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第1回 医師たちの転職事情【宮本研のメディア×ドクターの視座】

第1回 医師たちの転職事情「転職エージェントって、どんな感じ?」私自身も利用してみて、初めてその実態を知りました。あくまでも過去の経験談ですが、普段の診療では出会う機会もなかったですし、エージェントたちの詳しい素性は今でもよく分からないままです。「そんな赤の他人に、貴重な医師人生を預けて大丈夫なの?」というのが、一般的な感覚ではないでしょうか。これまで、私は10社前後の医師転職エージェントと面会しました。実際の転職に至ったのは、1社のみです。そして転職後に、もっと実態を知っておくべきであった・・・、という少しの後悔も抱きました。Aという医療機関からBという医療機関へ転職する際、転職者の希望とBの雇用条件を調整するのが、エージェントの仕事。入職後までのフォローを含めて、年収の一定割合を紹介料として受け取るのが普通です。高年収の医師を成約させれば、結構な金額の紹介料になると言われています。エージェントはあくまでも、次のBという医療機関への道案内役です。勤務中の医療機関Aとの退職交渉は、転職者自身が行う必要があります。 被雇用者なのですから当然とも言えますが、医師の場合は気軽に「辞めます」と決断できない事情が多いものです。「専門医が院内に自分しかいない」「辞めた後の交代医が見つからないかも」「患者さんやスタッフには何と説明しよう」等々…。考え出したら、それこそキリがありません。つまり、転職というのは勤務医にとって、(1)現勤務先Aとの退職交渉(2)医局派遣の場合は、医局との交渉(退局を含む)(3)初めて出会う、転職エージェントとの事前相談(4)複数依頼の場合は、エージェントたちの能力や条件の見極め(5)転職先候補B〜B’との、エージェントを介した事前交渉(6)家族を含むプライベート要因の整理、合意形成(7)転職先Bとの面談交渉(8)エージェントを介した、最終的なB雇用条件の合意(9)現勤務先Aへの退職届(10)転職先Bへの入職関係書類の提出と、ざっくり言っても、これくらいの手間がかかります。場合によっては、現勤務先Aと決裂して「もう辞める!」となってから、転職活動を開始することもあるでしょう。幸い、医師求人は常勤だけで1万人以上あると言われますから、選り好みしなければ、どこかには転職可能です。では、このような転職活動は、医師に幸せをもたらすのでしょうか? AからBに移籍したら、目指した通りの年収や待遇を得て、充実した医師キャリアを送れるのでしょうか?大学関連以外に、民間医療機関を3ヵ所経験してみて、「転職が最終ゴールではない」というのが私なりの結論です。そもそも、入職前に転職先Bが提示してきた雇用条件こそ、当該年において転職先Bの経営上で有利な内容だと、ほとんどの医師は知りません。もっと簡単に言えば、転職先は経営上に損が出ないような条件を、転職希望の医師に提示します。私も想像しきれていなかったのですが、「人買い」に近い発想が、医師転職の世界にはまだまだ存在します。年収条件に幅がある場合、「先生の専門性や能力によって高い年収を提示できます」という釈明をしていますが、この幅は何か? これは、転職先の医療機関側が譲歩する余地というよりも、「どれだけもっと安く、ちゃんと働く医師を採用できるか」という意味です。経営上の都合ですから、翌年以降の年俸交渉で急に態度が厳しくなることも十分にありえます。エージェントも初対面、転職先Bに行っても初対面の経営者たち。転職前に社交辞令が織り交ぜられるのは当然であって、いろいろな事実を新しい勤務先Bの中で、後から知ることになります。何かが一方的に悪いとか、騙されたとかいう訳ではなく、転職市場にはメリットもデメリットも混在しているということです。しかし医療現場で忙しいと、こうした実際の転職事情を学ぶチャンスがなく、先輩や後輩の成功談を耳にして、「上手くいくはずバイアス」がかかっていたりします。 最終責任は転職を決意した自分自身にあるのですが、意外とこの単純な事実関係を、認識できていない場合も多いのではないでしょうか。当連載では、臨床とビジネスの世界を並走しているチーフ・メディカル・オフィサーの視点から、色々なお話をしていきます。医師であれば、こっそり知っておいても損はないと思います。

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コーヒーと大動脈弁狭窄症リスク~7万人の前向き研究

 コーヒーには、心血管系に有害もしくは有益な作用を及ぼしうる生物学的活性物質が多く含まれているが、コーヒー摂取と大動脈弁狭窄症リスクの関連は不明である。今回、スウェーデン・カロリンスカ研究所のSusanna Larsson氏らの7万人超による前向き研究により、コーヒー摂取量と大動脈弁狭窄症リスクが正相関することが示された。Nutrition, metabolism, and cardiovascular diseases誌オンライン版2018年2月7日号に掲載。 この前向き研究には、ベースライン時のアンケートでコーヒー摂取量を回答した7万1,178人の男女が参加した。大動脈弁狭窄症の発症については、Swedish National Patient and Cause of Death Registersで同定した。 主な結果は以下のとおり。・平均追跡期間(15.2年)の間に、1,295人の参加者(男性777人、女性518人)が大動脈弁狭窄症と診断された。・年齢、性別、喫煙、ほかの危険因子の調整後、コーヒー摂取は用量反応的に大動脈弁狭窄症リスクと正相関していた(傾向のp=0.005)。・多変量ハザード比は、コーヒー2杯/日の増加当たり1.11(95%信頼区間:1.04~1.19)、摂取量最多のカテゴリー(6杯/日以上)を最少のカテゴリー(0.5杯/日未満)と比較すると1.65(95%CI:1.10~2.48)であった。この関連性はほかの危険因子によって変わらなかった。

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高齢者のうつ症状に対するアロマセラピーの効果

 高齢者のうつ病は、中国における公衆衛生上の重大な問題である。中国・成都医学院のMei Xiong氏らは、地域住民高齢者の抑うつ症状に対する、8週間のアロマセラピーマッサージおよび吸入による介入の効果について比較を行った。Journal of alternative and complementary medicine誌オンライン版2018年3月22日号の報告。 本研究は、抑うつ症状を有する60歳以上の地域住民を対象とした、プロスペクティブランダム化比較試験として実施された。対象者は、ラテン方格で、アロマセラピーマッサージ群、吸入群、対照群(各20例)にランダムに割り付けられた。マッサージ群には、8週間のうちに2回/週、5mLのオイルを用いた30分間のアロマセラピーマッサージが行われた。このオイルは、1%の濃度に希釈されたスイートアーモンドオイルに、ラベンダー(Lavandula angustifolia)、スイートオレンジ(Citrus sinensis)、ベルガモット(Citrus bergamia)を2:1:1で配合したエッセンシャルオイル50μL(1滴)を混ぜ合わせたものであった。吸入群には、8週間のうちに2回/週、10mLの精製水と混ぜ合わせた50μLのエッセンシャルオイルの鼻腔吸入が30分間行われた。対照群には、介入は行われなかった。すべての群において、試験開始前と終了時、フォローアップ6週目および10週目に、効果を評価するため、老年期うつ病評価尺度簡易版(GDS-SF)と健康アンケート(PHQ-9)を用いた。5-ヒドロキシトリプタミン(5-HT)濃度を、試験開始前および終了時に評価した。 主な結果は以下のとおり。・介入後、マッサージ群および吸入群は、対照群と比較し、GDS-SF、PHQ-9が有意に低かった。・試験前と比較し、マッサージ群および吸入群における抑うつ症状のGDS-SF、PHQ-9スコアは、試験終了時(8週間後)、フォローアップ6週目(14週間後)および10週目(18週間後)において低いままであった。・対照群におけるGDS-SF、PHQ-9スコアは、4つすべての時点において、差は認められなかった。・マッサージ群および吸入群における試験終了時の5-HT濃度は、開始前の値より増加していた。 著者らは「アロマセラピーマッサージおよび吸入による介入は、高齢者のうつ病に対し、重要な影響を及ぼす可能性がある」としている。■関連記事認知症に対するアロマテラピー、効果はあるか不眠症への指圧効果うつ病への呼吸リラクゼーション併用療法

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「神経内科」は「脳神経内科」へ

 2018年3月、日本神経学会(代表理事:高橋良輔[京都大学])は、学会ホームページ上で会員向けに「標榜診療科名を『脳神経内科』に変更することにつきまして」と題するお知らせを公開した。 この動きは、平成29年度第4回日本神経学会理事会(2017年9月16日開催)での決定、社員総会(2018年1月8日開催)での報告を経たもので、今後学会は会員に向け、学会内で使用する診療科名は、順次「脳神経内科」を用い、「神経内科」標榜の医療機関には「脳神経内科」への変更をお願いしていくとしている。診療内容のさらなる明確化が狙い 今回の変更の狙いとして「診療内容をよりよく一般の方々に理解していただくこと」をあげている。 1975年の診療科認可以来、「神経内科」が使用されてきたが、現在でも心療内科や精神科と混同されることがある一方で、脳卒中や認知症などのコモンディジーズを専門的に診療する科であることが広く知られていない状況が続いているという。このことで、神経内科を受診して欲しい患者さんが神経内科受診を思いつかずに、診断がつかない状態が何年も続いたり、適切な治療のタイミングを逸したりすることが問題だと指摘する。 こうした経緯を踏まえ、今回の名称変更で本科が、脳・神経の疾患を内科的専門知識と技術をもって診療する診療科であることがわかりやすくなり、また、「脳神経外科」の内科側のカウンターパートであるとの位置付けが明確化し、専門診療を必要とする患者さんの大きな利益につながればと説明する。 今後は、関係機関・学会への説明を行い、専門医の名称変更などの課題も含め、適切に対応していくとしている。■参考一般社団法人日本神経学会 お知らせ

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中年以降の財産喪失で死亡リスク1.5倍に/JAMA

 米国の51歳以上の成人では、2年以上に及ぶ財産の4分3以上を失う経験により、全死因死亡のリスクが増大することが、ノースウェスタン大学のLindsay R. Pool氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌2018年4月3日号に掲載された。突然の財産喪失によるショック(negative wealth shock)は、精神的健康に重大な損失をもたらし、健康関連費の財源を減少させる。高齢で失った財産を取り戻すために残された時間は限られており、財産喪失ショックによる健康上の影響は長期に持続するという。8,714例を20年追跡した前向きコホート研究 本研究は、財産喪失ショックが全死因死亡と関連するかを、20年のフォローアップ期間において検証する米国の全国的な前向きコホート研究である(米国国立老化研究所の助成による)。 解析には、Health and Retirement Studyのデータを用いた。1994年の登録時に51~61歳の成人8,714例を、2014年まで2年ごとにフォローアップした。財産喪失ショックの経験は、2年以上に及ぶ純資産の75%以上を失った状態と定義した。また、資産面での貧困(asset poverty)は、純資産が0または0を下回る場合とした。 死亡データは、国民死亡記録(National Death Index)および死後の家族との面接により収集した。周辺構造モデルを用いて、フォローアップ期間中の財産喪失ショックに先立って生じる、健康上または他の変数の時間依存性の変化に起因する潜在的な交絡因子を調整した。全死因死亡リスクが1.5倍に 8,714例のベースライン時の平均年齢は55歳(SD 3.2)で、53%が女性であった。749例が、ベースライン時に資産面で貧困の状態にあった。これ以外の集団のうち、フォローアップ期間中に2,430例が財産喪失ショックを経験し、5,535例はショックを経験せずに財産を継続的に保持していた。 ベースライン時において、財産喪失ショック経験者は継続的財産保持者に比べ、女性が多く、非ヒスパニック系白人以外の人種/民族が多く、世帯所得や純資産が少なく、健康状態が不良であった。資産面での貧困者では、この差がさらに大きく、非婚、無職、重篤な病態の割合が高かった。 8万683人年のフォローアップ期間中に2,823例が死亡した(財産喪失ショック経験者:819例、継続的財産保持者:1,617例、ベースライン時の資産面での貧困者:387例)。 1,000人年当たりの死亡率は、財産喪失ショック経験者が64.9、継続的財産保持者が30.6であり、ベースライン時の資産面での貧困者は73.4であった。継続的財産保持者と比較した死亡の補正ハザード比は、財産喪失ショック経験者は1.50(95%信頼区間[CI]:1.36~1.67)、ベースライン時の資産面での貧困者は1.67(1.44~1.94)と、いずれも有意に高かった。 著者は、「この関連が起こりうるメカニズムをよりよく理解し、標的への介入が潜在的な意義を有するか否かを究明するために、さらなる検討を要する」と指摘している。

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dacomitinibのEGFR変異肺がん1次治療、FDAとEMAが申請受理

 ファイザー社は2018年4月4日、米国食品医薬品局(FDA)が、EGFR変異陽性局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療に対する汎ヒト上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)dacomitinibの新薬申請を受け入れ、優先審査の対象としたと発表。また、欧州医薬品庁(EMA)は、同じ適応症でdacomitinibのマーケティング認可申請を受け入れた。 この申請は、EGFR変異陽性NSCLCの1次治療で、dacomitinibとゲフィチニブを比較した第III相ARCHER1050試験の結果に基づく。この試験で、盲検独立中央委員会(BICR)評価による無増悪生存期間(PFS)中央値は、ゲフィチニブの9.2ヵ月に対し、dacomitinibでは14.7ヵ月であった(HR:0.59、95%CI:0.47~0.74、p<0.0001)。 ARCHER1050試験において、dacomitinibで観察された有害事象(AE)は、以前の試験からの所見と一致していた。多くみられたAEは、下痢(87%)、爪周囲炎(62%)、皮疹/ざ創様皮膚炎(49%)、口内炎(44%)であった。Grade3のAEでは、発疹(14%)および下痢(8%)が多かった。Grade4のAEは、dacomitinib治療患者の2%で発生した。Grade5では、下痢1例と肝疾患が1例が認められた。治療関連AEによる中断率は、ゲフィチニブでは7%、dacomitinibでは10%であった。 ARCHER1050試験の結果は、2017年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会では発表され、Lancet Oncologyに掲載された。全生存期間の最終評価は、今年の後半に医学学会で発表される予定。■参考ARCHER1050試験(Clinical Trials.gov)ARCHER1050試験(Wu YL, et .al Lancet Oncol. 2017;18:1454-1466.)■関連記事dacomitinibによるEGFR変異肺がん1次治療のサブグループ解析:ARCHER 1050/WCLC2017dacomitinib、EGFR変異陽性肺がん1次治療の成績発表:ARCHER1050試験/ASCO2017

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抗精神病薬誘発性遅発性ジスキネジアのためのコリン作動薬

 遅発性ジスキネジア(TD)は、従来型の抗精神病薬による薬物療法における副作用である。TDは、中枢のコリン作動性欠損によるものであるといわれており、TDの治療には、コリン作動薬が使用される。フィンランド・Helsinki City HospitalのIrina Tammenmaa-Aho氏らは、統合失調症または他の慢性的な精神疾患患者における抗精神病薬誘発性TD治療のためのコリン作動薬の効果について検討を行った。The Cochrane database of systematic reviews誌オンライン版2018年3月19日号の報告。 2015年7月16日~2017年4月にコクラン統合失調症グループ研究ベースレジストリより研究を検索した。このレジストリは、多くの電子データベース、治験レジストリ、会議の議事録や論文のランダム化比較試験(RCT)のために構成されている。抽出されたすべての研究の参考文献を検索し、さらなる試験引用を行った。コリン作動薬またはプラセボまたは非介入のいずれかにランダム化された、抗精神病薬誘発性TDおよび慢性的な精神疾患患者を対象とした対照研究かを調査したうえで、報告に含めた。試験の方法論的質は、2人のレビューアーが独立して評価した。2人のレビューアーがデータを抽出し、95%信頼区間(CI)で推定リスク比(RR)、平均差(MD)を可能な限り算出した。早期に離脱した患者は、改善がなかったと判断し、治療の意図(intention-to-treat)に基づきデータを分析した。バイアスリスクを評価し、GRADEを用いて調査結果の概要テーブルを作成した。 主な結果は以下のとおり。・1976~2014年に発表されたコリン作動薬のプラセボ比較試験14研究を抽出した。・すべての研究の参加者は、少数(5~60例)であった。・このアップデートにおいて、TD治療のための新規コリン作動性アルツハイマー病治療薬に関する3件の研究が初めて含まれた。・全体として、抽出された研究のバイアスリスクは不明であった。主に報告が不十分で、割り付けの隠蔽は記載されておらず、順番の生成(割り付けの制限)は明白ではなかった。研究は、明確に盲検化がなされておらず、データが不完全であるかどうかは不明で、不十分または選択的な報告であった。・プラセボと比較し、TD症状の臨床的な改善に対する新旧コリン作動薬の効果については不明であり、エビデンスの質は非常に低かった(RR:0.89、95%CI:0.65~1.23、27例、4RCT)。・8試験において、コリン作動薬がTD症状の悪化に対し、ほとんどまたはまったく差がないことが確認された。しかし、エビデンスの質は低かった(RR:1.11、95%CI:0.55~2.24、147例)。・精神症状(RR:0.50、95%CI:0.10~2.61、77例、5RCT)、有害事象(RR:0.56、95%CI:0.15~2.14、106例、4RCT)、研究からの早期離脱(RR:1.09、95%CI:0.56~2.10、288例、12RCT)への影響についても、非常にエビデンスの質は低いため、不確実であった。・社会的な信頼、社会的インクルージョン、社会的ネットワーク、個人のQOLに関する研究は報告されていなかった。 著者らは「TDは、公衆衛生上の主要な問題である。アルツハイマー病の治療薬として使用されている新旧コリン作動薬の臨床効果は不明であり、あまりにも少数の研究のため、疑問点が解決されていない。臨床医にとって、コリン作動薬は興味深い薬剤であるべきだが、臨床研究はあまり行われていない。しかし、現在アルツハイマー病の治療に使用されている新規コリン作動薬の登場により、より有用な臨床研究が行われる余地がある。これらの新規コリン作動薬によるTD患者治療のための調査を行う際には、よくデザインされた大規模なランダム化試験を実施し、その効果を報告することが求められる」としている。■関連記事薬剤誘発遅発性ジスキネジアを有する統合失調症患者へのアリピプラゾール切り替え遅発性ジスキネジア治療に期待される薬剤は統合失調症患者の抗コリン薬中止、その影響は

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ペムブロリズマブ、PD-L1発現肺がんの1次治療に単剤でOS改善(KEYNOTE-042)

 メルク社は2018年4月9日、非扁平上皮、扁平上皮を含む非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、ペムブロリズマブ単剤での1次治療を評価する第III相試験KEYNOTE-042試験で、主要評価項目である全生存期間(OS)を達成したと発表。独立データモニタリング委員会(DMC)による中間解析で、PD-L発現1%以上の患者において、ペムブロリズマブの単剤治療が、プラチナベースの化学療法(カルボプラチン+パクリタキセルまたはカルボプラチン+ペメトレキセド)と比べ、OSの有意な改善を示した。この試験におけるペムブロリズマブの安全性プロファイルは、進行NSCLC患者の単独療法試験で以前に報告されたものと一致していた。 KEYNOTE-042は、局所進行または転移性のPD-L1陽性(TPS≧1%)のNSCLC患者における標準治療のプラチナベース化学療法に対し、ペムブロリズマブ単独療法を評価する国際無作為化オープンラベル第III相試験。主要評価項目はOSで、TPS50%以上、20%以上、および1%以上で順次評価される。副次評価項目は、PFSおよび奏効率(ORR)。1,274例の患者が、ペムブロリズマブの単独療法または治験担当医の裁量で選択されたプラチナベース化学療法に1:1で無作為化された。DMCの勧告に基づき、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)の評価も継続する。※TPS:Tumor Proportion Score 腫瘍細胞のうちPD-L1発現陽性細胞の割合 メルク社のニュースリリースのなかで、香港中文大学のTony Mok氏は、「OSの改善は、進行肺がんの治療における究極の目的である。KEYNOTE-042は、PD-L1陽性NSCLCの1次治療に対し免疫療法単剤で、OSを主要評価項目とし、さらに有意な効果を示した、初めての無作為化第III相試験である」と述べている。 メルク社のプレスリリースでは、具体的な数値は明らかにされておらず、今後の医学学会で発表される予定だという。■参考KEYNOTE-042試験(Clinical Trials.gov)

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乳幼児突然死症候群に変異遺伝子が関与か?/Lancet

 英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのRoope Mannikko氏らは、機能破壊的なSCN4A変異が、乳幼児突然死症候群(SIDS)で死亡した乳幼児に多く認められるとの仮説を検証した症例対照研究の結果を報告した。SIDSは、高所得国における生後4週以降の乳幼児死亡の主な原因で、呼吸中枢の障害が一因と思われる。呼吸筋の収縮を引き起こす刺激は、SCN4A遺伝子にコードされているナトリウム(Na)チャネルNaV1.4によってコントロールされており、骨格筋の興奮性を直接変えるNaV1.4の変異は、筋強直、周期性四肢麻痺、先天性ミオパチー、筋無力症候群を引き起こす可能性が示唆されていた。SCN4A変異は、致死性無呼吸や喉頭痙攣の乳幼児でも確認されていた。Lancet誌オンライン版2018年3月28日号掲載の報告。SIDS症例約300例と対照約700例でSCN4A遺伝子変異の頻度を比較 研究グループは、2つの連続コホートを含む欧州系のSIDS症例278例、ならびに民族をマッチさせた心血管・呼吸器・神経疾患の既往がない対照成人729例について、両群におけるSCN4Aのまれな変異(Exome Aggregation Consortiumのマイナー対立遺伝子頻度<0.00005)の頻度を比較するとともに、異種発現系を用いて変異チャネルの生物物理学的な特徴を評価した。SIDS症例の1.4%にSCN4A遺伝子変異を認めた SIDSコホートの乳幼児278例中4例(1.4%)が機能破壊的なSCN4A遺伝子変異を有していたが、民族をマッチさせた対照729例では認められなかった(p=0.0057)。 この結果を受けて著者は、「NaチャネルNaV1.4の機能異常をもたらすまれなSCN4A遺伝子変異が、SIDSで死亡した乳幼児で認められた」としたうえで、「SCN4A遺伝子変異は、筋膜興奮性を有意に変化させ、呼吸および喉頭機能を障害する可能性がある。乳幼児突然死のサブセット集団において、筋肉Naチャネルの機能障害は修正可能な危険因子であることが示唆された」と述べている。 なお著者は研究の限界として、欧州の白人のみに限定してSCN4A変異が評価されたこと、利用可能なデータが少なく、他の家族メンバーは検証できていないことなどを挙げ、今後の課題として、「類似する集団や他の民族集団で再検証すべきである」とも述べている。

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勤務時間が柔軟でも内科研修プログラムには影響しない/NEJM

 勤務時間が柔軟でない研修プログラムは、医師の育成に悪影響を及ぼすのではないかという懸念があるが、研修医が患者の治療や教育に費やす時間の割合は、柔軟な勤務時間の研修プログラムと標準的な勤務時間の研修プログラムとで差はないことが示された。また、前者の柔軟な研修プログラムを受けた研修医は、後者の研修医と比較して教育経験にあまり満足していなかったが、プログラムの責任者は満足していたことも示された。米国・ジョンズ・ホプキンズ大学のSanjay V. Desai氏らが、米国の内科研修プログラムを検証した全米クラスター無作為化試験「iCOMPARE研究」の結果を報告した。NEJM誌オンライン版2018年3月20日号掲載の報告。勤務期間が標準または柔軟な研修プログラムを比較 iCOMPARE研究は、内科研修プログラムにおける患者の安全性、研修医(インターンとレジデント)の教育およびインターンの睡眠と覚醒について、米国卒後医学教育認定評議会(ACGME)が2011年に定めた勤務時間方針と、柔軟性のある勤務時間方針とで比較するもので、本論では、研修医の教育経験ならびにプログラム責任者や指導にあたる医師(ファカルティ)の認識について報告された。 研究グループは、米国の63の内科研修プログラムを、2011年にACGMEが規定した標準勤務時間方針によって管理する標準群と、勤務時間や病棟交代勤務間の義務的な休みに制限を設けない柔軟な勤務時間方針によって管理する柔軟群に、無作為に割り付けた。 インターン(卒後研修1年目)の活動の観察、研修医(インターンとレジデント)およびファカルティの調査、およびインターンの試験(American College of Physicians In-Training Examination)スコアなどから教育経験を評価した。患者の治療や教育に費やした時間に差はないが、満足度には差 インターンが患者を直接診療した時間や訓練に費やした平均時間、臨床で要求されることと訓練との間の適正なバランスに関する研修医の認識(主要評価項目:研修医の訓練に対する満足度、回答率91%)、あるいは研修医の仕事量が彼らの能力を超えているかどうかに関するプログラム責任者およびファカルティの評価(主要評価項目:訓練に対するファカルティの満足度、回答率90%)において、柔軟群と標準群とで有意差は確認されなかった。 他のインターンの調査(回答率49%)では、柔軟群のほうが、教育の質(オッズ比[OR]:1.67、95%信頼区間[CI]:1.02~2.73)や、幸福感(well-being)(OR:2.47、95%CI:1.67~3.65)など、研修の複数の側面に対する不満を報告する傾向にあることが示された。 一方で柔軟群のプログラム責任者は、臨床実習の時間など複数の教育課程に対する不満の報告が少ない傾向にあった(回答率:98%、OR:0.13、95%CI:0.03~0.49)。試験の平均スコア(正答率)は柔軟群68.9%、標準群69.4%で、群間差は-0.43(95%CI:-2.38~1.52、非劣性のp=0.06)と非劣性マージン(2ポイント)を満たさなかった。 著者は研究の限界として、研修医の回答率が45%にとどまったこと、実際に勤務した時間を評価していないこと、研修医およびプログラム責任者はプログラムの割り付けを知っていたことなどを挙げている。

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汗だく対応、再び【Dr. 中島の 新・徒然草】(216)

二百十六の段 汗だく対応、再び前回は中国人相手に筆談で頑張った話でした。今回は英語をしゃべる人たち相手の苦労話。とにかく外国人が続きます。看護師「発熱の外国人ですけど通訳も一緒なんで大丈夫ですよね」中島「今日は研修医も一緒やし、ちょうどええがな(えらいことになってもた! )」ということで、日本人の通訳を含む女性4人組が診察室にやってきました。通訳「あの、私は専門用語とか全然分からないですから(泣)」中島「とにかく力を合わせて頑張りましょう」通訳「よ、よろしくお願いします」患者さんは50歳代の黒人女性です。日本を旅行している途中に熱が出たとか。中島「私はドクター・ナカジーマです」患者「ハ~イ」中島「こちらは研修医で、私はそのメンターです」一同「おおーっ」私は研修医が一緒の時は必ず患者さんに紹介するようにしています。でも、メンターってのは「師匠」とかそんな意味なので、言い過ぎだったかも。中島「おっとメンターじゃなくてトレーナーです」一同「おおーっ」中島「・・・(ほんまに通じているのかな? )」患者さんの友人らしき白人女性が説明を始めます。友人「熱が出たから薬を飲んだのよ」中島「ほう、何という名前の薬ですか? 」友人「ただの over-the-counter よ。タイレノールみたいな」中島「なるほど」後で聞いたところによると、この人はナースだそうです。患者「ちょっと待って。この薬よ、お見せするわ」そう言いながら彼女がバッグから探り出したのは薬ではなくチョコバーでした。中島「何だこれは! 」患者「ああーっ! 間違えた」中島「こんなモンが出てくるとは、さてはアメリカ人だな」患者「ギャハハ、当たりっ! 」中島「アメリカのどこ? 」患者「テキサスよ」友人「私はカリフォルニア」こんな賑やかな人たちは英語圏の中でもアメリカ人しかあり得ません。中島「まあアメリカ人にとってはチョコバーこそ薬だな」一同「アハハ、そりゃそうだ! 」いろいろ病歴を尋ねると、どうやら尿路感染のようでした。CVA叩打痛もあるので甘く見るわけにはいきません。中島「ともかく、培養検体をとってから」通訳「culture? 何ですか、それ」彼女は慌ててスマホで調べ始めます。中島「抗菌薬を使います」友人 「何使うの? 」中島「ペニシリンかな」友人 「合格よ! 」何とか落第せずに済んだみたいです。患者「何でペニシリン? 」中島「尿路感染の原因で多いのは大腸菌と腸球菌だからね。両方に効かせようとするとペニシリンが無難なわけ」患者「大腸菌? 腸球菌? 」さすがに医学用語は分からないみたいなので、紙に書いてあげました。中島「入院してもらうのが1番いいのだけど」一同 「ダメダメ、これから東京に行くし、その後は帰国するから」中島「あらら」患者 「ねっ、一緒に写真撮っていい? 」中島「いいけど」患者 「先生も入ってよ」研修医「私もですか」患者 「そうそう」病院に来るというのも観光の一環なのでしょうか。通訳「皆さん、仏教徒なんです」中島「そうだったんですか! 」彼女は日本を本拠地とする宗教団体の名前をあげました。年齢も人種もバラバラな人達だけど、宗教が結びつけていたというわけです。そう言われれば、あまりスレていない気もします。そんなこんなで、外来で抗菌薬を点滴してから経口薬を処方しました。中島「普通は処方箋を出して調剤薬局に行ってもらうのですけど、大変そうだから院内で薬を受け取れるようにしときましょうか? 」通訳「ぜひお願いします! 」患者「アメリカも日本みたいに洗練されたシステムだったらいいのになあ。職員は皆さん親切だし」苦労はしたものの何とか日本に好印象を持ってもらうことに成功しました。でも、外国人相手だとすべての医療行為に説明を求められるし、言葉の壁はあるし、汗だくです。いつの間にか研修医を放置してしまっていました。ここはなんとか指導らしいことをしなくてはなりません。中島「英語がうまくなる方法を伝授しようか? 」研修医「ぜひ教えてください」中島「まず、外国人相手に苦労する」研修医「は? 」中島「こんなことではだめだ! と思って必死に努力する」研修医「なるほど」中島「2ヵ月もしたらモチベーションが落ちる」研修医「はい」中島「再び外国人相手に恥をかいてモチベーションをあげる」研修医「はあ」中島「要するに2ヵ月ごとに恥をかくのが大切なんや」できもせんのに何を偉そうに、と自分でもあきれてしまいます。ま、指導なんてものは自分のことを棚に上げるところから始まるものなんでしょうね。ということで最後に1句恥かけば 英語上達 待ったなし

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世界貿易センターテロ事件後、アジア系アメリカ人において予想されるPTSDに関連する要因

 2001年9月11日に起こった世界貿易センターでのテロ事件では、チャイナタウンや南アジア人が多く働くセンター周辺の施設も被害にあった。しかし、アジア人を対象とした、テロ事件のメンタルヘルスへの影響に焦点を当てた研究は行われていなかった。米国・フォーダム大学のWinnie W. Kung氏らは、テロ被害を受けたアジア人を対象に、その後のPTSD(心的外傷後ストレス障害)の有病率、リスク、保護因子に関する調査を行った。Journal of urban health誌オンライン版2018年2月15日号の報告。 世界貿易センター健康レジストリより収集されたテロ事件から2~3年後のアジア人4,721例を対象に、直接攻撃にさらされたアジア系アメリカ人におけるPTSDの有病率、リスク、保護因子に関するベースライン調査を実施し、非ヒスパニック系白人4万2,862例との比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・アジア人のPTSD有病率(14.6%)は、白人(11.7%)と比較し高かった。・多変量解析におけるPTSDに有意に関連する人種特異的要因は、社会人口統計学において以下の点が認められた。 ●高等教育は、白人において保護因子であったが、アジア人ではリスク因子であった。 ●雇用は、白人において保護因子であったが、アジア人では影響が認められなかった。 ●移民であることは、白人においてリスク因子であったが、アジア人では影響が認められなかった。 ●収入は、白人、アジア人ともに保護因子であった。・災害曝露やPTSDのオッズ比を3.6~3.9倍に増加させる低呼吸器症状を含む、ほかの普遍的要因は、PTSD症状のオッズ比を有意に増加させたが、人種差は認められなかった。 著者らは「アジア人がメンタルヘルスサービスを十分に活用していないという歴史的背景を考えると、アジア人のための予防とフォローアップ治療は不可欠である」としている。■関連記事震災と精神症状、求められる「レジリエンス」の改善東日本大震災、深刻な精神状態の現状:福島医大テロ襲撃後のPTSDやうつ病、2年前のバルド国立博物館襲撃事件より

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迷ったら接種したい肺炎球菌ワクチン

 2018年4月3日、MSD株式会社は、肺炎予防に関するメディアセミナーを都内で開催した。セミナーでは、高齢者の肺炎の概要、ワクチン接種の動向などが語られた。肺炎死亡者の97.3%が65歳以上 セミナーでは、内藤 俊夫氏(順天堂大学医学部 総合診療科 教授)を講師に迎え、「超高齢社会における[まさか]に備えた肺炎予防~インフルエンザパンデミック、東日本大震災との関連から考察する~」をテーマに解説が行われた。 わが国の死因は、悪性新生物、心疾患に次いで、2010年頃より肺炎が第3位となり推移している。とくに肺炎による死亡者の97.3%が65歳以上ということから、今後もこの傾向は変わっていかないと予想されている(厚生労働省 人口動態統計[確定数]2016年より)。 肺炎は、主に細菌やウイルスが肺に侵入し起こる肺の炎症だが、高齢者や糖尿病などのリスクのある患者では、免疫力が弱いことから、重症化すれば死に至る疾患である。 肺炎を起こす主要な細菌は肺炎球菌で、「ウイルスか細菌感染かの鑑別は、臨床医の腕の見せどころであり、丁寧に診療してほしい」と内藤氏は語る。また、肺炎予防では、一般的に「マスク着用、手洗い、うがい」が行われているが、「歯磨きや誤嚥の防止など、口腔ケアも高齢者には大事だ」と指摘。さらに、規則正しい生活や禁煙、基礎疾患の治療のほか、「肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンのダブル接種が、肺炎予防には重要」と提案する。その理由として、インフルエンザに罹患し抵抗力が落ちた肺に、肺炎球菌が侵入することで肺炎を起こしやすくなり、予後を悪化させる、と説明する。接種率は20%から65%へ上昇 65歳以上の高齢者での肺炎球菌ワクチン接種率は、以前は20%程度だった(米国では63.6%[2015年NHIS調査])。理由としては、ワクチンへの無関心や接種へのアクセスの悪さが指摘されていた。そこで、2014年10月から国の施策により、65歳以上の高齢者への肺炎球菌ワクチンの定期予防接種が始まった。「これら公費の助成とワクチン接種率には密接な関係があり、ワクチン接種の普及に公費助成は重要な役割を果たした」と、同氏は語る。公費助成導入後の23価肺炎球菌ワクチンの推定全国接種率は、2018年3月末時点で約65%に上昇し、接種率の向上は実現した1,2)(総務省統計局政府統計[2012年10月1日現在]およびMSD社社内データより推定)。 そして、本年度が、定期接種の経過措置(65歳、70歳、75歳…と5歳刻みの年齢が接種対象者)の最終年度となり、2019年4月からは、65歳のみが定期接種の対象となる予定である。現行の制度は対象者にわかりにくく、接種を受けていない高齢者も多い。また、最初の時期に接種を受けた人は、あと1年で5年が経とうとしている。23価肺炎球菌ワクチンの免疫原性の効果は5年経つと弱まるとされ、来年以降、再接種を受ける必要性も専門家の間で示唆されているという。外来での働きかけが再接種成功の秘訣 「肺炎球菌ワクチンは、65歳を過ぎたら(糖尿病などのリスクの高い患者も含め)接種歴の有無にかかわらず、なるべく受けることをお勧めする」と同氏は語る。そのため医療者側でも接種の有無を外来で必ず聞いたり、電子カルテに記録の項目を設置したりすることが重要だという。また、「(患者へは)1年を通じていつでも接種できることを伝え、(1)定期接種の案内が来た時、(2)初診時、(3)健康診断時、(4)退院時、(5)インフルエンザワクチン接種時など、5つのタイミングで医師などに相談するように指導することが必要」と提案する。 最後に同氏は、「肺炎球菌ワクチンは特別なものではなく、普段からの接種が大事。医療者には対象者を、早く接種するように促し、接種する気になるようにして指導してもらいたい」と要望を語り、レクチャーを終えた。■参考文献1)Naito T, et al. J Infect Chemother. 2014;20:450-453.2)Naito T, et al. J Infect Chemother. 2018 Feb 1. [Epub ahead of print]■参考厚生労働省 肺炎球菌感染症(高齢者):定期接種のお知らせ肺炎予防.JP

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ジェネリック希少の医薬品、米国で価格高騰/BMJ

 米国において特許期限切れだがジェネリック承認薬がない処方薬のうち、半数超は米国外で少なくとも1社が承認を受けており、半数弱は4社以上が承認製造していた。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のRavi Gupta氏らが、1939~2017年に米国食品医薬品局(FDA)で承認を受け、その後特許期限が切れた薬剤などを対象に行った観察試験で明らかにしたもので、BMJ誌2018年3月19日号で発表した。米国では、特許期限の切れた処方薬の一部が、競合会社が少ないために急激に価格が高騰し、入手が困難になるといった問題が生じている。今回の結果を受けて著者は、「それらの処方薬について、米国外からの輸入販売規制などを緩和化することで、適正な市場競争が促され、価格低下や患者への安定的な供給につながるだろう」とまとめている。ジェネリックが3種以下の薬剤を対象に調査 研究グループは、1939年以降に米国FDAの承認を受けた新規処方薬(錠剤またはカプセル)で、特許期限が切れるなど市場独占権を失っており、そのジェネリック製品が3種以下と市場での競争力が低い薬剤を対象に、2017年4月まで観察試験を行った。 対象の処方薬について、米国と同等な承認基準を設けている欧州、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、スイス、南アフリカ、イスラエルの7つの規制機関から承認を受けた製造業者の数について調査を行った。また、それら処方薬の特性と、米国における希少疾病用医薬品の指定、世界保健機関(WHO)必須医薬品、治療分野、製造工程の複雑さ(生物学的同等性の保持や製造が困難)、2015年のメディケイド総支出などとの関連についても調べた。米国でジェネリックのない薬剤、半数超が米国外で承認 特許期限が切れるなど市場独占権がなく、米国内でジェネリックを販売する企業が3社以下だった処方薬は、170種だった。そのうち109種(64%)は、米国外で少なくとも1社の製造業者が承認を受けていた。また32種(19%)は、4社以上が承認を受けていた。 米国FDAがジェネリック製品を承認していなかった44種(26%)において、21種(48%)は米国外で少なくとも1社が製造承認を受けていた。2種(5%)は4社以上が製造承認を受けていた。 また、調査対象となった170種のうち66種(39%)が、米国も合わせ4社以上の製造業者が製造していた。 少なくとも米国外の1ヵ国以上で承認を受けた109種のうち、希少疾病用医薬品は12種(11%)、WHO必須医薬品は29種(27%)だった。製造工程が複雑で米国への輸入に困難を伴う可能性があった医薬品は12種(11%)のみであった。 処方薬の数が最も多かったのは心血管系疾患・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)の治療薬(19種、17%)、精神病治療薬(16種、15%)、感染症治療薬(15種、14%)だった。米国で適正な競争が行われていないジェネリック薬に対するメディケイドからの支出は、2015年で約7億ドルに上っていた。

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慢性肝疾患リスクを低減する遺伝要因が明らかに/NEJM

 HSD17B13のスプライス変異体rs72613567:TAが、脂肪肝や脂肪性肝炎への進展リスク低下と関連することが、米国・Regeneron Genetics CenterのNoura S. Abul-Husn氏らによる検討で明らかになった。約4万7,000例を対象にした「DiscovEHRヒト遺伝学試験」のエクソーム解析データに加え、複数のコホート試験などを基にした検証結果で、NEJM誌2018年3月22日号で発表された。慢性肝疾患の基礎を成す遺伝要因は、新たな治療ターゲットを明らかにできる可能性があることから、解明への期待が寄せられていた。ALT・AST値に関連の遺伝子変異体を特定 研究グループは、DiscovEHRヒト遺伝学試験の被験者4万6,544例のエクソーム解析データと電子保健医療記録(EHR)を基に、血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)値と血清アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)値に関連する遺伝子変異体を特定した。 特定した変異体について、他の3つのコホート(被験者数1万2,527例)で再現性を確認した。そのうえで、DiscovEHR試験と2つの独立コホート(被験者数3万7,173例)で、慢性肝疾患の臨床的診断との関連性を評価した。さらに2,391例のヒト肝臓検体において、肝疾患の病理組織学的重症度との関連についても評価を行った。アルコール性肝硬変、rs72613567:TAでリスク低下 肝脂肪滴蛋白17β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素13をコードする「HSD17B13」のスプライス変異体(rs72613567:TA)が、ALT低下(p=4.2×10-12)とAST低下(p=6.2×10-10)と関連していることが確認された。 DiscovEHR試験の被験者について調べたところ、同変異体はアルコール性肝障害のリスク低下や(ヘテロ接合では42%低下[95%信頼区間[CI]:20~58]、ホモ接合では53%低下[95%CI:3~77])、非アルコール性肝障害のリスク低下(それぞれ、17%[95%CI:8~25]と30%[同:13~43]の低下)と関連が認められた。 また同変異体は、アルコール性肝硬変のリスク低下や(それぞれ42%[95%CI:14~61]と73%[同:15~91]の低下)、非アルコール性肝硬変のリスク低下(それぞれ26%[95%CI:7~40]と49%[同:15~69]の低下)と関連した。こうしたリスク低下との関連性については、2つの独立コホートでも確認された。 ヒト肝臓検体による評価では、rs72613567:TAは非アルコール性脂肪性肝炎のリスク低下と関連していたものの、脂肪肝のリスク低下とは関連がなかった。 rs72613567:TAは、肝損傷リスクを増加するPNPLA3 p.I148Mアレルによる肝損傷を軽減し、不安定で正常より短い蛋白となり、酵素活性が低下した。

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PSA検診への逆風は続くのか?過去最大級の比較対照試験(解説:榎本裕氏)-838

 「前立腺がんの早期発見にPSA検査が必須である」ということに異論の余地はない。ただし、「一般男性を対象としたPSAスクリーニングが有用である」のかどうかについては以前より議論が尽きないところである。 この議論に火をつけたのは、2012年に発表された2つの比較対照試験PLCO1)、ERSPC2)の結果が相反するものであったためである。米国で約7万7,000例を対象に行われたPLCO試験ではPSAスクリーニングによる前立腺がん死亡の低下が認められなかったのに対し、ヨーロッパで約18万2,000例を対象に行われたERSPC試験では11年間のフォローアップで前立腺がん死を21%減少させたのである。この報告以降、それぞれの試験の問題点の指摘や、追加解析が行われたものの、PSAスクリーニングの問題に最終決着はついていない。 本報告は40万例以上が参加した過去最大のクラスター比較対照試験である。PLCO試験で問題とされた対照群のコンタミネーション(対照群がPSA検査を受けること)は10年間で10~15%程度と比較的低いレベルと推定された。一方、介入群のうち実際にクリニックを受診したのは40%、PSA検査を受けたのは36%であった。今回、介入群全体と対照群の比較で前立腺がん死亡に有意差がみられなかったことで、単回PSA検査を支持しないという結論になっているが、果たしてそうであろうか。 検診が有効であるためには十分な検診受診頻度が必要であり、PSA検診でも前立腺がん死亡の低下のためには50%程度の検診受診率が必要ともいわれている。実際、本研究でもPSAクリニックを受診した参加者では進行がんの頻度が低かったのに対し、クリニック非受診者では対照群と同様に進行がんの頻度が高かった。「PSA検診の案内を1回送付する」という方法論の妥当性を議論することなく、PSA単回検診の有用性を否定することはできないし、ましてや継続的なPSA検診の有用性の議論に影響を与えるものであってはならないだろう。

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