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みんなで医療の働き方を考えよう

 AI問診サービスで医療現場の業務効率化をサポートするUbie株式会社は、医療従事者がより働きやすい医療現場づくりを実現すべく、『#みんなで医療の働き方会議』プロジェクトを勤労感謝の日である2020年11月23日より開始した。 同社共同代表取締役で医師の阿部 吉倫氏は「本プロジェクトを通じて、医療サービスを受ける一人ひとりの生活者にとって、よりよい社会の実現へ一歩近づくことを願う」と、プロジェクトへの思いを述べている。 2020年は世界中で新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、医師や看護師などの医療従事者は、今もその最前線で人々を守るために尽力している。そういった方々の今後の働き方について、社会全体で考えて改善できるきっかけとなることを本プロジェクトに期待したい。医師の残業時間の現状 「働き方改革関連法案」の改正により、企業の年間残業時間上限は720時間となったが、全国に約20万人いる病院勤務医の約4割は年間残業時間が960時間以上である。さらに、約1割の医師の年間残業時間は2,000時間を超えていた1)。この調査はコロナ禍以前に実施されたものであり、現状はより過酷であると推察される。医療従事者、その家族の働きやすい環境への期待 全国の医療従事者(医師・看護師・准看護師)118人と医療従事者の家族200人を対象に、同社が2020年10月に実施したアンケート※では、医療従事者の約7割が「勤務先の働きやすい環境づくりに期待したい」と回答した。また医療従事者の家族の約9割が「医療業に勤める家族の職場がもっと働きやすい環境になってほしい」と回答しており、医療現場の労働環境改善に対する強い要望があった。『#みんなで医療の働き方会議』プロジェクトの開始 医療現場の労働環境改善と、医療従事者が働きやすい現場の実現に向けた『#みんなで医療の働き方会議』プロジェクトは、2020年11月23日「勤労感謝の日」に開始された。医療従事者やその家族、そして患者として医療サービスを受ける生活者の立場から感じる、医療現場における働き方の課題・改善案を特設サイトやTwitter上で募集している。将来的には、賛同する全国の医療機関とこれらを共有し、実現に向けたアクションプランを共創する予定である。Twitterでトレンド入りも 本プロジェクトの立ち上げとともに、ハッシュタグ「#みんなで医療の働き方会議」がTwitterでトレンド入りし、現在も医療従事者の声が上がり続けている。新型コロナウイルスに伴う感染拡大の影響で、引き続き医療従事者にとっても厳しい状況が続く。感染症の影響が落ち着いた時に実現に向けたアクションプランが始まり、働きやすい医療現場が実現することが望まれる。【参考資料】1)厚生労働省 第16回 医師の働き方改革に関する検討会資料「時間外労働規制のあり方について(3)(議論のための参考資料)」(2019年[平成31年]1月)※アンケート調査概要<調査概要>「Ubie株式会社 全国の医療従事者の働き方に関する調査」・調査対象:全国の医療従事者男女20~59歳118人/全国の医療従事者の家族である男女20~59歳200人・調査時期:2020年10月・調査方法:インターネット調査プロジェクト特設サイト:https://ubie-thanksgiving-for-healthcare-professionals.studio.site/プロジェクト公式Twitter@Ubie_AI:https://twitter.com/Ubie_AI

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あなたには帰る家がある(前編)【なんで倦怠期になるの?】Part 1

今回のキーワード夫婦関係かかあ天下型亭主関白型愛着スタイルストレンジ・シチュエーション法システム化と共感性カサンドラ症候群ジェンダーギャップ夫婦でいる皆さんやパートナーのいる皆さん、倦怠期でお困りのことはありませんか? 倦怠期とは何でしょうか? なぜ倦怠期になるのでしょうか? そもそもなぜ倦怠期は「ある」のでしょうか? そして、どうすれば良いでしょうか?これらの答えを探るために、今回は2018年のテレビドラマ「あなたには帰る家がある」を取り上げます。このドラマは、夫婦関係の「あるある」が満載であり、うまく行かなくなっていく夫婦のよくある日常を生々しく描いています。このドラマを通して、夫婦関係を発達心理学的に、進化心理学的に、そして文化心理学的に掘り下げます。そして、夫婦関係のより良いあり方(マインド)とより良いやり方(スキル)を一緒に考えていきましょう。倦怠期とは?このドラマには、2組の倦怠期の夫婦が登場します。まず、この2組の夫婦を通して、2つの典型的な夫婦の倦怠期を明らかにしてみましょう。(1)真弓と秀明-かかあ天下型1組目の夫婦は、41歳の真弓と39歳の秀明です。12歳の麗奈との3人暮らしです。真弓と秀明は、行きつけのカレー屋の店主の圭介に、別々のタイミングでそれぞれ夫婦関係の不平不満を吐き出します。真弓は、「家事のこと何にも分かってないんだよ。家のこと何にもやらないから」言います。一方、秀明は、「常に上から来るんだよ。マウンティング病だよ。玄関のドアを開けて、カバンを置く前に文句。1でも返そうもんなら、100倍になって返ってくる」と言っています。1つ目は、かかあ天下型です。これは、妻が夫より強い夫婦関係です。妻が夫を一方的に責め立てるために(攻撃性)、夫は妻を腫れ物扱いして、あえて何もしないことによる反撃をしています(受働攻撃性)。結果的に、お互いに歩み寄りができずにうんざりしている状態が続いています。しかし、子どもがいるために、かろうじて夫婦関係は維持されています。(2)亭主関白型-太郎と綾子2組目の夫婦は、47歳の太郎と43歳の綾子です。太郎の両親(舅と姑)と16歳の慎吾との5人暮らしです。太郎は、外出先でのトイレの後の手洗いでも、綾子に太郎のハンカチを持たせ、自分の手を拭かせています。そして、太郎は口癖のように「誰のおかげだ?」と綾子に尋ね、「あなたのおかげです」と言わせています。また、食事の時は、綾子は、姑や舅から「梅干し!」「ぬか漬けなかったっけ?」と注文され、けなげに給仕しています。良く言えば良妻賢母、悪く言えば召使いです。2つ目は、亭主関白型です。これは、夫が妻より強い夫婦関係です。夫が妻を言いなりにさせています。妻が我慢して反抗しないため、一見すると夫婦円満が維持されています。 倦怠期からどうなる?倦怠期とは、夫婦が、その関係性に疲れ、面倒くさくなり、嫌気が差している時期であることが分かりました。この心理は、とくに夫婦関係のストレスをため込んでいる弱い側に顕著です。それでは、倦怠期からどうなるのでしょうか? ここで、倦怠期によるリスクを大きく3つ挙げてみましょう。(1)不倫秀明の営業の担当先の家が太郎と綾子であったことから、秀明と綾子は出会い、夫婦関係による葛藤や寂しさをお互いに満たすべく、W不倫に至りました。1つ目は、不倫です。さらに、不倫がなかったとしても、子どもが成人して自立すれば、一緒にいる必要がなくなるので、その時点から離婚のリスクが高まります。また、相手の稼ぎを当てにしている場合、相手が退職した時点から離婚のリスクが高まります。いわゆる熟年離婚です。(2)母子密着真弓は、もともと専業主婦として娘の麗奈の中学受験に一緒に励んでいました。娘の第一志望の合格を自分のことのように喜んでいます。2つ目は、母子密着です。子育てに熱心であることは、それ自体良いことです。ただ、夫婦関係がうまくいっていない分、夫が仕事に没頭するように、妻は子育てに没頭します。そして、子どもを自分の分身のようにとらえ、子どもをコントロールして、子どもを心理的に自立させないようにしてしまうリスクがあります。この結果が、不登校やひきこもりです。また、子どもが巣立ってしまえば、その反動で無気力になるリスクも高まります(空の巣症候群)。(3)嫁姑問題姑(太郎の母)は、綾子を召し使い扱いするだけでなく、「だめな嫁だよ」とたびたび綾子をなじっています。3つ目は、嫁姑問題です。ただでさえ、嫁と姑の関係は危ういものなのに、夫婦関係がうまくいっていない分、姑と夫との親子関係が強まり、姑が強くなって夫婦関係に介入することで嫁(妻)が孤立するリスクがあります。次のページへ >>

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あなたには帰る家がある(前編)【なんで倦怠期になるの?】Part 2

なんで倦怠期になるの?倦怠期によるリスクは、不倫、母子密着、嫁姑問題であることが分かりました。それでは、なぜ倦怠期になるのでしょうか? ここから、その原因を大きく3つ挙げてみましょう。(1)不安的なコミュニケーションスタイル-愛着スタイル1つ目は、不安的なコミュニケーションスタイルです。コミュニケーションスタイルとは、発達心理学的に言うと、愛着スタイル(ストレンジ・シチュエーション法による)です。ここから、登場人物を3つの愛着スタイルに分類してみましょう。なお、ストレンジ・シチュエーション法とは、乳幼児を親との分離・再会や知らない人(ストレンジャー)との面会という新規な状況(ストレンジ・シチュエーション)にあえてさらして見られる反応を3つのタイプに分類する実験手法です。a. ガミガミ型-不安型真弓は、夫婦関係のストレスに対して過敏に反応し、秀明にたびたび激怒しています。太郎は、先回りして自分の言いなりになることを綾子にしつこく確認しています。このように、夫婦関係で強い側の真弓や太郎はガミガミ言っています。1つ目は、ガミガミ型です。愛着スタイルで言うと、不安型です。これは、乳幼児が、親との分離のあとに泣き出しますが、親と再会しても怒りから泣き止まない反応をすることです。この原因は、親の愛情が気まぐれで一貫していないことが示唆されています。真弓の父親が不倫をしていたことから、母親はその苦労で情緒不安定だったことが描かれています。ちなみに、臨床的には、反応性愛着障害脱抑制型(脱抑制型対人交流障害)につながります。この詳細については、関連記事1をご参照ください。b. ヘコヘコ型-回避型秀明は、激怒する真弓に、顔色を伺ったり、話を逸らしたり、急に作り笑いをして立ち去るなど、向き合おうとしません。綾子は、太郎のモラハラに、笑顔ですべて受け流しています。このように、夫婦関係で弱い側の秀明や真弓はヘコヘコしています。2つ目は、ヘコヘコ型です。愛着スタイルで言うと、回避型です。これは、乳幼児が、親との分離のあとに泣き出さず、親との再会でよそよそしい反応をすることです。この原因は、親の愛情が一貫して乏しいことが示唆されています。綾子の実家は、もともと綾子に対して冷たかったことが描かれています。なお、後半の綾子は、秀明に執拗に迫っていく点で一見不安型にも見えますが、秀明と同棲を始めると、それ以上の距離を縮めようとしなくなる点で、やはり回避型と言えます。ただし、回避型も、根っこの心理は不安です。不安を不安としてそのまま過剰表出するのが不安型であり、不安を抑制しているのが回避型とも言えます。ちなみに、臨床的には、反応性愛着障害抑制型につながります。この詳細については、関連記事2をご参照ください。c. どっしり型-安定型カレー屋の店主の圭介は、真弓の話も秀明の話も親身に聞き、暖かみがあります。離婚歴があるというのは意外ですが、不安型の真弓に思いを寄せていたことが判明した点で、世話焼きの性分(共依存)から前妻が依存的になりすぎて結婚生活がうまくいかなった可能性を想定できます。圭介は、相手をそのまま受け止め、体格と同じく、内面的にもどっしりしています。3つ目は、どっしり型です。愛着スタイルで言うと、安定型です。これは、乳幼児が、親との分離の後に泣き出しますが、親との再会で速やかに泣き止む反応をすることです。この原因は、親の愛情が一貫して注がれていることが示唆されています。以上から、どっしり型が安定したコミュニケーションスタイルであるのに対して、ガミガミ型とヘコヘコ型は不安定なコミュニケーションスタイルであることが分かります。これらの3つのコミュニケーションスタイルの組み合わせによる倦怠期のリスクを表1にまとめてみましょう。たとえば、夫婦の一方がどっしり型の場合は、たとえもう一方がヘコヘコ型やガミガミ型であったとしても、その包容力によって夫婦関係としては概ね安定することが分かります。ヘコヘコ型×ヘコヘコ型の組み合わせの夫婦関係は、夫婦げんかがあまり起きないので、表面的にはうまく行っているように見えます。ただし、お互いに距離が縮まらずに絆自体は深まっていないです。いわゆる仮面夫婦です。ちょうど、同棲していた時の秀明と綾子がそうでした。よって、子どもの不登校やリストラなどの夫婦関係以外のストレスによってリスクが顕在化します。ガミガミ型×ガミガミ型の夫婦関係は、お互いに攻撃し合って疲弊するので、早い段階でリスクが高まるでしょう。(2)男女の脳機能の違い-システム化と共感性2つ目は、男女の脳機能の違いです。太郎は、理屈っぽいです。秀明は、真弓とは話し合いができないから最初から話をしないと割り切る理屈があります。このように、男性は、原因と結果の因果関係である論理(システム)や結果そのものに重きを置く心理があります(システム化)。この心理の詳細については、関連記事3をご参照ください。一方、真弓は、感情に任せて言いたいことを言います。綾子は、感情に従って、しつこく秀明に迫ります。このように、女性は、感情や関係性(プロセス)に重きを置く心理があります(共感性)。この心理の詳細については、関連記事4をご参照ください。このような男女の脳の働きの違いから、男女はなかなか分かり合えないという現実があります。とくに、共感性のとても高い妻が、共感性のとても低い夫に対して、気持ちが通じないためにストレス状態になるのは、ギリシア神話の登場人物にちなんでカサンドラ症候群と呼ばれています。一方で、システム化がとても高い夫が、システム化のとても低い妻に対して、理屈が通じないためにストレス状態になることも同じようにあります。ただし、この状態にはまだとくに名前が付けられていません。よって、この記事では、「逆カサンドラ症候群」と名付けます。ちなみに、名付けがまだされていない理由としては、おそらく、このストレス状態にある多くの夫が、秀明のように理屈が通じないことを理屈で理解してあきらめているため、その不満を妻ほど表立って表出しないからでしょう。この点から、男性に多い不安定な愛着スタイルは回避型であるのに対して、女性に多い不安定な愛着スタイルは不安型であるとも言えるでしょう。(3)男女の社会的な役割の違い-ジェンダーギャップ3つ目は、男女の社会的な役割の違いです(ジェンダーギャップ)。これは、秀明や太郎が外で働き、真弓や綾子が家で家事や育児をしていることです(性別役割分業)。これには、さらに3つのポイントがあります。1つ目は、お互いに関心がなくなることです。たとえば、分業によって、必然的に夫婦が一緒に生活する時間が少なくなります。そして、お互いにやっていることの大変さが見えなくなり、ますます分かり合えなくなります。心理学的には、同じ格好をする、同じ行動をする、同じ考えをすると相手への親近感が高まることが分かっています(同調性)。逆に言えば、別々のことをしていれば、それだけ心が通じ合えなくなるというわけです。もはや夫はATM、妻は家事代行サービス兼ベビーシッターにそれぞれなり下がってしまいます。2つ目は、助け合いを避けるようになることです。たとえば、最初は分業がうまくいっていても、子どもができる(または増える)、夫がリストラされる、親の介護が必要になる、夫婦のどちらかが病気になるなど、結婚生活で状況が変わることはいくらでもありえます。この時、分業にとらわれていると「家事育児をちゃんとしない妻が悪い」「稼ぎがない夫が悪い」「先にルールを破ったあなたが悪い」という心理が働くからです。分業は、結婚生活を維持するための手段であるはずが、目的そのものになってしまい、逆に結婚生活を維持できなくなる危うさがあります。また、分業が長い期間続くことで、ますます夫は家事育児に抵抗を感じるようにもなるからです。これは、専業主婦を長らくやっている妻が再就職に抵抗を感じるのと同じです。3つ目は、上下関係ができやすくなることです。たとえば、「誰のおかげだ?」と言う太郎のセリフのように、稼いでいる側(夫)が稼いでいない側(妻)よりも、偉そうに振る舞い、夫婦の決定権を握ることです。そのわけは、稼いでいない側が経済的に自立していないことで離婚した場合に経済的に困難になるリスクを稼いでいる側が見透かし、その足元を見るようになるからです(モラルハザード)。こうして、「頼れる夫」「尽くす妻」というステレオタイプ、いゆわる「男尊女卑」が揺るぎないものになっていきます。もちろん、この逆パターンもあります。ワーキングママが専業主夫に対して「私が働いてんのよ」といびることです。かかあ天下型は、「頼れる夫」というあるべき形(ステレオタイプ)ではないことへの夫の葛藤があります。一方、亭主関白型は、「尽くす妻」というあるべき形(ステレオタイプ)が行きすぎていることへの妻の葛藤があります。さらには、この「頼れる夫」は、モラルハラスメントのリスクを高めます。これは、妻が言いなりになるため、夫がやりたい放題になることです。たとえば、家計が夫の管理下に置かれ、妻が自由に使えるお金の余裕がないことです。また、妻が家事育児の負担を一方的に強いられ、時間や労力の余裕がなくなることです。このリスクは、とくに、子どもが1人目、2人目、3人目と増えるごとに高まります。つまり、「頼れる夫」によって「尽くす妻」を強いられることです。これは、もはや奴隷と言えるでしょう。なお、モラルハラスメントの心理の詳細については、関連記事5をご参照ください。また、「尽くす妻」は、共依存のリスクを高めます。この心理の詳細については、関連記事6をご参照ください。とくに日本は、ジェンダーギャップ指数において世界121位(2019年)です。世界的にも、夫婦が、お互いに関心がなくなり、分業というルールにとらわれ、上下関係ができやすい文化であることがよく分かります。ひと言で言えば、夫婦の分業は夫婦の分断を招くと言えるでしょう。 ■関連記事1.グッドウィルハンティング【反応性愛着障害】2.八日目の蝉【なぜ人を好きになれないの?毒親だったから!?どうすれば良いの?(好きの心理)】3.「カイジ」と「アカギ」(前編)【ギャンブル依存症とギャンブル脳】4.マザーゲーム(前編)【ママ友付き合い、なんで息苦しいの?(「女心」の二面性)】Part 15.美女と野獣【実はモラハラしていた!? なぜされるの?どうすれば?(従う心理)】6.だめんず・うぉ~か~【共依存】1)夫婦という病:岡田尊司、河出書房文庫、20162)共感する女脳、システム化する男脳:サイモン・バロン=コーエン:、NHK出版、2005<< 前のページへ

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青年期のSNS利用と抑うつや不安症状との関連

 青年期や幼年期後期におけるソーシャルネットワーク(SNS)利用は、急激に増加している。このような変化によるメンタルヘルスへの影響は議論されているが、さらなる経験的評価が求められる。オーストラリア・メルボルン大学のLisa K. Mundy氏らは、青年期のSNS利用と抑うつ症状、不安症状との関連について調査を行った。Depression and Anxiety誌オンライン版2020年11月22日号の報告。 Childhood to Adolescence Transition Studyのデータ(1,156例)を利用し、11.9~14.8歳の4つの時点でのSNS利用時間を毎年測定した。1日1時間以上のSNS利用を、利用率が高いと定義した。SNS利用と抑うつ症状、不安症状との横断的および将来的な関連を調査した。 主な結果は以下のとおり。・年齢、社会経済的地位、メンタルヘルス罹病歴で調整した横断的分析により、SNS利用率が高い人においてメンタルヘルスリスクとの関連が認められたのは、以下のとおりであった。 ●SNS利用率が高い女性は抑うつ症状リスクが高い(オッズ比[OR]:2.15、95%信頼区間[CI]:1.58~2.91) ●SNS利用率が高い女性は不安症状リスクが高い(OR:1.99、95%CI:1.32~3.00) ●SNS利用率が高い男性は抑うつ症状リスクが高い(OR:1.60、95%CI:1.09~2.35)・女性では、利用頻度に波のない人と比較し、1つ前の波(OR:1.76、95%CI:1.11~2.78)と2つまたは3つ前の波(OR:2.06、95%CI:1.27~3.37)のSNS利用率の高さが、14.8歳時の抑うつ症状のORの増加と関連が認められた。 著者らは「SNS利用率の高い若者では、抑うつ症状や不安症状リスクの中程度の増加が認められた。初期のメンタルヘルス問題に対する予防プログラムにおいて、青年期初期のSNS利用に焦点を当てることが有用である可能性が示唆された」としている。

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治療抵抗性うつ病発症リスクに関連する臨床的特徴と併存疾患

 うつ病患者の治療抵抗性うつ病(TRD)リスクを評価するため、臨床的特徴、初期の処方パターン、初期および生涯の併存疾患との関連について、台湾・国立台湾大学のShiau-Shian Huang氏らが調査を行った。BMC Psychiatry誌2020年11月17日号の報告。 うつ病入院患者3万1,422例を対象に、診断開始から10年以上のフォローアップを行った。TRDの定義は、2回以上の抗うつ薬治療レジメン変更または異なる2種類以上の抗うつ薬治療後の入院とした。人口統計学的共変量で調整した後、身体的および精神医学的併存疾患、精神疾患、処方パターンとTRDリスクとの関連を評価するため、多重ロジスティック回帰モデルを用いた。重要なTRD関連の臨床変数について、生存分析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・女性うつ病患者(21.24%)は男性(14.02%)よりも、TRDの割合が高かった。・TRD患者は、非TRD患者と比較し、初期の不安症が認められる割合が高かった(81.48% vs.58.96%、p<0.0001)。・人口寄与割合(population attributable fraction)が最も高かったのは、生涯不安症であった(42.87%)。・複数の精神医学的併存疾患を有する患者の70%は、フォローアップ期間中にTRDへ進展した。・Cox回帰分析により、機能性胃腸症がTRDリスクを有意に増加させることを特定した(aHR:1.19)。・うつ病初期における抗うつ薬、ベンゾジアゼピン薬、Z薬の高用量使用は、TRDリスク増加と関連が認められた(p<0.0001)。 著者らは「TRDリスクと関連するうつ病患者の併存疾患や多剤併用パターンは、注意深くモニタリングする必要がある」としている。

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統合失調症治療におけるパリペリドン戦略の展望

 2020年10月22日(木)にヤンセンファーマ主催による、持続性抗精神病剤パリペリドンパルミチン酸エステル(商品名:ゼプリオンTRI)の製造販売承認メディアセミナーが開催され、統合失調症治療薬の安全性情報や統合失調症治療におけるパリペリドン戦略の展望、持効性注射剤の適正使用推進について語られた。 同社の研究開発本部クリニカルサイエンス統括部統括部長を務める藤野 忠弘氏は、「ゼプリオンTRIは国内で承認された最長の投与間隔となる注射剤であり、服薬負担を軽減し、社会復帰のために確実に治療を行うメリットがある。一方で副作用発現時に急な中止ができないため、適切な患者さんを選択し適正使用を図ることが重要となる」と述べた。 ゼプリオンTRIの登場で急性期から安定期まで一貫したパリペリドン治療が可能となり、統合失調症の治療を継続するうえで重要となる服薬アドヒアランスも向上することで、再発予防、社会活動への復帰につながることが期待される。統合失調症の治療目標と再発予防の重要性 統合失調症の治療目的は、症状改善、再発予防にある。薬物療法は急性期から開始され、安定期に入っても再発予防のため治療継続が必要となる。5年以内の再発は約80%1)といわれ、再発を繰り返すと精神機能の低下に伴い社会復帰が困難となり、効果も減弱することから、いかに予防するかが重要となる。服薬アドヒアランスの影響 再発を防ぐには抗精神病薬の持続服用が重要であるが、統合失調症患者の服薬アドヒアランスは他の疾患と比較して低い。服薬に関する調査でも看護師と患者で「飲んでいる」認識に大きな差があることが報告されている。統合失調症患者においては、病識がない、または服薬・継続服薬の重要性を理解できていない割合も高いため、持効性薬剤はアドヒアランス向上に有用な剤形の1つであるといえる。持効性注射剤ゼプリオンTRIの有効性 2013年に承認された4週間に1回のゼプリオンは、急性期を脱して安定化期に入った患者に対して、症状の維持を目的とした持効性注射剤である。その状態をより長期的に維持させて再発予防、リカバリーを期待して、12週間に1回のゼプリオンTRIが開発された。ゼプリオンTRIを使用した2つの第III相試験の結果ではゼプリオンとの非劣性が証明され、再発までの期間もプラセボと比較し有意に延長した。安全性についてはゼプリオンでも報告されている安全性情報と同等であり、新規または予期せぬ事象は認められなかった。統合失調症治療における今後のビジョン パリペリドン製剤が目指す治療ポジションとして、急性期は幻覚・妄想に対し早期改善が期待できるインヴェガを、安定化期にはさらなる状態維持のため4週間に1回のゼプリオンを、そしてゼプリオンTRIの承認によって安定期での使用と、一貫したパリペリドン治療の実現が可能となった。治療のゴールとして、再発予防を通じて患者さん一人ひとりの自己実現につながることが期待される。まとめ 統合失調症は長期的な付き合いが必要となる難しい疾患であり、薬物治療も長期間のコントロールが要求される。再発を予防しながら社会での活躍を目指すうえで、ゼプリオンTRIの登場によって、患者さんの負担の軽減や、病気に対するより前向きな付き合いができるようになると考える。

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認知機能の改善作用を示したビフィズス菌株とは?

 脳と腸が自律神経などを通じて強く関連し、その状態に影響を及ぼしあう脳腸相関がいわれるようになって久しく、腸内細菌が認知症に関連するとの報告も多いが、因果関係の証明にはいたっていない。今回、2本の二重盲検無作為化比較試験を経て、ビフィズス菌MCC1274摂取による認知機能の維持・改善作用が示唆された。2020年11月24日、「ビフィズス菌MCC1274の認知機能改善作用とその可能性」と題したメディアセミナー(主催:森永乳業)が開催され、佐治 直樹氏(国立長寿医療研究センター もの忘れセンター)、清水 金忠氏(森永乳業株式会社研究本部 基礎研究所)、新井 平伊氏(アルツクリニック東京)が登壇し、試験の概要や関連研究、今後の展望について講演した。認知症の有無で腸内細菌叢の構成は異なる 佐治氏は、認知機能と腸内細菌の関連について調べる国内のレジストリ研究(Gimlet study)から得られた知見をいくつか紹介。腸内細菌叢の構成を調べた結果、認知症の人では、認知症でない人よりもバクテロイデス(常在菌)が減り、その他の不明な細菌の割合が増えていることが明らかになった1)。さらに、その変化は認知症の前段階(軽度認知障害[MCI])からみられることも確認された2)。 なぜ腸内細菌が認知症と関連するかについては、神経反射、循環器系、免疫系という大きく3つの経路における機序が考えられている。加えて、同レジストリ研究からは、腸内細菌の代謝産物が認知症に関連することが示唆された。代謝産物の濃度が1SD上昇した場合のオッズ比をみると、アンモニアで1.60(95%信頼区間:1.04~2.52)と認知症との関連性が高かったが、乳酸では0.28(0.02~0.99)と低かった3)。軽度認知障害の疑いのある50歳以上で有意にスコア改善 清水氏は、ビフィズス菌MCC1274の臨床試験の経緯について紹介。まずはじめに、同社が保有するビフィズス菌株の中からアルツハイマー型認知症の発症を抑制する可能性がある菌株としてMCC1274を特定した。アルツハイマーモデルを用いたプレ臨床試験では、MCC1274投与による認知機能改善作用および脳内炎症抑制作用が観察された4)。 続いて実施された二重盲検プラセボ対照群間比較試験では、物忘れが気になる120人の被験者をMCC1274カプセル(200億/日)群またはプラセボ群に無作為に割り付け、12週間摂取後の認知機能(MMSEおよびRBANSによる評価)を比較した。その結果、全被験者対象の解析では群間有意差がみられなかったが、認知機能が低下したサブグループ(RBANS総合スコア41点未満)解析では、MMSEおよびRBANSで有意な改善が認められた5)。 この結果を受け、認知症ではなく(MMSEスコア22点以上)、かつRBANSスコアが低く軽度認知障害の疑いのある50歳以上80歳未満の80人を対象に、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施された。その結果、MCC1274カプセル(200億/日)の16週間の摂取により、主要評価項目であるRBANSスコア合計の摂取後の実測値、そして前後の変動値とも有意な改善がみられ、即時記憶、視空間・構成、遅延記憶を司る認知領域の点数も有意に向上した6)。 今後は、作用機序解析や認知症発症者に対する寄与について研究を続ける見通しだという。アルツハイマー病以外への効果や菌の特異性など、今後の展開にも期待感 新井氏は、今回のビフィズス菌MCC1274の研究報告について、何より研究プロセスが治療薬開発に匹敵するアプローチであると高く評価。「サプリメントとして分類されているものの中で、ここまで徹底して検討し、エビデンスを積み重ねてきているものは他にない」と話し、サプリや特保食品としての展開は十分に準備ができた状態だと期待感を示した。 そのうえで、今後解明が期待される点として、1)抗炎症作用、2)特異性(菌の特異性、疾患特異性)、3)アミロイド仮説を挙げた。1)については、血液(末梢血)だけでなく、脳脊髄液や脳内炎症マーカーで検討できないかと指摘。2)については、今回のMCC1274 vs.乳酸菌や、他のビフィズス菌ではどうなのか、臨床家として大変興味があると話した。また、MCI群はアルツハイマー病だけではない点から、脳画像も含めて診断し、均一性を高めて検討してもらえたらと提案。3)については、経口摂取で腸内に投与されたビフィズス菌が、アミロイドβの沈着にどんな効果が実際にあるのかは大変興味深い、と話した。■参考1)Saji N, et al. Hypertens Res. 2019 Jul;42:1090-1091.2)Saji N, et al. Sci Rep. 2019 Dec 18;9:19227.3)Saji N, et al. Sci Rep. 2020 May 18;10(1):8088.4)Kobayashi Y, et al. Sci Rep. 2017 Oct 18;7:13510.5)Kobayashi Y, et al. Benef Microbes. 2019 May 28;10:511-520.6)Xiao J, et al. J Alzheimers Dis. 2020;77:139-147.

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境界性パーソナリティ障害と自殺企図~10年間のフォローアップ調査

 境界性パーソナリティ障害(BPD)は、自殺企図などの自殺行動の強力なリスクである。自殺行動リスクに影響を及ぼす因子を明らかにすることは、適切な自殺予防介入を考えるうえで重要であろう。米国・ハーバード大学医学大学院のShirley Yen氏らは、BPD患者の自殺企図に関連する因子をプロスペクティブに調査するため、10年にわたるフォローアップによるCollaborative Longitudinal Study of Personality Disorders(CLPS)研究を実施した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2020年11月18日号の報告。 CLPS研究は、4つのパーソナリティ障害(PD)の成人患者と比較対照群としてうつ病および最低限のPDの特徴を有する成人を対象としたマルチサイト自然主義的プロスペクティブ研究である。対象患者は、ニューヨーク州ニューヨーク、マサチューセッツ州ボストン、コネティカット州ニューヘブン、ロードアイランド州プロビデンスで治療のため受診し、入院、部分入院、外来で治療された患者733例(募集期間:1996年9月~1998年4月および2001年9月~2002年8月)。そのうち1回以上のフォローアップ評価を完了した患者は701例であった。フォローアップサンプル701例のデータを用いて、2019年3月~2020年8月に分析を行った。対象者には、半構造化診断面接および各種自己報告を実施し、年1回最大10年間の評価を行った。10年間のプロスペクティブフォローアップ期間の自殺企図に対するベースライン時の人口統計学的因子およびBPD、個々のBPD基準を含む臨床的リスク因子を調査するため、多重ロジスティック回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・701例の背景は以下のとおりであった。 ●女性:447例(64%) ●白人:488例(70%) ●独身:527例(75%) ●仕事がない:433例(62%) ●いくつかの大学教育経験:512例(73%)・人口統計学的因子(性別、雇用、教育)および臨床的因子(児童性的虐待、アルコール使用障害、物質使用障害、心的外傷後ストレス障害)で調整した後、自殺企図と関連する最も強力な因子は、すべての障害の中でBPDであった(オッズ比[OR]:4.18、95%CI:2.68~6.52)。・その他の有意な因子およびBPD基準を共変数とした場合、以下のBPD基準は、自殺企図との独立した有意な関連が認められた。 ●不安定な自己像(OR:2.21、95%CI:1.37~3.56) ●慢性的な空虚感(OR:1.63、95%CI:1.03~2.57) ●見捨てられることを避けるための必死の努力(OR:1.93、95%CI:1.17~3.16) 著者らは「BPD患者の自殺企図と有意な関連が認められた、不安定な自己像、慢性的な空虚感、見捨てられることを避けるための必死の努力は、BPD患者の自殺リスクを評価するうえで、臨床的に見逃されている可能性がある。BPDは比較的寛解率が高いことを踏まえると、これらの基準は独立して評価すべきであり、自殺のリスク因子としてさらに研究が進むことが望まれる」としている。

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治療抵抗性うつ病に対する非定型抗精神病薬増強療法

 治療抵抗性うつ病の臨床症状として、自殺念慮や重度の機能障害が認められることがしばしばある。治療抵抗性うつ病の治療に対し、使用可能な薬剤の中で、第2世代抗精神病薬が有用であることが報告されている。イタリア・ミラノ大学のFilippo Cantu氏らは、治療抵抗性うつ病に対する第2世代抗精神病薬増強療法の有効性を評価するため、臨床研究のレビューを行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2020年11月5日号の報告。 2000年1月~2020年3月に公表された、治療抵抗性うつ病に対する抗精神病薬増強療法を評価したすべてのランダム化比較試験を、PubMed、Medline、PsychINFOより包括的に検索した。選択基準を満たした研究は16件であった。 主な結果は以下のとおり。・レビューした研究では、治療抵抗性うつ病に対してアリピプラゾール増強療法が有用である可能性が示唆された。・また、不安神経症や不眠症を合併した治療抵抗性うつ病に対するクエチアピン増強療法の使用も支持された。・治療抵抗性うつ病に対するリスペリドンとオランザピンの効果を検討した研究はあまりなかったが、予備データでは、プラセボよりも有用であることが示唆されており、治療選択肢となりうると考えられる。・本研究の限界として、治療抵抗性うつ病の定義が一貫していない、サンプルサイズが小さい、抗精神病薬の投与量が不均一である点が挙げられる。 著者らは「全体として、治療抵抗性うつ病に対する第2世代抗精神病薬増強療法、とくにアリピプラゾールとクエチアピンによる治療は、有用な治療選択肢であるという仮説を支持するものであった。しかし、治療抵抗性うつ病の治療アウトカムを改善するためには、サンプルサイズの大きな、質の高いランダム化比較試験が必要であると考えられる」としている。

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医師が選ぶ「2020年の顔」TOP5!(医療人、政治家部門)【ケアネット医師会員アンケート結果発表】

新型コロナの国内発生と流行、緊急事態宣言、東京五輪延期…本当にいろいろあった2020年―。今年を振り返ってみて思い浮かぶのは誰の顔でしょうか。ケアネットでは医師会員にアンケートを実施。535人の先生方にご協力いただき、選ばれた「今年の顔」は?今回は、医療人部門と政治家部門のTOP5をご紹介します!新型コロナのコメンテーター部門 、文化・芸能人部門 はこちら!医療人部門第1位 尾身 茂氏ダントツの得票数で第1位となったのは、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議およびその後の分科会で、中心的役割を担っている尾身 茂先生。経験に裏付けされたリーダーシップはもちろん、記者会見などでは報道陣からの質問に根気強く答える姿も印象的でした。選んだ理由のコメント中には、「安定」や「信頼」という言葉が多く並びました。 「尾身 茂」氏を選んだ理由(コメント抜粋)指導者として信頼しています。(60代 産婦人科/大阪府)今年はこの人しかいないでしょう。(40代 内科/東京都)医療と政治の板挟みに苦悩しているところが印象に残った。(50代 精神科/神奈川県)第2位 忽那 賢志氏コメンテーター部門での1位に続き、医療人部門でも2位にランクイン。新型コロナの最前線で診療に当たる感染症専門医として、医師からの知名度と信頼度の高さが伺える結果となりました。国内での症例数があまり多くなかった段階から、エビデンスに自身の診療経験からの知見を織り交ぜ、わかりやすく解説されていた姿が印象に残った先生も多かったのではないでしょうか。 「忽那 賢志」氏を選んだ理由(コメント抜粋)臨床で活躍されており、経験、知識も豊富で、説明も論理的で分かりやすい。(40代 内科/埼玉県)最も信頼できるから。(40代 精神科/愛知県)さまざまなメディア、講演会などで見かける機会が多かったから。(20代 臨床研修医/滋賀県)第3位 岩田 健太郎氏ダイアモンドプリンセス号についてのYouTube動画の配信は、大きな反響を呼びました。選んだ理由についてのコメントでは、「世の中にインパクトを与えた」という声のほか、「良くも悪くも発信力があった」といった声も。現場の医療者が発信する情報として、その後も発信を継続的にチェックしていたという声もあがっています。 「岩田 健太郎」氏を選んだ理由(コメント抜粋)新型コロナウイルス感染症に関する行動および発言が際立っていた。(40代 精神科/北海道)現場の実態をわかっているから。(30代 糖尿病・代謝・内分泌内科/兵庫県)いい意味でも悪い意味でも印象に残ったから。(50代 神経内科/徳島県)第4位 西浦 博氏 「西浦 博」氏を選んだ理由(コメント抜粋)純粋に学問的見地からがんばっておられた。(40代 皮膚科/東京都)統計を介したモデルだが世間で議論するたたき台となった。(30代 膠原病・リウマチ科/北海道)コロナ対策で奮闘された。(20代 臨床研修医/東京都)第5位 山中 伸弥氏 「山中 伸弥」氏を選んだ理由(コメント抜粋)独自の視点で情報発信されているので。(50代 消化器内科/山口県)ツベルクリンの話に共感したから。(50代 産婦人科/愛媛県)政治家部門第1位 安倍 晋三氏憲政史上最長となる7年8ヵ月の長期政権を築き、今年9月に体調不良を理由に辞任した安倍 晋三前内閣総理大臣が第1位に。 アベノマスクや給付金支給などの施策を含め、先進諸国の中では結果的に感染者数を抑えたことを評価する声、体調を慮る声が多くみられました。持病とされる潰瘍性大腸炎に光を当てることにも貢献されたのではないでしょうか。 「安倍 晋三」氏を選んだ理由(コメント抜粋)日本で結果的に感染者を増やさなかったから。(30代 泌尿器科/福岡県 他多数)体調の悪い中リーダーとして可能なかぎりの仕事をされたと思います。(30代 耳鼻咽喉科/福岡県)在任時のさまざまな対策は今も続行されている。(50代 消化器外科/鹿児島県)第2位 吉村 洋文氏新型コロナウイルス感染拡大で各首長のリーダーシップが求められるなか、1975年生まれ45歳の大阪府知事はスピード感のある対応や発信力の高さで注目を集めました。ポピドンヨード入りのうがい薬を推奨した件では批判を浴びましたが、「何とか状況を改善しようと先頭に立って行動している」と評価する声が多く上がりました。 「吉村 洋文」氏を選んだ理由(コメント抜粋)誤った情報もあるが、責任ある立場でより良い方向を目指している姿勢が伝わるから。(30代 小児科/大阪府)第一波の時の対応の早さは今までの日本の政治家ではあまり見られなかったと思う。(40代 泌尿器科/兵庫県)フットワーク良く決断力がある。(40代 糖尿病・代謝・内分泌内科/京都府)第3位 菅 義偉氏第2次安倍政権が発足した2012年以降、長きにわたり官房長官を務めてきた菅氏が、安倍政権を引き継ぐ形で第99代内閣総理大臣に就任しました。突然の交代、そして新型コロナ感染症対応が求められる難しいタイミングでの就任となりましたが、官房長官としての第一波への対応経験に期待するコメントが多く寄せられました。 「菅 義偉」氏を選んだ理由(コメント抜粋)官房長官として初期対応から重責を担っていたから(20代 臨床研修医/滋賀県)安倍政権時代から比較的バランスのとれた政策、実行力が感じられた(40代 血液内科/宮城県)期待も込めて(40代 病理診断科/島根県)第4位 オードリー・タン(唐 鳳)氏 「オードリー・タン」氏を選んだ理由(コメント抜粋)封じ込めに成功した台湾のキーマンである。(40代 神経内科/茨城県)日本のITがいかに遅れているのかを気づかせてくれた。(30代 臨床研修医/福岡県)若くて頭も切れて素晴らしい。(40代 皮膚科/群馬県)第5位 蔡 英文氏 「蔡 英文」氏を選んだ理由(コメント抜粋)民主主義的な手法でコロナ収束に導いた。(30代 内科/広島県)初期のコロナ対策は見事。(30代 心療内科/東京都 他多数)★アンケート概要★アンケート名 :『2020年振り返り企画!さまざまな分野の「今年の人」を挙げてください』実施日    :2020年11月12日~19日調査方法   :インターネット対象     :CareNet.com会員医師有効回答数  :535件

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うつ病に対する音楽療法~メタ解析

 音楽療法や音楽医学がうつ病に及ぼす影響およびその影響に関連する潜在的な因子を調査するため、中国・Bengbu Medical UniversityのQishou Tang氏らが、検討を行った。PLOS ONE誌2020年11月18日号の報告。 2020年5月までにうつ病に対する音楽による介入の有効性を評価した研究を、PubMed(MEDLINE)、Ovid-Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trials、EMBASE、Web of Science、Clinical Evidenceより検索した。標準化された平均差(SMD)の推定には、変量効果モデルおよび固定効果モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・55件のランダム化比較試験をメタ解析に含めた。・音楽療法は、対照群と比較し、抑うつ症状の有意な改善を示した(SMD:-0.66、95%CI:-0.86~-0.46、p<0.001)。音楽医学は、抑うつ症状軽減に対する強い効果が認められた(SMD:-1.33、95%CI:-1.96~-0.70、p<0.001)。・音楽療法の種類により、異なる効果が認められた。 ●レクリエーション音楽療法(SMD:-1.41、95%CI:-2.63~-0.20、p<0.001) ●音楽とイメージ誘導法(SMD:-1.08、95%CI:-1.72~-0.43、p<0.001) ●音楽支援リラクセーション(SMD:-0.81、95%CI:-1.24~-0.38、p<0.001) ●音楽イメージ療法(SMD:-0.38、95%CI:-0.81~0.06、p=0.312) ●即興音楽療法(SMD:-0.27、95%CI:-0.49~-0.05、p=0.001) ●音楽ディスカッション療法(SMD:-0.26、95%CI:-1.12~0.60、p=0.225)・音楽療法および音楽医学は、長期介入と比較し、短中期介入において強い効果が認められた。 著者らは「うつ病に対する音楽療法および音楽医学は、その種類により異なる効果が認められており、その効果は治療プロセスにより影響を受ける可能性がある」としている。

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小児期の鉛曝露、中年期に脳の老化をもたらす/JAMA

 小児期の血中鉛濃度の上昇は、中年期における脳構造の完全性低下を示唆する脳構造の変化(MRI評価によるもの)と関連していたことが示された。米国・デューク大学のAaron Reuben氏らが、ニュージーランドで実施した追跡期間中央値34年にわたる縦断コホート研究「Dunedin研究」の結果を報告した。小児期の鉛曝露は脳発達の障害に関連しているとされてきたが、脳構造完全性への長期的な影響は不明であった。なお、得られた所見について著者は限定的な結果であるとしている。JAMA誌2020年11月17日号掲載の報告。11歳時の血中鉛濃度と45歳時のMRIによる脳構造評価の関連を解析 Dunedin研究は、ニュージーランドにおける1972~73年の出生コホート(1,037例)を、45歳まで追跡調査したものである(2019年4月まで)。11歳時点で小児期の鉛曝露を測定し、45歳時点でMRIにより脳構造を評価するとともに、認知機能についてウェクスラー成人認知機能検査IVによる客観的な評価(IQ範囲:40~160、標準化平均100[SD 15])と、情報提供者を介した報告および自己報告による主観的な評価(zスコア、スケール平均は0[SD 1])を行った。 主要評価項目は、45歳時点での脳構造の完全性で、灰白質(皮質厚、表面積、海馬体積)、白質(白質高信号域、拡散異方性[理論的範囲、0(完全に等方性)~100(完全に異方性)])、およびBrain Age Gap Estimation(BrainAGE)(暦年齢と機械学習アルゴリズムで推定した脳年齢との差の複合指標[0:脳年齢と暦年齢が等しい、正/負の値はそれぞれ脳年齢が高い/若いことを意味する])について評価した。小児期の血中鉛濃度高値は、中年期の皮質表面積や海馬体積などの減少と関連 1,037例中997例が45歳時点で生存しており、このうち11歳時点で鉛の検査を受けていた564例(男性302例、女性262例)を解析対象とした(追跡期間中央値34年、四分位範囲:33.7~34.7年)。11歳時点での血中鉛濃度は平均10.99(SD 4.63)μg/dLであった。 共変量調整後、小児期の血中鉛濃度が5μg/dL増加するごとに、皮質表面積が1.19cm2減少(95%信頼区間[CI]:-2.35~-0.02cm2、p=0.05)、海馬体積が0.10cm3減少(95%CI:-0.17~-0.03cm3、p=0.006)、拡散異方性の低下(b=-0.12、95%CI:-0.24~-0.01、p=0.04)、45歳時点でのBrainAGEが0.77歳増加(95%CI:0.02~1.51、p=0.05)が認められた。血中鉛濃度と、白質高信号域(b=0.05 log mm3、95%CI:-0.02~0.13 log mm3、p=0.17)や平均皮質厚(b=-0.004mm、95%CI:-0.012~0.004mm、p=0.39)との間に統計的な有意差はなかった。 また、小児期の血中鉛濃度が5μg/dL増加するごとに、45歳時点のIQスコアが2.07低下(95%CI:-3.39~-0.74、p=0.02)、情報提供者の評価による認知機能障害スコアが0.12増加(95%CI:0.01~0.23、p=0.03)と有意な関連が認められた。小児期の血中鉛濃度と自己報告による認知機能との間に統計学的な関連は確認されなかった(b=-0.02ポイント、95%CI:-0.10~0.07、p=0.68)。 なお、著者は、観察研究のため因果関係については証明できないこと、いくつかの結果ではタイプIエラーの可能性があることなどを研究の限界として挙げている。

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日本における自閉症の特徴を有する女性の産後うつ病と虐待リスク

 自閉症の特徴を有する女性が、出産後に母親となり、どのような問題に直面するかはあまりわかっていない。順天堂大学の細澤 麻里子氏らは、出産前の非臨床的な自閉症の特徴と産後うつ病および産後1ヵ月間の子供への虐待リスクとの関連、これらに関連するソーシャルサポートの影響について、調査を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2020年11月5日号の報告。自閉症の特徴は産後うつ病や子供への虐待のリスク増加と関連 日本全国の出生コホートである子どもの健康と環境に関する全国調査(Japan Environment and Children's Study)より、精神疾患の既往歴のない単胎児の母親7万3,532人を対象とした。自閉症の特徴は、簡易自閉症スペクトラム指数日本語版を用いて、妊娠第2三半期/第3三半期に測定した。対象者を、自閉症スコアに基づき3群(正常、中等度、高度)に分類した。産後うつ病はエジンバラ産後うつ病尺度日本語版を、子供の虐待は自己報告を用いて、出産1ヵ月後に測定した。妊娠中のソーシャルサポートは、個々に収集した。データ分析には、ポアソン回帰を用いた。 出産前の自閉症の特徴と産後うつ病および子虐待リスクとの関連を調査した主な結果は以下のとおり。・産後1ヵ月間で、産後うつ病は7,147人(9.7%)、子供への虐待は1万2,994人(17.7%)より報告された。・自閉症の特徴は、交絡因子とは無関係に、産後うつ病および子供への虐待のリスク増加との関連が認められた。 【自閉症スコア中等度】 ●産後うつ病(調整後相対リスク[aRR]:1.74、95%CI:1.64~1.84) ●子供への虐待(aRR:1.19、95%CI:1.13~1.24) 【自閉症スコア高度】 ●産後うつ病(aRR:2.33、95%CI:2.13~2.55) ●子供への虐待(aRR:1.39、95%CI:1.28~1.50)・自閉症スコアが中等度または高度の女性に対するソーシャルサポートは、産後うつ病および子供への虐待のリスクを、26~31%緩和させた。 著者らは「自己報告による評価であるため、制限がある」としながらも「中等度または高度の自閉症の特徴を有する母親は、産後1ヵ月間で、産後うつ病や新生児虐待に対する脆弱性が認められており、妊娠中のソーシャルサポートが不足している可能性が示唆された」としている。

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不安症を合併した治療抵抗性うつ病に対するミルタザピンの有用性

 うつ病と不安症を合併した患者に推奨される治療法に関するエビデンスは不足している。うつ病と不安症を合併した患者に対するミルタザピンの有用性が、予備的なエビデンスで示唆されている。英国・ブリストル大学のRaphael Rifkin-Zybutz氏らは、このような患者に対するミルタザピンの有用性を明らかにするため、治療抵抗性うつ病に対するミルタザピン補助療法のプラセボ対照試験の2次解析を行った。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2020年11月4日号の報告。 プライマリケアでの治療抵抗性うつ病患者に対する選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)またはセロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)へのミルタザピン補助療法を検討したプラセボ対照試験の2次解析を実施した。ベースライン時の全般不安症スコア(GAD-7)により、対象患者を重度(GAD-7:16以上)、中等度(GAD-7:11~15)、軽度/なし(GAD-7:10以下)の3群に分類した。ミルタザピン補助療法によるベースラインから12週目までの不安症状の変化について、交互作用の尤度比検定を含む線形回帰を用いて評価した。不安症状の評価には、GAD-7およびうつ病自己評価尺度(Beck Depression Inventory II:BDI-II)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・ミルタザピン補助療法によるベースラインから12週目までの不安症状の改善は、GAD-7(p=0.041)およびBDI-II(p=0.088)の両方で認められた。・ミルタザピン補助療法を行った不安症が重度の患者では、12週目のGAD-7スコアが低く(調整後平均差[ADM]:-2.82、95%信頼区間[CI]:-0.69~-4.95)、BDI-IIスコアの著しい改善(ADM:-6.36、95%CI:-1.60~-10.84)が認められた。・不安症が軽度/なしの患者では、プラセボと比較し、ミルタザピン補助療法の抗不安効果(ADM:0.28、95%CI:-1.05~1.60)または抗うつ効果(ADM:-0.17、95%CI:-3.02~2.68)は認められなかった。 著者らは「プライマリケアにおいて治療抵抗性うつ病患者の不安症に対するミルタザピン補助療法の有効性が支持された。本結果は、事後分析ではあるものの、不安症を合併したうつ病患者に対する標準治療薬としてのミルタザピンの可能性が示唆された」としている。

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がんの緩和ケア、「穏やかに看取る」から「健やかに過ごす」へ/日本肺癌学会

 がん治療の進展に伴い、がん治療における緩和ケアにも変化が起きている。11月に行われた第61回日本肺癌学会学術集会では、「肺癌緩和ケアの新時代~長期治療の中での緩和~」と題したシンポジウムが行われ、演者がそれぞれの立場から現状を報告した。 演者の1人、飯塚病院連携医療・緩和ケア科の柏木 秀行氏は、がん緩和ケアの原則となる「WHO方式がん疼痛治療法」が一部改訂されたことを紹介。前版にあった「鎮痛剤使用の5原則」中の「除痛ラダーに沿って効力の順に」という記載が削除され、症状や個人に応じた個別化が緩和ケアでも進んでいる状況を紹介した。 また、現状の課題として、がん緩和ケアにおいて非薬物療法を提供する重要性にも言及。一例として、肺がんや前立腺がんに多い骨転移では、身体を動かすリハビリ療法が痛みの緩和に有効であり、看護師やPT・OTをはじめとする多職種によるチーム医療が緩和ケアにおいても重要になっている、とした。 柏木氏は「オピオイドによる鎮痛一辺倒だった、かつてのがん緩和療法から状況は大きく変わり、非身体的アプローチや非薬物療法など、症状や患者ごとのニーズが多様化している。医師は自分の主観だけでなく、チーム医療の視点を活かして緩和療法に取り組むべき」と述べた。さらに「がん患者の高齢化が進み、がんだけでなく併存疾患をもつ患者さんが多くを占めるようになっている。一病院の枠を超え、緩和ケアとプライマリ・ケアの統合など、地域の状況に合わせた緩和ケア体制の再編も必要となるだろう」とまとめた。がん患者のメンタルリスクにどう対処するか 続いて、岡山大学病院精神科神経科の井上 真一郎氏が「精神症状の緩和 抑うつを中心に」と題し、精神科医の立場から、がん患者の精神的ケアについて発表を行った。 がん患者はがんの宣告、薬剤による副反応、再発など、各段階においてうつ状態になりやすい状況にある。井上氏は「気分が落ち込むのは当然だが、日常生活に支障が出るくらいの落ち込みが2週間以上に続けば、うつ病を疑うことになる」と述べ、さらにうつ病患者には、精神症状だけでなくさまざまな身体症状が出ることを指摘。こちらも、がんそのものや薬剤の副反応から来る身体症状との見分けが難しいため、「普段の診療時に気持ちのつらさを聞くなど、定期的にうつ病のアセスメントを取り入れることが重要だ」とした。 うつ病のアセスメント方法として、2質問法1)、つらさと支障の寒暖計2)、PHQ-93)という3つのツールを紹介したうえで、「どれも有用なツールだが、がん患者は多くの気がかりを抱え、診断基準に当てはまる方が大勢いる。こうしたとき診断の一助となるのが、『今のしんどさが取れれば、気持ちがラクになりますか?』という問いかけ。がん症状から気持ちがつらい患者は『それはそうだろう』と答えるが、うつ病患者はそうした状況すら想像できない、いわゆる心理的な視野狭窄に陥っているケースが多い」とアドバイスした。 さらに、「うつ病が強く疑われるケースでは、必ず希死念慮の確認をして欲しい」と強調。「死に関する質問はしにくいだろうが、オブラートに包み過ぎず、シンプルに『死にたいと思うことはありますか』と問いかけ、深刻と判断すればすぐ専門医につないで欲しい」とした。 最後に、うつ病とせん妄の誤診リスクも指摘。「せん妄というと、攻撃的になる『過活動型せん妄』が想起されるが、新たなサブタイプとして活動意欲が薄れる『低活動型せん妄』がある。こちらはさらにうつ病との見分けがつきにくく、認知症等に隠れて見逃されるケースも多い。こうした疾病の存在も念頭に置いて対応して欲しい」とした。

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フィナステリドの副作用、45歳以下では自殺傾向・うつとの関連が顕著

 インターネットやテレビで男性型脱毛症(AGA)治療の広告を目にしない日はないだろう。脱毛症の治療は身近なものになってきているが、脱毛症および良性前立腺肥大症(BPH)治療に使用されるフィナステリドについて、自殺傾向やうつ増大との関連が認められることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のDavid-Dan Nguyen氏らにより報告された。同治療におけるフィナステリドの有害事象は議論の的となっており、使用男性の自殺企図または自殺例が報告されるようになったのは2012年ごろであったが、今回の検討では、45歳以下の脱毛症患者において、自殺傾向や心理的有害事象との顕著な関連性が認められたという。著者は、「今回の研究結果は、若年の患者にフィナステリドを処方する際は、自殺傾向、うつ、不安症のリスクを考慮する必要があることを示唆するものであった」と述べる一方で、「本研究によってバイアスがかかる可能性があり、さらなる調査が必要である」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2020年11月11日号掲載の報告。フィナステリドの副作用に対して若年患者のほうが脆弱であることを示唆 研究グループは、自殺傾向(念慮、企図、既遂)および心理的有害事象(うつ、不安症)とフィナステリド使用との関連を調べる薬物誘発ケース・非ケース研究を実施した。不均衡分析(ケース・非ケースデザイン法)にて、世界保健機関(WHO)のVigiBase(個別ケースの安全性レポートの世界的なデータベース)で、フィナステリドについて報告された注目される副作用の警告を検出し、検討した。 関連性の強度は報告オッズ比(ROR)を用いて調べ、拡大感度分析では、適応症(BPHおよび脱毛症)、年齢(45歳以下および45歳超)で層別化したうえで、フィナステリドと同様の適応症に使用される、機序が異なる薬剤(脱毛症:ミノキシジル、BPH:タムスロシン塩酸塩)の比較、フィナステリドと同一作用機序および有害事象プロファイルを有する薬剤(デュタステリド)の比較、および2012年前後の自殺傾向の報告を比較した。 フィナステリドについて報告された注目される副作用の警告を検出・検討した主な結果は以下のとおり。・データは2019年6月に入手し、2020年1月25日~2月28日に解析を行った。・VigiBaseにおいて、フィナステリド使用者の自殺傾向の報告356件、心理的有害事象報告2,926件、計3,282件の注目される有害事象の報告を入手した(男性3,206例[98.9%]、18~44歳のデータ入手可能例615/868例[70.9%])。・フィナステリド使用者における自殺傾向(ROR:1.63、95%信頼区間[CI]:1.47~1.81)および心理的有害事象(ROR:4.33、95%CI:4.17~4.49)の有意な不均衡シグナルが特定された。・感度解析で、若年患者(ROR:3.47、95%CI:2.90~4.15)および脱毛症患者(ROR:2.06、95%CI:1.81~2.34)は、自殺傾向の増加に対して有意な不均衡シグナルを示した。こうしたシグナルは、BPHの高齢患者では検出されなかった。・感度解析で、これらの有害事象の報告が2012年以降に大幅に増加したことも示された(ROR:2.13、95%CI:1.91~2.39)。・感度解析の結果は、示された有意な不均衡シグナルは、喚起された報告によるものおよび/またはフィナステリドの副作用に対して若年患者のほうが脆弱であることを示唆するものであった。

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認知症診断後1年以内の自殺リスク

 重度の認知症であれば、自殺を実行するための機能が損なわれることで自殺を防ぐことができるが、初期および軽度の認知症の場合、認知機能が比較的保たれているため、疾患の進行による将来への不安を醸成し、自殺の実行を助長する可能性がある。韓国・延世大学校のJae Woo Choi氏らは、認知症診断を受けてから1年以内の高齢者の自殺リスクについて調査を行った。Journal of Psychiatry & Neuroscience誌オンライン版2020年10月29日号の報告。アルツハイマー型認知症は自殺リスクが高かった 国民健康保険サービスのシニアコホートデータを用いて、2004~12年に認知症と診断された高齢者3万6,541例を抽出した。認知症の定義は、ミニメンタルステート検査(MMSE)スコア26以下および臨床的認知症評価尺度(CDR)スコア1以上またはGlobal Deterioration Scale(GDS)スコア3以上とし、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、その他/特定不能の認知症を含めた。性別、年齢、併存疾患、インデックス年で1:1の傾向マッチングを行い認知症でない高齢者を対照群として抽出し、2013年までフォローアップを行った。認知症診断後1年以内の自殺による死亡の調整済みハザード比(aHR)を推定するため、時間依存的Cox比例ハザードモデルを用いた。 認知症診断を受けてから1年以内の高齢者の自殺リスクの調査の主な結果は以下のとおり。・認知症診断後、最初の1年間で46例の自殺が確認された。・認知症高齢者は、対照群と比較し、自殺リスクが高かった(aHR:2.57、95%信頼区間[CI]:1.49~4.44)。・アルツハイマー型認知症(aHR:2.50、95%CI:1.41~4.44)またはその他/特定不能の認知症(aHR:4.32、95%CI:2.04~9.15)の高齢者は、対照群と比較し、自殺リスクが高かった。・他の精神疾患を合併していない認知症患者(aHR:1.96、95%CI:1.02~3.77)および合併している認知症患者(aHR:3.22、95%CI:1.78~5.83)は、対照群と比較し、自殺リスクが高かった。・統合失調症(aHR:8.73、95%CI:2.57~29.71)、気分障害(aHR:2.84、95%CI:1.23~6.53)、不安症または身体表現性障害(aHR:3.53、95%CI:1.73~7.21)と認知症を合併している患者は、認知症を合併していない各疾患の患者と比較し、自殺リスクが高かった。 著者らは「本研究は、自殺率の高い韓国の高齢者を対象とした試験であり、異なる背景を有する集団に本結果をそのまま当てはめるには、注意が必要である」としながらも「認知症診断後1年以内での自殺リスクの上昇が認められた」としている。

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最前線の医療従事者におけるCOVID-19発生による不安・抑うつへの影響

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、人々の健康やウェルビーイングに深刻な影響を及ぼしている。最前線でCOVID-19への対応が求められる医療従事者では、その影響はさらに大きくなると考えられる。中国・山東大学のLi-Qun Xing氏らは、最前線で勤務する医療従事者の不安、抑うつ、ストレスに対するCOVID-19の心理的影響を明らかにするため、検討を行った。The International Journal of Social Psychiatry誌オンライン版2020年10月24日号の報告。 中国・済南市にある病院において最前線で勤務する医療従事者を対象に、横断的調査を実施した。基本的な人口統計データ、10項目のCOVID-19によるストレスに関する質問票、自己評価式不安尺度(SAS)、うつ性自己評価尺度(SDS)を含む自己評価質問票を用いて、対象者よりデータを収集した。COVID-19による不安、抑うつ、ストレスのリスクと頻度を推定した。 主な結果は以下のとおり。・対象者309人中、不安症は88人(28.5%)、うつ病は172人(56.0%)であった。・多変量ロジスティック回帰分析において、不安または抑うつと独立して関連が認められた因子は以下のとおりであった。【不安との関連】 ●30歳以下(OR:4.4、95%信頼区間[CI]:1.6~12.2) ●31~45歳(OR:3.1、95%CI:1.1~8.8) ●COVID-19隔離病棟での勤務(OR:2.3、95%CI:1.4~4.0) ●消毒対策が不十分だと感じる(OR:2.5、95%CI:1.5~4.3)【抑うつとの関連】 ●30歳以下(OR:3.8、95%CI:1.8~7.8) ●31~45歳(OR:2.7、95%CI:1.3~5.7) ●看護師(OR:2.5、95%CI:1.1~5.6) ●消毒対策が不十分だと感じる(OR:2.1、95%CI:1.3~3.5) 著者らは「最前線の医療従事者では、COVID-19発生により、不安や抑うつ症状の有症率が増加していた。とくに若年スタッフや看護師では、心理的ケアの必要性が高かった。専門家による感染予防対策は、医療従事者の心身の健康を守るために重要である」としている。

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統合失調症における抗精神病薬治療と抗うつ作用~メタ回帰分析

 統合失調症の陽性症状改善には、抗精神病薬が有用である。しかし、抗精神病薬の抗うつ効果および統合失調症の他の症状への影響については、よくわかっていない。福島県立医科大学の三浦 至氏らは、抗精神病薬の抗うつ効果が統合失調症の特定の症状に対する有効性と関連するかについて検討を行った。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2020年11月5日号の報告。 成人統合失調症患者を対象として抗精神病薬の抗うつ効果を検討したランダム化二重盲検試験(RCT)を、電子データベースより検索した。ベースラインからの抑うつ症状の平均変化量についてメタ解析を実施し、他の症状への影響を調査するためメタ回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・35件のRCT(1万3,890例)をメタ解析に含めた。・全体として、抗精神病薬は、プラセボと比較し、抑うつ症状の軽減に対する効果が認められた。そのエフェクトサイズは、小~中程度であった(標準化平均差[SMD]:-0.27、95%CI:-0.32~-0.22、p<0.001)。・クロルプロマジン、ハロペリドール、ziprasidoneを除く抗精神病薬は、プラセボと比較し、有意な抗うつ効果が認められた(SMD:-0.19~-0.40)。・抗うつ効果の高さは、PANSS/BPRS合計スコア(β=0.618、p<0.001)、陽性症状(β=0.476、p<0.001)、陰性症状(β=0.689、p<0.001)、PANSS総合精神病理尺度(β=0.603、p<0.001)の改善効果の高さと有意な関連が認められた。 著者らは「ziprasidoneを除く第2世代抗精神病薬は、成人統合失調症患者の抑うつ症状改善に、小~中程度のエフェクトサイズを有することが示唆された。抗精神病薬の抗うつ効果は、他の症状の改善と有意な関連が認められ、陰性症状の改善と最も強い関連が認められた」としている。

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機能性消化管疾患診療ガイドライン2020―新薬・エビデンス続々、心理的ケアの認知高まる

 4人に1人―、これがわが国の機能性消化管疾患の現状と見られている。機能性消化管疾患は、過敏性腸症候群(IBS)のほか、IBS関連疾患群(機能性便秘、機能性下痢、機能性腹部膨満)を含む。中でも、IBSは消化器内科受診者の約3割を占めるという数字もあり、社会的関心は確実に高まっている。今年6月に発刊された『機能性消化管疾患診療ガイドライン2020』(改訂第2版)は、2014年の初版以来の改訂版。新薬に加え、既存製剤についてもエビデンスの蓄積により治療可能性が広がっているほか、疾患研究の進展により、病態に関与する生物学的要因や心理社会的因子などを総合的にとらえる概念としての「脳腸相関」の重要性がさらに明確になったことを裏付ける項目もある。ガイドライン作成委員長を務めた福土 審氏(東北大学行動医学分野・心療内科)に、改訂のポイントについてインタビューを行った(zoomによるリモート取材)。薬物治療のエビデンスが充実、心理的治療も推奨度を強化 IBSの疫学、病態、予後と合併症に関する項目は、初版のガイドラインではCQ (clinical question)に位置付けていたが、改訂版では、ほかのガイドライン1,2)同様、BQ:background questionとして収載し、初版で明確になっている結論をさらに強化する知見を追記した。その一方、2014年以降に集積された知見を新たにCQに、エビデンスが乏しく、今後の研究課題とするものはFRQ(future research question)とした。このたびの改訂版は、CQ26項目、BQ11項目、FRQ3項目で構成されている。 初版からの変更点のうち、主だったものを挙げると、診断基準については、初版ではRome IIIだったが、2016年に国際的診断基準がRome IVとなったため、改訂版においてもRome IVを採用した。この変更にはさまざまな議論があったが、最終的にはBQとなった。 IBSの鑑別診断については、大腸内視鏡以外の臨床検査(大腸以外の内視鏡、画像検査、糞便・血液・尿による検体検査)の位置付けが初版では弱い推奨だったが、サイエンスレベルの向上により、今回は強い推奨となっている。 治療薬については、粘膜上皮機能変容薬(ルビプロストン、リナクロチド)の便秘型IBSへの有用性がRCTやメタアナリシスで相次いで示され、リナクロチドが保険適用されたため、エビデンスレベルがBからAに変更され、強く推奨された。一方、2018年に慢性便秘症に承認されたエロビシキバットも便秘型IBS治療に推奨している。Rome IVの考え方では、便秘型IBSと機能性便秘は同じスペクトラムの中にあり、慢性便秘症の部分集合である。わが国では、ルビプロストンとエロビシキバットの保険適用に際しては、慢性便秘症の診断を要することに留意したい。 抗アレルギー薬を巡ってはさまざまな議論があったが、改訂版では強い推奨、かつエビデンスレベルAとした。わが国では、現段階ではIBSの保険適用ではないものの、抗アレルギー薬治療によるエビデンスが蓄積されつつあることを受けて変更された。抗菌薬については、初版では弱い非推奨(エビデンスレベルC)だったが、リファキシミンが米国で認可され、ジャーナル誌やメタアナリシスでも効果が追認されたため、このたびの改訂でエビデンスレベルAとなった。ただ、残念ながらわが国では保険適用ではない点は明記した。 麻薬については、依存性と使用により、かえって腹痛が増強する麻薬性腸症候群を作り出す危険があり、改訂版では弱い非推奨(エビデンスレベルC)としている。なお、米国では非麻薬性のオピオイドμ/κ受容体刺激薬・δ受容体拮抗薬エルクサドリンが下痢型IBS治療薬として認可されている。 今回の改訂において、心理的治療は強い推奨となった(エビデンスレベルB)のは注目すべき点である。2014年当時は、IBSに対する心理的治療に対し懐疑的な研究論文もあったが、国際的に必要な重症度の患者には心理的ケアを行うということが徐々に定着しつつある。難治性や、心身症の特性を持つIBS患者に対する心理療法の有効性が繰り返し報告され、標準化される方向性が定まってきた。 改訂版の作成過程において結論が見出せなかったのは、抗精神病薬や気分安定化薬の使用、糞便移植、そして重症度別のレジメンの有用性である。これらに関しては、明瞭かつ直接的な効果が確認できなかったので、FRQと位置付けた。次の5年間や今後の研究の進展で変わっていくべき課題と考えている。IBS治療は着実に進歩、プライマリケア医の診断・治療に期待 国内に関しては、IBS治療はかなり進歩していると感じる。10年前には使えなかった製剤も使えるようになり、患者の改善の実感も得られてきているものと考える。薬物に関しては、いかに抗うつ薬を活用し、治療していくかという国際的なトレンドがある。日本においてもその潮流が強まるだろう。 現状は、プライマリケア医で大腸内視鏡検査が可能であれば実施し、できなければ総合病院に紹介されて検査という流れが一般的であると思われる。総合病院にIBSの診断・治療に前向きな消化器内科医がいれば問題はないが、炎症性腸疾患や大腸がんを専門にしている場合は、抗うつ薬の投与や心理療法に戸惑いを感じる医師もいるだろう。その場合は、心療内科に紹介して治療を進めるのが良い。そのような形で効率良く病診連携できるのが望ましい。 IBSはプライマリケア医が十分対応できる疾患である。開業医の方には、リスクを踏まえて慎重かつ早めに診断し、最初の段階でしっかり診断・治療できれば患者にも喜ばれ、医師側も患者をケアできているという実感が得られると考える。また、IBSは診断から最初の2~3年ががんのリスクが高い。その時期を過ぎればリスクはかなり低下する。これらのエビデンスを踏まえて検査の頻度やチェック項目を考えるのは、担当医師の裁量範囲である。

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