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低酸素血症のない脳卒中急性期患者に酸素投与は推奨できない(解説:内山真一郎氏)-754

 低酸素は、脳卒中発症後数日間にはよく起こるが、間欠的なことが多く、気づかれないこともある。酸素補給は低酸素や脳卒中症状悪化を予防しうるので、回復を改善する可能性がある。本研究は、通常の予防的な低用量の酸素補給が90日後の死亡と後遺症を減らすかどうか、またもしそうなら低酸素がもっとも多く起こり、酸素投与がリハビリテーションの邪魔をしない、夜間だけの酸素補給が持続的な補給よりいいのかを評価することを目的として行われた。 この単盲検の無作為化臨床試験には英国の136施設から、酸素療法の明らかな適応や禁忌のない、入院後24時間以内の8,003例の成人の急性脳卒中患者が登録された。患者は、72時間の持続的な酸素、3夜の夜間酸素、対照(臨床的に適応がある場合に限り酸素)のいずれかに1 vs.1 vs.1で無作為割り付けされた。酸素は、ベースラインの酸素飽和度が93%以下なら3L/min、94%以上あれば2L/minがnasal tubeから投与された。一次評価項目は、郵送の質問票による90日後の改変ランキン尺度スコアであった。 結果は、転帰良好の非補正オッズ比が、酸素 vs.対照で0.97(95%信頼区間:0.89~1.05、p値=0.47)、持続酸素 vs.夜間酸素で1.03(95%信頼区間:0.93~1.13、p値=0.61)であり、いずれも有意差がなかった。非低酸素の急性脳卒中患者では、低用量の酸素補給は3ヵ月後の死亡や後遺症を減らさなかったので推奨できないというのが結論である。

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第10回 30%のリスク、どう伝える?【患者コミュニケーション塾】

30%のリスク、どう伝える?先日、都内の病院で56歳の夫が亡くなったという女性から電話相談が届きました。夫は人間ドックでひっかかり、胃の精密検査を受けたところ、進行性の胃がんと診断されたそうです。夫婦揃って受けた術前の説明では、「恐らくリンパ節に転移していると思われるので、初期ではなく進行性の胃がんです。膵臓にまで転移が拡がっていれば拡大手術になりますが、7対3で拡大手術はないでしょう」と言われ、合併症についても一般的な胃がんの手術による内容に限定されていたそうです。しかし実際に開腹してみると、がんは膵臓にも浸潤していて、一部膵臓を切除する拡大手術になってしまいました。それでも術後は「拡大手術になりましたが、手術は成功しました」と説明を受けて、とりあえず一息ついたのだそうです。ところが2日後、容態が急変したとの知らせが病院から入りました。妻が驚いて病院に駆けつけたところ、膵臓が縫合不全を起こし、膵液が漏れて血管を溶かし、体内で大出血が起こっていると聞かされました。そして、あれよあれよという間に夫は亡くなってしまったのです。進行がんとは言われていたけれど、まさか手術で死亡する可能性など考えてもいなかったため、妻は大混乱に陥りました。突然の死亡によるショックと悲しみのなかでの葬儀、夫のきょうだい、親戚への対応、さらに自営業だった夫の仕事の後始末など、しばらくは大変な日々だったそうです。そして2ヵ月ほど経ってようやく少し落ち着き、インターネットで調べてみたところ、膵臓を切除する手術となると膵液漏の合併症の可能性が非常に高まり、かなり危険を伴った手術になることがわかりました。それならば、なぜ死亡する可能性があることを事前に説明してくれなかったのかという疑問が抑えきれなくなったそうです。死亡する可能性があると事前に聞かされていれば、手術を受ける前に夫婦で話し合うこと、準備することも違っていたと嘆かれました。また、夫の死について病院はどのように受け止めているのかもきちんと説明を受けたいとのことでした。私は相談を伺いながら、この方の夫の死は医療に起因した予期せぬ死亡である(死亡する可能性について個別性のある説明をしていなかった)可能性が高いので、2015年10月から始まった医療事故調査制度の報告対象になるかもしれないと考え、その制度についても相談のなかで説明し、病院との話し合いの方法についてアドバイスしました。その後の報告で、「ドクターと話し合ってきましたが、合併症だったの一点張りで納得のいく説明はありませんでした。医療事故調査制度に基づく報告についても、『合併症なので報告していません』と言われました」とのことでした。私は、医療である程度安全性が確保された検査や治療は、リスクが起きる確率は0.1%以下と聞いています。しかし、この方の場合、「7対3で拡大手術になる可能性はない」と言われたということは、拡大手術になる可能性は「30%もある」ということです。それは決して低い数字ではありません。やはり、30%も可能性があるならば、拡大手術になった場合のリスクについても説明はあってしかるべきかと思います。また、医療事故調査制度は、医療に起因した死亡で、死亡することを予期できなかったと管理者が最終的に判断した場合ですから、合併症かどうかは報告の判断には関係しないことだと思います。たとえ0.1%であっても、30%であっても、そのなかに入ってしまえば当事者にとっては100%の出来事になります。しかも、30%という数字の持つ意味を医師と患者側では共有できていないことがしばしばです。その辺りを、いかに医療の現実に即して説明するかも問われているのだと思います。

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慢性期統合失調症、陰性症状の予測因子は:県立広島大

 県立広島大学の藤巻 康一郎氏らは、統合失調症患者の長期入院に対する、陰性症状と主要な指標との関連を調査した。また、陰性症状の臨床的決定要因の解明についても検討を行った。Psychiatry research誌オンライン版2017年9月24日号の報告。 指標因子には、年齢、罹病期間、入院期間、発症年齢、教育年数、喫煙状態、BMI、血清トリグリセリド濃度、総コレステロール、尿酸、心電図によるQTc間隔持続時間、抗精神病薬および抗コリン作用薬の等価換算量、神経認知機能、薬物誘発性錐体外路症状、不随意運動、精神症状を用いた。これらの因子と陰性症状との関連を調査するため、スピアマンの順位相関係数を算出し、回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・陽性症状は、BPRSで評価した陰性症状と正の相関が認められた。・発症年齢は、陰性症状と負の相関が認められた。・重回帰分析では、非定型抗精神病薬の等価換算量と陽性症状が、陰性症状を予測することが示された。 著者らは「陰性症状の重症度の主要な指標であるこれらの予測因子に対して理解を深めることは、慢性期統合失調症の治療プログラム再考に役立つであろう」としている。■関連記事陰性症状に対する最新レビュー、有効性が確認されている治療は慢性期統合失調症、陰性症状に有効な補助療法統合失調症患者の再入院、ベンゾジアゼピンの影響を検証:東医大

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高血糖を指摘されても4割以上が再検査せず

 MSD株式会社は、2型糖尿病の疑いのある人や高血糖を指摘された人、治療を中断している人など、糖尿病の発症・進行リスクがあると考えられる40歳以上の男女4,700人(各都道府県100名ずつ:男性70人、女性30人)に、糖尿病に関する意識や行動に関するインターネット調査を2017年6月に実施した。調査結果から、糖尿病の発症や進行のリスクを持つ人の43.2%が、リスクを指摘されながらも再検査を受診していないことがわかった。また、44.1%が自身の糖尿病の発症や進行のリスクについて「低い」と答えた。薬物療法については、57.5%が抵抗感を感じているが、服用頻度によって心理的負担が軽減される傾向があった。発症や進行のリスクがあっても、健康診断や検査受診に消極的 医療機関や健康診断で高血糖と指摘された人の43.2%が糖尿病の再検査を受診しておらず、40代では半数以上(50.7%)が未受診であった。未受診の理由は、「放っておいても、再検査の受診についてとくに何も言われないから」(44.0%)が最も多い。続いて、「とくに気になる症状がないから」(22.7%)であった。 健康診断を毎年受診していない人も21.9%存在している。会社員では、毎年受診していない人は10.1%と少ないが、自営業では36.8%、働いていない人では30.9%と、会社員に比べ3倍以上となった。また、毎年受診していない理由は「面倒だから」(35.3%)が最も多かった。自身の発症や進行のリスクを過小評価 糖尿病の発症や進行のリスクがあるにもかかわらず、44.1%がその「リスクは低い」と回答した。リスクが低い理由として「症状を感じていないから」(44.7%)、「太っていないから」(20.0%)との回答もあった。糖尿病は初期には自覚症状がほとんどなく、やせ型でもなり得るという、糖尿病の特徴に関する認識不足が浮き彫りになった。 一方、糖尿病の主な症状(「のどが渇くことが多い」「多尿・頻尿である」「疲れやすい、だるい」)のうち、1つでも実感している人は75.6%に及んだ。働いている場合、自分の健康よりも仕事を優先する人が65.5%に上った。半数以上が薬物療法に抵抗感、心理的負担の少ない治療法には期待 糖尿病未治療者の糖尿病治療に対するイメージには「厳しい食事制限」(64.7%)や「毎日服薬が必要」(59.1%)のほか、「毎日インスリン注射を打つ」(56.5%)という思い込みや先入観が存在することがわかった。糖尿病治療への抵抗感は薬物療法が57.5%と最も多く、食事療法は40.8%、運動療法は27.7%であった。治療薬が週1回服用タイプの場合、63.2%が「心理的負担が減る」と回答した。患者さんのニーズにあった治療薬が選択可能 本調査結果から、東京医科大学病院 主任教授の小田原 雅人氏は、「自身の健康に対する過剰な自信がみられたり、糖尿病に関する知識・関心が低かったりと、糖尿病の発症や進行のリスクがある人たちが適切な対処を十分に行っていない実態が示された」と指摘した。 また、63.2%の人が「飲み薬の頻度が週1回なら、治療の心理的負担が減る」と回答していたことを取り上げ、「週1回治療の選択肢が増えたことで、患者さんのさまざまなライフスタイルやニーズにあった治療薬が選択できるようになっている」とコメントしている。■参考MSD株式会社ニュースリリース

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PARP阻害薬olaparib、乳がんに国内承認申請

 アストラゼネカおよびメルク・アンド・カンパニーは2017年10月23日、日本において、アストラゼネカ株式会社が、BRCA遺伝子変異陽性の手術不能または再発乳を予定効能・効果とするolaparibの医薬品製造販売承認申請を行ったことを発表した。医薬品医療機器総合機構(PMDA)による承認についての判断は、2018年下半期までになされる予定。 本申請はNew England Journal of Medicineに掲載された国際共同第III相試験OlympiADの良好な結果に基づき行われた。OlympiAD試験は302例の病的変異または病的変異疑いに分類される生殖細胞系列BRCA1またはBRCA2遺伝子変異を有するHER2陰性転移乳がん患者におけるolaparib(300mg×2/日)の有効性および安全性を、医師の選択した化学療法(カペシタビン、ビノレルビンもしくはエリブリンのいずれか1つ)と比較検討した非盲検無作為化多施設共同第III相試験。 olaparibの日本における承認申請は、現在審査中の、卵巣がんを対象とした申請に次いで2件目となる。現在、olaparibは、卵巣がんと乳がんに加え、前立腺およびすい臓を含む多岐にわたる腫を対象に臨床試験を実施中である。■参考アストラゼネカ株式会社プレスリリースOlympiAD試験(Cinical Trials.gov)■関連記事PARP阻害薬olaparib、既治療のBRCA乳がんの予後を改善/NEJMPARP阻害薬olaparib、BRCA変異乳がんの生存を42%改善/ASCO2017

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新規インフルエンザ薬S-033188、先駆け審査指定制度下で国内承認申請

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功)は、自社創製の新規キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬S-033188について、成人および小児におけるA型又はB型インフルエンザウイルス感染症を適応症として、2017年10月25日付で日本国内における製造販売承認申請を行ったと発表。 S-033188は、既存の薬剤とは異なる作用機序でインフルエンザウイルスの増殖を抑制する新規化合物であり、2015年10月に厚生労働省より先駆け審査指定制度の対象品目に指定されている。S-033188は、成人または小児を問わず、経口による1回のみの錠剤の服用で治療が完結するため、利便性が高く、確実なアドヒアランスが期待できるという。 これまでに実施した健常なインフルエンザ患者を対象とした臨床試験(CAPSTONE-1)では、S-033188は、既存薬のオセルタミビルと比較して、抗ウイルス効果が高く、投与翌日には50%以上の患者(小児を含む)でウイルス力価の陰性化が認められている。そのため、家庭内や学校、職場等でのウイルス伝播、飛沫/空気感染拡大に対しても一定の抑制効果を示すことが期待される。また、薬剤との関係性が疑われる有害事象の発現率がオセルタミビルと比較して有意に低く、従来の治療と同等以上の安全性を示すと考えられる。さらに、S-033188は、非臨床試験において、鳥インフルエンザウイルス(H5N1やH7N9)や、既存のインフルエンザ治療薬に耐性を有するウイルス株を含む、さまざまな亜型のA型インフルエンザウイルスに対してもウイルス増殖抑制効果が確認されている。そのため、パンデミックへの備えとしても重要な薬剤になると考えられる。■参考シオノギ製薬株式会社ニュースリリース■関連記事新インフルエンザ治療薬S-033188、第III相試験結果発表/IDWeek2017

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自傷行為を行った10代、自殺リスクは17.5倍/BMJ

 2001~14年の間に、英国に住む13~16歳の女子で自傷行為が68%増加していたことが明らかとなった。英国・マンチェスター大学のCatharine Morgan氏らが、地域住民を対象に、10代の若者における性別および年齢別の自傷行為発生率の経時的傾向、臨床管理パターン、自傷行為エピソード後の死因別死亡リスクを調査したコホート研究の結果を発表した。近年、小児および青年で自殺率が上昇していることや、精神的苦痛を訴える若年者の急増が報告されているが、非致死的な自傷行為の発生率については国のデータ源がなく定量化が困難であった。著者は今回の結果を踏まえ、「自傷行為増加の原因となるメカニズムをよく理解し、苦しんでいる子供たちへの支援に取り組むことが、公的機関にとって喫緊の課題である」とまとめている。BMJ誌2017年10月18日号掲載の報告。自傷行為の発生率とその後の死亡率を調査 研究グループは、英国のプライマリケア674施設における440万例超の患者記録を含むデータベースClinical Practice Research Datalink(CPRD)、病院データ(Hospital Episode Statistics:HES)、国家統計局(Office for National Statistics:ONS)の死亡記録と、社会経済的貧困の度合いについてはIndex of Multiple Deprivationを用いて検討を行った。 記述的分析として、2001~14年の間に自傷行為を行った10~19歳の患者1万6,912例のデータを調査した。また、このうちHESとONSに該当した8,638例について、年齢・性別・施設をマッチングさせた対照計17万274例とともに、自傷行為後の死因別死亡率について解析した。 主要評価項目は、第1に性別および年齢別の自傷行為年間発生頻度の経時的傾向、第2にメンタルヘルスサービスへの紹介や向精神薬の処方等の臨床管理、第3に全死因死亡・不慮の死(自殺や事故死など)・致死的急性アルコールまたは薬物中毒の相対リスクであった。自傷行為は女子に多く、とくに13~16歳の女子で発生率が急増 自傷行為の年間発生頻度(/1万人)は、男子が12.3に対し女子で37.4と高く、とくに13~16歳の女子では2011年の45.9から2014年の77.0へと68%増加した。 社会経済的貧困度が高い地域でプライマリケア施設に登録された若年患者の自傷行為発生頻度は非常に高かったが、自傷行為エピソード発生後12ヵ月以内のメンタルヘルスサービスへの紹介率は、社会経済的貧困度が最も低い地域の患者と比較して23%低い傾向がみられた。 自傷行為を行った小児および青年は、追跡期間中に不慮の死を遂げるリスクが約9倍高く、とくに自殺(社会経済的貧困を補正したハザード比[HR]:17.5、95%信頼区間[CI]:7.6~40.5)、致死的急性アルコールまたは薬物中毒(34.3、10.2~115.7)のリスクの顕著な上昇が認められた。

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妊娠歴有の女性から男性への輸血は死亡リスクが高い?/JAMA

 赤血球輸血を受けた患者において、妊娠歴がある女性ドナーからの輸血は男性ドナーからの輸血と比べ、男性レシピエントでは全死因死亡率の上昇との関連がみられ、女性レシピエントでは同様の関連は確認されなかった。また、妊娠歴のない女性ドナーからの輸血は、男女ともにレシピエントの死亡率上昇とは関連しなかった。オランダ・Sanquin ResearchのCamila Caram-Deelder氏らが、初回輸血レシピエントを対象にした後ろ向きコホート研究の結果を報告した。これまで、女性ドナーからの赤血球輸血は、男性ドナーと比較してレシピエントの死亡率が高いことが観察されていたが、ドナーの妊娠歴が関与するかは不明であった。JAMA誌2017年10月17日号掲載の報告。輸血患者の死亡率、男性ドナーと女性ドナーの妊娠歴の有無で評価 研究グループは、2005年5月30日~2015年9月1日に、オランダの主要6病院で初回輸血を受けた患者を登録し解析した(最終追跡日2015年9月1日)。主要解析は、単一ドナー(男性ドナーのみ、妊娠歴のない女性ドナーのみ、妊娠歴のある女性ドナーのみ)から赤血球輸血を受けた患者を対象とし、Cox比例ハザードモデルのライフテーブルや時間変数を用いて、各ドナーから受けた輸血と死亡との関連を調べた。主要評価項目は、追跡期間中の全死因死亡率とした。 主要解析対象となったレシピエントは3万1,118例(年齢中央値65歳[四分位範囲:42~77歳]、男性1万4,995例[48%]、女性1万6,123例[52%])で、計5万9,320単位の赤血球輸血を受けた。ドナーは、男性88%、妊娠歴のある女性6%、妊娠歴のない女性6%であった。妊娠歴がある女性からの輸血を受けた男性、死亡リスクが1.13倍 試験対象期間の死亡は、3万1,118例中3,969例であった(死亡率13%)。 男性レシピエントにおける赤血球輸血後の全死因死亡(件数/1,000人年)は、ドナーが妊娠歴のある女性の場合の101に対し男性ドナーの場合は80で、輸血当たりの時間依存性死亡ハザード比(HR)は1.13(95%CI:1.01~1.26、p=0.03)であった。一方、妊娠歴のない女性ドナーからの輸血と男性ドナーからの輸血を比較すると、全死因死亡は78 vs.80で、死亡HRは0.93(95%CI:0.81~1.06、p=0.29)であった。 女性レシピエントにおいては、妊娠歴のある女性ドナー vs.男性ドナーの全死因死亡は74 vs.62、死亡HRは0.99(95%CI:0.87~1.13、p=0.92)であり、妊娠歴のない女性ドナー vs.男性ドナーは74 vs.62、HRは1.01(95%CI:0.88~1.15、p=0.92)であった。 著者は、後ろ向きコホートで死因に関する情報がないことなどを研究の限界として挙げたうえで、「本研究の結果については、今後、さらなる研究で再現性を検証する必要があり、臨床的意義を明らかにするとともに、このような差異が起こるメカニズムを特定することが重要な課題である」とまとめている。

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卵円孔開存は問題か?(解説:後藤信哉氏)-753

 胎児循環では心房中隔の一部としての卵円孔は開存している。出生とともに閉じるのが一般的である。剖検例を詳細に検討すると、20%程度の症例には機能的卵円孔開存を認めるとの報告もある。経食道心エコーでは心房の血流の詳細な検討が可能である。バブルを用いたコントラスト法により機能的卵円孔開存の診断精度も向上した。原因不明の脳梗塞の一部は、静脈血栓が開存した卵円孔を介して左房・左室と移動した血栓が原因と考えられた。とくに、出産時、潜水時などに比較的若いヒトに起こる脳塞栓には卵円孔開存を原因とするものが多いと想定された。 卵円孔が開存しても心負荷は増えない。将来の心不全を防ぐために卵円孔を閉鎖する必要はない。自分の患者が心房中隔欠損症の高齢出産のときには緊張する。1次予防は難しいとはわかっていても、入院時にできた静脈血栓が、腹圧増加時に欠損した心房中隔を介して重篤な脳卒中になるのが心配だからだ。卵円孔開存でも腹圧亢進時などには右・左シャントが起こりうる。1次予防は無理としても、卵円孔開存が明らかで、右・左シャントを介した脳梗塞を発症した後でも、われわれは診療に当たる必要がある。過去に抗血小板薬、抗凝固薬などの有効性が検証されたが明確な結論は得られなかった。卵円孔開存はまれではないが、原因不明の脳卒中を合併するリスクは少ないので、再発予防であってもランダム化比較試験を計画することは困難であった。今回はこの困難な領域において、複数のランダム化比較試験の結果が報告された。 Masらのフランスのグループは抗凝固療法よりも、抗血小板療法よりも、経カテーテル的卵円孔閉鎖と抗血小板薬の併用の予防効果が高いとした(Mas JL, et al. N Engl J Med. 2017;377:1011-1021.)。しかし、経カテーテル的卵円孔閉鎖時の合併症を考えると今後の標準治療に転換するほどのインパクトはない。難しいランダム化比較試験を完遂した努力は賞賛したい。Sondergaardらも同様のランダム化比較試験を行い、同様の結果をNEJM誌に発表した(Sondergaard L, et al. N Engl J Med. 2017;377:1033-1042.)。Saverらの結果も同様であった(Saver JL, et al. N Engl J Med. 2017;377:1022-1032.)。単独の試験の結果と比較して、複数の試験が同時に発表されれば、結果の信頼性は高い。しかし、SaverらはSt. Jude Medical社、SondergaardらはW.L. Gore & Associates社の助成研究である。自社のデバイスをうまく使える技術のある施設を選定したバイアスは否定できない。Masらの公的グラントによる研究も同様の成果を示しているので、技術の上手な術者であれば2次予防にはデバイスを考えてもよいのかもしれない。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第40回

第40回:失神の鑑別診断監修:表題翻訳プロジェクト監訳チーム 失神は日常診療で遭遇する病態の1つであるが、ほとんどの場合は神経調節性失神などの良性疾患である。しかし心原性失神など入院精査を要する場合もあり、的確な診断と必要に応じた適切な治療が求められる。国内のガイドラインとしては日本循環器学会などが合同で作成した「失神の診断・治療ガイドライン2012年改訂版」があり1)、「診断へのアプローチ」や「救急での対応」という項目で具体的対応についても記載されている。なお、米国心臓病学会(ACC)、米国心臓協会(AHA)、米国不整脈学会(HRS)が合同で、失神の評価・管理に関するガイドラインを2017年3月9日にオンライン公開しており、こちらも参考になる2)。 以下、American family physician 2017年3月1日号3)より失神とは、脳血流の低下によって招かれる突然の一過性の意識消失である。救急外来患者の1~1.5%を占めており、入院率が高く、医療費への影響も大きい。失神は神経調節性失神、心原性失神、起立性低血圧に分類される。このうち、神経調節性失神はもっとも頻度が多く、予後良好である一方、心原性失神は死亡へ繋がることもある。前失神を伴うものは失神と同様の転帰を辿るため、失神と同じように評価を行うべきである。標準化されたアプローチで失神を評価することは、入院や医療費を抑えつつ、診断精度を高めることができる。すべての失神患者に対して、詳細な病歴、身体診察、心電図を最初に行うことにより、半数を診断することができ、またリスク分類を図ることもできる。血液検査や頭部画像検査はあまり診断へ寄与しないため、臨床的に適応がある場合に限定すべきである。短期予後や入院の必要性を判断するために有用な臨床判断ツールが幾つかある。San Francisco Syncope Rule, Evaluation of Guidelines in Syncope Study, Osservatorio Epidemiologico sulla Sincope nel Lazioは妥当性確認がされているツールである。過去に失神歴がない低リスク群では、追加検査を必要としないことが多い。心血管疾患や不整脈の既往、心電図異常所見、重度の合併症をもつ高リスク群(表1)では、入院精査すべきである。原因不明の失神では、誘発試験、長時間心電図モニタリングを行うこと。神経調節性失神と起立性低血圧の多くは保存的に管理するが、重篤な場合は薬物治療を必要とすることもある。心原性失神はICD埋め込みやアブレーションを必要とすることがある。<推奨事項>前失神症状を呈する患者は、失神患者と同様に評価すること(推奨レベル:C)。うっ血性心不全や器質的心疾患、心電図異常所見、突然死の家族歴のいずれかを伴う失神では、入院精査を緊急で要する(推奨レベル:C)。失神患者では起立試験と12誘導心電図を行うこと(推奨レベル:C)。病歴と身体所見から臨床的に適応あるときのみ、血液検査と画像検査を行うこと(推奨レベル:C)。心原性失神が疑われる場合や原因が分からない失神では、植込み型ループ式心電計が診断に有用であり、コストパフォーマンスも高い(推奨レベル:C)。神経調節性失神または起立性低血圧による失神で、心疾患の既往がなく、突然死の家族歴もなく、心電図正常の場合は、追加検査をせず経過観察する(推奨レベル:C)。※推奨レベルはSORT evidence rating systemに基づくA:一貫した、質の高いエビデンスB:不整合、または限定したエビデンスC:直接的なエビデンスを欠く<リスク分類(表1)>高リスク群:下記項目のいずれかに該当する場合は、入院精査を推奨病歴から不整脈による失神が疑われる場合(例:労作時失神、動悸、前駆症状を伴わない失神)併存疾患を伴う場合(例:高度貧血、電解質以上)心電図で失神を起こしうる不整脈を認める(例:2度ブロック、HR

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留学体験その4【Dr. 中島の 新・徒然草】(193)

百九十三の段 留学体験その4今回は留学中に最も苦労した英語の壁について述べたいと思います。まず、聴く、読む、話す、書くという4技能のうち、1番苦労したのは聴くということでした。在米中、色々な「攻撃」に悩まされました。 会話が速すぎるスピード攻撃音が連結して別の音になるリエゾン攻撃(例)"アネン" は and then語彙の少なさを思い知らされるボキャブラリー攻撃(例)makeshift は「その場しのぎ」。ニュースにはしばしば出てくる聞いたことのない言い回しのスラング攻撃(例)10 bucks は「10ドル」のこと音そのものが聴き取れない/区別できないRL攻撃強烈な訛りに手も足も出ないアクセント攻撃(例)オーストラリア人が "ダイターバイス" と言ったら data base、ニュージーランド人が "フッシュンチュプス" と言ったら fish and chips のこと 1つだけ原因があるというより、大小の違いはあれど毎回これらが束になって攻撃してくるので歯が立たない、というのが現実でした。また、実生活での英語の聴き取りレベルにもいくつかの段階がありました。入門レベル:ラボの非アメリカ人との対面の会話。相手の語彙も限られているしスピードも速くないので、さほど苦労はしない。ラボのアメリカ人やイギリス人との対面の会話も、こちらのレベルに合わせてしゃべってくれるので何とかなる。中級レベル:電話対応。ホテルの予約で電話するのは定型文なのでさほど難しくない。しかし、ラボにかかってきた電話に対応するのは、恐怖以外の何物でもない。相手の顔が見えないし、会話の行き先の予想もつかない。上級レベル:アメリカ人同士の会話についていく。これは無茶苦茶難しい。超高速の上にスラング満載なので、何が何やらさっぱり分からない。なぜかヨーロッパやアジアの出身者がその会話に参加して一緒に盛り上がっているので、こちらの能力のなさを思い知らされる。で、どう対策していたのか? (1)しゃべっている相手の口元を見る。3割ほど聴き取り能力が上がる気がする。(2)カタカナで聴こえる音で覚える。「カロミター」と聴こえたら kilometer、「カナマジン」と聴こえたら can imagine、「コノミー」と聴こえたら economy。(3)地道な努力を繰り返す。スクリプトのある英会話やニュースを聴いて、聴き取れなかった部分を後でチェックする。そして「あっ、そうだったのか!」を繰り返す。 聴き取りさえできれば、こちらは yes, no, thank you くらいを言っておけば最低限のコミュニケーションは成立します。帰国してからも英語の勉強は続けていますが、私にとっては永遠の課題です。現在、心掛けていることを挙げておきましょう。 自分のレベルに合った教材を選んで勉強する。難しすぎるものに挑戦すると心が折れてしまう聴き取れない部分をカタカナで書きとり、スクリプトでチェックする出くわした知らない単語を覚えるスクリプトを何度も音読する1つの教材に飽きたら迷わず新しいものに移るインド英語やシンガポール英語などの聴き取りにも挑戦する「聴き取れないフレーズは有限である」と信じる 私にとってはあまり近道はないようで、これらの手順をひたすら繰り返しています。そのせいか、以前よりは少し聴き取りがマシになりました。私の経験した苦労が読者の皆様の参考になれば幸いです。最後に1句できるはず 努力次第で リスニング

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うつ病リスクが低下する日本人に適切な魚類の摂取量は

 魚類の消費やイコサペント酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などのn-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)レベルがうつ病のリスク低下と関連していることが、観察研究のシステマティックレビューにより明らかとなっている。また、n-3PUFAの逆J字型効果が示唆されている。しかし、魚類の消費量の多い集団からのエビデンスは限られており、うつ病の標準的な精神医学的ベースの診断を用いた研究はない。国立がん研究センターの松岡 豊氏らは、日本人における魚類、n-3PUFA、n-6PUFAの消費とうつ病リスクとの関連を、集団ベースのプロスペクティブ研究にて調査を行った。Translational psychiatry誌2017年9月26日号の報告。 長野県佐久地域住民1万2,219例(1990年)を対象に、1995、2000年に食物摂取頻度調査を完了し、2014~15年にメンタルヘルス検査を受けた63~82歳の参加者1,181例を抽出した。魚類の摂取量およびPUFAの四分位に基づき、うつ病のオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・95例が現在うつ病と診断されていた。・うつ病リスクが低下していたのは、魚類の摂取量の第3四分位(111.1g/日、OR:0.44、95%CI:0.23~0.84)、EPAの第2四分位(307.7mg/日、OR:0.54、95%CI:0.30~0.99)、ドコサペンタエン酸(DPA)の第3四分位(123.1mg/日、OR:0.42、95%CI:0.22~0.85)であった。・がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病で調整後のORは、魚類およびDPA摂取において有意なままであった。 著者らは「高齢者のうつ病予防に対し、中程度量の魚類の摂取が推奨される」としている。■関連記事たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能魚を食べると認知症は予防できるのか統合失調症とω3脂肪酸:和歌山県立医大

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日本人男性、ストレスでがんリスクが増加~JPHC研究

 がん発症リスク因子としてのストレスについての報告は一貫していない。今回、1990~94年に40~69歳の10万1,708人を登録したJPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study)のデータから、知覚されたストレスレベルが高いと男性のがん罹患率が増加する可能性が示唆された。Scientific Reports誌2017年10月11日号に掲載。 ベースライン時に知覚されたストレスのレベルについて自己申告したものを収集し、5年間の追跡期間を通じてアップデートした。知覚されたストレスとがんリスクの間の関連について、既知の交絡因子すべてで調整したCox比例ハザード回帰モデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間(平均17.8年)中に、1万7,161例のがん症例を同定した。・ベースライン時での知覚されたストレスのレベルとがん発症率との間に関連は認められなかった。しかし、知覚されたストレスの動的変化を考慮すると、ストレスレベルが低かった群と比較して、ストレスレベルが上昇した被験者ではがん全体の発症リスクがわずかに(4~6%)増加することが、時変分析で認められた。・知覚されたストレスレベルの長期分析により、常にストレスレベルが低かった被験者と比較して、常にストレスレベルが高かった被験者の過剰リスクは11%(95%信頼区間:1~22%)であった。この関連は男性(20%の過剰リスク)に限定され、とくに、喫煙者、飲酒者、肥満者、がんの家族歴のない被験者で強かった。

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脊髄性筋萎縮症治療における新たな選択肢が登場

 2017年10月6日、バイオジェン・ジャパン株式会社は、メディアセミナー「日本初のアンチセンス核酸医薬品であるスピンラザ髄注12mg 最新技術の登場で変わる医療現場と治療方法」を開催した。 セミナーの前半では竹島 泰弘氏(兵庫医科大学 小児科学講座 主任教授)が「アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いたスプライシング制御による遺伝性神経筋疾患治療」と題した講演を行い、後半では、バイオジェン・ジャパン社の飛田 公理氏(メディカル本部 希少疾患領域[SMA]部長)が「スピンラザ髄注12mg」の概要を解説した。 常染色体劣性遺伝性神経筋疾患である脊髄性筋萎縮症(SMA)は、5番染色体長腕内のSMN1遺伝子の欠乏・変異からSMNタンパク質の不足が起こり、脊髄前角運動ニューロンの変性によって進行性の筋萎縮や筋力低下を来す疾患であり、乳児の遺伝性疾患による主要な死因となっている。 SMNタンパク質を作る遺伝子としては、SMN1遺伝子のほかにSMN1遺伝子の重複遺伝子であるSMN2遺伝子が挙げられるが、SMN2遺伝子から作られるSMNタンパク質は約9割が非機能性であり、通常SMN2遺伝子から作られる機能性SMNタンパク質の割合は全体の約1割にすぎない。 SMAには根本的な治療法はなく、これまで対症療法として栄養、呼吸器、筋骨格系合併症に対する包括的ケアや緩和ケアが行われてきたが、今夏、新たな選択肢としてヌシネルセンナトリウム(商品名:スピンラザ)が登場した。 スピンラザはSMN2遺伝子のmRNA前駆体に結合することで、機能性SMNタンパク質の産生を増加させる日本初のアンチセンス核酸医薬品であり、乳児型SMAを対象としたENDEAR試験および乳児型以外のSMAを対象としたCHERISH試験の中間解析において、臨床的に有意な有効性と忍容可能な安全性が認められている。 今後の課題として、脊髄性筋萎縮症という疾患自体は多くの医師に知られているが、一般小児科や産婦人科では見逃されている可能性もあるという。竹島氏は「乳幼児健診等では脊髄性筋萎縮症の可能性を念頭に置き、診察していただきたい」と要望を述べて会を締めくくった。■参考医療関係者向け情報サイト:スピンラザ髄注12mg患者向け情報サイト:TOGETHER IN SMA

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lorlatinibのALK/ROS1陽性NSCLCにおける成績発表/WCLC2017

 lorlatinibは、高い選択性と強力な活性を持ち、良好な脳浸透性を示す次世代ALK/ROS1-TKIである。とくにALKキナーゼ領域の変異に対する活性が知られており、第1世代、第2世代ALK-TKI後に発現するG1202Rなどの耐性変異に対し、最も広いスペクトラムを有する。横浜で開催された第18回世界肺がん学会(WCLC)では、オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CentreのBenjamin J Solomon氏が、lorlatinibの第II相試験の主要な結果について発表した。 この第II相試験(NCT 01970865)は、6つの拡大コホート(EXP1~6)で行われている。ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)は前治療歴に応じてEXP1~5で評価され、ROS1陽性NSCLCは前治療歴にかかわらずEXP6で評価された。今回の発表は、EXP6を含む全コホートの解析である。同試験の主要評価項目は、独立評価委員会(IRC)による客観的奏効率(ORR)と頭蓋内ORR(IC ORR)。副次評価項目は、安全性と忍容性、患者報告アウトカム(PRO)などであった。 全体で275例の患者が登録され、ベースライン時に165例が脳転移を有していた。コホート別、またクリゾチニブとその他のTKIによる前治療歴ごとに解析されたORR、IC ORRは以下の通り。・ALK陽性、未治療(EXP1):ORR 90%、IC ORR 75%・ALK陽性、前治療クリゾチニブ±化学療法(EXP2+EXP3A):ORR 69%、IC ORR 68%・ALK陽性、前治療クリゾチニブ以外のTKI±化学療法(EXP3B):ORR 33%、IC ORR 42%・ALK陽性、前治療クリゾチニブ以外のTKIを2~3ライン±化学療法(EXP4+EXP5):ORR 39%、IC ORR 48%・ROS1陽性(EXP6):ORR 36%、IC ORR 56% なお、EXP2~5で19例がG1202R変異を有しており、11 例(58%)で応答が確認された。 全コホートの治療関連有害事象(AE)発現率は、95%。Grade3/4のAEは41%の患者で発現した。AEによる投与延期は30%、減量は22%、治療中止は7例(3%)、死亡例はなかった。発現頻度が高い項目は、高脂血症(81%)、高トリグリセライド血症(60%)であった。 現在、ALK陽性NSCLC の1次治療での有効性をクリゾチニブと比較する、第III相試験(NCT 03052608)が進行中である。■参考NCT 01970865(Clinical Trials.gov)NCT 03052608(Clinical Trials.gov)■関連記事第2世代ALK-TKI既治療のNSCLCにおけるlorlatinibの成績/ESMO2017 第3世代ALK阻害薬lorlatinibの成績発表/ASCO2017 次世代ALK/ROS1阻害剤lorlatinib、ALK肺がんでFDAのブレークスルー・セラピー指定

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トファシチニブは乾癬性関節炎にも有益か/NEJM

 腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬の効果が不十分だったコントロール不良の乾癬性関節炎の患者に対し、トファシチニブはプラセボと比較して、3ヵ月後のACR20改善率が向上するなど、疾患活動性の低下に有効であることが示された。有害事象の頻度は、トファシチニブがプラセボよりも高かった。カナダ・トロント大学のDafna Gladman氏らが、395例を対象に行った試験の結果で、NEJM誌2017年10月19日号で発表した。トファシチニブは、経口ヤヌスキナーゼ阻害薬で、乾癬性関節炎の治療薬として検討されていた。トファシチニブ5mg、10mgを1日2回投与 研究グループは、TNF阻害薬に対し反応性が不十分でコントロール不良の乾癬性関節炎の患者395例を対象に、6ヵ月間の第III相の無作為化プラセボ対照二重盲検試験を行った。 被験者を、2対2対1対1の割合で4群に分け、(1)トファシチニブ5mgを6ヵ月1日2回経口投与(132例)、(2)トファシチニブ10mgを6ヵ月1日2回投与(132例)、(3)プラセボを投与し3ヵ月以降はトファシチニブ5mgを1日2回投与(66例)、(4)プラセボを投与し3ヵ月以降はトファシチニブ10mgを1日2回投与(65例)した。 主要エンドポイントは、米国リウマチ学会基準による20%以上の改善(ACR20改善)の達成率と、健康評価質問票の機能障害指数(HAQ-DI、スコア0~3:スコアが高いほど障害が重度であることを示す)のベースラインからの変化だった。トファシチニブ投与群のACR20改善率は約50% 3ヵ月時点におけるACR20改善率は、プラセボ群24%に対し、トファシチニブ5mg群は50%、トファシチニブ10mg群は47%と、いずれも有意に高率だった(各トファシチニブ群のプラセボ群に対するp<0.001)。 ベースラインからのHAQ-DIスコア変化の平均値も、プラセボ群-0.14に対し、トファシチニブ5mg群は-0.39、トファシチニブ10mg群は-0.35と改善幅が有意に大きかった(各トファシチニブ群のプラセボ群に対するp<0.001)。 重篤な有害事象は、トファシチニブ5mg継続投与群の4%、トファシチニブ10mg継続投与群の6%で認められた。また、6ヵ月の試験期間中に、重篤な感染症が4件、帯状疱疹が3件、心筋梗塞と虚血性脳卒中がそれぞれ1件報告された。また、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ値とアラニンアミノトランスフェラーゼ値が、正常上限値の3倍以上に達した被験者が、プラセボ投与後にトファシチニブを投与した群に比べ、トファシチニブ継続投与群で多かった。

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DOAC、静脈血栓塞栓症でワルファリンと同等の安全性/BMJ

 静脈血栓塞栓症を呈した患者に対する直接経口抗凝固薬(DOAC)の投与は、ワルファリン投与に比べ、治療開始90日以内の大出血リスクや全死因死亡リスクを増大しないことが示された。カナダ・カルガリー大学のMin Jun氏らが、6万人弱を対象に行った大規模コホート試験で明らかにしたもので、BMJ誌2017年10月17日号で発表した。これまでに、無作為化試験でDOACのワルファリンに対する非劣性は示されていたものの、臨床試験の被験者は高度に選択的であるため、実際の臨床現場におけるルーチン投与の状況を反映したものなのか疑問の余地があった。90日以内の大量出血、総死亡リスクを比較 研究グループは、2009年1月1日~2016年3月31日にかけて、カナダと米国の6州のヘルスケアデータを用いて傾向スコアでマッチングした、住民ベースの後ろ向きコホート試験を行った。試験対象期間中に静脈血栓塞栓症の新規診断を受け、診断後30日以内にDOACまたはワルファリンの処方を受けた5万9,525例のデータを分析し、DOACの安全性についてワルファリンと比較検討した。 アウトカムは、大出血による入院または救急部門受診と、治療開始後90日以内の全死因死亡率などだった。傾向スコアマッチング法と共用異質性モデルにより、DOACとワルファリンの補正後ハザード比を推定した。CKDの有無、年齢、性別で分けても安全性は同等 5万9,525例について、追跡期間平均値85.2日の間に、1,967例(3.3%)が大出血を呈し、死亡は1,029例(1.7%)だった。 大出血リスクは、DOAC服用群とワルファリン服用群で同程度だった(プールハザード比:0.92、95%信頼区間[CI]:0.82~1.03)。また、死亡リスクも、両群間の差は認められなかった(同:0.99、0.84~1.16)。 なお、試験を実施した医療施設間に不均一性はなく、示された結果について、患者の慢性腎臓病(CKD)の有無、年齢、性別などによる違いは認められなかった。

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双極性障害に対するアリピプラゾールの評価~メタ解析

 双極性障害(BD)に対するアリピプラゾールによる治療については多くの研究が行われている。台湾・高雄医学大学のDian-Jeng Li氏らは、BD治療におけるアリピプラゾールの有効性および安全性プロファイルを調査するため、総合的なメタ解析を実施した。Progress in neuro-psychopharmacology & biological psychiatry誌2017年10月3日号の報告。 著者2名により2017年5月14日までのBD患者を対象としたアリピプラゾールのランダム化比較試験(RCT)を、PubMed、ScienceDirectを用いてシステマティックに検索を行った。 主な結果は以下のとおり。・適格基準を満たしたRCTは20件であった。その内訳は、ハロペリドールとの有効性比較2件(アリピプラゾール群:340例、ハロペリドール群:337例)、リチウムとの有効性比較3件(アリピプラゾール群:208例、リチウム群:212例)、プラセボとの複合比較15件(アリピプラゾール群:1,923例、プラセボ群:1,499例)であった。・アリピプラゾール群はプラセボ群と比較し、急性躁状態における急性躁症状(Hedges' g:-0.299、p=0.001)および精神症状(Hedges' g:-0.296、p<0.001)の改善が認められたが、急性うつ状態におけるうつ症状(Hedges' g:-0.127、p=0.054)の改善は認められなかった。・維持療法においてアリピプラゾールを併用した場合、プラセボ群と比較し、双極性躁症状の再発率の低さとの関連が認められた(OR:0.522、p<0.029)。・アリピプラゾール群は、プラセボや他の薬物療法群(ハロペリドール群、リチウム群)と比較し、維持期における高比重リポ蛋白(HDL)高値や、脱落率の低さと関連が認められたが、錐体外路症状に差は認められなかった。 著者らは「アリピプラゾールは、双極性障害の躁症状の治療において有効かつ安全であることが示唆された。有効性、忍容性に関して、他の薬剤と比較評価するためには、さらなる研究が必要である」としている。■関連記事アリピプラゾールは急性躁病治療のファーストラインになりうるか日本人自閉スペクトラム症に対するアリピプラゾールの長期効果はアリピプラゾール維持治療の52週RCT結果

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BRCA1レベルに基づくNSCLCアジュバントは生存率を上昇させたか(SCAT)/WCLC2017

 Stage II~IIIAの非小細胞肺がん(NSCLC)切除患者では、プラチナベースの術後補助化学療法が標準治療である。しかし、他レジメンとの直接比較研究はない。一方、BRCA1は、二本鎖DNA切断を修復する作用を有し、またその発現レベルにより予後および効果予測因子ともなる。SCAT研究は、BRCA1発現レベルに基づき個別化した術後補助化学療法が上記患者の生存率を改善するかを評価したSpanish Lung Cancer Cooperative Groupの試験。横浜市で開催された第18回世界肺会議(WCLC)において、スペイン・Alicante University HospitalのBartomeu Massuti氏が結果を発表した。 BRCA1低発現ではシスプラチン感受性を示し、BRCA1高発現ではシスプラチン耐性、タキサン感受性を示すといわれる。この研究では、完全切除したStage II~IIIAのNSCLC患者500例を、コントロール群(108例)と試験群(392例)に、無作為に割り付けた。コントロール群には標準治療のシスプラチン+ドセタキセル治療を、試験群はBRCA1発現レベルにより異なる化学療法治療を行った。BRCA1低発現患者にはシスプラチン+ゲムシタビン、BRCA1中程度発現患者にはシスプラチン+ドセタキセル、高BRCA1高発現患者にはドセタキセル単独治療を行った。主要評価項目は全生存期間(OS)、副次評価項目は無病生存期間、毒性などであった。 追跡期間中央値53ヵ月後のコントロール群のOSは69.3ヵ月、試験群では82.4ヵ月(HR:0.946)、5年OSは54%と56%と両群で同等であった。両群のBRCA1発現によるサブ解析の結果、BRCA1低発現群において、シスプラチン+ゲムシタビンのOSは74ヵ月、シスプラチン+ドセタキセルは40.1ヵ月と、シスプラチン+ゲムシタビンで有意に良好(HR:0.622、p=0.005)であった。一方、BRCA1高発現において、ドセタキセル単独のOSは80.2ヵ月、シスプラチン+ドセタキセルは未到達(HR:1.289、p=0.436)と、レジメンによる差は示されなかった。 結果として、BRAC1発現レベルに基づいた化学療法による生存率の上昇は示されなかったものの、BRCA1はコントロール群における唯一の予後因子であった。また、ドセタキセル単独療法は他の療法と比べ、コンプライアンスが良好で(p<0.001)、減量も少なく(p<0.01)、がんによる死亡発生率も同等であった。Massuti氏は最後に、高BRCA1患者において、プラチナを用いないタキサン単独による術後補助療法は、プラチナの短期・長期毒性を回避できる可能性があると述べた。■参考SCAT試験(Clinical Trials.gov)WCLC2017プレスリリース

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