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アジア人でより有効、進行肺がんへのプラチナ+ペメトレキセド+アテゾリズマブ(IMpower132)/ESMO 2018

 Stage IV非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療におけるペメトレキセドとプラチナ製剤の併用療法、およびペメトレキセドによる維持療法へのPD-L1阻害薬アテゾリズマブの上乗せ効果を検討した第III相IMpower132試験では、アテゾリズマブ併用群で無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことがすでに発表されている(5.2ヵ月 vs.7.6ヵ月、ハザード比[HR]:0.60、95%信頼区間[CI]:0.49~0.72、p<0.0001)。ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)では、本試験のサブグループ解析結果が、フランス・エクス=マルセイユ大学のFabrice Barlesi氏により発表された。IMpower132試験を年齢・人種・喫煙歴・肝転移の有無でサブグループ解析 IMpower132試験は、化学療法未治療の進行非扁平上皮NSCLC患者(EGFR/ALK陰性)を対象とし、カルボプラチンまたはシスプラチンとペメトレキセド併用→ペメトレキセド維持療法群(PP群)と、カルボプラチンまたはシスプラチンとペメトレキセド併用+アテゾリズマブ→ペメトレキセド+アテゾリズマブ維持療法群(APP群)を比較したオープンラベル多施設共同無作為化第III相試験。 今回のIMpower132試験のサブグループ解析では、年齢(<65歳/≧65歳)、人種(アジア人/非アジア人)、喫煙歴(非喫煙者/現在あるいは過去の喫煙者)、およびベースライン時点での肝転移の有無の4項目についてPFSおよび中間解析時点での全生存期間(OS)が評価された。 IMpower132試験のサブグループ解析の主な結果は以下のとおり。・データカットオフ(2018年5月22日)時点で、追跡期間中央値は14.8ヵ月であった。・年齢別(PFS中央値)<65歳(PP群167例 vs.APP群153例):4.4ヵ月 vs.6.9ヵ月(HR:0.63、95%CI:0.49~0.80)≧65歳(PP群119例 vs.APP群139例):5.6ヵ月 vs.8.4ヵ月(HR:0.55、95%CI:0.42~0.73)。・年齢別(OS中央値)<65歳:14.2ヵ月 vs.18.8ヵ月(HR:0.89、95%CI:0.62~1.21)。≧65歳:12.8ヵ月 vs.18.1ヵ月(HR:0.71、95%CI:0.50~1.01)。・人種別(PFS中央値)アジア人(PP群65例 vs.APP群71例):5.3ヵ月 vs.10.2ヵ月(HR:0.42、95%CI:0.028~0.63)。非アジア人(PP群221例 vs. APP群221例):5.0ヵ月 vs.6.9ヵ月(HR:0.65、95%CI:0.53~0.81)。・人種別(OS中央値)アジア人:NE vs.NE(HR:0.68、95%CI:0.37~1.24)。非アジア人:11.0ヵ月 vs.13.0ヵ月(HR:0.82、95%CI:0.64~1.06)。・喫煙歴別(PFS中央値)非喫煙者(PP群30例 vs.APP群37例):5.5ヵ月 vs.8.6ヵ月(HR:0.49、95%CI:0.28~0.87)。現在・あるいは過去の喫煙者(PP群256例 vs.APP群255例):5.1ヵ月 vs.7.5ヵ月(HR:0.61、95%CI:0.50~0.74)。・喫煙歴別(OS中央値)非喫煙者:13.3ヵ月 vs.18.1ヵ月(HR:0.65、95%CI:0.32~1.30)。現在・あるいは過去の喫煙者:13.6ヵ月 vs.18.8ヵ月(HR:0.83、95%CI:0.65~1.06)。・肝転移有無(PFS中央値)肝転移有(PP群36例 vs.APP群37例):4.0ヵ月 vs.4.4ヵ月(HR:0.77、95%CI:0.47~1.25)。肝転移無(PP群250例 vs.APP群255例):5.5ヵ月 vs.8.4ヵ月(HR:0.56、95%CI:0.46~0.69)。・肝転移有無(OS中央値)肝転移有:6.9ヵ月 vs.10.1ヵ月(HR:0.99、95%CI:0.57~1.70)。肝転移無:14.2ヵ月 vs.19.9ヵ月(HR:0.76、95%CI:0.59~0.98)。※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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進行乳がんへのパルボシクリブ+フルベストラント、OSの結果/NEJM

 ホルモン受容体陽性、HER2陰性の進行乳がんで、内分泌療法に感受性の認められた患者に対し、CDK4/6阻害薬パルボシクリブ+フルベストラント投与は、フルベストラント投与のみに比べ、全生存期間(OS)を延長することが示された。ただし、群間の有意差は示されなかった。英国・Institute of Cancer ResearchのNicholas C. Turner氏らが、521例を対象に行った第III相無作為化比較試験の結果で、NEJM誌オンライン版2018年10月20日号で発表された。今回の報告は、同試験の事前規定の副次評価項目OSについての解析結果で、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は延長したことがすでに報告されている(palbociclib、内分泌療法後に進行した乳がんのPFS延長/NEJM)。内分泌療法への感受性や閉経前・後などの層別因子によるパルボシクリブの効果を検証 試験は、ホルモン受容体陽性、HER2陰性の進行乳がん患者で、既治療の内分泌療法中に再発または進行が認められた患者521例を対象に行われた。 被験者を無作為に2対1の2群に分け、一方にはパルボシクリブ+フルベストラントを、もう一方にはプラセボ+フルベストラントをそれぞれ投与した。 OSについて解析し、事前に規定した層別因子である内分泌療法への感受性の有無、転移を有する内臓疾患の有無、閉経前・後に対するパルボシクリブの有効性、進行後の後続治療の有効性、および安全性について検証した。パルボシクリブ群の内分泌療法に感受性ある患者のOS中央値は39.7ヵ月 OS中央値は、パルボシクリブ群34.9ヵ月(95%信頼区間[CI]:28.8~40.0)、プラセボ群28.0ヵ月(同:23.6~34.6)だった(ハザード比[HR]:0.81、95%CI:0.64~1.03、p=0.09、絶対差:6.9ヵ月)。 試験レジメン終了後のCDK4/6阻害薬治療は、プラセボ群の患者16%に対して行われた。 既治療の内分泌療法に感受性の認められた410例において、OS中央値はパルボシクリブ群39.7ヵ月(95%CI:34.8~45.7)、プラセボ群29.7ヵ月(同:23.8~37.9)だった(HR:0.72、95%CI:0.55~0.94、絶対差:10.0ヵ月)。 後続治療の期間中央値は、両群で同等だった。化学療法を受けるまでの期間中央値は、パルボシクリブ群17.6ヵ月、プラセボ群8.8ヵ月だった(HR:0.58、同:0.47~0.73、p<0.001)。 パルボシクリブの新たな安全性に関する兆候は、追跡期間44.8ヵ月において観察されなかった。

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ICU患者のせん妄に、抗精神病薬は効果なし/NEJM

 急性呼吸不全またはショックでICUに入室する、低活動型あるいは過活動型せん妄が認められる患者に対し、ハロペリドールまたはziprasidoneを投与しても、せん妄の発症期間を短縮する効果はないことが示された。米国・ピッツバーグ大学のTimothy D. Girard氏らが、約570例を対象に行った、無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果で、これまで、せん妄が認められるICU入室患者に対する抗精神病薬の効果について、一貫したデータは存在していなかった。NEJM誌オンライン版2018年10月22日号掲載の報告。ハロペリドールvs.ziprasidone vs.プラセボ、投与量は12時間ごとに調整 研究グループは、急性呼吸不全またはショックでICUに入室した1,183例のうち、低活動型あるいは過活動型せん妄が認められた患者566例を対象に試験を行った。 患者を無作為に3群に分け、ハロペリドール(192例、最大投与量:20mg/日)、ziprasidone(190例、同:40mg/日)またはプラセボ(184例)を、それぞれ急速静脈内投与した。試験薬とプラセボの投与量については、ICUにおけるせん妄評価法(CAM-ICU)によるせん妄の程度や、投与による副作用を基に、12時間ごとに半減、または倍量に調整した。 主要評価項目は、14日間の介入期間中のせん妄または昏睡のない生存日数だった。副次評価項目は、30日および90日生存率、人工呼吸器離脱までの期間、ICU退室までの期間、病院退院までの期間などだった。介入期間中のせん妄・昏睡のない生存日数は3群で同等 被験者566例のうち、低活動型せん妄は89%、過活動型せん妄は11%だった。試験薬・プラセボの投与日数中央値は4日(四分位範囲:3~7)だった。 14日間の介入期間中のせん妄または昏睡のない生存日数は、ハロペリドール群7.9日(95%信頼区間[CI]:4.4~9.6)、ziprasidone群8.7日(同:5.9~10.0)で、プラセボ群8.5日(同:5.6~9.9)と、3群間で有意差はなかった(試験群間全体の効果に関するp=0.26)。 ハロペリドールまたはziprasidoneとプラセボを比較した場合も、主要評価項目の発生について有意差はなかった。それぞれのオッズ比は0.88(95%CI:0.64~1.21)、1.04(同:0.73~1.48)だった。 副次評価項目および錐体外路症状の発現頻度についても、群間で有意差は認められなかった。

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第12回 内科からのホスホマイシンの処方【適正使用に貢献したい  抗菌薬の処方解析】

Q1 予想される原因菌は?Salmonella enterica(サルモネラ)・・・10名Campylobacter(カンピロバクター)・・・9名Escherichia coli(大腸菌)・・・8名ノロウイルス、サポウイルス、ロタウイルスなどのウイルス・・・4名大腸菌へのホスホマイシン投与 奥村雪男さん(薬局)ひどい下痢・腹痛、食事内容から、細菌性腸炎の可能性があります。起因菌は疫学的にはカンピロバクター、サルモネラ、下痢原性大腸菌の場合が多いですが、ユッケは通常生の牛肉を使用していること、ホスホマイシンが選択されていることから、大腸菌が最も疑われている、もしくは警戒しているかも知れません。「JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2015─腸管感染症─」では、成人の細菌性腸炎のエンピリックセラピーとして、第一選択にはレボフロキサシン、シプロフロキサシンといったキノロン系抗菌薬、アレルギーがある場合の第二選択としてアジスロマイシンやセフトリアキソンが挙げられています。O157 などの腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic Escherichia coli ; EHEC)の場合、溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome ;HUS)※発症が問題となりますが、「発症から2日以内のホスホマイシンの使用はHUSの発症リスク低下と関連していた(補正後オッズ比0.15, 95%CI 0.03~0.78)」という報告1)があり、処方の際、それを意識されたのかも知れません。※ベロ(志賀)毒素を産生するO157などのEHEC感染をきっかけに、下痢症状を伴った溶血性貧血、血小板減少、急性腎不全を主な症状とする可能性は低いがノロウイルスかも JITHURYOUさん(病院)O111、O157などのEHEC、カンピロバクター、サルモネラ、貝類等を食している可能性を否定できないので、可能性は低いですがノロウイルス、ロタウイルスも考えられます。大腸菌がもっとも疑わしい 荒川隆之さん(病院)生肉による食中毒と思われるので、大腸菌やカンピロバクター、サルモネラなどが原因菌として考えられます。ただ、サルモネラの場合はニューキノロン系抗菌薬、カンピロバクターの場合はマクロライド系抗菌薬が第一選択となります。今回の症例はホスホマイシンを使用していることから、大腸菌が最も疑わしいかと思います。Q2 患者さんに確認することは?副作用歴、併用薬、採便をしたか 中堅薬剤師さん(薬局)抗菌薬関連の副作用歴、併用薬と、採便をしたかどうかを確認します。基礎疾患の有無 奥村雪男さん(薬局)薬(特にキノロン系抗菌薬)のアレルギーがあるか確認します。重症化のリスク因子となる免疫不全などの基礎疾患の有無も確認します。経過をもう一度確認 キャンプ人さん(病院)単なる胃腸炎の可能性もあるかもしれないので症状発現までの時間を確認します。便の培養結果はどうだったか。ノロウイルスの迅速結果はどうだったか(自費なので行わない施設もあるかもしれません)。便の色 柏木紀久さん(薬局)併用薬、便の色や状態(血が混じっているかどうか)、尿は出ているか、また尿の色などの状態はどうか、嘔吐や発熱はあるか、水分は摂取できているか。食事は摂れるか 中西剛明さん(薬局)食事の摂取が可能かどうか聞きます。用法に関連するからです。家族の情報も聞き出す わらび餅さん(病院)妻と子供の症状を尋ねます。患者と同じか、いつからか、血便や腹痛の場所、発熱の有無など患者や家族の症状詳細を聞き、家族としての原因菌や重症度の評価をします。また、妻や子供は現在、何の点滴をしているか、家族に処方箋は出たのかも確認したいです。脱水状態 JITHURYOUさん(病院)利尿薬やSGLT2阻害薬の併用確認をすることは重要だと思います。感染性胃腸炎では脱水により急性腎障害リスクが高くなり、これらの薬剤はもともとの薬理作用からそのリスクを助長する可能性があります。もしこれらの薬剤を使用していたら、一時休薬する必要性があると思います。他にも休薬すべき糖尿病治療薬はありますが、とりわけ脱水という視点で言うとこれらの薬剤になります。本症例では、現在意識清明で、脱水としても重症感はないのですが、ツルゴール反応※や尿量など確認したいと思います。※ ツルゴールとは皮膚の緊張のことで、前腕あるいは胸骨上の皮膚をつまみ上げて放し、2秒以内に皮膚が元の状態に戻れば正常と判断し、2秒以上かかるようであれば脱水症の可能性がある。Q3 疑義照会する?する・・・6人ホスホマイシンの使用量 荒川隆之さん(病院)ホスホマイシンの使用量が少ないので疑義照会します。ただEHECの場合、抗菌薬使用により菌の毒素放出が亢進されHUS発症の危険性が増すとの報告もあるので、使用量を加減しているのかもしれません。海外においては、EHECの場合に抗菌薬の使用を推奨しないことが多いのですが、国内ではホスホマイシンが有効であったとの報告1)もあり、議論の残るところです。腎障害を考慮しての減量の場合もあるかもしれませんが、もともと経口では血中濃度が上がりにくい抗菌薬ですので、ある程度ならば通常用量でよいと考えています。医師の処方意図、真意を探ることも意識して疑義照会を行います。用法の提案も 中西剛明さん(薬局)抗菌薬が必要か確認します。うっかり投与すると菌の破壊で毒素放出量が増加し、HUSを発症するかもしれないからです。個人的には、ホスホマイシンは使用しない方が安心できます。ホスホマイシンを投与するなら、食事を取れない可能性を考慮して、用法は食後ではなく、8時間ごとを提案します。抗菌薬は必要? JITHURYOUさんホスホマイシン投与量1.5g/日と投与期間について疑義照会します。仮にEHECとしても、抗菌薬治療に対しては要・不要双方の見解があります。本症例は、救急外来で点滴後に朝一番の来局ということもあり、重症感があまり感じられないこと、ホスホマイシン投与量が絶対的に少ないことなどを勘案すると、抗菌薬自体不要ではないのでしょうか。仮に必要だとして、このままホスホマイシンを続けるのか、JAID/JSC 感染症治療ガイドライン2015では1日2gとなっていること、第一選択薬であるニューキノロン系抗菌薬にしないのかを確認したいです。抗菌作用以外の効果(HUS予防や炎症性サイトカイン抑制)を狙っているのかも併せて確認したいです。しない・・・4人EHECの可能性の場合もあるので現状で様子見 清水直明さん(病院)疑義照会はしません。入院はしていないようなので、症状は軽症~中等症だと想定すると、カンピロバクター属菌、サルモネラ属菌やノロウイルス・サポウイルスなどのウイルス性の場合、抗菌薬投与は不要であると思います。しかしながら、万が一、O157を代表とするEHECの可能性がある場合には、HUSや脳炎などを併発して重篤化することが多いので、ホスホマイシンの投与で様子を見てもいいと思います。ただし、EHECに対する抗菌薬投与の是非については、専門家の間でも意見が分かれているようです。投与量はやや少なめですが、腸管内での作用を期待しており、ホスホマイシンのバイオアベイラビリティは比較的低く(吸収率は12%)、腸管内に高濃度でとどまるのでそのままとします。用量で迷うが・・・ ふな3さん(薬局)ホスホマイシンの量が少ない(2~3g/日が適当)と思います。微妙な量なので、疑義照会をするか非常に悩ましいところです。ホスホマイシンの有効性については議論があるところなので、疑義照会はしないと思います。Q4 抗菌薬について、患者さんに説明することは?抗菌薬の服用タイミング、抗菌薬を飲みきる 中堅薬剤師さん(薬局)抗菌薬は食後である必要はなく、食事できない場合でも、普段の食事の時間に合わせて服用してよいことを伝えます。採便をしたことが分かれば、ホスホマイシンはつなぎの治療であることを説明します。もし採便しておらず、再受診指示もないのであれば、自ら再受診した方がよいと助言します。再受診の目安 柏木紀久さん(薬局)注意してもらうのは脱水と二次感染、EHECだった場合はHUSへの移行が心配です。また、「血尿、浮腫、貧血、痙攣などが出たら再度受診してください」とも伝えます。下痢止めは使用しないこと 清水直明さん(病院)「指示された通りに正しく最後まで服用してください。ただし、服用の途中であっても、便に血が混じってきたり、意識障害など普段と違った様子が見られた場合は、すぐに救急外来を受診してください。市販の下痢止めは症状を悪化させることがあるので、使用しないでください。」水分補給と二次感染予防 ふな3さん(薬局)「食欲がなく食事が取れなくても、1日3回5日分、しっかり飲みきってください。下痢によって脱水症状が心配されますので、経口補水液などで、しっかり水分補給をしてください。(外出先での排便により感染を広げる可能性があるので)下痢が治まるまでは、自宅で過ごすようにしてください。自宅に他の同居家族がいる場合には、ドアノブ・便器の消毒やタオルの共用を避けるなど注意してください。」Q5 その他、気付いたことは?検査結果までのつなぎ 中堅薬剤師さん(薬局)経験上ですが、開業医は便検査結果が出るまでの「つなぎ」として、ホスホマイシンを数日分処方することがあります。本症例でも、夜間救急で対応した医師も専門ではなく、便検査もできないため、同じような意図で対応したのではないか、と推測します。重篤化のリスクと再受診について 荒川隆之さん(病院)小児ではないので可能性は低いと思うのですが、EHECでは、5~10%の患者さんでHUSを起こし重篤化することが知られているため、元気がない、尿量が少ない、浮腫、出血斑、頭痛、傾眠傾向などの症状が見られた場合にはすぐに受診するように伝えます。時間経過の重要性 キャンプ人さん(病院)菌やウイルスにより潜伏期間が異なるため、丁寧に時間経過を聞くことが大切だと思います。原因菌や経過は分からないことが多い わらび餅さん(病院)実際、このような腸管感染の原因菌は培養提出しないとはっきりせず、ほとんどの場合分からないままです。すぐに元気になってほしいと願うばかりで、正しい選択だったのか経過の確認も難しいです。とりあえず抗菌薬? JITHURYOUさん(病院)本症例は軽症である可能性があり、前述したように抗菌薬投与が必須ではないと考えることもできます。水分を取っても吐くような状況であれば、点滴が必要となります。対症的に五苓散(柴苓湯)などの併用の提案も考慮したいです。ひどい下痢ということから、整腸剤も最大投与量を提案したいです。また考えたくないのですが、夜間診療ということで「とりあえず抗菌薬を処方しておけばなんとかなる」という考えもあったかもしれません。後日談(担当した薬剤師から)用量について疑義照会をしましたが、処方医が外部の非常勤の医師で、既に当直を終えて帰宅しており、回答が得られませんでした。本来は、疑義が解決していないのでこのまま調剤してはいけないのですが、カルテを確認してもらい、特に不自然な点もないことから、急性疾患の患者を待たせることはできないという状況もあり、やむなくそのまま調剤しました。1回きりの来局で、その後の経過は不明です。1)Clin Nephrol 1999; 52(6): 357-362. PMID:10604643

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治療抵抗性うつ病を予測する臨床的因子~欧州多施設共同研究

 欧州リサーチコンソーシアムの治療抵抗性うつ病研究グループ(GSRD)による治療抵抗性うつ病(TRD)の早期発見と、TRDにおける治療アウトカムのクロスサンプルを予測するため、欧州各地より募集されたTRD-IIIサンプルにおける臨床的変数を、オーストリア・ウィーン医科大学のA. Kautzky氏らが調査した。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2018年10月5日号の報告。 TRDの定義は、2つ以上の抗うつ薬試験後にMontgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)スコアが22点以上とした。治療反応の定義は、MADRSスコア50%以上の低下および閾値が22点未満とした。TRDの予測因子は、916例の患者を対象に、16の臨床的変数について、ロジスティック回帰を用いて分析を行った。治療アウトカムの予測は、Elastic net回帰分析を用いて分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・TRDリスク増加の予測因子は、以下のとおりであった。 ●症状重症度(OR:3.31) ●精神症状(OR:2.52) ●自殺リスク(OR:1.74) ●全般性不安障害(OR:1.68) ●入院患者の状況(OR:1.65) ●過去に投与された抗うつ薬数の多さ(OR:1.23) ●生涯うつ病エピソード(OR:1.15) ●現在のエピソード期間の長さ(OR:1.022)・TRDの予測精度は、独立した検証セットであるTRD-Iにおいて、0.86であった。 著者らは「TRDの最も顕著なリスク因子は、症状重症度、自殺リスク、生涯うつ病エピソード数の多さ、不安障害の併発であった。TRD-IIIにおける有意な予測因子は、以前の研究であるTRD-Iにおける治療アウトカムの予測を許容していた」としている。■関連記事治療抵抗性うつ病の予測因子に関するコホート研究治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのかSSRI治療抵抗性うつ病、治療前に識別可能か:大分大

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重症アトピー性皮膚炎、全身療法で有効な薬剤は?

 全身療法は、局所療法では手に負えないほどの重症アトピー性皮膚炎(AD)に対してたびたび行われる。近年、この領域では生物学的製剤の進歩に伴い、従来の全身療法と比較しても有益とされる。この治療に関し、デュピルマブおよびシクロスポリンによる重症度改善において最も強力なエビデンスの存在が、米国・Wake Forest School of MedicineのEdward W. Seger氏らによって報告された。ただし、十分に比較された研究が不足し、治療間の直接比較が難しいため、著者は「生物学的製剤の長期安全性および有効性に関するさらなる研究が必要である」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年10月5日号掲載の報告。 研究グループは、ADに対する全身療法の有効性を比較する目的で、Medline、OvidおよびEmbaseを用い、成人および小児のAD患者を対象とした無作為化比較試験についてシステマティックレビューを行った。 主な結果は以下のとおり。・合計41件の研究が基準を満たし、解析に組み込まれた。・湿疹面積・重症度指数(EASI)およびScoring Atopic Dermatitis(SCORAD)におけるスコアの一貫した改善が、デュピルマブおよびシクロスポリンで報告された。・lebrikizumabおよびtralokinumabは、第II相臨床試験で有効性が示されており、第III相臨床試験の成績が期待される。・小児患者における生物学的製剤の有効性は報告されていないが、シクロスポリンは最大用量で重症度を改善した。

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認知症予防に歩行時間が大きく寄与~日本人1万4千人のデータ

 歩行時間が認知症発症に与える影響について、東北大学の遠又 靖丈氏らが65歳以上の日本人コホートで検証した。その結果、全員が1日1時間以上歩けば認知症発症の18.1%の減少に寄与すると推定され、歩行時間が認知症発症予防に少なからぬ影響を与えることが示唆された。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2018年10月22日号に掲載。 本研究ではまず、65歳以上の1万3,990人のデータを分析しハザード比を推定した。1日歩行時間(0.5時間未満、0.5~1時間、1時間以上)は自己申告のアンケートから評価した。また、公的介護保険データベースを検索し、5.7年間の認知症データを取得し、Coxモデルを用いて認知症の多変量調整ハザード比(HR)を推定。さらに、国民健康・栄養調査における有病率を用いて、人口寄与割合(population attributable fraction:PAF)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・1日歩行時間は、認知症発症と逆相関を示した。・多変量調整HR(95%信頼区間)は、0.5時間未満を1.00(基準)とすると、0.5~1時間で0.81(0.71~0.92)、1時間以上で0.72(0.62~0.84)であった。・全員が1日1時間以上歩けば認知症発症の18.1%の減少に寄与し、現在の歩行時間を1つ上のレベルに増やせば(0.5時間未満から0.5~1時間、あるいは0.5~1時間から1時間以上)14.0%の減少に寄与すると推定された。

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妊娠高血圧腎症、認知症リスクを増大/BMJ

 妊娠高血圧腎症(pre-eclampsia)は、認知症リスクを増大することが、デンマーク・Statens Serum InstitutのSaima Basit氏らによる全国コホート研究の結果、示された。とくに脳血管性認知症のリスクは、非既往女性の3倍以上高く、より高齢(65歳以上)での発症と強い関連が認められたという。また、そのリスクは、糖尿病、高血圧、心血管疾患で補正後もやや減弱する程度で、著者は「妊娠高血圧腎症と脳血管性認知症は基礎メカニズムあるいは感受性経路を共有している可能性がある」と指摘している。なお、アルツハイマー病との関連はわずかで、肥満による交絡の非コントロールによる可能性が示唆された。得られた所見を踏まえて著者は「妊娠高血圧腎症歴を女性に尋ねることは、ベネフィットが得られる女性を臨床医が特定するのに役立ち、疾患の早期兆候に対するスクリーニングや早期臨床的介入を可能とするだろう」と述べている。BMJ誌2018年10月17日号掲載の報告。1978~2015年の分娩デンマーク女性対象にコホート研究 妊娠期に高血圧障害を有した女性は、その後に認知障害や脳萎縮を示す兆候がみられる。それらは妊娠後の短期間に、または数十年後にみられる場合もある。後期発症のアルツハイマー病では、妊娠高血圧腎症の感受性を高める遺伝子異型STOX1遺伝子の過剰な発現が認められている。また、疫学研究により、妊娠期の高血圧障害と認知症には直接的な関連があることが、限定的だが見いだされていた。 研究グループは今回、デンマークの全国コホート研究により、妊娠高血圧腎症と後期認知症との関連を、全体的および認知症サブタイプ別、発症のタイミング別に調べた。 被験者は、1978~2015年に1人以上を出産または死産した全女性。主要評価項目は、妊娠高血圧腎症の既往の有無別に、Cox回帰モデルを用いて算出した認知症率を比較したハザード比(HR)であった。後期の脳血管性認知症発症リスク、罹患女性は非罹患女性の3.46倍 コホートは女性117万8,005例から成り、フォローアップは2,035万2,695人年であった。 妊娠高血圧腎症歴のある女性は、同病歴のない女性と比べて、後期において脳血管性認知症を発症するリスクが3倍以上高かった(HR:3.46、95%信頼区間[CI]:1.97~6.10)。脳血管性認知症との関連は、後期発症の脳血管性認知症のほうが(HR:6.53、95%CI:2.82~15.1)、早期発症(2.32、1.06~5.06)と比べて強いことが認められた。 糖尿病、高血圧、心血管疾患で補正後も、HRはわずかな減弱にとどまった。また、感度解析で、BMIと血管性認知症は関連していない可能性が示唆された。 一方、アルツハイマー病(HR:1.45、1.05~1.99)およびその他/分類不能の認知症(1.40、1.08~1.83)との関連の程度は、わずかであった。

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デュルバルマブ、CCRT維持療法のサブグループ解析(PACIFIC)/ESMO2018

 PACIFIC試験はStageIII切除不能非小細胞肺がん(NSCLC)におけるCCRT治療においてOSとPFS双方を改善した。このPACIFIC試験の探索的解析が、ドイツ・ミュンヘンでの欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)において、発表された。・対象:化学放射線同時併用療法(CCRT)後に進行していない切除不能StageIII NSCLC患者・試験薬:デュルバルマブ10mg/kg、2週ごと12ヵ月・対照薬:プラセボ、2週ごと12ヵ月・評価項目:[主要評価項目]盲検独立中央評価委員会(BICR)判定によるPFS、OS[副次評価項目]死亡または遠隔転移までの時間、2回目の進行までの時間、安全性などCCRTの1~42日後に、被験者はデュルバルマブとプラセボに2対1に無作為に割り付けられた。 主な結果は以下のとおり。・事前に設定されたPFSとOSのサブ解析では、すべての項目で、デュルバルマブ群が優れていた。・先行化学療法の種類にかかわらず、デュルバルマブ群が優位であった。・先行放射線治療の照射量、放射線完了時から維持治療までの時間(14日未満・以上)にかかわらず、デュルバルマブ群が優位であった。 事後に設定されたサブグループ解析(PD-L1 1%未満・以上)・BICR判定によるPFSは、[PD-L1 TC 1%以上]デュルバルマブ群17.8ヵ月、プラセボ群5.6ヵ月であった(HR:0.46、0.33~0.64)。[PD-L1 TC 1%未満]デュルバルマブ群10.7ヵ月、プラセボ群5.6ヵ月であった(HR:0.73、95%CI:0.48~1.11)。・OSは、[PD-L1 TC 1%以上]デュルバルマブ群未達、プラセボ群29.1ヵ月であった(HR:0.53、95%CI:0.36~0.77)。「TC1%未満」デュルバルマブ群、プラセボ群ともに未達であった(HR:1.36、95%CI:0.79~2.34)。 発表者の英国・マンチェスター大学 Faivre-Finn氏は、PD-L1 1%を境界としたサブ解析について下記のように述べた。この解析は、事前に設定されたサブグループではなく、EMAの要請により行ったものであること(事前に設定されたサブグループはPD-L1 25%未満・以上・不明で、いずれの群もデュルバルマブ群が優位)。PD-L1 1%未満群は症例数およびイベント数が少なく、プラセボ群に有利な患者の背景があること、などから、PD-L1発現状況による最終的な結論は、今回の事後探索的サブグループ解析では導き出せない。PACIFIC試験のデータは、CCRT後のデュルバルマブ維持治療というPACIFICレジメンを、切除不能StageIII NSCLCの新たな標準治療として支持するものである。■関連記事デュルバルマブ、切除不能StageIII NSCLCのOS改善(PACIFIC)/NEJMEGFR変異陽性肺がんの再発リスクを40%減、ゲフィチニブ補助療法/ASCO2017※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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エンパグリフロジン、心血管疾患を有する2型糖尿病患者の生存期間延長の可能性

 ドイツ・ベーリンガーインゲルハイムと米国・イーライリリー・アンド・カンパニーは、EMPA-REG OUTCOME試験のデータから、心血管疾患を有する成人2型糖尿病患者に対するエンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)による治療が、平均生存期間の延長に寄与する可能性が示されたことを発表した。この結果はCirculation誌2018年10月9日号に掲載された。 EMPA-REG OUTCOME試験は、心血管疾患を有する成人2型糖尿病患者を対象としたエンパグリフロジン群とプラセボ群を比較した試験。本試験で明らかとなった有益な影響が、エンパグリフロジンをさらに長期間使用した場合にも継続すると仮定し、生命保険数理法を用いて解析したところ、エンパグリフロジン投与群はプラセボ投与群よりも平均推定生存期間が1~4.5年(年齢により異なる)長くなることが示された。この解析から、エンパグリフロジン投与により生存期間延長の可能性が示唆された。 本試験の被験者7,020例から得られたデータの解析で、エンパグリフロジン群は、プラセボ群と比較して、どの年齢においても平均推定生存期間が長いことが示された。具体的には、45歳の被験者における平均推定生存期間は、エンパグリフロジン群では32.1年で、プラセボ群での27.6年より4.5年長い。50歳、60歳、70歳、80歳の被験者においては、それぞれ3.1年、2.5年、2年、1年長くなるという結果が示された。 論文筆頭著者のブリガム・アンド・ウィメンズ病院のBrian Claggett氏は、「これまでの研究では、心血管イベントの既往がある60歳の2型糖尿病患者は、同年齢の健常人と比較して平均生存期間が最大12年短くなることが推定されている。今回の解析で、エンパグリフロジンによって、このような患者の生存期間が平均2.5年長くなることが推定された」と述べている。 なお、日本におけるジャディアンスの効能・効果は2型糖尿病であり、心血管イベントのリスク減少に関連する効能・効果は取得していない。■関連記事エンパグリフロジン、心血管死リスクを有意に低下/NEJMエンパグリフロジン、腎症の発症・進行を抑制/NEJM

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手術室を滅菌空間から単体医療機器に「スマート治療室」/脳神経外科学会

 手術室では、手術に関わる人間が医療機器や設備からの膨大な情報を、限られた時間で判断しながら、治療を行っている。そうした治療現場においてIoTを活用して医療機器や設備を接続し、手術や患者の状況と共に時系列に統合し、それを手術室内外で共有することで、治療の効率と安全性を向上させる「スマート治療室」の開発が、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)主体で進められている。このスマート治療室は「SCOT(Smart cyber operating theater)」と名付けられ、東京女子医科大学を中心に、5大学11企業による産学連携のプロジェクトとして進められている。 「SCOT」は、手術室の機器を、モニタリング、患部診断、治療、手術者の補助/支援など用途ごとにをパッケージ化し、産業用のミッドウェア「ORiN(Open Resource interface for the Network)」をベースに開発された治療用インターフェイス「OPeLiNK」で、手術室内機器・設備を接続する。すでにパッケージ化を実現した「Basic SCOT」が広島大学で、さらに「OPeLink」を備えてネットワーク化を実現した「Standard SCOT」が信州大学に導入されている。そして、本年(2018年)度末、手術ロボット連携など高度な統合を実現した「Hyper SCOT」が、東京女子医科大学に設置される。 プロジェクトを統括する東京女子医科大学の村垣 善浩氏は、日本脳神経外科学会 第77回学術総会での発表で、従来スタンドアローンだったデータが、ナビゲーションの情報と時間同期されて記録できる。このように空間の情報と時間の情報が同期されることで、質の高いデータを収集可能になる。これら質の高いデータを用い、ロボット化した治療を行い、さらにAIを使った術者の意思決定支援が可能になる、と述べている。 すでに「Basic SCOT」が販売開始されており、今後も適宜リリースする予定である。また、脳神経外科だけでなく、他領域への横展開、病院全体への縦展開を目指して開発中である。さらに、ロボット化した国産新治療を実装し、自動車に次ぐ輸出の切り札として、治療室産業を創出する、としている。

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SSRIナイーブのうつ病患者に対するセルトラリンの有効性に関するランダム化比較試験

 キューバ・Centro Nacional Coordinador de Ensayos ClinicosのRoselin Valle-Cabrera氏らは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)ナイーブの大うつ病患者を対象に、セルトラリンとプラセボの有効性および安全性を評価する臨床試験を実施した。Journal of Clinical Psychopharmacology誌2018年10月号の報告。 10週間のランダム化多施設プラセボ対照二重盲検比較優越性試験を実施した。対象は、ハミルトンうつ病評価尺度17項目(HAMD-17)の合計スコア19~36点の成人うつ病患者。対象患者は、セルトラリン群39例またはプラセボ群38例にランダムに割り付けられた。各患者には、セルトラリン50mg/日またはプラセボを固定用量で4週間投与した。その後、必要に応じて、最大200mg/日まで用量調節を行った。主要有効性エンドポイントは、ベースライン時と比較した10週間後のHAMD-17スコア50%以上低下と定義した臨床反応とした。ベースラインからのHAMD-17スコア変化を、補助的分析として実施した。 主な結果は以下のとおり。・臨床反応は、セルトラリン群において良好であった(72% vs.32%、相対リスク:2.27、95%CI:1.37~3.78、p=0.0006)。・線形混合モデルでは、arm × time相互作用が有意であることが示唆された(尤度比カイ2乗統計量:7、自由度:48.42、p<0.0001)。・HAMD-17変化スコアは、8週目以降のセルトラリン群において良好であった。・セルトラリン群の主な有害事象は、頭痛、下痢、体重減少であった。 著者らは「本試験では、プラセボと比較したセルトラリンの効果発現は、通常よりも遅かった。この効果発現の遅れは、臨床試験中の医師と患者の密接な治療プロセスおよび新規治療による効果への期待によるものであると考えられる」としている。■関連記事たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤はSSRI治療抵抗性うつ病、治療前に識別可能か:大分大

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AI利用で早期緑内障の診断精度が向上

 東京大学医学部眼科学教室特任講師の朝岡 亮氏らは、複数の黄斑部OCT画像のディープラーニング(DL)モデルを利用することで、緑内障の早期診断精度が実質的に向上する可能性があることを明らかにした。American Journal of Ophthalmology誌オンライン版2018年10月11日号掲載の報告。 研究グループは、スペクトラルドメインOCT(SD-OCT)画像から早期緑内障を診断するためのDLモデルの開発および評価、検討を目的とした、多施設共同研究を行った。 複数医療機関の協力を得て、プレトレーニングデータ、トレーニングデータ、検証データを用意。プレトレーニングデータは、病期ステージを問わずに集めた開放角緑内障(OAG)の1,565眼と健康な193眼による4,316枚のOCT画像で構成されていた。また、トレーニングデータには、早期OAG(平均偏差[MD]:>-5.0dB)患者94眼(94画像)と健康な被験者84眼(84画像)を含み、検証データには、早期OAG(MD:>-5.0dB)患者114眼(114画像)と健康な被験者82眼(82画像)が含まれていた。プレトレーニングデータの画像撮影にはRS-3000(Nidek)、トレーニングデータおよび検証データにはOCT-1000/2000(Topcon)を用いた。 DL(畳み込みニューラルネットワーク)分類器の学習は、プレトレーニングデータセットを使い、2回目の学習に独立したトレーニングデータセットを使用した。SD-OCT画像から8×8グリッドの黄斑部網膜神経線維層厚と網膜神経節細胞層複合体厚を抽出し、特徴(feature)として用いた。検証データセットを用いて診断精度を調査し、ランダムフォレスト(Random Forests:RF)およびサポートベクターマシーン(SVM)を用いて比較評価を行った。 主要評価項目は、ROC曲線下面積(AROC)であった。 主な結果は以下のとおり。・DLモデルによるAROCは、93.7%であった。・プレトレーニングデータによる学習を行わなかった場合、AROCは76.6~78.8%と有意に低下した。・RFによるAROCは82.0%、SVMによるAROCは67.4%と、いずれも有意に小さかった。

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エルロチニブによるNSCLCネオアジュバントの有効性(CTONG-1103)/ESMO2018

 EGFR-TKIゲフィチニブによるEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法は、ADJVANT試験において、PFSの有意な延長が報告された。CTONG-1103試験は、のStageIII-N2 EGFR変異陽性NSCLCの術前補助療法において、エルロチニブ単剤とゲムシタビン+シスプラチン(GC)を比較したオープンラベル無作為化比較第II相試験である。ドイツ・ミュンヘンでの欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)において、その結果が発表された。・対象:未治療のStageIIIA-N2 EGFR変異陽性NSCLC・試験群:エルロチニブ150㎎/日42日、(手術)、術後エルロチニブ150㎎/日12ヵ月・対象群:ゲムシタビン+シスプラチン3週ごと2サイクル、(手術)、術後ゲムシタビン+シスプラチン 3週ごと2サイクル・評価項目:[主要項目]全奏効率(ORR)[副次項目]リンパ節の病理学的ダウンステージ、病理的完全奏効(pCR)、無増悪税損期間(PFS)、3年・5年全生存(OS)率、安全性・忍容性 主な結果は以下のとおり。・72例が、無作為にエルロチニブ群に37例、GC群に35例に割り付けられた。・ORRは、エルロチニブ群54.1%、GC群34.3%であった(p=0.092)。・手術実施率は、エルロチニブ群83.8%、GC群68.6%であった(p=0.129)・リンパ節ダウンステージは、エルロチニブ群10.8%、GC群2.9%であった(p=0.185)。・pCRは、両群ともにみられなかったが、MPR(Major Pathologic Response)は、エルロチニブ群10.7%、GC群0%であった。・PFSは、エルロチニブ群21.5ヵ月、GC群11.9ヵ月、と、エルロチニブ群で有意に良好であった(HR:0.42、p=0.003)。・有害事象については、既報と同様であった。■関連記事EGFR変異陽性肺がんの再発リスクを40%減、ゲフィチニブ補助療法/ASCO2017※医師限定肺がん最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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妊娠中の細菌性膣症、早期抗菌薬治療は有益か?/Lancet

 妊娠中の細菌性膣症の治療は、早産などの不良なアウトカムを減少可能だが、早期発見・治療に努めることでリスクの減少につながるのか。フランス・リール大学病院のDamien Subtil氏らによる多施設共同二重盲検無作為化試験「PREMEVA試験」の結果、そうしたエビデンスは認められないことが示された。検討では、妊娠14週前に系統的なスクリーニングを行い、細菌性膣症が認められた場合は、抗菌薬のクリンダマイシンによる治療を行った。結果を受けて著者は、「今回検討した患者集団では、早産回避のための抗菌薬使用について再考すべきことが示された」とまとめている。Lancet誌オンライン版2018年10月12日号掲載の報告。妊娠リスク高低別に、プラセボを含む治療コース5群について検討 PREMEVA試験では、細菌性膣症の治療が後期流産や自然超早産を減らすのか、フランス国内40ヵ所で細菌性膣症を有する18歳以上の女性を集めて検討された。 被験者のうち妊娠リスクが低い対象者は、(1)クリンダマイシン300mgを1日2回で4日間投与の1コース+プラセボ4日間投与の2コース(低1コース群)、(2)クリンダマイシン300mgを1日2回で4日間投与を3コース(低3コース群)、(3)プラセボ4日間投与を3コースの3群に、(1)(2)対(3)が2対1の割合になるよう無作為に割り付けられた。また妊娠リスクが高い対象者は、(4)クリンダマイシン300mgを1日2回、4日間投与を1コース(高1コース群)、(5)同投与を3コース(高3コース群)の2群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、後期流産(16~21週)または自然超早産(22~32週)の複合で、分娩データが得られた全患者(修正intention-to-treat集団)で評価した。有害事象は、系統的に報告された。後期流産・自然超早産の発生について、有意差はみられず 2006年4月1日~2011年6月30日に、妊娠14週前に8万4,530例の妊婦をスクリーニングした。5,630例が細菌性膣症を有しており、そのうち3,105例を、低1コース群(943例)、低3コース群(968例)、プラセボ群(958例)、高1コース群(122例)、高3コース群(114例)に無作為に割り付けた。 妊娠リスクが低い2,869例では、主要評価項目の発生は、クリンダマイシン投与群が22/1,904例(1.2%)、プラセボ群10/956例(1.0%)であった(相対リスク[RR]:1.10、95%信頼区間[CI]:0.53~2.32、p=0.82)。 妊娠リスクが高い236例では、同発生は、高3コース群5例(4.4%)、高1コース群8例(6.0%)であった(RR:0.67、95%CI:0.23~2.00、p=0.47)。 妊娠リスクが低い集団では、有害事象は、クリンダマイシン群がプラセボ群よりも頻度が高かった(58/1,904例[3.0%]vs.12/956例[1.3%]、p=0.0035)。 概して多く報告されたのは、下痢(30例[1.6%]vs.4例[0.4%]、p=0.0071)で、腹痛もクリンダマイシン群で多く観察された(9例[0.6%]vs.報告なし、p=0.034)。重篤な有害事象はいずれの群においても報告がなかった。 妊娠リスクが高い集団において、胎児および新生児の有害アウトカムについて、両投与群間で有意差はなかった。〔11月6日 記事の一部を修正いたしました〕

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テオフィリンは過去のクスリか?(解説:倉原優 氏)-940

 テオフィリンを安定期COPDに用いて1秒量が少し上がった人はいるが、症状が劇的に改善したりCOPD増悪を抑制したり、という経験は個人的にはない。吸入薬が台頭している現在、安定期COPDに対してテオフィリンを処方する医師は減ったが、それでも内服という手軽さもあって、ベテラン医師からの人気は根強い。 ちなみに、海外ではキサンチン誘導体の処方はかなり減っている。これには明確な理由がある。効果と副作用のバランスがとれていないからだ。効果が少ないわりに副作用リスクが大きいのである。 少し古いが、16年前のコクランレビュー1)では、安定期COPDに対するテオフィリンは、プラセボと比較して肺機能改善をもたらしたものの、COPD増悪を抑制できるほどの効果は認められなかった。そして、残念ながら嘔気のリスクが有意に上昇することが示されたのである。 このTWICS試験は、吸入ステロイドに低用量テオフィリンを加えることの是非を問うものだ。テオフィリンを低用量にすることで、血中濃度の上昇を抑えることができるため、嘔気などの副作用が出にくくなる。また、ステロイドとテオフィリンの間にはシナジー効果があることがわかっており(テオフィリンの効果を何倍にも上げるらしい)、副作用が出ない状態でCOPD増悪を抑制できるかもしれない。そういう理念で立案された研究だ。 結果、低用量テオフィリンを吸入ステロイドと併用しても、プラセボと比較して1年間のCOPD増悪数を減らすことはできなかった。つまり、テオフィリンのCOPD増悪に対する有効性はほぼ否定された形となり、積極的に投与すべき薬剤とは言えなくなった。ただ、1秒量に対する有効性は、まだ議論の余地があるとは思う。 しかしながら、テオフィリンの血中濃度を測定せずに、漫然と投与されている高齢者のCOPD患者をよくみかけるが、下手をすればリスクを与えているだけということになりかねないので注意が必要だ。

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第66回 ノーベル生理学・医学賞の米国での反響と免疫CP阻害薬の致死的副作用【侍オンコロジスト奮闘記】

第66回:ノーベル生理学・医学賞の米国での反響と免疫CP阻害薬の致死的副作用キーワードノーベル生理学・医学賞免疫チェックポイント阻害薬Daniel Y,et al. Fatal Toxic Effects Associated With Immune Checkpoint Inhibitors.JAMA Oncol. 2018 Sep 13.[Epub ahead of print]

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高齢NSCLCに、有効かつFNのない化学療法を 第20回【肺がんインタビュー】

第20回 高齢NSCLCに、有効かつFNのない化学療法を高齢者の非小細胞肺がん(NSCLC)では、化学療法による発熱性好中球減少症(FN)が大きな問題となる。そのような中、高齢者肺がん患者を対象にドセタキセル・ラムシルマブ併用レジメン(以下、ドセタキセル・ラムシルマブ)にPEG-G-CSFを併用した、西日本がん研究機構(WJOG)による第II相試験DRAGON study(WJOG9416L)1)が実施される。同試験の研究事務局である神戸低侵襲がん医療センターの秦 明登氏に、同研究の狙いを聞いた。試験を行った背景はどのようなものですか。わが国では、ドライバー遺伝子変異のない高齢者肺がんに対する1次治療のスタンダードは、ドセタキセル単剤です。このドセタキセル単独に対し、ドセタキセル・ラムシルマブは、2次治療以降で、奏効率、無増悪生存期間、そして全生存期間を有意に延ばしています2)。この試験は年齢を問わず行われましたが、高齢者においても有力な治療選択肢となる可能性があります。しかし、このレジメンの課題はFNの頻度が高いことで、日本人の第II相試験では、34%、つまりおよそ3例に1例がFNを発症するという報告があります3)。一方、わが国の後ろ向きの報告では、ドセタキセル・ラムシルマブにPEG-G-CSF製剤であるペグフィルグラスチムを併用することで、FN発症をゼロに抑えたという報告があります4)。そのほかにも、ペグフィルグラスチムの化学療法との併用によるFN発症抑制については、しっかりしたエビデンスが示されています。このようなことから、ドセタキセル・ラムシルマブにペグフィルグラスチムの1次予防を併用することで、FNを防ぎつつ、有効性を確保した治療を高齢NSCLC患者に提供できるのではないかという仮説を立て、この試験を実施しています。プライマリ・エンドポイントは全奏効率(ORR)ですが、FN発症抑制についても評価されるのですか。有効性を評価するために第II相試験の一般的な評価項目として、ORRをプライマリ・エンドポイントに設定しています。FNの発症率についても、副次評価項目の安全性で評価する予定です。FNの1次予防としてG-CSFを用いることについては?改訂されたG-CSF使用に関するASCOのガイドラインでは、FN発症リスク20%以上の患者ではG-CSFの1次予防が推奨されています5)。ドセタキセル・ラムシルマブのFN発症率はおよそ3分の1ですので、十分その対象となります。さらに、PEG製剤を用いることによる、実臨床でのメリットもあります。現在の化学療法はほとんど外来で実施します。従来のG-CSFは連日投与が必要ですが、PEG-G-CSFは半減期が長く、3週に1回の投与で効果を発揮し、また化学療法の翌日から予防的に投与できます。実際の治療として、3週間サイクルの1日目にドセタキセル・ラムシルマブを、翌日にペグフィルグラスチムを投与するだけで済みますので、患者さんの受診負担も減らすことが可能になるのです。今後の研究の方向性はどのようなものですか。高齢者NSCLCの化学療法の効果は十分とはいえませんし、進化もプラトーに達しているといえます。しかし、分子標的薬は高齢者にも有効性が期待できます。その中の1つが、ベバシズマブやラムシルマブなどのVEGF阻害薬です。ただ、わが国の高齢者肺がんにおけるラムシルマブの使用については十分なデータがあるとはいえません。その意味でも、前向きに65例を検証する、この試験は意義があると思います。この第II相試験で、FNの発症抑制など安全性を確保しつつ、有効性を示すことができたら、次は、ドセタキセル・ラムシルマブ+ペグフィルグラスチムと現在の標準治療ドセタキセル単剤とを比較する第III相試験に進む計画です。DRAGON(WJOG9416L)studyデザイン多施設前向きシングルアーム第II相試験対象:75歳以上のNSCLC患者(化学療法未治療、ドライバー遺伝子変異陽性例はTKI治療で進行した患者)介入:ドセタキセル60mg/m2、ラムシルマブ10mg/kg day1、ペグフィルグラスチム3.6mg day2、3週ごと主要評価項目:全奏効率(ORR)副次評価項目:無増悪生存期間、全生存期間、奏効期間、安全性ORR:閾値20%、期待値35%サンプルサイズ:65例※DRAGON Study:Docetaxel plus Ramucirumab with primary prophylactic pegylated granulocyte-colony stimulating factor support for elderly patients with advanced non-small-cell lung cancer: A multicenter prospective single arm phase II trial1)Hata A, et al. Clin Lung Cancer. 2018 Aug 7.[Epub ahead of print]2)Garon EB, et al. Lancet. 2014;384:665-673.3)Yoh K, et al. Lung Cancer. 2016;99:186-193.4)Hata A, et al. Oncotarget. 2018;12:27789-27796.5)Smith TJ, et al. J Clin Oncol. 2006;24:3187-3205.

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