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第6回HBOCコンソーシアム学術総会レポート 前編

本年(2018年)1月21日(日)、第6回日本HBOCコンソーシアム学術総会(会長:山内 英子氏/聖路加国際病院副院長)が、「実戦! THE NEXT STEP HBOC診療」をテーマに、聖路加看護大学アリスホールで開催された。ここでは、4つのシンポジウムで構成された当総会を2回に分けてレポートする。今回は、前編として、シンポジウム1「チーム医療」の概要を紹介する。HBOCのチーム医療の現況…6施設の報告から当シンポジウムでは、6施設が、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)のチーム医療の現況を報告した。引き続き、来場者参加型の投票システムを用いて、HBOC診療に関する質問への回答を即座に集計してスクリーンに掲示することで、HBOC診療の現状を広く共有し、議論を深める試みがなされた。最初に報告を行った関西ろうさい病院(兵庫県尼崎市)では、臨床遺伝専門医、遺伝カウンセラー、各種専門看護師を中心とした遺伝カウンセリング外来を設置して遺伝性腫瘍の診療を行っている。また、乳腺科や婦人科などとの連携を常に意識して診療に当たっている。臨床試験に頼らずにHBOCの拾い上げを行うことが今後の課題であり、日本遺伝性乳卵巣総合診療制度機構(JOHBOC)の基幹施設になることが目標だという。東京医療センター(東京都目黒区)では、HBOC診療において、乳腺科・婦人科との連携から、臨床遺伝センターでの遺伝カウンセリング、遺伝学的検査、各科のサーベイランス、予防切除術まで、一貫して行える体制を整備してきた。HBOC疑い例の拾い上げには、問診票を用いているが、かかりつけ医からの紹介なども重要だという。そのため、かかりつけ医を対象とする講演会を実施し、リーフレットを作製して保健所や福祉センター、区役所に送付するなど、地域連携を積極的に進めている。北野病院(大阪府大阪市)では、遺伝性疾患サポートチームを中心に、複数の診療科などが連携している。HBOC疑い例の拾い上げを重視し、乳腺外科では初診患者に対し初診問診票を用いて、婦人科では卵巣がんと診断された患者に対し遺伝性腫瘍に特化した問診票を用いて家族歴を聴取している。最近、消化器内科と乳腺外科との連携による、膵がんへの取り組みも開始した。また、地域の他施設医療者への遺伝性腫瘍セミナーや、市民公開講座を開催し、院外からの遺伝カウンセリングや、リスク低減手術の依頼にも応じている。今後は、HBOC診療に関わる診療科を増やすとともに、人材育成、保険診療の実現に向けた学会からの働きかけを推進する予定だという。名古屋市立大学病院(愛知県名古屋市)では、臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラーから成る臨床遺伝医療部が、他科との連携のもとで遺伝性腫瘍の遺伝カウンセリングを行っている。今後は、消化器内科、外科、泌尿器科との連携を強化し、認定遺伝カウンセラーの雇用条件の改善と増員、遺伝子パネル検査の導入を進める予定だ。新潟大学医歯学総合病院(新潟県新潟市)は、新潟県立がんセンター新潟病院(新潟県新潟市)との共同でHBOC niigata meetingを組織した。両施設の連携のもと、症例の拾い上げからカウンセリング、BRCA遺伝子検査、リスク低減手術、サーベイランスまで、包括的なHBOC診療の取り組みを開始している。当面の課題として、県内のほかの地域の施設との連携強化、リスク低減手術を含めたHBOC診療の県内での完結、とくに乳がんからの拾い上げ基準の確立などを目指している。四国がんセンター(愛媛県松山市)では、遺伝性がん診療科を中心にHBOC診療を進めている。最近、看護師や遺伝カウンセラーが、卵巣がん患者、子宮体がん患者から家族歴を聴取し、家系図の作成に取り組んだ。この経験を踏まえ、HBOCを考慮した問診票を作成し、家系図の作成に活用する試みを開始している。今後は、このアプローチをよりよく継続するための工夫を重ね、HBOC診療に関わる多職種の連携の円滑化を図りたいという。来場者参加型アンケート調査の結果来場者参加型の投票システムを用いたアンケート調査の主な結果は、以下のとおりであった。同一施設所属者が複数いること、HBOC診療に興味を示す者であること、誤操作した可能性などがあり、一般調査結果とは異なると予想されるが、参考値として紹介する。質問1)拾い上げの基準はどのように設定しているか?NCCNガイドラインに準拠:18%NCCNガイドラインを参考に一部改変して使用:40%NCCNガイドライン以外の基準を参考にしている:3%施設内で検討した基準を使用:14%検討中:24%質問2)一次拾い上げをする人は主に誰か?主治医:62%臨床遺伝専門医:1%外来看護師:12%病棟看護師:2%認定遺伝カウンセラー:16%その他:6%質問3)主治医がどのくらい遺伝カウンセリングに関わっているか?主治医が遺伝カウンセリングをしている:18%主治医はまったく関わっていない:36%状況に応じて:46%質問4)RRM(リスク低減乳房切除術)は実施しているか?実施している:29%実施していない:25%準備中:28%導入する予定はない:8%その他:10%質問5)RRSO(リスク低減卵巣卵管切除術)は実施しているか?実施している:48%実施していない:17%準備中:19%導入する予定はない:6%その他:9%質問6)リスク低減手術の合併症の治療は保険か自費か?保険:14%自費:29%症例に応じて:12%準備中:45%

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パニック症への薬物治療のリスクとベネフィット

 パニック症は、効果的に治療することができる不安症である。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やベンゾジアゼピンは、パニック症に最も汎用される薬剤の1つである。ブラジル・リオデジャネイロ連邦大学のLaiana A. Quagliato氏らは、これら2つの治療薬の有効性、有害事象、限界に関する、現在のエビデンスについて検討を行った。Expert opinion on drug safety誌オンライン版2018年1月22日号の報告。 パニック症治療におけるSSRI、ベンゾジアゼピンに関するオープンラベルまたはプラセボ対照試験を、MEDLINE、PubMed、Web of Scienceのデータベースを用いて、検索を行った。 主な専門家の意見は以下のとおり。・文献検索により、このテーマに関する4,957件の論文が抽出された。このうち、24件をレビューに含んだ。・SSRIは、パニック症に有効であるにもかかわらず、治療効果の発現に数週間の遅延を伴い、治療の初期においては不安症状やパニック症状を悪化させる可能性がある。・ベンゾジアゼピンは、急速な作用を示すが、耐性や依存を引き起こす可能性がある。・パニック症治療においてSSRIとベンゾジアゼピンの有効性は、強いエビデンスで証明されているにもかかわらず、これら2つの治療薬を突き合わせて比較した研究はほとんど行われていない。 著者らは「パニック症の薬理学的治療に関する今後の研究は、各群のリスク、ベネフィット、限界を、直接比較すべきである。これは、パニック症に対するエビデンスベースの薬物治療の改善に役立つ可能性がある」としている。■関連記事パニック症に対し第2世代抗精神病薬は有用かパニック障害 + うつ病、副作用と治療経過の関係はパニック障害 + 境界性パーソナリティ障害、自殺への影響は?

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コーヒーと大腸がんの関連、日本の8研究をプール解析

 コーヒーは、がん発症を抑制する可能性のある生物活性化合物が豊富な供給源だが、大腸がんとの関連は不明であり、がんの部位別に調べた研究はほとんどない。今回、わが国の「科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」の研究班が、日本の8つのコホート研究のプール解析により、コーヒーと大腸がんの関連を検討した。その結果、女性において1日3杯以上のコーヒー摂取が結腸がんリスクを低下させる可能性が示唆された。International Journal of Cancer誌オンライン版2018年2月15日号に掲載。 本研究では、32万322人の参加者における450万3,276人年の追跡調査の結果、6,711件の大腸がんが確認された。Cox比例ハザードモデルを用いて、研究ごとのハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定し、ランダム効果モデルを用いて統合した。 主な結果は以下のとおり。・男女とも、コーヒー摂取は大腸がんリスクに実質的に関連していなかった(男性における統合HR:0.92、95%CI:0.82~1.03、女性における統合HR:0.90、95%CI:0.76~1.07)。・部位別の解析においては、1日3杯以上コーヒーを飲む女性で結腸がんリスクが低下した(統合HR:0.80、95%CI:0.64~0.99)が、男性ではこのような関連はなかった。・男女ともコーヒー摂取は直腸がんリスクに関連していなかった。・非喫煙者でも、頻回のコーヒー摂取で直腸がんリスクが高いことを除き、結果は事実上同様であった。

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タバコ企業がらみの資金援助にNo! 北米の17公衆衛生大学院

 2017年9月、フィリップ モリス インターナショナルは、Smoke-Free World財団に資金を提供するため、10億ドル近く寄付する予定であると発表した。この資金は、タバコによる死と疾病の減少を目指したものである。 一方、ジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院のほか16校の米国とカナダの公衆衛生大学院は、2018年1月、このSmoke-Free World財団からの研究資金援助を拒絶する、17校の学長名が入った声明を出した。 ジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院学長のEllen J. MacKenzie氏はHarvard T.H. Chan School of Public Healthのホームページの中で、「公衆衛生大学院の学長として、数多くの要素や科学的なベストプラクティスを考慮したうえで、われわれはこの基金からの資金援助を受け入れないことを発表する。この結果をもたらしたのは、何百万もの世界中の人々に死をもたらす製品を持つ企業と財団との密接な関係である」と述べている。 また、Smoke-Free World財団について声明では、「財団の最高経営責任者(CEO)は、財団の細則および構成は企業基金の使用基準を満たしていると表明しているが、この主張は真実ではない。研究アジェンダの透明性の欠如、フィリップ モリス インターナショナルの広報による利点、製品のマーケティングの増加という点が大きな違いである」としている。 声明では最後に、1)研究アジェンダがどのように確立されているか、2)フィリップ モリス インターナショナルと財団の間に完全なファイアウォールがあるのか、3)フィリップ モリス インターナショナルがこの資金援助をどのように活用するのか、4)フィリップ モリスがタバコ製品やその広告を段階的に廃止する具体的なタイムラインとマイルストーンなど企業としての取り組みをどう示すのか、といったことの詳細が明らかになれば、今の姿勢を再検討するための回答を探るとしている。■参考Statement on the Foundation for a Smoke-Free World

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MG治療の新たなる幕開け

 2018年2月16日、都内にて「全身型重症筋無力症の治療課題と今後の展望」と題するセミナーが開かれた(主催:アレクシオンファーマ合同会社)。 セミナーでは、指定難病である重症筋無力症(MG:Myasthenia Gravis)の治療課題と、昨年12月に全身型重症筋無力症の適応が追加された新薬エクリズマブ(商品名:ソリリス)の可能性について、医師と患者それぞれの立場から語られた。演者の1人である村井 弘之氏(国際医療福祉大学 医学部 神経内科学 主任教授)は、「従来薬とは異なる作用機序を持つソリリスは、難治性MGの強力な次の一手になりうる」と、新薬への期待を述べた。 以下、セミナーの内容を記載する。プライマリケア医も診察する可能性のある難病 MGは指定難病で、本邦における患者数は約22,000人と推定される。眼瞼下垂、複視、筋力低下が主な症状で、易疲労性、日内変動を特徴とする。具体的には、夕方になると瞼が下がる(眼瞼下垂)、水を飲むとむせやすい(嚥下障害)、布団を持ち上げられない(筋力低下)、といった形で症状が現れる。しかし、これらの症状には波があり、疲れによる一過性のものと思われることも多い。それ故、患者が最初に来院するのも眼科や耳鼻咽喉科、内科などであり、MGを専門的に診療している神経内科に至るまでに複数の診療科を巡ることも多い。 このようにMGは、プライマリケア医も診察する可能性のある難病といえる。MGは寛解が得られにくい疾患 現在、このMGの治療では、高用量経口ステロイド剤の普及により死亡率は著しく減少している。しかし、寛解レベルに至る患者の割合は低く、MGは寛解が得られにくい疾患とされている。 「全国筋無力症友の会」の事務局長である北村 正樹氏は、会員へのアンケート調査で、障害者手帳の取得状況が2006年と比較して2016年では減少している一方、重度等級(1・2級)の割合は増加していることを紹介。こうした症状管理が困難な難治性MG患者は、全身型MG患者の10~15%、約900人前後に存在し、新たな治療が望まれていた。難治性MG治療における新たな一手 こうした中、新たな治療薬として登場したのが、ソリリスだ。ソリリスは昨年12月、全身型重症筋無力症の適応が新たに追加された。ソリリスは補体活性化を抑制する薬剤だ。MGの機序として、神経筋接合部の補体活性化による運動終板の破壊が示唆されているが、ソリリスは、ヒト補体タンパクC5に結合し、補体の活性化を抑制することで、運動終板の破壊に歯止めをかける。実際、第III相臨床試験「REGAIN試験」において、ソリリスによるMG-ADL総スコアの早期かつ持続的な改善が示されている。髄膜炎菌感染症のリスクもあるため適正使用が求められるが、ソリリスの登場で難治性MG患者のQOL向上が期待される。MG患者の抱える悩み MG患者はその症状に波があることから、周囲の理解や就労の困難といった社会的不利益を被っており、4分の1が失職を経験しているといったデータもあるという。 MGの患者で、『I’m“MG”~重症筋無力症とほほ日記~』(三輪書店. 2007)の著者でもある渡部 寿賀子氏は、MGのつらさは、その症状に加え「見た目でのわかりにくさ」にあると述べた。一見健康な人と変わらなくても、職場では頻繁な休憩が必要で役割を果たせず離職に追い込まれ、「社会の中で自分の居場所がない」と感じた経験を紹介した。女性の場合は、発症時期が20~40代と若いため、高用量経口ステロイド剤による妊娠・出産への影響や合併症の不安も付きまとう。長期・慢性疾患の患者にとって、「病と共に過ごす人生」は退院後のほうが長い。同氏は、「新薬承認のニュースは心に明かりがともるようなニュースだ」と述べた。 本講演は、「難病が難病でなくなる日が来ることを期待したい」という渡部氏の言葉で締めくくられた。

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レンバチニブ vs.ソラフェニブ、切除不能肝細胞がん初回治療/Lancet

 切除不能肝細胞がんの初回治療において、レンバチニブはソラフェニブに対し全生存期間(OS)の非劣性が認められた。また、レンバチニブの安全性および忍容性プロファイルは、これまでの研究と一致していた。近畿大学の工藤 正俊氏らが、国際多施設共同無作為化非盲検第III相非劣性試験(REFLECT試験)の結果を報告した。切除不能肝細胞がん患者の初回全身療法として承認されているのはソラフェニブのみであり、新しい治療薬の開発が望まれていた。レンバチニブは、VEGF受容体(VEGFR)であるVEGFR1~3、FGF受容体(FGFR)であるFGFR1~4、PDGF受容体α、RET、KITを標的とするキナーゼ阻害薬で、第II相試験において肝細胞がんに対する有効性が示唆されていた。Lancetオンライン版2018年2月9日号掲載の報告。レンバチニブとソラフェニブで全生存期間を比較 REFLECT試験は、アジア太平洋、ヨーロッパおよび北米の20ヵ国、計154施設で実施された。対象は、全身化学療法歴のない切除不能肝細胞がん患者である。音声自動応答システム/Web登録システムを用い、地域、肉眼的門脈侵襲(MVI)、肝外転移(EHS)、MVI・EHS、ECOG-PS、体重を層別化因子として、レンバチニブ群およびソラフェニブ群に1対1の割合で無作為に割り付けた。 レンバチニブ群では、体重60kg以上には12mg/日、60kg未満は8mg/日、ソラフェニブ群は1回400mgを1日2回、28日ごとに経口投与した。 主要評価項目は、無作為割り付け日から全死因死亡日までのOSであった。有効性はintention-to-treat集団、安全性は治療を受けた患者のみを解析対象集団とした。また、非劣性マージンは1.08とした。レンバチニブ群13.6ヵ月、ソラフェニブ群12.3ヵ月、OS中央値は非劣性 2013年3月1日~2015年7月30日に1,492例が登録され、適格患者954例が割り付けられた(レンバチニブ群478例、ソラフェニブ群476例)。OS中央値は、レンバチニブ群13.6ヵ月(95%信頼区間[CI]:12.1~14.9)、ソラフェニブ群12.3ヵ月(95%CI:10.4~13.9)、ハザード比0.92(95%CI:0.79~1.06)で、非劣性基準を満たした。 頻度が高かった有害事象(全グレード)は、レンバチニブ群では高血圧201例(42%)、下痢184例(39%)、食欲低下162例(34%)、体重減少147例(31%)、ソラフェニブ群では手足症候群249例(52%)、下痢220例(46%)、高血圧144例(30%)、食欲低下127例(27%)であった。

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救急での肺塞栓症の除外、PERCルールが有用/JAMA

 低リスクの肺塞栓症(PE)が疑われる患者において、肺塞栓症除外基準(PERC:Pulmonary Embolism Rule-Out Criteria)を用いた場合、3ヵ月間の血栓塞栓イベント発生率は従来の方法と比較して非劣性であり、PERCルールの安全性が支持された。フランス・パリ第4大学のYonathan Freund氏らが、PERCルールを検証したPROPER試験の結果を報告した。PEを除外することを目的とした8項目からなる臨床基準PERCの安全性は、これまで無作為化試験で検証されたことはなかった。JAMA誌2018年2月13日号掲載の報告。救急受診後3ヵ月間の血栓塞栓イベント発生を、通常ルール使用と比較 研究グループは、2015年8月~2016年9月に、フランスの救急外来14施設において、臨床的に肺塞栓症の可能性が低い患者を登録し、クロスオーバークラスター無作為化非劣性試験を実施した(2016年12月まで追跡調査)。 各施設を、対照期(通常ケア)→PERC期、またはPERC期→対照期(各期6ヵ月、ウォッシュアウト2ヵ月)に無作為化した。PERC期では、PERCルール8項目(年齢50歳以上、心拍数100/分以上、SpO2が94%以下、片側下肢腫脹、血痰、最近の手術もしくは外傷、肺塞栓や深部静脈血栓の既往、エストロゲン製剤の使用)のすべてが陰性の場合、追加の検査を行わず肺塞栓症の診断は除外された。 主要評価項目は、初診で肺塞栓症と診断されなかった後の追跡3ヵ月間における血栓塞栓イベント発生(非劣性マージン1.5%に設定)。また、CT肺血管造影(CTPA)の実施率、救急外来滞在期間の中央値、入院率を副次評価項目とした。PERC群は追跡期間に血栓塞栓イベントは増加せず、CTPA実施や入院率は減少 無作為化された14施設において、登録された計1,916例(平均年齢44歳、女性980例[51%]:対照群954例、PERC群962例)のうち、1,749例が試験を完遂した。 初診で肺塞栓症と診断された患者は、対照群26例(2.7%)、PERC群14例(1.5%)であった(群間差:1.3%、95%信頼区間[CI]:-0.1~2.7%、p=0.052)。追跡期間中に、PERC群で1例(0.1%)(対照群は0例)が肺塞栓症と診断された(群間差:0.1%[95%CI:-∞~0.8%])。CTPAを実施した患者の割合はPERC群13%、対照群では23%であった(群間差:-10%、95%CI:-13%~-6%、p<0.001)。PERC群において、救急外来滞在期間の中央値(平均短縮:36分、95%CI:4~68分)と、入院率(平均減少:3.3%、95%CI:0.1~6.6%)は有意に低かった。

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疑義照会を巡るあれこれ【Dr. 中島の 新・徒然草】(209)

二百九の段 疑義照会を巡るあれこれ先日、薬剤師さんの会合に招かれました。そこで出た質問。「薬剤師として、医師とどのようにコミュニケーションをとったらいいのか苦慮している。もし良かったらそのコツを教えて欲しい」というものでした。医師と薬剤師とのコミュニケーションというのは、調剤薬局からの疑義照会というのもあれば、職場の同僚としてのディスカッションもあります。会合の時の質問に対しては3つほど自分の考えを述べましたが、後で考えてみると、結構、広く使える回答だったので、忘れないうちに記録しておこうと思います。その1:みんな忙しい。だから結論から先に言い、手短かにまとめること。多くの医師は患者さんの長話に忍耐力を使い果たしている。その2:「添付文書にある」とか「ガイドラインではこうだ」と言っても聞く耳を持たない医師は少なくない。でもロジカルな話は好きなので「薬理学的にはこうですよ」というと乗ってくる。さらに自分の知識が増えると大喜び。その3:誰にとっても、自分の仕事を減らしてくれる人が善人で、仕事を増やす人は悪人だ。だから、相手の仕事を減らす話だと耳を傾けてもらいやすい。ということで、架空のやりとりを考えてみました。薬剤師「先生の処方ですけど、この薬は中止した方がいいんじゃないでしょうか」医師「えっ、何でまた!」薬剤師「この薬が患者さんのせん妄の原因になっていると思うからです」医師「せん妄の原因になることがあるわけ?」薬剤師「ええ、抗コリン作用による精神症状は珍しくないですよ」医師「ほんまか! 勉強になったわ。ほな、やめとこ」薬剤師「では、こちらで処方から削除しておいていいですか」医師「おお、気が利くなあ。ありがとう!」こんな感じでしょうか。最後に1句疑義照会 賢くなった いい気分

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小児および青年期の重度な精神疾患発症率と薬理学的治療

 小児および青年に対する抗精神病薬の使用は増加しており、適応外の使用および副作用についての関心が高まっている。ノルウェー・Oslo University HospitalのRagnar Nesvag氏らは、ノルウェーの小児および青年における重度の精神疾患の発症率、精神医学的合併症および薬理学的治療について調査を行った。European psychiatry誌オンライン版2018年1月20日号の報告。 2009~11年のノルウェー患者レジストリより、初めて統合失調症様疾患(ICD10コード:F20~F29)、双極性障害(同F30~31)、精神症状を伴う重度のうつ病エピソード(同F32.3/33.3)と診断された患者(0~18歳)の精神疾患に関するデータを抽出した。向精神薬の調剤データは、ノルウェー処方データベースより抽出した。 主な結果は以下のとおり。・2009~11年に初めて重度の精神疾患と診断された小児および青年は884例(10万人当たり25.1人)であった。その内訳は、統合失調症様疾患(10万人当たり12.6人)、双極性障害(10万人当たり9.2人)、精神症状を伴う重度のうつ病エピソード(10万人当たり3.3人)であった。・最も一般的な精神医学的合併症は、抑うつ(38.1%)、不安症(31.2%)であった。・抗精神病薬が処方されていた患者は62.4%であった。疾患別にみると、統合失調症様疾患患者(72.0%)、双極性障害患者(51.7%)、精神病性うつ病患者(55.4%)であった。・最も処方されていた薬剤は、クエチアピン(29.5%)であり、次いでアリピプラゾール(19.6%)、オランザピン(17.3%)、リスペリドン(16.6%)であった。 著者らは「小児や青年が重度の精神疾患と診断された場合の多くで、抗精神病薬が処方されていた。初期精神疾患患者では、抑うつや不安症の合併率が高いことを、臨床医は認識しておかなければならない」としている。■関連記事FDAの承認が抗精神病薬の適応外処方に与える影響抗精神病薬の適応外処方、年代別の傾向を調査抗うつ薬の適応外処方、普及率はどの程度

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慢性疾患でがん罹患・死亡リスクが大幅増/BMJ

 糖尿病などの慢性疾患への既往や、血圧・コレステロールといった心血管疾患などのマーカーの異常は、がん罹患リスク、がん死亡リスクの増大と関連することが明らかにされた。慢性疾患は、がん罹患の5分の1以上を、がん死亡の3分の1以上を占めることも示された。一方でこうした慢性疾患に関連したがんリスクは、適度な運動により、40%近く低下することも示されたという。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのHuakang Tu氏らが、40万例超を対象に行った前向きコホート試験の結果で、BMJ誌2018年1月31日号で発表された。40万例超を8.7年間追跡 研究グループは1996~2007年に、米国で総合的な健康診断を受けた18歳以上の40万5,878例を対象にコホート試験を行い、平均8.7年間追跡した。健診では、心血管疾患マーカー(血圧、総コレステロール、心拍数)、糖尿病、慢性腎臓病(CKD)マーカー(蛋白尿、糸球体濾過量)、肺疾患、痛風性関節炎マーカー(尿酸)について、標準的な方法による測定または診断が行われた。 主要評価項目は、がん罹患率とがん死亡率だった。慢性疾患・マーカーによるがん罹患・死亡リスク、運動で約3~5割低減 8種の疾患・マーカーのうち、血圧値の異常と肺疾患既往以外は、がん罹患のリスクを有意に増大した(補正後ハザード比[HR]の範囲:1.07~1.44)。 がん死亡リスクについては、8種の疾患・マーカーすべてで有意な増加が認められた(HRの範囲:1.12~1.70)。 8種の疾患・マーカーを要約した慢性疾患リスクスコアは、その増大に伴いがん罹患リスクも上昇することが示された。同リスクの最高スコアは、がん罹患リスクを2.21倍(95%信頼区間[CI]:1.77~2.75)に、がん死亡リスクを4.00倍(95%CI:2.84~5.63)に、それぞれ増大した。 慢性疾患リスクの高スコアは、生存年数をかなり損失することと関連しており、同最高スコアによる損失生存年数は、男性は13.3年、女性は15.9年だった。 8種の疾患・マーカーすべてを合わせた、がん罹患率やがん死亡率の人口寄与割合は、それぞれ20.5%、38.9%であり、5つの主要生活習慣要因(喫煙、運動不足、果物や野菜の摂取不足、飲酒、肥満)を複合した場合の24.8%、39.7%に匹敵するものだった。 一方で、運動をすることで、8種の疾患・マーカーによるがん罹患・がん死亡リスクの上昇を減じることができた。身体的に活発な被験者は、運動不足の被験者と比べて、8種の疾患・マーカーによるがん罹患リスクは48%、がん死亡リスクは27%低かった。

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COPD増悪抑制、3剤併用と2剤併用を比較/Lancet

 症候性の慢性閉塞性肺疾患(COPD)で高度以上の気流閉塞があり、維持療法を行いながらも増悪のある患者において、細粒子ベクロメタゾン+フマル酸ホルモテロール(長時間作用型β2刺激薬:LABA)+グリコピロニウム(長時間作用型ムスカリン受容体遮断薬:LAMA)の3剤併用は、インダカテロール(LABA)+グリコピロニウムの2剤併用に比べて、COPDの増悪を有意に抑制することが示された。イタリア・フェラーラ大学のAlberto Papi氏らが、1,532例を対象に行った無作為化並行群比較二重盲検試験「TRIBUTE試験」の結果で、Lancet誌オンライン版2018年2月8日号で発表された。COPD増悪頻度を52週間投与して比較 研究グループは2015年5月29日~2017年7月10日にかけて、17ヵ国187ヵ所の医療機関を通じ、高度・極めて高度の気流閉塞を伴い、前年に中等度・重度の増悪が1回以上あり、吸入薬の維持療法を行っている症候性COPDの患者1,532例を対象に試験を行った。 導入期間2週間における1日1回吸入のインダカテロール85μg+グリコピロニウム43μg(IND/GLY)の投与後、被験者を無作為に2群に分けた。一方には細粒子(空気動力学的中央粒子径[MMAD]2μm未満)ベクロメタゾン87μg+フマル酸ホルモテロール5μg+グリコピロニウム9μgの1日2回吸入を(BDP/FF/G群、764例)、もう一方にはIND/GLY(85μg/43μg)1日1回吸入を(IND/GLY群、768例)、それぞれ52週間行った。無作為化では、参加国および気流閉塞の重症度により層別化を行った。 主要評価項目は、治療52週間における中等度~重度のCOPD増悪頻度だった。解析には、1回以上試験薬の投与を受け、ベースライン以降に1回以上有効性の評価を受けた全無作為化被験者を含んだ。COPD増悪リスクは3剤併用群で有意に減少 中等度~重度COPD増悪の頻度は、IND/GLY群0.59/患者年(95%信頼区間[CI]:0.53~0.67)に対し、BDP/FF/G群は0.50(同:0.45~0.57)だった(率比:0.848、同:0.723~0.995、p=0.043)。 有害事象の発現率は、BDP/FF/G群64%(764例中490例)、IND/GLY群67%(768例中516例)と両群で同等だった。肺炎の発症率は、両群ともに4%だった。治療関連の重篤な有害事象は、両群ともに1例ずつ(BDP/FF/G群:排尿障害、IND/GLY群:心房細動)が報告された。

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FDA、durvalumabのStageIII非小細胞肺がんへの適応追加

 米国食品医薬品局(FDA)は2018年2月16日、化学放射線療法治療後にがんが進行していない切除不能のStageIII非小細胞肺がん(NSCLC)患者の治療にdurvalumabを承認した。 今回の承認は、上記患者713例に対する第III相PACIFIC試験の結果に基づくもの。この試験では、durvalumab群とプラセボ群の治療開始後の無増悪生存期間(PFS)を比較した。durvalumab群のPFS中央値は16.8ヵ月、プラセボ投与群は5.6ヵ月と、有意にdurvalumab群で延長した。さらに、スポンサーは、全生存期間に関する追加情報をFDAに提供するための市販後誓約に合意した。 切除不能のStageIII NSCLCにおいてdurvalumabで良くみられた副作用は、咳、疲労、肺臓炎(肺炎、放射線肺炎)、上気道感染、呼吸困難および発疹などであった。 durvalumabは、2017年に局所進行性または転移性膀胱がん患者の治療に対する迅速承認を得ている。■参考FDAプレスアナウンスメント

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チョコが大好きな患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第15回

■外来NGワード「チョコは食べないようにしなさい!」(理想論の提示)「甘いものは食べないようにしなさい!」(あいまいな食事指導)「チョコは、これから買わないようにしなさい!」(無理な食事指導)■解説 最近、女性から男性だけでなく、女性から女性、さらには自分にチョコレートを贈るようになったバレンタインデー。バレンタインデーのシーズンになると、チョコレートはバカ売れで、消費量はチョコレートの年間消費量の1割強にもなるそうです。また、チョコレートが大好きな人は、他人に渡す分だけでなく、自分で食べる分も買っていたりします。ダークチョコレートには、ポリフェノールが含まれていることから、チョコレートには健康効果が高いとテレビや雑誌などで喧伝されています。しかし、そのエビデンスは限られています。確かに、観察研究を集めたメタ解析では、適度のチョコレートには心血管リスクを低下させる可能性があるのではないかと推察されています。しかし、肥満者を対象とした介入研究では、エネルギー制限をしていてもチョコレートだけでは、残念ながら脂質の改善は認められていません。患者さんの中には現在の食事にプラスして、チョコレートを食べることが健康につながると勘違いしている人がいます。介入研究では、チョコレート分のカロリーを減らして食べるように指導されたりしています。それらのチョコレートに関する研究情報を、患者さんに正しく伝えておくことが大切ですね。 ■患者さんとの会話でロールプレイ患者コレステロールの値は大丈夫ですか? 卵を食べないようにして、食事には気を付けているのですが…。医師卵は控えられているということですか。実は、食事の中では卵というよりは「飽和脂肪酸」がコレステロールを上げないキーワードとなります。患者飽和脂肪酸って、どんなものに含まれているんですか?医師バター、マーガリンやショートニングなどに多く含まれていますので、お菓子や菓子パンには注意が必要ですね。患者あっ、それ大好きです。菓子パンがコレステロールを上げる原因だったんですね。医師あと、気を付けて欲しいのがチョコレート。チョコレートには飽和脂肪酸がたっぷり含まれていますからね。患者えっ、チョコレートは、健康にいいんじゃないんですか?医師確かに、苦いダークチョコにはポリフェノールが入っているので、コレステロールを上げないと期待されていたのですが、肥満の人ではあまり効果がないようです。患者えっ、そうなんですか。健康にいいと思って頑張って食べていたのに。医師それに、チョコを食べたら、その分のカロリーを減らさないといけないのですが、プラスされている人も多いですね。そのため、健康にいいと思って食べていて、体重が増えたという人もいますよ(第三者の話として伝える)。患者たとえば、どのくらいが適量なんですか?医師そうですね。難しいところですが、1枚=5gのチョコ5個で150kcalくらいありますから、ご飯軽く1杯分は減らさないといけないですね。患者それなら、私、チョコの食べすぎですね(気付きの言葉)。医師チョコは、頑張ったご褒美として食べてくださいね。患者わかりました。これからは、チョコは、チョコっとだけにします。■医師へのお勧めの言葉「チョコを食べるだけでは健康になりませんよ。ダークチョコレートを食べた分のカロリーを減らしておかないと、逆に、体重が増えてしまいますよ」1)Gianfredi V, et al. Nutrition.2018;46:103-114.2)Shah SR, et al. J Community Hosp Intern Med Perspect.2017;7:218-221.3)Lee Y, et al. J Am Heart Assoc.2017;12.

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第3回 小さく始める~開業時のお金の話~【開業入門】

第3回 小さく始める~開業時のお金の話~今回は開業に不可欠な「お金に関する基礎知識」をみていきましょう(図)。自己資金で開業できればそれに越したことはないですが、多くの先生方は、金融機関から借り入れを行い、資金調達をされると思います。現在(2018年1月時点)、金融機関によっては無担保・無保証人での借り入れが可能であり、大手銀行でも低金利で返済期間が比較的長期での借り入れも可能です。つまり、開業資金が借りやすい状態にあると言えるのです。図 開業の前段階の思考フロー画像を拡大する開業資金はどのくらい必要?開業時にどのくらいのお金が必要でしょうか。答えはケースバイケースです。どのような診療内容で開業するか、立地は都市部か地方か、物件は賃貸か自己保有か、診療機器は何を揃えるかなど、開業内容はさまざまです。まず、開業時に必要な資金を大きく2つに分けますと、「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」になります。「イニシャルコスト」は、土地や医療機器の購入費、建築費、改修の内装費などです。「ランニングコスト」は、医師や看護師の人件費、医薬品や診療材料の購入費用、土地建物の賃料、検査などの委託費など日々の業務を回していくためのお金です。実際開業をされる場合、必要と考えられる費用を主な項目だけ表にお示しします。これ以外にコンサルタントを依頼した場合、これらのほかにコンサルタントの費用が数百万単位で発生します。画像を拡大する借り入れ時の注意点今回、最もお伝えしたいポイントになります。当然ですが、借りたお金は返さなければならず、低金利と言っても金利は払わなければなりません。よって、借りるお金はできるだけ小さく抑えておきたいものです。「言われなくても当然」と皆様お考えになると思いますが、実際に多くの経営困難な診療所は、開業時点での試算や資金計画の甘さによる不相応な借り入れで四苦八苦しています。出来る限り小さく始める「イニシャルコスト」は金額も大きく、1度選択を間違ってしまうと取り返しがつきません。開業に「必須」の診療スペースや事務スペース、駐車場スペースを基に綿密に物件を探す必要があります。さらに、注意したいのはX線装置、CT、MRIなどの高額な医療機器です。どうしても大学病院や急性期病院で診察をしていた経験で「あの機器は必須だ。あの機器もあった方がベターだ。このくらいのスペックは必要だ」と、かたくなになる先生が少なくありません。診療科により「必須の医療機器」は異なりますが、「“開業”に本当に必須の医療機器」のみで、まずは「小さいスタート」を心掛けてください。経営が順調になれば、後から購入することはできるのです。まずは、実際に必要最小限の医療機器で経営されている診療所で診療してみて、ご自身の開業イメージを持つことをオススメします。ランニングコストは多少の余裕を「ランニングコスト」で気を付けたいポイントは、「診療報酬は2ヵ月遅れで入金される」ということです。診療報酬の仕組みに関して、詳しくは【医師が知っておきたいレセプトの話】第3回 レセプトのスケジュールをご確認ください。手元資金がショートしないよう、ある程度余裕をもって運転資金を試算しておくことを心掛けてください。誰もがスタート時は、診療所経営の素人です。リスクを背負わず、最小限の構えで始めて、経営が軌道に乗り、皆様の経営感覚が研ぎ澄まされてから徐々に拡大していくことをオススメいたします。「小さく産んで大きく育てる」。これが長く続ける経営のコツです。

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急性増悪期の薬物療法に関するエビデンスレビュー

 救急部での精神症状の急性増悪の管理における抗精神病薬使用の主な目的は、過鎮静を起こすことなく急速に静穏を図り、患者が自身のケアに携われるようにすることである。しかし、比較研究は不足しており、とくに新規の急速鎮静を示す第2世代抗精神病薬の研究が不足している。米国・Chicago Medical SchoolのLeslie S. Zun氏は、急性増悪期の薬物療法に関するエビデンスのレビューを行った。The Journal of emergency medicine誌オンライン版2018年1月17日号の報告。 この構造化されたエビデンスベースのレビューでは、PubMedデータベースの文献検索により抽出されたランダム化比較試験のデータを用いて、急性増悪に対する抗精神病薬治療の有効性について比較検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・28件の盲検ランダム化比較試験が抽出された。・ziprasidone、オランザピンの筋注製剤投与後は、共に15~30分で有効性が確認された。ハロペリドールの筋注製剤とロラゼパムとの組み合わせは30~60分、アリピプラゾールの筋注製剤は45~90分であった。・経口投与の場合、最初の評価時点において、オランザピンは15~120分、リスペリドンは30~120分、アセナピン舌下錠は15分で有効性が確認された。・loxapine吸入剤では、10~20分以内で有意な効果が認められた。・ドロペリドール静注は、約5~10分以内にはっきりした効果が認められた。・効果発現は、ベンゾジアゼピンよりも、第2世代抗精神病薬のほうがより速かったが、データは限られていた。 著者らは「このレビューに含まれる試験の患者集団は、救急部の実情を反映しているとは言えないが、今回の結果によって救急部に急性増悪患者の治療のための第2世代抗精神病薬の急速な有効性に関する情報を提供することができる」としている。■関連記事統合失調症の急性増悪期、抗精神病薬の使用状況は?:国立精神・神経医療研究センター急性期精神疾患に対するベンゾジアゼピン系薬剤の使用をどう考える急性期統合失調症、ハロペリドールの最適用量は

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リファキシミンの腸内細菌叢への調整作用で肝性脳症を抑える

 2018年1月31日、あすか製薬株式会社は、同社が販売する経口難吸収性抗菌薬リファキシミン(商品名:リフキシマ)の処方制限が昨年12月に解除され、長期投与が可能となったことを機に、都内において肝性脳症に関するプレスセミナーを開催した。 セミナーでは、「『肝性脳症』診断・治療の最新動向 腸内細菌への働きかけによる生存率向上への兆し」をテーマに、吉治 仁志氏(奈良県立医科大学 内科学第三講座 教授)を講師に迎え、レクチャーが行われた。原因不明の認知症10%に潜む肝性脳症 はじめに、認知症の概要が語られた。2025年には、認知症患者が推定730万人になると予想される。そして、認知症の原因ではアルツハイマー型が一番多く、次いで脳血管性型、レビー小体型と続き、そのほか原因不明も全体の1割(70万人以上)を占めるという。現在の『認知症疾患診療ガイドライン』では、認知症と鑑別が必要な疾患として、「ビタミン欠乏症」「甲状腺機能低下症」「神経梅毒」「肝性脳症」「特発性正常圧水頭症」の5つが規定されている。なかでも「肝性脳症」では、認知症やうつ病と同じように睡眠異常、指南力低下、異常行動、物忘れなど共通する症状がみられ、正確に診断されていない例もあると指摘した。 肝性脳症は、肝臓の線維化によりアンモニアの分解能が落ちることで、アンモニアが体内に蓄積され、さまざまな認知機能を障害する。その原因となる肝細胞障害、とくに肝硬変はC型肝炎ウイルスによるものが多く、そのウイルス保菌者数は年齢に比例して増加することから、肝性脳症が発症した場合、認知症と診断されている例もあると示唆した。服薬アドヒアランスを上げるリファキシミン 肝性脳症の症状は、人格・行動の微妙な変化から始まり、判断力の低下、睡眠の不規則、見当識障害、興奮・せん妄、昏睡状態へと進展する。典型的な患者の訴えでは、「頭がボーッとする」「足がつまずく」「手が震える」などが聞かれ、家族の訴えでは「目つきがおかしい」「おかしなことを言う」「食事を摂らない」などがある。 本症の診断では、身体所見など一般的な診断のほかに、認知症との鑑別のためナンバーコネクション、ブロックデザインテストなども行われ、「本症を疑った場合、アンモニア値の検査も重要」と吉治氏は述べる。 本症の治療では、これまで合成二糖類、カルニチン・亜鉛、BCAA製剤などの治療薬が使われてきたが、服用のしにくさや副作用などでアドヒアランスは決して良好とはいえなかった。 そこで、今回長期投与が可能になったリファキシミンは、こうした問題に対応し、他の治療薬の減量・削減の可能性、全身症状の改善、医療コストの削減などで期待されている。リファキシミンの作用機序は腸管内でのアンモニアの産生を防ぐことで、血中濃度が低下し、脳へのアンモニア移行を減少、肝性脳症を改善し、便と共に排泄される作用を持つ。リファキシミンは欧米では30年以上前より使用されてきたが、わが国では2016年に保険適用となった。 エビデンスでは、リファキシミンは使用群とプラセボ群との比較で、本症の再発を0.42ポイント有意に軽減したほか1)、5年間の長期投与でも肝硬変患者の生存率を改善したことが報告されている2)。リファキシミンの腸内細菌叢の調整機能 次に、わが国で増えている肥満型の肝硬変患者に触れ、現在1,000万人と推定される非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の患者のうち、約200万人が非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に移行すると考えられ、今後の肝硬変の患者数増加に警鐘を鳴らした。 さらに最近の話題として、腸内細菌叢について語った。この細菌叢のバランスの崩れから起こる疾患として、NAFLD、NASH、肝硬変、炎症性腸疾患などを挙げ、近年この腸内細菌叢の構成に注目が集まっているという。 肝硬変患者に、実際にリファキシミンを投与した前後で腸内細菌叢を調べた結果、細菌叢の多様性に変化はなかったものの、属レベルでは、肝硬変患者で増加するとされていた細菌が減少したと自験例を報告した3)。また、リファキシミンは、腸内細菌モジュレーターとして、肝硬変患者の予後を改善することが示唆されると期待を寄せた。 最後に吉治氏は、「今後、リファキシミンの腸内細菌叢の調整機能も踏まえ、日本人の長期投与効果の研究を行い、日本発のエビデンスを出していきたい」と今後の展望を語り、セミナーを終了した。

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小児の肥満予防、学校と家庭ベースの介入に効果みられず/BMJ

 食事と身体活動をターゲットとして学校と家庭で行う介入は、小児の肥満予防に有効ではないことが、英国・バーミンガム大学のPeymane Adab氏らが実施したWAVES試験で示された。研究の成果は、BMJ誌2018年2月7日号に掲載された。包括的な系統的レビューによれば、高所得国では、小児の肥満予防における学校ベースの介入の有効性が示唆されているが、個々の研究の介入の方法やアウトカムに異質性があるため、現時点では実臨床で推奨するには限界があるという。WAVES介入の有効性をクラスター無作為化試験で評価 研究グループは、小児の肥満予防における学校および家庭ベースの健康的生活様式プログラム(WAVES介入)の有効性を評価するクラスター無作為化試験を行った(英国国立健康研究所[NIHR]健康技術評価プログラムの助成による)。 研究センターから35マイル以内にあるウェストミッドランド州の州立小学校980校のうち200校を無作為に選出した。54校の登録を目標に、適格基準を満たした144校に試験への参加を依頼した。 参加校は、家庭と学校で、健康的な食事と身体活動を奨励する12ヵ月間の介入を行う群または介入を行わない対照群に、無作為に割り付けられた。介入の概要は以下のとおりであった。 1)学校での毎日30分間の付加的な身体活動(教室または校庭で、中等度~激しい活動を1回5分以上)、2)地元のアストン・ヴィラ・フットボール・クラブとの連携による、双方向的な技能に基づく6週間のプログラム(親や担任の支援の下で、身体活動に関する3つのセッションと健康的な食事に関する2つのセッション)への参加、3)学校以外での身体活動や、家庭で活動的に過ごすアイデアなどに関する情報誌を、児童と親に向け6ヵ月ごとに発送、4)学期ごとに、学校が開催する健康的な食事の調理技術に関するワークショップへの参加。 主要アウトカムは、15および30ヵ月後のBMIのzスコアであった。副次アウトカムには、そのほかの身体計測値、食事、身体活動、心理学的評価項目などが含まれた。より広範な支援を要する可能性 54校の児童1,392例が試験に参加した(介入群:26校、660例、対照群:28校、732例)。15ヵ月時には53校の1,249例(介入群:574例、対照群:675例)が、30ヵ月時には53校の1,145例(介入群:524例、対照群:621例)が解析の対象となった。 ベースラインの全体の平均年齢は6.3歳(SD 0.3)、男児が51.1%であった。平均BMI zスコアは、介入群が0.23(SD 1.2)、対照群は0.15(SD 1.2)であった。 ベースライン補正モデルでは、15ヵ月時の平均BMI zスコアの平均差は-0.075(95%信頼区間[CI]:-0.183~0.033、p=0.18)であり、両群間に有意差は認めなかった。また、30ヵ月時も、平均差は-0.027(95%CI:-0.137~0.083、p=0.63)であり、非有意のままであった。 副次アウトカムのすべての項目についても、介入の有害性を含め、統計学的に有意な差はみられなかった。 著者は、「多くの分野や環境を通じて、より広範な支援を取り込まなければ、学校という場では、この研究で導入した介入は小児の肥満の流行に影響を及ぼさない可能性がある」と指摘している。

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