サイト内検索|page:169

検索結果 合計:5819件 表示位置:3361 - 3380

3361.

双極性障害治療に対する新薬候補

 ドラッグ・リポジショニングは、多くの医療分野において有望なアイデアである。躁病および双極性障害の発症率低下に対するアスピリン以外の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、低用量アスピリン、高用量アスピリン、スタチン、アロプリノール、アンジオテンシン系薬の継続使用の影響を調査するため、デンマーク・コペンハーゲン大学のLars Vedel Kessing氏らは、デンマークの全国人口ベースレジストリをシステマティックに使用し、検討を行った。Bipolar Disorders誌オンライン版2019年3月14日号の報告。 対象薬剤を購入したすべてのデンマーク人および人口の30%のランダム化サンプルを対象に、ポアソン回帰分析を用いた全国人口ベース縦断的研究を行った。フォローアップ期間は、2005~15年の10年間とし、アウトカム指標には、次の2つを含めた。(1)入院または外来患者として精神科病院受診による躁病または双極性障害の診断、(2)躁病または双極性障害の診断またはリチウム使用開始とを組み合わせた測定。 主な結果は以下のとおり。・2005~15年の10年間で対象薬剤のうち1剤を使用した患者は160万5,365例(年齢中央値:57歳[四分位:43、69]、女性の割合:53.1%)であった。・低用量アスピリン、スタチン、アンジオテンシン系薬の継続使用は、両アウトカム測定において躁病または双極性障害の発症率低下との関連が認められた。・アスピリン以外のNSAIDs、高用量アスピリンの継続使用は、双極性障害の発症率上昇との関連が認められた。・アロプリノールでは、統計学的に有意な関連性は認められなかった。 著者らは「双極性障害における炎症やストレス反応システムに作用する薬剤の可能性が支持された。また、ドラッグ・リポジショニングの可能性のある薬剤を識別するために、人口ベースのレジストリが使用可能であることが示唆された」としている。■関連記事統合失調症と双極性障害の違い、脳内の炎症/ストレスに派生双極性障害、リチウムは最良の選択か双極性障害の補助治療オプションに関する情報のアップデート

3362.

統合失調症に対する抗炎症薬補助療法~メタ解析

 統合失調症に対する抗炎症薬補助療法が、症状改善に寄与することが最近のエビデンスで示唆されている。しかし、認知機能、全般的機能、副作用に対する抗炎症薬補助療法の効果については、システマティックに研究されていない。韓国・カトリック大学のMyeongju Cho氏らは、統合失調症に対する抗炎症薬補助の効果を包括的に調査するため、メタ解析を実施した。The Australian and New Zealand Journal of Psychiatry誌オンライン版2019年3月13日号の報告。 PubMed、EMBASE、Cochrane Database of Systematic Reviewsを含むオンラインデータベースより、精神病理、神経認知、全般的機能、錐体外路系副作用を含む臨床アウトカムを調査したランダム化プラセボ対照二重盲検試験を検索した。調査対象抗炎症薬は、アスピリン、セレコキシブ、ω3脂肪酸、エストロゲン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、プレグネノロン、N-アセチルシステイン、ミノサイクリン、davunetide、エリスロポエチンであった。 主な結果は以下のとおり。・定量分析のための選択基準を満たした研究は、62件(2,914例)であった。・抗炎症薬補助により、PANSSの総スコア、陽性症状スコア、陰性症状スコアの有意な減少が認められた。・ミノサイクリンおよびプレグネノロン補助療法では、認知機能の有意な改善が認められた。・全体的に抗炎症薬補助療法により、全般的な機能は有意に改善していた。・抗炎症薬補助療法は、プラセボと比較し、副作用に有意な差は認められなかった。・ベースライン時のPANSS総スコアおよび罹病期間は、精神症状改善に対する抗炎症薬補助療法の効果を緩和する因子として同定された。 著者らは「抗精神病薬単独療法よりも、抗炎症薬補助療法を用いた有効性および安全性が支持された。しかし、抗炎症薬補助療法のより詳細な効果を理解するためには同種の臨床プロファイルを有する患者に焦点を当てた研究が必要である」としている。■関連記事統合失調症治療に抗炎症薬は有用か初回エピソード統合失調症患者におけるアリピプラゾールとリスペリドンの抗炎症効果の比較精神疾患患者の認知機能と炎症マーカーとの関連が明らかに

3363.

アミロイドが見えるとどうなる?(解説:岡村毅氏)-1024

 かつてはアルツハイマー型認知症は死後にしか正確に診断できないとされてきた。しかしアミロイドペットの臨床応用とともに、変わりつつあるようだ。本研究は巨大で、1万6,008名の患者さん、全米595施設から946名の専門医師が参加したものであり、人々(患者さんや医師)の動きを鳥の目で見ることができる点で興味深い。 少し詳しく説明しよう。脳はバイオプシー(生検;生体から組織切片などをとって行う検査)ができないので、脳内にアミロイドがたまる病気であるアルツハイマー型認知症は、基本的には外から患者さんをみることでしか検査ができなかった(脳血流検査や血液・髄液検査の話は簡略のために今回は触れません)。ただ1回の神経心理テストや精神神経症状や脳画像検査から診断することは難しい。しかし現病歴(これまでの経緯)や、初診の後にどのように変遷するかをみることで、診断の確証度は上がっていく。 実は、多くのケースでは診断は難しくない。徐々に発症し、昔のことは覚えているが最近のことを忘れ、視覚構成に難があり、特段の神経症状がなく、社会性は保たれ、つまり診察室では穏やかでにこにこしているが家に帰ると私の財布を取っただろうと言ったりすることもあり…というような典型的なケースであればアルツハイマー型認知症(あるいはそれの手前の軽度認知障害)と診断ができる。そして亡くなった後に何かの経緯で病理学的検査が行われれば、確かにアミロイドが蓄積しており診断は正確であったとわかる。 しばしば難しいケースがある。非典型的な症状があるケースだ。精神症状(妄想など)が重篤なケースや、若年性認知症が疑われる場合などである。このような場合、アルツハイマー型認知症であるかどうかは未来の予測につながり患者さんを守るので、意思決定のために重要な情報である。 アミロイドペットは脳内のアミロイドを可視化する(およそ90%程度の正確性)が、きわめて高価な検査である。前者(難しくないケース)では、あまり意味はないだろう。本人家族に「アルツハイマー型認知症と診断していました、そしてより詳しい検査の結果、診断は正しかったのです!」と伝えたところで何になるというのか。 後者(難しいケース)では、有意義なことも多いだろう。たとえば会社で何をやってもうまくいかなくなって来院した中年の人が、実はアルツハイマー型認知症(の初期)とわかり、本人には何ら落ち度はないのだと皆が知り、苦しみが理解され、社会の支援が始まったというようなケースである。 あまり語られないのは、認知症を過度に恐れる人々の存在である。このような人は、自費で〇十万も払って、自分の脳内にアミロイドがたまっていないかを確認したりするかもしれない。医療保険の領域にこのような人が迷い込まないようにすることが重要だ。関心のある方は「アミロイドPETイメージング剤の適正使用ガイドライン」を参照いただきたい。 さて本論文では、米国の適正使用基準に従って、つまり認知機能低下の原因が不明であり、アルツハイマー型認知症が疑われ、検査によって利益が大きいと判断された人のみが参加したとされている。そしてアミロイドペットによって約60%の患者さんで治療上の変化(薬剤の変化など)が生じており、通常想定される30%を超えているので、有意義であると結論されている。予想の範囲内の展開であるが、もう少し深く見てみよう。 治療の変化をみると、アミロイドペット陽性(つまりアミロイドがたまっている)とわかると、アルツハイマー型認知症の薬剤使用が開始される(MCIで40%から82%へ、認知症で63%から91%)。一方で興味深いことに、アミロイドペット陰性でも、すでに開始されているアルツハイマー型認知症の薬剤は中止されることは少なく、微減にとどまる。また、アミロイドペットを受けた患者さんは、その後に受ける心理検査や髄液検査(どちらも本人にとってはきつい経験だ)が減るので、患者さんは楽にはなる。 診断の変化をみると、アミロイドペット陽性であった方では、アルツハイマー型認知症の診断は80%から96%へと増えた。一方で陰性であった方では72%から10%へと減少した。なお、医師はアミロイドペットの結果、診断により確証をもてる(不確実と考える割合が72%から16%へと激減)が、これは患者さんにも益が大きいだろう。 やはりアルツハイマー型認知症かどうかはっきりとわからない場合には、アミロイドペットによって診断が助けられ、治療に参考になり、患者さんは延々とあれこれ細かい検査を受けずに済むというメリットはあるようだ。とはいえ、アミロイドがたまっているからといって、アルツハイマー型認知症であるわけではないことを忘れてはならない(逆は言える。つまりアルツハイマー型認知症ならアミロイドはたまっているはずだ)。認知症ではない人が研究目的以外にこの検査を受けることには意味はない。

3364.

認知症患者へのアミロイドPETが患者管理に影響/JAMA

 病因が不確定な軽度認知障害(MCI)および認知症の患者に対し、アミロイドPETを行ったところ、約6割の患者で施行前とは異なる患者管理に変更されたとの研究結果が、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のGil D. Rabinovici氏らが実施したIDEAS試験で示された。研究の詳細は、JAMA誌2019年4月2日号に掲載された。アミロイドPETは、アルツハイマー病の主要な神経病理学的特徴である脳アミロイド斑を検出する。アミロイドPETを臨床評価に追加すると、診断精度が向上するとされるが、アミロイドβの蓄積は他の神経変性疾患や認知機能が正常な高齢者にもみられるという。施行前後の患者管理の変更を評価する単群縦断研究 本研究は、MCIおよび認知症患者におけるアミロイドPET導入と、その後の臨床的管理の変更との関連を評価する単群縦断研究(米国Alzheimer's Associationなどの助成による)。 対象は、65歳以上のメディケア受給者で、過去24ヵ月以内にMCIまたは認知症の診断を受けた患者であった。また、次の3つのアミロイドPETの適正使用基準を満たすことが求められた。(1)専門医による包括的評価で認知機能障害の病因が不明、(2)アルツハイマー病の診断が考慮される、(3)アミロイドPETの導入で診断および患者管理の変更が予測される。 2016年2月~2017年9月に、米国の595施設の認知症専門医946人により1万6,008例が登録され、2018年1月までフォローアップが行われた。認知症専門医は、PET施行前と施行後90±30日時に、診断名と管理計画を記載した症例報告を作成した。 主要エンドポイントは、PET施行前後での患者管理の変更とし、アルツハイマー病の薬物療法、その他の薬物療法、安全性と将来の管理計画に関するカウンセリングを含む複合アウトカムで評価した。変更された患者の割合が30%の閾値を超えた場合に、臨床的に意味があると判定された。副次エンドポイントには、PET施行前後での診断名の変更(アルツハイマー病から非アルツハイマー病へ、またはその逆)の割合が含まれた。患者管理の変更の割合:MCI 60.2%、認知症63.5% 1万1,409例(71.3%、年齢中央値75歳[IQR:71~80]、女性50.9%)が試験を完遂し、最終解析の対象となった。このうち、MCIは6,905例(60.5%、75歳、49.6%)、認知症は4,504例(39.5%、77歳、52.8%)であった。また、アミロイドPET陽性は、MCIが3,817例(55.3%)、認知症は3,154例(70.1%)であった。9例のスキャンが評価不能だった。 PET施行による複合アウトカムの変更は、MCIでは6,905例中4,159例(60.2%、95%信頼区間[CI]:59.1~61.4)、認知症では4,504例中2,859例(63.5%、62.1~64.9)で行われており、いずれも30%の閾値を有意に上回っていた(p<0.001、片側検定)。 事後解析では、PET施行後のアルツハイマー病治療薬への変更は、MCIが43.6%、認知症は44.9%で、非アルツハイマー病治療薬(認知機能、気分、行動への作用薬、他の神経学的病態の治療薬、認知症のリスク因子の治療薬)への変更は、それぞれ22.9%、25.4%で行われ、カウンセリングが24.3%、20.7%で実施されていた。 また、病因診断がアルツハイマー病から非アルツハイマー病へ変更された患者は、1万1,409例中2,860例(25.1%、95%CI:24.3~25.9)で、非アルツハイマー病からアルツハイマー病への変更は、同1,201例(10.5%、10.0~11.1)で行われた。 著者は、「アミロイドPETが臨床アウトカムの改善に寄与するかを明らかにするには、さらなる検討を要する」としている。

3365.

高校進学時のうつ病に対する予防プログラム

 中学校から高校へ進学する青少年におけるうつ病および不安症状に対する学校ベースの適応予防プログラムの効果について、米国・ワシントン大学のHeather Makover氏らが、検討を行った。Prevention Science誌オンライン版2019年3月9日号の報告。 高校進学プログラム(The High School Transition Program:HSTP)は、青少年にとってとくに脆弱な時期における社会的および学術的な問題解決のスキルとエンゲージメントを構築するために設計されたプログラムである。太平洋沿岸北西部の6校の中学校の生徒2,664人を対象に、8年生の後半に普遍的な感情健康診断を実施し、うつ病スコアが高く、行動障害問題スコアの低かった生徒に対し研究参加を依頼した。対象生徒497人は、HSTP群(241例)または対照群(256例)にランダム化した。うつ病および不安症状は、自己報告法を用いて18ヵ月間にわたり5回の測定を行った。予防効果およびベースライン時の症状、人種、性別などの調整因子を評価するため、階層的線形モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・HSTP群は、対照群と比較し、経時的に抑うつ症状の減少率が上昇することが示唆された(d=0.23)。・HSTP群は、不安スコアの変化率が有意に速まった(d=0.25)。・ベースライン時の不安の重症度、人種、性別は、症状アウトカムの推移に影響を及ぼさなかった。 著者らは「ストレスの多い青少年の進学において、予防プログラムの意義を検討すべきである」としている。■関連記事青年期うつ病を予測する小児期の特徴思春期の少年少女における自殺念慮の予測日本人学生のスマートフォン使用とうつ病リスク

3366.

統合失調症の陰性症状に対する運動療法の効果~メタ解析

 統合失調症患者の陰性症状に対するさまざまな運動療法(PE)の効果を評価するため、オランダ・フローニンゲン大学のJelle Sjoerd Vogel氏らは、メタ解析を実施した。Psychiatry Research誌オンライン版2019年3月14日号の報告。 本研究では、心身運動(mind-body exercise:MBE)、有酸素運動(aerobic exercise:AE)、レジスタンストレーニング(resistance training:RT)について検討を行った。2018年4月26日までの研究をCochrane Library、Medline、Embase、PsycINFOより検索を行った。陰性症状の評価のため、統合失調症患者におけるPE群と任意の対照群を比較したランダム化比較試験を含めた。本メタ解析は、PRISMAガイドラインに従って実施した。研究の方法論的な質の評価には、Cochrane Risk of Bias assessment toolを用いた。モデレーター分析、感度分析、メタ回帰分析を用いて、異質性の分析および研究の質への影響を調査した。 主な結果は以下のとおり。・抽出された研究は、22件(1,249例)であった。・全体的な方法論的な質は低かった。・メタ解析(変量効果モデル)では、任意のPEは、任意の対照条件と比較し、中程度の有意な効果が認められた(Hedges’g:0.434、95%CI:0.196~0.671)。・任意の対照群と比較し、MBEでは中程度の有意な効果(Hedges’g:0.461)、AEではわずかに有意な効果(Hedges’g:0.341)が認められた。・RTの効果は、調査できなかった。・全体的に不均一性が高く(I2:76%)、モデレーター分析または感度分析では低減できなかった。 著者らは「PEは、統合失調症患者の陰性症状治療において有望な介入となりうることが示唆された。しかし、抽出された研究の質は低く、異質性が高かったため、明確に推奨することは困難であり、慎重な解釈が求められる」としている。

3367.

災害関連不眠症の長期経過~福島原発所員のフォローアップ調査

 2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に伴う福島第一原子力発電所事故の災害関連体験と原子力発電所員の不眠症との関連、および各不眠症状への長期的な影響について、順天堂大学の野田(池田) 愛氏らが調査を行った。Sleep誌オンライン版2019年3月11日号の報告。 対象は、2011~14年までの3年間にアテネ不眠尺度を用いたアンケートおよび2011年の災害関連体験に関するアンケート調査に回答した発電所員1,403例。災害関連体験と不眠症との縦断的な関連を調査するため、混合効果ロジスティック回帰モデルを用いた。また、不眠症のサブタイプ(入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒)に対する災害関連体験の潜在的な影響について、パス分析を用いて調査した。 主な結果は以下のとおり。・家族や同僚の死亡を除くすべての災害関連体験は、不眠症と有意な関連が認められた。・これらの外傷性曝露の大半は、時間に依存せず、不眠症リスクと関連していることが示唆された。・しかし、生命を脅かす危険を経験した影響は、時間とともに減少した。・パス分析では、生命を脅かす危険または爆発の目撃といった経験をした発電所員は、入眠の妨げとなる不安な場面を思い起こすと示唆された。・一方、早朝覚醒は、人生の不安定さと関連している可能性が示唆された。・社会的な差別や中傷が、3つの不眠症サブタイプと関連しており、生命を脅かす危険、財産の喪失、同僚の死亡といった他の経験にも影響されることが認められた。 著者らは「本調査結果より、災害関連体験を有する労働者に対して包括的な心理社会的支援が必要である」としている。■関連記事東日本大震災、深刻な精神状態の現状:福島医大震災と精神症状、求められる「レジリエンス」の改善震災による被害で認知症リスク増加

3368.

セリンクロの登場がアルコール依存症治療を継続させるきっかけに

 2019年3月28日、大塚製薬株式会社は、同社の製造販売する飲酒量低減薬ナルメフェン(商品名:セリンクロ)が発売されたことを機し、都内でプレスセミナーを開催した。セミナーでは、アルコール依存症の現状と治療の最新情報が解説された。推定患者数107万のうち受診者はわずか5万人 セミナーでは、「アルコール依存症をとりまく現状と治療 新しい診断治療ガイドラインを踏まえて」をテーマに、樋口 進氏(久里浜医療センター 院長)が講師としてレクチャーを行った。 わが国の飲酒実態とアルコール依存症治療のギャップに触れ、飲酒量全体は横ばいまたは微減となっている中で、アルコール依存症患者は約107万人と推定されているが、実際に治療を受けている患者は、約5万人とかなりの未診療患者がいると指摘した。この治療ギャップを埋めるためにも「医療連携の促進・地域の取り組み・軽症例のプライマリケアでの受診・診療ガイドラインの作成」などの取り組みが必要と同氏は提起する。重症依存症になる前に アルコール依存症の治療目標は、「飲酒を完全に断ち続けることが、最も安全かつ安定的」とされているが、そもそも患者が医療機関を受診しなかったり、治療中断をするために難渋しているという。そうした状況を変える取り組みとして、同氏が所属する久里浜医療センターでは、アルコール依存症手前の患者を対象に「プレアルコホリック外来」が開設されている。同外来では、アルコールの有害使用者を対象に、1ヵ月に1回外来個人精神療法とミーティングを行うもので、まず6ヵ月の断酒に挑戦し、その後断酒または節酒をするか患者に決めてもらうという。また、2017年4月からは「減酒外来」も開設し、この外来には比較的社会機能が保たれている患者が、自分の意思で来院するという。受診理由の多くは男女ともに「ブラックアウト(一時的記憶喪失)」であり、「社会機能が保たれているうちに、介入・進行予防をすることが重要」と同氏は早期治療の必要性を強調する。治療継続に期待できるナルメフェン(商品名:セリンクロ) 軽症例からの早期介入に使える治療薬が、3月より発売されたナルメフェン(商品名:セリンクロ)である。ナルメフェンの効果、安全性について行われた国内第III相試験では、アルコール依存症患者(DSM-IV-TR)と診断された20歳以上の男女666例のうち、ナルメフェン10mg群(180例)、同20mg群(242例)、プラセボ群(244例)に分け、24週、プラセボ対照、無作為化、多施設共同二重盲検並行群間比較試験で行われた。主要評価項目は、12週目におけるHDD(多量飲酒日)数*のベースラインからの変化量である。その結果、ベースラインからの変化量はプラセボ群で-7.91日/月であったのに対し、ナルメフェン10mg群で-12.09日/月、ナルメフェン20mg群で-12.25日/月とナルメフェン群で有意な減少を示した。安全性については、有害事象として悪心、めまい、傾眠などが報告されたが、重篤なものはなかった。以上の結果を受け、「減酒のための治療薬の登場により、患者に治療継続をさせるきっかけができる」と同氏は期待をにじませる。*1日のアルコール消費量が男性60g、女性40gを超えた日の1ヵ月あたりの日数新ガイドラインの重点は「軽依存症患者」「非専門医」に重点 次に2018年に上梓された『新アルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドライン』について触れ、新ガイドラインでは「軽依存症」「有害な使用」に焦点をおいた内容であること、非専門医でも対応できる基準を示していることを説明した。また、アルコール依存症の治療目標に関する推奨事項は「断酒とその継続」としながらも、選択肢の1つとして飲酒量低減を目標にして、失敗時の断酒への切り替え、軽症依存症では飲酒低減も目標になりうるなど柔軟な目標設定をしていることを説明した。そのほか、断酒への薬物治療としては、第1選択薬はアカンプロサートが推奨され、断酒への動機付けなどの第2選択薬としてジスルフィラムやシアナミドが、飲酒量低減を目標にする場合はナルメフェンを考慮すると説明した。 最後に、国は施策として「アルコール健康障害対策基本法」を制定するとともに、依存症拠点機関事業も実施し、アルコール依存症の対策を行っていると説明。「今後、各地域で依存症対策事業も開始されるので、アルコール依存症を非専門の医師が診療する機会も増えると思う。今後関係する学会や研究会も開催されるので、こうした場で知見を吸収してもらいたい」と述べ、セミナーを終えた。

3369.

アトピー性皮膚炎児の母、11年間睡眠不足

 アトピー性皮膚炎(AD)児の両親に睡眠障害が多いことは、これまでの小規模な診療所ベースのデータから示唆されていたが、長期にわたる集団ベース研究はほとんどなかった。先日、本サイトで紹介した、ADと睡眠の質に関するエビデンス報告を行った研究グループ (米国・カリフォルニア大学のFaustine D. Ramirez氏ら)が、AD児の母親の睡眠障害に関する解析報告を発表。その結果、AD児の母親は11年間ずっと入眠困難、睡眠不足、日中の疲労を訴えていることが示された。ただし、児の睡眠障害が母親の睡眠を妨害しているかどうかの詳細な関連性は不明であった。著者は「子どもの幸福と発達には、両親の身体的・精神的健全さの影響を強く受ける。さらなる研究で、どのような機序により睡眠障害が生じているのかを明らかにしなければならない」と述べ、「AD児のケアにおいて、医師は母親の睡眠障害や介護者の疲労についても考慮する必要がある」とまとめている。JAMA誌オンライン版2019年3月20日号掲載の報告。 研究グループは、英国の出生コホートを用いた縦断研究からAD児と非AD児それぞれの母親の長期にわたる睡眠障害を比較。これらの障害が、児の疾患重症度や睡眠障害と関連しているかを調査した。英国・エイボン州に在住で、1991年4月1日~1992年12月31日に出産が予定されていた全妊婦を対象とした、現在進行中のコホート研究「Avon Longitudinal Study of Parents and Children」のデータを用いて解析した。 本コホート研究の2次解析である本解析は、2017年9月~2018年9月に行われた。母と児のペアに対し、児が生後6ヵ月~11歳までフォローアップを行い、児のADの活動性や重症度の経時的変化を測定した。母親には、複数時点で繰り返し睡眠評価について自己申告してもらい、その結果を測定した。 主要評価項目は、母親の一晩の睡眠時間(6時間未満vs.6時間以上)、入眠困難、早朝早期覚醒、睡眠不足、日中の疲労についての経時的変化とした。 主な結果は以下のとおり。・1万3,988組の母と児が、児の誕生から中央値11年間(四分位範囲:7~11)のフォローアップを受けた。・母親の年齢は82.9%(1万1,585/1万3,972例)が21~34歳、人種は97.4%(1万2,001/1万2,324例)が白人であった。児の性別は51.7%(7,220/1万3,978例)が男児であった。・AD児の母親と非AD児の母親間で、睡眠時間(補正後オッズ比[AOR]:1.09、95%信頼区間[CI]:0.90~1.32)、早朝早期覚醒(同:1.16、95%CI:0.93~1.46)は、類似していた。・対照的に、AD児の母親は、児に喘息および/またはアレルギー性鼻炎が併存しているか否かにかかわらず、入眠困難(同:1.36、95%CI:1.01~1.83)、睡眠不足(同:1.43、95%CI:1.24~1.66)、日中の疲労(同:1.41、95%CI:1.12~1.78)の報告が多い傾向がみられた。・すべての評価について、児のAD重症度が高いほど母親の睡眠アウトカムは不良であった。関連の大きさおよび有意性は、児の睡眠障害について補正後も大部分は変わらなかった。

3370.

日本において将来の認知症ケアに対し不安を感じている人の特徴

 認知症にやさしい地域社会を目指すことは、世界的な目標ではある。しかし、認知症の地域住民は、いまだ対処されていない認知症関連ケアのニーズを抱えている。東京都健康長寿医療センター研究所の岡村 毅氏らは、将来必要となった際に適切な認知症ケアを受けられない可能性について不安を感じている人の特徴を調査した。Psychogeriatrics誌オンライン版2019年3月18日号の報告。 東京都の1地域に在住する65歳以上のすべての住民13万2,005人に対し、郵送によるアンケート調査を実施した。アンケートは、適切な認知症ケアを受けられない可能性についての不安を測定する項目ならびに、社会人口統計、抑うつ症状、フレイル、在宅状況、社会経済的状況、社会的サポート、開業医(GP)へのアクセス、認知症ケアの経験に関する項目を含んだ。 主な結果は以下のとおり。・不安を測定する項目に回答した7万4,171人中、将来必要となった際、適切な認知症ケアを受けられない可能性について不安を感じている人は、5万8,481人(78.8%)であった。・強制投入法(simultaneous)多重ロジスティック回帰分析では、不安との関連が予想される要因は以下のとおりであった。 ●うつ症状 ●フレイルまたはその予備群 ●女性 ●現在、社会経済的に不利な状況ではない ●気分がすぐれないときに、病院へ連れていける人がいない ●より若い(65~74歳) ●既婚 ●隣人を信頼していない ●高等教育レベル(9年超) ●困っているときに相談できる人がいない ●働いていない ●小児期に社会経済的に不利な状況を経験 ●隣人とは、あいさつを交わす程度の関係 ●認知症ケアの経験がない・GPへのアクセス、独居、外出が1回/週以下では、関連性は認められなかった。 著者らは「これらの不安を軽減するための介入に関して、さらなる研究が必要とされる」としている。■関連記事世界で最も高齢化している日本における認知症の推定コストたった2つの質問で認知症ルールアウトが可能レビー小体型認知症とアルツハイマー病における生存率の違い~メタ解析

3371.

もう見過ごせない小児虐待

 昨年における児童虐待事件は、過去最多の1,380件が警察により摘発され、被害児童は1,394人だった。そのうち36人が亡くなっており、痛ましい事件は後を絶たない。 2019年3月都内にて、加茂 登志子氏(若松町こころとひふのクリニック メンタルケア科 PCIT研修センター長)が、「虐待について」をテーマに講演を行った。専門医でなくとも、診療を受けている患者が虐待やDVなどの問題を抱えている可能性があるかもしれない。虐待は年々増えている 児童虐待件数は、1990年に統計が開始されて以降、年々増加の一途をたどっている。2017年度中に、全国210ヵ所の児童相談所が対応した件数は13万3,778件(速報値)と過去最多であった。警察の積極的介入などにより発覚件数が増えているとも考えられるが、「おそらく、全体の件数も増えているだろう」と加茂氏は見解を示した。 虐待による死亡数は0歳児が最も多く、2003~2016年度の集計では3歳児以下が77.0%を占めている。同氏は「産後うつをイメージするとわかりやすい。母子心中が日本人では多い」と指摘した。しかし、0~17歳まで、全年齢で死亡事例があり、問題はそれだけではないという。 2017年度の報告によると、児童相談所に寄せられる相談のなかで1番多いのは心理的虐待(54.0%)だ。次いで、身体的虐待(24.8%)、ネグレクト(20.0%)、性的虐待(1.2%)と続く。両親間のDV目撃(面前DV)なども心理的虐待に含まれ、DVと虐待が併存する例も少なくない。「大きく報道されるのは亡くなった事例だが、生きていて虐待やDVを受けている事例はニュースにならない。辛い思いをしている子供はたくさんいる」と、関心を呼び起こした。適切な対応で将来的な虐待を減らす 虐待・DV被害を受けた子供の診断例(DSM-5)として、「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」、誰に対しても愛着を示さない「反応性愛着障害」、誰にでも見境なく愛着行動を示す「脱抑制型対人交流障害」などがある。また、ICD-11においてPTSDは従来のものだけでなく“複雑性”が採用される見込みで、DVや虐待などによる長期反復型のトラウマは「複雑性PTSD」の症状を呈する可能性が高い。 治療は、国際的にEBP(evidence-based practice)の導入が主流であり、トラウマフォーカスト認知行動療法(TF-CBT)、家族のための代替案:認知行動療法(AF-CBT)、親子相互交流療法(PCIT)などが行われている。 被害児童にとって1番重要なことは“被害の場から離れる”ことで、さらに、安全・安心・安眠の確保と、安定した養育環境が必須だという。回復と成長には非専門家による心身のケアが必要であり、適切な対応は、虐待の世代間連鎖をブロックし、将来的な虐待の予防につながるため、社会的なサポートの充実が求められる。普段の診療時、疑わしい患者を見過ごさないこと 米国で行われた逆境的児童期体験(ACE)研究によると、18歳までに受けた虐待などの逆境体験は、精神疾患ばかりでなく、知的発達や学習能力へも影響し、体験数に比例して慢性身体疾患のリスクを高めることが明らかになっている。 同氏は「専門医でなくても、虐待やDVに関与する患者を診る機会は意外とあると思う。とくに、はっきりとした理由なく向精神薬を繰り返しもらいに来る女性患者には注意が必要。こちらから聞くと、答えてくれることもある。そういう人たちを見過ごさないようにすることも大切」と語った。

3372.

「がん患者におけるせん妄ガイドライン」が発刊!

 「せん妄」と聞くと、術後せん妄や高齢者をイメージすることが多いのではないだろうか。しかし、がん自体やその治療の副作用に伴う痛みや不安・不眠を取り除くために使用するオピオイド、ならびに精神安定薬の使用も、せん妄の大きな要因の一つになっているという。このような現状を踏まえ、2019年2月27日、日本サイコオンコロジー学会と日本がんサポーティブケア学会が協力し、「がん患者におけるせん妄ガイドライン」を発刊した。がん患者を念頭においたせん妄ガイドラインはあまり多くない せん妄は、患者だけでなく、介護をする家族や医療者にも大きな影響をもたらすため、超高齢社会を迎えた日本では、せん妄の予防・対策が重要になると予想される。「がん患者におけるせん妄ガイドライン」は、がん患者のせん妄に関する先行知見や実証的なエビデンスが、臨床に即した形でまとめられている。序文では、明智 龍男氏(日本サイコオンコロジー学会代表理事)や田村 和夫氏(日本がんサポーティブケア学会理事長)が、「せん妄に関してはたくさんの指針やガイドラインがあります。一方、がんという疾患の軌跡の特殊性も念頭においたガイドラインはあまり多くありません」など、発刊の経緯を記している。医療者の疑問に答えるせん妄ガイドライン 「がん患者におけるせん妄ガイドライン」では、がん患者におけるせん妄の基礎知識を総論とし、全4章から成る。評価方法や薬物療法・非薬物療法などに関する9つの臨床疑問を設けて、現場に即した指針が提示されている。 I章は、ガイドラインの目的や使用上の注意、エビデンスレベルと推奨の強さについて。II章は、総論と表し、がん患者におけるせん妄の頻度やその特徴、原因、治療方法が記載されている。臨床での疑問に触れているIII章では、「がん患者のせん妄には、どのような原因(身体的原因・薬剤原因)があるか?」、「せん妄を有するがん患者に対して、せん妄症状の軽減を目的としてベンゾジアゼピン系薬を単独で投与することは推奨されるか?」、「せん妄を有するオピオイド投与中のがん患者に対して、せん妄症状の軽減を目的としてオピオイドを変更すること(スイッチング)は推奨されるか?」などに対して解説がされている。第IV章には、資料として概要やシステマティックレビュー、今後の検討課題、患者・家族へのせん妄説明パンフレットなどが盛り込まれている。

3373.

アルコール依存症患者の再入院とBMIや渇望との関連

 常習性の飲酒、渇望、過食は、共通の病理学的メカニズムを有している。ドイツのフリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルクのChristian Weinland氏らは、BMIや渇望がアルコール依存症入院患者のアウトカムを予測するかどうかを調査した。Progress in Neuro-psychopharmacology & Biological Psychiatry誌2019年3月2日号の報告。 早期に禁酒したアルコール依存症入院男性患者101例および女性患者72例を対象に、プロスペクティブ研究を実施した。渇望は、Obsessive-Compulsive Drinking Scale(OCDS)スコアを用いて定量化した。24ヵ月以上のアルコール関連再入院を記録した。 主な結果は以下のとおり。・男性では、より高いBMIは、アルコール関連再入院と関連しており(中央値:26.1kg/m2 vs. 23.1kg/m2、p=0.007)、より高頻度(ρ=0.286、p=0.004)で、より早期(ρ=-0.256、p=0.010)の再入院との相関が認められた。・これらの関連性は、活発な喫煙者のサブグループ(79例)においてより強く認められた([アルコール関連再入院]中央値:25.9kg/m2 vs. 22.3kg/m2、p=0.005、[高頻度]ρ=0.350、p=0.002、[早期]ρ=-0.340、p=0.002)。・女性では、BMIは有意な予測因子ではなかった。・1回以上の再入院があった男性では、そうでない男性と比較し、OCDSスコアが高く(OCDS-total、OCDS-obsessive、OCDS-compulsive、p<0.040)、OCDSスコアは、再入院の高頻度(男性:OCDS-total、OCDS-obsessive、OCDS-compulsive、ρ>0.244、p<0.014、女性:OCDS-compulsive、ρ=0.341、p=0.003)と初回再入院までの期間短縮(男性:OCDS-total、OCDS-compulsive、ρ<-0.195、p<0.050、女性:OCDS-compulsive、ρ=-0.335、p=0.004)との相関が認められた。・OCDSスコアにより、男性におけるBMIとアウトカムとの関連は9~19%説明可能であった。 著者らは「BMIおよび渇望は、アルコール依存症入院患者における再入院の予測因子である。このことは、将来の再入院を予防するために使用できる可能性がある」としている。■関連記事アルコール関連での緊急入院後の自殺リスクに関するコホート研究飲酒運転の再発と交通事故、アルコール関連問題、衝動性のバイオマーカーとの関連アルコール依存症に対するナルメフェンの有効性・安全性~非盲検試験

3374.

うつ、不安、睡眠の質に対する「お笑い介入」~メタ解析

 うつ病や不安症状の治療に対し、ネガティブな感情を減少させるための介入が求められており、お笑いやユーモアを用いた介入(お笑い介入)は、安全かつ便利で、患者と医療従事者との関係を良好に保つことが期待される介入方法である。成人のうつ病、不安および睡眠の質に対するお笑い介入の効果を定量化するため、中国・吉林大学のJinping Zhao氏らが検討を行った。Journal of Advanced Nursing誌オンライン版2019年3月18日号の報告。 ランダム化比較試験のメタ解析を実施し、2018年12月までの研究を各種データベース(PubMed、Embase、PsycINFO、Web of Science、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Chinese National Knowledge Infrastructure、Weipu、Wanfang Data)より検索した。Cochrane Collaborationガイドラインに従って、メタ解析レビューを実施した。研究の選択、データ抽出、バイアスリスク(Cochrane Collaborationバイアスリスク評価ツール)の評価は、独立した2人のレビューアにより実施した。 主な結果は以下のとおり。・10研究より、814例が抽出された。・メタ解析では、お笑い介入が成人のうつ病、不安を有意に減少させ、睡眠の質を改善することが示唆された。・サブグループ解析では、長期的なお笑い介入は、うつ病患者により多くのベネフィットをもたらすことが示唆された。 著者らは「お笑い介入は、成人のうつ病や不安を軽減し、睡眠の質の改善に有効であることが明らかとなった。今後は、質の高いフォローアップ評価を行うために、さらなる研究が求められる」としている。■関連記事「笑い」でうつ病診断が可能にこれからのうつ病治療、どんな介入を行うべきかうつ病や不安症状に対する食事療法~メタ解析

3375.

長期PPI使用と認知症リスク

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)と認知症リスクの潜在的な関連性については、相反するデータが報告されている。台湾・国立台湾大学のShih-Tsung Huang氏らは、高齢者におけるPPI使用とその後の認知症リスクの関連について検討を行った。Clinical Pharmacology and Therapeutics誌オンライン版2019年3月12日号の報告。 混合軌跡モデリング(group-based trajectory modeling)を用いて、3年以上の長期PPI使用に関して異なるグループを特定し、5年のフォローアップ期間におけるPPI使用と認知症との関連を調査した。 主な結果は以下のとおり。・PPIを使用した高齢者1万533例を、短期使用群(7,406例、70.3%)、断続使用群(1,528例、14.5%)、長期使用群(1,599例、15.2%)の3群に分類した。・短期使用群と比較し、長期使用群(HR:0.99、95%CI:0.93~1.17)および断続使用群(HR:0.91、95%CI:0.76~1.09)では、認知症発症リスク増加との関連は認められなかった。・PPIの使用パターンにかかわらず、平均4年のフォローアップ期間中における有意な認知症リスク増加は認められなかった。■関連記事ベンゾジアゼピン使用と認知症リスク長期ベンゾジアゼピン使用者における認知症リスク~メタ解析軽度アルツハイマー病に対するコリンエステラーゼ阻害薬のベネフィット

3376.

急性アルコール摂取による負傷リスク、男女で差

 飲酒による負傷リスクについて、性別、飲酒頻度、負傷の原因(交通事故、暴力、転倒など)によって違いがあるかを、米国・Alcohol Research GroupのCheryl J. Cherpitel氏らが、分析を行った。Alcohol and Alcoholism誌オンライン版2019年3月11日号の報告。 イベント後6時間以内に救急部(ED)に搬送された負傷患者1万8,627例についてケース・クロスオーバー分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・男女間での飲酒による負傷リスクは、3杯以下では同等であった(男性OR:2.74、女性OR:2.76)。・大量飲酒における負傷リスクは、女性において男性よりも高く、3.1~6杯(OR:0.60、CI:0.39~0.93)および6.1~10杯(OR:0.50、CI:0.27~0.93)で、飲酒量の相互作用による性差(gender by volume interaction:GVI)が有意に大きかった。・5回/月以上飲酒をしていた女性は、飲酒量に関係なく男性よりも負傷リスクが高く、5回/月未満で3杯以下の女性(OR:0.51、CI:0.28~0.92)および6.1~10杯の女性(OR:0.39、CI:0.18~0.82)よりもGVIの強い関連が認められた。・女性では、6杯未満での交通事故に関連するものを除き、男性よりも負傷リスクが高く、GVIは、3.1~6杯でほかの原因による負傷についてのみ有意であった(OR:0.23、CI:0.09~0.87)。 著者らは「大量飲酒の頻度に関係なく、女性は男性よりも飲酒による負傷リスク(交通事故関連を除く)が高いことが示唆された」としている。■関連記事妊娠中の飲酒、子供の認知機能に及ぼす影響飲酒運転の再発と交通事故、アルコール関連問題、衝動性のバイオマーカーとの関連アルコール依存症に対するナルメフェンの有効性・安全性~非盲検試験

3377.

母親の産後うつが子供の言語発達を遅らせるか

 母親の後期発症型の産後うつは子供の言語発達遅滞を引き起こす可能性があることが、浜松医科大学子どものこころの発達研究センターの青柳 早苗氏らの研究によって明らかになった。PeerJ誌2019年3月号に掲載。 母親の産後うつにさらされることが乳児の言語発達遅滞に関与するということは示唆されている。しかし、言語発達の遅れが幼児期まで持続するのか、また早期発症型の産後うつ(産後4週間以内)と後期発症型の産後うつ(産後5~12週間)のどちらが言語発達遅滞に関与しているかについては明らかではなかった。 著者らは、早期発症型と後期発症型の産後うつで、どちらが乳児期から早期の幼児期の子供(生後40ヵ月まで)の表出性言語スコアを低下させるのかについて検討を行った。 本研究は、「浜松母と子の出生コホート研究」の一部として実施され、969例の新生児およびその母親を対象に行われた。早期発症型および後期発症型の産後うつは、Edinburgh Postnatal Depression Scaleによって診断された。表出性言語発達はMullen Scales of Early Learningによって測り、6つの時点(生後10、14、18、24、 32、40ヵ月)でモニターした。説明変数と表出性言語スコアの変化との関係は、共変量で調整された重回帰分析と成長曲線分析によって評価された。 主な結果は以下のとおり。・成長曲線分析の結果から、後期発症型の産後うつを発症した母親の子供では生後10~40ヵ月にかけての表出性言語スコアが有意に単調減少した。・後期発症型の産後うつは、子供の生後18ヵ月以降の表出性言語スコアを有意に低下させ、生後40ヵ月時点では標準偏差の0.6倍のスコア低下が認められた(95%CI:-0.888~-0.265、p<0.001)。・早期発症型の産後うつを発症した母親の子供では、表出性言語スコアの有意な減少は認められなかった。 著者らは本研究の結果について、「母親の後期発症型の産後うつによって子供の乳幼児期の表出性言語発達遅滞が引き起こされることが示唆され、言語発達遅滞の早期発見と治療介入を容易にするために後期発症型の産後うつのモニタリングが重要である」としている。

3378.

体形とうつ病発症リスクとの関連

 肥満はうつ病と関連しているといわれている。肥満の一般的な指標としてBMIが用いられるが、BMIは身長と体重を組み合わせた指標である。そのため、体の寸法やサイズのどの部分が最も関連しているかはよくわかっていない。米国・トゥルーマン州立大学のJeffrey R. Vittengl氏は、体形とうつ病との関連について検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2019年3月5日号の報告。 妊娠していない20歳以上の成人2万3,739例を対象に、2007~16年の国民健康栄養調査のデータより分析を行った。年齢、性別、民族性、社会経済的地位でコントロールしたうえで、抑うつ症状と体形変数との関連を調査した。 主な結果は以下のとおり。・身長ではなく、体重とBMIが抑うつ症状の予測因子であった。・比較的高い体重またはBMIを有する成人(女性の上位約30~40%、男性の上位約10%)は、性別内において実質的に抑うつ症状(d≧0.20)の有症率が高かった。・女性(BMI≧30)および男性(BMI≧36)におけるうつ症状の増加を予測するBMIの範囲は、それぞれ標準的な過体重や肥満の定義よりも高かった。 著者らは「本研究は、横断的観察研究であり、体重とうつ病との潜在的な因果関係を明らかにするためには、今後縦断的および実験的な研究が必要である。また、他の体形変数もうつ病を予測する可能性がある」としながらも「抑うつ症状の予測因子である体重に関して、BMIのような身長により調整されていない体重に重点を置いた評価が、うつ病の予防や治療を改善するかどうかを確認する必要がある」としている。■関連記事抗うつ薬誘発性体重増加のレビュー、その結果はセロトニンの役割、摂食障害や肥満治療への期待肥満と認知症リスク

3379.

ソーシャルロボットによる高齢者の認知機能検査の信頼性と受容性

 近年、人間とコミュニケーションを交わし生活をサポートするソーシャルロボットの開発が進んでいる。ソーシャルロボットは医療業界ではどのような活躍が期待できるであろうか。信州大学のTakaeda Kana氏らは、高齢者の認知機能検査へのアクセスを改善するため、ロボットを使った音声による検査の信頼性と受容性を検討した。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2019年3月18日号に掲載。 本研究ではソーシャルロボットを用いて、老人ホームとデイケア施設から募集された参加者に対して電話を通した認知機能スクリーニングツールであるTelephone Interview for Cognitive Status日本語版を実施した。ロボットの会話や意思はあらかじめプログラムされており、次の質問へ進むタイミングの制御や参加者の反応の記録は研究者の手によって行われた。本研究では、認知機能検査の内的整合性、代替形式法による信頼性(実験1)、再検査法による信頼性(実験2)を検証した。また、実験2において、問診票を用いた検査の受容性の検証も行われた。 主な結果は以下のとおり。・66例(平均年齢81.2±5.8歳)が実験1に参加し、検査の内的整合性を評価するクロンバックのα係数は0.691、代替形式法の信頼性係数は0.728であった。・実験1の参加者のうち40例(平均年齢82.0±5.4歳)が実験2にも参加し、再検査法の信頼性係数は0.818であった。・質問票によると、半数以上の検査参加者が、認知機能の低下を測定するためにロボット版の検査を使いたい(あるいは非常に使いたい)と回答した。 著者らは、「もし研究者によって実行されている部分についても自動化に成功すれば、ロボットによる認知機能検査は地域在住高齢者にとって十分な信頼性と受容性を持ちえるだろう」としている。

3380.

1990~2016年の世界のてんかん負荷調査の分析結果

 てんかんによる発作やその影響は、早期死亡や残存症状などの健康被害の原因となりうる。てんかんの負荷に関するデータは、健康管理計画やリソース配分において必要とされている。世界の疾病負荷(Global Burden of Disease:GBD)2016のてんかん共同研究者らは、てんかんによる健康被害を年齢、性別、年、場所別に定量化することを目的に、GBDのデータを用いて分析を行った。The Lancet. Neurology誌2019年4月号の報告。 1990~2016年の195の国と地域におけるてんかん負荷の評価を行った。年齢、性別、年、場所、社会人口統計学的指標(1人当たりの所得、教育、出生率の複合尺度)による、死亡、罹患率、障害調整生命年(disability-adjusted life-years:DALY、定義は損失生存年数[years of life lost:YLL]と障害生存年数[years lived with disability:YLD]の合計)として負荷を測定した。死亡に関する情報は人口動態登録と口頭剖検(verbal autopsy)より入手し、てんかんの有病率や重症度に関するデータは住民代表調査より得た。すべての推定値は、95%不確実性区間(UI)で算出した。 主な結果は以下のとおり。・2016年の活動性てんかん(特発性および2次性てんかん)の患者数は4,590万人(95%UI:3,990~5,460万)であった(年齢標準化有病率:621.5人/10万人、95%UI:540.1~737.0)。・このうち、活動性特発性てんかん患者は2,400万人(95%UI:2,040~2,770万)であった(有病率:326.7人/10万人、95%UI:278.4~378.1)。・活動性てんかんの有病率は年齢とともに増加し、5~9歳(374.8人/10万人、95%UI:280.1~490.0)および80歳以上(545.1人/10万人、95%UI:444.2~652.0)でピークに達していた。・活動性特発性てんかんの年齢標準化有病率は、男性で329.3人/10万人(95%UI:280.3~381.2)、女性で318.9人/10万人(95%UI:271.1~369.4)であり、SDIの五分位において類似していた。・特発性てんかんの世界的な年齢標準化死亡率は、1.74人/10万人(95%UI:1.64~1.87)であり、男性では2.09人/10万人(95%UI:1.96~2.25)、女性では1.40人/10万人(95%UI:1.23~1.54)であった。・年齢標準化DALYは、182.6人/10万人(95%UI:149.0~223.5)であり、男性では201.2人/10万人(95%UI:166.9~241.4)、女性では163.6人/10万人(95%UI:130.6~204.3)であった。・男性のDALY率が高値であったのは、女性と比較し、YLL率が高値のためであった。・特発性てんかんの年齢標準化有病率の変化は、6.0%(95%UI:-4.0~16.7)と有意ではなかったが、年齢標準化死亡率(24.5%、95%UI:10.8~31.8)および年齢標準化DALY率(19.4%、95%UI:9.0~27.6)では有意な減少が認められた。・SDIの五分位が低い国と高い国との年齢標準化DALY率の違いは、低所得環境におけるてんかん重症度の高さによるものが1/3を占め、SDIが低い国におけるYLL率の上昇が2/3を占めていた。 著者らは「1990~2016年にかけて疾病負荷が減少しているにもかかわらず、てんかんはいまだに障害や死亡に関連する重大な問題である。てんかんに関するデータが不十分な国では、標準化されたデータ収集を強化すべきである。低所得国における既存治療へのアクセス改善や世界的な新規薬剤の開発は、てんかんの負荷を減少させる可能性がある」としている。■関連記事てんかん患者の突然死、腹臥位がリスク因子か世界のてんかん研究を解析、有病率に影響を与える要因は医学の進歩はてんかん発症を予防できるようになったのか

検索結果 合計:5819件 表示位置:3361 - 3380