サイト内検索|page:223

検索結果 合計:5819件 表示位置:4441 - 4460

4441.

医学の進歩はてんかん発症を予防できるようになったのか

 てんかんの新規発症の予防は、重要な公衆衛生上の問題であり、緊急のアンメットニーズである。しかし、その予防が進んでいるかは不明である。フィンランド・トゥルク大学のMatti Sillanpaa氏らは、この40年間の医学の発展による、フィンランドにおけるてんかん予防の進展を検討した。JAMA neurology誌オンライン版2016年2月15日号の報告。 504万人のフィンランドの長期的国家レジスタ研究を使用し、1973~2013年にフィンランドで新規にてんかんと診断された入院患者を検討した。てんかん患者は、2回以上の非誘発性発作の発生により定義した。本研究は、2015年7月に実施された。なお、フィンランドではてんかん患者は診断時にルーチンに入院していることから、てんかん発症のエビデンスが存在する。 主な結果は以下のとおり。・1973~2013年にフォローアップされたフィンランド人平均504万人のうち、10万792人がてんかんと同定された。・このうち、4万6,995人(47%)は、焦点てんかんであった。・研究に含まれた患者の平均年齢は、男性45歳(四分位範囲:24~65歳)、女性46歳(同:23~71歳)であった。・年齢範囲65歳未満のてんかん発症率に変化は認められなかった(1973年:10万人当たり60人、2013年:同64人)。・しかし、65歳超では、有意なてんかんの増加が認められた(1973年:10万人当たり57人、2013年: 同217人)。 著者らは「本研究では、この40年間で、65歳未満の新規てんかん発症が予防されたとのエビデンスは見受けられなかった。むしろ実際には、高齢者では、新規てんかん発症が約5倍に上昇していた」とまとめている。関連医療ニュース てんかんの原因遺伝子発見により臨床にどのような変化が起こったか 薬剤抵抗性てんかんに関する新たな定義を検証 てんかん重積状態の薬物療法はエビデンス・フリー・ゾーン

4442.

急性双極性うつ病に対する非定型抗精神病薬の信頼性は

 双極性障害(BD)に関連する混合性の特徴を伴う急性うつ病の治療における第2世代抗精神病薬(SGA)の使用を支持するエビデンスは乏しく、不明確である。そのような中、米国・コロンビア大学のMichele Fornaro氏らは、混合特徴を伴う急性BDのうつ病治療に対するSGAを調査した研究のシステマティックレビューと予備メタ解析を行った。International journal of molecular sciences誌2016年2月号の報告。 独立した2人の著者が、1990~2015年9月の期間で主要な電子データベースより、混合性の特徴を伴う急性双極性うつ病治療に対するSGAの有効性を調査した無作為化(プラセボ)対照比較試験(RCT)またはオープンラベル臨床試験の検索を行った。ランダム効果メタ解析により、SGAとプラセボ間のうつ症状および躁症状のスコアのベースラインからエンドポイントまでの変化に関する標準化平均差(SMD)、95%信頼区間(CI)を計算した。 主な結果は以下のとおり。・RCT 6報、オープンラベルプラセボ対照研究(事後レポートを含む)1報から1,023例の患者が抽出された。・対象患者には、ziprasidone、オランザピン、lurasidone、クエチアピン、asenapineのいずれかが、平均6.5週間投与されていた。・Duval and Tweedie調整により出版バイアスを加味したメタ解析では、SGAは、ヤング躁病評価尺度(YMRS)総スコアの平均値により評価されるように、混合性の双極性うつ病の躁(軽躁)症状の有意な改善をもたらした(SMD:-0.74、95%CI:-1.20~-0.28、SGA:907例、対照:652例)。・メタ解析では、SGA治療患者(979例)は、プラセボ群(678例)と比較してモンゴメリ・アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)スコアの大幅な改善が認められた(SMD:-1.08、95%CI:-1.35~-0.81、p<0.001)。 著者らは「全体的に、SGAはプラセボと比較し、MADRSやYMRSスコアの良好な改善が認められた。しかし、本報告の予備的な性質を考えると、信頼性の向上や決定的な結論を導くために追加のオリジナル研究が必要とされる」とまとめている。関連医療ニュース 双極性障害への非定型抗精神病薬、選択基準は 治療抵抗性うつ病に対する非定型抗精神病薬の比較 精神病性うつ病に、抗うつ薬+抗精神病薬は有効か

4443.

アルツハイマー病の今後の治療戦略予測

 アルツハイマー病は、最もよく見られる進行性の神経変性疾患である。コリン作動性機能障害は主要な病理学的変化の1つであり、コリン作動性ニューロンの枯渇は、βアミロイドプラークや神経原線維変化といった十分に確立された毒性によって引き起こされる。コリン作動性機能障害は、アセチルコリンの合成と放出の減少の結果であり、ムスカリン性およびニコチン性のコリン作動受容体の機能を変化させる。また、コリン作動性変化、アミロイドβ産生やタウのリン酸化と2つの主要なアルツハイマー病の病理的特徴との間には直接的な相関が同定されている。イタリアのローマ・ラ・サピエンツァ大学のAnnamaria Confaloni氏らは、コリン作動性受容体の活性を調節できる新たなアロステリックやbitopicリガンドの同定を検討した。さらに、脳内で薬物を送達する薬物送達(drug delivery)法(ナノ粒子、リポソームなど)が、毒性や潜在的な副作用を低減するかも検討した。Current pharmaceutical design誌オンライン版2016年2月15日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・現在、多くの薬剤(たとえば、ドネペジル、リバスチグミンなど)が、アルツハイマー病に使用されていた。そして、ムスカリン性やニコチンアゴニストのような開発中のいくつかの薬剤は、コリン作動系を特異的にターゲットとしている。主なメカニズムは、神経毒性蛋白の集積を減少し、認知障害の原因であるコリン作動性の反応を改善するコリン作動性機能障害の改善を目指している。・有望なアプローチは、脳への薬物送達の改善、または既知もしくは新規の分子経路をターゲットとした新規化合物の開発である。・ナノ粒子やリポソームは、コリン作動系をターゲットとした化合物送達への利用にとくに焦点を当てた、従来の投与経路を克服する新規ナノテクノロジーツールとして評価されている。・最終的には、研究の新規フィールドでは、人工多能性幹細胞の使用が始まる。患者から直接細胞を入手することを可能にする技術は、無限に増殖することができ、感受性神経細胞サブタイプに分化できる。・このことは、アルツハイマー病の病理学的プロセスの理解を改善するために大きく貢献し、コリン作動性機能障害の先にある現在のアルツハイマー病の薬理学を高める可能性がある。・現在のレビューに記載された内容から、薬理学的研究と薬物送達のためのナノテクノロジーの手法、新規の特異的なモデルの同定を組み合わせることで、アルツハイマー病を含むさまざまな神経疾患の治療戦略を大いに改良し、向上させられる可能性がある。関連医療ニュース これからのアルツハイマー病治療薬はこう変わる 抗認知症薬の神経新生促進メカニズムに迫る:大阪大学 新たなアルツハイマー病薬へ、天然アルカロイドに脚光

4444.

統合失調症患者の副作用認識状況は:さわ病院

 多くの統合失調症患者において、服薬アドヒアランスは不良である。神戸学院大学、さわ病院の橋本 保彦氏らは、統合失調症患者における服用薬剤の副作用の認識について教育的介入効果の検討を行った。Australasian psychiatry誌オンライン版2016年2月24日号の報告。 対象は、国内の病院2施設に入院している統合失調症患者87例。対象患者は、「前月、服用した薬剤による何らかの副作用を経験したかどうか」の質問に回答し、薬剤の副作用認識の有無で2群に振り分けた。 主な結果は以下のとおり。・服用薬剤の副作用を認識していたのは、27.6%の患者のみであった。・薬剤師による教育および副作用リストを提示した後、認識率は著しく向上した(≦96.6%)。・ほとんどの統合失調症患者は、服用薬剤の副作用を明確に認識していなかった。・患者は不快感を経験した場合、服薬を中止する傾向があった。 結果を踏まえ、著者らは「副作用は、服薬中止の主な危険因子であり、これらの早期の発見・報告は、より早い患者対応につながる。服薬中止による再発リスクを考慮すると、統合失調症患者に対し専門家は積極的に不快感について教育し、副作用をマネジメントする必要がある」とまとめている。関連医療ニュース 統合失調症患者、どんな剤形を望んでいるのか 抗精神病薬注射剤を患者は望んでいるのか 精神疾患患者は、何を知りたがっているのか

4445.

双極性障害治療、10年間の変遷は

 過去10年間メンタルヘルスケアにおいて、双極性障害と診断された患者の処方パターンや変化を明らかにするため、デンマーク・コペンハーゲン精神医学センターのLars Vedel Kessing氏らは、集団ベースおよび全国データを用いて検討した。さらに、国際的ガイドラインからの勧告と調査結果との関係も検討した。Bipolar disorders誌オンライン版2016年2月18日号の報告。 集団ベースで全国的な研究が実施された。デンマーク全人口より、2000~11年までの10年間に、メンタルヘルスケアで躁病・双極性障害と初めての受診で診断されたすべての患者のレジストリベース縦断データと、すべての処方データが含まれた。 主な結果は以下のとおり。・合計3,205例の患者が研究に含まれた。・調査期間中、リチウムはあまり処方されておらず、抗てんかん薬と非定型抗精神病薬は、より多く処方されていた。・リチウムは、第1選択薬から最終選択薬へ変化し、非定型抗精神病薬に置き換えられていた。・抗てんかん薬は、第4選択薬から第2選択薬クラスとして処方されていた。また、抗うつ薬は、10年間高いレベルでほぼ横ばいであった(1年間の値:40~60%)。・ラモトリギンおよびクエチアピンの処方が大幅に増加していた。・併用療法は、リチウムと抗うつ薬の併用を除き、すべての組み合わせで増加していた。 結果を踏まえ、著者らは「調査期間中、主な変化は薬物処方でみられた。リチウムの処方減少と抗うつ薬の変わらぬ大量の処方は、国際的ガイドラインの勧告に沿わない」としている。関連医療ニュース ラピッドサイクラー双極性障害、抗うつ薬は中止すべきか 双極性障害への非定型抗精神病薬、選択基準は 双極性障害に対する非定型抗精神病薬比較

4446.

日本人高齢者、運動でアルツハイマー病リスク軽減:九州大学

 九州大学の岸本 裕歩氏らは、日本人高齢者における認知症リスクに対する身体活動の長期的な影響を調査した。その結果、身体的な活動が日本人の認知症のリスク、とくにアルツハイマー病のリスクを軽減することを報告した。European journal of epidemiology誌オンライン版2016年2月8日号の報告。 65歳以上で認知症でない日本人高齢者地域住民803人を、プロスペクティブに17年間追跡した。身体活動は、余暇に少なくとも週に1回以上行うと定義した。参加者は、身体活動の実施または欠如により、活動群と非活動群に分類された。すべての原因による認知症およびそのサブタイプの発症における身体活動のリスク推定値は、Cox比例ハザードモデルを用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中、すべての原因による認知症の発症者は291人であった。・アルツハイマー病(AD)が165人、血管性認知症(VaD)93人、他の認知症47人であった。・非活動群と比較して、活動群はADの有意に低い発症率(21.8/1,000人年 vs.14.2/1,000人年、p=0.01)を示した。しかし、すべての原因による認知症発症(35.6/1,000人年 vs.30.5/1,000人年、p=0.17)、VaDの発症(11.3/1,000人年 vs.9.8/1,000人年、p=0.49)、その他の認知症の発症(4.6/1,000人年 vs.7.1/1,000人年、p=0.15)では有意な差は認められなかった。・交絡因子を調整した後も、身体活動とADリスクの関係は有意なままであった(調整ハザード比:0.59、95%CI:0.41~0.84、p=0.003)。関連医療ニュース アルツハイマー病へ進行しやすい人の特徴は 認知症への運動療法、効果はあるのか 歩くスピードが遅くなると認知症のサイン

4447.

Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療

第1回 まずは診断と病態の評価 第2回 うつ病の「原因」を探索する第3回 さまざまなうつ病を知る 第4回 うつ病の発症機序を理解する第5回 抗うつ薬を正しく使う! 第6回 1剤目が効かないときは… 第7回 うつ病と間違いやすい双極性障害 第8回 自殺させない患者との接し方 うつ病はどの診療科でも遭遇する可能性がある疾患です。そのスクリーニングや初期対応はすべての医療者の必須知識といっても過言ではありません。このDVDでは、基本的な診断方法や病型による薬剤選択、寛解までの治療戦略について、非専門医も知っておくべき内容に絞ってレクチャーします。これだけは頭に入れておきたい症状などは、語呂合わせを交えて紹介。講師自らが患者役を演じるスキットで、診断に欠かせない症状把握と診察のイメージトレーニングもできます。このDVDで、うつ病診療の勘所を押さえて自信を持って診療にあたってください!第1回 まずは診断と病態の評価 うつ病は患者さんの訴えからでしか診断ができません。だからこそ、その症状を理解することが何よりも重要。今回は、特徴的な9つの症状について、患者さんがよく言うフレーズや行動などを具体的にレクチャーします。診察中にすぐに思い出せるように、これらの症状を語呂合わせで覚えてしまいましょう!さらに、講師自らが患者役を演じるスキットで、どんな言葉や様子からうつ病を疑うか練習してみてください!第2回 うつ病の「原因」を探索するうつ病になりやすい性格は本当にあるのでしょうか。離婚や死別などストレスになる出来事があった場合の抑うつはうつ病ではないのでしょうか。今回は混乱しやすい、うつ病の「原因」についてレクチャーします。さらにうつ病と適応障害の違いも解説。この内容を知っておくだけで格段に診断をしやすくなること間違いありません!第3回 さまざまなうつ病を知る うつ病といっても、その病型によって症状はがらっと変わります。病型によっては、疾患ではなく性格の問題では?と誤解してしまうことも。今回は誰もが想像するようなうつ病であるメランコリア型と、それとは症状が異なる非定型をメインに取り上げて、その症状を患者スキットと語呂合わせで解説します。治療方針も異なるこれらの病型の特徴をこの番組で押さえてください!第4回 うつ病の発症機序を理解するうつ病は発症機序が完全には解明されていない疾患。しかし現時点でわかっている発症のメカニズムを理解することは、疾患の理解と治療にとても有用です。今回は相互に関連しあっている3つの発症機序の仮説をわかりやすく解説します。第5回 抗うつ薬を正しく使う! 抗うつ薬を正しく使うには、薬の特徴、開始と終了のルールや治療期間の理解が必要です。どの薬をどの量から始めるか、いつまで投与を続けるのか。軽症の場合、抗うつ薬を出していいのか?効果判定はどうやって行う?など薬物療法の原則とルールを伝授します。第6回 1剤目が効かないときは… 最初に処方した抗うつ薬が効かないとき、次に打つ手は何でしょうか?処方を変更する前に、確認すべき3つの項目をレクチャーし、変更する場合の薬剤選択の基準を伝授します。また周産期の女性や高齢者など、気を付けるべき患者についても解説。第7回 うつ病と間違いやすい双極性障害中々治療の効果が出ない患者さん、実は双極性障害かもしれません。講師自ら躁エピソードを語る例を演じ、なぜうつ病と双極性障害は間違われやすいのか、簡潔に解説します。うつ病と双極性障害を見分ける方法、そして双極性障害の治療で使用すべき薬剤をしっかり押さえてください!第8回 自殺させない患者との接し方 うつ病診療では、医師の接し方自体が、薬物療法と並んで重要な治療効果を持ちます。最終回は診察に際して押さえておくべきことと、治療的な話し方や聞き方を解説します。基本的な考え方が分かれば、すぐに実践できるテクニックをぎっしり盛り込みました。診察室での患者本人との会話にも、家族への説明や注意などにも役立ててください!

4448.

治療抵抗性統合失調症は、クロザピンに期待するしかないのか

 治療抵抗性統合失調症では、クロザピンが標準治療として考えられている。しかし、クロザピンの使用は、多くの副作用により制限がある。また、他の抗精神病薬との無作為化比較試験の数も増加している。ドイツ・ミュンヘン工科大学のMyrto T Samara氏らは、ネットワークメタ解析により、治療抵抗性統合失調症に使用可能な抗精神病薬によるすべての無作為化試験を統合し分析した。JAMA psychiatry誌2016年3月号の報告。 MEDLINE、EMBASE、BIOSIS、PsycINFO、PubMed、Cochrane Central Register of Controlled Trials、WHO国際臨床試験レジストリ、clinicaltrials.govより、2014年6月30日までの報告を検索した。少なくとも2人以上の独立したレビュアーにより、公表または非公表の治療抵抗性統合失調症(各試験の定義による)を対象とした単盲検または二重盲検のRCTで抗精神病薬(任意の用量および投与形態)を他の抗精神病薬またはプラセボと比較した試験を選択した。少なくとの2人以上のレビュアーが標準フォームに全データを抽出、コクラン共同計画のリスクバイアスツールで、全試験の質を評価した。データは、ベイジアン設定でランダム効果モデルを使用しプールした。主要評価項目は、統合失調症症状の全体的な変化によって測定される有効性とした。副次評価項目は、統合失調症の陽性症状と陰性症状の変化、治療への分類上の反応、何らかの理由による中止、治療の無効性、重篤な有害事象とした。 主な結果は以下のとおり。・40の無作為化比較試験、5,172例(男性:71.5%、平均年齢[SD]:38.8歳[3.7歳])が分析に含まれた。・全アウトカムにおいて、有意な差は少なかった。・主要評価項目では、オランザピンはクエチアピン(標準化平均差[SMD]:-0.29、95%CI:-0.56~-0.02)、ハロペリドール(SMD:-0.29、95%CI:-0.44~―0.13)、sertindole(SMD:-0.46、95%CI:-0.80~―0.06)よりもより有効であった。クロザピンはハロペリドール(SMD:-0.22、95%CI:-0.38~―0.07)、sertindole(SMD:-0.40、95%CI:-0.74~―0.04)よりもより有効であった。リスペリドンはsertindole(SMD:-0.32、95%CI:-0.63~―0.01)よりもより有効であった。・オランザピン、クロザピン、リスペリドンの優位性のパターンは、他の有効性評価項目でも認められたが、結果は一貫せず、効果サイズは通常よりも小さかった。・また、クロザピン、ハロペリドール、オランザピン、リスペリドン以外の抗精神病薬が有用であるとしたRCTは比較的少なかった。・最も驚くべき発見は、クロザピンがほとんどの他の薬剤よりも有意に良好ではないことであった。 結果を踏まえ、著者らは「抗精神病薬は治療抵抗性統合失調症患者に対し、より効果的だとするエビデンスは不十分であった。そして、非盲検とは対照的に盲検無作為化比較試験の有効性の研究結果では、他の第2世代抗精神病薬と比較しクロザピンの優位性を示す研究は少なかった」とし、「最近のエビデンスを変更するため、今後は高用量や、非常に難治性の統合失調症患者におけるクロザピン研究が最も有望であると考えられる」とまとめている。関連医療ニュース 治療抵抗性統合失調症へ進展する重要な要因とは:千葉県精神科医療C 難治例へのクロザピン vs 多剤併用 治療抵抗性統合失調症へのクロザピン投与「3つのポイント」

4449.

ロコモは、身体能力だけでなくうつ病とも関連する?

 ロコモティブシンドローム(LS)は、身体能力だけでなくうつ病の程度とも関係していることを愛知医科大学 運動療育センターの池本 竜則氏らが報告した。Journal of Orthopaedic Science誌オンライン版2016年2月10日号の掲載報告。 LSについての報告は最近増加しており、現在までに身体能力に関しての研究はなされてきたが、精神医学的評価を含めた研究はまれである。本研究では25-question geriatric locomotive function scale(GLFS-25)を用いて、LSの有無と重症度に関連する身体的および精神的パラメータを調査した。 対象は、同運動療育センターを利用している健康な60歳以上の高齢者150人で、事前に測定したGLFS-25カットオフ値(=16ポイント)から、LS群もしくは非LS群に割り付けられた。年齢、握力、timed-up-and-go test(TUG)、開眼片足立ち、背筋力、脚筋力、うつ病の程度、認知障害についてのパラメータは、Mann-Whitney U-test、および多重ロジスティック回帰分析を用いて比較検討した。 また、LS重症度と強い相関を示した変数は、多重線形回帰分析を用いて検討した。 主な結果は以下のとおり。・非LS群は110人(73%)で、LS群は40人であった。 ・LS群と非LS群間を比較分析したところ、年齢、握力、TUG、開眼片足立ち、背筋力、うつ病の程度において有意な差が認められた(p<0.006、Bonferroni補正)。・握力機能低下、TUG、片足立ち、うつ病の程度がLSに有意に関連していた(多重ロジスティック回帰分析)。・GLFS-25スコアに大きく寄与する要因は、TUGとうつ病の程度であった(多重線形回帰分析)。

4450.

うつ病再発予防へ、インターネット介入の可能性は

 再発うつ病患者において生活を改善する戦略は、妥当性が高い。ドイツ・ハイデルベルク大学のHans Kordy氏らは、無症状期間の延長を目的としたインターネット配信による2つの増強戦略の有効性を検討した。Psychotherapy and psychosomatics誌2016年2月号の報告。 3アームの多施設共同無作為化比較試験(非盲検、評価者盲検)で有効性を検討した。対象は、メンタルヘルスケア入院から退院した3つ以上のうつ病エピソードを有する成人232例。対象患者は、SUMMIT介入群、SUMMIT-PERSON介入群、通常ケア単独群に無作為に割り付けられた。介入は12ヵ月間実施し、通常ケアに加え、eメールまたはスマートフォンを経由してモニターした(危機的な状況が近付くシグナル、個人的な危機管理の支援、早期介入促進を含む)。SUMMIT-PERSON介入群では、さらに定期的な専門家とのチャットも行った。主要評価項目は、治療開始後24ヵ月間における、Longitudinal Interval Follow-Up Evaluationで評価した「well weeks(最も症状の軽い1週間)」であった。 主な結果は以下のとおり。・SUMMIT介入群は、通常ケア単独群と比較し、体調不良状態の期間減少(OR:0.48、95%CI:0.23~0.98)、体調不良からの回復の早さ(OR:1.44、95%CI:0.83~2.50)、体調良好から不良への悪化の遅さ(OR:0.69、95%CI:0.44~1.09)が認められた。・仮説に反して、SUMMIT-PERSON介入群は、SUMMIT介入群(OR:0.77、95%CI:0.38~1.56)および通常ケア単独群(OR:0.62、95%CI:0.31~1.24)と比較し、優れているとはいえなかった。・SUMMIT介入の有効性は、介入後8ヵ月時点で最も強かった。 結果を踏まえ、著者らは「完全自動化インターネット配信増強戦略SUMMITは、再発うつ病患者の生涯負担を軽減させることで、通常ケアを改善する可能性がある。効果の減弱は、無制限の期間延長を示唆している」とまとめている。関連医療ニュース これからのうつ病治療はWebベース介入で変わるのか 近未来のうつ病治療に、会話システム「Help4Mood」 うつ病の新規発症予防へ、早期介入プログラム

4451.

認知症の発症率が低下傾向:真打ち登場!(解説:岡村 毅 氏)-489

 Framingham Heart Study(以下フラミンガム心臓研究)から、認知症の発症率が時代とともに低下していることを示すデータが報告された。これまでも認知症発症率の低下を間接的に示す報告はあったが、本報告はフラミンガム心臓研究という古く巨大なコホート研究から得られた知見であり、信頼性は高い。 ただし、わが国においても同様にいえるかどうかに関しては、実証研究を待たねばならないだろう。また、仮に低下傾向であったとしても、今後認知症を持つ人の数は爆発的に増加すること(同時にすでに人口は減少局面にあり、若者はますます減ること)は決定的であり、著者らも考察の最後でいみじくも述べているが、狂喜乱舞するのではなく、「かすかな希望」をもたらす程度に考えたほうがよいだろう。 さて、フラミンガム心臓研究といえば、循環器領域で重大な結果を量産し続けるお化けスタディであるが、認知症に関しては、うつ症状の既往(若い頃のものでも)が認知症発症の危険因子という報告1)をまずは思い出す。近年は、ソーシャルネットワークの研究もよく目にする、つまり同性の友人が肥満だと肥満になるリスクが高まる2)とか、さらに幸福3)や孤独4)も凝集する(あるいは伝染する)とかいった類の報告である。ネットワークの先験性として、そもそも友人は遺伝的に近いのだ5)とまで報告されていた。素晴らしい研究だが、ここに至ると人間にとって自由とは何かと考えさせられてしまう。一方で批判もあるようで、BMJ誌は「同じ号で」批判の論文6)を載せており、「ダメな解析をしたら、ニキビ、身長、頭痛もソーシャルネットワークを通して伝染性しました(つまり、こんなのはでたらめです)」と述べていて、痛快な批判合戦である。まあ、私自身はこうした論文の解析方法は門外漢であり、以上はいち精神科医の単なる感想です。 フラミンガム心臓研究や、4大ジャーナルからは目が離せない。参考文献1)Saczynski JS, et al. Neurology. 2010;75:35-41.2)Christakis NA, et al. N Engl J Med. 2007;357:370-379.3)Fowler JH, et al. BMJ. 2008;337:a2338.4)Cacioppo JT, et al. J Pers Soc Psychol. 2009;97:977-991.5)Christakis NA, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2014;111:10796-10801.6)Cohen-Cole E, et al. BMJ. 2008;337:a2533.

4452.

糖尿病治療薬併用による陰性症状改善効果を検証

 統合失調症の陰性症状の病態生理における炎症、酸化ストレス、代謝異常の明確な中心的役割は、これら症状に対する薬理学的選択肢の可能性に新たな見解をもたらした。ピオグリタゾンは、抗炎症および抗酸化性を有する糖尿病治療薬である。イラン・テヘラン大学のNegar Iranpour氏らは、統合失調症の陰性症状の軽減を目的としたリスペリドンの補助療法としてのピオグリタゾンの有効性を評価した。Human psychopharmacology誌オンライン版2016年2月8日号の報告。 本試験は、プラセボ対照無作為化二重盲検試験にて行われた。対象は、PANSS陰性尺度20以上の慢性期統合失調症患者40例。対象患者は、リスペリドンに加えてピオグリタゾン(30mg/日)またはプラセボを併用する群に無作為に割り付けられ、8週間の投与を受けた。患者の症状と有害事象は、ベースライン、2、4、6、8週目に評価した。主要評価項目は、PANSS陰性尺度スコア減少の2群間の差とした。 主な結果は以下のとおり。・試験終了時、ピオグリタゾン併用患者は、プラセボ群と比較して、PANSS陰性尺度スコアの有意な改善が認められた(p<0.001)。また、PANSS総スコアの有意な改善も認められた(p=0.01)。・本試験では、統合失調症の陰性症状軽減にピオグリタゾン増強療法が有効である可能性が示唆された。関連医療ニュース 閉経後の女性統合失調症、陰性症状改善にSERM併用が有用 統合失調症の陰性症状軽減へ新たな選択肢となりうるか 統合失調症の陰性症状に対し、抗うつ薬の有用性は示されるのか

4454.

統合失調症の認知機能障害、コリン作動系薬の可能性

 認知障害は統合失調症において社会性に最も悪影響を与える症状であるが、効果的な治療が行われていない。コリン作動系は、これら症状を効果的に治療することができる新規薬剤の標的として有望視されている。オーストラリア・Florey Institute of Neuroscience and Mental HealthのAndrew Gibbons氏らは、統合失調症に対するコリン作動系の新たな薬物標的に関してレビューを行った。Current pharmaceutical design誌オンライン版2016年1月26日号の報告。 著者らは、統合失調症におけるコリン作動系の機能障害を裏付ける文献をレビューし、コリン作動系の調節が統合失調症の症状を改善することを示す前臨床および臨床データの検討、ならびに統合失調症におけるコリン作動系機能障害を治療するために検討された主な薬理学的戦略をレビューした。・剖検および神経画像研究では、統合失調症患者における皮質のコリン作動性受容体シグナル伝達ならびに皮質下領域(海馬や線条体)の広範な縮小が示唆された。・潜在的なコリン作動性薬物標的は、受容体機能の亢進を進める。・これらは、シナプスのアセチルコリンレベルを増加させるため酵素アセチルコリンエステラーゼ活性を阻害し、アゴニストまたは正のアロステリックモジュレーターをもつニコチン受容体やムスカリン受容体の活性を増加させる。関連医療ニュース 統合失調症の認知機能改善に抗認知症薬は有用か グルタミン酸作用、統合失調症の認知機能への影響は認められず 統合失調症患者の認知機能に対するアリピプラゾール vs リスペリドン

4456.

アルツハイマー介護負担、日本と台湾での比較:熊本大学

 台湾におけるアルツハイマー病(AD)の介護負担は、日本と同様に緊急の社会的課題となっている。介護負担の比較は、それぞれの国における介護者の負担感を明確にする可能性がある。熊本大学の松下 正輝氏らは、日本と台湾のADに対する介護負担の比較を行った。International psychogeriatrics誌オンライン版2016年1月28日号の報告。 試験参加者は外来AD患者343人、日本の介護者230人および台湾の介護者113人。Zarit介護負担尺度(ZBI)の日本語版と中国語版を使用し、介護負担を評価した。初期解析では、各グループのZBIの因子構造を確認するため、探索的因子分析を行った。そして、複数グループ構造方程式モニタリング(MG-SEM)は、ZBIの測定不変性(たとえば構造不変性、計量不変性、スカラー不変性など)を評価するために使用した。最後に、日本と台湾のZBI潜在因子平均値を比較した。 主な結果は以下のとおり。・両グループにおいて、確証的因子分析では、「介護者の生活への影響」「恥ずかしさ/怒り」「依存関係」の3つの要因が抽出された。・MG-SEMでは、許容可能なモデルの適合を示し、部分スカラー不変性を認めた[CFI(comparative fit index):0.901、RMSEA(root mean square error of approximation):0.066]。・潜在因子平均値の比較では、台湾の介護者における「介護者の生活への影響」のスコアは、日本の介護者よりも有意に高かった(p=0.001)。・しかし、台湾の介護者の「依存関係」は、日本の介護者よりも低かった(p<0.001)。 結果を踏まえ、著者らは「部分測定不変性により、両国の潜在的因子平均値を比較することができた。比較の結果、日本と台湾では介護負担の感じ方に違いがある可能性が示唆された」としている。関連医療ニュース 複雑な薬物療法レジメン、認知症介護者の負担増加 認知症と介護、望まれる生活環境は 介護施設での任天堂Wiiを用いたメンタルヘルス

4457.

ADHD症状とギャンブル依存との関連

 現時点では、ADHDと問題ギャンブル(problem gambling)との関連についての文献には矛盾がある。カナダ・マニトバ大学のJennifer Theule氏らは、ADHD症状と問題ギャンブルの症状との関連を明確にするためメタ分析を行った。Journal of attention disorders誌オンライン版2016年2月1日号の報告。ADHDとギャンブルとは年齢上昇に伴って強い関連 ADHD症状と問題ギャンブルの症状との関連を明確にするためのメタ分析には、ランダム効果モデルを用いて行った。PsycINFO、PubMed、ProQuest Dissertations & Theses、Google Scholarより、関連する研究を検索した。 ADHD症状と問題ギャンブルの症状との関連を明確にするためメタ分析を行った主な結果は以下のとおり。・ADHD症状とギャンブル重症度との間の加重平均の相関は、r=0.17(95%CI:0.12~0.22、p<0.001)であった。・サンプルの平均年齢は、有意性に近い唯一の調整因子であり、年齢上昇に伴いADHD症状とギャンブル重症度との間に強い関連が認められた。・臨床医は、問題のあるギャンブラーに対応するときはADHD症状リスクが高いことを認識する必要があり、逆の場合もまた同様である。関連医療ニュース 成人ADHDをどう見極める 9割の成人ADHD、小児期の病歴とは無関係 ADHDに対するメチルフェニデートは有益なのか

4458.

統合失調症患者の体重増加に関与する遺伝子は

 抗精神病薬治療中の体重増加および食欲変化と複数の候補遺伝子との関連性を調査するために、韓国・三星医療院のS Ryu氏らは検討を行った。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2016年2月4日号の報告。 60の候補遺伝子内の233の一塩基多型(SNP)を決定した。抗精神病薬を処方された統合失調症患者84例における最大8週間のBMI変化を、線形混合モデルを用いて分析した。さらに、薬物関連の摂食行動に関するアンケートを用い、統合失調症患者異なるグループの46例における、抗精神病薬治療中の食欲変化を評価した。 主な結果は以下のとおり。・多重検定による補正後、BMI、食欲の変化との間に、統計的に有意な差が認められるSNPはなかった。・11遺伝子内の19個のSNPと体重増加、5遺伝子内の7個のSNPと食欲変化との間に関連傾向が認められた(p<0.05)。・とくに、GHRL内のrs696217は、体重増加(p=0.001)だけでなく食欲変化(p=0.042)においても関連性が示唆された。・rs696217のGG遺伝子型を有する患者は、GT/TT遺伝子型を有する患者と比較して、BMIと食欲の両方において高い増加が示された。・抗精神病薬治療中の統合失調症患者において、とくに食欲変化が影響する体重増加へのGHRL遺伝子多型の関与が示唆された。関連医療ニュース 非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明か 抗精神病薬誘発性の体重増加に関連するオレキシン受容体 抗精神病薬による体重増加や代謝異常への有用な対処法は:慶應義塾大学

4459.

社交不安症に対するエスシタロプラムの効果は

 北海道大学の朝倉 聡氏らは、日本人社交不安症(SAD)患者におけるエスシタロプラム(10および20mg/日)の有効性、忍容性をプラセボ対照二重盲検試験により比較を行った。Current medical research and opinion誌オンライン版2016年2月5日号の報告。 一次的診断でSAD(DSM-IV-TR定義)と診断された18~64歳の患者(ベースライン時のLSAS-Jスコア:60以上、CGI-Sスコア:4以上)をプラセボ群、エスシタロプラム10mg群、エスシタロプラム20mg群に無作為に割り付けた。主要評価項目は、階層検定手順を使用し、エスシタロプラム10mg群、同20mg群対プラセボにおけるLSAS-J総スコアのベースライン時から12週目までの変化量(ANCOVA、FAS、LOCF)とした。事前に設定した副次評価項目にはLSAS-J感度分析が含まれた。 主な結果は以下のとおり。・有効性の主要評価項目について、LSAS-Jにおけるプラセボ群との差異は、エスシタロプラム10mg群で-3.9(p=0.089)であった。・エスシタロプラム10mg群における対プラセボ群の優位性は確認できなかったが(多重性の調整なしの分析)、エスシタロプラム20mg群において差が認められた(p<0.001)。・事前に設定した感度分析におけるプラセボとの差は、エスシタロプラム10mg群で-4.9(p=0.035[ANCOVA、FAS、OC])、-5.0(p=0.028[MMRM、FAS])、エスシタロプラム20mg群で-10.1(p<0.001[ANCOVA、FAS、OC])、-10.6(p<0.001[MMRM、FAS])。・主な有害事象は、傾眠、悪心、射精障害であった(発生率5%およびプラセボと有意に異なる)。 結果を踏まえ、著者らは「エスシタロプラムは、日本人SAD患者に効果的かつ安全で、良好な忍容性を示した。患者の特性を含めた研究の限界について、議論すべきである」とまとめている。関連医療ニュース うつ病や不安障害患者は、季節性の症状変化を実感 妊娠初期のうつ・不安へどう対処する 双極性障害患者の約半数が不安障害を併存

4460.

認知症発症率は過去30年間で低下:フラミンガム心臓研究/NEJM

 フラミンガム心臓研究の参加者では、30年間に認知症の発症率が経時的に低下していることが、米国・ボストン大学医学部のClaudia L Satizabal氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2016年2月11日号に掲載された。認知症の有病率と関連医療費は、平均寿命の延長に伴い急速に増加すると予測されているが、高所得国では年齢別の認知症発症率(=特定の年齢層における認知症リスク)が減少しているという。時間的傾向(temporal trend)は、典型的な地域のサンプル集団において、新規の症例を一貫性のある診断基準を用いて継続的にモニタリングすることで信頼性が最も高くなるが、この条件を満たす既報のデータは限られている。60歳以上の約5,200例で、4期の5年発症率を評価 研究グループは、フラミンガム心臓研究の参加者のデータを用いて1975年以降の30年間における認知症の発症率の時間的傾向について検討を行った(米国国立保健研究所[NIH]の助成による)。 60歳以上の5,205例を対象に、年齢と性別で補正したCox比例ハザードモデルを用いて、4つの時期(第1期:1977~1983年、第2期:1986~1991年、第3期:1992~1998年、第4期:2004~2008年)における認知症の5年発症率を算出した。 また、各時期と年齢、性別、アポリポ蛋白(APO)Eε4、教育水準の交互作用を検討し、これらの交互作用が時間的傾向に及ぼす影響を解析するとともに、血管リスク因子および心血管疾患の影響の評価を行った。寄与因子は不明、1次、2次予防が重要 ベースラインの各時期の平均年齢は69~72歳(傾向検定:p<0.001)、範囲は60~101歳で、女性が56~59%(同:p<0.01)を占めた。各時期でMMSE(mini-mental state examination)スコアに差はなかった。 371例が認知症を発症した。年齢と性別で補正した認知症の5年累積ハザード比(HR)は、第1期が100人当たり3.6、第2期が同2.8、第3期が同2.2、第4期は同2.0であり、経時的に低下した。相対的な発症率は、第1期に比べ第2期は22%減少し、第3期は38%、第4期は44%低下した。 各時期と年齢、性別、APOEε4の交互作用が、認知症発症率の時間的傾向に影響を及ぼすことを示唆するエビデンスは認めなかった。一方、リスクの低下は高校卒業以上の集団にのみ認め(HR:0.77、95%信頼区間[CI]:0.67~0.88)、高校を卒業していない集団では有意差はなかった。 肥満と糖尿病を除くほとんどの血管リスク因子の有病率と、脳卒中、心房細動、心不全関連の認知症リスクは、いずれも経時的に減少したが、これらの傾向だけでは認知症の発症率の低下を十分には説明できなかった。 著者は、「認知症の発症率は30年間で経時的に減少したが、これに寄与した因子は同定されなかった」とまとめ、「認知症リスクを有する高齢者数の増加により、今後、認知症の疾病負担が爆発的に増大することが予測され、これを抑制するには1次および2次予防が重要と考えられる。本試験の結果は、認知症の予防あるいは少なくとも遅延の可能性という、わずかな希望をもたらすものだが、時間的傾向の理解の不十分さを強調するものでもあり、寄与因子のさらなる探索が求められる」と指摘している。

検索結果 合計:5819件 表示位置:4441 - 4460