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うつ病および自殺に関連する遺伝学的治療標的

 うつ病患者の自殺リスクは、他の精神疾患よりも高いといわれている。うつ病と自殺には、共通の原因を有する可能性もあるが、その根拠を特定するための研究は行われていない。イラン・Iran University of Medical SciencesのAli Bozorgmehr氏らは、文献レビューを行い、うつ病と自殺行動に関連する遺伝子および遺伝学的薬物治療について検討を行った。Journal of affective disorders誌オンライン版2018年1月8日号の報告。 関連文献の幅広いレビューを行い、大うつ病と自殺行動に関連するほぼすべての遺伝子を調査し、2つの条件で共通遺伝子を分離した。次いで、3つの遺伝子セット内におけるすべての物理的または機能的相互作用を調査し、遺伝子ネットワークを構築した。すべてのネットワークは、トポロジー的に分析され、機能的に強化された。最後に、既存薬再利用(drug repurposing approach)により、自殺行動とうつ病との間で最も重要な共通遺伝子と相互作用する主要な利用可能薬物を調査した。 主な結果は以下のとおり。・最も基本的な共通遺伝子は、BDNF、SLC6A4、CREB1、TNFであった。・主要な共有欠損経路(shared deficient pathway)は、一般的なドパミン作動性経路、セロトニン作動性経路、神経突起の免疫学的経路であった。・主要な治療標的遺伝子は、SLC6A4とSLC6A2の2つであり、セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)と三環系抗うつ薬(TCA)が、自殺リスクを有するうつ病患者に最も有効な薬物であることが示唆された。 著者らは「本結果は、うつ病と自殺の統合された分子学的機序に焦点を当てたことに加え、自殺リスクの高いうつ病患者に対する新規治療標的を提案し、将来の前臨床および臨床研究の道を開拓することができた。しかし、統合システム生物学的基礎研究は、既存のデータや関連データベースに大きく依存しており、将来の新規実験データソースの登場により、現在の結果に影響を及ぼす可能性がある」としている。■関連記事うつ病患者の自殺企図、遺伝的な関連性はうつ病のリスク遺伝子判明:藤田保健衛生大遺伝子で抗うつ効果を予測可能か

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NFL正規選手 vs.代替選手、引退後の死亡リスクは?/JAMA

 全米プロフットボールリーグ(NFL)に所属していたプロ選手のうち、「正規」の選手と、臨時に採用され競技期間が短かった「代替」選手を比較した結果、引退後の死亡リスクには差がないことが、米国・ペンシルベニア大学のAtheendar S. Venkataramani氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2018年2月1日号に掲載された。アメリカンフットボールのプロ選手の寿命に関するこれまでの研究では、一般集団に比べ死亡率が低いことが示されているが、職業的な運動選手と一般集団では生理学的特性などが大きく異なるため、選択バイアスの影響を受けている可能性が示唆されていた。正規選手と代替選手の死亡リスクを後ろ向きに比較 研究グループは、アメリカンフットボールのプロ選手の引退後の死亡リスクをレトロスペクティブに評価するコホート研究を行った。 1982~92年にNFLにデビューした、すでに現役を引退している元選手3,812例を対象とした。このうち2,933例が正規の選手で、残りの879例は1987年のNFL選手会によるストライキ中に臨時に採用された代替選手であった。 主要アウトカムは、2016年12月31日の時点での全死因死亡とした。Cox比例ハザードモデルを用い、出生年、BMI、身長、競技ポジションで補正して、22歳から死亡(または試験終了)までの年数を正規選手と代替選手で比較した。死亡日や死因の情報は、米国のNational Death Index(NDI)およびウェブベースの情報源で確認した。より長期のフォローアップで、有益な情報の可能性 正規選手(2,933例)のNFLデビュー時の平均年齢は23.2歳(SD 1.2)、引退時年齢は27.6歳(3.9)、試験終了時年齢は52.7歳(3.2)であり、代替選手(879例)はそれぞれ24.2歳(1.8)、24.9歳(2.2)、54.2歳(1.9)であった。また、正規選手のNFL在籍期間中央値は5シーズン(IQR:2~8)、フォローアップ期間中央値は30年(27~33)であり、代替選手はそれぞれ1シーズン(1~1)、31年(30~33)だった。 フォローアップ期間終了時に、正規選手の144例(4.9%)、代替選手の37例(4.2%)が死亡していた(補正絶対リスク差:1.0%、95%信頼区間[CI]:-0.7~2.7、p=0.25)。正規選手の、代替選手との比較における死亡の補正HRは1.38(95%CI:0.95~1.99、p=0.09)と、統計学的に有意な差を認めなかった。 正規選手で頻度が高かった死因は、心血管代謝疾患(51例、35.4%)、交通事故外傷(20例、13.9%)、予期せぬ外傷(15例、10.4%)、新生物(15例、10.4%)であった。また、代替選手の主な死因は、心血管代謝疾患(19例、51.4%)、自傷行為または対人暴力(5例、13.5%)、新生物(4例、10.8%)だった。 著者は、「イベント数が少ないことから、より長期のフォローアップを行うことで、有益な情報が得られる可能性がある」としている。

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イチゴ腫根絶のWHO戦略、長期効果示せず/Lancet

 イチゴ腫(フランベジア)の根絶に向けたWHOの戦略は長期的に有効ではなく、原因菌の長期的排除には、集団薬剤投与(mass drug administration:MDA)は単回では不十分であることが、スペイン・バルセロナ大学病院のOriol Mitja氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2018年2月7日号で報告された。イチゴ腫はTreponema pallidum subspecies pertenue(T. p. pertenue)によって発症し、熱帯地方の14ヵ国以上において、子供の外観を損なう慢性的な潰瘍の主な原因とされる。WHOが新たに採択したイチゴ腫根絶戦略では、アジスロマイシン単回の集団投与後に、対象患者を絞って治療を行うプログラムを用いており、パイロット試験では短期的に、顕著な低減効果が示されている。28村落の島住民を対象とする縦断的研究 研究グループは、2013年4月15日~2016年10月24日の期間に、イチゴ腫が風土性となっているパプアニューギニアのLihir島において、イチゴ腫根絶のWHO戦略の長期的な有効性について縦断的研究を行った(ISDIN laboratoriesなどの助成による)。 初期研究では、参加者は12ヵ月間のフォローを受け、拡大フォローアップ研究では、臨床検査、血清学的検査およびPCR検査が、6ヵ月ごとに42ヵ月間行われた。新たなジェノタイピング法を用いてT. p. pertenueの遺伝的多様性(伝播のマーカー)の変化を測定し、輸入イベントを同定するために島外への旅行歴の調査を行った。 主要アウトカムは、PCR検査によるTreponema pallidumの検出で確定された活動性のイチゴ腫病変(血清学的検査の結果にかかわらず)とした。 Lihir島の28の村落(平均人口575人[SD 225])に居住する1万6,092例のうち、1万3,490例(83.8%)がアジスロマイシン(禁忌者はベンジルペニシリンベンザチン)単回の集団投与を受けた。18ヵ月後に最低値、24ヵ月後に感染が再興 試験期間中に、239例がPCR検査でT. pallidum陽性と判定された。そのうちベースライン時が31例(13%)、集団投与後の期間は208例(87%)であった。 活動性イチゴ腫の有病率は、集団投与前の1.8%から18ヵ月後には最低値である0.1%にまで低下した(ベースラインとの差:-1.7%、95%信頼区間[CI]:-1.9~-1.4、p<0.0001)が、24ヵ月後に感染の再興(re-emerge)が始まり、42ヵ月時には0.4%と有意に増加した(18ヵ月時との差:0.3%、95%CI:0.1~0.4、p<0.0001)。 ベースライン以降の各受診時にみられた全地域のイチゴ腫の70%以上が、旅行歴がない住民であり、集団投与に参加しなかった者および新規感染者がみつかった。また、36および42ヵ月時には、活動性イチゴ腫の5例(いずれも同一の村の住民)において、PCR検査により、アジスロマイシン耐性をもたらす23S rRNA遺伝子変異が検出され、アジスロマイシン治療の無効が示された。 無症状の小児(1~5歳)では、高力価の血清反応を示す潜伏イチゴ腫の有病率が13.7%から<1.5%へと持続的に減少した。また、全体の遺伝的多様性は、0.139から0.046未満へと持続的に(24~42ヵ月の間に)低下した。これらの知見により、感染症の伝播は低減したと示唆された。 著者は、「WHO戦略は、イチゴ腫の風土性が高い地域に、長期に及ぶ原因菌の排除はもたらさず、その主な理由は集団投与に参加しなかった住民における病変の再活動性であったことから、排除には集団投与の反復を要する可能性がある」とし、「治療が無効である可能性を知り、耐性の生物学的マーカーを発見するには、地域のサーベイランスの強化が必要である」と指摘している。

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重炭酸Naとアセチルシステインに造影剤腎症の予防効果なし(中川原譲二氏)-814

 血管造影関連の造影剤腎症を予防する目的で、欧米では、重炭酸Naの静脈投与やアセチルシステインの経口投与が行われているが、「PRESERVE」試験では、血管造影を受ける腎合併症発症リスクが高い患者において、これらの薬剤投与はいずれも、死亡や透析、血管造影に関連した急性腎障害の予防に寄与しないことが示された(NEJM. 2017 Nov 12.)。90日後の全死亡、透析の実施、血清Cr値50%以上の上昇の複合評価項目で比較 「PRESERVE」研究グループは2013年2月~2017年3月にかけて、血管造影が予定されている腎合併症発症リスクが高い患者5,177例を対象に試験を行った。被験者を無作為に4群に分け、二重盲検2×2要因プラセボ実薬対照法にて、1.26%重炭酸Naまたは0.9%生食の静脈投与、5日間のアセチルシステインまたはプラセボの経口投与を受けるように無作為に割り付けた。被験者のうち4,993例についてintention-to-treat解析を行った。主要評価項目は、90日後の死亡・透析の実施・ベースラインから50%以上の血清クレアチニン値上昇の複合評価項目とした。血管造影関連の急性腎障害の発生は、副次評価項目とした。主要評価項目、副次評価項目(急性腎障害)ともに群間差なし 事前に規定した中間解析後に、本試験はスポンサーの判断で中止された。重炭酸Naとアセチルシステインについては、主要評価項目の発生との間に関連は認められなかった(p=0.33)。主要評価項目の発生率は、重炭酸Na群4.4%(2,511例中110例)に対し、生食群4.7%(2,482例中116例)だった(オッズ比[OR]:0.93、95%信頼区間[CI]:0.72~1.22、p=0.62)。また、同発生率はアセチルシステイン群4.6%(2,495例中114例)に対し、プラセボ群4.5%(2,498例中112例)だった(OR:1.02、95%CI:0.78~1.33、p=0.88)。血管造影関連の急性腎障害の発生率についても、群間差は認められなかった。 本研究では、血管造影を受ける腎合併症発症リスクが高い患者に対する重炭酸Naの静脈投与による腎機能の維持やアセチルシステインの経口投与による解毒は、いずれも、死亡や透析、血管造影に関連した急性腎障害の予防に寄与しないことが示された。一方、本研究において使用された造影剤の種類については、56~57%の患者に浸透圧が生食対比:約1の非イオン性等浸透圧造影剤イオジキサノール(商品名:ビジパーク)、43~44%の患者に浸透圧が生食対比:2~4の低浸透圧造影剤が投与されたとされているが、両者での主要評価項目や副次評価項目の違いについては記載されていない。血管造影関連の造影剤腎症の発症については、生理的により安全な造影剤の使用によって、予防する視点も重要と思われる。

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Twitterでカンファレンスする時代?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第109回

Twitterでカンファレンスする時代? いらすとやより使用 「Twitterの何が楽しいの?」と友人に聞くと、「リスナーのことを気にせずに1人でラジオ放送しているような感じ」と言っていました。理解できるような、できないような。 Chapman SJ, et al.Twitter can enhance the medical conference experience.BMJ. 2016;354.この論文は、Twitterがカンファレンスにおいて有用であるというレターですが、私も同じ意見です。Twitterを見ていると、たとえば有名な国際学会なんかでは、参加者がこぞってツイートを投稿しています。これは、日本では考えられない現象です。Twitterの発祥がアメリカだから、ということもあるのかもしれませんが、先日のアメリカ胸部学会(ATS)の総会を見てみると、多くの参加者がSNSを使って世界中のドクターと情報交換をしていました(図)。私も、そのTwitterの情報を使って、自身のFacebookページで速報ニュースを発信していました。図. 学会に参加している医師のTwitterのタイムライン日本では、感染症の分野などでメーリングリスト活動が活発です。しかし、SNSが話題になることはあまりありません。アカデミアとSNSは相いれないもの、と考えられているからでしょうか。SNSによるオンラインカンファレンスでは、患者さんの個人情報を出すわけにはいきません。しかし、多くの医師の意見を集約できるうえ、発信者の匿名性が選択できますから、気軽に発言するようなカンファレンスに適していると思います。とはいえ、今後TwitterがSNSの王者で居続けられるかどうかはわかりませんから、世界中の医師からの情報が集まるほかのSNSが出てくるようなら、私はそちらに乗り換えるつもりです。

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薬剤誘発遅発性ジスキネジアを有する統合失調症患者へのアリピプラゾール切り替え

 第2世代抗精神病薬アリピプラゾールは、ドパミンD2受容体パーシャルアゴニストとして作用する薬剤である。遅発性ジスキネジア(TD)を改善するためのアリピプラゾール治療に関するこれまでの研究は限られており、決定的ではなかった。中国・中原大学のChia-Hsiang Chan氏らは、TDを有する精神疾患患者におけるアリピプラゾール治療の有用性について検討を行った。International clinical psychopharmacology誌オンライン版2018年1月10日号の報告。 本研究は、2009年1月~2010年2月に台湾北部の公立精神病院で実施された、24週間のオープンラベルプロスペクティブコホート研究である。精神疾患患者を対象に、これまでの抗精神病薬とアリピプラゾールのクロスタイトレーションを行い、TDの重症度について、ベースラインおよび2、4、8、12、16、20、24週目に評価を行った。主要評価項目は、AIMS(異常不随意運動評価尺度:Abnormal Involuntary Movement Scale)総スコアによって評価したTD重症度の変化とした。治療反応患者の定義は、ベースラインから試験終了時(24週目)までのAIMS総スコア50%以上減少とした。対象は、薬剤誘発性TDを有する精神疾患患者30例とした。 主な結果は以下のとおり。・AIMS総スコアは、ベースラインから試験終了時まで、有意な減少が認められた(-7.17±5.55)。・AIMS総スコアの有意な減少は、2週目より認められ(p<0.0001)、その変化は研究期間全体にわたり有意なままであった(p<0.0001)。・治療反応と有意な関連が認められたのは、ベースライン時にTDの重症度が高い患者(調整オッズ比:1.35、95%CI:1.04~1.76、p=0.03)またはパーキンソニズムの重症度が低い患者(調整オッズ比:0.78、95%CI:0.61~0.99、p=0.04)であった。 著者らは「本知見は、臨床医がTDを有する精神疾患患者の薬剤変更を検討する際、アリピプラゾールは有望な治療法であることを示唆している。この知見を裏付けるためには、さらに大規模なランダム化比較試験が必要である」としている。■関連記事クロザピン関連遅発性ジスキネジアへの低用量アリピプラゾール遅発性ジスキネジア治療に期待される薬剤は遅発性ジスキネジアが発現するD2受容体占有率は:慶應義塾大学

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注射剤のアナフィラキシーについて提言 医療安全調査機構

 日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)は、注射剤のアナフィラキシーによる事故防止のための提言(医療事故の再発防止に向けた提言 第3号)を公表している(1月18日)。アナフィラキシー発症の危険性が高い薬剤や発症が疑われる場合の具体的な対応、常時から備えておくべき事項などについて、以下の6つの提言が示された。提言1(アナフィラキシーの認識):アナフィラキシーはあらゆる薬剤で発症の可能性があり、複数回、安全に使用できた薬剤でも発症し得ることを認識する。提言2 (薬剤使用時の観察):造影剤、抗菌薬、筋弛緩薬等のアナフィラキシー発症の危険性が高い薬剤を静脈内注射で使用する際は、少なくとも薬剤投与開始時より5分間は注意深く患者を観察する。提言3(症状の把握とアドレナリンの準備):薬剤投与後に皮膚症状に限らず患者の容態が変化した場合は、確定診断を待たずにアナフィラキシーを疑い、直ちに薬剤投与を中止し、アドレナリン0.3 mg(成人)を準備する。提言4 (アドレナリンの筋肉内注射):アナフィラキシーを疑った場合は、ためらわずにアドレナリン標準量0.3 mg(成人)を大腿前外側部に筋肉内注射する。提言5 (アドレナリンの配備、指示・連絡体制)アナフィラキシー発症の危険性が高い薬剤を使用する場所には、アドレナリンを配備し、速やかに筋肉内注射できるように指示・連絡体制を整備する。提言6 (アレルギー情報の把握・共有):薬剤アレルギー情報を把握し、その情報を多職種間で共有できるようなシステムの構築・運用に努める。 この提言は、医療事故調査制度のもと収集した院内調査結果報告書を整理・分析し、再発防止策としてまとめているもの。第1号は「中心静脈穿刺合併症」、第2号は「急性肺血栓塞栓症」をテーマとしてそれぞれ2017年に公表されている。 今回の第3号では、同制度開始の2015年10月から2017年 9 月の 2 年間で、同機構に提出された院内調査結果報告書476 件のうち、「注射剤によるアナフィラキシーに係る死亡事例」として報告された12事例を分析。“死亡に至ることを回避する”という視点で、同様の事象の再発防止を目的としてまとめられている。■参考日本医療安全調査機構:医療事故の再発防止に向けた提言 第3号

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大腸がん手術、精神疾患患者での特徴

 精神医学的状態が存在すると、複雑な臨床像や治療的考慮のため、大腸がんの外科的治療のアウトカムに影響を及ぼす可能性がある。今回、米国University Hospitals Cleveland Medical CenterのVanessa P. Ho氏らの研究により、精神医学的疾患(PSYCH)の診断を受けた患者において、閉塞、穿孔および/または腹膜炎の存在下で実施される手術(OPP手術)の割合が有意に高かったことがわかった。著者らは、PSYCH と診断された大腸がん患者において、診察時の進行した大腸がんについての臨床的意味をさらに明らかにするため、さらなる検討が必要であるとしている。Journal of Surgical Research誌2018年3月号に掲載。 著者らは、2007~11年のNational Inpatient Sampleのデータを用いて、大腸がんの診断を受け、手術を受けた患者を同定した。National Inpatient Sampleに記載されている身体的併存疾患に加えて、統合失調症、せん妄/認知症、発達障害、アルコール/薬物乱用、その他の精神医学的状態を含むPSYCH患者を同定するためにClinical Classification Softwareを使用した。本研究のアウトカムはOPP手術とした。記述的解析に加え、患者の人口統計および身体的併存疾患の調整後にPSYCH状態とOPP手術のそれぞれの独立した関連性を、多変量ロジスティック回帰分析により分析した。 主な結果は以下のとおり。・本研究集団において、手術を受けていた大腸がん患者は59万1,561例で、そのうち、65歳以上が60.6%、女性が49.4%、併存疾患を5つ以上有する患者が6.3%、PSYCH患者が17.9%であった。・OPP手術を受けた患者の割合は、研究集団においては13.9%であったが、統合失調症(19.3%)、せん妄/認知症(18.5%)、発達障害(19.7%)、アルコール/薬物乱用(19.5%)の患者では有意に高かった。・多変量解析では、統合失調症、せん妄/認知症、アルコール/薬物乱用は、それぞれOPP手術率の増加に関連していた。

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PTSDの悪夢、プラゾシンで改善せず/NEJM

 α1アドレナリン受容体遮断薬プラゾシンは、慢性心的外傷後ストレス障害(PTSD)に伴う悪夢を軽減することはなく、睡眠の質も改善しないことが、PTSDを抱えた退役軍人を対象とする多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験「PACT試験」の結果、示された。米国・VA Northwest Network Mental Illness Research, Education and Clinical CenterのMurray A. Raskind氏らが報告した。プラゾシンは、これまでの無作為化試験で退役軍人のPTSDと関連する悪夢の軽減に有効であることが示唆されていたが、試験期間が15週未満と短く症例数も中規模であった。NEJM誌2018年2月8日号掲載の報告。患者約300例において、プラゾシンとプラセボで悪夢と睡眠の質を比較 研究グループは、退役軍人医療センター13施設において、慢性PTSDを抱え頻繁に悪夢をみるという退役軍人304例を、プラゾシン群あるいはプラセボ群に無作為に割り付け、26週間治療した(プラゾシン群152例、プラセボ群152例)。投与量は、最初の5週間で男性は最大20mg/日、女性は12mg/日まで漸増し、10週目まで投与した後、さらに16週間二重盲検下で投与を継続した。 主要評価項目は、10週時におけるPTSD臨床診断面接尺度(CAPS)のB2「繰り返しみる悪夢」(0~8点:スコアが高いほど頻度が多く苦痛が大きい)、およびピッツバーグ睡眠質問票(PSQI:0~21点、スコアが高いほど睡眠の質が低い)のスコアのベースラインからの変化量、ならびに臨床全般印象評価(CGIC:1~7点、スコアが低いほど改善が大きく、4点が変化なし)である。線形混合モデルを用い、修正intention-to-treat解析を行った。10週時および26週時とも、両群で評価項目に差はなし プラゾシン群とプラセボ群の主要評価項目(10週時)は、CAPS-B2(群間差:0.2、95%信頼区間[CI]:-0.3~0.8、p=0.38)、PSQI(群間差:0.1、95%CI:-0.9~1.1、p=0.80)、およびCGIC(群間差:0、95%CI:-0.3~0.3、p=0.96)であり、いずれも有意差は認められなかった。 副次評価項目である26週時におけるCAPS-B2およびPSQIの変化量、CGIC、ならびにほかの副次評価項目も、両群間で有意差は確認されなかった。 10週時における仰臥位収縮期血圧のベースラインからの変化量の、両群の平均差は-6.7mmHgであった。有害事象である自殺念慮の新規発生また増悪は、プラゾシン群で8%、プラセボ群では15%に確認された。 なお、著者は研究の限界として、問診やカルテ以外で睡眠時無呼吸または睡眠呼吸障害のスクリーニングがなされておらず、未診断の睡眠時無呼吸がプラゾシンの効果をマスクした可能性があることなどを挙げている。

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抗CCR4抗体モガムリズマブ、HTLV-1関連脊髄症に光/NEJM

 ヒト化抗CCR4モノクローナル抗体モガムリズマブは、ステロイド維持療法の効果不十分なヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)関連脊髄症(HAM)(正式な疾患名の表記は、HAM/TSP[HTLV-1-associated myelopathy/Tropical spastic paraparesis、HTLV-1関連脊髄症/熱帯性痙性対麻痺])患者において、末梢血中のHTLV-1感染細胞数と髄液炎症マーカーを減少させることが認められた。主な副作用は皮疹で、忍容性も良好であった。聖マリアンナ医科大学の佐藤 知雄氏らが、身体機能を著しく損なう神経炎症性疾患であるHAMに対する、モガムリズマブの安全性および有効性を検討した医師主導の第I/IIa相試験の結果を報告した。NEJM誌2018年2月8日号掲載の報告。医師主導第I/IIa相試験でモガムリズマブの安全性と有効性を評価 HTLV-1は、成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)やHAMの原因となるウイルスで、HAM患者では、主にCCR4陽性のHTLV-1感染T細胞が異常細胞に変化し、脊髄内で慢性的な炎症を引き起こす。これまで、HAM患者から得た末梢血単核細胞を用いた前臨床試験で、モガムリズマブがHTLV-1感染細胞数と炎症性サイトカインの両方を減少することが示されていた。 研究グループは、2013年11月~2015年1月に、HAMに対するモガムリズマブの安全性、薬物動態および有効性を評価する目的で、第I/IIa相試験を実施した。 対象は、3ヵ月以上の経口プレドニゾロン投与が無効のHAM患者であった。第I相用量漸増試験(3+3デザイン)において、モガムリズマブの5用量(0.003mg/kg、0.01mg/kg、0.03mg/kg、0.1mg/kgまたは0.3mg/kg)を各3例に段階的に単回投与(点滴静注)し、85日間観察した。計21例が投与を受けた。第IIa相試験には、第I相試験を完遂した19例を組み込み、第I相試験と同じ用量を投与した。0.003mg/kg、0.01mg/kgまたは0.03mg/kg投与群には8週ごと、0.1mg/kgまたは0.3mg/kg投与群には12週ごとに投与し、24週間観察した。忍容性は良好、血中HTLV-1感染細胞数と髄液中炎症マーカーが減少 モガムリズマブは、最大投与量0.3mg/kgまでの忍容性が確認された。最も頻度が高かった副作用は、Grade1/2の皮疹(発現率48%)、リンパ球減少および白血球減少(いずれも33%)であった。 末梢血単核細胞中のHTLV-1感染細胞数の減少(15日目に64.9%減少、95%信頼区間[CI]:51.7~78.1)、ならびに脳脊髄液中の炎症マーカーの減少(29日目にCXCL10濃度が37.3%減少[95%CI:24.8~49.8]、ネオプテリン濃度が21.0%減少[95%CI:10.7~31.4])が認められた。その効果は用量依存的で、第IIa相試験においても反復投与により試験終了まで維持された。また、下肢の痙性は79%の患者で改善し、運動障害の改善も32%で確認されている。

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完全禁煙のすすめ(解説:有馬 久富 氏)-812

 昨年Lancetに世界の喫煙率が報告され、日本における喫煙率が高所得国の中で2番目に高いという不名誉な結果が得られたことは記憶に新しい1)(世界および日本において喫煙対策は急務である)。日本においても分煙あるいは禁煙する場所が増えてきたため、飲酒時などの限られた機会にのみ喫煙する機会喫煙者や、減煙を実施している少量喫煙者も増えているのではないかと推測される。しかし、少量の喫煙が、どの程度健康に悪影響を与えるかについては明らかにされていなかった。 今回、喫煙の循環器疾患に及ぼす影響を検討した141の前向きコホート研究を対象とした、システマティックレビューおよびメタ解析の結果がBMJに報告された。その結果、1日1本のタバコでも、非喫煙者に比べて冠動脈疾患のリスクが1.65倍、脳卒中のリスクが1.52倍有意に上昇していた。一方、1日20本の喫煙者では、冠動脈疾患のリスクが2.34倍、脳卒中のリスクが1.90倍であった。つまり、1日20本の喫煙者が、1日1本まで減煙しても、喫煙によって引き起こされる循環器疾患は半分程度までしか減らないことが示唆される。したがって、喫煙者における循環器疾患を最大限に予防するためには、減煙ではなく完全禁煙が必要と考えられる。 本研究には限界もある。1日1本のタバコの影響を報告しているコホート研究は少ないため、本研究では、各コホート研究から報告された成績を統計モデルに当てはめることにより、少量喫煙の影響を推定している。したがって、本メタ解析で得られた結果が少量喫煙(とくに1日1本のタバコ)の影響を正確に反映しているかどうかについては、さらなる検討が必要であろう。 今回のシステマティックレビューは、1日1本のタバコでも重大な影響を与えることを初めて明らかにし、循環器疾患を予防するためには減煙でなく完全禁煙が必要であることを示した。喫煙者を対象とした禁煙支援・禁煙しやすい環境の整備などを通して禁煙を推進することにより、喫煙による健康被害を減らすことが急務である。

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神様、お静かに!【Dr. 中島の 新・徒然草】(208)

二百八の段 神様、お静かに!「深夜に急性アルコール中毒で運ばれたけどナース冷たすぎワロタ」というスレッドがネットに出ていました。よくできていたので笑ってしまいました。書いた人は宴会で酔いつぶれて病院の救急室に運ばれ、「扱いが悪い」と怒ってスレッドを立てたのだと思います。以下、御本人の台詞を引用します。読みやすいように句読点等を追加しました。不適切表現は●●にしておきます。医療関係者によるツッコミらしき部分は( )でくくりました。ゴミを扱うような対応でワロタ。あっ?こっちは金はらっとんじゃ、仕事しろ。(夜勤の仕事増やさないでね)増やすか増やさないかはてめぇが決めることじゃねーんだよ●●。点滴うつのクソだるそうにしててワロタ 。「帰れますよねぇ?」とか。帰れねーよ●●。(実際飲み会シーズンなると酒に飲まれた馬鹿共がER室占領するからな、邪魔邪魔)それが仕事だろ。甘えんな。「はい、車椅子も自分で乗ってねー」とか軽い感じで言ってきてワロタ 。無理に決まってんだろ、泣かすぞ。(というか、どうやれば緊急搬送されるくらい酔えるのか知りたい)ジョッキで日本酒2杯イッキしたあとから様子がおかしくなった。一番驚いたのは、「タクシーはあそこの電話で自分で呼べ」とか言われたことな。サービス悪すぎてくっそワロタ。悪態もここまでくると立派。医療関係者らしき人たちの反応もリアル。私も深夜の酔っ払いは苦手です。色々絡まれるし、神経に触ることも言われるし。でも、研修医や若い看護師さんたちにはよく言い聞かせています。「酔っ払いとケンカしてもいいことは1つもない」酒に酔った人に説教しても虚しいだけ。大人の対応をするしかありません。そして、自分にもこう言い聞かせています。「給料は我慢料」さっきまで悪口雑言を言ってた酔っ払いが大人しくなったと思ったら急変した、ということが時々あるので、我慢して丁寧な対応を心掛けた方が無難です。「酔っ払いは神様だと思え!」相手を対等の人間だと思うから腹が立つのです。でも、目の前で憎たらしいことを言っているのが神様だと思えば、不思議に腹も立ちません。思わず「神様、お静かに願います!」という台詞が口をつきそうになるくらいです。ま、本当に言ってしまったら、ただの阿呆ですけど。先日、酒を飲み過ぎて意識朦朧状態で救急搬送され、入院になった若い女性がいました。急変リスクを考えれば当然の判断です。でも、翌朝になって正気に戻った途端、怒って帰ってしまいました。帰るのはいいですけど、ちゃんと治療費を支払ったのでしょうか? 健康保険証を持っていたとも思えないし、なんだか怪しいですね。ということで深夜の救急、色々ありますが、最後に1句神様へ お願いします 支払いを

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PPIと認知機能低下は関連するのか~デンマークの大規模研究

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用と認知症の関連における研究は、相反する結果が報告されている。今回、南デンマーク大学のMette Wod氏らが、デンマークにおける2つの大規模な集団ベースの双生児研究で検討したところ、PPI使用と認知機能低下には関連が認められなかった。Clinical Gastroenterology and Hepatology誌オンライン版2018年1月29日号に掲載。 本研究は前向き研究で、46~67歳の中年の研究(Middle Aged Danish Twin study、2,346例、認知機能評価を10年実施)および高齢者の研究(Longitudinal Study of Aging Danish Twins、2,475例、認知機能評価を2年実施)からデータを収集した。著者らは、全国処方登録のデータを使用し、調査登録前の2年間および追跡期間中のPPIの累積使用量を、規定された1日投与量(defined daily dose:DDD)で定量した。多変量線形回帰モデルを用いて、PPI累積使用量、ベースライン時の認知機能総合スコア、追跡期間中のスコア低下の関連について調べた。 主な結果は以下のとおり。・中年での研究では、調査登録前にPPIを使用している群でベースライン時の平均認知機能スコアがやや低かった。・中年での研究では、PPI高使用者(400DDD以上)における調整スコアは、非使用者より低かった(PPI高使用者の平均粗スコア:43.4±13.1、非使用者の平均粗スコア:46.8±10.2、調整差:0.69ポイント、95%CI:-4.98~3.61)。・高齢者の双生児の縦断研究では、PPI高使用者は、非使用者よりも調整スコアが高かった(PPI高使用者の平均粗スコア:35.2±10.8、非使用者の平均粗スコア:36.2±11.1、調整差:0.95ポイント、95%CI:-1.88~3.79)。・認知機能低下については、高齢者の縦断研究では、ベースライン時と追跡期間のスコアの調整平均差は、PPI高使用者のほうが非使用者より低かった(PPI高使用者の平均粗スコア:ベースライン時36.6±10.1/追跡期間34.3±12.3、非使用者の平均粗スコア:ベースライン時38.1±10.5/追跡期間37.6±11.3、調整差:1.22ポイント、95%CI:-3.73~1.29)。・中年での研究では、PPI使用の最も多い群(1,600DDD以上)は、非使用者よりも認知機能低下が若干少なかった(PPI高使用者の平均粗スコア:ベースライン時43.4±10.1/追跡期間時41.3±9.7、非使用者の平均粗スコア:ベースライン時49.1±10.2/追跡期間時46.3±9.9、調整差:0.94ポイント、95%CI:-1.63~3.50)。・PPI使用者と非使用者のスコアの差は有意ではなかった。

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母親のADHD症状と子供のアウトカムとの関係

 オーストラリア・メルボルン大学のDaryl Efron氏らは、母親の注意欠如多動症(ADHD)の症状と、その子供の機能アウトカムとの関連について、コミュニティベースの小児サンプルを用いて調査を行った。Archives of disease in childhood誌オンライン版2018年1月9日号の報告。 本コホート研究では、メルボルンの学校に通学しているADHD児および健常対照児を対象に、複合スクリーニング(コナーズ3 ADHD指標)とケースカンファレンス(Diagnostic Interview Schedule for Children Ver.4)を用いて評価を行った。分析には、ADHD児117例、健常対照児149例が含まれた。小児の平均年齢は8.9歳。母親のADHD症状(成人ADHDの症状重症度を把握するための評価尺度:CAARS)と子供のアウトカム(ADHD重症度、QOL、学力、社会的感情機能)を測定した。 主な結果は以下のとおり。・ADHD児を有する母親は、健常対照児の母親と比較し、臨床的にADHD症状が高かった(調整分析:18.0% vs.2.0%、p<0.001)。・母親らの報告によると、ADHD児と健常対照児との比較において、母親のADHD症状の上昇は、子供のADHD症状の重症度の増大(p=0.01 vs.p=0.003)、低いQOL(p=0.003 vs. p=0.003)との関連が認められた。・さらに母親のADHD症状の上昇は、健常対照児における親の感情的な問題、仲間の問題、全般的な障害スコアの増加との関連が認められた(すべてのp<0.01)。 著者らは「母親のADHD症状は、ADHD症状の重症度の増大、QOLの低下と関連していた。ADHDでない小児では、親の感情的および社会的機能とのネガティブな関連が認められた。子供の評価においては、母親のADHD症状を考慮し、成人に対応するサービスの紹介を検討する必要がある」としている。■関連記事ADHD発症しやすい家庭の傾向母親の体格がADHD、自閉症リスクと関連か子供の好き嫌いの多さに影響する親の精神症状

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ニボルマブ・イピリムマブ併用、TMB高レベルNSCLCの1次治療でPFS優越性示す(CheckMate-227)

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は2018年2月5日、進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療でニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法と化学療法を比較したIII相CheckMate-227試験で、腫瘍遺伝子変異量(TMB)高レベル(10変異/メガベース以上、以下mut/mb)の患者において、PD-L1発現の有無にかかわらず、同併用療法が無増悪生存期間(PFS)の評価項目を達成したと発表。 CheckMate-227試験は、1次治療の進行NSCLC患者2,500例以上を対象に、非扁平上皮および扁平上皮がんにわたり無作為に割り付け、ニボルマブを含むレジメンとプラチ・ダブレットレジメンを比較評価したオープンラベル第III相試験。このプログラムは、Part 1a、Part 1b、Part 2の3つのPartで構成されており(Part 1aはPD-L1陽性患者を対象に、ニボルマブ・イピリムマブ併用療法およびニボルマブ単独療法を化学療法と比較、Part 1bはPD-L1陰性患者を対象に、ニボルマブ・イピリムマブ併用療法およびニボルマブ・化学療法の併用療法を化学療法と比較)、今回の発表は、Part 1全体の解析結果に基づいたもの。 Part 1の主要評価項目は、PD-L1陽性患者におけるOSと、PD-L1発現の有無にかかわらない高TMB患者におけるPFS。当試験では、TMB評価可能な患者のうち、約45%が高レベル(10mut/mb以上)のTMBを有していた。ニボルマブとイピリムマブの併用療法の安全性プロファイルは、NSCLCの1次治療でこれまでに報告されているものと一貫していた。■参考CheckMate-227試験(Clinical Trials.gov)

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卵円孔開存の存在で周術期の脳梗塞リスク上昇/JAMA

 非心臓手術を受ける成人患者において、術前に卵円孔開存(PFO)の診断を受けた患者は受けなかった患者と比べて、術後30日間の周術期虚血性脳卒中リスクが有意に高いことが示された。米国・マサチューセッツ総合病院(MGH)のPauline Y.Ng氏らが、18万例超を対象に行った後ろ向きコホート試験で明らかにしたもので、JAMA誌2018年2月6日号で発表した。結果を踏まえて著者は、「今回の所見について、さらなる確証試験を行うとともに、PFOへの介入によって術後脳卒中のリスクが低減するのかどうかを確認する必要がある」とまとめている。全身麻酔で非心臓手術を受けた18万人超を対象に検討 研究グループは、2007年1月1日~2015年12月31日に、MGHと関連のコミュニティ病院2ヵ所で、全身麻酔下で非心臓手術を受けた成人18万2,393例について、後ろ向きコホート試験を行った。 術前のPFO診断と、術後30日間に発生した周術期虚血性脳卒中との関連を調べた。脳卒中のサブタイプはOxfordshire Community Stroke Project(OCSP)分類に基づき定義し、重症度はNIH脳卒中重症度スケール(National Institute of Health Stroke Scale:NIHSS)で定義した。周術期脳梗塞推定リスク、PFO群5.9例/1,000人、対照群2.2例/1,000人 解析の対象としたのは15万198例(年齢中央値55歳[SD 16])で、そのうち術前PFO診断例は1,540例(1.0%)だった。 術後30日間に虚血性脳卒中を発症したのは全体で850例(0.6%)だった。内訳は、PFO群が49例(3.2%)、非PFO(対照)群が801例(0.5%)だった。 補正後解析の結果、PFO群は対照群に比べ、周術期虚血性脳卒中リスクが有意に高かった(オッズ比:2.66、95%信頼区間[CI]:1.96~3.63、p<0.001)。1,000人当たりの虚血性脳卒中の推定リスクは、PFO群5.9例、対照群2.2例で、補正後絶対リスク差は0.4%(95%CI:0.2~0.6)だった。 また、PFO群は大血管領域脳卒中のリスク上昇も認められた(相対リスク比:3.14、95%CI:2.21~4.48、p<0.001)。さらに、脳卒中を呈した患者においてPFO群のほうが、NIHSSで定義した脳卒中関連の神経学的障害がより重度であることも認められた(PFO群のNIHSSスコア中央値:4[IQR:2~10] vs.対照群の同値:3[1~6]、p=0.02)。

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カナグリフロジン、心不全入院を低下も心血管系入院は同等/BMJ

 2型糖尿病の治療において、SGLT2阻害薬カナグリフロジンは、クラスが異なる他の3つの経口薬(DPP-4阻害薬[DPP-4i]、GLP-1受容体作動薬[GLP-1RA]、スルホニル尿素[SU]薬)と比べて、心不全による入院リスクは30~49%低いことが、また急性心筋梗塞/脳卒中による入院リスクは同程度であることが示された。米国・ハーバード大学医学大学院のElisabetta Patorno氏らが、大規模な住民ベースの後ろ向きコホート試験を行い明らかにしたもので、BMJ誌2018年2月6日号で発表した。これまで、カナグリフロジンの心血管安全性を評価した「CANVAS試験」などの結果において、同薬は心不全による入院リスクの低減効果を示しており、今回3種の糖尿病治療薬と直接比較を行うことで、その効果が確認された。米国の民間医療データベースで検証 研究グループは、米国の民間医療データベース「Optum Clinformatics Datamart」を基に、18歳以上の2型糖尿病の患者で、2013年4月~2015年9月にかけて、カナグリフロジンまたはDPP-4i、GLP-1RA、SU薬の服用を開始した患者を対象に、後ろ向きコホート試験を行った。 主要アウトカムは、心不全による入院と複合心血管エンドポイント(急性心筋梗塞、虚血性脳卒中、出血性脳卒中による入院)だった。100以上のベースライン特性を調整した傾向スコアでマッチング法を用い、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推算した。SU薬群との比較では、心不全入院リスクおよそ半減 30ヵ月の追跡期間中、カナグリフロジン群の心不全による入院に関するHRは、DPP-4i群との比較で0.70(95%CI:0.54~0.92、比較対象:1万7,667組)、GLP-1RA群との比較で0.61(0.47~0.78、2万539組)、SU薬群との比較で0.51(0.38~0.67、1万7,354組)だった。 複合心血管エンドポイントに関するカナグリフロジン群のHRは、DPP-4i群との比較で0.89(0.68~1.17)、GLP-1RA群との比較で1.03(0.79~1.35)、SU薬群との比較で0.86(0.65~1.13)だった。 なお、ベースライン時のHbA1c値による追加補正を行った感度分析や、心血管疾患または心不全の既往歴の有無によるサブグループ解析の結果も同様なものだった。

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敗血症性ショックに対するグルココルチコイドの投与:長い議論の転機となるか(解説:吉田 敦 氏)-813

 敗血症性ショックにおいてグルココルチコイドの投与が有効であるかについては、長い間議論が続いてきた。グルココルチコイドの種類・量・投与法のみならず、何をもって有効とするかなど、介入と評価法についてもばらつきがあり、一方でこのような重症病態での副腎機能の評価について限界があったことも根底にある。今回大規模なランダム化比較試験が行われ、その結果が報告された。 オーストラリア、英国、ニュージーランド、サウジアラビア、デンマークのICUに敗血症性ショックで入室し、人工呼吸器管理を受けた18歳以上の患者3,800例を、無作為にヒドロコルチゾン(200mg/日)投与群とプラセボ投与群とに割り付けた。この際、SIRSの基準を2項目以上満たすこと、昇圧薬ないし変力作用のある薬剤を4時間以上投与されたことを条件とした。ヒドロコルチゾンは200mgを24時間以上かけて持続静注し、最長で7日間あるいはICU退室ないしは死亡までの投与とした。ランダム化から90日までの死亡をプライマリーアウトカム、さらに28日までの死亡、ショックの再発、ICU入室期間、入院期間、人工呼吸器管理の回数と期間、腎代替療法の回数と期間、新規の菌血症・真菌血症発症、ICUでの輸血をセカンダリーアウトカムとし、原疾患による死亡は除いた。 患者の平均年齢は約62歳、外科手術が行われた後に入室した患者は約31%、感染巣は肺(35%)、腹部(25%)、血液(7%)、皮膚軟部組織(7%)、尿路(7%)の順であり、介入前の基礎パラメーターや各検査値に2群間で差はなかった。なおショック発症からランダム化までは平均約20時間、ランダム化から薬剤投与開始までは0.8時間(中央値)であり、ヒドロコルチゾンの投与期間は5.1日(中央値)であった。 まずプライマリーアウトカムとしての90日死亡率は、ヒドロコルチゾン投与群では27.9%(1,832例中511例)、プラセボ投与群では28.8%(1,826例中526例)であり、有意差はなかった。次いでセカンダリーアウトカムでは、ショックから回復するまでの期間も、ICU退室までの期間も、さらに1回目の人工呼吸器管理の期間もヒドロコルチゾン投与群で有意に短かった(それぞれ3日と4日、p<0.001、10日と12日、p<0.001、6日と7日、p<0.001)。ただし再度人工呼吸器管理が必要な患者もおり、人工呼吸器を要しなかった期間としてみると差はなかった。輸血を要した割合も前者で少なかったが(37.0%と41.7%、p=0.004)、その他、28日死亡率やショックの再発率、退院までの日数、ICU退室後の生存期間、人工呼吸器管理の再導入率、腎代替療法の施行率・期間、菌血症・真菌血症発生率に差はなかった。 これまでの検討では、グルココルチコイドは高用量よりは低用量のほうが成績がよかったものの、二重盲検ランダム化比較試験では一致した結果が得られなかった1,2)。現行のガイドラインでも“十分な輸液と昇圧薬の投与でも血行動態の安定が得られない例”に対し、エビデンスが弱い推奨として記載されている3)。本検討は、上記のランダム化比較試験よりも症例数がかなり増えているのが特徴であり、2群で比較が可能であった項目も多い。したがって、グルココルチコイド投与の目的—改善を目指す指標—をより詳しく評価できたともいえる。一方で21例対6例と少数ではあるが、グルココルチコイド群で副作用が多く、中にはミオパチーなど重症例も存在した。グルココルチコイドとの相関の可能性を含んで、この結果は解釈したほうがよいであろう。本検討は、これまでの議論の転機となり、マネジメントや指針の再考につながるであろうか。これからの動向に注目したい。

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インデックス投資で果実を得る方法【医師のためのお金の話】第5回

インデックス投資で果実を得る方法こんにちは、自由気ままな整形外科医です。前回は、VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)をドル・コスト平均法で購入するという、世界の株式に毎月定額で投資する方法をお話ししました。最初に毎月定額購入する設定にしてしまえば、あとは何も考える必要がないため、簡単で楽な投資手法だなと思っている先生も多いことでしょう。しかし、海千山千の猛者が跋扈する投資の世界は、そんなに甘くありません。インデックス投資は60点の投資手法前回お話したように、VTは約8,000銘柄で構成される世界株価指数をベンチマークにしているETFです。このような特定の株価指数(インデックス)と同じ値動きを目指す投資方法をインデックス投資といいます。私が金融資産投資を開始したのは2000年ですが、当時はまだ一般的ではありませんでした。その頃に、VTを運営しているバンガード社の創始者であるJ・C・ボーグル著『インデックス・ファンドの時代』(東洋経済新報社)という書籍を読んで、感銘を受けた記憶があります。それからリーマンショックを経て、一般の個人投資家の間でもインデックス投資がはやるようになりました。インデックス投資は市場平均(≒株価指数)を目指す投資手法なので、大勝ちできないものの大負けすることはありません。そのうえ、維持コストが安価なので「負けにくい」投資方法として注目を集めています。勝てないまでも負けなければ良いのではないのか? と思う方が多いと思います。しかし、ここに大きな落とし穴があります。それは、株価指数は常に割高な銘柄の影響を強く受ける点です。わかりやすい例が日経平均株価です。日経平均株価は日本を代表する株価指数であり、日経平均=日本経済とイメージする方も多いと思います。しかし実際には、ファーストリテイリング(ユニクロ)、ソフトバンク、ファナックの3社だけで日経平均株価の16~20%も占めています(平成30年1月現在)。この3社は優良企業ですが、さすがに3社だけで日本経済の16~20%も占めているはずがありません。このように株価指数は割高な銘柄の影響を強く受けるため、インデックス投資を実践すると常に割高な買い物をしていることになります。そして、日経平均株価ほど酷くはないものの、VTもやはり割高な銘柄の影響を受けています。このようなことから、私はインデックス投資を60点(及第点)の投資だと考えています。ドル・コスト平均法の問題点ドル・コスト平均法はまずまずの投資手法ですが、やや机上の空論的なところがあります。この投資手法の最大の問題点は、単なる高値掴みの投資法になってしまう可能性が高いことです。理論的には相場暴落時に購入する株数が多くなるため、ドル・コスト平均法は有利な投資手法に見えます。しかし、ほとんどの人は暴落時に投資をストップしてしまうのが現実です。たとえば、2001年のアメリカ同時多発テロや2008年のリーマンショックでは、金融市場が阿鼻叫喚の状況となりました。価格のつかない自由落下のような相場環境において、冷静に投資を続けることができた人はどれほどいたことでしょうか? 不謹慎ですが、北朝鮮の核爆弾が日本に投下されたとしても、ドル・コスト平均法を続けることができる人はどれほど居るでしょう? このように考えると、普通の人がドル・コスト平均法を敢行することは、少しハードルが高いと言わざるを得ません。それでもやはり「VT+ドル・コスト平均法」がお勧めここまでVTをドル・コスト平均法で投資する手法は、けっして手放しでお勧めできるものではないことを説明しました。しかし、医師のように忙しい職種の人にとって、魅力的な投資手法であることに間違いはありません。この投資手法で大きな果実を得るためには、「(1)何があっても (2)毎月定額のVTを (3)購入し続ける」ことを誓うべきでしょう。

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