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5月4日 ゴーシェ病の日【今日は何の日?】

【5月4日 ゴーシェ病の日】〔由来〕非常にまれな疾患であるゴーシェ病を、多くの人に知ってもらうことを目的に同疾患の啓発活動や患者の早期の診療への活動を行っている「日本ゴーシェ病の会」が制定。同会の活動開始日(2015年)と「ゴ(5)ーシ(4)ェ」と読む語呂合わせからこの日になった。関連コンテンツゴーシェ病【ダイジェスト版】ゴーシェ病【希少疾病ライブラリ】早期診断が重症化を遅らせるゴーシェ病

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喘息の悪化、寒い時期だけでなく夏の高温でも増加か

 喘息症状の発現や増悪には冷気の吸入、大気汚染物質やアレルゲンの吸入などが関連していることが知られている。気温の高さが喘息による入院の増加に関連するという報告も存在し、日本では姫路市の住民を対象とした研究において、夏季に気温が高くなると夜間の喘息増悪による来院が増加したことが報告されている1)。しかし、研究間で結果は一貫していない。また、年齢や性別、時間(日時)、地理的な要因による違いや交絡因子の影響は明らかになっていない。そこで、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのGaryfallos Konstantinoudis氏らは、イングランド全土における2002~19年の夏季の喘息による入院を調査した。その結果、交絡因子を調整しても夏季の気温上昇が喘息による入院リスクを上昇させ、その影響は16~64歳の男性で大きく、時間の経過と共に小さくなる傾向にあることが示された。Thorax誌オンライン版2023年4月17日号の報告。 英国・国民保健サービス(National Health Service:NHS)Digitalが提供するHospital Episode Statistics(HES)の2002~19年のデータから、夏季の喘息による入院のデータを抽出した。また、1km×1km解像度の日平均気温をUK Met Officeから取得し、喘息による入院との関連を検討した。交絡因子として、気象条件(相対湿度、降水量、風速)と祝祭日(平日と入院率が異なり、屋外にいる人が多く、気温への曝露が大きくなる可能性があるため)を選択した。年齢(5~15歳、16~64歳、65歳以上)、性、期間(2002~07年、2008~13年、2014~19年)、地域(イングランドの9地域)別のサブグループ解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・2002~19年において、5歳以上のイングランド住民における夏季の喘息による入院は、22万5,480件報告された。・交絡因子を調整後、夏季の喘息入院リスクは日平均気温1℃上昇当たり1.11%(95%信用区間[CrI]:0.88~1.34)上昇した。・夏季の気温上昇が喘息による入院に及ぼす影響は、16~64歳の男性において最も大きかった(調整リスク変化率:2.10%[95%CrI:1.59~2.61])。・時間の経過とともに、夏季の気温上昇が喘息による入院に及ぼす影響は小さくなる傾向にあり(r=-0.22[95%CrI:-0.26~-0.17])、2002~07年における日平均気温1℃上昇当たりの調整リスク変化率は2.96%(95%CrI:2.56~3.37)であった。 性、年齢別のサブグループ解析の結果は以下のとおり。【男性】(日平均気温1℃上昇当たりの調整リスク変化率[95%CrI])・全体:1.66%(1.30~2.03)・5~15歳:1.44%(0.83~2.05)・16~64歳:2.10%(1.59~2.61)・65歳以上:0.16%(-0.85~1.17)【女性】(日平均気温1℃上昇当たりの調整リスク変化率[95%CrI])・全体:0.73%(0.43~1.02)・5~15歳:1.44%(-0.12~1.39)・16~64歳:0.98%(0.62~1.34)・65歳以上:-0.24%(-0.92~0.45)

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第42回 新型コロナの応召義務に違反したらどうなる?

応召義務多くの医師はご存じと思いますが、「応召義務」は医師法19条において、「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と定められています。ちなみに、応召義務は医師が国に対して負う義務であり、個々の患者さんに対して負う義務ではありません。これまでは、特定の感染症(1類感染症・2類感染症など)にかかった場合などの合理性があるような場合を除いて診療しないことは正当化されないという但し書きになっていました。新型コロナが5類感染症に移行する場合、これに感染しているからといって診療を拒否することは正当な事由に該当しないことになります。過去の応召義務違反の判例患者と医師の関係が構築できない、あるいは診療に迷惑がかかるということで、診療を拒んだ事例については、応召義務違反の裁判を起こしてもほぼ病院側の勝訴となっています。なので、患者さんが病院で大声を出したり、暴力を振るったり、病院の業務を妨害したりする場合は、診療拒否は正当でしょう。インフルエンザのような5類感染症にかかっているのに、診療を拒んだことで違反が認定された判例は見つけられませんでした。応召義務違反の判例として有名なものとしては、千葉地方裁判所昭和61年7月25日判決の気管支炎で死亡した小児の事例です。喘息の小児が、満床を理由に総合病院の受け入れを拒否され、遠方の小児科に搬送されて死亡したというものです。ベッド満床であったとしても、まずは救急室か外来のベッドで診察・点滴などの応急の治療を行ったうえで、転院なども含めて対応可能であったことが指摘されています。そのほか、両側肺挫傷・右気管支断裂の傷害を受けて救急要請があったものの、オンコールの脳外科医と整形外科医がいるにもかかわらず搬送を拒否したということで応召義務違反に問われた判例もあります。新型コロナを診療しなかったがゆえに死亡に至ったという場合、逸失利益も含めてそれなりの損害賠償請求になる可能性があるので、注意が必要かもしれません。また、刑事罰は規定されていませんが、医師法ということもあって、医師免許に対する行政処分はありうるとしています※。しかしながら、過去のそのような事例は存在しないようです。ちなみに、動線が分離できない、発熱患者を収容できるベッドがないなどは正当な事由になるかと思いますが、上述の喘息小児の事例もあるので、病院側が正当と思っていてもそれが認められない可能性があるので注意が必要です。※医師法制定以前(戦前)に関係法令に設けられていた医師の応召義務の規定について、当時は応召義務違反について刑事罰の規定があったが、医師法制定時に罰則は削除された。

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児童虐待相談が多い都道府県は?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第232回

児童虐待相談が多い都道府県は?Unsplashより使用日本の児童虐待の現状について調べた北海道大学の研究です。Seposo X, et al.Child Abuse Consultation Rates Before vs During the COVID-19 Pandemic in Japan.JAMA Netw Open. 2023 Mar 1;6(3):e231878.一般公開されている2019~21年の月別児童虐待相談件数を入手し、47都道府県の児童虐待相談率を推定しました。この研究では、身体的虐待だけでなく、ネグレクトや心理的な虐待も含めています。コロナ禍の影響を考察するため、2019年をパンデミック前、2020~21年をパンデミック期間としています。2019~21年に、日本では年間平均で18万2,549件の児童虐待相談が記録されていました。相談率の中央値が最も高かった都道府県はどこでしょう。最も多かったのは、大阪でした(パンデミック期:人口10万人当たり134.85件[四分位範囲[IQR]:132.06~154.53]、パンデミック前:人口10万人当たり144.89件[136.60~159.46])。私が住んでいる都道府県なので、ちょっぴりショックでした。反対に、最も低かったのは鳥取県(パンデミック期:人口10万人当たり8.97件[IQR:7.57~13.73]、パンデミック前:人口10万人あたり7.29件[4.48~11.77])でした。パンデミックの間、児童虐待相談率が減少していることも示されました。これは救急外来受診率が低下したことと同じロジックで、コロナ禍で相談の閾値が高くなってしまったことが影響しているでしょう。児童虐待相談件数は、イコール児童虐待の件数というわけではありません。これについては本来であれば相関があるか検討されるべきですが、なかなか検証が難しいですよね。

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若年性ポリポーシス症候群〔JPS:Juvenile Polyposis Syndrome〕

1 疾患概要■ 定義若年性ポリポーシス症候群(Juvenile polyposis syndrome:JPS)は消化管に若年性ポリープが多発する常染色体顕性遺伝(優性遺伝)性の遺伝性ポリポーシス症候群である。臨床診断基準および2つの原因遺伝子の生殖細胞系列の遺伝子検査により診断する。本疾患は小児慢性特定疾病に指定されており、医療費助成の対象となる(20歳未満まで)。■ 頻度と平均発症年齢発症頻度は10~16万人に1人程度。わが国の推定患者数は750~1,200人。平均発症年齢は18.5歳とされる1)。■ 原因遺伝子JPSの原因遺伝子にはSMAD4遺伝子あるいはBMPR1A遺伝子の2つが知られている。臨床的若年性ポリポーシス症例において、この2つの遺伝子に病的バリアントが同定されるのは約60%とされる。SMAD4遺伝子は遺伝性出血性末梢血管拡張症(hereditary hemorrhagic telangiectasia:HHT[オスラー病])の原因遺伝子でもあり、SMAD4病的バリアント症例では、若年性ポリポーシスとHHTの症状を併発していることもある。また、BMPR1A遺伝子は染色体10q23に位置しており、カウデン病(現在ではPTEN過誤腫性症候群と包括的に呼称されることが多い)の原因遺伝子であるPTEN遺伝子と隣接している。このためこの領域に欠失が生じた場合には、若年性ポリポーシスとPTEN過誤腫症候群を併発し、幼少期に発症することがある。この欠失の診断は染色体Gバンド法あるいはマイクロアレイ検査により行う。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 臨床診断基準臨床的に、(1)大腸に5個以上の若年性ポリープが認められる(2)全消化管(2臓器以上)に複数の若年性ポリープが認められる(3)個数を問わずに若年性ポリープが認められ、かつ、JPSの家族歴が認められるのいずれかを満たしている場合を臨床的にJPSと診断する。■ 遺伝学的検査SMAD4遺伝子およびBMPR1A遺伝子のシークエンスおよび再構成の解析(MLPA:Multiplex Ligation-dependent Probe Amplification)を行う。臨床的に若年性ポリポーシスと診断されても約40%の症例には病的バリアントが認められていない。現在では、がんパネル検査を実施したときに、偶然に両遺伝子に病的バリアントが検出される場合があるが、ほとんどの場合がん細胞のみに生じている体細胞変異である。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)以下に各疾患の臨床的所見とその治療について述べる。1)若年性ポリープ(Juvenile Polyp:JP)遺伝性ではない孤発性の若年性ポリープについて概要を述べる。孤発性の若年性ポリープは病理学的には過誤腫性ポリープに属し、小児の腸管ポリープの90%以上を占め、3~5歳に好発するとされる2)。孤発性の若年性ポリープは、多くが有茎性あるいは亜有茎性で、易出血性、子供の下血の原因として重要である。表面は比較的平滑で赤色調で、びらんを認めることが多い。病理学的には、異型のない腺管が嚢胞状に拡張したり、間質に浮腫と炎症細胞浸潤や毛細血管の増生を認める(図1)。図1 若年性ポリープの臨床所見画像を拡大する(a)孤発性の若年性ポリープの内視鏡像。亜有茎性の発赤調ポリープ。表面にはびらんを認める。(b)若年性ポリープの病理組織像。弱拡大像。嚢胞状に拡張した腺管と間質の浮腫を認める。(c)同強拡大像。腺管は異型性を示さず、間質には炎症細胞浸潤と血管の増生を認める。若年性ポリープでは腺腫との混在例もあることから、治療は内視鏡切除により病理学的診断も行うことが一般的である。孤発性の若年性ポリープは一般には非遺伝性であり悪性病変のリスク上昇とは関連がないと考えられている。2)若年性ポリポーシス(JPS)一方で、遺伝性の若年性ポリポーシスでは、単に若年性ポリープが複数発症している状態であるほかに、消化管が悪性化のポテンシャルを有していると考えられるため、生涯にわたり消化管病変のマネジメントを行う。病型としてポリポーシスの発生部位により全消化管型、大腸限局型、胃限局型に分けられる。わが国の病型別の頻度は全消化管型が27.4%、大腸限局型が36.3%、胃限局型が36.3%とされる3)。胃限局型であっても大腸にポリープが数個認められることが多い。また、SMAD4遺伝子に病的バリアントを認める症例では、胃限局型の表現型となることが多い(図2)。図2 胃限局型の若年性ポリポーシスの臨床所見画像を拡大する(a)胃限局型の若年性ポリポーシス例の手術標本。特に胃の体下部から前庭部にかけて、丈の高いポリープが密集している。(b)手術標本の断面像(c)ポリープの病理組織。弱拡大像。(d)同拡大像(×40)。腺管の嚢胞状の拡張および間質の浮腫、炎症細胞浸潤を認める。消化管の若年性ポリポーシスについては、孤発性の若年性ポリープと異なり、ポリポーシスの発生部位や分布および病理所見により、局所の内視鏡切除だけではなく、広範な胃全摘術あるいは大腸全摘術を考慮しなければならない場合もある。JPSが貧血や低蛋白血症の原因であるためだけではなく、将来的にも悪性腫瘍を併発しているリスクがあるためでもある。胃限局型で著明な貧血や低蛋白血症を発症している場合、胃全摘術によりこれらの症状は改善する。若年性ポリポーシス患者の悪性腫瘍の70歳時点での生涯罹患リスクは86%、臓器別では胃がんが73%、大腸がんが51%と高くなっているが、これはポリープの分布に依存する3)。■ その他のがん消化管以外のがんについては、若年性ポリポーシスにおいてはリスク上昇の報告はない4)。SMAD4遺伝子の変異は膵がんの55%にみられるが、わが国のポリポーシスセンターの171例の登録をみても、消化管以外のがんでは小腸がんや乳がんの登録が各1例ずつあるのみで膵がんの登録はない3)。■ 血管病変SMAD4遺伝子はオスラー病の原因遺伝子でもあるため、SMAD4変異症例では、オスラー病の一分症として、鼻出血や毛細血管の拡張、肺動静脈瘻を認める場合がある。とくに鼻出血は頻度が高い。■ 血縁者の対策若年性ポリポーシスと診断された発端者の第1度近親者は50%、第2度近親者は25%の確率で同じ体質を有する可能性があるので、血縁者への医療介入の機会を提供することは極めて重要である。米国のNCCNガイドラインでは、胃や大腸の内視鏡を12~15歳で開始して2~3年ごとに実施すること、また、SMAD4遺伝子に病的バリアントがある場合には、生後6ヵ月から鼻出血や肺動静脈瘻などの血管病変のスクリーニングを行うことを推奨している5)。未発症の血縁者に発端者と同じ変異があるかを検査する未発症者のキャリア診断は、原則として遺伝カウンセリングの実施体制が整備されている医療機関で行う。また、病的バリアントが認められた場合に具体的なマネジメントを提案できるなど実行可能な医療が提供できることが前提となる。4 今後の展望現在、化学予防など実施中の臨床試験は検索しうる限りない。また、リスク低減のための大腸全摘術やSMAD4病的バリアント変異例におけるリスク低減胃全摘術の有効性は不明である。そのほか、SMAD4遺伝子やBMPR1A遺伝子に病的バリアントを有するがんにおいて、有効性が期待できる分子標的薬は現時点ではない。若年性ポリポーシスは、消化管ポリポーシスがコントロールでき、当事者の疾患に対する適切な認識を持つことができれば、十分に対応可能な病態である。そのために継続的な家族との関わりを保てられる診療体制が必要である。5 主たる診療科若年性ポリポーシスは多数の診療科が連携してマネジメントを行う。消化管ポリポーシスのマネジメントが喫緊の診療なので、消化器内科がコアになることが多い。手術適応があれば消化器外科が対応する。その他、鼻出血には耳鼻咽喉科、肺動静脈瘻の塞栓療法は呼吸器内科や放射線科が対応する。未発症の血縁者へのサーベイランスや遺伝子診断は遺伝カウンセリング部門が担当する。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報消化管ポリポーシス難病班 若年性ポリポーシス症候群(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)小児慢性特定疾病情報センター 若年性ポリポーシス(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)GeneReviews Japan 若年性ポリポーシス症候群(医療従事者向けのまとまった情報)1)松本主之、新井正美、岩間達、他. 遺伝性腫瘍. 2020;20:79-92.2)日本小児外科学会ホームページ. 消化管ポリープ、ポリポーシス.(最終アクセス日:2023年4月2日)3)Ishida H, et al. Surg Today. 2018;48:253-263.4)Boland CR, et al. Gastrointest Endosc. 2022;95:1025-1047.5) National Comprehensive Cancer Network. NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology. Genetic/Familial High-Risk Assessment: Colorectal. Version2. 2022.Detection, Prevention, and Risk Reduction.(最終アクセス日:2023年4月2日)公開履歴初回2023年4月19日

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乳児期アトピーの“早期治療介入”、鶏卵アレルギーの発症予防に/国立成育医療研究センター

 国立成育医療研究センターの大矢 幸弘氏らの研究グループは、2023年4月10日のプレスリリースで、食物アレルギーの発症リスクが高い、乳児期早期発症のアトピー性皮膚炎の乳児に対する早期の積極的治療が食物アレルギーの発症を予防することを世界で初めて実証したと発表した。 大矢氏らは、食物アレルギー予防のためにアトピー性皮膚炎の乳児に対して早期に治療を行う臨床研究「アトピー性皮膚炎への早期介入による食物アレルギー発症予防研究/多施設共同評価者盲検ランダム化介入平行群間比較試験:PACI(パッチー)Study(スタディ)」を実施し、研究対象となるアトピー性皮膚炎の生後7週~13週の乳児を、標準的な治療を行う群と、ステロイド外用薬などを使った積極的な治療を行う群に分け、生後28週時点で鶏卵アレルギーがあるかどうかを調べた。その結果、積極的な治療を行った群は標準的な治療の群と比較し、鶏卵アレルギーの発症を25%削減できることがわかった。これは、皮膚への早期の治療介入が食物アレルギーの予防につながるという二重抗原曝露仮説を実証する世界で初めての研究成果である。 今回の研究により、乳児期のアトピー性皮膚炎の発症早期からの速やかな治療開始と、湿疹ゼロを目標とした治療強化により、食物アレルギーの発症を予防できること、アトピー性皮膚炎は食物アレルギーとの関連性が高く、食物アレルギー予防のためには乳児期の発症早期からしっかり湿疹を治療し、経皮感作のリスクを低下させることが重要であることが明らかになった。 大矢氏らは、食物アレルギー予防のためには、乳児期のアトピー性皮膚炎の発症早期からしっかり湿疹を治療し、湿疹ゼロを目標にすることが重要だと語った。ただし、実臨床では、患者さんの症状や重症度などに合わせて、適切な強さのステロイド外用薬の選択を行い、個々の患者さんごとに使用期間と減量のスケジュールを組み立てて副作用を回避し、湿疹ゼロの寛解状態を実現・維持していくことが求められる、と述べている。

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第5回AYAがんの医療と支援のあり方研究会学術集会の開催について【ご案内】

 一般社団法人AYAがんの医療と支援のあり方研究会は、5月13~14日に『第5回 AYAがんの医療と支援のあり方研究会学術集会』を開催する。今回は、「Co-Creation ―対話からはじめる共創―」とし、長期的健康管理や身体活動性の維持、新規就労など社会とのつながりにおける課題、AYA世代と家族、終末期医療などAYA世代のがん医療を取り巻く多様な課題について取り上げる。大会長の渡邊 知映氏(昭和大学 保健医療学部)は、「この学術集会を通して、当事者と家族・医療者・支援者それぞれが向き合いながら、ときには立場を超えた対話をすることに挑戦したい」としている。 本研究会は、思春期・若年成人(Adolescent and Young Adult,:AYA)のがん領域の学術活動、教育活動、社会啓発および人材育成などを行うことにより、わが国の思春期・若年成人がん領域における医療と支援の向上に寄与することを目的としている。 開催概要は以下の通り。【日時】現地開催:2023年5月13日(土)~14日(日)オンデマンド配信:5月下旬~6月末 予定※一部プログラムをオンデマンド配信【会場】昭和大学上條記念館〒142-0064 東京都品川区旗の台1丁目1番地20アクセスはこちら【会長】渡邊 知映氏(昭和大学 保健医療学部)【テーマ】Co-Creation ―対話からはじめる共創―【参加登録】下記URLから参加登録が可能https://eat-sendai.heteml.net/jcs/ayaken-cong5/regist/index.html【プログラム(抜粋)】会期前日5月12日(金) 19:00~20:30 ライブ配信(後日オンデマンド配信あり)市民公開講座 「AYA研ラジオ」AYA世代でがんを経験した患者さんから、そのエピソードを大会長と副大会長をMCに進行する予定。オンラインでどこからでもつながることができる。また、スペシャルなゲストも招く企画も進行中のため、乞うご期待!<5月13日(土)>シンポジウム1 「AYAがん患者における運動器障害マネジメント~がんであっても動きたい!」塚本 泰史氏(大宮アルディージャクラブアンバサダー 事業本部 社会連携担当)五木田 茶舞氏(埼玉県立がんセンター整形外科/希少がん・サルコーマセンター)岡山 太郎氏(静岡県立静岡がんセンター リハビリテーション科)パネルディスカッション1 「AYA世代がん患者と家族 親との関わりに着目して」前田 美穗氏(日本医科大学)山本 康太氏(東京ベイ・浦安市川医療センター 事務部総務課)枷場 美穂氏(静岡県立静岡がんセンター 緩和医療科)国際連携委員会企画米国におけるAYAがん支援プログラムの活動体制、支援内容、活動評価についてProf. Bradley J. Zebrack氏(University of Michigan School of Social Work)<5月14日(日)>シンポジウム2 「青年期および若年成人(AYA)がんサバイバーの長期的健康管理」三善 陽子氏(大阪樟蔭女子大学 健康栄養学部健康栄養学科 臨床栄養発育学研究室)志賀 太郎氏(がん研究会有明病院 腫瘍循環器・循環器内科)理事長企画おばさん(おじさん)どもに思春期なんてわかるもんか~コロナ世代のコミュニケーションと未来~大野 久氏(立教大学名誉教授)【主催】一般社団法人AYAがんの医療と支援のあり方研究会【お問い合わせ】運営事務局 第5回AYAがんの医療と支援のあり方研究会学術集会E-mail: ayaken-cong.5@convention.co.jp

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妊婦への2価RSVワクチン、乳児の重症下気道感染を予防/NEJM

 妊婦への2価RSV融合前F蛋白ベース(RSVpreF)ワクチン投与は、乳児において診察を要する重症の呼吸器合胞体ウイルス(RSV)関連下気道感染症に対し予防効果があり、安全性への懸念は示されなかった。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のBeate Kampmann氏らが、約7,400例の妊婦とその出生児を対象に行った第III相二重盲検プラセボ対照無作為化試験の結果を報告した。これまで、同ワクチンの妊婦への投与の効果は不明であった。NEJM誌オンライン版2023年4月5日号掲載の報告。18ヵ国で49歳以下の健康な妊婦を対象に試験 研究グループは18ヵ国で、妊娠24~36週、49歳以下の健康な妊婦を対象に試験を行った。被験者を無作為に2群に割り付け、一方には2価RSVpreFワクチン(120μg)を、もう一方にはプラセボをいずれも単回筋肉内投与した。 有効性の主要エンドポイントは2つで、生後90日、120日、150日、180日以内の乳児における、診察を要した重症RSV関連下気道感染症と、診察を要したRSV関連下気道感染症だった。 ワクチンの有効性を示す信頼区間(CI)下限値(90日以内が99.5%CI値、それ以降は97.58%CI値)は20%超と規定した。有害事象発生率は両群で同等 2020年6月17日~2022年10月2日に7,392例の妊婦が無作為化され、そのうち7,358例(RSVpreFワクチン群3,682例、プラセボ群3,676例)が接種および評価を受けた。乳児についてはRSVpreFワクチン群3,570例とプラセボ群3,558例が組み込まれた。 本論は事前規定の中間解析の結果を示すもので、主要エンドポイントの1つに関して、ワクチンの有効性を示す基準が満たされた。 生後90日以内の、診察を要した重症RSV関連下気道感染症は、RSVpreFワクチン群の乳児で6件、プラセボ群では33件だった(ワクチン有効性:81.8%、99.5%CI:40.6~96.3)。同様に生後180日以内では19件と62件だった(ワクチン有効性:69.4%、97.58%CI:44.3~84.1)。 一方で、診察を要したRSV関連下気道感染症については、生後90日以内でRSVpreFワクチン群の乳児24件、プラセボ群56件が報告され(ワクチン有効性:57.1%、99.5%CI:14.7~79.8)、統計学的な有効性を示す基準を満たさなかった。 安全性に関連する兆候は、妊婦および生後24ヵ月までの乳幼児ともに認められなかった。ワクチン投与1ヵ月以内または生後1ヵ月以内に発生した有害事象の発生率は、RSVpreFワクチン群(妊婦13.8%、乳児37.1%)とプラセボ群(13.1%、34.5%)で同程度だった。

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BA.4/5対応2価ワクチン、初回接種での使用を申請/ファイザー

 ファイザーとビオンテックは4月11日付のプレスリリースにて、同社の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の2価ワクチン「コミナティRTU筋注(起源株/オミクロン株BA.4-5)」について、生後6ヵ月~4歳における初回免疫と追加免疫、および5歳以上における初回免疫での使用を可能とするための承認事項の一部変更を厚生労働省に申請したことを発表した。 本剤は現在、国内において5歳以上の追加免疫での使用のみ承認されている。なお、米国においては、5歳以上の追加免疫での使用に加え、2022年12月8日に生後6ヵ月~4歳における初回免疫の3回目としての使用が、2023年3月15日には同年齢層における1回の追加免疫(初回免疫を1価ワクチンで3回接種完了した者が対象)が米国食品医薬品局(FDA)より承認されている。

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第158回 胎児脳のコロナ感染 / コロナ入院患者死亡率は依然として高い

妊婦感染コロナの胎児脳への移行が初めて判明妊婦に感染した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の胎児の脳への移行とその害が、米国・マイアミ大学の研究者いわく初めて認められました1,2,3)。調べられたのはコロナに感染した妊婦から生まれ、生まれてすぐに発作を起こし、出産時には認められなかった小頭症をやがて呈し、発達の大幅な遅れを示した小児2例です。2例の出産時の鼻ぬぐい液のPCR検査ではSARS-CoV-2は検出されませんでした。しかし2例とも抗コロナ抗体を有しており、血液中の炎症指標が有意に上昇していました。母親2例の胎盤を調べたところSARS-CoV-2のタンパク質が認められ、生まれた小児の血液と同様に炎症指標の亢進が認められました。小児の1例は1歳を迎えて間もない生後13ヵ月で不慮の死を遂げました。その脳を免疫染色で調べたところSARS-CoV-2に感染していたことを示すタンパク質が脳全域で認められました。亡くなったその小児が生前そうであったようにもう1例の小児も出生時には認められなかった小頭症をやがて呈し、発達もかなり遅れました。1歳になっても寝返りを打ったり支えなしで座ったりすることができず、報告の時点でホスピスを利用していました。妊娠半ばに感染したSARS-CoV-2は胎児と胎盤、さらには胎児の脳に至って胎盤と胎児の両方に炎症反応を誘発しうることを今回の調査結果は示しています。そうして生じた炎症反応は生後間もないころを過ぎても続く脳損傷や進行性の神経不調とどうやら関連しそうです。今回報告された2例の小児はコロナ流行が始まって間もない2020年のデルタ株優勢のころに妊娠第2期で感染した母親から生まれました。母親の1例は肺炎や多臓器疾患で集中治療室(ICU)に入り、そこでSARS-CoV-2感染が判明します。胎児の経過はその後も正常でしたが、妊娠32週時点で帝王切開による出産を要しました。死後脳に感染の痕跡が認められたのはこの母親の子です。一方、もう1例の母親のコロナ感染は無症状で、妊娠39週に満期出産に至っています。それら2例の母親が感染したころはワクチンが普及した現在と状況が違っていますが、胎児の経過観察の目下の方針は不十分であると著者は言っています。胎児の脳がSARS-CoV-2による影響を受けるのであればなおさら慎重な様子見が必要です。それは今後の課題でもあり、脳の発達へのコロナ感染の長期の影響を検討しなければなりません。コロナ入院患者の死亡率はインフル入院患者より依然として高いコロナ流行最初の年のその入院患者の死亡率はインフルエンザによる入院患者より5倍近く高いことが米国での試験で示唆されています。さてウイルスそのもの、治療、集団免疫が様変わりした今はどうなっているのでしょうか?この秋冬の同国のコロナ入院患者のデータを調べたところ、幸いにも差は縮まっているもののインフルエンザ入院患者の死亡率を依然として上回っていました4,5,6)。調べられたのは2020年10月1日~2023年1月31日にコロナまたはインフルエンザの感染前後(感染判明の2日前~10日後)に入院した退役軍人のデータです。いわずもがな高齢男性を主とするそれら1万1,399例のうちコロナ入院患者8,996例の30日間の死亡率は約6%(5.97%)であり、インフルエンザ入院患者2,403例のその割合である約4%(3.75%)を1.6倍ほど上回りました。他のコロナ転帰の調査がおおむねそうであるようにワクチンの効果がその解析でも認められています。ワクチン非接種者に比べて接種済みのコロナ入院患者の死亡率は低く、追加接種(boosted)も受けていると死亡率はさらに低くて済んでいました。コロナによる死を防ぐワクチンの価値を今回の結果は裏付けています。参考1)Benny M, et al. Pediatrics. 2023 Apr 06. [Epub ahead of print]2)COVID caused brain damage in 2 infants infected during pregnancy -US study / Reuters3)SARS-CoV-2 Crosses Placenta and Infects Brains of Two Infants: 'This Is a First' / MedScape4)Xie Y, et al. JAMA. 2023 Apr 06. [Epub ahead of print]5)COVID-19 patients were more likely to die than flu patients this past flu season: study / NMC6)Covid Is Still Deadlier for Patients Than Flu / Bloomberg

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映画「ドラえもん のび太と空の理想郷」【それでもパーフェクトな子供にさせたい?(自己肯定感)】Part 1

今回のキーワード主流秩序過剰適応排他性独裁国家多様性自己効力感ほど良い(グッド・イナッフ)中学受験みなさんは子供をパーフェクトにさせたいですか? 勉強ができてスポーツができて、親や先生の言うことをよく聞くような? やがて、パーフェクト(有名)な学校に合格させて、パーフェクトな会社に就職させて、パーフェクトな人と結婚させて…。そんな子供を育てる自分はパーフェクトな親になるでしょうか?一方で、そんなパーフェクトであることに危うさはないでしょうか? それに気付かせてくれるのが、映画「ドラえもん のび太と空の理想郷」です。今回の舞台は、誰もがパーフェクトになれる楽園「パラダピア」。そこで、ドラえもんやのび太たちが冒険を繰り広げます。とくに今回は、子供だけでなく、大人も楽しめ考えさせられるストーリーになっています。この記事では、この映画を通して、パーフェクトであると思えること(自己効力感)とパーフェクトでなくてもいいと思えること(自己肯定感)をテーマに、より良い子育てのあり方、そしてより良い社会のあり方を一緒に考えてみましょう。パラダピアとは?のび太は、出木杉くんから教えてもらった空想の国ユートピアを探し求めるなか、ついに未来の世界で、パラダピアを見つけます。そこで出迎えるパーフェクトネコ型ロボットのソーニャから、パラダピアがどんな国かを聞かされます。それでは、まずその特徴を大きく3つ挙げてみましょう。(1)争いがないソーニャは説明します。「人口は400人ほど。みな、穏やかでルールを守り、大人はよく働き、子供はよく勉強をします」「ここは争いも犯罪もない、誰もが幸せに暮らせる世界」と。これは、出木杉くんのセリフ「ユートピアは…争いも戦争もなく、飢えることもない、誰もが幸せに暮らせる国なんだ」に重なります。1つ目は、争いがないことです。(2)みんなパーフェクトになれるソーニャは続けて「パラダピアには不思議な力があるのです。のび太様もここで暮らせば、勉強もスポーツもできるパーフェクト小学生になります」と言います。実際に、パラダピアの学校では、みんな笑顔で親切です。のび太は、何とか算数の問題を解くとみんなから祝福されて幸せそうです。2つ目は、みんなパーフェクトになれることです。(3)偉い人がすべて決めてくれるソーニャはのび太たちを大聖堂に案内し、三賢人を紹介します。そして、「サイ様は科学、ポーリー様は政治、カルチ様は文化芸術をつかさどる賢人。このパラダピアは3人の天才が創り上げた理想の国なのです」と説明します。彼らが、パラダピアで起きるものごとをすべて決めているというわけです。3つ目は、偉い人がすべて決めてくれることです。パラダピアの正体とは?パラダピアとは、争いがなく、みんなパーフェクトになれて、偉い人がすべて決めてくれる、まさにユートピアのようです。しかし、実はパラダピアにはある大きな秘密が隠されていました。これは、パーフェクトであることの危うさにつながります。次のページから、その危うさを3つ挙げてみましょう。なお、ネタバレになりますので、ご注意ください。次のページへ >>

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5歳未満のコロナワクチン、地域の流行状況と有効性のバランスを鑑みて(解説:田中希宇人氏/山口佳寿博氏)

 生後6ヵ月~4歳児に対するファイザー製コロナワクチン「BNT162b2」3回接種の安全性と有効性がNEJM誌に示されたので、現状と照らし合わせて検討してみたい。現在日本では、6ヵ月~4歳児に対するコロナワクチンは、この論文で示されている12歳以上の1/10量であるBNT162b2ワクチン3μgを3週間間隔で2回、その後8週間以上空けて3回目接種が可能となっている(厚生労働省「生後6か月~4歳の子どもへの接種(乳幼児接種)についてのお知らせ」)。 本研究では用量設定試験である第I相の結果から3μgの用量を採用した。第II/III相試験において、6ヵ月~2歳児1,178例と2~4歳児1,835例にBNT162b2ワクチンを、それぞれ598例と915例にプラセボを接種して比較検討した。また3回目接種まで完了した児は6ヵ月~2歳児で386例、2~4歳児で606例であった。最も重要な安全性の項目に関しては、ほとんどが軽度~中等度の接種反応イベントとなっており、Grade4のイベントは確認されなかったとされる。大人では頻度の高い発熱も、6ヵ月~2歳児で7%、2~4歳児で5%程度と報告されている。有効性に関してはオミクロン変異株流行下におけるコロナ発症予防効果が、3回目接種後の1週間以降で73.2%と示された。 2023年3月の本論考の執筆時点では、日本の第8波のコロナ流行はほぼ収束しており、コロナワクチン接種の有用性を感じにくくなっている。第7波、第8波の到来から日本小児科学会では、生後6ヵ月~4歳の小児でもコロナワクチン接種のメリットがあると捉え、「努力義務」としている(日本小児科学会「生後6か月以上5歳未満の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方」)。オミクロン変異株流行期以降は呼吸不全こそまれであるものの、重症例や死亡例が増加していることや、コロナ感染に伴う熱性けいれんや脳症などの重症例が報告されていることに基づいている。また、これまでに有効性の知見から、重症化予防効果は発症予防効果を上回ることが期待されるため、生後6ヵ月~4歳の小児においてもコロナワクチン接種が推奨されている。 先日3月28日に世界保健機関(WHO)から発表された「新型コロナウイルス感染症ワクチン接種ガイダンス」においては、健康な生後6ヵ月~4歳児に対するワクチン接種は「低優先度」に分類されている。1次接種(1、2回目ワクチン接種)や追加接種(3回目ワクチン接種)に関しては有効性や安全性が確認されているものの、他の予防接種に比べベネフィットが少なく、各国の感染状況や費用対効果などを鑑みることとされている(WHO : SAGE updates COVID-19 vaccination guidance)。 本研究ではワクチン接種に伴う副反応に対しても検討されている。発赤や腫脹などの接種部位反応や発熱などの項目に関しては生後6ヵ月~4歳児でも正確な評価が可能だが、倦怠感や頭痛、筋痛や関節痛に関する客観的な項目に関しての評価はNEJM誌に掲載された論文といえども、にわかには信じ難いと4児のパパとしては考える(田中)。もちろん成人に比べワクチン接種量も少なく、局所の副反応も全身性の副反応も頻度は低く、安全性は許容範囲内と捉えられる。現在のコロナ感染が落ち着いている状況下でワクチン接種を進めていくことはいささか難しいと考えるが、今後起こりうる流行の状況や安全性・有効性を考えて、小児期に接種する他の予防接種の間に組み込むことは何の問題もないのではと考える。

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スマホ依存になりやすい性格とは

 近年、スマートフォンの利用頻度が急速に増加しており、スマートフォン依存(以下、スマホ依存)が問題となっている。スマホ依存は、特定の性格特性を有する人において有病率が高いことが示唆されている。イラン・Shahid Beheshti Medical UniversityのAli Kheradmand氏らは、スマホ依存と性格特性との関連を評価するため、相関研究を行った。その結果、スマホ依存者は、自己愛性パーソナリティ障害の特徴である新規性追求、損害回避、自己超越の高さ、持続および自己志向の低さの性格特性を有していることを報告した。Frontiers in Psychiatry誌2023年2月8日号の報告。 テヘラン大学の学生382人を対象に、スマートフォン中毒尺度(SAS)およびペルシャ語版Cloningerのtemperament and character inventory(TCI)の質問票に対する回答を求めた。SASによる評価後、スマホ依存者を特定し、非スマホ依存症者との性格特性の違いを評価した。 主な結果は以下のとおり。・スマホ依存の傾向が確認された学生は、110人(28.8%)であった。・スマホ依存者は、非スマホ依存者と比較し、新規性追求、損害回避、自己超越の平均スコアが統計学的に有意に高かった。・スマホ依存者は、非スマホ依存者と比較し、持続、自己志向の平均スコアが統計学的に有意に低かった。・スマホ依存者は、報酬依存が高く、協調が低かったが、統計学的に有意な差は認められなかった。・新規性追求、損害回避、自己超越が高く、持続および自己志向が低いことは自己愛性パーソナリティ障害を示すものであり、これがスマホ依存と関連している可能性が示唆された。

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新型コロナワクチン接種ガイダンスを改訂/WHO

 世界保健機関(WHO)は3月28日付のリリースで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種ガイダンスを改訂したことを発表した。今回の改訂は、同機関の予防接種に関する専門家戦略アドバイザリーグループ(SAGE)が3月20~23日に開催した会議を受け、オミクロン株流行期の現在において、ワクチンや感染、またはハイブリッド免疫によって、世界的にすべての年齢層でSARS-CoV-2の抗体保有率が増加していることが考慮されたものとなる。SARS-CoV-2感染による死亡や重症化のリスクが最も高い集団を守ることを優先し、レジリエンスのある保健システムを維持することに重点を置いた、新たなロードマップが提示された。 今回発表された新型コロナワクチン接種のロードマップでは、健康な小児や青年といった低リスク者に対するワクチン接種の費用対効果について検討されたほか、追加接種の間隔に関する推奨などが含まれている。 改訂の主な内容は以下のとおり。・ワクチン接種の優先度順に、高・中・低の3つグループを設定した。・高優先度群には、高齢者、糖尿病や心臓病などの重大な基礎疾患のある若年者、生後6ヵ月以上のHIV感染者や移植患者などの免疫不全者、妊婦、最前線の医療従事者が含まれる。この群に対して、ワクチンの最終接種から6~12ヵ月後に追加接種することを推奨している。・中優先度群には、健康な成人(50~60歳未満で基礎疾患のない者)と、基礎疾患のある小児と青年が含まれる。この群に対して、1次接種(初回シリーズ)と初回の追加接種を奨励している。・低優先度群には、生後6ヵ月~17歳の健康な小児と青年が含まれる。この群に対する新型コロナワクチンの1次接種と追加接種の安全性と有効性は確認されている。しかし、ロタウイルスや麻疹、肺炎球菌ワクチンなど、以前から小児に必須のワクチンや、中~高優先度群への新型コロナワクチンの確立されたベネフィットと比較すると、健康な小児や青年への新型コロナワクチン接種による公衆衛生上の影響は低く、疾病負荷が低いことを考慮して、SAGEはこの年齢層への新型コロナワクチン接種を検討している国に対し、疾病負荷や費用対効果、その他の保健の優先事項や機会費用などの状況要因に基づいて決定するように促している。・6ヵ月未満の乳児における重症COVID-19の負荷は大きく、妊婦へのワクチン接種は、母親と胎児の両方を保護し、COVID-19による乳児の入院の低減に効果的であるため推奨される。・SAGEは新型コロナの2価ワクチンに関する推奨事項も更新し、1次接種にBA.5対応2価mRNAワクチンの使用を検討することを推奨している。

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経鼻投与の百日咳ワクチン、単回でも感染抑制の可能性/Lancet

 経鼻投与型の弱毒生百日咳ワクチンであるBPZE1は、鼻腔の粘膜免疫を誘導して機能的な血清反応を引き起こし、百日咳菌(Bordetella pertussis)感染を回避し、最終的に感染者数の減少や流行の周期性の減弱につながる可能性があることが、米国・ILiAD BiotechnologiesのCheryl Keech氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌2023年3月11日号で報告された。米国の無作為化第II相試験 研究グループは、BPZE1の免疫原性と安全性を破傷風・ジフテリア・沈降精製百日咳ワクチン(Tdap)と比較する目的で、米国の3施設で二重盲検無作為化第IIb相試験を行った(ILiAD Biotechnologiesの助成を受けた)。 年齢18~50歳の健康な成人が、次の4つの群に2対2対1対1の割合で無作為に割り付けられた。1日目にBPZE1を接種し、85日目に弱毒BPZE1を接種する群(BPZE1-BPZE1群)、同様にBPZE1接種後にプラセボを接種する群(BPZE1-プラセボ群)、Tdap接種後に弱毒BPZE1を接種する群(Tdap-BPZE1群)、Tdap接種後にプラセボを接種する群(Tdap-プラセボ群)。 1日目には、凍結乾燥したBPZE1に滅菌水を加えて鼻腔内に投与し、Tdapは筋肉内に投与された。マスキングを維持するために、BPZE1群では生理食塩水が筋肉内投与され、Tdap群では凍結乾燥プラセボが鼻腔内投与された。 免疫原性の主要エンドポイントは、29日目または113日目における少なくとも1つのB. pertussis菌抗原に対する鼻腔の分泌型IgAのセロコンバージョン(抗体陽転)が得られた参加者の割合であった。忍容性も良好 2019年6月17日~10月3日の期間に280例が登録された。BPZE1-BPZE1群に92例(平均年齢35.6歳、男性39%)、BPZE1-プラセボ群に92例(35.2歳、50%)、Tdap-BPZE1群に46例(34.6歳、43%)、Tdap-プラセボ群に50例(34.2歳、46%)が割り付けられた。 29日目または113日目における少なくとも1つのB. pertussis菌特異的な鼻腔の分泌型IgAのセロコンバージョンは、BPZE1-BPZE1群が84例中79例(94%、95%信頼区間[CI]:87~98)、BPZE1-プラセボ群が94例中89例(95%、95%CI:88~98)、Tdap-BPZE1群が42例中38例(90%、95%CI:77~97)、Tdap-プラセボ群は45例中42例(93%、95%CI:82~99)で得られ、幾何平均比および幾何平均倍率ではBPZE1群がTdap群よりも高率であった。 BPZE1群では、B. pertussis菌特異的な粘膜の分泌型IgA応答が広範かつ一貫して認められたのに対し、Tdap群ではこのような一貫性は誘導されなかった。 2つのワクチンは共に忍容性が良好で、反応原性は軽度であり、ワクチン関連の重篤な有害事象は認められなかった。1日目の接種後7日以内に非自発的に報告されたGrade1以上の鼻腔および呼吸器の有害事象では、鼻詰まり(BPZE1群39%、Tdap群35%)、鼻水(36%、34%)、くしゃみ(33%、29%)の頻度が高かったが、85日目の接種以降は前回のワクチンの種類を問わず、鼻腔および呼吸器の反応原性イベントは頻度、重症度共に悪化することはなかった。 接種後7日以内のGrade1以上の全身性有害事象では、頭痛(BPZE1群37%、Tdap群36%)、倦怠感(34%、22%)の頻度が高かったが、85日目の接種以降は前回のワクチンの種類を問わず、全身性有害事象の頻度、重症度共に悪化しなかった。 著者は、「本研究は、BPZE1の単回鼻腔投与により、百日咳菌に対する分泌型IgA応答が誘導されることを示したヒトで初めての概念実証試験であり、安全な次世代の百日咳ワクチンとしてのBPZE1のさらなる開発を支持するものである」としている。

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出産後の母親へのオピオイド処方、乳児の短期有害アウトカムに関連なし/BMJ

 カナダ・サニーブルック保健科学センターのJonathan S. Zipursky氏らは、出産後の母親へのオピオイド処方が、児の有害アウトカムの短期的リスクを増加させるかどうかを検討する住民ベースコホート研究を行い、両者間に関連はないことを明らかにした。北米では、ほとんどの母親が出産後に母乳で育児を開始する。乳児の呼吸器系または中枢神経系の抑制を引き起こすと予想されない量ではあるが、すべてのオピオイドは母乳へ移行する。母乳で育てられた乳児のオピオイド毒性に関する報告が散見されているが、母乳中のオピオイドを大量摂取したためと考えられていた。BMJ誌2023年3月15日号掲載の報告。出産後7日以内のオピオイド処方と乳児の30日以内有害アウトカムを検討 研究グループは、ICES MOMBABY(カナダ・オンタリオ州の全出生児とその母親の98%以上を特定可能)、Narcotics Monitoring Systemなどの各種データベースを用い、2012年9月1日~2020年3月31日の期間にオンタリオ州の病院で出産し7日以内に生存退院した母子86万5,691組を特定し、退院後7日以内にオピオイドが処方された母親とその児(処方群)、ならびに処方群の母親と年齢、出産年、分娩様式などを傾向スコアマッチング法で適合させた、オピオイドが処方されなかった母親とその児(非処方群)について解析した。 主要アウトカムは、指標日(オピオイド処方群は処方日、非処方群は処方群とマッチさせた模擬的な日付)から30日以内の乳児の入院、副次アウトカムは同期間の乳児の救急外来受診、すべての外傷による入院、新生児集中治療室(ICU)への入室、蘇生または呼吸補助を伴う入院、全死因死亡とした。解析には、Cox比例ハザード回帰モデルを使用した。死亡を含む有害アウトカムに有意差なし オピオイド処方群8万5,675例(オピオイドを処方された母親8万5,852例の99.8%)と、非処方群8万5,675例が解析対象となった。 30日以内に入院した乳児は、オピオイド処方群で2,962例(3.5%)、非処方群で3,038例(3.5%)であり、オピオイド処方群の乳児は非処方群の乳児と比較して指標日から30日以内に入院する可能性は高くなかった(ハザード比[HR]:0.98、95%信頼区間[CI]:0.93~1.03)。 指標日から30日以内の救急外来受診は、オピオイド処方群9,053例(10.6%)、非処方群8,714例(10.2%)で、オピオイド処方群がやや高かったが(HR:1.04、95%CI:1.01~1.08)、その他の乳児の有害アウトカムに差は確認されず、また、乳児死亡は報告されなかった。 結果を踏まえて著者は、「特定の母親への出産後の短期オピオイド使用に注意を払うことを支持するが、臨床医と両親は不安を抱く必要はなく、乳児への有害リスクは低い」と述べている。

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2歳までの下気道感染、成人期の呼吸器疾患死リスク約2倍/Lancet

 幼児期に下気道感染症に罹患すると、肺の発達が阻害され、成人後の肺機能の低下や慢性呼吸器疾患の発症リスクが高まるといわれている。そのため、幼児期の下気道感染症の罹患は、呼吸器疾患による成人早期の死亡を引き起こすのではないか、という仮説も存在する。しかし、生涯を通じたデータが存在しないことから、この仮説は検証されていなかった。そこで、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのJames Peter Allinson氏らは、1946年の出生コホートを前向きに追跡した。その結果、2歳未満での下気道感染があると、26~73歳の間に呼吸器疾患によって死亡するリスクが、約2倍となることが示された。Lancet誌オンライン版2023年3月7日号の報告。 1946年3月にイングランド、ウェールズ、スコットランドで出生した5,362例を前向きに追跡した。26歳まで生存し、適格基準(2歳未満での下気道感染や、20~25歳時の喫煙歴に関するデータが得られているなど)を満たした3,589例について、2歳未満での下気道感染の有無別に、26歳時点をベースラインとして生存分析を実施した。また、研究対象コホート内の死亡とイングランド・ウェールズの死亡を比較し、試験期間中の超過死亡を推定した。 主な結果は以下のとおり。・26歳時点からの追跡期間は最大47.9年であった。・追跡の対象となった3,589例のうち、2019年末時点で生存が確認されたのは2,733例であった(死亡:674例、移住:182例)。・2歳未満での下気道感染のある群(913例)は、下気道感染のない群(2,676例)と比べて呼吸器疾患による死亡リスクが高かった(ハザード比[HR]:1.93、95%信頼区間[CI]:1.10~3.37、p=0.021)。・2歳未満での下気道感染の回数別にみると、下気道感染のない群(2,676例)と比べたHR(95%CI、p値)は、1回感染群(596例)が1.51(0.75~3.02、p=0.25)、2回感染群(162例)が2.53(0.97~6.56、p=0.057)、3回以上感染群(155例)が2.87(1.18~7.02、p=0.020)であった。・2歳未満での初回の下気道感染の年齢別にみると、下気道感染のない群(2,676例)と比べたHR(95%CI、p値)は、1歳未満群(648例)が2.12(1.16~3.88、p=0.015)、1歳以上2歳未満群(256例)が1.52(0.59~3.94、p=0.39)であった。・2歳未満での初回の下気道感染時の治療別にみると、下気道感染のない群(2,676例)と比べたHR(95%CI、p値)は、未治療または外来治療群(856例)が1.79(1.00~3.19、p=0.051)、入院治療群(52例)が4.35(1.31~14.5、p=0.017)であった。・2歳未満での下気道感染は、1972~2019年のイングランド・ウェールズの呼吸器疾患による死亡の20.4%(95%CI:3.8~29.8)に関連していると推定され、これはイングランド・ウェールズにおける17万9,188例(95%CI:3万3,806~26万1,519)の超過死亡に相当した。 著者らは、「2歳までに下気道感染のある人は、呼吸器疾患による成人期の早期死亡のリスクが約2倍であり、2歳未満での下気道感染は成人期の呼吸器疾患による死亡の5分の1に関連していることが示唆された。幼児期の下気道感染と慢性閉塞性肺疾患などの成人呼吸器疾患の発症や予後との間には、特異な関連があると考えられる。成人呼吸器疾患の発症や子供の健康格差の発生を避けるためには、生涯にわたる予防戦略が必要である」とまとめた。

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