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わかる統計教室 第4回 ギモンを解決!一問一答 質問15

インデックスページへ戻る第4回 ギモンを解決!一問一答質問15 重回帰式で求められた回帰係数の解釈は?前回は、重回帰分析の際の説明変数の選び方についてご説明しました。今回は、重回帰式で求められた回帰係数を、どのように解釈すればよいのかについてご説明いたします。回帰係数は、実績値と理論値をできるだけ近くする値であることを述べました。ところが、回帰係数の役割はそれだけではなく、それぞれの説明変数の目的変数に及ぼす貢献度も導いてくれます。■回帰係数を解釈するまず、回帰係数にはデータ単位があり、目的変数のデータ単位と同じになることを知っておいてください。「サプリメントXの売上事例」の重回帰式を再掲します。売上額=0.00786×広告費+0.539×店員数+1.1481.148を「定数項」といいます。回帰係数は売上額のデータ単位が1千万円なので、回帰係数は次のようになります。広告費の回帰係数 0.00786(千万円)→ 7.86万円店員数の回帰係数 0.539 (千万円)→ 539万円定数項      1.148 (千万円)→1,148万円広告費のデータ単位は「1万円」、店員数のデータ単位は「1人」でした。つまり、上記の回帰係数から、広告費を1万円使うと売上額が7.86万円、店員数を1人投入すると売上額が539万円増えることがわかります。このように、回帰係数から「説明変数の目的変数に対する貢献度」がわかります。※貢献度:説明変数のデータ単位当たりの売上額表1の定数項1,148万円は、広告費を0、店員数を0としたときの売上額です。表1 説明変数の目的変数に対する貢献度■標準回帰係数で重要度を把握する「サプリメントXの売上事例」の重回帰式を再掲します。売上額=0.00786×広告費+0.539×店員数+1.148ここで、回帰係数の値は店員数のほうが広告費より大きいので、売上額を高めるのに重要な要因は「店員数のほうである」といってよいでしょうか?結論は「いえない!」です。では、この理由を次で確かめてみましょう。表2は、「サプリメントXの売上事例」で、売上額と店員数のデータ単位はそのままで、広告費のデータ単位を「万円」から「百万円」にして重回帰分析を行った結果です。表2 広告費の単位を「百万円」に変更した重回帰式表3は、広告費の単位を「万円」に戻した「サプリメントXの売上事例」データと重回帰式です。表3 広告費の単位を「1万円」に戻した重回帰式上記の表2と表3のデータは同じものなのに、広告費のデータ表記の仕方を変えただけで、広告費の回帰係数は異なる値となりました。このことから、「説明変数間の回帰係数を比較し、値の大小で重要度を見ることはできない」といえます。回帰係数は、説明変数の売上貢献度を把握できますが、説明変数間の重要度の比較には適用できません。上記の2つのケースについて、広告費の売上貢献度を調べてみます。表2 広告費のデータ単位が百万円のときに見込める売上額は、0.786(千万円)より786万円です。表3 広告費のデータ単位が1万円のときに見込める売上額は、0.00786(千万円)より7.86万円です。「データ単位1万円→売上貢献度7.86万円」と「データ単位百万円→売上貢献度786万円」は同じ意味で、データ表記を変えても売上貢献度は同じとなります。■標準回帰係数説明変数のデータ単位の取り方によって回帰係数の値は変わるので、回帰係数の大小を比較しても、どの説明変数が重要なのかを明らかにすることはできません。データ単位が同じならば、係数を大きい順に並べて、大きい説明変数ほど重要であるといえます。したがって、各説明変数のデータ単位が異なっていれば、データ単位を同じにして重回帰分析を行い、回帰係数を求めればよいのです。基準値あるいは偏差値によってデータ単位をそろえることができます。表4で「サプリメントXの売上事例」データの基準値と偏差値を求めてみます。表4 サプリメントXの売上事例データの基準値と偏差値基準値のデータに重回帰分析を行います。売上額=0.687×広告費+0.449×店員数+0.000※定数項は0になります。※重回帰分析を偏差値で行っても、回帰係数は基準値で求めた値と同じです。データの単位をそろえたので、説明変数間の回帰係数は比較できます。売上額との関係(影響度)において、具体的には、売上をアップするための要因または売上を予測するための要因として、広告費のほうが店員数より重要であるといえます。基準化したデータに重回帰分析を行い、求められた回帰係数を「標準回帰係数」といいます。標準回帰係数は、データを基準値にして重回帰分析を行うという面倒なことをせずに求めることができます。※偏差平方和は質問9 その2を参照「サプリメントXの売上事例」の標準回帰係数は次のようになります。この結果から、売上をアップするための要因または売上を予測するための要因としては、広告費のほうが店員数より重要だといえます。次回は、重回帰分析が変数相互の影響を除去した真の関係を見いだすことができる、とても便利なツールであることをご説明いたします。今回のポイント1)重回帰式の回帰係数は、それぞれの説明変数の目的変数に及ぼす貢献度を導いてくれる!2)回帰係数にはデータ単位があり、目的変数のデータ単位と同じになる!3)回帰係数の値からどの説明変数が重要な要因であるとはいえない!4)基準化したデータに、重回帰分析を行い求められた回帰係数である標準回帰係数の値からであれば、どの説明変数が重要な要因であるといえる!インデックスページへ戻る

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会員医師の金融総資産はどれくらい?

 ケアネットでは、会員医師の「金融資産について」のアンケート調査を実施した。今回、その結果がまとまったので、概要をお伝えする。 調査は、2017年8月3日にCareNet.comの医師会員を対象に、インターネット上で実施。回答者総数は324名。その内訳は、20~30代:22%、40代:28%、50代:33%、60代:15%、70代以上:2%、所属別では勤務医師:79%、開業医師:21%だった。金融資産は安全な預貯金が主流 設問1で「(負債を含まない)金融資産合計」を質問したところ、1,000万円未満(37%)が最も多く、次いで1,000~3,000万円(26%)、3,000~6,000万円(19%)、6,000万円~1億円(8%)、1~3億円(7%)、5億以上(2%)、3~5億円(1%)という結果となり、3,000万円以下という回答が全体の約6割を占めた。 設問2で「資産の内訳について、その資産の項目(複数回答)」を質問したところ、円建て預貯金(258回答)が最も多く、次いで生命保険・個人年金(110回答)、株券(76回答)、不動産(73回答)、投資信託(54回答)、外貨建て預貯金(47回答)、国債・債権(27回答)、金などの実物資産(24回答)、その他(8回答)という順になった。 比較的安全な金融商品を選択し、銀行などへの預貯金や生命保険などが過半数を占めるなど、会員の安全志向が見受けられた。70代では1億円以上の資産が必要!? 設問3で「資産形成で実践したいと思っている内容について(複数回答)」を質問したところ、とくに何もない(104回答)が最も多く、次いで円建て預貯金(101回答)、株式投資(87回答)、外貨建て預貯金、投資信託が同数(各50回答)、不動産経営(32回答)、FX[外国為替証拠金取引](31回答)、生命保険、金などの実物資産への投資が同数(各27回答)、国債・債権投資(24回答)、ビットコインなどの仮想通貨への投資(12回答)の順となった。 安全な預貯金のほか、株式投資への意欲もある一方で「とくに何もない」の回答が多く、資産形成には関心があまりないという傾向も読み取れた。 設問4で「各年代で必要だと考える金融資産額について」質問したところ、20~30代では1,000万円以内、40代では1,000~3,000万円、50代では3,000~6,000万円、60代では6,000万円~1億円、70代以上では1億円以上という回答が最も多かった。 年金制度への将来的な不安や老後の充実した生活への準備のため、高額化していく傾向が見受けられた。知りたい情報の1位は? 設問5で「手取り収入の何%を貯蓄しているか」の質問では、手取り収入の10%未満(27%)が一番多く、10%(21%)、20%(19%)、30%(12%)、50%(9%)、50%以上(7%)、40%(5%)という順になった。 回答者の約半数が、月収入の10%前後しか貯蓄に配分していないことが判明した。 設問6で「資産形成で一番知りたい情報について」質問したところ、資産形成の具体的方法[金融商品の種類、安全性など](40%)が一番多く、次いでライフスタイル別の必要な金融資産の額(19%)、資産管理の具体的方法[節税方法やFPなどの必要性など](17%)、医師に有利な社会制度について(13%)、医師と負債について[融資、金融機関との関係など](6%)、そのほか(5%)という順だった。 関心としては、資産形成の細かいノウハウについての情報を求めている反面、融資や借入には関心が薄いことがうかがわれた。 最後に「医師とお金に関して取り上げてもらいたいテーマ」について自由記載で質問したところ、「税に関する事項」が一番多く、次に「投資全般」、「相続・継承」についての回答が寄せられた。 今回の調査の詳細と、寄せられた具体的なコメントなどはCareNet.comに掲載中。

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摂食障害への薬物療法、最新知見レビュー

 摂食障害治療では、一般的に薬物療法が行われる。米国・コロンビア大学のHaley Davis氏らは、神経性過食症、過食性障害(BED)、神経性やせ症の治療に用いられる薬剤に関してレビューを行った。最近の研究開発に焦点を当てつつ、適切な場合には、薬理学的薬剤を用いた摂食障害治療のための現在のエビデンスベースの概要を検討するため、古い研究から重要な知見を加えてレビューを行った。Current opinion in psychiatry誌オンライン版2017年8月12日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・薬物治療は、神経性過食症やBED患者に対し、一般的に有用であった。・神経性過食症では、抗うつ薬が主要な薬理学的治療であり、限られているものの新たな研究が完了していた。・BEDでは、lisdexamfetamineが一般的に忍容性、有効性が認められていると報告されており、BED治療のためにFDAが必要とした最初の薬剤である。・神経性やせ症では、薬物治療のベネフィットを裏付けるエビデンスは限られていた。・第2世代抗精神病薬(とくにオランザピン)は、神経性やせ症の体重増加に対していくつかのベネフィットを示すが、スタンドアローン治療としては勧められていない。・ホルモン剤の経皮投与も、神経性やせ症において骨の健康状態を改善するために検討されている。 著者らは「神経性過食症およびBEDに対する薬物療法の有用性は確立しているが、摂食障害、とくに神経性やせ症に対する薬物治療に関しては、さらなる研究が必要である」としている。■関連記事神経性過食症と境界性パーソナリティ障害との関連女子学生の摂食障害への有効な対処法オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学

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ペムブロリズマブ、既治療の転移性胃がんに有望な効果(KEYNOTE-059)/ESMO2017

 20017年9月8日、欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2017)で発表された第2相KEYNOTE-059試験の最新結果によると、ペムブロリズマブは既治療の転移性胃がん患者に対し有望な奏効を示した。 KEYNOTE-059試験は、再発または転移性胃がんにおける免疫治療の大規模試験であり、3つのコホートが含まれている。コホート1は、2ライン以上の化学療法治療後にペムブロリズマブの単独投与を受けた転移性胃がん患者(259例)、コホート2は新たに転移性胃がんと診断され、ペムブロリズマブと化学療法の併用療法を受けた患者(25例)、コホート3は、新たに転移性胃がんと診断されペムブロリズマブ単独投与を受けた患者(31例)。主要評価項目は安全性(3つすべてのコホート)、コホート1と3における客観的奏効率(ORR)であった。 6ヵ月間の中央値追跡調査後、コホート1の既治療患者におけるペムブロリズマブ単独投与の治験担当医によるORRは12%であった。PD-L1発現患者は、非発現患者よりも良好な奏効を示し、ORRはそれぞれ16%および6%であった。また、効果は多くが持続的であった。Grade3〜5の治療関連有害事象は、コホート1の患者の18%で生じ、3%が結果として治療中止となった。 新たに診断された転移性がん患者では、併用療法(コホート2)とペンブロリズマブ単独(コホート3)の両方が安全で有望な活動を示した。 英国Royal Marsden Hospitalのmedical oncologistであるIan Chau氏は、このESMOでの結果について「現在のところ、転移性胃がんの3ライン以降の標準治療はないが、KEYNOTE-059コホート1の結果は、ONO-4538ランダム化試験における東アジアの患者で報告されたニボルマブの有効性が、西洋人集団にも適用できることを確認したもの」とコメントした。■参考ESMO2017プレスリリースKeynote-059試験(Clinical Trials.gov)■関連記事進行胃がん、ペムブロリズマブの治療効果は?KEYNOTE-059/ASCO2017ペムブロリズマブの胃がん適応拡大に優先審査:FDA

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CETP阻害薬、冠動脈イベントを抑制/NEJM

 コレステリルエステル転送蛋白(CETP)阻害薬anacetrapibは、強化スタチン療法を受けているアテローム動脈硬化性血管疾患患者の主要冠動脈イベントを抑制することが、HPS3/TIMI55-REVEAL Collaborative Groupの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2017年8月29日号に掲載された。CETPは、血中のHDL粒子とアポリポ蛋白B含有アテローム促進性粒子との間で、コレステリルエステルとトリグリセライドの転送を促進する。CETPを薬理学的に阻害すると、HDLコレステロール(HDL-C)が増加し、非HDL-C(とくにLDL-C)が低下するが、これまでに行われた3つのCETP阻害薬の無作為化試験は、いずれも約2年のフォローアップ後に無効または有害事象のため中止されている。3万例以上を登録、治療期間4年以上 本研究は、強化スタチン療法を受けているアテローム動脈硬化性血管疾患患者において、anacetrapib併用の有用性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化試験である(Merck社などの助成による)。 対象は、年齢50歳以上で、心筋梗塞、アテローム動脈硬化性脳血管疾患、末梢動脈疾患、症候性冠動脈心疾患を伴う糖尿病の既往歴を有する患者であった。被験者は、無作為割り付け前の導入期間にLDL-C<77mg/dLを目標に強化アトルバスタチン療法を受け、8~12週後に、anacetrapib 100mg/日またはプラセボを追加する群に無作為に割り付けられた。 2011年8月~2013年10月に、欧州、北米、中国の431施設に3万449例(男性:2万5,534例、女性:4,915例)が登録され、anacetrapib群に1万5,225例が、プラセボ群には1万5,224例が割り付けられた。主要評価項目は、初回主要冠動脈イベント(冠動脈死、心筋梗塞、冠動脈血行再建術の複合)であった。 ベースラインの平均年齢は67歳で、冠動脈心疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患、糖尿病の既往歴はそれぞれ88%、22%、8%、37%に認められ、平均LDL-C値は61mg/dL、非HDL-C値は92mg/dL、HDL-C値は40mg/dLであった。フォローアップ期間中央値は4.1年で、この間に2,277例(7.5%)が死亡した。主要評価項目を達成、死亡、がん、重篤な有害事象に差はない 主要評価項目の発生率は、anacetrapib群が10.8%(1,640/1万5,225例)と、プラセボ群の11.8%(1,803/1万5,224例)に比べ有意に低下した(率比:0.91、95%信頼区間[CI]:0.85~0.97、p=0.004)。 試験期間の中間点(約2年時)における平均HDL-C値は、anacetrapib群が85mg/dL、プラセボ群は42mg/dL(絶対差:43mg/dL[p<0.001]、相対差:104%)、LDL-C値はそれぞれ38、64mg/dL(-26mg/dL[p<0.001]、-41%)、非HDL値は79、96mg/dL(-17mg/dL[p<0.001]、-18%)であった。 副次評価項目である主要アテローム性イベント(冠動脈死、心筋梗塞、潜在性虚血性脳卒中の複合)の発生率は、anacetrapib群が9.1%、プラセボ群は9.7%(率比:0.93、p=0.052)、潜在性虚血性脳卒中はそれぞれ3.2、3.2%(0.99)、主要血管イベント(主要冠動脈イベント、潜在性虚血性脳卒中の複合)は13.6、14.5%(0.93、p=0.02)であった。 心血管死の発生率は、anacetrapib群が3.4%、プラセボ群は3.7%(p=0.17)、全死因死亡はそれぞれ7.4、7.6%(p=0.46)であり、いずれも有意な差はなかった。また、がんの発生率は、anacetrapib群が6.4%、プラセボ群は6.3%(p=0.71)と有意差はなかったが、新規糖尿病は5.3、6.0%(p=0.0496)であり、anacetrapib群で有意に低かった。重篤な有害事象の発現は両群に差はなかった。 著者は、「anacetrapibの効果が十分に現れるには、少なくとも1年以上の治療を要する可能性が示唆された。脂質値への効果が本薬とほぼ同様のevacetrapibは、26ヵ月の治療で無効と判定されたが(ACCELERATE試験、1万2,092例)、血管イベントへの効果が発現するにはフォローアップ期間が短すぎた可能性がある」と指摘している。

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出生年代別にみた認知症の発症率

 経年的な認知症発症の傾向をよりよく理解するためには年齢とコホート効果を分ける必要があるが、この手法を用いた先行研究はほとんどない。今回、米国・アルベルト・アインシュタイン医学校のCarol A. Derby氏らが、アインシュタイン・エイジング研究に登録された70歳以上の参加者において認知症発症率および心血管系合併症の有病率の傾向を調べた結果、認知症発症率の低下が確認された。しかしながら、著者らは「人口の高齢化を考慮すると、発症率の低下が認知症負担の軽減につながるかどうかは不明」と述べている。JAMA neurology誌オンライン版2017年9月5日号に掲載。 本研究では、1993年10月20日~2015年11月17日にアインシュタイン・エイジング研究に登録された人の認知症発症率を出生コホートで分析した。ニューヨーク州ブロンクス郡で体系的に1,348人を募集した。参加者は、登録時に70歳以上の非認知症者で、1年以上追跡した。ポアソン回帰を用いて認知症発症率を年齢、性別、教育レベル、人種、出生コホートの関数としてモデル化し、また、プロファイル尤度を用いて発症率の有意な増加または減少のタイミングを特定した。主要アウトカムは認知症発症率で、毎年実施される標準化された神経心理学的および神経学的検査の結果に基づき、DSM-IVの基準を用いてコンセンサス症例カンファランスで決定した。 主な結果は以下のとおり。・1,348人(ベースライン時の平均年齢[SD]:78.5[5.4]歳、女性830人[61.6%]、非ヒスパニック系白人915人[67.9%])のうち、5,932人年(平均追跡期間[SD]:4.4[3.4]年)の間に150人が認知症を発症した。・認知症発症率は連続した出生コホートにおいて減少し、100人年当たりの認知症発症数は、1920年より前の出生コホートで5.09、1920~1924年の出生コホートで3.11、1925~1929年の出生コホートで1.73、1929年より後の出生コホートで0.23であった。・1929年7月(95%CI:1929年6月~1930年1月)より後に生まれた人では認知症発症率が有意に低下し、1929年7月より前と後の出生コホートを比較した相対的比率は0.13(95%CI:0.04~0.41)であった。・脳卒中および心筋梗塞の有病率は連続した出生コホートにわたって減少したが、糖尿病の有病率は増加した。これらの心血管系合併症について調整しても、近年の出生コホートの認知症発症率の低下を説明できなかった。

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アスピリン+リバーロキサバン、心血管疾患の2次予防に有効か/NEJM

 心血管疾患の2次予防において、アスピリンにリバーロキサバン(商品名:イグザレルト)を併用すると、アスピリン単剤に比べ転帰が改善するが、大出血が増加することが、カナダ・マックマスター大学のJohn W. Eikelboom氏らが行ったCOMPASS試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2017年8月27日号に掲載された。心血管疾患の長期的な予防治療として、アスピリンに替わるさまざまな抗血栓療法レジメンが検討されてきた。2次予防では、アスピリンはプラセボに比べ主要有害心血管イベントのリスクを19%、心血管死のリスクを9%低下させることがメタ解析で示されている。また、選択的直接第Xa因子阻害薬リバーロキサバンは、静脈血栓塞栓症の予防、治療や、心房細動における脳卒中や全身性塞栓症の予防に用いられている。33ヵ国2万7,395例を登録、3群をダブルダミーで比較 本研究は、心血管疾患の2次予防におけるリバーロキサバン+アスピリン、リバーロキサバン単剤、アスピリン単剤の有用性を比較する二重盲検ダブルダミー無作為化試験である(Bayer社の助成による)。 対象は、安定期アテローム動脈硬化性血管疾患(冠動脈疾患、末梢動脈疾患あるいはこれら双方)患者であった。被験者は、リバーロキサバン(2.5mg、1日2回)+アスピリン(100mg、1日1回)、リバーロキサバン(5mg、1日2回)+プラセボ(1日1回)、アスピリン(100mg、1日1回)+プラセボ(1日2回)のいずれかを投与する群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、心血管死・脳卒中・心筋梗塞の複合であった。 2013年3月~2016年5月に、日本を含む33ヵ国602施設に2万7,395例が登録され、リバーロキサバン+アスピリン群に9,152例、リバーロキサバン群に9,117例、アスピリン群には9,126例が割り付けられた。 ベースラインの全体の平均年齢は68.2歳、女性は22.0%であった。脂質低下薬は89.8%、ACE阻害薬またはARBは71.2%の患者が使用していた。平均収縮期血圧は136mmHg、平均拡張期血圧は78mmHgで、平均総コレステロール値は162mg/dLであり、90.6%が冠動脈疾患、27.3%が末梢動脈疾患の既往歴を有していた。 本試験は、平均フォローアップ期間23ヵ月時にリバーロキサバン+アスピリン群の優越性が確認されたため中止となった。アスピリン単独よりも主要評価項目が24%低下、大出血は70%増加 主要評価項目の発生率は、リバーロキサバン+アスピリン群が4.1%(379例)、リバーロキサバン群が4.9%(448例)、アスピリン群は5.4%(496例)であった。リバーロキサバン+アスピリン群は、アスピリン群に比べ発生率が有意に低かった(ハザード比[HR]:0.76、95%信頼区間[CI]:0.66~0.86、p<0.001)。リバーロキサバン群とアスピリン群には有意差は認めなかった(HR:0.90、95%CI:0.79~1.03、p=0.12)。 一方、大出血の発生率は、リバーロキサバン+アスピリン群が3.1%(288例)、リバーロキサバン群が2.8%(255例)、アスピリン群は1.9%(170例)であった。リバーロキサバン+アスピリン群およびリバーロキサバン群は、アスピリン群に比し発生率が有意に高かった(HR:1.70、95%CI:1.40~2.05、p<0.001、HR:1.51、95%CI:1.25~1.84、p<0.001)。リバーロキサバン+アスピリン群とアスピリン群の差は、主に入院を要する出血によるもので、脳出血および致死的出血の発生率には有意な差を認めなかった。 全死因死亡の発生率は、リバーロキサバン+アスピリン群が3.4%(313例)、アスピリン群は4.1%(378例)であった(HR:0.82、95%CI:0.71~0.96、p=0.01、有意差を示すp値の閾値は0.0025)。 net clinical benefit(心血管死、脳卒中、心筋梗塞、致死的出血、重要臓器の症候性出血の複合)の発生率は、リバーロキサバン+アスピリン群が4.7%(431例)と、アスピリン群の5.9%(534例)よりも有意に良好であった(HR:0.80、95%CI:0.70~0.91、p<0.001)。 著者は、「早期有効中止となった本試験は、治療効果が過大評価されている可能性があるが、データ安全性監視委員会は中止前に1年以上にわたり併用群でベネフィットの漸進的な増加を観察している」としている。

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医療機器の適応追加・設計変更に用いた臨床データは不十分なのか(解説:折笠 秀樹 氏)-729

 医療機器の場合、しばしば適応追加(対象拡大)や設計変更がなされる。承認済みの医療機器の変更申請に際して、米国FDAでは大別してTraditional PMAとPanel-track PMA supplementという方法がある(Guidance for Industry and FDA Staff: Modifications to Devices Subject to PMA)。後者のほうが厳しくない方法のようだが、それにも6つのパスウェイがある。そのうち、今回はPanel-track supplementパスウェイに焦点を当てた。これは、医療機器の設計・性能上の重大な変更、および新たな適応追加に適用されるパスウェイである。ここでは、必ず臨床研究データの提出が要求される。本調査では、要求された臨床研究データの特徴について調査した。対象となったのは、米国FDAで2006~15年の約10年間に承認された、ハイリスク医療機器78件である。 医療機器の変更理由としては、適応追加などの添付文書改訂が79%、設計・仕様などの変更が18%、その他3%であった。その根拠とした臨床研究数は1~4件(平均1.1件)、申請から承認までの期間は平均約1年、優越性試験26%・非劣性試験14%・同等性試験2%・単群試験58%、盲検試験30%、代替エンドポイント81%、患者数中央値185例であった。承認後に宿題の付いた例は37%であった。 本論文によると、Panel-track supplementパスウェイを利用した追加申請で、根拠とした臨床データの品質が低すぎるという結論であった。上に示したように、医薬品の治験と比べると確かに品質は低いと思われる。優越性試験、盲検試験、真のエンドポイントなどを採用した例が少ない。また、例数もそれほど大きくない。しかしながら、医療機器ではどうだろう。詳しくは知らないが、日本の医療機器ではこの水準にも達していないことはないだろうか。

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知りたい情報は資産の作り方

CareNet.comでは、過日、会員医師の方々に金融資産に関するアンケートへのご協力をお願いしました。今回、その結果がまとまりましたので、3回に分けて報告しています。2017年8月3日にCareNet.comの会員医師を対象にインターネット上でアンケートを実施、回答者総数は324名でした。最終回は、資産形成について知りたい情報についての結果です。結果概要知りたい情報の1位は?設問6で「資産形成で一番知りたい情報について」質問したところ、資産形成の具体的方法[金融商品の種類、安全性など](40%)が最も多く、次いでライフスタイル別の必要な金融資産の額[住宅資金、教育資金など](19%)、資産管理の具体的方法[節税方法やFPなどの必要性など](17%)、医師に有利な社会制度について[法人化など](13%)、医師と負債について[融資、金融機関との関係など](6%)、そのほか(5%)という順でした。知りたい情報としては、資産形成や資産管理の細かいノウハウ、ライフスタイル別での必要資産についてなどが求められ、融資や借入への関心は薄いことがうかがわれました。■設問6 先生が、資産形成に関して一番知りたいと思う内容をご教示ください。1) 資産形成の具体的方法(金融商品の種類、安全性など)2) 資産管理の具体的方法(節税方法やFPなどの必要性)3) ライフスタイル別の必要な金融資産の額(子弟の教育にいくら必要か)4) 医師に有利な社会制度について5) 医師と負債について(融資、金融機関との関係など)6) そのほか最後に設問7として「医師とお金に関して取り上げてもらいたいテーマ」について自由記入で質問したところ、「税に関する事項」が一番多く、次に「投資全般」、「相続・継承」についての回答が多く寄せられました。コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承ください)税についてサラリーマンのための節税一般勤務医のための節税方法確定申告や節税のためのテクニック住民税の対策について節税のために法人化は必要か優遇税制について資産全般についてリスクの少ない資産運営法クリニック開業後の資産運用勤務医のための資産運営について資産運営知識ゼロの医師のために、初歩からのアドバイスが欲しい低金利時代の資産減損の最適な方法について投資信託の選び方。とくに確定拠出年金での運用方法について相続について相続の方法、生前贈与の具体的方法相続税対策について贈与と相続ではどちらが得か年金について安全な個人年金の情報不動産について家の購入相場について不動産の管理・経営について貯金、貯蓄について安心して老後を迎えられる最低目標額家族構成や生活のスタイル別による貯蓄プランニングについて老後に向けた有効な貯め方株式について株の仕組みを教えて欲しい株式投資の具体的なステップアップ法金融商品についてビットコインの安全性ふるさと納税のやり方仮想通貨は危険かどうか日本国債の長期的価値、格付けそのほかクリニック開業に必要な資金公務員の勤続年数の損益分岐点収入を上げるための転職について地方と都市での年収差

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持続性AFと心機能低下を有する患者に有益なのは?カテーテルアブレーションvs.薬物レートコントロール

 心房細動(AF)と左室収縮不全は、十分なレートコントロールが行われていても頻繁に併存する。しかしながら、AFおよびさまざまな要因に伴う左室収縮不全に関するこれまでのランダム化研究では、リズムコントロールの有益性を裏付ける十分なエビデンスがない。そこでオーストラリア・メルボルン大学のSandeep Prabhu氏ら研究グループが、AFを有する原因不明の左室収縮不全において、AFに対するカテーテルアブレーションが、薬物によるレートコントロールと比べて左室収縮不全を改善するかについて検討を行った。Journal of American College of Cardiology誌2017年8月22号に掲載。多施設ランダム化試験でカテーテルアブレーションと薬物レートコントロールを比較 本研究は多施設のランダム化試験であり、持続性AFと原因の特定できない心筋症(LVEF≦45%)を有する症例を対象とした。レートコントロール後、患者は心臓MRIで左室の機能および心筋の線維化を示唆する後期ガドリニウム増強の評価を受け、カテーテルアブレーション群とレートコントロール群に振り分けられた。カテーテルアブレーションでは肺静脈隔離と後壁の隔離を行った。カテーテルアブレーション後のAFの頻度は、植込み型のループレコーダーを用いて評価し、薬物レートコントロールが適切になされているかは、ホルター心電図を繰り返し行うことでモニタリングした。プライマリエンドポイントは、6ヵ月後の心臓MRI によるEFの変化とした。薬物レートコントロール群に比べカテーテルアブレーション群でEFが著明に改善 2013年11月~16年10月の期間、301例がスクリーニングを受け、68例が試験に組み込まれた。このうち2例が脱落し、それぞれのアームには33例ずつ振り分けられた。カテーテルアブレーション後の全心拍に対するAFの割合は、平均6ヵ月後において、1.6±5.0%であった。ITT解析(治療意図の原理による解析)では、LVEFの絶対値はカテーテルアブレーション群で18±13%の増加で、薬物レートコントロール群では4.4±13%で(p<0.0001)、左室の収縮が正常化した患者(LVEF≧50%)は58%と9%であった(p=0.0002)。 また、カテーテルアブレーションを受けた患者では、後期ガドリニウム増強が認められないことが、EFの大きな改善(+10.7%、p=0.0069)と6ヵ月後の左室の収縮の正常化(73% vs.29%、p=0.0093)の予測因子となっていた。なお、カテーテルアブレーション群の33%で抗不整脈薬が続けられ、14%で電気的除細動が行われた。薬物レートコントロール群では全症例でAFが持続していた。カテーテルアブレーションによる洞調律維持が心機能の改善をもたらす 十分なレートコントロールがなされている症例においても、AFは左室収縮不全の可逆的な原因であることがしっかりと認識されていない。一方、とくに心臓MRIで心室の線維化がない状態においては、カテーテルアブレーションで洞調律を取り戻すことが心室の著明な改善をもたらす。このことは、AFと左室収縮不全に対してはレートコントロールが適切であるという現在の治療法に対し疑問を突き付けるものである。関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

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家庭でのうつ病ケア、最善の選択肢は

 タイ・マヒドン大学のKanokporn Sukhato氏らは、うつ病に利用可能なすべての家庭での非薬理学的介入に関する無作為化比較試験(RCT)のシステマティックレビュー、ネットワークメタ解析を行い、その効果を比較した。BMJ Open誌2017年7月12日号の報告。 Medline、Scopus、CINAHLの各データベースを用いて、2016年8月7日までの研究を検索した。研究には、うつ病患者に対する家庭での非薬理学的介入と通常ケアを比較したRCTが含まれた。主要アウトカムは、治療終了時のうつ症状スコアおよび寛解率とした。 主な結果は以下のとおり。・本レビューには、17研究が抽出された。・家庭での非薬理学的介入は、心理的介入、運動介入、心理的介入と運動介入の組み合わせ、補完的な薬物介入に分類された。補完的な薬物介入のアプローチは、異質であるため、メタ解析から除外した。・通常ケアと家庭での各非薬理学的介入のうつ症状スコアの標準化平均変化差は、心理的介入で-0.57(95%CI:-0.84~-0.31)、運動介入で-1.03(95%CI:-2.89~0.82)、心理的介入と運動介入の組み合わせで-0.78(95%CI:-1.09~-0.47)であった。・これらの結果より、家庭での心理的介入および心理的介入と運動介入の組み合わせが、うつ症状スコアを有意に低下させることが示唆された。・通常ケアと比較して、家庭での心理的介入(プールされたリスク比:1.53、95%CI:1.19~1.98)および心理的介入と運動介入の組み合わせ(プールされたリスク比:3.47、95%CI:2.11~5.70)の寛解率は有意に高かった。・研究されたすべての介入において、家庭での心理的介入と運動介入の組み合わせが寛解をもたらす可能性が最も高いことが示唆された。 著者らは「本研究において、うつ病治療における家庭での心理的介入および心理的介入と運動介入の組み合わせの有効性が確認された。家庭での心理的介入と運動介入の組み合わせは、最善の治療であり、うつ病管理のための臨床ガイドラインに含めることを考慮すべきである」としている。■関連記事たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能早期改善が最も期待できる抗うつ薬はうつ病の再発を予測する3つの残存症状:慶應義塾大

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炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇/Lancet

 炭水化物摂取量の多さは全死亡リスク上昇と、また総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連する。さらに総脂質および脂質の種類は、心血管疾患(CVD)、心筋梗塞、CVD死と関連していないが、飽和脂質は脳卒中と逆相関していることが確認された。カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan氏らが、5大陸18ヵ国で全死亡および心血管疾患への食事の影響を検証した大規模疫学前向きコホート研究(Prospective Urban Rural Epidemiology:PURE)の結果、報告した。主要栄養素とCVDや死亡との関連性については、これまでのデータのほとんどが栄養過剰の傾向にある欧州や北米の集団からのもので、他の集団にも当てはまるか不明であった。著者は、「今回の結果を踏まえ、世界的な食事ガイドラインを再検討すべきである」と提言している。Lancet誌オンライン版2017年8月29日号掲載の報告。18ヵ国の13万5千例以上を約7年半追跡 研究グループは、2003年1月1日~2013年3月31日に、高所得国(カナダ、スウェーデン、アラブ首長国連邦)、中所得国(アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、イラン、マレーシア、パレスチナ自治区、ポーランド、南アフリカ、トルコ)、低所得国(バングラデシュ、インド、パキスタン、ジンバブエ)の計18の国・地域において、35~70歳の13万5,335例を登録し、食事摂取量を食事摂取頻度調査票(FFQ)により調査した後、中央値7.4年(IQR:5.3~9.3)追跡した。 主要アウトカムは、全死亡(total mortality)および主要心血管イベント(致死的CVD、非致死的心筋梗塞、脳卒中、心不全)。副次アウトカムは、心筋梗塞、脳卒中、CVD死、非CVD死であった。 炭水化物、脂質(総脂質と種類別[飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸])およびタンパク質の摂取量を、エネルギー比に基づき5分位で分類し、摂取量と各評価項目との関連について多変量Cox frailtyモデルを用いハザード比(HR)を算出した。全死亡リスクは、炭水化物の摂取量が多いほど増加、逆に脂質では低下 追跡期間中に、死亡が5,796例、主要心血管イベントの発生が4,784例記録された。炭水化物は、摂取量が多いほど全死亡リスクが高く、最低5分位群(エネルギー比中央値46.4%)に対する最高5分位群(同77.2%)のHRは1.28(95%信頼区間[CI]:1.12~1.46、傾向のp=0.0001)であった。CVDまたはCVD死のリスクとの関連は確認されなかった。 一方、脂質は総脂質および種類別のいずれも、摂取量が多いほど全死亡リスクは低かった。最低5分位群に対する最高5分位群のHRは、総脂質が0.77(95%CI:0.67~0.87、傾向のp<0.0001)、飽和脂肪酸は0.86(95%CI:0.76~0.99、傾向のp=0.0088)、一価不飽和脂肪酸は0.81(95%CI:0.71~0.92、傾向のp<0.0001)、多価不飽和脂肪酸は0.80(95%CI:0.71~0.89、傾向のp<0.0001))であった。 また、飽和脂肪酸は、摂取量が多いほど脳卒中のリスクが低い関連が認められた(最高5分位群 vs.最低5分位群のHR:0.79、95%CI:0.64~0.98、傾向のp=0.0498)。総脂質、飽和および不飽和脂肪酸の摂取量は、心筋梗塞またはCVD死のリスクと有意な関連はみられなかった。 なお著者は、FFQは絶対的摂取量を測定した調査ではないことや、食事摂取量の調査がベースライン時のみで、またトランス脂肪酸の摂取量は未測定であることなどを研究の限界として挙げている。

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PCI施行心房細動患者の抗血栓療法、2剤 vs.3剤/NEJM

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた心房細動(AF)患者において、ダビガトラン(商品名:プラザキサ)+P2Y12阻害薬による2剤併用抗血栓療法は、ワルファリン+P2Y12阻害薬+アスピリンの3剤併用抗血栓療法と比較して、出血リスクは低く、血栓塞栓イベントリスクは有意差がないことが確認された。米国・ベイム臨床研究所のChristopher P. Cannon氏らが、日本を含む41ヵ国414施設で実施された国際共同無作為化非盲検比較試験「RE-DUAL PCI試験」の結果を報告した。ワルファリン+2剤併用抗血小板薬を用いた3剤併用抗血栓療法は、PCI後のAF患者に対する標準治療であるが、出血リスクが高く新たな治療戦略が求められていた。NEJM誌オンライン版2017年8月27日号掲載の報告。ダビガトラン2用量の2剤併用と、ワルファリンを含む3剤併用の3群で比較 RE-DUAL PCI試験の対象は、ステント留置を伴うPCIを施行した非弁膜症性AF患者2,725例で、ダビガトラン110mg×1日2回+P2Y12阻害薬群(110mg併用群)、ダビガトラン150mg×1日2回+P2Y12阻害薬群(150mg併用群)、ワルファリン+P2Y12阻害薬+アスピリン群(3剤併用群)のいずれかに無作為に割り付け(米国以外の高齢者は110mg併用群と3剤併用群の2群に無作為化)、6ヵ月以上追跡した。P2Y12阻害薬はクロピドグレルまたはチカグレロルとし、アスピリン(1日100mg以下)はベアメタルステントの場合は1ヵ月後、薬剤溶出ステントの場合は3ヵ月後に中止した。 主要エンドポイントは、大出血または臨床的に問題となる出血イベント(ISTH出血基準)。主な副次エンドポイントは、有効性の複合エンドポイント(血栓塞栓イベント[心筋梗塞、脳卒中、全身性塞栓症]、死亡および予定外の再血行再建術)であった。副次エンドポイントについては、ダビガトラン両群を合わせた2剤併用群の、3剤併用群に対する非劣性について検証した。2剤併用のほうが出血リスクは低く、血栓塞栓イベントリスクに差はなし 平均追跡期間14ヵ月における、大出血または臨床的に問題となる出血イベントの発生率は、3剤併用群26.9%に対し、110mg併用群は15.4%であった(ハザード比[HR]:0.52、95%信頼区間[CI]:0.42~0.63、非劣性のp<0.001、優越性のp<0.001)。150mg併用群(高齢者は米国からの参加被験者のみ)は20.2%で、同群に対応する3剤併用群は25.7%であった(HR:0.72、95%CI:0.58~0.88、非劣性のp<0.001)。 有効性の複合エンドポイントの発生率は、2剤併用群13.7%、3剤併用群13.4%であった(HR:1.04、95%CI:0.84~1.29、非劣性のp=0.005)。重篤な有害事象の発現頻度について有意な群間差は確認されなかった。〔9月12日 記事の一部を修正いたしました〕

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長生きは本当に幸せか(2)(解説:岡村毅氏)-727

 伸びた平均余命のうち多くの期間が、日常生活に他人の助けを要する(dependency)状態であることが報告されている。豊かな高齢社会を構想するために非常に重要な論文である。 まず、「ならばすべての高齢者が最期まで自立できるようにもっと医学を発展させないといかん」という素直な感想もあるかもしれない。しかし医学の発展の結果として寿命が伸びているのであり、さまざまな疾患(脳梗塞、悪性腫瘍…)を乗り越えて何とか生きている方々が障碍を持っているのは仕方がないことのように思われる。 一方で、内科や外科の先生方には奇妙に聞こえるかもしれないが、他人に依存することは悪いことばかりではないと、違うアングルからこの問題を眺めることもできよう。そもそも人間はひとりでは生きていけないものであり、何かしら依存しているものだ。ガンジーはinterdependenceこそが人間の本来の姿であると述べている。ティク・ナット・ハンはinterbeingと言っている。「わしは誰の助けも借りていないぞ」と反論してくる方もいるかもしれないが…。ともあれ自立は素晴らしいと考えることは自然だが、自立していない人は生きる価値がないという悪しき考えが意外に近くに忍び寄っていることに自覚的であるべきだ。 このように考え方を変えてみると新しい時代の研究の潮流が少し見えてくるだろう。認知症予防、身体機能低下予防、フレイル予防、どれも重要だが予防は原理的に完遂しえない。そこで障碍との共存が高齢社会の重要な課題となった。 たとえば近年盛んになされているロボット研究や超小型モビリティ研究は、生産性ではなく本人の権利を守るという文脈で捉えればきわめて倫理的な研究である。あるいは高齢者の社会参加の機会として、たとえば「農業」を利用するという試みがなされつつある。また不安定な高齢者の地域への統合のために、既存の宗教組織(たとえば寺院や教会など)が地域包括ケアに登場する可能性もある。そもそも高齢・障碍・無縁は貧困につながるので、貧困対策こそが高齢社会の最重要課題かもしれない。 なお、本コメントは2015年に同じくCFAS IとIIを比較したCarol Jagger氏らの論文に対するコメント(「長生きは本当に幸せか」)に続くものである。医学の発展は長寿をもたらし、それ自体は大変素晴らしいことである。ここで思考停止せず深掘りするところが、ラッセルやウィトゲンシュタインの活躍した国の面目躍如といえるかもしれない。

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EGFR変異陽性NSCLC1次治療薬としてのオシメルチニブの評価/JCO

 オシメルチニブは、Exon19、21といったEGFR遺伝子変異EFGR遺伝子変異と共にT790M変異に対する強力な阻害薬である。AURA試験に含まれる2つの未治療患者のコホートからEGFR変異型進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する初回治療としてのオシメルチニブの臨床活性と安全性を検討した研究結果が発表された。 この研究では未治療の局所進行または転移性EGFR変異陽性NSCLC患者60例が、オシメルチニブ80mg/日または160mg/日投与を受けた(各コホート30例)。評価項目は、治験担当医評価の客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、および安全性であった。また、オシメルチニブの耐性機構を調べるため、患者がPDとなった時点あるいは後に血漿サンプルを収集した。 主な結果は以下のとおり。・データカットオフ(2016年11月1日)の追跡期間中央値は19.1ヵ月であった。・ORRは、80mg群67%、160mg群87%、全体では77%であった。・PFSは、80 mg群22.1ヵ月(13.7~30.2)、160㎎群19.3ヵ月(13.7~26.0)、全体では20.5ヵ月(15.0~26.1)であった。・血漿サンプル採取38例のうち、50%は血中循環腫瘍DNAが検出不可能であった。・19例中9例は、MET増幅(n=1)、EGFRおよびKRAS増幅(n=1)、MEK1、KRAS、またはPIK3CA変異(それぞれn=1)、EGFR C797S変異(n=2)、JAK2変異(n=1)、HER2 exon20挿入変異(n=1)を含む推定抵抗性機構を有していた。・EGFR T790Mの獲得は検出されなかった。 オシメルチニブは、未治療のEGFR変異進行NSCLC患者において、高いORRと長いPFSを示した。

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機長からの手紙【Dr. 中島の 新・徒然草】(186)

百八十六の段 機長からの手紙カナダのバンクーバーで行われた国際学会に出席したことは前回紹介しました。今回は番外編、行きの飛行機の中で起こった出来事について述べましょう。飛行機の席に座って映画を見ていた時のこと。突然、イヤホンから「medical personnel はいらっしゃいませんか?」という声が聞こえてきました。「俺、英語苦手だし、知らんもんね」と思っていたら、次は日本語で「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?」という呼びかけがありました。知らん顔をしているつもりでしたが、なぜか足が勝手に歩いていって男性クルーに「医師です。お手伝いしましょうか?」と声をかけていました。男性クルーは物凄く喜び、早速、機体半ばにあるギャレーに案内してくれました。ギャレーの床には日本人らしい若い女性が転がって腹を押さえて苦しんでいました。すでに褐色の肌のドクターが名乗りをあげており、別のクルーが状況を説明しているところでした。後で知ったところによると、スリランカ出身で今はカナダで働いているドクターだそうです。中島「お疲れ様です。私は医師のナカジーマです。御専門は何でしょうか?」ドクター「ファミリー・プラクティスだ」中島「(ラッキー!)私は脳神経外科医です。どうやらうまく協力できそうですね」ドクター「患者は日本人らしいからな、よろしく頼むよ」早速、苦しんでいる女性に尋ねてみました。痛みは臍の左側のようです。女性「離陸した頃から少し痛かったのですが、だんだん我慢できなくなって」中島「失礼ですが、最終月経はいつですか?」女性「今、7日目くらいです」中島「じゃあ妊娠の可能性はありませんね」女性「ええ」いつだって「女性を見たら妊娠を疑え」です。ドクター「月経はいつだって?」中島「今日が7日目だそうです」ドクター「じゃあ妊娠の可能性はないわけだな」中島「そのようです」ドクター「念の為、彼女にsexually activeかどうか訊いてくれ」中島「は?」そりゃあ若い女性だから重要な情報には違いありませんが、それ、日本語で何て訊けばいいんでしょうか? と、困っていたところにどこからともなく女房が登場して仕切り始めました。女房「こんなところで何してるの? ブランケットをもってきて床に敷きなさい。診察もなにもできないじゃない!」中島「はいっ」女房「学生さん? 引率の先生はいるの?」女性「ええ」女房「じゃあ、呼んできて」クルー「はいっ」一方、ドクターの方はクルーに診察道具をみせてもらっていました。大きなアタッシュケースにズラリと整理された薬品類、シリンジ類、各種サイズの喉頭鏡と挿管チューブ、聴診器、何でもあります。揺れる飛行機の中でガサゴソしないよう、型抜きしたウレタンシートにビシッとはめ込まれていました。聴診と触診の後にやおらドクターは私に尋ねてきました。ドクター「お前はどう思う?」中島「憩室炎とか」ドクター「そうかな」中島「貴方はどう思いますか?」ドクター「頑固な便秘か、尿路結石だろう」中島「なるほど」患者「痛みが少しマシになってきました」ドクター「目的地まであとどのくらいかな?」クルー「4時間ほどです」ドクター「あまり重症でもなさそうだし、緊急に着陸するよりもバンクーバーまで行く方が得策だろう」クルー「分かりました。ところで先生方、お名前をいただけますか?」要領よく記録をとっていたクルーに名刺を渡しました。あまり重症ではなさそうだ、という判断が出たところでクルー達の緊張も解けてきたようです。クルー「前回、機内で急病人が出たときはね、患者さんはもっと重症そうだったし、目的地まで9時間もあるし、ドクターは誰もいなかったのでどうなることかと思いました」中島「そりゃ大変でしたね」クルー「今回は目的地まで4時間だし、ドクターが3人も名乗りをあげてくれたし、本当に助かりましたよ!」一件落着の後、疲れ切って座席に引き返したら知らない間に眠ってしまいました。目的地近くになってふと目が覚めると枕元にそっと手紙が置いてありました。機長からの手紙です。我々の業界で半ば都市伝説となっている「機長からの手紙」とやらは、これか! そう思って開封してみました。「今回の御協力には心から感謝する。貴方が機内で行った医療行為については、たとえ何らかの問題があったとしても我が国の法律に照らして免責されることをお伝えする」それは有り難いですけど、それよりも続きが!「私どもの航空会社からの感謝の気持ちとして」来た来た来た! 帰りは夢のファーストクラスか?「次に利用されるときはディスカウント価格を提供する。予約の際に以下のコードナンバーを入力してくれ。30%のディスカウントだ」えええ、30%のディスカウントって。ファーストクラスじゃないわけ? 期待が大きかった分、思わず脱力してしまいました。まあ、期待する方が悪いんですけど。ともあれ、人助けってのは気持ちがいいものです。目のあったクルー達が次々に御礼を言ってくれるので、こちらも医師らしくニコヤカに振る舞いました。最後に私の体験から読者の皆さんにアドバイスを1つ。機内で診療をすることになった時に、医師に対して最も求められていることは、緊急着陸が必要か否かの判断だと思います。重症度と目的地までの所要時間を勘案して、緊急着陸か目的地まで行くべきかの2択で判断しましょう。緊急着陸の際、どの空港に降りるか或いは引き返すかは、航空会社が決めることなので我々が関知する必要はありません。うまくいくことをお祈りいたします。思わぬ仕事の後で1句機内では 降ろすか否かの 判断だ

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認知症発症への血圧の影響、ポイントは血圧変動:九州大

 これまでの研究では、診察室血圧変動の大きさが、認知障害や認知症のリスク因子であることが報告されている。しかし、家庭での血圧測定によって評価された日々の血圧変動と認知症発症との関連を調べた研究はなかった。九州大学の大石 絵美氏らは、久山町研究に登録されている日本人高齢者の日常血圧変動と認知症リスクとの関連を調査した。Circulation誌2017年8月8日号の報告。 認知症でない60歳以上の日本人高齢者1,674人を対象に、5年フォローアップ調査を行った(2007~12年)。家庭血圧は、毎朝3回測定した(中央値:28日)。日々の収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)の変動は、自宅でのSBPおよびDBPの変動係数(CoV)として計算し、四分位で分類した。すべての認知症、血管性認知症(VaD)、アルツハイマー型認知症(AD)の発症に対する家庭血圧のCoVレベルのハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)は、Cox比例ハザードモデルを用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中に認知症を発症したのは194人、そのうちVaD47人、AD134人であった。・すべての認知症、VaD、AD発症率は、年齢・性別で調整したのち、家庭SBPのCoVレベル増加とともに有意に増加していた(すべて、P for trend<0.05)。・家庭SBPを含む潜在的な交絡因子で調整したのちでも、これらの関連は変化しなかった。・家庭SBPのCoVレベル第4四分位群の人におけるすべての認知症(HR:2.27、95%CI:1.45~3.55、p<0.001)、VaD(HR:2.79、95%CI:1.04~7.51、p=0.03)、AD(HR:2.22、95%CI:1.31~3.75、p<0.001)発症リスクは、第1四分位群の人と比較し、有意に高かった。・家庭DBP血圧のCoVレベルについても、同様の関連が認められた。・家庭SBPレベルは、VaDリスクと有意な関連が認められたが、すべての認知症およびADリスクとは関連が認められなかった。・家庭SBPレベルと家庭SBPのCoVレベルとの間に、認知症の各サブタイプリスクと関連する相互作用は認められなかった。 著者らは「家庭血圧の平均値とは無関係に、日常の血圧変動の増加が、日本人高齢者のすべての認知症、VaD、AD発症のリスク因子であることが示唆された」としている。■関連記事血圧低下は認知症リスクを増加させるか、減少させるか認知症予防の新たな標的、グルコースピーク認知症になりやすい職業は

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心血管イベント抑制薬、肺がん発症も抑制/ESC2017

 IL-1βは炎症性アテローム性動脈硬化症の継続的な進行に関与することで知られているが、がんの微小環境においても、その増殖や転移に関与しているという仮説がある。そのような中、IL-1β阻害薬canakinumab(ACZ885)が、炎症を軽減することによって心血管疾患および肺がんリスクのリスクを低下させるという、最新の試験結果が2017年8月27日、ESC(欧州心臓病学会)2017で発表された。 これは、炎症性アテローム性動脈硬化症患者における、canakinumabの第III相試験CANTOS(Canakinumab Anti-inflammatory Thrombosis Outcomes Study)の探索的研究の結果である。CANTOSは、心筋梗塞の既往があり、がんの診断歴がなく、炎症マーカー高感度であるC反応性蛋白(hsCRP)が2mg/L以上のアテローム性動脈硬化症患者1万61例において、canakinumabによる心血管イベント抑制を評価した無作為比較試験。患者は、プラセボまたは3用量(50mg、150mg、300mg)のcanakinumabに無作為に割り付けられ、探索的研究では、がんの発症について追跡調査された。 3.7年の追跡期間中、canakinumabはプラセボと比較して、hsCRPの濃度を26~41%、IL-6の濃度を25~43%、用量依存的に減少した(いずれもp<0.0001)。全がん発症率はcanakinumab群とプラセボ群で有意差はなかった(p=0.31)。全がん死亡率は、canakinumab群でプラセボ群よりも有意に低かった(p=0.0007)。用量別にみると300mg群でプラセボ群に比べ有意であった(HR:0.49、95%CI:0.31~0.75、p=0.0009)。また、肺がん発症率は、プラセボ群に対し300mg群(HR:0.33、95%CI:0.18~0.59、p<0.0001)および150mg群(HR:0.61、95%CI:0.39~0.97、p=0.034)で有意な低下が見られた。肺がん死亡率は、プラセボ群に対し300mg群で有意に低下した(HR:0.23、95%CI:0.10~0.54、p=0.0002)。 ノバルティスは、canakinumabがIL-1βを標的とするがん免疫療法としての可能性を示したとし、規制当局と肺がんに対する仮説についての議論を行い、追加の第III相試験の実施を検討する予定。この結果は発表と同時にLancet誌にも掲載されている。■参考ECSプレスリリースノバルティス株式会社メディアリリースRidker, PM, et al.Lancet. 2017 Aug 25. [Epub ahead of print]CANTOS(Clinical Trials.gov)

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カナキヌマブは心血管イベントリスクの抑制に有益か/NEJM

 インターロイキン-1βを標的とするヒトモノクローナル抗体のカナキヌマブ150mgを、心筋梗塞既往、高感度CRP値2mg/L以上の患者に毎3ヵ月投与することで、脂質値が低下せずとも心血管イベントの再発を長期にわたり抑制する効果があることが示された。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のP.M.Ridker氏らが、患者1万61例を対象に行ったプラセボ対照無作為化二重盲検試験で明らかにした。これまでの実験・臨床データから、脂質値の低下に依らず炎症を抑えることで、心血管疾患リスクが低下する可能性が示されていたが、アテローム血栓症における炎症抑制の効果については検証されていなかった。NEJM誌オンライン版2017年8月27日号掲載の報告カナキヌマブ50mg、150mg、300mgとプラセボを投与し比較検証 研究グループは、心筋梗塞歴があり、高感度CRP値が2mg/L以上の患者1万61例を無作為に4群に分け、カナキヌマブを50mg、150mg、300mgとプラセボを、毎3ヵ月で皮下投与した。 主要有効性エンドポイントは、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中または心血管死のいずれかの発生とした。カナキヌマブ150mg投与のみ有意に抑制、心血管イベントリスクは15%減 試験開始48ヵ月時点で、高感度CRP値のベースラインからの減少幅中央値は、プラセボ群に比べ、50mg群で26%、150mg群で37%、300mg群で41%、それぞれ大きかった。一方、脂質値のベースラインからの減少は、カナキヌマブ群では認められなかった。 中央値3.7年追跡時点で、主要エンドポイントの発生率は、プラセボ群4.50/100人年に対し、50mg群4.11/100人年、150mg群3.86/100人年、300mg群3.90/100人年だった。各群のプラセボ群に対するハザード比(HR)は、50mg群が0.93(95%信頼区間[CI]:0.80~1.07、p=0.30)、150mg群が0.85(同:0.74~0.98、p=0.021)、300mg群が0.86(同:0.75~0.99、p=0.031)で、事前に規定した統計的有意差を示す多様性補正後の閾値に達したのは、150m群のみだった。また、主要エンドポイントに不安定狭心症のための緊急血行再建術による入院などを加えた副次エンドポイント発生についても、150mg群のみプラセボ群に対する有意な減少が示された(HR:0.83、95%CI:0.73~0.95、p=0.005)。 一方で、カナキヌマブ群はプラセボ群に比べ、致死的感染症発生率が高率だった。全死因死亡率については、両群で同等だった(HR:0.94、95%CI:0.83~1.06、p=0.31)。

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