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アトピー性皮膚炎に初の抗体医薬品発売

 サノフィ株式会社は、2018年4月23日、「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を効能・効果とした、ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体製剤デュピルマブ(商品名:デュピクセント皮下注300mgシリンジ)を発売した。アトピー性皮膚炎治療薬として、初めての抗体医薬品である。 デュピルマブは、IL-4受容体αサブユニット(IL-4Rα)に特異的に結合し、Th2サイトカインであるIL-4およびIL-13の両シグナル伝達を阻害する、遺伝子組換えヒト型モノクローナル抗体である。臨床試験では、ステロイド外用薬の効果が不十分な中等~重症の成人アトピー性皮膚炎患者を対象に、ステロイド外用薬との併用療法または単独療法で、有効性と安全性が確認された。 アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰り返す、そう痒のある湿疹を主病変とする慢性炎症性疾患である。中等~重症例では、広範な発疹を特徴とし、持続する激しい難治性のかゆみ、皮膚の乾燥、亀裂、紅斑、痂皮、毛細血管出血を伴うことがある。かゆみは、患者にとって最も大きな負担であり、体力消耗、睡眠障害、不安や抑うつ症状の原因ともなり、生活の質に影響を及ぼす。デュピルマブは、既存の抗炎症外用薬で効果不十分なアトピー性皮膚炎患者への、新たな選択肢として期待されている。 デュピルマブは、安全装置付きプレフィルド・シリンジで、自己注射可能な1回使いきりの製剤。初回は600mg(2キット)、2回目以降は300mgを2週間隔で皮下注射する。薬価は8万1,640円。 原則として、抗炎症・保湿外用薬と併用で使用する。他のアレルギー性疾患を併発している場合、症状が急変する恐れがあるので、注意が必要となる。 現在、コントロール不良の気管支喘息に対する適応の追加申請中。■参考サノフィ株式会社 プレスリリース(PDFがダウンロードされます)

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強化脂質低下療法はベース値が高いほど有益/JAMA

 米国・Inova Heart and Vascular InstituteのEliano P. Navarese氏らは、被験者約27万例を含む34件の無作為化試験のメタ解析において、LDLコレステロール(LDL-C)低下療法の強化は非強化と比べて、ベースラインのLDL-C値がより高い患者で、総死亡(total mortality)および心血管死のリスクを低下させることを明らかにした。また、ベースラインのLDL-C値が100mg/dL未満では、この関連性は確認されず、著者は「LDL-C低下療法で最も大きなベネフィットが得られるのは、ベースラインのLDL-C値が高い患者である可能性が示唆された」とまとめている。JAMA誌2018年4月17日号掲載の報告より。無作為化試験34件、約27万例のデータをメタ解析 研究グループは、電子データベース(Cochrane、MEDLINE、EMBASE、TCTMD、ClinicalTrials.gov、major congress proceedings)を用い、2018年2月2日までに発表された、スタチン、エゼチミブおよびPCSK9阻害薬の無作為化試験を検索し、研究者2人がデータを抽出するとともにバイアスリスクを評価した。試験介入群は、「強化療法」(強力な薬理学的介入)、または「非強化療法」(弱作用、プラセボまたは対照)に分類された。 主要評価項目は総死亡率および心血管死亡率とし、ランダム効果メタ回帰モデルおよびメタ解析を用い、ベースラインのLDL-C値と死亡、主要心血管イベント(MACE)などの低下との関連性を評価した。 検索により計34試験が特定され、強化療法13万6,299例、非強化療法13万3,989例、計27万288例がメタ解析に組み込まれた。関連が確認されたのは、ベースラインLDL-C値100mg/dL以上の場合のみ 全死因死亡率は、強化療法群が非強化療法群よりも低かったが(7.08% vs.7.70%、率比[RR]:0.92、95%信頼区間[CI]:0.88~0.96)、ベースラインLDL-C値によってばらつきがみられた。 メタ回帰分析において、強化療法はベースラインLDL-C値が高いほど全死因死亡率もより低くなる関連が認められた(ベースラインLDL-C値の40mg/dL上昇当たりのRRの変化:0.91、95%CI:0.86~0.96、p=0.001/絶対リスク差[ARD]:-1.05症例/1,000人年、95%CI:-1.59~-0.51)。同様の関連は、メタ解析では、ベースラインLDL-C値が100mg/dL以上の場合にのみ確認された(相互作用のp<0.001)。 心血管死亡率も同様に、強化療法群が非強化療法群よりも低く(3.48% vs.4.07%、RR:0.84、95%CI:0.79~0.89)、ベースラインLDL-C値によってばらつきがみられた。メタ回帰分析において、強化療法はベースラインLDL-C高値ほど心血管死亡率減少との関連が示され(ベースラインLDL-C値の40mg/dL上昇当たりのRRの変化:0.86、95%CI:0.80~0.94、p<0.001/ARD:-1.0症例/1,000人年、95%CI:-1.51~-0.45)、同様の関連はメタ解析では、ベースラインLDL-C値100mg/dL以上の場合にのみ確認された(相互作用のp<0.001)。 メタ解析において、全死因死亡率が最も減少したのは、ベースラインLDL-C値が160mg/dL以上の患者を対象とした試験であった(RR:0.72、95%CI:0.62~0.84、p<0.001、1,000人年当たり死亡は4.3減少)。強化療法は、ベースラインLDL-C値が高いほど、心筋梗塞、血管再建術およびMACEのリスクもより減少する関連が認められた。

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肥満2型糖尿病に対するメタボリックサージェリーの展望

 わが国では、2014年4月に腹腔鏡下スリーブ状胃切除術手術が保険適応になってから、すでに4年が経っている。このほかに実施されている3つの術式(腹腔鏡下スリーブバイパス術、腹腔鏡下ルーワイ胃バイパス術、腹腔鏡下調節性胃バンディング術)はそれぞれ自費診療であったが、2型糖尿病を合併する重症肥満患者に対する腹腔鏡下スリーブバイパス術が、先進医療として2018年1月に認可された。この治療法の開発者であり普及を目指す、笠間 和典氏(四谷メディカルキューブ減量・糖尿病外科センター センター長)が2018年4月11日、メドトロニック株式会社本社にてメタボリックサージェリーについて講演した。日本の治療件数は認知度に相関 同氏によると2018年3月に開催されたアジア太平洋肥満代謝外科学会(APMBSS)でのNational reportの結果では、全手術件数トップはサウジアラビアの1万7,000件、それに対して日本は471件。隣国の台湾でも2,834件と日本と比較すると大きな乖離があり、「この原因は言うまでもなく認知度が低いためである」という。手術適応患者の要件 日本肥満学会によると、日本人の肥満症の定義であるBMI≧25は、WHOが定義するBMI≧30とは異なる。肥満患者はさまざまな合併症を伴っており、その中の1つが2型糖尿病である。患者は一生、糖尿病と共存するだけではなくさまざまな合併症も併発し、治療上多くの薬剤が必要となることから医療経済にも負担を強いることとなる。また、美容目的で施術される脂肪吸引と混同されがちなため、日本肥満症治療学会が手術適応患者を以下のように定義している。<肥満手術の要件>・年齢18歳以上、65歳以下・ 6ヵ月以上の内科的治療が行われているにもかかわらず、有意な体重減少および肥満に伴う合併症の改善が認められず、次のいずれかの条件を満たすもの 1)減量が目的の場合はBMI 35以上であること 2)合併疾患(糖尿病、高血圧、脂質異常症、肝機能障害、睡眠時無呼吸症候群など)治療が主目的の場合、糖尿病または糖尿病以外の2つ以上の合併疾患を有する場合は BMI 32以上であること腹腔鏡下スリーブバイパス術が体内にもたらす影響とは 海外で多く実施されている胃バイパス術は、術後体内に空置きされた胃が残ってしまう。日本人は胃がんのリスクが高いため、術後胃がん検査を行えないこの術式は不適である。また、現在日本で多くの実績を上げている腹腔鏡下スリーブ状胃切除術は術後の合併症が少ないものの、重症2型糖尿病の改善率が低い。そこで、これらの長所を生かしたのが腹腔鏡下スリーブバイパス術である。この術式は胃の幽門と十二指腸とを吻合するため、ダンピングが少ない、潰瘍が少ない、胃の観察が通常の胃内視鏡でできるなどのメリットがある。それに加えて、糖尿病などの内分泌疾患の改善が報告されているという。そこで、同氏は減量外科治療のうち、スリーブバイパス術を受け、1年間経過観察された2型糖尿病の日本人75例のHbA1c、BMI、そして薬物離脱率を検証。対象患者のうち48%が術前にインスリンを使用し、糖尿病罹患期間は7.2±6.2年であった。結果は以下のとおり。・HbA1c<7.0%を達成したのは、術後1年後で93%だった。また、術後インスリンを離脱できたのは97%だった。・BMIは術前38.5から術後1年後27.2、5年後は28.4(p<0.001)と減少を維持できた。糖尿病外科誕生に期待 同氏は、「2型糖尿病患者が糖尿病のない人生を送るために、外科と内科が手を組んでメタボリックサージェリーを普及させる時が来た」と意気込みを語った。また、米国糖尿病学会(ADA)ガイドライン2017年版では“肥満を伴う糖尿病の治療”としてBMIに応じて外科治療を推奨する治療アルゴリズムが採用され、「糖尿病治療としての位置付けが確立した」と述べた。同ガイドラインでは、“糖尿病外科治療はBMI 27.5から32.4の内服や注射薬でも良好な血糖コントロールの得られないアジア人に対して、オプションとして考慮されるべきである”とされている。 最後に同氏は「安全が第一であり、これらが急速に普及した場合の問題に備え、日本内視鏡外科学会ならびに日本肥満症治療学会では、合同で腹腔鏡下肥満・糖尿病外科手術導入要件を発表して注意喚起を行っていく」と締めくくった。■参考日本肥満症治療学会編.日本における高度肥満症に対する安全で卓越した外科治療のためのガイドライン(2013 年版)日本内視鏡外科学会および日本肥満症治療学会における腹腔鏡下肥満・糖尿病外科手術の導入要件

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世界における保健医療費とHIV/AIDS関連費の傾向:188ヵ国調査/Lancet

 1995~2015年において世界的に増加している総保健医療費は、とくに中所得国での1人当たりの増加が最も急速であった。こうした国家間格差は比較的よく知られているが、低所得国は高所得国や中所得国と比較し、健康やHIV/AIDSに対する1人当たりの支出が少なく、そのうえHIV/AIDSも含めた健康に関する開発支援の減少が続いており、その減少速度はさらなる開発支援の削減によって速められ、世界および国家目標の前進を遅らせる危険性があるという。米国・ワシントン大学のJoseph L. Dieleman氏らが、188ヵ国における、健康に関する開発支援を含む財源別の保健医療費増加額を推定するとともに、初めてHIV/AIDSの予防および治療に対する支出を資金源ごとに算出し、報告した。保健医療費を同等に推算することは、医療システムの評価や保健資源の最適な配備のために重要である。保健医療費の調査手法は進化を続けているが、疾患全体の支出配分に関してはほとんど知られていなかった。Lancet誌オンライン版2018年4月17日号掲載の報告。188ヵ国の保健医療費とHIV/AIDS関連費を推算 研究グループは、さまざまな国際機関から1995~2015年における各国の保健医療費に関する公表データを収集するとともに、1990~2017年の健康開発支援を追跡した。さらに、オンラインのデータベース、各国のレポート、多国間組織へ提出された提案から、2000~15年におけるHIV/AIDS関連費に関する5,385のデータを抽出し、時空間ガウス過程回帰モデルを用いて、保健医療費およびHIV/AIDS関連費を完全かつ同等に推算した。 ほとんどの推算は2017年に購買力平価を調整した米ドルで報告し、すべての推算はインフレの影響に関して調整した。健康開発支援が減少する一方で、低中所得国では1人当たりの保健医療費が急速に増加 1995~2015年に、世界の1人当たりの保健医療費は年率で3.1%(95%不確定区間[UI]:3.1~3.2)増加し、高中所得国(1人当たり5.4%、95%UI:5.3~5.5)と低中所得国(1人当たり4.2%、95%UI:4.2~4.3)での増加が著しかった。2015年における世界の総保健医療費は9.7兆ドル(9.7~9.8兆)で、そのうち高所得国が6.5兆ドル(6.4~6.5兆)で66.3%(66.0~66.5%)を占め、一方、低所得国は703億ドル(693~713億)で0.7%(0.7~0.7%)であった。 1990~2017年に、健康開発支援は394.7%(299億ドル)増加し、2017年の健康開発支援は374億ドルと推算され、このうち91億ドル(24.2%)がHIV/AIDS関連費であった。2000~15年に、5,626億ドル(5,311~6,219億)が世界中でHIV/AIDSに費やされていた。このうち57.6%(52.0~60.8%)が政府の融資であった。世界のHIV/AIDS関連費は、2013年に497億ドル(462~547億)とピークに達し、2015年には489億ドル(452~542億)に減少した。また、その間のHIV/AIDS障害調整生命年の74.6%が低所得国と中所得国で占められていたが、HIV/AIDSに費やした支出に占める割合は36.6%(34.4~38.7%)であった。 2015年には、93億ドル(85~104億)、HIV/AIDS融資の19.0%(17.6~20.6%)が予防のために、273億ドル(245~311億)、55.8%(53.3~57.9%)がケアと治療のために費やされていた。

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循環器内科 米国臨床留学記 第28回

第28回 米国でのトレーニング後の進路米国で臨床留学をした人たちにとって悩ましいのはその後の進路です。ほとんどの日本人医師は米国臨床留学をJ1 clinical visa(臨床用のJ1 clinical visa)で行っています。J visaはいわゆるトレーニング用のビザでレジデンシーやフェローの間、延長することができ、基本7年間まで延長して使用することができます。私の専門の循環器・不整脈は内科の中でも最もトレーニングが長く、3年の内科、3年の循環器に加えて2年の不整脈(EP)で合計8年となりますが、ECFMG(Educational Commission for Foreign Medical Graduates:外国医学部卒業生のための教育委員会)という団体に申請をすれば8年目まで延長が可能となりました。レジデンシーやフェローシップトレーニングを終えた日本人の選択肢は日本への帰国かattending doctor(指導医)として米国に残るかの二択となります。2 years rule外国人医師がJ visaでトレーニングを終えた後は基本的に2年間の本国への帰国が義務付けられています。これを終えない限り、グリーンカード(永住権)の申請もできません。これはJ visaの保持者は米国にトレーニング目的で来ているため、米国で学んだことを出身国へ還元する必要があるという解釈に基づいています。多くのインド人やパキスタン人は、端から移住目的で来ており、自国へ帰るつもりなどはありませんので、最初から帰国する必要がないH visaというものを使うか、J waiver(後述)を用いて米国に残っています。本国に2年帰った後、再渡米することも可能ですが、物理的に本国へ帰れない医師もたくさんいます。シリアやイラク出身の友人たちは治安が問題で帰国が困難です。また、米国で結婚してしまい、宗教、治安上の理由などで配偶者を自国に連れて帰ることができないこともあります。治安には問題のない日本人ですが、一度米国を出ると就職活動が難しく、再度ビザの取得が必要となり、就職で大変不利となります。ですから、日本人でもトレーニング後、そのまま米国に残る医師が結構います。その場合、J waiverを行う必要があります。J waiverとはwaiverとは権利を放棄するという意味ですが、この場合2年間の帰国義務を免除してもらうという意味になります。その代わりにunderserved area と言われる米国でも医師が少ない地域やVA(退役軍人病院)などで働くことが義務付けられます。Conrad 30 Waiver Programという法律があり、各州のState Medical Board(医療を管轄する公的部門、厚労省に値する)にwaiverが必要な外国人30人ずつをスポンサーする権利が与えられています。医師が足りない地域で主に必要なのは、プライマリケアやホスピタリスト、小児科医などですので、30のポジションは優先的にこれらの分野の医師に割り当てられます。たとえば、人気の高いカリフォルニアやニューヨークでは循環器などの専門医にConrad 30の余りが回ってくる可能性は非常に低いため、専門性の高い分野の医師がカリフォルニアでwaiverを行うことはほぼ不可能です。J waiverで3年過ごした後はグリーンカードの申請が可能となります。waiver以外の手段O visaというものを用いて、一時的にwaiverを免れることは可能です。O visaは、大学などの機関では、科学、芸術、教育、ビジネス、またはスポーツの分野で「卓越した能力を有する者」に発給されるビザで、医師の場合は、論文などを発表していることが必要となります。実際のところは、研究や論文の実績がそれほどなくても、その分野で有名な 医師からの推薦状などがあれば残れるようです。O visaは1年ごとに何度も更新できますが、waiverを免れることはできないので、グリーンカードの取得前には結局O visaからJ waiverに戻る必要があります。トレーニング後の日本人医師日本以外の諸外国から来ている医師のほとんどはアメリカに残ります。その大きな理由が収入だと思われます。正確なデータがないので詳細はわかりませんが、日本人医師の1/3から1/2ほどはトレーニング後、すぐに帰国していると思われます。元々、日本の教育に還元しようという思いで来ている先生方は、指導医とならずに研修終了後にすぐに帰っているようです。一方で、研究のやりやすさ、生活と仕事のバランスの良さ、そして給料の高さ(どの分野でも米国の医師の給料は日本の医師より高いと思われます)などが理由で米国に残る先生もたくさんいます。また、米国でのトレーニングの経験が必ずしも日本で評価されないという点も帰国をためらう理由として挙げられます。医局に所属せずに留学している先生がほとんどであり、その場合、新たに医局に入るか、市中病院に戻るしかありません。臨床留学経験者を好んで採用する病院は少数であり、留学経験を評価してくれる受け入れ先を見つけるのは容易ではありません。とは言っても、米国臨床留学後、日本より高い割合で自分の国に戻るという国はないと思います。これは、医療の面に限らず、日本が素晴らしい国であることの証明だと思います。日本に帰るたびに、公私を問わず、日本の優れたサービスに感銘を受けます。私も8年米国に住みましたが、生活全般における米国のいい加減なシステムや医療費の高さなど不満は尽きません。高過ぎる医療費が主な原因ですが、アメリカで臨床を行っている医師ですら、アメリカでは病院に行きたくないと異口同音に言います。また、家庭の事情(家族が帰国を希望、子供を日本で育てたいなど)も大きいと思われます。文化の違いですからやむを得ませんが、ガムを噛みながらラウンドをするレジデントなどを見るたびに、米国で自分の子供を育て続けることに不安を覚えます。家族の希望、収入面、日本での就職先など、さまざまなことを考慮しなければならず、 トレーニング修了後、いつ帰国するかというのはどの家庭にとっても非常に難しい問題です。

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血栓回収ハンズオン【Dr. 中島の 新・徒然草】(218)

二百十八の段 血栓回収ハンズオン「血栓回収のハンズオンをやるから興味ある方は参加してください」と大学の脳外科医局から関連病院に呼びかけがあったので、ある土曜日に出かけてきました。血栓回収というのは、脳梗塞の急性期に血管内治療により主幹動脈から血栓を機械的に除去して脳血流の再灌流を図る治療法です。これまでは t-PA を静脈注射して血栓溶解を図っていたのですが、次第に血栓回収療法がメインになりつつあるように思います。脳外科医を名乗るからにはこの治療ができなくてはならない、ということで昨年から大学の医局主催で練習会が始まりました。昨年は70人の参加、今年はそれ以上の参加者数だということで、その人気ぶりというか皆の感じている必要性がよく分かります。昨年は70代の先生も参加して周囲を驚かせていましたが、今年の最年長は60代、某病院の副院長先生でした。また医学生や初期研修医向けのブースもあり、シミュレーターやゲームを使って血管内治療の面白さを体感してもらい、できればリクルートにつなげようという試みがなされていました。会場は、とあるビルの1フロアです。現役の脳外科医用には、ガイディングカテーテルのシステム組立て用のテーブルと模型から血栓回収を行うテーブルの2種類があり、順に練習するようになっていました。私なんかは血管内治療どころか血管造影すら何年もやっていないので、三方活栓やらインサーターやらトルクデバイスやら、わけのわからないモノに囲まれて戸惑ってしまいました。それでも若いインストラクターに教えてもらいながら練習しているうちに、徐々にサマになってきたような気がします。昭和とか平成初期卒業の先生の中には遠巻きにして眺めているだけの人も大勢居たので、「取り残されているのは自分だけじゃないんだ」と、何となく安心しました。練習会の後半はガイディングカテーテルのシステム組み立てのタイムトライアルです。完全にバラバラにした部品を使ってシステムを組み立てるというものです。単に時間を測るのも面白くないので、2人で向かいあっての対決方式でした。当院のレジデント達が対決しましたが、雑談しながら2人とも手慣れた感じで組み立てていきます。感心して見ていたところに現れた某先生。ミもフタもない一言を放ちました。某先生「タイム・イズ・マネーとか言われているのに、1から組み立てるのって無駄やんか。最初から組み立ててあるパッケージとか無いわけ?」この先生は日頃パーキンソン病やてんかんなどを専門にしているだけあって、血管内治療医の汗と涙にはあまり理解がありません。でも正論といえば正論です。つい私も言ってしまいました。中島「いくらゴルゴ13だって、相手に攻撃されてからM16を組み立てているようではアカンやろ」インストラクター「確かに最初から組み立ててあるシステムがあったら便利ですよね。どうしてそういうものがないのかな?」レジデント「こうやって組み立てるのも無駄といえば無駄な気がしてきました」中島「まあまあ、若者は要らんこと考えずに頑張っといたらエエんや」そんなこんなで晴れた休日の午後、血栓回収の練習でいい汗をかくことができました。ハンズオンの後は最年長先生の挨拶です。最年長「われわれが若い時にこんな練習会があったら良かったのに、と思います。心から今の若い人が羨ましい!」まったくその通りだわい、と私も思います。ところで、ちょっと気になって調べてみたところ、急性期脳梗塞治療の場合は「タイム・イズ・マネー」じゃなくて、「タイム・イズ・ブレイン」が正しいようです。まあ、マネーでもブレインでも大事なものには違いありませんが。というわけで最後に1句血栓を 老いも若きも 回収す

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日本人統合失調症患者に対する個別作業療法の多施設ランダム化比較試験

 個別作業療法(IOT:individualized occupational therapy)プログラムは、急性期統合失調症入院患者の積極的な治療参加を促進し、認知機能やその他のアウトカムを改善するために開発された心理社会的プログラムである。このプログラムは、動機付け面接、自己モニタリング、個別訪問、手工芸活動、個別心理教育、退院計画で構成されている。信州大学のTakeshi Shimada氏らは、日本の精神科病院に最近入院した統合失調症患者のアウトカムに対する、集団作業療法(GOT:group occupational therapy)プログラムにIOTを追加した際の効果について、多施設オープンラベル盲検エンドポイントランダム化比較試験を実施し、検討を行った。PLOS ONE誌2018年4月5日号の報告。 統合失調症患者は、GOT+IOT群またはGOT単独群にランダムに割り付けられた。ランダム化された136例中129例がintent-to-treat(ITT)集団に含まれた。その内訳は、GOT+IOT群66例、GOT単独群63例であった。アウトカムは、ベースライン時および退院時または入院3ヵ月後に評価した。評価項目は、統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J)、統合失調症認知評価尺度日本語版(SCoRS-J)、社会的機能尺度日本語版、機能の全体的評定尺度(GAF)、内発的動機付け尺度日本語版(IMI-J)、服薬アドヒアランス尺度(MMAS-8)、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、患者満足度アンケート-8日本語版(CSQ-8J)とした。 主な結果は以下のとおり。・線形混合効果モデルによると、GOT単独群と比較し、GOT+IOT群で有意な効果が認められた項目は、以下であった。 ●言語記憶(BACS-J)p<0.01 ●作業記憶(BACS-J)p=0.02 ●言語流暢性(BACS-J)p<0.01 ●注意(BACS-J)p<0.01 ●複合スコア(BACS-J)p<0.01 ●興味/楽しみ(IMI-J)p<0.01 ●価値/有用性(IMI-J)p<0.01 ●知覚選択(IMI-J)p<0.01 ●IMI-J総スコア p<0.01 ●MMAS-8スコア p<0.01・GOT+IOT群は、GOT単独群と比較し、CSQ-8Jの有意な改善が認められた(p<0.01)。 著者らは「今回の結果より、IOTプログラムは、統合失調症患者の認知機能およびその他のアウトカムを改善するために有用であり、実施可能である」としている。■関連記事統合失調症への集団精神療法、効果はどの程度か統合失調症への支持療法と標準的ケア、その差は統合失調症患者のワーキングメモリ改善のために

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ニボルマブ・イピリムマブ併用、TMB高レベルNSCLCの1次治療でPFS改善(CheckMate-227)/AACR2018

 米国がん研究会議年次集会(AACR2018)で発表されたニボルマブとイピリムマブの第Ⅲ相臨床試験CheckMate-227の結果によると、高腫瘍変異負荷(TMB、>10変異/Mb)の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療において、標準化学療法と比較して、ニボルマブ・イピリムマブ併用療法が有意に無再発生存率(PFS)を改善した。 CheckMate-227は、未治療のStageIVまたは再発NSCLCの1次治療における大規模オープンラベル無作為化比較試験。試験群はニボルマブ単独、ニボルマブ+イピリムマブまたはニボルマブ+プラチナ・ダブレット化学療法の3種、対照群はプラチナ・ダブレット化学療法単独である。同総会で発表された初の評価項目は、高TMB患者におけるPFSであった。高TMB患者299例のうち139例がニボルマブ+イピリムマブ群に、160例が化学療法PT-DC単独群に割り付けられた。 最低11.5ヵ月以上のフォローアップの結果、ニボルマブ+イピリムマブ群は、プラチナ・ダブレット化学療法単独群と比較して、PFSリスクが42%改善。1年PFS率は43%対13%となった。奏効率はニボルマブ+イピリムマブ群45.3%、PT-DC群では26.9%であった。 ニボルマブ+イピリムマブは良好な忍容性を示し、安全性プロファイルは同レジメンの以前の報告と同様であった。Grade3/4の治療関連有害事象は、ニボルマブ+イピリムマブ群の31%に対して、プラチナ・ダブレット化学療法単独群では36%であった。全生存率(OS)データは未達成。 この研究は、New England Journal of Medicineに同時に掲載された。■参考AACR2018ニュースリリースCheckMate227試験(N Engl J Med)CheckMate227試験(Clinical Trials.gov)■関連記事ニボルマブ・イピリムマブ併用、TMB高レベルNSCLCの1次治療でPFS優越性示す(CheckMate227)

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オラパリブ、BRCA変異陽性乳がんにおける全生存期間の最新データを発表/AACR2018

 アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ)およびメルク・アンド・カンパニー(本社:米国ニュージャージー州ケニルワース)は、2018年4月15日、米国がん研究会議年次集会(AACR2018)において、転移を有する乳がんにおけるオラパリブ(商品名:リムパーザ)の最終全生存期間(OS)の結果を示す第III相OlympiAD試験のデータを発表した。 本試験は生殖細胞系列BRCA変異陽性(gBRCAm)HER2陰性転移乳がんにおいてオラパリブと化学療法(医師の選択によりカペシタビン、エリブリンまたはビノレルビンのいずれかを使用)を比較検討し、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を達成した。 AACRで発表された結果には、副次評価項目である全生存期間(OS)の最新結果が含まれている。本試験により統計学的に有意な差異を示していないが、OS中央値はオラパリブ治療群の19.3ヵ月に対し化学療法治療群は17.1ヵ月であった(HR:0.90、95%CI:0.66~1.23、p=0.513)。最終OSデータカットオフ時点において(64%maturity)、約13%の患者はオラパリブによる治療を継続していたが、化学療法を継続している患者はいなかった。 事前に定義されたサブグループ解析の結果は、治療群間の統計学的有意差を示さなかった全体解析の結果と一貫していた。最大の差は化学療法を受けなかった転移患者に見られ、OS中央値の差はオラパリブ群において7.9ヵ月であった(HR:0.51、95%CI:0.29~0.90、名目p=0.02、中央値22.6ヵ月対14.7ヵ月)。 オラパリブの安全性プロファイルは初回の解析時と一貫しており、治療期間の延長に伴う関連蓄積毒性は見られなかった。重篤な有害事象(Grade3以上)は、オラパリブ投与群患者の38%において報告されたのに対し、化学療法投与群では49.5%で報告された。

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死亡リスク予測、24時間血圧 vs.診察室血圧/NEJM

 24時間自由行動下収縮期血圧(ABP)は診察室血圧よりも、全死因死亡および心血管死について、より強い予測因子であることが示された。血圧値の1標準偏差(SD)上昇当たりの全死因死亡に関するハザード比は、24時間ABPが1.58だったのに対し、診察室血圧では1.02だったという。また、「仮面高血圧」(診察室血圧は正常値だが24時間ABPは高値)の全死因死亡に関するハザード比は2.83で、持続性高血圧の1.80よりも高かった。また、「白衣高血圧」(診察室血圧が高値で24時間ABPは正常)の同HRも1.79で良性とはいえないことが示されたという。スペイン・マドリード自治大学のJose R. Banegas氏らが、約6万4,000例を対象に行った大規模な前向きコホート試験の結果で、NEJM誌2018年4月19日号で発表した。24時間ABPが予後に与える影響について、これまでに発表されているエビデンスは、主に住民ベース試験や比較的規模の小さい臨床試験に基づくものだったという。診療室・24時間自由行動下血圧について、4分類し評価 研究グループは、プライマリケア患者を対象とした大規模コホートで、診察室血圧・24時間ABPと、全死因死亡・心血管死との関連を調べるため、スペインで2004~14年に登録を行った18歳以上、6万3,910例の多施設共同全国コホートのデータを基に分析を行った。 被験者の診療室血圧と24時間ABPについて、(1)持続性高血圧(診察室血圧、24時間ABPともに高値)、(2)白衣高血圧(診察室血圧は高値だが、24時間ABPは正常)、(3)仮面高血圧(診察室血圧は正常だが、24時間ABPは高値)、(4)正常血圧(診察室血圧、24時間ABPともに正常)の4つに分類。血圧と死亡との関連について、診察室血圧・24時間ABPと交絡因子で補正したCox回帰モデルを用いて解析した。白衣高血圧も持続性高血圧並みの関連性 中央値4.7年の追跡期間中の死亡は3,808例、うち心血管系が原因の死亡は1,295例だった。 診察室血圧と24時間ABPの両者を包含したモデルでは、24時間収縮期血圧と全死因死亡との関連(診察室血圧で補正後の血圧1SD上昇当たりのハザード比[HR]:1.58[95%信頼区間[CI]:1.56~1.60])は、診察室収縮期血圧と全死因死亡の関連(24時間血圧で補正後のHR:1.02[95%CI:1.00~1.04])よりも強かった。 夜間自由行動下収縮期血圧1SD上昇当たりの全死因死亡HR(診察室血圧と日中血圧で補正後)は1.55(95%CI:1.53~1.57)、日中自由行動下収縮期血圧の同HR(診察室血圧と夜間血圧で補正後)は1.54(同:1.52~1.56)だった。 こうした関連は、年齢、性別、肥満、糖尿病や心血管疾患、降圧薬使用についてみたサブグループでも一貫して認められた。 また全死因死亡との関連は、仮面高血圧(HR:2.83、95%CI:2.12~3.79)が、持続性高血圧(同:1.80、1.41~2.31)、白衣高血圧(同:1.79、1.38~2.32)よりも強かった。なお、心血管死に関する分析結果は、全死因死亡の結果と同様だった。

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NSCLC 1次治療、ペムブロリズマブ併用でOS延長:第III相試験/NEJM

 EGFR/ALK変異のない転移を有する非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の未治療患者に対し、ペメトレキセド+プラチナ製剤ベースの標準化学療法にペムブロリズマブを追加することで、化学療法単独よりも、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)が有意に延長したことが示された。米国・ニューヨーク大学のLeena Gandhi氏らが、616例の患者を対象に行った第III相二重盲検無作為化試験の結果で、NEJM誌2018年4月16日号で発表した。変異を伴わない進行NSCLC治療の第1選択は、プラチナ製剤ベースの化学療法である。免疫チェックポイント阻害薬のペムブロリズマブは第2選択薬として承認されているが、PD-L1の発現が50%以上の患者では、化学療法に代わって第1選択とすることが認められている。化学療法へのペムブロリズマブの追加について第II相試験では、化学療法単独よりも有意に高い奏効率と、PFSの有意な延長が認められていた。化学療法+ペムブロリズマブ200mgをプラセボと比較 研究グループは、EGFR/ALK変異のない転移を有する非扁平上皮NSCLCの未治療患者616例を対象に検討を行った。 無作為に2対1に分け、ペメトレキセド+プラチナ製剤ベースの化学療法に加え、一方の群にはペムブロリズマブ200mgを、もう一方にはプラセボを、それぞれ3週ごと4サイクル投与し、その後ペムブロリズマブまたはプラセボとペメトレキセドによる維持療法を合計35サイクルとなるまで行った。 プラセボ群に割り付けられた被験者で病勢進行が認められた場合は、ペムブロリズマブ単剤療法へのクロスオーバーを行った。 主要エンドポイントはOSとPFSで、盲検化された独立画像中央判定によって評価された。12ヵ月時点の推定全生存率、ペムブロリズマブ併用群69.2%、プラセボ群49.4% 追跡期間の中央値は、10.5ヵ月だった。12ヵ月時点の推定全生存率は、化学療法+ペムブロリズマブ群69.2%(95%信頼区間[CI]:64.1~73.8)に対し、化学療法+プラセボ群は49.4%(同:42.1~56.2)だった(ペムブロリズマブ群の死亡に関するハザード比[HR]:0.49、95%CI:0.38~0.64、p<0.001)。 また、PD-L1陽性細胞の割合で分類したいずれのカテゴリーにおいても、全生存率の改善が認められた。 PFSの中央値は、プラセボ群4.9ヵ月(95%CI:4.7~5.5)だったのに対し、ペムブロリズマブ群は8.8ヵ月(95%CI:7.6~9.2)で、ペムブロリズマブ群の病勢進行または死亡に関するHRは0.52だった(同:0.43~0.64、p<0.001)。 Grade3以上の有害事象の発現頻度は、ペムブロリズマブ群67.2%、プラセボ群65.8%だった。

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第1回 意識障害 その1 客観的な意識の評価方法【救急診療の基礎知識】

72歳男性の意識障害:典型的なあの疾患の症例72歳男性。友人と食事中に、椅子から崩れるようにして倒れた。友人が呼び掛けると開眼はあるものの、反応が乏しく救急車を要請した。救急隊到着時、失語、右上下肢の麻痺を認め、脳卒中選定で当院へ要請があった。救急隊接触時のバイタルサインは以下のとおり。どのようにアプローチするべきだろうか?●搬送時のバイタルサイン意識:3/JCS、E4V2M5/GCS血圧:188/102mmHg 脈拍:98回/分(不整) 呼吸:18回/分SpO2:95%(RA) 体温:36.2℃ 瞳孔:3/3mm+/+意識障害の認識意識障害のアプローチにおいて、重要なことは何でしょうか。原因検索、バイタルサインの改善、安定化はもちろんですが意外と忘れがちなことがあります。それは、「目の前の患者は意識障害」だと認識することです。当たり前のようですが、この当たり前のことができておらず、対応が遅れる、または重症度を見誤ってしまうことが少なくありません。とくに初診患者や高齢者の患者ではありがちです。発熱のせい、認知症のせい、難聴のせいなど、「普段からこんなものだろう」と軽度の意識障害は軽視されがちです。必ず、普段の意識状態と比較して判断するようにしましょう。また、主治医や家族への確認、以前のカルテ記載の検索も怠らずに行いましょう。そして、患者の以前の状態をよく知る家族や施設職員からの、「普段とは違います」というコメントを軽視してはいけません。逆に、見当識障害や失語が認められても、普段と同様であれば焦る必要はないでしょう。認知症や脳卒中後が代表的です。救急の現場において、緊急性が高い病態、重篤な病態を見逃さないようにするためには、症状や検査異常が急性のものか、慢性のものかを判断することが大切です(コラム(1)参照:急性か慢性か、それが問題だ!)。軽度であっても突然、もしくは急性発症の意識障害は早期に対応する必要があるのに対して、慢性経過の意識障害であれば原因検索は必要ですが、1分1秒を争う病態ではありません。意識障害の評価意識障害患者を診たら、まずは客観的な指標で程度を評価しましょう。意識障害の評価では、Glasgow Coma Scale(GCS)(表1)、Japan Coma Scale(JCS)(表2)が有名です。画像を拡大する画像を拡大する救急外来では他科の先生方へコンサルトすることも多く、「様子がおかしい」という表現では相手に患者さんの状況をうまく伝えられません。また、意識障害の経時的な変化は鑑別に大きく影響するため、その時々の意識障害の程度を把握し、記載しておくことも重要です。たとえば初診時にはE3V4M5/GCSであった意識状態が、薬剤などの介入がなく自然にE4V5M6/GCSへ改善したのであれば、低血糖や脳卒中は否定的です。この場合には、痙攣などが鑑別の上位に挙がるでしょう。そして、GCS、JCSはそれぞれの長所、短所を理解したうえで使用する必要があります(表3)。画像を拡大するここでは、GCS、JCSを評価する際の注意点を理解しておきましょう。どちらも開閉眼の有無が点数に大きく反映されますが、診察時に閉眼していたからといってGCSはE3以下、JCSは2桁以上というわけではありません。呼び掛けたその後が問題です。閉眼していたとしても、呼び掛け問診にきちんと応じることができる場合にはGCSではE4、JCSでは1桁ということになります。それに対して、開眼するものの、問診中に(話し掛けているにもかかわらず)閉眼してしまう場合には意識障害と捉える必要があります。私は、15秒程度開眼を維持することができなければ、意識障害ありと判断し対応しています。そのほかにもGCS、JCSの短所を解消すべく開発されたECS(Emergency Coma Scale)(表4)というものがあります。画像を拡大する救急外来で使用するために作成されたものであり、まばたきや睫毛反射の有無(まばたきが可能であれば、脳幹網様体の機能は正常)や、脇を閉じているか否かで除脳硬直、除皮質硬直を区別して分類している点が特徴です。現在、国内の救急隊はJCSを使用し、海外の論文などではGCSを採用しているのが現状であるため、ECSはわが国の救急外来では普及していないのが現状ですが、評価項目や作成に至った経緯は参考になるため、興味がある方は調べてみてください。さて、前置きが長くなりましたが、実際の症例をみてみましょう。72歳男性の意識障害の原因は何でしょうか? 多くの方が急性期脳梗塞、その中でも心原性脳塞栓症を考えるでしょう。それでは、その可能性はどの程度でしょうか? 100%ですか? それとも70%、50%…また、鑑別すべき疾患は何でしょうか? 迷わず血栓溶解療法を行ってよいのでしょうか?意識障害にかかわらず、患者さんが訴える症状や症候に対してアプローチする際には、患者さんごとにアプローチを変えていては、時間が限られている救急外来では見落としの原因となってしまいます。そこで次回は、「意識障害の具体的なアプローチ」を学んでいきましょう!コラム(1) 急性か慢性か、それが問題だ!バイタルサインや検査値の異常を拾いあげることは重要ですが、緊急性を判断するためには、その異常がいつからかを把握することが大切です。Na 126mEq/Lという結果をみて、低ナトリウム血症と判断することは簡単ですが、治療の緊急度は数値の絶対値以上に変化のスピードが重要です。1ヵ月前の検査結果で125mEq/Lであれば、著明な症状が出る可能性は低く、緊急性は高くありません。それに対して、数日前のNa値が135mEq/Lであれば、急性の変化であり、緊急性が高くなります。胸部の異常陰影や心電図変化、Hb値なども同様です。急性か慢性かを判断し、緊急性の適切な判断を行いましょう。(次回は5月23日の予定)

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「超」基本手技の成功率を高める達人のレクチャー

臨床研修の最初に特に必要となるであろう「胃管挿入」「動脈採血」「心エコー撮影」などの基本手技だけにフォーカスし、達人による「いろはの”い”」を集めました。「なんとなく」でできた気になってしまう基本手技。その精度を極限まで高めた達人が、何を見て、何を気にしているのか。そのポイントを動画で超絶にわかりやすく解説します。超基本だからこそ、逆になかなか聞くことができない珠玉のTIPS集です。日々の研修にぜひお役立てください。胃管挿入は、単純そうに見えますが、決して簡単な手技ではありません。覚醒下で行うため、患者さんにとって非常につらく、不快感があるの手技です。また、頭蓋内挿入、気管内挿入、そして穿孔など、重大な事故につながる恐れもあります。それらを避けるためのポイントとコツ、そしてトラブル対処法をしっかりと分かりやすく伝授します。この番組で、ぜひ、胃管挿入をマスターしてください。(視聴時間 7:22)動脈血の採取は、いくつかの部位で行うことができますが、最も、簡単で、合併症の少ない大腿部での採血の手技をお教えします。ポイントは、解剖を理解することと皮膚に対する針の角度。この番組で、大腿動脈採血の手技をマスターしてください。(視聴時間 5:03)症例写真クイズで読影腕試し!異常所見を見つけ、鑑別診断を挙げる。実臨床に近い問いに答えて読影スキルをブラッシュアップしていきましょう!異常所見を見つけたら、それが「ドコ」にあるのかを、正確に表現することは読影の基本。第1回は肺野の区分や病変部位の特定につながる、重要な読影スキルをパパっと押さえましょう。 (視聴時間 5:54)心エコー走査でなんとなく持っている苦手意識は、実はちょっとしたことを知るだけで、克服することができます。装置に触る前にやるべきこと、プローブの固定の仕方や、患者さんの呼吸と体の向きをコントロールする方法など。きちんとした像を映し出すために必要な心エコーの走査方法を、基本中の基本から解説していきます。(視聴時間 15:58)フィジカル診察は全身外観の観察からスタートします。外観のアラームサインから脱水のフィジカル診断まで、医師の視覚、聴覚、触覚、嗅覚を使い患者さんの状態を評価します。ヒポクラテス顔貌、ツルゴール反応、Capiiiary refile time、触診による血圧測定など全身のフィジカルの基本知識をDr.徳田自ら実技を交え紹介します。(視聴時間 11:49)

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不安症状や抑うつ症状と居住地の景観に関する横断的研究

 自然のアウトドアな環境に触れることは、一般的な健康状態の改善と関連しているが、抑うつ症状や不安症状などの特定の精神症状に対する保護的な関連性についてのエビデンスは限られている。スペイン・ポンペウ・ファブラ大学のMireia Gascon氏らは、居住地域において緑色や青色の景観へ長期的に触れることによる、不安、抑うつおよびこれらに関連する薬剤への影響について評価を行った。また、この関連に対する潜在的な仲介因子および効果修飾因子についても検討を行った。Environmental research誌2018年4月号の報告。 本研究は、既存の成人コホート(ALFA:Alzheimer and Families)および2013~14年にリクルートしたバルセロナの成人958例に基づき実施された。各対象者が居住する地域の緑色と青色の景観(周囲の緑[NDVI]、緑の量[land-cover]、主要な緑色や青色の景観へのアクセス)については、異なるバッファ(100m、300m、500m)ごとに作成された。対象者は、医師により診断された不安、抑うつ症状および関連する薬剤使用歴について報告した。ロジスティック回帰モデルを用いて、関連性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・周囲の緑の増加は、自己報告されたベンゾジアゼピンの使用歴の低下と関連していた(たとえば、300mバッファにおけるNDVIの四分位範囲1つの増加についてのオッズ比:0.62、95%CI:0.43~0.89)。主要な緑地へのアクセスは、自己報告されたうつ病歴と関連していた(オッズ比:0.18、95%CI:0.06~0.58)。・青色の景観については、統計学的に有意な関連性は認められなかった。・大気汚染(0.8~29.6%)と騒音(2.2~5.3%)は、観察された関連の一部を仲介していたが、身体活動と社会的支援の効果は軽微であった。 著者らは「本知見では、成人のメンタルヘルス(抑うつ症状や不安症状)に及ぼす緑地の保護的な効果が示唆されたが、これらのベネフィットおよび大気汚染や騒音などの影響について明らかにするためにも、今後さらなるエビデンス(とくに横断的研究)が求められる」としている。■関連記事公園や緑地が少ないとうつ病になりやすいのか低緯度地域では発揚気質が増強される可能性あり:大分大学たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

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乳がん内分泌療法による脱毛症、AGAと類似

 乳がんの内分泌療法による脱毛症(EIA)は、逸話的な報告が多く系統的な説明がされていない。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのAzael Freites-Martinez氏らは、後ろ向きコホート研究を行い、内分泌療法が男性型脱毛症(AGA)と類似したパターンの脱毛症と関連があることを明らかにした。EIAは、起因薬剤の作用メカニズムに合致しており、脱毛の重症度がほとんど軽度であるにもかかわらずQOLは低下していた。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年4月11日号掲載の報告。 研究グループは、乳がん患者におけるEIAを特徴付ける目的で、2009年1月1日~2016年12月31日に、包括的がんセンターの皮膚科を受診し、EIAと診断された乳がん患者112例について後ろ向きに、臨床的特徴、脱毛症関連QOLおよびミノキシジルの効果を評価した。 脱毛症関連QOLの評価には、Hairdex Questionnaireを用いた(スコア:0~100、高いほどQOLが低い)。ミノキシジルの有効性は、評価者盲検下で、3ヵ月時または6ヵ月時の標準化された頭皮の写真を用いて判定した。 主な結果は以下のとおり。・112例(年齢中央値60歳、範囲34~90歳)のうち、104例(93%)で標準化された頭皮の写真が、59例(53%)でベースラインの毛髪検査画像が確認された。また、46例(41%)でミノキシジルの有効性が評価された。・EIAは、75例(67%)がアロマターゼ阻害薬に、37例(33%)がタモキシフェンに起因していた。・重症度は、104例中96例(92%)がGrade1で、パターンはAGAに類似していた。・ベースラインの毛髪検査では、軟毛、中間径および太径の毛幹が主な特徴であった。・QOLの低下が認められ、Hairdexスコアの感情領域において、とくに影響が強かった(平均[±SD]スコアは41.8±21.3、p<0.001)。・ミノキシジルによる局所治療により、46例中37例(80%)で中等度または有意な改善が観察された。

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医師の政治信条、終末期治療に影響を及ぼすか/BMJ

 米国では、医師の政党支持は、全国規模の医療施策に関する見解の違いと関連することが知られている。米国・ハーバード大学医学大学院のAnupam B. Jena氏らは、医師の政党支持と入院患者への終末期治療の関連を検討し、支持政党の違いは終末期の支出や強化終末期治療の施行状況などに影響を及ぼさないことを示した。研究の成果は、BMJ誌2018年4月11日号に掲載された。医師の政党支持は、二極化した医療上の争点を反映した仮想的な臨床シナリオにおいて、治療の推奨と関連するとの報告があるが、医師の政治信条の終末期の治療への影響は、これまで知られていないという。支持政党別の終末期治療の違いを後ろ向きに検討 研究グループは、メディケア加入の入院患者への内科医による終末期治療を、支持政党別(共和党、民主党)に後ろ向きに比較する観察研究を行った(外部からの助成は受けていない)。 2008~12年の期間に、一般的な病態で入院し、その後病院で、または退院後早期に死亡したメディケア加入者のデータを収集した。 病院で死亡した患者および退院後にホスピスを紹介されたが30日以内の死亡リスクが高いと予測された患者における、総入院費、集中治療室の使用、強化終末期治療(挿管・人工呼吸器装着、気管切開、胃瘻管挿入、血液透析、経腸栄養、心肺蘇生)を主要アウトカムとした。医師は、連邦政治献金データを用いて共和党支持、民主党支持、支持政党なしに分類された。 解析の対象となった148万808例のうち、9万3,976例(6.3%)が1,523人の民主党を支持する医師に、5万8,876例(4.0%)が768人の共和党支持の医師に、132万7,956例(89.6%)は2万3,627人の支持政党なしの医師による治療を受けた。 5万1,621例(3.5%)が病院で死亡した。退院後30日、60日、90日以内の死亡は、それぞれ14万8,457例(10.0%)、21万1,604例(14.3%)、25万4,856例(17.2%)だった。早期死亡リスクの高い患者のホスピス入所率にも差はない 患者の人口統計学的および臨床的な背景因子は3群間でほぼ同様であった。平均年齢は、民主党支持の医師の治療を受けた患者が74.4歳、共和党支持の医師の治療を受けた患者は75.3歳(p=0.002)で、女性がそれぞれ58.8%、60.2%(p=0.002)、白人が80.1%、83.3%(p=0.002)であり、主な慢性疾患では高血圧が89.2%、90.2%(p=0.002)、急性心筋梗塞が68%、69.4%(p=0.03)などと有意な差がみられたものの、その差はわずかであり、一定の方向性もないため、重大な交絡因子となる可能性はないと考えられた。 民主党支持の医師は共和党支持の医師に比べ、平均年齢が若く(48.8 vs.51.0歳、p<0.001)、女性が多く(24.6 vs.14.7%、p<0.001)、米国の医学校の上位20校の卒業生が多かった(14.8 vs.6.4%、p<0.001)。支持政党なしの医師は、支持政党ありの医師に比べ平均年齢が若く(43.0歳、p<0.001)、女性が多く(36.8%、p<0.001)、上位20校の卒業生が少なかった(5.7%、p<0.001)。 患者の共変量と病院別の固定効果で調整後の終末期の平均支出は、民主党支持の医師が1万7,938ドル(1万2,872ポンド、1万4,612ユーロ、95%信頼区間[CI]:1万7,176~1万8,700ドル)、共和党支持の医師は1万8,409ドル(95%CI:1万7,362~1万9,456)であり、補正後群間差は472ドル(95%CI:-803~1,747ドル、p=0.47)と、有意な差は認めなかった。 病院で死亡した患者における終末期の集中治療室の使用(民主党支持の医師:52.5% vs.共和党支持の医師:54.6%、p=0.22)および強化終末期治療(38.0 vs.40.6%、p=0.14)には、医師の支持政党の違いによる差はみられなかった。 退院後にホスピスに入所した患者の割合にも、医師の支持政党による差はなかった。たとえば、退院後30日以内の予測死亡リスクが高い上位5%の患者7万4,048例の補正後ホスピス入所率は、民主党支持の医師の患者が15.8%、共和党支持の医師の患者が15.0%、支持政党なしの医師の患者は15.2%であった(民主党支持と共和党支持の補正後群間差:-0.8%、95%CI:−2.7~0.9%、p=0.43)。 著者は、「医師の政治的な好みによる、外来患者や、医療に関する政治的議論のある他の領域への影響を理解するために、さらなる検討を要する」としている。

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2020までに万全な髄膜炎菌感染症対策を

 2018年4月18日、サノフィ株式会社は、4月25日の「世界髄膜炎デー」に先立って、髄膜炎菌感染症診療に関するメディアセミナーを都内で開催した。本セミナーでは、「日本に潜む10代の髄膜炎菌感染症 アウトブレイクのリスク~海外・国内の感染事例と関連学会による対策変更~」をテーマに、髄膜炎菌感染症のオーストラリアでの疫学的状況と公衆衛生当局による対応、日本の置かれた現状と今後求められる備えなどが語られた。IMD発症後、20時間以内の診断が予後の分かれ目 髄膜炎は、細菌性と無菌性(ウイルス性が主)に大別される。なかでも細菌性髄膜炎は、症状が重篤なことで知られている。今回クローズアップした髄膜炎菌は、2018年現在、わが国での発症率は低いが、ワクチンの定期接種が行われているインフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌などと比較して感染力が強く、また症状が急激に悪化するので、対応の遅れが致命的な結果を招く恐れがある。 髄膜炎菌は、飛沫感染により鼻や喉、気管の粘膜などに感染し、感染者は無症状の「保菌」状態となる。日本人の保菌率は0.4%ほどだが、世界では3%とも言われており、19歳前後の青年期がピークとなる1)。保菌者の免疫低下など、さまざまな要因で髄膜炎菌が血液や髄液中に侵入して起こるのが、侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)である。 IMDは、感染して2~10日(平均4日)後、突発的に発症する。初期症状は風邪症状と類似し、発症後13~20時間ごろに皮下出血、傾眠、呼吸困難など(プライマリ診療では、これらの症状が高度医療機関へ転送の目安となる)が見られ、それ以降、意識障害、痙攣発作など急速に進行する。IMDでは、発症から24~48時間以内に患者の5~10%が死亡するという報告があり2)、回復した場合でも約10~20%の割合で難聴、神経障害、四肢切断など重篤な後遺症が残るという報告もある3)。海外での事例を参考に、先取りしたIMD対策を 本セミナーでは、はじめにロドニー・ピアース氏(MEDICAL HQ Family Clinic)が、オーストラリアにおけるIMDの状況などについて説明した。オーストラリアでは過去に壊滅的なIMDの流行があり、2003年にワクチンが導入され、2013年までは減少傾向が続いていた。しかし、近年、致命率の高い血清型に変化した可能性があり、2014年から再び発症報告が増加している。新しい型(W型)の集団感染は、イギリスを経由してオーストラリアにやってきたと考えられている。イギリスでは2015年8月に、青少年を対象に4価ワクチンの単回接種が導入され、1年目の結果、接種率が36.6%と低かったにもかかわらず、W型の感染例が69%減少したとの報告がある4)。 「IMD予防のためには、適切なワクチンを正しい時期に接種する必要がある」とピアース氏は語る。オーストラリアでは、州ごとに集団感染予防の対応を行っていたが、昨年から国での対応が開始され、2018年7月からは、全国プログラムが導入される予定である。同氏は、「IMDは命を脅かす疾患だが、ワクチンで防ぐことができる。日本でも、関連学会の推奨に基づき、10代はワクチン接種を行う必要がある」と締めくくった。オリンピック前に、IMDの流行対策が必要 次に、川上 一恵氏(かずえキッズクリニック 院長、東京都医師会 理事)が、IMDへの備えを語った。わが国では、IMDは感染症法により5類感染症に指定されているが、学生寮などで集団生活を送る10代の感染リスクについては、注意喚起に留まっている。現在の発症状況は年間30人前後と落ち着いているが、戦後1945年頃は年間患者数が4,000人を超えていた時期もあり、2014年に国内で流行したデング熱のように、再来する可能性も否めないと川上氏は指摘する。 IMDの迅速検査は現在未開発で、インフルエンザ検査後、血液検査でCRPの上昇を見て鑑別される方法が行われている。早期に気付き治療を施せば、抗菌薬は効果があると同氏は語る。しかし、特効薬はなく、耐性菌の出現により抗菌薬は使いづらいのが現状だ。このため、世界的にワクチン頼りの対策となっている。 医療従事者を含めて、IMDの重篤性、ワクチン接種に対する認知度が低く、発症リスク(年齢、密集した集団生活、海外の流行地域など)は十分に知られていない。また、適切に対応できる医師が少ない問題点が指摘された。同氏は、「2020年に迎える東京オリンピックを機にIMDが流行する恐れがある」と警告し、「疾患の啓発を進め、感染リスクが高い環境にある者はワクチンを接種すべき」と締めくくった。同氏のクリニックでは、髄膜炎菌に暴露する危険性を考慮し、スタッフ全員がワクチン接種を済ませているという。 4価髄膜炎菌ワクチン(商品名:メナクトラ筋注)は、日本では2015年に発売され、任意接種が可能である。在庫確保の都合上、希望者は、事前に医療機関にその旨を伝えるよう併せて説明が必要となる。■参考1)Christensen H, et al. Lancet Infect Dis. 2010;12:853-861.2)World Health Organization. Meningococcal meningitis Fact sheet No.141. 2012.3)Nancy E. Rosenstein, et al. N Engl J Med. 2001;344:1378-1388.4)Campbell H, et al. Emerg Infect Dis. 2017;23:1184-1187.

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小児期・思春期の過体重は成人までに解消すると2型糖尿病の発症を抑止できる(解説:吉岡成人 氏)-844

小児期の過体重は2型糖尿病のリスク ヒトの脂肪細胞数は小児期に増加し、20歳以降は肥満者でも非肥満者でも脂肪細胞の数はほとんど変化しない(Spalding KL, et al. Nature. 2008;453:783-787. )。そのため、小児期の過体重は、成人期以降に過食や運動不足により脂肪細胞のサイズが増大した場合に、アディポネクチンなどの「善玉」アディポサイトカイン(アディポカイン)の低下をきたし、糖尿病を発症しやすくなる。日本における小児肥満の割合は2006年頃から減少傾向にあり、2015年度の学校保健統計調査によれば11歳時において肥満傾向にあるものは男児で9.87%、女児で7.92%である。一方、欧米諸国では小児の23%が過体重ないしは肥満と報告されており(Ng M, et al. Lancet. 2014;384:766-781. )、小児期の過体重が成人後の糖尿病リスクとして重要視されている。小児期・思春期の過体重は成人期までに解消することで2型糖尿病の発症リスクが低下 今回の報告は、デンマーク人男性6万人余りを対象とするコホート研究で、小児期から成人期にかけての体重の変化が2型糖尿病の発症リスクとどのように関連しているのかについて検討されている。 解析の対象となったのは、コペンハーゲンにおける学校健診および徴兵検査のデータベースから抽出された1939~59年までに出生した男性で、7歳児、13歳児および成人早期(17~26歳)に身長と体重を測定した6万2,526例である。196万9,165人年の追跡期間中に6,710例(10.7%)が2型糖尿病と診断され、過体重の頻度は7歳時には5.4%、13歳時に5.5%、成人早期に8.2%と経年的に増加した。いずれの年齢でも過体重は2型糖尿病の発症リスクと正の相関を示し、成人早期に過体重であった場合に2型糖尿病の発症率が最も高かった。年齢を時間尺度とする比例ハザードモデルによる解析では、7歳時に過体重であっても13歳までに過体重が解消され、その後も標準体重を維持した場合には30~60歳において2型糖尿病と診断されるリスクは過体重の既往がないものと同程度(ハザード比:0.96、95%信頼区間:0.75~1.21)であった。また、7歳時、13歳時にともに過体重であっても成人早期までに過体重が解消できた場合には過体重の既往がない場合よりも糖尿病の発症リスクは高かったが(ハザード比:1.47、95%信頼区間:1.10~1.98)、すべての調査期間にわたって過体重だった場合よりもリスクは低かった(ハザード比:4.14、95%信頼区間:3.57~4.79)。思春期以前の過体重の解消が重要 7歳時に過体重であったものの64.4%は過体重を解消しており、過体重が解消された場合には2型糖尿病の発症リスクが過体重の既往がない場合と同程度となり、小児期の過体重の影響が可逆的であることが示唆されている。一方、7歳時に標準体重であっても、7歳以降、成人早期にかけてBMIが増加した場合には2型糖尿病の発症リスクが増加することも示されている。 7歳時における過体重が2型糖尿病の発症リスクに及ぼす影響は、思春期までに過体重を解消し、成人早期まで標準体重を維持することで軽減されるが、13歳時における過体重の影響は部分的にしか解消されない。思春期における過体重は中高年期以降に2型糖尿病を発症するリスクを増大させることを勘案すると、思春期以前に過体重を解消することがきわめて重要であることを示唆する臨床データといえる。

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抗PD-L1抗体アテゾリズマブ国内発売、肺がん治療に

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺」を効能・効果として本年1月19日に製造販売承認を取得した抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体アテゾリズマブ(商品名テセントリク)について、2018年4月18日薬価収載され販売を開始した。 アテゾリズマブは、腫瘍細胞または腫瘍浸潤免疫細胞に発現するタンパク質であるPD-L1を標的とする免疫チェックポイント阻害剤。PD-L1は、T細胞の表面上に見られるPD-1、B7.1の双方と結合しT細胞の働きを阻害する。アテゾリズマブはこの結合を阻害しT細胞の抑制状態を解除することで、T細胞による腫瘍細胞への攻撃を促進すると考えられている。●販売名:テセントリク点滴静注1200 mg●一般名:アテゾリズマブ(遺伝子組換え)●効能・効果:切除不能な進行・再発の非小細胞肺●用法・用量:通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1,200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。●承認日:2018年1月19日●薬価基準収載日:2018年4月18日●販売開始日:2018年4月18日●使用期限:3年●薬価:テセントリク点滴静注1200 mg 625,567円/1バイアル■「アテゾリズマブ」関連記事アテゾリズマブ、小細胞肺がんのOS、PFS改善(IMpower133)/NEJM

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