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第11回 NST薬剤師キクリンの「薬より食事」なわけ【週刊・川添ラヂオ】

動画解説スタジオを飛び出した川添先生、今週から3週にわたって3人の薬剤師の友人と熊本のキャンプ場からお届けします。今回のゲストは大分県日出(ひじ)調剤薬局の菊池幸助先生。NST(栄養サポートチーム)専門療法士でもある菊池先生は、患者さんが薬よりもまずは食事をきちんと摂れるようにいう思いで仕事をしていると言います。ご自身の経験から気が付いた、ターミナル期における食事が持つ意味とは…?

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重症頭部外傷患者の長期予後の現状/脳神経外科学会

 重症頭部外傷患者においては、急性期からの回復後も、身体や精神に生じた重篤な後遺症に伴い、社会復帰や社会参加が困難となることが多い。通常、救命にかかわった者と経過観察を行う者が異なるため、患者の長期予後を完全に追跡できることは少ないと考えられる。 横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター/脳神経外科 濱田 幸一氏らは、重症頭部外傷症例の患者が円滑に社会参加できるための対策をたてることを目的に、これらの患者の長期予後についての観察研究を行い、その結果を日本脳神経外科学会 第77回学術総会で発表した。 研究は、同院の高度救命救急センター退院後、2017年12月31日までに5年以上経過観察し得た23症例を対象に、診療録を用い後ろ向きに行われた。調査項目は、対象患者の年齢、性別、後遺した障害の内容、外来診療継続理由(けいれん発作、高次脳機能障害、運動障害など)。高次脳機能障害は遂行機能障害、社会的行動障害、抑うつに分けて調査した。 主な結果は以下のとおり。  ・平均年齢36.0歳、追跡期間は3,056日であった。  ・後遺障害の内訳は、治療用器材挿入5例、身体機能障害7例、高次脳機能障害   14例、けいれん発作7例であった。  ・高次脳機能障害の内訳は、記銘力障害、遂行機能障害がともに14例で、記銘力   障害が遂行機能障害につながっている例が多くみられた。そのほか、注意障害   (12例)、社会的行動障害、易怒性(ともに11例)などが多くみられた。  ・診療中断例は2例であった。  ・転帰は、「完全復職」が10例、「作業所(に留まることなった)・   転校(が必要となった)」10例、「失業・退学(となった)」3例であった。 後遺症を伴う頭部外傷患者の適切なフォローには、作業所や学校、患者・患者家族の会、ケースワーカーなどの包括的なケアが重要だと考えられる。実臨床では、外来経過観察時における、けいれん発作の対応、挿入器材のメンテナンスなど脳外科医としての業務に留まらず、精神障害者手帳の作成、リハビリテーション施設への依頼、作業所・就学先との連携などを求められることもある。また、遂行機能障害ではリハビリテーション科の介入が、社会的行動障害では精神科の介入が必要となる。 今後は、重症頭部外傷患者の多彩な病態への個別対応が実現できるよう、多職種間連携を行い、地域包括ケアシステムとも連動させていく仕組みを構築し継続していく必要がある。

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治療抵抗性統合失調症に対する電気けいれん療法とクロザピンとの併用

 韓国・Dongguk University International HospitalのJung Hyun Kim氏らは、統合失調症患者に対するクロザピンと電気けいれん療法(ECT)との併用療法の有効性および忍容性について調査を行った。Psychiatry Investigation誌2018年8月号の報告。 電子カルテ(Electronic Medical Record)より、5年間のクロザピン治療を行った統合失調症患者を抽出した。精神症状に対する急性期ECTの臨床効果を調査した。また、ECTの維持療法を必要とする予測変数の同定も試みた。 主な結果は以下のとおり。・抽出された統合失調症患者の内訳は、クロザピンとECTの併用療法群14例、クロザピン単独療法群16例であった。・クロザピン治療抵抗性統合失調症患者に対するECT併用療法は、PANSS総スコアを19.0±9.9点減少させた。減少率は、18.5±8.3%であった。・PANSSスコア20%減少として定義された臨床的寛解は、42.9%で認められた。・サブスケール因子は有意な減少が認められ、なかでも陰性症状が最も減少していた。・維持ECTの有無について、患者間の人口統計的および臨床的情報に差異はなく、クロザピンを継続する場合には、すべての患者が維持 ECTを必要とすることはなかった。 著者らは「クロザピン治療抵抗性統合失調症患者に対するECT併用療法は、精神症状の迅速かつ十分な減少をもたらした。ECTの有効性および忍容性を改善するためには、さらなる研究が必要とされる」としている。■関連記事日本におけるクロザピン使用の安全性分析治療抵抗性統合失調症、ECT併用は有益か治療抵抗性統合失調症は、クロザピンに期待するしかないのか

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あの道端アンジェリカも、乾癬は自分だけと思い込む

 10月29日の世界乾癬デーは、乾癬に対する意識向上や症状で悩んでいる患者の治療アクセス改善、周囲の理解などを目指し、2004年の制定後から毎年世界中でイベントが開催されている。これに先駆け10月24日に、日本乾癬患者連合会、日本乾癬学会と製薬会社9社が共催でメディア・イベントを開催。第一部では乾癬患者への支援について、江藤 隆史氏(日本乾癬学会評議員/東京逓信病院皮膚科部長)と患者会の代表らがトークセッションを繰り広げた。第ニ部では乾癬患者の1人であるモデルの道端 アンジェリカさんが、乾癬患者さんにお薦めのファッションとメイクを紹介した。「乾癬≠感染」、響きが似ていることによる誤解 日本人の乾癬患者数は43万人と推定される。江藤氏は「諸外国の罹患率は高く、人口の3~4%が罹患し性差がないと言われているが、日本では男女比が2:1と報告されている。欧米では家族に乾癬がいる頻度が高いが、日本では家族歴がある例はあまり多くない。これらの理由については、まだ良くわかっていない」と欧米と日本での状況の違いを説明。また、原因解明はされていないが、「環境変化やメタボリックシンドロームなどが要因」と指摘した。 アッヴィ合同会社が2010年に一般の方を対象に行った「乾癬に関する認知度調査」によると14.8%(n=519)が「うつる病気」と認識しており、心理的障壁として、空気接触(同じ電車やレストランでの同席)による抵抗が47.3%(n=1,030)、水中接触(温泉やプール)による抵抗が82.4%(n=783)にも及ぶ。アンケートを見た時に同氏は、「“うつりそう”という認識がこんなに高いとは思わなかった」と述べ、「患者会の方は、みんなで温泉に行きたいという強い期待を持っている。このような誤解を解くための認知や啓発は病気への理解が必要」と、患者の思いを代弁した。医師と患者会のチームワークが大切 「ある先生の『良くなります』という言葉が、やさぐれていた自分を治療に導いてくれた」。そう話すのは、群馬乾癬友の会(からっ風の会)会長の角田 洋子氏。家族にも自分の症状を打ち明けることができなかった同氏は、「治療、情報、仲間。この3つのどれか1つでも繋がると、乾癬患者は変わることができる」と、悩みを打ち明けられず、ふさぎ込む患者に向けてコメントした。 今年9月から日本乾癬患者連合会の事務局長に就任した柴崎 弘之氏は、「現在は、ネットでなんでも情報が検索できるが、それで自己判断してしまう方が多い。患者会も全国に22ヵ所あるので、ぜひ相談してほしい」と呼びかけた。 患者会の活動を受け、江藤氏は、「乾癬は関節の変形症状も起こる。生物学的製剤が普及するまではこれが治せなかった。患者会のメンバーによる厚労省への訴えが、今の治療確立に影響を与えている」と当時を振り返った。道端氏による公表が大きなきっかけとなった乾癬啓発 昨年5月に乾癬であることを公表した道端さん。そこへ行き着くまでには多くの葛藤があったという。公表しようと思ったきっかけは、SNSにあげられた心無い言葉。同氏は、「その文章を見た時に、とにかく悔しくて。翌日目が覚めてもモヤモヤが収まらなかった。乾癬が原因で自分らしいおしゃれができないうえに、ファンにも自分にも嘘をついてることが耐えられなくストレスだった」と、当時の心境を吐露した。 第2部のファッションショーでは、乾癬患者が有志モデルとなりランウェイに立った。同氏は、女性患者の悩みには、膝丈スカートや襟付きシャツ、大柄が散りばめられたワンピースなどを、男性患者に対してはジャケットへの皮膚の脱落に考慮したコーディネートを提案。症状を隠すだけでなく、周囲の目線を分散させるコツを紹介した。 最後に、江藤氏は「日本人は皮膚疾患を隠す傾向がある。そのため、高齢者に既往を聞いてもわからず、遺伝性かどうかの確認も難しい」と述べ、乾癬に対する正しい理解を啓発し、医師と患者のコミュニケーションの重要性を訴えた。■参考世界乾癬デー日本乾癬患者連合会■関連記事地中海食は乾癬の重症化を遅らせる?セクキヌマブは乾癬性関節炎の痛みも改善?乾癬に対するイキセキズマブ vs.ウステキヌマブ

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COPD増悪予防、ICSへのテオフィリン追加に効果なし/JAMA

 増悪リスクが高いCOPD成人患者において、吸入ステロイド薬(ICS)による治療に低用量のテオフィリン薬を加えても、増悪頻度は減少しないことが、英国・アバディーン大学のGraham Devereux氏らによるプラグマティックな二重盲検プラセボ対照無作為化試験「TWICS試験」の結果、示された。COPDは世界的に重大な健康問題となっている。テオフィリン薬の使用は広く行われており、前臨床試験では、血漿中テオフィリンの低濃度(1~5mg/L)により、COPDにおけるコルチコステロイドの抗炎症効果を増強することが示されていた。今回の試験の結果を受けて著者は、「COPD増悪の予防について、ICS治療への補助療法としての低用量テオフィリン使用は、支持できないことが示された」と述べている。JAMA誌2018年10月16日号掲載の報告。ICS+低用量テオフィリンまたはプラセボを投与し1年間追跡 TWICS(theophylline with inhaled corticosteroids)試験は、COPDにおけるICS+低用量テオフィリンの有効性を検討した試験。2014年2月6日~2016年8月31日に、英国内の121の診療所および2次医療機関から、FEV1/FVC比0.7未満、前年に少なくとも2回の増悪を経験しており(抗菌薬、経口コルチコステロイド、もしくは両薬で治療)、ICSを使用しているCOPD患者を登録して行われた(最終フォローアップは2017年8月31日)。 被験者は無作為に、低用量テオフィリン(200mgを1日1または2回、血漿中濃度が1~5mg/L[標準体重と喫煙状態で確定]となるよう調整)、またはプラセボの追加投与を受ける群に割り付けられ追跡評価を受けた。主要評価項目は、1年間の治療期間中に発生した中等度~重度増悪(抗菌薬、経口コルチコステロイド、もしくは両薬で治療)の回数であった。年間の増悪発生平均回数は併用群2.24回、プラセボ群2.23回 1,578例が無作為化を受け(テオフィリン群791例、プラセボ群787例)、解析には1,567例(788例、779例)が包含された(平均年齢68.4歳[SD 8.4]、男性54%)。 主要評価項目(増悪発生)の解析には、データが入手できた1,536例(98%、772例、764例)が包含された。同集団における増悪の発生は、全体では3,430件で、テオフィリン群は1,727件(平均2.24回/年[95%信頼区間[CI]:2.10~2.38])、プラセボ群は1,703件(平均2.23回/年[95%CI:2.09~2.37])であった(補正前平均差:0.01[95%CI:-0.19~0.21]、補正後発生率比:0.99[95%CI:0.91~1.08])。 重篤な有害事象(例:心臓系[テオフィリン群2.4% vs.プラセボ群3.4%]、消化管系[2.7% vs.1.3%])、および有害反応(例:悪心[10.9% vs.7.9%]、頭痛[9.0% vs.7.9%])について両群間で有意な差はなかった。■「COPD増悪」関連記事COPD増悪抑制、3剤併用と2剤併用を比較/Lancet

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高齢者の健康長寿には魚が有益/BMJ

 高齢者における血中濃度の連続測定で、魚由来のオメガ3系多価不飽和脂肪酸(n3-PUFA:エイコサペンタエン酸[EPA]、ドコサペンタエン酸[DPA]、ドコサヘキサエン酸[DHA])、EPA、およびDPA(魚由来のDHAや植物由来のα-リノレン酸ではない)の上積みが認められると、健康長寿(healthy ageing)でいられる可能性が高いことが明らかにされた。米国・タフツ大学のHeidi TM Lai氏らによる前向き長期コホート研究(Cardiovascular Health Study)の結果で、BMJ誌2018年10月17日号で発表された。健康長寿は、慢性疾患、認知・身体機能障害がない生存として定義される。魚および植物由来のn3-PUFAは、生理機能に良好な影響を及ぼし、健康長寿に有益である可能性が示唆されていた。また、自己申告に基づく食事性のn3-PUFA高値とベースラインバイオマーカーとしてのn3-PUFA高値は、心血管疾患のリスクと逆相関することが示されていた。今回の結果を踏まえて著者は、「高齢者は、さらなるn3-PUFAを含む食事(魚)の摂取を、というガイドラインを支持する結果であった」とまとめている。平均74.4歳の健康長寿高齢者のn3-PUFA値を1992~2015年追跡測定 検討は米国内4地域で1992~2015年の間に行われ、n3-PUFAの連続測定値と健康長寿の関連が調べられた。参加者は、1992~93年のベースライン時に健康長寿が認められた2,622例で、平均年齢は74.4歳(SD 4.8)、女性63.4%であった。 被験者の血漿リン脂質n3-PUFA値をガスクロマトグラフィで、1992~93年、1998~99年、2005~06年に測定し、植物由来のα-リノレン酸、魚由来のEPA、DPA、DHAなど全脂肪酸を%算出した。 主要評価項目は健康長寿で、慢性疾患(心血管疾患、がん、肺疾患、重度CKDなど)や認知・身体障害のない生存、またはその他の要因(65歳以降の健康長寿アウトカムの一部ではない)による死亡と定義した。イベントについては、医療記録や診断検査に基づき中央で判定または確定した。n3-PUFAの高値群の非健康長寿リスクは18%低下 線形モデルを用いた評価において、長鎖n3-PUFAの高値群ほど非健康長寿リスクは低い傾向がみられ、時間変化曝露および共変量で多変量調整後の五分位範囲で18%(95%信頼区間[CI]:7~28%)の低下が認められた。 個別にみると、DHAでは関連がみられなかったが、EPAおよびDPAではリスク低下との関連が認められた(それぞれ15%[6~23]、16%[6~25])。植物由来のα-リノレン酸は非健康長寿と関連していなかった(ハザード比:0.92、95%CI:0.83~1.02)。

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FTD/TPI、3次治療以降の胃がんでOS、PFSを延長(TAGS)/ESMO2018

 転移を有する胃がん(mGC)の予後は不良で、5年OS率は4%とされる。また、3次治療の選択肢が限られており、高度の前治療を受けた患者における課題は多い。トリフルリジン・チピラシル(FTD/TPI)(商品名:ロンサーフ)は、治療歴のあるmGC患者を対象にしたわが国の第II相EPOC1201試験で、全生存期間(OS)中央値8.7ヵ月、病勢コントロール率(DCR)65.5%という成績が報告されている。ドイツ・ミュンヘンにおける欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)では、3次治療以降の転移を有する胃・胃食道接合部がん(mGC/GEJC)患者を対象に、FTD/TPIとプラセボを比較したTAGS試験の結果が報告された。 TAGS試験は、世界17ヵ国110施設で実施された、多施設無作為化二重盲検プラセボ対照第III相無試験。・対象:2ライン以上の治療歴(フルオロピリミジン、プラチナ、タキサン、イリノテカン、HER2阻害薬)のある、転移を有するmGC/GEJC患者。ECOG PSは0および1。・試験群:FTD/TPI (35mg/m2 BID、day1~5と8~12、28日サイクル)+BSC・対象群:プラセボ(BID 、day1~5と8~12、28日サイクル)+BSC・評価項目:[主要項目]全生存期間(OS)、[副次項目]無増悪生存期間(PFS)、安全性、全奏効率(ORR)、DCR、PSが2以上に悪化するまでの期間、QOL。 治療は、増悪、不耐、患者の脱落が起こるまで行われた。クロスオーバーは許容されていない。 主な結果は以下のとおり。・507例が登録され、FTD/TPI群337例、プラセボ群170例に2対1に無作為に割り付けられた。・66%の患者が3ライン以上の治療歴を有する、高度治療集団であった。・OS中央値は、FTD/TPI群5.7ヵ月、プラセボ群3.6ヵ月、12ヵ月OS率は、FTD/TPI群21%、プラセボ群13%で、FTD/TPI群が有意に良好であった(HR:0.69、95%CI:0.56~0.85、片側p=0.0003、両側p=0.0006)。・OSのサブグループ解析では、ほとんどの項目でFTD/TPIが優れていた。・PFS中央値は、FTD/TPI群2.0ヵ月、プラセボ群1.8ヵ月で、FTD/TPI群が有意に良好であった(HR:0.57、95%CI:0.47~0.70、両側p=0.0001)。・ORRは、FTD/TPI群4%、プラセボ群2%、DCRは、FTD/TPI群44%、プラセボ群14%で、FTD/TPI群が有意に良好であった(両側p<0.0001)。・PSが2以上に悪化するまでの期間は、FTD/TPI群4.3ヵ月、プラセボ群2.3ヵ月で、FTD/TPIで有意に長かった(HR:0.69、95%CI:0.56~0.85、両側p=0.0005)。・全原因による有害事象(AE)の発現は、FTD/TPI群97%、プラセボ群93%、Grade3以上のAE発現はFTD/TPI群80%、プラセボ群58%であった。

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PI3K阻害薬alpelisib、HR+/HER2-進行乳がんでPFS約2倍(SOLAR-1)/ESMO2018

 ホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)進行乳がんにおいて、α特異的PI3K阻害薬alpelisibとフルベストラントの併用療法が、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善した。HR+/HER2-乳がん患者の約40%がPIK3CA遺伝子変異を有する。日本も参加している第III相SOLAR-1試験の結果に基づき、フランス・パリ第11大学のFabrice André氏がドイツ・ミュンヘンにおける欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で報告した。 SOLAR-1試験では、閉経後女性および男性の、HR+/HER2-進行乳がん患者(ECOG PS≦1、1ライン以上のホルモン療法歴あり、進行後の化学療法歴はなし)を対象に、PIK3CA遺伝子変異陽性もしくは陰性コホートでそれぞれ、alpelisib併用群(alpelisib 300mg/日+28日を1サイクルとして、フルベストラント500mgを1サイクル目の1日目と15日目、以降1日目に投与)とプラセボ群(プラセボ+28日を1サイクルとして、フルベストラント500mgを1サイクル目の1日目と15日目、以降1日目に投与)に1:1の割合で無作為に割り付けた。層別化因子は、肝/肺転移の有無およびCDK4/6阻害薬による治療の有無。主要評価項目は、PIK3CA陽性コホートにおける無増悪生存期間(PFS)。副次評価項目は、PIK3CA陰性コホートのPFS、両コホートの全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)、安全性などである。 主な結果は以下のとおり。・全体で572例が組み入れられ、うち341例がPIK3CA陽性(併用群:169例、プラセボ群:172例)、231例が陰性(併用群:115例、プラセボ群:116例)であった。・PIK3CA陽性コホートにおけるPFS中央値は、alpelisib併用群11.0ヵ月に対しプラセボ群5.7ヵ月と併用群で有意に改善した(ハザード比[HR]:0.65、95%信頼区間[CI]:0.50~0.85; p=0.00065、追跡期間中央値:20.0ヵ月)。・PIK3CA陰性コホートにおけるPFS中央値は、alpelisib併用群7.4ヵ月に対しプラセボ群5.6ヵ月で、あらかじめ定められたPoC(Proof of Concept)基準を満たさなかった(HR:0.85、95%CI:0.58~1.25)。・測定可能なPIK3CA遺伝子変異陽性患者(262例)におけるORRは、併用群36% vs.プラセボ群16%であった(p=0.0002)。・全患者の安全性プロファイルについて、Grade 3 以上の有害事象で多くみられたのは、高血糖(併用群37% vs.プラセボ群<1%)、皮疹(10% vs.<1%)であった。 André氏は、「現段階でのフォローアップ期間は短く、長期的な生存利益があるかどうか確定的なことは言えない。しかし、PFSをプラセボ群と比較して約2倍に延長しており、新たな治療選択肢としての可能性があると言えるだろう。また、これまでのPI3K阻害薬がPI3K の4つのアイソフォーム全て(α、β、γ、δ)を標的としていたために毒性が高かったことと比較して、alpelisibはα特異的であることが特徴。本結果から、alpelisib併用群での有害事象の多くはGrade 1/2であり、Grade 3 以上がみられた高血糖と皮疹については、研究プロトコルに示された容量変更ならびにそれに伴う医学的介入によって管理された」と話している。■参考ESMO2018プレスリリースSOLAR-1試験(Clinical Trials.gov)■関連記事NovartisのPI3K阻害剤、PIK3CA変異乳がんの主要評価項目を達成(SOLAR-1)

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降圧薬の低用量3剤合剤は軽度から中等度の高血圧患者においても、安全に降圧目標への到達率を改善できる(解説:石川讓治氏)-939

 日本高血圧治療ガイドライン2014においては、カルシウムチャンネル拮抗薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(またはアンジオテンシン変換酵素阻害薬)およびサイアザイド利尿薬の3種類のいずれかを降圧薬の第1選択とし、降圧目標に達しなかった場合に他の降圧薬を追加することが推奨されている。英国のNICEガイドラインにおいても、年齢55歳と人種に応じてカルシウムチャンネル拮抗薬またはアンジオテンシン変換酵素阻害薬(または低価格のアンジオテンシンII受容体拮抗薬)のどちらかを第1選択とし、これらの併用でも目標降圧レベルに到達できないときにサイアザイド系利尿薬を追加することを推奨している。しかし、高リスクの高血圧患者においては、これらのステップに沿った降圧治療では目標レベルに達するまでに時間を要するため、その間の心血管イベントの発症が問題となっていた。そのため欧米の高血圧治療ガイドラインでは、高リスクの高血圧患者においては、第1選択薬として降圧薬の合剤を使用することが認められている。 本研究において、軽度から中等度の高血圧患者を対象とし、テルミサルタン20mg、アムロジピン2.5mgおよびchlorthalidone 12.5mgの低用量3剤合剤から降圧薬を開始(未治療患者において)または変更(単剤治療患者において)することによって、6ヵ月後の降圧目標への到達率が改善し、有害事象や降圧治療からの脱落も通常治療群と有意差が認められなかったことが報告された。本研究はスリランカで施行されており、通常治療群がどのような治療を行ったのかが明確ではなかったが、結果的に低用量3剤合剤群では錠剤数は少なく、降圧薬の種類は多かった。 この結果から、軽度から中等度高血圧患者においても降圧薬の低用量3剤合剤を使用の有効性と安全性が示されたが、現在のところわが国においては、降圧薬の合剤を第1選択薬として投与することは添付文書において制限されている。将来的には、これらのエビデンスがわが国でも普及することによって降圧薬の合剤を第1選択薬として使用できる時代が来るのかもしれない。しかし、高齢化が進み、欧米よりも肥満度の少ないわが国の高血圧の日常臨床においても、これらのエビデンスを当てはめることができるかどうかは、今後の検討が必要である。

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日本における認知症の総合的なコスト~公式統計に基づく経時分析

 日本における認知症の適切なリソース配分と品質向上の政策を行うため、東邦大学の花岡 晋平氏らは、認知症の社会的負担について経時分析を実施した。International Journal for Quality in Health care誌オンライン版2018年9月29日号の報告。 日本の公式統計より7つの全国のデータセットを用いて、2002~14年の全国人口ベース観察研究を行った。疾患の包括コスト法を用いて分析を行った。アウトカム変数には、医療サービス、介護サービス、家族等による費用負担のないケア、死亡コスト、罹患コストを含んだ。 主な結果は以下のとおり。・認知症患者数は、2002年の42万人から2014年の105万人に2.50倍増加していた。・家庭やコミュニティにおける患者数は3.22倍、介護施設の患者数は1.42倍に増加していた。・社会的負担は、2002年の1.84~2.42兆円から2014年の3.79~5.51兆円に2.06~2.27倍増加していた。・総負担に関しては、費用負担のないケアの割合が、36.6~51.9%から37.7~57.2%へ増加していた。・さらに、主な介護者が70歳以上の割合が、27.6%から37.6%へ増加していた。 著者らは「介護施設から家庭やコミュニティへの移行、高齢者による高齢者介護、早期認知症診断の推進により、患者1人当たりの平均費用は、437~577万円から360~524万円に減少した(0.82~0.91倍)。患者の安全とケアの質を維持するためには、介護者の許容範囲を超えないような費用負担のないケアの充実が不可欠である」としている。■関連記事認知症患者のQOLは介護従事者による緩和ケアの理解で向上する可能性:都医学研地方病院の認知症やせん妄患者に対するボランティア介入が再入院率に及ぼす影響米国の長期介護における向精神薬を使用した認知症ケア改善に関する研究

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製薬企業は臨床研究法にどんな対応を考えているのか

 2018年9月29日に第9回日本製薬医学会年次大会が開催され、臨床研究法に対する製薬業界の現状と今後のあり方に対する調査結果について、日本製薬医学会メディカルアフェアーズ(MA)部会タスクフォースチームが報告した。臨床研究の概要と結果報告[目的]日本における製薬業界が実施する臨床研究の現状を理解し、製薬業界の動向を把握するため[対象企業]2018年2月時点で日本製薬医学会学会員が所属していた企業[調査期間]2018年2~3月[方法]研究区分を、1)研究者主導臨床研究、2)企業主導(委託型)臨床研究、3)共同臨床研究(企業もしくは研究者発案型)とし、各定義に準じ回答を得た。 調査結果は以下のとおり。・回答企業は全33社(内資:15社、外資:18社)であった。・臨床試験/研究の担当部門の内訳において、治験や製造販売後臨床試験(GVP/GPSP省令に基づく)は臨床開発部門、製造販売後調査(GPSP省令に基づく)はファーマコビジランス(PV)部門、非介入研究(観察研究など)と研究者主導臨床研究はMA部門において行う企業が多かった。・今後の臨床試験/研究の担当部門の内訳において、情報創出の中心となる非介入研究および研究者主導臨床研究はMA部門、製造販売後調査はPV部門が主に担当すると回答した企業が多かった。・今後、企業が望ましいと考えている臨床研究形態は、研究者主導臨床研究が91%(30社/33社)と最も多く、企業発案型や企業主導(委託型)臨床研究は50%を割っていた。・臨床研究に関する社内手順において、資金提供に関する手順書は、回答したすべての企業で整備されていた。一方、実施に関する手順書について、15%(5社/33社)では社内手順がないと回答した。・それぞれの臨床研究に対し、営業部門の関与は、ほぼすべての企業で「不可」となっていた。・企業は法の施行に向けて、「臨床研究法及び臨床研究に関する社内教育の強化」、「標準業務手順書等の改定」に最も注力を注いて準備を行なっていた。・研究者主導臨床研究に関する倫理指針の遵守は、76%(25社/33社)が確認し、「契約書に倫理指針の遵守義務を明記」する方法が最も多かった。・特定臨床研究における臨床研究法の遵守は、64%(21社/33社)が確認予定であると回答し、その方法は「契約書に倫理指針の遵守義務を明記」が最も多かった。・特定臨床研究に関する社内業務手順書の作成や整備を担う部門は、88%(29社/33社)がMA部門と回答した。・企業が資金提供する場合の研究者主導臨床研究において、33社中1社を除くすべての会社が、研究者に有害事象報告義務を負わせると回答した。また、臨床研究法施行後も32社中1社を除き、同様の検討をしていると回答した(未回答1社)。・研究者主導臨床研究のweb等による公募を実施しているのは、66%(21社/32社)であった(未回答1社)。・研究者主導臨床研究の事前準備に対する資金提供の有無については、回答した29社のうち19社(66%)が提供を考えていた(未回答4社)。 このような結果を踏まえ、MA部会タスクフォースチームは、「臨床研究は治験ではないことを理解し参加する」、「GCPパスポートという制度を研究に関わる医師だけではなく、事務局の方々にも受験してもらいたい」などを訴求した。また、特定臨床研究を回避するために観察研究が増える可能性について懸念を示した。 今回実施したサーベイは臨床研究法が施行される前のものであり、今後、臨床研究法施行後のサーベイを2019~20年に実施し、両者の比較検討を行う予定である。■参考厚生労働省:臨床研究法について一般社団法人 日本臨床試験学会■関連記事院内研究も激変!? 臨床研究法施行で何が変わったか医療と製薬産業の橋渡し-メディカル・アフェアーズの役割

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AIが3年後の糖尿病発症リスクを予測

 わが国では、糖尿病が強く疑われる人が約1,000万人、糖尿病の可能性を否定できない人が約1,000万人と推計されている。糖尿病は、網膜症、腎症、神経障害の3大合併症に加えて、心血管疾患、がん、認知症などのさまざまな疾患のリスクを高めることが知られており、健康寿命を延伸するため、糖尿病の予防対策は国民的な課題となっている。 こうした情勢をうけ、国立研究開発法人 国立国際医療研究センタ-(理事長:國土 典宏、以下「NCGM」と略す)は、自分の健康診断の結果を入力することで糖尿病発症のリスクを予測するツ-ル「糖尿病リスク予測ツ-ル」を、株式会社教育ソフトウェアと共同開発し、10月24日よりNCGMのホ-ムペ-ジで公開した。※26日10時現在、上記ページ(糖尿病情報センターの「糖尿病リスク予測ツール」)が閲覧できなくなっています。3万例のデータで予測する糖尿病発症のリスク 本予測ツ-ルは、利用者の3年後の糖尿病発症のリスクを予測するもので、職域多施設研究(J-ECOHスタディ)で収集した3万例の健康診断デ-タに基づき、機械学習手法(人工知能)により開発された。 対象者の体重、血圧、喫煙習慣などの基本項目(非侵襲的デ-タ)のみによる予測と、さらに空腹時血糖やHbA1cなどの血液デ-タを追加することで精度の高い予測の2通りから選択できる。また、デ-タを入力することで、3年後の糖尿病発症リスクとともに、同性・同年代の中での相対的な比較をグラフ上に示すこともできる。 なお、本ツ-ルは、糖尿病と診断されたことのない30~59歳の人が対象となる。■参考NCGM糖尿病情報センタ-■関連記事糖尿病診療コレクション

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重度肥満2型DM、肥満手術で大血管イベントリスク低下/JAMA

 肥満外科手術を受けた重度肥満の2型糖尿病患者は、肥満外科手術を受けなかった場合と比較し、大血管イベント(冠動脈疾患、脳血管疾患)のリスクが低下したことが、米国・カイザーパーマネンテ北カリフォルニアのDavid P. Fisher氏らによる後ろ向きマッチングコホート研究の結果、明らかとなった。大血管イベントは、2型糖尿病患者の障害および死亡の主たる原因であり、生活習慣の改善を含む内科的治療ではリスクを低下させることができない場合がある。いくつかの観察研究では、肥満外科手術が2型糖尿病患者の合併症を低下させる可能性が示唆されていたが、症例数が少なくBMI値が試験に利用できないこと(非手術群では入手不可のため)が課題であった。JAMA誌2018年10月16日号掲載の報告。重度肥満の2型糖尿病患者、手術vs.通常ケアの大血管イベント発生を比較 研究グループは、米国の4つの統合医療ネットワークにおいて2005~11年の期間に肥満外科手術を受けた19~79歳の重度肥満(BMI≧35)の2型糖尿病患者5,301例(手術群)について、施設・年齢・性別・BMI・HbA1c・インスリン使用歴・糖尿病罹病期間・以前の医療利用をマッチングした対照1万4,934例を非手術群とし、肥満外科手術(ルーワイ胃バイパス術76%、スリーブ状胃切除術17%、調節性胃バンディング術7%)と通常の糖尿病治療を比較した(追跡は2015年9月まで)。 主要評価項目は、大血管疾患(冠動脈疾患[急性心筋梗塞、不安定狭心症、経皮的冠動脈インターベンションまたは冠動脈バイパス術]あるいは脳血管疾患[脳梗塞、脳出血、頸動脈ステント留置術または頸動脈内膜剥離術]の初発)発生までの期間とし、統計解析には多変量調整Cox回帰モデルを使用した。手術で複合大血管イベントと冠動脈疾患の発生が低下、脳血管疾患は有意差なし 手術群と非手術群を合わせた2万235例は、平均年齢(±SD)50±10歳で、女性が手術群76%、非手術群75%、ベースラインの平均BMI(±SD)はそれぞれ44.7±6.9、43.8±6.7であった。 追跡期間終了時において、手術群で106件(脳血管疾患37件、冠動脈疾患78件、追跡期間中央値:4.7年[四分位範囲:3.2~6.2])、非手術群で596件(脳血管疾患227件、冠動脈疾患398件、追跡期間中央値:4.6年[四分位範囲:3.1~6.1])の大血管イベントが認められた。 肥満外科手術は、5年時の複合大血管イベント発生率低下と関連しており(手術群2.1% vs.非手術群4.3%、ハザード比:0.60[95%信頼区間:0.42~0.86])、冠動脈疾患発生率の低下も同様であった(1.6% vs.2.8%、0.64[0.42~0.99])。脳血管疾患発生率は、5年時で両群に有意差はなかった(0.7% vs.1.7%、0.69[0.38~1.25])。 結果を踏まえて著者は、「本研究の結果について無作為化臨床試験で検証する必要がある」と提言するとともに、「医療従事者は、重度肥満で2型糖尿病を有する患者の肥満外科手術の意思決定に関与する際は、大血管イベント予防における肥満外科手術の潜在的役割を共有する必要がある」とまとめている。

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2040年の全世界平均余命、2017年から4.4歳延長/Lancet

 米国・ワシントン大学のKyle J. Foreman氏らは、195の国・地域における2016~40年の平均余命、全死因死亡、250項目の死因別死亡を予測し、多くの国では死亡率の継続的な低下と平均余命の改善が示されることを明らかにした。一方で、良い/悪いシナリオについて差がみられ、将来の展望は不安定であることも示唆された。著者は、「技術革新の継続と、世界の貧困層の人々に対する開発援助を含む医療費の増加は、すべての人が寿命を全うし健康な生活を送ることができる将来図を描くために不可欠な要素である」とまとめている。Lancet誌オンライン版2018年10月16日号掲載の報告。世界疾病負担(GBD)研究2016のデータを用い、新たなモデルで評価 研究グループは、2017~40年の予測を立てるために、GBD(the Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study)2016のデータを用い、250の死因および死因分類を作成した。この予測枠組みは、79の独立した健康要因の変化に基づいている。 3つの構成要素(リスク因子の変化と選択された介入に起因する要素、1人当たり所得・学歴・25歳未満の合計特殊出生率に応じた各死因の基礎となる死亡率、時間との関連が不明の変化に対する自己回帰和分移動平均モデル)から成る死因別死亡のモデルを開発し、さらに、健康に関する良いシナリオと悪いシナリオ(GBDのすべてのリスク因子、1人当たり所得、学歴、選択された介入の範囲、過去の25歳未満の合計特殊出生率に関する年換算変動率の、それぞれ85および15パーセンタイル)を作成した。そしてこれらのモデルを用い、年齢・性別ごとの全死因死亡率、平均余命、および250の死因に関する損失生存年数(YLL)を算出した。世界の平均余命は2040年で男女とも4.4歳延長するも、シナリオによって差 世界的に、ほとんどの独立した健康要因が2040年までに改善するが、36の健康要因は悪化すると予測された。世界の平均余命は、2040年までに男性で4.4歳(95%UI:2.2~6.4)、女性で4.4歳(2.1~6.4)上昇すると予測されたが、良い/悪いシナリオに基づくと、曲線は、男性で7.8歳(5.9~9.8)上昇から0.4歳(-2.8~2.2)低下まで、女性で7.2歳(5.3~9.1)上昇から変化なし(0.1歳[-2.7~2.5])の範囲にあった。2040年における平均余命は、日本、シンガポール、スペイン、スイスでは男女共に85歳を超え、中国を含む59ヵ国では80歳を超えると予測された。一方、中央アフリカ共和国、レソト、ソマリア、ジンバブエでは65歳未満になると予測され、生存期間の世界格差は継続する可能性がある。 YLL予測値は、人口増加や加齢が部分的に関与するいくつかの非感染性疾患(NCD)による死亡の増加を示唆した。参照シナリオと代替シナリオの差は、HIV/AIDSで最も顕著であり、2016~40年の悪いシナリオにおいて、YLLが120.2%(95%UI:67.2~190.3)増加する可能性がある。2016年と比較すると、2040年までにNCDはすべてのGBDにおいてYLLの大部分(67.3%)を占めるが、依然として多くの低所得国においては感染性・妊産婦・新生児・栄養に関する疾患(CMNN)が2040年のYLLの大部分を占めると予想された(例:サハラ以南のアフリカでYLLの53.5%)。ほとんどの国では、医療の適応となる代謝系リスク(例:高血圧や空腹時血糖高値)と、集団レベルなどで最も目標とされるリスク(例:タバコ、高BMI、微小粒子状物質汚染)に、参照シナリオと良いシナリオとの間の最も大きな差が確認された。ただし、サハラ以南のアフリアは例外で、多くのリスク(例:危険な水と衛生、家庭内空気汚染、小児栄養失調)が貧困と発展レベルの低さに関連していることが示唆された。

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オシメルチニブ2次治療における耐性獲得機序(AURA3)/ESMO2018

 オシメルチニブは、EGFR T790M陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)における第III相AURA3試験において、化学療法と比較して、優れた有効性を示したが、このAURA3試験中にオシメルチニブで病勢進行した症例のctDNAを用いた獲得耐性についての結果が、初めて報告された。 主な結果は以下のとおり。・AURA3試験でオシメルチニブ治療群に無作為化された279例のうち、ベースラインおよび進行・治療中止時の血漿サンプル入手可能症例は83例(30%)であった。・83例中、ベースライン時にEGFR変異が検出できたのは73例であった。・73例中、血漿サンプルでT790Mが検出できたのは88%であった(組織サンプルでは100%)。・T790Mの消失は49%と、半数にみられた。・EGFR獲得変異は21%に認められ、主なものはC797Sの14%であった。・MET増幅は19%にみられた。・HER2増幅は5%にみられた。・1つ以上の耐性関連変異が認められたのは19%であった。・T790M消失例のPFSは5.54ヵ月、T790M保有例では7.06ヵ月であり、T790M消失例で短い傾向にあった。 AURA3試験におけるオシメルチニブ2次治療の耐性メカニズムとしては、MET増幅およびEGFR C797Sが多く確認されたが、予想外のものは観察されなかった。同時に、さまざまな耐性メカニズムの共起が確認された。

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日本の頭部外傷の現状は?/脳神経外科学会

 日本頭部外傷データバンクは、日本脳神経外傷学会のプロジェクトである。日本の頭部外傷診療の現状の把握を目的に、1996年に日本頭部外傷データバンク検討会が設立され、1998年より重症頭部外傷患者を対象とした間欠的に2年間の疫学研究を開始。現在まで、Project1998、2004、2009が行われ、このたび、Project2015の解析が開始された。その概要について、日本脳神経外科学会 第77回学術総会において、山口大学 脳神経外科 末廣 栄一氏が発表した。 登録対象症例は2015年4月1日~2017年3月31日に、搬入時あるいは受傷後48時間以内にGlasgow Coma Scale(GCS)8以下、あるいは脳神経外科手術を施行した頭部外傷症例(0歳を含む全年齢)。Project2015の参加施設は33施設、症例数は1,345例であった。 主な結果は以下のとおり。  ・患者の平均年齢は58.8歳で、70歳以上が以前に比べ著しく増加していた。  ・主な受傷機転は、交通事故が41.9%、転倒・転落が40.8%であった。  ・搬入時GCSスコアは7.3で、重症度は低下傾向であった。  ・外科的処置は67.4%の患者に施行されており、過去の2回に比べ、増加傾向に   あった。  ・頭蓋内圧センサーは36.7%に留置され、こちらも増加傾向であった。  ・鎮静・鎮痛、高浸透利尿薬、抗てんかん薬などの薬物療法施行率は66.5%で   あった。  ・退院時の転帰は、転帰良好30.3%、死亡35.8%であった。 プロジェクトごとに患者の高齢化は進行している。しかし、外科的治療も含めた積極性は向上し、前Projectに比べ、転帰は維持されていた。

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どないしたらええの? 心原性ショック伴う多枝病変AMI患者へのランダマイズ試験(中川義久 氏)-938

 心原性ショックを伴う急性心筋梗塞患者への梗塞責任病変への急性期PCIの有用性を疑うものはいない。一方で、心原性ショックを伴う多枝病変急性心筋梗塞患者への非責任梗塞冠動脈病変へのPCI介入のタイミング判断は難しい。CULPRIT-SHOCK試験は、責任病変と同時に70%以上の冠動脈狭窄を伴うすべての病変にもPCIを行う群と、責任病変のみにPCIを施行する群を比較した多施設ランダマイズ試験である。30日以内の死亡または腎代替療法を要する重症腎不全と定義される主要評価項目は、責任病変のみのPCIが優ることが2017年にすでに報告されている1)。今回、その1年時のデータが報告された。事前に設定された本試験の2次評価項目である、全死亡・再心筋梗塞には差がなく、心不全入院・再血行再建率は非責任病変にもPCIを施行する多枝PCI群が優っていたという。 この結果の解釈は難しいというのが正直な感想である。この試験は現実的にどのように遂行されていたのであろうか。生命の危機に瀕した患者を眼の前にして、「くじ引き(ランダマイズ)」に治療方針の選択を委ねることのできる術者や担当医に、驚きと違和感を覚えるのは自分だけであろうか。小生が術者であれば、個々の患者にその時点で考えられるベストな治療を施さずにはおれない。エビデンスレベルが高いといわれるランダマイズ試験であることは理解できるが、ここまで無作為化にこだわる必要があるのであろうか。 非梗塞血管に急性期に同時PCIを施行することで、早期に心機能回復が期待できる可能性がある。一方、手技時間が長く複雑になり造影剤の使用量が増すことで造影剤腎症を生じやすい。急性期の同時PCIにより側枝閉塞や遠位閉塞の可能性もある。心原性ショック患者に緊急時にどこまでPCIを施行するかは、ランダマイズして結果を出す問題ではなく、PCI施行術者が自分の技量や、知識・経験を総動員して判断すべき問題ではないか。個々の患者ごとの状態を正確に把握し、PCI施術の得失を考慮し、またその手技成功率を予測したうえで治療方針を決定することこそが肝要と考えられる。Shock状態などのクリティカルな患者におけるエビデンス構築には一層の工夫と知恵が必要であろう。

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電話を使って一発解決!【Dr. 中島の 新・徒然草】(244)

二百四十四の段 電話を使って一発解決!つい先日のこと。10年以上前に手術した患者さん(50代、女性)から切羽詰まった様子のメールが来ました。なんでも1週間ほど前からふらついて困っているとのこと。最初に耳鼻科にいったら、「それは頸が原因かもしれないから整形外科だ」と言われ、整形外科にいったら「頭位性めまいかもしれない」と言われたそうです。また、現在抗がん剤治療を受けている外科の先生からは「今使っている薬が原因になっている可能性がないわけではない」と言われたそうで大混乱しているようでした。すでに地方の実家に引っ越しておられるので、大阪まで来てもらうと1泊2日になってしまいます。それでも実際に診ないことには分かりません。とりあえず「いつでも都合のつくときに来てください」というメールを返信しました。メールを送ってから、ふと「これは直接に話をした方が早いかもしれん」と思い、携帯電話にかけてみました。患者「ああ、先生!」中島「調子悪いですか」患者「ええ、頭を動かすとふらついてしまって」中島「ひょっとして頭を動かさなかったら大丈夫とか」患者「そうですね」おおっ! 案外、電話だけで決着がつくかも。良性発作性頭位めまい症、いわゆるBPPV(Benign Paroxysmal Positional Vertigo)ではないでしょうか。中島「頭を左右に動かしたらどうなりますか?」患者「ええっ? 左右…ですか」中島「ちょっとやってみましょう。左右確認みたいに」患者「はい」中島「まず、右を向いて」患者「向きました」中島「次に左を向いて」患者「はい」中島「どうですか、目が回りましたか」患者「何ともありません」1歩、手がかりに近づいた! 水平半規管型のBPPVではなさそう。中島「次はね、洗濯物を干すような姿勢をとってみてください」患者「やらなくても分かります。それをするとすごくふらつくんですよ」中島「おおーっ! では、次に椅子に座って、靴の紐を結ぶ動作をしてみましょう」患者「あっとっとっと。目が回ります。すごく回ります!」どうやら決まりですね。典型的な後半規管型のBPPVです。左右の患側を決めることができないのがいささかもどかしくはありますが。中島「夜中にトイレに行くときとかどうですか?」患者「ふらつきます」中島「顔を洗うときは?」患者「それもダメです。こけそうになります」顔を洗うときは必然的に目を閉じるので、視覚情報が遮断されてふらつきが強くなるわけです。暗い家の中でトイレに行くときも同じ理屈ですね。中島「おめでとうございます。治りますよ、それ」患者「ホントですか!」中島「いわゆる良性発作性頭位めまい症という奴で、耳の奥の三半規管に耳石が入り込むことによって起こるのです」患者「良、良性? 発作性?」中島「名前が長いので我々はBPPVと略して呼んでいますけどね。三半規管に入り込んだ耳石はそのうちどこかに出ていってしまうので、放っておいても勝手に治るんです」患者「そうなんですか! 薬とかあるんですか?」中島「ありません。今年中に治るので大阪にも来なくていいです」私は通常、初診のBPPVの患者さんに耳石置換はやっていません。放っておいても治るからです。だから、今回もわざわざ大阪まで来てもらう必要もありません。患者「先生、鍼灸とか行ってもいいですか?」中島「ダメダメダメ! 皮膚の下にね、脳とおなかをつなぐシャントが入っているんだから、そんなところを鍼で刺してしまったら手術のやり直しになってしまいますよ」患者「分かりました」何を言い出すやら。ちょっとビビリました。中島「ちなみに1番ふらつきが強かったときを100とすると、今日はどのくらいですか?」患者「ちょっとマシになって70か60くらいです」中島「それがだんだん良くなるはずですから、時々メールで症状を教えてください。『50になった』とか『30になった』って」患者「分かりました!」というわけで一件落着。翌日には「安心しました。感謝します」というお礼のメールが来ていました。「放っておいても大丈夫!」と力強く言ってあげるのも、ある意味、立派な医療ではないかと私は思います。とはいえ、本当に治ってくれるのかな? 今回の顛末については、あらためて報告させていただこうと思います。最後に1句電話聴き 自信を持って 放置する

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第10回 膝痛にコンドロイチンやグルコサミンはどのくらい効くのか?【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 コンドロイチンとグルコサミンは関節痛などで服用される、とてもポピュラーな成分です。コンドロイチンは、軟骨、結合組織、粘液に分布するムコ多糖の一種で、骨の形成を助けるといわれており、グルコサミンは動物の皮膚や軟骨、甲骨類の殻に含まれるアミノ糖で、関節の動きを滑らかにしたり、関節の痛みを改善したりするといわれています1)。両成分を含有する市販薬やサプリメントは多く、説明を求められる機会も多いのではないでしょうか。今回は、これらの効果を検討した文献をいくつか紹介しましょう。まずは、痛みを伴う変形性膝関節症患者へのグルコサミンとコンドロイチンの効果を検証した有名な論文のGlucosamine/chondroitin Arthritis Intervention Trial (GAIT)です2)。平均年齢59歳の症候性変形性膝関節症患者1,583例(うち女性64%)を、(1)グルコサミン1,500mg/日(500mg/回を1日3回)、(2)コンドロイチン1,200mg/日(400mg/回を1日3回)、(3)グルコサミン+コンドロイチン併用、(4)セレコキシブ200mg/日、(5)プラセボの5群にランダムに割り付け、24週間観察しました。各群、有害事象や効果の実感がなかったなどの理由により20%前後の患者が脱落していますが、intention-to-treat解析はされています。プライマリアウトカムは24週時点で膝痛が20%減少したかどうかで、結果は下表のとおりです。画像を拡大するプラセボ群と比較すると、いずれの群も痛みがやや減少する傾向にありますが、有意差が出ているのはセレコキシブ群のみでした。プラセボ群においてもかなり痛みが減少していることが特徴的で、成分を問わず何らかの製品を服用している方はある程度の効果を実感しているのではと推察されます。続いて、2007年にBMJ Clinical Evidence誌で発表された論文を紹介します3)。BMJ Clinical Evidence誌は臨床研究の結果を統合して種々の治療法を評価し掲載している媒体で、該当トピックの出版から2年経つとMEDLINEに無料で公開されるので有用な情報源となりえます。この論文における変形性膝関節症の各種治療法(非手術)の効果を整理したのが下表です。画像を拡大するコンドロイチンとグルコサミンは、変形性膝関節症に対する効果は不明ないしわずかで、とくにグルコサミンは疼痛軽減にプラセボ以上の効果が期待できない可能性が示唆されています。なお、Beneficialに分類される運動療法としては「脚上げ体操」や「横上げ体操」などの太ももの筋肉を鍛える体操が知られているので、覚えておくと患者指導で役立つと思います。可もなく不可もないので継続もアリだが、相互作用には注意が必要ここまであまり芳しい結果ではありませんでしたが、最近はコンドロイチンが有用であったという報告もあり、2015年にコクランよりコンドロイチンとプラセボまたは他の治療法を比較検討したランダム化比較試験43件を評価したシステマティックレビューが発表されています4)。含まれた研究の大部分は変形性膝関節症患者を対象としたもので、先に紹介したGAIT試験も含まれています。コンドロイチン800mg/日以上を6ヵ月服用した時点における痛みの程度で有意差が出ていて、0~100ポイントの痛みスケールで、コンドロイチン群が18ポイント、プラセボ群は28ポイントでしたので10ポイント低下しています。膝の痛みが20%以上改善した人はコンドロイチン群では100人当たり53人、プラセボ群では100人当たり47人で、その差は6名(6%)です。また、画像診断により、2年後の最小関節裂隙幅の減少は、コンドロイチン群(0.12mm)がプラセボ群(0.30mm)に比べて0.18mm少なく良好でした。Forest plotを見てもコンドロイチンまたはコンドロイチン+グルコサミンのほうがやや良しとする研究が多く、目立った有害事象はありませんでした。2017年に出た試験では、コンドロイチン800mg/日の継続がセレコキシブと同等の有用性であったという結果も出ています5)。経済面との兼ね合いもありますが、痛みが改善している方はそのまま続けてもよい場合もあるのではないでしょうか。ただし、薬物相互作用に注意が必要で、コンドロイチンは抗凝固薬のヘパリンと化学構造が似ているため、抗凝固作用を増強するのではないかといわれています。ワルファリンとグルコサミンの併用によりINRが上昇した(つまり出血傾向が強く出た)という20例の報告もあります6)。メリットがそれほど大きくないことを考えれば、ワルファリン服用中はコンドロイチンやグルコサミンの服用を避けるほうが無難だと思われます。1)国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所ホームページ 「健康食品」の安全性・有効性情報 「グルコサミン」「コンドロイチン硫酸」2)Clegg, et al. N Engl J Med. 2006;354:795-808.3)Scott D, et al. BMJ Clin Evid. 2007 Sep 1. pii:1121.4)Singh JA, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2015;1:CD005614.5)Reginster JY, et al. Ann Rheum Dis. 2017;76:1537-1543. 6)Knudsen JF, et al. Pharmacotherapy. 2008;28:540-548.

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