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苦情殺到!桃太郎(前編)【なんでバッシングするの?どうすれば?(正義中毒)】Part2

バッシングをやめられなくなると?―「正義中毒」バッシングは、正したいという正義感をもとに、許せないという不安感に煽られ、裁きたいという快感に突き動かされていることが分かりました。それでは、次の残りのコメントはどうでしょうか?「ファッ??」「泥棒ワロタw」「WWW」「炎上案件キタ――(゚∀゚)――!!」「不祥事キタ――(゚∀゚)――!!」「もっと炎上しろ!」「家族も許すな」「この人、SNSやってないかな?」「背景から住所分かるかも」「旦那は山で芝刈りしてるらしいよ」もはや、単なる制裁のレベルを超えています。「批判の声が殺到」すること自体をおもしろがっています。「批判の声」は、本来、世の中を良くするための手段であるはずなのに、目的そのものになっています。このバッシングの目的化は、さらに3つの快感によるものと考えられます。(1)何をしても許される1つ目は、何をしても許される快感です。相手を上から目線で問い詰めることは、相手が悪で、自分が正義です。その状況においては必然的に自分が優位になり、優越感が得られます。その相手が、もともと自分よりうまくやっている人や目立っている有名人ならなおさらです。さらに、「(懲らしめるためには)何をしても許される」という論理の飛躍が起こっています。こうして、あたかも自分が神になったような万能感も得られます。そして、相手(ターゲット)を「つるし上げ」にして、罵詈雑言を浴びせるようになります。このように、優越感や万能感を得ること自体が目的となってしまい、もはや本当に正しいかどうかはどうでもよくなります。とにかく、相手(ターゲット)が悪だと言いたいのです。(2)仲間ができる2つ目は、仲間ができる快感です。バッシングの目的化において、その最終的なゴールは炎上です。そのゴールに向かって、一緒に「批判」して共感し合えます。また、相手(ターゲット)を追い詰めるために、個人情報を調べ上げたり、背景から住所や関係者を特定し、SNSで勝手に公開して役に立とうとする人も現れます。いわゆる「特定班」「ネット探偵団」です。これは、自分が投下したネタで盛り上がる快感です(承認欲求)。こうして、連帯感が得られます。炎上という「神輿」を担いだ「お祭り騒ぎ」です。連帯感によって、周りに合わせる心理(同調性)も高まります。これは、「いじめ」の心理にも通じます。このように、連帯感を得ること自体が目的となってしまい、もはや本当に正しいかどうかはどうでもよくなります。とにかく、一緒になって楽しみたいのです。(3)引きずり下ろす3つ目は、引きずり下ろす快感です。相手(ターゲット)を引きずり下ろすということは、相対的に自分が持ち上がり、得した気分になります。その相手(ターゲット)が、やはり自分よりうまくやっている人や目立っている有名人ならなおさらです。それだけ高いところにいるだけに、引きずり下ろし甲斐があります。なお、他人が引きずり下ろされるのを見届けた時に沸き起こるこの心理は、現時点で学術的な名前が見当たりません。日常的な言葉としては、「ざまを見ろ」「いい気味だ」「メシウマ(他人の不幸で今日も飯がうまい)」に当たります。そこで、この記事では、「相対的獲得感」と名付けます。この「相対的獲得感」を得るために、人の不幸を見たがります。かつての「公開処刑」もそうです。そして、スキャンダルを知りたがります。これは、噂好きの心理につながります。このように、この「相対的獲得感」を得ること自体が目的となってしまい、もはや本当に正しいかどうかはどうでもよくなります。とにかく、相手が不幸になるのが見たいのです。なお、このCMで流れてきたコメントの中には、単なるモラルの問題を超えた違法行為があります。たとえば、「窃盗」などとのツイートやリツイートをすることは、いくら正論であっても、いくら事実であっても、具体的な事実を不特定多数の人に知らせることによって、おばあさんの名誉をおとしめている点で、名誉毀損罪に当たります。同じように、「ステマ」とのツイート・リツイートは、公共の利害に関していない限り、信用毀損罪に当たります。謝罪の要求は、強要罪に当たります。また、「バカだ」「キモい」などとの罵詈雑言などの誹謗中傷にまで発展すると、具体的事実ではなくても、侮辱罪に当たります。おばあさんへツイートをしつこく繰り返したり、リツイートを呼びかければ、脅迫罪やストーカー規制法に触れます。さらに、おばあさんが精神的に傷付いた場合は、刑事上だけでなく、民事上の責任も問われます。たとえば、名誉毀損による損害賠償請求です。同じように、住所や関係者の無断公開は、プライバシー権の侵害に当たります。このような違法行為になると分かっていても、バッシングをやめられない、やめようとしない場合は、制裁(サンクション)の心理が過剰になった状態です。これは、「過剰制裁」(オーバーサンクション)と呼ばれます。分かりやすく言えば、自分が正義であることに酔いしれている「正義中毒」です。この点で、バッシング(制裁)という行為は、アルコールやギャンブルと同じ「中毒」(アディクション)の要素があると言えるでしょう(嗜癖性障害)。 << 前のページへ | 次のページへ >>

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苦情殺到!桃太郎(前編)【なんでバッシングするの?どうすれば?(正義中毒)】Part3

なぜバッシングは「ある」の?これまで、なぜバッシングをするのかという疑問にお答えしました。それでは、そもそも、なぜバッシングは「ある」のでしょうか? ここから、バッシングの心理の起源を、3つの段階に分けて、進化心理学的に探ってみましょう。(1)序列をつくる―社会性約2000万年前には類人猿が誕生し、群れをつくりました。この時、力関係によって群れを維持する行動が進化しました。1つ目の段階は、この序列をつくる社会性です。そして、ほかのメンバーよりも上位にいることに心地良さを感じるように進化しました。これが、優越感の起源です。(2)仲間をつくる―社会脳約700万年前に人類が誕生し、300~400万年前に、家族同士が血縁関係で助け合うことで村をつくりました。この時、周り人たちとうまくやっていこうとする心理が進化しました。2つ目の段階は、仲間をつくる社会脳です。そして、食糧などの限られた資源を平等に分け合うようになりました。これが、連帯感の起源です。一方で、周りと比べてその分け前(境遇)で損をしていると、不満を感じるように進化しました(相対的剥奪)。これは、妬みの起源です。逆に言えば、それが少しでも解消される時には快感が得られるわけです。これが、「相対的獲得感」の起源です。相対的剥奪と「相対的獲得感」は真逆の心理というわけです。また、村の中で、協力しなかったり、協力していても、得た資源をその後に独り占めして出し抜く種(フリーライダー)が現れます。なぜなら進化の本来の姿は競争だからです。そうなると、残りの人たちは飢え死にしてしまいます。そうなった時、またはそうなりかけた時、フリーライダーに仕返しをする心理も進化しました。これは、恨みの起源です。(3)秩序をつくる―概念化約20万年前に現生人類(ホモ・サピエンス)が誕生し、喉(のど)の進化によって、複雑な発声ができるようになりました。言葉によって、自分の血縁集団以外の人たち同士が集まって物々交換をするようになりました。顔見知りではない相手に対しては、暴力、盗難、強盗などをするフリーライダーが現れるリスクが高まります。そうならないように、フリーライダーが目の前にいなくても、言葉によってその存在を意識できるようになりました。そして、フリーライダーからの被害をあらかじめ避けるために、その情報を欲するようになりました。これが、噂好きの起源です。また、直接自分に被害がなくても秩序を守ることは大事だと抽象的にものごとを考えるようになりました。3つ目の段階は、秩序をつくる概念化です。そして、秩序が保たれるように、フリーライダーを懲らしめる心理が進化しました。これが、正義感の起源です。さらに、集団の秩序を守るために、集団の「治安隊」が獲物を仕留める飛び道具を人に向けることによって、威嚇するようになりました。武器による他人のコントロールです。これが、万能感の起源です。なぜバッシングは増えているの?これまで、なぜバッシングは「ある」のかという疑問にお答えしました。それにしても、なぜバッシングは増えているのでしょうか? それは、2000年代にSNSという新たな「武器」(装置)が発明されてしまったからです。ここから、その特徴を3つあげてみましょう。(1)噂を無制限に知らせる1つ目は、噂を無制限に知らせることです。それまで、知ることができる噂の絶対量は、直接、人から聞くほかには、テレビ、新聞、雑誌などのメディアからの情報に限られていました。しかも、メディアは、裏取りをするため、基本的に不確かな情報は発信しません。ところが、SNSによって、個人が噂を発信するようになり、噂はいくらでも手に入れることができるようになりました。すると、たとえその噂が不確かであっても、それだけ世の中が乱れているという情報に曝されます。こうして、バッシングする人は、ますます許せないという不安感が煽られていくわけです。(2)気軽に発信できる2つ目は、気軽に発信できることです。それまでは、個人が噂などの情報を伝える方法は、直接、人に話すほかは、メディアに投書するだけに限られていました。しかも、必ずしも自分が選ばれるわけではありません。ところが、SNSによって、個人が情報をいくらでも公表できるようになりました。こうして、バッシングする人は、ますます正義感を発揮するようになるわけです。(3)責任がない3つ目は、噂に責任がないことです。それまでは、噂を人に伝える時は、正体が明らかであるため、責任が伴います。不確かな噂をすれば、被害者からの仕返しのリスクがあります。ところが、SNSは匿名が可能で、正体が基本的にバレないです。発信者情報開示請求という法的手段はありますが、時間と労力がかかるため、実際には野放しになっています。こうして、バッシングする人は、ますます言いたい放題になって快感を得ようとするわけです。<< 前のページへ

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日本における小児期の自殺念慮と老年期のうつ病との関連

 小児期の有害な体験(adverse childhood experiences:ACE)は、メンタルヘルスの悪化を介して、老年期のうつ病リスクを上昇させると考えられるが、小児期の精神的苦痛と老年期のうつ病との関連は、直接検討されていなかった。東京医科歯科大学の森田 彩子氏らは、涌谷町に住む高齢者1,140人を対象とした横断調査データを用いて、小児期の自殺念慮と老年期のうつ病との関連を検討した。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2020年3月27日号の報告。 小児期の自殺念慮は、18歳までに自殺を真剣に考えたかを聞き取り調査した。老年期のうつ病は、老年性うつ病評価尺度日本語版(15項目)を用いて評価した。潜在的な交絡因子とメディエーターを調整するため、ポアソン回帰を用いた。主な結果は以下のとおり。・小児期の自殺念慮は、対象者の6.1%で報告された。・性別、年齢、個人属性、ACEで調整した後、小児期の自殺念慮と老年期のうつ病との間に正の相関が認められた(有病率:1.40、95%信頼区間[CI]:1.04~1.88)。・成人期の社会経済的地位や最近のストレス要因、健康状態で調整した後でも、老年期のうつ病有病率の増加は、有意なままであった(有病率:1.38、95%CI:1.02~1.88)。 著者らは「さらなるプロスペクティブ研究が必要とされる」としながらも「自殺念慮を有する子供たちにメンタルヘルスサービスを提供することは、蔓延している老年期のうつ病を潜在的に減少させるであろう」としている。

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ラメルテオンとスボレキサントのせん妄予防に対する有効性

 実臨床における、せん妄予防に対するラメルテオンとスボレキサントの有効性について、順天堂大学の八田 耕太郎氏らが、調査を行った。The Journal of Clinical Psychiatry誌2019年12月17日号の報告。ラメルテオンとスボレキサントのせん妄予防効果が示唆された 本研究は、多施設共同プロスペクティブ観察研究である。コンサルテーションリエゾン精神科サービスでトレーニングを受けた精神科医により、2017年10月1日~2018年10月7日に実施した。対象は、急性疾患または待機手術により入院した65歳以上の、せん妄は認められていないがせん妄のリスクを有する患者(リスク患者)、および診察前夜に不眠症またはせん妄が認められた患者(せん妄患者)。対象患者に対し、ラメルテオンおよび/またはスボレキサントが処方された。薬剤の処方は、各患者の裁量に委ねられた。主要アウトカムは、最初の7日間におけるDSM-Vに基づくせん妄の発症率とした。 せん妄予防に対するラメルテオンとスボレキサントの有効性を調査した主な結果は以下のとおり。・リスク患者526例では、ラメルテオンおよび/またはスボレキサントを使用した患者(15.7%)は、使用しなかった患者(24.0%)と比較し、リスク因子で制御後のせん妄発症率が有意に少なかった(オッズ比[OR]:0.48、95%CI:0.29~0.80、p=0.005)。・せん妄患者422例でも、同様の結果であった(39.9% vs.66.3%、OR:0.36、95%CI:0.22~0.59、p<0.0001)。 著者らは「ラメルテオンとスボレキサントには、実臨床におけるせん妄予防効果が示唆された」としている。

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自殺が多い日は新学期だけではない【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第162回

自殺が多い日は新学期だけではないぱくたそより使用新学期の初日は自殺が多いということが知られています。4月や9月がそれに該当します。自身の年齢に照らし合わせると、実は別のデータが存在するのです。筆頭著者、は大阪大学の松林 哲也先生です。数年前にニュースになった研究でもあり、耳にしたことがある読者も多いかもしれませんね。誕生日の前後の自殺については、延期仮説と誕生日ブルー仮説の2つがあります。延期仮説とは、自分にとって意味のある記念日を迎えるまでは頑張って生き続けようとする前提に基づくもので、誕生日ブルー仮説とは、記念日を到底祝えるような状況にないことの絶望感に基づくものです。Matsubayashi T, et al.Higher Risk of Suicide on Milestone Birthdays: Evidence from Japan.Sci Rep. 2019 Nov 12;9(1):16642.この研究は、厚生労働省が収集している1974~2014年までの日本の人口動態統計の死亡に関するデータを使用しました。ただし、外国人の死亡については除外しています。本研究で調べたかったのは、誕生日における自殺の多さです。とくに、マイルストーン誕生日(10歳、20歳、30歳、40歳、50歳……などの10年の節目における誕生日)の自殺が多いかどうかを調べました。結果、自殺や事故で死亡したのは約207万人で、うち約8,000人が誕生日に亡くなっていました。このうち誕生日に自殺した人は約4,100人で、それ以外の日の平均約2,700人の約1.5倍でした。さて、15歳の誕生日から90歳の誕生日までの日数を横軸にとって、縦軸に自殺者の数を示します(図)。図. 年齢と自殺の分布(文献より引用)画像を拡大するマイルストーンの節目となる誕生日の自殺が多いのがおわかりいただけると思います。それ以外の誕生日でも、突出して多くなっていますね。自殺企図がある患者さんでは、節目の年齢が近づくような場合、注意が必要かもしれません。

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アルコール使用障害に対する運動介入~メタ解析

 アルコール使用障害(AUD)患者に対する運動介入の影響について、トルコ・パムッカレ大学のFatih Gur氏らが、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。American Journal of Health Promotion誌オンライン版2020年3月26日号の報告。 2000~18年に公表された、成人AUD患者を対象に運動介入の有効性を評価した研究を、PubMed、Medline、Web of Science、Scopus、Academic Search complete、Sport Discuss、ERICデータベースより検索した。システマティックレビュー・メタ解析の標準的プロトコールおよび観察研究ガイドラインに基づき、データを抽出した。身体活動レベルおよびフィットネス(最大酸素摂取量[VO2max]、最大心拍数[HRmax])、うつ病、不安、自己効力感、QOL、アルコール消費(1日および1週間に消費される標準的な飲酒数)のデータを収集した。 主な結果は以下のとおり。・VO2max(標準平均差[SMD]:0.487、p<0.05)およびHRmax(SMD:0.717、p<0.05)による評価では、運動介入は、身体的なフィットネスを有意に改善した。・運動介入は、QOLにより評価されるメンタルヘルスを有意に改善したが(SMD:0.425、p<0.05)、うつ病、不安、自己効力感、アルコール消費では、有意な変化が認められなかった。・有酸素運動では、ヨガや混合した場合と比較し、うつ症状や不安症状の緩和が認められた。・運動時間も、うつ症状や不安症状に影響を及ぼしていた。 著者らは「AUD患者に対する運動介入は、効果的かつ持続可能な補助療法となりうる」としている。

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統合失調症と双極性障害における視床と皮質の解剖学的結合異常

 統合失調症では、前頭前皮質(PFC)を含む視床と皮質の解剖学的結合異常が認められる。PFC視床回路に依存する実行機能の認知機能障害を含む表現型の重複は、視床皮質系の解剖学的結合異常が、精神病性双極性障害にまで及ぼす可能性が示唆されている。米国・ヴァンダービルト大学のJulia M. Sheffield氏らは、この仮説をテストし、視床皮質の結合異常が病気のどの段階で現れるかを調査した。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2020年3月27日号の報告。 初期の精神疾患患者62例を含む精神病性疾患患者124例(統合失調スペクトラム障害:75例、精神病性双極性障害:49例)および健常対照者70例を対象に、拡散強調画像データを収集した。皮質の主要部位と視床の解剖学的結合は、確率論的トラクトグラフィー(probabilistic tractography)を用いて定量化し、群間比較を行った。PFCと視床の解剖学的結合と実行機能の認知機能との関連は、回帰分析を用いて検討した。 主な結果は以下のとおり。・精神疾患における解剖学的結合は、PFCと視床で低下が認められ、体性感覚脂質と視床で上昇が認められた。・フォローアップ分析では、統合失調症と精神病性双極性障害のいずれにおいても、上記の所見が認められた。・PFCと視床における解剖学的結合の低下は、初期段階と慢性期において認められた。・PFCと視床における解剖学的結合の低下は、実行機能の認知機能障害との関連が認められなかった。 著者らは「視床と皮質の解剖学的結合異常は、精神疾患の初期段階で認められる横断的な特徴である。精神疾患患者における視床と皮質の解剖学的結合異常と全範囲の機能との因果関係を解明するためには、さらなる研究が求められる」としている。

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軽度~中等度のうつ病に対するサフランの効果~メタ解析

 うつ病治療において、ハーブ療法のニーズが高まってきている。最近までに蓄積された研究によると、抑うつ症状の緩和に対するサフラン(Crocus sativus L.)の好影響が明らかとなっている。中国・Jiujiang University Clinical Medical CollegeのLili Dai氏らは、利用可能なすべてのデータを結合し、軽度~中等度のうつ病治療におけるサフランの安全性および有効性を評価するため、メタ解析を実施した。The Journal of Nervous and Mental Disease誌2020年4月号の報告。 電子データベースおよびリファレンスリストのクロスチェックにより、関連文献を収集した。適格試験を慎重にレビューし、必要なデータを抽出した。ハミルトンうつ病評価尺度またはベックのうつ病自己評価尺度、治療反応率、寛解率、副作用について、サフラン治療とプラセボまたは抗うつ薬治療との比較検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・メタ解析には、12研究を含めた。・全体的な結果として、サフラン治療は、プラセボと比較し、抑うつ症状の改善効果がより優れており、抗うつ薬治療と同等の効果が認められた。・副作用に関しては、サフラン治療とプラセボまたは抗うつ薬治療との間に、有意な差は認められなかった。 著者らは「サフランは軽度~中等度のうつ病患者を治療するうえで、抗うつ薬の代替薬となりうる可能性がある。しかし、この結果を確認するためには、サンプルサイズが大きく、治療期間の長い、異なる民族による多施設試験が必要とされる」としている。

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アルツハイマー型認知症でみられる味覚障害の調査

 アルツハイマー型認知症患者では、味覚障害が認められることがあるが、このことについてはあまり研究されていない。鳥取大学の河月 稔氏らは、アルツハイマー型認知症もしくは軽度認知障害(MCI)を有する患者と認知症でない対照(NDC)群における味覚機能や味覚に影響を及ぼす要因を調査し、認知機能障害と味覚機能との関連を評価した。BMC Neurology誌2020年3月26日号の報告。アルツハイマー型認知症の味覚障害、唾液分泌や亜鉛濃度とは無関係の可能性 対象は、アルツハイマー型認知症群29例、MCI群43例、NDC群14例。病歴および薬歴を収集し、唾液分泌量測定、認知機能検査、血液検査、全口腔法味覚検査、食事および味覚に関するアンケートを実施した。 主な結果は以下のとおり。・アルツハイマー型認知症群は、NDC群と比較し、有意に高い認識閾値が認められた(p<0.05)。・多くは最大濃度でうま味を認識しておらず、これはNDC群と比較し、アルツハイマー型認知症群またはMCI群においてより頻繁に認められた。・認知機能検査以外の評価項目では、群間に有意な差は認められなかったが、多くは唾液分泌が減少し、血清亜鉛濃度が低く、多剤併用療法を受けていた。・認識閾値と年齢(r=0.229、p<0.05)および認知機能テストのスコア(r=0.268、p<0.05)との間に有意な関連が認められた。 著者らは「味覚機能の障害は、アルツハイマー型認知症では認められたが、MCIでは認められなかった。しかし、MCIでも、うま味を認識しない人は多かった。認知機能低下を有する高齢者の味覚障害は、唾液分泌、亜鉛濃度、処方薬など味覚に影響を及ぼす要因とは無関係に認められることが示唆された」としている。

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うつ病の薬理学的マネジメント~日本の専門医のコンセンサス

 実臨床におけるうつ病治療は、常に従来のガイドラインに沿っているわけではない。慶應義塾大学の櫻井 準氏らは、精神科専門医を対象に、うつ病の治療オプションに関する調査を行った。Journal of Affective Disorders誌2020年4月1日号の報告。 日本臨床精神神経薬理学会の認定精神科医を対象に、うつ病治療における23の臨床状況について、9段階のリッカート尺度(同意しない「1」~同意する「9」)を用いて、治療オプションの評価を依頼した。114件の回答が得られた。治療オプションを、1次、2次、3次治療に分類した。 主な結果は以下のとおり。・抗うつ薬の第1選択薬は、主要な症状により以下のように異なっていた。 ●不安症状:エスシタロプラム(平均±標準偏差:7.8±1.7)、セルトラリン(7.3±1.7) ●興味の喪失:デュロキセチン(7.6±1.9)、ベンラファキシン(7.2±2.1) ●不眠症状:ミルタザピン(8.2±1.6) ●食欲不振:ミルタザピン(7.9±1.9) ●興奮および重度の焦燥感:ミルタザピン(7.4±2.0) ●自殺念慮:ミルタザピン(7.5±1.9)・1次治療に奏効しない場合の2次治療は、以下のとおりであった。 ●SSRIで奏効しない場合:SNRIへの切り替え(7.7±1.9)、ミルタザピンへの切り替え(7.4±2.0) ●SNRIで奏効しない場合:ミルタザピンへの切り替え(7.1±2.2) ●ミルタザピンで奏効しない場合:SNRIへの切り替え(7.0±2.0)・アリピプラゾール増強療法は、SSRI(7.1±2.3)またはSNRI(7.0±2.5)に対する部分的なレスポンスがみられた患者に対する1次治療と見なされていた。 著者らは「専門医のコンセンサスのエビデンスレベルは低く、本調査は、日本人の専門医のみが対象であった」としながらも、「臨床現場の専門医による推奨は有用であり、実際の臨床診療におけるガイドラインと情報に基づく意思決定を補助することができる。うつ病に対する薬理学的治療戦略は、患者の状況ごとのニーズと薬物療法プロファイルを考慮し、柔軟に対応すべきである」としている。

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急性期統合失調症に対する認知リハビリテーションの可能性

 多くの研究において、統合失調症患者に対する認知リハビリテーションが有用なアウトカムを示しているが、日常的および社会的機能に対する認知リハビリテーションの有効性は、よくわかっていない。また、認知リハビリテーションの内容や方法に関する検討は不可欠ではあるが、実施するタイミングも重要であると考えられる。東邦大学の根本 隆洋氏らは、急性期統合失調症患者に対する認知リハビリテーションの実現可能性および受容性について調査を行った。Early Intervention in Psychiatry誌オンライン版2020年3月26日号の報告。 入院病棟へ急性期入院した患者を15ヵ月間連続でエントリーし、入院後14日以内に8週間の認知リハビリテーションプログラムに参加できるかどうかを評価した。患者の状態や負担を考慮し、ワークブック形式の認知リハビリテーションプログラムを行った。 主な結果は以下のとおり。・エントリー期間中に新規入院した83例のうち、49例(59.0%)の患者が対象となった。・そのうち、22例(44.9%)が認知リハビリテーションプログラムへの参加に同意し、プログラムを開始した。・プログラムを完了した16例に対し、2回目の評価を行った。・実際に研究プログラムを完了した患者の割合は、適格患者の32.7%(49例中16例)であった。・参加者は、プログラムに対し、非常に満足していた。 著者らは「急性期統合失調症患者に対する認知機能改善の実現可能性および受容性を示す有望な結果が得られた。初回エピソード統合失調症患者に対する認知リハビリテーションの提供は、より良い機能アウトカムにつながることが期待できる」としている。

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統合失調症、 D2受容体への非結合薬剤は有効か?/NEJM

 急性増悪期統合失調症患者において、D2受容体に結合しない抗精神病薬SEP-363856はプラセボと比較し、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)合計スコアのベースラインからの変化量を有意に改善させることが、東欧および米国の5ヵ国計34施設で実施された4週間の第II相無作為化二重盲検並行群間比較試験の結果、明らかとなった。米国・Sunovion PharmaceuticalsのKenneth S. Koblan氏らが報告した。SEP-363856は、ドパミンD2受容体に結合せず、微量アミン関連受容体1(TAAR1)とセロトニン5-HT1A受容体に対するアゴニスト活性を有する経口化合物で、統合失調症の精神病状態を治療する新しいクラスの向精神薬となる可能性があるという。NEJM誌2020年4月16日号掲載の報告。TAAR1/5-HT1AアゴニストであるSEP-363856の有効性と安全性をプラセボと比較検討 研究グループは、急性増悪期統合失調症の成人患者を、SEP-363856(50mgまたは75mg)群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付け、それぞれ1日1回4週間投与した。試験期間は2016年12月~2018年7月である。 主要評価項目は、投与4週後のPANSS(30~210点、点数が高いほど精神病症状が重度であることを示す)合計スコアのベースラインからの変化量、副次評価項目は臨床全般印象評価尺度(CGI-S)や簡易陰性症状尺度(BNSS)などの8項目のスコアのベースラインからの変化量で、修正intention-to-treat集団を対象に反復測定混合効果モデルを用いて解析した。PANSS合計スコアの平均変化量、SEP-363856で有意に改善 計245例がSEP-363856群(120例)およびプラセボ群(125例)に割り付けられた。 ベースラインのPANSS合計スコア平均値は、SEP-363856群101.4、プラセボ群99.7であり、投与4週後の平均変化量はそれぞれ-17.2および-9.7であった(最小二乗平均差:-7.5、95%信頼区間[CI]:−11.9~−3.0、P=0.001)。また、投与4週後のCGI-SスコアおよびBNSSスコアは、概して主要評価項目と同様に低下したが、多重比較は行わなかった。 SEP-363856の主な有害事象は傾眠、消化器症状などで、心臓突然死がSEP-363856群で1例報告された。錐体外路症状の発現頻度や、脂質、HbA1cおよびプロラクチン値の変化量は両群で類似していた。 著者は、試験期間が短いことや、18~40歳の患者を対象としたことなど、今回の研究の限界を挙げたうえで、「統合失調症患者に対するSEP-363856の有効性と副作用、ならびに既存薬との有効性の比較を明らかにするためには、さらなる長期で大規模な臨床試験が必要である」とまとめている。

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血圧変動と認知症リスク~コホート研究

 血圧の来院時変動と一般集団における認知症発症率および認知症サブタイプとの関連を調査するため、韓国・Seoul National University HospitalのJung Eun Yoo氏らは、人口ベースのレトロスペクティブコホート研究を実施した。Hypertension誌2020年4月号の報告。 韓国国民健康保険データベースを用いて、2005~12年に3回以上の健康診断を受けた認知症既往歴のない784万4,814例を対象とした。血圧変動性(BPV)は、平均、変動係数、SDとは独立した変動性を用いて測定した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間の中央値6.2年間で、認知症の発症は以下のとおりであった。 ●すべての認知症:20万574例(2.8%) ●アルツハイマー病:16万5,112例(2.1%) ●血管性認知症:2万7,443例(0.3%)・高BPVとアウトカム測定値との間に、線形の関連が認められた。・多変量調整モデルでは、すべての認知症発症における、平均とは独立したBPVの最高四分位のハザード比は、最高四分位以外と比較し、以下のとおりであった。 ●拡張期血圧のみ:1.06(95%CI:1.04~1.07) ●収縮期血圧のみ:1.09(95%CI:1.08~1.11) ●収縮期血圧、拡張期血圧の両方:1.18(95%CI:1.16~1.19)・他の変動性の指標、さまざまな感度分析、サブグループ解析において、アルツハイマー病と血管性認知症で、一貫したアウトカムが認められた。 著者らは「BPVは、認知症およびそのサブタイプの発症を予測する独立した因子であった。より高いBPVと認知症発症率との間に、用量反応関係が認められた。BPVの低減は、一般集団が認知症を予防するための目標となりうる可能性がある」としている。

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うつ病や双極性障害における嗅覚記憶の比較

 嗅覚認識記憶の変化は、うつ病の感覚マーカーである可能性がある。そして、単極性うつ病と双極性うつ病で有意な差が存在する可能性もある。フランス・トゥール大学のFrancois Kazour氏らは、単極性および双極性うつ病の潜在的なマーカーを特定するため、検討を行った。Brain Sciences誌2020年3月24日号の報告。 双極性うつ病(DB)群、双極性寛解(EB)群、単極性うつ病(DU)群、単極性寛解(EU)群、正常対照(HC)群を募集した(176例)。対象者には、標準化された臨床評価および嗅覚評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・DU群、DB群、EU群は、HC群と比較し、嗅覚記憶に欠陥が認められた。・DB群は、新規の匂いを認識する能力が低かった。・DB群、DU群は、HC群と比較し、珍しい匂いの検出が限定的であった。・DB群は、それ以外の群と比較し、匂いを快適ではないと評価した。・すべての患者群は、HC群と比較し、快楽評価が低かった。・DB群は、EU群と比較し、感情的評価が低かった。 著者らは「抑うつ状態では、嗅覚記憶が障害を受けており、うつ病のマーカーであると考えられる。双極性うつ病患者における嗅覚記憶の障害は、寛解後も持続するため、双極性障害の特性マーカーであることが示唆された。単極性うつ病と双極性うつ病は、快楽評価で区分できる」としている。

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添付文書改訂:コンサータの流通管理が厳格化/タケキャブに汎血球減少など追加/イクスタンジ、アーリーダに間質性肺疾患追加【下平博士のDIノート】第47回

コンサータ:流通管理体制が厳格化第1種向精神薬に指定されているAD/HD治療薬「メチルフェニデート塩酸塩徐放錠(商品名:コンサータ)」の流通管理が厳格化され、患者情報の登録が義務化されました。これまで処方していた医師と調剤していた薬局・薬剤師も、新管理システムへの登録が必要です。覚せい剤原料に指定されているAD/HD治療薬「リスデキサンフェタミンメシル酸塩カプセル(同:ビバンセ)」と同様の扱いとなります。<対象薬剤>メチルフェニデート塩酸塩徐放錠(商品名:コンサータ錠18mg/27mg/36mg、製造販売元:ヤンセンファーマ)<改訂年月>2019年11月<改訂項目>警告承認条件<Shimo's eyes>リスデキサンフェタミンメシル酸塩(商品名:ビバンセ)の承認申請の際に、メチルフェニデート塩酸塩徐放錠の不正使用が発覚したため、流通管理体制の見直し・厳格化が行われ、今回の改訂に至りました。新しい流通管理体制では、登録された医師が本剤を処方する前に、あらかじめ患者のイニシャル、性別、生年月日、第三者から得た患者の症状に関する情報源などを登録することが義務付けられました。登録情報は定期的な更新が求められています。登録薬局・薬剤師は、メチルフェニデート徐放錠やリスデキサンフェタミンメシル酸塩カプセルの処方箋を応需したら、「ADHD適正流通管理システム」ホームページにアクセスし、処方医師名や患者さんが持参したカードのIDを入力して検索します。そのため、調剤する前に、処方箋と同時に医師から交付される患者カードと身分証明書の確認が必要になります。なお、薬機法の改正に伴い、覚せい剤取締法および覚せい剤取締法施行規則等が一部改正され、2020年4月よりリスデキサンフェタミンメシル酸塩カプセルの取り扱いが変更されています。これにより、調剤済みの覚せい剤原料が薬局・病院でも回収できるようになったため、添付文書上の「適用上の注意(薬剤交付時)」に、「本剤が不要となった場合には、医療機関又は薬局へ返却するなどの処置について適切に指導すること」との内容が追加されました。ほかにも、薬局・病院に帳簿の設置と記録の義務化などの変更がありますので、通知には必ず目を通しておきましょう。参考PMDA コンサータ錠18mg/コンサータ錠27mg/コンサータ錠36mg厚生労働省 メチルフェニデート塩酸塩製剤(コンサータ錠18mg、同錠27mg及び同錠36mg)の使用にあたっての留意事項について厚生労働省 製造販売業者が実施する流通管理の概要厚生労働省 覚醒剤原料の取扱いについて(訂正版)タケキャブ:重大な副作用に汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少が追加ボノプラザンフマル酸塩含有製剤の重大な副作用に「汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少」が追加になりました。本剤は、2019年3月にも、重大な副作用として、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(SJS)、多形紅斑が追加されています。<対象薬剤>ボノプラザンフマル酸塩錠(商品名:タケキャブ錠10mg/20mg、製造販売元:武田薬品工業)ボノプラザンフマル酸塩・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシン(同:ボノサップパック400/800、同上)ボノプラザンフマル酸塩・アモキシシリン水和物・メトロニダゾール(同:ボノピオンパック、同上)<改訂年月>2019年10月<改訂項目>使用上の注意<Shimo's eyes>ボノプラザンフマル酸塩の国内症例が集積し、専門委員の意見も踏まえた調査の結果から、添付文書を改訂することが適切と判断されました。直近3年度の国内副作用症例の集積状況は、血小板減少関連症例19例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例2例)、無顆粒球症、白血球減少関連症例15例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例4例)、汎血球減少17例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例2例)が報告されています。汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少の初期症状については、出血しやすい、鼻血、歯ぐきの出血、発熱、寒気、喉の痛み、青あざができるなどに注意が必要です。これらの副作用について、ほかのプロトンポンプ阻害薬ではすでに注意喚起がなされています。参考PMDA タケキャブ錠10mg/タケキャブ錠20mg同 ボノプラザンフマル酸塩含有製剤の「使用上の注意」の改訂についてイクスタンジ、アーリーダ:重大な副作用に間質性肺疾患追加前立腺がん治療薬エンザルタミド(商品名:イクスタンジ)およびアパルタミド(同:アーリーダ)の重大な副作用に「間質性肺疾患」が追加されました。これに伴い、重要な基本的注意などが新設され、初期症状および胸部X線検査実施などの注意事項が追加されました。<対象薬剤>エンザルタミド錠、カプセル(商品名:イクスタンジ錠40mg/80mg、同カプセル40mg、製造販売元:アステラス製薬)アパルタミド錠(同:アーリーダ錠60mg、ヤンセンファーマ)<改訂年月>2019年11月<改訂項目>慎重投与(新設)重要な基本的注意(新設)副作用重大な副作用(新設)<Shimo's eyes>過去3年の国内報告数のうち、医薬品と間質性肺疾患関連症例との因果関係が否定できない症例がエンザルタミドでは5例(死亡との因果関係が否定できない症例0例)、アパルタミドでは2例(死亡との因果関係が否定できない症例1例)報告され、国内症例が集積したと判断されて改訂されました。間質性肺疾患は、びまん性実質性肺疾患または浸潤性肺疾患とも呼ばれ、間質腔が傷害される多様な疾患の総称です。特徴的な症状は、肺胞中隔の肥厚、線維芽細胞の増殖、コラーゲン沈着、および疾患が進行した場合は肺線維化などです。患者さんには、間質性肺疾患の初期症状である息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱などについて説明するとに、症状が発現した場合には、速やかに医療機関を受診するよう伝える必要があります。参考PMDA 使用上の注意改訂情報(令和元年11月15日指示分)ヤンセンファーマ 市販直後調査 アーリーダ錠60mg適正使用に関するお願い~間質性肺疾患のリスクについて~

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慢性期統合失調症外来患者の維持治療におけるLAIと経口剤の比較

 台湾・マッカイ医科大学のSu-Chen Fang氏らは、慢性期統合失調症患者の維持療法において、抗精神病薬治療を長時間作用型注射剤(LAI)のみで行った患者と経口薬(PO)のみで行った患者における精神科サービスの利用率の比較を行った。Human Psychopharmacology誌オンライン版2020年3月17日号の報告。 2011年の台湾全民健康保険研究データベースより、維持療法を受けた慢性期統合失調症患者のコホートを作成し、12ヵ月間のフォローアップを行った。対象患者は、統合失調症と診断されて3年以上、2011年の入院歴がない、維持療法を1年以上受けていた患者とした。精神科サービスの利用を推定するために、inverse probability of treatment weighting (IPTW法)、ロジスティック回帰モデル、線形回帰モデル、負の二項回帰モデルを使用し、LAI群とPO群の共変量の不均衡を調整した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者4万194例中、LAI群は948例(2.36%)、PO群は3万9,246例(97.64%)であった。・LAI群で、PO群と比較し、有意な差が認められたのは以下の点であった。 ●精神科入院率の低さ(5.8% vs.8.4%、オッズ比:0.63、p<0.01) ●入院日数の短縮(65.9日vs.82.8日、係数b:-16.87、p=0.03) ●救急受診の少なさ(1.8回vs.2.3回、係数b:-0.24、p<0.01) 著者らは「LAIで治療された慢性期統合失調症患者は、POで治療された患者と比較し、再発リスクが低く、精神科サービスの利用率が低かった」としている。

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デエビゴ:不眠症治療に新たな選択肢

オレキシン受容体拮抗薬「デエビゴ」不眠症治療薬「デエビゴ(一般名:レンボレキサント)」が、2020年1月、製造販売承認を取得した。デエビゴは、オレキシン受容体の2種のサブタイプ(オレキシン1および2受容体)に対し、オレキシンと競合的に結合する拮抗薬である。その名の由来はDay(日中)+Vigor(活力)+Go(ready to go)だ。夜間の睡眠だけでなく日中の機能を改善し、活動的に過ごせるように、との想いが込められている。日本の不眠症治療の課題これまで不眠症治療においては、睡眠薬の長期服用による依存や乱用が問題となっていた1)。また日本人は睡眠薬に対する不安が強く、「依存性がありやめられなくなる」というイメージを持つ人も多い1)。しかし、一部の患者では不眠が慢性化し、睡眠薬の長期服用が必要になることもある。こうした背景から、より副作用のリスクを減らした睡眠薬の開発が進み、今回新たな選択肢としてデエビゴが加わった。医師、患者の両者が有効性を実感デエビゴについて、2つのピボタル臨床第III相試験(SUNRISE 1試験、SUNRISE 2試験)が実施されている。SUNRISE 1試験は、55歳以上の不眠症患者1,006例を対象に、デエビゴ(5mg、10mg)を1ヵ月間投与した際の有効性および安全性をゾルピデム酒石酸塩徐放性製剤(ゾルピデムER 6.25mg[国内未承認])と比較した、プラセボ対照試験だ。主要評価項目である睡眠潜時などについて、睡眠ポリグラフ検査法を用いて客観評価した。睡眠潜時について、ベースラインからの変化量のプラセボ群との比は、デエビゴ5mg群で0.773(p=0.0003)、10mg群で0.723(p<0.0001)であり、プラセボ群と比較して有意な短縮が認められた。また、ベースラインからの変化量のゾルピデムER群との比は、デエビゴ5mg群で0.634(p<0.0001)、10mg群で0.594(p<0.0001)であり、ゾルピデムER群との比較でも有意な短縮が認められた。SUNRISE 2試験は、18~88歳の不眠症患者949例を対象にデエビゴ(5mg、10mg)を6ヵ月間投与し、長期の有効性および安全性を評価したプラセボ対照試験である。主要評価項目である睡眠潜時などについて、電子睡眠日誌を用いて患者の主観評価による検討を行った。投与6ヵ月時における睡眠潜時のベースラインからの変化量のプラセボ群との比は、デエビゴ5mg群では0.732(p<0.0001)、10mg群では0.701(p<0.0001)であり、プラセボ群と比較して有意な短縮が認められた。2つの試験から、デエビゴは客観評価と主観評価、すなわち睡眠ポリグラフ検査法による評価と患者による評価の両方において、有効性が示された。また、ゾルピデムERとの比較で有意差が認められこともポイントだ。なおデエビゴ投与による副作用は、傾眠、頭痛、倦怠感などが報告されている。デエビゴへの期待不眠症治療においては、睡眠薬を可能な限り減薬・休薬していくことが求められる1)。また、夜間の不眠症状の消退だけでなく、良眠によって日中の機能を改善することも重要だ。デエビゴはその両者の改善に寄与し、休薬後の離脱症状や反跳性不眠も臨床試験で認められていないことから、不眠症治療のゴールである減薬・休薬も目指せると期待したい。また、デエビゴは軽度・中等度アルツハイマー型認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害(ISWRD)に関しても開発が進められている。現在ISWRDを適応症とする睡眠薬は承認されておらず、デエビゴが承認されれば世界初となる可能性が高い。1)厚生労働科学研究・障害者対策総合研究事業「睡眠薬の適正使用及び減量・中止のための診療ガイドラインに関する研究班」および日本睡眠学会・睡眠薬使用ガイドライン作成ワーキンググループ編. 睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン-出口を見据えた不眠医療マニュアル- 改訂版. 2013.

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アルツハイマー病とレビー小体型認知症の入院リスク

 認知症患者の入院リスクは高いことが知られているが、このことに認知症の種類による違いがあるのかは、あまりわかっていない。ノルウェー・スタヴァンゲル大学病院のRagnhild Oesterhus氏らは、アルツハイマー病(AD)患者とレビー小体型認知症(LBD)患者で入院に違いがあるのかを調査し、その入院率について年齢をマッチさせた一般集団との比較を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2020年3月5日号の報告。 対象は、軽度のAD(110例)またはLBD(91例)と最近診断された外来診療所受診患者(年齢:75.7±7.4歳)。対象患者には、診断後5年間または死亡までフォローアップが行われた。研究のアウトカムは、診断後の初回入院までの期間、入院回数、総入院日数、在院期間とした。年齢標準化入院率を算出した。初回入院までの期間の分析には、競合リスク回帰モデルを用い、入院回数と入院日数の違いの分析には、負の二項回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・対象患者の入院率は77%以上であり、多くは予定外の入院であった。・LBD患者で、AD患者と比較し、有意な差が認められたのは以下の点であった。 ●初回入院までの期間の短さ(中央値:1.28年[95%CI:0.93~1.67]vs.2.32年[95%CI:1.74~3.31]) ●予定外の入院日数の多さ(中央値:7日[IQR:2~26]vs.2日[IQR:0~11]) 著者らは「LBD患者は、AD患者よりも初回入院までの期間が短く、入院率が高いことが示唆された。このことは、患者やその家族、医療システムに大きな負荷をかけることから、認知症患者の入院については、さらなる情報が必要とされる。今後の研究において、入院を回避するための予防可能な戦略の調査が求められる」としている。

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統合失調症や双極性障害患者における寛解後の睡眠と概日リズム障害~メタ解析

 統合失調症では、睡眠障害や概日リズム障害が一般的に認められるが、その特徴はよくわかっていない。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのNicholas Meyer氏らは、寛解期統合失調症患者における睡眠概日変化の重症度や不均一性について比較検討を行った。また、これらのエピソードについて双極性障害患者との比較を行った。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2020年3月10日号の報告。 統合失調症または双極性障害患者を対象としてアクチグラフィーパラメータを調査したケースコントロール研究をEMBASE、Medline、PsycINFOより検索した。患者群と対照群との標準化平均差および平均絶対差は、Hedges' gを用いて定量化し、変動性の差は、平均スケール変動係数比(CVR)を用いて定量化した。統合失調症と双極性障害の患者間のエフェクトサイズは、Wald検定を用いて比較した。 主な結果は以下のとおり。・30研究(患者群:967例、対照群:803例)が抽出された。・統合失調症および双極性障害の両患者群において、対照群と比較し、統計学的に有意な差が認められたのは以下のとおりであった。 ●総睡眠時間の長さ:統合失調症(平均差:99.9分、95%信頼区間[CI]:66.8~133.1)、双極性障害(平均差:31.1分、95%CI:19.3~42.9) ●床に入っている時間:統合失調症(平均差:77.8分、95%CI:13.7~142.0)、双極性障害(平均差:50.3分、95%CI:20.3~80.3) ●睡眠潜時の長さ:統合失調症(平均差:16.5分、95%CI:6.1~27.0)、双極性障害(平均差:2.6分、95%CI:0.5~4.6) ●運動活動の減少:統合失調症(平均差:-0.86分、95%CI:-1.22~-0.51)、双極性障害(平均差:-0.75、95%CI:-1.20~-0.29)・統合失調症では、双極性障害と比較し、総睡眠時間、睡眠潜時、中途覚醒についてのエフェクトサイズが有意に大きかった。・CVRでは、両患者群ともに、総睡眠時間、床に入っている時間、相対振幅(relative amplitude)の有意な上昇が認められた。 著者らは「統合失調症および双極性障害患者では、総睡眠時間の延長だけでなく、睡眠の開始および継続の問題、運動活動の低下が認められた。これらの要因は、睡眠概日フェノタイプに関連している可能性があり、それらを対象とした横断的介入の開発が求められる」としている。

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うつ病の原因リスク遺伝子

 うつ病に関連するいくつかの遺伝的変異は、ゲノムワイド関連解析(GWAS)により特定されている。しかし、リスク遺伝子座において関連シグナルの要因となる原因変異を特定することは、依然として大きな課題となっている。中国・Jining Medical UniversityのXin Wang氏らは、うつ病との因果関連が認められる遺伝子の特定を行った。Journal of Affective Disorders誌2020年3月15日号の報告。 Summary data-based Mendelian Randomization(SMR)とPsychiatric Genomics Consortium(PGC)のGWASサマリーおよび脳の発現定量的形質遺伝子座(expression quantitative trait loci:eQTL)データを用いて、その発現レベルとうつ病との因果関連が認められる遺伝子の特定を行った。次に、うつ病の病因におけるリスク遺伝子の潜在的な役割を調査するため、差次的発現解析、メチル化QTL解析、認知ゲノム解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・SMR統合分析では、ニューロン成長レギュレータ1(NEGR1)遺伝子にあるSNP rs10789336が脳組織のRPL31P12の発現レベルに有意な影響を及ぼし、うつ病リスクに寄与することが確認された(p=0.00000196)。・SNP rs10789336は、以下の3つの近いDNAメチル化部位のメチル化レベルとの関連が認められた。 ●cg09256413(NEGR1):p=0.000000000172 ●cg11418303(プロスタグランジンE受容体3[PTGER3]):p=0.00000478 ●cg23032215(ZRANB2アンチセンスRNA2[ZRANB2-AS2]):p=0.000123・差次的発現解析では、NEGR1遺伝子が前頭前野でアップレギュレートされていることが示唆された(p=0.00514)。・認知ゲノム解析では、SNP rs10789336と関連が認められたのは、以下のとおりであった。 ●認知能力:p=0.000000000000000241 ●学歴:p=0.0000000000000175 ●一般的な認知機能:p=0.00000000000265 ●言語数値推論:p=0.00000000000136 著者らは「NEGR1のSNP rs10789336が、うつ病リスクに影響を及ぼす可能性があることが示唆された。うつ病の病因に対するNEGR1の役割については、さらなる調査が求められる」としている。

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