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高齢心房細動症例で心臓外科手術が行われる場合、外科的左心耳閉鎖術は有効か否か?(解説:今井靖氏)-896

 心房細動患者において血栓塞栓症の発症リスクは約5倍と見積もられており、その塞栓症予防としてワルファリンが唯一の治療選択であったところに経口直接抗凝固薬(DOAC)が加わった。しかしながら抗凝固薬投与は出血傾向を生じるという負の側面があり、その点において主な塞栓源となる左心耳を閉塞することで抗凝固薬に並ぶ、あるいは抗凝固療法との併用効果について期待されるところである。 とくにカテーテル技術を利用した経皮的左心耳閉鎖デバイスが複数開発され、日本でも限定された施設でトライアルが行われており近日上市される見込みである。また、経皮的に心外膜側から左心耳を縛り、左心耳との血流遮断を行うデバイスについても報告がなされるに至っている。何らかの理由で心臓外科手術を受ける患者においては、心臓外科手術の折に左心耳を外科的に閉鎖することが行われるが、その有効性についてのエビデンスはほとんどない状況がある。 今回取り上げたJAMAの論文は、この点を明らかにするものである。米国における成人心臓血管外科におけるメディケアに関連した後ろ向きコホート研究であり、65歳以上で冠動脈バイパス、僧帽弁または大動脈弁手術(冠動脈バイパス同時実施あり、なし)を施行された症例(2011~12年)が対象であり、2014年末まで最大3年間の追跡、それらのなかで外科的左心耳閉鎖の有無で評価がなされた。主要エンドポイントは血栓塞栓症であり、副次エンドポイントは脳出血、全死亡、血栓塞栓症・脳出血・全死亡の複合とされた。1万524例の心臓血管手術症例が含まれ、中央値では年齢76歳、39%女性、CHA2DS2-VAScスコアは4点、追跡期間2.6年であり、それらのうち、3,892例(37%)において外科的左心耳閉鎖術が施行された。外科的左心耳閉鎖を実施された場合はそうでない場合と比較すると、背景因子の補正前において有意にイベント発生が抑制されていた。 血栓塞栓症(4.2% vs.6.2%)、全死亡(17.3% vs.23.9%)、複合エンドポイント(20.5% vs.28.7%)と抑制されていたが、出血性脳卒中においては有意差を認めなかった(0.9% vs.0.9%)。統計学的補正を行った後においても、外科的左心耳閉鎖術は有意に血栓塞栓症(ハザード比[HR]:0.67、95%信頼区間[CI]:0.56~0.81、p<0.001)、全死亡(HR:0.88、95%CI:0.79~0.97、p=0.001)、複合エンドポイント(HR:0.83、95%CI:0.76~0.91、p<0.001)を低下させた。しかしながら出血性脳卒中については有意差を認めなかった(HR:0.84、95%CI:0.53~1.32、p=0.44)。抗凝固療法実施のあり、なしで層別化したところ、抗凝固療法なしで退院した患者に限定すると血栓塞栓症(補正前:4.2% vs.6.0%、補正後HR:0.26、95%CI:0.17~0.40、p<0.001)の発生頻度を有意に抑制した。しかしながら逆に抗凝固療法がなされて退院した症例に限れば、左心耳閉鎖の有無による差異は認められなかった(補正前:4.1%vs 6.3%、補正後HR:0.88、95%CI:0.56~1.39、p=0.59)。心臓外科手術を実施される心房細動合併高齢症例においては、約3年間の追跡において血栓塞栓症における再入院を有意に低下させるという結果が示され、このエビデンスは外科的左心耳閉鎖の有用性を支持するものである。しかしながら、さらなるランダム化比較試験により、その有用性が確かめられる必要があると考えられる。 実臨床においては、発作性あるいは持続性心房細動を合併する症例で心臓血管外科手術が検討される場合に、外科・内科間で左心耳閉鎖の適否について十分に議論がなされるべきと考える。

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171)ご飯ものが大好きな患者さんへのアドバイス【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師最近の食事はいかがですか?患者ご飯ものが大好きで、なかなか減らせなくて…。医師なるほど。お米はおいしいですからね。では、ここでクイズです。この8つの中で、血糖値を上げる炭水化物が1番多いのはどれでしょう?患者炭水化物選手権、面白そうですね! うーん、どれかな…。カレーライスとか?医師惜しい! カレーライスも炭水化物が多いですが、優勝は僅差でのり弁当です。ご飯が250gと多めですからね。次いで、カレーライス、親子丼、牛丼並盛、江戸前ずしです。患者えっ、そうなんですか。お弁当を選ぶときに気を付けないと…。医師2型糖尿病の診断に75gブドウ糖負荷試験が行われますが、その量を超えるのが、この5つのご飯ものです。患者なるほど。毎回、糖負荷試験をしているようなものですね…。(気付きの言葉)●ポイント75gブドウ糖負荷試験と比較することで、炭水化物の食べ過ぎを理解してもらいます。患者さん用(解答):1番炭水化物の量が多いのはどれ?■解答1位:のり弁当(炭水化物=112g)2位:カレーライス(111g)3位:親子丼(107g)4位:牛丼並盛(99g)5位:江戸前ずし1人前(81g)――75gブドウ糖負荷試験――6位:ご飯150g(56g)7位:いなりずし3個(50g)8位:コンビニおにぎり1個(40g)1)坂根直樹 監修,佐野喜子 著. 糖尿病の食事療法 カロリーつきカーボカウントナビ. エクスナレッジ;2010.

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高齢高血圧患者での起立性低血圧と認知症リスク

 起立性低血圧(OH)が認知症発症リスク増加と関連することが系統的レビューで示唆されたが、最も高リスクの超高齢高血圧患者ではデータが限られている。今回、オーストラリア・Neuroscience Research AustraliaのRuth Peters氏らが80歳以上の高血圧患者において調査した結果、OHは認知症や認知機能低下リスク増加と関連することが示された。European heart journal誌オンライン版2018年7月24日号に掲載。 参加者は、the Hypertension in the Very Elderly Trial(HYVET)コホートの80歳以上の高血圧患者。OHは、座位から立位への体位変換後2分以内に収縮期血圧が15mmHg以上低下および拡張期血圧が7mmHg以上低下と定義した。また、血圧測定する前の週にふらつき、軽い頭痛、失神があったがOHより血圧低下が小さい場合は、無症候性起立性低血圧(SOH)と定義した。比例ハザード回帰を用いて、ベースラインのOHおよびSOH、認知に関するアウトカムの関係を調べた。 主な結果は以下のとおり。・分析対象は3,121例、OHは538例に認められた。・OHは認知機能低下のリスク増加(906イベント)と関連していた(ハザード比[HR]:1.36、95%信頼区間[CI]:1.14~1.59)。認知症発症(241イベント)のHRは1.34(95%CI:0.98~1.84)であった。・心血管イベントの競合リスクを考慮すると、HRはそれぞれ1.39(95%CI:1.19~1.62)および1.34(95%CI:1.05~1.73)であった。・SOHは、認知機能低下のリスク増加(HR:1.56、95%CI:1.12~2.17)および認知症のリスク増加(HR:1.79、95%CI:1.00~3.20)と関連していた。・この領域のこれまでの論文のメタ解析にHYVETコホートの結果を組み入れると、OHでの認知症リスクは21%(95%CI:9~35)増加した。

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日本紅斑熱とツツガムシ病、知っておきたい臨床・疫学的特徴

 日本紅斑熱とツツガムシ病は、ともにダニが媒介する感染症で、日本を含むアジアの特定の地域でみられる。治療が遅れると重症化し、死亡することもあるため早期の診断が重要だが、両者の臨床的・疫学的特徴とその違いについて正確なことは明らかになっていなかった。長崎大学熱帯医学研究所/亀田総合病院の山藤 栄一郎氏らは、この2つのリケッチア症が同時に流行している、世界的にもまれな地域の1つである千葉県南房総で、2004~15年の間に3つの医療機関を受診した患者のデータを分析した。Emerging Infectious Diseases誌2018年9月号掲載の報告。 主な結果は以下のとおり。・リケッチア症が疑われた661例のうち、31例の日本紅斑熱患者、188例のツツガムシ病患者、および97例の非リケッチア症患者が同定され、本研究に組み入れられた。・日本紅斑熱は4~10月に、ツツガムシ病は11~12月に多く発生していることが明らかになった。・日本紅斑熱とツツガムシ病の患者は、非リケッチア症患者と比較して有意に年齢が高く、雑木林の近くに居住する割合が高かった。・空間分析の結果、日本紅斑熱とツツガムシ病の発生地域は同じ南房総地域の中でもほとんど重ならなかった。・臨床的特徴としては、どちらの病気でも症状や身体所見には“3徴”と呼ばれる発熱、発疹、ダニの刺し口という共通点がある一方で、ツツガムシ病と比較して日本紅斑熱では、出血を伴う発疹(紫斑)、手のひらや足の裏の発疹、低ナトリウム血症、臓器障害、および治療後の解熱の遅れが多くみられた。 山藤氏は、「“3徴”について、リケッチア症患者全体で25%以上が医療機関受診時に発熱を認めず、50%以上が発疹やダニの刺し口に気づいていなかったことも明らかになった。さらに診断に使用される血清検査は、感染の急性期には正しく診断できないことが多いため、回復期と合わせて検査・診断することが不可欠なことが明らかになった。つまり、これらの病気を疑われず検査されない、あるいは疑われて検査しても診断されなかった例は少なくない、と推測される。患者にダニに刺されたという自覚が無くても、積極的に疑って問診・診察することが重要だと考えられる。なお、ツツガムシ病は地域によって主な血清型(=ベクター、重症度)が異なるため、東北地方などの他地域に、本研究結果をそのまま当てはめることはできない」とまとめている。■関連記事リケッチア症に気を付けろッ!その1リケッチア症に気を付けろッ!その2リケッチア症に気を付けろッ!その3

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HIV関連結核の予後改善に、尿スクリーニング検査は有効か/Lancet

 HIV関連結核の診断は不十分であり、見逃しは院内死亡率を高めるという。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のAnkur Gupta-Wright氏らは、アフリカのHIV陽性入院患者において結核の迅速尿スクリーニング検査の有効性を検討し、全体の死亡率は抑制されないが、高リスク例ではベネフィットが得られる可能性があることを示した(STAMP試験)。研究の成果は、Lancet誌2018年7月28日号に掲載された。結核は、世界的にHIV患者の主要な死因であり、2016年には37万4,000例が死亡したと推定されている。HIV陽性入院患者では、結核の尿検査は診断率が良好であることが示唆されている。マラウイと南アフリカ共和国の入院患者で、標準治療と比較 本研究は、HIV陽性入院患者における、結核の尿スクリーニング検査によるアウトカムの改善効果を評価する、プラグマティックな多施設共同二重盲検無作為化対照比較試験である(英国医学研究会議[MRC]などの助成による)。 マラウイと南アフリカ共和国の2つの病院が参加した。対象は、年齢18歳以上で、結核治療を受けていないHIV陽性の入院患者であった。 被験者は、症状や臨床所見にかかわらず、標準治療を受ける群または尿スクリーニング検査を受ける群(介入群)に、1対1の割合でランダムに割り付けられた。患者、医師、研究チームには、割り付け情報がマスクされた。喀痰検査は両群で、尿検査は介入群のみで行われた。 主要アウトカムは56日時の全死因死亡とし、ベースラインのCD4細胞数、ヘモグロビン量、臨床的な結核の疑いの有無などでサブグループ解析を行った。 2015年10月26日~2017年9月19日の期間に、4,788例のHIV陽性患者が登録され、このうち2,600例(54%)が無作為割り付けの対象となった(各群1,300例)。割り付け後に13例が除外され、残りの2,574例(各群1,287例)が最終的なintention-to-treat解析に含まれた。「低CD4細胞数」「重症貧血」「臨床的な結核疑い」の患者で死亡率低下 試験登録時の全体の平均年齢は39.6(SD 11.7)歳で、57%が女性であった。84%(2,168例)が入院前にHIVと診断され、そのうち86%(1,861例)が抗レトロウイルス療法(ART)を受けていた。CD4細胞数中央値は227/μL(IQR:79~436)で、29%(748例)がCD4細胞数<100/μLであり、23%(587例)に重症貧血(ヘモグロビン量<8g/dL)がみられた。90%(2,316例)がWHOの結核症状(咳嗽、発熱、体重減少、寝汗)の1つ以上を呈し、39%(996例)が入院時、臨床的に結核が疑われた。 56日までに507例(20%)が死亡した。56日死亡率は、標準治療群が21%(272/1,287例)、介入群は18%(235/1,287例)であり、両群間に有意な差を認めなかった(補正リスク低下率[aRD]:-2.8%、95%信頼区間[CI]:-5.8~0.3、p=0.074)。 事前に規定された12のサブグループのうち、高リスクの3つのサブグループで、介入群の死亡率が標準治療群に比べ有意に低下した(CD4細胞数<100/μL[aRD:-7.1%、95%CI:-13.7~-0.4、p=0.036]、重症貧血[-9.0%、-16.6~-1.3、p=0.021]、臨床的な結核疑い例[-5.7%、-10.9~-0.5、p=0.033])。施設(マラウイ、南アフリカ共和国)および試験期間中の治療時期(6ヵ月ごとに4期間に分類)の違いによる差は認められなかった。 結核の診断から治療までの期間は短く(中央値:1日、IQR:0~1)、両群で同様であった。結核治療関連の有害事象も両群で類似していた。抗菌薬治療や、ART非投与例へのART開始についても両群間に差はなかったが、ART開始までの期間は介入群のほうが短かった。 著者は、「低CD4細胞数、重症貧血、臨床的な結核疑いの高リスクHIV陽性入院患者では、結核の尿スクリーニング検査によって死亡率が低下する可能性がある」とまとめ、「すべてのHIV陽性入院患者にこの検査を行うことで、結核が未診断のままの退院や死亡のリスクが低減される可能性がある」と指摘している。

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遺伝性血管性浮腫の発作予防、新規血漿カリクレイン阻害薬が有望/NEJM

 開発中の経口血漿カリクレイン阻害薬BCX7353は、プラセボに比べて遺伝性血管性浮腫の発作の発生率が低く、良好な予防効果を発揮することが、ドイツ・フランクフルト大学のEmel Aygoren-Pursun氏らが行ったAPeX-1試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2018年7月26日号に掲載された。遺伝性血管性浮腫は、生命を脅かす疾患であり、カリクレイン-ブラジキニンカスケードの過剰な活性化をもたらすC1インヒビター(C1エステラーゼインヒビターとも呼ばれる)をコードする遺伝子変異により発症する。BCX7353は、血漿カリクレインの強力な経口小分子阻害薬で、血管性浮腫の発作の予防に有効な可能性を示す薬物動態および薬力学プロファイルを有するという。遺伝性血管性浮腫患者にBCX7353の4種類の用量の効果をプラセボと比較 本研究は、遺伝性血管性浮腫とC1インヒビターの欠損がみられる患者において、BCX7353の安全性と有効性を評価する3部構成の二重盲検無作為化プラセボ対照用量反応第II相試験である(BioCryst Pharmaceuticals社の助成による)。 対象は、年齢18~70歳のI型またはII型遺伝性血管性浮腫で、スクリーニング前の6ヵ月以内に、3ヵ月連続で月に2回以上の発作がみられた患者であった。 被験者は、BCX7353の4種類の用量(62.5mg、125mg、250mg、350mg)またはプラセボを1日1回投与する群にランダムに割り付けられ、28日間の血管性浮腫の発作の予防効果が評価された。 主要有効性エンドポイントは、確認された血管性浮腫の発作の回数とした。主な副次エンドポイントは、解剖学的部位別の血管性浮腫の発作、QOLなどであった。 試験は2016年8月に開始され、2017年8月に最後の患者の観察が行われた。欧州、カナダ、オーストラリアの26施設に77例(BCX7353 62.5mg群:7例、125mg群:14例、250mg群:15例、350mg群:18例、プラセボ群:23例)が登録され、75例が実際に試験薬の投与を受け、72例が試験を完遂した。血管性浮腫発作発生はBCX7353が125mg/日以上の用量で有意に低かった BCX7353とプラセボの5つの群のベースラインの平均年齢(38.9~48.1歳)や血管性浮腫発作発生(0.90~1.15回/週)は全般的にバランスが取れていたが、女性の割合(47~86%)にばらつきがみられた。 週当たりの血管性浮腫発作発生(最小二乗平均値)は、62.5mg群0.85、125mg群0.25、250mg群0.53、350mg群0.52で、プラセボ群は0.95であった。プラセボ群との差は62.5mg群-0.10(95%信頼区間[CI]:-0.52~0.32、頻度差:-10.5%、p=0.64)、125mg群では-0.70(-1.03~-0.37、-73.8%、p<0.001)であり、250mg群-0.42(-0.76~-0.10、-44.6%、p=0.01)、350mg群-0.43(-0.74~-0.13、-45.5%、p=0.006)と、BCX7353が125mg/日以上の用量で発生が有意に低かった。 末梢における週当たりの血管性浮腫発作発生も、プラセボ群に比べBCX7353が125mg/日以上の用量で有意に低かった(プラセボ群と125mg群の最小二乗平均値の差:-0.49[95%CI:-0.76~-0.22]、250mg群:-0.41[-0.68~-0.14]、350mg群:-0.45[-0.70~-0.20])が、腹部の発作発生はすべての用量で有意な差は認めなかった。無発作の患者の割合は、125mg群(プラセボ群との差:34%[5~62])と350mg群(30%[4~55])でプラセボ群よりも有意に高く、無発作日の割合はBCX7353が125mg/日以上の用量で有意に高かった(プラセボ群と125mg群の最小二乗平均値の差:18.1[8.1~28.0]、250mg群:14.0[4.1~24.0]、350mg群:9.8[0.6~19.1])。 QOLスコアは、125mg群および250mg群で有意なベネフィットが認められた(p<0.05)。BCX7353群で最も多く報告された有害事象は消化器系有害事象で、多くがGrade1であり、とくに高用量の2つの群で多かった。 著者は、「発作発生には、明確なU字型の用量反応関係が認められ、125mgの治療効果が最も高かった。250mgと350mgでは、消化器系有害事象が発作の早期症状と誤認され、そのため効果がマスクされた可能性がある」とし、「短期的なカリクレイン阻害による血管性浮腫発作の予防における、BCX7353経口投与の概念実証および用量反応関係の双方が確認された」と結論している。

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アスリートにおけるADHDに関連する神経認知障害のシステマティックレビュー

 注意欠如・多動症(ADHD)は一般的に小児の疾患であるが、若年成人においても頻繁に診断される。最近の研究では、ADHDと脳震盪との関連が示唆されている。米国・ワシントン大学のPoyrung Poysophon氏らは、ADHDを有するアスリートにおいて、脳震盪リスク、症状の報告、回復に関連する神経認知障害のリスクが高いかどうかについて、システマティックレビューを行った。Sports Health誌2018年7、8月号の報告。 PubMed、CINAHL、Psychinfo、コクラン・ライブラリのデータベースで包括的な検索を行った。2006~17年の研究を調査したが、包括基準を満たす研究があったのは2013~17年のみだった。ADHDを有する15~19歳の青年および若年成人アスリートを対象としており、神経心理評価ツールを用いて神経認知障害を調査した研究を抽出した。 主な結果は以下のとおり。・包括基準を満たした研究は、17件であった。・アスリートのADHD有病率は、4.2~8.1%であった。・全体として、ADHDを有するアスリートは、ImPACT(Immediate Post-Concussion Assessment and Cognitive Test)のような神経認知テストのスコアが低く、脳震盪リスクが増加しており、症状の報告が多かった。・中枢神経刺激薬による治療が、これらのリスクを変化させることを示すエビデンスは、認められなかった。 著者らは「ADHDを有するアスリートにおいて、神経認知障害増加との関連が認められたが、その病態生理は不明であった。また、ADHDを有するアスリートに対する、中枢神経刺激薬での治療に関するエビデンスは、不十分である」としている。■関連記事ADHDに対するメチルフェニデートは有益なのかアスリートが経験する脳震盪はうつ病リスクを増加させるスポーツ選手へ最も処方される精神科薬物は?

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京都でどの八ッ橋を買えばよいのかという論文【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第120回

京都でどの八ッ橋を買えばよいのかという論文 いらすとやより使用 今回は医学論文ではありません。まぁ、たまにはいいじゃないですか。京都のお土産の代名詞的な存在である「八ッ橋」。おいしいですよね。もちっとしていて。京都駅でも複数の種類の八ッ橋が売られていて、一体どれを買えばよいのか迷いますよね。そんな疑問に京都大学が答えました。ただし、論文はすでに撤回されています。撤回された論文を紹介するのってどうなの、と非難されそうですが、まぁ、たまにはいいじゃないですか。ちなみにこの論文、TwitterなどのSNSで一時期話題になったものなので、知っている人もいるかもしれませんね。 高濱隆輔ほか.私たちはお土産にどの八ッ橋を買えばよいのか京都大学大学院 鹿島研究室. 2014.(撤回済論文)京都市内にある11の銘柄の「つぶあん入り生八ッ橋のニッキ味」を、9人の評価者が試食して評価しました。評価方法には「勝率」「主固有ベクトル」「Bradley-Terry モデル」「Crowd-BT モデル」が用いられました。すいません、イマイチわからなかったので、割愛します(笑)。ちなみに評価の対象となった八ッ橋は、以下の銘柄です。聖護院八ツ橋総本店(東山丸太町)本家西尾八ッ橋(東山丸太町)おたべ(東山四条の遠藤魁春堂または南禅寺のおたべ順正)井筒八ッ橋本舗(三条河原町西)御殿八ッ橋本舗(京都大学医学部西)京栄堂(東山仁王門)佐々木製菓(東山八ツ橋本舗)(京都大学医学部西)八ツ橋屋西尾為忠商店(銀閣寺)本家八ツ橋(銀閣寺)御車八ッ橋本舗(京都駅)おいしいと評価された回数、おいしさベクトル、評価者の好みの平均度のベクトルなどから、お土産として最適な八ッ橋を総合的に判断しました。その結果、「聖護院八ツ橋総本店」と「京栄堂」が最適と考えられました。以下、論文から一部抜粋します。「聖護院八ッ橋総本店は八ッ橋の有名ブランドの一つであり、京都の主要な観光地ではほぼ間違いなく取り扱われている。対して京栄堂は京都市内に展開されるいくつかの店舗でしか取り扱われていない模様である。従って、時間はないが確固たるエビデンスに基づいて美味しい八ッ橋を求める方は聖護院八ッ橋を、誰もが知っている京都の代表的なお土産である八ッ橋の中でも一味違うところを見せつけていきたい方は京栄堂の八ッ橋を、それぞれお土産として買って帰られるとよいのではないかと考えられる。」というわけで、京都の学会に行ったときには、この論文のことをぜひとも思い出してください。ちなみにこの論文は撤回されていますが、撤回の際、著者に対して謹慎処分を執行したと書かれています。謹慎処分の内容は、「むこう12時間にわたり一切のアンコの摂取を禁止すること」でした。要は、論文の発表とその撤回自体がネタ、ということです。ちゃんちゃん。

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日本におけるうつ病とBMI、代謝性疾患、ライフスタイルとの関連

 生活習慣病やBMIは、うつ病と関連している。国立精神・神経医療研究センターの秀瀬 真輔氏らは、大規模コホートにおけるWebベース調査を用いて、うつ病とBMIの分類、代謝性疾患、ライフスタイルとの関連について検討を行った。Journal of psychiatric research誌2018年7月号の報告。 対象は、うつ病患者1,000例(平均年齢41.4±12.3歳、男性501例)および対照群1万876例(平均年齢45.1±13.6歳、男性5,691例)。評価には、Psychological Distress Scale(K6)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・うつ病患者では対照群と比較し、肥満および脂質異常症がより頻繁に認められ、スナック類や夜食の摂取頻度が高かった。一方、朝食の摂取頻度や高度~中等度の身体活動の割合は低かった。・低体重または肥満2~4度の人では、普通体重または肥満1度の人よりも、K6スコアが高かった。・ロジスティック回帰分析では、K6のカットオフ値は、低体重、脂質異常症、スナック類または夜食の摂取頻度と正の相関が認められたが、朝食の摂取頻度と負の相関が認められた。 著者らは「本検討により観察されたうつ病とBMI、代謝性疾患、ライフスタイルとの関連は、ライフスタイルや身体的状態が抑うつ症状の一部と関連していることを示唆している」としている。■関連記事うつ病患者の予後に影響する生活習慣病どのような精神疾患患者でメタボリスクが高いのか認知症リスクとBMIとの関連

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brigatinib、ALK肺がん1次治療でPFSを有意に改善(ALTA-1L)/武田薬品工業

 武田薬品工業は2018年7月26日、ALK阻害薬未治療の局所進行または転移のあるALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象としたグローバル無作為化臨床第III相試験ALTA-1L(ALK in Lung Cancer Trial of AP26113 in 1st Line)の事前に設定された初回の中間解析において、brigatinib群がクリゾチニブ群と比較して統計学的に有意に無増悪生存期間(PFS)を改善し、主要評価項目を達成したと発表。brigatinibの安全性プロファイルは、全般的に既存の添付文書に記載されている情報と差はなかったとしている。 ALTA-1L試験は、上記患者を対象とした、brigatinibの国際無作為化非盲検試験で、275例の患者が登録された。患者は、brigatinib 180mg/日(7日間の導入期間においては90mg/日)、もしくはクリゾチニブ250mg×2/日を服用した。主要評価項目は独立評価委員会が評価したPFSであり、副次評価項目は、客観的奏効率(ORR)、頭蓋内病変におけるORR、頭蓋内病変におけるPFS、全生存期間、安全性および忍容性が含まれている。 brigatinibが少なくとも6ヵ月クリゾチニブを上回るPFSの改善を示すために、合計約198件のPFSイベントが発生した時点で、主要評価項目の最終解析が行われる予定。また、本試験では、予定されているPFSイベントの50%が発生した時点および75%のイベントが発生した時点の2回にわたり、主要評価項目に対する中間解析を行うことが事前に設定されている。 同中間解析結果は、近日開催される学術会議において発表を予定。■参考武田薬品ニュースリリースALTA試験(Clinical Trials.gov)■関連記事クリゾチニブ抵抗性ALK肺がんにおけるbrigatinibの成績:ALTA/WCLC2017新ALK阻害薬brigatinib、ALK陽性肺がんに承認:FDA

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救急ヘリ搬送中の出血性ショックの外傷患者、血漿輸血は有効か/NEJM

 外傷による出血性ショックのリスクがある患者に対し、病院到着前に解凍した血漿輸血をすることで標準蘇生処置と比較し、安全性の問題を伴うことなく病院到着時のプロトロンビン時間比が改善し、30日死亡率も低下した。米国・ピッツバーグ大学医療センターのJason L. Sperry氏らが、救急搬送中の解凍血漿輸血の有効性と安全性を検証した第III相優越性試験「PAMPer(Prehospital Air Medical Plasma)試験」の結果を報告した。外傷患者では、病院到着前に標準的な蘇生処置に加え血漿を輸血することで、出血やショックによる合併症リスクを軽減できる可能性がある。しかし、これまで大規模臨床試験による検討は行われていなかった。NEJM誌2018年7月26日号掲載の報告。救急ヘリコプターで搬送中の血漿輸血の有効性を30日死亡率で評価 PAMPer試験は、出血性ショックのリスクがある外傷患者を対象に、病院到着前の解凍血漿輸血の有効性と安全性を検証する、第III相の多施設共同プラグマティッククラスター無作為化優越性試験であった。航空医療基地を、ブロックランダム化法を用いて1ヵ月ごとに解凍血漿輸血群と対照群に割り付け、それぞれ救急ヘリコプターで外傷センターへ患者を搬送中に、解凍しておいた血漿を輸血または標準的な蘇生処置を行った。主要評価項目は、30日死亡率であった。 2014年5月~2017年10月に登録され解析対象となった患者は501例で、230例が解凍血漿輸血を、271例が標準的な蘇生処置を受けた。30日死亡率は血漿群23%、対照群33%で、血漿群で有意に低下 30日死亡率は、解凍血漿輸血群が対照群より有意に低かった(23.2% vs.33.0%、群間差:-9.8ポイント、95%信頼区間[CI]:-18.6~-1.0%、p=0.03)。事前に規定した9つのサブグループで同様の治療効果が確認された(異質性のχ2検定:12.21、p=0.79)。Kaplan-Meier曲線では、無作為化3時間後という早期に両群が分離しはじめ、無作為化30日後まで持続した(log-rank χ2検定:5.70、p=0.02)。 外傷センター到着後の患者のプロトロンビン時間比中央値は、解凍血漿輸血群が対照群より低値であった(1.2[四分位範囲:1.1~1.4] vs.1.3[同:1.1~1.6]、p<0.001)。多臓器不全、急性肺損傷・急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、院内感染、アレルギー/輸血関連反応については、両群間で有意差はなかった。 なお、著者は研究の限界として、解凍血漿の保存可能期間が短く利用に制限があり盲検化できないこと、外傷センター到着前に受けた治療の違いによってバイアスが生じる可能性があることなどを挙げている。

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都市部救急搬送中の出血性ショックの外傷患者、血漿輸血は有効か/Lancet

 出血性ショックの外傷患者を、都市部のレベル1外傷センターへ救急車で搬送中、病院到着前に血漿輸血を行っても生命予後は改善しなかった。米国・コロラド大学デンバー校のHunter B. Moore氏らが、救急車で搬送中の血漿輸血の有用性を検証したプラグマティック無作為化試験「COMBAT(Control of Major Bleeding After Trauma Trial)試験」の結果を報告した。血漿は外傷後の止血重視輸血法(haemostatic resuscitation)に不可欠であるが、投与のタイミングについては議論が続いていた。著者は、「血液製剤は、搬送時間が長くかかるような環境においては有益かもしれないが、外傷センターまでの距離が短い都市部においては経済的負担を考慮すると妥当とはいえないだろう」とまとめている。Lancet誌オンライン版2018年7月19日号掲載の報告。救急車で搬送中の血漿輸血の有効性を28日死亡率で評価 COMBAT試験は、デンバー健康医療センター(DHMC)で実施された。出血性ショック状態(収縮期血圧≦70mmHgまたは71~90mmHg+脈拍数≧108回/分)にある外傷の連続症例を、訓練を受けた救急隊員が外傷現場でその適格性について評価し、適格患者は血漿輸血を受ける血漿群または生理食塩水の投与を受ける対照群に、無作為に割り付けられた。無作為化は、DHMCに拠点を置く33台の全救急車に、密封された保冷バッグを各々始業前に先行載荷することで行われた。 保冷バッグに凍結血漿2単位が入っていた場合は、救急車で解凍し、投与を行った。保冷バッグにダミーの凍結水が入っていた場合は、生理食塩水が投与された。 主要評価項目は外傷後28日死亡率で、解析はas-treated集団とintention-to-treat集団で実施した。28日死亡率は血漿群15%、対照群10%で有意差なし 2014年4月1日~2017年3月31日に、144例が血漿群と対照群に割り付けられた。as-treated解析の適格患者は125例(血漿群65例、対照群60例)で、年齢中央値は33歳(IQR:25~47)、新外傷重症度スコアの中央値は27(10~38)であった。 70例(56%)が外傷後6時間以内に輸血を要した。両群の患者背景は類似しており、搬送時間中央値も同程度であった(血漿群19分[IQR:16~23]vs.対照群16分[14~22])。 28日死亡率は、両群で有意差が確認されなかった(血漿群15% vs.対照群10%、p=0.37)。intention-to-treat解析(144例)において、安全性転帰や有害事象に両群で差はなかった。 なお、これらの解析結果に基づき、有効性が認められないことから、本研究は144例を登録後に中止となっている。

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最優秀QC活動賞【Dr. 中島の 新・徒然草】(232)

二百三十二の段 最優秀QC活動賞まずは季節の話題から。地震、豪雨、酷暑に続いて台風12号がやって来ました。東から西に向かう台風は観測史上初のことだそうで、まずは7月29日の午前1時頃、三重県伊勢市に上陸しました。私が大阪の自宅で目を覚ましたのは午前3時頃、台風が奈良市に達し、さらに西に向かっている時です。雨も風もどんどん強くなってきて「えらいこっちゃ!」と思っていたら、午前4時頃、急に雨も風もとまってしまいました。ちょうど台風が大阪市を通過中だったので「台風の目に入ったのかなあ」と思っているうちに、いつの間にか眠ってしまいました。次に目が覚めたのは午前7時すぎ、外は台風一過で日が照っています。ちょっと涼しい風がビュービュー吹いている一方で、蝉がやかましいくらい鳴いていました。まだ7月だというのに台風に脅かされるというのも異常ですね。話はかわって、今回は近畿の国立病院機構20病院の合同経営企画会議で発表されたQC(Quality Control)活動について述べましょう。QC活動というのは、職場で自発的に行っている品質管理運動のことです。「できるだけ質の高い仕事をしたい」と思う日本人の性格にあっているのか、各病院からの多数の応募の中、書類審査を通過した6演題が発表されました。特に面白いと思ったのはベッド修理のQC活動です。病院のベッドというのは電動で各部位が動き、また、あちこち移動したりぶつけたりするので、かなり過酷な使われ方をします。その結果、ベッド枠の横にとりつけてあるベッドサイドバンパーが壊れたり外れたりしがちになります。いちいち修理に出すのも面倒なので、現場ではガムテープを貼って応急処置してしのいでいました。しかし、応急処置だけしたベッドの数がどんどん増えていき、いよいよこれはマズイということになったので、業者に連絡したところ修理代の見積もりが大変な金額になってしまったのです。また実際に患者さんに使っているベッドを出張で修理してもらうわけですから、その日程調整も大変です。ということで、事務職員が業者に修理方法を教えてもらい、自分達でベッドサイドバンパーの修理をすることにしました。もちろん最初は部品がうまく外れなかったりして時間がかかっていたそうです。しかし、だんだん手際がよくなり、患者さんがリハビリなどで不在の間に病室に行って修理してしまうなど、要領の方もよくなってきました。かくして百数十台のベッドを修理し、ウン百万円を節約することができたということです。そのヤル気と効果に、聴衆一同、感心させられました。会場からの質問は2つありました。Q1素人が勝手にベッドを修理してもいいのでしょうか?A1業者さんによれば、ベッド本体の修理は専門的知識も必要なので勝手に修理しないように、ということです。しかしベッドサイドバンパーの方は、そもそもベッド本体を保護するために破損しやすく作ってあるので、その部分は病院の方で修理してもらって構わないということでした。Q2病院職員が修理することで、かえって超過勤務が発生したりしないのでしょうか?A2スキマ時間に修理するので、すべて勤務時間内です。結局、この発表が最優秀賞に選ばれて表彰されました。お金の節約もさることながら、ベッド修理を通じて事務職員の団結と自信につながったことが何よりも素晴らしいことだと思います。色々な職場にも応用可能だと思い、紹介させていただいた次第です。ということで最後に1句QCで 費用節約 団結す

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第6回 柑橘類からバナナにかえて、胃食道逆流症の悪化リスクを削減【使える!服薬指導箋】

第6回 柑橘類からバナナにかえて、胃食道逆流症の悪化リスクを削減1)Feldman M, et al. Gastroenterology. 1995 Jan;108:125-131.2)古田賢司,他. 上部消化管疾患の栄養療法. 日本消化器病学会雑誌. 2007;104:1698-1706.

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初回エピソード統合失調症患者におけるアリピプラゾールとリスペリドンの抗炎症効果の比較

 抗精神病薬の抗炎症作用に関するエビデンスが増加している。しかし、リスペリドンとアリピプラゾールの免疫調整効果を比較した研究は、これまでに報告されていない。スペイン・カンタブリア大学のMaria Juncal-Ruiz氏らは、治療3ヵ月後の血清サイトカインの大規模アレイについて、リスペリドンとアリピプラゾールの抗炎症効果の比較を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2018年6月22日号の報告。 本研究は、プロスペクティブランダム化オープンラベル研究として実施された。初回エピソード統合失調症患者75例を、リスペリドン群またはアリピプラゾール群にランダムに割り付け、対照群として健康ボランティア75例を選択した。21のサイトカイン/ケモカインの血清濃度を、ベースライン時および投与開始3ヵ月後に測定した。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時において、対照群と比較し、リスペリドン群ではIL-8レベル(p=0.000)およびMIP-1βレベル(p=0.007)が高かったが、アリピプラゾール群では差は認められなかった。・投与開始3ヵ月後において、IL-8、MIP-1β、フラクタルカイン、TNF-α、IL-7、IL-13、IL-17α、IL-23、IL-21に有意な低下が認められた(各々:p<0.01)。・リスペリドン群とアリピプラゾール群の変化率に差は認められなかった。・2剤のエフェクトサイズは類似していたが、アリピプラゾールはリスペリドンよりも、エフェクトサイズが大きいと考えられる(TNF-α、IL-13、IL-17α、フラクタルカインを除く)。また、リスペリドンは、アリピプラゾールよりもMIP-1βのエフェクトサイズが大きいと考えられる。 著者らは「本研究は、リスペリドンとアリピプラゾールの免疫調整効果を比較した最初の研究であり、両剤の抗炎症効果は類似していることが明らかとなった」としている。■関連記事精神疾患患者の認知機能と炎症マーカーとの関連が明らかに統合失調症治療に抗炎症薬は有用か統合失調症患者の脳活性、リスペリドン vs.アリピプラゾール

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日本の心房細動患者に多い死亡原因

 わが国のコミュニティベースの心房細動(AF)コホートである伏見AFレジストリにおいて死因を調べたところ、悪性腫瘍や感染症などの非心血管死が全死亡の半分以上を占めていた。また、死亡に関連する臨床的因子をみると、心血管死では脳卒中より心不全に主に関連していたことを、国立病院機構京都医療センターの安 珍守氏らが報告した。European heart journal/Quality of care & clinical outcomes誌オンライン版2018年7月18日号に掲載。 伏見AFレジストリは、京都市伏見区で2011年3月から実施されているAF患者の前向き観察研究である。2016年11月末までの追跡調査データを入手できた4,045例の死因と心血管死および非心血管死の臨床的指標を調査した。 主な結果は以下のとおり。・平均年齢は73.6±10.9歳、平均CHA2DS2-VAScスコアは3.38±1.69であった。・55%の患者に経口抗凝固薬が処方されていた。・追跡期間中央値は1,105日であった。・全死亡705例(5.5%/年)のうち、心血管死が180例(26%)、非心血管死が381例(54%)、原因不明が144例(20%)であった。・心血管死の最も多い死因は心不全(14.5%)で、非心血管死では悪性腫瘍(23.1%)、感染症/敗血症(17.3%)であった。脳卒中による死亡は6.5%であった。・感染症/敗血症および原因不明による死亡は、加齢とともに増加した。・多変量解析によると、心血管死の最も強い予測因子は心不全の既往(ハザード比[HR]:2.42、95%信頼区間[CI]:1.66~3.54、p<0.001)で、非心血管死の最も強い予測因子は貧血(HR:2.84、95%CI:2.22~3.65、p<0.001)であった。

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