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日本人アルツハイマー病患者に対する長期ドネペジル投与の病態変化と安全性

 アルツハイマー病(AD)患者における、ドネペジル塩酸塩の長期かつ大規模な研究(J-GOLD試験)が実施された。順天堂大学の新井 平伊氏らによる本研究では、これまで2つの中間報告が行われていたが、研究結果の分析が完了し最終報告が行われた。Psychogeriatrics誌オンライン版2018年7月11日号の報告。 本研究では、新規AD治療患者(新たにAD治療を受けた患者)およびAD治療継続患者(試験開始時にADの薬物治療を受けていた患者)を対象としていた。観察期間は、48ヵ月。薬物治療に伴う認知機能の変化および認知症の重症度と、その安全性について評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・ベースラインと比較した認知機能の有意な減少は、新規AD治療患者では24ヵ月後、AD治療継続患者では6ヵ月後に認められた。・ベースラインと比較し、認知症の重症度が改善または維持された患者の割合は、新規AD治療患者では48ヵ月で59.27%、AD治療継続患者では48ヵ月で57.09%であった。・ドネペジル塩酸塩に安全上の大きな問題は認められなかった。■関連記事抗認知症薬は何ヵ月効果が持続するか:国内長期大規模研究高用量のドネペジル徐放性製剤、日本人に対する評価は高度アルツハイマー病へのドネペジル投与は続けたほうがよいのか

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高齢者施設の疥癬、古典的記述が通じない

 英国の老人ホームや介護施設では疥癬の発生がよくみられるが、診断が遅れやすく、制御するのが困難である。老人ホームにおける疥癬の臨床症状は、臨床医になじみがある古典的記述とは異なることを、英国・ブライトン・サセックスメディカルスクールのJackie A. Cassell氏らが明らかにした。著者は、「この違いには、高齢者という脆弱な集団における、認識の遅れと最適状態には及ばない管理がおそらく関与している」と述べたうえで、「ダーモスコピーと顕微鏡検査はほとんど役に立たなかった。高齢者、とくに認知症を持つ人々は、疥癬の症状に対する訴え方が記述とは異なることを医療スタッフが認識し、徹底的な検査を行うべきである」とまとめている。Lancet Infectious Diseases誌2018年8月号掲載の報告。 研究グループは、2014~15年に英国南東部の老人ホームにて、疥癬の臨床的特徴、疫学および発生の転帰について前向き観察研究を行い、英国公衆衛生庁のhealth protection teamに疥癬の発生を報告した。疥癬の発生は、1施設で入居者またはスタッフのうち2例以上が感染した場合と定義された。インフォームド・コンセントを得られたすべての患者を対象とし、家族または指名された職員が研究への参加を認めた場合は、認知症患者も含まれた。 皮膚科医が初回往診時に診察し、その地域のprotection teamごとの手引きに従って駆虫薬を用いた2つの集団治療を行い、6週後に再び往診した。疥癬は、必要に応じてダーモスコピーおよび顕微鏡検査を用い、感染確定(definite)、感染を強く疑う(probable)または感染の疑い(possible)といった、あらかじめ決められた症例定義により診断した。 主な結果は以下のとおり。・2014年1月23日~2015年4月13日に、疥癬が発生した10施設の入居者230例が検査を受けた。・年齢中央値は86.9歳(IQR:81.5~92.3)、174例(76%)が女性、157例(68%)が認知症であった。・61例(27%)は疥癬の感染確定/強く疑う/疑いに該当し、うち3例は痂皮型疥癬であった。・身体的兆候は、古典的な症例と明らかに異なっていた。・疥癬と診断された61例中31例(51%)は無症状であり、疥癬トンネルが認められたのはたったの25例(41%)であった。・ダーモスコピーでダニが可視化されたのは7例(11%)で、さらに3例(5%)は顕微鏡検査によって確認された。・35例(57%)は、通常は覆われている部分にのみ疥癬の兆候があった。・認知症は、特定された疥癬診断の唯一のリスク因子であった(オッズ比:2.37、95%信頼区間[CI]:1.38~4.07)。・追跡調査で、初めに疥癬と診断された50例が検査された。疥癬の新しい症例は検出されなかったが、10例で感染の持続が認められた。

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結核予防にリファンピシン4ヵ月が有望/NEJM

 活動性結核の予防において、リファンピシンの4ヵ月投与の効果はイソニアジドの9ヵ月投与に対し非劣性であり、治療完遂率はリファンピシンのほうが高く、安全性も優れることが、カナダ・マギル大学のDick Menzies氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2018年8月2日号に掲載された。潜在性結核感染における活動性結核の予防では、WHOなどがイソニアジドの6ヵ月または9ヵ月投与を推奨しているが、このレジメンは肝毒性によりアドヒアランスが不良なことが知られている。リファンピシンの4ヵ月投与は、イソニアジドの9ヵ月投与に比べGrade3/4の薬剤関連有害事象が少なく、安価であり、治療完遂率が優れることが報告されている。9ヵ国が参加した無作為化試験 本研究は、活動性結核の予防における2つのレジメンの有用性を比較する非盲検無作為化対照比較試験であり、9ヵ国が参加し、2009年10月~2014年12月の期間に患者登録が行われた(カナダ健康研究所などの助成による)。 適格基準を満たした年齢18歳以上の潜在性結核感染患者が、リファンピシン(10mg/kg、最大600mg)を4ヵ月(120回)投与する群またはイソニアジド(5mg/kg、最大300mg)を9ヵ月(270回)投与する群にランダムに割り付けられた。 主要評価項目は、28ヵ月時の確定された活動性結核(培養で結核菌[Mycobacterium tuberculosis]が陽性または生検検体で乾酪性肉芽腫を同定)の発生率であり、非劣性および優越性の解析が行われた。副次評価項目は、臨床的に診断された活動性結核(3人の医師のうち2人以上が活動性結核の可能性ありと判定)、Grade3~5の有害事象、治療レジメンの完遂などであった。優越性は認めず、選択バイアスは最小化 リファンピシン群(3,443例)では、7,732人年のフォローアップ期間中に、確定された活動性結核が4例に発生し、臨床的に診断された活動性結核は4例に発生した。これに対し、イソニアジド群(3,416例)では、7,652人年のフォローアップ期間中に、それぞれ4例および5例に発生した。 発生率の差(リファンピシン群-イソニアジド群)は、確定された活動性結核が、100人年当たり0.01件未満(95%信頼区間[CI]:-0.14~0.16)であり、確定または臨床的に診断された結核は、100人年当たり0.01件未満(95%CI:-0.23~0.22)であった。 確定された結核と、確定または臨床的に診断された結核の発生率の差の95%CIの上限値は、事前に規定された累積発生率の非劣性マージンである0.75%を超えず、リファンピシン群のイソニアジド群に対する非劣性が確認された。一方、リファンピシン群のイソニアジド群に対する優越性は認めなかった。 また、治療完遂率は、リファンピシン群が78.8%と、イソニアジド群の63.2%に比べ有意に良好であった(群間差:15.1ポイント、95%CI:12.7~17.4、p<0.001)。 146日(リファンピシンの予定投与期間である4ヵ月の120%に相当)以内のGrade3~5の有害事象の発生率は、リファンピシン群が1.5%であり、イソニアジド群の2.6%に比べ有意に低かった(リスク差:-1.1ポイント、95%CI:-1.9~-0.4、p=0.003)。また、Grade3/4の肝毒性の発生率は、それぞれ0.3%、1.5%であり、リファンピシン群で有意に低かった(-1.2ポイント、-1.7~-0.7、p<0.001)。 著者は、「治療およびフォローアップが完遂できなかった患者における2群間の人口統計学的および臨床的な背景因子には差がなかったことから、本試験では選択バイアスが最小化されたと考えられる」としている。

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入試減点問題、性別や年代で意見は違う?男女医師1,000人の本音

 東京医科大学の入試で女性受験者の得点を一律に減点し、入学者を制限していたことが明らかになった。現場で働く医師たちは、この問題をどのように受け止めているのか? ケアネットでは、CareNet.comの医師会員を対象にアンケート調査を実施。男性医師(504人)、女性医師(501人)の計1,005人に、この問題に対する意見や、性別による人数制限の必要性を感じているかどうかについて聞いた。 調査は、2018年8月9~10日、ケアネット会員の医師を対象にインターネット上で実施した。回答者の内訳は、年代別では40代が30.9%で最も多く、50代(28.8%)、39歳以下(29%)、60歳以上(11.3%)と続く。 まず、医学部入試での女性減点問題をどう思うかについて尋ねたところ、「理解できる」あるいは「不公平ではあるが、ある程度理解できる」と答えた医師は、男女ともに6割以上で、一定の理解を示していることが明らかに。また、「理解できる」と答えた人の割合に、年代によって異なる傾向があることも明らかになった。 入試における女性比率の制限は必要だと思うかという問いに対しては、男性では「必要」が「不要」を上回ったのに対し、女性では「不要」と答えた人が最も多かった。 今回の問題に対する意見を自由記述で尋ねたコメント欄では、「試験は公平であるべきで、許されない」という意見がある一方で、「現実問題として女性は離職率が高く、制限は必要」という意見もみられた。また、「医師全体の勤務状況に問題がある」とする意見も多く、当直や時間外労働による負担や、それらが管理されず、必ずしも報酬につながっていないこと、“楽で高報酬な”バイトの存在など、医師の労働事情が背景にあることがうかがえた。 今回の調査の詳細と、具体的なコメントはCareNet.comに掲載中。

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“ウエアラブル活動モニターは有用か?”は仮説検証されていない(解説:中澤達氏)-899

 末梢動脈疾患(PAD)の患者を無作為に2群に分け、一方は4回にわたり、医療センターでコーチによる歩行訓練と目標設定などに関する週1回の指導を受けた。その後、ウエアラブル活動モニターを装着して家庭で歩行訓練を行い、その間、週1回~月1回の頻度で電話による指導を受けた。もう一方の群には、活動モニターの使用や医療センターにおける指導、コーチによる電話指導などは行わない、通常のケアのみを行った。 ウエアラブル活動モニターと電話でのコーチングによる歩行指導は、そうした装置の使用や指導を行わない通常のケアと比較し、9ヵ月後の歩行機能の改善効果は認められなかった。また、患者報告による痛みに関するスコアについて、歩行指導の介入群で悪化が認められた。 今後、ITによる医療効率化は加速していくであろう。しかし本研究は、治療行為のIT化を検証しているわけではない。センサー・ウエアラブルの活用に関しての報告にすぎないのだ。ウエアラブル活動モニターが有効でなかったのではなく、電話でのコーチングによる歩行指導が適切でなかった、ということが結果の本質である。 ITの医療応用には、CT読影と診断、病理診断や消化器内視鏡のリアルタイム診断などの診断補助技術の導入が先行している。今後は、治療における医療効率化(低コスト・短期間・高治癒率)が可能かということにある。 研究から、仮想現実(VR)には痛みや穏やかな神経を遮断し、精神的健康を向上させる斬新な能力があることが明らかになっている。将来的に、医師は患者に薬の代わりに、痛みを和らげるためのバーチャルビーチの休暇を処方するかもしれない。循環器内科医は、薬物を倍増する代わりに、血圧を下げるためにアイスランドのフィヨルドの美しいツアーを提供するかもしれない。精神科医は、バーチャルディナーパーティーに患者を浸らせて社会恐怖症を治療するかもしれない。

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「そんなに食べていないのに痩せない」という患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第20回

■外来NGワード「知らないうちに、食べているんですよ!」(患者の気持ちに共感しない)「食べていないのなら、太るはずはありません!」(頭ごなしに否定)「食べなければ、痩せます!」(あいまいな食事指導)■解説 「そんなに食べていない」という患者さんの気持ちの裏には、「○○と比べて」そんなに食べていないという比較の心理が働いています。この「○○と比べて」の○○に入る言葉が、患者さんによって異なります。ある患者さんは、自分の若い頃と比べて「若い頃はいくら食べても太らなかったのに、今はそんなに食べていないのに太る」と考えています。また、ある患者さんは「同じ年代の友人や知人と比べて、食べていない」と考えているかもしれません。「私の友達は痩せているのに外食のときはよく食べるし、デザートも注文している」などとうらやむ気持ちがストレスにつながる恐れもあります。なかには、「同居している家族と比べて」そんなに食べていないという人もいます。「旦那と比べて、食べていない」「おばあちゃんは肉や甘いものを食べているのに」と訴える人もいます。まずは、患者さんが何と比較しているのかを明らかにしましょう。次に、食べている量は同じでも、比べているその人と、何が違うのかを考えてもらいます。それに気付くことができれば、減量に向けて前向きに考えることができますね。 ■患者さんとの会話でロールプレイ医師最近、体重のほうはどうですか?患者なかなか、減らないんです。そんなに食べてないんですけどね…。医師なるほど。食事には気を付けておられるんですね。患者そうなんです。みんなと一緒に食べにいっても、甘いものは控えています! でも、ほかの人はデザートも食べているのに…。医師そんなのを見ると、少し嫌な気持ちになりますね。患者そうなんです。医師せっかく食事に気を付けたり、運動したりしているのにね。患者…そういえば、運動はその人に比べるとしていないかも。(気付きの言葉)医師若い頃は、食生活や生活スタイルはどうでしたか?患者若い頃は、今よりもずっと食べていたのに太っていなくて…。でも、40代の後半から急に太りだして。やっぱり代謝が鈍ってきたんですかね。医師そうですね。今の自分の運動量や代謝能力に合わせて、食べる量を調節するのがよさそうですね。患者たしかに、若い頃はジムに通っていたし、休みの日もアクティブでした。何か、運動を始めてみようかな。(前向きな言葉)■医師へのお勧めの言葉「若い頃の、食生活や生活スタイルはいかがでしたか?」「旦那さんと比べて、食生活以外の生活スタイルに違いはありますか?」

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リジン尿性蛋白不耐症〔LPI:lysinuric protein intolerance〕

1 疾患概要■ 定義二塩基性アミノ酸(リジン、アルギニン、オルニチン)の輸送蛋白の1つである y+LAT-1(y+L amino acid transporter-1)の機能異常によって、これらのアミノ酸の小腸での吸収障害、腎での再吸収障害を生じるために、アミノ酸バランスの破綻から、高アンモニア血症をはじめとした多彩な症状を来す疾患である。本疾患は常染色体劣性遺伝を呈し、責任遺伝子SLC7A7の病因変異が認められる。現在は指定難病となっている。■ 疫学わが国での患者数は30~40人と推定されている。■ 病因y+LAT-1 は主に腎、小腸などの上皮細胞基底膜側に存在する(図)。12の膜貫通領域をもった蛋白構造をとり、分子量は約40kDaである。調節ユニットである 4F2hc(the heavy chain of the cell-surface antigen 4F2)とジスルフィド結合を介してヘテロダイマーを形成することで、機能発現する。本蛋白の異常により二塩基性アミノ酸の吸収障害、腎尿細管上皮での再吸収障害を来す結果、これらの体内プールの減少、アミノ酸バランスの破綻を招き、諸症状を来す。所見の1つである高アンモニア血症は、尿素回路基質であるアルギニンとオルニチンの欠乏に基づくと推定されるが、詳細は不明である。また、SLC7A7 mRNAは全身の諸臓器(白血球、肺、肝、脾など)でも発現が確認されており、本疾患の多彩な症状は各々の膜輸送障害に基づく。上述の病態に加え、細胞内から細胞外への輸送障害に起因する細胞内アルギニンの増加、一酸化窒素(NO)産生の過剰なども関与していることが推定されている。画像を拡大する■ 症状離乳期以降、低身長(四肢・体幹均衡型)、低体重が認められるようになる。肝腫大も受診の契機となる。蛋白過剰摂取後には約半数で高アンモニア血症による神経症状を呈する。加えて飢餓、感染、ストレスなども高アンモニア血症の誘因となる。多くの症例においては1歳前後から、牛乳、肉、魚、卵などの高蛋白食品を摂取すると嘔気・嘔吐、腹痛、めまい、下痢などを呈するため、自然にこれらの食品を嫌うようになる。この「蛋白嫌い」は、本疾患の特徴の1つでもある。そのほか患者の2割に骨折の既往を、半数近くに骨粗鬆症を認める。さらにまばらな毛髪、皮膚や関節の過伸展がみられることもある。一方、本疾患では、約1/3の症例に何らかの血液免疫学的異常所見を有する。水痘の重症化、EBウイルスDNA持続高値、麻疹脳炎合併などのウイルス感染の重症化や感染防御能の低下が報告されている。さらに血球貪食症候群、自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性肝炎、関節リウマチ)合併の報告がある。成人期以降には肺合併症として、間質性肺炎、肺胞蛋白症などが増える傾向にある。無症状でも画像上の肺の線維化がたびたび認められる。また、腎尿細管病変や糸球体腎炎も比較的多い。循環器症状は少ないが、運動負荷後の心筋虚血性変化や脳梗塞を来した症例もあり、注意が必要である。■ 分類本疾患の臨床症状と重症度は多彩である。一般には出生時には症状を認めず、蛋白摂取量が増える離乳期以後に症状を認める例が多い。1)発症前型同胞が診断されたことを契機に、診断に至る例がある。この場合も軽度の低身長などを認めることが多い。2)急性発症型小児期の発症形態としては、高アンモニア血症に伴う意識障害や痙攣、嘔吐、精神運動発達遅滞などが多い。しかし、一部では間質性肺炎、易感染、血球貪食症候群、自己免疫疾患、血球減少などが初発症状となる例もある。3)慢性進行型軽症例は成人まで気付かれず、てんかんなどの神経疾患の精査から診断されることがある。■ 予後早期診断例が増え、精神運動発達遅延を呈する割合は減少傾向にある。しかし、肺合併症や腎病変は、アミノ酸補充にもかかわらず進行を抑えられないため、生命予後に大きく影響する。水痘や一般的な細菌感染は、腎臓・肺病変の重症化を招きうる。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)高アンモニア血症を来す尿素サイクル異常症の各疾患の鑑別のため血中・尿中アミノ酸分析を提出する。加えてLDHやフェリチンが上昇していれば本疾患の可能性が高まる。確定診断には遺伝子解析を検討する。■ 一般血液検査所見1)血清LDH上昇:600~1,000IU/L程度が多い。2)血清フェリチン上昇:程度は症例によって異なる。3)高アンモニア血症:血中アンモニア高値の既往はほとんどの例でみられる。最高値は180~240μmol/L(300~400μg/dL)の範囲であることが多いが、時に600μmol/L (1,000μg/dL)程度まで上昇する例もある。また、食後に採血することで蛋白摂取後の一過性高アンモニア血症が判明し、診断に至ることがある。4)末梢白血球減少・血小板減少・貧血上記検査所見のほか、AST/ALTの軽度上昇(AST>ALT)、TG/TC上昇、貧血、甲状腺結合蛋白(TBG)増加、IgGサブクラスの異常、白血球貪食能や殺菌能の低下、NK細胞活性低下、補体低下、CD4/CD8比の低下などがみられることがある。■ 血中・尿中アミノ酸分析1)血中二塩基性アミノ酸値(リジン、アルギニン、オルニチン)正常下限の1/3程度から正常域まで分布する。また、二次的変化として、血中グルタミン、アラニン、グリシン、セリン、プロリンなどの上昇を認めることがある。2)尿の二塩基性アミノ酸濃度は通常増加(リジンは多量、アルギニン、オルニチンは中等度、シスチンは軽度)なかでもリジンの増加はほぼ全例にみられる。まれに(血中リジン量が極端に低い場合など)、これらのアミノ酸の腎クリアランスの計算が必要となる場合がある。(参考所見)尿中有機酸分析における尿中オロト酸測定:高アンモニア血症に付随して尿中オロト酸の増加を認める。■ 診断の根拠となる特殊検査1)遺伝子解析SLC7A7(y+LAT-1をコードする遺伝子)に病因変異を認める。遺伝子変異は今まで50種以上の報告がある。ただし本疾患の5%程度では遺伝子変異が同定されていない。■ 鑑別診断初発症状や病型の違いによって、鑑別疾患も多岐にわたる。1)尿素サイクル異常症の各疾患2)ライソゾーム病3)周期性嘔吐症、食物アレルギー、慢性腹痛、吸収不良症候群などの消化器疾患 4)てんかん、精神運動発達遅滞5)免疫不全症、血球貪食症候群、間質性肺炎初発症状や病型の違いによって、鑑別疾患も多岐にわたる。<診断に関して留意する点>低栄養状態では血中アミノ酸値が全体に低値となり、尿中排泄も低下していることがある。また、新生児や未熟児では尿のアミノ酸排泄が多く、新生児尿中アミノ酸の評価においては注意が必要である。逆にアミノ酸製剤投与下、ファンコーニ症候群などでは尿アミノ酸排泄過多を呈するので慎重に評価する。3 急性発作で発症した場合の診療高アンモニア血症の急性期で種々の臨床症状を認める場合は、速やかに窒素負荷となる蛋白を一旦除去するとともに、中心静脈栄養などにより十分なカロリーを補充することで蛋白異化の抑制を図る。さらに薬物療法として、L-アルギニン(商品名:アルギU)、フェニル酪酸ナトリウム(同:ブフェニール)、安息香酸ナトリウムなどが投与される。ほとんどの場合は、前述の薬物療法によって血中アンモニア値の低下が得られるが、無効な場合は持続的血液透析(CHD)の導入を図る。■ 慢性期の管理1)食事療法十分なカロリー摂取と蛋白制限が主体となる。小児では摂取蛋白0.8~1.5g/kg/日、成人では0.5~0.8g/kg/日が推奨される。一方、カロリーおよびCa、Fe、ZnやビタミンDなどは不足しやすく、特殊ミルクである蛋白除去粉乳(S-23)の併用も考慮する。2)薬物療法(1)L-シトルリン(日本では医薬品として認可されていない)中性アミノ酸であるため吸収障害はなく、肝でアルギニン、オルニチンに変換されるため、本疾患に有効である。投与により血中アンモニア値の低下や嘔気減少、食事摂取量の増加、活動性の増加、肝腫大の軽減などが認められている。(2)L-アルギニン(同:アルギU)有効だが、吸収障害のため効果が限られ、また浸透圧性下痢を来しうるため注意して使用する。なおL-アルギニンは、急性期の高アンモニア血症の治療としては有効であるが、本症における細胞内でのアルギニンの増加、NO産生過剰の観点からは、議論の余地があると思われる。(3)L-カルニチン2次性の低カルニチン血症を来している場合に併用する。(4)フェニル酪酸ナトリウム(同:ブフェニール)、安息香酸ナトリウム血中アンモニア値が不安定な例ではこれらの定期内服を検討する。その他対症療法として、免疫能改善のためのγグロブリン投与、肺・腎合併症に対するステロイド投与、骨粗鬆症へのビタミンD製剤やビスホスホネート薬の投与、成長ホルモン分泌不全性低身長への成長ホルモンの投与、重炭酸ナトリウム、抗痙攣薬、レボチロキシン(同:チラーヂンS)の投与などが試みられている。4 今後の展望小児期の発達予後に関する最重要課題は、高アンモニア血症をいかに防ぐかである。近年では、早期診断例が徐々に増えることによって正常発達例も増えてきた。その一方で、早期から食事・薬物療法を継続したとしても、成人期の肺・腎合併症は予防しきれていない。その病因として、尿素サイクルに起因する病態のみならず、各組織におけるアミノ酸の輸送障害やNO代謝の変化が想定されており、これらの病態解明と治療の開発が望まれる。5 主たる診療科小児科、神経内科。症状により精神科、腎臓内科、泌尿器科、呼吸器内科への受診も適宜行われている。※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター リジン尿性蛋白不耐症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Sperandeo MP, et al. Hum Mutat. 2008;29:14-21.2)Torrents D, et al. Nat Genet. 1999;21:293-296.3)高橋勉. 厚労省研究班「リジン尿性蛋白不耐症における最終診断への診断プロトコールと治療指針の作成に関する研究」厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業 平成22年度総括分担研究報告書;2011.p.1-27.4)Charles Scriver, et al(editor). The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease, 8th ed. New York City:McGraw-Hill;2001:pp.4933-4956.5)Sebastio G, et al. Am J Med Genet C Semin Med Genet. 2011;157:54-62.公開履歴初回2018年8月14日

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突如始まったオンライン服薬指導の要件【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第6回

2018年度診療報酬改定以降、医師が患者さんと対面をせずに情報通信機器を活用して診療を行うオンライン診療(遠隔診療)を耳にする機会が多くなりました。薬局での服薬指導に関しても、オンライン化はもう始まってきています。福岡市で国家戦略特区制度を活用したオンラインによる遠隔服薬指導が始まった。従来は薬剤師による対面指導が必要だった薬でも、スマートフォン(スマホ)などを使って在宅で服薬指導を受けられるようになる。既に始まっているオンライン診療と組み合わせ、遠隔地に住む患者の負担軽減が期待される。(西日本新聞、2018年7月19日付)2015年6月30日に閣議決定された日本再興戦略において、テレビ電話を活用した薬剤師による服薬指導を可能とするように法的措置を講ずること、とされました。その後、オンライン診察が先に制度化され、オンライン服薬指導は後れをとっていました。診察がオンラインで認められているのに、服薬指導は対面でなければならないとなると、結局患者さんやご家族は自宅から出なければならないことになります。今までオンライン服薬指導が認められていなかったのは、医薬品医療機器等法の第9条の3において「薬剤師が対面により薬剤に関する情報提供および指導を行う」という旨の文言があるためです。オンライン服薬指導はこれに抵触するため、一部法改正が必要な状態です。そこで、厚生労働省は特区でのオンライン服薬指導を「特例」として認め、評価を行うという実証実験を開始しました。特区は、福岡市と愛知県、兵庫県養父市の一部で、離島や山間地域がメインです。医療機関から患者の希望する薬局に処方箋を郵送現時点でのオンライン服薬指導を保険で利用できる患者さんは限られています。今回の特区においては(1)オンライン診療とセット、(2)患者さんと保険薬局が国家戦略特区内に居住/所在、(3)患者さんが交通不便地域に居住、の3つの条件を満たしている場合にのみ、オンライン服薬指導の実施が可能となっています。オンライン服薬指導を希望するすべての患者さんが対象という訳でなく、とにかく距離や不便さに問題があり、対面での服薬指導ができない場合、ということが強調されているようにも感じます。特区の1つである愛知県では「居住地から16キロメートル圏内に保険薬局がない」ことを条件としています。オンライン診療からオンライン服薬指導の流れについてですが、まず、患者さんがオンラインで受診し、医療機関が患者さんの希望する薬局に処方箋を郵送し、処方箋のコピーを患者さんにもFAXなどで送付します。薬局は、医療機関から郵送された処方箋に基づきオンラインで服薬指導し、その後、患者さん宅にお薬を配送します。患者さんの居住地の制限が厳しく、処方箋を郵送するタイムラグや手間が生じるため、きちんと機能するのか不安が残ります。そして気になる指導料などの算定ですが、今回の特区での運用では、薬剤服用歴管理指導料は算定できますが、一元的・継続的な薬学的管理が難しいことから、かかりつけ薬剤師指導料およびかかりつけ薬剤師包括管理料は算定条件を満たさないとされています。お尻を叩かれるように在宅訪問に取り組んできた矢先に、今度は患者さんとリアルに会わないオンライン服薬指導、ということで戸惑う薬剤師さんもいるのではないでしょうか。やるべきことが次々と出てきますが、オンライン診療や服薬指導に関するアプリやシステムなどの情報を少しずつ収集し始めたほうがよいかもしれません。今回の特区での実証実験がどのような結果になるのか、楽しみにしたいと思います。

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東京医大入試減点問題、若いほど理解できる? 男女の医師1,000人に聞きました

東京医科大学の入学試験で、女性の受験者への一律減点が行われていたことが明らかになった。この問題を受け、文科省は全国に81ある医学部医学科を対象に、入試の公正性に関する緊急調査を開始している。現場で働く医師たちにとって、この問題はありえないことなのか、理解できることなのか。ケアネットはCareNet.com会員である男性医師504人、女性医師501人の計1,005人にその実情と意見を聞いた。結果概要男性で67.9%、女性で69.5%が女性の減点問題に一定の理解入試での女性減点問題に「理解できる」と答えた医師は、男性14.9%、女性13.8%と若干男性医師に多い傾向がみられたが、「不公平ではあるが、ある程度理解できる」という医師を含めると、男性67.9%、女性69.5%と女性のほうが多い傾向となり、減点される側の立場である女性医師も、この問題に一定の理解を示していることがうかがえる。その理由としては、「実際に常勤医で戦力として残っている女医は少ないから(麻酔科・40代女性)」、「男性に向いている科は確かに存在するし、力が必要な時もあるから。制限をつけないでとると、女性だらけになってしまう(小児科・20代女性)」、「女医が増えたら、眼科・皮膚科だらけになる。今でも医師の偏在が問題になっているのに、もっと困ることになる(内科・40代女性)」などの声が上がっている。また、「医局で働いている途中で、とくに若手で妊娠してしまうと、当直やオンコールはじめ周囲へのしわ寄せが大きくなってしまうので、罪悪感からとてもこのような状況では妊娠できないと感じていた(内科・30代女性)」、「子持ち女医ですが、夜も休日も働けず、迷惑をかけています。男性は子持ちでもそれがない。周りの多くの女医は、クリニックや健診など、楽で給料のよいところに行ってしまい、人の足りない総合病院には残らない。やはり男性が必要でしょう(産婦人科・40代女性)」など、出産・育児と医師として求められる仕事の両立に、難しさや周囲への罪悪感を感じていることがうかがえた。男性側も、「子供ができたのちキャリアダウンしようとする女医の数は少なくないので、仕方がない(循環器内科・30代男性)」、「現実問題として現在の医療現場の忙しさからいえば、女性医師が増えると回らなくなるのは正直なところ(皮膚科・20代男性)」などの声がある一方で、「父親も育児参加が求められる中で、女性医師ばかりが当直免除などの恩恵を受けるのは仕方ないと思う反面、腑に落ちない面も残る(精神科・30代男性)」、「男女平等は強調されるが、男女公平が議論されない。男性医師が育児休暇を公平にとれる体制や理解が、現状の医療体制で整うとは思えない(神経内科・30代男性)」など、出産・育児による休暇取得や当直免除などが、男性ではより実現しにくい現状も垣間見えた。画像を拡大する男女ともに年代が低いほど理解を示す傾向年代別に回答を見てみると、「理解できる」と答えた医師は、男女ともに年齢が上がるにつれ減少。「不公平ではあるが、ある程度理解できる」という医師を含めると、50代の男女で最も少なく、「理解できない」と答えた医師の割合が高かった(男性:39.9%、女性:42.2%)。画像を拡大する診療科別では、外科(42.9%)、泌尿器科(38.5%)、精神科(38.2%)、小児科(36.5%)、脳神経外科(36.2%)の順に「理解できない」という回答が多かった。画像を拡大する男性で38.5%、女性で28.3%が入試での女性比率の制限は「必要」と回答入試での女性比率の制限については、男性の38.5%が「必要」と答え、「不要」と答えた人(34.9%)を上回った。「必要」と答えた人の理由としては、「差別ではなく区別は必要。定員として男子・女子各何人と明確にすればよいと思う(皮膚科・40代男性)」、「こっそり減点は駄目だと思うが、制限するとあらかじめオープンにして試験をすればよい(眼科・50代男性)」などの声がきかれた。また、「年代別に男性、女性が医師として働いている割合、どのような形態(常勤/非常勤、終日/パート、当直の有無、回数、勤務場所など)で勤務しているか調べてみればよい(整形外科・60代男性)」、「データに基づいて比率を決定すべき(眼科・30代男性)」といった意見や、「男女平等を言うならすべて同じにしないといけない。女性医師は出産・育児で優遇される。その分のしわ寄せは男性医師にくる。最初から比率を決めて入試すればすむ(外科・40代男性)」といった意見もみられた。女性では、「不要」と答えた人(37.9%)が最も多く、「どちらともいえない」と答えた人(33.7%)も多かった。「不要」と答えた人の理由としては、「診療科による偏りの是正は必要だが、それを男女の制限に落とし込むことは論点が違い差別である(神経内科・20代女性)」、「入試時の性別ではなく、医師になってからの科ごとの人数・男女制限が必要だと思う(精神科・30代女性)」、「入試における操作で医師の男女比を調整するのではなく、医師の労働環境そのものを改善する必要がある(神経内科・30代女性)」など、性差のみで判断することへの懸念の声が上がっていた。画像を拡大する20~40代の男性医師が最も「比率制限が必要」と感じている?年代別では、39歳以下および40代の男性医師で、それぞれ4割以上が入試による女性比率の制限が「必要」と回答。60歳以上で唯一、「必要」と答えた割合が女性で上回ったが(男性:32.9%、女性36.7%)、その他の年代ではそれぞれ10%ほど、女性よりも男性で「必要」と答える人が多かった。画像を拡大する診療科別では、産婦人科(40.6%)、泌尿器科(38.5%)、循環器内科(38.5%)などで「必要」と答えた割合が高く、外科(14.3%)、精神科(25.0%)、糖尿病・代謝・内分泌内科(26.9%)などで低かった。画像を拡大する設問詳細Q1.医学部入試での女子減点問題、先生はどう思いますか?理解できる不公平ではあるが、ある程度理解できる理解できないQ2.入試における女性比率の制限は必要だと思いますか?必要不要どちらともいえないQ3.Q1、Q2について、その理由やご意見をお寄せください。アンケート概要内容緊急アンケート!東京医大女子減点問題、先生はどう思いますか?実施日2018年8月9~10日調査方法インターネット対象ケアネット会員医師1,005名アンケート調査にご協力いただき、ありがとうございました。コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承ください)実情について妊娠出産、育児があるとこの仕事は無理だと思う。子供を産むと10年くらい求められる仕事はこなせない。調整されても仕方がない(救急科・30代女性)出産や育児でいきなり穴をあける・時短になるなどで、常勤として働いていても周りにしわ寄せがいっている。また周りの女医をみてもバイトだけの生活をしている割合が多く、女性医師が増えすぎると上に立ったり指導できる人がいなくなる(内科・30代女性)産後、当直している女性医師は限りなく少ない。また年代が上がると、男性医師も当直回数が減り、若手男性医師が多くを担っていると思われる。実際当直している女性はどれほどいるか知りたい(皮膚科・30代女性)外科系医師、ERの医師、当直医など、女性でしっかり勤められている先生もいるが、少数(眼科・40代女性)女性医師は男性医師の7割程度のマンパワーと感じる(呼吸器内科・40代女性)男女平等といっても体格差があり、長時間手術や激務に耐えうるのは男性であるため。専門医制度も変わり、きつい科は避けられる傾向にある(呼吸器内科・40代女性)人口の半分は女性。女性は女医を希望する方が多い。小児科や婦人科はなおさら。確かに力がいる整形外科などもあるが、周りで協力すればよい。直腸診など女性患者には男性医師は女性の立会いが必要ですよ(内科・40代女性)外科系に進む研修医が激減し、将来的に外科系医師がいなくなってしまうから理解はできます。しかしそれ以上に女性医師が働きやすいように外科の環境を急ピッチで変えるべきですし、環境だけでなく外科の上級医のマインドも変えないといけないと思います(精神科・40代女性)女性医師の多くが結婚や出産でリタイアし、復帰後も効率の良いアルバイトをしている現実をみると国費の無駄遣いと感じます。男女問わず実戦で活躍する覚悟が必要だと思います。覚悟を持って入学するべきで、そこに男女の差はありません(眼科・50代女性)男性医師、独身女医の負担が大き過ぎ。家庭を抱え努力している女医はいるが、「家庭があることを利用して嫌な仕事は受けない、しかし美味しい業務には参加する」女医が一定数いるのは確か。穴埋めに感謝の意を示してくれればまだしも、当然の権利と主張する女医がいかに多いことか! むしろ逆性差別、逆ハラスメントです(小児科・50代女性)結婚、妊娠、子育て等に伴う職場整備を進めない限り、一部の女性医師が十分に働けない状態は続く(小児科・50代女性)健診や一般外来など、負担が少なく給料のよいバイトがある現状では、産後にフルタイムで復帰する女医さんは増えないと思う。女医さんを支えるだけの十分なフルタイムの医師がいない。僻地医療が崩壊する(内科・30代男性)緊急、呼び出しがある診療科では、現状の市中病院の勤務体系では育児を両立することは難しいと思います。女性を優遇することで男性勤務医への時間外待機、突然の女性医師欠勤時の勤務負担は確実に増えますが、当番の交代を女性医師に依頼することができるわけではなく、暗黙のうちに相殺され不公平感を感じると思います(内科・30代男性)女性は男性よりも早く医局をやめる。先輩からするとせっかく育ってきたときにやめるため、また一からやり直ししないといけない(皮膚科・40代男性)実際の現場では、家庭を両立させながら救急、当直などきつい仕事を行うことは困難であり、その分の負担が男性医師にきている(呼吸器内科・40代男性)女性は結婚や出産により現場を離れる可能性が高く、そのまま戻って来ないことも往々にしてある。その女性が診ていた患者は、結局残された人間で診ることになり負担が増える。とくに忙しい外科系には男性のみで十分であると思うことがある(泌尿器科・40代男性)夜勤や夜間・休日のオンコールに対応している医師の割合を詳細に調べれば、現在の問題がわかると思います。結婚・出産が女医さんのキャリアを中断させてしまうのは事実であり、しかもその時期が医師として一番活躍できる時期と一致してしまう。日本は女性が家庭を守るといった感覚がそこかしこに残っているので、女医さんが家庭の事情でそうなることは仕方がなく、まだまだ男女平等と呼べる社会には遠いように思います。さらに全体として、夜勤を必要としない科を希望する若い医師が多いのも事実であり、女医さんの問題だけを解決してもしょうがないのかもしれません(麻酔科・40代男性)当直は常勤の人間が安い当直料で疲弊しながら働き、女医は高いバイト代をもらって楽な日勤をやっている。昼の楽な日勤を週3回すれば常勤並みのお金をもらえるので、常勤に戻らずバイトで稼ぐ女医がかなり多い(産婦人科・50代男性)現状の医療現場では、これ以上の女医の増加は他の男性医師の限りない負担増加へつながる。男女同権を貫くなら、欧米並みに勤務交代制や育児保育施設の整備を充足しなければ、絵空事である(皮膚科・60代男性)入試による女性比率の制限に対する意見について制限するなら、募集要項にちゃんと記載するべきだと思います。東京医大のやり方はアンフェアでまったく賛成できません(循環器内科・30代女性)それよりも卒業生の子弟を加点するほうがもっと問題だと思う(眼科・30代女性)面接での加点は致し方ないとしても(印象点という意味で)減点はさすがにひどいと思う。あと、現場には産後も、もっと働きたいのに働けない先生もたくさんいるので、もっと働きやすい環境になってほしいと思う(麻酔科・30代女性)入試要項に女性制限が記載されていればよいと思う(耳鼻咽喉科・40代女性)国公立大学の場合は制限できないと思います(循環器内科・50代女性)入試で制限するより、女性がどうしたらやめないか、働きやすいかを考えるべき(小児科・30代男性)募集要項に明記すればいい(皮膚科・40代男性)入試制度だけで解決できる問題ではない。医師だけ女性制限を認めると、他の業種とのバランスがとれない(精神科・40代男性)性別や浪人回数で差別はいけない。努力して勉強しているのだから(内科・50代男性)入試に際して女性が上位を占めることは明らかである。女性が向かない体力を要する診療科があることを示したうえで、合格者に占める男女の人数を明示しておくのがよいと思う(腎臓内科・70代男性)解決策について女医でも働きやすい環境にすればよい。キツイ診療科は主治医複数制、産休育休当たり前にするとか、保育所増やすとか(麻酔科・30代女性)入試は公平に行い大学病院勤務の際に制限してはどうか。女性医師を受け入れると表明したほうが結果的には人手が増えると思うが…。国家試験である以上、入試での制限は認められないと思う(循環器内科・40代女性)女性医師のライフプランについては入学後に教育することも可能であるはず(麻酔科・40代女性)男性医師を増やしたい気持ちはよくわかるが、入試時点で差別するのは問題。医局入局もしくは病院就職の時点で選別すれば、普通の一般企業と同じだから問題ない(眼科・50代女性)現場の疲弊と性差別の問題は別で考えるべき。むしろ、女性が長く残れる環境作りがあらゆる問題の解決方法である、という共通認識を確立するいい機会(内科・50代女性)育児、介護問題を女性特有の問題と認識すること自体を改めるべきである。男性も含めて、個人的理由で短時間勤務をする必要が生じる可能性のあることを踏まえた人員配置が必要なのではないか(麻酔科・50代女性)医師全体の勤務状況を改善すればよい。男性勤務医でも当直後の連続勤務、時間外労働賃金がきちんと管理され支払われてないことが問題で、女性に限ったことではない(内科・60代女性)男性医師が現状を維持するのではなく、働き方について医療関係者、患者とその家族も意識を変えていく必要がある。女性が入れないような勤務体制自体を見直さなければ早晩医療崩壊するのは免れない。「仕方がない」「男性と同じように女性も働くべき」ではただの足の引っ張り合いでしかない(精神科・30代男性)一番しんどいのは夜間救急であり、それができるかできないかは医師という仕事を考えるうえで最も重要な議論であり、絶対に避けてはいけない(腎臓内科・30代男性)女子医大もあるので、医学部定員を男6~7、女3~4で分ける。もしくは男女関係なく卒後5~6年の内科、外科、救急など多忙な科の勤務義務化など(消化器内科・40代男性)女性医師がフルタイムで働かない比率が高いため、このようなことが起こる。出産育児早期は仕方ないがその後はしっかり働いてもらう制度、そのための保育所などの整備が必要(麻酔科・40代男性)女性が増えればアルバイト医のみが増え続け、3Kを担う医師は減り、実労働可能な医師不足が加速します。国民の医療に対する考えを根本的に変えないと、女性も働ける医療現場は増えません(内科・50代男性)そもそもフルタイムとはどのような働き方かを討論しないと結論は出ない(脳神経外科・50代男性)

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心房細動患者の認知症発症、降圧薬やワルファリンで2割減

 1万例以上の心房細動患者を対象とした研究で、サイアザイド/レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)阻害薬併用などの降圧薬処方やワルファリン使用が、認知症発症率の低下と関連していたことをスウェーデン・カロリンスカ研究所のPer Wandell氏らが報告した。International Journal of Cardiology誌オンライン版2018年7月21日号に掲載。 対象は、スウェーデンのプライマリケアで心房細動と診断された45歳以上の患者1万2,096例(男性6,580例、女性5,516例)。心房細動発症前に認知症と診断されていた患者は除外した。性別、年齢、社会経済的要因および併存疾患を調整し、Cox回帰を用いてハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・平均5.6年間の追跡期間(6万9,214人年)に750例(6.2%)が認知症を発症した。・サイアザイド処方患者(HR:0.81、95%CI:0.66~0.99)およびワルファリン処方患者(HR:0.78、95%CI:0.66~0.92)は、処方されていない患者に比べて認知症リスクが低かった。・異なる降圧薬(サイアザイド、β遮断薬、Ca拮抗薬、RAAS阻害薬)の1~4種類の使用は、認知症の減少と関連していた。1剤または2剤の処方患者では、降圧薬を処方されていない患者に比べてHRが0.80(95%CI:0.64~1.00)、3剤または4剤の処方患者のHRは0.63(95%CI:0.46~0.84)であった。・RAAS阻害薬とサイアザイドの併用は、併用処方されていない患者に比べて有意に認知症リスクが低かった(HR:0.70、95%CI:0.53~0.92)。

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ゾルピデム処方と自動車事故リスク

 ゾルピデムは世界で最も使用頻度の高い睡眠薬の1つであるが、自動車事故などの深刻な問題を伴う可能性が報告されている。韓国・ソウル大学病院のBo Ram Yang氏らは、自動車事故の状況を考慮したうえで、ゾルピデムの処方と致死的な自動車事故との関連について評価を行った。CNS Drugs誌2018年6月号の報告。 韓国道路交通公団より得られた2010~14年の致死的な自動車事故に関するデータと健康保険データを結び付け、ケース・クロスオーバー研究を実施した。ケース期間は、致死的な自動車事故の前日と定義し、90日間隔で4つのコントロール期間をマッチさせた。条件付きロジスティック回帰分析を用いて、ゾルピデム処方に関連する致死的な自動車事故のオッズ比を算出し、オッズ比は、交絡薬物の経時的処方で調整を行った。年齢層(65歳未満または65歳以上)、チャールソン併存疾患指数(Charlson Comorbidity Index)、新規ゾルピデム処方について層別分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・対象者714例において、前日のゾルピデム処方に関連する致死的な自動車事故の調整オッズ比は、1.48(95%CI:1.06~2.07)であった。・層別分析においてオッズ比が有意に増加したのは、チャールソン併存疾患指数が高い(オッズ比:1.81、95%CI:1.16~2.84)、65歳未満(オッズ比:1.62、95%CI:1.03~2.56)、新規ゾルピデム処方(オッズ比:2.37、95%CI:1.40~4.00)であった。 著者らは「本研究では、前日のゾルピデム処方は、致死的な自動車事故リスクの有意な増加と関連していた」としている。■関連記事睡眠薬使用は自動車事故を増加させているのか自動車事故リスク、うつ病や抗うつ薬ではどうか車両運転事故、とくに注意すべき薬剤は

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米国の高齢者、抗菌薬使用の最新動向は/BMJ

 米国の高齢外来患者では、近年、抗菌薬の全体的な使用およびその不適正使用にはほぼ変化がないか、わずかに減少しており、個々の薬剤使用の変化にはばらつきがみられるものの、これはガイドラインの変更とは一致しないことが、米国・ハーバード大学T.H. Chan公衆衛生大学院のScott W. Olesen氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2018年7月27日号に掲載された。米国では抗菌薬の不適正使用が拡大しており、抗菌薬使用は高齢になるほど多くなる。高所得国では、抗菌薬はほぼ安定的に使用されているが、米国では近年、下降している可能性が示唆されている。メディケア受給者の診療報酬請求データを解析 研究グループは、高所得国の高齢の外来患者における抗菌薬の使用および実臨床の抗菌薬処方の傾向を知る目的で観察研究を行った(米国国立一般医科学研究所[NIGMS]などの助成による)。 2011~15年の米国のメディケア(高齢者の98%が有資格者)の診療報酬請求データを用いた。65歳以上のメディケア受給者450万人、1,950万件の抗菌薬請求データを解析した。 全体的な抗菌薬処方の割合、適正および不適正な処方の割合、最も高い頻度で処方される抗菌薬、特定の診断に関連した抗菌薬処方の割合を評価した。また、受給者の人口統計学的および臨床的な共変量で補正した多変量回帰モデルにより、抗菌薬の使用傾向を推定した。全体で2.1%減少、不適正使用は3.9%減少、上位10種で全体の87% 2011~14年の期間に、受給者1,000人当たりの抗菌薬の使用は、1,364.7件から1,309.3件に減少した(補正後減少率:2.1%、95%信頼区間[CI]:2.0~2.2)が、2015年には1,364.3件に増加した(2011~15年の補正後減少率:0.20%、95%CI:0.09~0.30)。 不適正な可能性のある抗菌薬処方は、1,000人当たり、2011年の552.7件から2014年には522.1件へと減少し、補正後減少率は3.9%(95%CI:3.7~4.1)であったのに対し、適正な可能性のある抗菌薬処方は、571件から551件と、ほぼ安定していた(補正後減少率:0.2%)。 処方頻度の高い上位10種の抗菌薬が全体の87%を占め、個々の抗菌薬使用の変化にはばらつきがみられた。2011~15年の期間に、10種のうち、アジスロマイシン、シプロフロキサシン、スルファメトキサゾール・トリメトプリムの使用は減少したが、ほかの7種(セファレキシン、レボフロキサシン、アモキシシリン、アモキシシリン・クラブラン酸、ドキシサイクリン、nitrofurantoin、クリンダマイシン)は増加していた。 受給者1人当たりの変化が最も大きかったのは、アジスロマイシン(補正後減少率:18.5%、95%CI:18.2~18.8)と、レボフロキサシン(補正後増加率:27.7%、27.2~28.3)だった。 2011~14年の期間に、呼吸器系の診断群(肺炎、副鼻腔炎、ウイルス性上気道感染、気管支炎、喘息/アレルギー、その他の呼吸器疾患)への適正/不適正を含む抗菌薬の使用は、レボフロキサシンは増加し、アモキシシリン・クラブラン酸も、肺炎を除き増加したのに対し、アジスロマイシンはすべての診断で減少していた。 著者は、「個々の抗菌薬使用の変化の主な要因は、ガイドラインや薬剤耐性への関心ではなく、むしろ市場要因や安全性への関心である可能性が考えられる」としている。

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研究方法に疑問(解説:野間重孝氏)-898

 まず評者は精神疾患の専門家ではないので、うつ病そのものに関しての踏み込んだ議論はしないことをお断りして、この論文評を始めることをお許しいただきたい。 この問題を考える場合、2つの方向があることをまず考えておく必要がある。第1は、まずうつ病は冠動脈疾患(CAD)のリスクファクターであるのか否かという問題。そして、もしそうであったとしたなら、それは予後規定因子としてどのくらいの重みを持っているのか。第2は、急性冠症候群(ACS)の患者はどの程度の割合でうつ病を発症するのか。そして、うつ病を発症することが、その予後にどのような影響を与えるのかという問題の立て方である。つまり、両方向から問題が立てられるのである。ただ、ここで注意を促しておきたいのは、第1の問いが真であったとして、うつ病患者でCADに罹患したものを無作為に振り分けて、片方にうつ病の治療を続行し、もう片方にプラセボを投与するといった研究は倫理的に許されるものではなく、大規模な疫学研究の結果を待つか、結果として治療が行われたり行われなかったりしたretrospective studyのメタアナリシスを待つしかないということである。こういうところに臨床研究の限界がある。 うつ病とCADを巡る問題は、1990年代から議論が始まったが、議論は混乱するばかりでなかなか結論が得られなかった。最大の原因は一言で言えば、うつ病をどう定義するかの問題でなかなか一致点が見いだされなかったことである。確かに狭い意味ではDSM-IVにmajor depressive disorder(大うつ病と訳される)が定義されているが、抑うつ状態やいわゆる仮面うつ病まで含めて、うつ病をどの範囲でどう定義すべきかには議論が多く、現在でも一致をみていない。上記第2の問題にしても、ACSになれば将来のこと、家族のことを考えて誰しも抑うつ的になるだろう。それと持続的なうつ病とをどう区別するのか。また自分がACSを経験したことは、大抵の人には大きな心の傷となっているだろう。それをうつ状態と呼んでよいのか。問題は尽きない。 そうした混乱の中で疫学研究のまとめ、メタアナリシスにより一応の勧告に当たるものが出されたのが、2014年の米国心臓病学会によるstatementである。しかしその表現は“American Heart Association should elevate depression to the status of a risk factor for adverse medical outcome in patients with acute coronary syndrome”と、決して歯切れのよいものではなかった。実際、他の学会・団体は、まだはっきりとしたstatementを発表するには至っていない。この論文評を書くに当たって調べてみると、CADにうつ病を合併すると、心事故および致死的不整脈による死亡が3~4倍になるとの記載を見つけて、評者自身驚いている。つまり、まだ結論が出ていない問題なのだが、そういった極端な発言をする専門家(?)もいるのである。 そこでもう1つの問題として持ち上がるのが、それではACS後の抑うつ状態を含めたうつ病への治療はACSの予後改善をもたらすのか否かという観点からの問いである。この問題については、すでに二度にわたって比較的大きな臨床研究が行われており(van Melle JPら. 2007年、Glassman AHら. 2009年)、いずれにおいても有意な改善効果は認められなかった。今回は、韓国のJae-Min Kimらが中心となって、一連の研究の中でも有望視された選択的セロトニン再取り込み阻害薬エスシタロプラムを、ACS後の抑うつ状態にある患者に無作為に投与してこの効果を確かめたものである。結果、MACEの発生でp=0.03、個別イベントでは心筋梗塞の発生でp=0.04とわずかではあるが改善が認められたが、その他の項目(全死因死亡、心臓死、PCI)には差がみられなかったと報告された。 著者らは「さらなる研究で、今回の所見の一般普遍化について評価したい」と述べているが、評者にはその前に研究方法に問題があるように思えてならない。まず、著者らはMACE(彼らの使用法ではmajor adverse cardiac events)を全死因死亡、心筋梗塞、PCIとし、追加的評価項目に心臓死を挙げて定義しているが、それでよいのだろうか。主要心血管イベント(MACE:major adverse cardiovascular events)といえば、通常は血管死(中枢神経系外の出血死を除く心血管/脳血管起因)、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中(虚血性、出血性および不明な脳卒中)と定義される。今回の場合、心臓に問題を絞っているから脳卒中を問題にしないとするなら、全原因心臓死、非致死性心筋梗塞、狭心症の再発などとすべきで、全原因死亡やPCIは不適当ではなかったか。まず心臓以外の疾患での死亡が、なぜ問題にされなければならないのか。とくにうつ病を対象とした場合、自殺死なども含まれてしまうことも指摘しておきたい。さらにPCIを行うか否かは相当程度、主治医の恣意的な判断が加わるもので、こういった研究のエンドポイントとしては不適切である。研究方法そのものに問題がある以上、この研究をこれ以上続けられても、評価のしようがない。 議論のある分野に思い切って踏み込んだこと自体は評価したいが、その研究方法は評価できず、また、その結果もこの分野の議論に大きな一石を投じる内容ではないと言わざるを得ないと考えた。

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172)お菓子が大好きな患者さんへのアドバイス【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師低血糖のときはどんな対応をされていますか?患者ブドウ糖(10g)を飲めばいいのは、わかっているんですが…。ここぞとばかりに、甘いものに手が出てしまいます。医師なるほど…。低血糖のときには甘いものをおいしく感じますし、頭の回転も鈍りますからね。患者そうなんです。医師それでは、ここでクイズをやってみましょう。この8つの中で、血糖値を上げる炭水化物が1番多いお菓子はどれだと思いますか?患者炭水化物選手権…? 初めて見ました。どれかな…。あっ、ショートケーキでしょう?医師惜しいですね。ショートケーキも炭水化物が多いのですが、優勝は僅差で大福です。続いて、ショートケーキ、たい焼きですね。低血糖のときでも、お菓子の炭水化物は15gまでにしておきたいですね。患者大福だと53gだから、3倍以上ですね…。お菓子の食べ過ぎだから、低血糖の後に高血糖になるんですね。これから気を付けます。(納得した顔)●ポイント運動した後や小腹が空いたときなどに、ついつい食べたくなるお菓子。しかし、お菓子には砂糖などの炭水化物が多く含まれています。低血糖時の炭水化物は15gまで。それ以上は食べ過ぎであることを上手に伝えます(15/15ルール)。患者さん用(解答):1番炭水化物の量が多いのはどれ?■解答1位:大福 1個(炭水化物=53g)2位:ショートケーキ(47g)3位:たい焼き(41g)4位:カステラ(32g)5位:ドーナツ 1個(22g)6位:クッキー 3枚(19g)7位:せんべい 2枚(17g)――――― 15g ―――――8位:あめ 3個(15g)1)坂根直樹 監修,佐野喜子 著. 糖尿病の食事療法 カロリーつきカーボカウントナビ. エクスナレッジ;2010.

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第4回 アンケート調査に必要なn数の決め方【統計のそこが知りたい!】

第4回 アンケート調査に必要なn数の決め方医学論文などで、地域の住民や患者さんを対象にアンケート調査(市場調査、社会調査)を行った結果に基づいて報告されたものを目にすることがあります。今回は、このような調査を行う際に必要なn数(サンプルサイズ)の考え方について解説します。■n数(サンプルサイズ)設定の考え方このくらいの人数にアンケート調査をすればよい、という正解はありません。調査する人数(サンプルサイズ)が少ないほど、信頼区間が広がり、誤差は大きくなります。その誤差をどの程度にしたいのかによって、調査に必要な人数が変わります。たとえば、あるエリアの高血圧患者さん10万人に薬剤Xが処方されているかどうかの処方割合(%)を推定する場合、何人以上の高血圧患者さんを対象に調査すれば良いかを考えてみます。このエリアにおける高血圧患者さんへの薬剤Xの処方割合(%)は、「p1%からp2%の間にある」という言い方で推定します。同じように母平均の推定については「第2回 信頼区間(confidence interval:CI)とは何か」を参照してください。■母比率(母集団においてある事象が起こる確率:%)を推定してみようnはアンケート調査のサンプルサイズ、pはアンケート調査より得た処方割合(%)です。公式における標本誤差は、値が小さいほど精度が良いと言えます。次の2つの結果を得た場合、精度はAが良く、Bが悪いということになります。A 区間推定 50%±3%   精度 3%÷50%=0.06⇒ 6%B 区間推定 50%±9%   精度 9%÷50%=0.18⇒18%精度が10%以下であれば、推定結果は良かったと判断します。標本誤差、精度の値はn数(サンプルサイズ)が大きくなるほど小さくなります。この関係を適用してn数(サンプルサイズ)を決めることができます。調査設計者がn数(サンプルサイズ)を決める場合、まず始めに行うことは調査の精度を定めることです。母集団の薬剤Xの処方割合(%)はわかりませんが、仮にアンケート調査から得た結果を50%とした場合、精度を10%と定めれば標本誤差は5%(50%×10%)、信頼区間は50%±5%(45~55%)です。この信頼区間を得るためのn数(サンプルサイズ)を決めればよいわけです。想定する比率 50%⇒0.5期待する精度 10%⇒0.1標本誤差=想定する比率×期待する精度=0.5×0.1=0.05(5%)薬剤Xの処方割合を50%とした場合、標本誤差を5%以内にするためのサンプルサイズは384人必要であるということです。ちなみに標本誤差を1%以内、すなわち信頼区間50%±1%(49~51%)にしたい場合のサンプルサイズは次のようになります。■母比率を推定するためのn数(サンプルサイズ)を決定n数(サンプルサイズ)の決定は上記の方法でも行えますが、次の公式を使うと簡単に計算できます。【計算例】母集団の薬剤Xの処方割合(%)はわかりませんが、仮に50%とした場合、信頼区間が50%±5%となるためのn数(サンプルサイズ)を求めます。以上から384人について調べればよいということです。ただ、同じエリアで薬剤Xとは異なる薬剤Zは新発売されて間もないことから、高血圧患者さんへの処方割合(%)は10%を上回らないことが、事前にわかっています。そうした場合、このエリアにおける薬剤Zの処方割合を5%と想定し、5%±0.5%の信頼区間となるためのn数(サンプルサイズ)を求めることにします。※計算はExcelにより行ったものです。この例におけるn数(サンプルサイズ)は7,299人です。同じ精度のもとでも、想定する比率が小さくなるほどn数(サンプルサイズ)は大きくなるということです。■母平均(母集団の平均)を推定するためのn数(サンプルサイズ)を決定推定する値が母平均の場合、n数(サンプルサイズ)を決定する公式は、上記のものとは異なります。【計算例】「あるエリアの医師1人当たりが、薬剤Aを1週間に何人くらいの患者さんに処方しているかを推定するために、何人の医師を調査すればよいか」という問題です。母集団の処方患者人数はわかりませんが、仮に20人とした場合、信頼区間が20±2(精度は2÷20⇒10%)となるためのn数(サンプルサイズ)を求めます。ただし、母集団における処方患者人数の標準偏差がわからない場合、この公式は使えません。標準偏差がわからない場合、標準偏差を想定した人数(この例では20人)とします。母集団サイズは対象エリアの医師ですから、調べればわかりますので(この例では4万8千人とします)、有限母集団の公式を適用することができます。公式に下記の情報を代入してn数(サンプルサイズ)を求めました。※計算はExcelにより行ったものです。n数(サンプルサイズ)は381人となりました。予測する標準偏差が小さいほど、n数(サンプルサイズ)は小さくなります。ちなみに、上記の例で標準偏差を15人とした場合のn数(サンプルサイズ)は215人です。このようにアンケート調査の設計段階で公式を適用し、n数(サンプルサイズ)も決めておきます。仮に公式で215人となった場合でも、不良回答など適用できないサンプルも入ってくることを見越して、n数(サンプルサイズ)を230人などと少し多めに設計するのが良いでしょう。今回は、地域の住民や患者さんを対象にアンケート調査(市場、社会調査)を行う際の必要なn数(サンプルサイズ)についてご紹介しました。次回は、臨床試験を行う際に必要なn数(サンプルサイズ)について解説します。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第3回 理解しておきたい検定セクション1 母集団、n数、サンプル数、サンプルサイズとは第4回 ギモンを解決! 一問一答質問2 何人くらいの患者さんを対象にアンケート調査をすればよいですか?

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国への副作用報告は薬剤師の義務【赤羽根弁護士の「薬剤師的に気になった法律問題」】第4回

皆さんもすでにご存じのとおり、2018年度の調剤報酬改定で、かかりつけ薬剤師・地域医療に貢献する薬局の評価として「地域支援体制加算」が新設されました。算定するためには、地方厚生局長などへの届け出が必要ですが、その施設基準の1つには、以下の要件があります。「当該保険薬局以外の医療従事者等に対し、医薬品に係る医療安全に資する情報の共有を行うにつき必要な体制が整備され、一定の実績を有していること」具体的な内容としては、プレアボイド(薬による有害事象を防止・回避する)報告の実績や副作用の報告体制の整備などが求められていますが、副作用報告については、「医薬品・医療機器等安全性情報報告制度」に基づくものです。この制度をご存じでしょうか。医薬関係者からの副作用報告義務は、法律にも明記医薬品などの製造販売業者は、承認を受けた医薬品について、副作用などのうち、厚生労働省令において報告が必要とされる範囲の事実を知ったときは、厚生労働大臣に報告しなければならないとされています(医薬品医療機器等法第68条の10第1項)。実際の窓口は、委託がされているPMDAとなります。これは、製薬会社の義務であり、当然のことという認識かと思います。同様に、このような副作用などの報告義務は、製薬会社だけでなく、病院や薬局開設者、医師、薬剤師などの医薬関係者にも義務付けられています(医薬品医療機器等法第68条の10第2項)。皆さんは、このような副作用の報告を行ったことはあるでしょうか。医薬関係者の報告については、製薬会社の報告義務と異なり、副作用と疑われるものであっても、「保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるとき」に報告しなければならないとされているため、報告はしたことがない方も多いかもしれません。しかし、実際の臨床現場では、多剤併用などによる複合的な副作用の発生が起こりうることを考えれば、医薬関係者からの副作用報告が重要なことは言うまでもありません。また、後発医薬品が広まるなか、さまざまな企業が関わることからも、医薬関係者の副作用報告は重要と考えられています。国が示した、薬局における副作用報告体制これまでは、「必要があるとき」とされていることもあり、臨床現場からの報告は少ないままの横ばいで、問題とされてきました。この問題を解消するための施策として、2016年度に実施された「薬局・薬剤部の機能を活用した副作用報告の推進に関する研究1)」において、「医薬関係者の副作用報告ガイダンス骨子2)」案が作成され、2017年7月に「医薬関係者の副作用報告ガイダンス骨子」が発出されました。今回の調剤報酬改定も、その施策の1つかと思われます。医薬関係者の副作用報告は、薬局や薬剤師などの責務として重要であることは明らかであり、薬剤師などの法的な義務でもあります。この義務の順守を実現するためには、地域支援体制加算算定の有無にかかわらず、手順書を作成し、副作用報告の体制を整備する必要があるでしょう。ぜひこの機会に、副作用報告について見直してみてはいかがでしょうか。なお、地域支援体制加算に関しては、「副作用報告に係る手順書を作成し、報告を実施する体制を有していること(2018年10月以降適用)」とされています。この手順書については、調剤報酬に関する「疑義解釈資料の送付について(その6)3)」において、日本薬剤師会が作成した「薬局における医薬品・医療機器等安全性情報報告制度への取組みについて(実施手順等の作成のための手引き)4)」を参考にすることが示されています。参考資料1)厚生労働科学研究成果データベース「薬局・薬剤部の機能を活用した副作用報告の推進に関する研究」2)厚生労働省 医薬関係者の副作用報告ガイダンス骨子について3)厚生労働省 疑義解釈資料の送付について(その6)4)日本薬剤師会 「薬局における医薬品・医療機器等安全性情報報告制度への取組みについて(実施手順等の作成のための手引き)」

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新COPDガイドラインの要点と日本人データ

 2018年7月、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は、COPDラウンドセミナーを都内で開催した。本セミナーでは、「COPDガイドラインの改訂と日本人データの重要性」をテーマに、一ノ瀬 正和氏(東北大学大学院医学系研究科 呼吸器内科学分野 教授)による講演が行われた。COPDは息苦しさから、身体活動性の低下につながる COPDは、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)の略語で、以前は慢性気管支炎、肺気腫などと呼ばれていた疾患の総称である。喫煙や微粒子への長期曝露により、気管支に炎症が起こり、気道の狭窄・肺胞壁の破壊(気腫化)・痰などの分泌物増加などが起こる。日本人の場合、90%以上が喫煙によって発症するため、早くても40代、平均50~70代の高齢者で顕在化するという。 COPD患者は、呼吸に圧力が必要で、労作による息切れや運動による低酸素血症を生じる。その息苦しさによる身体活動の不活発化が問題であると一ノ瀬氏は強調した。治療が遅れることで、動脈硬化症、虚血性心疾患、骨粗相症などといった併存症の発症・悪化につながる恐れもある。COPDの認知度を上げて、早期治療を目指す わが国のタバコ消費量は、1980年代から減少傾向にあるが、これまでの喫煙者数や人口構造の高齢化から、COPD患者は今後も増加すると推測できる。一ノ瀬氏は、COPDの認知度の低さを指摘し、「無理にCOPDと呼ばず、慢性気管支炎や肺気腫でもいいので、主に喫煙が原因となるこの病気を多くの人に知ってほしい。目標は、平成34年までに国民の認知度80%を達成すること」と願いを語った。COPDによる負のスパイラル(労作時息切れ→身体活動低下→運動耐容能低下→骨格筋の廃用)は、QOLの著しい低下を招くため、気管支拡張薬による早期治療が望まれる。ガイドラインで示された、COPD治療における3つの要点 ガイドラインの改訂で、大きく変更になった点は3つある。1つ目は長時間作用性抗コリン薬(LAMA)が、長時間作用性β2刺激薬(LABA)より推奨されたことだ。LAMAとLABAの気管支拡張効果は同等だが、LAMAのほうが、粘膜分泌抑制効果により痰が改善されることなどから、増悪率が下がるという報告1-2)がある。 2つ目は、LAMAとLABAを併用することで、非常に強力な気管支拡張作用が得られるというエビデンス3)が示されたこと、3つ目は、ステロイド吸入薬(ICS)の推奨患者の変更である。1990年代以降に、重症COPDで増悪を繰り返す症例でICSがCOPD増悪を抑制するという報告4)がされたが、2014年のWISDOM試験で、LAMA/LABA併用患者をICS継続群とICS段階的中止群に分けて1年間検証した結果、ICSの有無にかかわらず、増悪の発生率は変わらない可能性が示唆された5)。よって、ICSは喘息病態を合併している場合に併用可能という記載になった。 一ノ瀬氏は、治療の順序付けについて、「LAMAもLABAも単剤で十分に効果が出る。副作用が出た場合、原因が特定しづらくなるので、最初は単剤で開始し、その後併用に移行することが望ましい」と述べた。COPD治療は身体活動性の改善が鍵 最後に日本人のエビデンスについて紹介された。海外のCOPD患者と比較すると、わが国の患者集団は、男性が圧倒的に多いこと、高齢でBMIが低いこと、現喫煙者は少なく、症状の訴えが少ないことなど、異なる点が多くあることから、日本人データの重要性を示した。 一ノ瀬氏は、同社が行ったTONADO試験、DYNAGITO試験、VESUTO試験などの結果で、LAMA単剤(商品名:スピリーバレスピマット)、LAMA/LABA配合剤(同:スピオルトレスピマット)により、呼吸機能のみならず、身体活動性の改善をもたらす傾向が得られたことを例に挙げた。これに関して、「患者バックグラウンドの差異によるものかもしれないが、日本人のほうが薬剤の有効性が高く、配合剤によるメリットも大きい可能性がある」と語り、「今後も検討を続けるが、吸入薬で呼吸機能が改善されても、身体活動などが変化しなければ併存症や予後に対する好影響は少ない。医師は、患者さんの生活変容に関しても指導していく必要がある」と述べ、講演を締めくくった。■参考文献1)Vogelmeier C, et al. N Engl J Med. 2011;364:1093-1103.2)Decramer ML, et al. Lancet Respir Med. 2013;1:524-533.3)Beeh KM, et al. Pulm Pharmacol Ther. 2015;32:53-59.4)Sin DD, et al. JAMA. 2003;290:2301-2312.5)Magnussen H, et al. N Engl J Med. 2014;371:1285-1294.■参考ベーリンガープラス COPDガイドラインポイント解説

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非常に高度なアルツハイマー病に対する抗認知症薬の有効性

 高度なアルツハイマー病(AD)において、抗認知症薬(ADD)の処方をいつまで行うべきかに関するエビデンスは、不十分である。韓国・釜山大学病院のYun Jeong Hong氏らは、ドネペジルまたはメマンチンが処方されている非常に高度なAD患者において、継続治療から得られるベネフィットについて調査を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌2018年号の報告。 対象はミニメンタルステート検査(MMSE)スコア0~5またはFunctional Assessment Staging(FAST)スコア6以上のAD患者とし、ランダム化評価者盲検試験にて検討を行った。対象者65例を、ADD治療継続群(30例)またはADD治療中止群(35例)にランダムに割り付けた。使用中のドネペジルまたはメマンチンについては、ADD継続群は12週間継続、ADD中止群ではベースライン後に中止とした。有効性評価は、ベースライン時および12週後に実施した。主要有効性評価項目は、ベースラインから試験終了時までのBaylor Profound Mental State Examination(BPMSE)スコアの変化とした。 主な結果は以下のとおり。・ベースラインから試験終了時までのBPMSEの変化は、ADD治療継続群で0.4ポイント改善、ADD治療中止群で0.5ポイント低下がみられたが、同等性検定で同等性は示されなかった。・有害事象による試験中止は、ADD治療継続群(6.7%)よりもADD治療中止群(11.4%)において多く認められた。 著者らは「非常に高度なAD患者に対するドネペジルまたはメマンチンによる継続治療は、全体的な認知機能への影響に関して、治療中止よりも優れている可能性がある」としている。■関連記事高度アルツハイマー病へのドネペジル投与は続けたほうがよいのか抗認知症薬は何ヵ月効果が持続するか:国内長期大規模研究抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か?

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バレット食道に高用量PPI+アスピリンが有効/Lancet

 バレット食道の治療では、高用量プロトンポンプ阻害薬(PPI)およびアスピリンが有効であり、これらを併用すると、より高い効果が得られることが、英国・Morecambe Bay University Hospitals NHS TrustのJanusz A. Z. Jankowski氏らが行った「AspECT試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2018年7月26日号に掲載された。食道腺がんは世界で6番目に多いがん死の原因であり、バレット食道はその最も重要なリスク因子である。PPIは、バレット食道の主要な促進因子の1つと考えられる胃酸の逆流の抑制に有効とされる。エソメプラゾール、アスピリンによる化学予防の効果を検討 本研究は、バレット食道患者におけるエソメプラゾールおよびアスピリンによる化学予防の有効性と安全性を評価する2×2ファクトリアルデザインの無作為化第III相試験である(Cancer Research UKなどの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、国際的に確立された適格基準を満たし、組織学的に証明された1cm以上の円柱上皮化生を認めるバレット食道の患者であった。 被験者は、高用量PPI(40mg、1日2回)、低用量PPI(20mg、1日1回)、高用量PPI+アスピリン(英国では300mg/日、カナダでは325mg/日)、低用量PPI+アスピリンを投与する群に無作為に割り付けられ、8年以上の治療が行われた。 主要複合エンドポイントは、全死因死亡、食道腺がん、高度異形成が発生するまでの期間とした。intention-to-treat集団において、最小限の因子(年齢、バレット食道の長さ、腸上皮化生)で補正したAFT(accelerated failure time)モデルを用いて解析を行った。複合エンドポイントの時間比(TR)が>1の場合に、治療によってイベント発生までの期間が延長したとみなされた。 2005年3月10日~2009年3月1日の期間に、英国の84施設とカナダの1施設に2,557例が登録され、高用量PPI群に704例、低用量PPI群に705例、高用量PPI+アスピリン群に577例、低用量PPI+アスピリン群には571例が割り付けられた。フォローアップと治療期間の中央値は8.9年(IQR:8.2~9.8)だった。NSAID併用例を除外するとアスピリンにも有意差 PPI(高用量[1,270例]vs.低用量[1,265例])およびアスピリン(投与[1,138例]vs.非投与[1,142例])の比較をそれぞれ行った。 主要複合エンドポイントの発生は、高用量PPI群が低用量PPI群に比べ有意に優れた(139件/1,270例vs.174件/1,265例、TR:1.27、95%信頼区間[CI]:1.01~1.58、p=0.038)。アスピリン投与の有無では有意な差を認めなかった(127件/1,138例vs154件/1,142例、1.24、0.98~1.57、p=0.068)が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)併用例を除外すると、アスピリン投与群が非投与群に比し有意に優れた(125件/1,116例vs.150件/1,120例、1.29、1.01~1.66、p=0.043)。 一方、PPIとアスピリンには相加的な効果がみられ、高用量PPI+アスピリン群は低用量PPI群に比べ主要複合エンドポイントの発生が有意に良好であった(52件/572例vs.99件/699例、TR:1.59、95%CI:1.14~2.23、p=0.0068)ものの、高用量PPI+アスピリン群と高用量PPI群には有意な差を認めなかった(52件/572例vs.87件/698例、1.38、0.98~1.94、p=0.0680)。 また、高用量PPI群は低用量PPI群に比べ、全死因死亡の割合が有意に低かった(TR:1.36、95%CI:1.01~1.82、p=0.039)。さらに、アスピリン投与群は非投与群に比し、食道腺がんの前駆病変とされる高度異形成が少ない傾向がみられた(1.51、1.00~2.29、p=0.053)。 1件のイベント(高度異形成、腺がん、死亡)予防に必要なバレット食道の治療数(NNT)は、高用量PPI(vs.低用量PPI)が34(95%CI:18~333)、アスピリン投与(vs.非投与)は43(20~250)であった。試験薬関連の重篤な有害事象が発現したのは28例(1%)のみだった。 著者は、「これらの結果により、高用量PPIの効果が最も大きく、アスピリンを併用することで、さらに効果が付加されると考えられ、9年以上の投与でバレット食道の生存期間を改善する可能性が示唆される」としている。

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30~50代で非飲酒でも認知症リスク上昇/BMJ

 中年期に飲酒しなかった集団および中年期以降に過度な飲酒を続けた集団は、飲酒量が適度な場合に比べ認知症のリスクが高まることが、フランス・パリ・サクレー大学のSeverine Sabia氏らが行った「Whitehall II試験」で示された。研究の成果は、BMJ誌2018年8月1日号に掲載された。非飲酒と過度な飲酒は、いずれも認知機能に有害な影響を及ぼすとされるが、認知症の発症予防や遅延に関する現行のガイドラインには、エビデンスが頑健ではないため、過度の飲酒は含まれていないという。また、研究の多くは、老年期のアルコール摂取を検討しているため生涯の飲酒量を反映しない可能性があり、面接評価で認知機能を検討した研究では選択バイアスが働いている可能性があるため、結果の不一致が生じている。英国公務員のデータを用いたコホート研究 Whitehall II試験は、ロンドン市に事務所のある英国の公務員を対象とした前向きコホート研究であり、1985~88年に35~55歳の1万308例(男性:6,895例、女性:3,413例)が登録され、4~5年ごとに臨床的な調査が行われている(米国国立老化研究所[NIA]などの助成による)。 研究グループは、今回、認知症とアルコール摂取の関連を評価し、この関連への心血管代謝疾患(脳卒中、冠動脈心疾患、心房細動、心不全、糖尿病)の影響を検討した。 アルコール摂取量は、1985~88年、1989~90年、1991~93年(中年期)の3回の調査の平均値とし、非飲酒、1~14単位/週(適度な飲酒)、14単位超/週(過度な飲酒)に分類した。中年期のアルコール摂取を評価した集団の平均年齢は50.3歳だった。 また、1985~88年から2002~04年の5回の調査に基づき、17年間のアルコール摂取の推移を5つのパターン(長期に非飲酒、飲酒量減少、長期に飲酒量が1~14単位/週、飲酒量増加、長期に飲酒量が14単位超/週)に分けて検討した。 1991~93年の調査では、CAGE質問票(4項目、2点以上で依存性あり)を用いてアルコール依存症の評価を行った。さらに、1991~2017年の期間におけるアルコール関連慢性疾患による入院の状況を調べた。飲酒量が減少した集団もリスク上昇 平均フォローアップ期間は23年であり、この間に397例が認知症を発症した。認知症診断時の年齢は、非飲酒群が76.1歳、1~14単位/週の群が75.7歳、14単位超/週の群は74.4歳であった(p=0.13)。 中年期に飲酒していない群は、飲酒量が1~14単位/週の群に比べ認知症のリスクが高かった(ハザード比[HR]:1.47、95%信頼区間[CI]:1.15~1.89、p<0.05)。14単位超/週の群の認知症リスクは、1~14単位/週の群と有意な差はなかった(1.08、0.82~1.43)が、このうち飲酒量が7単位/週増加した集団では認知症リスクが17%有意に高かった(1.17、1.04~1.32、p<0.05)。 CAGEスコア3~4点(HR:2.19、95%CI:1.29~3.71、p<0.05)およびアルコール関連入院(4.28、2.72~6.73、p<0.05)にも、認知症リスクの増加と関連が認められた。 中年期~初老期のアルコール摂取量の推移の検討では、飲酒量が長期に1~14単位/週の集団と比較して、長期に飲酒をしていない集団の認知症リスクは74%高く(HR:1.74、95%CI:1.31~2.30、p<0.05)、摂取量が減少した集団でも55%増加し(1.55、1.08~2.22、p<0.05)、長期に14単位超/週の集団では40%増加した(1.40、1.02~1.93、p<0.05)が、飲酒量が増加した集団(0.88、0.59~1.31)では有意な差はなかった。 中年期の非飲酒に関連する認知症の過剰なリスクは、フォローアップ期間中にみられた心血管代謝疾患によってある程度説明が可能であり、非飲酒群全体の認知症のHRが1.47(1.15~1.89)であったのに対し、心血管代謝疾患を発症しなかった非飲酒の集団では1.33(0.88~2.02)であった。 著者は、「ガイドラインで、14単位超/週のアルコール摂取を有害の閾値と定義する国があるが、今回の知見は、高齢になってからの認知機能の健康を増進するために、閾値を下方修正するよう促すもの」としている。

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