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統合失調症の抗精神病薬関連代謝異常~最新レビュー

 代謝異常や肥満は、統合失調症患者の主な心血管イベントのリスク因子である。その結果として、統合失調症患者は、そうでない人と比較し、死亡率が高く、平均寿命が短くなる。統合失調症と代謝異常との関係は、特定の遺伝学的または病理学的リスクが影響している可能性もあるが、抗精神病薬(とくに第2世代抗精神病薬)が体重増加や代謝異常リスクを上昇させていると考えられる。台湾・台北医学大学のShen-Chieh Chang氏らは、抗精神病薬に関連する体重増加や代謝異常、それらのメカニズム、モニタリングガイドライン、介入に関する文献のレビューを行った。World Journal of Psychiatry誌2021年10月19日号の報告。 主なレビューは以下のとおり。・ほぼすべての抗精神病薬において体重増加との関連が認められたが、その程度は薬剤間で異なる。・体重増加や特定の代謝異常に対し、神経伝達物質受容体親和性の強さやホルモンが関連していることが示唆されているが、抗精神病薬関連の体重増加や代謝異常の根底にあるメカニズムは明らかになっていない。・新たなエビデンスとして、抗精神病薬関連の体重増加や代謝異常と関連する遺伝子多型の役割が示唆されている。・抗精神病薬誘発性代謝異常のスクリーニングやモニタリングのために多くのガイドラインが発表されているが、これらは臨床で日常的に実施されているわけではない。・抗精神病薬誘発性代謝異常のマネジメント戦略に関する研究が多かった。・統合失調症患者およびその介護者は、健康的な生活が送れるよう、禁煙、食事、身体活動のプログラムについて教育を受け、動機づけを行わなければならない。・ライフスタイル介入がうまくいかない場合には、代謝異常リスクの低い他の抗精神病薬への切り替えや体重増加を軽減させるための補助治療薬の追加を検討する必要がある。・統合失調症の治療において抗精神病薬は不可欠であるため、臨床医は抗精神病薬関連の体重増加や代謝異常をモニタリングし、マネジメントする必要がある。

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日本人統合失調症患者における抗精神病薬の製剤満足度調査

 藤田医科大学の波多野 正和氏らは、服薬アドヒアランスに影響を及ぼす因子を特定するため、統合失調症患者を対象に処方された抗精神病薬の製剤に関する主観的なアンケート調査を実施した。Clinical Psychopharmacology and Neuroscience誌2021年11月30日号の報告。DAI-10と製剤満足度との間に中程度の相関 処方された抗精神病薬の製剤に対する患者の満足度および不満度を評価するため、薬に対する構えの評価尺度(DAI-10)を用いた。対象患者は、同一成分、同一製剤の抗精神病薬を1ヵ月以上服用している20~75歳の統合失調症患者とした。 DA-10を用いた抗精神病薬に関する主観的アンケート調査の主な結果は以下のとおり。・アンケートに回答した患者は301例であった。・統合失調症患者に最も処方されている抗精神病薬の製剤は、錠剤(174例、57.8%)であり、次いで持続性注射剤(93例、30.9%)であった。・製剤で、製剤満足度とDAI-10との有意な関係は認められなかった。・持続性注射剤以外の製剤を選択していた患者の半数以上は、製剤は「医師により決定」と回答した。・製剤選択において、「医師との協議により決定」と回答した患者は、「医師により決定」と回答した患者と比較し、満足度(4.11±0.77 vs.3.80±1.00、p=0.0073)やDAI-10スコア(6.20±3.51 vs.4.39±4.56、p<0.001)が有意に高かった。・満足度とDAI-10との間には、中程度の相関が認められた(r=0.48、p<0.001)。 著者らは「すべての患者に対し高い満足度が得られる製剤はないため、個々の好みを薬物療法に反映させる必要がある。製剤を選択するうえで意思決定を共有することは、服薬アドヒアランスの改善に役立つと考えられる」としている。

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日本人高齢者におけるコーヒー、緑茶、カフェインと認知症リスク

 コーヒー、緑茶、カフェインは、高齢者の認知症予防の潜在的な因子といわれているが、根拠となるエビデンスは十分ではない。新潟大学のNana Matsushita氏らは、中高年の認知症リスクとコーヒー、緑茶、カフェインの摂取との関連を調査した。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2021年10月8日号の報告。1日3杯以上コーヒーを飲んでいる人では認知症リスクが50%減少 本研究は、8年間フォローアップを行ったコホート研究である。対象者は、40~74歳の日本の地域住民1万3,757人。2011~13年に自己記入式のアンケート調査を実施した。予測因子は、コーヒー、緑茶の消費量とし、そこからカフェインの摂取量を推定した。アウトカムは、介護保険データベースより抽出した認知症発症とした。調整済みハザード比(HR)の算出には、Cox比例ハザードモデル、遅延組み入れCoxモデルを用いた。 高齢者の認知症リスクとコーヒー、緑茶、カフェインの摂取との関連を調査した主な結果は以下のとおり。・調査期間中の認知症発症数は309例であった。・コーヒーの消費量が多い人はHRが低く、五分位で最も消費量が多い群(326mL/日以上)は、最も少ない群(26mL/日未満)と比較しHRが有意に低かった(HR:0.49、95%CI:0.30~0.79)。・同様に、カフェイン摂取量が最も多い群は、最も少ない群と比較しHRが有意に低かった(調整p for trend=0.0004)。・遅延組み入れCoxモデルにおいても、同様の結果であった。・これらの関連性は、男性では有意であったが、女性では有意な差は認められなかった。・コーヒーの消費量が1日2~2.9杯(HR:0.69、95%CI:0.48~0.98)および1日3杯以上(HR:0.53、95%CI:0.31~0.89)の人は、0杯の人と比較しHRが低かった。・緑茶の消費量と認知症リスク低下との関連は、60~69歳でのみ有意な関連が認められた(調整p for trend=0.0146)。 著者らは「コーヒーやカフェイン摂取は、とくに男性において、用量依存的に認知症リスクの低下が認められた。1日3杯以上コーヒーを飲んでいる人では、認知症リスクが50%減少することが示唆された」としている。

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精神病性うつ病の疾患経過に影響を及ぼす因子

 精神病性うつ病は、重度の症状や疾患経過を伴う疾患であるが、いまだ十分に研究されていない。フィンランド・トゥルク大学のMiika Nietola氏らは、精神病性うつ病の発症年齢や疾患経過に対する性別および精神医学的併存疾患の影響について調査を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2021年10月8日号の報告。 本研究は、1966年フィンランド北部の出生コホートに基づき実施された。精神医学的診断歴、入院歴、発症年齢、障害年金受給率、死亡率に関するデータを収集した。精神病性うつ病患者58例において、性別およびアルコール使用障害またはパーソナリティ障害の合併に基づくサブグループ間における疾患経過を比較した。 主な結果は以下のとおり。・パーソナリティ障害の合併率は38%(22例)、アルコール使用障害の合併率は41%(24例)であった。・パーソナリティ障害を合併した精神病性うつ病患者は、発症年齢が若く(p<0.01)、死亡率が高かった(p=0.03)。・精神科病床への入院率の高さと関連が認められた因子は、男性(p=0.03)、アルコール使用障害の合併(p<0.01)、パーソナリティ障害の合併(p<0.01)であった。・男性では、アルコール使用障害の合併が多かった(男性:61%、女性:29%、p=0.03)。 著者らは「精神病性うつ病の疾患経過に、性別や精神医学的併存疾患が影響を及ぼしていることが示唆された。臨床応用していくためには、精神病性うつ病の不均一性に関するさらなる研究が求められる」としている。

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高血糖の進行に影響を及ぼす抗精神病薬の関連因子

 抗精神病薬は、高血糖リスクを高める危険性がある。高血糖の進行に影響を及ぼす因子として、抗精神病薬の種類、1日投与量、数量などが挙げられているが、これらとの関連を調査した研究は少ない。北海道大学の石川 修平氏らは、高血糖の進行に関連すると考えられる背景因子で調整した後、高血糖の進行に影響を及ぼす抗精神病薬治療の関連因子について調査を行った。Progress in Neuro-Psychopharmacology & Biological Psychiatry誌オンライン版2021年10月9日号の報告。 新規に抗精神病薬治療を開始した患者を対象に高血糖の発生率を12ヵ月間調査した全国多施設共同プロスペクティブ研究を実施した。ベースライン時に正常な血糖値であった患者631例を対象に人口統計データ、処方歴、血液検査値を収集した。主要評価項目は、高血糖の発生率(正常状態から糖尿病予備軍または糖尿病が疑われる状態への進行)とし、統合失調症患者を対象とした日本のモニタリングガイダンスに基づき評価を行った。経時的なグルコース代謝に対する抗精神病薬の影響を調査するため、各抗精神病薬治療開始3、6、12ヵ月後のHbA1cレベルの変化を調査した。 主な結果は以下のとおり。・ゾテピンおよびクロザピンの使用が、高血糖の発生率の高さと有意に関連していることが示唆された。・ゾテピン治療開始6ヵ月後のHbA1cレベルの変化は、ブロナンセリンおよびハロペリドール治療と比較し、有意に高かった。・対照的に、同期間の総コレステロール、トリグリセライド、HDLコレステロール、BMIの変化に有意な変化は認められなかった。・高血糖の発生と抗精神病薬の1日投与量および数量との関連は認められなかった。・しかし、抗精神病薬のH1、M1、M3、5-HT2C受容体に対する阻害作用の強さに基づき2つの群に分類した事後分析では、抗精神病薬の中~高用量治療群における高血糖の発生は、低用量群と比較し高かった。 著者らは「抗精神病薬の1日投与量や数量ではなく、種類が高血糖の発生率に影響を及ぼしている可能性が示唆された。なかでもゾテピンは、高血糖の発生率を増加させる可能性が高く、とくに注意が必要であろう」としている。

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他の抗CGRP抗体への切り替えによる片頭痛予防効果

 ある抗CGRP(受容体)モノクローナル抗体に反応しなかった片頭痛患者に対する他の抗CGRP抗体への切り替えは治療選択肢の1つとなりうる可能性があるが、現時点ではデータが不足している。ドイツ・シャリテー-ベルリン医科大学のLucas Hendrik Overeem氏らは、抗CGRP受容体モノクローナル抗体であるエレヌマブによる治療で有効性または安全性の懸念が認められた患者に対する他の抗CGRP抗体による治療反応を評価した。Cephalalgia誌オンライン版2021年10月13日号の報告。 対象は、ドイツの頭痛センター4施設において、効果不十分または継続しがたい副作用により他のCGRP抗体へ切り替えを行った片頭痛患者78例。対象患者の頭痛日誌をレトロスペクティブに分析した。対象患者のうちエレヌマブによる3サイクルの治療に反応が認められず(1ヵ月当たりの片頭痛日数の減少が30%未満)、他のCGRP抗体治療開始1ヵ月前および治療中に完全な頭痛データが得られた25例を特定した。主要評価項目は、ガルカネズマブまたはフレマネズマブ切り替え3ヵ月後における30%以上の治療反応率とした。副次的評価項目は、50%以上の治療反応率、1ヵ月当たりの片頭痛日数、1ヵ月当たりの急性頭痛薬の使用日数とした。対象患者を頭痛頻度が毎日(9例)または非毎日(16例)で層別化し、探索的サブグループ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・エレヌマブからガルカネズマブまたはフレマネズマブへの切り替え3ヵ月後における30%以上の治療反応率は、32%であった。・50%以上の治療反応率が得られた患者は、12%であった。・1ヵ月当たりの片頭痛日数は、ベースラインと比較し、3ヵ月後に減少が認められた(20.8±7.1→17.8±9.1、p=0.009)。・層別分析では、頭痛頻度が毎日の患者では治療反応が認められなかったが、非毎日の患者における30%以上の治療反応率は、50%であった。 著者らは「エレヌマブ治療で効果不十分または継続しがたい副作用が認められた片頭痛患者において、他の抗CGRP抗体への切り替えが恩恵をもたらす可能性が示唆された。とくに頭痛頻度が非毎日の患者において、有望な治療オプションとなりうるであろう」としている。

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精神神経疾患や発達障害に対する音楽療法の有効性

 音楽療法は、身体的、感情的、精神的な健康を維持・回復・促進するために用いられる。オーストリア・AIHTAのLucia Gassner氏らは、自閉スペクトラム症(ASD)、認知症、うつ病、不眠症、統合失調症に対する音楽療法の有効性を評価した。European Journal of Public Health誌オンライン版2021年10月1日号の報告。 システマティックレビューおよび医療技術評価レポートの検索により、139件の文献が抽出された。コクランレビューが利用可能な5疾患の診断グループに焦点を当てた。第2検索は4つのデータベースを用いて実施した。独立した2人のレビュアーが、研究の選択、データ抽出、方法論的質の評価を行った。バイアスリスクが中~低の試験のみを選択した。 主な結果は以下のとおり。・選択基準を満たしたランダム化比較試験は10件(1,248例)であった。・統合失調症では、バイアスリスクが中~低の研究がなかった。コクランの著者らは、統合失調症のQOL、社会的機能、全体的症状および精神症状の改善が認められたが、全体的な機能の改善は認められなかったとしていた。・ASDでは、行動、社会的コミュニケーション、脳内ネットワーク、親子関係の改善が認められた。・うつ病では、気分の高揚の改善が認められた。・不眠症では、睡眠の質、ストレス、不安、総睡眠時間、疾患重症度、心理的QOLの改善が認められた。・認知症では、気分症状、神経精神医学的行動、無気力、コミュニケーション、身体機能の改善が認められた。また、重症の場合では、行動および心理的症状の改善、軽度アルツハイマー病では、記憶力と言語の流暢さの改善が認められた。認知機能の改善が認められた研究は、4件中1件であった。・認知症に対する音楽療法では、能動的(演奏する)および受動的(聴く)方法が用いられたが、ASDとうつ病で用いられたのは能動的方法のみであった。また、不眠症では受動的方法のみが用いられた。 著者らは「精神神経疾患や発達障害に対する音楽療法は、身体的および心理社会的な健康の改善に役立つことが示唆された。これらの効果の長期的な影響を評価するためには、さらなる研究が求められる」としている。

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肉の消費とメンタルヘルス

 肉の消費や制限がうつ病や不安症に及ぼす影響を明らかにするため、米国・サザンインディアナ大学のUrska Dobersek氏らは、これらの定量的な関連を評価した。Critical Reviews in Food Science and Nutrition誌オンライン版2021年10月6日号の報告。 2020年6月、5つのオンラインデータベースを検索し、肉の摂取を制限している人と消費している人を明確に区分し、うつ病および不安症の有病率を調査した初期研究を抽出した。バイアス補正(Hedges's gエフェクトサイズ)を用いて、肉消費群と肉制限群の間の影響の大きさを計算した(高スコアおよび正のスコアが肉消費群にとって良好な結果であったことを示す)。 主な結果は以下のとおり。・20研究より、肉消費群15万7,778人と肉制限群1万3,259人を含む17万1,802人が選択基準を満たした。・肉消費群は、肉制限群と比較し、うつ病リスク低下(g=0.216、95%CI:0.14~0.30、p<0.001)および不安症リスク低下(g=0.17、95%CI:0.03~0.31、p=0.02)との関連が認められた。・肉消費群は、ビーガンと比較し、うつ病リスク(g=0.26、95%CI:0.01~0.51、p=0.041)および不安症リスク(g=0.15、95%CI:-0.40~0.69、p=0.598)が低かった。・性別による影響は認められなかった。・研究の質については、研究間の不均一性が、うつ病に関して58%、不安症に関して76%認められた。・さらに、研究がより厳格であるほど、肉の消費と良好なメンタルヘルスとの一貫した関連が認められた。・これらの関連性に関して、因果関係および時間的推論は考慮されていない。

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非がん性疼痛に対するオピオイド処方、注射薬物使用との関連は?/BMJ

 非がん性疼痛に対し慢性的にオピオイド薬の処方を受けている人において、注射薬物の使用(injection drug use:IDU)を始める割合は全体ではまれであるが(5年以内で3~4%)、オピオイド未使用者と比較すると約8倍であった。カナダ・ブリティッシュコロンビア疾病管理センターのJames Wilton氏らが、カナダの行政データを用いた大規模後ろ向きコホート研究の解析結果を報告した。オピオイド処方と違法薬物または注射薬物の使用開始との関連性については、これまで観察研究などが数件あるが、大規模な追跡研究はほとんどなかった。著者は、「今回の研究で得られた知見は、IDUの開始やそれに伴う2次的な害を防止する戦略や政策に役立つと考えられるが、長期処方オピオイド治療の不適切な減量や中止の理由にしてはならない」とまとめている。BMJ誌2021年11月18日号掲載の報告。約170万人のデータから、オピオイド使用者を特定、注射薬物開始との関連を解析 研究グループは、British Columbia Hepatitis Testers Cohortとして知られている大規模な行政データ、Integrated Data and Evaluative Analytics(IDEAs)を用いてデータを解析した。IDEAsのコホートには、1992~2015年にブリティッシュコロンビア州でC型肝炎ウイルスまたはHIVの検査を受けた約170万人が含まれ、これらのデータは、医療機関の受診、入院、救急受診、がんの診断、死亡、および薬局での調剤のデータと連携している。 解析対象は、ベースライン時に物質使用歴(アルコールを除く)のない11~65歳の人で、2000~15年における非がん性疼痛に対する処方オピオイド使用の全エピソードを特定した。エピソードは、オピオイド処方の開始から終了までを、薬剤が提供されない期間が前後6ヵ月間ある場合と定義し、エピソード内の処方日数やその日数の割合によってエピソードを分類した(急性:エピソード期間<90日、一過性:エピソード期間が≧90日で処方日数が90日未満および/または処方日数の割合が50%未満、慢性:エピソード期間が≧90日で処方日数が90日以上および/または処方日数の割合が50%以上)。社会経済的変数に基づき、慢性、一過性、急性、およびオピオイド未使用者を1対1対1対1の割合でマッチングした。 IDU開始は、1年以内に、(1)注射薬物の使用に関連する問題(オピオイド、コカイン、アンフェタミンまたはベンゾジアゼピンに対する依存に関する診断コードなど)のエビデンスがある、(2)注射関連感染症の可能性の診断、の2つが認められた場合と定義し、特異性が高く妥当性のある管理アルゴリズムによって特定した。 オピオイド使用分類(慢性、一過性、急性、未使用)とIDU開始との関連性は、逆確率治療重み付け(IPTW)法によるCoxモデルを用いて評価した。解析対象は約6万人、慢性的なオピオイド処方は注射薬物使用のリスクが高い マッチングコホートには計5万9,804例(オピオイド使用分類それぞれ1万4,951例)が組み込まれた。追跡調査期間中央値5.8年において、1,149例でIDU開始が認められた。IDU開始の5年累積確率は、オピオイド使用分類が慢性(4.0%)で最も高く、次いで一過性(1.3%)、急性(0.7%)、オピオイド未使用(0.4%)の順であった。IDU開始リスクは、オピオイド使用分類が未使用に対して、慢性の場合、8.4倍上昇した(95%信頼区間[CI]:6.4~10.9)。 慢性疼痛歴のある人に限定した感度分析では、オピオイド使用分類が慢性の場合、IDU開始のリスクは主解析結果より低下したが(5年以内で3.4%)、相対リスクは低下しなかった(ハザード比:9.7、95%CI:6.5~14.5)。 IDU開始は、オピオイド投与量が多いほど、また、年齢が若いほど、高頻度であった。

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認知症診断に関する日米間の比較

 認知症は、日米で共通の問題であるが、医療システムの異なる両国における認知症診断に関するプライマリケア医の診療および今後の展望について、浜松医科大学の阿部 路子氏らが、調査を行った。BMC Geriatrics誌2021年10月11日号の報告。 日本全国および米国中西部ミシガン州におけるプライマリケア環境において、半構造化面接および主題分析を用いて、定性的研究を実施した。参加者は、日米それぞれ24人のプライマリケア医(合計48人)。両群ともに地理的因子(地方/都市部)、性別、年齢、プライマリケア医としての経験年数が混在していた。 主な結果は以下のとおり。・日米ともに、認知症診断に対し同様の診療を実施しており、認知症診断のベネフィットについての見解も一致していた。・しかし、認知症診断を下す適切なタイミングについて違いが認められた。・日本のプライマリケア医は、家族が介護サービスを受けるうえで問題が発生した場合に診断を下す傾向があった。・米国のプライマリケア医は、健康診断で認知症をスクリーニングし、認知症の早期診断に積極的であり、事前指示書の作成などのために患者自身が意思決定可能な時期に診断を行えるよう努めていた。・日米における認知症診断の適切なタイミングに関する見解は、認知症の患者および家族をサポートするために利用可能な医療または介護サービスの影響を受けていると考えられる。 著者らは「認知症診断は、日本では介護サービス利用に際して行われるのに対し、米国では早期介入や事前指示書の作成などのために行われている。プライマリケア医による認知症の早期診断を確立するための検査は、利用可能な検査および治療選択肢に一部のみ関連していた」としている。

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精神疾患発症リスクの高い人に対する抗精神病薬の予防効果

 既存のガイドラインでは、精神疾患における臨床的にハイリスクな人に対する抗精神病薬の使用は推奨されていないが、抗精神病薬がハイリスクな人の精神疾患を予防できるかは、よくわかっていない。中国・上海交通大学医学院のTianHong Zhang氏らは、精神疾患発症リスクの高い人において、抗精神病薬の予防効果を比較するため、本研究を実施した。European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience誌オンライン版2021年9月18日号の報告。 統合失調症前駆症状の構造化面接(SIPS)を用いて精神疾患発症リスクの高い人300人を特定し、3年間フォローアップを行った。ベースライン時にNAPLS-2リスク計算(NAPLS-2-RC)を実施した人は228人(76.0%)、フォローアップが完了した人は210人(92.1%)であった。リスクレベルに応じて層別化を行った。ハイリスクの定義は、NAPLS-2-RCスコア20%以上およびSIPS陽性症状合計スコア10以上とした。主要アウトカムは、精神疾患発症、機能アウトカム不良(フォローアップ時のGAFスコア60未満)とした。 主な結果は以下のとおり。・精神疾患発症リスクの高い人において、抗精神病薬使用の有無により、精神疾患発症や機能アウトカム不良に有意な差は認められなかった。・抗精神病薬治療を受けたリスクの低い人では、抗精神病薬を使用しなかった人と比較し、機能アウトカム不良の割合が高かった(NAPLS-2-RC推定リスク:χ2=8.330、p=0.004、陽性症状重症度:χ2=12.997、p<0.001)。・精神疾患発症予防に効果的な因子は特定されなかった。また、高用量の抗精神病薬で治療された精神疾患発症リスクの高い人において、機能アウトカム不良リスクに有意な増加が認められた。 著者らは「精神疾患発症リスクの高い人に対する抗精神病薬治療は、機能アウトカム不良リスクを考慮する必要がある。また、実臨床下において、抗精神病薬使用が精神疾患発症予防に寄与するとは考えにくいことが示唆された」としている。

2292.

反復性片頭痛に対するスマホベース音楽介入

 片頭痛は、世界中で多くの患者が苦しんでいる疾患の1つである。従来の予防薬や行動に基づく介入は、片頭痛発作の予防的治療として用いられてきた。しかし、原発性頭痛障害患者に対する代替介入のベネフィットについては、十分に調査されていなかった。フランス・CHU La Reunion-GHSRのGuilhem Parlongue氏らは、反復性片頭痛に対する患者の自己管理による音楽介入の影響について調査するため、パイロット研究を実施した。Complementary Therapies in Medicine誌オンライン版2021年9月30日号の報告。 対象は、反復性片頭痛患者20例(女性:17例、平均年齢:42歳)。患者は、治療開始前に頭痛の重症度、頭痛に関連する不安や抑うつなどの精神病理学的症状および機能障害に関する情報を評価され、薬物摂取に関するレポートを提出した。介入期間3ヵ月の間に、1~2回/日の音楽セッション(Uシークエンスベースの音楽)を15回/月以上実施した。 主な結果は以下のとおり。・介入後、片頭痛発作の頻度に有意な減少が認められた(MDiff=-2.8、p=0.01)。・片頭痛発作の頻度が50%以上減少したと報告した患者は10例であった。・薬物摂取量(MDiff=-2.85、p=0.02)、片頭痛発作の持続時間(MDiff=-5.45、p=0.002)、不安症状(MDiff=-1.65[2.88]、p=0.02)、抑うつ症状(MDiff=-2.45[3.5]、p=0.002)の有意な減少も認められた。 著者らは「音楽介入は、片頭痛発作の有意な減少に寄与する可能性が示唆された。さらなる調査のためにも、十分管理された臨床試験が求められる」としている。

2293.

双極性障害診断の遅延に関連する要因

 双極性障害の診断は、遅延することが少なくない。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のKamyar Keramatian氏らは、双極性障害の診断遅延に関連する臨床的および人口統計学的要因を調査した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2021年10月1日号の報告。 診断遅延は、初回気分エピソード(うつ状態、躁状態、軽躁状態)時の年齢と双極性障害と診断された年齢との差として定義した。データは、カナダの多施設自然主義的研究より抽出した。双極I型障害192例、双極II型障害127例を対象にHOPE-BD(Health Outcomes and Patient Evaluations in Bipolar Disorder)研究を実施した。これまで双極性障害の診断遅延と関連していると考えられていた社会人口統計学的特徴および臨床的特徴を分析に含めた。 主な結果は以下のとおり。・診断遅延の中央値は、双極I型障害で5.0年、双極II型障害で11.0年であった。・診断遅延の長さと関連していた因子は、早期発症、自殺企図歴、不安症の合併などの臨床的要因であった。一方、診断遅延の短さと関連していた因子は、精神症状の存在や精神科入院歴であった。・分位点回帰分析では、双極I型障害および双極II型障害の診断遅延の増加を予測する因子は、専門家相談時の年齢の高さと発症年齢の低さであった。・初回エピソードでのうつ状態は、双極II型障害ではなく双極I型障害の診断遅延の予測因子であった。 著者らは「本調査により、双極性障害の診断遅延の現状および遅延に影響を及ぼす因子が特定された。双極性障害の早期診断と介入戦略実施の必要性があらためて浮き彫りとなった」としている。

2294.

急性躁症状に対する薬物療法~ネットワークメタ解析

 藤田医科大学の岸 太郎氏らは、成人双極性障害患者の急性躁症状に対する薬理学的介入の有効性、受容性、忍容性、安全性を比較するため、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。Molecular Psychiatry誌オンライン版2021年10月12日号の報告。 2021年3月14日までに公表された適格研究をPubMed、Cochrane Library、Embaseの各データベースより検索した。躁症状を有する成人を対象に10日以上の経口薬単剤治療を実施したランダム化比較試験(RCT)を適格研究とし、試験期間中に抗精神病薬によるレスキュー投与を行った研究は除外した。主要アウトカムは、治療反応(有効性)およびすべての原因による中止(受容性)とした。副次的アウトカムは、躁症状の改善と効果不十分による中止とした。 主な結果は以下のとおり。・適格研究79件のうち、23薬剤とプラセボによる72件の二重盲検RCTをメタ解析に含めた(平均研究期間:3.96±2.39週間、1万6,442例、平均年齢:39.55歳、男性の割合:50.93%)。・プラセボと比較し、治療反応が高かった薬剤は、アリピプラゾール、アセナピン、カルバマゼピン、cariprazine、ハロペリドール、リチウム、オランザピン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドン、タモキシフェン、バルプロ酸、ziprasidoneであった(56研究、1万4,503例)。・プラセボと比較し、すべての原因による中止が少なかった薬剤は、アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、すべての原因による中止が多かった薬剤は、トピラマートであった(70研究、1万6,324例)。・プラセボと比較し、躁症状の改善が認められた薬剤は、アリピプラゾール、アセナピン、カルバマゼピン、cariprazine、ハロペリドール、リチウム、オランザピン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドン、タモキシフェン、バルプロ酸、ziprasidoneであった(61研究、1万5,466例)。・プラセボと比較し、効果不十分による中止が少なかった薬剤は、アリピプラゾール、アセナピン、カルバマゼピン、cariprazine、ハロペリドール、リチウム、オランザピン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドン、バルプロ酸、ziprasidoneであった(50研究、1万4,284例)。 著者らは「各抗精神病薬、カルバマゼピン、リチウム、タモキシフェン、バルプロ酸は、急性躁症状の治療に有効であることが示唆された。ただし、プラセボよりも良好な受容性が認められた薬剤は、アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドンのみであった」としている。

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若年性認知症患者さんを支える諸制度・保険の知識【コロナ時代の認知症診療】第9回

EODで鑑別すべきはうつ病関連だけではない若年性認知症(EOD)にかかっていることに、当事者や家族、同僚などの周りが早期から気づくことは稀である。経験的に、本人は何となくこれまでとは違うなと違和感を抱いていることもあるがまったく無頓着であることも多い。勤務している人の場合、変調に一番気づいているのは、本人の失敗を直接に被りやすい同僚や部下だろう。最近では一定規模以上の会社において、ストレスチェックが義務化され、「うつ病」の概念が浸透しているので、こうした当事者に対してうつ病やその周辺疾患などを想起する人が多いかもしれない。前回述べたように、認知症に派生する問題が事例化してくると、会社も捨て置けなくなって受診を促すことになる。ストレスチェックの結果を心配する人に、産業医が最初の相談先とされるせいか、まずこうした医師への相談が勧められることが多い。しかし産業医で認知症を専門とする人は例外的だろう。そこでかかりつけ医を夫婦で受診することも多いようだ。EODで鑑別すべきはうつ病関連だけではない。てんかんや睡眠時無呼吸症あるいは遅発性の妄想性疾患などと幅広い。仮にEODと診断が固まっても当事者が現役で家族の大黒柱の場合には、その人のこれからを思うと容易に診断名は告げられない。それだけに認知症専門医への相談が必要になる。知り合いに専門医がいない場合には、ネット検索がいいだろう。日本老年精神医学会か日本認知症学会のホームページをみれば、地域別に専門医の氏名や所属機関、また外来日などがわかるはずである。なおここまで男性の勤務者を想定して既述したが、EODの約半数は女性である。その場合も基本は同じだろう。知っておきたい「傷病手当金」や「精神障害者保健福祉手帳」さて次は治療となるが、既存4薬以外にこれというものがない。確かにアルツハイマー病に対してのAducanumabが2021年6月にアメリカで承認されたところだが、その使用に要する精査や経費などを考えると、当面はわが国での投与はそう容易ではない。それだけに福祉的な対応の基本は知っておきたい。EODの人に対する組織の姿勢はさまざまである。ピンは、その職場の中で定年の時まで働いてもらおうというものである。職位や給料は下がっても、その時々の能力に応じてできることを組織内のどこかでやってもらうというところもある。そうした組織の姿勢はさておき、医療者が関わる面について以下に述べる。福利厚生では、休職になるケースが多いだけに、まず基本は傷病手当金である。これは、病気やけがのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給される。連続して休んだ日があった場合、4日目以降、休んだ日に対して支給され、その期間は、支給を開始した日から最高1年6ヵ月である。なお退職後でも、ある条件を満たしていれば、引き続いて残りの期間も傷病手当金を受けることができる1)。次は「精神障害者保健福祉手帳」である。これは認知症などの精神疾患があり、日常生活に支障をきたす場合に申請できる。さらに血管性認知症やレビー小体型認知症などにより身体症状がある場合には、「身体障害者手帳」に該当する例もある。これに関連して、従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務がある。(障害者雇用促進法43条第1項)。具体的に、民間企業の法定雇用率は2.3%。従業員を43.5人以上雇用している事業主は、障害者を1人以上雇用しなければならない、とされる。この「障害者」の範囲については、障害者雇用率制度の上では、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所有者を実雇用率の算定対象としている(短時間労働者は原則0.5人カウント)。患者さんの生活を支えるために、医師にできること以上の公的な制度に加えて、民間でも使えるものがある。その代表が生命保険の高度障害である。これは被保険者が、責任開始期(日)以後の病気やケガを原因として、両眼の視力や言語機能を永久に失ったときなど、定められたいずれかの障害状態に該当した場合に、死亡保険金と同額の高度障害保険金が受け取られるものである。具体的な障害内容として、1)両眼の視力を全く永久に失ったもの、2)言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの、3)中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの、など7つの例が示されていることが多い。特記すべきは、認知症は入っていないことである。したがっていわば寝たきりになった認知症ではなく、「動ける状態の認知症」では2)もしくは3)の障害として、医師は診断書を書くのが現実である。なお一回では申請が受理されなくても、状態の進行に応じて繰り返し申請すれば必ず受理されることを経験してきた。参考1)全国健康保険協会「傷病手当金について」

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双極性障害における神経認知と心理社会的機能に対する性差の影響

 双極性障害の臨床的特徴や疾患経過に性差が影響するといわれている。スペイン・バルセロナ大学のBrisa Sole氏らは、寛解期双極性障害患者の大規模サンプルにおける神経認知機能と心理社会的機能に対する性差の影響について検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2021年9月25日号の報告。 対象は、双極性障害患者347例(男性:148例、女性199例)および健康対照者115例(男性45例、女性70例)。6つの認知領域および心理社会的機能を評価する包括的な神経心理学的バッテリーのパフォーマンスは、線形混合モデルを用いて評価した。主要効果として、性別および群間で比較し、ランダム効果として、性差による群間で比較した。 主な結果は以下のとおり。・男性は女性と比較し、作業記憶(p<0.001)のパフォーマンスが優れていた。・女性は男性と比較し、言語学習(p=0.03)および記憶認知(p=0.03)のパフォーマンスが優れていた。・性差による群間における認知機能の有意な差は認められなかった。・心理社会的機能では、全体的な性差および性差による群間における違いは認められなかった。・本検討では、視空間作業記憶に関する評価は行わなかった。 著者らは「双極性障害における神経認知および心理社会的機能に関して、全体的な性差は認められなかった。しかし、作業記憶や言語記憶などの一部に違いが認められた。特定のニーズに合わせ個別化された治療計画を実行するためには、性別を含む各患者の個人差を考慮する必要がある」としている。

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うつ病・不安症患者の病欠や職場復帰のパターン

 不安症やうつ病による病欠は、差し迫った公衆衛生上の問題である。ノルウェー科学技術大学のKenneth Sandin氏らは、うつ病および不安症の患者における仕事に焦点を当て、治療前、治療中、治療後の病欠パターンを特定するため、29.5ヵ月に及ぶ縦断的研究を行った。また、これらの軌跡の背景と臨床的特徴との関連も併せて調査を行った。BMJ Open誌2021年9月29日号の報告。 患者の背景や臨床データは、専門のメンタルヘルスケアクリニックにおける観察研究で実施した患者の自己報告(619例)に基づき収集した。病欠に関する情報は、national registry dataより収集した。軌跡の特定には、潜在成長混合モデルを用いた。背景特性の違いは多項ロジスティック回帰を、臨床的な違いは一元配置分散分析(one-way ANOVA)を用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。・次の3つの軌跡が特定された。●レジリエント群:47.7%●リカバリー群:31.8%●ハイリスク群:20.5%・レジリエント群は、期間を通じて病欠が少なかった。・他の2群は、治療前と同様の軌跡を示し、1年前に病欠が少なかった人では治療開始時に病欠リスクの増加が認められた。・治療後、リカバリー群は、ほぼ職場復帰が果たされたが、ハイリスク群は病欠リスクが高いままであった。・リカバリー群およびハイリスク群は、レジリエント群と比較し、女性の割合が高く、より高齢であった。・すべての群において、治療開始時には同様の臨床スコアが示されたが、ハイリスク群では、治療終了後も抑うつ症状の残存が認められた。・不安症およびうつ病のエフェクトサイズは、すべての群において中~大であり(Cohen's d=0.74~1.81)、87.2%は治療1年後には完全に職場復帰していた。 著者らは「軌跡の異なる3つの群が確認された。女性と高齢は、治療開始時の病欠リスクの高さと関連が認められ、治療終了時の抑うつ症状の残存は、継続的な病欠を予測していた。患者の特性に合わせて治療を調整し、層別化することで、将来の患者の治療アウトカムが改善する可能性がある」としている。

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精神的ストレスによる心筋虚血で、CHDの心血管死/心筋梗塞リスクが増大/JAMA

 安定冠動脈疾患(CHD)では、精神的ストレス(人前でのスピーチで誘発し測定)による心筋虚血を有する患者は、このような虚血がない患者と比較して、心血管死/非致死的心筋梗塞のリスクが有意に高く、精神的ストレスによる虚血と運動などの従来型の負荷試験による虚血の双方を呈する患者は、従来型の負荷試験による虚血のみの患者に比べ、同リスクが増加していることが、米国・エモリー大学のViola Vaccarino氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2021年11月9日号に掲載された。米国の前向きコホート研究の統合解析 研究グループは、CHD患者における有害な心血管イベントの発生に、精神的ストレスよる心筋虚血や従来型の負荷試験による心筋虚血が関連するかの評価を目的に、米国の2つの前向きコホート研究の統合解析を行った(米国国立心肺血液研究所[NHLBI]などの助成を受けた)。 解析には、2011年6月~2016年3月の期間に、アトランタ市の大学ベースの病院ネットワークが実施した、同様のプロトコールを持つ2つの試験(Mental Stress Ischemia Prognosis Study[MIPS]、Myocardial Infarction and Mental Stress Study 2[MIMS2])に登録された安定CHD患者が含まれた。MIPSには、年齢30~79歳でCHDの既往歴のある集団、MIMS2には、過去8ヵ月以内に心筋梗塞による入院歴があり、心筋梗塞発症時の年齢が18~60歳の集団が含まれた。 被験者は、標準化された精神的負荷試験(2分の準備後に、少なくとも4人の聴衆[評価者]の前で3分のスピーチを行う)および従来型の負荷試験(運動[標準的なBruceプロトコール]、運動ができない場合は薬剤[regadenoson]の投与)を受け、単一光子放射断層撮影法(SPECT)を用いて心筋血流が撮像された。 主要エンドポイントは、心血管死と非致死的な初発/再発心筋梗塞の複合とされた。臨床での有用性の評価には、さらなる研究が必要 918例(平均年齢60歳、女性34%)が解析の対象となった。618例がMIPS、300例はMIMS2の参加者だった。このうち、147例(16%)で精神的ストレスによる心筋虚血が、281例(31%)で従来型負荷試験による心筋虚血が認められ、96例(10%)では両方がみられた。追跡期間中央値は5年で、この間に主要エンドポイントが156例で発現した。 主要エンドポイントのイベント発生率は、精神的ストレスによる虚血がみられた患者で100人年当たり6.9、精神的ストレスによる虚血がない患者では100人年当たり2.6であった。精神的ストレスによる虚血がある患者の、精神的ストレスによる虚血がない患者に対する、多変量で補正後のハザード比(HR)は2.5(95%信頼区間[CI]:1.8~3.5)であり、精神的ストレスによる虚血は主要エンドポイントのリスクが高いことが示された。 イベント発生のリスクは、虚血がみられない患者(イベント発生率2.3/100人年)と比較して、精神的ストレスによる虚血のみがみられる患者(4.8/100人年、HR:2.0、95%CI:1.1~3.7)で有意に高く、精神的ストレスによる虚血と従来型負荷試験による虚血の両方がみられる患者(8.1/100人年、3.8、2.6~5.6)も同様に高リスクであった。一方、従来型負荷試験による虚血のみがみられる患者(3.1/100人年、1.4、0.9~2.1)では、虚血のない患者に比べ有意なリスク上昇は認められなかった。 また、精神的ストレスによる虚血と従来型負荷試験による虚血の双方を呈する患者は、従来型負荷試験による虚血のみの患者に比べ、主要エンドポイントのリスクが高かった(HR:2.7、95%CI:1.7~4.3)。 主要エンドポイント(心血管死、非致死的心筋梗塞)に心不全による入院を加えた副次エンドポイントのイベントは319例で発現した。イベント発生率は、精神的ストレスによる虚血がみられる患者が12.6/100人年と、精神的ストレスによる虚血がない患者の5.6/100人年に比べて高かった(補正後HR:2.0、95%CI:1.5~2.5)。 著者は、「これらの知見は、心筋虚血のメカニズムの本質に迫る洞察をもたらす可能性があるが、精神的ストレスによる虚血の検査が臨床現場で有用かを評価するには、さらなる研究を要する」としている。

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双極性障害患者の生理機能に対する加齢の影響

 双極性障害患者は、平均寿命が短く、生物学的な老化が加速している可能性がある。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのJulian Mutz氏らは、双極性障害患者と健康対照者における生理学的加齢に伴う変化の違いについて調査を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2021年9月21日号の報告。 UK Biobankにて、2006~10年に37~73歳の50万人以上の参加者を募った。年齢、握力、心血管機能、体組成、肺機能、骨密度との関連を調査するため、一般化加法モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・主要データセットより、27万1,118人(平均年齢:56.04歳、女性の割合:49.60%)のデータを分析した。・握力、血圧、脈拍、体組成に関して、双極性障害患者と健康対照者との間に有意な差が認められた(標準化平均差最大値:-0.24、95%CI:-0.28~-0.19)。・肺機能、骨密度、動脈硬化の違いを示すエビデンスは限定的であった。・最も明らかな加齢に伴う変化の違いは、心血管機能(男女)と体組成(女性のみ)であった。・双極性障害患者と健康対照者とのこれらの差は、年齢とともに均一に変化するわけではなく、性別により異なっていた。たとえば、男性における収縮期血圧の差は、50歳の-1.3mmHgから65歳の-4.7mmHgへ増加が認められ、女性における拡張期血圧の差は、40歳の+1.2mmHgから65歳の-1.2mmHgへ低下が認められた。・本検討の限界として、双極性障害のサブタイプ別に分析を行っていない点および他の年齢層で一般化されない可能性があることが挙げられる。 著者らは「双極性障害患者は、健康対照者と比較し、心血管および体組成の測定値に最も顕著な違いが認められた。中年期の心血管および代謝関連のスクリーニングは、潜在的な死亡リスクの抑制に寄与する可能性がある」としている。

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日本人低出生体重児におけるADHDリスク

 小児の注意欠如多動症(ADHD)特性には、出生時の体重を含む遺伝的要因および出生前、周産期の因子が関連している。浜松医科大学のMohammad Shafiur Rahman氏らは、日本人小児の出生時体重とADHD特性との関連に対するADHDの遺伝的リスクの影響について、調査を行った。BMC Medicine誌2021年9月24日号の報告。 日本人小児におけるADHDの遺伝的リスクや低出生体重とADHD特性との関連を調査するため、縦断的出生コホート研究(浜松母と子の出生コホート研究)を実施した。小児1,258人のうちフォローアップを完了した8~9歳児796人を対象に分析を行った。出生体重別に、2,000g未満、2,000~2,499g、2,500g以上の3群に分類した。ADHDのポリジーンリスクスコアは、大規模ゲノムワイド関連解析のサマリーデータを用いて生成した。ADHD評価尺度IV(ADHD-RS)は、親からの報告に基づきADHD特性(不注意および多動性/衝動性)を評価した。以前の研究と同様に、性別、子供の出生順位、出生時の在胎週数、出産時の母親の年齢、学歴、妊娠前のBMI、妊娠前または妊娠中の喫煙状況、妊娠中のアルコール摂取、父親の年齢、教育、年間世帯収入を共変量とした。出生時の体重とADHD特性との関連を評価するため、潜在的な共変量で調整した後、多変量負の二項分布を用いた。出生時の体重群とバイナリーポリジーンリスクとの相互作用をモデルに追加した。 主な結果は以下のとおり。・出生体重2,000~2,499g群では、ADHD特性との関連は認められなかった。・出生体重2,000g未満群では、不注意および多動性との有意な関連が認められた。・ADHDの遺伝的リスクとの関連については、遺伝的リスクが高く、出生体重2,000g未満群の場合のみ、不注意(RR:1.56、95%CI:1.07~2.27)および多動性(RR:1.87、95%CI:1.14~3.06)との関連が認められた。 著者らは「2,000g未満の低出生体重は、ADHDの遺伝的リスクとともに、8~9歳の日本人小児のADHD特性レベルを上昇させる因子であることが示唆された。この低出生体重とADHDとの関連は、ADHDに対する遺伝的感受性を有する小児に限定されており、病因における遺伝的環境の相互作用との関連が認められた」としている。

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