子では説明不能な体温が、死亡の予測因子に ベースラインの平均年齢は52.9歳で、女性が64%、非白人が41%であった。最も頻度の高い初回診断名は、変形性関節炎/変形性関節症(5.9%)であり、次いで背部痛(4.9%)、定期健診(4.5%)の順であった。 ベースラインの平均体温は36.6度(95%range:35.7~37.3度、99%range:35.3~37.7度)であった。3次医療施設で治療を受けた患者の1年死亡率は6.2%だった。 個々の患者のベースラインの体温は、さまざまな人口統計学的因子や併存疾患、生理学的測定値と関連した。たとえば、体温は加齢とともに低下し、年齢が10歳高くなるごとに0.021度低くなった(p<0.001)。白人男性と比較して最も体温が高かったのはアフリカ系米国人女性で、0.052度の差が認められた(p<0.001)。 また、がんは、体温が高いことと関連が認められた(0.020度、p<0.001)のに対し、甲状腺機能低下症は、体温が低いことと関連した(-0.013度、p=0.01)。さらに、BMIの1単位の増加は、体温が高いことと関連した(0.002度、p<0.001)。 一方、全体として、これらの因子で説明可能な体温の範囲は8.2%にすぎなかった。これに対し、事前に年齢、性別、人種、バイタル・サイン、併存疾患で補正すると、体温の0.149度(全体の1SDに相当)の上昇ごとに、1年死亡リスクが8.4%増加した(p=0.014)ことから、残りの説明不能な体温の範囲は、死亡の有意な予測因子であることが示唆された。 著者は、「個々の患者の体温には、測定誤差や環境因子のみに帰すことのできない重要な多様性があることが示された」とし、「説明不能な体温の範囲と死亡との顕著な相関は興味深く重要な知見であり、さらなる研究を要する」と指摘している。

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