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日本人高齢者の肺炎死亡リスク、歩行時間と関連

 わが国の前向き大規模コホート研究であるJapan Collaborative Cohort(JACC)研究から、高齢者における肺炎死亡リスクが、心血管疾患の既往の有無によらず、1日1時間以上の定期的なウォーキングによって低下する可能性が示唆された。Journal of Epidemiology誌オンライン版2018年9月22日号に掲載。 本研究の参加者は65~79歳の日本人2万2,280人(男性9,067人、女性1万3,213人)。逆傾向重み付け競合リスクモデルを用いて、肺炎死亡におけるハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値11.9年の間に1,203人が肺炎で死亡した。・心筋梗塞や脳卒中の既往がない参加者において、歩行時間が1日1時間以上の人は0.5時間の人よりも肺炎死亡リスクが低かった(HR:0.90、95%CI:0.82~0.98)。・心筋梗塞の既往のある参加者において、肺炎と歩行に上記と同様の逆相関がみられた(HR:0.66、95%CI:0.48~0.90)。・脳卒中の既往のある参加者において、歩行時間が1日0.6~0.9時間の人は0.5時間の人より肺炎死亡リスクが低かった(HR:0.65、95%CI:0.43~0.98)。

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アレクチニブ、ALK陽性肺がんCNS病変への効果(ALEX)/Ann Oncol

 アレクチニブによるALK陽性肺がん1次治療の第III相試験ALEXにおける、CNS病変の有効性の中間解析が、Annals of Oncology誌オンライン版2018年9月12日号で発表された。・対象:1次治療のALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)・試験薬:アレクチニブ600mg/日、2週ごと・対照薬:クリゾチニブ250mg/日、2週ごと・評価項目:無増悪生存期間(PFS)、CNS病変の奏効率(CNS ORR)、CNS病変の無増悪期間(CNS TTP) 主な結果は以下のとおり。・330例中122例がベースライン時にCNS病変(独立放射線審査委員会評価)を有しており、そのうち測定可能病変は43例。46例が放射線療法を受けていた。・ベースラインCNS病変あり患者のPFSは、アレクチニブ群で未達、クリゾチニブ群では7.4ヵ月(HR:0.40、p<0.0001)。CNS病変なし患者のPFSは、アレクチニブ群で未達、クリゾチニブ群では14.8ヵ月(HR:0.51、p<0.0024)であり、CNS病変の有無に関わらずアレクチニブ群で有意に改善していた。・CNS TTPは、ベースラインCNS病変なし患者においても(cause specific HR:0.18、p<0.0001)、CNS病変あり患者においても(cause specific HR:0.22、p<0.0001)と、クリゾチニブ群に比べアレクチニブ群で有意に長かった。・放射線療法を受けた患者のCNS ORRは、アレクチニブ群85.7%、クリゾチニブ群71.4%。受けていない患者のCNS ORRは、アレクチニブ群78.6%、クリゾチニブ群40.0%であった。 1次治療のALK陽性肺がんにおいて、クリゾチニブに比べ、アレクチニブはCNS病変に優れた有効性を示すと共に、CNS病変の進行を遅らせることが示された。

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心肺停止後の生存率は日本が10%前後、欧米は60~70%

 2018年9月18日、フィリップス・ジャパンは、都内において同社が推進する「Heart safe city構想」に関する記者発表会を行った。この構想は、心肺停止からの社会復帰率「世界一」を目指すもので、発表会では今後の計画と心肺蘇生に関するわが国の現状が解説された。心肺停止からの生存率、社会復帰率の低さの原因 はじめに同社代表取締役社長の堤 浩幸氏が、わが国の心停止の救命の現状と今回の「Heart safe city構想」について説明した。 わが国には自動体外式除細動器(以下「AED」と略す)が約60万台普及しているにもかかわらず、その使用率は約4.7%に過ぎず、年間約7万5,000人の命が突然死により失われている。そこで同社は、「Heart safe city構想」を掲げ、「心肺停止から社会復帰率“世界一”の実現を目指し、自治体との協働を行う」という。 わが国の心肺停止からの平均生存率は10%前後であるのに対し、欧米は60~70%と非常に高い。また、全国都道府県別の心肺停止からの生存率と社会復帰率では、地域格差もみられる。生存率、社会復帰率の低さの原因として、「初動対応の遅れ」「AED実施率の低さ」「救急需要の増加」の3点が挙げられ、「これらの課題の解決が急がれる」と同氏は語る。 具体的な今後の取り組みとしては、AEDの適正配置、継続可能な教育(人材育成として最初にAED操作をするファーストレスポンダーの育成)、行政・自治体との協働による体制作りにより、前述の課題解決に努めるという。 おわりに同氏は、「今後『Heart safe city構想』に賛同を示した自治体などと連携し、『救命の連鎖』『自助×共助×公助』のために継続的なサポートを行っていく」と抱負を語り、説明を終えた。心停止で10分経過すると救命はほぼ難しい つぎに田中 秀治氏(国士館大学 救急システム研究科 研究科長・教授)が「心肺蘇生に関する日本の実態について」をテーマに、わが国の心肺蘇生とその後の社会復帰について解説を行った。 心臓に起因する突然死を起こす患者像として50~70代の男性が多く、また、心停止の発生場所としては自宅(75%)が圧倒的な比率を占め、つぎに公共屋外(11%)、医療施設(9%)、公共屋内(4%)と続いていると説明した。 そして、心停止で倒れて3~5分以内にAEDが使用できれば70%近くの救命が可能だが、10分を経過すると低酸素脳症により救命はほぼ難しく、5分以内にAEDを使用できるかどうか、AED設置の施設内ではすぐ使える体制にあるかが重要だと指摘する。 また、救急車の出動要請から現場到着まで平均で8.6分(2017年総務省レポート)、そして患者への処置まで含めると13.6分程度の時間がかかるとの報告もあり、現場の市民による心肺蘇生、AEDの使用が大切だと繰り返し語った。具体例として、2009年の東京マラソン中に急性心筋梗塞で倒れたコメディアンの松村 邦洋氏を挙げ、「約7分の胸骨圧迫後にAEDを使用し、心拍が再開した。現在、後遺症もなく、AEDの早期使用は有用であることを示す一例だった」と説明した。 しかしながら、市民の側にこうした応急処置を躊躇させる理由があると指摘。(1)応急手当の方法がわからない、(2)処置後の法的責任に不安があるとなどの理由を挙げた。(1)については、AEDを扱える人を講習会などの開催で今後増やすことで、ファ-ストレスポンダ-の育成とAEDの普及を目指すと同時にAEDの設置場所についてもわかりやすく明示されるように工夫をしていくという。また、(2)については、救命処置に対しわが国では、「刑法第37条【緊急避難】と民法第698条【緊急事務管理】で刑事・民事ともに結果への責任が免責されているが、一般的に知られていないのが問題。この不安感解消に向けても啓発を行っていきたい」と語り、講演を終えた。

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ブドウ球菌性菌血症、アルゴリズム治療vs.通常ケア/JAMA

 ブドウ球菌性菌血症患者において、検査と治療をガイドするアルゴリズムを使用した臨床的成功率は、通常ケアの場合と比較して非劣性であることが、米国・デューク大学医療センターのThomas L. Holland氏らによる無作為化試験の結果、示された。しかし、重大有害事象の発現頻度に有意な差は認められなかったものの、信頼区間値が広域であることから結果についての解釈は限定的であった。ブドウ球菌性菌血症に対する抗菌薬の適切な投与期間は不明である。著者は今回の結果を踏まえて、「さらなる検討を行い、アルゴリズムの有用性を評価する必要がある」と述べている。JAMA誌2018年9月25日号掲載の報告。アルゴリズムベース治療の安全性、有効性を検証 研究グループは、ブドウ球菌性菌血症の治療期間を定義するアルゴリズムが、重大有害事象の増大なしに、通常ケアと比較して有効性について非劣性であるかを検証する無作為化試験を行った。2011年4月~2017年3月に、米国(15施設)およびスペイン(1施設)の計16の大学医療センターで、ブドウ球菌性菌血症の成人患者を登録。黄色ブドウ球菌またはコアグラーゼ陰性ブドウ球菌について血液培養陽性が1つ以上認められた18歳以上の患者を適格とした。無作為化時点で、複雑性感染が既知または疑われた患者は除外した。 被験者は、アルゴリズムベース治療群(255例)または通常ケア群(254例)に無作為に割り付けられた。アルゴリズム群は事前に診断評価、抗菌薬の選択、治療期間が定められていたが、通常ケア群は患者をケアする臨床医の裁量で抗菌薬、投与期間、その他の臨床的ケアを選択できた。 フォローアップは、黄色ブドウ球菌菌血症患者については治療終了後42日間、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌菌血症患者は同28日間であった。 主要評価項目は2つで、(1)臨床的成功率(盲検化された判定委員会が確認し、非劣性マージンは15%)、(2)intention-to-treat集団において優越性を検証した重大有害事象の発現頻度。事前に規定した副次評価項目は、優越性を検証した、per-protocol患者集団(単純または非複雑性菌血症)における抗菌薬投与期間とした。臨床的成功率、アルゴリズム群82.0%、通常ケア群81.5% 509例(平均年齢56.6歳[SD 16.8]、女性226例[44.4%])のうち、480例(94.3%)が試験を完了した。 臨床的成功率は、アルゴリズム群82.0%(209/255例)、通常ケア群81.5%(207/254例)であった(両群差:0.5%[97.5%片側信頼区間[CI]:-6.2~∞])。 重大有害事象の発現頻度は、アルゴリズム群で32.5%、通常ケア群で28.3%であった(両群差:4.2%[95%CI:-3.8~12.2])。 per-protocol患者集団において、平均治療期間はアルゴリズム群4.4日、通常ケア群6.2日であった(両群差:-1.8日[95%CI:-3.1~-0.6])。

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大腿膝窩動脈PAD、Eluvia vs.Zilver PTXステント/Lancet

 大腿膝窩動脈の末梢動脈疾患(PAD)のステント治療について、ポリマー被覆・パクリタキセル溶出ステント(Eluvia)は、非ポリマー・パクリタキセル被覆ステント(Zilver PTX)に対し、12ヵ月時点の1次開存率および主要有害事象に関して非劣性であることが確認された。米国・Lankenau Heart InstituteのWilliam A. Gray氏らによる「IMPERIAL試験」の結果で、これまで大腿膝窩動脈部位の薬剤溶出ステントの臨床的有効性について、最新デバイスの比較は行われていなかった。Lancet誌オンライン版2018年9月24日号掲載の報告。EluviaステントとZilver PTXステントの安全性と有効性を7ヵ国65施設で比較 IMPERIAL試験は、大腿膝窩動脈部位病変の治療について、EluviaステントとZilver PTXステントの安全性と有効性の比較を試みた単盲検無作為化非劣性試験。オーストリア、ベルギー、カナダ、ドイツ、日本、ニュージーランド、米国の65施設で、間欠性跛行(Rutherford分類2、3または4)を認める症候性の下肢虚血を有し、未治療の浅大腿動脈または近位膝窩動脈のアテローム硬化症病変がある患者を登録した。 患者は、地域特異的ウェブベースの無作為化スケジュールを用いて、EluviaステントまたはZilver PTXステントを受けるよう、2対1の割合で無作為に割り付けられた。全患者、各地域の関係者および研究者は、全患者が12ヵ月のフォローアップを完了するまで、治療割り付けをマスキングされた。 主要有効性評価項目は、1次開存(最大収縮期速度比[SVR]≦2.4、臨床的な標的病変血行再建術または標的病変バイパス術がないことと定義)の患者割合として、主要安全性評価項目は、主要有害事象(1ヵ月間の全死因死亡、12ヵ月間の標的下肢の切断、12ヵ月間の標的病変血行再建術など)の発現頻度とした。 非劣性マージンは、12ヵ月時点で-10%。主要非劣性解析は、十分な統計的検出率に必要とされる最小限のサンプルサイズが12ヵ月のフォローアップを完了した時点で行われた。主要安全性非劣性解析は、12ヵ月のフォローアップを完了した全患者を包含して、または12ヵ月間の主要有害事象を有した全患者を包含して行われた。EluviaステントはZilver PTXステントに対して有効性も安全性も非劣性 2015年12月2日~2017年2月15日に、465例の患者がEluviaステント群(309例)またはZilver PTXステント群(156例)に無作為に割り付けられた。 非劣性は、12ヵ月時点で有効性および安全性のエンドポイントの両者について示された。1次開存率は、Eluviaステント群86.8%(231/266例)、Zilver PTXステント群81.5%(106/130例)であった(両群差:5.3%[95%信頼下限:-0.66]、p<0.0001)。 12ヵ月時点で主要有害事象の回避率は、Eluviaステント群94.9%(259/273例)、Zilver PTXステント群91.0%(121/133例)であった(両群差:3.9%[95%信頼下限:-0.46]、p<0.0001)。 死亡例は、両群ともに報告されなかった。標的下肢の切断はEluviaステント群1例で、標的病変血行再建術が必要とされたのは各群13例ずつであった。〔11月6日 記事の一部を修正いたしました〕

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男性の飲酒とうつ病との関係

 一般集団における男性のうつ病と飲酒の縦断的な相互関係について、韓国・中央大学校のSoo Bi Lee氏らが、調査を行った。Alcohol and alcoholism誌2018年9月1日号の報告。 対象は、2011~14年のKorean Welfare Panelより抽出した20~65歳の成人男性2,511例。アルコール使用障害特定テスト韓国版(AUDIT-K)スコアに基づき、対照群2,191例(AUDIT-K:12点未満)、飲酒問題群320例(AUDIT-K:12点以上)に分類した。時間経過とともに連続測定された飲酒問題とうつ病との相互関係を調査するため、自己回帰的なcross-laggedモデル分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・飲酒とうつ病との関係は、時間経過とともに安定していた。・対照群では、飲酒問題とうつ病との間に有意な因果関係は認められなかったが、飲酒問題群では、前年の飲酒が2、3、4年後のうつ病に有意な影響を及ぼしていた。 著者らは「飲酒問題群では、対照群と比較し、うつ病と飲酒の4年間に及ぶ相互の因果関係が認められた。通常の飲酒では、縦断的なうつ病と飲酒との相互関係は認められなかったが、飲酒問題群では、飲酒は時間経過とともにうつ病を増強させた。飲酒問題はうつ病発症のリスク因子であり、一般集団におけるアルコール使用の問題や抑うつ症状を有する患者のアルコール使用歴には、より注意すべきである」としている。■関連記事うつ病とアルコールとの関係:2014年英国調査よりアルコール以外の飲料摂取とうつ病リスクアルコール摂取量削減のためのサービングサイズ変更効果

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第6回 パーセンタイルと四分位範囲【統計のそこが知りたい!】

第6回 パーセンタイルと四分位範囲第1回で、エラーバー(error bar)はデータの誤差(エラー)の程度を表すためのもので、±標準偏差、±標準誤差(SE)、パーセンタイル(percentile)、95%信頼区間(confidence interval:CI)などが使い分けられていると説明しました。いままでに標準偏差、標準誤差(SE)、CIについて述べてきましたので、今回は、「パーセンタイル(percentile)」について解説します。■どのような場合にパーセンタイルでエラーバーを用いるのかエラーバーは短い方が見栄えがよいので、標準誤差(SE)を用いるということもあるようですが、そうではありません。得られたデータのバラツキを示す場合は標準偏差を、平均などの推定値のバラツキを示す場合は標準誤差(SE)を、そして、平均などの信頼性を示す場合はCIを用います。しかし、尿中アルブミン量や総コレステロール値など臨床検査データの中には、ずば抜けて高い値(外れ値)を示す場合があります。このように外れ値があるデータは、正規分布の当てはまりが悪いので、平均値±標準偏差や平均値±標準誤差(SE)ではなく、25%点から75%点までの範囲(四分位範囲)で示します。25%点(第1四分位点)や75%点(第3四分位点)とは「パーセンタイル」のことです。50%点は中央値となります。■パーセンタイルとはパーセンタイル(M)とは、小さい方から数えてM%に位置するデータのことです。パーセンタイル50%の値、つまり中央値はよく知られているようにデータを昇順(あるいは降順)に並べたとき、真ん中に位置するデータを示します。ある臨床検査値が9個(奇数個)であった場合は、5番目のデータが、パーセンタイル50%の値、つまり中央値となります。・中央値はどこか、25%値はどこか中央値は昇順データの真ん中です。真ん中とは1/2 ⇒ 50% ⇒ 0.5表1の中央値を計算式で求める方法真ん中は何番目か(データ数+1)×0.5(9個+1)×0.5=10×0.5=5番目5番目の値26が中央値となります。表1 データが奇数個の中央値では、表2にある臨床検査値が10個(偶数個)あった場合のパーセンタイル50%の値(中央値)を同様に計算式で求めてみましょう。真ん中は何番目か(データ数+1)×0.5(10個+1)×0.5=11×0.5=5.5番目5.5番目の値、つまり5番目の26と6番目の28の平均値27が中央値となります。表2 データが偶数個の中央値続けて、パーセンタイル25%の値(第1四分位点)を表3にて同様に計算式で求めてみましょう。パーセンタイル25%の値25% ⇒ 0.2525%は何番目か(データ数+1)×0.25(10個+1)×0.25=11×0.25=2.75番目2番目のデータは 223番目のデータは 242.75番目のデータは22と24の間にあると考えます。端数順位は 0.752番目データ+差分×端数順位=22+2×0.75=23.5ということで、パーセンタイル25%の値(第1四分位点)は23.5ということになります。同様の計算式でパーセンタイル75%の値(第3四分位点)は33.5となりました。表3 パーセンタイル25%の求め方■四分位範囲四分位範囲は「第3四分位点」-「第1四分位点」の値となります。図1のデータAとBの四分位範囲をみてみると、データAのほうがBよりも四分位範囲が広いことがわかります。四分位範囲は、データのバラツキを示す尺度となり、標準偏差同様、値が大きいほどバラツキが大きいということになります。図1 2つのデータの四分位範囲の比較画像を拡大する■箱ひげ図の例いままでご説明してきたように外れ値があるデータの場合、そのデータのバラツキを表すために、最大値、75%点(第3四分位点)、50%点(中央値)、25%点(第1四分位点)、最小値を「箱」と「ひげ」で表した、図2のような「箱ひげ図」がよく用いられます。とくに「ひげ」の上下は最大値、最小値なのかパーセンタイル90%点、10%点なのかは論文の記載をよく確認するようにしてください。図2 箱ひげ図の読み方■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第3回 理解しておきたい検定セクション2 量的データは平均値と中央値を計算せよセクション3 データのバラツキを調べる標準偏差

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処方箋なしで医療用医薬品を販売していい場合とダメな場合【赤羽根弁護士の「薬剤師的に気になった法律問題」】第6回

先日、薬局において処方箋に基づかず処方箋医薬品を販売したことなどを理由に、埼玉県が当該薬局開設者に業務停止命令(薬局業務停止4日間)の処分を行いました。処分理由は以下のとおりです。(1)当該薬局は、平成30年1月5日から同月22日までの14日間、医師から処方箋の交付を受けていない患者176名に対し、処方箋医薬品である高血圧症治療薬等129品目を販売した。(医薬品医療機器等法第49条第1項違反)(2)当該薬局は、平成30年1月5日から同月20日までの13日間、医師から向精神薬処方箋の交付を受けていない患者29名に対し、向精神薬である睡眠導入剤等18品目を販売した。(麻薬及び向精神薬取締法第50条の16第4項違反)(3)当該薬局は、平成30年1月5日から同月22日までの14日間、患者111名に対し、医薬品医療機器等法施行規則第205条で定められた文書の交付を受けずに劇薬である高血圧症治療薬等37品目を販売した。(医薬品医療機器等法第46条第1項違反)※県政ニュース(報道発表資料)2018年9月「薬局開設者に対する行政処分(業務停止)について1)」より引用このうち(1)が、今回のテーマである処方箋医薬品を処方箋なしで販売したという処分理由になります。処方箋医薬品については、以下のとおりの規定があり、原則処方箋がなければ販売することができません。(処方箋医薬品の販売)第49条 薬局開設者又は医薬品の販売業者は、医師、歯科医師又は獣医師から処方箋の交付を受けた者以外の者に対して、正当な理由なく、厚生労働大臣の指定する医薬品を販売し、又は授与してはならない。ただし、薬剤師等に販売し、又は授与するときは、この限りでない。なお、ここで処方箋に基づかず販売できる「正当な理由」は、「薬局医薬品の取扱いについて2)」(薬食発0318第4号 平成26年3月18日厚生労働省医薬食品局長)において、大規模災害時などが示されています。処方箋医薬品以外の医療用医薬品は薬局で販売していい?さて、本件は、処方箋医薬品を処方箋なしに販売した事案ですが、薬局で扱う医療用医薬品のなかには、処方箋医薬品以外の医療用医薬品もあることはご存じのとおりです。このような処方箋医薬品以外の医療用医薬品においても、薬局では通常、処方箋に基づいて調剤していると思いますが、処方箋医薬品でないということは、処方箋がなくてもルールに従えば薬局で販売することが可能ということです。とは言っても、実際は、処方箋医薬品以外の医療用医薬品を積極的に販売している薬局は少ないのではないでしょうか。これは、「薬局医薬品の取扱いについて」において、「処方箋医薬品以外の医療用医薬品(薬局製造販売医薬品以外の薬局医薬品をいう。以下同じ。)についても、処方箋医薬品と同様に、医療用医薬品として医師、薬剤師等によって使用されることを目的として供給されるものである」と示されたうえで、原則として、処方箋医薬品と同様に「正当な事由」が認められる場合に販売すべきとされているからと思われます。このような通知があるためか、積極的な販売を行っている薬局は少ないようです。また、仮に販売する場合であっても、同通知においては、「一般用医薬品の販売による対応を考慮したにもかかわらず、やむを得ず販売を行わざるを得ない場合などにおいては、必要な受診勧奨を行った上で、第3の事項を遵守するほか、販売された処方箋医薬品以外の医療用医薬品と医療機関において処方された薬剤等との相互作用・重複投薬を防止するため、患者の薬歴管理を実施するよう努めなければならない」とされており、さらに、原則、使用者本人にしか販売ができません。もっとも、最近は積極的に販売を行っている薬局もあるようですが、販売数量の限定など同通知の留意事項(第3の事項)を遵守することとされており、その他の規制3)も含めて遵守する必要があるので注意が必要です。処方箋がなくても販売できる条件を知っておく処方箋医薬品と処方箋医薬品以外の医療用医薬品は、薬局においては、原則的に処方箋に基づくものとして同一に扱っていることが多いかもしれませんが、上記のとおり法的な規制は異なっています。処方箋医薬品は例外以外では処方箋がなければ販売できませんが、処方箋医薬品以外の医療用医薬品は、積極的に販売しないとしても、一般用医薬品の販売による対応ができない場合には、状況によって販売する必要性がある場合もあると思いますので、販売にかかるルールを知っておく必要があるでしょう。なお、参考として、古い判例ですが、「電話に依る医師の虞(処)方と雖(いえども)急速を要する場合に於て過誤を避くる為必要にして且十分なる注意に依り確実性を保障するに必要なる条件を具備するときは之を処方箋と同一視するを妨げず※」(昭和6年12月21日大審院判決 大審院刑事判例集10巻803頁)と判断していることは、電話においても処方箋と同一視できる可能性を示しており興味深いです。※原文に括弧書きで一部補足いたしました。ちなみに、この事案が判明した経緯は、通報によるもののようです。コンプライアンスが重要視される世の中ですから、日頃から法令遵守の意識を強く持っておくことの重要性を改めて認識しておきたいですね。参考資料1)埼玉県公式ホームページ 県政ニュース(報道発表資料)2018年9月「薬局開設者に対する行政処分(業務停止)について」2)厚生労働省医薬食品局長 薬局医薬品の取扱いについて3)厚生労働省医薬食品局長 薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律等の施行等について

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第8回 医療機関ゼロの町で地域医療を拓く沖縄の友【週刊・川添ラヂオ】

動画解説川添ラヂオ初のゲストとして、沖縄県南城市でくはら薬局を開局する伊集智英先生が登場。戦後長く医療機関がなかった南城市知念地区にクリニックが誕生した2015年に、初の保険薬局として開局。「『一生みてほしい』と患者さんに言われると薬剤師冥利に尽きる」と話す伊集先生。薬局、薬剤師が地域で存在感を示すためには?川添先生が自身の経験と重ね合わせ、その奥義を伝授します。

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大地震から4年後における青年期のPTSD有病率

 2008年の四川大地震から4年以上経過した時点における青年期の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の有病率とその因子について、中国・四川大学のQiaolan Liu氏らが、調査を行った。Disaster medicine and public health preparedness誌オンライン版2018年9月12日号の報告。 大地震を経験した2校の中学校の青年1,125例を対象に3年間フォローアップを行った。53ヵ月後に精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-IV)および中国精神障害分類(CCMD-2-R)に基づく自己評価PTSD尺度をまとめ、決定因子データを収集した。決定因子の分析には、ロジスティック回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・PTSD有病率は、23.4%であった。・PTSDのリスク因子は、年上(オッズ比[OR]:1.52、95%信頼区間[CI]:1.20~1.92)、地震による家族の死亡または負傷(OR:1.61、95%CI:1.09~2.37)であった。・中等度から重度の一般的なメンタルヘルスの問題を有する青年は、PTDS症状を有する可能性が高かった(OR:3.98~17.67、すべてのp<0.05)。・ポジティブコーピングは、青年が年を重ねた際のPTSDの保護因子であったのに対し、自尊心は、年齢にかかわらずPTSDの保護因子であった。 著者らは「大地震を経験した青年のPTSD症状は、長期間持続するように思われる。この症状を緩和するためには、長期的な介入が必要である」としている。■関連記事東日本大震災、深刻な精神状態の現状:福島医大身体活動がPTSDに及ぼす影響震災と精神症状、求められる「レジリエンス」の改善

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ウニのトゲが刺さったら…【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第124回

ウニのトゲが刺さったら… いらすとやより使用 私は海産物を生で食べることができないので、おすし屋さんにはほとんど行きません。なので、大トロだとかウニだとか、食べたことも食べようとも思わないのです。「人生の半分くらい損してるよ!」とよく言われます。ほっといてくれ。 Haddad Junior V.Observation of initial clinical manifestations and repercussions from the treatment of 314 human injuries caused by black sea urchins (Echinometra lucunter) on the southeastern Brazilian coast.Rev Soc Bras Med Trop. 2012;45:390-392.さて、今日紹介する論文は、ウニ外傷の論文です。Echinometra属ってウニの学名なんですね、初めて知りました。ウニはトゲがありますよね。あれを踏んづけてしまったり、触ったりして、痛くなって病院を受診した314人についてまとめた報告です。それにしても、ウニ外傷を300人以上集めたこの著者って、一体何者…。著者の施設では、わずか2年間で314人のウニ外傷患者さんが来院したとのこと。なかなか漁業が盛んなエリアのようです。ほとんどの患者さんのウニのトゲが用手的に抜けたので、炎症や浮腫を起こした症例はわずか5%だったそうです。もう少しウニを触ったときの状況なんかを表でまとめてくれるとよかったのですが、論文を書く時間がなかったのか、ウニ外傷の臨床的特徴はあまりまとめられていませんでした。さて、ウニを踏んだらどうするか。一番重要なのは、トゲを抜くことです。ピンセットを用いて、皮膚から飛び出している部分を引き抜きます。トゲが途中で折れてしまうと、残ったトゲが肉芽腫をつくることがあるため注意してください。裏技として、脱毛ワックスを使うという方法もあります。トゲが刺さった部分に脱毛ワックスを塗って、乾いたらベリベリと剥がすのです。ワックスと一緒にトゲが抜けます。ちなみに、関節にウニのトゲが入ると関節炎1)を起こすことがあるので、とくに手を突き刺した場合には指や手の関節に及んでいないかチェックする必要があるそうです。1)Mahon N, et al. Hand Surg. 2014;19:261-264.

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禁煙のための電子タバコ、ニコチン依存症での役割

 電子タバコ(電子ニコチン送達システム:ENDS)は、若者の間で一般的なタバコ製品となりつつある。電子タバコには、有害物質の低減や禁煙に効果的であるとのエビデンスもあるが、議論の余地は残っている。電子タバコが、ニコチン依存者の喫煙の減少や禁煙に対してどのように寄与するかは、ほとんど知られていない。米国・ノースダコタ大学のArielle S. Selya氏らは、ニコチン依存症に対する電子タバコの有効性について検討を行った。Nicotine & Tobacco Research誌2018年9月4日号の報告。 若年成人(おおよそ19~23歳)コホートを4年にわたり調査した。電子タバコの使用と従来型タバコの喫煙頻度との関係、ニコチン依存度の違いがこの関係にどのような影響を及ぼすかについて、変数係数モデル(VCM)を用いて検討した。 主な結果は以下のとおり。・直近ではなく生涯にわたり、高レベルのニコチン依存者における電子タバコの使用は、従来型タバコを同時に喫煙する頻度の少なさと関連していた。・しかし、非依存的な電子タバコの使用者は、未使用者よりも、従来型タバコを喫煙する頻度がわずかに高かった。・電子タバコ使用者の約半数は、禁煙目的のために電子タバコを使用していた。・禁煙目的での電子タバコ使用者において、電子タバコの使用頻度は、将来の従来型タバコの喫煙頻度の減少と関連が認められなかった。 著者らは「電子タバコは、高度なニコチン依存を有する若年成人の喫煙者において、禁煙を補助する可能性がある。しかし、非依存者では逆の反応がみられており、非喫煙者の電子タバコ使用は、避けるべきであることが示唆された。また、多くの若者が、禁煙目的で電子タバコを使用していたが、電子タバコによる自発的な禁煙への取り組みは、将来の喫煙減少や禁煙と関連が認められなかった」としている。■関連記事世界61ヵ国のタバコ依存症治療ガイドラインの調査青年期の喫煙、電子タバコ使用開始とADHD症状との関連精神疾患発症と喫煙の関連性

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デュルバルマブ、切除不能StageIII NSCLCのOS改善(PACIFIC)/NEJM

 切除不能StageIII 非小細胞肺がん(NSCLC)の標準治療はプラチナ併用化学療法と放射線療法の同時治療である(化学放射線同時療法、以下CCRT)。多くの研究が行われてきたものの、生存アウトカムは改善せず、5年生存率はわずか15~30%である。一方、前臨床試験において、化学放射線療法が腫瘍細胞のPD-L1の発現を増加することが示され、化学放射線療法後のPD-L1阻害薬の可能性が期待されていた。 そのようななか、切除不能StageIII NSCLCを対象にした、抗PD-L1抗体デュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)によるCCRT維持療法を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験PACIFICが行われた。すでに1つ目の主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)が、昨年(2017年)発表され、デュルバルマブがPFSを有意に改善することが示された。今回2つ目の主要評価項目である全生存期間(OS)の有意な改善が、NEJM誌2018年9月25日号で発表された。・対象:化学放射線同時併用療法(CRT)後に進行していない切除不能StageIII NSCLC患者・試験薬:デュルバルマブ10mg/kg、2週ごと12ヵ月・対照薬:プラセボ、2週ごと12ヵ月・評価項目:[主要評価項目]盲検独立中央評価委員会判定によるPFS、OS[副次評価項目]死亡または遠隔転移までの時間、2回目の進行までに時間、安全性など 主な結果は以下のとおり。・713例が登録され、709例が介入試験の対象となった。そのうち、デュルバルマブ群に473例、プラセボ群に236例が割り付けられた。・追跡期間の中央値は25.2ヵ月(0.2~43.1)であった。・OS中央値は、デュルバルマブ群は未達、プラセボ群は28.7ヵ月と、デュルバルマブ群で有意に改善した(HR:0.68、99.73%CI:0.47~0.997、p=0.0025)。・24ヵ月OS率はデュルバルマブ群66.3%、プラセボ群55.6%であった。・PFSはデュルバルマブ群17.2ヵ月、プラセボ群5.6ヵ月と、初回報告同様デュルバルマブ群で改善(HR:0.51、95%CI:0.41~0.63)していた。(初回報告のPFS:デュルバルマブ群16.8ヵ月、プラセボ群5.6ヵ月)・副次評価項目である死亡または遠隔転移までの時間(TTDM)はデュルバルマブ群28.3ヵ月、プラセボ群16.2ヵ月とデュルバルマブ群で長かった(HR:0.53、95%CI:0.41~0.68)。・Grade3~4の有害事象はデュルバルマブ群の30.5%、プラセボ群の26.1%で発現した。治療中止に至った有害事象で最も頻度が高かったのは肺臓炎で、デュルバルマブ群では4.8%、プラセボ群では2.6%であった。 デュルバルマブはプラセボと比較し、有意に切除不能StageIII NSCLC 患者のOSを延長した。 なお、この試験結果は、同時に第19回世界肺学会(WCLC2018)で発表された。■参考PACIFIC試験(N Engl J Med. 2017)PACIFIC試験(Clinical Trials.gov)■関連記事デュルバルマブ、StageIII 肺がんCCRT患者のOSを改善/WCLC2018durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017

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健康高齢者への低用量アスピリン、無障害生存期間を延長せず/NEJM

 健康な高齢者に対する低用量アスピリン投与は、プラセボ投与と比較して、無障害生存期間を延長することはなく、大出血の頻度を増加することが示された。オーストラリア・モナシュ大学のJohn J. McNeil氏らが、米国およびオーストラリアの計50施設にて約2万例を対象に実施した無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「ASPREE試験」の結果を報告した。本試験は、主要評価項目に関してアスピリンの使用継続が有益ではないことが認められたため、追跡期間中央値4.7年で早期終了となっている。アスピリンの医学的適応がない高齢者において、低用量アスピリンの使用が増加しているが、健康な高齢者の健康寿命を延ばすためのアスピリン使用に関する情報は限定的であった。NEJM誌オンライン版2018年9月16日号掲載の報告。健康な高齢者約2万例を対象に検討 研究グループは、2010年3月~2014年12月の期間に、心血管疾患、認知症、身体障害のない70歳以上(米国のアフリカ系とヒスパニック系は65歳以上)の地域住民を登録し、アスピリン群(アスピリン腸溶錠1日100mg)またはプラセボ群に無作為に割り付けた。 主要評価項目は、死亡・認知症・持続的身体障害(6ヵ月以上持続するADL障害)の複合エンドポイント。副次評価項目は、主要評価項目の各構成要素(全死因死亡、認知症、持続的身体障害)ならびに大出血(臨床的に明らかな出血と出血性脳卒中)などであった。intention-to-treat集団にてCox比例ハザードモデルを用いて解析した。 計1万9,114例が登録され(アスピリン群9,525例、プラセボ群9,589例)、参加者の背景は年齢中央値74歳、56.4%が女性、非白人が8.7%、アスピリン定期使用歴ありが11.0%であった。アスピリン群で無障害生存期間は延長せず、大出血リスクは増加 死亡・認知症・持続的身体障害の複合エンドポイントのイベント発生頻度は、アスピリン群21.5件/1,000人年、プラセボ群21.2件/1,000人年であった(ハザード比[HR]:1.01、95%信頼区間[CI]:0.92~1.11、p=0.79)。割り付けられた治療法の順守率は、試験参加最終年において、アスピリン群62.1%、プラセボ群64.1%であった。 全死因死亡の発生頻度は、アスピリン群12.7件/1,000人年、プラセボ群11.1件/1,000人年であり、そのほかの副次評価項目である認知症ならびに持続的身体障害についても、アスピリン群とプラセボ群に有意な群間差は認められなかった。一方、大出血の発現頻度は、アスピリン群3.8%、プラセボ群2.8%であり、アスピリン群が有意に高率であった(HR:1.38、95%CI:1.18~1.62、p<0.001)。

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中等症~重症の二次性MRに経皮的僧帽弁修復術は有効か/NEJM

 ガイドラインに基づく最大用量の薬物療法を受けているにもかかわらず症状が持続している中等症~重症の二次性僧帽弁閉鎖不全症(MR)の心不全患者において、薬物療法単独と比較し薬物療法+経皮的僧帽弁修復術を行った患者では、24ヵ月以内の心不全による入院率と全死因死亡率が低下し、デバイス関連合併症の発生率も低いことが認められた。米国・コロンビア大学のGregg W. Stone氏らが、MitraClip(Abbott Vascular)を用いた経皮的僧帽弁修復術の安全性と有効性を検証した多施設共同無作為化非盲検比較試験「COAPT」の結果を報告した。左室機能不全に起因するMRを伴う心不全患者の予後は不良であり、経皮的僧帽弁修復術はこうした心不全患者の臨床転帰を改善する可能性があった。NEJM誌オンライン版2018年9月23日号掲載の報告。約600例において24ヵ月以内の心不全による入院を評価 研究グループは、2012年12月27日~2017年6月23日の期間に、米国とカナダの78施設で、ガイドラインで推奨される最大用量の薬物療法を受けているにもかかわらず症状が持続している中等症~重症(Grade3+)または重症(Grade4+)の二次性MRの心不全患者614例を登録し、経皮的僧帽弁修復術+薬物療法(介入)群(302例)、または薬物療法単独(対照)群(312例)のいずれかに無作為に割り付けた。 主要有効性評価項目は、24ヵ月以内の心不全による入院とした。主要安全性評価項目は、12ヵ月時点でのデバイス関連合併症の無発生率とし、事前に定義した達成目標88.0%と比較した。有効性についてはintention-to-treat解析を実施した。介入群で入院率および死亡率が有意に低下 患者背景は、平均年齢(±SD)72.2±11.2歳、36.0%が女性で、69.2%は手術関連合併症または死亡の高リスクと判定された。 主要評価項目である24ヵ月以内の心不全による入院は、年率で介入群35.8%/人年、対照群は67.9%/人年であった(ハザード比[HR]:0.53、95%信頼区間[CI]:0.40~0.70、p<0.001)。また、12ヵ月時点でのデバイス関連合併症の無発生率は96.6%であった(95%下側信頼限界:94.8%、達成目標のp<0.001)。24ヵ月以内の全死因死亡率は、介入群29.1%、対照群46.1%であった(HR:0.62、95%CI:0.46~0.82、p<0.001)。 著者は研究の限界として、機器の特性上、盲検化が困難であること、機器の安全性や有効性を完全に明らかにするためには5年以上の長期追跡が必要であることなどを挙げている。

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異世界に飛ばされた?【Dr. 中島の 新・徒然草】(241)

二百四十一の段 異世界に飛ばされた?小説界の一大ジャンルとして「異世界もの」というのがあります。私も1つだけオーディオブックで聴きました。タイトルは「無職転生-異世界行ったら本気だす-」というものです。中身はタイトルの通りで、34歳のニート青年が自宅にひきこもってオンラインゲームをしながら無為に過ごしていたところ、たまたま交通事故に逢い、異世界に飛ばされてしまったのです。ここでいう異世界というのは魔法が支配する中世ヨーロッパです。前世では自分の不甲斐なさを他人のせいにして全く努力しなかった反省のもと、異世界では一生懸命努力して高度な魔法を習得し、またオンラインゲームで得た知恵でうまく世渡りして美女にモテモテ、というまことに都合のよいストーリーで、まるで実際のニートの頭の中にある願望をそのまま文章にしたような話でした。とはいえ、もし異世界に飛ばされて人生をやり直すなら、もっと真面目に努力しよう、うまく行かなくても他人のせいにするのはやめよう、などと思うのは誰の頭の中にも少しはある事ではないでしょうか。少なくとも私の頭の中にはあります。さて、何でまた急に異世界の話などを始めたのか? 実は外来診療中に異世界に行き損ねた患者さんの話を聞いたからです。この患者さんは20代の男性。システムエンジニアとして会社で働いているそうです。ある日のこと、路上で頭から血を流して路上に倒れているところを通行人に発見され、当院に搬入されました。そばに看板が落ちていたことから、おそらくは台風に飛ばされた看板に頭を直撃されたのではないか、と担当医たちは推測しました。中島「風で飛んできた看板が頭にぶつかったって、それ、漫画の一場面みたいな話ですね」患者「全くその通りです。でも、全然覚えていないんですよ」中島「その日の事をですか?」患者「そうなんです。この前の台風の日でした」この前の台風というのは、24号(チャーミー)ではなく、21号(チェービー)の方です。患者「後で台風の映像を見てもさっぱり覚えていません。こんな強風の日に外を出歩く奴もいるのか、と思ったくらいです。コンビニにでも行ったのかなあ?」中島「あの時は外で怪我した人が何人か担ぎ込まれていましたからね」患者「前日の事までは、はっきり覚えているんですけど、当日の事は完全に記憶から抜けていますね」これは頭を打った人によくある事で、頭を打った瞬間より少し前の記憶が抜けてしまう逆向性健忘と、意識が回復してからしばらく先の記憶まで抜けてしまう前向性健忘の両方があったのでしょう。患者「それに、入院中の最初の2~3日も記憶が曖昧なんです」中島「気がついたら病院のベッドの上だったわけですね」患者「ええ」中島「ひょっとしたら異世界に飛ばされたんじゃないかとか、そう思いませんでしたか?」患者「確かに異世界に来たんじゃないかと思いました」いやいやいや、そこは「えっ、異世界? 何のことでしょうか」って一旦は聞き返すべきでしょ。あまりにも自然な会話の流れに、私の方がちょっとビビリました。患者「でも面会に来た会社の同僚も両親も全く元と同じだったんで」中島「異世界じゃない、とちょっとばかりガッカリでしたか」患者「そうですね」この患者さんも多少の異世界願望があったのかもしれません。それはさておき、台風の日に外に出て看板にやられるようなことだけは避けましょう。台風24号に続いて、三連休には25号(コンレイ)がやって来るとか。読者の皆様、くれぐれもお気をつけ下さい。最後に1句台風で 頭やられて 異世界だ

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治療抵抗性統合失調症の初回エピソードに関する長期フォローアップコホート研究

 統合失調症患者の約3分の1は、最終的に治療抵抗性統合失調症(TRS)へ移行する。TRSに至るまでの時間経過は患者により異なるが、これらの変動に関する詳細は、明らかとなっていない。千葉大学の金原 信久氏らは、TRSへの移行に、分岐点が存在するかを判断するため、TRS患者と非TRS患者の初回エピソード精神病(FEP)のコントロール達成までに要した時間について比較を行った。BMC Psychiatry誌2018年9月3日号の報告。 対象は、統合失調症患者271例。臨床評価に基づき、TRS群(79例)または非TRS群(182例)に割り付けられた。初回入院期間や改善度などのFEP治療に関連する臨床的要因をレトロスペクティブに評価した。 主な結果は以下のとおり。・初回入院期間(治療開始から退院するまでの時間として定義)は、両群間で有意な差が認められなかった(TRS群:平均87.9日、非TRS群:平均53.3日)。・初回入院時の機能の全体的評価(Global Assessment of Functioning:GAF)スコアの改善度は、TRS群が非TRS群よりも有意に低かった(50点vs.61点)。・TRS群の約半数は、FEPの急性発症パターンを示し、入院期間も長かった(平均169日)。・入院を必要としなかったTRS群の残り半数は、明確な精神病エピソードがなく、入院することなく治療導入を行うような、潜行的な発症パターンを示した。 著者らは「TRSへ移行する患者は、FEP中の改善が困難な可能性がある。TRSへの移行パターンは、2種類あると考えられる。1つは、難治性の陽性症状およびFEPをコントロールするまでに長期間を要する場合。もう1つは、潜在的または潜行的な発症および初回治療に対し治療反応不良を示す場合」としている。■関連記事難治性統合失調症患者に対する治療戦略:千葉大治療抵抗性統合失調症へ進展する重要な要因とは:千葉県精神科医療C治療抵抗性統合失調症は予測可能か

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