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Dr.長尾の胸部X線クイズ 中級編

第1回 気管を押すか、引っ張るか 第2回 その肺炎、間質性?それとも? 第3回 慣れるとハマる落とし穴 第4回 カタチでわかる、あの疾患 第5回 あの疾患の超初期像はこう見える 第6回 専門医の勘 ”なんとなく違う” を養う 症例写真クイズで読影腕試し!中級編は、見つけた異常所見を組み合わせて判断する力を鍛える12症例。1問5分のクイズで論理的思考力を鍛えましょう!第1回 気管を押すか、引っ張るか 今回の症例写真は、片側が真っ白!異常はすぐに見つかりますが、"なぜ"白くなるのか、原因がわからないとダメ。こんなときに見るべき場所をレン子先生と一緒に学びましょう!第2回 その肺炎、間質性?それとも? 胸部X線写真を読みなれてくると、よく出合うのが間質性肺炎。ですが一見間質性肺炎に見えるものの中に、別の疾患が紛れていることも。今回はその見分け方を解説します。第3回 慣れるとハマる落とし穴 中級編も3回目となると、読影に慣れてきたころでしょうか。今回は、誰もが一度は出合うであろう落とし穴症例を取り上げます。第4回 カタチでわかる、あの疾患 画像を読み解く要素は、影の性質と場所。そして、そのカタチです。今回取り上げる2症例は、特徴を知っていれば一発で判断がついてしまうもの。1問5分でサクッとスキルアップしてください!第5回 あの疾患の超初期像はこう見える 早期発見は永遠のテーマ。微妙な変化にいち早く気付くには、疾患ごとの初期像の特徴を知ることが大切です。 第6回 専門医の勘 ”なんとなく違う” を養う 中級編最終回で求められるスキルは、複数の所見を総合して疾患の進行度を予想すること、典型的に見える所見でも微妙な違和感を見逃さないこと。これができたら中級編は卒業です!

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大腸を旅した歯ブラシ【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第118回

大腸を旅した歯ブラシ いらすとやより使用 歯ブラシをくわえたまま遊んでいる子供がいると「ケガするよ!」と怒鳴ったりします。咽頭の奥に刺さったりしたらタイヘンですからね。しかし世の中には、とんでもない歯ブラシ論文が存在するのだ。論文タイトルもなかなか文学的です。「飲み込んだ歯ブラシ、大腸への旅」。映画化しそう。 Kim IH, et al.Journey of a swallowed toothbrush to the colon.Korean J Intern Med. 2007;22:106-108.13年来の統合失調症のある31歳の男性が、1週間続く上腹部痛を訴えて来院しました。激痛というほどではなく、中等度の痛みで、軽い嘔気を伴っていました。かかりつけのドクターに診てもらったところ「軽い胃炎ですね」とでも言われたのか、制酸薬などを処方されただけでした。薬では痛みが治まらず、次第に熱も出るようになりました。来院時の体温は38.1℃。血液検査で白血球が上昇しており、トランスアミナーゼも軽度上昇していました。膵炎を示唆するような逸脱酵素の上昇はありませんでした。はて、この腹痛と熱の原因は何だろう?腹部画像検査を行いました。主治医は腹部CTを見て、驚きました。上行結腸に、何か異物がある!しかも、異物のせいで腹腔内感染症を起こしているようでした。これはいかん、大腸内視鏡で見てみよう、ということでカメラを入れると、モニター画面にとんでもないものがあらわれました。大腸壁を突き破った歯ブラシ。上行結腸だから、さすがに肛門から入れたわけではないだろうし、あれ? この歯ブラシはどこから来たんだ? そう思いながら、処置を進める主治医。術後、患者によくよく尋ねてみると、歯ブラシを飲み込んだことがあることを告げられました。へー、やっぱり口から飲み込んだんだね、じゃあいつ頃それを飲み込んだのか。1年前。なんと、1年前に彼は歯ブラシを飲み込んでしまっており、近くの病院で「こりゃあかん、手術やで!」と強く説得されたことがあるらしいのです。彼はそれをかたくなに拒否し、1年後腹痛を起こして来院したのでした。

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ASCO2018レポート 肺がん-1

レポーター紹介2018 ASCO(American Society Clinical Oncology)Annual Meetingが、2018年6月1日~5日、米国・イリノイ州シカゴで開催された。第54回を数える今回の年次総会には、世界中からがん医療に関わる医師、看護師、薬剤師、患者、製薬企業などが多数参加しており、がんに関する幅広い研究成果や教育講演に接することができた。ここ数年、肺がん領域は毎年標準治療を変えるエビデンスが創出されているが、今年のASCOでもその勢いは続き、今年のガイドラインに掲載されうるエビデンスが多数報告された。免疫療法の到達点非小細胞肺がんの2次治療において、ニボルマブがドセタキセルに対して歴史的な勝利をおさめて3年ほどで、PD-L1高発現の患者集団の1次治療においてペムブロリズマブがプラチナ併用療法を凌駕することが示された。そして昨年末のESMO IO、今年に入ってからのAACR、そしてASCOと立て続けに、PD-L1の発現によらず、免疫チェックポイント阻害薬が1次治療を席巻するエビデンスが報告された。KEYNOTE-042PD-L1 TPS 1%以上の進行非小細胞肺がん患者を対象に、ペムブロリズマブとプラチナ併用療法を比較した第III相試験である。同様の患者集団に対しては、すでにニボルマブを用いたCheckMate 026試験が実施されており、ニボルマブは化学療法と同等であったが優越性を示すことはできなかった。KEYNOTE-042においてはそれに反して、hazard ratio 0.81(95%信頼区間:0.71~0.93)と統計学的にも有意に、ペムブロリズマブ単剤が化学療法に勝る結果が報告された。生存期間中央値では、ペムブロリズマブ群が16.7ヵ月、化学療法群が12.1ヵ月であった。CheckMate 026との違い、とくにニボルマブとペムブロリズマブの薬剤としての有効性の違いがあるのか、という点に注目が集まる結果である。試験の詳細を比較すると、KEYNOTE-042試験において、PD-L1 TPS 50%以上の患者集団の割合が高いこと、試験が免疫チェックポイント阻害薬未承認の国を中心として実施されているため、後治療でのクロスオーバーの割合が低いこと、などの点を考慮すると、薬剤の違いよりも他の相違点が結果に影響しているという考察がなされている。また、PD-L1 TPS 1~49%のサブセットにおいては、ペムブロリズマブの有効性は必ずしも化学療法よりも明らかに優れる結果ではなかったことから、化学療法実施不可の患者を除き、KEYNOTE-189で示された化学療法+ペムブロリズマブの選択が妥当とする見解が主流である。いずれにせよ、PD-L1陰性を除き、すべての非小細胞肺がん患者に対して免疫チェックポイント阻害薬単剤療法の使用を支持する結果が得られたことに高い評価が集まった。Pembrolizumab(pembro)versus platinum-based chemotherapy(chemo)as first-line therapy for advanced/metastatic NSCLC with a PD-L1 tumor proportion score(TPS)≧1%:Open-label, phase 3 KEYNOTE-042 study.(Abstract No: LBA4)Gilberto LopesKEYNOTE-407AACRで非扁平上皮非小細胞肺がんに対して実施されたKEYNOTE-189試験の結果が報告され、PD-L1の発現によらずプラチナ併用療法+ペムブロリズマブが新たな標準治療となる方向性が示された。KEYNOTE-407試験は、扁平上皮非小細胞肺がんに対して、PD-L1の発現によらずプラチナ併用療法+ペムブロリズマブの有効性を検証した第III相試験である。559人の患者を登録した本試験の結果、Co-primary endpointのOSとPFSともにペムブロリズマブ併用群が有意に生存を延長するという結果が得られた。OSではhazard ratio 0.64(95%信頼区間:0.49~0.85)、PFSではhazard ratio 0.56(95%信頼区間:0.45~0.70)であった。サブセット解析ではPD-L1の発現割合が高いほど有効性が増す傾向が示されたものの、PD-L1の発現によらない全集団でのOS、PFSの優越性が認められていることの意義は大きく、扁平上皮非小細胞肺がんの新たな標準治療が創出された試験となった。Phase3study of carboplatin-paclitaxel/nab-paclitaxel(Chemo)with or without pembrolizumab(Pembro)for patients(Pts)with metastatic squamous(Sq)non-small cell lung cancer(NSCLC).(Abstract No: 105)Luis G. Paz-AresIMpower 131PD-L1阻害薬であるアテゾリズマブとプラチナ併用療法を用いた試験のうち、扁平上皮非小細胞肺がんを対象としたものがIMpower 131試験である。本試験はアテゾリズマブ、カルボプラチン、パクリタキセルのArm A、アテゾリズマブ、カルボプラチン、アブラキサンのArm B、カルボプラチン、アブラキサンのコントロールとしてのArm Cを含む、3群のランダム化試験である。今回報告されたのは、その中でもArm BとArm Cの比較である。primary endpointであるPFSのhazard ratio 0.71(95%信頼区間:0.60~0.85)と、統計学的に有意な無増悪生存期間の延長が示された。一方、OSの中間解析も併せて報告されたがイベント数が不足しており、若干アテゾリズマブ群が良い傾向がみられたが、最終解析の結果を待つ必要がある結果であった。IMpower131: Primary PFS and safety analysis of a randomized phase III study of atezolizumab + carboplatin + paclitaxel or nab-paclitaxel vs carboplatin + nab-paclitaxel as 1L therapy in advanced squamous NSCLC.(Abstract No: LBA9000)Robert M. JotteCheckMate 227ニボルマブ、イピリムマブ併用療法、ニボルマブ、化学療法の併用療法、そして標準治療としての化学療法の3群のランダム化試験であるCheckMate 227試験からは、今回PD-L1陰性の進行非小細胞肺がん患者において化学療法と化学療法+ニボルマブを比較した解析結果が報告された。PFSのhazard ratioが0.74(95%信頼区間:0.58~0.94)と、ニボルマブと化学療法の併用によって、PD-L1陰性の患者集団においても無増悪生存期間が延長されるという結果が示されている。CheckMate 227試験に関しては、AACRにおいてTumor Mutation Burden(TMB)が高い患者集団におけるニボルマブ、イピリムマブ併用療法の良好な成績が報告されるなど、さまざまな解析が進行中である。最も重要な全集団におけるニボルマブ+化学療法の有効性に関する解析結果はまだ行われておらず、結果が待たれる。Nivolumab(Nivo)+platinum-doublet chemotherapy(Chemo)vs chemo as first-line(1L)treatment(Tx)for advanced non-small cell lung cancer(NSCLC)with<1% tumor PD-L1 expression:Results from CheckMate-227.(Abstract No: 9001)Hossein Borghaei

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親の年齢とてんかんリスクに関するレジストリベース調査

 出産時の母親、父親の年齢および親の年齢差と子供のてんかんリスクとの関連について、デンマーク・オーフス大学のJulie W. Dreier氏らが検討を行った。Epilepsia誌オンライン版2018年6月13日号の報告。 研究グループは、1981~2012年にデンマークで生まれたすべての単生児について、プロスペクティブ人口ベースレジストリ研究を実施した。Cox回帰分析を用いて、てんかんのハザード比(HR)および95%信頼区間(95%CI)を推定し、交絡調整を行った。 主な結果は以下のとおり。・研究期間中に158万7,897例、合計2,500万人年をフォローアップし、てんかん患者2万1,797例を抽出した。・母親の年齢が20歳未満で、父親が母親より5歳以上年上の夫婦に生まれた子供において、てんかんの過剰なリスクが認められた(HR:1.17、95%CI:1.07~1.29)。・両親の年齢差が大きくなるとてんかんリスクが増加し、父親が母親よりも15歳以上年上で、そのリスクは最も高かった(調整HR:1.28、95%CI:1.16~1.41)。・両親の年齢差を考慮した際、母親の年齢とは対照的に、父親の年齢は子供のてんかんリスクに関連する独立因子ではなかった(p=0.1418)。・母親の年齢および両親の年齢差との関連は、てんかんのサブタイプにおいて不変であり、てんかん発症年齢により修正されたが、その影響は子供の生後10年間において最も顕著であった。 著者らは「母親の年齢および両親の年齢差は、父親の年齢と無関係に、子供のてんかんリスクとの関連が認められた。本結果は、父親の年齢が高いとde novo変異が子供のてんかんリスクを高めるとの仮説を支持しなかった」としている。■関連記事スペインにおける妊娠中の抗てんかん薬使用に関する比較研究小児てんかんに対するレベチラセタムとフェノバルビタールの有効性比較母親の体格がADHD、自閉症リスクと関連か

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切除後NSCLCの再発および生存に対する体細胞変異の影響(JME)/ASCO2018

 次世代シークエンス(NGS)により、手術後の非小細胞肺がん(NSCLC)における体細胞変異を検討した、本邦の多施設前向き肺がん分子疫学研究JME(Japan Molecular Epidemiology for lung cancer)。副次評価項目である、体細胞変異と無再発生存期間(RFS)および全生存期間(OS)との関係について、近畿中央胸部疾患センター 田宮 朗裕氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会ASCO2018で発表した。 研究対象はStage I~IIIBのNSCLC。2012年7月~2013年12月までに43施設から集められた876の外科的切除標本で、48のがん関連遺伝子と5つのがん関連遺伝子増幅が評価された。追跡期間中央値は48.4ヵ月。 主な結果は以下のとおり。・患者の年齢中央値は70歳。男性が876例中419例。・病期はStage Iが 618例でもっとも多く、II、III、IV はそれぞれ131例、104例、23例であった。・2つ以上の体細胞変異を有する患者は876例中146例であった。・術後化学療法は876例中309例に実施された。・RFSの予後因子は、変異数(0または1つ対2つ以上、HR:0.609、p<0.0105)、年齢(70歳未満対70歳以上、HR:0.641、p=0.0008)、性別(男性対女性、HR:1.460、p=0.0381)、病理病期([Stage I対II、HR:0.332、p<0.0001]、[I対IIIまたはIV、HR:0.157、p<0.0001]、[II対IIIまたはIV、HR:0.486、p<0.0001])であった。・OSの予後因子は年齢(70歳未満対70歳以上、HR:0.590、p=0.0025)、アジュバント化学療法の施行(なし対あり、HR:2.029、p=0.0001)、EGFR変異(陰性対陽性、HR:2.223、p<0.0006)、病理病期([Stage I対II、HR:0.408、p<0.0001]、[I対IIIまたはIV、HR:0.151、p<0.0001]、[II対IIIまたはIV、HR:0.371、p<0.0001])であった。 RFSの長さに影響するのは、早期Stageと若年齢、変異数。OSの長さに影響するのは、早期Stageと若年齢とともに、EGFR変異陽性、アジュバント化学療法施行であった。とくに病期はRFS、OSの双方に影響が大きく、肺がんの進行度合いは、遺伝子変異以上に予後に影響を及ぼすことが明になった。筆頭著者である田宮 朗裕氏との1問1答【この研究を実施した背景は?】 JME研究は、喫煙者と非喫煙者のdriver mutationを含む体細胞変異との相関をみている試験ですが、今回はその中で遺伝子変異が予後に対して、どう影響するかを調べたものです。【結果についてコメントいただけますか】 体細胞変異が多いほど予後も悪いのではないかという想定していました。RFSについては、想定通り、体細胞変異が多いほど予後不良でしたが、OSについては想定通りの結果にはなりませんでした。その1つの理由としては、EGFR-TKIの有効性が高いことから、EGFR変異陽性患者の予後が良好であったことが影響していると考えられます。また、術後化学療法の有無が大きく予後に影響したことも想定外でした。【今回の研究の成果についてコメントいただけますか】 早期肺がんの発がんに関係する研究は従来後ろ向きのものが多かったのですが、今回は前向きで解析しています。今回の前向き研究で、体細胞変異と予後の関係を多変量で解析できたこと、そして術後確定病理と予後の関係が前向きに証明されたことは意義があると思います。■参考ASCO2018 AbstractJME研究(JCO)※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’Picksはこちら

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動脈硬化学会がFHの啓発にeラーニング導入

 日本動脈硬化学会が、家族性高コレステロール血症(FH)を医師に正しく理解してもらうために、eラーニングを用いた啓発活動を開始した。FHは遺伝性疾患として最も頻度が高いにもかかわらず、わが国では一般医に十分認知されていないため、診断率がきわめて低いのが問題になっている。 日本動脈硬化学会理事長の山下 静也氏(りんくう総合医療センター 院長)にFHに対する問題意識、今回の学会の取り組みの狙いなどを聞いた。―FHとはどのような疾患なのでしょうか FHは主として常染色体優性遺伝形式をとる遺伝性疾患です。著明なLDLコレステロール(LDL-C)高値を示し、家族内にLDL-Cの高い人がおり、アキレス腱黄色腫を特徴とします。FHでは早発性冠動脈疾患が高頻度で発症します。 また、FHの発生頻度は、200~500人に1人とされており、遺伝性疾患としては最も頻度の高い疾患だと言えます。脂質異常症を数多く診療されている先生であれば、患者さんの中にFHが含まれている可能性は高いと思います。―なぜFHの啓発活動を行う必要があるのですか? 学会がもっとも深刻な課題だと認識しているのが、その診断率の低さです。FH診断率は、もっとも高いオランダでは71%に達していますが、日本では1%以下であり、ほとんどのFH患者さんは見逃されてしまっている状態です。ですので、1人でも多くの医師にFHに関する基本的な情報を提供し、FH診断率の向上につながれば、早発性冠動脈疾患を防ぐことも可能と考え、今回の取り組みを始めました。―FHを見逃すべきではない理由は何でしょうか? どんな疾患も見逃すべきではありませんが、なかでもFHは最も見逃してほしくない疾患です。FHは遺伝性疾患ですので、胎児の時から高いLDL-Cに曝露されています。これが、他の脂質異常症に比べ、きわめて早期に冠動脈疾患を発症する理由です。 男性では30代、女性では40代から冠動脈疾患を発症し始めます。FHを早期に診断し、適切な治療介入を行うことで、冠動脈疾患の発症を予防していくことがきわめて重要です。―FHの診断は難しいのでしょうか? FHの病態を正しく理解し、健診や脂質異常症の診療時に疑っていただければそれほど難しくはありません。LDL-C値が180mg/dL以上の患者さんがいたら、まずアキレス腱を触診してみてください。肥厚が認められれば(X線軟線撮影によりアキレス腱9mm以上)、FHの診断基準を満たします。アキレス腱肥厚がない場合でも、早発性冠動脈疾患の家族歴(2親等以内)があれば、FHと診断されます。LDL-Cが250mg/dL以上の場合はFHを強く疑いますし、若いときからLDL-Cが高い場合にはFHを疑うべきで、家族にLDL-Cの高い人がいないかどうかを問診します。 また、急性冠症候群(ACS)の約10~20%にアキレス腱肥厚が認められますので、ACSで運び込まれた患者さんのアキレス腱を触診するのもとても大切なことです。―FHの疾患啓発について学会の取り組みを教えてください 日本動脈硬化学会では、より多くの先生方にFH診療を理解していただくために、2017年1月に小児FH診療ガイドを、6月に家族性高コレステロール血症診療ガイドラインを公開しています。また、世界FH dayである9月24日に合わせ、市民公開講座や医療者向けセミナー、プレスセミナーなどを実施するなどの活動もしてきました。 今回はさらに、医師に広くFHを理解いただくために、医薬教育倫理協会(AMEE)と共同で、eラーニングプログラムを開発、2018年6月に公開いたしました。FHの病態・診断・治療を実際の症例を盛り込み、臨床医目線でわかりやすく解説しています。 日本動脈硬化学会の認定単位対象プログラムですが、医師であればどなたでも視聴することができます。ぜひご覧いただき、FHに対する理解を深め、日常診療に役立てていただければと思います。■ケアネット医師会員は、ケアネットのID/パスワードにてこちらから受講可能です。

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日本発の治療薬を世界中の患者さんへ

 2018年6月20日、ノーベルファーマ株式会社は、「ラパリムスゲル0.2%」(一般名:シロリムス外用ゲル剤)が、「結節性硬化症に伴う皮膚病変」の治療薬として6月6日に発売されたことを期し、本剤に関する記者発表会を都内で開催した。発表会では、結節性硬化症の概要のほか、本剤の開発経緯や特徴などの講演が行われた。患者さんの声に応えて研究・開発された治療薬 発表会では、金田 眞理氏(大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座 皮膚科学教室 講師)を講師に迎え、「結節性硬化症に伴う皮膚病変の治療革命」をテーマに講演が行われた。 「結節性硬化症」(以下「TSC」と略す)とは、タンパク質キナーゼのmTORが恒常的に活性化することで、皮膚、神経系、腎、肺、骨など諸部位に過誤腫や過誤組織を形成する疾患。最近では胎児期の心横紋筋腫をきっかけに発見される例も増えてきているという。精神遅滞、てんかん、血管線維腫が3主徴とされ、とくに皮膚症状は99%の患者で起こり、顔面にできる血管線維腫は、患者のQOLやADLを低下させ、長年苦しめてきた。治療では、根治療法はなく、個々の症状への対症療法が行われている。 皮膚病変の治療では、mTOR阻害薬の内服薬のほか外科的治療が行われてきたが、内服薬では効果が緩徐で長期服用が必要とされることから副作用の懸念があり、外科治療では全身麻酔による処置が必要なことも多く、患者や患者家族からは痛みのない、外用薬の開発が望まれていた。そうした患者らの声を受けて、同氏が研究・開発した外用薬が「ラパリムスゲル」である。 同氏による医師主導治験では、1日2回塗布で12週後の効果を検討すると、小さな腫瘤や白斑などは消失し、縮小効果は成人よりも小児の方に大きく効果がみられたほか、線維性局面も同様に小児の方に効果が大きくみられたという。 問題点について同氏は「塗布を中止すると再燃すること、塗布の継続期間や頻度、効果判定や長期使用の安全性など課題も多い」と指摘する。最後に「今回の治療薬開発プロセスが、今後のわが国の創薬モデルとなりうると考える」と展望を述べ、講演を終えた。先駆け審査指定制度の第1号として誕生 本剤は、日本から世界に発信をするという意味合いで、厚生労働省の定める先駆け審査指定制度*の第1号として認定され、承認された治療薬である。適用症は「TSCに伴う皮膚病変」であり、世界初となる。作用機序としては、TSCで恒常的に活性化しているmTORをシロリムスが阻害することで皮膚病変の症状を緩和する。 本剤は、2015年から検証試験および長期試験(国内第III相試験)が行われ、TSCに伴う血管線維腫に対し、ラパリムスゲル群(n=30)とプラセボ群(n=32)に分け、12週後の改善度を比較した結果、ラパリムスゲル群は改善率60.0%に対し、プラセボ群は0%(p<0.001 Fisherの直接確率検定)だった。また、線維性頭部局面の改善度に対し、ラパリムスゲル群(n=13)とプラセボ群(n=16)で同様に12週後の改善度を比較した結果、ラパリムスゲル群は改善率46.2%に対し、プラセボ群は6.3%(p=0.026 Fisherの直接確率検定)とラパリムスゲル群の有効性が確認された。安全面についてみると、12ヵ月の長期試験で有害事象を伴う中止にいたらなかった患者割合は97.9%だった。また、主な副作用としては、皮膚乾燥、適用部位刺激感、ざ瘡、そう痒症、ざ瘡様皮膚炎、眼刺激などが報告されたがいずれも重篤なものはないという。用法・用量は、通常1日2回患部に適量を塗布。薬価は3,855 円(0.2% 1g)となる。*先駆け審査指定制度とは、対象疾患の重篤性など、一定の要件を満たす画期的な新薬などについて、開発の早期段階から対象品目に指定し、薬事承認に関する相談・審査で優先的な取扱いをすることで、承認審査の期間を短縮することを目的としたもの。

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ABPM要否を判定する新トリアージ法の有用性を検証/BMJ

 3回の診察室血圧値と患者背景(年齢、性別、BMI、高血圧の診断歴および治療歴、心血管疾患の有無)を組み合わせた新たなトリアージ法(Predicting Out-of-OFfice Blood Pressure[PROOF-BP]アルゴリズム)により、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)の適用は通常の半分となり、高血圧か否かをほぼ正しく分類できることが示された。英国・オックスフォード大学のJames P. Sheppard氏らが、日常診療で高血圧が疑われる患者にABPMを適用するかをトリアージするためのPROOF-BPアルゴリズムの妥当性を検証した、前向き観察コホート試験の結果を報告した。著者は、「ABPMを考慮する場合、とくに資源が限られている場合には、この新しいトリアージ法は高血圧の診断や管理に推奨される」とまとめている。BMJ誌2018年6月28日号掲載の報告。ABPMの実施が検討された約900例でPROOF-BPアルゴリズムの妥当性を評価 研究グループは、2015年5月~2017年1月に、英国のプライマリケア10施設および病院1施設において、ABPMの実施が検討された18歳以上の連続患者887例(平均年齢52.8[SD 16.2]歳)を登録し、全例にABPMを実施するとともに、PROOF-BPアルゴリズムを用いて分類した。 主要評価項目は、日中ABPMの参照基準(≧135/85mmHgを高血圧)と比較した、トリアージ法で正確に分類された患者の割合。副次評価項目は、高血圧診断の感度、特異度およびROC曲線下面積(AUROC)であった。PROOF-BPアルゴリズムでABPMの必要性は半減 887例中、トリアージ法で高血圧か否か正しく分類されたのは801例(90%、95%信頼区間[CI]:88~92)で、高血圧診断の感度は97%(95%CI:96~98)、特異度は76%(95%CI:71~81)、AUROCは0.86(95%CI:0.84~0.89)であった。 トリアージ法を用いると、ABPMを受けるために専門医へ紹介されるべき患者は887例中435例(49%、95%CI:46~52)で、残りは診察室で測定された血圧値に基づく管理となった。また、69例(8%、95%CI:6~10)は白衣高血圧であった。

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クローズドループシステムの人工膵臓、入院中の2型DMに有用/NEJM

 非集中治療下の2型糖尿病(DM)患者において、クローズドループ型インスリン注入システム、いわゆる人工膵臓の使用は、従来のインスリン療法と比較して、低血糖リスクは上昇せず血糖コントロールを有意に改善することを、スイス・ベルン大学のLia Bally氏らが、非盲検無作為化試験で明らかにした。DM患者は、入院すると急性疾患に対する代謝反応の変動、食事摂取の量やタイミングの変化、薬物性の一時的なインスリン感受性の急速な変化などによって、血糖コントロールの目標達成が難しくなることがある。クローズドループ型インスリン注入システムは、1型DM患者において血糖コントロールを改善できるという報告が増えていた。NEJM誌オンライン版2018年6月25日号掲載の報告。人工膵臓と従来のインスリン療法の血糖コントロールを比較 研究グループは、英国とスイスにある第3次病院において、一般病棟に入院中のインスリン療法を必要とする18歳以上の2型DM患者136例を、クローズドループ型インスリン注入システム(人工膵臓)群(70例)と、従来の皮下投与によるインスリン療法を受ける対照群(66例)に無作為に割り付けた。 両群とも、血糖値はAbbott Diabetes Care社の持続血糖測定器(CGM)Freestyle Navigator IIを用いて測定した。人工膵臓群では、インスリン注入は完全に自動化され、CGMの低血糖アラームは63mg/dLに設定された。対照群では、CGMのデータは盲検下で、臨床チームが末梢血の随時血糖測定によりインスリン投与量の調整を行った。 主要評価項目は、最大15日間あるいは退院までの期間における、CGMによる血糖値が目標範囲内(100~180mg/dL)であった時間の割合で、intention-to-treat解析にて評価した。人工膵臓群で血糖コントロールが良好 血糖値が目標範囲内であった時間の割合(平均±SD)は、人工膵臓群65.8±16.8%、対照群41.5±16.9%、群間差は24.3±2.9ポイント(95%信頼区間[CI]:18.6~30.0、p<0.001)で、人工膵臓群が有意に高値であった。また、目標範囲を超えていた時間の割合は、それぞれ23.6±16.6%および49.5±22.8%、群間差は25.9±3.4ポイント(95%CI:19.2~32.7、p<0.001)であった。 平均血糖値は、人工膵臓群154mg/dL、対照群188mg/dLであった(p<0.001)。低血糖(CGMによる血糖値が54mg/dL未満)の期間(p=0.80)や、インスリン投与量(投与量中央値は人工膵臓群44.4単位、対照群40.2単位、p=0.50)に関しては、両群で有意差は認められなかった。 重症低血糖あるいは臨床的に重大なケトン血症を伴う高血糖は、両群ともに発生がみられなかった。

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PD-L1発現1%未満のNSCLC1次治療、ニボルマブ+化学療法でPFS改善(CheckMate-227)/ASCO2018

 ニボルマブおよびニボルマブベースのレジメントと化学療法を比較した、無作為化オープンラベル第III相CheckMate-227試験。本年の米国がん研究会議年次集会(AACR2018)およびN.Engl.J.Med誌にて、高腫瘍変異(TMB-H)患者においてニボルマブ+イピリムマブ群が化学療法単独に比べ有意にPFSを改善した結果が発表されている。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)では、米国Fox Chase Cancer CenterのHossein Borghaei氏により、PD-L1(TPS)1%未満の患者におけるニボルマブ+化学療法と化学療法単独群を比較した無増悪生存期間(PFS)の結果が発表された(最低追跡期間は11.2ヵ月)。試験デザイン・試験対象:PD-L1発現1%以上および1%未満のStageIVまたは再発NSCLCの初回治療患者・試験群:ニボルマブ+イピリムマブ群     ニボルマブ単独群(TPS1%以上)     ニボルマブ+化学療法群(TPS1%未満)・対照群:化学療法(組織型により選択)単独・評価項目 [複合主要評価項目]高TMB(≧10/メガベース)患者におけるニボルマブ+イピリムマブ群対化学療法群のPFS、PD-L1発現(≧1%)患者におけるニボルマブ+イピリムマブ群対化学療法群の全生存期間(OS) [副次評価項目]高TMB(≧13/メガベース)かつPD-L1発現(TPS1%以上)患者におけるニボルマブ単独群対化学療法群のPFS、高TMB(≧10/メガベース)患者におけるニボルマブ+化学療法群対化学療法群のOS、PD-L1なしまたは低発現(TPS1%未満)患者におけるニボルマブ+化学療法群対化学療法群のPFS。そのほか奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・患者はニボルマブ+化学療法群177例と化学療法単独群186例に割り付けられた・全体のPFSは、ニボルマブ+化学療法群5.6ヵ月に対し、化学療法単独群4.7ヵ月、1年PFS率はそれぞれ、26%と14%であった(HR:0.74、95%CI:0.58~0.94)・PFSをTMB別にみると、TMB-H(10mut/メガベース以上)では、それぞれ6.2ヵ月と5.3ヵ月、1年PFS率は27%対8%(HR:0.56、0.35~0.91)であり、低TMB(TMB-L=10mut/メガベース未満)では、両群共に4.7ヵ月、1年PFS率は18%対16%であった(HR:0.87、0.57~1.33)・全体のORRは、ニボルマブ+化学療法群36.7%に対し、化学療法単独群23.1%であった。・ORRを腫瘍変異負荷(TMB)別にみると、TMB-Hでは、それぞれ60.5%と20.8%、TMB-Lでは27.8%と22.0%であった・全Gradeの治療関連有害事象は、ニボルマブ+化学療法群92%に対し、化学療法単独群では77%。Grade3/4ではそれぞれ52%と35%であった

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HR+HER2-リンパ節転移-乳がん患者における化学療法の意義(TAILORx)/ASCO2018

 米国では、乳がん全体の約半数をホルモン受容体(HR)陽性、HER2陰性、リンパ節転移陰性乳がんが占め、治療として術後化学療法が推奨されているが、多くの患者が過剰治療を受けている可能性がある。21遺伝子アッセイ(Oncotype DX)を用いた再発スコア(RS)の妥当性を検証する前向き試験では、低RSの場合は内分泌療法(ET)単独でも再発率は低く、高RSでは化学療法(Chemo)併用のベネフィットが大きいことが示されているが、RSが中間値の患者における化学療法のベネフィットは不明であった。 米国・Montefiore Medical CenterのJoseph A. Sparano氏らは、HR陽性HER2陰性リンパ節転移陰性乳がんの治療におけるバイオマーカーに基づくChemo治療パラダイムの確立を目的に、21遺伝子アッセイによるRSが中間値の患者において、ET単独とET+Chemoを比較する第III相試験(TAILORx試験)を実施した。 2006年4月〜2010年10月の期間に、年齢18〜75歳の浸潤性乳がんで、HR陽性HER2陰性、リンパ節転移陰性の患者が登録され、RSによって低RS(0〜10点、1,629例、ET単独、A群)、中間RS(11〜25点、6,711例)、高RS(26〜100点、1,389例、ET+Chemo、D群)に分けられた。さらに、中間RSの患者は、ET単独を施行する群(B群)またはET+Chemoを施行する群(C群)にランダムに割り付けられた。 主要エンドポイントは、ランダム化の対象となった中間RS(B群、C群)における無浸潤性乳がん生存(IDFS)であった。非劣性デザインとし、IDFSのハザード比(HR)の非劣性マージンは1.322とした。 中間RSの患者の年齢中央値は55歳、33%は50歳以下であった。63%は腫瘍サイズが1~2cm、57%は組織学的悪性度が中等度であり、MINDACT基準による臨床的リスクは、74%が低リスク病変、26%は高リスク病変だった。 追跡期間中央値7.5年におけるIDFSのHRは1.08(95%CI:0.92~1.24、p=0.26)で、事前に規定されたHRの非劣性マージン(1.322)を超えなかったことから、B群のC群に対する非劣性が確認され、主要エンドポイントは満たされた。同様に、遠隔無再発生存期間(DRFI)(HR:1.10、95%CI:0.85〜1.41、p=0.48)、無再発生存期間(RFI)(HR:1.11、95%CI:0.90〜1.37、p=0.33)、全生存期間(OS)(HR:0.99、95%CI:0.79〜1.22、p=0.89)についても、B群のC群に対する非劣性が示された。 9年時の遠隔再発のイベント発生率は、A群が3%、B+C群が5%、D群は13%であった。また、B群とC群のIDFS率、DRFI率、RFI率、OS率の差は、いずれも1%未満だった。 RS 11〜25点(B群、C群)の50歳以下の患者(2,216例)においてChemoのベネフィットの評価を行ったところ、RS 16〜20点の患者ではB群に比べC群でIDFS率が9%低く、RS 21〜25点の患者ではIDFS率が6%低かった。RS 11〜15点の50歳以下の患者では、Chemoによるベネフィットのエビデンスは認められなかった。 Sparano氏は、「RSが11〜25点の患者では、ET単独のET+Chemoに対する非劣性が示され、RS 0〜10点ではET単独による9年時の遠隔再発率はきわめて低かった(2〜3%)が、25〜100点では術後にET+Chemoを行っても再発によるイベント発生率が高く、より有効性の高い治療の探索が求められる。RS 16〜25点では、50歳以下の患者にある程度のChemoのベネフィットが認められ、このうち21〜25点の患者でChemoによる遠隔再発の抑制効果が高かった」とまとめ、「Chemoのベネフィットが期待できないサブグループでは、意思決定過程を共有し、ベネフィットとリスクについて注意深く話し合ったうえで、Chemoを控えるようにすべきである」と指摘した。■参考ASCO Abstract■関連記事ASCO2018乳がん 会員聴講レポート※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’Picksはこちら

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経済レベルの異なる国々における脳卒中診療パターンと転帰(中川原譲二氏)-883

 低・中所得国では脳卒中が人々にもたらす影響にはばらつきがある。高所得国では、脳卒中の診療と転帰における改善が報告されているが、低・中所得国での診療の状況と転帰についてはほとんど知られていない。著者ら(英国・グラスゴー大学のPeter Langhorne氏ら)は、経済レベルの異なる国々における実施可能な診療のパターンと患者転帰との関係を比較検討した。32ヵ国、142ヵ所の医療機関が参加した観察研究 研究グループは2007年1月11日~2015年8月8日にかけて、32ヵ国142ヵ所の医療機関を通じて、「INTERSTROKE」研究に参加した1万3,447例の脳卒中患者を対象に、診療の違い(用いられた治療と医療機関へのアクセス)のパターンと効果について検討を行った。また、研究に参加した施設に対して、患者データに加え、健康管理や脳卒中の診療設備に関する情報を調査票により収集した。患者層特性と診療区分に対して単変量・多変量解析を行い、利用できる医療機関、提供された治療と、1ヵ月時点の患者転帰との関連を分析した。脳卒中ケアユニットでの治療や適切な抗血小板療法は、転帰を改善 被験者のうち、すべての情報を得られたのは1万2,342例(92%)だった(28ヵ国108病院)。そのうち、高所得国の被験者は2,576例(10ヵ国38病院)、低・中所得国は9,766例(18ヵ国70病院)だった。低・中所得国の患者は高所得国に比べ、重篤な脳卒中や脳内出血が多く、診療へのアクセスが不十分で、検査や治療の利用が少なかった(p<0.0001)。また、低・中所得国の転帰不良は、患者層特性の違いのみによるものだった。一方、所得に関係なくすべての国において、脳卒中ケアユニットへのアクセスが、検査や治療の利用の改善、リハビリテーション・サービスへのアクセス、重症度によらない生存率の改善と関連していた(オッズ比[OR]:1.29、95%信頼区間[CI]:1.14~1.44、p<0.0001)。それらは、患者層特性や診療の他の評価法とも独立していた。また、急性期の抗血小板療法は、患者層や診療の特性にかかわらず、生存率を改善した(OR:1.39、95%CI:1.12~1.72)。低・中所得国では、診療とその提供体制の改善が不可欠 以上から、低・中所得国では、エビデンスに基づく治療や診断、および脳卒中ケアユニットが、まれにしか活用されていないことが明らかにされた。一方で、脳卒中ケアユニットへのアクセスや抗血小板療法の適切な使用は、転帰の改善と関連していることも示された。したがって、低・中所得国では、診療とその提供体制の改善が、転帰の改善に不可欠であると解釈される。高所得国に恥じない脳卒中診療提供体制の構築が課題 脳卒中診療では、診療提供体制の改善が、転帰の改善に不可欠であることは、低・中所得国に限らず、高所得国であるわが国においても、当てはまる。わが国で2005年に一般臨床での使用が承認された急性期脳梗塞に対するt-PA静注療法は、診療施設における脳卒中ケアユニットの運用と一体のものとして導入された。また、近年エビデンスが確立した急性期脳梗塞に対する血管内治療手技による血栓回収療法についても、各診療圏内に血管内治療手技が24時間提供できる診療体制の構築がなければ、当該診療圏全体としての脳卒中の転帰の改善には、結び付かない。わが国においては、高所得国に恥じない脳卒中の診療体制の構築が課題である。

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腹を立てない方法【Dr. 中島の 新・徒然草】(228)

二百二十八の段 腹を立てない方法読者の皆様は、人に何か言われて腹の立つことはありませんか? 私はあります。というか、本気で仕事をしている人なら当然あるはずです。そんな時にどう対処するか、それが問題です。もちろん、売り言葉に買い言葉の言い争いは論外なので、受け流すしかないのですが、どうすれば心の安寧を保つことができるのか? 飲みに行くとかカラオケに行くとか。あるいは地面に穴を掘って大声で叫ぶというのもあるかもしれません。私の場合、「次回同じ事を言われたらこう返す」というのを考えることにしています。というのは、以前、こんな事があったからです。電車の席に座っていたら、乗り込んできた小学生くらいの男の子が私を指さして一言、「ハゲや!」と叫んだのです。横にいたお母さんと思しき女性は、ヘラヘラと笑いながら「すみませんねえ」と言っているだけでした。「どないなしつけをしとるねん、この親は!」と思いましたが、口に出しても仕方ないので黙っていました。でも、その後も思い出すたびに腹が立ってくるので、「あの時はどう返せば良かったのだろうか?」と思ってあれこれ考えました。その結果、うまい返し方を思いついたのですが、なぜか披露したのが看護学校の授業の最中です。中島「ええか。腹が立ってもな、『こう来たら、こう返す』というのがあったらエエんや」学生一同「はあ?」中島「そしたらな、『どこからでもかかってきなさい!』という心境になってな、平穏な気持ちでいることができるからな」学生一同「はあ」何をいきなり授業中に分からんことを、という表情の学生たちでしたが、私はますますヒートアップしてしまいました。中島「実際にやってみよか。君、ちょっと小学生役になってくれるか?」学生1「?」中島「仮に小学生にな、『ハゲや!』と言われたとするやろ」学生一同「あっはっは!」中島「ほな、こう返すんや」学生1「・・・」中島「『僕、ちょっと聞いていいか?』ってな」学生1「はい」中島「さらに『ハゲって漢字でどない書くのかな。おっちゃんに教えてくれるか?』と言うんや」学生1「ええっと」中島「『まだ小学生やったら無理かな』と、一旦退く」学生1「そうですね」中島「『ほな、お母さん。教えてえな』と、矛先をかえる」学生2「ええ」戸惑う学生1と学生2を相手に1人で熱演です。中島「どないや、これで小学生も母ちゃんもグウの音も出えへんやろ」学生一同「先生、ちょっと怖いですよ、それ」中島「確かに小学生相手に本気出したら、ただのアホウやな」怖いと思われるのは本意ではなく、関西人らしく笑いを取りたいのが本当のところ。でも学生たちにはあきれられてしまいました。ともかく、「こう来たら、こう返せ」というものを作っておけば、気持ちが落ち着くのは事実です。読者の皆様もぜひ試してみてください。最後に1句考えて 準備をすれば 平気だピョン

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小児から18歳までのうつ病と自閉症気質との関連

 小児から成人期初期までの自閉スペクトラム症(ASD)において、うつ病の軌跡をフォローした人口ベースの研究は、あまり行われていない。そのため、遺伝的あるいは、いじめなどの環境的要因の役割は、いずれの集団においてもよくわかっていない。英国・ブリストル大学のDheeraj Rai氏らは、ASDや自閉症気質の有無にかかわらず、10~18歳の小児におけるうつ症状の軌跡を比較し、ASDと18歳時のICD-10うつ病診断との関連を評価し、遺伝的交絡およびいじめの重要性について検討を行った。JAMA psychiatry誌オンライン版2018年6月13日号の報告。 英国・ブリストルの親子出生コホートであるAvon縦断研究の参加者を、18歳までフォローアップした。データ分析は、2017年1~11月に実施した。うつ症状の評価は、10~18歳の間に6つの時点でShort Mood and Feelings Questionnaire(SMFQ)を用いて行った。18歳時のICD-10うつ病診断の確定には、Clinical Interview Schedule-Revisedを用いた。ASD診断および4つの自閉症気質(社会的コミュニケーション、一貫性、反復行動、社会性)について評価した。自閉症遺伝子多型リスクスコアは、Psychiatric Genomics Consortiumの自閉症発見ゲノムワイド関連研究の集計データを用いて得られた。いじめの評価は、8、10、13歳時に実施した。 主な結果は以下のとおり。・完全なデータを有する最大サンプル数は、軌跡分析で6,091例(男性:48.8%)、18歳時のうつ病診断で3,168例(男性:44.4%)。・ASDおよび自閉症気質を有する小児は、一般集団と比較し、10歳時における平均SMFQ抑うつスコアが高かった(社会的コミュニケーション:5.55[95%CI:5.16~5.95]vs.3.73[3.61~3.85]、ASD:7.31[6.22~8.40]vs.3.94[3.83~4.05])。また、それらは18歳時まで上昇したままであった(社会的コミュニケーション:7.65[95%CI:6.92~8.37]vs.6.50[6.29~6.71]、ASD:7.66[5.96~9.35]vs.6.62[6.43~6.81])。・社会的コミュニケーションの障害は、18歳時のうつ病リスクと関連しており(調整相対リスク:1.68、95%CI:1.05~2.70)、このリスクに対して、いじめが大きく影響していた。・自閉症遺伝子多型リスクスコアにより交絡するエビデンスはなかった。・多重代入法を用いてより大規模なサンプルを分析したところ、結果は類似しており、より正確な結果が得られた。 著者らは「ASDおよびASD気質を有する小児は、一般集団と比較し、10歳時のうつ症状スコアが高かった。また、うつ症状スコアの高さは18歳まで持続し、とくにいじめの状況で顕著であった。うつ病との関連において、社会的コミュニケーションの障害は、重要な自閉症気質であった。環境的要因であるいじめは、介入可能な標的となりうる」としている。■関連記事自閉スペクトラム症におけるうつ病や自殺念慮のリスクと保護因子成人発症精神疾患の背景に自閉スペクトラム症が関連母親の体格がADHD、自閉症リスクと関連か

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糖尿病での心理的負担が全死亡に影響~日本人男性

 2型糖尿病の日本人男性において、糖尿病に特異的な心理的負担感が全死因死亡と有意に関連することがわかった。天理よろづ相談所病院(奈良県)に通院する糖尿病患者を対象とした大規模レジストリ(Diabetes Distress and Care Registry in Tenri:DDCRT18)を用いた前向きコホート研究の結果を、天理よろづ相談所病院内分泌内科の林野 泰明氏らが報告した。Diabetologia誌オンライン版2018年6月8日号に掲載。 糖尿病患者は、セルフケア(運動、食事療法)や複雑な治療内容(経口血糖降下薬、インスリン注射、自己血糖測定)のために心理的負担感を抱いていることが明らかになっている。本研究では、DDCRT18での2型糖尿病患者3,305例の縦断的データを用いて、心理的負担感をProblem Areas in Diabetes(PAID)スコアで評価し、その後の全死因死亡リスクとの関連を調査。潜在的な交絡因子を調整したCox比例ハザードモデルを用いて、PAIDスコアと全死因死亡との独立した関連を調べた(平均追跡期間:6.1年)。 主な結果は以下のとおり。・研究の集団は、男性2,025例、女性1,280例、平均年齢64.9歳、平均BMI 24.6、平均HbA1c値58.7mmol/mol(7.5%)であった。・多変量調整モデルにおいて、PAIDスコアの第1五分位に対する第2~第5五分位の全死因死亡の多変量調整HR(95%CI)は、順に1.11(0.77~1.60、p=0.56)、0.87(0.56~1.35、p=0.524)、0.95(0.63~1.46、p=0.802)、1.60(1.09~2.36、p=0.016)であった。・サブグループ解析において、男性ではPAIDスコアと全死因死亡との関連がみられた(HR:1.76、95%CI:1.26~2.46)が、女性では認められなかった(HR:1.09、95%CI:0.60~2.00)。糖尿病の心理的負担感と性別との間に、有意な関連(p=0.0336)が認められた。

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膵がんアジュバントにおけるmFOLFIRINOXの可能性(PRODIGE 24/CCTG PA.6)/ASCO2018

 切除後の膵臓がんでは、術後補助化学療法を行ったにもかかわらず、7割の患者が2年以内に再発するとされる。そのため、より良好な成績の術後補助化学療法が求められている。この術後化学療法として、フルオロウラシルのボーラス投与を省いたmodified FOLFIRINOX(mFOLFIRINOX)療法とゲムシタビン単剤療法を比較した第III相試験PRODIGE 24/CCTG PA.6が行われ、その結果をフランス・Institut de Cancérologie de LorraineのThierry Conroy氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表した。 試験の登録患者はR0、R1切除施行、術後12週間以内の腫瘍マーカーが180U/mL未満で化学療法、放射線療法の治療歴のないPS 0~1の膵がん患者。患者は、mFOLFIRINOX(オキサリプラチン85mg/m2、レボホリナート200mg/m2、イリノテカン180mg/m2、フルオロウラシル2,400mg/m246時間持続投与)を2週間ごと最大12サイクル施行したmFOLFIRINOX群と、ゲムシタビン1,000mg/m2を3または4週間ごとを最大6サイクル施行するゲムシタビン群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は無病生存期間(DFS)、副次評価項目は毒性、全生存期間(OS)、3年時点のがん特異的生存率(SS)、無転移生存期間(MFS)とした。 2012年4月~2016年10月に493例が登録され、mFOLFIRINOX群は247例、ゲムシタビン群は246例であった。追跡期間中央値は33.6ヵ月。 DFS中央値は、mFOLFIRINOX群が21.6ヵ月(17.7~27.6)、ゲムシタビン群が12.8ヵ月(11.7~15.2ヵ月)と、mFOLFIRINOX群で有意に延長した(HR:0.58、95%CI:0.46~0.73、p

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オラパリブ、BRCA変異陽性乳がんに国内適応拡大

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)は2018年7月2日、オラパリブ(商品名:リムパーザ)が、「がん化学療法治療歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳」を適応症とする製造販売承認事項一部変更の承認を取得したと発表。 リムパーザの処方は、コンパニオン診断プログラムである「BRACAnalysis 診断システム」による、生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異の判定結果に基づき決定される。■関連記事オラパリブ、BRCA変異陽性乳がんにおける全生存期間の最新データを発表/AACR2018オラパリブの乳がんコンパニオン診断プログラムが国内承認FDA、BRCA変異転移乳がんにオラパリブ承認

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転移リスクの高い前立腺がん、エンザルタミドは転移を有意に抑制/NEJM

 転移のない去勢抵抗性前立腺がんで、PSA値が急上昇している患者において、エンザルタミド(商品名:イクスタンジ)の投与により、プラセボと比較して転移または死亡のリスクが有意に71%低下したことが、米国・ノースウェスタン大学のMaha Hussain氏らによる第III相の二重盲検無作為化試験の結果、示された。有害事象は、エンザルタミドの確立している安全性プロファイルと一致していた。転移のない去勢抵抗性前立腺がんでPSA値が急上昇している患者は、転移リスクが高い。研究グループは、エンザルタミドがそのような患者の転移を遅延し、全生存(OS)を延長するとの仮定について検証を行った。NEJM誌2018年6月28日号掲載の報告。エンザルタミド1日1回160mg vs.プラセボで、無転移生存期間を評価 試験は、転移のない去勢抵抗性前立腺がんで、PSA倍加時間が10ヵ月以下のアンドロゲン除去療法を継続している患者を、1日1回エンザルタミド(160mg)またはプラセボを投与する群に、無作為に2対1の割合で割り付けて追跡評価した。 主要評価項目は、無転移生存期間(MFS:無作為化から放射線学的進行までの期間または放射線学的進行を認めることなく死亡までの期間)であった。エンザルタミド群の転移または死亡のHRは0.29 2013年11月26日~2017年6月28日までに、計2,874例がスクリーニングを受け、試験適格であった1,401例(PSA倍加時間中央値3.7ヵ月)が登録・無作為化を受けた(エンザルタミド群933例、プラセボ群468例)。試験薬の投与期間中央値は、エンザルタミド群18.4ヵ月、プラセボ群11.1ヵ月で、登録終了(2017年6月28日)時点で試験薬の投与を受けていたのは、それぞれ634例、176例であった。投与中止の理由は両群とも病勢進行が最も多く(15%、44%)、次いで有害事象によるものであった(10%、6%)。 主要評価項目の発生は、エンザルタミド群219/933例(23%)、プラセボ群228/468例(49%)であった。MFSの中央値は、エンザルタミド群36.6ヵ月、プラセボ群14.7ヵ月であった(転移または死亡のハザード比[HR]:0.29、95%信頼区間[CI]:0.24~0.35、p<0.001)。 後続治療の抗腫瘍治療初回実施までの期間は、エンザルタミド群がプラセボ群より有意に延長した(39.6 vs.17.7ヵ月、HR:0.21、95%CI:0.17~0.26、p<0.001;後続治療実施15 vs.48%)。同様に、PSA値に基づく進行確認までの期間もエンザルタミド群が有意に延長した(37.2 vs.3.9ヵ月、HR:0.07、95%CI:0.05~0.08、p<0.001;同進行発生22 vs.69%)。 全生存期間の初回中間解析の時点で、エンザルタミド群103例(11%)、プラセボ群62例(13%)が死亡していた。生存期間中央値は、両群とも未到達であった(p=0.15)。 Grade3以上の有害事象の発生は、エンザルタミド群31%、プラセボ群23%であった。

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