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外傷性脳損傷サバイバーは自殺リスク高い?/JAMA

 外傷性脳損傷(TBI)と自殺の関連を評価した研究は少なく、これまでの報告は症例数が少ないなどの問題があるという。デンマーク・Mental Health Centre CopenhagenのTrine Madsen氏らは、同国の全国患者登録データを解析し、TBIで受診した患者は、TBIの経験のない一般人口に比べ自殺のリスクが高いことを示した。研究の成果は、JAMA誌2018年8月14日号に掲載された。TBIサバイバーは、身体、認知、情動に関連する症状を経験する可能性が高いとされ、これらの症状は自殺のリスクを高めることが知られている。約742万人のデータを後ろ向きに解析 研究グループは、TBIとその結果としての自殺の関連について、レトロスペクティブに検討した(Mental Health Services Capital Region Denmarkなどの助成による)。 解析には、1980~2014年の期間に、デンマークに10年以上居住する741万8,391人(1億6,426万5,624人年)の登録データを用いた。頭蓋骨以外の骨折、精神疾患の診断、故意の自傷行為などを含む共変量で補正したポアソン回帰を用いて解析を行った。 全国患者登録(1977~2014年)に受診の記録があり、軽症TBI(脳振盪)、TBIのない頭蓋骨骨折、重症TBI(脳構造損傷のエビデンスがある頭部外傷)と診断された患者を対象に含めた。2014年12月31日までにデンマーク死因登録に記録された自殺のデータと関連付けた。自殺率は約2倍、重症度や受診回数と正相関 自殺による死亡者は3万4,529例(平均年齢:52歳[SD 18]、女性:32.7%、絶対自殺率:21.0/10万人年[95%信頼区間[CI]:20.8~21.2])であった。このうち、3,536例(10.2%、男性:2,578例、女性:958例)がTBIの診断を受けており、軽症TBIが2,701例、TBIのない頭蓋骨骨折が174例、重症TBIが661例であった。 TBI患者の絶対自殺率は10万人年当たり41(95%CI:39.2~41.9)と、TBIの診断のない集団の10万人年当たり20(19.7~20.1)に比べ有意に高かった(罹患率比[IRR]:1.90[1.83~1.97]、p<0.001)。 TBIによる受診のない集団と比較したIRRは、軽症TBI(絶対自殺率:38.6/10万人年、95%CI:37.1~40.0)が1.81(1.74~1.88、p<0.001)、頭蓋骨骨折(42.4/10万人年、36.1~48.7)が2.01(1.73~2.34、p<0.001)、重症TBI(50.8/10万人年、46.9~54.6)が2.38(2.20~2.58、p<0.001)であり、重症度が高いほど高値の傾向がみられた。 自殺リスクは、TBIによる受診のない集団に比べ、TBI受診回数が多いほど高くなった。受診回数が1回の場合の絶対自殺率は10万人年当たり34.3(95%CI:33.0~35.7、IRR:1.75、95%CI:1.68~1.83、p<0.001)、2回の場合は59.8(55.1~64.6、2.31、2.13~2.51、p<0.001)、3回以上では90.6(82.3~98.9、2.59、2.35~2.85、p<0.001)であった。 一般人口と比較して、TBIによる最終受診日からの経過期間が短いほうが、自殺リスクが有意に高く(p<0.001)、6ヵ月以内のIRRは3.67(95%CI:3.33~4.04)、7年以降のIRRは1.76(1.67~1.86)だった。 著者は、「自殺のリスクは、TBIの診断後に精神疾患の診断を受けたり、故意の自傷行為を実行した患者が、TBIの診断のみの患者よりも高いことから、TBIと自殺の関連は、TBI後の精神症状の影響をある程度受けている可能性がある」としている。

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JAK阻害薬が関節リウマチの新治療戦略へ

 2018年8月28日、ファイザー株式会社は、関節リウマチ(RA)プレスカンファレンスを都内で開催した。本セミナーでは、トファシチニブ(商品名:ゼルヤンツ)の発売開始から5年を期し、「日本人3,929例の全例市販後調査 中間解析に基づく安全性評価」をテーマに講演が行われた。関節リウマチの治療推奨は欧州と同等 田中 良哉氏(産業医科大学医学部 第1内科学講座 教授)は、RAの新治療戦略について「リウマチ患者の関節は(炎症を起こしているから)腫れていて触ると熱い。一度変形した関節は二度と元に戻らない。また、患者の半分近くがドライアイ・ドライマウスを抱えており、肺病変も起こりうる。関節だけでなく、全身症状を伴うからこそ、適切な治療が必要だ」と強調した。 わが国におけるRAの治療指針は、欧州リウマチ学会によるレコメンデーション(EULAR 2016 update)1)にほぼ準拠している。RAの診断後、PhaseIではDMARDsであるメトトレキサート(以下MTX、MTX禁忌の場合はレフルノミド、スルファサラジンを単剤/併用)と短期間のステロイド剤併用を開始し、3ヵ月以内の改善および6ヵ月以内の治療目標達成(寛解または低疾患活動性)の場合は治療継続、効果不十分・副作用などで達成できなかった場合は、PhaseIIへと進む。 PhaseIIでは、別のDMARDsへの変更・追加とステロイドの併用療法を行うが、予後不良因子(自己抗体高値、高疾患活動性、早期の骨びらん・関節破壊出現など)がある場合、またはDMARDsの併用に不応の場合は、生物学的製剤とJAK阻害薬のいずれかを使用する。それでも治療目標を達成できない場合には、PhaseIIIへ移行し、生物学的製剤の変更、JAK阻害薬への切り替え、2剤目のTNF阻害薬の追加などが検討される。JAK阻害薬は治療抵抗例に有効な可能性 田中氏の医局の成績では、生物学的製剤の導入により、治療開始1年後には約3分の2の患者が低疾患活動性に到達できるという。しかし、残った中疾患活動性以上の患者では、関節破壊が進行してしまう。JAK阻害薬であるトファシチニブは、生物学的製剤による治療で効果不十分だった患者にとって、新たな選択肢となりうる。 2013年に行われたインターネットのアンケート調査2)によると、RA患者の32.6%(n=914)が発症後に仕事を辞めたもしくは変えたことがあると回答している。また、生物学的製剤の治療を受けている患者の37%(n=55)は、無効などを理由に治療に落胆を感じたという。「生物学的製剤ですべての患者が救われるわけではない」と同氏は語った。 経口服用できるトファシチニブは、単独でもMTXとの併用でも使用可能で、生物学的製剤と同等の効果があるとされ、期待が持たれている。RAに対するトファシチニブ休薬の多施設試験3)では、継続例では再燃がほとんど起こらなかったのに加え、寛解後の休薬例でも54人中20人が1年以上低疾患活動性を維持できたと紹介された。JAK阻害薬は安易に使っていい薬剤ではない 一方、田中氏はJAK阻害薬の有用性だけでなく、適正使用に関しても強く訴えた。「内服薬だからといって、安易に使っていい薬剤ではない。治療前のスクリーニングと治療中のモニタリングを適切に行い、全身管理が可能な医師に使ってほしい」と述べた。引き続き、安全性への注意が重要である。 同氏は、関節リウマチの治療戦略として「関節破壊ゼロを目指す」と掲げ、関節破壊が生じる前の治療、早期寛解導入を目指し、その後維持をすることで「普通の生活を送る」ことに重点を置いた。現在は、RA患者の生活スタイルや嗜好に合わせて治療選択をすることが可能であり、専門医らによる適切な治療の推進が望まれる。トファシチニブによる副作用報告 渥美 達也氏(北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室 教授)は、「ゼルヤンツの特定使用成績調査に基づく安全性評価」について、RAに対する特定使用成績調査(日本人3,929例)における中間報告を紹介した。調査の対象患者は、MTX 8mg/週を越える用量を3ヵ月以上継続して使用してもコントロール不良のRA患者にトファシチニブが投与された例であり、全観察期間は3年間。投与中止症例についても、悪性腫瘍発言に関しては追跡調査を実施した。 6ヵ月観察における副作用発現割合では、感染症が最も多く11.22%を占め、突出して多かったのは帯状疱疹(3.59%)であり、上咽頭炎(1.47%)、肺炎(1.19%)が続いた。65歳以上で感染症の可能性が高くなるという結果もある。 懸念されていた悪性腫瘍については、3,929例中61例が報告されており、そのうち女性が68.9%、男性が31.1%を占めた。対象患者の割合は女性が80.5%であったため、悪性腫瘍の頻度は男性のほうが高くなる可能性がある。今後もエビデンスを構築と適切な評価のために、トファシチニブの全例調査は引き続き実施されるという。

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血小板減少症治療薬Mulpleta、米国で1ヵ月前倒し発売

 塩野義製薬株式会社は、Mulpleta(一般名:ルストロンボパグ、日本での製品名:ムルプレタ)について、2018年8月30日(米国東部時間)、“待機的な観血的手技を予定している成人慢性肝疾患患者における血小板減少症の治療”を適応症として米国における販売を開始したと発表。 Mulpletaは、米国食品医薬品局(FDA)より2018年7月31日付で約1ヵ月前倒しで承認を取得した。それに伴い、本剤を予定よりも前倒しで発売する。同剤の米国販売は、塩野義製薬の米国子会社である Shionogi Inc.(ニュージャージー州)が担う。また、発売に際し、医療従事者および患者向けのサポートプログラムである“Mulpleta Assist”を新たに立ち上げ、同剤の物流管理、マネジドケアの償還支援や経済的な支援を行う。 同剤は、日本において2015年12月に製品名「ムルプレタ」として発売。欧州においては、欧州医薬品庁(EMA)により審査が進んでおり、承認は2019年上半期を見込んでいる。

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宿日直や自己研鑽はどう扱う?~医師の働き方改革

 厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会(第9回)」が9月3日開かれ、今年度末のとりまとめに向け具体的な議論が開始された。医師の時間外労働の上限時間数の設定をはじめとした対応を議論していくにあたり、座長を務める岩村 正彦氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授)は、(1)働き方改革の議論を契機とした、今後目指していく医療提供の姿(国民の医療のかかり方、タスク・シフティングの効率化等)、(2)医師の特殊性を含む医療の特性(応召義務の整理)、(3)医師の働き方に関する制度上の論点(時間外労働の上限時間数の設定、宿日直や自己研鑽の取り扱い等)の3つを軸とすることを提議。この日は事務局が示すデータを基に、宿日直と自己研鑽についての議論が開始された。 まず、勤務医の週勤務時間について分析した結果(病院・大学病院勤務医約20万人対象)、週50時間以上が6割以上を占めていた(オンコール待機は除外したデータ)、これまでのデータを紹介。性別、年代、診療科や地域ブロック別に分析されたデータも示され、「属性別に特段大きな特徴は見られない」とされたが、これに対し委員からは「全国的に一律の基準にしてしまったら医療は崩壊する。地域ごと・診療体制ごとにもっと丁寧な分析が必要」という声が上った。宿日直の類型化は必要? そして実現は可能なのか さらに四病院団体協議会が今年7~8月に実施した平日時間外の勤務実態についてのアンケート調査からは、当直勤務中(17時から翌9時までの16時間)の診療時間数について、2時間以下だった医師が全体の34%を占めた一方で、8時間を超える医師も19%存在することが明らかとなった。事務局側は、当直勤務の実態としては3つ(ほぼ診療なし/一定の頻度で診療が発生/日中と同程度に診療が発生)に大別できるのではないかとの視点を提供。委員からは、「当直勤務の負担レベルを労基署が判断するようなことは難しく、混乱を招きかねない。診療実態に即した形で、医療者側からみた類型化が必要なのではないか(今村 聡氏、日本医師会女性医師支援センター長)」、「総時間もあるが、断続的に対応している場合、睡眠が確保できない。睡眠の質の確保という観点も加えるべきではないか(黒澤 一氏、東北大学環境・安全推進センター教授)」、「健康への影響が大きい当直明けの連続勤務についての視点が抜けている(村上 陽子氏、日本労働組合総連合会総合労働局長)」などの意見が上った。自己研鑽にあたるもの、あたらないものとは 自己研鑽については、「病院勤務医の勤務実態調査(2017年12月~2018年2月実施)」において「自己研修」として記録された行為を参考に、事務局から自己研鑽と考えられているものの例が提示された(診療ガイドラインについての勉強、新しい治療法や新薬についての勉強、自らが術者等である手術や処置等についての予習や振り返り、自主参加の学会や外部の勉強会への参加・発表準備等、自主的な院内勉強会への参加・発表準備等、自主的な論文執筆・投稿、大学院の受験勉強、専門医の取得・更新[勤務先の雇用条件となっていない場合]、参加が必須ではない上司・先輩が術者である手術や処置等の見学、診療経験や見学の機会を確保するための当直シフト外での待機、臨床研究)。 委員からは、「健康管理をしたうえで、必要な自己研鑽が時間内にできるような勤務スケジュールのデザイン、システムの整備が必要(三島 千明氏、青葉アーバンクリニック総合診療医)」、「1つひとつの自己研鑽を評価するのではなく、“自己研鑽手当”のような形で包括的に評価していくことができないか(黒沢氏)」、「“使用者の指揮命令下かどうか”が1つの判断基準とすると、労働者は労働だと思っているが、使用者は自己研鑽だと思っているものが問題になるのではないか(赤星 昂己氏、東京医科歯科大学医学部附属病院救命救急センター医師)」などの多様な意見が出された。 今後は、国民の医療のかかり方について9月中にも懇談会が新たに設置される予定のほか、応召義務の解釈についても別途研究班が発足して議論が始まっており、これらの議論を検討会で吸い上げつつ、上限時間数の設定等について複数の試案を提案することも視野に入れ、引き続き議論を進める方針だ。■参考厚生労働省「第9回医師の働き方改革に関する検討会」資料■関連記事厚労省・医師の働き方改革検討会が初会合-残業規制の在り方など19年3月ごろ取りまとめ

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外来での高齢者に対する抗菌薬処方(解説:吉田敦氏)-907

 高齢者において、抗菌薬の処方が過剰となり、それが薬剤耐性(AMR)に結びついているという指摘は以前から存在した。米国においても、抗菌薬適正使用およびAMRへの取り組みから抗菌薬の総使用量は減少し始めていたが、高齢者における使用量の変化については不明な部分が多かった。今回、高齢者の98%が加入可能な公的保険である米国メディケアにおいて、高齢者の外来での抗菌薬処方と、各診断名に対して適切な抗菌薬が使用されていたかどうかを観察研究として調査した。 本研究では、2011~15年の65歳以上のメディケア加入者のうち、20%をランダムに選び、保険請求書を基に患者背景、外来での抗菌薬の処方数(経口・静注、ジェネリックを含む)、および感染症診断名の情報を得た。抗菌薬については、処方数上位10薬剤とそのトレンドを把握した。感染症診断名はICD-9に基づくものとし、20個のカテゴリーに分類した(たとえば、「肺炎」)。診断名と抗菌薬使用の妥当性から、使用を「適正使用」「不適切使用」「判定不能」の3群に分けた。 5年間のメディケア加入者450万人分の、1950万の請求書を解析した。抗菌薬に関する請求数は、加入者1,000人当たりでみると、2011年と14年の間では減少していたが、15年にはやや増加しており、2011年と15年では0.2%の減少にとどまった。この傾向は患者集団によってばらつきがあったが、75~84歳の年齢層、女性、白人、米国南部・北東部では増加が目立った。「不適切使用」は全体の約40%で、3.9%減少したが、「適正使用」はほぼ横ばい(約40%、0.2%減少)であった。 処方数上位10薬剤は、抗菌薬処方全体の87%を占めていたが、2011年と15年を比較すると、アジスロマイシン(処方数1位)、シプロフロキサシン(2位)、トリメトプリム・スルファメトキサゾール(5位)の3薬剤では減少したものの、他の7薬剤(アモキシシリン、セファレキシン、レボフロキサシン、アモキシシリン・クラブラン酸、ドキシサイクリン、nitrofurantoin、クリンダマイシン)は増加していた。最も変化の著しかったのは、アジスロマイシンの18.5%減少、レボフロキサシンの27.7%増加であった。 適応との相関をみると、呼吸器感染症におけるアジスロマイシンの使用は、「適正使用」例、「不適切使用」例ともに減少していた。一方、レボフロキサシンは「適正使用」、「不適切使用」ともに増加していた(つまり肺炎でも副鼻腔炎でも、ウイルス性上気道炎、気管支炎でも増加していた)。また腸管感染症では「適正使用」、「不適切使用」の両者でシプロフロキサシンが減少し、レボフロキサシンが増加していた。 全体を総括すると、各診断における抗菌薬使用の適応を考慮して処方が減ったというよりも、抗菌薬の種類を変えつつ処方が行われているという傾向が顕著であったという結論にたどり着く。本研究の手法や結果を解釈できる範囲にはいくつもの限界があり、かつ対象もメディケア加入者の一部に限定されているが、導き出された結論自体は、われわれが抗菌薬使用に関して日々実感している状況に驚くほど一致している。 本邦ではAMR対策アクションプランが策定・実行され(2016~20年)、後半に差し掛かるとともに、現状に関するデータが蓄積されつつある。米国は本研究の結果をどのように政策に反映させるであろうか。本邦での今後の抗菌薬適正使用、AMR対策に、本研究および関連研究の結果が寄与することに期待したい。

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23)ハンディヘラー(スピリーバ)【解説編】【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、ハンディヘラー(スピリーバ)の吸入手順を解説します。手順としては、1カプセル取り出し、キャップを開ける(開けにくい時は緑色のボタンを押す)→マウスピースのへこんだ部分に親指をかけて開け、穴にカプセルを入れる→マウスピースをカチッと音がするまでしっかり閉める→緑色のボタンを1回だけ押す(吸入準備完了)→呼吸を整え、ゆっくり十分に息を吐く→吸入口をしっかりくわえる(口角があかないように)→下を向かず、背筋を伸ばし、大きく深く吸う(そのとき舌を下げて喉の奥を広げる)→カプセルが震える音がする→吸入器をはずし、口を閉じ3~5秒間息を止め、薬剤を定着させる→鼻からゆっくり息を吐く→もう一度大きく深く吸う(薬を残さないように)→マウスピースを開け、中のカプセルを捨てる(カプセルは手に取らず、直接ゴミ箱に捨てる)→吸入口を清浄し、キャップを閉める→うがいをする(口中3回、喉の奥3回)。※注意するポイント1回に2つカプセルが出てしまったら、湿気てしまうので使えません。1つ捨てましょうカプセルは飲んだり、開けたりしないでください吸入器は月に1回程度洗ってください。十分に乾かして清潔に保管しましょうアルミシートは直射日光を避け、涼しいところで保管してください。冷凍はしないでください●主な製剤(2015年3月時点のデータ)ハンディヘラー(スピリーバ)

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DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の配合剤「スージャヌ配合錠」【下平博士のDIノート】第8回

DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の配合剤「スージャヌ配合錠」今回は、「シタグリプチンリン酸塩水和物/イプラグリフロジンL-プロリン配合錠(商品名:スージャヌ配合錠)」を紹介します。本剤は、DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の配合剤であり、異なるアプローチにより血糖コントロールの継続・改善が期待されます。<効能・効果>2型糖尿病の適応で、2018年3月23日に承認され、2018年5月22日より販売されています。配合成分のシタグリプチンは、選択的にDPP-4を阻害し、活性型インクレチンを増加させることで、血糖依存的にインスリンの分泌を促進し、グルカゴンの分泌を抑制して血糖低下作用を示します。一方、イプラグリフロジンは選択的にSGLT2を阻害し、腎臓でのブドウ糖再取り込みを抑制することで、尿と共に糖を排出してインスリン非依存的な血糖低下作用を示します。なお、本剤を2型糖尿病治療の第1選択薬として用いることはできません。<用法・用量>通常、成人には1日1回1錠(シタグリプチン/イプラグリフロジンとして50mg/50mg)を朝食前または朝食後に経口投与します。<副作用>国内臨床試験(シタグリプチン50mgおよびイプラグリフロジン50mgを1日1回併用投与)において、220例中28例(12.7%)に副作用が認められています。主なものは頻尿13例(5.9%)、口渇6例(2.7%)、便秘6例(2.7%)でした(承認時)。<患者さんへの指導例>1.このお薬は、2種類の成分の配合剤で、体内のインスリン分泌を促す作用と、尿中に糖分を排泄させる作用により血糖値を下げます。2.低血糖症状(ふらつき、冷や汗、めまい、動悸、空腹感、手足のふるえ、意識が薄れるなど)が現れた場合は、十分量の糖分(砂糖、ブドウ糖、清涼飲料水など)を取るようにしてください。α-グルコシダーゼ阻害薬を服用中の場合は、ブドウ糖を取るようにしてください。3.過剰な糖が尿で排出されるため、尿路感染症(尿が近い、残尿感、排尿時の痛みなど)が生じることがあります。このような症状が現れた場合は、医師に相談してください。4.尿の量や排尿回数が増えることにより、脱水が生じることがあるので、多めに水分を補給してください。<Shimo's eyes>本剤の名称は、配合成分であるイプラグリフロジンの商品名「スーグラ」とシタグリプチンの商品名「ジャヌビア」が由来となっています。SGLT2阻害薬とDPP-4阻害薬という作用機序の異なる2つの薬剤を配合したことで、相補的な血糖降下作用が期待されます。それぞれの薬剤を単剤で服用した場合の薬価が、スーグラ錠50mg(200.20円/錠)とジャヌビア錠50mg(129.50円/錠)で合計329.70円なのに対し、スージャヌ配合錠は263.80円/錠なので、1日薬価を80%程度に抑えることができます※。本剤は、シタグリプチン50mgまたはイプラグリフロジン50mgの単剤治療で効果不十分な場合、あるいはすでにシタグリプチン50mgとイプラグリフロジン50mgを併用し、状態が安定している場合に切り替えて使用します。各単剤で効果不十分の場合は錠数を増やさず併用療法に移行でき、すでにそれぞれの薬剤を併用している場合は、薬剤数を削減できることから服薬アドヒアランスが向上し、長期にわたる安定した血糖コントロールが期待できます。なお、本剤はシタグリプチンおよびイプラグリフロジンと同様の効能・効果、用法・用量の組み合わせであり、実質的に既収載品によって1年以上の臨床使用経験があると認められました。そのため、新医薬品に係る通常14日間の処方日数制限は設けられていません。※2018年8月時点

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認知症診断を告知すべきタイミングに関する調査

 最近の認知症関連の分野において、早期診断の議論は、タイムリーな診断を行う方向へ向かっている。タイムリーな告知には、個々の希望や状況を考慮する必要がある。告知に関して患者、その家族、医療従事者の見解が異なる場合、告知がタイムリーであるかの判断は、とくに複雑となる可能性がある。オーストラリア・ニューカッスル大学のRochelle Watson氏らは、認知症診断がどのタイミングで告知されるべきかについて、告知される側の希望に関する検討を行った。BMC Health Services Research誌2018年8月6日号の報告。 オーストラリアの病院で、外来診療に通院中の英語を話す成人を対象に、横断調査を実施した。対象者は、病院の待合室で調査アシスタントより、ウェブに接続されたiPadによる調査への協力を求められた。調査には、社会人口統計および認知症の経験歴を審査する質問が含まれていた。2つのシナリオを用いて、告知のタイミングについて希望を調査した。 主な結果は以下のとおり。・対象者446例のうち92%は、認知症の診断はできるだけ早い告知が望ましいと考えていた。・告知の希望には、社会人口統計または認知症の経験歴との関連は認められなかった。・また、対象者の多く(88%)は、配偶者やパートナーが認知症と診断された場合においても、できるだけ早い告知を望んでいた。・告知の希望について、自分が診断された場合と配偶者が診断された場合との間に、強い相関が認められた(0.91)。 著者らは「本知見は、認知症診断の告知への希望について指針を提供しており、タイムリーな診断の潜在的な障壁を克服するため役立つであろう。認知症の罹患率が増加する今後、できるだけ早く診断してほしいとの希望を考慮することは、保健システムにとって重要な意味を持つ」としている。■関連記事どのくらい前から認知症発症は予測可能か高齢ドライバーの認知症診断と自動車運転事故リスク認知症にならず長生きするために

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寝返りができない軽症型SMAの現実

 2018年8月27日、バイオジェン・ジャパン株式会社は、脊髄性筋萎縮症治療薬ヌシネルセンナトリウム(商品名:スピンラザ髄注12mg)が発売から1年を超えたのを期し、「新薬の登場により、SMA治療が変わる」をテーマとする、第2回目のメディアセミナーを都内で開催した。セミナーでは、主に成人の脊髄性筋萎縮症(以下「SMA」と略す)患者について、日常の様子や治療効果などの説明が行われた。軽症でも30歳までに患者の約半数が歩行機能を喪失 講演では、斎藤 利雄氏(刀根山病院 神経内科・小児神経内科 神経内科医長/臨床研究部神経筋研究室長)を講師に迎え、「脊髄性筋萎縮症と神経内科 ヌシネルセン投与でどう変わる?」をテーマにレクチャーが行われた。 SMAは、進行性の運動ニューロン病として、体幹・四肢の近位部優位の筋力が低下する疾患で、指定難病の指定を受けている。斎藤氏の所属する刀根山病院では、生後6ヵ月までに発症する重症のI型が8例、生後1歳6ヵ月までに発症する中間型のII型が32例、生後1歳6ヵ月以降に発症する軽症型のIII型が8例と全48例のSMA患児・患者が治療を受けている。 今回解説されたIII型の病型は、運動機能発達のマイルストーンの最高到達点が「支えなしでの歩行」であり、平均余命は健康な人と同様であるなど、ほかのI・II型と比較すると予後はよいとされている。ただし、運動機能について、IIIa型(生後18ヵ月~3歳までに発症)では10歳までに、IIIb型(12歳未満発症)では30歳までに、その約半数が歩行機能を喪失するとされている1)。SMAの軽症型はけっして軽症ではない 講演では9歳、12歳、32歳、49歳の症例を挙げ、実際、いずれの症例でも歩行障害があり、成人例では中学生のころから健康な人と同じ運動ができなくなり、徐々に運動機能が低下する経過が説明されたほか、顕著な運動障害として「寝返りができない」「コップを持ち上げて飲めない」「座るときへたり込むように座る」など、障害が患者QOLに与える影響を報告した。SMAのIII型は軽症とされているが、健康な人ならば簡単にできる動作でも、困難を伴い、日常生活に苦慮している状況を説明した。さらに、この運動機能の低下が、「患者の就労などに大きなハードルとなっている」と齋藤氏は指摘する。とくに本症では、精神遅滞などがないため、就業への意欲があっても道が閉ざされる患者の失望や運動機能のさらなる悪化へ不安を覚える患者の声なども報告された。 つぎに32歳・男性へのヌシネルセン投与例について自験例を説明。運動機能の回復は認められなかったが、易疲労感の減少などはあったと紹介した。 最後に齋藤氏は、「ヌシネルセンの登場によりSMA患児・患者の予後が変わるかもしれないが、そのためには新生児期からの早期診断・早期介入が必要である。また、小児科と神経内科の連携、麻酔科など他科との連携も必要で医療的ケアの充実も求められる。解決すべき問題としては、本剤の髄腔内投与の方法や長期投与による諸臓器への影響、薬価など課題も多いが、患者の生活をどう変えるか長い目でみていきたい」と期待を語り、講演を終えた。■文献1)Wadman RI,et al. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2017;88:365-367.■参考SMA特設サイト(バイオジェン・ジャパン株式会社提供)SMA患者登録システムSMART(SMARTコンソーシアム)■関連記事SMA患児の運動機能が大きく変わった

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陣痛緩和にレミフェンタニル自己調節鎮痛法が有用/Lancet

 陣痛時の疼痛緩和において、静脈内レミフェンタニル自己調節鎮痛法(PCA)は、ペチジンの筋肉内投与に比べ、硬膜外麻酔への変更を要する女性が少ないことが、英国・シェフィールド大学のMatthew J. A. Wilson氏らの検討「RESPITE試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2018年8月25日号に掲載された。陣痛の緩和のためにペチジン筋注を受けた女性の約3分の1が、その後に硬膜外麻酔を要し、良好な疼痛緩和が得られるものの、器械的経膣分娩のリスクが増加する。陣痛時のレミフェンタニルPCAはペチジンの代替法とされるが、十分には普及していないという。英国の14施設で401例を登録 本研究は、英国の14の産科病棟が参加した多施設共同非盲検無作為化対照比較試験(英国国立健康研究所[NIHR]の助成による)。 対象は、妊娠期間37週以上、胎児が単胎・頭位で陣痛がみられ、オピオイドによる疼痛緩和を希望する16歳以上の女性であった。被験者は、レミフェンタニルPCA(必要に応じて40μgをボーラス投与、次回投与までのロックアウト時間は2分)またはペチジン筋注(4時間ごとに100mgを投与、24時間で最大400mg)を行う群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、試験登録後に硬膜外麻酔を受けた女性の割合とした。また、視覚アナログスケール(VAS、0点:痛みなし、100点:最も強い痛み)を用いて、30分ごとに疼痛緩和効果を評価した。 2014年5月13日~2016年9月2日の期間に401例の女性が登録され、レミフェンタニルPCA群に201例、ペチジン筋注群には200例が割り付けられた。硬膜外麻酔への変更が半減、緩和効果も良好 実際に試験薬の投与を受けたのは、レミフェンタニルPCA群が186例(93%)、ペチジン筋注群は154例(77%)であった。投与を受けない主な理由は、投与が可能になる前に出産(レミフェンタニルPCA群12例、ペチジン筋注群17例)、無作為化直後のオピオイド投与前に、母親が硬膜外麻酔を要すると決断(ペチジン筋注群22例)などであった。同意を取り消したペチジン筋注群の1例を除く400例がintention-to-treat解析の対象となった。 無作為化時の平均年齢は、レミフェンタニルPCA群が29.4歳(SD 6.1)、ペチジン筋注群は29.3歳(6.1)、白人がそれぞれ73%、79%で、未経産婦が60%、59%だった。 硬膜外麻酔への変更の割合は、レミフェンタニルPCA群が19%(39/201例)と、ペチジン筋注群の41%(81/199例)に比べ有意に低かった(リスク比[RR]:0.48、95%信頼区間[CI]:0.34~0.66、p<0.0001)。 VAS疼痛スコア中央値は、レミフェンタニルPCA群がペチジン筋注群よりも13.91点(95%CI:-21.40~-6.43)低下し、有意な差が認められた(p=0.0003)。VAS疼痛スコアの最高点の差には、有意差はなかった(平均差:-4.44点、95%CI:-10.93~2.05、p=0.18)。 分娩様式には、両群間に有意な差が認められた(p=0.02)。鉗子、吸引による器械的分娩の割合は、レミフェンタニルPCA群が15%と、ペチジン筋注群の26%に比べ有意に低かった(RR:0.59、95%CI:0.40~0.88、p=0.008)。帝王切開の割合は両群とも21%だった。呼吸抑制および過鎮静は両群間に差はなく、いずれもまれだった。 新生児はすべて、出生後5分時のApgarスコアが4点以上であった。蘇生を要する新生児の割合にも差はみられなかった(レミフェンタニルPCA群:10%、ペチジン筋注群:11%)。 母親の満足度は、9項目中2項目でレミフェンタニルPCA群のほうが有意に良好で(「陣痛中の疼痛緩和は有効だった」:p=0.0003、「陣痛の疼痛緩和に満足した」:p=0.0003)、他の項目には差がなかった。また、試験薬に直接起因する重篤な有害事象や薬物反応は認めなかった。 著者は、「本試験で得られたエビデンスは、分娩時の女性の標準治療としてのペチジンに疑問を呈し、陣痛時のオピオイドベースの疼痛緩和に関して、根本的な再評価を迫るものである」と指摘している。

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片眼が緑内障なら、他眼も緑内障が進行

 同一患者の両眼において、緑内障の変化に対する関連を知ることは、臨床医にとって役立つことだろう。米国・ミシガン大学のLeslie M. Niziol氏らは、新たに診断された開放隅角緑内障患者を対象に薬物治療と手術療法の有効性を比較したCollaborative Initial Glaucoma Treatment Study(CIGTS)の事後解析を行い、患者のほぼ半数は両眼に割り付けられた最初の治療を受け、7年後には全体の約3分の2が双方の治療を受けていたことを明らかにした。他眼(FE)治療の予測変数のうち修正可能な因子は高血圧と眼圧(IOP)で、MD slopeは試験眼(SE)と治療を受けたFEで同程度であった。著者は「SEの変化は、FEの変化の前兆を意味し、原因を注意して見守る必要がある」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2018年8月9日号掲載の報告。 研究グループは、SEの緑内障治療開始と、FEの治療が必要となる期間を推定し、SEとFE、それぞれの進行度の関連を調べる目的で、CIGTSの参加者を対象に事後解析した。CIGTSでは、片目もしくは両目で新たに診断された開放隅角緑内障患者607例を最長11年間追跡した。SEはベースライン時点で診断され、薬物治療群と手術療法群に無作為に割り付けられた。患者が、FEの適格基準を満たす、または医師が治療の必要性を判断した場合に、プロトコールに基づき治療された。 生存分析を用いFE治療の経時的な発生率を推定するとともに、治療の時間依存的な予測因子を評価した。患者眼のMD slopeとIOP slopeから経時的な回帰直線を求め、疾患の進行、SEとFEの経過の関連を予測した。 1993年10月~2004年12月までのデータを収集し、2012年9月~2018年5月に解析を行った。主要評価項目は、FEが治療に至るまでの期間と、SEおよびFEのMD slopeとIOP slopeであった。 主な結果は以下のとおり。・607例中、男性334例(55.0%)、白人337例(55.5%)、平均年齢(±SD)58.0±10.9歳だった。・FEの治療開始時期は、291眼(47.9%)がベースライン時、123眼(20.3%)は試験中、193眼(31.8%)は未治療だった。・FEの開放隅角緑内障の治療発生率は、無作為化後1年時0.57、7年時0.68であった。・FE治療のハザード比は患者背景と有意に関連し、高齢(ハザード比[HR]:1.33、95%信頼区間[CI]:1.08~1.64、p=0.007)、高血圧(HR:1.76、95%CI:1.16~2.67、p=0.008)、眼圧高値(HR:1.24、95%CI:1.20~1.29、p<0.001)、陥凹乳頭径比(cup/disc ratio)が大きい(HR:1.40、95%CI:1.23~1.58、p<0.001)、およびMDの悪化で高かった。・SEとFEとのMD slopeに関する相関性は、ベースライン時治療FEが0.73、試験中治療FEは0.71、未治療FEは0.34であった。IOP slopeの相関性はそれぞれ0.57、0.24、0であった。

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FHの発掘は内科と皮膚科・小児科の連携がカギ

 わが国における家族性高コレステロール血症(FH)の患者総数は、25万人以上と推定され、意外にも、日常診療において高頻度に遭遇する疾患と言われている。2018年8月22日に日本動脈硬化学会主催のプレスセミナー「FH(家族性高コレステロール血症)について」において、斯波 真理子氏(国立循環器病研究センター研究所病態代謝部部長)が登壇した。FHが襲った悲劇 競泳男子平泳ぎ100m 北島康介選手の最大のライバル、ノルウェーのダーレ・オーウェン選手(享年26歳)が2012年4月に急死したのをご存じだろうか。死因が遺伝性の心疾患と判定された彼は、もともと冠動脈疾患を抱え、急死する1、2ヵ月前にも軽い心臓発作を起こしていたという。にもかかわらず、治療を行っていなかった可能性があり、さらに、この選手の祖父は42歳の時に心臓病で急死しているとの報告もある。斯波氏によると、「トップアスリートは、スタチン系がもたらす運動機能低下の副作用を懸念し1)、薬物治療を拒むことがある」という。 また、FH患者は、冠動脈疾患(CAD)を発症し、その後10~15年経過後に脳血管疾患に陥る場合が多いと言われている。この理由について同氏は、「コレステロールは力が加わる部分に溜まりやすい。そのため、アキレス腱、大動脈や心臓弁に溜まり、CADを発症しやすい」と解説した。FHの種類と診断意義 FHはLDL受容体、PCSK9遺伝子の変異が原因とされ、大きく2種類に分類される。ヘテロ接合体、ホモ接合体、それぞれの主な特徴(15歳以上の場合)を以下に示す。FHヘテロ接合体・LDL受容体関連遺伝子変異・罹患率:200~500人に1人(遺伝性代謝疾患中、頻度最大)・血清総コレステロール値:230~500mg/dL・所見:皮膚および腱黄色腫・若年性動脈硬化症やCADの早期罹患FHホモ接合体・LDL受容体遺伝子変異・罹患率:100万人に1人以上・血清総コレステロール値:500~1,000mg/dL・所見:著明な皮膚および腱黄色腫・確定診断:LDL受容体活性測定やLDL受容体遺伝子解析の利用 各分類別に累積LDL-CとCADの発症を調べた研究2)における、CAD発症に係る累積LDL-C閾値到達年数は、ヘテロ接合体患者は35年、ホモ接合体患者は12.5年と報告されており、非FH患者の53年と比較しても両者のCADリスクの高さがうかがえる。同氏は「この報告が示すように、いかに早期発見し、適切な治療を開始するかがFH診断の鍵となる」と、診断の意義を語った。早期発見にはレントゲン・超音波・家系図を FHの最も有効な診断は遺伝子検査だが、同氏は「まずは、アキレス腱などの肥厚や皮膚結節性黄色腫、FHあるいは早発性CADの家族歴(2親等以内)を発見することが望ましい」と述べ、「アキレス腱厚は超音波[カットオフ値(mm):男性6.0、女性5.5]、レントゲン[カットオフ値(mm):9.0]で診断できるため、通常の診察において腹部や胸部だけでなく、アキレス腱のチェックをしてほしい」と、画像診断の有用性を訴えた。 さらに、LDL-C値が高い患者にはFHや心筋梗塞の家族歴の確認が重要となる。FHは家族を1人診断するとほかの家族の診断にも繋がるため、同氏は「医師がフリーハンドで家系図を描き、患者に家族一人ひとりをイメージしてもらいながら答えてもらう。それをカルテに残しておく」など、家族歴を尋ねるコツも紹介した。小児の健康診断に導入される日を目指して 小児の場合、腱黄色腫などの臨床症状が乏しく(ホモ接合体を除く)、健康診断などによるLDL-C値の早期発見が難しい。現時点で、10歳前後の血液検査を実施している自治体は非常に少なく、香川県や富山県の一部などにとどまることから、家族のFHから診断することが重要となる。 日本動脈硬化学会と日本小児科学会が合同でガイドラインを作成したことを踏まえ、同氏は「合併症がある場合は管理目標値140mg/dL未満を維持し、リスクが高い患児にはスタチン系を第1選択薬として考慮する」など治療ポイントについても述べた。 最後に同氏は「患者にとって、がんや高血圧の認知度は高いが、この疾患はほとんど知られていない。この疾患や早期発見、小児での血液検査の重要性を理解してもらうために、9月24日に世界FH Dayを制定し、啓発活動を行っている」と取り組みへの思いを綴った。 なお、日本動脈硬化学会では、より多くの先生方にFH診療を理解していただくために、医薬教育倫理協会(AMEE)と共同でeラーニングプログラムを開発、公開している。ケアネット医師会員は、ケアネットのID/パスワードにてこちらから受講可能である。■参考1)Sinzinger H,et al.Br J Clin Pharmacol. 2004;57:525-528.2)Nordestgaard BG et al. Eur Heart J 2013;34:3478-3490

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「暑くて運動できない」と嘆く患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第21回

■外来NGワード「涼しい時間帯に運動しなさい!」(患者の生活リズムを配慮しない)「プールで運動しなさい」(周辺の運動施設を確認しない)「家の中で何か運動しなさい!」(あいまいな運動指導)■解説 「暑くて運動できない」と嘆く患者さんがいます。こういった患者さんは、比較的長時間の有酸素運動だけが運動療法だと思い込んでいるかもしれません。ウォーキングなどの有酸素運動以外では、スクワットなどの筋力トレーニングも糖尿病に有効な運動療法の1つです。筋トレをすることで、インスリンのシグナル伝達・ミトコンドリア機能の改善、体脂肪の減少などにより、インスリン感受性がよくなります1,2)。その結果、血糖コントロールと筋力の改善効果がみられます3,4)。ただし、息を止めた筋トレで血圧が上昇しないように、注意を促しておきましょう。ジムなどで専門家の管理下に行う筋トレが最も効果が高いのですが、自宅で自分の体重を用いて筋トレを行うこともできます。まずは、過去の運動歴を聞いてみましょう。運動部などで筋トレの経験がある人ならいいですが、そうでない場合は自己流の筋トレになっている可能性があるので注意が必要です。正しいやり方をロールプレイングすることで、モチベーションを上げてもらいましょう。 ■患者さんとの会話でロールプレイ医師最近、運動はできていますか?患者頑張って歩いていたんですが、最近は暑くてなかなかできなくて…。医師確かに、夏は暑いですからね。無理に運動して熱中症になっても困りますし。患者そうなんです。どうしたものかと…(悩んでいる顔)。医師涼しい時間帯に外を歩いたり、プールを利用している人もいるんですが…(第三者の話として紹介し、患者の反応をみる)。患者そうしたいんですが、近くにプールがないんです(抵抗)。医師なるほど。若い頃はどんなスポーツや運動をされていましたか(過去の運動歴の確認)?患者学生時代は柔道をしていました。黒帯まで取ったんです。医師それはすごいですね。それなら、涼しい家の中でできる、いい運動がありますよ!患者それは何ですか(興味津々)?医師そこで立ち上がって、膝を軽く曲げてみて下さい。膝が爪先より先に出ると、太腿の後ろの筋肉は緩んでしまいますね(正しいスクワットの姿勢を説明)。患者スクワットですね! …本当だ。だけど、このままだと後ろに倒れそうです。医師そこで、バランスを取るために腕を前に出します。そして、ゆっくりと腰を落としてみましょう。血圧を上げないために、声を出しながらやるといいですね。1、2、3、…(10までゆっくりと数え、血圧が上がらない工夫を説明)。患者1、2、3…。医師膝を痛めますから、90度より曲げる必要はありません。110度くらいで2秒キープして、立ち上がります。患者1、2でキープ、3で立ち上がるですね。何回くらいやったらいいんですか?医師1セット10回程度ですね。少し休んで、合計3セットが目標です。これを週に2、3回やってみましょう。患者これなら家でもできそうです(うれしそうな顔)。■医師へのお勧めの言葉「涼しい家の中でできる、いい運動がありますよ!」(筋トレを説明)1)American Diabetes Association. Diabetes Care 2018;41:S38-S50.2)Strasser B, et al. Biomed Res Int. 2013;2013:805217.3)Irvine C, et al. Aust J Physiother. 2009;55:237-246.4)McGinley SK, et al. Acta Diabetol. 2015;52:221-230.

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第3回 「自分がいるから薬局に来る患者さん」をただ作りたかった【週刊・川添ラヂオ】

動画解説1998年4月、高知市にくろしお薬局第1号を開局した川添先生。目指したのは、地域密着。「自分がいるから薬局に来る患者さん」がいるという小さな幸せをただただ追い求めていたと振り返ります。その結果、たどり着いたのが、川添先生の代名詞である「在宅」。薬局は発展していきますが、経営者としての仕事が多くなり、患者さんよりスタッフのことを考える時間が多くなった自分に疑問を感じるように。再び、現場の薬剤師に戻るために、南国病院へ転職。そこで見た景色が川添先生をさらに変えていきます。

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心房細動アブレーション後の肺静脈狭窄、ステント留置術でより良好な成績【Dr.河田pick up】

単施設における肺静脈狭窄に対するカテーテルインターベンションの成績を分析 心房細動のアブレーションに伴う肺静脈狭窄(pulmonary vein stenosis:PVS)に対するカテーテルインターベンションは、無作為化試験のデータやガイドラインがないため、いまだに難しい領域である。ドイツ・ライプチヒ大学のSchoene K氏らが、PVSに対するカテーテルインターベンションでの治療について、単施設後ろ向き研究の結果を報告した。JACC Cardiovascular interventions誌オンライン版2018年8月27日号に掲載。肺静脈狭窄の発生率は0.78% 2004年1月から2017年9月までの間の、心房細動アブレーションに伴うPVS発生率は0.78%(87/1万1,103例)であった。 PVSがあり、カテーテルインターベンションによる治療を受けた39例の患者のうち35例で何らかの症状があり、進行性の呼吸困難(79%)、肺動脈圧の上昇(33%)、喀血(26%)などが主要なものであった。39例の患者で84のカテーテルインターベンションの施行があり、うち経皮的バルーン血管形成術が68(81%)、ステント留置術が16(19%)であった。ステントの種類は薬剤溶出性ステントが3(19%)、ベアメタルステントが13(81%)であった。追跡期間中央値は6ヵ月(四分位範囲:3~55ヵ月)で、この間全体の再狭窄率はバルーン血管形成術で53%であったのに対して、ステント留置術では19%であった(p=0.007)。合併症の発生率はバルーン血管形成術で10%、ステント留置術で13%であった(p=NS)。ステント留置術がバルーン形成術よりも良好な成績 この研究から心房細動のアブレーションで引き起こされた肺静脈隔離術後のPVSにおいては、ステント留置術のほうがバルーン形成術よりも優れた成績であり、また、合併症の程度は同等であることが分かった。無作為化試験は行われていないが、今回のデータや入手可能なこれまでに発表された研究結果から、心房細動アブレーションに伴うPVSに対してはステント留置術が第一選択ではないかと考えられる。しかしながら、この研究は単施設の後ろ向き研究であり、無作為化試験やより症例数を増やした多施設での研究が必要である。

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PPIで認知症リスクの増加みられず~大規模症例対照研究

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期使用とアルツハイマー病(AD)のリスク増加との関連がいくつかの観察研究で報告されているが、使用期間の影響や他の認知症でも当てはまるかどうか検討されていない。スイス・バーゼル大学のPatrick Imfeld氏らは、大規模な症例対照研究により、PPI(またはネガティブコントロールとしてのH2受容体拮抗薬[H2RA])の長期使用と、ADまたは血管性認知症(VaD)の発症リスクとの関連を検討した。その結果、PPIやH2RAに関連するADやVaDのリスク増加はみられなかった。Drug Safety誌オンライン版2018年8月27日号に掲載。 本研究は、英国を拠点とするClinical Practice Research Datalink(CPRD)での症例対照分析。1998~2015年に、新規にADまたはVaDと診断された65歳以上の4万1,029症例を同定し、対照群の非認知症者に、年齢・性別・暦時間・一般診療・病歴の年数で1対1にマッチさせた。それまでのPPIまたはH2RA使用に関連するADまたはVaD発症の調整オッズ比(aOR)および95%信頼区間(CI)を、条件付きロジスティック回帰分析を用いて薬剤使用期間ごとに算出した。 主な結果は以下のとおり。・長期PPI使用(100処方以上)は非使用と比べ、AD発症リスク(aOR:0.88、95%CI:0.80~0.97)、VaD発症リスク(aOR:1.18、95%CI:1.04~1.33)の増加と関連していなかった。・H2RAの長期使用(20処方以上)についても、AD発症リスク(aOR:0.94、95%CI:0.87~1.02)、VaD発症リスク(aOR:0.99、95%CI:0.89~1.10)の増加と関連していなかった。

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双極性障害における自殺リスク因子に関するコホート研究

 双極性障害は、自殺リスクが高い。そのため、リスク因子の特定は重要である。スウェーデン・ヨーテボリ大学のC. Hansson氏らは、双極性障害患者の大規模コホートにおける自殺のリスク因子を特定するため、検討を行った。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2018年8月3日号の報告。 本研究は、双極性感情障害のためのSwedish National Quality Register(スウェーデン国家品質レジストリ)の臨床データを用いたプロスペクティブコホート研究として実施した。アウトカム変数は、2004~14年のCause of Death Registerの自殺とした。ハザード比(HR)は、Cox比例ハザードモデルを用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・双極性障害患者1万2,850例(男性:4,844例、女性:8,006例)のうち、1~10年間の追跡期間中に90例(男性:55例、女性:35例)が自殺した。・統計学的に有意な自殺のリスク因子は、以下のとおりであった。 ●男性(HR:2.56) ●独居(HR:2.45) ●自殺企図歴(HR:4.10) ●精神疾患の併存(HR:2.64) ●最近の感情エピソード(HR:2.39) ●犯罪歴(HR:4.43) ●精神科入院治療(HR:2.79) ●措置入院(HR:3.50)・双極性障害における自殺の統計学的に有意なリスク因子は、男女間で異なるものがあった。 著者らは「双極性障害における自殺のリスク因子は、一般の自殺に関連する因子だけでなく、疾患特有の因子も含まれる」としている。■関連記事双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント自殺予防の介入効果はどの程度あるのか統合失調症患者における自殺のリスク因子に関するメタ解析

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滲出性中耳炎の難聴、経口ステロイドは有効か?/Lancet

 滲出性中耳炎で3ヵ月以上の難聴が確認された小児について、経口ステロイド薬の有効性を調べた初となる二重盲検プラセボ対照無作為化試験「OSTRICH試験」の結果、忍容性は良好だったが有意な改善効果は示されず、自然治癒率が高いことが明らかにされた。英国・カーディフ大学のNick A. Francis氏らによる検討で、「今回の結果は、経過観察やその他の外科的介入を支持するエビデンスとなった」と述べている。滲出性中耳炎による持続的な難聴に対しては、薬物療法の有効性は否定されており、概して外科的介入による治療が行われるが、治療選択肢に安全・安価で有効な薬物療法が加わることへの期待は高い。研究グループは、Cochraneレビューで見つけた、経口ステロイド薬の短期投与の有益性を示唆した試験結果(ただし検出力が低く、質的に低い)について、大規模試験で検証を行った。Lancet誌2018年8月18日号掲載の報告。2~8歳の患児を対象にプラセボ対照試験、5週時点の聴力改善を評価 OSTRICH試験は、滲出性中耳炎に起因する症状が3ヵ月以上持続および両側性難聴が確認された2~8歳児を対象とし、経口ステロイドの短期投与により、容認できる聴力を取り戻せるかどうかが検証された。 被験者は2014年3月20日~2016年4月5日に、イングランドおよびウェールズの20施設(耳・鼻・咽喉[ENT]、小児耳鼻科、耳鼻科外来部門)で集め、スクリーニング後、適格患児を1対1の割合で無作為に2群に割り付け、プレドニゾロン(経口ステロイド)またはプラセボを投与した。 主要評価項目は、5週時点の純音聴力検査で容認できる聴力(少なくとも片耳が20dB HL以下で0.5、1、2、4kHzの周波数帯域が平均的に聞こえると定義)が確認された被験者の割合。すべての解析は、intention-to-treatにて行われた。経口ステロイド群40%、プラセボ群33%で聴力改善 1,018例がスクリーニングを受け、389例が無作為化を受けた(経口ステロイド群200例、プラセボ群189例)。 5週時点の聴力検査を受けたのは、経口ステロイド群183例、プラセボ群180例。容認できる聴力が確認されたのは、それぞれ73例(40%)、59例(33%)であった。群間の絶対差は7%(95%信頼区間[CI]:-3~17)、必要治療数(NNT)は14であり、補正後オッズ比は1.36(95%CI:0.88~2.11、p=0.16)であった。 有害事象やQOL指標に関するあらゆる有意な群間差は認められなかった。 著者は、「経口ステロイド薬により14人に1人の聞こえは改善するが、QOLは変わらなかった」と指摘している。

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セマグルチド 、非糖尿病肥満の減量に有効/Lancet

 非糖尿病の肥満者(BMI 30以上)に対し、食事および運動療法に加えたセマグルチドの投与は、体重減少に有効かつ安全であることが示された。米国・サウスカロライナ医科大学のPatrick M. O’Neil氏らによる、リラグルチドおよびプラセボと比較した52週間にわたる第II相の無作為化二重盲検用量範囲探索試験の結果で、Lancet誌2018年8月25日号で発表された。肥満は、重大な公衆衛生上の問題となっており、体重管理のための新たな医薬品が求められていた。研究グループは、減量推奨時にGLP-1アナログ製剤セマグルチドを投与する有効性と安全性について、リラグルチドおよびプラセボと比較する検討を行った。リラグルチド、プラセボと比較する用量範囲探索無作為化試験 試験は、8ヵ国71施設(オーストラリア5、ベルギー5、カナダ9、ドイツ6、イスラエル7、ロシア10、英国8、米国21)で、18歳以上、非糖尿病、BMI 30以上の参加者を集めて行われた。 被験者を無作為に6対1の割合で、試験薬群(セマグルチド:5群、リラグルチド:1群)と適合プラセボ群に割り付けられた。具体的に、セマグルチド群には0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mgの5用量(いずれも0.05mg/日で開始し4週間ごとに漸増)、リラグルチド群には3.0mg(0.6mg/日で開始し0.6mg/週で漸増)の投与(プラセボを含めすべて1日1回の皮下注)が行われた。被験者および研究者は、割り付けられた試験治療(試験薬かプラセボか)についてはマスキングされたが、目標用量については知らされていた。 主要エンドポイントは、52週時点の体重減少割合。主要解析は、プラセボプールから派生した喪失データを含めintention-to-treat ANCOVA評価を用いて行われた。セマグルチド投与の有意な体重減少効果を確認 2015年10月1日~2016年2月11日に957例が無作為化を受けた(試験薬が投与された6群はそれぞれ102または103例、プラセボ群136例)。ベースライン特性(平均値)は、年齢47歳、体重111.5kg、BMI 39.3であった。 52週時点の体重データは、891/957例(93%)で入手できた。解析の結果、推定体重減少割合は、プラセボ群が-2.3%に対し、セマグルチド0.05mg群:-6.0%、0.1mg群:-8.6%、0.2mg群:-11.6%、0.3mg群:-11.2%、0.4mg群:-13.8%と、セマグルチド全用量群で、プラセボ群と比較して有意な効果が認められ(補正前p≦0.0010)、多重検定による補正後も有意なままであった(p≦0.0055)。 リラグルチド群の体重減少割合は-7.8%で、セマグルチド2.0mg以上の用量群(-13.8~-11.6%)で有意な差が認められた。 10%以上の体重減少が認められた被験者の割合は、プラセボ群で10%であったのに対し、セマグルチド0.1mg以上の用量群では37~65%と有意に多かった(対プラセボp<0.0001)。 セマグルチドの全用量群で概して忍容性は良好であり、新たな安全性の問題は報告されなかった。共通してみられた最も頻度の高い有害事象は、GLP-1受容体作動薬で既知の、用量に関連した消化器症状(主に悪心)であった。

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