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双極性障害における精神医学的入院リスクのための単剤療法の比較

 米国・ニューメキシコ大学のAnastasiya Nestsiarovich氏らは、双極性障害患者の精神医学的入院リスクについて、29種類の薬剤を比較した。Bipolar disorders誌オンライン版2018年6月19日号の報告。 Truven Health Analytics MarketScanデータベースを用いて、リチウム、第1世代または第2世代の抗精神病薬、気分安定抗てんかん薬、抗うつ薬の29種類の処方箋情報を有する、双極性障害または統合失調感情障害患者19万894例を抽出した。競合リスク回帰分析を用いて、精神医学的入院リスクの比較を行った(患者の年齢、性別、併存疾患、前処置薬により調整)。他の競合リスクは、単独療法の終了および非精神医学的入院とした。 主な結果は以下のとおり。・リチウムよりも精神医学的入院リスクが有意に低かった薬剤は、以下の3剤であった。●バルプロ酸(相対リスク[RR]:0.80、p=0.00032)●アリピプラゾール(RR:0.80、p=0.00035)●bupropion(RR:0.80、p=0.00028)・精神医学的入院リスクが有意に高かった薬剤は、以下の8剤であった。●ハロペリドール(RR:1.57、p=0.00094)●クロザピン(RR:1.52、p=0.017)●fluoxetine(RR:1.17、p=0.0037)●セルトラリン(RR:1.17、p=0.0032)●citalopram(RR:1.14、p=0.013)●デュロキセチン(RR:1.24、p=0.00051)●ベンラファキシン(RR:1.33、p=0.000001)●ziprasidone(RR:1.25、p=0.0062) 著者らは「これまでに報告された、双極性障害の薬物療法に関する最大のレトロスペクティブ観察研究では、治療開始2ヵ月以内に患者の大部分が単独療法を終了することが示唆されている。精神医学的入院リスクは、各薬剤間で約2倍の変化が認められた。本データでは、短期間の双極性障害の管理において、リチウムと気分安定薬の使用を支持している。また、ドパミン作動薬であるアリピプラゾールおよびbupropionは、各クラスの他剤よりも良好なアウトカムを示した。抗うつ薬のアウトカムに関しては、ベースライン時の気分の極性により異なる可能性があり、さらなる調査が必要である」としている。■関連記事双極性障害、リチウムは最良の選択か双極性障害に対するアリピプラゾールの評価~メタ解析双極性障害、再入院リスクの低い治療はどれか

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【JSMO2018みどころ】免疫療法とがんゲノム医療を中心に

 2018年7月19日(木)から3日間にわたって、第16回日本臨床腫瘍学会学術集会が開催される。これに先立ち先月、日本臨床腫瘍学会(JSMO)のプレスセミナーが開かれ、がん治療の最新動向と、今回のJSMOで注目すべき各領域のトピックが紹介された。本稿では、「がんゲノム医療」「がん免疫療法」の注目演題をセミナーでの演者のコメントとともに紹介する。 ■がんゲノム医療 西尾 和人氏(近畿大学医学部ゲノム生物学教室 教授)が登壇。「ゲノム医療の実装に向けた体制整備が急ピッチで進む中で、既存の枠組みを超えた取り組みが必要となる」と話し、本学術集会のメインテーマ“Beyond Borders -Nation, Organ, Profession-”をキーワードに注目演題を紹介した。[がんゲノム医療の注目演題]ASCO/JSMO合同シンポジウム「Precision medicine: current status and future perspectives」 日時:7月19日(木)14:30~16:00 場所:Room 9(神戸ポートピアホテル本館 B1F 偕楽)「ASCO PresidentによるAJS-1 では、“22%の奇跡は増えるか”がキーワード。続いてのAJS-2では、JCO Precision Oncologyのチーフエディターが次世代のリスク評価と治療へのアプローチについて講演予定」合同シンポジウム1「がんゲノム医療」(日本学会/日本治療学会/日本臨床腫瘍学会) 日時:7月19日(木)9:00~11:00 場所:Room 1(神戸ポートピアホテル南館 1F ポートピアホール)「次世代シークエンサーを用いた遺伝子解析システムの規制(JS1-1)や、NCCパネル検査の実装(JS1-3)、NGS検査ガイダンスの整備と海外ガイダンスとの比較(JS1-5)など、本邦における実装に向けた各取り組みが紹介される」合同シンポジウム3 「Precision medicine時代におけるがん薬物療法と放射線療法:現状と今後の戦略」(日本放射線腫瘍学会/日本臨床腫瘍学会) 日時:7月19日(木)12:30~14:30 場所:Room 6(神戸国際展示場 2 号館 3F 3A会議室)「放射線治療におけるがんゲノム解析を用いたプレシジョンメディシン(JS3-5)は、ゲノム医療が治療モダリティを超えるかという点からも注目される」シンポジウム 11「リキッドバイオプシー」 日時:7月20日(金)8:30~10:30 場所:Room 2(神戸国際展示場 2 号館 1F コンベンションホール南)「低侵襲で繰り返しの検査が可能となれば、治療しながら同時進行で後治療を決めていくことが標準的になるかもしれない。Exosome(SY11-1)やCAPP seq(SY11-4)など、新しい技術の臨床応用に向けた研究が紹介される」「病理学(特別講演2)、大腸がん(IS4)、婦人科腫瘍(IS6)、肺がん(IS10)と各領域のセッションでもゲノム医療が取り上げられる」特別講演 2 日時:7月19日(木)12:30~14:10 場所:Room 11(神戸国際会議場 3F 国際会議室) SL2-1 病理診断における人工知能の可能性 SL2-2 医療におけるAIの可能性International Symposium 4「大腸のmolecular subtype と新規コンパニオン診断薬の可能性」 日時:7月20日(金)8:30~10:00 場所:Room 1(神戸ポートピアホテル南館 1F ポートピアホール)International Symposium 6「Future Perspectives of PARP inhibitor」 日時:7月20日(金)8:30~10:30 場所:Room 9(神戸ポートピアホテル本館 B1F 偕楽)International Symposium 10「Future perspectives of treatment for NSCLC」 日時:7月21日(土)11:00~12:30 場所:Room 8(神戸ポートピアホテル本館 B1F 偕楽)「“職種を超えた取り組み”という観点ではSY 4、ALL JAPANでの体制整備についてはSY 10で、遺伝性腫瘍の専門家とオンコロジストがどのように協業していくかについては、SY 29で議論される予定」シンポジウム 4「がんプロフェッショナル養成プランにおけるゲノム医療教育の推進」 日時:7月19日(木)14:30~16:00 場所:Room 3(神戸国際展示場 1 号館 2F Hall A)シンポジウム 10「日本におけるがんゲノム医療の展開」 日時:7月20日(金)14:50~16:50 場所:Room 1(神戸ポートピアホテル南館 1F ポートピアホール)シンポジウム 29「遺伝性がんへの取り組み」 日時:7月21日(土)10:30~12:30 場所:Room 9(神戸ポートピアホテル本館 B1F 偕楽)■がん免疫療法 田中 謙太郎氏(九州大学病院胸部疾患研究施設 助教)が登壇し、「2018年5月現在、抗PD-1抗体は6つのがん腫(悪性黒色腫、非小細胞肺がん、胃がん、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頚部がん)で、抗PD-L1抗体は2つのがん腫(非小細胞肺がん、メルケル細胞がん)で、抗CTLA-4抗体と抗CTLA-4抗体/抗PD-1抗体併用は悪性黒色腫で適応となっており、免疫チェックポイント阻害薬は、多がん腫におけるキードラックとしての地位を確立しつつある。新規併用療法の開発や治療戦略についての臓器別の講演のほか、副作用管理に関するシンポジウムに注目いただきたい」と話した。[がん免疫療法の注目演題]合同シンポジウム3 「Precision medicine時代におけるがん薬物療法と放射線療法:現状と今後の戦略」(日本放射線腫瘍学会/日本臨床腫瘍学会) 日時:7月19日(木)12:30~14:30 場所:Room 6(神戸国際展示場 2 号館 3F 3A会議室) JS3-1 局所進行非小細胞肺に対する免疫チェックポイント阻害剤への期待 JS3-2 抗PD-1/PD-L1抗体治療と放射線治療の併用療法の確立を目指した生物学的研究「根治にむけた併用の可能性が、臨床試験結果と基礎的研究から論じられる予定」シンポジウム 23「免疫チェックポイント阻害剤の副作用とその対策」 日時:7月21日(土)14:40~16:40 場所:Room 2(神戸国際展示場 2 号館 1F コンベンションホール南)「免疫関連有害事象の管理について、最新の知見が紹介される」「腎がん(SY7-1)、悪性黒色腫(SY7-4)、頭頚部がん(ISY5-2)、悪性リンパ腫(SY15-1)、肺がん(ISY7-4)の各臓器ごとに、最適化された治療戦略についての講演が予定されている」シンポジウム7「メラノーマおよび腎に対する免疫療法および標的療法:治療戦略上の類似点と相違点」 日時:7月19日(木)14:30~16:00 場所:Room 6(神戸国際展示場 2 号館 3F 3A 会議室) SY7-1 腎がんに対する免疫治療:メラノーマとの相違点 SY7-4 進行期悪性黒色腫の全身療法:現状と今後の展開International Symposium 5「頭頸部がんに対する免疫療法」 日時:7月20日(金)8:30~10:30 場所:Room 5(神戸国際展示場 2 号館 2F 2A 会議室) ISY5-2 Current Status of Immune Check Point Inhibitor for Recurrent or Metastatic Head and Neck Cancerシンポジウム 15「造血器腫瘍に対する治療概念の進化」 日時:7月20日(金)8:30~10:30 場所:Room 6(神戸国際展示場 2 号館 3F 3A 会議室) SY15-1 悪性リンパ腫の治療:進歩と展望International Symposium 7「肺がん治療における免疫チェックポイント阻害剤の最新 UPDATE」 日時:7月21日(土)8:30~10:30 場所:Room 2(神戸国際展示場 2 号館 1F コンベンションホール南) ISY7-4 Driver Oncogene陽性肺がんにおける免疫チェックポイント阻害薬の可能性【第16回日本臨床腫瘍学会学術集会】 会期:2018年7月19日(木)~21日(土) 会場:神戸国際展示場・神戸国際会議場・神戸ポートピアホテル 会長:中西 洋一(九州大学胸部疾患研究施設 教授) テーマ:Beyond Borders -Nation, Organ, Profession-第16回日本臨床腫瘍学会学術集会ホームページはこちら

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実臨床で安全性が高いDOACは?/BMJ

 英国・ノッティンガム大学のYana Vinogradova氏らは、プライマリケアにおいて、直接経口抗凝固薬(DOAC)と出血・虚血性脳卒中・静脈血栓塞栓症・全死因死亡リスクの関連を、ワルファリンと比較検証する前向きコホート研究を行い、概してアピキサバンが最も安全で大出血・頭蓋内出血・消化管出血のリスクが減少したのに対して、リバーロキサバンと低用量アピキサバンは全死因死亡リスクの上昇と関連していたことを明らかにした。これまで、無作為化比較試験でワルファリンに対するDOACの非劣性が示されていたが、実臨床での観察試験はほとんどが心房細動患者を対象としていた。BMJ誌2018年7月4日号掲載の報告。DOAC 3剤とワルファリンの出血リスクを英国プライマリケアベースで比較 研究グループは、QResearchおよびClinical Practice Research Datalink(CPRD)の2つのデータベースから、それぞれ2011年1月〜2016年10月および3月に、英国のプライマリケアにおいてワルファリン(13万2,231例)、ダビガトラン(7,744例)、リバーロキサバン(3万7,863例)、アピキサバン(1万8,223例)を新規に処方された患者(新規処方前12ヶ月以内に抗凝固薬を処方されたことのある患者は除外)を特定し、心房細動患者と非心房細動患者に分け分析した。 主要評価項目は、入院や死亡に至った大出血。副次評価項目は虚血性脳卒中、静脈血栓塞栓症および全死亡であった。DOACではアピキサバンが最も安全 心房細動患者(10万3,270例)では、ワルファリンと比較してアピキサバンが大出血(補正後ハザード比[aHR]:0.66、95%信頼区間[CI]:0.54~0.79)および頭蓋内出血(0.40、0.25~0.64)のリスク減少と関連していることが、また、ダビガトランは頭蓋内出血(0.45、0.26~0.77)のリスク減少と関連していることが認められた。一方、全死因死亡リスクの上昇が、リバーロキサバン内服患者(1.19、95%CI:1.09~1.29)、および低用量アピキサバン内服患者(1.27、95%CI:1.12~1.45)で確認された。 非心房細動患者(9万2,791例)では、ワルファリンと比較してアピキサバンが大出血(aHR:0.60、95%CI:0.46~0.79)、全消化管出血(0.55、0.37~0.83)、上部消化管出血(0.55、0.36~0.83)のリスク減少と関連していた。また、リバーロキサバンは、頭蓋内出血のリスク減少と関連がみられた(0.54、0.35~0.82)。一方、全死因死亡リスクの上昇が、リバーロキサバン内服患者(1.51、1.38~1.66)および低用量アピキサバン内服患者(1.34、1.13~1.58)において確認された。 なお著者は、英国のプライマリケアに限定されたものであり、アドヒアランスや処方の適応症に関する情報が不足していることなどを研究の限界として挙げている。

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重度血小板数低下の妊婦は妊娠合併症に注意/NEJM

 米国・オクラホマ大学健康科学センターのJessica A. Reese氏らが、妊婦約7,400例の血小板数を解析した結果、調査したすべての妊婦において、妊娠経過中に平均血小板数は減少し、この減少は妊娠初期(妊娠0~13週)に始まっていたが、妊娠関連合併症を有する妊婦でさえ重度の血小板減少はまれであることが明らかになったという。著者は、「血小板数が10万/mm3未満の妊婦では、妊娠または妊娠合併症以外の原因を調べなければならない」と提言している。合併症のない妊婦で血小板数が15万/mm3未満の場合、他の原因が確認されなければ妊娠性血小板減少症とされ、妊娠中毒症などの妊娠関連合併症を有する妊婦では、血小板数がさらに低下する可能性があるが、妊娠中の血小板減少症の発現頻度や重症度については明らかになっていなかった。NEJM誌2018年7月5日号掲載の報告。妊婦約7,400例について妊娠中の血小板数の推移を調査 研究グループは、2011~14年にオクラホマ大学医療センターで出産した女性を対象に、妊娠経過中の血小板数を評価した。また、これら妊婦の血小板数を、1999~2012年の米国国民健康栄養調査(NHANES)に参加した非妊娠女性と比較した。 研究期間中の出産は計1万5,723件で、このうち7,351例の妊婦が解析対象となった。4,568例は合併症がなく、2,586例は妊娠関連合併症を有し、197例は血小板減少症に関連する疾患の既往歴があった。妊娠初期から血小板数は減少、ただし10万/mm3未満はまれ 合併症のない妊婦において、妊娠初期(平均妊娠8.7週)の平均血小板数は25.1万/mm3であり、非妊娠女性(8,885例、平均血小板数27.3万/mm3)より低かった(p<0.001)。出産時には、合併症のない妊婦の9.9%が15万/mm3未満で、合併症のない妊娠・出産の経過中に血小板数が10万/mm3未満になった妊婦は、わずか45例(1.0%)であった。 血小板数が8万/mm3未満の合併症のない妊婦12例のうち、カルテの再調査で血小板減少の他の原因がないと確認されたのは5例(0.1%、血小板数:範囲6.2万~7.8万/mm3、中央値6.5万/mm3)のみであった。 出産時の血小板数が15万/mm3未満だったのは、妊娠関連合併症のある妊婦が、合併症のない妊婦よりも多かった(11.9% vs.9.9%、p=0.01)。妊娠関連合併症のある妊婦において、妊娠・出産の経過中に血小板数が10万/mm3未満となったのは59例(2.3%)で、31例(1.2%)が8万/mm3未満であった。

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第6回 ほぼほぼ空冷エンジンで楽しむ、そこそこ旧車生活【ドクター クルマ専科】

私は、東京都大田区にて訪問診療を中心とするクリニックを開業している。患者さんの平均年齢は82歳。1日10件程度の患者さんのお宅や高齢者施設を診療車で回るのが私の日常である。今はドライバーが運転してくれることが多いが、開業当初は自家用車やバイク、スクーターを自分で運転していた。元来運転好きな私にはうってつけの働き方である。私と車の付き合いは、幼い頃にさかのぼる。祖父は、戦前に大阪と海外でタイヤ会社を経営していたと聞いている。そして叔父は私が物心ついた頃から大阪マツダの重役をしていた。当時、宝塚南口駅前にあった叔父宅のガレージは、他社製の乗用車から小さなリア・エンジン、マツダクーペ、程なくオシャレなキャロルへと変わっていったのを鮮明に記憶している。当時の日本のモータリゼーションの進行を目前に見ていたことになる。このエピソードが今につながっているのはいうまでもない。そして多感な中・高生時代、先輩のBMWのオシャレなクーペ2.8CSi、亀田総合病院の亀田兄弟の乗るモーガン4+4に度肝を抜かれ、親友の横田 治重君(その後、東大産婦人科医局に入局)宅にあったアウディやジャガーに強烈な刺激を受けた。西麻布の立体交差の上をホンダの2気筒エンジンの中型バイク、360Tのリアに前川 慶一君(その後、日産自動車に就職)が乗せてくれた時の爽快感は今でも忘れられない。素晴らしい爆音だった。私自身はといえば、大学入学後間もなくスズキRG250Eにまたがり、卒業後結婚して初めて買った新車は白いシティカブリオレ。その当時、万澤 康夫氏が『POPEYE』誌にホンダの単気筒オフロードXL250を「23インチのワークブーツ」という表題で取り上げていたことが懐かしい。万澤さんとは、その後家族付き合いさせていただいた。大学時代、空冷マルチエンジンが人気であった一方で、空冷単気筒のヤマハSRが人気であった。高値の花だったドゥカティの750SやMHR、ビモータ、モト・グッツィも羨望の的であったが、ドゥカティのイエロー・シングルのデスモエンジンとそのシンプルなスタイルに心をわしづかみされるのにそんなに時間はかからなかった。その当時目黒にあったドゥカティ単気筒専門のシルバーストーンに大学の休みのたびに訪れた。同社の村山 輝久社長にはいつもイギリスのGoodWood Festivalに行こうと声をかけていただいているが、引退するまではさすがに無理だ。大学卒業後、結婚式前日に限定解除を受け、スズキ650Gの中古を手に入れた。画像を拡大するたまたま引っ越した北千住の商店街にある肉屋の店先にドゥカティ単気筒が週替わりでおいてあるという不思議な光景に目を奪われ、恐る恐る声をかけるとなんと旧車レースでドゥカティチームとして有名なチームセンジュドーのメンバーだという。早速仲間に入れていただき、岩城 滉一さんもその昔参加されていたレースタイムトンネルやその後を受けたLOC(レジェンド オブ クラシック)、サイドウェイトロフィーレースには、チームセンジュドーのリーダー佐藤 要さんにチューンアップいただいた1960年代の250マッハ1、450デスモ(その昔環八沿いの専門書店リンドバーグに飾ってあったもの)で、今でもドライバーとして参加させていただいている。サイドウェイトロフィーレースでレジェンド生沢 徹氏がポルシェ911Tでトップを走る姿は圧巻である。画像を拡大する今手元にあるバイクはドゥカティ250レーサーレプリカ、同じくシルバーショットガン、MH900e、モトモリーニダート400、ヤマハSRVとアディバ150というスクーターで、日々の診療にも赴くという幸せなVintage Lifeを送っている。画像を拡大する画像を拡大するさて自動車についてだが、一時は古いマセラティに傾きかけていたのだが、佐藤さんご夫妻のおススメもあり、2010年頃から空冷ポルシェへの道が始まった。まず964スピードスターが見つかったので早速手に入れ、オープンエアーモータリングを楽しんでいた。2016年からいわゆるナローポルシェが気になりだし、メンテナンスでお世話になっているガレージ911の大山 泰さんからの強いおススメで73年型のポルシェ911Sを半ば強制的に手に入れることになった(笑)。乗り始めにクラッチをメタメタに壊したがその後はすこぶるご機嫌である。クーラーがついていないので真夏は少々厳しいことと燃費が悪いことがたまにキズだが、往年の190馬力を心から楽しんでいる。もう1台の珍車はキア・ビガートである。ロータスエデンのいわゆるフェイクモデルのような車で、件の北千住の肉屋さんに安くしておくからといわれ、家内には借りているだけだとウソをついて(笑)購入した。乗り始めたら面白くてやめられない。横置きFF、1800cc、DOHCでちょうどよい大きさ・軽さでスポーツシューズのような気軽なスポーツカーである。毎年7月初旬の日曜日、八ヶ岳でHighland Gatheringというクラシックバイク、クラシックカーの気楽なイベントのお手伝いをしている。昔のライレーやモーガン、スリー・ホイラーや名も覚えきれないヨーロッパの名車が並ぶ。ドライブがてらぜひ日曜日の朝早くに足を運んでいただきたい(見学無料)。いつかはクラシックポルシェスポーツデイのスポーツラン@袖ケ浦に参加したいとチャンスを伺っている。いずれオシャレな356スピードスターとお友達になりたいという夢を見つつ…。

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書類仕事あれこれ【Dr. 中島の 新・徒然草】(229)

二百二十九の段 書類仕事あれこれ医師の皆さんは日々、数多くの書類作成で忙しいことと思います。私も毎日のように診断書、意見書、報告書の類いに追われています。最近は多くの書類がデジタル化され、また医師事務作業補助者が下書きしてくれるようになりました。でも、書くべきものの数が増えたのか、以前にもまして書類仕事に苦しめられているような気がします。私が関わっている脳外科と内科でも、各医師の書類ボックスを見ると皆の仕事ぶりが一目瞭然です。つまり、未処理の書類がほとんどない人から、隣まであふれかえっている人まで様々。積みあがった書類を見ると、他人事ながら「大丈夫だろうか、この先生」と思ってしまいます。私自身は、書類をため込むのが嫌なので、なるべく早く片付けてしまう方ですが、ちょっと出張が続くとすぐに山積みになってしまいます。そこで参考のために、仕事の速い書類名人たちの仕事ぶりをそっと観察してみました。実際に観察してみると、そのスタイルは人によって様々です。あるレジデントはあまり何も考えずにヒョイと1枚つかんではサラサラサラ~、また1枚つかんではサラサラサラ~と書いていました。要するに肩の力が全く入っていないのです。また別のあるベテラン先生は、とにかく力業。いつも早朝から机の上に書類を散らかしながら書いておられます。おそらくは仕事自体の量も多いのでしょう。それでも書類をためこむことはありません。これら名人から学ぶべきことは、「サッと取り掛かり淡々と進める」ということに尽きるのだと思います。あと、書類仕事とは違いますが、ケアネットの原稿をどう書いているか、です。「よく毎週毎週書けるものですね」と感心されるので、なんとか続けていく工夫を披露しましょう。それは「ネタは新鮮なうちに料理する」ということです。つまり、「これは面白い」と思う出来事があった場合、できるだけ早くラフな原稿を書いてしまうのです。時間が経ってしまうと、出来事の内容は覚えているけど何が言いたかったのかがサッパリ思い出せない、ということになりかねません。やはり「これだ!」と思っている間が勝負ですね。当たり前のことかもしれませんが、原稿を書く人の参考になれば幸いです。最後に1句書類あり まずは始めよ サラサラと

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第3回 乳がん術後のタモキシフェンが10年継続となった根拠【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 抗エストロゲン薬であるタモキシフェンは、エストロゲンを取り込んで増殖するエストロゲン受容体陽性乳がんに有効性が高く、乳がん術後の再発予防の目的でよく処方されます。術後補助療法として、タモキシフェンを5年間投与し、場合によってはさらに5年継続して計10年間投与するという治療選択肢がNCCNやASCOの診療ガイドライン、日本乳学会による「乳診療ガイドライン」に2014年以降記載されるようになりました。薬局においても、「タモキシフェンは5年よりも10年継続したほうが乳がんの再発率が低いので、10年間服用すると医師に説明を受けた」とおっしゃる患者さんに会った経験が何度もあります。薬剤の服用を5年間延長するということは、服用の手間や経済的負担が少なからず増えますから、そのメリットとデメリットについて相談を受けた経験のある薬剤師さんもいるのではないでしょうか。そこで今回は、なぜタモキシフェンを10年継続するという選択肢が診療ガイドラインに提示されるようになったのか、その背景にある試験を2つ紹介します。1つ目が、2013年にLancet誌に掲載された通称ATLAS試験です。Long-term effects of continuing adjuvant tamoxifen to 10 years versus stopping at 5 years after diagnosis of oestrogen receptor-positive breast cancer: ATLAS, a randomised trial.Davies C, et al. Lancet. 2013;381:805-816.これは、すでに5年間タモキシフェン20mg/日によるホルモン療法を完了した早期乳がんの女性患者1万2,894例を、追加でさらに5年間投与した10年継続群と5年時点で中止した群にランダムに割り付けて比較検討した試験です。結論としては、10年継続群は中止群と比べて、エストロゲン受容体陽性の早期乳がん患者の死亡率および再発率を有意に低下させました。組み入れ患者1万2,894例の内訳を少し詳しく見ると、6,846例(53%)はエストロゲン受容体陽性、1,248例(10%)はエストロゲン受容体陰性、4,800例(37%)は陰性か陽性か不明とされており、治療継続に難ありと見られた場合は除外されています。患者の91%が診断から10年のフォローアップを、77%が15年のフォローアップを完遂しています。エストロゲン受容体陽性の患者に関しての結果は下表のとおりです。期間別に見ると、乳がんによる死亡のリスク比は、5~9年では0.97(95%信頼区間:0.79~1.18)、10年目以降では0.71(95%信頼区間:0.58~0.88)、再発率は5~9年では0.90(95%信頼区間:0.79~1.02)、10年目以降では0.75(95%信頼区間:0.62~0.90)と、有害アウトカムの抑制効果は10年目以降のほうが大きい傾向が見られました。なお、エストロゲン受容体陰性と受容体不明の患者における乳がんアウトカムに有意な差は見いだされませんでした。エストロゲン受容体ステータスと関係なくすべての被験者における副作用リスクの解析では、10年継続で子宮内膜がん(リスク比:1.74、95%信頼区間:1.30~2.34)と肺塞栓症(リスク比:1.87、95%信頼区間:1.13~3.07)の発生率が増加したものの、虚血性心疾患(リスク比:0.76、95%信頼区間:0.60~0.95)および対側乳がん(リスク比:0.88、95%信頼区間:0.77~1.00)は減少傾向にありました。「長く飲んだほうがいいと言っても、10年間服用しても、5年間服用したときより死亡や再発が2%程度減るだけか」と思われる方もいるかもしれませんが、10年続けることで約40~50人に1人が再発ないし死亡を免れるのですから少なからずインパクトがあります。一方で長く続けると、肺塞栓などの血栓症や子宮内膜症、子宮筋腫、子宮内膜がんなどの発症率がやや増えることも示唆されているので注意も必要です。10年継続に有意な再発・死亡抑制効果2つ目の試験として、ATLASと並行して行われていたaTTom試験を紹介します。こちらも、基本的なデザインは似通っており、タモキシフェンによるホルモン療法を5年間受けた早期乳がん患者(6,953例)を、さらに5年間投与した10年継続群(3,468例)と5年時点で中止した群(3,485例)にランダムに割り付け、乳がんの再発率や全死亡を比較したものです。乳がんの再発は、中止群で3,468例中672例(19.3%)、10年継続群で3,485例中580例(16.7%)と2.6%の減少(p=0.003)で、これはタモキシフェン服用期間を5年から10年に延ばすと、およそ38例に1例で乳がん再発予防の恩恵を受けられるだろうという計算になります。一方で、子宮内膜がんによる死亡は中止群で20例(0.6%)、10年継続群で37例(1.1%)と服用期間が延長するとやや増える傾向にあります。10年継続したほうが良好なアウトカムであったという大まかな結果の方向性は、ATLASとそう大きくずれはなく、こうした論文が2本立て続けに出たためか、ASCOのガイドラインは2014年に改訂されています。タモキシフェンを長期服用する場合、ホットフラッシュなどの副作用はある程度認容する必要がありますし、上記で紹介してきた副作用の懸念もあることから、血栓塞栓症の初期症状である痺れ、息切れ、胸痛、めまいや、子宮系の副作用徴候である不正出血などがみられたら受診を促すということも考慮しておくことが大切です。また、何らかの理由でタモキシフェンが使えない場合の選択肢も聞かれたら答えられるとよいかもしれません。いずれにせよ、副作用リスクとベネフィットを十分理解しておきたいところです。1)Long-term effects of continuing adjuvant tamoxifen to 10 years versus stopping at 5 years after diagnosis of oestrogen receptor-positive breast cancer: ATLAS, a randomised trial.Davies C, et al. Lancet. 2013;381:805-816.2)aTTom: Long-term effects of continuing adjuvant tamoxifen to 10 years versus stopping at 5 years in 6,953 women with early breast cancer.Gray RG, et al. J Clin Oncol. 2013;31:suppl 5.3)ASCO Guideline Update Recommends Tamoxifen for Up to 10 Years for Women With Non-Metastatic Hormone Receptor Positive Breast Cancer4)NCCNガイドライン5)日本乳学会 乳診療ガイドライン閉経前ホルモン受容体陽性乳に対する術後内分泌療法として、タモキシフェンおよびLH-RH アゴニストは勧められるか(薬物療法・初期治療・ID10050)

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統合失調症患者の死亡率に関する30年間のフォローアップ調査

 最近の報告によると、統合失調症患者と一般人口の死亡率の格差は拡大していることが示唆されている。スウェーデン・カロリンスカ研究所のA. Tanskanen氏らは、1984~2014年のフィンランドにおける統合失調症患者と一般人口の死亡率、死亡年齢、死因について調査を行った。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2018年6月13日号の報告。 フィンランドにおけるすべての統合失調症患者は、病院退院記録から特定した。フィンランドの統計データに基づき、1984~2014年の16歳以上のフィンランド人との比較を行った。死亡年齢および標準化死亡比(SMR:standardized mortality ratio)は、フォローアップ年ごとに算出した。統合失調症患者の寿命は一般人口とほぼ同様に改善 統合失調症患者と一般人口の死亡率についての主な調査結果は以下のとおり。・1984年と2014年の平均死亡年齢は、統合失調症患者では57.6歳から70.1歳に上昇し、一般人口では70.9歳から77.5歳に上昇した。・フォローアップ期間中の全死因のSMRは、変動がなかった(1984年:2.6、2014年:2.7)。・主要な変化は、自殺のSMRで認められ、1984年の11.0から2014年の6.6に減少していた(-40%)。・心血管およびがんのSMRに増加傾向が認められた。 著者らは「統合失調症患者の寿命は、一般人口とほぼ同様に改善が認められており、自殺率に関しては大幅な低下が認められた。しかし、一般人口と比較し、いまだ死亡率の格差が残存している」としている。

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ホルモン抵抗性乳がんへのアベマシクリブ+フルベストラント(MONARCH-2)/ASCO2018

 ホルモン受容体(HR)陽性乳がんでは、エストロゲンの刺激によりサイクリンD1が発現し、CDK4/6が活性化され、その結果として細胞周期が進行する。選択的CDK4/6阻害薬であるアベマシクリブは、1日2回連日投与される経口薬であり、CDK4/6を持続的に阻害することで、細胞周期の停止が持続し、腫瘍細胞の老化やアポトーシスがもたらされると考えられる。 アベマシクリブは、HR陽性HER2陰性の進行乳がん患者において、単剤(MONARCH-1試験)、フルベストラントとの併用(MONARCH-2試験)、非ステロイド性アロマターゼ阻害(NSAI)との併用(MONARCH-3試験)による有効性および忍容性が示されている。ベルギー・University Hospitals LeuvenのPatrick Neven氏は、今回、MONARCH-2試験の参加者のうち、閉経前/閉経期の患者における有効性と安全性のデータを報告した。 MONARCH-2試験は、HR陽性HER2陰性進行乳がん女性において、アベマシクリブ+フルベストラントとフルベストラント単剤の有用性を比較する国際的な二重盲検プラセボ対照ランダム化第III相試験である。1ラインの術前内分泌療法中または術後内分泌療法中か終了後1年以内に再発し、化学療法歴のない患者を対象とした。 被験者は、アベマシクリブ(150mg[試験開始時は200mg、後に修正]、1日2回、経口、連日投与)+フルベストラント(500mg、筋肉内注射、1サイクルを28日とし、1サイクル目のDay1、15、2サイクル目以降はDay1)またはプラセボ+フルベストラントを投与する群に2対1の割合で無作為に割り付けられた。主要評価項目は、治験医判定による無増悪生存(PFS)とした。副次評価項目は、客観的奏効率(ORR)、臨床的有用性率(CBR)、安全性などであった。 本試験には、2014年8月~2015年12月に、日本を含む19ヵ国142施設に669例が登録された。このうち、閉経前/閉経期の患者は114例で(年齢60歳未満で自然月経がみられる患者はGnRHアゴニストの投与が求められた)、アベマシクリブ群が72例、プラセボ群は42例だった。追跡期間中央値はそれぞれ20.4ヵ月、19.6ヵ月。ベースラインの年齢中央値は、アベマシクリブ群が46歳、プラセボ群は47歳であり、アジア人がそれぞれ70.8%、57.1%、白人が19.4%、38.1%を占めた。 全体のITT集団(669例)における治験医判定のPFS期間中央値は、アベマシクリブ群が16.4ヵ月と、プラセボ群の9.3ヵ月よりも7.1月延長した(HR:0.553、95%CI:0.449~0.681、p<0.0000001)。独立中央判定委員会による盲検下の評価でも、アベマシクリブ群にPFSのベネフィットが認められた(HR:0.460、95%CI:0.363~0.584、p<0.000001)。  閉経前/閉経期集団(114例)の治験医判定PFS期間中央値は、アベマシクリブ群は未到達であったが、プラセボ群の10.5ヵ月との間に有意な差が認められた(HR:0.446、95%CI:0.264~0.754、p<0.002)。独立中央判定委員会の盲検下の評価でも、アベマシクリブ群でPFSのベネフィットが確認された(HR:0.432、95%CI:0.236~0.793、p<0.005)。また、アロマターゼ阻害薬の投与歴のない閉経前/閉経期集団(92例)における治験医判定PFS期間中央値は、アベマシクリブ群は未到達であったものの、プラセボ群の11.3ヵ月に比し有意に良好であった(HR:0.451、95%CI:0.245~0.833、p=0.009)。 閉経前/閉経期集団におけるアベマシクリブ群の腫瘍縮小効果は深く、かつ高度であった。すなわち、ORRは、ITT集団(114例)ではアベマシクリブ群が43.1%(CR:2.8%)、プラセボ群は19.0%(CR:0%)、測定可能病変例(79例)ではそれぞれ60.8%(CR:0%)、28.6%(CR:0%)であった。また、CBRは、ITT集団がそれぞれ77.8%、69.0%、測定可能病変例では、74.5%、71.4%であった。Neven氏は、「われわれが知る限り、これは内分泌療法抵抗性乳がんにおける最も良好な結果である」と指摘している。 閉経前/閉経期集団における有害事象による治療中止は、アベマシクリブ群が4例(5.6%)、プラセボ群は0例、減量はそれぞれ28例(39.4%)、1例(2.4%)にみられた。重篤な有害事象は、アベマシクリブ群が8例(11.3%)、プラセボ群は2例(4.8%)にみられた。 アベマシクリブ群では治療関連有害事象が98.6%に発現し、そのうちGrade 3が56.3%、Grade 4は5.6%であった。アベマシクリブ群で頻度の高い有害事象として、下痢(87.3%)、好中球減少(59.2%)、白血球減少(43.7%)などがみられた。Grade 3の下痢の割合は11.3%で、Grade 4は認めず、好中球減少はそれぞれ39.4%(発熱性好中球減少の1例を含む)、2.8%に発現した。 Neven氏は、「アベマシクリブ+フルベストラント+GnRHアゴニスト療法は、閉経前/閉経期の患者において、実質的なPFSの改善と腫瘍縮小効果をもたらし、化学療法の導入を遅らせることが示された。下痢は管理可能で、可逆的であり、GnRH追加による新たな有害事象は認めなかった」とまとめた。■参考ASCO2018 Abstract※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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潰瘍性大腸炎にはチーム医療で対抗する

 2018年7月2日、ファイザー株式会社は、同社が販売するJAK阻害剤トファシチニブ(商品名:ゼルヤンツ)が、新たに指定難病の潰瘍性大腸炎(以下「UC」と略す)への適応症追加の承認を5月25日に得たのを期し、「潰瘍性大腸炎の治療法の現在と今後の展望について」と題するプレスカンファレンスを行った。カンファレンスでは、UC診療の概要、同社が全世界で実施したUC患者の実態調査「UC ナラティブ(Narrative)」の結果などが報告された。※トファシチニブは、2013年に関節リウマチの治療薬として発売されている治療薬は特定標的を対象にした免疫抑制のステージへ はじめに「もはや“難病”ではない炎症性腸疾患の治療法の進歩とチーム医療の役割」をテーマに日比 紀文氏(北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療[IBD]センター長)が、UC診療の概要とチーム医療の重要性を説明した。 患者実数では20万人を超えるとも言われているUCは、若年発症が多く、炎症が慢性に持続するため患者のQOLを著しく低下させる。また、UCは現在も根治する治療法がなく、患者の多くは再燃と寛解を繰り返しつつ、再燃の不安を持ち日常生活を送っている。 UCの病因は現在も不明で遺伝、腸内細菌、環境因子などの要因が指摘されている。発症すると粘血便、下痢、腹痛が主症状として見られる。 治療では、従来5-ASA製剤、副腎皮質ステロイドなどを使用して寛解導入が行われ、同じく5-ASA製剤、6MP/AZA製剤などを使用して寛解維持が行われてきた。現在も5-ASA製剤が第1選択薬であることには変わりないが、近年では疾患の免疫抑制を主体とした抗TNFα抗体、抗IL12/23抗体、抗α4β7抗体、JAK阻害剤などの新しい治療薬も登場している。とくに炎症を起こすサイトカインを標的する抗TNFα抗体やJAK阻害剤などの新しい治療薬は、「初めて特定標的に対する治療となり、治療にパラダイムシフトをもたらす」と同氏は期待を寄せる。 また、治療に際しては、「速やかな寛解導入と長期間の安全な寛解維持のためにチーム医療が重要だ」と同氏は提案する。患者を中心に医師、看護師、薬剤師による治療の提供はもちろん、家族、友人、患者の社会関係者(会社や学校など)などもチームに取り込み、疾患への理解とサポートを行う必要があるという。実際にチーム医療の成果として、当院では「医療職種の特性を生かした分担と連携によるきめ細かな治療のため、難治性UCやクローン病は激減した」と同氏は自身の体験を語る。 今後、治療薬として「サイトカインを標的にしたもの」「免疫細胞の接着・浸潤を抑制するもの」「腸内微生物を調節するもの」「再生・組織修復をするもの」などの研究開発が求められるとした上で、「こうした治療薬が、患者の寛解導入・維持をより容易にし、患者が普通の日常生活を送ることができるようになる。そのためにも患者個々に合わせた手厚いチーム医療が必要で、結果としてUCが難病ではなくなる日が来る」と同氏は展望を語り、レクチャーを終えた。UC患者は医療者に遠慮している 続いて、渡辺 憲治氏(兵庫医科大学 腸管病態解析学 特任准教授)が、「潰瘍性大腸炎実態調査『UCナラティブ』の結果について」をテーマに、結果の概要を解説した。 「UCナラティブ」とは、UC患者とUCの診療をしている医師を対象に、UCに罹患している人々がどのような影響を疾患から受けているかを調査する活動。今回、全世界10ヵ国より患者2,100例、医師1,454例にオンライン調査を実施し、その結果を報告した(調査期間:患者は2017年11月21日~2018年1月9日、医師は2017年11月29日~12月20日)。 患者は、UCと確定診断され、過去12ヵ月以内に医師の診察を受け、UCの治療薬として2種類以上を服用している患者が選ばれたほか、医師では消化器専門の内科医・外科医で、毎月5人以上のUC患者を診察(同時に10%の患者に生物学的製剤を投与)している医師が対象とされた。 アンケート結果について、患者に「UCを患っていなければもっと成功したか」と聞いたところ、68%が「そう思う」と回答。医師に「UCを発症していなければ担当患者は人間関係のアプローチが違ったか」と聞いたところ63%が「そう思う」と回答し、同様に「別の仕事や進学を選んでいたか」を聞いたところ51%が「別の仕事や進学の選択をした」と回答し、UCは患者の人生などに影を落とす疾患であると認識していることがわかった。 患者から医師に理解して欲しいUCの経験については「生活の質への影響」(35%)「日常の疲労感」(33%)「精神衛生面への影響」(30%)の順で多く、医師が患者と話し合うトピックスについては「治療オプションの利益とリスク」(75%)「副作用への懸念」(75%)「患者のアドヒアランス」(69%)の順で多く、両者の間にギャップがあることが明らかになった(いずれも複数回答)。また、患者から医師に「気兼ねなく心配や不安を話すことができるか」との質問では、81%が「できる」と回答しているものの、その内の44%の患者は「医師に多くの質問をすると、扱いにくい患者と見られて、治療の質に悪影響を及ぼすのではないかと心配」とも回答している。 最後に同氏は、「今回のアンケート結果を踏まえ、患者と医師の視点、意識の違いを知ることで、今後の日常臨床に活かしていきたい。UCは、患者に身体的・精神的影響を及ぼし、社会に機会損失をもたらす。患者には、周囲のサポートと理解が必要である。また、医師との間では、十分なコミュニケーションが大切であり、患者を中心にしたチーム医療を推進することで、患者の人生を満足させるべく、患者と医師が同じ目標に向かう協力者となってもらいたい」と思いを語った。トファシチニブの概要 トファシチニブは、炎症性サイトカインのシグナル伝達を阻害し、炎症を抑える薬剤。効果として第III相国際共同試験(1094試験)では、プラセボ群とトファシチニブ群(10mg1日2回)の比較で、寛解率がプラセボ群8.2%に対し、トファシチニブ群は18.5%と優越性が示された。安全性では、重篤な副作用、感染症などの発現はないものの、アジア人には帯状疱疹の発現がやや高い傾向があった。なお、本剤に起因する死亡例はなかった。注意すべき副作用としてリンパ球数減少、好中球数減少、貧血などが示されている。【効能・効果】 中等症から重症のUCの寛解導入および維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)【用法・容量】・導入維持療法では、通常、成人に1回10mgを1日2回8週間にわたり経口投与。 効果不十分な場合はさらに8週間投与。・寛解維持療法では、通常、成人に1回5mgを1日2回経口投与。効果減弱など患者の状態により1回10mgを1日2回投与にすることもできる。【その他】 適応症追加後3年間、全例調査を実施■参考ニュースリリース ファイザー株式会社ゼルヤンツ、潰瘍性大腸炎の適応症を追加潰瘍性大腸炎患者さんの生活実態調査■関連記事希少疾病ライブラリ 潰瘍性大腸炎

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CVリスク患者の術前運動耐容能評価にご用心/Lancet

 心臓以外の大手術前に行う運動耐容能の評価には、主観的評価は用いるべきではないことが、カナダ・Li Ka Shing Knowledge InstituteのDuminda N. Wijeysundera氏らによる国際共同前向きコホート試験の結果、示された。運動耐容能は大手術リスクアセスメントの重要な項目の1つであるが、それに対する医師の臨床上の主観的評価は必ずしも正確ではない。研究グループは、術前の主観的評価と、死亡や合併症を予測する代替フィットネスマーカー(心肺運動負荷試験[CPET:cardiopulmonary exercise testing]、DASI:Duke Activity Status Index、NT pro-BNP)を比較する検討を行った。Lancet誌オンライン版2018年6月30日号掲載の報告。主観的評価と代謝マーカー測定値の予測分類を比較 検討は、25病院(カナダ5、英国7、オーストラリア10、ニュージーランド3)で、心臓以外の大手術を予定しており、1つ以上の心臓合併症リスク(心不全、脳卒中、糖尿病の既往など)または冠動脈疾患があるとみなされた40歳以上の成人患者を対象に行われた。 被験者の運動耐容能は、術前評価クリニックで信頼できる麻酔科医によって、代謝当量(metabolic equivalents)の単位で評価・分類された(<4:不良、4~10:中等度、>10:良好)。また、質問票に基づくDASIスコア、CPETでの最大酸素摂取量、血液検査による血漿NT pro-BNP値の測定も行われた。手術後には、術後3日間または退院までの連日、心電図および血液検査によるトロポニン値とクレアチニン値の測定が行われた。 主要アウトカムは、術後30日間の死亡または心筋梗塞の発生で、CPETと手術の両方を受けた全患者について評価した。予後の精度はロジスティック回帰法、ROC曲線、およびネットリスク再分類を用いて評価した。DASIスコアの評価が有用 2013年3月1日~2016年3月25日に、CPETと手術を受けた1,401例が試験に包含された。年齢中央値は65歳(IQR:57~72)、女性は39%、91%がAmerican Society of Anesthesiologists Physical Status(ASA-PS)分類でClass 2または3であり、大半が主要な腹部、骨盤領域または整形外科の手術を受けた患者であった。 術後30日間に死亡または心筋梗塞を発症した患者は28/1,401例(2%)であった。 CPETで運動耐容能が不良(代謝当量<4)と識別された患者について、主観的評価による識別の感度は19.2%(95%信頼区間[CI]:14.2~25)、特異度は94.7%(93.2~95.9)であった。 1,401例のうち、DASIスコアの評価を完了していたのは1,396例(99.6%)であったが、同スコアのみが、主要アウトカムを有意に予測した(補正後オッズ比:0.96、95%CI:0.83~0.99、p=0.03)。 著者は、「臨床医にとって心臓に関するリスクアセスメントでは、DASIなどが客観的指標として代替できるだろう」と述べている。

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既治療の進行肝細胞がん、cabozantinibがOS、PFSを延長/NEJM

 ソラフェニブ既治療の進行肝細胞がんの患者において、cabozantinibによる治療はプラセボと比べて、全生存期間および無増悪生存期間の延長が認められたことが、米国・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのGhassan K. Abou-Alfa氏らによる第III相無作為化二重盲検試験の結果、示された。ただし有害事象の発現頻度は、cabozantinib群がプラセボ群の約2倍にみられた。cabozantinibは、進行肝細胞がんの標準初回治療であるソラフェニブに対する耐性発現に関与するチロシンキナーゼ(血管内皮増殖因子受容体1、2、3、MET、AXLなど)を阻害する。研究グループは、既治療の進行肝細胞がん患者を対象に、cabozantinibとプラセボを比較した。NEJM誌2018年7月5日号掲載の報告。ソラフェニブ既治療の進行肝細胞がん患者についてプラセボ対照試験 試験は19ヵ国95施設で行われた。試験適格条件は、ソラフェニブによる治療歴を有し、肝細胞がんに対する1つ以上の全身療法後に進行が認められる患者で、進行肝細胞がんに対する全身療法は2つまでとした。条件を満たした患者をcabozantinib(60mg/日)または適合プラセボを投与する群に無作為に2対1の割合で割り付け追跡評価した。 主要評価項目は、全生存期間(OS)。副次評価項目は、無増悪生存期間(PFS)および客観的奏効率とした。グレードの高い有害事象の発現頻度が約2倍 2013年9月~2017年9月に773例が無作為化を受け、事前に計画されていた第2回の中間解析時点(2017年6月1日)では707例(cabozantinib群:470例、プラセボ群:237例)が無作為化された治療を受けていた(intention-to-treat集団)。 同集団において、cabozantinib群のプラセボ群に対するOSの有意な延長が認められた。OS中央値は、cabozantinib群10.2ヵ月、プラセボ群8.0ヵ月であった(死亡に関するハザード比[HR]:0.76、95%信頼区間[CI]:0.63~0.92、p=0.005)。 PFS中央値は、cabozantinib群5.2ヵ月、プラセボ群1.9ヵ月であった(病勢進行もしくは死亡に関するHR:0.44、95%CI:0.36~0.52、p<0.001)。また、客観的奏効率はそれぞれ4%、1%未満であった(p=0.009)。 Grade3/4の有害事象の発現頻度は、cabozantinib群68%、プラセボ群36%であった。共通して最もよくみられたグレードの高い有害事象は、手掌・足底発赤知覚不全(カボザンチニブ群17% vs.プラセボ群0%)、高血圧(16% vs.2%)、AST値上昇(12% vs.7%)、疲労(10% vs.4%)、下痢(10% vs.2%)であった。

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腎交感神経除神経降圧療法と降圧薬(解説:冨山博史氏)-885

研究の概要 研究対象は、カルシウム拮抗薬、利尿薬、レニン・アンジオテンシン系阻害薬、ベータ遮断薬のいずれか、または複数の降圧薬の最大容量の50%以上の服用でも血圧コントロールが十分でない症例80例である。高周波カテーテルによる腎交感神経除神経(RND)実施群(38例)および対照群(42例)の治療後6ヵ月の血圧変化を24時間血圧測定にて評価した。RND群では、対照群に比べて24時間収縮期血圧が7.4mmHg有意に低下し、RNDの有意な降圧効果を示した。研究の背景と臨床的意義 RNDの降圧効果を評価するには、3つの重要確認事項がある。第1に血圧評価方法であり、診察室血圧では変動する血圧の降圧効果を評価することは不十分である。本研究では24時間血圧測定の結果よりRNDの有意な降圧効果を報告した。第2は、併用する降圧薬の影響である。RNDの対象は、難治性高血圧例が適切と現時点では考えられている。本研究に先行するSPYRAL OFF研究は、降圧薬非服用症例にてRNDの有意な降圧効果を報告した。しかし、実臨床では降圧治療服用下でのRNDの有効性を確認することが重要である。2014年に発表されたSYMPLICITY HTN-3研究では、RNDで有意な降圧効果を認めなかったことを報告した。しかし、その背景として降圧薬服用アドヒアランス不良が結果に影響した可能性が指摘されている。本研究では、血圧・尿検査にて降圧薬服用アドヒアランスを確認し、RND群、対照群に服薬アドヒアランスに差がないことを確認している。このように、本研究はRNDの降圧効果を検証するための2つの事項が確認されている。 3つ目の重要事項は、RND実施確実性の確認である。本研究では、RND実施確実性は直接検証されていない。しかし、24時間血圧評価にて降圧薬の最も影響の少ない朝夕のThroughの時間帯でもRND群では、血圧・心拍数の2重積が対照群に比べて有意に小さいことを確認している。この所見から、RNDにより腎交感神経活性が低下したと推察している。研究の今後 本研究では、服薬アドヒアランス良好例の割合が60%と報告しているが、研究症例数は80例と少ない。今後、RNDの効果と服薬アドヒアランスの関係(アドヒアランス不良群でRNDはより有効か)および降圧薬の種類によるRND有効性の差異を検証する必要がある。

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忙しい医師向けおススメ情報収集法【医師のためのお金の話】第10回

忙しい医師向けおススメ情報収集法こんにちは、自由気ままな整形外科医です。前回まで、資産形成の総論、金融資産投資、不動産投資を詳述してきました。資産形成の概要を体感いただいたと思いますが、ここから先へ歩を進めるためにも、ぜひ知っておいてほしいことがあります。それは、情報収集についてです。資産形成で最も多くの時間を費やすのは情報収集です。2018年5月25日にCareNet.comで公開された会員アンケート調査報告で、先生方の多くが「資産形成に関する情報収集をしていない」または「興味がない」ということがわかりました。正直言って、私はこの結果に衝撃を受けています。確かに日々の仕事が忙しいため、資産形成の情報収集をする余裕はないかもしれません。しかし、資産形成は、健康・家族・仕事に次いで大事なことです。その資産形成についての情報収集をほとんど行っていない! このことは、有意義な人生を過ごすうえで、非常に問題があると思います。それでは、情報収集するにあたって、何かコツはないのか? 参考までに、私がどのような方法で資産形成のための情報を収集しているのかをご紹介したいと思います。最初の段階は書籍から情報収集体系立った知識は、基本的に書籍から得ています。とくに何も知らない状態からある程度のレベルにまで自分を引き上げる際には、大量の書籍を読破することで知識を習得します。そして自分の頭の中で何となく形になってきたと思ったら、ネット上で情報のアップデートを行っています。たとえば、レンタルバーを立ち上げた際には、バーやカフェ関係の書籍を乱読したものです。具体的には、「バーのカウンターの高さは1,050mmがベスト(!)」などの知識は書籍を通じて習得しました。方法1:大量の読書で新規分野での知識を体系化テレビや新聞は最初から除外前述のように、基本的な知識を習得すると、あとは情報をアップデートすることで、その分野のレベルを維持します。その際、時間をできるだけかけないことがポイントです。基本的には情報を得る密度と鮮度を重要視しているため、テレビや新聞は最初から除外しています。時間が無駄なので、ネットサーフィンすることもありません。 また、キュレーションサービスは、情報に偏りができるので利用しないようにしています。方法2:インターネットで既習得分野の情報をアップデート日経や経済系ブログで情報のアップデート経済関係の知識のアップデートは、日本経済新聞(日経)、Bloombergなどのヘッドラインニュースから仕入れています。だいたいの目安は1日10分程度です。株価指数や為替相場などの確認は、ネット証券を利用して5分程度で済ませます。毎朝、Yahoo Finance USで前日のニューヨーク市場のサマリーを確認しています。結果確認だけなら日経やネット証券で十分ですが、市場の雰囲気を感じるためには、Yahoo Finance USのほうが望ましいでしょう。あと、経済系のお気に入りブログ数本を10分程度で閲覧しています。不動産に関しては、自分の投資対象エリアの相場観維持のために、週末に不動産の折り込みチラシを5分程度で流し読みしています。月に1度程度は、不動産情報サイトの健美家やSUUMOで自分のエリア内を検索します。SUUMOでは、主に「中古一戸建て」を検索しており、マンションや新築一戸建ては、はなから無視です。なお、チラシ、健美家、SUUMOなどに記載されている価格は、最も高い価格だと考えることが重要です。このようにして投資対象エリアの相場観を維持しています。方法3:日経、Bloomberg、Yahoo Finance US、健美家、SUUMO、経済系ブログをチェック狭義の教養を高める雑多な知識は、新規ビジネスのヒントを得ることができるので重視しています。私は週刊ダイヤモンドを定期購読しており、興味がない特集であっても、必ず毎週読破しています。楽天マガジンなどの雑誌読み放題サービスも有用ですが、読まなければならないという強制力が働きにくいことがネックだと思います。同様の目的で、ときどき書店を散策して、さまざまなジャンルの書籍に接することをお勧めします。

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第9回 患者さん宅を訪問したら救急車が...【はらこしなみの在宅訪問日誌】

こんにちは。在宅訪問専任の薬剤師・はらこしなみです。外来処方箋を薬局に持ってきてくれていた患者さんが...外来処方箋を薬局に持ってきていたころから関わっていたパーキンソン病の患者さん。在宅訪問に移行しています。ある日、患者さんのお宅に伺うと、救急車が。救急隊員に心臓マッサージをされているところを目の当たりにしました。きっと戻ってきてくれる!祈るしかなかったストレッチャーに乗せられて救急搬送されていく姿を見送り、薬局に戻りました。でも、その姿が頭から離れず、帰宅してご飯を食べていても、お風呂に入っていても思い出してしまう。こんなさよならは嫌だ。きっと戻ってきてくれる!と信じて祈っていました。翌日、ケアマネさんの顔をみて、結果が判ってしまいました。運ばれた病院で、いったん心臓が動いたそうですが、大量の痰が詰まっており、窒息。戻らなかった...と。ここ最近、痰が絡むのをどうにかできないか?とケアマネさんから相談があり、内服薬を試したり、吸引するなら、どうやる?誰ができる?と、先生を含めて話していたところでした。もっと早く、もっと何かできなかったのか?悔しく残念です。自分では吸引できず、周りに頼れる人がいなかった...。家族が吸引している患者さん、自分で吸引できる患者さんの姿を思い出し、うらやましく思ってしまいました。そして、痰が詰まって人は死ぬのだ。と怖くなりました。きっと苦しかっただろう...と、こちらも胸が苦しくなります。自分ができることをもう一度考えて、患者さんの様子をよく見て、こんな思いはもうしないように...と心に決めました。

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子どもに対する抗精神病薬の処方前後における血糖・プロラクチン検査実施率に関する研究

 多くの国で、抗精神病薬(主に統合失調症、双極性障害、自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の治療に用いられる薬剤)による治療を受ける子供が増加している。大人と同様に、子供に対する抗精神病薬の使用は、糖尿病発症リスクの増大と関連している。このような点から、米国やカナダの診療ガイドラインでは、子供に対して抗精神病薬を処方する際、定期的に血糖検査を実施することが推奨されている。また、一部の抗精神病薬の使用はプロラクチンの上昇と関連しており、高プロラクチン血症による無月経、乳汁漏出、女性化乳房などの有害事象が、短期間のうちに発現する可能性もある。しかし、子供にとってこのような有害事象の徴候を適切に訴えることは難しいため、抗精神病薬を処方する際には、血糖検査と同時に、プロラクチン検査も実施すべきと考えられる。 医療経済研究機構の奥村 泰之氏らは、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を用いて、日本における、子供に対する抗精神病薬の処方前後の、血糖・プロラクチン検査実施率を明らかにするため検討を行った。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2018年6月11日号の報告。 NDBを用いて、15ヵ月間のレトロスペクティブコホート研究を実施した。2014年4月~2015年3月に抗精神病薬を新規に処方された18歳以下の患者を、450日間フォローアップした。アウトカムは、処方前30日~処方後450日の間における、血糖・プロラクチン検査の実施状況とした。血糖・プロラクチン検査実施率は、次の4つの検査時期について評価した。(1)ベースライン期(処方前30日~処方日)、(2)1~3ヵ月期(処方後1~90日)、(3)4~9ヵ月期(処方後91~270日)、(4)10~15ヵ月期(処方後271~450日)。 主な結果は以下のとおり。・6,620施設から得られた、新規に抗精神病薬の処方を受けた4万3,608例のデータのうち、継続的に抗精神病薬を使用していた患者は、処方後90日で46.4%、270日で29.7%、450日で23.8%であった。・ベースライン期に検査を受けた患者の割合は、血糖検査13.5%(95%CI:13.2~13.8)、プロラクチン検査0.6%(95%CI:0.5~0.6)であった。・4つの検査時期すべてにおいて、定期的に血糖検査を受けた患者は、0.9%に減少していた。また、プロラクチン検査を受けた患者は、1~3ヵ月期で0.1%に減少していた。 著者らは、本研究結果について以下のようにまとめている。・本研究では、抗精神病薬の処方を受けた子供が血糖検査やプロラクチン検査を受けることは、まれであることが示唆された。・これらの検査実施率が低くなる背景として、抗精神病薬治療の一環として血糖検査やプロラクチン検査を実施する必要性が十分に認識されていないこと、採血に人手と時間を要すること、メンタルヘルスに関する相談の場で子供や保護者が採血を想定しておらず嫌がること、などが考えられる。また、子供のメンタルヘルスを診療できる医療機関が少なく、採血を苦痛として通院が阻害されてしまうことがないよう、医師が慎重にならざるを得ない状況も考えられる。・かかりつけ医が検査を実施して、その結果を、抗精神病薬を処方する医師と共有する体制を構築することも、解決策の1つであると考えられる。・抗精神病薬治療の一環として必要な検査を周知することに加えて、子供のメンタルヘルスを診療できる医療機関を増やし、かかりつけ医との診療連携を強化するなど、子供のメンタルヘルスに関する医療体制に対して総合的な観点からの解決が求められる。■関連記事小児に対する抗精神病薬処方、診断と使用薬剤の現状は非定型抗精神病薬、小児への適応外使用の現状日本の児童・思春期におけるADHD治療薬の処方率に関する研究

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分子標的薬治療の時代に、StageIV腎がんの腫瘍縮小腎摘出術は必要か/ASCO2018

 過去20年の間、腫瘍縮小腎摘出術(cytoreductive nephrectomy、以下 腎摘出術)は転移のある腎細胞がん(mRCC)の標準治療であった。最近、mRCCにおける多くの分子標的薬治療の有効性が示されているが、腎摘出術と直接比較した試験はない。一方、後ろ向き研究やメタ解析では、腎摘出術のベネフィットが示唆されている。 そこで、フランスParis Descartes UniversityのMéjean氏らは、分子標的薬治療の時代において、腫瘍縮小腎摘出術はいまだに必要性があるかを検証する、多施設共同非盲検ランダム化第III相非劣性試験(CARMENA試験)を行った。 対象は、生検により淡明細胞型RCCが確証され、PS0~1、腎摘出術が施行可能であり、脳転移がないか、治療によりコントロールされており、RCCへの全身治療が行われていない患者であった。被験者は、腎摘出術施行後3~6週以内にスニチニブ(50mg、1日1回、4週投与後2週休薬)の投与を開始する群、またはスニチニブ(50mg、1日1回、4週投与後2週休薬)を投与する群にランダムに割り付けられた。 主要評価項目は全生存(OS)、副次評価項目は無増悪生存(PFS)、奏効率(ORR)、臨床的有用性率(CBR)、安全性であった。非劣性デザインとし、ハザード比(HR)の95%信頼区間(CI)の上限値が≦1.20の場合に非劣性と判定することとした。 2009年9月〜2017年9月に450例(ITT集団)が登録され、腎摘出術群に226例、スニチニブ単独群に224例が割り付けられた。安全性解析は、それぞれ186例、213例で行われた。2回目の中間解析(データカットオフ日:2017年9月9日、イベント発生数:326件、追跡期間中央値:50.9ヵ月)のOSの結果に基づき、運営委員会は試験の中止を決定し、この中間解析を最終結果とした。 ベースラインの年齢中央値は、腎摘出術群が63歳、スニチニブ単独群は62歳であり、男性が両群とも75%を占めた。MSKCCスコアの中リスクは、腎摘出術群が56%、スニチニブ単独群は59%、高リスクはそれぞれ44%、41%であり、転移部位は、肺がそれぞれ79%、73%、骨が36%、37%、リンパ節が35%、39%だった。 1年OS率は、腎摘出術群が55.2%、スニチニブ単独群は64.4%、2年OS率はそれぞれ35.0%、42.6%、3年OS率は25.9%、29.1%であり、OS期間中央値は13.9ヵ月、18.4ヵ月と、いずれもスニチニブ単独群のほうが良好な傾向を認めた(HR:0.89、95%CI:0.71〜1.10)。95%CIの上限値は≦1.20を満たしたことから、スニチニブ単独群の腎摘出術群に対する非劣性が確定された。MSKCCスコアの中リスク例(19.0 vs.23.4ヵ月、HR:0.92、95%CI:0.6〜1.24)および高リスク例(10.2 vs.13.3ヵ月、0.86、0.62〜1.17)の解析でも、スニチニブ単独群は非劣性を示した。 PFS期間中央値は、腎摘出術群が7.2ヵ月、スニチニブ単独群は8.3ヵ月(HR:0.82、95%CI:0.67〜1.00)であった。完全奏効(CR)が腎摘出術群の1例(0.6%)に認められ、部分奏効(PR)は腎摘出術群が50例(28%)、スニチニブ単独群は62例(30%)、安定(SD)はそれぞれ64例(36%)、97例(47%)であり、ORR(CR+PR)は腎摘出術群が27.4%、スニチニブ単独群は29.1%であった。また、病勢コントロール率(DCR、CR+PR+SD)はそれぞれ61.8%、74.6%であった。さらに、CBR(12週以上持続する病勢コントロール)は、腎摘出術群が36.6%と、スニチニブ単独群の47.9%に比べ有意に低かった(p=0.022)。 腎摘出術群では、114例(58%)が開胸手術を受けた。術後1ヵ月以内の死亡が4例(2%)、術後合併症は82例(39%)に認められた。スニチニブの投与期間中央値は、腎摘出術群が6.7ヵ月、スニチニブ単独群は8.5ヵ月であり、減量はそれぞれ31%、30%に行われた。Grade 3/4の有害事象は腎摘出術群の33%(無力症:9%、手足症候群:4%、貧血:3%、好中球減少:3%)、スニチニブ単独群の43%(10%、6%、5%、5%、腎/尿路障害:4%)に発現した。 スニチニブ単独群の38例(17.0%)で、原発巣の緊急治療(7例)として、または転移巣のCR/near CRに対して、2次的な腎摘出術が行われた。ランダム割り付けから手術までの期間中央値は11.1ヵ月で、31.1%がスニチニブ投与を再開した。 Méjean氏は、「腫瘍縮小腎摘出術は、少なくとも薬物療法が適用となる場合には、mRCCの標準治療とみなすべきではない」と結論した。■参考ASCO2018 Abstract※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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乾癬患者に推奨される食事への介入とは

 乾癬は慢性炎症性皮膚疾患で、有病率やQOLに重大な影響を及ぼす。米国・南カリフォルニア大学のAdam R. Ford氏らは、乾癬患者における食事への介入が、重症化を抑制するのに役立つかどうかを明らかにすることは重要であるとして、システマティックレビューにて検討を行った。その結果、重症化を抑えるための食事の介入は、標準的な薬物療法を補うことができるとして、成人の乾癬/乾癬性関節炎患者に対する食事勧告をまとめた。このエビデンスに基づく食事勧告は、米国国立乾癬財団(NPF)の医療委員会(Medical Board)に採択され、著者は「成人の乾癬患者における食事介入の有用性について臨床医の一助となるだろう」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年6月20日号掲載の報告。乾癬に対するエビデンスに基づいた食事勧告を作成 NPFの医療委員会において、成人の乾癬/乾癬性関節炎に対するエビデンスに基づいた食事勧告を作成することを目的に、研究グループは乾癬に対する食事の影響を評価した既存のシステマティックレビューと2014年1月1日~2017年8月31日にMEDLINEデータベースに追加された原著から文献の抽出を行った。乾癬または乾癬性関節炎患者を対象とした観察研究および介入研究を適格とし、研究の質の評価には、それぞれ、Newcastle-Ottawa scaleおよびCochrane Risk of Bias Toolを使用した。 乾癬に対する食事の影響を評価したレビューの主な結果は以下のとおり。・55研究(乾癬患者4,534例を含む計7万7,557例)がシステマティックレビューに組み込まれた・文献に基づき、過体重および肥満の乾癬患者には、低カロリー食による減量を強く推奨する・血清マーカーにおいてグルテン感受性陽性の乾癬患者には、グルテンフリー食のみを弱く推奨する・質の低いデータによると、食物の選択、栄養および食事の習慣は、乾癬に影響を及ぼす可能性がある・過体重および肥満の乾癬性関節炎患者には、ビタミンDの補給および低カロリー食による減量を弱く推奨する・食事への介入は常に、乾癬および乾癬性関節炎の標準的な薬物治療と併せて用いるべきである

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赤ワインの認知症リスクへの影響、男女で逆!?

 赤ワインの摂取頻度が高いと、男性ではアルツハイマー型認知症(AD)リスクが低下するが、女性では逆にリスクが上昇することが、スイス・チューリッヒ大学のKarina Fischer氏らの研究で示唆された。Nutrients誌2018年6月号に掲載。 単一の“認知的健康”食品が認知機能低下を防げるかどうかのエビデンスは限られている。そこで著者らは、赤ワイン、白ワイン、コーヒー、緑茶、オリーブオイル、新鮮な魚、果物・野菜、赤身肉・ソーセージについて、単一食物摂取調査票で摂取頻度を評価し、AD発症および言語記憶の低下との関連を調査した。 対象は、German Study on Aging, Cognition and Dementia in Primary Care Patients(AgeCoDe)コホートの75歳以上の2,622人で、10年にわたって定期的にフォローした(418人がAD発症)。可能な効果修飾因子として性別およびアポリポ蛋白E4(APOE ε4)遺伝子型を考慮し、反復測定と生存分析の多変量補正ジョイントモデルを使用した。 その結果、赤ワインのみが摂取頻度が高いとAD発症率が低かった(HR:0.92、p=0.045)。興味深いことに、これは男性(HR:0.82、p<0.001)のみ当てはまり、女性では赤ワイン摂取頻度が高いとAD発症率が高く(HR:1.15、p=0.044)、白ワイン摂取頻度が高いと、時間とともに顕著に記憶が低下した(HR:-0.13、p=0.052)。 本研究では、赤ワインにおいて男性のみADリスクが低下したが、それ以外の単一食品において認知機能低下に保護的であるというエビデンスは見いだせなかった。なお、女性は飲酒により有害な影響を受けやすい可能性が示唆された。

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ペニシリンアレルギー、MRSAやC. difficileリスク増大と関連/BMJ

 「ペニシリンアレルギー」の記録はMRSAおよびC. difficileのリスク増大と関連しており、その背景にβラクタム系代替抗菌薬の使用増加が関与していることを、米国・マサチューセッツ総合病院のKimberly G. Blumenthal氏らが明らかにした。ペニシリンアレルギーは、薬物アレルギーでは最もよくみられ、患者の約10%を占めると報告されている。アレルギーに関する記録は処方行動に影響を及ぼすが、「ペニシリンアレルギー」と記録にあっても、必ずしもアレルギーすなわち、即時型過敏反応とは限らない。先行研究では、特定の抗菌薬の使用がMRSAおよびC. difficileのリスクを増大していることが判明しており、研究グループは、ペニシリンアレルギーとMRSAおよびC. difficile発生の関連を調べた。BMJ誌2018年6月27日号掲載の報告。ペニシリンアレルギーの記録に注目し、MRSAやC. difficile発生との関連を調査 検討は集団ベースマッチドコホート研究にて、英国の一般医が関与するHealth Improvement Networkに、1995~2015年に登録された、MRSAおよびC. difficileの既往がない成人30万1,399例を対象に行われた。対象のうち6万4,141例がペニシリンアレルギーを有しており、年齢、性別、登録時期で適合した23万7,258例が比較対照群として設定された。 主要アウトカムは、MRSAおよびC. difficileの発生リスク。副次アウトカムは、βラクタム系抗菌薬およびβラクタム系代替抗菌薬の使用であった。背景に、βラクタム系代替抗菌薬の使用増加 平均追跡期間6.0年において、MRSA発生は1,365例(ペニシリンアレルギー群442例、対照群923例)、C. difficile発生は1,688例(それぞれ442例、1,246例)。ペニシリンアレルギー患者のMRSA発生に関する補正後ハザード比(HR)は1.69(95%信頼区間[CI]:1.51~1.90)、C. difficile発生については1.26(1.12~1.40)であった。 ペニシリンアレルギー患者の各抗菌薬使用に関する補正後発生率比は、マクロライド系使用では4.15(4.12~4.17)、クリンダマイシン使用3.89(3.66~4.12)、フルオロキノロン系使用2.10(2.08~2.13)であった。βラクタム系代替抗菌薬の使用増加によって、MRSAは約55%、C. difficileは約35%、それぞれリスクが増大したことが示唆された。 著者は今回の結果を受けて、「ペニシリンアレルギーへの系統的な対処が、ペニシリンアレルギー患者におけるMRSAおよびC. difficile発生を抑制するための、重大なパブリックヘルス戦略になる」と述べている。

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