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データ共有を宣言するも実が伴っていなかった(解説:折笠秀樹氏)-817

 データ共有の方針(Data sharing policy)をとると、他の研究者から依頼があれば著者は生データを提供しなければならない。BMJとPLOS Medicine誌は、早くからデータ共有を打ち出してきた臨床雑誌である。この方針が打ち出された以降(2013~16年)に出版された、37件のランダム化比較試験(RCT)を調査対象とした。これらの雑誌には臨床試験よりも観察研究が載りがちであるが、4年間でRCTが37件というのはちょっと少ないかと思われた。 電子メールで連絡をして依頼する方式が62%(BMJでは81%、PLOS Medicineでは38%)、データ検索用のプラットフォームなどが記載されているのが24%(BMJでは0%、PLOS Medicineでは56%)であり、両方で86%であった。雑誌自体がデータ共有方針を打ち出していることから、提供の手順もこのように明確に示されていた。それでは実態はどうだったのだろうか。調査対象である37件のRCTの著者にデータ提供を求めたところ、コード・ラベルなどが明記され解析に耐えられるデータセットが提供されたのは17件(17/37=46%)しかなかった。中にはデータの準備に対して、10万円程度の費用を請求するケースもあったようだ。データ提供方針とは口だけで、実が伴っていないことが浮き彫りになった。 次に、データ提供された17件に対して、データを再解析して結果の再現性を調べた。これについては、14件(82%)で再現性を確認した。つまり、それほど怪しげな解析を行っていたケースはなかった。 データ共有は捏造解析を暴くのが目的ではない。興味ある研究者に貴重なデータを提供し、別の角度から2次解析していただくのが主旨だと思う。昔は作った本人しか理解できないデータファイルが多かったが、最近はコードやラベルもファイル中に組み込まれていることが多い。車もカーシェアリングだが、データもデータシェアリングの時代なのだろうか。

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オシメルチニブ耐性後のMET増幅、NSCLCの予後を悪化?/Lung Cancer

 MET増幅はEGFR C797Sと並び、第3世代EGFR-TKIオシメルチニブの代表的な体制機構である。過去の研究では、オシメルチニブ耐性の30%前後にMET増幅がみられるとの報告もある。しかし、オシメルチニブ耐性後のMET増幅に関するコホート研究はほとんど行われていない。本研究では、進行肺腺がん患者におけるオシメルチニブ耐性後のMET増幅の獲得について、またMET増幅と臨床予後との関係について調査した。 中国・重慶の第3軍医大学Daping病院に登録された、T790M発現肺腺がん患者の中からオシメルチニブの耐性を獲得した13例のNCSLCコホートを後ろ向きに解析した。オシメルチニブ治療前と耐性獲得後の血漿および組織サンプルで縦断的にターゲット・キャプチャー・シーケンスを行った。また、潜在的な耐性機構を検討するため、オシメルチニブ耐性後のMET増幅と予後との関係をKaplan-Meier解析で調べた。 主な結果は以下のとおり。・MET増幅は、オシメルチニブ耐性患者の30.8%(13例中4例)に確認された。・MET増幅患者の無増悪生存期間(PFS)は3.5ヵ月、MET増幅陰性患者のPFSは9.9ヵ月であり、MET増幅患者で短かった(p=0.117)。・MET増幅患者の全生存期間(OS)は15.6ヵ月、MET増幅陰性患者のOSは30.7ヵ月であり、MET増幅患者で短かった(p=0.885)。・MET増幅患者2例において、MET阻害薬クリゾチニブと、第1世代EGFR-TKI icotinib、第3世代EGFR-TKIオシメルチニブとの併用治療をそれぞれ行った結果、両患者共に臨床的・放射線学的PRが得られた。■参考Wang Y, et al. Lung Cancer.2018;118:105-110.

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インフルエンザ感染後1週間以内は急性心筋梗塞が増える(解説:佐田政隆氏)-816

 特異度の高い検査でインフルエンザ感染が正確に確認された1万9,729人をフォローしたところ、感染1週間以内の急性心筋梗塞により入院する数が、それ以降の1年間に比較して、約6倍に増えるというカナダからの観察研究である。 動脈硬化プラークの進展と破綻の病態に、炎症が中心的な役割を担っていることが明らかになっている。インフルエンザ感染による急性炎症が、プラーク破裂とその後の血栓性閉塞の誘因になったと思われる。その原因としてはインフルエンザ感染とその後の強い炎症反応が、交感神経を活性化させ、凝固能を亢進させたり、内皮機能を低下させたり、血小板の活性化につながったのかもしれない。また、全身状態の悪化、飲水困難により、低酸素、脱水、低血圧などが冠動脈閉塞につながったのかもしれない。また、体調不良のため、スタチンやアスピリンを休薬してしまったことが発症につながった可能性もある。 しかし、ウイルスのサブタイプ別にみると、インフルエンザA型で5.17倍、インフルエンザB型で10.11倍、RSウイルスで3.51倍のリスク増加と違いがあり、ウイルス感染がプラーク破綻と閉塞の病態に何らかの生物学的影響をもたらしたことが考えられる。このような臨床データの科学的な根拠を明らかにするために、モデル動物を用いた基礎研究が望まれる。 いずれにせよ、インフルエンザ感染で自宅待機している時は、急性心筋梗塞の発症リスクが高いので、胸部症状などあったら、我慢せずに、救急車ですぐに医療機関を受診することが重要と思われる。

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双極性障害の補助治療オプションに関する情報のアップデート

 双極性障害は、複雑な疾患であり、その治療においては、しばしば併用療法が必要となる。近年、双極性障害の治療法は、著しい進歩を遂げている。臨床医が患者に情報を提供し、最適な結果が得られるよう治療を行うために、オーストラリア・メルボルン大学のOlivia M. Dean氏らは、現在の補助療法の治療選択肢に関する概要をまとめた。Bipolar disorders誌オンライン版2018年1月25日号の報告。 双極性障害の薬物療法、栄養補助食品、ホルモン療法、心理教育、対人関係-社会リズム療法、認知矯正療法、マインドフルネス、e-ヘルス、脳刺激療法に関する文献を、PubMedより検索した。これらの分野における関連文献は、さらなるレビューのために抽出した。なお、本研究は、補助療法の治療選択肢に関する記述レビューであり、システマティックレビューではない。 主な結果は以下のとおり。・数多くの薬物療法、心理療法、神経調整治療オプションが利用可能であった。・これらの治療は、さまざまな効果を有するが、いずれも双極性障害患者に有益であることが示された。・双極性障害治療は複雑なため、しばしば併用療法が必要であった。・伝統的な薬理学的および心理学的治療に対する補助療法は、早期症状緩和と完全な機能回復のギャップを埋めるために有効であることが証明されていた。 著者らは「双極性障害の治療において、単独療法では効果が不十分なことが多い点を考慮すると、併用療法は一般的な治療である。これに対応し、精神医学的研究では、双極性障害の基礎となる生物学を、より深く理解するための取り組みが行われている。そのため、治療選択肢は変化しており、補助療法は、患者のアウトカムを改善するための重要なツールとして認識されている」としている。■関連記事双極性障害、リチウムは最良の選択か双極性障害に抗うつ薬は使うべきでないのか双極性障害に対するアリピプラゾールの評価~メタ解析

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直腸に泡で留まる潰瘍性大腸炎治療薬

 2018年2月8日、EAファーマ株式会社とキッセイ薬品工業株式会社は、2017年12月に潰瘍性大腸炎治療薬 ブデソニド(商品名:レクタブル 2mg注腸フォーム)が発売されたことを機に潰瘍性大腸炎(以下「UC」と略す)に関するメディアフォーラムを開催した。 フォーラムでは、「進歩し続ける潰瘍性大腸炎(UC)治療~病態に応じた適切な治療法の確立に向けて~」をテーマに日比 紀文氏(北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター センター長)を講師に迎え、同症の治療の最前線が講演された。増加し続ける炎症性腸疾患の患者 原因不明かつ根本的な治療法がない炎症性腸疾患(IBD)は、わが国では年々患者数が増加傾向にあり、2014年度で22万人超の患者がいるとされる(医療受給者証・登録者証交付件数より算出)。そのうち約18万人がUCの患者であり、アメリカに次いで多い患者数だという。また、UCは、患者に幅広い年齢分布を持つ疾患であり、近年では高齢の患者が増加している。 UCは、粘血便、下痢、腹痛を主症状とし、大腸をスポットにした疾患であり、寛解と再燃を繰り返すのが特徴である。そのため治療では、速やかに炎症を抑える寛解導入と長期間安全に再燃・炎症抑制を行う寛解維持が行われる。潰瘍性大腸炎の治療のポイント UCの治療薬は、1995年まで炎症抑制のために副腎皮質ステロイドと5-アミノサリチル酸製剤(5-ASA)のサラゾスルファピリジン、メサラジンが使われ、寛解の維持には5-ASA製剤と免疫調節薬のメルカプトプリン(6MP)/アザチオプリン(AZA)が使われてきた。その後、治療薬の進歩もあり、現在では抗TNFα抗体、CsA/FK506、白血球除去療法、ブデソニド、抗α4β7抗体、JAK阻害薬が寛解導入に、抗TNFα抗体、抗α4β7抗体、JAK阻害薬が寛解維持に使用されるようになっている。これらは、患者の重症度に応じて選択されるが、「UCの基本的治療薬は現在も5-ASA製剤であり、錠剤や坐剤などに進化した同剤をいかに的確に使用するかが重要だ」と同氏は指摘する。 また、「UCでは、ステロイドの有効性を高め、副作用をいかに軽減するかがポイントになる」と語る。とくに直腸の炎症の有無が、便回数や血便などの症状に大きく関与することから、「ブデソニドのような局所へのステロイド投与は、治療効果を高めることができる」と同氏は説明する。同剤は、有効成分が泡状となり腸内に長時間滞留することで効果を発揮し、肝臓ですぐに代謝されることで全身の副作用の低減が期待されている。また、立位でも投与可能で、持ち運びも便利なことから、症状悪化時の患者のADL改善に寄与すると期待が持たれている。 次に、長期間の寛解維持のためチオプリン剤の有効性、安全性の向上について説明。アジア人では、骨髄抑制や脱毛などが欧米人と比較し、多いことが報告されているが、NUDT15遺伝子の異常チェックにより、ある程度の副作用予測はできると語った。ステロイド抵抗例、依存例への治療では 治療患者全体の30%に起こるステロイド抵抗例、依存例への治療については、インフリキシマブやアダリムマブなどの抗TNFα抗体、タクロリムス、白血球除去療法の3つの対策が示され、治療時のポイントが説明された。とくに抗TNFα抗体では、中止後の再燃と再燃時の再投与の問題について、中止後の再燃は1年で40%以下であること、再開後も70~90%で有効であることが示された。タクロリムスとの薬剤選択では、有効性も安全性もほぼ同等だが、抗TNFα抗体では保険適用や高い薬価が、タクロリムスでは副作用の問題もあることなども付言された。また、白血球除去療法では、有効性と安全性の報告が出てきつつあるが、治療法の煩雑さや効果で薬剤よりも弱い点があるなど課題も指摘された。 最後に日比氏は、「2017年に登場した抗TNFα抗体であるゴリムマブ、1日1回服用の5-ASA製剤メサラジン、そして、今回のブデソニド注腸フォームと日々治療薬は進歩し、来年には免疫細胞の接着・浸潤を抑制する新しい形の治療薬の市販も予定されている」と新薬を紹介した後で、「こうした治療薬の進歩で、寛解導入も維持も以前と比べて容易となり、患者は通常の生活を送れるようになりつつある。今後は、根本治療も視野に入れていきたい」と希望を語り、レクチャーを終えた。

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尿路感染へのトリメトプリムで突然死リスクは増えるのか/BMJ

 尿路感染症(UTI)に対するトリメトプリムの使用は、他の抗菌薬使用と比べて、急性腎障害(AKI)および高カリウム血症のリスクは大きいが、死亡リスクは高くないことが、英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のElizabeth Crellin氏らによるコホート研究の結果で示された。また、相対リスクの上昇は試験対象集団全体においては類似していたが、レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬およびカリウム保持性利尿薬を服用していた群ではベースラインのリスクが高いほど、AKIや高カリウム血症の絶対リスク上昇がみられたという。BMJ誌2018年2月9日号掲載の報告。一般集団を対象に、AKI、高K血症、死亡の発生を他の抗菌薬と比較 合成抗菌薬のコトリモキサゾール(ST合剤:スルファメトキサゾールとトリメトプリムの合剤)は、突然死のリスク増大と関連しており、そのリスク増大は血清カリウム値の上昇による可能性が報告されている。しかし先行研究は、対象が特定集団(RAS阻害薬服用患者など)であり、交絡因子(感染症のタイプや重症度)の可能性が排除できず、結果は限定的であった。また、トリメトプリムとST合剤のリスクが同程度のものなのかについても、明らかになっていなかった。 研究グループは、一般集団においてUTIに対するトリメトプリム使用が、AKI、高カリウム血症、あるいは突然死のリスクを増大するかを検証した。 英国のClinical Practice Research Datalinkに集積されているプライマリ受診者の電子カルテ記録を用い、Hospital Episode Statisticsデータベースからの入院記録データと関連付けて解析を行った。 対象は、1997年4月~2015年9月に、プライマリケアでUTIの診断後に最長で3日間、トリメトプリム、アモキシシリン、セファレキシン、シプロフロキサシン、またはnitrofurantoinのいずれかを処方されていた65歳以上の患者。UTIの抗菌薬治療14日間でのAKI、高カリウム血症、死亡の発生について評価した。RAS阻害薬とスピロノラクトンの使用群ではリスクが上昇 コホートには、65歳以上の患者119万1,905例が組み込まれた。このうち、17万8,238例がUTIの抗菌薬治療を1回以上受けており、UTIの抗菌薬治療エピソード総計42万2,514件が確認された。 抗菌薬投与開始後14日間のAKI発生のオッズ比(OR)は、アモキシシリン群との比較において、トリメトプリム群(補正後OR:1.72、95%信頼区間[CI]:1.31~2.24)およびシプロフロキサシン群(同:1.48、1.03~2.13)で高かった。 抗菌薬投与開始後14日間の高カリウム血症発生のORは、アモキシシリン群との比較において、トリメトプリム群(同:2.27、1.49~3.45)のみで高かった。 しかしながら、抗菌薬投与開始後14日間の死亡発生のORは、アモキシシリン群と比べてトリメトプリム群では高くなく、全集団における補正後ORは0.90(95%CI:0.76~1.07)であった。一方で、RAS阻害薬使用群における補正後ORは1.12(同:0.80~1.57)であった。 解析の結果、65歳以上で抗菌薬治療を受けた1,000UTIについて、RAS阻害薬使用の有無にかかわらず、アモキシシリンの代わりにトリメトプリムを用いた場合の高カリウム血症の追加症例は1~2例であり、AKIによる入院は2例であることが示唆された。一方で、RAS阻害薬およびスピロノラクトンの使用群では、アモキシシリンの代わりにトリメトプリムを用いた場合、高カリウム血症の追加症例は18例、AKIによる入院は11例であった。

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加齢黄斑変性への抗VEGF薬、長期投与は?

 米国・Retina Consultants of Orange CountyのSean D. Adrean氏らは、抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬をtreat-extend-stop(TES)法で50回以上投与された、滲出型加齢黄斑変性(AMD)患者の臨床転帰を後ろ向きに調査した。その結果、50回の注射後にはETDRS視力表で平均2行視力が改善し、平均追跡期間8年で最終調査時には3行以上改善していた眼の割合が35.2%であったことを報告した。著者は、「長期にわたるTES法での抗VEGF治療を要する患者は、視力の維持または改善が可能である」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2018年2月10日号掲載の報告。 研究グループは、民間の診療所において滲出型AMDと診断され、かつ抗VEGF薬の硝子体内注射を50回以上受けた患者について、ベースラインの視力(スネレン視力表を用いETDRSに変換)、年齢、追跡期間、抗VEGF薬の使用および治療間隔のデータを得た。これらのデータは、51回目の治療時および最終調査時に調べられた。治療中におけるAMDと関連のない視力喪失例は、除外された。 主要評価項目は、視力と合併症であった。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は71例67眼であった(患者の平均年齢83.0歳、女性58.2%、男性41.8%)。・ベースラインの平均視力は55.6文字であった。・51回目の治療日までの平均追跡期間は6.4年、最終調査日までの平均追跡期間は8年であった。・最終調査までの平均注射回数は63.7回であった。・51回目の治療の時点で平均治療間隔は5.4週、最終調査までの平均治療間隔は6.4週であった。・51回目の治療時の平均視力は65.3文字で、ベースラインから平均9.7文字の改善が認められた(p<0.001、対応のあるt検定)。・最終調査時の平均視力は64.3文字、ベースラインからの平均変化は8.7文字であった(p<0.001)。

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侍オンコロジスト奮闘記~Dr.白井 in USA~ 第54回

第54回:ペムブロ・化学療法併用の第III相試験KEYNOTE-189キーワード肺がんメラノーマペムブロリズマブ動画書き起こしはこちら<このビデオレターは侍オンコロジスト#52の続編です>FDAの認可というと面白いところはですね。カルボプラチン、ペメトレキセド、ペムブロリズマブ(という)、従来の抗がん剤と免疫チェックポイント阻害薬の併用がアメリカで認可になったという話をしたと思うんですけど、これ実はFull Approvalではなくて、Conditional Approvalという形になっています。それはなぜかというと、臨床試験の結果はポジティブに出たけど、これはRandomized PhaseIIの結果であったからですね。(そのよう中)今回、メルクからのプレスリリースで、PhaseIIIでも同じようにポジティブなったという報告がありました。実際の数字はまだ見ていないので、PhaseIIと同じくらいポジティブな…StageIVの肺がん患者さんに対してカルボプラチン、ペメトレキセド、ペムブロリズマブを使った群のProgression Freee Survivalは13ヵ月を超えるという結果が出たんですけれども…これに準ずるぐらい凄い結果が出るのか、ちょっと覗いてみたいですね。Merck社プレスリリースMerck’s KEYTRUDA(pembrolizumab) Significantly Improved Overall Survival and Progression-Free Survival as First-Line Treatment in Combination with Pemetrexed and Platinum Chemotherapy for Patients with Metastatic Nonsquamous Non-Small Cell Lung Cancer (KEYNOTE-189)ペムブロリズマブ、化学療法併用でNSCLC1次治療のOS延長(第III相KEYNOTE-189)Langer CJ, et al. Carboplatin and pemetrexed with or without pembrolizumab for advanced, non-squamous non-small-cell lung cancer: a randomised, phase 2 cohort of the open-label KEYNOTE-021 study. Lancet Oncol. 2016;17:1497-1508.

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011)国試会場での思い出【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第11回 国試会場での思い出しがない皮膚科勤務医デルぽんです☆今年から2日間になった医師国家試験。今年の傾向など詳しいことは把握していませんが、自分のときの(遠いおぼろげな)記憶を辿りつつ、今回は試験会場での思い出を漫画にしました!デルぽんは、県外からの遠征だったため、会場近くに宿をとっての受験となった訳ですが。ほんとうに消耗し、脳が溶け出るかと思われた、あの3日間!もはや過去すぎて細かいことは忘れましたが、思い出すのはしょうもないエピソードばかり・・・です。とくに、試験前夜に某バラエティ番組の収録会場を路上で見かけたことと、試験3日目の最終試験終了後に、後ろの席の男子が隣の女子をナンパしていたことが印象に残っています。(いずれも試験関係なし)男というものは、いかなる状況でもナンパを止めない生き物なのでしょうか・・・。念のために補足すると、デルぽんは「女医」ですよ。フフフ(よく勘違いされる)。国試の3日間しんどかったですけど、不思議と楽しかったような記憶にすり替えられつつある試験の思い出でした~!(専門医試験のほうがもっと暗黒でした☆)では、また次回! バーイ☆

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アイザックス症候群〔Isaacs syndrome〕

1 疾患概要■ 概念・定義アイザックス症候群は、1961年にIsaacsが、後天性に全身の筋硬直と筋電図で持続する運動単位電位の自発放電を特徴とする2例を報告したのが最初である1)。その病態機序は末梢神経の過剰興奮であり、その病態は自己抗体による自己免疫性疾患である。症状が筋疾患であるミオトニア症候群に似ているが、病変部位が末梢神経であるため、後天性ニューロミオトニア(acquired neuromyotonia)とも呼ばれている2)。■ 疫学詳細な疫学の報告はない。海外では発症年齢の多くが40歳半ば、男女比は2:1で男性に多く、診断までに3~4年を要している2)。わが国での1次調査では、全国に100例前後の患者がいると思われる。■ 病因病態である末梢神経の過剰興奮を引き起こす病因は、末梢神経の電位依存性Kチャネル(VGKC)および、VGKCに関連する蛋白に対する自己抗体であることが明らかになっている1,3)。VGKCは、末梢神経の脱分極後に再分極を起こし、膜の興奮性を安定させるイオンチャネルであり、その障害で興奮性が増加して症状を引き起こす。末梢神経には血液神経関門があり、通常血中の自己抗体は軸索のVGKCにはアクセスできないが、末梢神経の神経根および最末梢の神経終末では血液神経関門が脆弱であり、このような部位が標的となっていると考えられる4,5)。以上のように、概念的にはランバート・イートン症候群などのように免疫介在性チャネロパチーの1つといえる。■ 症状臨床的には全身の末梢運動神経の過剰興奮により、広汎に有痛性筋けいれん・筋硬直と筋のぴくつき(fasciculation)や筋の波打つような不随意運動(myokymia)などを主徴とし、全例で認められる。また、ニューロミオトニア(繰り返す把握運動後の弛緩障害[grip myotonia]はあるが、叩打ミオトニア[percussion myotonia]がない)は、本症に比較的特異な症状で約1/3に認められる2,4)。筋けいれん、筋硬直は睡眠時も起こり、運動負荷、寒冷、虚血で増強する。持続性の筋けいれんは筋肥大を来すことがある。そのほか、発汗過多、下痢、皮膚色調の変化、原因不明の高体温などの自律神経症状を30~50%の症例で伴う4)。約半数の症例で異常感覚や複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome)に類似の疼痛などの感覚障害を伴うことがまれではなく、当初は筋けいれんに伴うものと考えられていたが、筋けいれんの発症前に感覚異常で発症する症例の報告もあり、現在は感覚異常とくに疼痛も重要な症状の1つと考えられている6)。そのほか、Hartら2)によると約1/4の症例で何らかの中枢神経症状を有している。末梢運動神経の症状である筋けいれん・筋硬直やニューロミオトニアと記銘力障害、不眠、睡眠障害、幻覚などの大脳辺縁系症状や多彩な自律神経症状を伴うMorvan症候群が知られていたが、この疾患でアイザックス症候群と共通の抗VGKC抗体がその原因であることが明らかになっている3)。■ 分類臨床的にニューロミオトニアを呈する疾患には、先天性と後天性があり、さらに後天性の原因にもさまざまなものがある7)。この中で自己抗体が関与する後天性かつ免疫介在性のニューロミオトニアには、全身性にみられるアイザックス症候群のほかに、主に下肢に限局するcramp-fasciculation syndrome、中枢神経症状を伴うMorvan症候群などがある。■ 予後自然寛解はまれであり、多くは症状が緩徐に進行し、全身の筋硬直、歩行困難などでADLが障害される。注意すべきは、本症は傍腫瘍性症候群の一面も持っており、胸腺腫や肺がんの合併が報告されている8)。しかし、これらの腫瘍の外科的切除による症状の改善は一定ではない。通常は後療法として、免疫療法や対症療法が必要な場合がある。一方、このような悪性腫瘍の合併が明らかではない場合も、4年後にがん病変が発見された症例の報告もあり、十分な経過観察が必要である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)診断は上記の特徴的な症状と、以下の検査所見でなされる。末梢神経の過剰興奮性の有無を診断するには、神経生理学的検査が必要である。針筋電図でmyokymic dischargesが特徴的であり、安静時や弱収縮時に同じ運動単位電位の反復発火(doublet、multiplet)としてみられる。発火頻度が高くなるとneuromyotonic dischargesがみられることもある1,4,7)。体幹などの深部筋では筋電図によるこれらの異常放電を捉えることは困難であるが、そのような場合には超音波検査で筋の不随意運動を観察して診断する。特異度の高い検査は血清中の抗VGKC関連抗体であり、臨床症状と本抗体が陽性であれば診断はほぼ確定する。当初VGKC自体に対する抗体そのものがアイザックス症候群の病因と考えられていたが、その陽性率は50%以下であった。その後の研究でVGKCはいくつかの分子と複合体を形成し、抗体が認識しているのはVGKC以外の分子が主であることが明らかとなった2)。これらの分子の中で最も頻度の高いものは、contactin-associated protein2(Caspr2)とleucine-rich glioma-inactivated protein1(Lgi1)である2,9)。Lgi1の発現は末梢では少ないので、アイザックス症候群ではCaspr2に対する抗体が主となる。しかし、これらの自己抗体の陽性率も必ずしも高くない。なお、抗VGKC抗体は低力価の場合は臨床症状との関連でその意味を考える必要がある。また、抗VGKC抗体は鹿児島大学神経病講座で測定しているが、Caspr2に対する抗体は、わが国ではルーチンに測定しているところはなく、診断には臨床症状と筋電図を用いることが多い。そのほかに自己免疫疾患としての側面から、重症筋無力症、胸腺腫、橋本病などさまざまな自己免疫疾患を合併する。とくに重症筋無力症との合併が多い。抗VGKC抗体以外の自己抗体として抗アセチルコリン受容体抗体(抗AChR抗体)、抗核抗体、抗GAD抗体の陽性率が高い。また、自己免疫疾患であるからには免疫療法で症状の改善をみることも重要であり、これらの点を考慮して次表のような診断基準が出されている。表 アイザックス症候群の診断基準A.主要症状・所見1.ニューロミオトニア(末梢神経由来のミオトニア現象で、臨床的には把握ミオトニアはあるが、叩打ミオトニアを認めないもの)、睡眠時も持続する四肢・躯幹の持続性筋けいれんまたは筋硬直(必須)2.myokymic discharges、neuromyotonic dischargesなど筋電図で末梢神経の過剰興奮を示す所見3.抗VGKC複合体抗体が陽性(72pM以上)4.ステロイド療法やそのほかの免疫療法、血漿交換などで症状の軽減が認められるB.支持症状・所見1.発汗過多2.四肢の痛み・異常感覚3.胸腺腫の存在4.皮膚色調の変化5.そのほかの自己抗体の存在(抗アセチルコリン受容体抗体、抗核抗体、抗甲状腺抗体)C.鑑別診断以下の疾患を鑑別するスティッフパーソン症候群や筋原性のミオトニア症候群、糖原病V型(McArdle病)などを筋電図で除外する<診断のカテゴリー>Definite:Aのうちすべてを満たし、Cの鑑別すべき疾患を除外したものProbable:Aのうち1に加えて、そのほか2項目以上を満たし、Cの鑑別すべき疾患を除外したものPossible:Aのうち1を満たし、Bのうち1項目以上<診断のポイント>自己免疫的機序で、末梢神経の過剰興奮による運動単位電位(MUP)の自動反復発火が起こり、持続性筋収縮に起因する筋けいれんや筋硬直が起こる。末梢神経起源なので叩打ミオトニアは生じないが、把握ミオトニア様にみえる手指の開排制限は起こりうる。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)アイザックス症候群の治療の主体は、日常生活にさほど影響がないほどの軽症であれば、末梢神経の過剰興奮性を抑制する薬剤(カルバマゼピン[商品名:テグレトール]、フェニトイン[同:アレビアチン、ヒダントール]、ラモトリギン[同:ラミクタール]、バルプロ酸ナトリウム[同:デパケン]、ガバペンチン[同:ガバペン]など)による対症療法が原則である。この中でAhmedら7)はカルバマゼピンを第1選択としている。症状が強くなるに従い、1種類の薬剤でのコントロールが困難なことが多く、血中濃度や副作用に注意しつつ、数種類の抗てんかん薬を用いることが多い。さらに症状が重篤であり、これらの対症療法が無効な症例、激しい有痛性筋けいれんなどにより日常生活に重大な支障が起こる症例では、血漿浄化療法、免疫グロブリン療法、プレドニゾロン(同:プレドニゾロン、プレドニン)などの免疫療法が試みられる。とくに抗体強陽性例では、免疫吸着療法を含む血漿浄化療法が有効であるとの報告が多く、治療で臨床症状の改善とともに筋電図上の異常放電の減少や抗VGKC抗体の抗体価の低下がみられる7)。経験的には血漿浄化療法の効果は重症筋無力症ほど急速にはみられず、1~2週間程経って徐々に効果がみられることが多く、十分な経過観察が必要である。免疫グロブリン大量療法には有効・無効の両者の報告がある。また、プレドニゾロン単独での効果は明らかではないが、メチルプレドニゾロン(同:メドロール)によるパルス療法が有効な場合もある。しかし、いずれの免疫療法を行った場合も、抗てんかん薬などの併用が必要である。4 今後の展望まずは、簡便で高感度な抗VGKC抗体およびその関連分子(Caspr2)に対する抗体の測定法の確立である。また、VGKC、Caspr2以外のVGKC関連蛋白などの抗原検索も必要である。治療としては、より簡便で副作用の少ない免疫療法の開発が必要であるが、症例数が少ないために有効な治療法の評価ができにくいことが問題である。5 主たる診療科神経内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)が2015年1月1日に施行された。これにより指定難病が一気に拡大され、アイザックス症候群も同年7月に指定された。現在では、重症例は医療費補助の対象となっている。診療、研究に関する情報難病情報センター アイザックス症候群(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)鹿児島大学神経病講座 抗VGKC複合体抗体の測定(医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報りんごの会(アイザックス症候群患者とその家族の会)1)Arimura K, et al. Muscle Nerve.2002;11:S55-58.2)Hart IK, et al. Brain.2002;125:1887-1895.3)Irani SR, et al. Brain.2010;133:2734-2748.4)Arimura K, et al. Brain Nerve.2010;62:401-410.5)Arimura K, et al. Clin Neurophysiol.2005;116:1835-1839.6)Klein CJ, et al. JAMA Neurol.2013;70:229-234.7)Ahmed A, et al. Muscle Nerve.2015;52:5-12.8)Tan KM, et al. Neurology.2008;70:1883-1890.9)Watanabe O. Brain Nerve.2013;65:401-411.公開履歴初回2018年02月27日

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「1日でも長く生きたい…」ある乳がん患者の想い

第6回日本HBOCコンソーシアム学術総会 市民公開講座のシンポジウムにパネリストとして参加した塩崎 良子氏に乳がん治療に対する想いと今後について話を伺った。 まず家族歴などの背景と乳がん診断までのプロセスについて教えてください。親族の中で乳がんになったのは祖母だけですが、それ以外の親族も40代でがんを発症するケースが多く、いわゆる「がん家系」であると漠然と思っていました。ただ、遺伝子についてとくに意識したことはなく、食生活など生活習慣に原因があるのかなと思っていました。私自身が乳がんの診断を受けたのは4年前、33歳の時です。リンパ節にも転移が認められ、サブタイプ分類はトリプルネガティブでした。その後どのような診療プロセスを経ましたか?2種類の抗がん剤治療を行いましたが、2つ目の抗がん剤の効果が不十分だったため、化学療法を中止し、右胸の全摘手術を行いました。そこで、いったん治療は終了し、経過観察となりましたが、無治療の状態に不安を感じ、1日でも長く生きるために何かできることはないかと自分で治験情報を探していました。その中でPARP阻害薬の情報を見つけ、主治医に依頼して治験を実施している聖路加国際病院への紹介状を書いてもらいました。治験に参加するために遺伝子検査を行ったところ、検査結果はBRCA遺伝子変異陰性だったので、治験には参加できず、放射線治療を行った後、再び経過観察となりました。遺伝子検査の結果を聞いてどのように思いましたか?その時は何か治療をしたいという気持ちだったので、治験に参加できないことにがっかりしました。乳がん診断当時は、乱れた生活習慣のせいではないかと自分を責めたこともあり、がんの原因が遺伝子にあるのなら自分を責める気持ちも軽くなったのにと考えたこともあります。もしかすると、BRCA遺伝子以外の変異があるのかもしれません。ただ、改めて考えてみるとBRCA遺伝子変異陽性でも陰性でも良いことも悪いこともあり、どちらの場合もできることをやるだけだと思い直しました。現在はどのような生活を送られていますか?今は経過観察中ですが、骨が痛むと骨転移を、記憶力の低下を感じると脳転移を疑うなど、転移に対する不安は常にあります。ただ、時間が経つにつれて徐々に不安との付き合い方がわかってきました。また、治験への参加を希望していたPARP阻害薬オラパリブが卵巣がんに対して承認を取得したことはとても前向きなニュースで、未来への希望を与えてくれました。現在は、自ら立ち上げたケア・介護用品事業を軌道に乗せるために忙しい日々を送っています。どのような経緯で事業を立ち上げられたのでしょうか?もともとおしゃれが大好きで、がんになる前はアパレル業を営んでいました。がん発症後は、自分を取り巻く環境や外見の変化に戸惑い、ときには将来への不安や死への恐怖に襲われ、自分自身についても見つめなおす日々が続きました。そんな中、主治医から、乳がん患者が登壇するファッションショー開催の勧めがありました。ショー開催にあたっては色々な不安がありましたが、ランウェイで堂々と歩くがん患者の女性たちの姿に、表面的ではない真の美しさを見た気がしました。そこから「自分が本当にやりたいことは何か?」を模索する中で、既存のケア・介護用品は、ワンパターンでいかにも病人といったデザインが多いことに気付きました。闘病中でも自分らしく輝いて生きていくためのお手伝いをしたいと考え、おしゃれなケア・介護用品ファッションブランド「KISS MY LIFE」を立ち上げました。また病院内でも買い物を楽しむ事ができ、コミュニティーの場所にもなる、院内店舗やワゴンショップの運営事業もあわせて行っています。最後にHBOCを診療する先生へメッセージをお願いします。治療中の患者にとって、主治医はとても大きな存在のため、治験のために転院したいと申し出ることはとても勇気が必要でした。お世話になっている先生の元から自ら離れることは寂しく、葛藤もありました。やりとりを重ね、最終的には転院をすることになりましたが、そのハードルが下がるといいなという気持ちがあります。また、病院の外来はいつもとても混んでいて、多くの患者さんが順番を待っている中で聞きたいことをなかなか聞けなかった経験があるので、気軽に質問したり、不安なことを相談できるような窓口があるといいなと思います。【インタビューを終えて】朗らかで柔らかい雰囲気を持つ塩崎さんだが、言葉の端々に「1日でも長く生きるためにできることは何でもする」という命への強い思いを感じた。機能性が重視されがちな闘病生活に、輝きや美しさといった新しい概念を持ち込んだのは、アパレル業と闘病生活の両方を経験した塩崎さんならではの視点によるものである。今回のインタビューを通じて、自分の強みを生かしてほかの人の役に立ちたいと行動する塩崎さんの前向きな姿勢に勇気づけられた。■参考リンクTOKIMEKU JAPAN

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てんかん患者の傷害・事故リスクに関するコホート研究

 てんかんの診断を新規に受けた患者における、合併症関連の傷害・事故リスクについて、スウェーデン・カロリンスカ研究所のBenno Mahler氏らが検討を行った。Neurology誌オンライン版2018年1月31日号の報告。 対象はストックホルム北部のてんかん患者で、2001年9月~2008年8月に非誘発性発作を起こした2,130例。すべてのてんかん患者につき、集水域の人口から性別および包含年に一致した8個体をランダムに抽出し、対照群(16,992例)とした。傷害・事故の発生は、スウェーデン患者レジストリおよび死亡原因レジストリの2013年12月までのデータより収集した。また、これらのレジストリから、併存疾患(脳腫瘍、脳卒中、精神医学的疾患、糖尿病など)に関する情報も収集した。 主な結果は以下のとおり。・傷害・事故は、てんかん患者1,033例、対照群6,202例において認められた(HR:1.71、95%CI:1.60~1.83)。・てんかんの診断から最初の2年間におけるリスクが高かった。・性別および教育状況は、ハザード比に有意な影響を及ぼさなかった。・そのリスクは、小児では正常であったが、成人では増加した。・溺水、中毒、服薬による有害事象、重篤な外傷性脳損傷で、ハザード比が最も高かった。・併存疾患のない対照群と比較したハザード比は、併存疾患のないてんかん患者1.17(95%CI:1.07~1.28)、併存疾患のある対照群4.52(95%CI:4.18~4.88)、併存疾患のあるてんかん患者7.15(95%CI:6.49~7.87)であった。 著者らは「新規てんかん患者において、傷害・事故リスクに関するカウンセリングを行う際には、併存疾患の有無を考慮する必要がある。てんかん診断から最初の2年間のリスクが最も高いため、早期の情報提供が重要である」としている。■関連記事てんかんドライバーの事故率は本当に高いのか寛解後、抗てんかん薬はすぐに中止すべきかADHDの小児および青年における意図しない怪我のリスクとADHD薬の影響

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第1回稲門医学会学術集会を開催

 2018年1月28日、早稲田大学校友の医療者で組織する稲門医師会が新たに立ち上げた稲門医学会*は、早稲田大学で初めての学術集会を開催した。当日は、全国より医療関係者が多数参集。基礎医学、臨床医学、社会医学など幅広い分野にわたり、シンポジウムや口演が開催された。*稲門医師会は2016年に設立された早稲田大学公認の校友会。早稲田大学校友(中退含む)で、医師・歯科医師・看護師・薬剤師のいずれかの資格者と学生で構成(2017年7月現在で会員数345名)。会員同士の親睦・交流に留まらず、医療に関する社会への情報発信、健康分野における研究・教育面で大学との連携、地域稲門会・学生・校友との連携など、さまざまな観点からの活動の展開を目標としている。次代の医師に必要な力とは? 学術集会では3題の基調講演が行われ、初めに「これからの医師に求められること(日本・アジアでの在宅医療・遠隔医療・ICTシステムの開発の経験から)」をテーマに武藤 真祐氏(鉄祐会 祐ホームクリニック理事長 )が、医師が今後おかれる環境について語った。 武藤氏は、循環器内科の臨床家としての顔だけでなく、過去に医療系コンサルタントとして活躍した経歴を持つ臨床医である。2010年より在宅医療を提供するクリニックを運営し、東日本大震災の直後には、甚大な被害のあった石巻の医療の空白を埋めるべく、祐ホームクリニック 石巻を立ち上げ、医療・生活支援を現在も行っている。 こうした在宅診療所の成功の裏には、医師が診療に集中できるための仕組み作りが欠かせないと語る。たとえば、ICTを活用したハードウェアの導入、メディカルクラークによる医師負担の軽減がある。そして、在宅医療を行って感じた課題として、「医療へのアクセス」「患者の理解度のばらつき」「患者のアドヒアランス」があると指摘。これらを解決する手段としてICTの活用は欠かせないと提案した。また、今後、本格的に導入されると思われる医師と患者の遠隔診療について「YaDoc」を開発し、現在、福岡で従来の対面診療の補完として試行をしていると紹介。今後こうしたシステムが、日本型の地域包括ケアの一形態となり、患者を見守る仕組みとして普及していくと展望を述べた。 武藤氏は最後に、「医師が、今後増え続ける膨大な医療情報を覚え理解することは不可能に近い。そこで、これからの医師には『人間力が必要だ』」と語る。「たとえば、『患者に寄り添う力』は人工知能(AI)にはできないことであり、次代の医師にはこうした力をつけて欲しい」と述べ、講演を終えた。2035年の日本の医療の姿 次に「医療の将来と医師の働き方」をテーマに渋谷 健司氏(東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教授)が、2015年に厚生労働省が発表した「保健医療2035」を題材に、医療のこれからの在り方と医師の働き方改革への提言を行った。 高齢化が進む日本で、高齢者の平均寿命の延びに伴い、健康寿命の延伸も政府の目標となっているが、国内では地域により寿命格差がすでに生じていると指摘する。こうした環境の中で、保健や医療は患者個々の要求に合わせる時代へと入り、今までのトップダウン型からボトムアップ型への体制変革が求められていると、新しい保健医療制度の必要性を強調した。 そして、新しい制度の概念として、医療経済では規制の強化と市場原理の導入という相反する考え方のバランスを考慮すること、健康が当たり前の社会となるように予防医学などにも力を入れることなど具体策を提案した。 また、医師の働き方については、現在の行政の問題設定に苦言を呈し、「まず実態を把握し、それに基づいた問題設定をしないと解決は難しく、医師不足だから増員や強制配置では解決にならない」と渋谷氏は指摘した。たとえば医師の偏在であれば、「各地域で必要とされる機能を確認し、配置を考えないといけない」と提案を行い、講演を終えた。かかりつけ医が患者を支える地域医療へ向けて 最後に「地域医療体制の再構築に向けて」をテーマに横倉 義武氏(日本医師会会長、世界医師会会長)が、医師会の役割と今後の展望、そして地域医療の将来を語った。 医師会は学術団体であり、会員は常に倫理・品性の確立と医療知識の習得、技術の向上を図っている。地域の医師会では、行政協力も盛んであり、まさに住民の健康を支えていると医師会の役割について述べた。また、世界医師会は、患者や医師にとって重要なステートメントである「リスボン宣言(患者の権利)」や「ヘルシンキ宣言(医の倫理)」などを発し、世界の医療の向上に貢献をしていると説明した。 次いで、今後の地域医療について解説し、高齢化社会の現在、持続可能な社会保障のための提言と解決策として、外来では「かかりつけ医」を主体に適切な受診行動や地域包括ケアができること、コスト意識を持った処方をガイドラインへの掲載を通じて行うこと、長期処方の是正はかかりつけ医の服薬管理で行うことなどの提案を行った。また、高齢化社会における医療提供体制の構築については、地域医療構想調整会議を経て計画・調整されつつあり、2025年の医療需要に焦点をあて策定されると説明した。そのほか、切れ目のない医療・介護の提供のため、かかりつけ医を中心とした仕組み作りを推進。地域の医療・介護資源に応じた対応を、行政、専門医療機関、多職種間の連携により実施していきたいと展望を語った。 横倉氏は最後に、「より良い医療を国民と医師とで考えながら、今後も医療全体の向上に寄与していきたい。また、昨年、医師会の設立記念日の11月1日を『いい医療の日』と制定した。今後もいい医療の提供にまい進していきたい」と語り、講演を終えた。■参考稲門医学会

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非転移性去勢抵抗性前立腺がん、アパルタミドがMFS延長/NEJM

 アンドロゲン受容体の競合的阻害薬apalutamideは、高リスクの非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者の転移および死亡のリスクを改善し、無転移生存期間(MFS)を延長することが、米国・マサチューセッツ総合病院がんセンターのMatthew R. Smith氏らが行ったSPARTAN試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年2月8日号に掲載された。apalutamideは、開発中の非ステロイド性抗アンドロゲン薬で、病勢進行リスクの高い非転移性去勢抵抗性前立腺がんの第II相試験において、良好な前立腺特異抗原(PSA)奏効期間が報告されている。アンドロゲン遮断療法との併用の効果をプラセボと比較 SPARTAN試験は、高リスクの非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者の治療における、apalutamideの有用性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化第III相比較試験である(Janssen Research and Development社の助成による)。 対象は、年齢18歳以上で、転移のリスクが高い去勢抵抗性前立腺がんの男性患者であった。持続的アンドロゲン遮断療法(両側除睾術またはGnRHアゴニスト/GnRHアンタゴニストによる治療)を施行中のPSA倍加時間が10ヵ月以内の場合に、転移リスクが高いと定義した。 被験者は、apalutamide(240mg/日)またはプラセボを経口投与する群に、2対1の割合でランダムに割り付けられた。治療は、プロトコールで規定された病勢進行、有害事象、同意撤回が発生するまで行った。全例が、アンドロゲン遮断療法を継続した。 主要エンドポイントは、MFS(ランダム割り付け時から画像上での遠隔転移の初回検出または死亡までの期間)とした。 2013年10月14日~2016年12月15日の期間に、日本を含む26ヵ国332施設に1,207例が登録され、apalutamide群に806例、プラセボ群には401例が割り付けられた。全体のフォローアップ期間中央値は20.3ヵ月であった。転移・死亡のリスクが72%低下、MFSは2年以上延長 ベースラインの年齢中央値は、apalutamide群が74歳(範囲:48~94)、プラセボ群も74歳(52~97)であり、初回診断から割り付けまでの期間中央値はそれぞれ7.95年、7.85年、PSA倍加時間中央値は4.40ヵ月、4.50ヵ月であった。 MFS中央値はapalutamide群が40.5ヵ月と、プラセボ群の16.2ヵ月に比べ有意に延長した(ハザード比[HR]:0.28、95%信頼区間[CI]:0.23~0.35、p<0.001)。事前に規定されたサブグループのすべてで、MFS中央値はapalutamide群のほうが良好だった。 副次エンドポイントのうち、転移までの期間中央値(40.5 vs.16.6ヵ月、HR:0.27、95%CI:0.22~0.34、p<0.001)、無増悪生存期間中央値(40.5 vs.14.7、0.29、0.24~0.36、<0.001)、症状が進行するまでの期間中央値(未到達vs.未到達、0.45、0.32~0.63、<0.001)は、いずれもapalutamide群が有意に優れた。全生存期間中央値(未到達vs.39.0ヵ月、HR:0.70、95%CI:0.47~1.04、p=0.07)には有意な差はなかった。 探索的エンドポイントでは、2次無増悪生存期間中央値(未到達vs.39.0ヵ月、HR:0.49、95%CI:0.36~0.66)と、PSA増悪までの期間中央値(未到達vs.3.7ヵ月、0.06、0.05~0.08)が、apalutamide群で有意に良好だった。 有害事象により治療が中止された患者の割合は、apalutamide群が10.6%、プラセボ群は7.0%であり、重篤な有害事象の発現率はそれぞれ24.8%、23.1%であった。apalutamide群で頻度の高い有害事象として、皮疹(23.8% vs.5.5%)、甲状腺機能低下症(8.1% vs.2.0%)、骨折(11.7% vs.6.5%)が認められた。 著者は、「副次および探索的エンドポイントの一貫した改善は、主要エンドポイントの知見の正確性を裏付けるものである」としている。

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第6回HBOCコンソーシアム学術総会レポート 後編

本年(2018年)1月21日(日)、第6回日本HBOCコンソーシアム学術総会(会長:山内 英子氏/聖路加国際病院副院長)が、「実戦! THE NEXT STEP HBOC診療」をテーマに、聖路加国際大学で開催された。今回は、後編として、シンポジウム2「リスク低減手術」、同3「サーベイランス」、同4「前立腺がん」の概要を紹介する。リスク低減手術…RRSOとRRMリスク低減卵巣卵管切除術(RRSO)について野村 秀高氏(がん研究会有明病院)、塩田 恭子氏(聖路加国際病院)が、リスク低減乳房切除術(RRM)については山内 清明氏(北野病院)、吉田 敦氏(聖路加国際病院)が、それぞれ発表した。野村氏は、自施設にてRRSOを施行した55例を報告した。同氏によると、オカルトがんおよびSTIC(漿液性卵管上皮内がん)はMRIを含む術前検査でも指摘できず、p53シグネチャーを含めて病理学的に異常を認めた症例はすべて50歳以上であり、無症状の進行卵巣がんも経験したという。塩田氏は、BRCA1/2変異保因者の卵巣がんの発症リスクおよびRRSOのベネフィットとリスクについて概説し、卵巣がんのリスク低減エビデンスが確立しているのはRRSOのみだが、RRSO後の腹膜がんの増加などの問題があるため、術後のフォローアップが必要だと述べた。山内氏は、より高い整容性とより少ない残存乳腺組織量を目指したRRMの解剖学的な至適切除範囲を考察した。また、HBOC診療のnext stepとして、薬物、ゲノム改編治療の可能性について期待を示し、臨床試験やさらなる技術革新の必要性を強調した。吉田氏からは、BRCA遺伝子変異陽性例へのRRMの施行状況が紹介され、整容、残存リスク、患者の意思決定などの問題点が提示された。そして、患者自身による選択を導き出すためには、患者の理解力や経済的な状況なども考慮し、十分なコミュニケーションをとることが重要であると言及した。サーベイランス…乳房MRI、卵巣がん、Li-Fraumeni症候群HBOCやほかの遺伝性腫瘍のサーベイランスについて、戸崎 光宏氏(相良病院附属ブレストセンター)、秋谷 文氏(聖路加国際病院)、舩戸 道徳氏(長良医療センター)らが発表し、討論がなされた。その中で、課題として、NCCNガイドラインで推奨されているMRIによるサーベイランスがあまり知られていないこと、それを実施できる施設・人材が限られていること、経済的負担、患者・家族の精神的な負担などが挙げられた。前立腺がん…HBOCとの関連従来、前立腺がんとBRCA遺伝子に関連はないとされてきたが、最近になって、その関連を示唆するデータが報告され注目を集めている。この点に関し、前立腺がん専門医の立場からみたHBOCについて、新保 正貴氏(聖路加国際病院)と大家 基嗣氏(慶應義塾大学)が発表した。新保氏は、家族歴および原因遺伝子からみたHBOCと前立腺がんの関連について概説した。現在のところ、HBOCと強く関連する前立腺がんの頻度は、前立腺がん全体の中ではおそらく1%程度ではないかと予想されるが、実際にBRCA1/2遺伝子変異例も見つかるため、HBOCと診断された家族へは前立腺がんの注意喚起をすべきだとした。また、同氏は、「今後は、前立腺がんを発端としてHBOCの可能性を疑っていくというアプローチも必要かもしれない」と述べた。大家氏は『遺伝性乳卵巣症候群(HBOC)診療の手引き2017年版』への執筆を依頼された時、初めてHBOCに注目したという。BRCA1/2遺伝子変異保因者は、通常より若い40歳でのPSA検査と、より低いPSA値(3.0ng/mL以上)での生検が推奨される。BRCA1/2変異を原因とした前立腺がん発症は、人種差が大きく罹患率と死亡率を一般化することが難しいため、全国的な調査が必要だという。また、BRCA1/2遺伝子変異陽性の転移性前立腺がんでは、今後、PARP阻害薬(未承認)が有効となる可能性がある。コメント…医師の視点から(ケアネットCMO 宮本 研)HBOCは乳腺外科や婦人科の疾患と考えがちであるが、今回の学術総会を聴講し、泌尿器科や消化器内科・外科、小児科も連携すべき遺伝性疾患と再認識した。患者のみならず親族のBRCA1/2遺伝子変異が確認されたり、疑われたとき、かかりつけ医も最新の知識に基づき発症予防策を提案すべきだ。世代を超えた家族歴の聴取が改めて重要視されるだろう。

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高齢者に不向きな抗うつ薬の使用とその後の認知症リスクとの関連

 効果に比べ有害事象のリスクが高い薬剤は高齢者に向いているといえず、これらの薬剤はPIM(Potentially Inappropriate Medication)と呼ばれている。一部の抗うつ薬はPIMであると考えられるが、抗うつ薬とその後の認知症との関連については、これまでの研究で明らかになっていない。ドイツ・ボン大学のKathrin Heser氏らは、抗うつ薬(とくにPriscusリスト[ドイツ版のビアーズリスト]でPIMとみなされている抗うつ薬)の服用が、認知症発症を予測するかについて検討を行った。Journal of affective disorders誌2018年1月15日号の報告。 非認知症のプライマリケア患者3,239例(平均年齢:79.62歳)におけるプロスペクティブコホート研究のデータを用いて、Cox比例ハザードモデルの計算を行った。12年間で8回以上のフォローアップにおけるその後の認知症リスクは、抗うつ薬服用および共変量に応じて推定した。 主な結果は以下のとおり。・抗うつ薬服用は、その後の認知症リスク増加と関連が認められた(HR:1.53、95%CI:1.16~2.02、p=0.003[年齢、性別、教育で調整後])。・年齢、性別、教育、うつ症状で調整したモデルにおいて、PIMとみなされている抗うつ薬は、その後の認知症リスク増加と関連が認められた(HR:1.49、95%CI:1.06~2.10、p=0.021)。一方、その他の抗うつ薬は、関連が認められなかった(HR:1.04、95%CI:0.66~1.66、p=0.863)。・ベースライン時に全体的な認知機能がコントロールされた場合、有意な関連は消失した。 著者らは「選択バイアスや自己報告による薬物評価など、方法論的な限界が本結果に影響を及ぼした可能性がある」としながらも、「PIMとみなされる抗うつ薬だけが、その後の認知症リスク増加と関連していた。これは、抗コリン作用が、原因の可能性がある。そして、この関連は、ベースライン時の全体的な認知機能を統計学的にコントロールした後に消失した。そのため、医師は可能な限り、高齢者へのPIMとみなされる抗うつ薬使用を避けるべきである」としている。■関連記事注意が必要、高齢者への抗コリン作用抗コリン薬は高齢者の認知機能に悪影響うつ薬の適応外処方、普及率はどの程度

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主要医学雑誌の論文、データの入手可能性と再現性は/BMJ

 医学雑誌編集者国際委員会(ICMJE)は、投稿論文にデータ共有計画の記載を求めており、医学ジャーナルのBMJとPLOS Medicineは、ランダム化対照比較試験(RCT)の出版の条件として、データ共有を明確に求める強固な指針を示している。米国・スタンフォード大学のFlorian Naudet氏らは、これら2つのジャーナルに掲載されたRCT論文を調査し、データの入手可能性は十分とはいえないが、データの共有が可能であった場合は、再解析のほとんどで、元論文の結果がほぼ再現されたと報告した。研究の成果は、BMJ誌2018年2月13日号に掲載された。データ入手可能性と解析の再現性、問題点を検討 研究グループは、全データ共有指針を有する医学ジャーナルに掲載されたRCT論文により、データ共有の有効性を評価し、主要アウトカムの再解析の実施過程で直面する可能性のある問題点の記述を目的とする調査を行った(研究助成は受けていない)。 医学データベース(PubMed、Medline)を検索して、データ共有指針を採択後のBMJおよびPLOS Medicineに掲載されたRCT論文を選出した。 主要アウトカムはデータの入手可能性とし、「当該RCTの主要アウトカムの再解析に、十分な情報を提供するデータの最終的な受領」と定義した。また、再現性を評価するために主要アウトカムの再解析を行い、問題点を記述した。 2013~16年に発表されたRCT論文37編(BMJ:21編、PLOS Medicine:16編)が適格基準を満たした。データ共有率46%、十分ではないが他に比べ良好 全37編のサンプルサイズ中央値は432例(IQR:213~1,070)であった。26編(70%)は企業の助成を受けておらず、25編(67%)は欧州の研究チームの論文で、12編(33%)が感染症関連論文であり、20編(54%)が薬物療法、9編(24%)が複合的介入(精神療法プログラム)、8編(22%)はデバイスの評価を行うRCTの論文であった。 37編中17編(46%、95%信頼区間[CI]:30~62)がデータ入手可能性の定義を満たし、このうち14編(82%、95%CI:59~94)は再解析で主要アウトカムが完全に再現された。再現性が不完全だった3編のうち、1編は「方法」の情報が不十分で、2編はエラーがみつかったものの再解析の結論は元論文とほぼ同様であった。 再解析の過程でみられた問題点としては、「元論文の著者との連絡が困難」「元論文の著者がデータセットを提供する際の時間と財源の欠落」「研究グループ間でデータ共有の方式が大きく異なる」などが挙げられた。 著者は、「2つのジャーナルのデータ入手可能性は十分ではないが、46%というデータ共有率は他の生物医学文献に比べ良好であった」とし、「意味のあるデータの再解析や再利用を可能とするには、データ共有の方式をもっと受け入れやすく、合理的なものにする必要がある」と指摘している。

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ジカウイルスワクチン、初期結果は有望/Lancet

 ジカウイルス感染の予防では、安全かつ有効で、急速な感染拡大にも対応できるワクチンが求められている。米国・ウォルター・リード陸軍研究所(WRAIR)のKayvon Modjarrad氏らは、精製ホルマリン不活化ジカウイルスワクチン(ZPIV)候補の開発を進めており、今回、第I相試験の初期結果をLancet誌2018年2月10日号で報告した。健常成人で安全性を評価 研究グループは、ヒトを対象に、アジュバント(水酸化アルミニウム)添加ZPIVに関する二重盲検プラセボ対照第I相試験を3施設で実施し、統合解析を行った。本試験は米国陸軍省、国防総省、国立アレルギー・感染症研究所の助成を受け、これらの資金提供者は試験のデザインと運営、データの収集、解析、解釈および論文の執筆に関与した。 試験は、WRAIR、セントルイス大学(SLU)、ベス・イスラエル・ディコネス医療センター(BIDMC)で行われた。対象は18~49歳の健常成人で、ZPIV(5μg)またはプラセボ(生食)を投与する群に、WRAIRでは4対1、SLUとBIDMCでは5対1の割合でランダムに割り付けられ、試験1日目および29日目に接種(筋肉注射)された。 主要評価項目はZPIVの安全性および免疫原性とし、57日までに発現した有害事象およびジカウイルス・エンベロープのマイクロ中和抗体価を評価した。良好な忍容性と免疫原性を確認 2016年11月7日~2017年1月25日の期間に、3施設で68例が登録され、67例(ZPIV群:55例、対照群:12例)が実際に投与を受けた。年齢は平均31.5歳(SD 8.9)、中央値29歳(範囲:18~49)で、35例(52%)が男性であった。 ワクチン関連の有害事象のほとんどが軽度~中等度であった。とくに注目すべき神経学的または神経炎症性の有害事象や、ワクチン関連の重篤な有害事象、試験中止を誘導する他の有害事象は認めなかった。 56例(84%)で、1つ以上の有害事象が発現した。最も頻度の高い局所有害事象は接種部位の疼痛(40例、60%)および圧痛(32例、47%)であり、全身反応原性有害事象は疲労(29例、43%)、頭痛(26例、39%)、不快感(15例、22%)であった。 57日までに、ZPIV群の52例中48例(92%)で抗体価が陽転した(マイクロ中和抗体価≧1:10)。陽転の閾値をマイクロ中和抗体価≧1:100とすると、40例(77%)に陽転が認められた。幾何平均抗体価(GMT)のピーク値は43日目にみられた。 著者は、「ZPIVは、健常成人において良好な忍容性と免疫原性を示した」とまとめ、「これらの結果と既存の知見を合わせると、不活化というプラットフォームは、ワクチン開発の進展に寄与する候補であると示唆される」としている。

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新規抗インフルエンザ薬ゾフルーザ、承認取得

 塩野義製薬株式会社が創製した新規抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ錠10mg・20mg」(一般名:バロキサビル マルボキシル、開発コード:S-033188)が、2月23日付で「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症」の適応で承認された。 ゾフルーザはキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬で、既存の薬剤とは異なる新しい作用機序でインフルエンザウイルスの増殖を抑制する。2015年10月に厚生労働省より先駆け審査指定制度の対象品目に指定され、2017年10月25日に製造販売承認を申請していた。薬価基準収載後早期に発売予定。 ゾフルーザによる治療は、1回の錠剤服用で完結するため、利便性が高く、良好なアドヒアランスが期待でき、インフルエンザ患者のQOL向上に貢献することが期待される。■参考塩野義製薬株式会社ニュースリリース

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