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日本のワクチン忌避者は11%、若年女性は高齢男性の3倍に

 2021年6月25日、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は、日本初の新型コロナワクチン忌避に関する大規模オンライン調査の結果を発表した。 この調査は、NCNPトランスレーショナル・メディカルセンター大久保 亮氏、福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター吉岡 貴史氏、大阪市立大学大学院公衆衛生学大藤 さとこ氏、聖路加国際病院松尾 貴公氏、大阪国際がん研究センター田淵 貴大氏らの合同研究チームが行ったもので、結果はVaccines誌2021年6月号に掲載された。 研究チームは、2021年2月8〜26日に日本全国の2万6,000人を対象にワクチン接種の意向に関するオンライン調査を実施した(有効回答数は2万3,142人)。 「新型コロナワクチン接種を接種したいか」という設問に対する「接種したい」「様子を見てから接種したい」「接種したくない」の3つの選択肢の中から、「接種したくない」を選択した回答者を「ワクチン忌避者」と定義づけた。 主な結果は以下のとおり。・ワクチン忌避者の割合は11.3%だった。年齢・性別で層別化すると、若年(15~39歳)女性の15.6%から高齢(65~79歳)男性の4.8%まで、大きなばらつきがあった。・ワクチン忌避の理由として最も多かったのは、「副反応への懸念」(74%)だった。・日本のワクチン忌避者の割合は、海外での調査で明らかになったものとほぼ同等で、若年者の割合は高齢者の2倍以上だった。・若年・女性のほかにワクチン忌避者の割合が高くなる背景としては、一人暮らし、年間100万円未満の低所得、中学卒業および短大・専門学校卒業の教育歴、政府ないしコロナ政策への不信感、重度の気分の落ち込みがある、が挙がった。 研究チームは、今回ワクチン忌避者の割合が高くなる背景が判明しており、これらの層にワクチンの適切な情報を確実に届けられるよう、措置を講じる必要があるとしている。

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第62回 ファイザーがデルタ株ワクチン開発、8月にも治験開始か

<先週の動き>1.ファイザーがデルタ株ワクチン開発、8月にも治験開始か2.今年4月の診療報酬がコロナ前を上回り、回復のきざし3.新制度による専門医資格、今秋から広告可能に4.来年度の社会保障費、高齢化で自然増6,600億円見込み5.外来化学療法や日帰り手術など、高度医療の状況報告へ6.20年度の医薬品回収は前年までの2倍超、今後の影響は?1.ファイザーがデルタ株ワクチン開発、8月にも治験開始か新型コロナワクチンBNT162b2(商品名:コミナティ筋注)を開発した米国・ファイザーとドイツ・BioNTechは、世界的に感染が広がる新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」に特化したワクチンの開発を進めていることを、8日付のプレスリリースで明らかにした。臨床試験は早ければ8月に開始予定という。また、デルタ株に対しては、従来型ワクチンの2回接種でもある程度の抗体ができるほか、3回目の追加接種によって、さらに抗体価を高めることが可能との見方も示した。3回目接種については、すでに治験で良好な結果が出ており、8月にも米国食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請する見込み。一方、今回の発表について、FDAとCDCは共同声明を発表し、現在使われているワクチンについて「接種を完了した人はデルタ株を含めた変異ウイルスに対しても重症化や死亡から守られている。現時点で、接種を完了した人に追加の接種は必要ない」としている。追加の接種に関しては、今後の科学的な知見に基づいて必要性が判断される。(参考)米ファイザー、デルタ株ワクチン開発 8月治験開始(時事ドットコム)ファイザー 変異ウイルス対応の新ワクチン 8月にも臨床試験へ(NHK)2.今年4月の診療報酬がコロナ前を上回り、回復のきざし厚労省は、新型コロナウイルス感染症による医療機関の収入の変化を、7日に開催した中央社会保険医療協議会の総会において報告した。今年4月分の診療報酬は、新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年同月比で、レセプト件数は-3.8%であるものの、総点数は+2.0%であった。受診患者数は増えない中も、さまざまな感染拡大防止策による診療報酬の加算によるものと考えられる。(参考)4月診療分総点数がコロナ前上回る、小児科診療所もプラス 厚労省、件数は依然戻らず(CBnewsマネジメント)資料 中央社会保険医療協議会 総会-コロナ・感染症対応(その1)(厚労省)3.新制度による専門医資格、今秋から広告可能に厚労省は8日、日本専門医機構による新専門医制度について、今秋からの認定開始に合わせて、基本領域19の専門医資格を広告可能とすることを「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」で承認した。現行のルールでは、同機構の規模等が基準を満たしていないため、専門医の資格名を広告することができなかった。一方、より専門性の高いサブスペシャルティ領域の専門医については、機構内で認定の範囲が定まっていないため、今後議論を重ねていくこととなる。(参考)専門医資格、基本領域は今秋から広告可能 サブスぺ領域は保留に(CBnewsマネジメント)資料 専門医に関する広告について(厚労省)第18回医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会(同)4.来年度の社会保障費、高齢化で自然増6,600億円見込み政府は、2022年度予算の概算要求基準で、高齢化に伴う社会保障費の自然増として6,600億円程度を見込んでいることが、6日に開催された経済諮問会議にて明らかとなった。2022年度の予算の全体像で示された社会保障改革は、将来の医療需要に沿った病床機能分化・地域連携の推進や、包括払いの在り方の検討、オンライン診療の適正かつ幅広い活用など診療報酬の見直しを求めている。今後は、全世代型社会保障に向けた実施状況の検証や、持続可能な社会保障の総合的な検討を行っていく。(参考)社会保障費自然増6600億円 高齢化進展でー22年度概算要求基準(時事ドットコム)各省庁からの予算要求、100兆円突破の見通し…団塊世代「後期高齢者」で社会保障膨らむ(読売新聞)令和3年第10回経済財政諮問会議(内閣府)5.外来化学療法や日帰り手術など、高度医療の状況報告へ厚労省は、7日に「外来機能報告等に関するワーキンググループ」を初開催し、今後、人口減少や高齢化などにより地域ごとに「担い手の減少」や「需要の質・量の変化」が進むことを含めて、地域において外来機能の明確化・連携を進めていくため、2022年度から病院に対して、外来化学療法や日帰り手術などの高度な「医療資源を重点的に活用する外来」の実施状況を報告させることを明らかにした。また、200床以上の一般病床がある病院には、紹介状なしで受診した外来患者から定額負担の徴収を義務付け、かかりつけ医との連携を進める方向で、今後、さらに検討を進めていく。(参考)外来医療、基幹病院を明確化 厚労省 22年度から(日経新聞)外来医療の拠点機関を位置付けへ、厚労省 一般200床以上なら定額負担徴収を義務化(CBnewsマネジメント)資料 外来機能の明確化・連携、かかりつけ医機能の強化等に関する報告書(厚労省)第1回外来機能報告等に関するワーキンググループ(同)6.20年度の医薬品回収は前年までの2倍超、今後の影響は?9日、厚労省は「医薬品・医療機器等の回収報告の状況について」を公表し、2020年度の医薬品の回収件数は341件で、前年までと比較して2倍以上に急増したことを明らかにした。同日に開催された薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会での報告。過去10年間、医薬品回収は200件を上回ることがなかったが、今年度は後発医薬品メーカーの製造体制を巡る問題をきっかけに、他メーカーも余波を受け、今年度に入っても状況は改善していない。この影響はしばらく続くと思われる。(参考)資料 医薬品・医療機器等の回収報告の状況について(厚労省)令和3年度 第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会(同)

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「売れなければ閉じればいい…」、閉院にいくらかかるかご存じですか?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第21回

第21回 「売れなければ閉じればいい…」、閉院にいくらかかるかご存じですか?漫画・イラスト:かたぎりもとこ診療所承継の相談を受けていると「まあ、売れなければ閉じますよ」とおっしゃる方がいます。ですが、実際のところ閉院というのは、そんなに簡単にできるものではありません。私たちも「閉院しようと思ったが、費用や労力がかかるので承継に切り替えたい」という逆の立場の方から相談を受けることがあります。閉院作業の何が大変なのでしょうか。まずは、今の患者さんを他院へ引き継ぐことです。通い慣れた患者さんを、それぞれの状況に見合った医療機関に紹介するのは手間暇のかかる仕事です。患者のレセプトは5年間保管する必要があり、その管理方法も決めなければなりません。テナントで開業していた場合、不動産の契約次第ですが、多くの場合は退去時に内装を原状復帰する必要があります。医療機器を廃棄するにも費用がかかりますし、とくにテナントをスケルトンに戻すのには300~600万円程度といった多額の費用を要するため、注意が必要です。医業承継と閉院で、かかる費用を比較してみましょう。<医業承継の場合>(1)譲渡金:2,000万円(仮)(2)医業承継の仲介手数料:▲520万円(3)テナントのスケルトン費用:▲0円(そのまま買い手が利用)(4)その他諸経費:▲50万円 ※テナント仲介契約費など 計:1,430万円<閉院する場合>(1)テナントのスケルトン費用:▲300万円(2)その他諸経費:▲100万円 ※医療機器廃棄費など 計:▲400万円上記のとおり、金銭的なメリットは医業承継が勝ることがわかります。閉院を検討する際にも医業承継などその他の方法と、労力、費用、得られる対価などを比較し、そのうえで判断することをお勧めします。

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中国製不活化ワクチン、3~17歳に良好な安全性と免疫応答

 新型コロナワクチンの成人に対する接種が世界的に広がっているが、小児に対する有用性を検証することを目的とした臨床試験も進んでいる。中国において3~17歳の小児および青年を対象とした研究の結果が発表された。The Lancet Infectious Diseases誌オンライン版6月28日号掲載の報告。 中国・河北省にある疾病対策センターで、3~17歳の健康な小児および青年を対象に、中国Sinovac Biotech社の不活化ワクチン「CoronaVac」(WHO緊急使用リストおよび33ヵ国で承認済み)の二重盲検無作為化比較第I/II相試験を行った。 参加者はSARS-CoV-2への曝露または感染歴のある人は除外され、ワクチン群と対照群(ミョウバンのみ)に割り付けたうえで、2回接種(0日目と28日目)を受けた。 第I相試験は、72例を対象に、各年齢層(3~5歳、6~11歳、12~17歳)を低用量段階(ブロック1)から高用量段階(ブロック2)へ順に割り付けた。ブロック1は低用量ワクチン群(1.5μ)または対照群(ミョウバンのみ)、ブロック2は高用量ワクチン群(3.0μg)または対照群に3:1で無作為に割り付けた。 第II相試験は、480例を対象に、3ブロックに分け、ブロックごとに低用量ワクチン群(1.5μg)、高用量ワクチン群(3.0μ)、対照群に2:2:1で無作為に割り付けた。 安全性の主要評価項目は、少なくとも1回の接種を受けた全参加者における28日以内の有害反応であった。免疫原性の主要評価項目は、2回目接種から28日後のSARS-CoV-2に対する抗体陽転率だった 主な結果は以下のとおり。・2020年10月31日~12月2日に72例が第I相、2020年12月12日~30日に480例が第II相に登録され、計550例がワクチンまたはミョウバンのみを少なくとも1回接種された(第I相71例、第II相479例)。・第I相と第II相を合わせた安全性プロファイルでは、接種後28日以内に何らかの副反応が発生したのは、1.5μg群56/219(26%)、3.0μg群63/217(29%)、対照群27/114(24%)であり、有意差はなかった(p=0.55)。・副反応の多くは軽度および中等度であった。最も高い頻度で報告されたのは注射部位の痛み(73/550[13%])で、1.5μg群36/219(16%)、3.0μg群35/217(16%)、対照群2/114(2%)に発生した。・2021年6月12日現在、対照群で肺炎の重篤な有害事象が1件報告されているが、ワクチン接種とは無関係と考えられている。・第I相試験では、2回目接種後に抗体陽転が1.5μg群27/27(100%)、3.0μg群26/26人(100%)に認められた。第II相試験では、1.5μg群180/186(96.8%)、3.0μg群180/180(100%)に認められた。対照群では検出可能な抗体反応はなかった。 研究者らは、この研究は不活化ワクチンを3~17歳の小児および青年を対象に試験を実施した初めての報告であり、CoronaVacは3~17歳の小児および青年において忍容性が高く安全であり、体液性免疫応答を誘導した。3.0μg投与で誘導された中和抗体価は1.5μg投与よりも高い免疫応答を示し、今回の結果は小児および青年を対象とした今後の研究において3.0μgの投与量と2回の免疫スケジュールの使用を支持するものである、としている。

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切り傷の縫合処置(創部確認~局所麻酔~消毒)【漫画でわかる創傷治療のコツ】第3回

第3回 切り傷の縫合処置(創部確認~局所麻酔~消毒)《解説》前回は、擦過傷(擦り傷)についての基礎的な解説をしました。今回は、切創の縫合処置について、基本的なことを何回かに分けて説明していこうと思います。※咬傷などの術後感染が懸念される場合については、また別途解説予定です。けがから8時間以内の切り傷は一次縫合の適応受傷後8時間以内で汚染が少ないと考えられる切創であれば、縫合処置で一次治癒(切り傷がそのままくっついて、傷痕が少なく治る状態)を目指しましょう。その場で縫合を行うかの判断は、創の部位、汚染の有無、基礎疾患などを考慮し、リスクを患者さんにしっかり説明したうえで行います。どうしても迷って決断できない場合や、縫合の手技が難しいと考えた場合は、洗浄と軟膏処置のみ行い、できるだけ早めの形成外科受診を促してください。それでは、実際の処置の流れを説明します。(1)創部の確認まずは、創を簡単に確認しましょう。顔面は、眼瞼や耳介、鼻など特徴的な形態の部位が多く、また口唇の赤唇と白唇といった解剖学的に境界線を有する組織もあるため、ランドマークは先にマーキングしておきましょう。後ほどの処置で、局所麻酔薬による腫脹やエピネフリンによる血管収縮で境界がわからなくなってしまうことがあります。(2)洗浄:必要に応じて局所麻酔と組み合わせる前回取り上げた擦過傷と同様に、洗浄が大切です! 切創の場合、洗浄前に縫合処置の必要性が高そうだと判断できるならば、先に局所麻酔をしておくと、創部を観察しやすくなるのでおすすめです。とくに小児の場合は、表面麻酔をしてから局所浸潤麻酔をすると、麻酔時の痛みも軽減できます。洗浄の方法については、前回の記事も参考にしてください。(3)局所麻酔皮膚表面の外傷に対して主に使用するのは、表面麻酔、浸潤麻酔、伝達麻酔です(ほかに、脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔などがあります)。外来で最も一般的なのは局所浸潤麻酔で、薬剤を皮下や粘膜下に直接注射して浸潤させる方法です。表に、よく使用する局所麻酔薬をまとめました。pKaは作用発現の速さ、分配係数は効果の強さ、蛋白結合率は作用時間の長さと関連しています。たとえば、リドカインだと数分で麻酔が効いてきて、1〜1.5時間(エピネフリン添加であれば2時間)作用が持続しますよ!表:よく使用する局所麻酔薬と各指標なお、麻酔にはリスクが伴うことも念頭に置いておきましょう。薬剤の血中濃度が高くなり過ぎると、中枢神経や心筋のナトリウムチャネル遮断が起こり、中毒症状(めまい、舌のしびれ、耳鳴り、多弁、興奮状態、意識障害、痙攣、昏睡、呼吸停止、循環虚脱)が発現する恐れがあります。麻酔前に同意書を書いていただく際などに、再度リスクについての説明をしておきましょう。禁忌や慎重投与(陰茎、指鼻などの末端部位)でなければ、1%エピネフリン含有リドカインを使うことが多いです。エピネフリンは血管収縮の作用があり止血効果、麻酔薬作用時間の延長効果があります。しかし、動悸頻脈を引き起こすことがあるので注意しましょう。《麻酔時の痛みが出やすいタイミングと対処法》注射薬や洗浄時に皮膚が切れるとき⇒表面麻酔を併用し、30Gなどの細い注射針を使用しましょう。薬剤が浸潤するとき⇒最初は狭い範囲に注射を行い、薬剤をゆっくり注入(slow injection)して、薬が浸潤したところから徐々に広げていきましょう。pH調整(炭酸水素ナトリウム注射液を約10%混ぜるなど)も有効です。極量とは:これを超える量は局所麻酔薬中毒を誘発する危険性が高く、使用してはならない量。極量の半分を超える用量を目安に注意を要します。例)リドカイン1%の極量は5mg/kg(体重50kgの場合25mL) エピネフリン含有リドカイン1%の極量は7mg/kg(同上35mL)(4)その他の麻酔方法:ブロック麻酔指や顔でも、範囲が大きい場合はブロック麻酔を使うと便利です。《指ブロック麻酔》エピネフリンを添加していない麻酔薬を用いることが多いです。指の神経は、漫画にも示した図のように手背側では伸筋腱の両側面の皮下を走行しており、手掌側ではMP関節(指の付け根)の付近で二つに分かれて屈筋腱の両側を走行しています。そのため、指間部で背側2ヵ所、掌側2ヵ所に麻酔薬を注入します。《顔面のブロック麻酔》鼻などはかなり痛みが強い部位なので、顔の神経ブロックを併用すると薬剤の注入時も疼痛が軽減できます。眼窩上神経は三叉神経第1枝の抹消枝であり、眉毛部や前額部の痛みに適応、眼窩下神経は三叉神経第2枝領域であり、下眼瞼や上口唇、鼻腔領域の痛みに適応します。また、オトガイ神経ブロックは、下口唇や頤部の痛みに適応します。切創ではとくに、創部の除痛をしっかり行って洗浄しましょう。砂や小石などの異物はすべて取り除きます。この時に、損傷の深さはどのくらいなのか(たとえば、皮下組織までにとどまっているのか、筋層まで断裂しているのか、腱や神経、主要な血管の損傷がないかなど)を再確認しましょう。(5)消毒、ドレーピング縫合前準備の仕上げとして、縫合する範囲とその周囲を消毒しましょう。顔面にエタノールは、目や粘膜の刺激になるので絶対にやめてくださいね!外来なら、クロルヘキシジン0.05%やポビドンヨードなどが置いてあると思います。ポビドンヨードは術野に色が付いてしまうので、状況によって使い分けてくださいね。今回は、縫合前の準備についてまとめました。次回は、縫合に使用する道具の選択や使い方について解説していく予定です!参考1)波利井 清紀ほか監修. 形成外科治療手技全書I 形成外科の基本手技1. 克誠堂出版;2016.2)日本形成外科学会, 日本創傷外科学会, 日本頭蓋顎顔面外科学会編. 形成外科診療ガイドライン2 急性創傷/瘢痕ケロイド. 金原出版;2015.3)土肥 修司ほか編. イラストでわかる麻酔科必須テクニック. 羊土社;2019.4)菅又 章 編. PEPARS(ペパーズ)123 実践!よくわかる縫合の基本講座<増大号>. 全日本病院出版会;2017.5)岡崎 睦 編. PEPARS(ペパーズ)127 How to局所麻酔&伝達麻酔. 全日本病院出版会;2017.6)一般社団法人 日本創傷外科学会ホームページ

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医師のふるさと納税、最も高額な寄付金と返礼品は?/1,000人に聞きました

 2008年から始まった「ふるさと納税」。言葉としては定着しているようだが、実際に医師の間にはどの程度浸透しているのだろうか。今回、医師の1回あたりの最高寄付金額や申込みの多い返礼品についてアンケート調査を行った。その結果、利用率は83%、人気の返礼品は肉類であることが明らかになった。また、1回の寄付金額が100万円以上と回答した医師は14人(利用者の1.7%)だった。一方、ふるさと納税を利用していない17%における大半の理由は“面倒くさい”だったが、「地元の税収を減らしたくない」「趣旨に賛同できない」などの意見も挙げられた。医師によるふるさと納税の平均寄付金額 今回の医師によるふるさと納税の平均寄付金額は50,001~100,000円が最多で、その回答者の多くは肉類(和牛、ブランド牛など)や魚介類(かに、うなぎ、いくら)などを受け取っていた。一般に目を向けると、NTTコム リサーチが昨年9月に全国20歳以上の男女1,122人に行ったふるさと納税の調査1)では、寄付金額は1回あたり5,001~10,000円が最多で、平均寄付回数は10.5回。回答者の6割強が肉類を、5割が魚介・海産物類を選んでいた。寄付金額は違えども肉類は最も人気の返礼品だと言えそうだ。<主な返礼品と1回あたりの平均寄付金額>・肉類(平均:7万5,163円、範囲:1万~65万円)・魚介・海産物類(同:5万9,560円、同:1万2,000~100万円)・家電・電子機器*(同:24万409円、同:2万~300万円)・家具/寝具(同:24万4,651円、同:2万~300万円)・お米(同:10万6,759円、同:1万~20万円)・果物**(同:4万5,628円、同:5,000~30万円)*パソコン、iPad、テレビなど**いちご、メロン、ぶどう、マンゴーなど[ケアネットふるさと納税で人気の返礼品を見る]ふるさと納税で日本の伝統工芸品を入手する医師も ふるさと納税に関しては、泉佐野市をはじめとする複数自治体で、特産物とは無関係なAmazonギフト券などを寄付金額以上の品物として返礼していたことが一時騒然となった。この問題を受け総務省は「2019年6月1日以降の返礼品は“寄付金に占める返礼品割合が3割以下”かつ“地場産品のみとする”」と厳格に定めている。これを機に各自治体は試行錯誤を重ね、各地の特色を生かしたさまざまな返礼品を用意しており、今回のふるさと納税アンケートに回答した医師の中にも日本の伝統工芸品やマニアにはたまらない体験型の商品を受け取っている人がいた。<一例>カッコ内は寄付金額・真珠(30万円)・切子細工(7万円)・マラソン出走権(10万円)・二条城10年入場証(100万円)医師がふるさと納税を始めたタイミング ふるさと納税を行っている医師は全体の8割強を占めているが、臨床研修医の多い20代を除く各世代のおよそ1割が2020年以降に始めていた。たまたまそのタイミングだったのか、はたまたコロナ禍が影響したのかは不明であるが、ふるさと納税に対してコロナが追い風になったことは1つの要因として考えられるのではないだろうか。また、近年ではふるさと納税をお中元やお歳暮として贈答する例も増えている。ただし、返礼品だとわかってしまうため家族間や親しい間柄の贈り物に限定したほうが良さそうだ。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。『ふるさと納税、医師はいくら寄付してる?』医師のためのふるさと納税サイト[ケアネットふるさと納税はこちら]

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誕生日会のCOVID-19リスクは?

 COVID-19の蔓延阻止のための政策の多くは、職場や食事の場などの集いに対応しているが、身内の集いが感染の場として重要かもしれない。米国・ランド研究所のChristopher M. Whaley氏らは、家族の誕生日後にCOVID-19が増加するかどうか調査することにより、パーティーと新型コロナウイルス感染との関連を調べた。その結果、COVID-19有病率の高い郡(county)の世帯において、誕生日がCOVID-19診断の増加と関連していることが示唆された。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2021年6月21日号に掲載。 本研究は、米国で民間保険に入っている290万世帯について、2020年1月1日~11月8日の全国的データを使用した横断的研究で、過去2週間に誕生日があった世帯とない世帯の新型コロナウイルス感染を比較した。その週における郡レベルのCOVID-19有病率によって層別化し、世帯の大きさ、週および郡による違いを調整した。本研究では、誕生日に関連した世帯レベルの感染率が、誕生日の種類(例:子供の誕生日/大人の誕生日、50歳の誕生日などの節目の誕生日)、毎週土曜日の郡レベルの降水量(パーティーを屋内にする可能性を考慮)、郡における政治的傾向、州における自宅待機の方針でどう異なるかについても比較した。 主な結果は以下のとおり。・研究対象の290万世帯のうち、COVID-19有病率が最も高い十分位数だった群において、過去2週間以内に誕生日があった世帯はなかった世帯に比べ、COVID-19診断が1万人当たり8.6人(95%CI:6.6~10.7)多く、郡レベルの有病率(1万人当たり27.8人)に対して31%増加していた。一方、COVID-19有病率が第5十分位数だった群では、誕生日があった世帯はなかった世帯に比べ、COVID-19診断が1万人当たり0.9人(95%CI:0.6~1.3)多かった(相互作用のp<0.001)。・COVID-19有病率が最も高い十分位数の世帯におけるCOVID-19の診断の増加は、子供の誕生日の後では1万人当たり15.8人(95%CI:11.7〜19.9)だったのに対し、大人の誕生日の後は1万人当たり5.8人(95%CI:3.7~7.9)だった(相互作用のp<0.001)。・節目の誕生日、郡の政治的傾向、降水量、自宅待機の方針による違いは認められなかった。

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妊娠中のインフルワクチン接種と出生児の健康アウトカム/JAMA

 妊娠中の母親のインフルエンザワクチン接種は、生まれた子供の健康アウトカムに悪影響を及ぼすことはない。カナダ・ダルハウジー大学のAzar Mehrabadi氏らが、追跡期間平均3.6年間の後ろ向きコホート研究の結果を報告した。妊娠中に季節性インフルエンザワクチンを接種することで妊婦や新生児のインフルエンザ疾患を減らすことができるが、妊娠中のワクチン接種と小児期の有害な健康アウトカムとの関連については、報告が限られていた。JAMA誌2021年6月8日号掲載の報告。最長5.5歳、平均3.6歳までの健康アウトカムと母親のワクチン接種との関連を解析 研究グループは、出生登録および出生登録とリンクしている健康管理データを用い、2010年10月1日~2014年3月31日の間にカナダのノバスコシア州で生まれたすべての出生児を対象に、母親の妊娠中の季節性インフルエンザワクチン接種、ならびに出生児の免疫関連疾患(喘息、感染症など)、非免疫関連疾患(腫瘍、感覚障害など)、および非特異的事象(緊急または入院医療の利用など)について、2016年3月31日まで追跡調査を行った(最短2年、最長5.5年、平均[±SD]3.6±1.1年)。 母親のワクチン接種の有無と出生児の健康アウトカムについて、母親の病歴およびその他の交絡因子を調整し、逆確率重み付け(IPTW)法を用いてハザード比(HR)と発生率比(IRR)、ならびにその95%信頼区間(CI)を算出した。喘息、感染症、腫瘍、感覚障害などいずれも有意な関連なし 解析対象の出生児は、2万8,255例(女児49%、妊娠37週以上の出生児92%)であった。このうち、1万227例(36.2%)が、季節性インフルエンザワクチンの接種を妊娠中に受けた母親から生まれた。 追跡期間平均3.6年間において、母親のインフルエンザワクチン接種は小児喘息、腫瘍および感覚障害と有意な関連はないことが認められた。母親の接種ありと接種なしにおける出生児1,000人年当たりの発生率は、小児喘息が3.0 vs.2.5(群間差:0.53[95%CI:-0.15~1.21]、補正後HR:1.22[95%CI:0.94~1.59])、腫瘍が0.32 vs.0.26(0.06[-0.16~0.28]、1.26[0.57~2.78])、感覚障害が0.80 vs.0.97(-0.17[-0.54~0.21]、0.82[0.49~1.37])であった。 また、母親のインフルエンザワクチン接種は、小児期早期の感染症(発生率184.6 vs.179.1、群間差:5.44[95%CI:0.01~10.9]、補正後IRR:1.07[95%CI:0.99~1.15])や、緊急または入院医療の利用(511.7 vs.477.8、33.9[24.9~42.9]、1.05[0.99~1.16])とも有意な関連は認められなかった。

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第66回 ModernaやPfizerのCOVID-19ワクチン説明書に心筋炎/心膜炎の警告をFDAが追加

米国疾病予防管理センター(CDC)会議での検討結果を受け、心筋炎や心膜炎(心臓を包む組織の炎症)がどうやら生じやすくなるとの警告(Warning)をModernaとPfizerの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)mRNAワクチンそれぞれの説明書(Fact Sheet)1,2)に米国FDAが追加しました3)。心筋炎や心膜炎はそれらワクチンの2回目の接種後にとくに生じやすいらしく、ほとんどの場合接種から数日以内に発症するようです。CDC検討会議の資料4)によるとmRNAワクチン2回目接種者100万人当たり約13人(12.6人)の割合で心筋炎/心膜炎が発生しています。接種を受ける人やその保護者向けの説明書(Fact Sheets for Recipients and Caregiver)も変更され、胸痛、息切れ、心臓の動悸(心拍の亢進、動揺、高ぶり)が接種後に生じたらすぐに診てもらう必要があるとの指示が付け加えられています。心筋炎や心膜炎の症状はほとんどの場合短期で解消するようですが、長期の転帰はまだ不明です。FDAとCDCは報告を検討し、より多くの情報を集め、数ヵ月の長期転帰を追跡する予定です。心筋炎や心膜炎がワクチンの説明書の警告に加えられたとはいえ、米国のワクチン接種支持に変わりはありません。ワクチン後の心筋炎や心膜炎は非常に稀であり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で生じることのほうがずっと多いことが知られています。それに、COVID-19の心臓への害は重症化する恐れがあります。米国保健行政代表や家庭・小児科・産婦人科・心臓・内科・看護・公衆衛生・地域医療・感染症の専門家たちは恩恵が害を遥かに上回るワクチンを許容可能な12歳以上の誰もが接種することを強く望んでいます5,6)。また、COVID-19ワクチンに伴う心筋炎様病態で入院した19~39歳の患者7例をCirculation誌に最近報告した著者らも接種の価値は害を引き続きだいぶ上回ると結論しています7)。それらのうち6例はModernaかPfizer/BioNTechのmRNAワクチン接種後、1例はJohnson & Johnson社のアデノウイルス仕様のCOVID-19ワクチン接種後のものでした。今月初めにPediatrics誌に報告された別の7例8)と同様に経過は概ね良好であり、治療にはβ遮断薬や抗炎症薬などが使われ、全員が症状解消の上で入院から2~4日以内に退院できました7,9)。参考1)EMERGENCY USE AUTHORIZATION (EUA) OF THE PFIZER-BIONTECH COVID-19 VACCINE TO PREVENT CORONAVIRUS DISEASE 2019 (COVID-19) 2)EMERGENCY USE AUTHORIZATION (EUA) OF THE MODERNA COVID-19 VACCINE TO PREVENT CORONAVIRUS DISEASE 2019 (COVID-19) 3)Coronavirus (COVID-19) Update: June 25, 2021 / FDA4)Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP) June 23, 2021 / CDC5)Statement Following CDC ACIP Meeting from Nation’s Leading Doctors, Nurses and Public Health Leaders on Benefits of Vaccination / AAP 6)Health officials, AAP urge COVID-19 vaccination despite rare myocarditis cases / AAP7)Rosner CM, et al. Circulation. 2021 Jun 16. [Epub ahead of print] 8)Marshall M,et al,. Pediatrics. 2021 Jun 4:e2021052478.9)Symptoms resolved in 7 patients with myocarditis-like illness after COVID-19 vaccination.AMERICAN HEART ASSOCIATION / EurekAlert

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妊婦、子供は?各学会のワクチン接種に対する声明まとめ

 新型コロナワクチンの接種が進む中、疾患等を理由として接種に対して不安を持つ人を対象に、各学会が声明を出している。主だったものを下記にまとめた。■日本感染症学会「COVID-19ワクチンに関する提言(第3版)」対象:全般要旨:ワクチンの開発状況、作用機序、有効性、安全性等の基本情報■日本小児科学会「新型コロナワクチン~子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する考え方~」対象:子供(12歳以上)要旨:まずは子どもの周囲への成人の接種を進める。そのうえで、12歳以上の子供へのワクチン接種は本人と養育者が十分に理解したうえで進めることが望ましく、個別接種を推奨する。■日本産科婦人科学会「―新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)ワクチンについて―」対象:妊婦要旨:妊娠初期を含めワクチンは妊婦・胎児双方を守る。希望する妊婦はワクチンを接種できる。持病のある妊婦はとくに接種を検討すべきである。■日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本産婦人科感染症学会「女性のみなさまへ 新型コロナウイルスワクチン(mRNA ワクチン)Q & A」対象:女性全般要旨:ワクチン接種で不妊になったり、流産したりといった情報に科学的根拠は全くない。生理中や経口避妊薬服用中でもワクチン接種に対する問題はない(7/26情報追加)。■日本血液学会「新型コロナウィルス感染症蔓延下における血液疾患診療について」対象:血液疾患患者要旨:基本的にワクチン接種は推奨されるものの、治療の状況に応じてワクチン接種の効果が減じる可能性があるため、主治医と適切なタイミングを相談する。■日本神経学会「COVID-19 ワクチンに関する日本神経学会の見解」対象:神経疾患患者要旨:現時点では神経疾患(脳卒中、認知症、神経難病)を対象としたエビデンスはないが、海外のデータから副反応は一過性のものに限られ、アナフィラキシー以外には重篤な健康被害はみられていないことから、リスクは小さいものと考えられる。■日本骨髄腫学会「骨髄腫患者に対する新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチン接種について」対象:骨髄腫患者要旨:骨髄腫患者は重篤化と死亡のリスクが高いと推測され、ワクチン接種による罹患率と重篤化防止が期待できるが、接種タイミングは患者ごとの免疫不全状態をみながらの判断となる。■日本リウマチ学会「COVID-19ワクチンについて」対象:リウマチ性疾患患者要旨:ステロイドをプレドニゾロン換算で5mg/日以上または免疫抑制剤、生物学的製剤、JAK阻害剤のいずれかを使用中の患者は他の人たちよりも優先して接種したほうがよい。通常のワクチン接種の場合、免疫抑制剤やステロイドを中止・減量することはない。■日本麻酔科学会「mRNA COVID-19 ワクチン接種と手術時期について(5月18日修正版)」対象:手術予定患者要旨:待機手術もワクチン接種後すぐに行うことができるが、数日間(最大1週間)空けることで、術後の発熱などの症状が副反応か手術によるものかが区別できる。■日本癌治療学会、日本癌学会、日本臨床腫瘍学会「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療について Q&A-患者さんと医療従事者向け ワクチン編 第1版-」対象:がん患者要旨:がん患者における重症化の可能性を考慮すると、ワクチン接種はベネフィットがリスクを上回ると思われ、接種が推奨される。

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「うちの診療所引き継ぐ人いない?」、うっかり漏らして大惨事!【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第20回

第20回 「うちの診療所引き継ぐ人いない?」、うっかり漏らして大惨事!漫画・イラスト:かたぎりもとこ医業承継において、「案件成立まで情報を漏らさない」ということは非常に重要です。一般企業においても買収や事業譲渡の情報はトップレベルの機密情報ですが、医師の方は仲間内の集まりなどで、こうした情報をふと漏らしてしまうケースがあります「診療所を譲渡する」という情報が広がると、さまざまなリスクが生じます。スタッフが不安に思い離職する患者が不安に思い離反するその他の想定外の事態を引き起こす私たちが実際に経験したケースでも、こんなことがありました。売り手の方が、秘密保持契約を締結することなく、知人や医局の仲間に「うちの診療所の後継になってくれる人はいないか」と相談していたところ、それを聞きつけた医療法人の理事長が「あそこの診療所が閉院するならチャンス!」と、承継ではなく、診療所の隣の空きテナントに新規で同科目の診療所を開いてしまったのです。目前にライバルが現れた売り手の方の診療所の承継は難易度が急に上がり、結局医業承継に失敗して閉院となってしまいました…。医師の世界は狭いので、仲間内だけと思っていても、思わぬところから話が回ってしまいます。このようなケースを防ぐためにも、承継案件は自分で進めようとせず、プロに相談し、秘密保持契約を締結したうえで、慎重に進める必要があるのです。

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小児で新型コロナが重症化する3つの因子~日本含む観察研究

 日本、中国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、インド、パキスタンのアジア7ヵ国における小児の新型コロナウイルス感染例の観察研究から、小児における重症化の危険因子として、1歳未満、併存疾患の存在、診察時の咳症状が特定された。シンガポール・KK Women's and Children's HospitalのJudith Ju Ming Wong氏らが報告した。The American Journal of Tropical Medicine and Hygiene誌オンライン版2021年6月15日号に掲載。 7ヵ国の研究者グループは、小児のCOVID-19重症化の危険因子を特定するため、Pediatric Acute and Critical Care COVID-19 Registry of Asia(PACCOVRA)にデータ提供している病院の小児COVID-19の観察研究を実施した。主要アウトカムは、世界保健機関(WHO)の定義によるCOVID-19の重症度(軽症、中等症、重症、重篤)とした。単変量および多変量ロジスティック回帰モデルを使用し、重症/重篤なCOVID-19の危険因子を検討した。 主な結果は以下のとおり。・7ヵ国8病院から、検査で確認された小児の新型コロナウイルス感染例260例が登録された。・よくみられる臨床症状は類似していた(発熱64%、咳39%、鼻炎23%)。・約40%は無症候性だった。・全体の死亡率は2.3%で、すべてインドとパキスタンから報告された。・多変量解析によると、1歳未満、併存疾患の存在、診察時の咳症状が、重症/重篤なCOVID-19と関連していた。

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第65回 モーツァルトの音楽でてんかん治療

18世紀の天才作曲家モーツァルトの音楽はてんかん患者の発作と関連する脳波特徴・てんかん型放電を彼が尊敬した同時代の作曲家ハイドンの音楽とは違って男女問わず抑制しました1)。モーツァルトの音楽はてんかん発作を防ぐのに役立つかもしれません2)。その試験でのてんかん型放電の変化は手術に先立って脳に電極が設置された患者の脳活動を頼りに測定されました。その結果、モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタK448(K448)」を聴いた患者のてんかん型放電は32%低下しました。一方、ハイドンの「交響曲第94番」では逆にてんかん型放電は45%上昇しました。ただし、ハイドンの「交響曲第94番」への反応は男女差があり、女性患者のてんかん型放電はモーツァルトの音楽を聴いたときと同様に減少し、男性では上昇しました。音楽を聴くとドパミンが放出されることから、モーツァルトのてんかんへの効果は音楽の情緒作用と関連すると考えられてきました。しかし心地よさを求める脳の報酬系からのドパミン放出で音楽のてんかんへの効果は説明できないようです。というのも今回の試験に参加した患者は取り立てて音楽通というわけではなく、聴いた2つの音楽への感じ方に違いはなく、ハイドンに比べてモーツァルトの音楽でより心地よくなったとは考えられないからです2)。音楽の脳への効果はまだまだ研究が必要ですが、その仕組みはどうあれモーツァルトの音楽を聴くことがてんかん患者の発作を減らすのに有望そうなことは20年も前から知られています。ちょうど1年ほど前に報告された少人数ながら待望の無作為化試験ではてんかん患者の発作がモーツァルトのまさにK448を聴くことで減りました3)。被験者の1人にはとくに効果的だったらしく、K448を毎日聴いた3ヵ月間発作を経験せずに済みました。K448を聴くことの効果はマウス実験でも示されています。その実験は側頭葉てんかん発作への抗てんかん薬とK448の組み合わせの効果を予測することを目当てに実施され、マウスにK448を聴かせるとより少ない用量の抗てんかん薬で発作の重症度が緩和することが示されました4)。てんかんは深刻な神経疾患であり、世界でおよそ5,000万人が患います5)。その多くが辛い発作を経験し、しばしば抗てんかん薬を必要とします。しかしおよそ3人に1人(30%)は服薬しても発作をうまく抑えることができず、てんかん患者が症状とうまく折り合いをつけてより調子よく暮らせる手段を絶えず探し続けねばなりません。モーツァルトを毎日聴くことはその手段の一つとなりうると上述の無作為化試験を率いたカナダの医師Marjan Rafiee氏は示唆しています5)。Rafiee氏等による無作為化試験の結果は有望ですが被験者数は13人と小規模であり、今後の課題としてより多くの患者を長期間追跡する大規模試験を実施する必要があります。参考1)Stillova K,et al.Eur J Neurol. 2021 May;28:1463-1469.2)The 'Mozart effect' shown to reduce epileptic brain activity, new research reveals / Eurekaler3)Rafiee M,et al.Epilepsia Open.2020 May 27;5:285-294.4)Xu CL,et al.CNS Neurosci Ther.2021 Feb 28. [Epub ahead of print]5)Mozart may reduce seizure frequency in people with epilepsy / Eurekalert

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うつ病エピソードや抗うつ薬使用が小児双極性障害に及ぼす影響

 小児双極性障害は、重度の機能障害につながる重篤な再発性疾患である。そして、最初に発現する気分エピソードが、疾患の長期的な経過に影響を及ぼす可能性がある。トルコ・Dokuz EylulUniversityのNeslihan Inal氏らは、全国多施設自然主義的フォローアップ調査のサンプルより小児双極性障害の臨床的特徴を評価し、躁症状発症年齢に対する最初の気分エピソードおよび以前の抗うつ薬治療効果の影響について検討を行った。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2021年6月2日号の報告。 双極I型障害の若年患者271例を対象に、トルコの代表的な6つの地域にある大学病院7施設と州立研究病院3施設の児童思春期精神科クリニックでフォローアップを行った。すべての診断は、構造化面接に従って実施した。すべてのデータは、臨床医が記録した診療データよりレトロスペクティブに収集した。 主な結果は以下のとおり。・最初に発現した気分エピソードがうつ病/混合エピソードの患者(IDE群)は129例、躁病エピソードの患者(IME群)は142例であった。・気分エピソードおよびラピッドサイクリングの総数は、IME群よりもIDE群で有意に多かった。・社会人口統計および疾患の特徴で調整したCox回帰分析では、抗うつ薬治療を受けたIDE群の思春期女性において、より早期に躁病を発症する可能性が高いことが示唆された(ハザード比:2.03、95%信頼区間:1.31~3.12、p=0.001)。 著者らは「本研究は、トルコで初めて実施された大規模フォローアップ調査であり、抗うつ薬治療経験のある若年者、とくに思春期の女性において、躁病の早期発症との関連が認められた。小児双極性障害の根底にある神経発達のプロセスを特定し、予防に対するアプローチを行うためには、より大規模なプロスペクティブ研究が必要である」としている。

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第59回 コロナワクチン接種後の発熱・痛みにNSAIDsも使用可/厚労省

<先週の動き>1.コロナワクチン接種後の発熱・痛みにNSAIDsも使用可/厚労省2.ワクチン予診で、初・再診療、外来診療料の算定不可/厚労省3.職域接種診療所、管理者は常勤医でなくとも開設可/厚労省4.次の感染拡大に向け、都道府県の新たな病床確保計画を公表/厚労省5.9月からレセプト審査でAI稼働、ローカルルール廃止へ/支払基金6.こども庁創設、オンライン診療の恒久化を明記/骨太の方針1.コロナワクチン接種後の発熱・痛みにNSAIDsも使用可/厚労省厚生労働省は、特設サイト「新型コロナワクチンQ&A」で、新たな質問「Q.ワクチンを受けた後の発熱や痛みに対し、市販の解熱鎮痛薬を飲んでもよいですか」を更新した。回答の下に「市販されている解熱鎮痛薬の種類には、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンやロキソプロフェン)などがあり、ワクチン接種後の発熱や痛みなどにご使用いただけます」と記載され、参考資料としてCDCのページが示されている。巷では、「ワクチン後の解熱鎮痛にNSAIDsは使えない」などと誤った認識が広まっている可能性があり、アセトアミノフェン単剤の市販薬が売り切れるなどの影響が出ているため、これを機に正確な情報発信に努めたい。(参考)ワクチン接種後に発熱や頭痛が…市販薬は飲んでいいの?<新型コロナ>(東京新聞)【新型コロナウイルス感染症】気になるワクチン接種後の発熱 解熱鎮痛剤の使用について(感染症・予防接種ナビ)ワクチン接種後に発熱…どうする? アセトアミノフェンが人気 市販薬“正しい使い方”〈宮城〉(仙台放送)2.ワクチン予診で、初・再診療、外来診療料の算定不可/厚労省新型コロナワクチン接種の予約に当たり、予診を事前に行ったとして診療報酬を請求する事例があったため、厚労省は17日に、「注射をする前の予診実施に対して初診料、再診料、外来診療料などの診療報酬を算定することは不可」とする通知を発出した。なお、接種後の救急対応を行ったなど、処置や検査、投薬などに対応する項目について、それぞれ算定要件を満たした場合には、その分の診療報酬を算定できる。(参考)ワクチン接種、病院で代金請求に疑問の声「無料のはず」でも再診料請求のなぜ?(京都新聞)コロナワクチン接種のための「予診」、初診料や再診料・外来診療料の算定は「不可」―厚労省(GemMed)3.職域接種診療所、管理者は常勤医でなくとも開設可/厚労省厚労省は、職場でのワクチン接種を推進するため、医療法上の臨時的な取り扱いをまとめ、14日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの迅速な接種のための体制確保に係る医療法上の臨時的な取扱いについて(その4)」を発出した。職域単位でのワクチン実施に当たっては、都道府県知事が、適正かつ安全なワクチン接種に係る医療を提供するための医療法に規定される義務を果たすことが可能か確認した上で、「職域接種診療所」の開設を許可する。また、管理者は必ずしも常勤医でなくても可能となっている。さらに厚労省は、来年2月までの特例措置として、接種会場での看護師不足に対して、看護師の人材派遣を解禁している。5月14日時点で、全国の自治体から5,095人の看護師を確保しており、ワクチン接種加速のためにさまざまな規制緩和がなされる。(参考)「職域でのコロナワクチン接種」促進に向け、診療所開設・変更など届け出を臨時特例的に柔軟化―厚労省(GemMed)特例解禁の看護師派遣、151自治体で計5095人確保(読売新聞)4.次の感染拡大に向け、都道府県の新たな病床確保計画を公表/厚労省17日、厚労省は、各都道府県が次の新型コロナウイルス感染拡大に備えて作成した「病床・宿泊療養施設確保計画」を発表した。今年1月第3波の患者数の2倍を上回る想定で、これまでより約4,800床多い3万5,000床を確保。また、看護師不足にも対応するために、広域派遣が可能な看護師73人を確保した。(参考)13.6万人の療養者想定 全国の病床確保計画―厚労省集計(時事ドットコム)コロナ病床、全国で4800積み上げ3万5千床を確保(朝日新聞)「第3波の2倍」想定 都道府県の新たな病床確保計画公表 厚労省(NHK)5.9月からレセプト審査でAI稼働、ローカルルール廃止へ/支払基金社会保険診療報酬支払基金による改革の一環で、今年9月審査分より、AI(人工知能)を用いた新しい審査システムが導入される。これにより、8割程度をAI、2割程度を人による審査に振り分け、2年以内にレセプト全体の9割程度をコンピューターチェックで完結することを目指す。また、9月の新システム稼働までに、支払基金の各支部にある独自のチェックルール(ローカルルール)が、原則すべて集約または廃止される。都道府県間における審査結果の不合理な差異の解消や、審査業務の効率化・高度化の推進を進める。(参考)支払基金、人による審査8割減目指し今年9月審査分からレセプト審査にAI導入(ワタキューメディカルニュース)資料 社会保険診療報酬支払基金の審査事務 集約化に向けた取組と今後の課題6.こども庁創設、オンライン診療の恒久化を明記/骨太の方針菅内閣は、18日に開催された臨時閣議において、「経済財政運営と改革の基本方針2021(骨太の方針)」を閣議決定した。感染症の克服と経済の好循環を目指し、希望する高齢者へのワクチン接種を今年7月末に完了し、希望する全対象者への接種を本年10~11月にかけて終えることを目指す。効果的な治療法、国産治療薬の研究開発・実用化の支援および国産ワクチンの研究開発体制・生産体制の強化を行い、感染症有事に備える取り組みとして、より実効性のある対策を講じることができるよう、法的な整備を行う。また、少子化の克服、子供を産み育てやすい社会の実現のためにこども庁の創設や、行政手続のオンライン化によりデジタルガバメントの推進を図ること、さらにオンライン診療を幅広く活用するため、初診からの実施は原則かかりつけ医によるものと限定しつつ、事前に患者の状態が把握できる場合にも認める方向で、具体案を検討することが打ち出されている。(参考)骨太方針、成長戦略、規制改革実施計画を閣議決定 ワクチン接種「10~11月完了」(NHK)「経済財政運営と改革の基本方針2021」(内閣府)

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子供への新型コロナワクチン、学会が声明発表/日本小児科学会

 2021年6月16日、日本小児科学会は新型コロナワクチンの子供への接種について、学会としての見解を発表した。「新型コロナワクチン~子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する考え方~」と題したこの声明では、子供を感染から守るためには、周囲の成人が免疫を獲得することが重要とし、まずは成人の接種が優先されるべきで、とくに医療的ケア児等や重篤な基礎疾患のある子供に関わる業務従事者、そして健康な子供に関わる業務従事者は、職種・勤務形態を問わずワクチンを接種することが重要とした。 そのうえで子供自身への接種に関しては、以下のように提言している。健康な子供 12歳以上はワクチン接種に意義がある。小児でもまれにある重篤化や同居する高齢者への感染リスクを防止できる。接種前に本人と養育者への十分な説明が必要となり、できれば個別接種が望ましい。ワクチン接種を希望しない子供と養育者が特別扱いされない配慮が必要となる。重篤な基礎疾患がある子供 基礎疾患がある子供はCOVID-19感染時に重症化する可能性があり、接種対象年齢の子供はワクチン接種でそれを防ぐことが期待できる。ただし、子供は副反応の頻度が高いことが報告されており、主治医と養育者による体調管理と接種後の観察が重要となる。 学会は、引き続き情報収集を行い、内容は随時アップデートする可能性があるとしている。

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「退職金引当金」でわかる、医療機関の経営状態ホントのところ【今さら聞けない!医療者のための決算書の読み方】最終回

<登場人物>病院で同期だったコンサルタントの田中に定期的に相談を始めた宮路は最近、実家の病院の経営会議に出るようになり、新たな疑問が出てきたようだ。宮路:減価償却の話、ありがとう! よく理解できた気がするよ。何かほかにも財務諸表を理解するうえで気を付けるべきポイントってあるかな?田中それはよかったよ。そうだね、宮路先生の実家の病院には、職員の退職金制度ってあるのかな?宮路はっきりとはわからないけれど…、聞いたことはあるな。田中そうか、それじゃあ退職金を例に「引当金」について見ていこう。宮路ひ、ひきあてきん…? 初めて聞くワードだ…。安田そうですね。普段あまり耳にすることがない用語ですね。でもこのポイントをマスターすれば、グッとレベルアップできますよ。では、「引当金」について説明しますね。公認会計士・安田の解説引当金は、会計の中でもとっつきにくいテーマの1つです。簡単に言えば「将来の支出に備えて、あらかじめ費用を計上して資金をためておく」という会計の技法です。引当金の中にもいくつかの種類があって、一番有名なのは「貸倒引当金」です。ほかにも返品調整引当金賞与引当金退職給付引当金特別修繕引当金製品保証等引当金などがあります。法人税法上では損金として計上することが認められない引当金でも、「財務会計上は期間損益計算を適正に行う」という財務会計の目的を満たすため、計上する必要があります。法人税法上損金になるかならないかに関係なく、引当金を計上しないと誤った経営判断をする恐れがあるためです。「財務会計上の費用として計上すること」と「法人税法上の損金(経費)として認められること」は、別問題なんです。負債である各種引当金を積み上げないと、財務諸表上の「見栄え」はよくなります。そういった「見栄え(だけ)がよい」財務諸表を基に医療機器を購入する、スタッフを雇うなどの投資の判断を行うことにはリスクが伴います。働く人の視点で考えると、自分の勤める病院、転職しようと思っている病院において退職給付引当金を計上されているかは「隠れ負債」の有無の判断の目安になりますし、退職給付引当金を計上しているほうが財務健全な経営をしていると言えます。シンプルに言えば、「自分が退職する際に退職金が支払われない」というリスクが少ない、とも言えますね。宮路なるほど、確かにそうですね…!安田だからといってやみくもに引当金を計上するのではなく、引当金を計上するには要件が必要なんです。その要件は次の4つです。1)将来の特定の費用または損失であること2)その費用または損失が当期以前の事象に起因して発生するものであること3)発生する可能性が高いこと4)金額を合理的に見積もれることこの4つすべて満たす必要があり、恣意的な計上はできないんです。田中:ではここから「退職給付引当金」が財務諸表にどういった影響を与えるかを見ていきましょう。コンサルタント・田中の解説画像を拡大する20年勤務したスタッフに、一括で2,000万円の退職金を支払うケースを例に考えてみましょう。まずはキャッシュフロー計算書を見てみます。キャッシュフロー計算書は実際の現金の流れを表しているので、退職金支払い時(勤続20年目)に退職金として2,000万円を計上する処理になりますね。次は損益計算書です。これは組織ごとの退職金のルールによりますが、人件費の項目として「退職引当金繰入額」が「1年当たりに積み上がる退職金の金額」として計上されます。ポイント制退職金(1年ごとに○ポイントが加算され、退職時にたまっているポイント×▲円の退職金が支給される方式)を例にとると、その1年間にたまるポイント、言い換えればその時点でスタッフがもらう権利のある金額が積み上がります。もちろん、これは実際に支払っているわけではありませんが、毎年相当額を計上するわけです。この例ではスタッフ1人分で見ているのでそこまで大きな額ではありませんが、病院全体で見れば退職金支給対象のスタッフ全員分が反映されるので、かなりの金額になるでしょう。最後に貸借対照表を見てみましょう。病院から見ると、退職給付引当金は将来的に支払わなければならない「負債」に当たるので、損益計算書に計上した額が毎年「固定負債」に積み上がり、退職金支払い時(勤続20年目)に退職金総額が負債からなくなります。田中:前回(第5回「『減価償却費』が、それぞれの財務諸表へ与える影響を知ろう」)で説明した減価償却とは逆のパターンだね。損益計算書上は毎年積み上がる退職金額が費用として発生しているけれどキャッシュは減らず、実際は退職年度に総額のキャッシュが減ることになるんだ。宮路:そうか、これも財務諸表上の表れ方がそれぞれ異なるんだね。田中:そう。減価償却でもそうだったけれど、損益計算書上と実際の現金の流れは異なるので、しっかりと把握して経営していかないとね。宮路:わかったよ。今までいろいろありがとう! 各財務諸表の性質と役割をしっかり理解して経営会議で意見するようにするよ!

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1日1,600人にコロナワクチン接種、その秘訣とは?/高砂市医師会インタビュー

 全国的に集団接種が実施されているが、多くは被接種者が各ブースを周る形式である。だが、兵庫県高砂市では、接種~経過観察までの被接種者の移動をなくし、接種者が巡回する接種者移動型を採用した。なぜ、同市はこの『接種者移動型』システムを思いつき、ワクチンの供給開始(同市へのワクチン供給は4月中旬)とともに集団接種を始めることが出来たのかー。それには、早期より行政からの相談があり、同市医師会主導のもとでシステム構築したことに秘訣があったようだ。今回、医師会長の増田 章吾氏(増田内科医院)に実際の動線や関係者の内訳、そしてどのようにアイデアをまとめたのかインタビューした。日頃の行政との連携が実を結んだ 高砂市は兵庫県南部播磨平野の東部に位置し、東に加古川が流れ、南に瀬戸内播磨灘を臨む。総人口は8万9,452人。そのうち65歳以上が2万6,266人と人口の3割を高齢者が占める“超高齢社会”のため、優先被接種者が多い自治体である。 そこで、同医師会がワクチン接種の協議を始めたのは昨年末のこと。まずは医師会の理事会メンバー内で話し合い、年明けには医師会内でワクチン検討委員会を発足。内科、小児科などワクチン対応の知識に長けた医師らを軸に、集団接種会場の設営に向けた動きが始まった。増田氏は「医師会の会員数は現在114名。そのうち約95%の会員がこの集団接種に貢献してくれている」と説明。実際にこの接種会場では医師4~6名体制が敷かれており多くの医師会メンバーの協力が必要不可欠であったが、参加できない医師はなんらかの理由を抱えているため参加の強要はしていないという。この参加率について、「これはコロナ禍のワクチン接種を災害と同等に捉えるように周知した結果」だと話した。 兵庫県といえば26年前の阪神淡路大震災の被災地であり、日頃の災害に対する意識の高さが影響しているのかもしれない。今回の初動の早さについて同氏は「実は、災害対策については足踏み状態が続いている。しかし、今回の件は日頃からの行政との連携が取れていたからこそ。そして、理事会など小規模な会議を頻繁に開催していたこと、それぞれが意思を持って協力し合い物事を進めたことが今回の設営のスピードに大きく影響した」と強調した。集団接種で対応に慣れたら個別接種へ 接種会場では、監督責任のある医師、ミキシング・接種者の看護師、ミキシング・予診確認者の保健師、そしてミキシング・相談対応者の薬剤師らが各役割を担うが、多くの者は平日に通常業務を行っているため、現在も集団接種は土日のみ実施している。また、個別接種を先行せず集団接種を優先した理由として、「初めてのワクチンに医師1人で対応するのはリスクや負担が大き過ぎる。集団接種で経験を重ねれば個別接種でも対応がイメージできる」と説明した。さらに、「予約の混乱を避けるために年齢を区切って対応しており、現時点で80歳以上への1回目の接種を終了した。現在は75~79歳、65~74歳の接種を順次進めている」と話した。発案~準備期間はおよそ3ヵ月、各人が努力惜しまず 話し合いが進み、実際に準備に着手したのは2月頃。会場設営に関しては医師会では進めることができないため、「もちろん行政主導でお願いした。ただし、デモンストレーションを行った際には協力してくれた市民、市職員、医療者らもその場で問題点を数十項目ほど挙げるなど、改善するための意見は遠慮なく発言した。日頃から協力関係であったからこそ、準備でもお互いの主導権を尊重しながら進められた」と振り返った。 また、接種会場には医師だけではなく看護師や薬剤師の協力も欠かせない。一般的には医師会と行政がバラバラに依頼状を送ることも多いが、今回は連名で看護師や薬剤師会宛に協力依頼をかけたことで「必要な人員の確保も滞りなく済ませることができた」とも話した。<高砂市の設営状況・対応医療者数>◆実施方法:接種者移動型(接種~経過観察まで被接種者は着席し、接種者が移動する方式)◆1日あたりの接種人数:約800~1,600名・実施日:土日のみ(通常業務を行う医師が輪番制で行うため)・実施場所:総合体育館・最大収容人数:144名(72名×2エリア)・医師:4~6名・保健師:8名(6名:予診票確認・相談、2名:ミキシングなど) ・看護師:12名(6名:接種者[1群に各1名×6群]、4名:6群の見回り[2名×2エリア]、2名:ミキシングなど)・薬剤師:2名(ミキシング、相談)・事務職:12名(1群に各2名配備、接種看護師と共に2エリアを受け持つ)・救急救命士:3名(緊急配備)・救急車:1台(緊急配備、高砂市民病院へ搬送)◆その他、市民病院で1日あたりの接種人数:約600~1,200名 6月初めより各医療機関での個別接種も開始意外と重要、パーテーションは顔が見える高さに 接種時の工夫点については、「会場を設営した当初、個人保護などの観点でパーテーションは顔も隠れるほど高いものを使用していた。ところが、実際に使用してみると、被接種者の様子がまったくわからず、何かが起こっていても察知することが難しいことが判明した。そこで、行政を通じて業者に顔が見えるくらいの高さのパーテーションの準備をお願いし、現在はそれを使用している。われわれの設営会場では12人の被接種者を1群として、それを3~4名体制のもとで接種・見回りを行っているが、パーテーションの設えを変更したことで、被接種者の状態把握が容易になった」と語った。ワクチン接種で苦戦した点、実際の救急搬送例は意外にも… 80歳以上の高齢者の場合、約2割は会場で車椅子を利用したが、独歩可能な方が入り口や出口で転倒してしまった例があった。「アナフィラキシーなど万が一のために救急隊と救急車を常に配備しているが、それで出動した例は現時点ではない。しかし、転倒により頭部に擦り傷を負い、救急隊が対応を行った例が2件あった」と話した。 最後に、問題になっている余剰ワクチンについて伺うと、「ワクチンが廃棄されないようワクチン接種に協力いただいている保健師、看護師、薬剤師など、被接種者に接する機会の多い医療者を優先に対応を進めている」と語った。 今回の取材を通じて、医師会館と市の保健センターが隣接している土地柄、ワクチン接種での相談は直ぐに対応でき、行政と連携が図れるだけではなく、双方が協力関係を築く意識を持ち合わせている点が高砂市の強みであることもわかった。―――――――――――――――――――増田 章吾(ますた しょうご)氏兵庫県高砂市医師会会長・増田内科医院院長昭和58年神戸大学卒。同年神戸大学医学部附属病院第二内科入局し、兵庫県立成人病センター、加古川市民病院に勤務。平成8年に増田内科医院を開業。平成14年高砂市医師会理事、平成26年同市医師会副会長を経て平成28年より現職。―――――――――――――――――――

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第64回 COVID-19のmRNAワクチン接種後の心筋炎~主に若い男性の2回目接種後に発生

米国で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)mRNAワクチン2回目接種後の心筋炎/心膜炎が16~24歳の若者に想定より多く認められており、その検討を含む米国疾病予防管理センター(CDC)専門家会議が今週18日に急遽開催されます。その開催を報じた先週10日の米国小児科学会(AAP)ニュース1)によると30歳以下の若者のPfizer/BioNTechかModernaのCOVID-19 mRNAワクチン接種後の心筋炎/心膜炎は有害事象記録VAERS(Vaccine Adverse Event Reporting System)に475例報告されており、それらのうち転帰がわかっている285人中270人は退院し、ほとんど(およそ81%)は完全に回復しています。15人は依然として入院していて3人は集中治療室(ICU)にいます。2回目接種後の16~17歳の心筋炎/心膜炎の報告数は79例で、その数は想定数2~19例を上回っています。18~24歳での報告数は196例で、やはり想定数8~83例を上回っていました。500万人超がPfizer/BioNTechのワクチン接種済みのイスラエルでは去年2020年12月から2021年5月に心筋炎の報告が275例あり2)、それらのうち148例はワクチン接種のころに生じたものであり、米国と同様に多くは2回目の接種後で、主に16~19歳の若い男性に認められました。イスラエルはワクチンと心筋炎の関連を調査中ですが、2回目のワクチン接種と16~30歳の若い男性の心筋炎発症は関連するかもしれないと現時点では判断されています。CDCによると幸い経過はおおむね良好なようで、mRNAワクチン接種後に心筋炎/心膜炎を呈して手当を受けた患者のほとんどは薬の投与や休息で良くなっており、速やかに回復しています3)。心筋炎/心膜炎の同定の主な手がかりは胸痛です。Pfizer/BioNTechワクチン接種後に心筋炎や心筋心膜炎を生じた14~19歳の男児7人の詳細を記したPediatrics誌の報告4)によると全員が2回目接種後4日以内の胸痛により受診しました。また、5人は発熱があり、他に息切れ、疲労感、両腕の痛み、吐き気、嘔吐、頭痛、食欲不振、脱力感が1人以上に認められました5)。7人とも多臓器炎症症候群(MIS-C)ではなく、2~6日間の入院で全員回復しました。7人のうち6人は非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)治療を受け、それらの3人の治療はNSAIDだけで済みました。4人は免疫グロブリン静注とコルチコステロイドで治療されました。MIS-Cではない一過性のCOVID-19ワクチン接種後心筋炎に静注免疫グロブリンやコルチコステロイドをきまって投与すべきかどうかは定かではありません。ワクチン接種後7日以内に胸痛、息切れ、動悸が認められたら受診することをCDCは要請しています3)。医療従事者は小児や若い成人がそれらの症状を呈して来院したら心筋炎/心膜炎を疑い、まずは心電図、トロポニン、C反応性タンパク質(CRP)や赤血球沈降速度などの炎症マーカーの検査を試みる必要があります。それらが正常ならおそらく心筋炎/心膜炎ではないでしょう6)。心筋炎はCOVID-19に伴って生じうることも知られています。たとえば大学の感染運動選手1,597人を調べた最近の報告では心臓MRIを含む検査で2.3%に心筋炎が認められています7,8)。参考1)CDC confirms 226 cases of myocarditis after COVID-19 vaccination in people 30 and under/AAP2)Surveillance of Myocarditis (Inflammation of the Heart Muscle) Cases Between December 2020 and May 2021 (Including) / Israel Ministry of Health3)Myocarditis and Pericarditis Following mRNA COVID-19 Vaccination/CDC4)Marshall M,et al,. Pediatrics. 2021 Jun 4:e2021052478.5)Report details 7 cases of myocarditis after COVID-19 vaccination/AAP6)Clinical Considerations: Myocarditis and Pericarditis after Receipt of mRNA COVID-19 Vaccines Among Adolescents and Young Adults/CDC7)Daniels CJ, et al,JAMA Cardiol. 2021 May 27. [Epub ahead of print]8)Study: Cardiac MRI Effective in Detecting Asymptomatic, Symptomatic Myocarditis in Athletes / Ohio State University

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子供への新型コロナワクチン、接種を進めるべき9つの理由

 2021年6月1日、日本におけるCOVID-19ワクチンの接種対象が、16歳から12歳に引き下げられた。海外での子供を対象とした治験のデータ等を踏まえたものだ。Pediatrics誌2021年6月号には、子供へのワクチン接種を進めるべきとする提言が掲載されている。 この中で、成人へのワクチン接種が進むことでCOVID-19の感染流行は抑えられるものの、ワクチン忌避者や抗体価の低下によって、COVID-19を根絶することは難しいとし、今後も散発的な発生や時折の大流行という形で存続する可能性がある、とした。それを踏まえ、子供の臨床試験でワクチンの有用性が明らかになれば、子供たちへのワクチン接種を義務付けることが重要だとし、その根拠として下記を挙げている。1)子供の感染は多くの場合で無症候か軽症だが、まれに小児多系統炎症性症候群(MIS-C)や肺疾患のかたちで重症化する。2)子供が感染してウイルスを排泄することで、親や教師、他の子供に感染する可能性がある。3)子供の感染は無症候のことが多く、他の予防策では十分ではない。4)変異株によって長期的に免疫が低下したとしても、感染や再接種への対応を早めることができる。5)高い接種率と集団免疫獲得のためには、子供へのワクチン接種が必要である。6)英国で発生したような変異株は、子供への感染力がより強い。7)子供の予防接種プログラムは、国際的に感染症減少に大きな成果を上げた実績がある。8)子供の予防接種にあたって、十分に整備された国際的なインフラがある。9)教師への予防接種に続いて子供への予防接種を行うことで、学校の開校を加速させ、子供たちの活動を正常化させることができる。 米国小児科学会は、2020年12月までに200万例を超える小児感染者が発生したと報告しており、22の州に住む子供達の有病率を調べたところ、10万人あたり17.2人の入院率が明らかになり、カナダでは臨床症状が確認された例の1.9%を占め、うち約7%が集中治療を受けた。5歳未満の子供でも重症化することがあり、12~17歳では重症化する割合が高いことが報告されている。さらに、川崎病に類似したMIS-Cは学童期の子どもに最も多く発生し、平均年齢は8歳だった。 著者らは、上記の点に加え、妊婦や高齢者への感染防止の観点からもワクチンの子供への有用性が確認され次第、子供への接種を義務化し、継続的に大規模な予防接種キャンペーンを行うべきだとしている。

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