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青年期の抑うつ症状とビタミンDレベルとの関係

 クウェートは、ビタミンD欠乏症の有病率が高い国の1つである。また、ビタミンD不足はうつ病のリスク因子であるといわれている。クウェート大学のReem Al-Sabah氏らは、同国の青年期における25-ヒドロキシビタミンD(25[OH]D)と抑うつ症状との関連を調査した。その結果、ビタミンDの状態は、青年期の抑うつ症状と関連していないことを報告した。しかし著者らは、他の健康へのベネフィットを考慮し、青年期に十分なビタミンDレベルを維持することは重要であるとしている。Child and Adolescent Psychiatry and Mental Health誌2022年6月27日号の報告。ビタミンD不足と抑うつ症状との間に有意な関連は認められず クウェートの中学校でランダムに選択された青年704人を対象に、学校ベースの横断的研究を実施した。抑うつ症状に関するデータは、小児抑うつ尺度(CDI)を用いて収集した。共変量に関するデータは、対象の青年より対面式インタビューで、その両親より自己記入式アンケートを用いて収集した。血液サンプルの分析は、認定された研究所で実施した。25[OH]Dの測定には、液体クロマトグラフィータンデム質量分析を用いた。 ビタミンD不足はうつ病のリスク因子であるかを研究した主な結果は以下のとおり。・抑うつ症状(CDIスコア19以上)が認められた青年は、94人(13.35%、95%CI:10.35~17.06)であった。・ビタミンDの状態の違いによるCDIスコア(中央値)に、有意差は認められなかった(p=0.366)。・血清25[OH]D濃度とCDIスコアとの間に有意な関連は認められなかった(Spearman's rank correlation=0.01、p=0.825)。・さまざまな分析でも、25[OH]Dと抑うつ症状との間に有意な関連は認められなかった。●25[OH]Dを連続変数として適応(粗オッズ比:0.99、95%CI:0.98~1.01、p=0.458)(調整オッズ比:1.01、95%CI:0.99~1.02、p=0.233)●許容可能なカットオフ値によるカテゴリ変数(粗分析:p=0.376、調整済み分析:p=0.736)●四分位数によるカテゴリ変数(粗分析:p=0.760、調整済み分析:p=0.549)

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アレルギー予防のため、ピーナッツは1歳までに摂取すべき?/JAMA

 オーストラリアでは、2016年、幼児の食事ガイドラインが改訂され、ピーナッツアレルギーの予防のために生後12ヵ月までのピーナッツ導入が推奨されるようになった。同国マードック子ども研究所のVictoria X. Soriano氏らは、今回、この改訂の前後におけるピーナッツアレルギーの発生状況を調査し、ピーナッツの早期導入の推奨により有病率が0.5%低下したが、これは統計学的に有意な差ではないことを確認した。研究の詳細は、JAMA誌2022年7月5日号で報告された。10年間隔の2つの調査結果を比較 研究グループは、オーストラリアにおける生後12ヵ月までのピーナッツ導入の推奨が、幼児のピーナッツアレルギー発生の抑制に寄与するかの検証を目的に、一般住民を対象とした2つの横断的調査の結果を比較した。 解析には、経時的な変化を評価するために、10年の間隔をあけて同じ枠組と方法を用いて参加者の登録が行われた2つの調査(2007~11年と2018~19年に参加者を登録)のデータが用いられた。オーストラリア・メルボルン市とその近郊の施設で、ピーナッツ曝露やアレルギーの既往歴を問わずに、生後11~15ヵ月の幼児が募集された。 質問票を用いて、人口統計学的因子や食物アレルギーのリスク因子、ピーナッツ導入、アレルギー反応に関するデータが収集された。 すべての幼児でピーナッツの皮膚プリックテストが行われ、陽性者は食物経口負荷試験を受けた。有病率の推定値は、経時的な人口統計学的因子の変化を考慮して標準化された。リスク因子は増加したが、アレルギーは増加せず 解析には7,209例の幼児が含まれた。このうち2018~19年の調査に参加した幼児が1,933例(年齢中央値12.5ヵ月[IQR:12.2~13.0]、男児51.8%)、2007~11年は5,276例(12.4ヵ月[12.2~12.9]、50.8%)であった。オーストラリアで食物アレルギーのリスク因子とされる東アジア系の幼児(両親が東アジア生まれ)は、経時的に増加していた(2007~11年の10.5%から、2018~19年に16.5%に増加、p<0.001)。 幼児の家系や他の人口統計学的因子の変化を標準化すると、ピーナッツアレルギーの有病率は、2018~19年の調査では2.6%(95%信頼区間[CI]:1.9~3.4)であり、2007~11年の3.1%(2.7~3.6)と比較して有意な差はみられなかった(群間差:-0.5%、95%CI:-1.4~0.4、p=0.26)。 2018~19年の調査では、オーストラリア系の幼児は、より早い年齢でピーナッツを導入したほうがピーナッツアレルギーのリスクが低く、生後12ヵ月以降の導入と比較した生後6ヵ月以下での導入の補正後オッズ比(OR)は0.08(95%CI:0.02~0.36)、同様に7~<10ヵ月での導入の補正後ORは0.09(0.02~0.53)であった。一方、東アジア系の幼児では、より早期のピーナッツ導入とピーナッツアレルギーの発生には有意な関連はなかった。 著者は、「ガイドラインによる早期ピーナッツ導入の推奨により、1歳時におけるピーナッツアレルギーの発生は減少も増加もしなかった」とまとめ、「2018~19年の調査で食物アレルギーのリスク因子である東アジア系の幼児が増加したにもかかわらず、ピーナッツアレルギーは増加しておらず、幼児期にピーナッツ製品を早期に広く導入することで、これを実施しない場合に起こりえたピーナッツアレルギーの発生が抑制された可能性がある」と指摘している。

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インターネット依存に対する各種介入効果~メタ解析

 インターネット依存に対するさまざまな介入効果を評価するため、中国・Anhui Medical UniversityのXueqing Zhang氏らが、メタ解析およびネットワークメタ解析を実施した。その結果、インターネット依存にはほとんどの介入が効果的であるが、単一介入よりも組み合わせた介入のほうが、より顕著な症状改善が期待できることを報告した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2022年6月26日号の報告。 2021年8月までに公表されたインターネット依存に対する介入効果を評価したランダム化比較試験(RCT)を、各種データベース(PubMed、Cochrane、Embase、Web of Science、PsycINFO、ProQuest、CNKI、WanFang、VIP database、CBM)より検索した。バイアスリスクは、RCTのための改訂版コクランバイアスリスクツール(RoB2)を用いて評価した。従来のメタ解析およびネットワークメタ解析には、Rstudio SoftwareおよびStata 14.0を用いた。 主な結果は以下のとおり。・59件のRCT(3,832例)をメタ解析に含めた。・24件のRCTによる従来のメタ解析では、CBT、グループカウンセリング、スポーツ介入、インターネットベース介入などが、未治療の対照群との比較において、インターネット依存レベルを有意に低下させることが示唆された(SMD:-1.90、95%CI:-2.26~-1.55、p<0.01、I2=85.9%)。・さまざまなスケールに基づくネットワークメタ解析では、介入の組み合わせがインターネット依存に最適な介入である可能性が最も高いことが示唆された(IATに基づくSUCRA=91.0%、CIASに基づくSUCRA=89.0%)。

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生後6ヵ月~4歳へのコロナワクチン、国内製造販売承認を申請/ファイザー

 ファイザーは7月14日付のプレスリリースで、生後6ヵ月~4歳の小児に対する同社の新型コロナウイルスワクチン(一般名:コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン[SARS-CoV-2]、商品名:コミナティ筋注)の製造販売承認を、厚生労働省に申請したことを発表した。 国内では、同社製の5~11歳に対する新型コロナワクチンが、2022年1月21日より承認されている。 なお米国では、6月17日に、生後6ヵ月以上に対する同社製のワクチンについて、米国食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可(EUA)したことを発表している。

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5~11歳へのコロナワクチン、43~84日後の感染予防効果は21.2%/Lancet

 イタリアの5~11歳児への新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「BNT162b2」(ファイザー製)の有効性は、12歳以上と比べて新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への感染およびCOVID-19重症化について、いずれも低いことが示された。また、感染への有効性は2回接種後最大となるが、その後は低下する。イタリア・Istituto Superiore di SanitaのChiara Sacco氏らが行った、5~11歳児対象の試験では最大規模かつ米国外では初めてとなる検討で、2022年1月~4月に2回接種を受けた106万超のデータを後ろ向きに解析した。イタリアでは、ファイザー製ワクチンの承認から4ヵ月超(2022年4月13日時点)で5~11歳児の接種率は40%弱であったという。研究グループは、今後のワクチン接種方針と戦略を定義し公衆衛生担当部局に通知するために、オミクロン変異株(B.1.1.529)流行中における5~11歳児へのワクチン接種の有効性を推定する検討を行った。Lancet誌2022年6月30日号掲載の報告。対SARS-CoV-2感染と対COVID-19入院・死亡への有効性を評価 研究グループは、イタリアの全国COVID-19サーベイランス・システムと全国ワクチン登録名簿をリンクして、SARS-CoV-2感染と重症COVID-19(入院または死亡)に対するBNT162b2ワクチンの有効性を評価する、後ろ向き集団解析を行った。 適格としたのは、SARS-CoV-2感染歴のない同国5~11歳児で、2022年1月17日~4月13日に追跡した。ワクチン接種データに一貫性がなく、試験開始前にSARS-CoV-2感染が診断された児、居住地に関する情報がない児は、解析から除外した。 ワクチン未接種の児を参照群とし、ワクチンの部分接種(1回接種)および完全接種(2回接種)の有効性を推算した。感染予防効果、2回接種後0~14日で38.7%と最大も、43~84日後には21.2%に低下 2022年4月13日の時点で、2回接種を受けていたのは、試験に組み込まれた5~11歳児296万5,918人中106万3,035人(35.8%)であった。1回接種は13万4,386人(4.5%)、未接種は176万8,497人(59.6%)だった。 試験期間中に報告されたSARS-CoV-2感染は76万6,756例、重症COVID-19は644例(うち入院627例、IUC入室15例、死亡2例)だった。 全体的に、ワクチン2回接種の有効率は、対SARS-CoV-2感染が29.4%(95%信頼区間[CI]:28.5~30.2)、対重症COVID-19は41.1%(22.2~55.4)だった。ワクチン1回接種の有効率は、それぞれ27.4%(26.4~28.4)、38.1%(20.9~51.5)だった。 対SARS-CoV-2感染のワクチン有効性は、2回接種後0~14日で38.7%(95%CI:37.7~39.7)と最大化し、43~84日後には21.2%(同:19.7~22.7)へと低下した。著者は、「現行のプライマリワクチンサイクル(2回接種)の完遂後に、感染への有効性は低下すると思われる」と述べている。

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5製品の特徴を整理、コロナワクチンに関する提言(第5版)公開/日本感染症学会

 日本感染症学会(理事長:四柳 宏氏[東京大学医科学研究所附属病院長])は、7月8日に同学会のホームページで「COVID-19ワクチンに関する提言(第5版)」を公開した。 今回の提言では、第4版(2021年12月16日公開)と比較して構成を大幅に変更し、COVID-19ワクチンの種類ごとに記載。現在判明している各ワクチンの作用機序、有効性、安全性を記すとともに特定状況での接種として「妊婦」「免疫不全者」「COVID-19罹患者」の3区分を記載した。また、最後に「COVID-19ワクチンの開発状況と今後の展望」として、わが国を含む主要国での開発状況を記すとともに、引用文献も125本に増えている。 提言を作成したワクチン委員会・COVID-19ワクチン・タスクフォースでは「COVID-19の終息に向けて欠かすことのできないCOVID-19ワクチンが正しく理解され、広く普及してゆくことを願う」と期待をにじませている。第5版の主な改訂点【mRNAワクチン】・作用機序を加筆・4回接種の有効性を追加(主にイスラエルの知見を追加)・5~11歳への接種の有効性を追加(主にアメリカの知見を追加)・4回接種の安全性を追加(主にイスラエルの知見を追加)・5~11歳への接種の安全性を追加(主にアメリカおよびわが国[22年5月15日時点]の知見を追加)【ウイルスベクターワクチン】・アストラゼネカのバキスゼブリアの有効性(主にイギリスの知見)、安全性(主デンマークおよびノルウェーでの知見)を追加・ヤンセンファーマのジェコビデンの有効性(主にわが国での知見)、安全性(主にアメリカでの知見)を追加【組換えタンパク質ワクチン】・ノババックスのヌバキソビッドの作用機序、有効性、安全性を追加(主にアメリカおよびメキシコでの知見を追加)【特定状況での接種】・「妊婦」につき、わが国のレジストリ解析からワクチンの有効性を追加。また、胎児への影響についても追加・「免疫不全者」につき、効果と追加接種に関する記載を追加。また、リツキシマブの投与の注意も追加・「COVID-19罹患者」につき、long COVID(いわゆる後遺症)の記載を追加【ワクチンの開発状況と今後の展望】・主要先進国ならびにわが国での開発状況を追加

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サル痘疑い患者にはN95マスク、手袋、ガウン、眼の防護/国立感染症研究所・国立国際医療研究センター

 国立感染症研究所と国立国際医療研究センター国際感染症センターは、連名で「サル痘患者とサル痘疑い例への感染予防策」を2022年6月15日に発表し、今回その内容を改正し、7月8日に同研究所のホームぺージに公開した。全世界でサル痘の感染拡大が懸念される中、診療にあたる医療者が注意すべきポイントについて本対策ではコンパクトに記している。サル痘の感染経路 サル痘は接触感染や飛沫感染を起こすが、日常生活の中で空気感染を起こすことは確認されていない。ただし、空気感染を起こすと考えられている麻しんや水痘との臨床的な鑑別が困難であるため、発熱と発疹がありそれらの感染症が否定できない間は、サル痘疑いの患者には空気予防策の実施が求められる。サル痘の診療時の態勢と装備 医療従事者がサル痘確定患者に接する場合(検体採取時含む)は、患者を換気良好な部屋に収容し、N95マスク、手袋、ガウン、眼の防護具を着用する(患者のリネン類を扱う者や清掃担当者も同様)。 患者が使用したリネン類は、診断が確定するまでなるべく触れずに管理し、診断が確定してから適切な処理を行う。サル痘が確定したら、リネン類は、前述の個人防護具を着用して自身の粘膜に触れないように運搬し、通常の洗剤を用い常温で洗濯を行う(WHOなどは温水を推奨)。手指衛生を頻回に行い、とくにリネン類を扱った後は必ず手指衛生(流水と石鹸による手洗い、または擦式アルコール性手指消毒薬での消毒)を行う。 患者が滞在する、または滞在した環境は通常に清掃を行い、その後消毒(エンベロープウイルスに対して強い消毒効果を発揮する薬剤[消毒用エタノールなど])を行う。廃棄物は感染性廃棄物として扱う。 サル痘疑い例やサル痘患者は、可能な限りサージカルマスクを着用し、水疱を含む皮膚病変はガーゼなどで被覆する。家庭内などでのサル痘の感染対策はどうする サル痘疑い例やサル痘患者は、自宅などの滞在場所では、以下に留意する。・患者は同居人と肌や顔を接しないようにし、リネン類の共有を避ける。・患者が使用したリネン類は、病変や体液からの感染性粒子が飛散する可能性があるため、不用意に振り回したりせず、静かにビニール袋などに入れて運搬し、洗濯機に入れる。洗濯した後は再利用可能である。・ベッド、トイレ、患者が接触した場所(家具や床など)は、使い捨て手袋を着用して清掃し、その後消毒薬で清拭する。清掃や消毒後は手指衛生を行う。・患者が使用した食器や調理器具は、石鹸や洗剤などで洗った後に再利用可能である。・常に十分な換気を行うよう配慮する。 すべての皮疹が痂皮となり、すべての痂皮が剥がれ落ちて無くなるまで(おおむね21日間程度)は上記の感染対策を継続する。

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英語で「1日の排尿回数」は?【1分★医療英語】第36回

第36回 英語で「1日の排尿回数」は?I think my child does not have an appetite recently.(最近、うちの子の食欲があまりないような気がします)I see. Do you remember how many times a day she had a wet diaper yesterday?(なるほど、昨日は1日に何回くらいおしっこをしたか覚えていますか?)《例文》患者She had only four wet diapers today. Is it normal?(私の娘は今日4回しかおしっこをしていません。これって普通ですか?)医師Yes, it is totally normal for her age!(娘さんの年齢でしたら、まったく問題ないですよ!)《解説》今回は小児特有の英語表現をお伝えします。日本語に直訳しづらいのですが、“a wet diaper”で「オムツをしているお子さんのおしっこ」を示します。“two wet diapers”は「2回おしっこをした」(直訳では「オムツが2回濡れた」)というように、排尿回数を表すことができます。生後から3歳前後まではオムツをしている子が多いかと思いますが、赤ちゃんや幼児が陥りやすい脱水症状の指標として“wet diaper”の回数を聞くことは医療者にとって必須です。上記の表現のように“How many times a day does your baby have a wet diaper?”と聞く以外にも、“How many wet diapers does your baby have every day?”という表現も使われ、同様の意味となります。いずれも聞きたいのは「オムツをしている赤ちゃんの排尿回数」です。オムツを卒業した子どもの場合は、“pee”を用いて“How many times did you pee yesterday?”(昨日何回おしっこをしましたか?)と聞きます。さらに大きくなった青少年期や大人に対してはいろいろな表現がありますが、“go to the bathroom”を用いて、“How many times a day do you go to the bathroom?” で「1日に何回排尿しますか?」と聞くことが多い印象です。「排尿する」には“urinate”という単語がありますが、子どもの患者さんや家族に対して使うとかなり仰々しい印象になるので、医療者同士の会話以外ではあまり使われません。小児領域では医療者同士の会話でも“wet diaper”や“pee”を使う人が多いです。上記の表現をマスターし、子どもの患者さんが来た際にはぜひ使ってみてください。講師紹介

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生後3ヵ月からのアレルゲン性食物摂取、食物アレルギー抑制か/Lancet

 生後3ヵ月からの補完的なアレルゲン性食物の導入により、36ヵ月後の食物アレルギーの発生が抑制されることが、ノルウェー・オスロ大学病院のHavard Ove Skjerven氏らが一般集団を対象に実施した「PreventADALL試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2022年6月25日号で報告された。北欧2ヵ国3施設のクラスター無作為化試験 PreventADALLは、一般集団の幼児への早期食物導入と皮膚軟化剤の塗布により、食物アレルギーのリスクが低減するかの検証を目的とする2×2ファクトリアルデザインのクラスター無作為化試験。2015年4月14日~2017年4月11日の期間に、ノルウェーの2施設(オスロ大学病院、Ostfold病院トラスト)とスウェーデンの1施設(カロリンスカ大学病院)で参加者の登録が行われた(オスロ大学病院などの助成を受けた)。 出産前の18週の時点で、3施設の1つで超音波検査を受けた妊婦に試験への参加が呼び掛けられた。92の居住地域と8つの3ヵ月単位の時期をクラスターとし、各施設の産科病棟で、出生時に適格基準を満たした新生児が次の4つの群に、1対1対1対1の割合で無作為に割り付けられた。 (1)非介入群、(2)皮膚介入群(皮膚軟化剤と入浴剤・顔用クリームを、生後2週~<9ヵ月の期間に、いずれも週4回以上)、(3)食物介入群(生後3ヵ月から、補完食としてピーナツ、牛乳、小麦、卵を摂取)、(4)複合介入群(皮膚介入と食物介入の双方を行う)。 臨床評価を行う試験担当者は、4つの群の割り付け情報を知らされなかった。 主要アウトカムは、生後36ヵ月の時点での介入食物(ピーナツ、牛乳、小麦、卵)へのアレルギーとされた。安全上の懸念もなかった 女性2,697人による2,701回の妊娠で出生した2,397人の幼児が登録され、2,394人が解析に含まれた。非介入群が596人、皮膚介入群が574例、食物介入群が641人、複合介入群は583人であった。 44人(48件)が食物アレルギーと診断された。内訳は、非介入群が14人(2.3%)、皮膚介入群が17人(3.0%)、食物介入群が6人(0.9%)、複合介入群は7人(1.2%)であった。 ピーナツアレルギーと診断された小児は32人(非介入群10人、皮膚介入群13人、食物介入群4人、複合介入群5人)と最も多く、次いで卵アレルギーが12人(4人、3人、2人、3人)、牛乳アレルギーが4人(2人、1人、1人、0人)であり、小麦アレルギーは認めなかった。 食物アレルギーの発生率は、食物介入群が非食物介入群に比べて低かった(群間リスク差:-1.6%[95%信頼区間[CI]:-2.7~-0.5]、オッズ比[OR]:0.4[95%CI:0.2~0.8])。一方、食物アレルギーの発生に関して、皮膚介入群と非皮膚介入群には有意な差はなかった(0.4%[-0.6~1.5]、1.3[0.7~2.3])。また、ピーナツアレルギーの発生率は、食物介入群が非食物介入群よりも低かった(p=0.01)が、皮膚介入群と非皮膚介入群に差はなかった(p=0.39)。 1人の小児で食物アレルギーを予防するには、63人の小児へのアレルゲン性食物の曝露を要した。 介入に伴う安全上の懸念はみられなかった。生後6ヵ月時の母乳育児率は、4つの群で同程度であった(85.8~87.9%、p=0.40)。食物介入の導入による重篤なアレルギー反応は観察されず、食物を喉に詰まらせる事例もなかった。 著者は、「生後3ヵ月から、通常食に補完食としてアレルゲン性食物を導入すると、食物アレルギーの予防が可能であることを示唆する十分なエビデンスがあると考えられる」としている。

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「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回

第41回 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…漫画・イラスト:かたぎりもとこ「後継者採用」というキーワードをご存じですか?企業経営者の年齢が上がっている昨今、「後継者を採用によって広く募ろう」というこの言葉をメディアで見掛けることが増えています。医療機関も例外ではありません。診療所の院長が高齢になっているのに後継者が見つからず、「まずは従業員として雇用して、その後お互いに問題がなければ承継する」という取り組みが多く行われています。採用される側からすれば、まずは従業員として経験を積んだうえで経営を任せてもらえるのですから、将来開業したい人・経営したい人にとって魅力的なプランです。しかし、“うまい話”には必ず落とし穴があるものです。後継者採用のよくある条件は、「5年後を目処に後継者に譲りたいが、それまでは従業員として働いてほしい」というものです。採用される医師側は「5年働いたら、無償で診療所を譲り受けられる」と考え、現院長に気に入られようと頑張ったり、相場より低い給料で甘んじて働いたりします。しかし、そこに次のような落とし穴が待っています。5年経っても、なかなか後継の話が具体化しない引き継ぎたい意向を伝えると、「あと3年待ってほしい」と先延ばしされる引き継ぎたい意向を伝えると、高額な譲渡額を言い渡される現院長側の事情としてよくあるのは下記のようなものです。採用当初は「5年で引退する」と決めていたものの、実際にそのタイミングになってみると踏ん切りがつかないこれまで引き継ぐ意向のなかった息子・娘が、急に引き継ぎたいと言ってきた医業承継の仲介会社から営業を受けて話を聞くと、3,000万円の売値がつくことがわかって欲が出た「後継者採用」にはこのような落とし穴があることを知ったうえで、基本合意書を締結し、「言った言わない」になることを防ぐ約束事は書面で取り交わし、お互いの本気度を確認するお金の問題(売値の価格目線)を事前に確認するといったトラブル予防策を取りながら、話を進めるとよいでしょう。

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先天性心疾患、術後の人工心肺装置を介したNO吸入療法は有効か/JAMA

 先天性心疾患に対する心肺バイパス術を受けた2歳未満の小児において、人工心肺装置を介してのNO(一酸化窒素)吸入療法は、人工呼吸器使用日数に有意な影響を与えなかった。オーストラリア・クイーンズランド大学のLuregn J. Schlapbach氏らが、多施設共同無作為化二重盲検比較試験「Nitric Oxide During Cardiopulmonary Bypass to Improve Recovery in Infants With Congenital Heart Defects trial:NITRIC試験」の結果を報告した。心臓手術を受ける小児において、人工心肺装置を介した一酸化窒素吸入療法は、術後の低心拍出量症候群を軽減し、回復の改善や呼吸補助期間の短縮につながる可能性があるが、人工呼吸器離脱期間(人工換気を使用しない生存日数)を改善するかどうかについては不明であった。JAMA誌2022年7月5日号掲載の報告。人工心肺を介した一酸化窒素20ppm投与と標準治療を比較 研究グループは、オーストラリア、ニュージーランド、オランダの小児心臓外科センター6施設において、2017年7月~2021年4月の期間に先天性心疾患手術を受けた2歳未満児1,371例を対象として無作為化試験を行った。最終追跡調査日は2021年5月24日。 適格患児は、人工心肺装置を介して一酸化窒素20ppmを投与する一酸化窒素群(679例)、または一酸化窒素を含まない人工心肺装置による標準治療群(685例)に、無作為に割り付けられた。 主要評価項目は人工心肺開始後28日目までの人工呼吸器離脱日数、副次評価項目は低心拍出量症候群・体外式生命維持装置の使用・死亡の複合、集中治療室(ICU)在室期間、入院期間、術後トロポニン値であった。人工呼吸器離脱期間に両群で有意差なし 無作為化された1,371例(平均[±SD]生後21.2±23.5週、女児587例[42.8%])のうち、1,364例(99.5%)が試験を完遂した。 人工心肺開始後28日目までの人工呼吸器離脱日数の中央値は、一酸化窒素群26.6日(IQR:24.4~27.4)、標準治療群26.4日(24.0~27.2)で、両群に有意差は認められなかった(絶対群間差:-0.01日、95%信頼区間[CI]:-0.25~0.22、p=0.92)。 一酸化窒素群で22.5%、標準治療群で20.9%が、48時間以内に低心拍出量症候群を発症し、48時間以内に体外式生命維持装置を必要としたか、28日目までに死亡した(補正後オッズ比:1.12、95%CI:0.85~1.47)。その他の副次評価項目は、両群間に有意差はなかった。 著者は、研究の限界として、技術的な理由により人工心肺装置の技術者(灌流技師)は盲検化されていないこと、一酸化窒素の投与量が固定用量であったこと、ニトロソチオール値は計測されていなかったこと、両群の中に非盲検の一酸化窒素吸入療法を受けた患者がいたことなどを挙げ、そのうえで「今回の結果は、心臓手術中に人工心肺装置を介した一酸化窒素の投与を支持するものではない」とまとめている。

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オミクロン株時代の未成年者に対するRNAワクチン接種法とは?(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)

 本論評の主たる対象論文として取り上げたのはFleming-Dutraらの報告で、未成年者(5~17歳)を対象としてBNT162b2(Pfizer社)のオミクロン株に対する感染/発症予防効果を調査したものである。未成年者の分類は国際的に統一されたものはなく、本論評では各製薬会社の分類に準拠し、生後6ヵ月以上~4歳(Pfizer社)あるいは6ヵ月以上~5歳(Moderna社)を幼児、5~11歳(Pfizer社)あるいは6~11歳(Moderna社)を小児、12~17歳(Pfizer社、Moderna社)を青少年と定義する。本論評では、ワクチン接種の最先端国である米国と本邦の現状を比較し、本邦において未成年者のワクチン接種として今後いかなる方法を導入すべきかについて考察する。小児、青少年におけるBNT162b2の2回目接種のオミクロン株に対する感染/発症予防効果 Fleming-Dutraらは2021年12月26日~2022年2月21日までのオミクロン株優勢期において、米国ほぼ全域から集積されたコロナ感染疑い症状を有し核酸増幅検査(NAAT)によって感染の有無が判定された5~11歳の小児と12~15歳の青少年を対象としてBNT162b2ワクチン2回接種のオミクロン株感染/発症予防効果(VE)を調査した。1回のワクチン接種量は小児で10μg、青少年で30μgであった。 ワクチン2回接種2~4週後におけるVEは小児で60.1%、青少年で59.5%とほぼ同等の値を示した。しかしながら、ワクチン2回接種2ヵ月後におけるVEは小児で28.9%、青少年で16.6%であり、とくに、青少年における時間経過に伴うVEの低下が著明であった。青少年のワクチン接種3ヵ月後のVEは9.6%で統計学的にゼロと判定された。以上の結果はオミクロン株優勢期に成人を対象として報告された傾向と概略一致している(Andrews N, et al. N Engl J Med. 2022;386:1532-1546.)。 Dorabawilaらは小児、青少年におけるBNT162b2の2回接種後のオミクロン株に対する入院予防効果を検討した(Dorabawila V, et al. medRxiv. 2022 Feb 28.)。その結果、小児の入院予防効果はワクチン2回接種1.5ヵ月後で100%から48%に低下、青少年では94%から73%まで低下することが示された。オミクロン株に対する入院予防効果が時間推移と共に低下する傾向は成人においても観察されている(UKHSA. Technical Briefing. 2021 Dec 31.)。青少年におけるBNT162b2の3回目追加接種のオミクロン株に対する感染/発症予防効果 Fleming-Dutraらは905例の青少年を対象として3回目追加接種のオミクロン株に対する感染/発症予防効果(VE)に関しても報告している。3回目接種後の観察期間が短く確実な検討とは言い難いが、2回目接種後時間経過と共に急速に低下したVEは3回目の追加接種2~6.5週後に71.1%まで回復した。この値は青少年における3回目追加接種によるVEの最大値と考えることができ、Andrewsらが報告した成人のオミクロン株に対する3回目追加接種によるVEの最大値(67.2%)と同等の値であった(Andrews N, et al. N Engl J Med. 2022;386:1532-1546.)。しかしながら、青少年において3回目追加接種によって回復したVEが時間経過と共にどの程度の速度で低下するかは解析されていない。小児に対する3回目追加接種の効果を検証した論文は発表されていない。米国、本邦における未成年者に対するRNAワクチン接種基準 インフルエンザウイルスを標的としたワクチン接種は生後6ヵ月以上の年齢層に適用されている。一方、新型コロナウイルスは発症後2.5年しか経過していないがために未成年者に対するワクチン接種法は流動的である。米国における未成年者に対するRNAワクチン接種に関する最新の指針が2022年6月17日にFDAから発表された(FDA. News Release. 2022 Jun 17.)。FDAの指針によると;(1)Pfizer社のBNT162b2に関しては、幼児(生後6ヵ月~4歳)に対し1回3μgを2回ではなく3回連続して接種する新たな方法が提唱された。2回目は1回目から21日後、3回目は2回目から8週後に接種し、3回連続接種をもってワクチン接種が完結する。すなわち、3回連続接種を“Primary series”とする斬新で価値ある考え方である(3回目接種を追加接種とは考えない)。この考え方の基礎になっているのは、成人においてオミクロン株に対するワクチン誘導性液性免疫(中和抗体形成)は2回接種では賦活化が弱く、3回目接種後に初めて有意な賦活化が観察されたという事実である(山口. 日本医事新報 2022;5111:28.)。幼児に対する追加接種(4回目接種)は推奨されていない。(2)小児(5~11歳)と青少年(12~17歳)に対するBNT162b2の接種法は以前に決定された内容が継承され、小児においては1回10μgを21日間隔で2回接種、青少年においては成人と同様に1回30μgを21日間隔で2回接種する。すなわち、小児、青少年においては2回接種をもって“Primary series”と定義された。3回目の追加接種は2回目接種より5ヵ月後に施行することが推奨された(接種量:2回目までと同量)。4回目の追加接種は推奨されていない。(3)Moderna社のmRNA-1273に関しては、生後6ヵ月~5歳までの幼児(Pfizer社の幼児の定義と異なる)に対して1回25μg、6~11歳までの小児(Pfizer社の小児の定義と異なる)に対して1回50μg、12~17歳の青少年に対して1回100μgを1ヵ月間隔で2回接種する。(4)mRNA-1273を用いた3回目の追加接種(接種量は初回量と同じで2回目より1ヵ月以上あけて接種)は免疫不全を有する未成年者(生後6ヵ月~17歳)において認められたが、BNT162b2の場合と異なり免疫不全を有さない未成年者には認められなかった。4回目の追加接種は推奨されていない。 BNT162b2とmRNA-1273の未成年者に対する3回目追加接種の適用の差は、各ワクチンの治験結果を基礎とした科学的根拠に基づくものであるが、本質的に同じ作用を有する両ワクチンの適用を異なった形のまま放置することは施策上混乱を招く恐れがある。 本邦における未成年者に対するワクチン接種に関する厚生労働省の指針は、2022年5月25日に更新された(厚生労働省. 新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き[第8版]. 2022年5月25日)。この指針では、BNT162b2(商品名:コミナティ筋注)のみが5~11歳の小児に対する2回接種(1回10μg、21日間隔)が認められているが、生後6ヵ月~4歳の幼児には認められていない。また、BNT162b2を用いた3回目追加接種は12歳以上の年齢層(青少年と成人)に対して認められているが(2回目接種後5ヵ月以降に30μg接種)、mRNA-1273(商品名:スパイクバックス筋注)においては18歳以上の成人にしか認められていない(2回目接種後5ヵ月以降に通常量の半量である50μgを接種)。未成年者に対する4回目の追加接種は推奨されていない。以上のように本邦における未成年者に対するRNAワクチン接種指針は不完全であり、とくに、5歳未満の幼児に対する有効なワクチン施策を早急に確立する必要がある。 Pfizer社、Moderna社は武漢原株のS蛋白に加え、オミクロン姉妹株(BA.4、BA.5)のS蛋白を標的とした2価ワクチンの開発を急ピッチで進めている。米国FDAはこの新規2価ワクチンを今秋以降に追加接種用のBoosterワクチンとして期待していると表明した(The Washington Post. updated. 2022 Jun 30.)。この場合にも、従来ワクチンは医療経済的側面から2回目接種までの“Primary series”として使用されるはずであり、成人、未成年者に対する従来ワクチンの接種法を現時点において確立しておくことは重要課題の1つである。

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オミクロン株流行中の5~11歳へのワクチン接種、実際の有効性は?/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン変異株流行中における、5~11歳へのmRNAワクチンBNT162b2(ファイザー製)の2回接種は、SARS-CoV-2感染および症候性新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し中程度の保護効果を示したことが、イスラエル・Clalit Research InstituteのChandra J. Cohen-Stavi氏らによる検討で示された。これまでオミクロン変異株流行中の5~11歳への、BNT162b2ワクチンのリアルワールドでの有効性に関するエビデンスは限定的だった。NEJM誌オンライン版2022年6月29日号掲載の報告。13万6,127例を対象に、SARS-CoV-2感染・症候性COVID-19への有効性を検証 研究グループは、イスラエル最大の医療ケア組織のデータを基に、2021年11月23日以降にBNT162b2ワクチン接種を受けた5~11歳の小児を特定。ワクチン非接種の小児とマッチングし、オミクロン変異株流行中にBNT162b2ワクチン接種を受けた小児における、1回目および2回目接種後のSARS-CoV-2感染と症候性COVID-19に対する有効性を推定した。 両群の2022年1月7日までの累積アウトカム発生について、Kaplan-Meier推定法で推定し、ワクチン有効性を1-リスク比で算出した。また、年齢サブグループ別のワクチン有効性も推定した。 試験期間中にワクチンを受けた試験適格児は13万6,127例、マッチドワクチン非接種児は9万4,728例だった。有効性は5~6歳が10~11歳より高い傾向 記録されたSARS-CoV-2感染に対するBNT162b2ワクチンの推定有効率は、1回目接種後14~27日で17%(95%信頼区間[CI]:7~25)、2回目接種後7~21日で51%(39~61)だった。 2回目接種後7~21日に記録されたSARS-CoV-2感染に関する両群の絶対リスク差は、1,905件(95%CI:1,294~2,440)/10万人、症候性COVID-19については同599件(296~897)/10万人だった。 症候性COVID-19に対するBNT162b2のワクチン有効率は、1回目接種後14~27日で18%(95%CI:-2~34)、2回目接種後7~21日で48%(29~63)だった。 年齢サブグループ別にみた傾向として、10~11歳と高年齢グループに比べ、5~6歳と低年齢グループのほうが、ワクチン有効性が高かった。2回目接種後7~21日に記録されたSARS-CoV-2感染への有効率は38%(95%CI:18~53)vs.68%(43~84)、同じく症候性COVID-19への有効率は36%(0~61)vs.69%(30~91)だった。

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2価RSVpreFワクチン、第IIa相チャレンジ試験で有効性を確認/NEJM

 2価の呼吸器多核体ウイルス(RSV)融合前F蛋白ベース(RSVpreF)のワクチンはプラセボと比較して、症候性のRSV感染やウイルス排出の予防効果が高く、安全性に関する明らかな懸念も認めないことが、ドイツ・Pfizer PharmaのBeate Schmoele-Thoma氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2022年6月23日号で報告された。ワクチン接種後にウイルスを鼻腔内投与 本研究は、2価RSVpreFワクチンの有効性と安全性の評価を目的に、単施設で行われた探索的なRSVチャレンジ試験(二重盲検無作為化プラセボ対照第IIa相試験)である(米国Pfizerの助成を受けた)。 健康な成人(年齢18~50歳)が対象とされ、2価RSVpreFワクチン(120μg、アジュバントは含有されていない)の単回筋肉内注射を受ける群またはプラセボ群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。これらの参加者は、ワクチンまたはプラセボの接種から約28日の時点で、RSV-A Memphis 37bチャレンジウイルスを鼻腔内に投与され、隔離室で12日間の観察を受けた。 ウイルスの投与を受けた参加者は、ウイルス投与から28日後にフォローアップのために受診し、ワクチン注射から6ヵ月後(ウイルス投与から155日目)に最後の受診をした。 プロトコルで事前に規定された主要エンドポイントは、(1)症候性RSV感染(逆転写酵素定量的ポリメラーゼ連鎖反応[RT-qPCR]検査でウイルスRNAが少なくとも2日連続で検出)が確定され、3つのカテゴリー(上気道、下気道、全身)のうち2つ以上で重症度を問わない臨床症状が1つ以上みられるか、または1つ以上のカテゴリーでGrade2の臨床症状がみられる、(2)ウイルス投与後1日目から退院までの総症状スコア、(3)RT-qPCR検査で測定された鼻腔洗浄液検体中のRSVウイルス量のウイルス投与後2日目から退院(12日目)までの曲線下面積(AUC)とされた。ワクチン有効率86.7%、重篤・重度の有害事象はない 70例が登録され、ワクチン群に35例(スクリーニング時の年齢中央値24歳[範囲19~47]、女性10例[29%])、プラセボ群にも35例(26歳[20~50]、10例[29%])が割り付けられた。計画どおり、このうち62例(89%、両群31例ずつ)がRSV-A Memphis 37bを鼻腔内に投与され、60例が隔離観察期間を完了した。 チャレンジウイルスの投与を受けた参加者における、症候性RSV感染(ウイルスRNAの2日以上連続の検出で確定)の予防に関するワクチンの有効率は、86.7%(95%信頼区間[CI]:53.8~96.5)であった。症候性感染は、ワクチン群が6%(2/31例)、プラセボ群は48%(15/31例)で発現した。 ウイルス投与後2~12日目までのRT-qPCR検査で測定したRSVウイルス量のAUC(時間×log10コピー/mL)中央値は、ワクチン群が0.0(IQR:0.0~19.0)、プラセボ群は96.7(0.0~675.3)であった。 ワクチン群では症状の発現期間と重症度の双方で防御効果が認められ、総症状スコアの幾何平均の和は、ワクチン群の2.1に対しプラセボ群は10.8だった(比:0.26、95%CI:0.12~0.56)。 一方、RT-qPCR検査またはウイルス培養による有効性のエンドポイントの定義に基づくと、ワクチン群で症候性感染は認められず、プラセボ群で症候性感染が確定されるまでの期間中央値はRT-qPCR検査が3.3日(IQR:2.9~4.8)、ウイルス培養は4.8日(3.8~5.3)であった。また、RT-qPCR検査で定量化可能なウイルスが検出されたワクチン群8例におけるウイルス排出は、症状の有無にかかわらず、ウイルス投与後に初めてウイルスDNAが検出されてから、24時間以内にほぼ限定されていた。 免疫原性の評価では、ワクチンまたはプラセボ注射後約28日の時点でのウイルス投与直前におけるRSV-A中和抗体価のベースラインからの幾何平均上昇倍率は、ワクチン群が20.5倍(95%CI:16.6~25.3)、プラセボ群は1.1倍(0.9~1.3)で、RSV-B中和抗体価の幾何平均上昇倍率はそれぞれ20.3倍(15.6~26.4)および1.0倍(0.9~1.1)であった。 ワクチンまたはプラセボ注射後7日までに、ワクチン群が14%(5/35例)、プラセボ群は6%(2/33人)で局所反応が報告された。ワクチン群の局所反応はすべて軽度であった。最も頻度の高い局所反応は注射部位の痛みだった(ワクチン群5例、プラセボ群1例)。全身性のイベントは、ワクチン群が18例(51%)、プラセボ群は11例(33%)で発現し、疲労/倦怠感の頻度が高かった(ワクチン群14例[40%]、プラセボ群10例[30%])が、いずれも軽度であった。38℃以上の発熱は認めなかった。 注射後28日以内に、ワクチン群が34%(12/35例)、プラセボ群は29%(10/35例)で、合計25件の有害事象が発現した。1件(顎下リンパ節腫脹、ワクチン注射後26日目に発現し53日目に消退)が、ワクチン関連と判定された。ワクチン群で試験中止の原因となった有害事象が2件(検査で新型コロナウイルス感染症が陽性と心電図でQT間隔延長が1件ずつ)認められたが、いずれも試験薬との関連はないと判定された。28日までに、重篤または重度の有害事象の報告はなかった。 著者は、「これらの知見は、今後、第III相試験でRSVpreFワクチンの有効性の評価を行うことを支持するものである」としている。

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追加接種のタイミング、6ヵ月以上でより高い有効性か

 ワクチンの種類や2回目接種からの間隔の長さによって、オミクロン株に対する3回目接種の有効性は異なるのか? スペイン・公衆衛生研究所のSusana Monge氏らは、全国規模の住民登録データを用いて、オミクロン株が優勢な期間におけるワクチン有効率をいくつかのサブグループごとに推定。結果をThe Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2022年6月2日号で報告した。 本研究では、スペインの3つの全国的な人口登録(ワクチン接種登録、検査結果登録、および国民健康システム登録)からのデータをリンクさせて、ワクチン初回シリーズ(mRNAワクチンおよびアストラゼネカ製ワクチンは2回、ヤンセン製ワクチンは1回)をフォローアップ開始の3ヵ月前までに完了した40歳以上の個人を選択した。パンデミックの開始以降、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染したことがある者(検査陽性者)は含まない。 2022年1月3日から2月6日までの毎日、mRNAワクチンの追加接種者と対照者を、性別、年齢層、郵便番号、ワクチンの種類、2回目接種からの経過時間、および以前の検査回数でマッチさせた。Kaplan-Meier法を使用して、リスク比(RR)とリスク差による群間比較を行った。ワクチン有効率は、1からRRを引いたものとして計算された。 主な結果は以下の通り。・311万1,159人ずつのマッチさせたペアが解析対象。・初回シリーズのワクチンの種類は、ファイザー製が78.4%、モデルナ製が11.8%、アストラゼネカ製が7.6%、ヤンセン製が2.2%。追加接種は、ファイザー製が26.6%、モデルナ製が73.4%だった。・全体として、追加接種後7~34日目までの推定有効率は51.3%(95%信頼区間[CI]:50.2~52.4)だった。・追加接種の種類ごとにみた推定有効率は、モデルナ製が52.5%(51.3~53.7)、ファイザー製が46.2%(43.5~48.7)だった。・初回シリーズの種類ごとにみた推定有効率は、アストラゼネカ製が58.6%(55.5~61.6)、モデルナ製が55.3%(52.3~58.2)、ファイザー製が49.7%(48.3~51.1)、ヤンセン製が48.0%(42.5~53.7)だった。・初回シリーズ後151~180日に追加接種した場合の推定有効率は43.6%(40.0~47.1)、180日を超えて追加接種した場合は52.2%(51.0~53.3)だった。 著者らは、追加接種のオミクロン株に対する推定有効率はファイザー製と比較してモデルナ製で高く、また初回シリーズ完了後追加接種までの時間とともに推定有効率が増加したとまとめている。ただし一方で、推定有効率がより間隔を空けた場合と比べやや低いとしても、オミクロン株感染が拡大している中での接種は可能な限り早い段階で感染を減らすという側面から正当化されるかもしれないと考察している。

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ガイドライン無料化を医師の3割が希望/1,000人アンケート

 診療の標準・均てん化とエビデンスに根ざした診療を普及させるために、さまざまな診療ガイドラインや診療の手引き、取り扱い規約などが作成され、日々の診療に活用されている。今春の学術集会でも新しいガイドラインの発表や改訂などが行なわれた。 実際、日常診療でガイドラインはどの程度活用され、医療者が望むガイドラインとはどのようなものなのか、今回医師会員1,000人にアンケートを行なった。 アンケートは、5月26日にCareNet.comはWEBアンケートで会員医師1,000人にその現況を調査。アンケートでは、0~19床と20床以上に分け、6つの質問に対して回答を募集した。【回答者内訳】・年代:20代(7%)、30代(17%)、40代(23%)、50代(26%)、60代(22%)、70代以上(5%)・病床数:0床(46%)、1~19床(4%)、20~99床(9%)、100~199床(3%)、200床以上(38%)・診療科[回答数の多い10診療科]:内科(247人)、外科・乳腺外科(76人)、研修医・その他(71人)、循環器内科・心臓血管外科(63人)、精神科(56人)、消化器内科(55人)、整形外科(40人)、皮膚科(39人)、小児科(37人)、糖尿病・代謝・内分泌科(32人)ガイドライン「無料化」「ダイジェスト版の作成」の声が多かった 質問1で「専門領域における日常診療でガイドラインなどを活用しているか」(単数回答)を尋ねたところ、回答者全体の集計では「部分的に活用」が51%、「大いに活用している」が40%、「あまり活用していない」が8%、「まったく活用していない」が1%の順だった。とくに19床未満と20床以上の比較では、20床以上所属の回答者の46%が「大いに活用している」に対し、19床未満では35%と医療機関の規模でガイドラインなどの活用の度合いが分かれた。 質問2で「ガイドラインなどの新規発行や改訂などの情報はどのように入手しているか」(複数回答)を尋ねたところ、全体で「所属学会の案内」が64%、「CareNet.comなどのWEB媒体」が52%、「学術集会の場」が18%の順だった。とくに規模別で「CareNet.comなどのWEB媒体」について、19床未満所属では59%であるのに対し、20床以上は45%といわゆるクリニックなどの医師会員ほどWEBなどをガイドラインの情報源にしていることがうかがわれた。 質問3で「ガイドラインなどはどの程度の領域を用意/集めているか」(単数回答)を尋ねたところ、回答者全体の集計では「自分の専門領域とその周辺領域すべて」が31%、「必要なときに入手」が27%、「自分の専門領域の一部」が20%の順だった。規模別に大きな違いはなかったが、診療で必要な都度にガイドラインを用意していることがうかがえた。 質問4で「ガイドラインなどで参考する項目について」(回答3つまで)を尋ねたところ、「治療(治療薬などの図表なども含む)」が75%、「診断(診断チャート含む)」が66%、「疾患概要(病態・疫学など)」が31%の順だった。とくに規模別でガイドラインの「クリニカルクエッション(CQ)」について全体では23%だったが、20床以上所属では27%であるのに対し、19床未満では19%と大きく差がひらいた。 質問5では「ガイドラインなどで今後改善すべきと思う点について」(複数回答)を尋ねたところ、「非学会員への配布無料化」が32%、「PDF・アプリなどへの電子化」が31%、「図表や臨床画像の多用」と「非専門医、一般向けのダイジェスト版の作成」がともに30%の順だった。とくに規模別では、「PDF・アプリなどへの電子化」について20床以上が36%と回答していたのに対し、19床未満は27%とガイドラインのデジタル化への要望につき差がでていた。 質問6では自由記載として「ガイドラインなどに関するエピソード」について尋ねたところ、ガイドラインの活用では、「診療で迷った際の指針」だけでなく、「患者への説明」や「後輩への指導の教材」などでの使用も多かった。また、ガイドラインなどの改善点として「無料化」「ダイジェスト版の作成」の声が多かった。参考診療ガイドラインを活用していますか?/会員医師1,000人アンケート

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妊娠中のコロナワクチン2回接種、生後6ヵ月未満児の入院を半減/NEJM

 妊娠中に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチンを2回接種することにより、生後6ヵ月未満の乳児におけるCOVID-19による入院および重症化のリスクが低減することが、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのNatasha B. Halasa氏らが実施した検査陰性デザインによる症例対照研究の結果、示された。生後6ヵ月未満児はCOVID-19の合併症のリスクが高いが、ワクチン接種の対象とはならない。妊娠中の母親がCOVID-19ワクチンを接種することで新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抗体が経胎盤移行し、乳児にCOVID-19に対する防御を与える可能性が示唆されていた。NEJM誌オンライン版2022年6月22日号掲載の報告。COVID-19で入院した乳児とCOVID-19以外で入院した乳児を比較 研究グループは、Overcoming COVID-19ネットワークに登録されている米国22州30の小児病院において、2021年7月1日~2022年3月8日の期間に、SARS-CoV-2のPCR検査陽性または抗原検査陽性でCOVID-19により入院した生後6ヵ月未満の乳児(症例群)、ならびに症例群とマッチさせた(入院日が症例児の入院日の前後4週以内)SARS-CoV-2陰性でCOVID-19以外により入院した乳児(対照群)を特定し、母親のワクチン接種の有効性を解析した。 母親のワクチン接種は、妊娠中にBNT162b2(ファイザー製)またはmRNA-1273(モデルナ製)ワクチンを2回接種していることとした(妊娠前に1回目を接種し妊娠中に2回目を接種した母親は解析対象に含む)。 試験期間全体、B.1.617.2(デルタ)変異株の流行期(2021年7月1日~12月18日)およびB.1.1.259(オミクロン)変異株の流行期(2021年12月19日~2022年3月8日)に分け、乳児のCOVID-19による入院に対する母親のワクチン接種の有効性について、母親のワクチン接種のオッズ比を症例群と対照群とで比較することにより推定した。妊娠中のワクチン2回接種完了、乳児のCOVID-19入院に対する有効率は試験期間全体で52% 解析対象は、症例群537例(デルタ期181例、オミクロン期356例)、対照群512例(両群とも月齢中央値は2ヵ月)。妊娠中にワクチン2回接種を完了した母親から生まれた乳児は、症例群で16%(87/537例)、対照群で29%(147/512例)であった。 症例群では、113例(21%)がICUで治療を受け、そのうち64例(12%)は人工呼吸器装着または血管作動薬の投与を受けた。2例がCOVID-19により死亡したが、2例とも母親は妊娠中にワクチン接種を受けていなかった。 乳児のCOVID-19による入院に対する母親のワクチン接種の有効性は、試験期間全体で52%(95%信頼区間[CI]:33~65)、デルタ期で80%(95%CI:60~90)、オミクロン期で38%(95%CI:8~58)であった。母親のワクチン接種が妊娠20週以降に行われた場合の有効性は69%(95%CI:50~80)、妊娠初期(20週以前)の場合は38%(95%CI:3~60)であった。

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