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日本の成人の身長低下、低出生体重が原因か

 国立成育医療研究センターの森崎 菜穂氏らが、わが国における1969年以降の出生特性と成人の平均身長の推移を調査したところ、20世紀は増加し続けていた成人の身長は1980年生まれから低下し始めていた。一方、低出生体重(LBW)での出生はU字型を示し、成人の身長の低下がLBW出生の増加に起因する可能性が示された。Journal of Epidemiology and Community Health誌オンライン版2017年8月19日号に掲載。 著者らは、1969~2014年の人口統計における6,411万5,249人の出生特性の長期的推移と、全国・地方・地域で実施された79の調査から、1969~96年に生まれた成人314万5,521人の平均身長の推移を観察した。 主な結果は以下のとおり。・LBWの割合は1978~79年(5.5%)まで減少した後増加するU字型を示し、逆に、成人の平均身長はその同じ時期に生まれた人(男性:171.5cm、女性:158.5cm)でピークに達し、その後減少していた。・LBWの割合と成人の身長は、強い逆相関を示した(男性:r=-0.98、女性:r=-0.88)。・出生と経済的特性に基づく予測モデルによると、成人の身長の全国平均は低下し続け、2014年に生まれた人では、男性170.0cm(95%CI:169.6~170.3)、女性157.9cm(95%CI:157.5~158.3)になると予測された。

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早産児の神経発達遅延リスクは改善したか/BMJ

 在胎期間22~34週の早産児の2歳時の神経発達アウトカムは過去20年で、重度または中等度の運動/感覚器障害のない生存が有意に増大していたが、発達遅延のリスクは高いままであることが、フランス国立保健医学研究所(INSERM)のVeronique Pierrat氏らによる、同国の早産児に関する住民コホート研究「EPIPAGE(1997年)」「EPIPAGE-2(2011年)」の結果、報告された。世界的に早産児の生存は増加しており、重度の新生児罹患率は低下している。しかし、最近の2000年代に生まれた早産児のアウトカムに関する研究は、超早産児に焦点が集まっており、在胎期間がある程度ある早産児についての報告はまれだという。BMJ誌2017年8月16日号掲載の報告。在胎期間22~34週の早産児の2歳時のアウトカムを検討 研究グループは、2011年に生まれた在胎期間22~26週、27~31週、32~34週の各早産児について、2歳時の神経発達アウトカムを検討し、さらに1997年のデータと比較した。 2011年に在胎期間22~34週で生まれた新生児は5,567例。そのうち2歳時に生存していた4,199例がフォローアップに包含された。アウトカムの比較は、両研究に参加する国内9地域における、1997年3,334例、2011年2,418例の新生児について報告された。 生存児について以下の評価を行った。1)脳性麻痺(2000 European consensusで定義)、2)神経発達の程度:保護者によるASQ(Ages and Stages Questionnaire)の評価で神経発達に関するスコアが閾値以下(5領域のうち少なくとも1つ以上)。データは、修正月齢22~26ヵ月、脳性麻痺・失明・聴覚障害のない児に行われたものを解析に含んだ。3)重度または中等度の運動/感覚器障害(脳性麻痺のレベルはGross Motor Function Classification Systemで2~5、片側性または両側性の失明もしくは聴覚障害)のない生存。 結果は、95%信頼区間(CI)とともに、アウトカム評価の割合で示した。1997年と2011年で重度障害児の割合は減少したが発達遅延のリスクは高いまま 5,170例の早産生存児において、2歳時の生存率は、在胎期間22~26週群が51.7%(95%CI:48.6~54.7)、27~31週群が93.1%(同:92.1~94.0)、32~34週群が98.6%(同:97.8~99.2)であった。22~23週群では、生存例は1例のみであった。 脳性麻痺に関するデータは、3,599例で得られた(適格集団の81.0%)。脳性麻痺児の割合は、22~26週群6.9%(95%CI:4.7~9.6)、27~31週群4.3%(同:3.5~5.2)、32~34週群1.0%(同:0.5~1.9)であった。 ASQデータは、2,506例について得られた(適格集団の56.4%)。スコア閾値以下の児の割合は、22~26週群50.2%(95%CI:44.5~55.8)、27~31週群40.7%(同:38.3~43.2)、32~34週群36.2%(同:32.4~40.1)であった。 重度または中等度の運動/感覚器障害のない生存児の割合は、1997年と比べて2011年は増加していた。しかし、在胎期間が25~26週群では45.5%(95%CI:39.2~51.8)から62.3%(同:57.1~67.5)へ増加していたが、22~24週群では変化が観察されなかった。また、32~34週群では、統計的に有意な増加はみられなかったが(p=0.61)、脳性麻痺の生存児の割合は有意に減少していた(p=0.01)。

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ハイリスク医療機器、上市後の回収と追加試験の質の関係/JAMA

 米国では、ハイリスク医療デバイス(冠動脈ステント、人工股関節、美容顔用の注入移植片など)は、FDAによる市販前承認(PMA)を経て上市されるが、市販後も変更が加えられることが多く、その都度、追加適用の臨床試験を行う必要がある。その試験の特徴を調べた研究結果が、米国・カリフォルニア大学のSarah Y. Zheng氏らにより報告された。背景には、PMA supplement承認を受けたハイリスク医療デバイスで、注目を集める回収が相次いでいることがあるという。最初の上市承認時のPMAの大半は、非無作為化、非盲検で、しばしば非アクティブ対照の代用エンドポイントが用いられているとの特徴があることが知られているが、研究グループによる検討の結果、PMA supplement試験でも半数以上はそのような試験であることが明らかになった。JAMA誌2017年8月15日号掲載の報告。panel-track supplements承認を受けた機器の臨床試験の特徴を分析 研究グループは、2006年4月19日~2015年10月9日に、panel-track supplements(PMA制度を通じて承認されたが、重大な変更があり、臨床試験データの提出が一般に求められるタイプのPMA supplement)のFDA承認支持に用いられた臨床試験とデータの質(エビデンスの強さ)を明らかにする検討を行った。具体的に、無作為化、盲検化、対照群のタイプ、エンドポイント(臨床的 vs.代用)、事後解析の有無、年齢や性別の報告など、試験の方法論的な質を評価した。無作為化、盲検試験は半数以下 78例のpanel-track supplementsの承認を支持する83件の臨床試験が確認された。panel-track supplementsのうち71例(91%)が、単一の試験によって支持されていた。 83件のうち、無作為化試験は37件(45%)、盲検試験は25件(30%)であった。試験当たりの被験者数中央値は185例(四分位範囲:75~305例)で、追跡期間中央値は180日(同:84~270日)であった。 主要エンドポイントは合計150個(試験当たり平均1.8個[SD 1.2])で、対照と比較された主要エンドポイントは57個(38%)であった。このうち、6個(11%)はレトロスペクティブな対照との比較によるもので、アクティブ対照との比較は51個(89%)であった。また、主要エンドポイントのうち121個(81%)が代用エンドポイントであった。 試験のうち、33件(40%)は全登録患者の年齢を報告しておらず、25件(30%)は全登録患者の性別を報告していなかった。 FDAは29例(37%)のpanel-track supplementsについて、承認後もさらなる試験を行うよう求めていた。

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出産前搾乳は低リスク糖尿病妊婦において安全に実施できる(解説:住谷哲氏)-720

 肥満人口の増大に伴い糖尿病妊婦も増加している。糖尿病妊婦からの出生児は子宮内で高血糖の環境にあるため高インスリン状態にあり、分娩後は一過性低血糖を来すことがある。そのため分娩後NICUでの管理が必要になることが少なくない。初乳(colostrum)は通常の乳汁に比べてグルコース濃度が高く、出生児の低血糖を予防するために適切である。そこで、わが国ではあまりないと思われるが、欧米の一部では糖尿病妊婦に対する出産前搾乳が推奨されている。一方で、妊娠後期の搾乳はオキシトシン分泌を介して子宮収縮を促進することから、出生児の合併症を増加させる可能性も懸念されている。そこで糖尿病妊婦における出産前搾乳の有益性に関するコクランのシステマティックレビューが実施されたが、エビデンスが存在しないため有益性は不明とされていた1)。 本試験はこの「糖尿病妊婦の出産前搾乳は出生児に対して有益かつ安全か?」との臨床的疑問に回答を試みたものである。対象は9割以上が妊娠糖尿病(GDM)であり、残りが妊娠前糖尿病(pre-existing diabetes、1型糖尿病および2型糖尿病の両者を含む)である。多くの除外基準が設定されており(詳細は論文を参照されたい)、低リスク妊婦のみが対象となっている。対象患者は妊娠36週から搾乳する群と対照群に無作為に分けられたが、試験デザインから盲検化は不可能であり、データ回収、解析などを盲検化したPROBE(Prospective Randomized Open Blinded-Endpoint)法に近い方法が用いられた。 その結果、出生児のNICUへの入院率は両群に有意差はなく、出産前搾乳は低リスク糖尿病妊婦において安全に実施できると考えられた。ただし著者らが強調しているように、この試験の結果は多くの除外基準をクリアした低リスク妊婦のみに適用可能であり、すべての糖尿病妊婦に適用できるかは現時点では不明である。 本試験は、これまで慣習として広く実施されてきた医療行為(糖尿病妊婦における出産前搾乳)を臨床的疑問として定式化し、因果関係を証明するのに最も適切であるRCTを用いてその有益性を明らかにした。臨床的疑問の定式化はEBMの第一歩であるが、これは既存のエビデンスに基づいて眼前の臨床的疑問を解決する第一歩であるのみならず、自ら新たなエビデンスを創造するための第一歩でもある。本論文を読んで筆者はそれを再認識させられた。

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アメフト選手の約9割に慢性外傷性脳症(CTE)(中川原譲二氏)-722

 アメリカンフットボール(アメフト)選手は、長期的な神経学的傷病、とくに慢性外傷性脳症(CTE)が増大するリスクに曝されている。そこで、本研究はCTEを有する元アメフト選手の神経病理学的所見と臨床像を明らかにすることを目的として行われた。対象は、研究のために脳検体が提供された202例の死亡した元アメフト選手である。神経病理学的評価とともに、選手時代のことを知る情報提供者に研究目的を知らせずに、電話による頭部外傷歴を含む臨床評価(後ろ向き)を行った。また、オンラインアンケートで競技歴および軍歴を確認した。さまざまなレベルの選手がアメフトに参加していた。202例の脳検体の神経病理診断と臨床像を調査 CTEを含む神経変性疾患の神経病理学的診断は、規定の診断基準、すなわちCTEの神経病理学的重症度(ステージI~IV、もしくは軽度[ステージI/II]または重度[ステージIII/IV]の二分)に基づいて行われ、臨床評価として、情報提供者から得られた競技歴、2014年以降の死亡例については、生前の行動障害、心的障害、認知障害、および認知症などを調べた。202例の死亡時年齢の中央値は66歳(四分位範囲:47~76)だった。選手のレベル別の内訳は、高校入学前2例、高校14例、大学53例、セミプロ14例、カナディアン・フットボール・リーグ(CFL)8例、NFL 111例であった。重度CTEは、元大学・セミプロ選手で56%、元プロ選手は86% CTEは177例(87%)で神経病理学的に診断され、死亡時年齢中央値は67歳(四分位範囲:52~77)、平均選手歴年は15.1年(SD 5.2)だった。CTEは高校入学前選手では認められなかったが(0/2例)、高校選手では21%(3/14例)、大学選手では91%(48/53例)、セミプロ選手では64%(9/14例)、CFL選手では88%(7/8例)、NFL選手では99%(110/177例)で認められた。 CTEの神経病理学的重症度は、レベルの最も高い選手の側に分布し、元高校選手では3人に軽度の病理変化がみられたのに対して、元大学選手の56%(27例)、元セミプロ選手の56%(5例)、元プロ選手の86%(101例)の多数例に重度の病理変化が認められた。 また、軽度CTEと判定された27例では、26例(96%)に行動障害、心的障害のいずれかまたは両方が認められ、23例(85%)に認知障害、9例(33%)に認知症の兆候が認められた。一方、重度CTEと判定された84例では、75例(89%)に行動障害、心的障害のいずれかまたは両方が認められ、80例(95%)に認知障害、71例(85%)に認知症の兆候が認められた。 以上から、脳検体が提供された元アメフト選手の適切なサンプルにおいて、高頻度にCTEの神経病理学的所見が認められたことは、CTEが生前のアメフトへの参加に関連していることを示唆する。スポーツが原因となるCTEに対しては、社会の認知と患者の救済が課題 米国社会において、アメフトは不動の一番人気スポーツであり、プロのアメフト選手は社会の英雄である。その競技人口は900万人にも及ぶとされ、小児期から大学時代まで多くの選手がプロを目指す。このような米国社会において、本研究のインパクトは計り知れないものがあり、著者らの結論は抑制的な表現となっている。慢性外傷性脳症と引き換えに多額の報酬を得る者は一握りのプロ選手であり、多くの一般選手は、自らのグローリーデイと引き換えに慢性外傷性脳症を受容しなければならない。本研究は、華やかなスポーツの持つ過酷な側面を映し出しており、スポーツが原因となるCTEに対しては、社会の認知と患者の救済が課題となる。

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抗CD20抗体obinutuzumab、濾胞性リンパ腫に承認申請

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長CEO:永山 治)および日本新薬株式会社(本社:京都、代表取締役社長:前川重信)は、「CD20陽性のB細胞性濾胞性リンパ腫」を対象として国内で共同開発を進めていた抗CD20モノクローナル抗体obinutuzumabについて、中外製薬が2017年8月23日、製造販売承認申請を厚生労働省に行ったと発表した。 今回の申請は、ロシュ社が実施し、国内からも参加した国際共同第III相試験(GALLIUM試験)などの成績に基づいている。GALLIUM試験は、1,401例の未治療のCD20陽性進行期低悪性度非ホジキンリンパ腫患者を対象に、リツキシマブ・化学療法併用の導入療法後にリツキシマブ維持療法を継続した群(リツキシマブ群)に対する、obinutuzumab・化学療法併用の導入療法後にobinutuzumab維持療法を継続した群(obinutuzumab群)の有効性と安全性を比較した非盲検無作為化国際共同第III相試験。GALLIUM試験の主要評価項目は、主治医評価による濾胞性リンパ腫患者(1,202例)における無増悪生存期間(PFS)であった。副次的評価項目は独立評価委員会判定によるPFS、全生存期間(OS)、および安全性など。 GALLIUM試験の主要評価項目において、obinutuzumab群はリツキシマブ群と比較して34%、統計学的に有意に減少させたが(HR:0.66、95%CI:0.51~0.85、p=0.0012)、PFS中央値は未達である。副次的評価項目については未達であったが、病勢進行・再発・死亡のリスクはobinutuzumab群で29%減少した(HR:0.71、95%CI:0.54~0.93、p=0.0138)。OSは両群とも未達であった。GALLIUM試験において両群で発現した有害事象はこれまでに報告されたものと同様であったが、リツキシマブ群に比べobinutuzumab群で5%以上高く認められたGrade 3以上の有害事象は、好中球減少(43.9%対37.9%)であった。■参考中外製薬株式会社ニュースリリースGALLIUM試験(Clinical Trials.gov)

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丹毒

【皮膚疾患】丹毒◆病状急に顔面などが腫れて赤くなり、熱が高くなります。時に水ぶくれを伴い、痛みがあります。◆原因主にA群β溶血性レンサ球菌による感染で起こり、高齢者や糖尿病患者さんに多くみられます。溶血性レンサ球菌の合併症で腎障害が起こることもあり、注意が必要です。◆治療と予防・ペニシリン系やセフェム系抗菌薬の内服で治療します。再発や腎炎の可能性も考えて、改善後も10日ほど内服を続けます。●一言アドバイス小さな傷、扁桃炎、みずむしなどから、発症することがあるので注意しましょう。監修:ふくろ皮膚科クリニック 院長 袋 秀平氏Copyright © 2017 CareNet,Inc. All rights reserved.

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肺がん再生検、実施状況や成功率は?―会員医師によるアンケート結果 第4回【肺がんインタビュー】

第3世代EGFR-TKIオシメルチニブが登場し、再生検によりT790M変異の有無を確認することが重要となっています。2017年7月には血漿検査が保険適用されましたが、組織検査が実施困難な場合に限られ、患者1人あたり算定は1回という条件が設けられるなど、依然として多くの症例で適時組織検査を実施しながら、治療方針を決定していくことが求められています。手技そのものを含め、採取部位や生検方法の選択など、「難しい」といわれることも多い再生検について、ケアネット会員の医師を対象に、自施設での実施状況や成功率についてうかがいました。結果概要がん診療連携拠点病院以外の施設では、再生検成功率20%未満が最も多い再生検できない理由は「再生検困難な部位」「PS不良」「患者拒否」がん診療連携拠点病院以外では「設備や技術的な問題」も理由に再生検のタイミングは「次の治療が必要になったとき」が60%強生検部位:再生検では転移巣が増加生検手技:再生検で減る気管支鏡、増える経皮的生検調査概要実施日時2017年6月1日、6月16日形式webアンケート対象ケアネット・ドットコム会員医師のうち呼吸器内科、呼吸器外科、腫瘍科回答数各回100名

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高齢者の約6割が水分不足の状態

 「教えて! 『かくれ脱水』委員会」(委員長 服部 益治氏[兵庫医科大学 小児科学 教授])は、2017年7月に実施した「脱水に関するアンケート調査」の結果を発表した。このアンケートは、高齢者の水分補給に対する意識や行動実態を明らかにするため、65歳以上の男女の高齢者(n=516)と65歳以上の親を持つ30・40代の男女(n=516)、30・40代の男女の介護従事者(n=516)を対象に、WEB調査で行われたものである。■トイレが心配で水分補給ができない高齢者 65歳以上の男女の高齢者(n=516)への「食事に含まれる水分以外で、1日にどれくらい水分を補給しているか?」という質問では、1日の必要量(1,000~1,500mL)のうち1,000mL未満と回答した高齢者が61.8%にのぼった。必要な水分量が摂取できている高齢者は38.1%だった。さらに「食事に含まれる水分以外で、1日に1,000~1,500mLの水分補給が必要だと知っているか?」という質問では、「知っている」が52.3%、「知らない」が47.7%と、半数に情報が知られていなかった。 次に「水分補給を控えたり、拒んだことがあるか?」という質問では、19.8%の高齢者が「水分補給を控えたことがある」と回答。「控えたことがある」と回答した高齢者にその理由を聞いたところ、77.7%が「トイレが心配だから」と回答し、次に25.2%が「喉の渇きを感じていなかったから」という回答だった。■同居の子は親の熱中症への関心が高い 高齢者の子供たちの意識について、65歳以上の親を持つ30・40代の男女に「親に水分補給を勧めたことがあるか?」と質問したところ、49.4%が「勧めたことがある」と回答した。 さらに、「親に勧めても飲まなかった(拒水された)経験があるか?」という質問では、28.6%が「経験がある」と回答した。「拒水されたことがある」と回答した人に、「その後、どのように対処したか?」と質問したところ、75.3%が「時間を空けて、また勧めた」と回答し、28.8%は「勧めるのをやめた」という回答だった。 「親の熱中症を心配したことがあるか?」という質問では、61.2%が「心配したことがある」と回答、その回答者に親との同居の有無を質問したところ、56.0%が親と同居、44.0%が別居であり、同居している人のほうが親の熱中症への関心が高いことがうかがわれた。■高齢者の水分補給の介助には工夫で成功 30・40代の介護従事者に「高齢者の水分補給の介助は難しいと思うか?」と質問したところ、90.6%が「難しい」と回答。その理由(複数回答)として、86.7%が「本人に水分補給の意思がない(進んで飲まない)」、次いで多かったのが60.6%の「水分補給を拒否された」だった。 次に「高齢者の水分補給における工夫について」を質問したところ、複数回答で「飲み物にバリエーションを持たせる」(63.8%)、「飲み物にトロミをつける」(56.6%)、「飲み物を固める(ゼリーにする)」(46.5%)、「経口補水ゼリーを勧める」(35.1%)などの工夫が行われていたことがわかった。また、このうち、ゼリーを勧めたことのある介護従事者331人のうち、85.8%が「ゼリーで高齢者の水分補給の介助に成功した」と回答した。 まだまだ暑さが続く中で、高齢者には水分補給の重要さの啓発、高齢者の家族には脱水予防への配慮、介護従事者には今後の水分摂取の工夫など、さまざまな活動へのヒントを与えてくれる結果となった。■参考かくれ脱水JOURNAL■関連記事脱水気味の高齢者に水分補給させるコツ

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降圧薬と乳がんリスクの関連~SEERデータ

 米国Kaiser Permanente Washington Health Research InstituteのLu Chen氏らは、Surveillance, Epidemiology and End-Results(SEER)-Medicareデータベースを用いて、主要な降圧薬と乳がんリスクの関連を検討し、利尿薬とβ遮断薬が高齢女性の乳がんリスクを増加させる可能性があることを報告した。「ほとんどの降圧薬は乳がん発症に関して安全だが、利尿薬とβ遮断薬についてはさらなる研究が必要」としている。Cancer epidemiology, biomarkers & prevention誌オンライン版2017年8月14日号に掲載。 本研究では、2007~11年にStage I/II乳がんと診断された66~80歳の女性1万4,766例を同定した。がん発症後の各種降圧薬の使用についてMedicare Part Dデータで調べた。アウトカムは、SBCE(second breast cancer event、初回の再発または2次対側原発乳がんの複合)、乳がんの再発、乳がんによる死亡とした。時間変動Cox比例ハザードモデルを用いて、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値3年で、SBCEが791例、乳がんの再発が627例、乳がん死亡が237例であった。・乳がん診断後に利尿薬を使用した患者(8,517例)では非使用者と比較して、SBCEリスクは29%(95%CI:1.10~1.51)、再発リスクは36%(同:1.14~1.63)、乳がん死亡リスクは51%(同:1.11~2.04)、それぞれ高かった。・β遮断薬を使用した患者(7,145例)では非使用者と比較して、乳がん死亡リスクが41%(95%CI:1.07~1.84)高かった。・アンジオテンシンII受容体拮抗薬、Ca拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬の使用は、乳がんリスクに関連していなかった。

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日本人妊婦のうつ病診断、適切なカットオフ値はいくつか

 妊娠中のうつ病は、母親と子供の両方に悪影響を及ぼす。出産前のうつ病は、出産後のうつ病の予測因子であるため、早期発見は出産後うつ病の予防につながる可能性がある。エジンバラ産後うつ病尺度(EPDS)は、周産期によく用いられるが、妊娠中のカットオフ値については、日本人で確認されていない。国立精神・神経医療研究センターの臼田 謙太郎氏らは、日本における妊娠中期のEPDSカットオフ値を最適化するため検討を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2017年8月2日号の報告。 妊娠12~24週目の20歳以上の妊婦を募集し、そのうちEPDS 9点以上の妊婦に研究への参加を依頼した。EPDSと同時に、うつ病エピソードの診断のために精神疾患簡易構造化面接法(日本語版)を行った。ROC曲線、感度および特異度、EPDSの陽性、陰性反応の予測値を算出した。 主な結果は以下のとおり。・参加者210例は、妊娠12週の1例を除き、すべて第2三半期であった。・20例がうつ病エピソードと診断された。・カットオフスコアを13点に設定した場合、ROC曲線下面積0.956、感度90.0%、特異度79.0%、EPDS陽性反応予測値54.5%、EPDS陰性反応予測値98.9%であった。 著者らは、「われわれの知る限り、本研究は日本において、妊娠第2三半期での最適なEPDSカットオフ値を明らかにするための、最初の研究である。本知見は、日本における出産前うつ病の適切なスクリーニングに役立つであろう」としている。■関連記事妊娠中のSSRI使用、妊婦や胎児への影響は母親の体格がADHD、自閉症リスクと関連か妊娠中、血中濃度変化に注意が必要な抗精神病薬は

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進行メラノーマ、ペムブロリズマブかイピリムマブか/Lancet

 進行性黒色腫患者に対する、ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の有効性および安全性をイピリムマブ(同:ヤーボイ)と比較し検証したKEYNOTE-006試験の全生存期間(OS)の最終解析結果を、イスラエル・Sheba Medical CenterのJacob Schachter氏らが報告した。中間解析で示されていたOSに関するペムブロリズマブのイピリムマブに対する優越性は、最終解析でも維持されており、ペムブロリズマブの投与スケジュールによる違いは確認されなかった。著者は、「この結果は進行悪性黒色腫の標準治療として、ペムブロリズマブの使用をさらに支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年8月16日号掲載の報告。16ヵ国87施設で約800例を登録し無作為化試験、約2年追跡 KEYNOTE-006試験は、16ヵ国の大学・病院・がんセンター87施設で行われた多施設共同非盲検無作為化第III相試験である。2013年9月18日~2014年3月3日に、18歳以上、ECOG PS 0〜1、RECIST v1.1による測定可能病変1つ以上、全身治療歴(抗CTLA-4、PD-1、PD-L1薬は除く)1回以下、イピリムマブ未治療の、切除不能または転移性(III期/IV期)悪性黒色腫患者(ぶどう膜または眼内悪性黒色腫は除く)834例を、ペムブロリズマブ10mg/kgの2週間間隔投与(Q2W)群、10mg/kgの3週間間隔投与(Q3W)群またはイピリムマブ3mg/kgの3週間間隔投与群(最高4回投与)に1対1対1の割合で無作為に割り付けた。全身ステロイド療法を必要とする活動性の脳転移または自己免疫疾患がある患者は除外された。 主要評価項目は、intention-to-treat集団(無作為化された全患者)におけるOS(無作為化から死亡までの期間)である。奏効は、12週時、その後48週までは6週ごと、以降は12週ごとに、独立した中央判定によりRECIST v1.1に基づいて評価された。生存は12週ごとに評価され、全患者を最低21ヵ月間追跡した後に最終解析が実施された。安全性解析対象集団は、治験薬を少なくとも1回投与されたすべての無作為割り付けされた患者とした。データカットオフ日は2015年12月3日であった。イピリムマブと比較して、ペムブロリズマブ群でOSが有意に改善 無作為化された834例(Q2W群279例、Q3W群277例、イピリムマブ群278例)のうち、Q2W群1例およびイピリムマブ群22例が同意を取り下げて治療を受けなかったため、安全性解析対象集団は811例となった。 追跡期間中央値22.9ヵ月において383例が死亡した。OS中央値は、ペムブロリズマブ両群で未到達、イピリムマブ群で16.0ヵ月であった。イピリムマブ群に対するハザード比(HR)は、Q2W群0.68(95%信頼区間[CI]:0.53~0.87、p=0.0009)、Q3W群0.68(0.53~0.86、p=0.0008)であった。24ヵ月OS率は、Q2W群55%、Q3W群55%、イピリムマブ群は43%であった。

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エボロクマブによるLDL-C低下は認知機能に影響せず/NEJM

 スタチンへのエボロクマブ(商品名:レパーサ)併用による心血管イベント抑制効果を検証するFOURIER試験に参加した患者を対象に、認知機能を前向きに評価した結果、追跡期間中央値19ヵ月において両群で認知機能に有意差は確認されなかったことを、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のRobert P. Giugliano氏らが報告した。これまでのPCSK9阻害薬の臨床試験から、同薬によるLDLコレステロール(LDL-C)低下と認知機能低下の関連が懸念されていた。NEJM誌2017年8月17日号掲載の報告。タッチスクリーン式の認知機能検査CANTABを用い認知機能を評価 研究グループは、FOURIER試験の患者を対象に、ケンブリッジ神経心理学テスト(CANTAB)を用い前向きに認知機能を評価した(ベースライン時、24週時、年1回、試験終了時に実施)。 主要評価項目は、実行機能の空間認識作業記憶スコア(範囲:4~28点、スコアが低いほど戦略と計画をより効率的に利用していることを示す)、副次評価項目は作業記憶スコア(範囲:0~279点、スコアが低いほど誤りが少ない)、エピソード記憶スコア(範囲:0~70点、スコアが低いほど誤りが少ない)、および精神運動速度(範囲:100~5100msec、速いほど成績良好)である。解析は、エボロクマブ群とプラセボ群で、空間認識作業記憶スコアのベースラインからの平均変化量を比較し、非劣性マージンをプラセボ群のスコアの標準偏差の20%に設定した。全認知機能評価項目、エボロクマブ併用群とプラセボ併用群で有意差なし 合計1,204例を中央値19ヵ月間追跡した結果、主要評価項目である空間認識作業記憶スコア素点のベースラインからの変化量(平均±SD)は、エボロクマブ群-0.21±2.62、プラセボ群-0.29±2.81であった(非劣性のp<0.001、優越性のp=0.85)。 副次評価項目である作業記憶スコア(変化量:エボロクマブ群-0.52、プラセボ群-0.93)、エピソード記憶スコア(変化量:それぞれ-1.53、-1.53)、精神運動速度(変化量:それぞれ5.2msec、0.9msec)は、両群間に有意差はなかった。また、探索的解析の結果、LDL-C値と認知機能の変化との間に関連は認められなかった。 著者は、認知症あるいは軽度認知障害患者が除外されていることや追跡期間が短いことなどを研究の限界として挙げている。なお現在、EBBUNGHAUS試験に参加した患者を対象としたCANTAB評価を含むFOURIER試験の5年間継続投与試験が進行中だという。

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女性18歳、男性21歳と男女55歳時との体重差(成人期体重増加)が中高年期以降の生活習慣病発症に大きく影響(解説:島田俊夫氏)-719

肥満と健康に関して 肥満と健康に関してこれまでに多くの論文が発表されており、肥満はがんを含んだ生活習慣病に対する大きなリスクファクターとの認識が浸透している。しかしながら、病気が表面化しない限り、多くの肥満者が肥満是正に無関心なのが現実である。極端なことをいえば肥満そのものを病気と捉えるぐらいの厳しい見方が肥満による病気予防には必要だと痛感する1)。本研究の内容は米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のYan Zheng氏らが、看護師健康調査(Nurses' Health Study:NHS)と医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-Up Study:HPFS)に基づいて実施した研究成果を、JAMA誌2017年7月18日号に発表した。その論文内容に対する筆者の私的見解についてコメントする。女性18歳、男性21歳時と男女55歳時との体重差(成人期体重増加)は生活習慣病の大きいリスク! 2.5~10.0kgの中等度増加群は、体重変化の小さい安定群(-2.5kg以下の体重減少または2.5kg未満の体重増加)に比べ、2型糖尿病、高血圧症、心血管疾患などの発症リスクが有意に高く、慢性疾患、認知機能低下、身体機能障害などをもたないで無病息災に年を重ねることを可能にする集団の割合を引き下げると報告した。 この論文から成人期体重増加が小さい安定群と相対的に大きい中等度体重増加群(2.5~10kg)との比較において体重増加差に依存して生活習慣病のリスクが増えることを見出した。高度体重増加群(20kg以上増加)ではリスク増加は言を俟たないほど大きいことは既知の事実であり、これまでの小規模研究の結果と矛盾しない。肥満は病気と理解すべし! この論文内容をひと言でいえば中等度以上の成人期体重増加は万病のもとであると主張しているように思える。これまでも小規模研究で類似した報告はみられるが中等度成人期体重増加に焦点を絞った大規模研究(NHS:女性9万2,837人、HPFS:男性2万5,303人)としては最初の研究であり、その臨床的意義は大きく、単なる肥満でなく成人期体重増加といった時間情報を取り入れた体重増加に照準を合わせた見方が生活習慣病対策に重要だとの視点に新規性がある。 この研究の強みは大規模研究であるために多くの交絡因子の調整を可能にした点でデータ解析の信頼性は高い。一方、この研究の弱点は18(女性)、21(男性)歳時の体重の記憶への依存、両コホート研究が大部分白人対象で人種の偏りが大きく、対象が医療職のため知識偏重が多少の問題として残るが、解析全体を通してみると結果の一般化に問題はない。いつから肥満是正を開始すべきか 肥満是正タイミングは重要であるが成人期以前の学童期からすでに肥満は始まっており1)、成人期まで増加傾向にあることは既知の事実であるため可能な限り早期に開始することが好ましい。成人早期(女性ではとくに結婚、妊娠、出産、育児など)を境に体重が増加することが多いため、遅くとも40歳までに肥満を是正すべきと考える。さらに、55歳以降の肥満是正が生命予後、生活の質改善に有効か否かの検証も必要である。 年齢を問わず中等度以上の体重増加を是正する努力は無病息災のために必要であり、そのためには肥満を単なる脂肪蓄積でなくそれ自体病気と理解することが予防・治療の起点となることを忘れてはいけない。肥満ががん発生に関与していることは間違いないがやや過大に評価されている可能性があり、がん発生臓器により関与の大きさは異なる可能性がある。

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1針の大切さ【Dr. 中島の 新・徒然草】(184)

百八十四の段 1針の大切さその昔、脳神経外科の「神の手」福島孝徳先生の手術を見学する機会がありました。複数の手術室を使って3つか4つのほどの手術を同時にこなしていく様子はまさしく神の手でした。福島先生の面白いところは、超絶技巧だけでなく、基本的な手術手技についても確固たる理論があるところです。たとえばメイフィールド頭部固定装置の3点のピンをどこに打つか、ということについても「後ろの2点は inion(後頭隆起)と mastoid process(乳様突起)に打つんだ。もっといいところがあるんだったら教えてよ」と言っておられました。確かにこれらの部位は頭蓋骨の分厚いところなので、ピンを打って骨折を起こすことはありません。もう1つ印象に残っているのは、「硬膜を縫うときはどの1針も手を抜いてはいけない。1針でも緩んでいたら、いくら残りの19針が綺麗に縫えていても髄液は漏れちゃうからね」というお言葉です。「硬膜はキチンと縫えよ」とはよく言われる事ですが、福島先生の説明の仕方は格段に説得力がありました。さて先日、私が助手をしていた後頭蓋窩手術の硬膜閉鎖時の事です。中島「1針でも手を抜くな。残り19針が綺麗に縫えていても髄液が漏れるからな」レジ「はいっ!」術者「それ、誰かが言ってたんですか?」中島「むはは。福島孝徳先生のお言葉であるぞよ」術者「恐れ入りました」レジデントが一生懸命に縫ってくれたので術後に皮下の髄液貯留も見られませんでした。良いタイミングでの適切なアドバイス、大切だということですね。最後に1句1針の 手抜きをしたら 零点だ

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第11回 GLP-1受容体作動薬による治療のキホン【糖尿病治療のキホンとギモン】

【第11回】GLP-1受容体作動薬による治療のキホン―どのような患者さんが良い適応になりますか?また導入の判断となる指標があれば教えてください。 食事から吸収された糖質などの刺激により、消化管から消化管ホルモンであるGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)、GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)が血中に分泌されると、血行性に膵β細胞上のGIP受容体とGLP-1受容体にそれぞれ結合し、インスリン分泌が促進されます。その作用を応用したのがインクレチン関連薬と呼ばれるDPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬で、GLP-1受容体作動薬は、膵β細胞上にあるGLP-1受容体に結合して、インスリン分泌を促進させます。 インクレチン関連薬は、膵β細胞内で代謝されたグルコースによるインスリン分泌の惹起経路を増幅させることで、インスリン分泌を促進させます。つまり、グルコースによるインスリン分泌惹起経路が働いて初めて、インクレチンによる増幅作用が働くことになります。そのため、GLP-1受容体作動薬のインスリン分泌作用は、グルコース濃度依存性であり、単独では低血糖を起こさないという特徴があります。 GLP-1受容体作動薬のもう1つ大きな特徴は「体重減少」です。GLP-1受容体は食欲をつかさどる視床下部にもあり、GLP-1受容体作動薬により、食欲が抑制されることで、体重減少効果が得られます。また、胃内容物の排泄抑制作用もあり、それによる体重減少効果、さらには、食後血糖の上昇抑制も期待できます。GLP-1受容体作動薬は、非肥満、肥満のいずれでも血糖低下効果は得られますが、とくに「体重減少」については、他の薬剤を上回る効果が得られるため、肥満の患者さんが良い適応であると考えています。ただ、GLP-1受容体作動薬は注射薬であるため、抵抗を示す患者さんも少なくありません。高用量のSU薬を含むいくつかの経口薬を使用しているにもかかわらず、良好な血糖コントロールが得られない患者さんで、体重減少も期待したいような場合に検討するとよいのではないでしょうか。―DPP-4阻害薬との作用機序や適応の違いについて教えてください。 GLP-1受容体作動薬が、膵β細胞上にあるGLP-1受容体に結合してインスリン分泌を促進させる、直接的に作用する薬剤であるのに対し、DPP-4阻害薬は、GIPおよびGLP-1が分泌された後に、それらを急速に分解する酵素であるDPP-4の活性を阻害して、GIPとGLP-1の不活化を抑制する、すなわち、間接的に作用する薬剤です。いずれも、前述のように、グルコース濃度依存性であり、単独では低血糖を起こさない薬剤ですが、DPP-4阻害薬は“生理的レベル”で効果を発揮するのに対し、GLP-1受容体作動薬は“非生理的レベル”で効果を発揮するため、DPP-4阻害薬は「体重増加を来さない」という効果が得られ、GLP-1受容体作動薬は「体重を減少させる」という効果が期待できます。“体重増加を来さない”で血糖を低下させる、“体重を減少させて”血糖を低下させる、という目的で使い分けるのがよいと思います。 ただ、DPP-4阻害薬は経口薬で、GLP-1受容体作動薬は注射薬です。導入のしやすさという点でも違いはありますが、今は、週1回投与のGLP-1受容体作動薬もあります。「週に1回なら」「自分で打つのはいやだけど、医療従事者に打ってもらうのであれば」という患者さんもいらっしゃいます。週1回製剤の中には、針の取り付けが不要なものもあり、取り扱いが非常に簡便なものもありますし、「“週に1回だけ”ならどうですか?」「ご自分で打つのが難しければ、週に1回、病院に来て打つのはどうですか?」というやり方で導入するのも良い方法です。―投与量の調整方法について教えてください。 GLP-1受容体作動薬はインスリン製剤と同じ注射薬ですが、インスリン製剤のような細やかな投与量の調整をする必要はありません。ただし、副作用としてみられる下痢や便秘、嘔気などの消化器症状が投与初期に認められるため1)、1回の投与量が決められている週1回の製剤ではなく、1日1回もしくは2回注射の製剤の場合は、最小用量から始め、様子をみながら、各製剤の添付文書に従って、増量していくのがよいでしょう。―適切な併用薬について教えてください。 前述のように、GLP-1受容体作動薬では、血糖低下以外に、体重減少効果が期待できます。さらなる体重減少という点で、体重減少効果のあるSGLT2阻害薬との併用※も効果的です。 (※2017年8月現在、日本でSGLT2阻害薬との併用が認められているのは、「リラグルチド(商品名:ビクトーザ)」、「リキセナチド(商品名:リスキミア)」と「デュラグルチド(商品名:トルリシティ)」のみ。) また、SGLT2阻害薬を使っていて、体重が増加してしまう場合に、体重減少を期待して、GLP-1受容体作動薬を上乗せするのもよいでしょう。実際に、海外で行われた、GLP-1受容体作動薬「エキセナチド(商品名:ビデュリオン)」と、SGLT2阻害薬「ダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)」の併用の効果をみた「DURATION-8試験」で、それぞれの単独療法よりも、血糖低下および体重減少において効果が認められたことが示されました2)。 また、GLP-1受容体作動薬には、半減期の長い長時間作用型と、半減期の短い短時間作用型があり、短時間作用型では、高濃度のGLP-1が維持されないため、胃排泄の遅延作用に対するタキフィラキシー(効果減弱)が起こりにくいという特徴があります。胃排泄の遅延作用が継続するため、体重減少に加え、「食後高血糖の抑制作用」が期待できますが、空腹時高血糖の改善は得意ではないため、空腹時血糖値を低下させるSU薬やチアゾリジン薬、ビグアナイド(BG)薬、SGLT2阻害薬との併用が効果的です。一方、長時間作用型では、高濃度のGLP-1が維持されるため、空腹時の血糖低下作用が期待できます。食後高血糖を改善する速効型インスリン分泌促進薬やα-グルコシダーゼ阻害(GI)薬との併用がよいでしょう。ただし、SU薬や速効型インスリン分泌促進薬のように、インスリン分泌を直接惹起する経路に働く薬剤とそれを増幅させるGLP-1受容体作動薬を併用することはより効果的ではありますが、SU薬や速効型インスリン分泌促進薬の効果を増幅させることで、低血糖リスクが増加する恐れがあるため、慎重に投与する必要があります。―長期使用における安全性について教えてください。 インクレチン関連薬は、SU薬など古くから使われる糖尿病治療薬に比べると比較的新しい薬剤ですので、長期の安全性を懸念される方も多いと思います。GLP-1受容体作動薬では、DPP-4阻害薬と同様、膵炎や膵がんといった膵疾患との関連がいわれていますが、現時点で、GLP-1受容体作動薬においても、これら膵疾患への関連について、前向きに検討した報告はありません。ただ、GLP-1の薬理効果について、まだ十分解明されていない部分も多いため、長期安全性を含め、今後、未知な生理作用や副作用について、みていく必要はあります。1)日本糖尿病学会編・著. 糖尿病治療ガイド2016-2017. 文光堂;2016.2)Frias JP, et al. Lancet Diabetes Endocrinol. 2016;4:1004-1016.

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大腿静脈カテーテル、望ましい穿刺位置と肢位は?

 大腿静脈カテーテル挿入は、血管の断面積(CSA)が大きな部位で行うと合併症リスクが減少する可能性がある。今回、ポーランド・Maria Sklodowska-Curie Memorial Cancer CenterのDorota Czyzewska氏らが、3つの肢位で2部位の右大腿静脈のCSAを調べたところ、肢位は開排位において最大であり、部位については性別で異なることが示された。PLOS ONE誌2017年8月14日号に掲載。 被験者は、同意を得られた19~39歳(平均23±3歳)の健康なボランティア205名(女性108名、男性97名)。超音波検査は線形14MHzトランスデューサーを用いて行った。調査した肢位は、外転、外転+外旋、外転+外旋+90°膝屈曲/開排位の3つ、位置は、鼠径靱帯の20mm尾側と鼠径溝の20mm尾側の2箇所である。 主な結果は以下のとおり。・測定位置にかかわらず、3つの肢位におけるCSA平均値に有意差が認められ、開排位での近位部においてCSA平均値が最大(114mm2±35mm2)であった。・CSAは性別および身長と有意に関連していた。・男性のCSAは、鼠径溝の20mm尾側ではすべての肢位で女性よりも大きかったが、鼠径靭帯の20mm尾側では女性のほうが大きかった。・外転でのCSAは全体の25%で、近位部が45.0mm2未満、遠位部が31.5mm2未満であった(直径にするとそれぞれ5.3mm、4.5mm)。

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がん発症後、動脈血栓塞栓症リスクが2倍以上に

 がん患者の動脈血栓塞栓症リスクの疫学的な関連をより明確にするため、がんステージの影響を含めて、米国Weill Cornell MedicineのBabak B. Navi氏らが検討したところ、新規がん発症患者において、動脈血栓塞栓症リスクが短期的に大幅な増加を示すことがわかった。Journal of the American College of Cardiology誌2017年8月22日号に掲載。 本研究では、Surveillance Epidemiology and End Results-Medicareにリンクしたデータベースを用いて、2002~11年に新規に、乳がん、肺がん、前立腺がん、大腸がん、膀胱がん、膵臓がん、胃がん、非ホジキンリンパ腫と診断された患者を同定した。がんではないメディケア登録者と人口動態および併存疾患でマッチさせ、それぞれのペアを2012年まで追跡した。また、診断コードを用いて、心筋梗塞または虚血性脳卒中として定義された動脈血栓塞栓症を同定した。さらに、競合リスク生存率統計を用いて累積発症率を算出し、グループ間の比較にはCoxハザード分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・がん患者とマッチさせた対照患者27万9,719ペアを同定した。・動脈血栓塞栓症の6ヵ月累積発症率は、対照患者の2.2%(95%信頼区間[CI]:2.1~2.2%)と比べ、がん患者では4.7%(95%CI:4.6~4.8%)であった(ハザード比[HR]:2.2、95%CI:2.1~2.3)。・心筋梗塞の6ヵ月累積発症率は、 対照患者の0.7%(95%CI:0.6~0.7%)と比べ、がん患者では2.0%(95%CI:1.9~2.0%)であった(HR:2.9、95%CI:2.8~3.1)。・虚血性脳卒中の6ヵ月累積発症率は、対照患者の1.6%(95%CI:1.6~1.7%)に比べ、がん患者では3.0%(95%CI:2.9~3.1%)であった(HR:1.9、95%CI:1.8~2.0)。・過剰リスクはがん種によって異なり(肺がんで最大)、がんのステージと相関し、概して1年で解消した。

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SSRI治療抵抗性うつ病への効果的な増強療法

 うつ病女性において標準的な治療では十分な効果が得られないことがある。クレアチン水和物や5-HTP(5-ヒドロキシトリプトファン)による従来の抗うつ薬治療の増強療法は、女性のうつ病に関連するセロトニン産生や脳の生物学的因子の欠損を補正し、相乗的な効果をもたらす。米国・ユタ大学のBrent M. Kious氏らは、SSRIまたはSNRI単独療法で効果不十分なうつ病女性に対する、5-HTPおよびクレアチン増強療法に関するオープンラベル試験を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌オンライン版2017年8月5日号の報告。 SSRIまたはSNRIを十分に服用し、現在もうつ症状が残存している女性15例(HAM-D17スコア16点以上)を対象に、クレアチン水和物5g/日と5-HTP 100mg 1日2回による増強治療を8週間行い、4週間フォローアップした。主要アウトカムは、平均HAM-Dスコアの変化量とした。 主な結果は以下のとおり。・平均HAM-Dスコアは、前処置時の18.9点(SD:2.5)から7.5点(SD:4.4)に低下し(p<0.00001)、60%の減少が認められた。・治療に関連した重篤な有害事象は認められなかった。 著者らは「SSRIまたはSNRI治療抵抗性のうつ病女性に対するクレアチンと5-HTP併用療法は、効果的な増強戦略であると考えられる。本研究は、小規模なオープンラベル試験であるため、今後は無作為化プラセボ対照試験により明らかにする必要がある」としている。■関連記事SSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較SSRI治療抵抗性うつ病、治療前に識別可能か:大分大難治性うつ病、抗うつ薬変更とアリピプラゾール追加、どちらが有用か

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ニーマンピック病C1型へのHPβCDの可能性/Lancet

 ニーマンピック病C1型の患者に対し、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPβCD)を髄腔内投与は、病状進行を遅らせる可能性があるようだ。またその安全性については、中間~高周波の聴力損失が認められたほかは、重篤な有害事象は認められなかった。米国・ワシントン大学のDaniel S. Ory氏らが行った、第I-IIa相の非盲検用量漸増試験の結果で、Lancet誌オンライン版2017年8月10日号で発表した。ニーマンピック病C1型は進行性の神経変性によって特徴づけられるライソゾーム病に含まれる先天性代謝異常症の一種。HPβCDはマウスとネコモデルを用いた前臨床試験で、小脳のプルキンエ細胞消失を顕著に遅らせ、神経症状の進行を遅らせて寿命を延伸させたことが示されていた。ニーマンピック病C1型患者14例をHPβCDの開始投与量で分類 研究グループは2013年9月21日~2015年1月19日に米国国立衛生研究所(NIH)から登録・適格基準を満たした、ニーマンピック病C1型で神経症状のある患者14例を対象に試験を行った。 被検者は、HPβCDの開始投与量が50mg/月(3例)、200mg/月(3例)、300mg/月(3例)、400mg/月(3例)、900mg/月(2例)の髄腔内投与を受ける群に非無作為に順次分類された。 HPβCD治療開始1年間で、2例がgrade 1毒性のため1回の投与(2ヵ月目)を中断したものの、被験者14例全員について、12ヵ月時点の評価を行った。12~18ヵ月では、1例が原発性肝細胞がんのため17ヵ月で投与を中止。また1例が、ケア提供者の苦痛から、2回の投与(14、15ヵ月目)について中断した。さらに1例が乳様突起炎で1回の投与(18ヵ月目)を中止した。18ヵ月時点での評価は11例について行った。 また、2013年12月~2014年6月にラッシュ大学医療センターでニーマンピック病C1型患者3例の被験者を登録して、2週ごとHPβCD投与について評価する検討を行った。被験者を非無作為に2群に分け、一方にはHPβCDの開始投与量を200mg/隔週(2例)で、もう一方には同400mg/隔週(1例)で髄腔内投与を行い、18ヵ月後に評価を行った(中断例なし)。 コレステロール値の変化の指標として、神経細胞コレステロール恒常性の指標である血漿24(S)-ヒドロコレステロール(24(S)-HC)値を測定した。症状の進行については、ニーマンピック病神経重症度スコア(NNSS)を用いて、同年代のHPβCD非投与のニーマンピック病C1型患者21例(対照群)と比較した。ニーマンピック病神経重症度スコアによる臨床症状の進行がHPβCD投与で遅延 血漿24(S)-HC値のROC曲線下面積は、HPβCDを900mgまたは1,200mg投与後に対照群と比較して有意に増加した(p=0.0063、p=0.0037)。また、3例の患者は、髄液24(S)-HC値が、HPβCDを600mgまたは900mg投与後に、約2倍に上昇した(p=0.0032)。 薬剤関連の重篤な有害事象は認められなかった。有害事象として予測されていた中間~高周波の聴力損失は全被験者で認められたが、補聴器を使うことで日常コミュニケーションに支障はなかった。 臨床症状に関する総ニーマンピック病神経重症度スコアは、対照群は年間2.92点の増加だったのに対し、HPβCDを投与した14例の増加は年間1.22点にとどまった(p=0.0002)。具体的には、歩行(p=0.0622)、認知(p=0.0040)、言語(p=0.0423)の項目で障害進行の遅延が確認された。

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