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英語プレゼン、数字の基本的な口語表現(3)スムーズに伝えるコツ【学会発表で伝わる!英語スライド&プレゼン術】第19回

英語プレゼン、数字の基本的な口語表現(3)スムーズに伝えるコツ前回、前々回で紹介したように、科学的な内容の発表・議論では、数字の口語表現を素早く正確に理解することがきわめて重要です。今回は、そのために個人的に有効だと感じている「コツ」を紹介します。1)桁数の多い数字は省略して読み上げる科学的な研究発表では、桁数が多い数字をスライドに表示することがよくあります。前々回で紹介したように、英語の数字の読み方は、単純なルールを覚えていればさほど難しくはありません。ただし、数字の桁数が多くなると、スムーズに読み上げることは簡単ではありません。たとえば、「1,234.56」という数字を、“one thousand two hundred thirty-four point five six”と読むためのルールを学習することは難しくはありませんが、これをプレゼンの中でスムーズに読み上げることは意外と困難です。試しに早口言葉のように口に出して2、3回読んでみてください。プレゼンの現場では、頭で計算して得られたこの数字を瞬時に口に出して伝える技能も必要です。この対策としては、シンプルですが、「省略して読み上げる」ことをお勧めします。スライドには実際の数字をすべて記載しますが、それを読み上げる際には省略しても問題はありません。むしろ、省略したほうが発表者の解釈を含むことができるので、聞きやすくなることも多いのです。以下の表のように、“more than”や“less than”の表現を使うと読みやすさは圧倒的に改善されますし、また「数字の大小のどちらに意義があるのか」を伝えることができます。たとえば、「1,234,567人の患者ががんに罹患している」というスライドがあり、その数字の大きさを伝える時に、“one million two hundred thirty-four thousand five hundred sixty-seven patients have cancer”とそのまま読み上げるよりも、“more than one million patients have cancer”と言ったほうが、話しやすく、伝わりやすく、理解もされやすいはずです。「おおよそ」「だいたい」「約」を表現する“about”、“approximately”、“roughly”は、主観や解釈を交えず客観的な数字として伝えたい場合に、より適しています。〈表〉画像を拡大する2)話しやすい表現を選択する数字の表現が行き交う英語の議論では、数字の概念のインプット、理解・考察、アウトプットまでを正確かつ遅滞なく行うことが必要です。そのためには、自分が理解して使いやすい表現を知っておくことも重要です。たとえば、割合の表現は「分数」でも「パーセント」でも表現できますが、個人的にはパーセントのほうが使いやすいと感じます。“two fifths of the cases”(このケースの5分の2は…)と言うよりも、“40% of the cases”(このケースの40%は…)と言ったほうが発音しやすく、多くの日本人にとって使いやすいでしょう。また、「患者23/30例(76.7%)」という表現は、臨床研究で頻用されます。私は“out of”の“v”音を明確に発音することが苦手なので、“23 out of 30”よりも、“23 in 30”を使います。また、その後の“76.7%”をそのまま読み上げているとスピーキングの流れが滞ってしまうので、省略した表現にします。よって、私であれば「患者23/30(76.7%)」というスライドの記載であれば、“23 in 30 patients, which is about 80%”と読み上げます。3)Practice makes perfect!英会話全般に共通することですが、単語・文法などの知識を詰め込むだけでは自然なスピードで会話や議論をすることは難しく、反復練習で耳と脳と構音機能を鍛えることがきわめて重要です。数字が飛び交う英語の議論に付いていくうえでは、スピーキング、リスニングの両方において、数字の概念と英語表現が頭の中で直接リンクして、日本語を介在させないで理解できることが不可欠です。私の経験では、この数字と英語の強固なリンクの形成には、臨床留学をして、日常的にバイタルサインや検査値などを回診で話し合う状況に身を置いてから、さらに数ヵ月を要したので、日本で習得をするためには十分な学習時間を確保する必要があるでしょう。講師紹介

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熱中症予防の「適切な水分量」とは?

熱中症を予防しよう熱中症とは?高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもったことで生じる健康障害の総称です。屋外だけでなく、室内でも発症することがあります。命に関わることもあるため、正しい熱中症対策を行いましょう。環境省は熱中症の予防として、下記を推奨しています。 涼しい服装 日陰の利用 日傘、帽子の使用 水分、塩分摂取➡ では、適切な水分摂取量とは?監修:沼田 賢治氏(聖マリアンナ医科大学病院 救急医学 助教)熱中症を予防しよう「適切な水分摂取」とはどの程度?屋外でも、室内でも、のどが渇いていなくても、こまめに水分を摂取しましょう。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、暑い環境で作業するときは15~20分ごとに240mLくらい、1時間で1Lくらいが目安となっています。気温や活動の負荷によって異なりますが、意識してこまめに摂取しましょう。監修:沼田 賢治氏(聖マリアンナ医科大学病院 救急医学 助教)

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思春期うつ病と脂質異常症との関連

 小児期および思春期のうつ病患者は、若年性心血管疾患(CVD)リスクが上昇するといわれている。思春期うつ病患者において、CVDの重要なリスクファクターである脂質異常症の兆候が認められているかは、よくわかっていない。カナダ・Sick Kids Research InstituteのAnisa F. Khalfan氏らは、思春期うつ病患者における脂質異常症の有病率を調査した。その結果、思春期うつ病患者の脂質異常症レベルは、健康対照群と同レベルであった。うつ病の経過とともに出現する脂質異常症のタイミングや思春期うつ病患者のCVDリスク増加に関連するメカニズムを明らかにするためには、今後の研究において、うつ症状と脂質関連検査値の軌跡を調査することが求められる。Journal of Affective Disorders誌2023年10月号の報告。うつ病重症度とHDLコレステロールの高さに関連が認められた 精神科クリニック外来および地域社会より募集した若者を、診断後にうつ病群または健康対照群に分類した。HDLコレステロール(HDL-C)、LDLコレステロール(LDL-C)、トリグリセライド(TG)濃度などのCVDリスクファクターに関する情報を収集した。うつ病の重症度評価には、小児のうつ病スケールを用いた。うつ病群およびうつ病重症度と脂質濃度との関連を評価するため、重回帰分析を用いた。年齢、性別、標準化されたBMIでモデルの調整を行った。 思春期うつ病患者における脂質異常症の有病率を調査した主な結果は以下のとおり。・対象は243例(女性の割合:68%、平均年齢:15.04±1.81歳)。・うつ病群および健康対照群における脂質異常症(48% vs.46%、p>0.7)、高TG血症(34% vs.30%、p>0.7)のレベルは同程度であった。・未調整モデルでは、思春期うつ病患者におけるうつ病重症度と総コレステロール濃度の高さとの関連が認められた。・共変量で調整した後、うつ病重症度と高HDL-C、低TG/HDL-C比との関連が認められた。

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7月6日 ワクチンの日【今日は何の日?】

【7月6日 ワクチンの日】〔由来〕1885年の今日、細菌学者のルイ・パスツール(フランス)が開発した狂犬病ワクチンが、少年に接種されたことを記念し、ワクチンの大切さを多くの人に知ってもらうことを目的に日本ベクトン・ディッキンソン株式会社が制定。関連コンテンツ今、知っておきたいワクチンの話成人のワクチンキャッチアップの重要性「全ワクチン拒否」の医師は勤務可能?帯状疱疹ワクチンで認知症発現率低下 / タウリンでより健康に長生きできるかも【バイオの火曜日】肺炎の予防戦略、改訂中の肺炎診療GLを先取り/日本呼吸器学会

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高い抗菌活性を有する抗菌点耳薬「コムレクス耳科用液1.5%」【下平博士のDIノート】第124回

高い抗菌活性を有する抗菌点耳薬「コムレクス耳科用液1.5%」今回は、フルオロキノロン系抗菌耳科用製剤「レボフロキサシン耳科用液(商品名:コムレクス耳科用液1.5%、製造販売元:セオリアファーマ)」を紹介します。本剤は、久々に登場した抗菌点耳薬であり、外耳炎および中耳炎患者の治療選択肢が広がることが期待されています。<効能・効果>外耳炎および中耳炎の適応で、2023年3月27日に製造販売承認を取得し、6月8日より発売されています。適応菌種は、本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、肺炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属です。<用法・用量>通常、1回6~10滴を1日2回点耳し、点耳後は約10分間の耳浴を行います。なお、症状により適宜回数を増減します。<安全性>1~5%未満に認められた副作用は、耳真菌性外耳炎、回転性めまい、浮動性めまい、下痢、耳痛でした。なお、重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)が設定されています。<患者さんへの指導例>1.細菌の複製に関わる酵素の働きを抑えることで、中耳炎や外耳炎の原因となる細菌を殺菌する点耳薬です。2.薬液の温度が低いとめまいを起こすことがあるので、使用する際はできるだけ体温に近い温度で使用してください。3.点耳するほうの耳を上にして、横向きに寝てください。耳たぶを後ろに引っぱるようにして、容器の先端が直接耳に触れないようにして薬液を滴下してください。点耳後は約10分間そのままの姿勢を維持して薬液を耳の中にとどめてください。<Shimo's eyes>抗菌点耳薬として、わが国では1992年に販売されたオフロキサシン耳科用液(商品名:タリビッド耳科用液0.3%など)が現在でも繁用されています。本剤の主成分であるレボフロキサシンは、経口薬、点滴静注薬、点眼薬が30年にわたって広く使用されていますが、これまで耳科用液は発売されていませんでした。レボフロキサシン経口薬の効能・効果には、初回承認時より外耳炎および中耳炎が含まれています。レボフロキサシンはラセミ体であるオフロキサシンの一方の光学活性体((S)-(-)体)であり、オフロキサシンの約2倍の抗菌活性を有します。本剤の濃度は1.5%であり、オフロキサシン耳科用液の5倍の有効成分を含有しています。国内第III相臨床試験における中耳および鼓膜の炎症の消退に基づく臨床効果の改善率は、本剤投与群で46.5%、プラセボ群で23.5%であり、プラセボ群に対する優越性が認められました。また、本試験における菌消失率は、本剤投与群で93.9%、プラセボ群で12.5%であり、本剤投与群で有意に高いという結果を示しました。副作用は、真菌性外耳炎、浮動性めまい、回転性めまい、下痢および滴下投与部位痛が各1.0%でした。4週間投与しても改善がみられない場合は、耐性菌が出現しないよう他剤への変更などの適切な処置が必要です。投薬時は耳浴の方法を、イラストなどを用いて説明するとよいでしょう。参考コムレクス耳科用液1.5%を使用する患者さんへ

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熱中症【いざというとき役立つ!救急処置おさらい帳】第4回

今回は「熱中症」についてです。夏場では熱中症はCommonな疾患で、さまざまな原因によって生じます。地球温暖化も相まって、熱中症は気象の影響による死亡の中で最も多いという報告があり1)、すべてのかかりつけ医にとって必修の疾患と言えるでしょう。私も救命センターで働いていると、熱中症患者の搬送や受診が年々増えていることを実感しています。熱中症の診療を若手医師に教える機会は多いのですが、しばしば「言葉の定義や治療方法があやふやだな」と感じることがあります。これは自分が研修医のときに上級医に言われたことでもありますが、系統立てて熱中症を勉強した経験が少ないことが影響しているのではないかと思います。今回は熱中症の定義や臨床像を整理し、かかりつけ医が熱中症患者を診る際のポイントや対処法をお伝えし、さらに帰宅時に「暑い中で作業する時は水分をしっかり取ってね」と指導する「しっかり」がどの程度かを解説します。熱中症の診断熱中症の診断で重要なのは「病歴の聴取」です。熱中症以外の疾患を見落とさないために、どんな場所で何をしていたか、随伴症状がないか、など聞ける範囲でしっかりと聴取しましょう。私が以前経験した苦い症例を挙げます。公園で遊んでいた母親と2人の子供が救急外来を受診。トリアージには一言「熱中症」と記載があり、体温は3人とも37.5℃程度であった。救急外来が混雑しており、3人ともぐったりしていたため、すぐに冷たい点滴を施行した。子供はすぐに元気になったが、母親はガタガタ震え、体温は39℃になり、嘔吐し始めた。よくよく聞くと、公園に着いたあたりから母親は倦怠感を感じて木陰で休んでいたとのことで、実は胃腸炎であった。この母親は運動性(労作性)熱中症にアンカリング(先に与えられた数字や情報を基に検討を始めることにより、その後の意思決定に影響を及ぼすこと)され、病歴をしっかりと聴取できていませんでした。熱中症診断の難しさを再確認した反省症例です。なお、古典的(非労作性)熱中症では、認知症や意識障害などにより病歴聴取が困難なことが多く、高温の環境から離れられなかった理由(図1)をしっかりと調べる必要があります2)。図1 熱中症と鑑別が必要な疾患例画像を拡大する熱中症の治療古典的熱中症は死亡率が高く、ほとんどの症例が総合病院に搬送されるため、ここからは、一般外来でもよく出会う運動性熱中症を中心にお話しします。目の前に熱中症患者がいた場合、まず現場で対応できるかどうかの判断が求められます。つまり、総合病院に搬送すべきかどうかという判断です。III度熱中症でジャパン・コーマ・スケール(JCS)2以上(見当識障害があり場所、日付、周囲の状況が正確に言えない)であれば、すぐに総合病院に搬送すべきです。JCS2程度であっても急性腎不全や横紋筋融解症など早期加療が必要な疾患を合併する可能性は高くなります。I度熱中症とII度熱中症の違いは、JCS0かJCS1かの違い、つまり意識清明か、見当識障害はないがぼーっとしているかの違いです。両方とも高温の環境から涼しい環境に移し、経口補水液を摂取させることが重要な治療です。ただし、II度熱中症で加療を開始して30分経っても意識が清明にならない場合は総合病院への搬送を検討しましょう3)。I度熱中症でも失神した場合はしっかりと鑑別を行い、病院での検査が必要になることがあるため搬送を検討します。熱痙攣(こむら返り)が収まらない場合は痛みで満足に水分摂取ができないことがあり、その際も搬送を検討します。私は熱痙攣が治まらず満足な水分摂取が困難な場合、生理食塩水の点滴と除痛目的のアセトアミノフェンを投与します。脱水による急性腎不全を合併していることがあるためNSAIDsの使用は控えます。また、報告は限られますが、芍薬甘草湯は熱中症に伴うこむら返りに効果があるという報告があり、頑張って1包(2.5g)を服薬してもらっています4)。これらの処置により1時間ほどで症状が改善することがしばしばあります。基本的にII度熱中症までは体温中枢が働いていて深部体温の上昇は軽度であるため、体表面の冷却が推奨されます。一般外来や院外でできることは、うちわや扇風機を使用する氷嚢を頸部、腋下、鼠経に設置する(直接では凍傷を生じることがあるので、必要に応じて間にタオルなどをはさむ)体に霧吹きで水をかけるなどがあります。氷水のプールに全身を浸して冷却するという方法が最も効果的だという報告がありますが、実行できる設備が少ないので現実的ではありません5)。霧吹きにはよく冷えた水を入れたほうがよいと思われがちですが、実はこれはお勧めできません。霧吹きによる体温降下は、水が蒸発する際に周囲の熱を奪うことで体内の熱を空気中に逃がすことができます(気化熱)。よって、常温~温かい水を使用するのがベストです。熱中症のピットフォール熱中症診療で注意しなければならないのが横紋筋融解症です。国家試験などにも出るほどメジャーな疾患ですが、診断が難しい疾患の1つでもあります。適切に治療しないと電解質異常や腎不全などを合併する恐れがあるため、早期診断・加療が必要です。熱中症の後に横紋筋融解症を合併した場合、尿がコーラ色になることがあります。これはミオグロビン尿と言われ、赤血球が尿沈渣では陰性で、尿定性では陽性になるのが特徴です。しかし、横紋筋融解症でミオグロビン尿が発現するのは19%程度であまり高くはありません6)。そこで診断基準に多く使われるのがクレアチニンキナーゼ(CK)です。多くの文献では正常値の5倍(1,000U/L)超を診断基準にしています。5,000U/L以下であれば横紋筋融解症の発症率は低いとされていますが、遅れて上がってくることもあるため注意が必要です7,8)。これらを聞くと「結局どうすればいいの?」となると思います。I度・II度熱中症であれば基本的に重症の横紋筋融解症は合併しないため、患者全員を病院に搬送して血液検査を行うというのは現実的ではありません。横紋筋融解症の治療は水分摂取が第1であり、認知症や意識レベルが低下している患者など水分摂取に懸念がある場合は積極的に病院受診を促すべきと考えます。私は患者を自宅に帰すときには、尿が出ない、尿が黒くなるなどの症状が現れた場合はすぐに病院を受診するよう指導しています。熱中症の予防最後に熱中症の予防です。環境省は熱中症の予防として、涼しい服装日陰の利用日傘・帽子の使用水分摂取を推奨しています。私も熱中症の患者さんは、水分摂取が少ないなと感じます。私が熱中症になった方に「水分を取りましたか?」と聞くと、多くの人が「取っている」と答えますが、よくよく聞くと「暑い環境で5時間働いていたのにコーヒー牛乳500mLを1本だけ」だったという経験があり、その量はさまざまです。では、よく言われる「こまめな水分摂取」とはどの程度でしょうか? 私が探した範囲では日本語で具体的に水分摂取量を記載しているものは見つかりませんでしたが、米国CDCによると、暑い環境で作業するときは水を15~20分ごとに8ounces(240mLくらい)、1時間で1Lくらいが摂取の目安となっています。この際、糖分の多いジュースなどは控えてもらいます。スポーツドリンクも糖分が多いので長時間継続的に摂取することは勧められませんが、状況に応じて活用しましょう。気温や活動の負荷によって異なりますが、最低基準としてこちらを患者へ説明してはいかがでしょうか。今回は、熱中症の診断、治療、予防について紹介しました。熱中症はCommonな病気であり、しっかりと治療し、適切に予防することが重要です。これからさらに暑くなると熱中症患者さんが増えてくるため、復習になれば幸いです。先生自身の熱中症対策もお忘れなく!熱中症の基礎知識<発熱と高体温>発熱とは体温中枢による調整によって体温が上昇することを指し、高体温は体温中枢のコントロールが破綻してしまっている状態を指します。前者の代表は感染症であり、後者は熱中症や甲状腺機能亢進症などが挙げられます。前者による体温上昇であればアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬は効果がありますが、後者は解熱鎮痛薬で体温低下は期待できず、原因を解除する必要があります9)。<運動性(労作性)熱中症と古典的(非労作性)熱中症>運動性熱中症とは読んで字のごとく、屋外や炎天下で活動して水分摂取が足りないときに生じます。数時間以内で急激に発症し、発汗と脱水が必ず伴います。一方、古典的熱中症とは、小児や高齢者が安静時であっても高温の環境に置かれたときに生じます。毎年夏になると親がパチンコに行き子供を車に放置して熱中症で亡くなる、高齢者がクーラーをつけずに自宅にいて熱中症で亡くなるというニュースを聞くと思います。これらが古典的熱中症で、体温が急速に上がった結果、中枢神経の機能が破綻して発症します。発汗がないのが特徴であり、高度の脱水を伴わないこともあります3)。運動性熱中症は、若年~中年に多いということもあり死亡率は低く、5%未満ですが、古典的熱中症は高齢者が多く、また室内で発生することが多いため発見が遅れることもあり、死亡率は約50%と非常に高いです10)。<重症度分類>熱中症の重症度分類であるI度、II度、III度は日本救急学会の定義であり、日本オリジナルの分類です。従来から言われている熱失神(Heat syncope)、熱痙攣(Heat cramp)、熱疲労(Heat exhaustion)、熱射病(Heat stroke)では重症度のイメージがつきにくいため作成されました(図2)。ちなみに、熱痙攣は痙攣発作のことではなくこむら返りのことを指し、熱失神は立ち眩み~失神を指します。図2 日本救急学会提唱の熱中症重症度分類画像を拡大する 1)Summary of Natural Hazard Statistics for 2017 in the United States2)Epstein Y, et al. NEJM;380:2449-2459.3)Glazer JL. Am Fam Physician. 2005;71:2133-2140.4)中永 士師明. 日本東洋医学雑誌. 2013;64:177-183.5)Ito C, et al. Acute Medicine & Surgery. 2021;8:e635.6)Melli G, et al. Medicine. 2005;84:377-385.7)Stahl K, et al. J Neurol. 2020;267:8778-8782.8)Giannoglou GD, et al. Eur J Intern Med. 2007;18:90-100.9)Stitt JT. Fed Proc. 1979;38:39-43.10)Bouchama A, et al. NEJM. 2002;346:1978-1988.

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第154回 小児科の病床不足で医療現場が逼迫、感染症対策の重要性が明らかに

<先週の動き>1.小児科の病床不足で医療現場が逼迫、感染症対策の重要性が明らかに2.マイナンバーカードと健康保険証の一体化に向けて推進本部を設置/厚労省3.後期高齢者医療制度の支援金が過去最大の6.5兆円へ、現役世代の負担増/厚労省4.救急車出動件数の増加に対応 新たな運用方法とアラート導入へ/東京消防庁5.後発薬の政府目標見直し、薬剤師・薬局の役割を強化、パブリックコメント募集/厚労省6.全国で相次ぐコロナ検査の不正、悪質な事業者が検査件数を水増し1.小児科の病床不足で医療現場が逼迫、感染症対策の重要性が明らかに6月下旬、全国で小児科の病床がひっ迫し、小児の入院患者数が急増していることが報じられている。千葉市の中核病院の千葉市立海浜病院では、RSウイルス感染症に感染した子供の症状が悪化し、入院するケースが増加、病床の稼働率は9割前後のため、受け入れ制限を余儀なくされている。沖縄でも新型コロナウイルスの感染拡大により小児医療が限界に近付き、重点医療機関で休職する医療従事者が増加、病棟が逼迫している。医師会や県立病院の関係者は、医療現場が逼迫している状況を訴え、基礎疾患を持つ人々を守るために全体的な感染対策が必要であると呼びかけている。各地では、小児科の病床不足や医療現場の逼迫が深刻な課題であり、感染症対策の重要性が浮き彫りになっている。参考1)RSウイルス感染症 症状悪化で入院急増 小児科病床ひっ迫 千葉(NHK)2)小児科パンク寸前 コロナに加え、子の感染症が流行 沖縄 PICU満床 入院先見つからず(琉球新報)3)コロナ拡大で小児医療が限界間近に 重点病院の医療従事者565人も休職で現場が逼迫 県医師会、緊急会見で感染対策を呼び掛ける(同)2.マイナンバーカードと健康保険証の一体化に向けて推進本部を設置/厚労省加藤厚生労働大臣は、マイナンバーカード(マイナカード)と健康保険証の一体化について問題を解決するために、「オンライン資格確認利用推進本部」を設置することを明らかにした。情報登録の正確性や医療費の取り扱いなどの対策を進める予定で、高齢者施設の入所者にも対応することを検討する。また、厚生労働省はオンラインで資格確認するための推進本部を設置、迅速かつ正確なデータ登録やトラブル対応に取り組むことを発表した。マイナカードに関連するトラブルについて、政府は、デジタル庁と厚労省、総務省が共同して「マイナンバー情報総点検本部」を6月に設置し、秋までに全データの点検を行う予定。加藤大臣は国民の不安を解消し、安心してマイナカードを利用できる環境を整備すると述べている。参考1)第1回 マイナンバー情報総点検本部(デジタル庁)2)第1回 オンライン資格確認利用推進本部(厚労省)3)“保険証廃止を円滑に” 厚労相を本部長とする推進本部 設置(NHK)4)「オンライン資格確認利用推進本部」を設置へ マイナ保険証の利用環境の整備に向け 厚労省(CB news)3.後期高齢者医療制度の支援金が過去最大の6.5兆円へ、現役世代の負担増/厚労省厚生労働省は6月30日、2021年度の後期高齢者医療制度の財政状況を発表した。現役世代からの支援金は6兆5,266億円で過去最大となった。今後は、団塊の世代が後期高齢者になることから、医療費はさらに増える見通し。2021年度の後期高齢者への医療費支出は16兆6,129億円で、前年度比5.6%増加した。保険給付費は15兆8,079億円で3.1%増加。公費による支援金は収入の約半分を占めているが、国庫支出金は5兆3,354億円で1%減少。都道府県支出金は1兆3,530億円で2.8%増加し、市町村負担金は1兆2,830億円で1%増加。75歳以上の高齢者が支払う保険料は1兆3,893億円で、収入の8%程度を占めている。残りは現役世代の加入している健康保険組合や国民健康保険からの交付金で4割ほどを負担している。2022年5月末時点の75歳以上の被保険者は1,853万人で、5年前より170万人ほど増加している、今後はさらに高齢者人口の増加に伴い、現役世代の負担増が見込まれている。参考1)令和3年度後期高齢者医療制度(後期高齢者医療広域連合)の財政状況について(厚労省)2)後期高齢者医療、現役からの支援金最大、21年度6.5兆円(日経新聞)4.救急車出動件数の増加に対応 新たな運用方法とアラート導入へ/東京消防庁東京消防庁の救急車出動件数が、昨年の過去最多を超えるペースで増加していることが明らかとなった。増加要因としては、行動制限の緩和による外出増や熱中症などが挙げられる。その結果、救急車の到着が遅れる事態が発生しており、同庁は、緊急性の高い通報に迅速に対応するため、7月1日から新たな救急車の運用方法を導入すると発表した。新たな救急車運用では、重症対応救急小隊を設置し、緊急性の高い傷病者に優先的に対応する救急車を配置する予定。今年の救急出場件数は、6月25日時点で過去最多のペースで増加しており、同庁は適正な利用を呼びかけている。また、救急車逼迫アラートを導入し、状況を周知することで適切な利用を促す取り組みも行う予定。参考1)令和5年中の救急出場件数が過去最多を超えるペースで増加中!~救急車の適時・適切な利用をお願いします~(東京消防庁)2)「救急車逼迫アラート」開始 出動最多ペース、適正利用を-東京消防庁(時事通信)3)“救急車ひっ迫”ことしも過去最多の去年を超えるペースで増加 東京消防庁が「救急車の新たな運用」あすから開始(日テレ)5.後発薬の政府目標見直し、薬剤師・薬局の役割を強化、パブリックコメント募集/厚労省後発薬の政府目標を金額ベースで見直し、使用促進を図る方針と、薬剤師・薬局の役割を啓発するための「薬と健康の週間」実施が厚生労働省から発表され、後発医薬品の使用促進に関して、政府目標が2023年度中に見直されることが明らかになった。この新目標に基づき、各都道府県は第4期医療費適正化計画の目標を24年度中に設定する見込み。厚労省は、医薬品の迅速かつ安定した供給を基本としながら、有識者検討会の議論を踏まえ、目標を見直すことを決めた。後発薬の使用促進に関しては、各都道府県の80%以上の数量シェアを23年度末までに達成する目標が定められており、現在29道県が達成している。また、厚労省は、2024年度からの第4期医療費適正化計画に向けた基本方針の改正案について、パブリックオピニオンを募集している。改正案では、効果が乏しいとされる医療や地域差のある医療資源の投入に対して取り組みを進めるほか、後発医薬品の使用促進のために保険者などが差額通知を実施する支援、フォーミュラリに関する情報を医療関係者に周知する取り組みが追加されている。意見募集は7月4日まで行われ、中旬に告示する予定。参考1)第四期医療費適正化基本方針について(厚労省)2)後発薬の政府目標「金額ベース」に、年度内に見直し さらなる使用促進へ(CB news)3)後発医薬品の使用推進、薬剤師・薬局の役割を啓発-厚労省、10月に「薬と健康の週間」実施(同)4)医療費適正化の基本方針、7月中旬告示へ 厚労省、意見募集開始(同)5)医療費適正化に関する施策についての基本的な方針の全部を改正する件(案)に関する御意見の募集について(政府)6.全国で相次ぐコロナ検査の不正、悪質な事業者が検査件数を水増し新型コロナウイルスの感染拡大防止のため政府が行なった感染対策の一環で行われた無料検査事業を巡って不正を行う業者が問題となっているが、検査業者の内部関係者により不正の実態が明らかとなった。大阪府の委託先では、過去の検査事業で億単位の補助金を受け取ったとされ、不正の実態が産経新聞の報道で明るみにされた。大阪府内の無料検査場では2年間、無料のPCR検査や抗原検査を受けるために訪れた患者に対して行われていた。もともと検査場ではPCR検査は受検者の唾液を専用施設に送り、最短2日で結果を通知していた。典型的な不正な手口は、「PCR検査だけ受けた人が抗原検査も受けたと偽り、検査件数を水増し、補助金を申請する」ことだった。内部関係者は自分の検査場ではほとんどなかったとしながらも、別の検査場では不正が珍しくなかったと告白した。さらに、抗原検査では、現場で結果が判明する。申込書は府側に提出せず、1週間ごとに件数のみを報告していた。内部関係者によると、抗原検査の申込書にPCR検査を受けた人の情報を勝手に記入し、架空の抗原検査結果を報告していたという。府側の担当者も抗原検査は水増しの痕跡が残りにくいと明かしている。大阪府は不正に関する情報を受け、15事業者の立ち入り調査を行った結果、7事業者で補助金の不正申請が確認され、補助金42億円余りを不交付とし、約11億円の返還となった。同様の不正行為は東京都でも認められており、6月2日に11の事業者が都に総額約183億円の補助金を不正に請求していたと発表している。6月19日には、埼玉県の無料検査事業で抗原検査を実施したように装い、補助金をだまし取ったとして、詐欺容疑で社長ら2人が逮捕された。不正請求の総額は7千万円以上とみられており、県側は補助金の返還を求めている。参考1)コロナ無料検査の不正「当たり前」 公金食い物に…内部関係者が明かす水増しの実態(産経新聞)2)抗原検査やってないのに…新型コロナ検査補助金だまし取る、容疑の社長ら逮捕 不正請求の総額7千万円超か(埼玉新聞)

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卵アレルギーが不安…、離乳食開始へのアドバイスは?【乗り切れ!アレルギー症状の初診対応】第4回

卵アレルギーが不安…、離乳食開始へのアドバイスは?講師長野県立病院機構 長野県立こども病院 小児アレルギーセンター長伊藤 靖典 氏【今回の症例】生後4ヵ月の女児。母乳栄養。アトピー性皮膚炎はない。乳幼児健診にて、食物アレルギーが心配なので、鶏卵の摂取をどのように進めたらよいかを相談された。鶏卵摂取の進め方の指導として適切なのはどれか?1.生後4ヵ月でプリックテストや特異的IgE抗体検査を実施し、陽性の場合は除去指導を行う2.生後5~6ヵ月ごろから、卵黄から摂取を開始させる3.リスクが高いので鶏卵は1歳を過ぎてから摂取するように指導する4.食物経口負荷試験にて確認する

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先天性胆汁酸代謝異常症〔Inborn Errors of Bile Acid Metabolism〕

1 疾患概要■ 定義胆汁酸とは、肝臓でコレステロールより生合成されるステロイドの1群である。先天性胆汁酸代謝異常症とは、この生合成経路の遺伝性酵素欠損を1次性の病因とするもので、常染色体潜性遺伝形式を示す遺伝性疾患である。■ 疫学非常にまれな疾患でわが国における発症頻度は明らかではない。現在までに確定診断された本邦における患者数は筆者が知る限り、3β-hydroxy-Δ5-C27-steroid dehydrogenase/isomerase(HSD3B7)欠損症が4例、Δ4-3-oxo-steroid 5β-reductase (SRD5B1)欠損症が3例、oxysterol 7α-hydroxylase(CYP7B1)欠損症が1例、bile acid-CoA:amino acid N-acyltransferase(BAAT)欠損症が1例、以上の9例である。■ 病因胆汁酸生合成経路の遺伝性酵素欠損により、異常胆汁酸もしくは胆汁アルコールが蓄積する。異常胆汁酸は細胞毒性が強く、肝臓を中心にさまざまな臓器障害を引き起こす。異常胆汁酸の蓄積により、肝細胞が障害を受け胆汁うっ滞型肝障害を引き起こす。■ 症状一般的には、生下時から続く黄疸、肝腫大、灰白色便(脂肪便)など、乳児胆汁うっ滞症に伴う症状が出現する。進行すれば肝硬変へ移行するため、易疲労感、腹水、脾腫、低蛋白血症や凝固異常など、肝不全による症状が出現する。■ 分類先天性胆汁酸代謝異常症は、3β-hydroxy-Δ5-C27-steroid dehydrogenase/isomerase(HSD3B7)欠損症、Δ4-3-oxo-steroid 5β-reductase(SRD5B1)欠損症、oxysterol 7α-hydroxylase(CYP7B1)欠損症、cholesterol 7α-hydroxylase(CYP7A1)欠損症、sterol 27-hydroxylase(CYP27A1)欠損症、70-kDa peroxisomal membrane protein(ABCD3)欠損症、α-methylacyl-CoA racemase(AMACR)欠損症、D-bifunctional protein(DBP)欠損症、sterol carrier protein X(SCPx)欠損症、bile acid-CoA:amino acid N-acyltransferase(BAAT)欠損症、bile acid-CoA ligase(SLC27A5)欠損症と以上の11疾患が現在までに報告されている。11疾患のうち、乳幼児期に肝障害で発症し、わが国でも報告がある、3β-hydroxy-Δ5-C27-steroid dehydrogenase/isomerase(HSD3B7)欠損症、Δ4-3-oxo-steroid 5β-reductase(SRD5B1)欠損症、oxysterol 7α-hydroxylase(CYP7B1)欠損症、bile acid-CoA:amino acid N-acyltransferase(BAAT)欠損症、以上の4疾患に関して本稿では解説する。■ 予後早期に診断し治療を開始すれば内科的治療で予後良好であるが、診断が遅れると肝硬変へ進展し肝移植が必要となる。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)乳児期より胆汁うっ滞(ALTとD-Bilの上昇)を認め、血清・尿中に疾患特異的な異常胆汁酸もしくは胆汁アルコールを検出した場合、先天性胆汁酸代謝異常症を強く疑う。わが国における胆汁酸分析は、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC-MS)もしくは液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-EIS-MS/MS)で行われている。胆汁酸分析で各疾患に特異的な異常胆汁酸が検出された場合、疑われる疾患の責任遺伝子を解析し、確定診断へ繋げる。3β-hydroxy-Δ5-C27-steroid dehydrogenase/isomerase(HSD3B7)欠損症、Δ4-3-oxo-steroid 5β-reductase(SRD5B1)欠損症、oxysterol 7α-hydroxylase(CYP7B1)欠損症、以上の3疾患は、血清γ-GTPと血清総胆汁酸が正常を示すことが特徴的である(他の病因による胆汁うっ滞型肝障害は血清γ-GTPと血清総胆汁酸が共に上昇することが多い)。Bile acid-CoA:amino acid N-acyltransferase(BAAT)欠損症は、血清γ-GTPは正常で血清総胆汁酸は上昇する。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)3β-hydroxy-Δ5-C27-steroid dehydrogenase/isomerase(HSD3B7)欠損症とΔ4-3-oxo-steroid 5β-reductase(SRD5B1)欠損症に対しては、早期診断すれば1次胆汁酸療法(コール酸もしくはケノデオキシコール酸)と脂溶性ビタミンの補充を行い、診断が遅れ肝硬変となっていれば肝移植となる。Oxysterol 7α-hydroxylase(CYP7B1)欠損症に対しては、早期診断すればケノデオキシコール酸療法と脂溶性ビタミンの補充を行うが、診断が少しでも遅れると肝移植になるケースが多い。Bile acid-CoA:amino acid N-acyltransferase(BAAT)欠損症に対しては、ウルソデオキシコール酸が使用されるが、グリココール酸(日本では医薬品としての製剤はない)の使用報告もある。治療の効果は、一般的な胆汁うっ滞・肝不全に伴う症状(黄疸・灰白色便・肝腫大)の改善、血液肝機能検査の改善(ALTやD-Bilの正常化)、胆汁酸分析で血清・尿中の疾患特異的異常胆汁酸の減少、以上で総合的に判断する。4 今後の展望先天性胆汁酸代謝異常症の治療薬であるコール酸製剤は、わが国では医薬品として存在しなかったが、国内治験を経てコール酸製剤(商品名:オファコル カプセル50mg)が、先天性胆汁酸代謝異常症に対する治療薬として2023年に本邦でも保険適用となった。5 主たる診療科小児科、小児外科、移植外科、消化器内科(肝臓内科)※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報小児慢性特定疾病情報センター 先天性胆汁酸代謝異常症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)水落建輝ほか. 小児内科. 2022;54:218-221.2)Mizuochi T, et al. Pediatr Int. 2023;65:e15490.公開履歴初回2023年6月29日

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第169回 4億6千万円の筋ジストロフィー遺伝子治療を米国が承認

4億6千万円の筋ジストロフィー遺伝子治療を米国が承認静注投与1回きりでその値段約4億6千万円(320万ドル)1)の筋ジストロフィー遺伝子治療を米国食品医薬品局(FDA)が承認しました2,3)。米国のバイオテクノロジー企業Sarepta Therapeutics社が開発し、4~5歳の歩けるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)小児に使うことが承認されました。商品名はELEVIDYS(delandistrogene moxeparvovec-rokl)です。DMDは筋肉が痩せ衰えていく難病で、筋肉細胞が正常でいられるようにするのを助ける蛋白質ジストロフィン(dystrophin)を失わせる遺伝子変異を原因とします。歩行や走ることが困難になる、よく転ぶようになる、疲労、学習障害/困難、心筋の支障による心臓の不調、肺機能を担う呼吸筋の衰えによる呼吸困難などの症状がジストロフィンの欠損のせいで生じます。DMDと関連する筋肉の衰えはたいてい3~6歳で見受けられるようになり、重症度や予後は一様ではありませんが、20~30歳代の若さで心臓や呼吸器の不全で命を落とすことが少なくありません。承認されたELEVIDYSはジストロフィンのいくつかの部分を寄せ集めた小振りなジストロフィン(shortened form of dystrophin)を作る遺伝子を筋肉細胞に届けてジストロフィン機能の不足を補います。ELEVIDYSが作る小振りなジストロフィンはその商品名を冠してElevidys micro-dystrophinと呼ばれます。4億円を優に超える値段であるからにELEVIDYSはDMD小児の気の持ちよう、身のこなし、移動の自由などをよほど改善することが確認済みなのかといえばそうではなく、患者を生きやすくしうるそのような臨床的有用性(clinical benefit)はまだ立証されていません。ではFDAは何をよりどころにしたかというとElevidys micro-dystrophin発現の様子です。4~5歳のDMD小児の骨格筋でのElevidys micro-dystrophin発現上昇が無作為化試験結果で裏付けられており、その年齢のDMD小児のElevidys micro-dystrophin発現上昇は臨床的有用性とどうやら結びつくとFDAは判断してELEVIDYSを取り急ぎ承認しました。承認申請に含まれる唯一の二重盲検無作為化試験の被験者全般の結果では運動機能の検査NSAA総点数の変化は残念ながらプラセボと有意差がつきませんでした。NSAAは立位、歩行、椅子や床から立ち上がること、片足立ち、段差の上り下り、仰向けから座った状態に移ること、跳躍、走ることなどの17項目を検査します。しかし4~5歳の被験者に限るとNSAA改善はプラセボをより上回っており、Elevidys micro-dystrophinの発現が多いこととNSAAの改善の関連を支持する結果が得られています4)。とはいえその結果はあらかじめ計画されていたわけではない後付(Post hoc)解析に基づくものです。よってせいぜいが仮説を生み出す試みに過ぎず解釈には注意を要するとの慎重な立場をFDAのスタッフは示しました。ところが、FDAの新薬承認審査部門を仕切るPeter Marks氏にとってその結果はもはや説得力十分(compelling)なものでした。4~5歳のDMD小児のElevidys micro-dystrophin発現上昇と予後がどうやら関連しうることがそのサブグループ解析で支持されており、総合的に見てELEVIDYSの取り急ぎの承認は妥当であると同氏は結論づけました5)。ELEVIDYSの予後改善効果を立証するための試験をFDAはSarepta社に課しており、EMBARKという名称のその試験6)はすでに進行中です。被験者組み入れはすでに目標数に達しており、結果は今年中に判明します。EMBARK試験の主要転帰は投与後1年(52週後)時点のNSAA総点数の変化です。NSAAは点数が大きいほど良好なことを意味し、最低は0点で最高は34点です。0点は17の検討項目のどれもできない最悪な状態、34点はどれも難なくこなせる最良の状態です。FDAはEMBARK試験の結果が判明したら急いで検討し、必要とあらば用途の変更や承認の取り消しなどの手段が講じられます。もしEMBARK試験が目標を達成したらELEVIDYSを年齢制限なく使えるようにするつもりだとFDAはSarepta社に先立って通知しており、来年早くにその用途拡大を実現させたいとSarepta社のかじ取り役のDoug Ingram氏は言っています7)。参考1)US FDA approves Sarepta's gene therapy for rare muscular dystrophy in some kids / Reuters2)FDA Approves First Gene Therapy for Treatment of Certain Patients with Duchenne Muscular Dystrophy / PRNewswire3)Sarepta Therapeutics Announces FDA Approval of ELEVIDYS, the First Gene Therapy to Treat Duchenne Muscular Dystrophy / BUSINESS WIRE4)FDA Briefing Document / FDA5)CENTER DIRECTOR DECISIONAL MEMO / FDA6)EMBARK試験(Clinical Trials.gov)7)Spotlight On: Elevidys eking past FDA for DMD is d?j? vu all over again for Sarepta / FirstWord

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小児への新型コロナワクチン、接種率を上げるために/ファイザー

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、5月8日に感染症法上の位置付けが5類に移行した。ワクチンや治療薬によってパンデミックの収束に貢献してきたファイザーは6月2日、「5類に移行した新型コロナウイルス感染症への対策や心構えとは~一般市民への最新意識調査の結果を交え~」と題してメディアに向けたラウンドテーブルを開催した。講師として石和田 稔彦氏(千葉大学 真菌医学研究センター感染症制御分野 教授)と舘田 一博氏(東邦大学 医学部 微生物・感染症学講座 教授)が登壇した。小児に対する新型コロナワクチン接種の意義 石和田氏は講演「小児に対する新型コロナワクチン接種の意義」にて、第6派以降の小児の新型コロナの感染経路や症状の傾向、ワクチン接種率の低い背景などについて解説した。 小児の新型コロナ感染は、第5波(デルタ株)までは主に成人が中心で小児患者は少なく、成人家族からの感染が主体だったが、第6波(オミクロン株)以降は小児患者も急増し、小児の集団感染例もみられるようになった。また、小児の入院受け入れ先が不足しており、流行時に小児患者の収容が困難な状態が続いている。 小児のコロナ入院患者の症状としては、発熱、呼吸苦、咳嗽、下痢、川崎病様症状などがあるが、とくにオミクロン株流行以降は、けいれん、クループ、嘔吐といった症状が増加しているという。また、コロナ罹患後症状(コロナ後遺症、long COVID)は、小児においても懸念されている。 一方で、国内の小児の新型コロナワクチン接種率は、成人の接種率と比べて極めて低いままとどまっている。2023年6月20日時点での接種率は、全年齢では2回接種80.0%、3回接種68.7%に対して、小児(5~11歳)では2回接種(初回シリーズ)23.4%、3回接種(追加接種1回)9.7%、乳幼児(生後6ヵ月~4歳)では3回接種(初回シリーズ)2.8%である1)。 米国の2023年5月11日時点での接種率は、全年齢の初回シリーズ接種69.5%、追加接種17.0%に対して、5~11歳の初回シリーズ32.9%、追加接種4.8%、乳幼児の初回シリーズでは2~4歳6.1%、2歳未満は4.7%であり2)、11歳以下の初回シリーズの接種率はいずれも日本を上回っている。 石和田氏は本邦における小児のワクチン接種が低い背景として、成人へのワクチンよりも導入が遅れたこと、流行の初期では小児の感染例が少なかったこと、ウイルス変異による軽症化、先に接種した保護者がワクチン副反応について懸念を抱いていたことを挙げた。小児科医の間でも、当初は国内での臨床試験結果がなかったことで副反応への懸念があったという。 より高い感染予防効果を得るためには、接種率を上げて集団免疫を得ることが必要とされる。コロナ感染によって基礎疾患のない小児でも重症化・死亡する例も認められており、なおかつ現状では小児に使用できる治療薬も極めて少ないことも危惧されている。 同氏は最後に、3月28日にWHOが発表したワクチン接種ガイダンス3)において、「健康な小児・青少年が低優先度」と記載されたことについて誤解のないように解釈することの重要性を指摘した。諸外国では感染またはワクチンによる高い集団免疫が得られつつあり、その他の疾病負担や費用対効果、医療体制の維持を考慮することが前提にある。 一方で、日本では新型コロナに対する免疫を持たない小児がいまだに多く、集団免疫が不十分である。また、医療資源が限定される国ではないため、接種に優先順位を付ける必要性は低く、小児へのコロナワクチン接種の意義は高い。本件については6月9日に、日本小児科学会からも「小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方(2023.6追補)」のなかで、すべての小児への初回シリーズおよび適切な時期の追加接種を推奨するという提言が発表された4)。どの患者に抗ウイルス薬を推奨するか 続いての舘田氏の講演「新型コロナウイルス感染症の総括と今後心掛けるべきこと」では、新型コロナが5類移行となったことを受けてファイザーが実施した意識調査の結果が紹介された。 本調査では、2023年4月に全国の20~79歳の1,200人を対象に、新型コロナウイルス感染症について人々が抱くイメージなどを聞いたところ、流行当初は8割近くが「怖い病気である」と認識されていたものの、現在は逆に、全体の65.4%が「流行当初よりも怖い病気でないと感じている」と認識していた。一方、重症化に対する意見では全体の8割以上が不安に思っており、「非常に怖いと思う」と答えた人は、60代で38%、20代では27%であった。舘田氏は、若い世代でも恐怖感を抱いている人の割合が高いことは注目に値すると言及した。 本アンケートによると、新型コロナの経口抗ウイルス薬の認知度は、「詳しく知っている」9.3%、「あることは知っているが、詳しく知らない」65.1%、「あることを知らなかった」25.7%であり十分な認知度ではなかったが、新型コロナに感染した場合は「抗ウイルス薬を使ってほしい」割合は70.9%に上った。その理由として多い順に「重症化したくない」「早く治したい」「後遺症が怖い」が挙げられた。 舘田氏は、抗ウイルス薬は医療経済的な視点からも、リスクの高い患者から優先順位を付けて投与することが望ましく、推奨する患者の特徴を次のように挙げた。・高齢者で基礎疾患から重症化しやすいと思われる人・抗がん剤、免疫抑制剤などを服用している人・呼吸苦、低酸素血症、肺炎像など、主治医の判断で重症化が否定できない人・インターフェロン(INF)-λ3検査で高値を示す人・I型INFなどに対する自己抗体を有している人・ワクチン接種を受けていない人/受けられない人・不安が強く早期の治療を希望する人 上記を踏まえて、感染した場合は早期受診と早期治療という感染症の基本原則が重要だと訴え、また今後発表されるエビデンスを注視しながら、使用方法を考慮していかなければならないとした。

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英語プレゼン、数字の基本的な口語表現(2)分数・乗数・割合【学会発表で伝わる!英語スライド&プレゼン術】第18回

英語プレゼン、数字の基本的な口語表現(2)分数・乗数・割合前回に続いて、英会話における数字の基本的な表現方法を紹介します。今回紹介するのは、科学的な議論で頻用される数字の比較表現です。まったく同じ数学的な関係性を説明する場合でも、表現の方法は多種多様です。スピーキング面では、少なくとも1種類の表現を、自信を持って使えればOKでしょう。一方でリスニング面では、ネイティブスピーカーが使う多種多様な表現を正確かつ瞬時に理解するために、複数の表現を知っておく必要があります。〈表〉画像を拡大する1)分数分数(fraction)は日本語でも英語でも、直感的な比較表現であり、日常会話でも頻用されますが、その読み方には注意が必要です。「分子」は“numerator”、「分母」は“denominator”と訳されます。基本的には、分子を先に読むため、分母が先である日本語とは読む順序が逆となります。分子は基数(整数)、分母は序数(順序を表す数詞)で読むことが基本的なルールですが、分母が「2」のときは“second”ではなく“half”となり、分母が「4」のときは、“fourth”と“quarter”の両方が使えます。基数と序数の区別、複数形の使い方は複雑に思えますが、これらはビジュアルで覚えることが効果的です。以下の図のように、序数で表される分母は「円グラフの1つのピース」だとイメージします。「1/2」の場合、“half”のピースが1つなので、“one half”です。同様に「1/5」は“one fifth”であり、それが複数のピースになる「2/5」は“two fifths”と複数形になります。〈図〉2)乗数分数と異なり、乗数は日本語の順序と基本的に同じなので、直訳する感覚で直感的に理解しやすいでしょう。最も頻用される表現は“times”であり、「3倍大きい」は、“3 times larger”と訳されます。また、“3-fold larger”のように“fold”という表現でも言い換え可能なので、覚えておくとよいでしょう。「2倍」のときに限っては“twice larger”とも言います。3)4)割合こちらも比較的シンプルな表現です。「対象患者○人中の○人で」という表現は医学のプレゼンでは頻出なので、複数の表現方法を押さえておくとよいでしょう。講師紹介

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抗CD7塩基編集CAR-T細胞療法、T細胞性ALLに有望/NEJM

 英国・Great Ormond Street Hospital for Children NHS TrustのRobert Chiesa氏らは、T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)の小児患者を対象とした、抗CD7塩基編集キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法の第I相試験において、最初の3例中2例で寛解が得られたことを報告した。CRISPR(clustered regularly interspaced short palindromic repeats)によるシチジンの脱アミノ化は、DNAに切断を生じさせることなくシトシンからチミンへ極めて正確に塩基置換変異を起こすことができる。すなわち、転座やその他の染色体異常を誘発することなく遺伝子を塩基編集し不活性化できることから、再発T細胞白血病小児患者において、この技術の使用が検討されている。著者は、「今回の中間結果は、再発白血病患者に対する塩基編集T細胞療法のさらなる研究を支持するもので、また、免疫療法に関連した合併症の予想されるリスクも示している」とまとめている。NEJM誌オンライン版2023年6月14日号掲載の報告。塩基編集したCAR-T細胞を作製 研究グループは、塩基編集を使用して万能で容易に入手可能なCAR-T細胞を作製した。健康ボランティアドナーのT細胞を、T-ALL患者で発現するCD7(CAR7)に特異性を有するCARを発現するよう、レンチウイルスを用いて形質転換した。 次に、リンパ球除去血清療法、CAR7 T細胞のフラトリサイド(CD7を発現している正常T細胞の殺傷性)および移植片対宿主病を回避するため、塩基編集を使用してCD52受容体、CD7受容体、およびT細胞受容体(TCRαβ)のβ鎖をコードする3つの遺伝子をそれぞれ不活化した。 再発白血病小児患者3例を対象に、これらの塩基編集CAR7(BE-CAR7)の安全性を検討した。3例中2例で分子学的寛解 1例目は同種幹細胞移植後に再発したT-ALLの13歳女児で、BE-CAR7単回投与後28日以内に分子的寛解が得られた。その後、元のドナーから強度を下げた(非骨髄破壊的前処置後)同種幹細胞移植を受け、免疫学的再構成に成功し、白血病寛解が継続した。 2例目は維持療法中に再発したcortical T-ALLの13歳男児である。BE-CAR7単回投与後、19日目および25日目の骨髄評価では形態学的寛解がみられたものの、PCR検査で微小残存病変が認められ、黒色アスペルギルスの重複感染による肺合併症の進行により33日目に死亡した。 3例目は、2回目の同種幹細胞移植後に再発し、混合型急性白血病からCD7陽性のT-ALLに移行した15歳男児である。BE-CAR7単回投与後28日目に分子学的完全寛解が認められ、同種幹細胞移植を受けた。 重篤な有害事象は、サイトカイン放出症候群、多系統細胞減少症、日和見感染症などであった。

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第50回 「また接種券が届いたが接種すべき?」にどう答える

新型コロナワクチンの推奨が相次いで追補Pixabayより使用最近、「6回目の接種券が届いたんですけど…接種したほうがよいでしょうか?」と患者さんから質問を受けることが増えました。今日も外来だったのですが、10人以上に質問を受けました。これまでは、接種券が届いたら周囲に相談することなく接種していた患者さんのほうが多かったのですが、最近は「本当に接種し続ける意味があるのか」と疑問を持っている人が増え、躊躇しておられる印象です。そんな国民の逡巡を見越してか、日本感染症学会と日本小児科学会から相次いでワクチンに関する提言が追補されました。■日本感染症学会:「COVID-19ワクチンに関する提言(第7版)」の公表に際して1)「わが国での流行はまだしばらく続くためワクチンの必要性に変わりはありません。COVID-19ワクチンが正しく理解され、安全性を慎重に検証しながら、接種がさらに進んでゆくことを願っています。」■日本小児科学会:小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方(2023.6追補)2)「国内小児に対するCOVID-19の脅威は依然として存在することから、これを予防する手段としてのワクチン接種については、日本小児科学会としての推奨は変わらず、生後6か月~17歳のすべての小児に新型コロナワクチン接種(初回シリーズおよび適切な時期の追加接種)を推奨します。」新型コロナワクチンのエビデンスは驚異的なスピードで積み上げられていて、パンデミック初期の頃と比べると不明な点が減りました。患者さんを相手に診療をしていると、リスクとベネフィットを天秤にかける瞬間というのは何度か経験しますが、新型コロナワクチンについてはほぼエビデンスは明解を出しているので接種推奨の意見を持つ人のほうが多いはずですが、なぜか医療従事者でも接種しなくなった人が増えている現状があります。EBM副反応がしんどいというのは1つの理由です。「しんどい思いをしてまで接種する理由がない」というのはまっとうな理由ですし、私もそれに否定的な見解は持っていません。そのほかの理由として、「もういいや」といワクチン疲れしている人が増えていることです。ワクチン接種に懐疑的な報道やSNSのコメントがあるという理由で、「もう接種しなくていいと思う」と患者さんに持論を伝える医療従事者も次第に増えてきました。さすがに政府や学会が上記のような推奨を出しているさなか、それはまずいなと思います。私は対象の集団が多いほどエビデンスの威力は大きいと思っていて、たとえば喘息の初期治療にロイコトリエン受容体拮抗薬単剤を使うより吸入ステロイドを使うほうが患者さんのQOLは向上しますし、市中肺炎のエンピリック治療ではテトラサイクリン系抗菌薬よりもβラクタム系抗菌薬のほうがおそらく多くの人を救えます。普段の診療でわりとEBMを重視するのに、対象の集団が多いワクチンについてEBMを軽視するというのが、私にはよく理解できないです。まとめ繰り返しますが、個々でワクチンを接種しないと決めるのは個人の自由です。ただ、医療機関に勤務している人については通常の推奨度よりも高く、また基礎疾患のある患者さんに対しては学会も接種を推奨しているということは、納得できないとしても「医療従事者として理解しておく」必要があります。おそらく次第に接種間隔を空けていくことになるでしょうが、ひとまず9月以降はXBB対応ワクチンを接種することになります。参考文献・参考サイト1)日本感染症学会:「COVID-19ワクチンに関する提言(第7版)」の公表に際して2)日本小児科学会:小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方(2023.6追補)

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CKD-MBDガイドライン改訂に向けたデータの吟味/日本透析医学会

 日本透析医学会による慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)の診療ガイドラインが発表されてから10年以上が経過し、これまでに多くのデータが蓄積されてきた。そのデータを吟味し、今後のガイドラインのアップデートにつなげる目的として、2023年6月16日、日本透析医学会学術集会・総会のシンポジウム1「CKD-MBDガイドライン改訂に必要なデータを吟味する」にて、8名の医師からその方向性に関する報告と提案があった。血液透析患者における血清リン、カルシウム濃度の目標値の上限 日本透析医学会の統計調査データによる観察研究の結果を基に、血液透析患者における血清リン、カルシウムの管理について、後藤 俊介氏(神戸大学医学部附属病院 腎臓内科 腎・血液浄化センター)から提案があった。同氏は、「血清リンの下限は3.5mg/dLのまま、上限は現状の6.0mg/dLよりも少し厳しく管理することが望ましい。血清カルシウムも下限は現状の8.4mg/dLは必要であり、上限については10.0mg/dLのままでよいか、より厳しくしていく必要があるか、さらなる検討が必要である」と述べた。CKD-MBDガイドラインが発表されてから多くのリン吸着薬が登場 2012年にCKD-MBDガイドラインが発表されてから多くのリン吸着薬が登場し、実臨床で使用されている。その多彩なリン吸着薬をどのように使い分けていくべきか、ネットワークメタ解析による結果を基に山田 俊輔氏(九州大学病院 腎・高血圧・脳血管内科)から提案があった。解析の結果、カルシウム含有リン吸着薬と比較して、塩酸セベラマーは総死亡リスクが有意に低下し、炭酸ランタンは冠動脈の石灰化が有意に低下した。心血管死亡リスクではリン吸着薬間で有意差は認められなかった。また、消化器症状のリスクは、ニコチン酸アミド、鉄含有リン吸着薬、塩酸セベラマー、炭酸ランタンの順で高くなっていた。この結果を踏まえて同氏は、エビデンスに基づいて薬剤を選択することはもちろん重要だが、日本人の特徴を考慮して、患者背景に即した自由な選択、個々の薬剤の特性を活かした選択を検討する必要があり、その参考指標を改訂時に公表できるよう準備を進めていくと述べた。インタクトPTH 240pg/mL以上で総死亡や心血管死亡リスクが上昇 わが国のPTHの管理目標値は、インタクトPTH60~240pg/mLと、海外と比較して厳格な設定となっている。ガイドラインの改訂に向けて、海外の基準値に合わせるべきか、より厳格な目標値を設定すべきか、日本透析医学会の統計調査データを基に、駒場 大峰氏(東海大学医学部 腎内分泌代謝内科)からPTHと生命予後、骨折リスクとの関連について報告があった。生命予後の観点ではインタクトPTH 240pg/mL以上で総死亡や心血管死亡リスクが上昇、インタクトPTHを下げ過ぎることによるこれらのリスクは確認されなかった。一方、骨折リスクは死亡リスクよりも頻度は高く、PTHが高くなるほど、あらゆる骨折と大腿骨近位部骨折のリスクが上昇していた。高齢や低栄養、女性においてその傾向が強く、「骨折防止の観点でもPTHの管理はthe lower, the better?」とコメント。新しいPTHの管理目標をどのように設定すべきか、同氏は「生命予後の観点ではPTHの管理目標値の上限は240pg/mLとなるかもしれないが、骨折防止の観点ではより厳格なPTHの管理を目指すべきかもしれない。また、患者の背景を考慮して、個々に検討する必要がある」と述べた。 CKD・透析患者の骨の評価では、骨代謝マーカーにも注目 腎機能低下に伴って大腿部骨折のリスク増加に関しては、多くの観察研究で報告されており、CKDや透析患者において骨の評価・管理は重要な要素である。骨の評価について、谷口 正智氏(福岡腎臓内科クリニック)から骨脆弱性と骨密度に加えて骨代謝マーカーであるアルカリフォスファターゼ(ALP)も一緒に評価すべきと提案があった。ALPと骨折リスクの相関性をみた報告によると、インタクトPTHを十分に抑えた状況でもALPが高いと大腿部頸部骨折のリスクが高くなっていることが報告されており1)、「ALPも骨の評価の予後規定因子として考えるべき」とコメント。一方、骨の管理に関してはPTH管理のポイントとして駒場氏の報告でもあった「the lower, the better?」を採用し、適切に管理したうえで骨粗鬆症治療薬の使用を考慮し、薬剤選択は標準治療に準じて検討するように提案された。今後に向けて、同氏は他領域の医師にも骨粗鬆症治療薬によるリスクを認識してもらえるようヒートマップを活用した薬剤別の表の作成や、骨密度上昇効果と骨折予防効果を明確に分けて、エビデンスレベルがどの程度まであるか示したプラクティスポイントを調整中であると述べた。腹膜透析におけるCKD-MBDによる死亡リスクとは 血液透析ではカルシウム、リン、PTHと死亡リスクに関する報告はあるものの、腹膜透析に限定した報告は存在しない。日本透析医学会の統計調査のデータベースを用いた前向きコホート研究の結果から、カルシウム、リン、PTHを可能な限り低めに保つことで全死亡や心血管死亡などのアウトカムの改善につながる可能性があることがわかった。この結果に対して、村島 美穂氏(名古屋市立大学病院 腎臓内科)は、「目標値の下限でコントロールすることを提案していきたい」とコメント。また、カルシミメティクスの投与に関して、残腎機能に注意を払う必要があると述べた。移植患者のCKD-MBDの管理とは 移植後のビスフォスフォネートや活性型ビタミンD製剤の効果、移植後を見据えた移植前のCKD-MBDの管理、移植後のCKD-MBDの管理について、河原崎 宏雄氏(帝京大学医学部附属溝口病院 第4内科)からシステマティック・レビューの紹介があった。同氏は、「ビスフォスフォネートでは骨折予防、活性型ビタミンD製剤ではPTH抑制に対して効果があるかもしれない。移植前のCKD-MBDでは、透析期間が長い、副甲状腺腫が大きい、シナカルセトの使用、移植前にカルシウムやPTHが高い場合には副甲状腺摘出術(PTx)を検討すること。そして、移植後のCKD-MBDでは高カルシウム血症に対してPTxやカルシミメティクスを検討すること」と述べた。CKD-MBDガイドラインに保存期における治療の開始時期 保存期CKDにおけるCKD-MBD治療の開始タイミングに関して、ガイドラインのClinical Questionに答えるための十分なエビデンスが存在しない状況にある。新しいCKD-MBDガイドラインの方向性について、藤井 直彦氏(兵庫県立西宮病院 腎臓内科)は、「保存期CKD患者における低カルシウム血症、高リン血症、高PTH血症のデータに注目し、CKD-MBD治療をどのタイミングで開始すればよいのか、アプローチ方法について検討中である」とコメント。保存期からカルシウム、リン、PTHを測定する目安をまとめたフローについても準備を進めていると述べた。小児におけるCKD-MBDの現状とは 日本透析医学会の統計調査データを基に小児腎不全患者におけるCKD-MBDの指標と成長、生命予後との関連について、今泉 貴広氏(名古屋大学医学部附属病院 腎臓内科)から報告があった。小児腎不全患者はPTHの増加に伴い成長が鈍化する傾向にあり、カルシウム、リン、PTHのいずれも生存との関連はなかった。同氏は、「現在、ガイドラインで設定されているインタクトPTHの目標値を覆す根拠は得られなかった」とコメント。さらなる追加解析について検討していく必要があると述べた。

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産後7日以内のオピオイド処方は乳児の短期予後に悪影響なし(解説:前田裕斗氏)

 産後の疼痛に対するオピオイド利用は、母乳に移行することで乳児に鎮静や呼吸抑制などの有害事象を及ぼす可能性があり、これまでにいくつかの報告がなされていた。一方、母乳に移行する量はごく少量であることがわかっており、本当に母体のオピオイド利用が乳児に対して有害事象をもたらすのか、短期的影響について確かめたのが本論文である。 出産後7日以内のオピオイド処方と、乳児の30日以内の有害事象の関係が検討された。結果として、主要アウトカムである再入院率に差は認められず、オピオイド処方群で救急受診は有意に高かったものの、乳児への有害事象はいずれについても両群で差を認めなかったことから、母体へのオピオイド処方は乳児に明らかな有害事象をもたらさないと結論付けられた。 研究手法は傾向スコアマッチングを用いた後ろ向きコホート研究であり、サイズも十分大きく、マッチング後の両群のバランスも取れていることから、今回計測されたTable 1に記載がある因子に関するバイアスは除けている。結果に信頼性のある研究ではあるが、本論文のDiscussionにもあるように、カナダ・オンタリオ州ではオピオイド(コデイン)が一般に購入できるとのことで、非オピオイド群でのオピオイド使用が実際には含まれていた可能性があり、他国で同様の研究が求められる。 日本では産後の疼痛にオピオイドを処方することはまずなく、処方のハードルも高いため本研究の結果を適用する機会は少ない。しかし、今回の研究結果から示されたように、オピオイドの処方が乳児に悪影響を及ぼさないのであれば、今後、日本でも産後疼痛の切り札としてオピオイドを使用する日が来るかもしれない。産科の臨床現場で誰しも一度は経験したことがあるような、疼痛が強く離床が全く進まない、育児技術の習得が大幅に遅れる例、特に喘息などでNSAIDが利用できない患者に対してオピオイドはよい適応となるだろう。

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第152回 新型コロナウイルス、アドバイザリーボードが夏の感染拡大の可能性を指摘/厚生労働省

<先週の動き>1.新型コロナウイルス、アドバイザリーボードが夏の感染拡大の可能性を指摘/厚生労働省2.骨太の方針を閣議決定、防衛費増額とともに子育て支援を強化へ/内閣府3.391項目の規制緩和策を盛り込んだ新たな規制改革実施計画を決定/政府4.ドクターカーの運用に関する全国調査、人員不足が課題/厚労省5.旧優生保護法下での強制不妊手術問題、調査報告書全文が判明/国会6.医療脱毛クリニックが破産手続き、被害者は900人以上に1.新型コロナウイルス、アドバイザリーボードが夏の感染拡大の可能性を指摘/厚生労働省厚生労働省は6月16日に新型コロナウイルス対策を助言する「アドバイザリーボード」を開催した。厚労省の定点把握データに基づき、新型コロナウイルス感染者数が夏の間に一定の拡大が生じる可能性があるとの見解をまとめた。定点把握による感染者数は前週比で1.12倍増加し、全国で36都府県で感染者数は増加していた。会合では高齢者など重症化リスクのある人々に対するワクチン接種の検討を求める一方、基本的な感染対策の重要性も強調された。専門家からは、感染拡大の可能性や医療提供体制についての懸念が述べられた。また、変異ウイルスのオミクロン株の亜系統「XBB」の増加や免疫逃避性の変異などにも注意が必要とされた。これに先立ち、日本小児科学会は6月6日に、新型コロナワクチンの子どもへの接種を「すべての小児に推奨する」と発表しており、「コロナ対策の緩和によって多くの子供が感染する可能性があるため、ワクチン接種は重要であり、重症化を防ぐ手段として有効だ」と主張している。同学会側は、WHOが子供へのワクチン接種を支持しており、複数の研究でも予防効果が確認されていることを指摘している。参考1)第122回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和5年6月16日)2)コロナ感染「夏に拡大恐れ」=定点把握は前週比1.12倍-「5類」後初会合・厚労省助言組織(時事通信)3)コロナ1カ月で2倍に、沖縄注意 専門家組織「夏に拡大の可能性」(朝日新聞)4)新型コロナワクチン「すべての小児に接種推奨」日本小児科学会(NHK)5)小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方[2023.6追補](日本小児科学会)2.骨太の方針を閣議決定、防衛費増額とともに子育て支援を強化へ/内閣府政府は6月16日に「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を閣議決定した。少子化対策の財源について具体的な言及はなく、新たな税負担も考えていないとした。防衛費の財源については増税の実施時期を2025年以降と先送りする方針だが、具体的な財源の確保は困難であり、実現するためには安定した財源が必要とされている。政府は年末までに具体化を進める予定。骨太の方針の中で、社会保障分野については、引き続き経済・財政一体改革の強化・推進を行い、限りある資源を有効に活用して質の高い医療介護サービスを提供するために、医療の機能分化と連携のさらなる推進を行い、医療・介護人材の確保や育成にあたるほか、働き方改革の実現のために医療DXの推進、医療費適正化や地域医療構想の推進のために、地域医療連携推進法人制度の有効活用などの推進が盛り込まれた。介護の分野では、高齢者の自己負担2割の対象者を拡大するか否かを年末に判断することを正式に決めた。参考1)経済財政運営と改革の基本方針2023 加速する新しい資本主義~未来への投資の拡大と構造的賃上げの実現~(内閣府)2)政府、骨太の方針を閣議決定 防衛増税後ろ倒し示唆、歳出増ずらり(朝日新聞)3)骨太の方針のポイント 物価安定・賃金上昇狙う 少子化対策 児童手当や育休給付拡充(日経新聞)4)終身雇用など日本の“常識”見直しへ 骨太方針閣議決定(産経新聞)3.391項目の規制緩和策を盛り込んだ新たな規制改革実施計画を決定/政府政府が391項目の規制緩和策を盛り込んだ新たな規制改革実施計画を6月16日の閣議で決定した。この中には、医療データの個人情報を加工すれば同意が不要で研究開発に利用できる法整備や、AIを活用した契約書審査のガイドライン作成、医師の業務を一部看護師にも許可するなど、さまざまな分野での規制緩和が含まれている。また、都市部でもオンライン診療のための診療所を開設できるよう検討し、診療所管理者の常勤要件の緩和や特定行為の範囲拡充も検討する。これにより、医療のデジタル化や効率化が進む見込み。さらに、医療データの2次利用の同意不要化や、在宅患者への薬剤提供体制整備、プログラム医療機器の保険適用の検討なども行われている。この実施計画は2023年中に結論を出す予定。参考1)『規制改革実施計画』[令和5年6月16日閣議決定](内閣府)2)参考資料[内閣府規制改革推進室作成](同)3)規制緩和策 391項目盛り込んだ政府の計画 閣議決定(NHK)4)都市部でも公民館でオンライン診療、年内に結論 新たな規制改革実施計画を閣議決定(CB news)4.ドクターカーの運用に関する全国調査、人員不足が課題/厚労省厚生労働省が行なったドクターカーの運用に関する全国調査の内容が判明した。これによると、24時間体制で運用している病院は全体の約20%に過ぎず、手術可能なドクターカーは約30%、輸血可能なドクターカーは約10%であることが明らかになった。この中で人員不足が主な課題とされており、厚労省は効率的な運用のための指針を策定し、救命率の向上につなげたいと考えている。調査は厚生労働省調査研究事業「ドクターカーの運用事例等に関する調査研究事業」として全国ドクターカー協議会によって実施され、約140病院が回答した。調査によると2021年1月~2022年9月にかけて、ドクターカーで診療された患者は約5万4,800人。しかし、夜間運用や手術能力、輸血能力に関しては課題があり、運用している病院は限られていた。また、ドクターカーの購入費用は装備を含めて1台当たり1,000~4,000万円かかり、国の補助もあるが、病院の負担も大きい。全国ドクターカー協議会は、データ収集と分析を行い、ドクターカーの診療能力向上のために、車内診療の訓練コースなどを設けるなどの取り組みを行っていく考えを示している。参考1)ドクターカー「24時間」運用2割、人員不足など課題…「手術可能」は3割(読売新聞)5.旧優生保護法下での強制不妊手術問題、調査報告書全文が判明/国会旧優生保護法下で障害者らに不妊手術が強制された問題について、衆参両院がまとめた調査報告書原案の全文が判明した。調査では、手術の65%が本人の同意なしに行われ、盲腸など別の手術と偽って手術が行われたり、審査会を開催せずに書類だけで手術を決定するなど、ずさんな実態が浮かび上がった。最年少の被害者は9歳で、児童施設や福祉施設の入所条件として手術が行われた事例も認められた。報告書によれば、旧法に基づき全国で実施された手術は2万4,993件で、本人の同意なしの手術は1万6,475件だった。被害の背景には経済的な困難や家族の意向、福祉施設の入所条件などがあった。報告書の原案は衆参両院に提出され、公表される予定。この問題について、国会の議長や厚生労働委員会の委員長は謝罪の意を表明した。参考1)盲腸と偽り不妊手術、最年少9歳 同意なし65%、旧優生報告判明(東京新聞)2)強制不妊、最年少は9歳 国の報告書全文判明 旧優生保護法、衆参議長提出へ(時事通信)3)旧優生保護法 いきさつなど調べた国会の報告書案まとまる(NHK)6.医療脱毛クリニックが破産手続き、被害者は900人以上に医療脱毛クリニック「ウルフクリニック」が突如として全店舗を休業し、破産手続きの準備を進めていることが明らかになった。クリニックはコース契約を結んだ患者に対する返金も行わず、従業員の給与も未払いのままで、被害総額は約1億8,000万円と推定されている。男性の医療脱毛を扱うウルフクリニックは東京、神奈川、愛知、大阪に5店舗を展開していたが、今年4月に全店舗を休業し、先月末に突然の破産を発表した。被害者たちは、返金対応がずさんであることを、クリニックの会議の録音や返金対応マニュアルから明らかにした。運営会社の幹部の会議の録音データからは、クリニックが自転車操業に陥っており、客からの入金がなくなったために従業員への給与支払いができなくなったことが判明している。被害者は900人以上を上回っており、被害者らは集団訴訟を起こす見込み。参考1)「通い放題」トラブル相次ぐ脱毛サロン、倒産が過去最多に 年度内には業界大手「脱毛ラボ」が破綻、一般利用者3万人に被害(産経新聞)2)「マジ終わった」脱毛クリニック破産手続き準備 被害総額1億8,000万円か 集団提訴へ(テレビ朝日)

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木の実でアナフィラキシー、原因食物を確定する検査は?【乗り切れ!アレルギー症状の初診対応】第3回

木の実でアナフィラキシー、原因食物を確定する検査は?講師あいち小児保健医療総合センター 免疫・アレルギーセンターセンター長 兼 免疫・アレルギーセンター長伊藤 浩明 氏【今回の症例】2歳の男児。鶏卵アレルギーの既往があるが、現在は加熱卵4分の1個程度を摂取している。生まれて初めてクルミの入ったクッキーを食べ、15分後に口唇腫脹、顔から体幹に広がる紅斑、25分後に喘鳴と呼吸困難を生じたため救急外来を受診。アナフィラキシーとしてアドレナリン0.1mg筋肉注射、生食の点滴、抗ヒスタミン薬にて症状は消失し、念のために1泊入院した。原因食物を確定するために有用な特異的IgE検査はどれか?1.ω5-グリアジン2.Ara h 23.Jug r 14.Ana o 3本患児に対する今後の指導について正しいのはどれか?1.よりリスクの高いピーナッツも、念のため除去する2.クルミに加えて、ペカンナッツも除去する3.すべての木の実類を除去する4.治療のため、このクッキーをごく少量から食べ続ける

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