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米国の生殖可能年齢の女性におけるうつ病有病率

 妊娠可能年齢の非妊娠女性における抗うつ薬の使用および大うつ病性障害、小うつ病性障害の予測因子について、米国・スタンフォード大学のNan Guo氏らが検討を行った。Obstetrics and gynecology誌オンライン版2018年4月号の報告。 妊娠可能年齢の非妊娠女性3,705例を対象に、2007~14年の米国国民健康栄養調査のデータを用いて、横断研究を行った。主要アウトカムは、大うつ病性障害の有病率とし、副次的アウトカムは、小うつ病性障害の有病率、抗うつ薬の使用率、大うつ病性障害および小うつ病性障害の予測因子とした。大うつ病性障害と小うつ病性障害は、こころとからだの質問票(PHQ-9)を用いて分類した。大うつ病性障害と小うつ病性障害の単変量および多変量の関連性は、多項ロジスティック回帰を用いて推定した。 主な結果は以下のとおり。・大うつ病性障害の有病率は4.8%(95%CI:4.0~5.7%)、小うつ病性障害の有病率は4.3%(95%CI:3.5~5.2%)であった。・抗うつ薬使用率は、大うつ病性障害女性で32.4%(95%CI:25.3~40.4%)、小うつ病性障害女性で20.0%(95%CI:12.9~29.7%)であった。・大うつ病性障害と最も関連する要因は、米国国営保険(調整相対リスク比[RR]:2.49、95%CI:1.56~3.96)、高血圧(調整RR:2.09、95%CI:1.25~3.50)であった。小うつ病性障害と最も関連する要因は、高校未満の教育(調整RR:4.34、95%CI:2.09~9.01)、高等教育(調整RR:2.92、95%CI:1.35~6.31)であった。 著者らは「本分析では、妊娠可能年齢の非妊娠女性において、20人に1人は大うつ病性障害を経験していた。抗うつ薬の使用は、大うつ病性障害患者の1/3、小うつ病性障害患者の1/5であった」としている。■関連記事妊娠中の抗うつ薬治療、注意すべきはうつ病、男女間で異なる特徴とは妊娠初期のうつ・不安へどう対処する

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高リスク悪性黒色腫の術後補助療法でのペムブロリズマブ:第III相試験/NEJM

 再発リスクが高いStageIIIの悪性黒色腫に対する術後補助療法において、ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと、最長1年間)はプラセボと比較して無再発生存期間(RFS)を有意に延長し、新たな毒性はないことが認められた。フランス・サクレー大学のAlexander M. M. Eggermont氏らが、術後補助療法としてペムブロリズマブの有効性および安全性を評価した無作為化二重盲検第III相試験「EORTC 1325/KEYNOTE-054試験」の結果を報告した。ペムブロリズマブは、進行悪性黒色腫患者の無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を延長することが、これまでの研究で確認されていた。NEJM誌オンライン版2018年4月15日号掲載の報告。ハイリスク悪性黒色腫患者約1,000例、RFSの比較で有効性と安全性を評価 研究グループは2015年8月~2016年11月に、23ヵ国の123施設において、高リスクのStageIII悪性黒色腫完全切除患者1,019例を、ペムブロリズマブ200mg群(514例)またはプラセボ群(505例)に無作為に割り付けた(Stageおよび地域で層別化)。いずれも3週ごとに18回(約1年)、あるいは再発/許容できない毒性が生じるまで投与した。 主要評価項目は、全患者(intention-to-treat集団)およびPD-L1陽性腫瘍患者におけるRFSで、安全性についても評価した。統計解析には、層別化log-rank検定、Cox比例ハザードモデルを用いた。再発/死亡リスクが有意に低下、全患者43%、PD-L1陽性腫瘍患者46% 追跡期間中央値15ヵ月において、ペムブロリズマブ群はプラセボ群と比較し、全患者におけるRFS(1年無再発生存率:75.4%[95%信頼区間[CI]:71.3~78.9]vs.61.0%[同:56.5~65.1]、再発/死亡ハザード比:0.57[98.4%CI:0.43~0.74]、p<0.001)、ならびにPD-L1陽性腫瘍患者におけるRFS(同:77.1%[95%CI:72.7~80.9]vs.62.6%[同:57.7~67.0]、ハザード比:0.54[95%CI:0.42~0.69]、p<0.001)が、いずれも有意に延長した。 試験薬に関連したGrade3~5の有害事象の発現率は、ペムブロリズマブ群14.7%、プラセボ群3.4%であった。ペムブロリズマブ群では、筋炎による治療関連死が1例報告された。

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“2008年rosiglitazoneの呪い”は、いつまで続くのか?(解説:石上友章氏)-851

 2008年12月18日に、米国食品医薬品局(FDA)が出した通達によって、以後抗糖尿病薬については、心血管イベントをアウトカムにしたランダム化臨床試験(CVOT: cardiovascular outcome trial)を行うことが、義務付けられた。以来、これまでに抗糖尿病薬については、複数のCVOTが行われて発表されている。従来薬のCVOTの結果が非劣性にとどまることが多かったのに対して、SGLT2阻害薬を対象にした、EMPA-REG OUTCOME試験では、試験薬であるempagliflozin群に、心血管複合エンドポイント(心血管死、心筋梗塞、脳卒中)を有意に抑制する効果が証明された(エンパグリフロジン、心血管死リスクを有意に低下/NEJM)。心血管死については、約40%もの抑制が認められ、一躍脚光を浴びた。PPARγアゴニストの1つである、rosiglitazoneのもたらした教訓1)が、すべての抗糖尿病薬についてのCVOTを義務化させた。 Whiteらの手による、Cardiovascular Safety of Febuxostat and Allopurinol in Patients with Gout and Cardiovascular Morbidities (CARES)試験は、こうした背景の下、CVOTの適応を抗高尿酸血症薬にまで拡大した結果、行われた臨床試験である。新薬であるfebuxostatにおける、従来薬であるallopurinolに対する非劣性、すなわち安全性が証明された。CVOTについては、EMPA-REG OUTCOME試験のように、予期せぬ幸運のような、想定外の結果が得られる場合もあるが、例外的である。大規模ランダム化試験のコストは、薬価に反映されるのは間違いないので、CVOTの義務化にも功罪がある2,3)。市販後調査(観察研究)を効率化し、草の根のようなシステムを構築することで、より迅速に、より的確に、安全性・有効性についての情報を収集することで代用できるのではないか?

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第2回 医業は書く仕事【宮本研のメディア×ドクターの視座】

第2回 医業は書く仕事医師は、相手に何かを伝える職業です。医学知識を駆使して言葉を発し、必要な文章を書き、身体表現を含めて周囲へ伝えながら、臨床や研究に従事しています。とくに臨床医の場合、診療中は患者や家族へ伝える作業がひたすら続きます。病状を聞き取り、治療経過を思考回路に載せながら伝え直す。日々の猛烈な作業量のうち、相手に医療を理解してもらうために伝達のウェイトが高くなります。ともに働く看護師や薬剤師などに対しても、適切な判断や行うべき処置を伝え続けなければいけません。口数が少ない医師でも、責任をもって指示した事実がないと、周囲のスタッフが動き出せない事態が多くあるのではないでしょうか。人に何かを伝えようとした時、聞き手や読み手が何をもって理解するかを、十分に想定しておく必要があります。とくに口頭では、同じ用語やシチュエーションだとしても、伝えるニュアンスや状況が異なれば、違う意味に解釈される可能性が高くなります。けれども、カルテや検査伝票に文字として記す行為は、相手への伝わりやすさを文字によって証明でき、治療経過を通じて、誰からもわかりやすい要素です。書く努力を地道に続けていけば、個性を活かしながら自分の揺るぎないスキルとして磨き上げることができます。私は研修医のとき、受け持ち患者の紙カルテを、A4用紙で毎日1ページほど手書きしていました。細かい文字であらゆる事を順番に書きこみ、SOAPがどんどん膨らんでいきました。今日の事実をちゃんと書き残したいという想いが強かったのです。ところが、私のカルテを読んだ指導医は一言、「これは書き過ぎ・・・」と素っ気ない。入院サマリーでは字数を大きく削るわけですから、日々の経過をただ書きとめているだけでは、病状の重要点がわからないというわけです。「カルテは日記みたいに書くな」というシンプルな指摘は、時間が経ってみると納得できる重要な教訓でした。その後も主治医や当直医として、数え切れないカルテを書きました。余計なことを書かず、でも大切なことは書き漏らさない。記載が簡潔で、治療方針もまとまっている上司のカルテを空き時間に読んでは、そのエッセンスをこっそり学んできました。伝えるという意味で、手書きの場合は、とにかく誰からも判読できる字で書くことも重要です。「読めないカルテは、書いていないのと同じ」という指摘は、1学年上の研修医から教えてもらいました。臨床現場にいると、忙しさを理由に手を抜きたくなりがちですが、きちんとした文字で書くことは判断の正しさを証明する理由にもなります。「あの先生の指示書、字が汚くて読めない」という場合、解読するスタッフや部下のモチベーションも下がります。カルテの翻訳担当者が必要という場合、何も書いていないのと同じです。もちろん喋る場合でも色々な注意が必要ですが、口頭で聞いた内容は部分的な記憶になりがちで、雰囲気や意図は残りにくい。口頭では脳内で要点だけが記憶に収納され、完全には再現されません。若手時代のカルテを読み直すと、自分自身の変化を実感するだけでなく、当時の喋り方や職場の雰囲気も思い出すでしょう。医師は医業を行うために相手へ情報を伝えていく中で、「過去の自分自身に対しても何かを伝えようとしている」と、私は考えています。こうしてケアネットに加わり、メディア側の仕事をしていると、医師として独自に培った知見が役立つ場合が多い。臨床医としての雑多な経験が、ビジネスでもおおいに役立っています。苦労してきた過去の自分にも、先輩として言い聞かせているような感覚があるのです。昔の自分が書き残した文章が残っているのであれば、再読してみることをお勧めします。気が付かなかった“何か”を、今の自分であれば理解することができるはずです。迷いや不安を乗り越えた経験を思い出し、現在までのキャリアに至った道を再認識できることでしょう。若手医師であれば、これからの仕事において、書き残すことの重要性をとくに意識しましょう。電子カルテが普及してコピペが容易な労働環境になりましたが、本質的に伝える仕事であるのを軽視しないようにしてほしいと思います。コピペを多用して自らの意見で書き残さないことを繰り返していると、後になって院内での個人的評判に影響することも考えられます。短い時間内で一気に情報をアウトプットできるのは、厳しい鍛錬を経た医師の素晴らしい特性です。そして自然と身に付くより、努力して獲得するほうが後日の成長に繋がるはず。こうしてメディアの世界から医業を振り返ると、書くことを含めた医師の総合スキルは、ビジネスの世界と比較しても高度です。皆で見直すことで、自分の確かな足跡を納得できる良いきっかけになるのではないでしょうか。今日のカルテ、どのように記載しましたか?

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高齢ドライバーの認知症診断と自動車運転事故リスク

 米国では、高齢者のドライバーが増加している。米国・ワシントン大学のLaura A. Fraade-Blanar氏らは、認知症と診断された高齢ドライバーの自動車運転事故リスクを、認知症でない高齢者と比較し、検討を行った。Accident誌2018年4月号の報告。 ワシントン州の医療保険機関であるGroup Health(GH)のデータを用い、レトロスペクティブコホート研究を実施した。対象者は、1999~2009年にワシントン州に居住していた65~79歳のGH加入者。対象者の健康記録は、警察より報告された事故と免許証記録と関連付けた。認知症と診断された高齢ドライバーの事故リスクを、認知症でない高齢ドライバーと比較するため、再発事故を考慮し、ロバスト標準誤差を有するCox比例ハザードモデルを用いて検討を行った。多変量モデルは、年齢、性別、アルコール乱用歴、うつ病歴、併存疾患、薬物療法について調整を行った。 主な結果は以下のとおり。・免許証を有し、運転を行っていた高齢ドライバーは、2万9,730例であった。・試験開始前または試験期間中に、認知症と診断されたのは約6%であった。・警察の報告によると、事故率は、千人年当たり14.7件であった。・認知症と診断された高齢ドライバーにおける事故の調整ハザード比は、認知症でない高齢ドライバーと比較し、0.56(95%CI:0.33~0.95)であった。・オンロードおよびシミュレータを用いた調査では、認知症の高齢者は、ドライビング技術と能力が低下していることが論証された。 著者らは「認知症と診断された高齢者の自動車運転を制限する保護的な措置を行うことにより、自動車運転事故リスクを低下させる可能性がある。今後の研究では、認知症診断時での運転リスク低減の戦略推進と、事故リスク低減へのそれらの影響について検討すべきである」としている。■関連記事認知症ドライバーの運転停止を促すためには認知症ドライバーの運転能力、どう判断すべきか認知症者の自動車運転を停止するためのワークショップ

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日本未承認の抗がん剤は65剤、月1千万円超の薬剤も:国立がん研究センター

 国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉)先進医療・費用対効果評価室(室長:藤原 康弘)は2018年4月23日、2015年4月から公開している「国内で薬事法上未承認・適応外となる医薬品・適応のリスト」の最新集計結果(2018年4月4日現在)を公開した。 同リストは、米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)が承認した医薬品のうち、がん領域において日本では未承認あるいは適応外の医薬品と、その1ヵ月当たりの薬剤費を試算したもの。これまで四半期ごとに更新している。【集計結果のポイント】 ・2018年4月時点で、FDA / EMA既承認、日本未承認の抗がん剤はのべ65剤(55薬剤、65適応症)。うち、FDAのブレークスルー・セラピーに指定されている抗がん剤は18剤であった。・適応症の内訳は、血液がん30剤、泌尿器がん(前立腺がんなど)11剤、乳がん5剤、皮膚がん(悪性黒色腫など)4剤、骨軟部腫瘍(肉腫)3剤、肺がん(非小細胞肺がん)3剤、卵巣がん2剤、小児がん2剤が主なものであった。5大がん(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、肝がんあるいは子宮がん)のうち、上記の乳がん、肺がん以外のがんでは未承認薬はなかった。・血液がんに対する未承認薬では、新投与経路医薬品や新剤形医薬品などの、同一の有効成分がすでに国内で承認されている抗がん剤が7剤あった。これらを除く新有効成分含有医薬品は、23剤だった。FDA既承認の新有効成分含有医薬品20剤中、2015年以降に承認された抗がん剤は12剤あり、うち8剤は国内での開発が進められている。・泌尿器がんに対する未承認薬では、FDA既承認の8剤中2015年以降に承認された5剤は、いずれも国内での開発が進められている。・日本未承認の65剤の抗がん剤のうち、薬剤費が判明している58剤中45剤において1ヵ月当たりの薬剤費が100万円以上であった。また、1ヵ月当たりの薬剤費が1千万円を超える抗がん剤は3剤で、血液領域のCAR-T細胞療法が2剤、骨軟部腫瘍(肉腫)の免疫賦活薬が1剤だった。■参考国立がん研究センタープレスリリース

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死亡リスクが低い飲酒量、ロング缶で週5本まで?/Lancet

 アルコール摂取の低リスク推奨量は、各国のガイドラインで大きな差があるという。英国・ケンブリッジ大学のAngela M. Wood氏らは、約60万人のアルコール摂取状況を解析し、死亡リスクが最も低い閾値は約100g*/週であることを示した。研究の成果は、Lancet誌2018年4月14日号に掲載された。国ごとで低リスク推奨量にばらつきがあるのは、最も死亡リスクが低い飲酒量の閾値の曖昧さや、心血管疾患のサブタイプに関連する、アルコール摂取に特異的な帰結の不確実性を反映している可能性があるためとされる。*アルコール量の目安:ビール(5%)500mLで20g19の高所得国の前向き研究83件のデータを解析 研究グループは、全死因死亡および心血管疾患のリスクが最も低いアルコール摂取量の閾値を明らかにするために、心血管疾患の既往歴のないアルコール摂取者59万9,912例のデータを解析した(英国医学研究審議会などの助成による)。 19の高所得国の3つの大規模なデータソース(Emerging Risk Factors Collaboration、EPIC-CVD、UK Biobank)から、個々の参加者のデータを収集し、統合解析を行った。83件の前向き研究を施設、年齢、性別、喫煙、糖尿病などで補正して、用量反応関係の特性を明らかにし、アルコール摂取量の100g/週ごとのハザード比(HR)を算出した。 ベースラインのアルコール摂取量を、週当たりの摂取量(g)で8つの群に分類し、アルコール摂取量と、全死因死亡、心血管疾患全体、心血管疾患のサブタイプとの関連を評価した。HRは、アルコール摂取量の長期的なばらつきの推定値で修正した。適量は、グラスワイン、1パイントのビールで、週に5~6杯 登録のベースライン年は1964~2010年で、平均年齢は57±9歳、44%が女性だった。喫煙者は21%で、アルコール摂取量100g/週以上が約50%を占め、350g/週以上は8.4%であった。 540万人年のフォローアップ期間に、4万310例(血管系:1万1,762例、新生物:1万5,150例を含む)が死亡し、3万9,018例(脳卒中:1万2,090例、心筋梗塞:1万4,539例、心筋梗塞を除く冠動脈疾患:7,990例、心不全:2,711例、他の心血管疾患による死亡:1,121例を含む)が心血管疾患イベントを発症した。 全死因死亡のHRは、アルコール摂取量が増加するに従って曲線を描いて上昇し、最も死亡リスクの低い摂取量は約100g/週未満であった。これは週に、英国の標準的なグラスワインまたは1パイントのビールで、およそ5~6杯に相当する。 アルコール摂取量の増加とリスクの上昇に、ほぼ直線的な関連が認められた心血管疾患のサブタイプとして、脳卒中(摂取量の100g/週増加のHR:1.14、95%信頼区間[CI]:1.10~1.17)、心筋梗塞を除く冠動脈疾患(1.06、1.00~1.11)、心不全(1.09、1.03~1.15)、致死的高血圧性疾患(1.24、1.15~1.33)、致死的大動脈瘤(1.15、1.03~1.28)が挙げられた。 これに対し、アルコール摂取量の増加とともに、心筋梗塞のリスクは低下し、対数線形的な関連がみられた(HR:0.94、95%CI:0.91~0.97)。 40歳時の平均余命は男女とも、アルコール摂取量が>0~≦100g/週の集団と比較して、>100~≦200g/週の集団は約6ヵ月短く、>200~≦350g/週の集団は約1~2年、>350g/週の集団は約4~5年短縮した。 著者は、「これらのデータは、現行の多くのガイドラインで推奨されているアルコール摂取量制限値を、さらに低くすることを支持するものである」としている。

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早期NSCLC、ニボルマブによる術前免疫療法が有望/NEJM

 切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)の治療法には、過去10年間、ほとんど進展がないという。米国ジョンズ・ホプキンス大学のPatrick M. Forde氏らは、ニボルマブによる術前補助療法は副作用が少なく、計画された手術を遅延させず、切除腫瘍の45%に病理学的奏効をもたらしたとの研究結果を、NEJM誌オンライン版2018年4月16日号で報告した。早期肺がん患者では、PD-1経路の遮断により、宿主免疫の適合能が増大し、腫瘍のクローン不均一性が減弱するため、抗腫瘍効果が増強する可能性がある。また、原発巣は、腫瘍特異的T細胞の増殖と活性化、および微小環境の全身的な監視の抗原源として活用される可能性があるため、術前免疫療法は興味深いアプローチとされる。安全性と実行可能性を検証するパイロット試験 研究グループは、早期NSCLCにおけるニボルマブによる術前補助療法の安全性と実行可能性を評価するパイロット試験を実施した(Cancer Research Institute-Stand Up 2 Cancerなどの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、全身状態(ECOG PS)が0/1で、未治療の外科的切除が可能な早期NSCLC(StageI、II、IIIA)の患者であった。ニボルマブ(3mg/kg)は2週ごとに2回投与し、初回投与から約4週後に手術が計画された。 主要エンドポイントは安全性と実行可能性とした。また、原発巣の病理学的奏効、PD-L1の発現、遺伝子変異負荷、遺伝子変異関連のネオアンチゲン特異的T細胞応答の評価も行った。なお、ネオアンチゲンは、がん細胞の遺伝子変異に由来する、細胞傷害性Tリンパ球の標的となる抗原である。 2015年8月~2016年10月の期間に、米国の2施設に22例が登録された。PD-L1発現の有無にかかわらず奏効 全体の平均年齢は66.9±8.3歳、女性が11例(52%)であった。腺がんが62%、StageII/IIIAが81%、喫煙者/元喫煙者が86%を占めた。小細胞肺がん(SCLC)が見つかった1例は治療を中止した。 術前ニボルマブ療法による未知の毒性作用は認められなかった。治療関連有害事象は23%(5/22例、95%信頼区間[CI]:7.8~45.4)にみられたが、Grade3以上は1件のみだった。22例中20例が、計画された2回の投与を完遂した。 治療関連の手術の遅延は認めなかった。2回目の投与から手術までの期間中央値は18日(範囲:11~29)であり、21例中20例(95%)で腫瘍の完全切除が達成された。 切除された20個の腫瘍のうち9個(45%)で病理学的奏効(残存する活動性腫瘍の割合が10%以内)が得られた。3例では、病理学的完全奏効(活動性腫瘍なし)が達成された(1例は肺門リンパ節に腫瘍が残存)。原発巣の病理学的退縮率中央値は-65%であった。また、病理学的奏効例のうち、PD-L1陽性は3例、陰性は2例で、不明が4例だった。 治療前の遺伝子変異負荷の平均値は、病理学的奏効例が非奏効例に比べ有意に高く(p=0.01)、変異負荷はPD-1遮断による病理学的奏効の深さの重要な決定因子と考えられた。 評価が可能であった9例中8例で、腫瘍および末梢血の双方のT細胞クローン数が、ニボルマブ投与後に増加していた。また、病理学的完全奏効が得られた原発巣における遺伝子変異関連のネオアンチゲン特異的T細胞クローンは、治療後2~4週に末梢血で急速に増殖しており、これらのクローンには、ニボルマブ投与前の末梢血では検出されなかったものも含まれた。 著者は、「術前免疫チェックポイント遮断療法は、現在、乳がんやNSCLCの第III相試験など、さまざまながん種で検討が進められており、早期がんの再発抑制や治癒における術前PD-1遮断療法の役割を明らかにするには、これらの試験の長期的なフォローアップが必要である」としている。

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無過失補償制度は医療萎縮を止めるか

 2018年3月25日、第8回 医療法学シンポジウム(第2回 稲門医師会・稲門法曹会合同シンポジウム)が、都内において開催された。シンポジウムでは「無過失救済補償制度はどうあるべきか~産科医療だけでなく~」をテーマに、前半では現状における無過失補償制度の問題点や課題、今後の制度設計について、後半では医療者、法曹関係者が全体討論として議論を交わした。金銭補償だけでは語れない医療事故後のフォロー はじめに杉原 正子氏(東京医療センター精神科)が、今回のテーマを選定した理由を説明。産科医療補償制度を例に挙げ、現状では経済的な補償がなされた後、患者や家族が置き去りにされていると指摘。支給に関しては、「疑わしきは支給する」というスタンスで穏やかな支給が望まれると同時に、患者や家族に必要とされるものは、経済的な補償に加え、診療やケアができる医療施設の情報や最新の医療情報だと語った。そして、日本の医療事故への提言も含め、実現すべき救済とは何かを学際的に対話していきたいと期待を寄せた。 次にサリドマイド薬害事件の当事者(サリドマイド児)として、患者の視点から増山 ゆかり氏が「患者にとって救済とは何か?」をテーマに、事件後の患者が置かれている立場やその思いを語った。1958年に発生したサリドマイド薬害事件から60年が経過し、当時障害を持って生まれた胎児も平均で55歳を超え、当時は予見できなかった影響に悩まされている。具体的には、身体的欠損からくるさまざまな社会的制限や差別のほか、健康な人と比較すると、解剖的にも循環器系や腎臓系に問題を抱え、加齢も10年程度早いという。今でも治療を断られることもあり、患者は金銭補償だけでは、自立的生活を成り立たせることは困難だと訴えた。そして、日本の医療の長所を認めつつも、「患者の意見を医療者が聞き、こうした薬害の被害に向き合うことが大切ではないか」と提言を行った。 次に大磯 義一郎氏(浜松医科大学医療法学 教授)が「無過失補償制度の意義と目的」をテーマに、現在の医療事故発生とその後の医療裁判の問題点を挙げ、医療事故の加害者の処分だけでは、事故の真相究明、再発防止、被害者(患者とその家族)の救済にならないことを指摘。再び医療萎縮が起きないように、裁判のような紛争手続きではない制度設計の必要性を述べた。とくに金銭賠償では解決できない被害者の癒しや加害医療者の救済、科学的な事故の再発防止などは個別に考えていく問題であり、その中で個々の無過失補償制度の有無も決めていくことが重要だと語った。諸外国の補償制度と医療事故への対応 次に坂根 みち子氏(坂根Mクリニック 院長)が「日本とスウェーデンの医療事故調査制度と無過失補償」について説明。スウェーデンでは医療事故が発生した場合、患者やその家族は、医療裁判ではなく「地方の苦情委員会」「医療福祉監査局」など7つルートで、医療事故への対応や補償を訴えることができると説明した。基本的に事故の再発防止を目的に、加害医療者の責任追及ではなく双方が対話できる場を整え、そのような場の内容が臨床現場にフィードバックされ、さらなる事故防止に役立てられているという。翻ってわが国の制度では、臨床現場に医療事故情報をフィードバックする機会も機能も十分ではないため、現状では医療安全に寄与していないと指摘し、「医療事故調査制度の制度1本化」「現場へのフィードバック機能」「早急な無過失補償制度の構築」など7つの提言を行った。 次に岩田 太氏(上智大学法学部 教授)が「医療事故と制裁をめぐる国際比較」をテーマに、ニュージーランド、スウェーデン、フランス、英国とわが国の医療事故後の対応を解説した。ヒューマンエラーは必ず起こることを前提に、医療過誤処罰は、刑事ではなく別の形で行うべきという立場で、諸外国の事例を説明した。ニュージーランドでは、広範な医療事故補償制度があり、訴権放棄や刑事訴追がほぼないため医師の協力は得やすいが、金銭賠償で解決できない課題もあるという。フランスでは、補償認定には一定の労働能力の喪失という認定基準があり、その幅も狭いために私訴も多い。英国では、民事裁判で賠償の有無などが判断されており、医療安全はNational Health Service (NHS)が集中管理しているが、近年裁判数は急増していると、各国の状況が紹介された。同氏は、今後のわが国での問題事例への対処として、行政処分の拡充や医療事故調査制度の充実を例に提案を行った。 次に大滝 恭弘氏(帝京大学医療共通教育研究センター 准教授)が、「無過失補償制度へ向けて」をテーマに制度設計に向けた論点整理を行った。わが国の無過失補償制度を概観し、補償範囲、費用負担、過失認定、事故調査制度との関連などが、複雑に絡んでいることを指摘。たとえば、予防接種健康被害救済制度は、有過失関係なく救済されるほか、費用は国が負担している。しかし、こうした全面補償の制度は悪用もされやすく、制度の設計の難しさを示唆した。今後、無過失補償制度を作るに当たっては、前述の設計要件だけでなく、(かなり難しいが)患者の訴訟対応をどう盛り込むかが超えるべき壁と説明した。今も不足している医療者からの情報提供 後半の全体討論では、はじめにわが国の医療の問題点として、医療者側からの情報提供が不足していることが挙げられ、これらが医療不信の一因になっていると指摘された。たとえば、医師からの医療事故レポートなどは、日本医療機能評価機構へ上がっていかず、ほとんどが医師以外の医療者であること、また、問題の薬剤に関しても医薬品医療機器総合機構の資料からわかるはずだが、活用されていないのが現状で、事故の減少につながらないなど情報流通の問題も論じられた。補償制度を作るのであれば、患者の安全とリンクした制度が必要と提案が行われたほか、行政の問題として、わが国は医療の安全対策や予防に対して予算がつかないという点があり、問題のある薬剤が判明した場合、その回収が遅いという指摘もあった。そのほか、サリドマイドを例にすると、わが国では障害者が自立的生活を送ることが難しく、金銭補償とは別にフォローする制度を海外のように構築してほしいとの声もあった。日本の医療について、小手先だけの対応ではなく全体のシステムを変えないと、医療事故防止や医師不足の解決にはならないなど、深い議論が交わされた。

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Dr.長尾の胸部X線クイズ 初級編

第1回 場所が言えなきゃ始まらない 第2回 その影は、大きいか?小さいか? 第3回 比べまくると、見えてくる 第4回 この所見、この疾患。 第5回 選択肢は多いほうがいい 第6回 大切なものは目を凝らさないと見えない 症例写真クイズで読影腕試し!異常所見を見つけ、鑑別診断を挙げる-実臨床に近い問いに答えて読影スキルをブラッシュアップしていきましょう!初級編は、基本的な読影テクニックで見つけられる症例を厳選。中には見逃したら訴えられるほど重要な所見も…。1問5分のクイズそれぞれに、すぐに役立つ読影ノウハウを詰め込みました。第1回 場所が言えなきゃ始まらない異常所見を見つけたら、それが「ドコ」にあるのかを、正確に表現することは読影の基本。第1回は肺野の区分や病変部位の特定につながる、重要な読影スキルをパパっと押さえましょう。第2回 その影は、大きいか?小さいか? 異常影の大きさは疾患の予測に重要な情報。ですが、「大きい」か「小さい」かはどう定義するのでしょうか?今回は胸部X線写真の2大メジャー所見の見つけ方をレクチャー。鑑別診断をパパっと解説します。第3回 比べまくると、見えてくる 腫瘤影などのように目立つ所見でなく、シルエットサインも使えない異常所見もたくさんあります。それらを発見するには、「比較する」しかありません。何と比較するのか?クイズを解きながら考えてみましょう!第4回 この所見、この疾患。 3回まででメジャーな異常所見は一通り読めるようになったはず。 X線写真にも疾患ごとに特徴的な所見がいくつかあります。知っていると知らないでは大違い。さて、今回のクイズからぱっと鑑別診断を挙げられますか?第5回 選択肢は多いほうがいい 異常所見も、鑑別診断も、ぱっと決められないときに多くの選択肢を挙げられると次の道が拓けます。そこからどう絞り込むかは次のステップ。今回はできるだけ多く鑑別疾患を出す訓練をしていきましょう!第6回 大切なものは目を凝らさないと見えない 今回の症例を読み解くアドバイスは「よーく見ること」。慣れれば簡単に見つかる異常も、初めは目を凝らして探さないと見えてきません。小さな異変に気付けると、読影は一段ランクアップします。

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思春期の少年少女における自殺念慮の予測

 近年、思春期や若者の自殺率が高まっており、これらの年齢層は、リスクの高い集団であると認識されている。スペイン・ロビラ・イ・ビルジリ大学のFabia Morales-Vives氏らは、自殺念慮が将来の自殺行動の可能性を示す最初の兆候であることを考慮し、思春期の自殺念慮を予測するうえで、精神的な成熟、人格、うつ病、生活満足度の相対的な重要性について検討を行った。The Spanish journal of psychology誌2018年4月10日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・うつ症状は、自殺念慮を最も予測する因子であり、精神的な成熟、生活満足度、感情的安定性も予測因子であった(R2=0.51、p<0.001)。・しかし、Multigroup Structural Equation Models分析では、感情的安定性は、うつ症状、生活満足度、自己同一性との関係を通じて、自殺念慮と間接的な関連があることが示唆された。・2つの多群構造方程式モデルにより、男女におけるこれらの因子の関連性がより理解された。・自立の変数を含むモデルは、少女よりも少年でより適していた(カイ二乗、少女:8.175、少年:1.978)。これは、他のモデルとは異なっていた(カイ二乗、少女:0.288、少年:1.650)。 著者らは「これらの結果は、精神的な成熟のサブスケールである自立が、少年の自殺念慮に影響を及ぼすが、少女においては影響しないことを示唆している。自殺の予測因子としての精神的な成熟の影響については、これまであまり研究されていなかったが、思春期の自殺念慮の予測において考慮すべき特徴であると考えられる」としている。■関連記事自殺念慮と自殺の関連が高い精神疾患は何か自殺予防の介入効果はどの程度あるのかうつ病および自殺に関連する遺伝学的治療標的

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身体能力低下の悪循環を断つ診療

 2018年4月19~21日の3日間、第104回 日本消化器病学会総会(会長 小池 和彦氏[東京大学医学部消化器内科 教授])が、「深化する多様性~消化器病学の未来を描く~」をテーマに、都内の京王プラザホテルにおいて開催された。期間中、消化器領域の最新の知見が、シンポジウム、パネルディスカッション、ワークショップなどで講演された。 本稿では、その中で総会2日目に行われた招請講演の概要をお届けする。フレイル、サルコペニアに共通するのは「筋力と身体機能の低下」 招請講演は、肝疾患におけるサルコペニアとの関連から「フレイル・サルコペニアと慢性疾患管理」をテーマに、秋下 雅弘氏(東京大学大学院医学系研究科 加齢医学 教授)を講師に迎えて行われた。 はじめに高齢者の亡くなる状態を概括、いわゆるピンピンコロリは1割程度であり、残りの高齢者は運動機能の低下により、寝たきりなどの介護状態で亡くなっていると述べ、その運動機能の低下にフレイルと(主に一次性)サルコペニアが関係していると指摘した。 フレイルは、「加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態」を表し、要介護状態に至る前段階として位置付けられている(ただし、可逆性はあるとされる)。また、サルコペニアは「高齢期にみられる骨格筋量の低下と筋力もしくは身体機能(歩行速度など)の低下」と定義される。両病態はお互いに包含するものであり、とくに筋力と身体機能の低下は重複する。フレイル、サルコペニアは世界初のガイドラインなどで診療 診療については、『フレイル診療ガイド 2018年版』と『サルコペニア診療ガイドライン 2017年版』が世界で初めて刊行され、詳しく解説されている(消化器領域では『肝疾患におけるサルコペニアの判定基準』により二次性サルコペニアの診療が行われている)。 フレイルの診断は、現在統一された基準はなく、一例として身体的フレイルの代表的な診断法と位置付けられている“Cardiovascular Health Study基準”(CHS基準)を修正した日本版CHS(J-CHS)基準が提唱され、体重減少、筋力低下、疲労感、歩行速度、身体活動の5項目のうち3つ以上の該当でフレイルと判定される。スクリーニングでは、質問形式で要介護認定ともシンクロする「簡易フレイルインデックス」など使いやすいものが開発されている。 一方、サルコペニアも同様に統一基準はないが、Asian Working Group for Sarcopenia(AWGS)によってアジア人向けの診断基準が作られ、年齢、握力、歩行速度、筋肉量により診断されるが、歩行速度など、わが国の実情に合わない点もあり注意が必要という(先の二次性サルコペニアの診断ではCT画像所見による筋肉量の測定がある)。 また、両病態とも筋肉量の測定など容易ではないが、外来で簡単にできる「指輪っかテスト」なども開発され、利用されている。 治療に関しては両病態ともに、レジスタンス運動を追加した運動療法や、十分な栄養を摂る栄養療法が行われる。詳細は先述のガイドラインなどに譲るが、「タンパク質」の摂取を例に一部を概略的に示すと、慢性腎不全の患者では腎臓機能維持の都合上、タンパク質の摂取が制限されるが、その制限が過ぎるとサルコペニアに進んでしまう。そのため、透析に進展させない程度のタンパク質の摂取を許すなど、患者のリスクとベネフィットを比較、検討して決めることが重要という。薬剤が6種類を超えるとハイリスク 続いて「ポリファーマシー」に触れ、ポリファーマシーはフレイルの危険因子であり、薬剤数が6種類を超えるとハイリスクになると指摘する(5種類以上で転倒のリスクが増す)。また、6種類以上の服用はサルコペニアの発症を1.6倍高めるというKashiwa studyの報告を示すとともに、広島県呉市のレセプト報告を例に85~89歳が一番多くの薬を服用している実態を紹介した。 消化器領域につき、「食欲低下」では非ステロイド性抗炎症薬、アスピリン、緩下薬などが、「便秘」では睡眠薬・抗不安薬(ベンゾジアゼピン)、三環系抗うつ薬などが、「ふらつき・転倒」では降圧薬、睡眠薬・抗不安薬、三環系抗うつ薬などが関係すると考えられ、「高齢者への処方時は、優先順位を決めて処方し、非専門領域についても注意してほしい」と語った。とくに「便秘」は抗コリン薬が原因になることが多いという。また、「GERD」についてはH2ブロッカーが認知機能を低下させる恐れがあるため注意が必要であり、第1選択薬のPPIでも漫然とした長期使用は避けるなど、必要に応じた使い方が望ましいという。 まとめとして、高齢者の生活改善では「規則正しい食事」「排泄機能の維持」「適切な睡眠習慣」が大切で、とくに「食事は服薬のアドヒアランス維持のためにも気を付けてもらいたい」とその重要性を指摘した。最後に秋下氏は「フレイル、サルコペニアは、身体的な負の悪循環を形成することを理解してもらいたい」と述べ、レクチャーを終えた。■参考第104回 日本消化器病学会総会■関連記事ニュース 初の「サルコペニア診療ガイドライン」発刊

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思い込みを正すことは難しい:MRIとペースメーカーの場合(解説:香坂俊氏)-849

 あるとき誰かが思った。 「MRIは強力な磁場を発生させるから、電子機器であるペースメーカーやICDには当然よくないだろう」 MRIでは磁場を発生させてプロトンの「回転」を計測する。しかし、体内に金属性のペースメーカーがあると、強力な磁場を周囲で発生させて先端のリード部分が熱を持ってしまう。すると「心筋への電気伝導に問題がおきるのではないか?」という危惧は当然出ることになる。また、ペースメーカーやICDのジェネレーターは、実は磁石を上に置くとスイッチオフ(※)できるようになっているので、「ジェネレーター部分のプログラムに異常が発生するのではないか?」という心配もある。※機種によって微妙に仕様が異なり、VVIという心室のみのペーシングに切り替わる設定の製品もある。 こういった経緯から、永らくペースメーカーやICDが植え込まれた患者に対するMRIは禁忌とされてきた(一部の最新の機種を除く)。しかし、かねてよりやってみればそれほど危険なものでもないのではないかということも言われており、その実証に挑んだのが、Johns Hopkins大学のNazarian医師らで、このグループはまず50例程度のペースメーカー・ICD患者を安全に行いえたということを2006年Circulation誌(循環器領域で最もインパクトのある雑誌)に報告した。その後、さらに症例データの蓄積を進め、数百という単位の報告を2011年Annals of Internal Medicine誌(一般内科領域で最もインパクトのある雑誌)に報告した。そして今回、1,509例での報告をNEJM誌(医学全領域で最もインパクトのある雑誌)に行ったという運びである。 1,509例(MRIの実施は2,103件)で安全性を担保したプロトコール下でMRIを行った結果として、最新型でないペースメーカーやICDであったとしてもMRIを行ってトラブルを起こしたのは0.4%(2,103件中9件)にとどまり、その内容はその設定がリセットされたというものであった。この9件のうち1件を除きすべてのケースで再設定可能であり、大きなトラブルとはならなかった(再設定できなかった1例はバッテリーが切れる直前のデバイス)。さらに1%でP波の減高がみられたが、長期的にはまったく影響がなかったという。 「誰か」がMRIとペースメーカーやICDの危険性について想像し、そのことをひっくり返すのに2006年の最初のNazarian医師らによる報告から10年以上を要したことになる。脳梗塞などさまざまな病態でMRIは命を救いうる検査であり、このことは多くの循環器患者にとっては朗報となる。 なお、注意事項として、すべてのMRIはすぐにペースメーカーやICDのプログラム変更を行うことができる技師か不整脈専門医の監督下で行われた。MRIの撮影を行う際のモードは、ペーシング依存の患者では非同期モード、それ以外の患者はVVI[レート40]と設定され、ICDの頻脈性不整脈の治療機能も撮影時は無効と設定された。

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救急室の国際親善【Dr. 中島の 新・徒然草】(219)

二百十九の段 救急室の国際親善病棟で仕事していたら、突然、院内PHSが鳴りました。外来師長さんからです。師長「3歳の子供が大阪城で転んで頭を打ったらしいのですが、来てもらっていいですか?」中島「いいですよ」師長「ああ、よかった。中国人親子ですけど、お母さんは日本語がしゃべれるそうです」中島「手が空いたら行くから、それまで若いモンに診てもらっていて」師長「分かりました」それにしても、中国人親子で母親だけ日本語をしゃべるというのはどういう状況なのでしょうか? 移住してきた外国人家族の中で子供だけ日本語ペラペラというのはよくある事ですけど。とりあえず、しばらくしてから救急室に様子を見に行きました。中島「ニイハオッ!」若者「中国じゃなくて韓国らしいですよ」中島「えっ・・・、じゃあ、アンニョンハセヨッ(で、良かったかな)」母親「ドウモ、スミマセン」ストレッチャーの上には既に前額部切創を処置したらしい男の子、隣にはきれいめのお母さん、部屋の端にはちょっと怖そうなお父さん、というよくある組み合わせです。中島「お母さん、日本語上手ですねえ!」母親「ゼンゼン上手ジャ、アリマセン」中島「いやいや、それだけしゃべれたら大したものですよ」聞けば、韓国から日本に観光に来たのだそうです。うつむいたお母さんは日本語を褒められて恥ずかしそうな表情でした。いくら美人でも自己主張が強かったら興ざめですが、このお母さんの当惑した顔を見ていると、「きっとこれまで一生懸命日本語を勉強してようやく憧れの日本に来たに違いない。ここはひとつ良い印象を持って帰ってもらおう!」と勝手に想像してしまいました。“せっかく遠いところから来なすったんだ。お代はいらねえ!”そう言いたかったのですが、そんな権限は私にはありません。代わりに「頭部外傷の注意書き」なる紙を見せて、できるだけ丁寧に説明しました。中島「これはね、頭を打った人に対する注意書きです。病院から帰ってもこんな事があったらすぐ来てね」母親「ハイ」中島「まずは『何回も吐く』。つまり『オエーッ、オエーッ』てこと。1回、2回ならいいけど、3回以上吐いたら病院に来ること」母親「ワカリマシタ」中島「次、『痙攣が起こる』。これは、ひきつけとも言います。要するに手足がこんなふうにね、『ブルブルブル』となることね。いいですか、『ブルブルブル』ですよ」言葉が通じていなかったら困るので、身振り手振りの大熱演。男の子にはウケましたが、お父さんの顔はますますムスッとしてきたような気がします。中島「何かあったら、紙に書いてあるこの番号に電話して下さいね」母親「本当ニ、アリガト、ゴザイマシタ」中島「いやいやいや。ぜひ、日本観光を楽しんでください」というわけで、国際親善に一役買ってしまいました。あれこれと注文の多い外国人患者さんの中、たまにシャイな人に出くわすと、つい親切にしてしまうのは日本人のさがかもしれませんね。最後に1句美女相手 張り切り過ぎや ハゲ親父!

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術後せん妄を経験した大腿骨頚部骨折患者の認知症発症リスク

 術後せん妄が、股関節部の骨折患者の認知症発症率にどの程度影響を及ぼすかは不明であり、せん妄や認知症の検出方法については検証が必要とされている。スウェーデン・ウメオ大学のB. Olofsson氏らは、大腿骨頚部骨折手術後3年以内の認知症発症について、潜在的な予測因子として術後せん妄に焦点を当て、調査を行った。International journal of geriatric psychiatry誌2018年4月号の報告。 認知症、うつ病、心理的ウェルビーイング、栄養状態について、入院中および手術後4、12、36ヵ月後に評価を行った。術後せん妄および認知症発症に関連する因子は、ロジスティック回帰モデルを用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。・研究対象は、認知症の既往歴のない患者135例。そのうち、せん妄を発症したのは術前で20例(14.8%)、術後で75例(55.5%)であった。・術後3年時で、43例(31.8%)が認知症と診断された。・術後せん妄が認められた75例には、認知症を発症しなかった患者(92例中36例、39.1%)よりも発症した患者(43例中39例、90.6%)の方が、多く含まれていた。・ロジスティック回帰モデルでは、共変量(年齢、性別、糖尿病、術前および術後せん妄、過活動性せん妄、せん妄の日数、尿路感染症、簡易栄養状態評価表スコア)で調整した後、術後せん妄は、術後3年以内の新規認知症発症の独立したリスク因子であることが示唆された(オッズ比:15.6、95%CI:2.6~91.6)。 著者らは「本結果より、術後せん妄が認められる老年性股関節部の骨折患者では、認知症の発症を注意深く観察する必要がある」としている。■関連記事せん妄はアルツハイマー病悪化の危険因子高齢者へのZ薬と転倒・骨折リスクに関するメタ解析せん妄に対する薬物治療、日本の専門家はどう考えているか

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COPDの3剤併用療法、2剤併用と比較/NEJM

 COPDに対する3剤併用療法(吸入ステロイド+LAMA+LABA)は、2剤併用療法(吸入ステロイド-LABA、またはLAMA-LABA)よりも有益なのか。米国・グラクソ・スミスクラインのDavid A. Lipson氏らによる第III相無作為化二重盲検並行群間試験「IMPACT試験」の結果、3剤併用療法(フルチカゾン+ウメクリジニウム+ビランテロール)は、2剤併用療法(フルチカゾン-ビランテロール、またはウメクリジニウム-ビランテロール)よりも、中等度~重度のCOPD増悪を有意に抑制したことが示された。また、COPDによる入院も低減したという。NEJM誌オンライン版2018年4月18日号掲載の報告。COPD患者1万355例が参加、中等度~重度COPD増悪の年間発生率を評価 IMPACT試験は2014年6月~2017年7月に、37ヵ国から被験者を募り行われた。登録されたのは、40歳以上、症候性COPDが認められる(COPDアセスメントテスト[CAT]スコア[範囲0~40、高スコアほどより症候性、臨床的に意味のあるスコア差は最低2]が10以上)、FEV1が予測正常値の50%未満および前年に中等度~重度のCOPD増悪を経験、またはFEV1が予測正常値の50~80%および前年に中等度の増悪2回もしくは重度の増悪1回を経験している患者であった。 COPD患者1万355例が参加し、1日1回投与の、フルチカゾン(吸入ステロイド)100μg+ウメクリジニウム(LAMA)62.5μg+ビランテロール(LABA)25μgの3剤併用療法を受ける群と、フルチカゾン-ビランテロール(それぞれ100μg、25μg)かウメクリジニウム-ビランテロール(それぞれ62.5μg、25μg)の2剤併用療法を受ける群に無作為に割り付けられ、52週間にわたる試験が行われた。いずれの療法も、エリプタ吸入器を用いた単回投与で行われた。 主要評価項目は、試験薬投与期間中における中等度~重度COPD増悪の年間発生率であった。3剤併用0.91件/年、吸入ステロイド-LABA 1.07件/年、LAMA-LABA 1.21件/年 主要アウトカムは、3剤併用群が0.91件/年であったのに対し、フルチカゾン-ビランテロール群は1.07件/年(3剤併用療法群との率比[RR]:0.85、95%信頼区間[CI]:0.80~0.90、差:15%、p<0.001)、ウメクリジニウム-ビランテロール群は1.21件/年(0.75、0.70~0.81、25%、p<0.001)であった。 重度増悪による入院の年間発生件数は、3剤併用療法群0.13件であったのに対し、ウメクリジニウム-ビランテロール群は0.19件であった(RR:0.66、0.56~0.78、差:34%、p<0.001)。フルチカゾン-ビランテロール群は0.15件であった(RR:0.87、0.76~1.01、13%、p=0.06)。 肺炎の発生は、ウメクリジニウム-ビランテロール(LAMA-LABA)群よりも、吸入ステロイドを用いた群で高率に認められた。また、臨床的に診断された肺炎のリスク(初回イベント発生までの時間で解析)は、ウメクリジニウム-ビランテロール(LAMA-LABA)群との比較において、3剤併用療法群で有意に高率であった(ハザード比:1.53、95%CI:1.22~1.92、p<0.001)。

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全国の麻疹患者は累積で67例

 厚生労働省は、沖縄県で多数の麻疹患者の発生を受け、他の都道府県においても麻疹が発生する可能性を危惧し、また、ゴールデンウィークに旅行者が増えることを考慮し、4月26日に各自治体、医療機関などに対して早期発見や院内感染防止などの注意喚起の事務連絡を発出した。 医療従事者には、疑わしい症状の患者を診察する際に、予防接種歴、渡航歴などを確認し、麻疹を念頭においた診療と、感染への注意喚起を行っている。 また、4月27日の「IDWR 感染症発生動向調査週報(2018年第15週:4月9日〜4月15日)」によれば、全国の麻疹発生状況は次のとおりである。・麻疹18例〔麻疹(検査診断例8例、臨床診断例2例)、修飾麻疹8例〕・感染地域:沖縄県14例、東京都2例、茨城県1例、国内(都道府県不明)1例・年齢群:0歳(1例)、10~14歳(2例)、20~24歳(4例)、25~29歳(2例)、30~34歳(4例)、35~39歳(2例)、40代(3例)・累積報告数:67例〔麻疹(検査診断例37例、臨床診断例14例)、 修飾麻疹16例〕■参考厚生労働省:麻しん患者報告数の増加に伴う海外渡航者への注意喚起について(PDF)厚生労働省:感染症情報(麻しんについて)NIID国立感染症研究所:IDWR 感染症発生動向調査週報NIID国立感染症研究所:IASR 病原微生物検出情報月報

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ACS症例におけるDAPTの期間は6ヵ月と12ヵ月のいずれが妥当か?(解説:上田恭敬氏)-848

 急性冠症候群症例(不安定狭心症、ST非上昇型急性心筋梗塞、ST上昇型急性心筋梗塞)を対象として、抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)の期間を6ヵ月とする群と12ヵ月以上とする群に無作為に割り付ける、韓国における多施設無作為化比較試験であるSMART-DATE試験の結果が報告された。 本試験では、韓国の31施設において2,712症例の急性冠症候群症例が、6ヵ月間のDAPT群(1,357症例)または12ヵ月以上のDAPT群(1,355症例)に無作為に割り付けられた。主要エンドポイントは18ヵ月時点での全死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合エンドポイントで、副次エンドポイントは主要エンドポイントの各構成要素、ステント血栓症(definite or probable)、出血性イベント(BARC type 2~5)である。 主要エンドポイントは、6ヵ月DAPT群で4.7%、12ヵ月以上DAPT群で4.2%と差を認めなかった。副次エンドポイントは、全死亡と脳卒中、ステント血栓症については群間に差を認めなかったが、心筋梗塞の発症は6ヵ月DAPT群で有意に高頻度に認められた(1.8% vs.0.8%、p=0.02)。出血性イベントは、6ヵ月DAPT群で2.7%、12ヵ月以上DAPT群で3.9%と有意な差は認めなかった(p=0.09)。 以上より、18ヵ月時点での主要エンドポイントに関しては、12ヵ月以上DAPTに対する6ヵ月DAPTの非劣性が示されたものの、主要エンドポイントの構成要素の1つである心筋梗塞の発症が6ヵ月DAPTで有意に高頻度であったために、6ヵ月DAPTが12ヵ月以上DAPTと同等に安全とは結論できなかったとしている。 通常、主要エンドポイントの結果が重要視され、副次エンドポイントの結果を強く主張することは控えるべきとされるが、本論文の記載は妥当なものと思われる。また、比較的低リスクの症例が登録されたかもしれないというselection biasの可能性などいくつかのlimitationが指摘されているが、それらはむしろ群間差をなくす方向に作用すると思われ、その中でも心筋梗塞の発症が6ヵ月DAPTで有意に高頻度であったことはやはり注目すべきである。著者も指摘しているように、現時点では、12ヵ月以上DAPTが急性冠症候群症例における標準的治療であることは揺らがず、安易にDAPT期間を短縮すべきではないと考える。

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【GET!ザ・トレンド】小さじ10分の1の血液で、アルツハイマー病前臨床段階でのアミロイドβを検出(2)

CareNet.com会員からの質問に田中 耕一氏が回答今回の測定原理において、測定物質にどのような性質があると検出しやすいのでしょうか?まずイオン化しやすいもの、そして電気信号として検出できる物質です。分子量が15万もある抗体のような大きな物質をそのまま測る場合、イオンになったとしても電気信号として検出されるのは難しいのです。今回は、タンパク質ではなく分子量が5千程度のペプチドをバイオマーカーにできたことが、成功の大きな理由だと思います。今回の測定技術は、がんの早期診断に応用できますか?がんは遺伝子が傷つくことで発症しますが、質量分析は、その遺伝子からできるタンパク質だけでなく、代謝物などをも含む様々な化合物がどのくらい体に含まれているかを、早期に確認できます。すでに多くの研究機関でがんの早期診断の研究がなされています。さらにそれは、血液に限らず、尿や唾液など受診者に負担の少ない検体にも応用可能だと思います。ノーベル賞を受賞した当時から現在までに、国内企業での研究事情はどのように変化したと思われますか? 医学分野との融合についてはいかがでしょうか?田中氏が所長を務める島津製作所田中耕一記念質量分析研究所かつては、「質量分析で微量なものを測れるはずがない」という考えが、日本に根強くあったように思います。医学分野においても、成果が十分に伝わっておらず、ご理解いただけなかったこともあります。一方、海外では、すでに医学部と分析機器メーカーの共同研究が活発に行われていました。ただ、そういった状況も、2000年頃から変化し始めました。今では日本でも、質量分析の応用研究は加速度的に進み出しています。医療者に伝えたいことをお聞かせください。今回の研究で用いた質量分析器の前で、田中氏と金子氏東大阪、東京の墨田区、大田区などには、世界に誇る技術を持った企業がたくさんありますが、どうもモノ作りの旗色が悪いですね。優れた技術を医療に活かすには、コミュニケーションが重要だと思います。話し合う機会がないと、せっかくの基礎研究や応用研究がモノ作りに結び付きにくい。お互いをつなげられれば、医学界にも、分析機器を含めた製造業にとっても、意義深い。先進国はすべて高齢化の課題を抱えていますが、医工連携で日本は課題解決先進国になれる可能性が大いにあり、世界の方々に日本発の製品や技術を喜んで取り入れていただけるようになると思っています。

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