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男性の飲酒とうつ病との関係

 一般集団における男性のうつ病と飲酒の縦断的な相互関係について、韓国・中央大学校のSoo Bi Lee氏らが、調査を行った。Alcohol and alcoholism誌2018年9月1日号の報告。 対象は、2011~14年のKorean Welfare Panelより抽出した20~65歳の成人男性2,511例。アルコール使用障害特定テスト韓国版(AUDIT-K)スコアに基づき、対照群2,191例(AUDIT-K:12点未満)、飲酒問題群320例(AUDIT-K:12点以上)に分類した。時間経過とともに連続測定された飲酒問題とうつ病との相互関係を調査するため、自己回帰的なcross-laggedモデル分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・飲酒とうつ病との関係は、時間経過とともに安定していた。・対照群では、飲酒問題とうつ病との間に有意な因果関係は認められなかったが、飲酒問題群では、前年の飲酒が2、3、4年後のうつ病に有意な影響を及ぼしていた。 著者らは「飲酒問題群では、対照群と比較し、うつ病と飲酒の4年間に及ぶ相互の因果関係が認められた。通常の飲酒では、縦断的なうつ病と飲酒との相互関係は認められなかったが、飲酒問題群では、飲酒は時間経過とともにうつ病を増強させた。飲酒問題はうつ病発症のリスク因子であり、一般集団におけるアルコール使用の問題や抑うつ症状を有する患者のアルコール使用歴には、より注意すべきである」としている。■関連記事うつ病とアルコールとの関係:2014年英国調査よりアルコール以外の飲料摂取とうつ病リスクアルコール摂取量削減のためのサービングサイズ変更効果

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第6回 パーセンタイルと四分位範囲【統計のそこが知りたい!】

第6回 パーセンタイルと四分位範囲第1回で、エラーバー(error bar)はデータの誤差(エラー)の程度を表すためのもので、±標準偏差、±標準誤差(SE)、パーセンタイル(percentile)、95%信頼区間(confidence interval:CI)などが使い分けられていると説明しました。いままでに標準偏差、標準誤差(SE)、CIについて述べてきましたので、今回は、「パーセンタイル(percentile)」について解説します。■どのような場合にパーセンタイルでエラーバーを用いるのかエラーバーは短い方が見栄えがよいので、標準誤差(SE)を用いるということもあるようですが、そうではありません。得られたデータのバラツキを示す場合は標準偏差を、平均などの推定値のバラツキを示す場合は標準誤差(SE)を、そして、平均などの信頼性を示す場合はCIを用います。しかし、尿中アルブミン量や総コレステロール値など臨床検査データの中には、ずば抜けて高い値(外れ値)を示す場合があります。このように外れ値があるデータは、正規分布の当てはまりが悪いので、平均値±標準偏差や平均値±標準誤差(SE)ではなく、25%点から75%点までの範囲(四分位範囲)で示します。25%点(第1四分位点)や75%点(第3四分位点)とは「パーセンタイル」のことです。50%点は中央値となります。■パーセンタイルとはパーセンタイル(M)とは、小さい方から数えてM%に位置するデータのことです。パーセンタイル50%の値、つまり中央値はよく知られているようにデータを昇順(あるいは降順)に並べたとき、真ん中に位置するデータを示します。ある臨床検査値が9個(奇数個)であった場合は、5番目のデータが、パーセンタイル50%の値、つまり中央値となります。・中央値はどこか、25%値はどこか中央値は昇順データの真ん中です。真ん中とは1/2 ⇒ 50% ⇒ 0.5表1の中央値を計算式で求める方法真ん中は何番目か(データ数+1)×0.5(9個+1)×0.5=10×0.5=5番目5番目の値26が中央値となります。表1 データが奇数個の中央値では、表2にある臨床検査値が10個(偶数個)あった場合のパーセンタイル50%の値(中央値)を同様に計算式で求めてみましょう。真ん中は何番目か(データ数+1)×0.5(10個+1)×0.5=11×0.5=5.5番目5.5番目の値、つまり5番目の26と6番目の28の平均値27が中央値となります。表2 データが偶数個の中央値続けて、パーセンタイル25%の値(第1四分位点)を表3にて同様に計算式で求めてみましょう。パーセンタイル25%の値25% ⇒ 0.2525%は何番目か(データ数+1)×0.25(10個+1)×0.25=11×0.25=2.75番目2番目のデータは 223番目のデータは 242.75番目のデータは22と24の間にあると考えます。端数順位は 0.752番目データ+差分×端数順位=22+2×0.75=23.5ということで、パーセンタイル25%の値(第1四分位点)は23.5ということになります。同様の計算式でパーセンタイル75%の値(第3四分位点)は33.5となりました。表3 パーセンタイル25%の求め方■四分位範囲四分位範囲は「第3四分位点」-「第1四分位点」の値となります。図1のデータAとBの四分位範囲をみてみると、データAのほうがBよりも四分位範囲が広いことがわかります。四分位範囲は、データのバラツキを示す尺度となり、標準偏差同様、値が大きいほどバラツキが大きいということになります。図1 2つのデータの四分位範囲の比較画像を拡大する■箱ひげ図の例いままでご説明してきたように外れ値があるデータの場合、そのデータのバラツキを表すために、最大値、75%点(第3四分位点)、50%点(中央値)、25%点(第1四分位点)、最小値を「箱」と「ひげ」で表した、図2のような「箱ひげ図」がよく用いられます。とくに「ひげ」の上下は最大値、最小値なのかパーセンタイル90%点、10%点なのかは論文の記載をよく確認するようにしてください。図2 箱ひげ図の読み方■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第3回 理解しておきたい検定セクション2 量的データは平均値と中央値を計算せよセクション3 データのバラツキを調べる標準偏差

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処方箋なしで医療用医薬品を販売していい場合とダメな場合【赤羽根弁護士の「薬剤師的に気になった法律問題」】第6回

先日、薬局において処方箋に基づかず処方箋医薬品を販売したことなどを理由に、埼玉県が当該薬局開設者に業務停止命令(薬局業務停止4日間)の処分を行いました。処分理由は以下のとおりです。(1)当該薬局は、平成30年1月5日から同月22日までの14日間、医師から処方箋の交付を受けていない患者176名に対し、処方箋医薬品である高血圧症治療薬等129品目を販売した。(医薬品医療機器等法第49条第1項違反)(2)当該薬局は、平成30年1月5日から同月20日までの13日間、医師から向精神薬処方箋の交付を受けていない患者29名に対し、向精神薬である睡眠導入剤等18品目を販売した。(麻薬及び向精神薬取締法第50条の16第4項違反)(3)当該薬局は、平成30年1月5日から同月22日までの14日間、患者111名に対し、医薬品医療機器等法施行規則第205条で定められた文書の交付を受けずに劇薬である高血圧症治療薬等37品目を販売した。(医薬品医療機器等法第46条第1項違反)※県政ニュース(報道発表資料)2018年9月「薬局開設者に対する行政処分(業務停止)について1)」より引用このうち(1)が、今回のテーマである処方箋医薬品を処方箋なしで販売したという処分理由になります。処方箋医薬品については、以下のとおりの規定があり、原則処方箋がなければ販売することができません。(処方箋医薬品の販売)第49条 薬局開設者又は医薬品の販売業者は、医師、歯科医師又は獣医師から処方箋の交付を受けた者以外の者に対して、正当な理由なく、厚生労働大臣の指定する医薬品を販売し、又は授与してはならない。ただし、薬剤師等に販売し、又は授与するときは、この限りでない。なお、ここで処方箋に基づかず販売できる「正当な理由」は、「薬局医薬品の取扱いについて2)」(薬食発0318第4号 平成26年3月18日厚生労働省医薬食品局長)において、大規模災害時などが示されています。処方箋医薬品以外の医療用医薬品は薬局で販売していい?さて、本件は、処方箋医薬品を処方箋なしに販売した事案ですが、薬局で扱う医療用医薬品のなかには、処方箋医薬品以外の医療用医薬品もあることはご存じのとおりです。このような処方箋医薬品以外の医療用医薬品においても、薬局では通常、処方箋に基づいて調剤していると思いますが、処方箋医薬品でないということは、処方箋がなくてもルールに従えば薬局で販売することが可能ということです。とは言っても、実際は、処方箋医薬品以外の医療用医薬品を積極的に販売している薬局は少ないのではないでしょうか。これは、「薬局医薬品の取扱いについて」において、「処方箋医薬品以外の医療用医薬品(薬局製造販売医薬品以外の薬局医薬品をいう。以下同じ。)についても、処方箋医薬品と同様に、医療用医薬品として医師、薬剤師等によって使用されることを目的として供給されるものである」と示されたうえで、原則として、処方箋医薬品と同様に「正当な事由」が認められる場合に販売すべきとされているからと思われます。このような通知があるためか、積極的な販売を行っている薬局は少ないようです。また、仮に販売する場合であっても、同通知においては、「一般用医薬品の販売による対応を考慮したにもかかわらず、やむを得ず販売を行わざるを得ない場合などにおいては、必要な受診勧奨を行った上で、第3の事項を遵守するほか、販売された処方箋医薬品以外の医療用医薬品と医療機関において処方された薬剤等との相互作用・重複投薬を防止するため、患者の薬歴管理を実施するよう努めなければならない」とされており、さらに、原則、使用者本人にしか販売ができません。もっとも、最近は積極的に販売を行っている薬局もあるようですが、販売数量の限定など同通知の留意事項(第3の事項)を遵守することとされており、その他の規制3)も含めて遵守する必要があるので注意が必要です。処方箋がなくても販売できる条件を知っておく処方箋医薬品と処方箋医薬品以外の医療用医薬品は、薬局においては、原則的に処方箋に基づくものとして同一に扱っていることが多いかもしれませんが、上記のとおり法的な規制は異なっています。処方箋医薬品は例外以外では処方箋がなければ販売できませんが、処方箋医薬品以外の医療用医薬品は、積極的に販売しないとしても、一般用医薬品の販売による対応ができない場合には、状況によって販売する必要性がある場合もあると思いますので、販売にかかるルールを知っておく必要があるでしょう。なお、参考として、古い判例ですが、「電話に依る医師の虞(処)方と雖(いえども)急速を要する場合に於て過誤を避くる為必要にして且十分なる注意に依り確実性を保障するに必要なる条件を具備するときは之を処方箋と同一視するを妨げず※」(昭和6年12月21日大審院判決 大審院刑事判例集10巻803頁)と判断していることは、電話においても処方箋と同一視できる可能性を示しており興味深いです。※原文に括弧書きで一部補足いたしました。ちなみに、この事案が判明した経緯は、通報によるもののようです。コンプライアンスが重要視される世の中ですから、日頃から法令遵守の意識を強く持っておくことの重要性を改めて認識しておきたいですね。参考資料1)埼玉県公式ホームページ 県政ニュース(報道発表資料)2018年9月「薬局開設者に対する行政処分(業務停止)について」2)厚生労働省医薬食品局長 薬局医薬品の取扱いについて3)厚生労働省医薬食品局長 薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律等の施行等について

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第8回 医療機関ゼロの町で地域医療を拓く沖縄の友【週刊・川添ラヂオ】

動画解説川添ラヂオ初のゲストとして、沖縄県南城市でくはら薬局を開局する伊集智英先生が登場。戦後長く医療機関がなかった南城市知念地区にクリニックが誕生した2015年に、初の保険薬局として開局。「『一生みてほしい』と患者さんに言われると薬剤師冥利に尽きる」と話す伊集先生。薬局、薬剤師が地域で存在感を示すためには?川添先生が自身の経験と重ね合わせ、その奥義を伝授します。

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大地震から4年後における青年期のPTSD有病率

 2008年の四川大地震から4年以上経過した時点における青年期の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の有病率とその因子について、中国・四川大学のQiaolan Liu氏らが、調査を行った。Disaster medicine and public health preparedness誌オンライン版2018年9月12日号の報告。 大地震を経験した2校の中学校の青年1,125例を対象に3年間フォローアップを行った。53ヵ月後に精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-IV)および中国精神障害分類(CCMD-2-R)に基づく自己評価PTSD尺度をまとめ、決定因子データを収集した。決定因子の分析には、ロジスティック回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・PTSD有病率は、23.4%であった。・PTSDのリスク因子は、年上(オッズ比[OR]:1.52、95%信頼区間[CI]:1.20~1.92)、地震による家族の死亡または負傷(OR:1.61、95%CI:1.09~2.37)であった。・中等度から重度の一般的なメンタルヘルスの問題を有する青年は、PTDS症状を有する可能性が高かった(OR:3.98~17.67、すべてのp<0.05)。・ポジティブコーピングは、青年が年を重ねた際のPTSDの保護因子であったのに対し、自尊心は、年齢にかかわらずPTSDの保護因子であった。 著者らは「大地震を経験した青年のPTSD症状は、長期間持続するように思われる。この症状を緩和するためには、長期的な介入が必要である」としている。■関連記事東日本大震災、深刻な精神状態の現状:福島医大身体活動がPTSDに及ぼす影響震災と精神症状、求められる「レジリエンス」の改善

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ウニのトゲが刺さったら…【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第124回

ウニのトゲが刺さったら… いらすとやより使用 私は海産物を生で食べることができないので、おすし屋さんにはほとんど行きません。なので、大トロだとかウニだとか、食べたことも食べようとも思わないのです。「人生の半分くらい損してるよ!」とよく言われます。ほっといてくれ。 Haddad Junior V.Observation of initial clinical manifestations and repercussions from the treatment of 314 human injuries caused by black sea urchins (Echinometra lucunter) on the southeastern Brazilian coast.Rev Soc Bras Med Trop. 2012;45:390-392.さて、今日紹介する論文は、ウニ外傷の論文です。Echinometra属ってウニの学名なんですね、初めて知りました。ウニはトゲがありますよね。あれを踏んづけてしまったり、触ったりして、痛くなって病院を受診した314人についてまとめた報告です。それにしても、ウニ外傷を300人以上集めたこの著者って、一体何者…。著者の施設では、わずか2年間で314人のウニ外傷患者さんが来院したとのこと。なかなか漁業が盛んなエリアのようです。ほとんどの患者さんのウニのトゲが用手的に抜けたので、炎症や浮腫を起こした症例はわずか5%だったそうです。もう少しウニを触ったときの状況なんかを表でまとめてくれるとよかったのですが、論文を書く時間がなかったのか、ウニ外傷の臨床的特徴はあまりまとめられていませんでした。さて、ウニを踏んだらどうするか。一番重要なのは、トゲを抜くことです。ピンセットを用いて、皮膚から飛び出している部分を引き抜きます。トゲが途中で折れてしまうと、残ったトゲが肉芽腫をつくることがあるため注意してください。裏技として、脱毛ワックスを使うという方法もあります。トゲが刺さった部分に脱毛ワックスを塗って、乾いたらベリベリと剥がすのです。ワックスと一緒にトゲが抜けます。ちなみに、関節にウニのトゲが入ると関節炎1)を起こすことがあるので、とくに手を突き刺した場合には指や手の関節に及んでいないかチェックする必要があるそうです。1)Mahon N, et al. Hand Surg. 2014;19:261-264.

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禁煙のための電子タバコ、ニコチン依存症での役割

 電子タバコ(電子ニコチン送達システム:ENDS)は、若者の間で一般的なタバコ製品となりつつある。電子タバコには、有害物質の低減や禁煙に効果的であるとのエビデンスもあるが、議論の余地は残っている。電子タバコが、ニコチン依存者の喫煙の減少や禁煙に対してどのように寄与するかは、ほとんど知られていない。米国・ノースダコタ大学のArielle S. Selya氏らは、ニコチン依存症に対する電子タバコの有効性について検討を行った。Nicotine & Tobacco Research誌2018年9月4日号の報告。 若年成人(おおよそ19~23歳)コホートを4年にわたり調査した。電子タバコの使用と従来型タバコの喫煙頻度との関係、ニコチン依存度の違いがこの関係にどのような影響を及ぼすかについて、変数係数モデル(VCM)を用いて検討した。 主な結果は以下のとおり。・直近ではなく生涯にわたり、高レベルのニコチン依存者における電子タバコの使用は、従来型タバコを同時に喫煙する頻度の少なさと関連していた。・しかし、非依存的な電子タバコの使用者は、未使用者よりも、従来型タバコを喫煙する頻度がわずかに高かった。・電子タバコ使用者の約半数は、禁煙目的のために電子タバコを使用していた。・禁煙目的での電子タバコ使用者において、電子タバコの使用頻度は、将来の従来型タバコの喫煙頻度の減少と関連が認められなかった。 著者らは「電子タバコは、高度なニコチン依存を有する若年成人の喫煙者において、禁煙を補助する可能性がある。しかし、非依存者では逆の反応がみられており、非喫煙者の電子タバコ使用は、避けるべきであることが示唆された。また、多くの若者が、禁煙目的で電子タバコを使用していたが、電子タバコによる自発的な禁煙への取り組みは、将来の喫煙減少や禁煙と関連が認められなかった」としている。■関連記事世界61ヵ国のタバコ依存症治療ガイドラインの調査青年期の喫煙、電子タバコ使用開始とADHD症状との関連精神疾患発症と喫煙の関連性

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デュルバルマブ、切除不能StageIII NSCLCのOS改善(PACIFIC)/NEJM

 切除不能StageIII 非小細胞肺がん(NSCLC)の標準治療はプラチナ併用化学療法と放射線療法の同時治療である(化学放射線同時療法、以下CCRT)。多くの研究が行われてきたものの、生存アウトカムは改善せず、5年生存率はわずか15~30%である。一方、前臨床試験において、化学放射線療法が腫瘍細胞のPD-L1の発現を増加することが示され、化学放射線療法後のPD-L1阻害薬の可能性が期待されていた。 そのようななか、切除不能StageIII NSCLCを対象にした、抗PD-L1抗体デュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)によるCCRT維持療法を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験PACIFICが行われた。すでに1つ目の主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)が、昨年(2017年)発表され、デュルバルマブがPFSを有意に改善することが示された。今回2つ目の主要評価項目である全生存期間(OS)の有意な改善が、NEJM誌2018年9月25日号で発表された。・対象:化学放射線同時併用療法(CRT)後に進行していない切除不能StageIII NSCLC患者・試験薬:デュルバルマブ10mg/kg、2週ごと12ヵ月・対照薬:プラセボ、2週ごと12ヵ月・評価項目:[主要評価項目]盲検独立中央評価委員会判定によるPFS、OS[副次評価項目]死亡または遠隔転移までの時間、2回目の進行までに時間、安全性など 主な結果は以下のとおり。・713例が登録され、709例が介入試験の対象となった。そのうち、デュルバルマブ群に473例、プラセボ群に236例が割り付けられた。・追跡期間の中央値は25.2ヵ月(0.2~43.1)であった。・OS中央値は、デュルバルマブ群は未達、プラセボ群は28.7ヵ月と、デュルバルマブ群で有意に改善した(HR:0.68、99.73%CI:0.47~0.997、p=0.0025)。・24ヵ月OS率はデュルバルマブ群66.3%、プラセボ群55.6%であった。・PFSはデュルバルマブ群17.2ヵ月、プラセボ群5.6ヵ月と、初回報告同様デュルバルマブ群で改善(HR:0.51、95%CI:0.41~0.63)していた。(初回報告のPFS:デュルバルマブ群16.8ヵ月、プラセボ群5.6ヵ月)・副次評価項目である死亡または遠隔転移までの時間(TTDM)はデュルバルマブ群28.3ヵ月、プラセボ群16.2ヵ月とデュルバルマブ群で長かった(HR:0.53、95%CI:0.41~0.68)。・Grade3~4の有害事象はデュルバルマブ群の30.5%、プラセボ群の26.1%で発現した。治療中止に至った有害事象で最も頻度が高かったのは肺臓炎で、デュルバルマブ群では4.8%、プラセボ群では2.6%であった。 デュルバルマブはプラセボと比較し、有意に切除不能StageIII NSCLC 患者のOSを延長した。 なお、この試験結果は、同時に第19回世界肺学会(WCLC2018)で発表された。■参考PACIFIC試験(N Engl J Med. 2017)PACIFIC試験(Clinical Trials.gov)■関連記事デュルバルマブ、StageIII 肺がんCCRT患者のOSを改善/WCLC2018durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017

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健康高齢者への低用量アスピリン、無障害生存期間を延長せず/NEJM

 健康な高齢者に対する低用量アスピリン投与は、プラセボ投与と比較して、無障害生存期間を延長することはなく、大出血の頻度を増加することが示された。オーストラリア・モナシュ大学のJohn J. McNeil氏らが、米国およびオーストラリアの計50施設にて約2万例を対象に実施した無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「ASPREE試験」の結果を報告した。本試験は、主要評価項目に関してアスピリンの使用継続が有益ではないことが認められたため、追跡期間中央値4.7年で早期終了となっている。アスピリンの医学的適応がない高齢者において、低用量アスピリンの使用が増加しているが、健康な高齢者の健康寿命を延ばすためのアスピリン使用に関する情報は限定的であった。NEJM誌オンライン版2018年9月16日号掲載の報告。健康な高齢者約2万例を対象に検討 研究グループは、2010年3月~2014年12月の期間に、心血管疾患、認知症、身体障害のない70歳以上(米国のアフリカ系とヒスパニック系は65歳以上)の地域住民を登録し、アスピリン群(アスピリン腸溶錠1日100mg)またはプラセボ群に無作為に割り付けた。 主要評価項目は、死亡・認知症・持続的身体障害(6ヵ月以上持続するADL障害)の複合エンドポイント。副次評価項目は、主要評価項目の各構成要素(全死因死亡、認知症、持続的身体障害)ならびに大出血(臨床的に明らかな出血と出血性脳卒中)などであった。intention-to-treat集団にてCox比例ハザードモデルを用いて解析した。 計1万9,114例が登録され(アスピリン群9,525例、プラセボ群9,589例)、参加者の背景は年齢中央値74歳、56.4%が女性、非白人が8.7%、アスピリン定期使用歴ありが11.0%であった。アスピリン群で無障害生存期間は延長せず、大出血リスクは増加 死亡・認知症・持続的身体障害の複合エンドポイントのイベント発生頻度は、アスピリン群21.5件/1,000人年、プラセボ群21.2件/1,000人年であった(ハザード比[HR]:1.01、95%信頼区間[CI]:0.92~1.11、p=0.79)。割り付けられた治療法の順守率は、試験参加最終年において、アスピリン群62.1%、プラセボ群64.1%であった。 全死因死亡の発生頻度は、アスピリン群12.7件/1,000人年、プラセボ群11.1件/1,000人年であり、そのほかの副次評価項目である認知症ならびに持続的身体障害についても、アスピリン群とプラセボ群に有意な群間差は認められなかった。一方、大出血の発現頻度は、アスピリン群3.8%、プラセボ群2.8%であり、アスピリン群が有意に高率であった(HR:1.38、95%CI:1.18~1.62、p<0.001)。

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中等症~重症の二次性MRに経皮的僧帽弁修復術は有効か/NEJM

 ガイドラインに基づく最大用量の薬物療法を受けているにもかかわらず症状が持続している中等症~重症の二次性僧帽弁閉鎖不全症(MR)の心不全患者において、薬物療法単独と比較し薬物療法+経皮的僧帽弁修復術を行った患者では、24ヵ月以内の心不全による入院率と全死因死亡率が低下し、デバイス関連合併症の発生率も低いことが認められた。米国・コロンビア大学のGregg W. Stone氏らが、MitraClip(Abbott Vascular)を用いた経皮的僧帽弁修復術の安全性と有効性を検証した多施設共同無作為化非盲検比較試験「COAPT」の結果を報告した。左室機能不全に起因するMRを伴う心不全患者の予後は不良であり、経皮的僧帽弁修復術はこうした心不全患者の臨床転帰を改善する可能性があった。NEJM誌オンライン版2018年9月23日号掲載の報告。約600例において24ヵ月以内の心不全による入院を評価 研究グループは、2012年12月27日~2017年6月23日の期間に、米国とカナダの78施設で、ガイドラインで推奨される最大用量の薬物療法を受けているにもかかわらず症状が持続している中等症~重症(Grade3+)または重症(Grade4+)の二次性MRの心不全患者614例を登録し、経皮的僧帽弁修復術+薬物療法(介入)群(302例)、または薬物療法単独(対照)群(312例)のいずれかに無作為に割り付けた。 主要有効性評価項目は、24ヵ月以内の心不全による入院とした。主要安全性評価項目は、12ヵ月時点でのデバイス関連合併症の無発生率とし、事前に定義した達成目標88.0%と比較した。有効性についてはintention-to-treat解析を実施した。介入群で入院率および死亡率が有意に低下 患者背景は、平均年齢(±SD)72.2±11.2歳、36.0%が女性で、69.2%は手術関連合併症または死亡の高リスクと判定された。 主要評価項目である24ヵ月以内の心不全による入院は、年率で介入群35.8%/人年、対照群は67.9%/人年であった(ハザード比[HR]:0.53、95%信頼区間[CI]:0.40~0.70、p<0.001)。また、12ヵ月時点でのデバイス関連合併症の無発生率は96.6%であった(95%下側信頼限界:94.8%、達成目標のp<0.001)。24ヵ月以内の全死因死亡率は、介入群29.1%、対照群46.1%であった(HR:0.62、95%CI:0.46~0.82、p<0.001)。 著者は研究の限界として、機器の特性上、盲検化が困難であること、機器の安全性や有効性を完全に明らかにするためには5年以上の長期追跡が必要であることなどを挙げている。

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異世界に飛ばされた?【Dr. 中島の 新・徒然草】(241)

二百四十一の段 異世界に飛ばされた?小説界の一大ジャンルとして「異世界もの」というのがあります。私も1つだけオーディオブックで聴きました。タイトルは「無職転生-異世界行ったら本気だす-」というものです。中身はタイトルの通りで、34歳のニート青年が自宅にひきこもってオンラインゲームをしながら無為に過ごしていたところ、たまたま交通事故に逢い、異世界に飛ばされてしまったのです。ここでいう異世界というのは魔法が支配する中世ヨーロッパです。前世では自分の不甲斐なさを他人のせいにして全く努力しなかった反省のもと、異世界では一生懸命努力して高度な魔法を習得し、またオンラインゲームで得た知恵でうまく世渡りして美女にモテモテ、というまことに都合のよいストーリーで、まるで実際のニートの頭の中にある願望をそのまま文章にしたような話でした。とはいえ、もし異世界に飛ばされて人生をやり直すなら、もっと真面目に努力しよう、うまく行かなくても他人のせいにするのはやめよう、などと思うのは誰の頭の中にも少しはある事ではないでしょうか。少なくとも私の頭の中にはあります。さて、何でまた急に異世界の話などを始めたのか? 実は外来診療中に異世界に行き損ねた患者さんの話を聞いたからです。この患者さんは20代の男性。システムエンジニアとして会社で働いているそうです。ある日のこと、路上で頭から血を流して路上に倒れているところを通行人に発見され、当院に搬入されました。そばに看板が落ちていたことから、おそらくは台風に飛ばされた看板に頭を直撃されたのではないか、と担当医たちは推測しました。中島「風で飛んできた看板が頭にぶつかったって、それ、漫画の一場面みたいな話ですね」患者「全くその通りです。でも、全然覚えていないんですよ」中島「その日の事をですか?」患者「そうなんです。この前の台風の日でした」この前の台風というのは、24号(チャーミー)ではなく、21号(チェービー)の方です。患者「後で台風の映像を見てもさっぱり覚えていません。こんな強風の日に外を出歩く奴もいるのか、と思ったくらいです。コンビニにでも行ったのかなあ?」中島「あの時は外で怪我した人が何人か担ぎ込まれていましたからね」患者「前日の事までは、はっきり覚えているんですけど、当日の事は完全に記憶から抜けていますね」これは頭を打った人によくある事で、頭を打った瞬間より少し前の記憶が抜けてしまう逆向性健忘と、意識が回復してからしばらく先の記憶まで抜けてしまう前向性健忘の両方があったのでしょう。患者「それに、入院中の最初の2~3日も記憶が曖昧なんです」中島「気がついたら病院のベッドの上だったわけですね」患者「ええ」中島「ひょっとしたら異世界に飛ばされたんじゃないかとか、そう思いませんでしたか?」患者「確かに異世界に来たんじゃないかと思いました」いやいやいや、そこは「えっ、異世界? 何のことでしょうか」って一旦は聞き返すべきでしょ。あまりにも自然な会話の流れに、私の方がちょっとビビリました。患者「でも面会に来た会社の同僚も両親も全く元と同じだったんで」中島「異世界じゃない、とちょっとばかりガッカリでしたか」患者「そうですね」この患者さんも多少の異世界願望があったのかもしれません。それはさておき、台風の日に外に出て看板にやられるようなことだけは避けましょう。台風24号に続いて、三連休には25号(コンレイ)がやって来るとか。読者の皆様、くれぐれもお気をつけ下さい。最後に1句台風で 頭やられて 異世界だ

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治療抵抗性統合失調症の初回エピソードに関する長期フォローアップコホート研究

 統合失調症患者の約3分の1は、最終的に治療抵抗性統合失調症(TRS)へ移行する。TRSに至るまでの時間経過は患者により異なるが、これらの変動に関する詳細は、明らかとなっていない。千葉大学の金原 信久氏らは、TRSへの移行に、分岐点が存在するかを判断するため、TRS患者と非TRS患者の初回エピソード精神病(FEP)のコントロール達成までに要した時間について比較を行った。BMC Psychiatry誌2018年9月3日号の報告。 対象は、統合失調症患者271例。臨床評価に基づき、TRS群(79例)または非TRS群(182例)に割り付けられた。初回入院期間や改善度などのFEP治療に関連する臨床的要因をレトロスペクティブに評価した。 主な結果は以下のとおり。・初回入院期間(治療開始から退院するまでの時間として定義)は、両群間で有意な差が認められなかった(TRS群:平均87.9日、非TRS群:平均53.3日)。・初回入院時の機能の全体的評価(Global Assessment of Functioning:GAF)スコアの改善度は、TRS群が非TRS群よりも有意に低かった(50点vs.61点)。・TRS群の約半数は、FEPの急性発症パターンを示し、入院期間も長かった(平均169日)。・入院を必要としなかったTRS群の残り半数は、明確な精神病エピソードがなく、入院することなく治療導入を行うような、潜行的な発症パターンを示した。 著者らは「TRSへ移行する患者は、FEP中の改善が困難な可能性がある。TRSへの移行パターンは、2種類あると考えられる。1つは、難治性の陽性症状およびFEPをコントロールするまでに長期間を要する場合。もう1つは、潜在的または潜行的な発症および初回治療に対し治療反応不良を示す場合」としている。■関連記事難治性統合失調症患者に対する治療戦略:千葉大治療抵抗性統合失調症へ進展する重要な要因とは:千葉県精神科医療C治療抵抗性統合失調症は予測可能か

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アテゾリズマブ、小細胞肺がんのOS、PFS改善(IMpower133)/NEJM

 進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)患者の1次治療はプラチナ化学療法とエトポシドの併用だが、20年以上大きな進歩はみられておらず、全生存期間(OS)中央値は10ヵ月程度である。一方で、小細胞肺がんは腫瘍変異負荷が高いことから、免疫チェックポイント阻害薬の効果が期待されている。そこで、小細胞肺がんに対する、カルボプラチン・エトポシドへの免疫チェックポイント薬アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)の追加効果を評価する第III相試験IMpower133が行われている。同試験の中間解析の結果がNEJM誌2018年9月25日号で発表された。アテゾリズマブ群のOSが有意に改善 IMpower133は、未治療のES-SCLC患者403例を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検第I/III相試験。・対象:全身治療未実施のES-SCLC患者(症状がない既治療のCNS病変を有する患者を含む)・試験薬:アテゾリズマブ+カルボプラチン+エトポシド、21日ごと4サイクル・対照薬:プラセボ+カルボプラチン+エトポシド、21日ごと4サイクル・評価項目:治験医師評価による無増悪生存期間(PFS)およびOS 主な結果は以下のとおり。・201例がアテゾリズマブ群に、202例がプラセボ群に無作為に割り付けられた。・追跡期間中央値は13.9ヵ月であった。・OSはアテゾリズマブ群12.3ヵ月、プラセボ群10.3ヵ月と、有意にアテゾリズマブ群で良好であった(HR:0.70、95%CI:0.54~0.91、p=0.007)。・1年OS率はアテゾリズマブ群52.7%、プラセボ群38.2%であった。・PFSはアテゾリズマブ群5.2ヵ月、プラセボ群4.3ヵ月と、有意にアテゾリズマブ群で良好であった(HR:0.77、95%CI:0.62~0.96、p=0.02)。・サググループをみてもこのアテゾリズマブ群で良好な結果であった。・安全性プロファイルは、すでに個々の薬剤で報告されているものと同様であった。 ES-SCLC患者の1次治療において、カルボプラチン・エトポシドへのアテゾリズマブの追加はOSおよびPFSを有意に改善した。 なお、この試験結果は、同時に第19回世界肺学会(WCLC2018)で発表された。

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健康な高齢者へのアスピリンのCVD1次予防効果は?/NEJM

 健康な高齢者への1次予防戦略としての低用量アスピリンの使用は、プラセボと比較して、大出血リスクを有意に増大し、心血管疾患リスクを有意に減少しないことが示された。オーストラリア・モナシュ大学のJohn J. McNeil氏らASPREE試験の研究グループによる、米国とオーストラリアに住む高齢者1万9,114例を対象に行った無作為化比較試験の結果で、NEJM誌オンライン版2018年9月16日号で発表された。アスピリン治療では、心血管疾患の2次予防効果は確立されている。しかし、その1次予防効果は明確になっておらず、とくに同疾患リスクが高い高齢者において不明であった。心血管疾患、認知症、身体障害のない1万9,114例を対象にプラセボ対照試験 研究グループは2010~14年にかけて、オーストラリアと米国に住む70歳以上(米国在住のアフリカ系およびヒスパニック系は65歳以上)で、心血管疾患、認知症、身体障害のない地域住民1万9,114例を対象に、プラセボ対照無作為化比較試験を開始した。被験者を無作為に2群に分け、一方にはアスピリン腸溶性製剤100mgを1日1回(9,525例)、もう一方の群にはプラセボを投与した(9,589例)。 試験の主要評価項目は、死亡・認知症・持続的な身体障害の複合エンドポイント(この結果については別の論文で報告)だった。本論文では、副次評価項目の大出血と心血管疾患(致死的冠動脈性心疾患、非致死的心筋梗塞、致死的/非致死的脳卒中、心不全による入院として定義)についての分析結果が報告されている。アスピリンによる大出血リスクは1.38倍に 試験の追跡期間中央値は4.7年だった。その間の心血管疾患発症率は、プラセボ群11.3件/1,000人年、アスピリン群10.7件/1,000人年で、両群間に有意な差はなかった(ハザード比[HR]:0.95、95%信頼区間[CI]:0.83~1.08)。 一方で、大出血発生率については、プラセボ群6.2件/1,000人年に対し、アスピリン群は8.6件/1,000人年と、有意な増大が認められた(HR:1.38、95%CI:1.18~1.62、p<0.001)。

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未治療ALK陽性肺がん、brigatinib vs.クリゾチニブ/NEJM

 ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)阻害薬未治療で、局所進行/転移を有するALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の患者に対し、開発中の次世代型ALK阻害薬brigatinibはクリゾチニブと比較し、無増悪生存期間を有意に延長したことが示された。米国・コロラド大学のD. Ross Camidge氏らが、約280例を対象に行った第III相の非盲検無作為化試験「ALTA-1L(ALK in Lung Cancer Trial of Brigatinib in 1st Line)試験」の結果で、NEJM誌オンライン版2018年9月25日号で発表した。brigatinibは、クリゾチニブの効果が認められなかったALK陽性NSCLC患者における有効性が確認されていた。 無増悪生存期間、客観的奏効率、頭蓋内病変奏効率などを比較 ALTA-1L試験は、ALK阻害薬未治療で局所進行/転移を有するALK陽性NSCLCの患者275例を対象に行われた。研究グループは被験者を無作為に2群に分け、一方にはbrigatinib 180mgを1日1回(導入期間7日間は90mgを1日1回、137例)、もう一方の群にはクリゾチニブ250mgを1日2回(138例)投与した。 主要エンドポイントは、独立評価委員会が盲検下で評価した無増悪生存期間だった。副次エンドポイントは、客観的奏効率や頭蓋内病変奏効率などだった。予測される増悪または死亡イベント件数198件のうち、約50%が発生した時点で、初回中間解析を実施することが事前に計画された。推定12ヵ月無増悪生存率、brigatinib群67%、クリゾチニブ群43% 初回中間解析は、増悪/死亡イベントが99件発生した時点で行われた。同時点における追跡期間中央値は、brigatinib群11.0ヵ月、クリゾチニブ群9.3ヵ月だった。 推定12ヵ月無増悪生存率は、クリゾチニブ群43%に対し、brigatinib群は67%と有意に高率だった(クリゾチニブ群の95%信頼区間[CI]:32~53、brigatinib群:56~75、log-rank検定のp<0.001)。増悪/死亡イベント発生に関するbrigatinib群のクリゾチニブ群に対するハザード比は、0.49(95%CI:0.33~0.74)だった。 確定客観的奏効率は、brigatinib群71%(95%CI:62~78)、クリゾチニブ群60%(同:51~68)だった。測定可能病変のある患者の頭蓋内病変奏効率は、それぞれ78%(同:52~94)、29%(同:11~52)だった。 新たな安全性に関する懸念は認められなかった。

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脂肪が減ると死亡が増える!?:“imaging biomarker”としての新しいCTCAの使い方(解説:中野 明彦 氏)-924

【冠動脈CT:CTCAの現在地】 質問です。皆さんはどんな目的でCTCAをオーダーされますか? 「その胸痛から虚血を否定したい」「冠動脈狭窄を確かめたい」「冠動脈疾患のリスク;冠動脈カルシウムスコア(CCS)が知りたい」「プラークの不安定化を知りたい」「薬剤の効果;プラーク安定化を知りたい」。あるいはもっと高度に「FFR-CTや心筋灌流CTで冠動脈病変の機能性評価をしたい」でしょうか? さらにもう1つ。CTCAの結果、狭窄度が50%以下だったら、その患者さんには今後どのように対処されますか? CTCAは装置がどんどん多列化し解析プログラムも多様化し、その診断精度は向上、臨床応用の範囲は広がり患者さんにも優しい検査へと日進月歩で進化しています。しかし、評価対象の中心が冠動脈の内腔(狭窄度)あるいはプラークであることに変わりはありません。また「中等度リスクを有する症候性症例、あるいは急性冠症候群(ACS)を疑う胸痛についてはECG/enzyme変動のない低~中等度リスクの症例」を適応とする現行のガイドラインがCTCAに期待しているのは、高度狭窄性病変の有無を判定し“今”を切り取ることでしょう。【CTCAでの予後予測は?】 冠動脈病変を有する患者の予後を左右するのは、言うまでもなくACSの発症です。そして命運を決するのは狭窄度ではなくプラークの性状(質)だということもわかってきています。最近はCTCAから得られたプラークで“将来”を予測できるか、という検証結果が集積されつつあります。メタ解析では微小石灰化・低吸収プラーク・陽性リモデリング・ナプキンリングサインで定義されるhigh risk plaque(=不安定プラーク)とACS発症との強い関連が示されました。【CRISP CT studyの描く新機軸】 一方20年も前から、(冠)動脈硬化は炎症性疾患であり、その炎症がACSの引き金となるプラーク破綻を惹起する、と指摘されています。つまりCTCAで検証されている不安定プラークは現在進行中の炎症の「結果」を見ていることになります。これまで炎症のbiomarkerとして高感度CRPや一部のサイトカインが報告されていますが、冠動脈硬化に特異的ではなく、ましてや炎症の局在などわかるはずもありません。 では、その炎症が可視化・定量化できるとしたらどうでしょう。 本研究ではin vitro・ex vivo・in vivoで実証された「血管の炎症が周囲のpreadipocyteの分化・成熟を抑制し、adipocyteの脂肪含有量を減少させる」という事実から、これまで見向きもされなかった冠動脈の外側に着目したのです。通常のプロトコルで撮像されたCTCAを用いて主要冠動脈近位部でのfat attenuation index(FAI)を算出し、炎症のサロゲートマーカーとしました。 3枝間のFAI相関が良好だったため右冠動脈のFAIを中心に解析、4.5~6年間の予後(総死亡・心臓死)との関連が証明されただけでなく、FAIはさらに、古典的冠危険因子・高感度CRP・冠動脈石灰化・high risk plaqueなどとは独立した予後予測因子でした。【CRISP CT studyの歯応え】 ACSの半数は狭窄度50%以下の「病変」から発症すると言われており、したがって冠動脈造影やCTCAでの狭窄度評価からその発症予測は困難です。50%以上の狭窄性病変の有無にかかわらずFAI陽性(cut off値≧-70.1HU)例で心臓死に高いハザード比を示した本試験は、図らずしもそれを裏付けました。たとえ有意な冠動脈病変がなくてもaggressive preventionが必要な症例があり、imaging biomarkerとしてのFAIはその層別化に有用な可能性があります。 本試験は炎症局所でのイベント発生を予測するものではありません。むしろ、3枝のFAIが良好に相関していた事から考えれば、冠疾患症例は冠動脈全体に炎症(pan-vasculitis)が生じうるvulnerable patientとして捉えるべきなのかもしれません。 もちろん、今後の検証が必要な課題もあります。 たとえば、炎症の強い局所でイベントが起こりやすいのかどうか、それを予測できるのかどうか。 あるいは薬剤の介入がどう反映されるのか。折しもPCSK-9阻害薬や抗IL-1βモノクローナル抗体など強力かつ高価な抗動脈硬化薬が登場し、residual riskをどうコントロールするかに注目が集まっています。imaging biomarkerがこうした薬剤の効果判定、on-offのタイミングの見極めに役立つかもしれません。 さらに日常臨床をそのまま当てはめた本研究の解析対象は、50%狭窄以上が14~15%、観察期間内の心臓死が1~2%と結果的にはリスクの高くない症例群でした。これがガイドラインに下支えされたCTCAの現状かもしれませんが、もっとリスクの高い症例、あるいは無症候性の1次予防群だったらどうなのでしょうか? 今後の研究が待たれます。 これまでimaging biomarkerの代表格はcoronary calcium score(CCS)でしたが、残念ながらこれはirreversibleな指標です。おそらくreversibleと考えられるFAIを使ったプロジェクトが順調に進んでいけば、いつかガイドラインが変更される日が来るかもしれません。

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第7回 勘違いしていませんか?実は糖質の多い食品【実践型!食事指導スライド】

第7回 勘違いしていませんか?実は糖質の多い食品医療者向けワンポイント解説「炭水化物抜きダイエット」や「糖質オフ」といった考え方が広まったことで、糖質を控えようと考える患者さんが増えてきました。しかし、炭水化物や糖質について誤解されている方もまだまだ多くいます。炭水化物は、糖質と食物繊維を合わせたものであり、米飯、パン、麺類などの主食以外にも、芋類、果物類、根菜類をはじめとする野菜、調味料、嗜好品、嗜好飲料など多くのものに含まれる栄養素です。炭水化物や糖質を抜いたり控えたりすることに対していろいろな考え方がありますが、糖質量が過多になっている場合、その量を見直すことは必要です。そこで、今回は糖質の“質”ではなく“量”に注目して説明します。厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2015年版)』によると、炭水化物の摂取目標量は、必要摂取エネルギーの50〜65%とされています。1日のカロリーを1,600kcalと設定した場合、800kcal〜1,040kcalの炭水化物を摂取することが推奨され、単純にこれを糖質(4kcal/g)のみで算出すると糖質量は200〜260gとなります。また、『糖尿病食事療法のための食品交換表(第7版)』に基づき、1,600kcal 20単位、食事に占める炭水化物の割合を55%に設定した場合、炭水化物を多く含む食品を示す表1*では9単位が配分されます。これを1単位80kcalとして算出した場合は720kcalとなり、糖質のみで計算すると180g(720kcal÷4kcal/g)となります。ただし、炭水化物は食物繊維も合わせたものを指しますので、食物繊維を考慮すると、糖質量はこれより減らして考える必要があります。「炭水化物量、糖質量を見直しましょう」というお話をすると、多くの方は、炭水化物=米飯、パン、麺類などと捉え、主食を抜くことを意識するのですが、実際の糖質過多の原因は他の食材であることが多いのです。今回は、ごはん一膳に含まれる糖質量と『大丈夫と思いがちだけれど、実は糖質量の多い食材』を比較してみました。果物は果糖をはじめ、糖を多く含む食材です。そのため、甘みを感じる果物は、より糖質を多く含みます。また、トウモロコシや芋、レンコンも思いの外、糖質が多い食材です。野菜ジュースや100%フルーツジュースは、健康のために飲む方が多いですが、意外にも糖質量は多めです。甘くないから大丈夫と思われるせんべい類やヘルシーと言われる春雨スープ、冬の時期に出回るおでんなどに入る練り物なども糖質を多く含む食材です。日常の食生活の中で「主食を必要量より減らそう」とするよりも、まずは、このように糖質が多く含まれ、何気なく食べてしまっている食材を意識しましょう。糖質量の改善につながるだけでなく、主食を減らす負担なども軽減できるため、食事の満足度にもつながっていきます。*:炭水化物のうち、でんぷんを多く含む食品であり、たんぱく質も少し含む。穀物、いも類やその加工食品、かぼちゃなどの野菜、栗や銀杏などの種実類、大豆以外の豆類を含む。1)日本糖尿病学会編・著.糖尿病食事療法のための食品交換表 改定第7版.日本糖尿病協会・文光堂;2013.p16-31.

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