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熱傷の処置【漫画でわかる創傷治療のコツ】第12回

第12回 熱傷の処置《解説》今回は、熱傷の処置について解説します。熱傷の病態は、熱による皮膚の損傷とそれに続いて生じる炎症反応です。広範囲であれば全身性の炎症反応による多臓器障害を引き起こします。外来で処置できるものか、形成外科や皮膚科への紹介が必要なものか、さらに入院が必要なものか判断するのが重要です。ここでは主に外来で診ることができる範囲の熱傷について紹介します。熱傷深度と熱傷面積について判断できるようになりましょう!<熱傷の深度について>熱傷の深度の見極めにはUSA分類を用いるのが一般的です(図1)。深度によって局所の治療方法が変わります。主に症状や肉眼所見で推定しますが、精度の高い検査としてレーザードプラ血流計測法やビデオマイクロスコープが用いられたり、補助的な診断法として針刺法や抜毛法が用いられたりすることがあります。一般外来で診ることができるのは浅逹性II度熱傷までと考え、それ以上の深度の熱傷は形成外科や皮膚科へ紹介しましょう。図1画像を拡大するI度熱傷(EB)組織障害が表皮に留まり真皮に及ばないもの。局所の発赤、熱感、疼痛が主症状。→治療はステロイド軟膏(ワセリンのみ、創傷被覆材)による2~3日の経過で改善する。II度熱傷:真皮まで及ぶものを2つに分類浅逹性(SDB)-組織損傷が真皮の浅層に留まるもの。水疱形成がみられる。真皮深層の血流が保たれており、水疱基底部の真皮色調がピンク色や赤色を呈する(水疱は無理に破かないで!)。-真皮内の知覚神経受容体が刺激されるため極めて疼痛が強い。-毛根、汗腺、脂腺などの皮膚付属器が多数温存される。→治療は保存的治療(軟膏治療、創傷被覆材)で2週間以内にほとんど瘢痕を残さず上皮化する。深達性(DDB)-組織損傷が真皮の深層に至るもの。真皮の血行が障害されるため、水疱基底部は白色を呈する。-知覚神経受容体も損傷されるため、知覚は減退し疼痛も少ない。-皮膚付属器は温存されないことが多い。→上皮化までに3週間以上かかる。治療後に肥厚性瘢痕を形成する。→生命予後に影響を与える広範囲熱傷や機能障害が懸念される手や顔には手術を選択する。III度熱傷(DB)熱による損傷が皮膚全層に及ぶ。創面皮膚は乾燥、灰白色〜黄褐色を呈する。知覚は消失する。→上皮化は生じないため、極小範囲以外では壊死組織の切除と植皮(手術療法)が必要となる。<熱傷面積(%TBSA;%total body surface area)について>手掌法、9の法則(小児は5の法則)、Lund and Browderの法則があります(図2、3)。外来で簡易的にできるのは手掌法と9の法則(5の法則)でしょう。図2画像を拡大する図3画像を拡大する15%を超える場合の受け入れは皮膚科や形成外科など、熱傷の全身管理が可能な施設に依頼します。と言っても15%は外来で診ることができるギリギリの範囲です。実際は数%でも十分広範囲なので、近くに形成外科や皮膚科がある場合は早めに相談しましょう!熱傷深度、熱傷面積は受傷時の診断は経過によって変化していくことが多いため、毎回再度診断します。感染兆候、深度や面積の進行がある場合は、外科的なデブリードマンが必要になることもあるため、形成外科や皮膚科に紹介しましょう。<重症度について(予後指数)>どの施設で加療を行うかの基準としてBIやArtsの重症度判定があります。搬送医療機関の選定や治療方法の選択に必要です。BI:III度熱傷の体表に占める割合とII度熱傷の体表に占める割合を1/2にした数値との和で、目安として体表の15%以上がII度以上の熱傷を被ったら補液を伴う入院管理が必要。Artsの重症度判定:重症熱傷(熱傷センターなど熱傷専門施設のある総合病院に入院)-30%以上のII度熱傷-10%以上もしくは顔面、手足などの特殊部位のIII度熱傷-気道熱傷、広範囲軟部損傷、骨折などの合併症を伴う電撃傷中等度熱傷(形成外科のある一般総合病院に入院)-15~30%のII度熱傷-10%以下のIII度熱傷(顔、手足を除く)軽症熱傷(形成外科を有する外来治療施設を受診)-15%以下のII度熱傷-2%以下のIII度熱傷そのほか、皮膚科や形成外科に紹介すべき熱傷気道熱傷がある場合:気管内挿管と呼吸管理が必要なため、場合によっては救急や耳鼻科、皮膚科、形成外科のある総合病院へ紹介。体幹四肢の減張切開が必要:形成外科など専門医へ紹介。深度や面積を評価しデブリードマンが必要または感染の疑いがある:形成外科、皮膚科へ紹介。参考1)波利井 清紀ほか監修. 形成外科治療手技全書III 創傷外科. 克誠堂出版;2015.2)医療情報科学研究所編. 病気が見えるvol.14皮膚科第1版. メディックメディア;2020.3)日本熱傷学会編. 熱傷診療ガイドライン(改訂第3版).2021.

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海外番組「セサミストリート」【子供をバイリンガルにさせようとして落ちる「落とし穴」とは?(言語障害)】Part 1

今回のキーワード敏感期(臨界期)発音(発声)語彙(象徴)文法(統語)ダブルリミテッドバイリンガル(セミリンガル)生活言語能力(BICS)学習言語能力(CALP)言語理解IQ(VCI)「セサミストリート」と言えば、世界各国で放送されている幼児向けの英語の教育番組でしたね。シンボルキャラクターであるビッグバードをはじめ、たくさんのキャラクターが登場して、英語での日常会話のやり取りを見せてくれます。このような幼児向けの教育番組を語学教材として自分の子供に積極的に見せたり、幼いうちから英語教室に通わせるなど、なるべく英語に触れる環境にしていれば、子供がバイリンガルになるのではないかと私たちはつい期待してしまいます。実際は、どうなのでしょうか?実は、子供をバイリンガルにさせようとすると、ある「落とし穴」に落ちてしまう恐れがあります。それはいったい何でしょうか? 今回は、「セサミストリート」をヒントに、言語能力の本質に迫り、その答えである言語障害を説明します。なんで中学校からでは遅すぎるの?私たち親世代(1990年生まれ以前)のほとんどは、英語教育を中学校から受けました。そして、英語の読み書きについてはある程度できるものの、聞く・話すについては大変な苦労をしてきました。なぜなのでしょうか?そのヒントは、言葉の学習の敏感期です。敏感期とは、ある能力を発達させるための刺激に敏感な時期です。その時期を過ぎると、刺激に敏感ではなくなるため、その能力の発達が難しくなります。臨界期とも呼ばれますが、臨界期はある時を境に反応が急に落ちていくニュアンスが強いのに対して、敏感期はある時から反応が徐々に落ちていくニュアンスがあります。ただ、ほぼ同じ意味として使われることもあります。この記事では、敏感期を使用します。言葉の学習には、発音、語彙、文法の大きく3つがあります。これは、発声、象徴、統語という3つの言葉の機能に重なります。この言葉の3要素の詳細については、関連記事1をご覧ください。ここで、スペイン在住の中国系移民のスペイン語の習得状況の調査研究1)をご紹介します。この研究によると、3歳以降に移住した中国系移民は発音がスペイン人とは違ってきます。8歳以降に移住した場合はスペイン人ほど言い回しがうまくなくなり、12歳以降では文法の間違いも出てきて流暢ではなくなる結果となりました。つまり、それぞれの敏感期は、発音3歳まで、語彙8歳まで、文法12歳までということがわかります。これは、私たちが英語の学習を中学校(12歳)から始めたことで、読み書きは何とかできるものの、LとRなどの英語の発音の聞き分けや言い分け、英会話の聞き取りや話すことがなかなかスムーズにできないことを説明できます。つまり、英語教育が中学校からでは遅すぎる原因は、流暢に話す敏感期を過ぎてしまっているからです。なお、それぞれの敏感期が始まる時期については、発音は耳が聞こえるようになる生後まもなく、語彙は初語が出てくる1歳、文法は複文が出てくる4歳としました。発音の敏感期が3歳で終わることを考えると、3、4歳ごろは、脳の注力が語彙をメインとしつつ、発音から文法へと移行している時期と考えることができて、納得がいきます。また、語彙の敏感期が8歳で終わることを考えると、このころに基礎的な語彙(生活言語)から読み書きを通した抽象的な語彙(学習言語)へと脳の機能が移行すると考えることができます。ちなみに、この敏感期の段階的な移行は、音感の獲得のそれぞれの臨界期(敏感期)にも重なります。この詳細については、関連記事2をご覧ください。次のページへ >>

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海外番組「セサミストリート」【子供をバイリンガルにさせようとして落ちる「落とし穴」とは?(言語障害)】Part 2

なんで幼児期からでは早すぎるの?先ほどの臨界期の違いの研究から、遅くとも3歳から英語教育を始めればバイリンガルになるのでしょうか? 残念ながら、なかなかそうはならないようです。なぜでしょうか?そのヒントは、言葉の学習の許容量です。そもそも敏感期に違いがある原因は、脳がその限られた資源(許容量)の中で、発音→語彙→文法という順番で効率的にエネルギーを注ぐためであるからと考えられています。つまり、言葉の学習において、脳にはもともと許容限度があるからこそ、敏感期が存在すると言い換えられます。敏感期が脳の発達の時期によって時間的に役割分担をしていると考えれば、脳の部位によって空間的に役割分担をしているのが側性化・局在化です。これらは、脳活動の効率化という点では同じです。脳の側性化・局在化にちなんで、敏感期は「脳の時限化」と名付けることができるでしょう。ちなみに、逆に発音の敏感期が3歳を超えてしばらく続いてしまう幼児は、一見発音の聞き分けの能力がまだ残っていて外国語の発音の学習にはメリットがあるように思われますが、その分その後の語彙や文法の学習が遅れることがわかっています1)。この許容量を踏まえて、ここから英語教育が幼児期からでは早すぎる理由を、限定的にやる場合と本格的にやる場合に分けて、それぞれ説明しましょう。(1)英語教育が限定的な場合これは、最初に触れたように、幼児期から「セサミストリート」のような語学番組を毎日見せて、英語教室に週に何回か通わせることです。これが限定的である理由は、私たちの子供のほとんどは、両親とも日本人で日本に住み、日本語の幼保育園に通っているからです。この状況は、日常的には日本語だけが飛び交っており、自然に英語が耳に入ってくることはほとんどありません。この場合、英語の刺激は、日本語に比べて、せいぜい1、2割でしょう。すると、どうなるでしょうか?簡単に言うと、英語の刺激が母語の日本語に負けてしまいます。私たちの脳は、できるだけサボって楽をするように最適化されています。英語教材や英語教室などで英語の発音を一時的に覚えてはいても、日常的に使う必要に迫られることはなく、困らないので、記憶の学習があまり進まないのです。実際に、日本の大学生への調査研究1)において、週4時間以下の英語の学習を幼少期(3歳)から小学校までに開始したグループと、中学校(12歳)から開始したグループの発音の聞き分けテストでは、わずかな違いしかないことが判明しています。つまり、幼少期の英語教育が限定的な場合、発音を聞き分けられる効果も限定的になることがわかります。言葉の学習を胃の栄養吸収に例えるなら、幼少期の消化酵素の量(言語能力)には限界があるため、メインディッシュ(日本語)の吸収に専念して、添え物(英語)まで吸収が回らなくなってしまうというわけです。時間とお金と労力かけたわりに効果があまり期待できないことから、限定的な英語教育はやるにしても、英語に興味を持たせたり親子で楽しむためと割り切った方が良いことがわかります。(2)英語教育が本格的な場合これは、「セサミストリート」を毎日見せるだけでなく、親が子供と英語でも会話して、幼児期からインターナショナルプレスクールに通わせることです。もはや英語圏に住んでいるのと同じ状況です。この場合、英語の刺激は、日本語と同等になるでしょう。すると、どうなるでしょうか? 2つの可能性があります。1つは、期待通り、バイリンガルになります。まさに、帰国子女の人たちが日本語も英語も流暢に話す憧れのイメージです。ただし、実はこれはもともとその子の言語能力が高い場合に限られます。先ほどの胃の栄養吸収に例えるなら、メインディッシュが2つ(日本語と英語の両方)でも、消化酵素の量が多い(もともとの言語能力が高い)ため、2つとも消化吸収できてしまうことです。もう1つは、不本意ながら、ダブルリミテッドバイリンガルになります。ダブルリミテッドとは、二重に制限されているという意味です。両言語とも、日常生活で使う具体的で実用的な言葉(生活言語)は使いこなせるのですが、抽象的で概念的な言葉(学習言語)は使いこなせなくなります。つまり、生活言語能力(BICS)は習得しているのですが、学習言語能力(CALP)は習得していない状態です。そのため、読解力や作文力が低く、ものごとの仕組みやルールをよく理解できず、将来的に言葉を使いこなす仕事に就くことが難しくなります。以前は、母語も第2言語も中途半端(セミ)な状態から、セミリンガルと呼ばれていました。<< 前のページへ | 次のページへ >>

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海外番組「セサミストリート」【子供をバイリンガルにさせようとして落ちる「落とし穴」とは?(言語障害)】Part 3

なんでダブルリミテッドバイリンガルになるの?それでは、なぜダブルリミテッドバイリンガルになるのでしょうか? 現時点で、ダブルリミテッドバイリンガルに関する個別のケースは、国際結婚で生まれた子供でよく見かけますが、大規模な調査研究は見当たりません。ただ、語学力を含む言語能力の本質を捉えると、やはりその原因は、もともとその子の言語能力が高くない場合です。この言語能力を、知能検査(WPPSI-IIIやWISC-V)における言語理解IQ(VCI)から、2つの場合に分けて考えてみましょう。(1)言語能力がとても低い場合1つ目は、言語能力がとても低い場合です。この目安は、言語理解IQが85以下です。このような子供は、統計上約15%います。彼らのほとんどが日本語だけの学習でも問題を抱えています。この状況で、英語の学習を掛け持ちすると、ほぼ確実にダブルリミテッドバイリンガルになるのは容易に想像できるでしょう。先ほどの胃の栄養吸収に例えるなら、消化酵素の量が少ない(もともとの言語能力が低い)ため、メインディッシュが1つ(日本語だけ)でも消化不良を起こしているのに、メインディッシュが2つ(日本語と英語の両方)になることで、2つともますます吸収できなくなってしまうというわけです。なお、もともと全般的な知的能力は保たれている(トータルIQ[FSIQ]は低くない)のに、母語の語彙が少なく文法がおかしい(言語理解IQが極端に低い)場合は、言語障害(言語症)と診断します。また、もともと母語の滑舌が悪い(発音がうまくできない)場合は、語音障害(語音症)と診断します。そして、これらには言語療法のトレーニングが行われます。このように、言語能力には個人差があることも受け止める必要があります。(2)言語能力が高くはない場合2つ目は、言語能力が高くはない場合です。この目安は、言語理解IQが85~100です。このような子供は、統計上約35%います。彼らは、一見、日本語の学習に問題はなさそうです。しかし、言語能力としては平均以下ですので、余力があるとは言えません。この状況で、英語の学習を掛け持ちすると、単純に発音・語彙・文法が2倍になるわけですから、生活言語能力を習得する時期が遅れます。その分、学習言語能力が始まる時期が遅れ、十分な学習言語が習得できなくなる恐れがあることも想像できるでしょう。さらにこの状況は、ダブルリミテッドバイリンガルだけでなく、学習障害も引き起こすリスクがあります。これは、発音の敏感期が遅れて終わる子供はその分、その後の語彙の学習が遅れるという、先ほど紹介した現象に通じます。ちなみに、この言葉の学習の量(生活言語能力)と質(学習言語能力)のトレードオフの関係は、絶対音感を身に付けると相対音感が損なわれるという音感のトレードオフにも通じます。この詳細については、関連記事2をご覧ください。先ほどの胃の栄養吸収に例えるなら、消化酵素の量が多くない(もともとの言語能力が高くない)ため、メインディッシュが1つ(日本語だけ)でようやく消化しているのに、メインディッシュが2つ(日本語と英語の両方)になることで、2つとも吸収できなくなってしまうというわけです。私たちは、「子供は語学の天才である」などと根拠のない語学ビジネスの宣伝に振り回されず、この事実をもっと深刻に受け止める必要があります。もちろん、子供のためによかれと思ってという親心や憧れはよくわかります。また、国際結婚で生まれた子供の言語環境がどうしても多言語になってしまう状況は致し方ないです。しかし、子供のもともとの言語能力を見極められない幼少期から、モノリンガルの日本人の両親が日本国内で英語教育をあえて本格的にやろうとするのは、時間とお金と労力がかかるばかりでなく、子供をダブルリミテッドバイリンガルという言語障害にさせてしまう危うさもあるというわけです。これが、子供をバイリンガルにさせようとして落ちる「落とし穴」なのです。1)英語学習は早いほど良いのかP71、P34、P140:バトラー後藤裕子、岩波新書、2015<< 前のページへ■関連記事NHKドラマ「フェイクニュース あるいはどこか遠くの戦争の話」(後編)【言葉は噂をするために生まれたの!?(統語機能)】NHK「おかあさんといっしょ」(後編)【絶対音感よりも○○!?才能よりも○○!?(幼児教育)】Part 1

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医師のSNS利用、診療に関する情報収集に使っているのは?/1,000人アンケート

 パソコンやスマートフォンの電源を入れて初めに起動するアプリについて、最近では、メールではなくFacebookやX(旧:Twitter)などのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)からという人も多い。私たちの生活に浸透したSNSについて、医師はどのSNSツールを、どのように使っているのか、会員医師1,000人にアンケート調査を行った。アンケートは、8月11日にCareNet.comのWEBアンケートシステムで全年代、全診療科に対して実施した。また、2019年にも同様のアンケートを実施していることから、今回の結果と比較した。医師のSNS利用、Threads、TikTokは不人気? 質問1で会員医師に「SNSの利用状況」を6つの代表的なツール別 (Facebook、X、Instagram、YouTube、Threads、TikTok)に聞いたところ、「書き込み/投稿している」SNSツールはX(154人)、Facebook(130人)、Instagram(118人)の順で多かった。また、「閲覧のみ」のSNSツールはYouTube(706人)、X(341人)、Facebook(333人)の順で多かった。そのほか「利用している」の「書き込み/投稿」「閲覧」を合わせたものではYouTube、X、Facebookの順で多かった。SNSツールでTikTok、新たに登場したThreadsは約90%の会員医師が利用していなかった。 質問2で「診療に関する情報を集める目的で使っているSNS」について会員医師に聞いたところ(複数回答)、利用していない(550人)が一番多かったが、使用されているSNSツールではYouTube(272人)が一番多く、次にX(201人)、Facebook(107人)と続いた。 質問3で「診療に関する情報を集める目的で最も使っているSNS」を会員医師に聞いたところ(単回答)、「利用していない」(575人)が一番多かったが、使用されているSNSツールではYouTube(186人)が一番多く、次にX(152人)、Facebook(56人)と続いた。 年代別の調査について20・30代の会員医師(n=335)では、「書き込み/投稿している」SNSツールはX(85人)、Instagram(73人)、Facebook(43人)の順で多かった。また、「閲覧のみ」のSNSツールはYouTube(258人)、X(158人)、Facebook(154人)の順で多かった。 40代の会員医師(n=209)では、「書き込み/投稿している」SNSツールはX(25人)、YouTube(25人)と同率で、次にFacebook(24人)の順で多かった。また、「閲覧のみ」のSNSツールはYouTube(145人)、Instagram(68人)、X(56人)の順で多かった。 50代の会員医師(n=240)では、「書き込み/投稿している」SNSツールはFacebook(25人)、YouTube(21人)、X(19人)の順で多かった。また、「閲覧のみ」のSNSツールはYouTube(171人)、Facebook(67人)、X(66人)の順で多かった。 60代以上の会員医師(n=216)では、「書き込み/投稿している」SNSツールはFacebook(26人)、YouTube(23人)、Instagram(15人)の順で多かった。また、「閲覧のみ」のSNSツールはYouTube(132人)、Facebook(46人)、X(44人)の順で多かった。若い医師のSNS利用、Instagramが多い 前回2019年の調査との比較で4つのSNSツール(Facebook、X、Instagram、YouTube)の利用状況では、「書き込み/投稿している」SNSツールで今回伸びていたのはX、Instagram、YouTubeでの3ツールで、「閲覧のみ」ではFacebook、X、Instagram の3ツールで伸びていた。「利用していない」は全部のSNSツールで減少していた。 年齢別でみると、20・30代の会員医師では「書き込み/投稿している」SNSツールでXとInstagramが約2倍近く伸びていた。40代の会員医師ではほぼ前回と同じようなSNS利用状況だった。50代の会員医師では「書き込み/投稿している」SNSツールでXが約2倍、YouTubeが約8倍の伸びをみせていた。60代以上の会員医師では「書き込み/投稿している」SNSツールでInstagramが約2倍近い伸びをみせていた。 「診療で最も使用するSNS」では、前回に比べInstagramが大きく伸びていた(2.0%→26.0%)。また、「使用しない」はほとんど変化がなかった(57.0%→57.5%)。 最後に自由記入で会員医師に「よく使うSNSとその理由、診療で役立つアカウント、注目している医療者などのSNSに関するエピソード」について聞いたところ、以下のような意見があった。【SNSに肯定的な会員医師のご意見】・SNSでは簡潔にまとめられていることが多く、保存しやすい〔整形外科〕・コロナ後遺症、補聴器などで役立つコンテンツが多い〔耳鼻咽喉科〕・SNS上の海外医師の外科手術動画は勉強になる〔脳神経外科〕・患者の考え方や理解に役立つ〔小児科〕【SNSに否定的な会員医師のご意見】・信頼性に不安があるので、SNSからは専門的な情報は得ていない〔内科〕・SNSそのものを利用していない〔血液内科〕・SNSの発信は誤った情報が多い〔臨床研修医〕・SNSに興味がない〔眼科〕【会員医師が参考しているSNSサイトやアカウント】・YouTubeで平島 修氏の「フィジカルクラブちゃんねる」をみている〔脳神経外科〕・YouTubeは専門領域でも勉強になる配信をされていることが多く、「心電図マイスターチャンネル」はよく利用している〔循環器内科〕・ヒロ医師ブログ初心者(Xアカウント:@doctor_hhm)をフォロー〔消化器内科〕・YouTubeの「メンズNs」は患者さんに説明するのに平易な言葉で解説してくれるのでみている〔膠原病・リウマチ科〕アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。SNSの利用状況

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鼻血(鼻出血)【いざというとき役立つ!救急処置おさらい帳】第6回

皆さんは鼻血が出たことはありますか? 60%程度の人が人生で一度は鼻血を経験するそうです1)。私は幼少期にしょっちゅう鼻血を出していましたので、3人に1人は鼻血を出したことがないというのは驚きでした。鼻血は、鼻をいじったり鼻をかんだりしたときの外傷でよく生じますが、何もしなくても出てくることがあります。私が鼻血を出したときは、親か先生から「鼻の根元を押さえ、天を仰ぎ、首の根本を押さえる」という指導を受けました。鼻血が後咽頭に流れ込み、口に血液の味が広がったのを今でも覚えています…。さて、この処置は現在では不適切とみなされています。なぜ、このような止め方が広まったのかは調べてみてもわかりませんでした。ご存じの方がいらっしゃったらぜひ教えてください。鼻血はいつ何時遭遇してもおかしくありません。たとえば「診療所の待合室でいきなり鼻血が出た患者に対処を求められる」などもあり得ます。私は内科の診療所で鼻血を診たことはありませんが、南のとある島の病院で経験した症例をもとに対処法を紹介します。ちなみに、耳鼻科を受診するには車で2時間の距離にある総合病院に行かなくてはならない施設でした。<症例>32歳男性受診2時間前にとくに誘因なく左の鼻から血が流れてきた。ティッシュを詰めたところ出血が止まったが、ティッシュを取り除いたら再出血した。それを3回繰り返したため受診。バイタル:特記事項なしティッシュを左鼻に詰めている。上記のような患者が受診した場合の対処法を順を追って確認しましょう。(1)ABC(気道、呼吸、循環)の確認鼻血で窒息やショック? と思う人もいらっしゃるかもしれません。確かに一般的な鼻血であれば窒息やショックになることはありませんが、出血源が動静脈奇形や動脈瘤である場合、大量出血により気道や循環が危機にさらされることがあり得ます2,3)。私も動静脈奇形で大量出血した一例を経験したことがありますが、明らかに出血量や勢いが通常の鼻血とは違いました。たとえるなら、通常の鼻血が「タラタラ」であれば、ショックや窒息を起こす鼻血は鼻から滝のように出血し、数分で膿盆からあふれるほどです。この場合、気道確保や特殊な処置が必要になるのですが、今回のテーマは一般的な鼻血についてですので割愛します。ただし、鼻血でも気道と循環の異常を来しうるということは知っておいてください。今回の症例は気道や循環に問題はありませんでした。(2)出血部位の特定出血部位が左か右か、前か後かを判断しましょう。鼻血の80~90%はキーゼルバッハ部位という血流が豊富な部位で生じます(図1)4)。キーゼルバッハ部位は、外鼻孔に指を入れた少し先の部分であり、内側(鼻中隔側)で触知することができる硬い隆起です。距離的にティッシュを詰めることは止血につながると思われますが、結局止血したとしてもティッシュだと乾燥してしまい、除去するときに固まった血液(かさぶた)がはがれて再出血する印象があるのでお勧めはしません。図1 鼻の内側今回の症例は左の鼻から出血していましたが、ティッシュを取り除いたら再出血してしまい、出血部位は同定できませんでした。もし出血部位がわからなくても、次の手技に進みましょう。圧倒的に前方出血が多いため、まずは前方出血に準じて対応するのがよいと考えます。出血部位がわからなくても、後述する圧迫止血やガーゼパッキングを施行して問題はありません。ちなみに、出血部位を正確に把握する必要があるのは焼却術など出血部位に対する処置を行うときです。狭い鼻腔内で出血部位を把握するにはスキルと経験が必要ですので、非専門医が必ずしも同定する必要はないでしょう。(3)圧迫止血の手法の確認患者さんが行った止血方法の確認をすることは非常に重要です。昨今は「鼻の根元を押さえ、天を仰ぎ、首の根本を押さえる」患者さんはさすがにもういませんが、鼻根部(鼻骨)を押さえてくる人(図2)はまれにいて、これは気を付けないと見落とすことがあります。鼻翼を指全体で覆うように挟みましょう(図3)。図2 誤った圧迫止血(鼻骨を押さえている)図3 正しい圧迫止血(鼻翼を指全体で押さえている)圧迫は15分間しっかりと行います。よくある鼻血が止まらない理由として、血が止まったのを確認したくて数分で圧迫を解除してしまう、圧迫を解除した後に鼻をかんでしまう、などがあります。この症例は5分程度で圧迫を解除していたので、15分ほど圧迫してもらったところ止血を得ました。鼻をかまないようにして、再出血した場合は再度圧迫を行い、それでも止まらない場合は受診するよう指導しました。(4)ガーゼパッキングでは、適切な圧迫方法で止血できない場合はどうしましょうか? その場合はガーゼパッキングを行います。私はT&Aマイナーエマージェンシーコースで種々の場所で指導するのですが、パッキングの方法や使用する薬剤は地域によって異なっています。ですので、今回は私が慣れているコメガーゼとアドレナリン外用液(商品名:ボスミン外用液0.1%)+軟膏(白色ワセリン)を使用した方法を紹介します。まずはコメガーゼを用意します。コメガーゼがなければ、ガーゼを図4のように切って作成する方法もあります。図4 コメガーゼの作り方(幅は3cmくらい)次に薬剤を作成します。ボスミン外用液0.1% 2mL+生理食塩水18mLを混ぜ、1万倍希釈アドレナリン液20mLを作成します。コメガーゼにそれを浸した後、防水シーツの上に置いて軟膏を塗ります。軟膏を塗る理由は、ガーゼパッキングをして時間が経った後、ガーゼが乾燥していると抜去するときにとても痛いからです。それではガーゼパッキングを開始しましょう。今回は鼻用攝子と鼻鏡を用いてガーゼを挿入する方法を説明します。まず、鼻鏡と鼻用攝子の持ち方を確認しましょう(図5)。図5 鼻鏡と鼻用攝子の持ち方画像を拡大する1枚目のガーゼを挿入していきます。図1のように鼻腔内は入り口が狭く、内腔は広いので、それをイメージしながらガーゼを挿入しましょう。今回はT&Aマイナーエマージェンシーコースの鼻模型を使用して解説します。まず、図6のように鼻孔を開きます。その際に左手の甲を患者の右頬に当てると固定しやすいです。図6 鼻腔を開く画像を拡大する次に、ガーゼを攝子で挟みましょう。鼻用攝子で2つ折の間を把持し、先端の余ったガーゼを折り返すことで攝子の先端がガーゼで覆われ、より粘膜損傷が起こりにくくなります(図7)。図7 攝子の先端をガーゼで覆う

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英語で「エビデンスがない」は?【1分★医療英語】第96回

第96回 英語で「エビデンスがない」は?The drug you are using does not seem to have any efficacy data in my disease. Why do you recommend it?(先生が使用している薬は私の病気での有効性のデータはないようですが、なぜそれを勧めるのですか?)The absence of evidence is not the evidence of absence.(エビデンスが存在しないことは、[有効性などの効果が]ないことの証明にはなりません)《例文1》 We do have anecdotal evidence in many patients that this drug works well.(われわれの経験的には、この薬はよく効きます)《例文2》That study data has many limitations and does not apply to your case.(その研究結果には多くの限界があり、あなたの病気には当てはまりません)《解説》正しく計画された臨床研究の結果(=エビデンス)に基づいて診療を行うことは現代の医療においては「常識」であり、“Evidence-based medicine (EBM)”という言葉は当たり前すぎて、米国の臨床の場ではあまり聞かれなくなりました。しかし、十分なエビデンスが存在しないことは多くあり、日常診療の多くの場面でエビデンスが十分にはない診療も行われていることは、皆さんもご存じのとおりです。会話例の医師のセリフ、“The absence of evidence is not the evidence of absence.”は語呂が良く、慣用句として重宝します(「ないこと」の証明にはnon-inferiority test[非劣性検定]などの特殊な検定が必要です)。2つの例文も、「エビデンス」がまだない診療を行う根拠として一般的なもので、患者さんへの説明によく使う表現です。講師紹介

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臓器がわかる3Dグラフィックス ORGAN ROOMS

医学専門出版社がつくったしっかり学べるアートブック本書は、イユダエマさん(2021年大阪芸術大学デザイン学科グラフィックデザインコース卒業)による卒業制作作品「ORGAN ROOMS」をもとに制作したアートブックです。本作品は9つの臓器をそれぞれの部屋に見立ててその働きをわかりやすく表現したもので、大阪芸術大学卒業制作選抜展で公開された段階でも、医学的にかなり調べこんで制作されたものでした。単行本化にあたり、アートのよさを残しつつ、医学専門出版社として、より正しくわかりやすい表現にできないかと検討を重ねるとともに、アートブックとしてだけでなく、読み物としても楽しめるよう、臓器にまつわる豆知識を盛り込んでいます。なお、幅広い読者層を想定し、全ページにわたり振り仮名をつけています。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    臓器がわかる3Dグラフィックス ORGAN ROOMS定価2,750円(税込)判型A4判頁数42頁発行2023年7月著者ORGAN ROOMS編集部(編・著)

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ファイザーのXBB.1.5対応コロナワクチン承認/厚労省

 厚生労働省は9月1日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のオミクロン株対応ワクチンの一部変更について承認したことを発表した。今回の承認で、ファイザーのオミクロン株XBB.1.5系統のスパイクタンパク質をコードするmRNAを含む1価ワクチンが追加された。一変承認されたのは対象年齢別に、「コミナティRTU筋注」、「コミナティ筋注5~11歳用」、「コミナティ筋注6ヵ月~4歳用」の3タイプとなる。いずれも2023年7月7日に製造販売承認事項一部変更申請されていたもので、9月20日以降の秋開始接種に使用される。 一変承認されたワクチンの概要は以下のとおり。(1)販売名:コミナティRTU筋注一般名:コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン(有効成分名:トジナメラン及びリルトジナメラン、トジナメラン及びファムトジナメラン又はラクストジナメラン)(下線部追加)接種対象者:12歳以上の者効能・効果:SARS-CoV-2による感染症の予防用法・用量:初回免疫として、1回0.3mLを合計2回、通常、3週間の間隔で筋肉内に接種する。追加免疫として、1回0.3mLを筋肉内に接種する。接種間隔:通常、前回のSARS-CoV-2ワクチンの接種から少なくとも3ヵ月経過した後に接種することができる。(2)販売名:コミナティ筋注5~11歳用一般名:コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン(有効成分名:トジナメラン、トジナメラン及びファムトジナメラン又はラクストジナメラン)(下線部追加)効能・効果:SARS-CoV-2による感染症の予防用法・用量:本剤を日局生理食塩液1.3mLにて希釈する。初回免疫として、1回0.2mLを合計2回、通常、3週間の間隔で筋肉内に接種する。追加免疫として、1回0.2mLを筋肉内に接種する。接種間隔:通常、前回のSARS-CoV-2ワクチンの接種から少なくとも3ヵ月経過した後に接種することができる。(3)販売名:コミナティ筋注6ヵ月~4歳用一般名:コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン(有効成分名:トジナメラン、トジナメラン及びファムトジナメラン又はラクストジナメラン)(下線部追加)効能・効果:SARS-CoV-2による感染症の予防用法・用量:本剤を日局生理食塩液2.2mLにて希釈する。初回免疫として、1回0.2mLを合計3回、筋肉内に接種する。2回目は通常、3週間の間隔で、3回目は2回目の接種から少なくとも8週間経過した後に接種する。追加免疫として、1回0.2mLを筋肉内に接種する。接種間隔:通常、前回のSARS-CoV-2ワクチンの接種から少なくとも3ヵ月経過した後に接種することができる。(注)トジナメラン、リルトジナメラン、ファムトジナメラン及びラクストジナメランは、それぞれSARS-CoV-2の起源株、オミクロン株BA.1系統、オミクロン株BA.4-5系統及びオミクロン株XBB.1.5系統のスパイクタンパク質をコードするmRNA。

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ファイザーXBB.1.5対応ワクチン、EMAで生後6ヵ月以上に推奨

 米国・Pfizer社とドイツ・BioNTech社は8月30日付のプレスリリースにて、両社のオミクロン株XBB.1.5対応1価の新型コロナワクチン「COMIRNATY Omicron XBB.1.5」について、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、5歳以上に対して、過去の新型コロナワクチンの接種歴の有無にかかわらず単回投与すること、および生後6ヵ月~4歳の小児に対して、過去の接種回数に応じて投与することを推奨したと発表した。欧州委員会(EC)は本推奨を検討のうえ、承認について近く最終決定を下す予定。 本ワクチンの生後6ヵ月~4歳の小児への投与は、初回シリーズ(3回)のうちの一部または3回すべて、もしくは初回シリーズが完了している小児や感染歴のある小児に対しては、追加接種として単回投与することが推奨されている。 CHMPの推奨は、両社の新型コロナワクチンの安全性と有効性を支持するこれまでの臨床試験、非臨床試験、およびリアルワールドデータのエビデンスに基づく。これらのデータには、XBB.1.5対応1価ワクチンが、BA.4/5対応2価ワクチンと比較して、XBB.1.5、XBB.1.16、XBB.2.3を含む複数のXBB亜系統に対してより優れた反応を示す前臨床試験のデータも含まれている。同試験のデータでは、世界保健機関(WHO)によって「注目すべき変異株(VOI)」に指定されているEG.5.1(エリス)に対しても有効性を示すことが認められている。 本XBB.1.5対応1価ワクチンは、米国でも生後6ヵ月以上を対象として米国食品医薬品局(FDA)に申請されており、近く承認が決定される予定。日本を含む世界各地の規制当局にも申請中だ。

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英語プレゼン、数字の基本的な口語表現(6)知って得する豆知識【学会発表で伝わる!英語スライド&プレゼン術】第22回

英語プレゼン、数字の基本的な口語表現(6)知って得する豆知識今回は数字の表現において、知っておくと便利な「豆知識」をご紹介します。知っていなくてもコミュニケーションに支障がないものもありますが、覚えておけば、英語レベルを一段上げることができるはずです。画像を拡大する1)要注意発音:13 vs.30音の似ている“thirteen”、“thirty”。区別のためには、発音する際に「強調する位置」がきわめて重要です(13は後半、30は前半を強調します)。この2つの数字、伝達ミスの原因となりやすいことは広く認識されており、米国人同士の会話でも、比較的ゆっくり、明確に強調を置いて話されることが多いです。また、区別をより明確にするため、“thirteen, which is one-three”などのように、“thirteen”、“thirty”に続けて、一桁ずつ数字を読み上げることもよくあります。2)形容詞としての数字の使用:A 30-year-old man, a 30-minute infusion数字は、形容詞の一部として使用する場合は「単数形」です。日本語では基本的に複数形の概念がなく、「30歳の男性」と「その男性は30歳です」では「30歳」の部分には変化がないので、間違いに気付きにくいようです。複数形にしてしまっても多くの場合は文脈から通じますが、ネイティブには明確に違和感を持たれるので、英語の上級者になれば気を付けたい表現です。3)数字の表記:数字記号vs.単語学会上など英語のフォーマルな場では、「1~9(または10)までは単語で記載」し、「それ以上は数字記号で記載」する、という伝統的なルールがあります。たとえば、“There are 5 patients”ではなく、“There are five patients”と記載し、“There are 11 patients”はそのままです。日本でも米国でも、このルールに固執するベテラン医師はいます。しかし、近年ではなるべく数字記号で記載することが推奨されています。たとえば、医学論文執筆のルールブックとされる『AMA(American Medical Association) Manual of Style 11th edition』(2020年)では、以下のように記載されています。ただ実際は、医学雑誌ごとに推奨方法が異なっており、学会発表スライドは論文ほどにはフォーマルではないため、聴衆が読みやすいと思うほうを選択すればよいと思います。『AMA Manual of Style 11th edition』(2020年)より抜粋詳細は原文を参照Because numerals convey quantity more efficiently than spelled-out numbers, they are generally preferable in technical writing.(数字記号は数量をより効率的に伝達できるため、科学的な執筆においては、文字での記載よりも一般的に好ましい)In scientific writing, numerals are used to express numbers in most circumstances (eg, 5 not five).(科学的な執筆では数字を表現する多くの場合で数字記号が使用される[例:Fiveではなく5])Exceptions are the following:(以下を例外とする:)Numbers that begin a sentence, title, subtitle, or heading(文章、タイトルなどの先頭が数字の場合)Accepted usage, such as idiomatic expressions and numbers used as pronouns(一般に許容されている使用方法、たとえば、イディオムとしての数字表現や、代名詞としての使用)Ordinals first through ninth(1から9までの序数)4)慣習的な表現:1,000 vs.K英語のコミュニケーションでは、しばしば“K”という1文字で1,000を意味することがあります(“kilo”に由来)。論文などのフォーマルな場では避けるべきですが、米国のカルテなどでは多用されていますし、英会話でも、“5,000”を「ファイブ ケー」と読み上げる人も多くいるので、これも知っておいたほうがよい表現です。講師紹介

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日本人成人強迫症患者におけるADHD併発の影響

 これまでの研究において、小児および青年における強迫症と注意欠如多動症(ADHD)との関連が報告されている。しかし、成人における強迫症とADHDとの生涯併発率との関連を調査した研究は、ほとんどなかった。兵庫医科大学の宮内 雅弘氏らは、日本人成人強迫症患者におけるADHDの併発に関連する臨床的および精神病理学的特徴を調査した。Comprehensive Psychiatry誌2023年8月号の報告。強迫症患者93例のADHD生涯併発率は16.1%と推定された 日本人成人強迫症患者93例を対象に、ADHDの生涯併発率を評価した。ADHDの特徴および重症度の評価には、コナーズ成人ADHD 評価スケール(CAARS)日本語版を用いた。ADHDではないがADHD特性レベルが上昇した患者は、調査結果から除外した。ADHDを伴う強迫症患者とADHD特性が認められない強迫症患者における背景プロファイルおよび強迫症状や心理学的検査結果などの臨床的特徴を比較した。さらに、6ヵ月間の治療結果を、両群間でプロスペクティブに比較した。 日本人成人強迫症患者におけるADHD併発に関連する臨床的および精神病理学的特徴を調査した主な結果は以下のとおり。・強迫症患者93例のADHD生涯併発率は、16.1%と推定された。・ADHDを伴う強迫症患者は、ADHD特性が認められない強迫症患者と比較し、以下の特徴が確認された。 ●強迫症の発症年齢が低い ●ためこみ症(hoarding symptom)の頻度が高い ●抑うつ症状や不安症状レベルが高い ●QOL低下 ●衝動性レベルが高い ●物質依存症や行動依存症の割合が高い ●うつ病の割合が高い・ADHDを伴う強迫症患者は、ADHD特性が認められない強迫症患者よりも、強迫症に対する標準的治療6ヵ月後の Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale(Y-BOCS)平均改善率が有意に低かった(16.1% vs. 44.6%)。 著者らはこの結果から、「ADHDの併発は、成人強迫症患者の臨床的特徴や治療アウトカムに重大な影響を及ぼす可能性が示唆された。強迫症患者の全体的な臨床症状の重症化や治療抵抗性を引き起こす因子として、ADHDの根底にある病理学的特徴が関与している可能性があることを考慮することが重要である。このような患者の治療戦略を検討するには、さらなる研究が必要である」と述べている。

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ソリリス、小児の全身型重症筋無力症患者に対する追加承認を取得/アレクシオン

 アレクシオンファーマは、ソリリス点滴静注300mg(一般名:エクリズマブ[遺伝子組換え]、以下「ソリリス」)が日本において、免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)または血液浄化療法(PLEX)による症状の管理が困難な抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性の全身型重症筋無力症(gMG)の小児患者の治療に対する用法および用量の追加承認を、8月23日付で取得したと発表した。ソリリスが小児の難治性gMG患者に臨床的有効性を示した gMGは、筋機能および重度の筋力の低下を特徴とする希少な自己免疫疾患である。gMG患者の80%は抗AChR抗体陽性であり、神経細胞と筋肉の接着部である神経筋接合部(NMJ)のシグナル受容体に特異的に結合する自己抗体(抗AChR抗体)を産生する。この結合は、感染に対する身体の防御に不可欠な補体系を活性化し、免疫システムによるNMJの破壊が引き起こされる。これにより炎症が起こり、脳と筋肉との情報伝達の遮断につながる。gMGはどの年齢でも起こりえるが、最も一般的には40歳以下の女性および60歳以上の男性にみられる。初期症状には、構音障害、複視、眼瞼下垂、バランスの喪失などがあり、病気が進行すると、嚥下障害、息苦しさ、極度の疲労、呼吸不全など、より重篤な症状につながる可能性がある。 ソリリスは、小児および青年患者のgMGの治療薬として、日本で初めて承認された唯一の分子標的治療薬である。今回のソリリスの追加承認は、難治性gMGの小児患者を対象とした、ソリリスの第III相臨床試験の結果に基づいている。本試験では、免疫抑制療法が無効で重大な疾患症状が消失せず持続している難治性gMGの小児患者において、ソリリスの臨床的有効性が示された。ソリリスは、主要評価項目である定量的重症筋無力症(QMG)総スコア(疾患の重症度と運動機能を医師が評価する尺度)のベースラインから26週目までの変化に有意な改善を示した(-5.8[95%CI:-8.4~-3.13]、p=0.0004)。 東京女子医科大学小児科の石垣 景子氏は、「gMGの小児患者の治療において、利用できる免疫抑制薬などの現行の治療法では、疾患の進行に伴い、十分に症状をコントロールできない場合もあるなど課題があった。このたびの日本におけるソリリスの小児の適応拡大は、gMGの治療におけるC5補体阻害剤の効果を示すものであり、小児患者が運動機能を維持し、重篤な症状を軽減する可能性のある新たな治療選択肢を提供する」と述べている。また、Alexion(米国)のマーク・デュノワイエ最高経営責任者(CEO)は、「gMGと共に生きる小児患者は、標準治療に反応しなくなり、運動機能、会話、呼吸に影響を及ぼす症状が継続することがある。当社のファースト・イン・クラスのC5補体阻害剤であるソリリスは、小児患者の症状や家族の生活の質を改善する可能性がある。日本においてgMGの小児患者のコミュニティーに、最初で唯一の分子標的治療薬を届けることを誇りに思っている」と語っている。

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妊娠30~34週の硫酸Mg、児の死亡・脳性麻痺を抑制するか/JAMA

 妊娠30週未満の出産前の妊婦に、硫酸マグネシウムを静脈内投与すると、児の死亡と脳性麻痺のリスクが低下することが知られているが、30週以降の効果は不明とされていた。ニュージーランド・オークランド大学のCaroline A. Crowther氏らは、「MAGENTA試験」において、妊娠30~34週に硫酸マグネシウムを投与しても、プラセボと比較して、2年後における児の脳性麻痺のない生存の割合は改善しないことを示した。研究の詳細は、JAMA誌2023年8月15日号に掲載された。オーストラリアとニュージーランドの無作為化臨床試験 MAGENTA試験は、オーストラリアとニュージーランドの24の病院で実施された無作為化臨床試験であり、2012年1月~2018年2月に参加者の登録を行った(オーストラリア国立健康・医学研究評議会などの助成を受けた)。 対象は、妊娠30~34週の期間に早産のリスクがあり、単胎または双胎妊娠で、出産が予定されているか、24時間以内に確実に出産が予測される妊婦であった。被験者を、硫酸マグネシウム(4g)またはプラセボを30分で静脈内投与する群に無作為に割り付けた。 主要アウトカムは、児の補正年齢2歳時までの死亡(死産、退院前の生児の死亡、退院後の補正年齢が2歳になる前の死亡)または脳性麻痺(小児科医の評価による運動機能の喪失、筋緊張と筋力の異常)とした。副次アウトカムは、妊婦と児の健康を評価する36の項目であった。 1,433例(平均年齢30.6[SD 6.6]歳、白人67.4%)の妊婦を登録し、硫酸マグネシウム群に729例、プラセボ群に704例を割り付けた。その児1,679例(マグネシウム群 858例、プラセボ群821例)のうち1,365例(691例、674例)が主要アウトカムの解析に含まれた。イベント発生率(3.3% vs.2.7%)は予測より低い 補正年齢2歳時の死亡または脳性麻痺の発生率は、硫酸マグネシウム群が3.3%(23/691例)、プラセボ群は2.7%(18/674例)であり、両群間に有意な差を認めなかった(リスク差:0.61%[95%信頼区間[CI]:-1.27~2.50]、補正後相対リスク[RR]:1.19[95%CI:0.65~2.18]、p=0.57)。 死亡は、硫酸マグネシウム群が1.4%(12/837例)、プラセボ群は0.9%(7/796例)で認められ(リスク差:0.48%[95%CI:-0.62~1.58]、補正後RR:1.50[95%CI:0.58~3.86]、p=0.40)、脳性麻痺は、それぞれ1.6%(11/679例)、1.7%(11/667例)で発現し(-0.03%[-1.39~1.33]、0.98[0.43~2.23]、p=0.96)、いずれも両群間に有意差はみられなかった。 出生時の入院期間中の新生児では、プラセボ群に比べ硫酸マグネシウム群で呼吸窮迫症候群(34%[294/858例]vs.41%[334/821例]、補正後RR:0.85[95%CI:0.76~0.95]、p=0.01)、慢性肺疾患(5.6%[48/858例]vs.8.2%[67/821例]、0.69[0.48~0.99]、p=0.04)などの発生率が低かった。 出産時の入院期間中の妊婦では、重篤な有害事象は発現しなかったが、注射による有害事象の頻度はプラセボ群に比べ硫酸マグネシウム群で高かった(77%[531/690例]vs.20%[136/667例]、補正後RR:3.76[95%CI:3.22~4.39]、p<0.001)。注射による主な有害事象は、悪心、嘔吐、ほてり、注射を受けた腕の痛み、口腔乾燥、めまい、霧視などであった。 また、帝王切開による分娩を経験した妊婦は、硫酸マグネシウム群のほうが少なかった(56%[406/729例]vs.61%[427/704例]、補正後RR:0.91[95%CI:0.84~0.99]、p=0.03)。一方、産後に大出血を発現した妊婦は、硫酸マグネシウム群で多かった(3.4%[25/729例]vs.1.7%[12/704例]、1.98[1.01~3.91]、p=0.05)。 著者は、「妊娠30~34週での硫酸マグネシウム投与に効果がなかった理由は不明である」としている。また、「本試験では、死亡と脳性麻痺のイベント発生率が予測よりも低かったため、死亡または脳性麻痺のリスクにおける、小さいものの潜在的に重大な差の検出力が不足していたと考えられる」と指摘している。

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アロマターゼ欠損症〔AD:Aromatase Deficiency〕

1 疾患概要■ 定義エストロゲン合成酵素(アロマターゼ)の活性欠損・低下により、エストロゲン欠乏とアンドロゲン過剰とによる症状を呈する遺伝性疾患である。染色体核型が女性型の場合は、性分化疾患(46,XX DSD)に分類される。生理的にエストロゲン合成が亢進する妊娠中と思春期~性成熟期に症状が顕性化する。女性患者と男性患者とで表現型が異なる。■ 疫学10万人に1人以下のまれな疾患である。これまでに30家系50人を超える患者が報告されている。当初はヨーロッパとヨーロッパからアメリカ大陸への移民者の報告が多かったが、最近ではアジア(中国やインド)からの報告も増えている。わが国からの報告はこれまでのところ1例のみである。■ 病因アロマターゼは、アンドロゲンを基質としてエストロゲンを産生する酵素である。アロマターゼ活性欠損により、エストロゲンが産生されずアンドロゲンが蓄積する。その結果、女性でエストロゲンの欠乏と男性ホルモンの過剰による症状が生じる。これに対し、男性ではエストロゲン欠乏による症状のみが生じる。■ 症状1)胎児ヒト胎児副腎は大量の副腎性アンドロゲン(dehydroepiandrosterone)を産生し、これが胎盤(胎児に由来する)のアロマターゼによりエストロゲンに転換される。胎児がアロマターゼ欠損症の場合には、アンドロゲンが蓄積して母体と胎児に男性化が生じる。胎児が女性の場合は、外性器が男性化する。母体では、妊娠中に男性化症状が増悪し、分娩後に軽快する。残存するアロマターゼ活性が1%を越えると、母体に男性化はみられないとされる。2)女性エストロゲンによって生じる二次性徴(初経や乳腺発育・女性型の皮下脂肪など)は欠如する。しかし、活性低下が軽い変異を有する症例では、初経発来や規則月経を呈することがある。エストロゲン補充が行われていない女性では、リモデリングの亢進を示す骨粗鬆症が認められる。女児では、外性器の男性化(Prader 分類II~IV/IV)が全例に認められる。ゴナドトロピンが上昇する前思春期頃から、卵巣に多房性嚢胞(一部は出血性)をみることがある。活性低下の強い症例(truncated type)では索状性腺をみることがある。3)男性男性患者では、出生時に症状はない。思春期に生理的な身長急伸を欠如するとともに、その後の伸長停止(骨端閉鎖)も欠如するのが特徴である。本来伸長が停止する16歳頃を過ぎても身長が伸び続け、高身長(時に2mを超える)・骨粗鬆症となって20歳台後半で診断される例が多い。しばしば、外反膝・類宦官症体型が認められる。肥満、内臓脂肪の増加、インスリン抵抗性、脂質異常症などの代謝異常を示すことも少なくない。また、巨精巣症・小精巣の報告もある。精子数減少を示唆する報告もあるが妊孕性の喪失はない。■ 分類初期の報告例は、アロマターゼ活性低下が高度でエストロゲンがほぼ欠損し、二次性徴を完全に欠如する症例(古典型)であった。その後、エストロゲン欠乏が軽度で、乳腺発育や月経発来といった二次性徴が部分的にみられる症例(非古典型)が報告された。遺伝子変異をtruncated variantsとnon-truncated variantとに分けて検討し、前者ではエストロゲン欠乏に関連する症状(原発性無月経や索状性腺)が強く、後者では症状が軽いとする報告もある。■ 予後本症の長期予後については不明であるが、これまでの情報を総合すると生命予後に直接影響を与えないと思われる。その一方で、エストロゲン低下に伴って生じる骨粗鬆症や脂質異常症などの代謝異常に対して、適切な管理を行い予防する必要がある。アロマターゼ活性低下の強い症例では、女性の妊孕能は低下する。活性低下の軽い症例の女性の妊孕性については不明である。男性患者では妊孕性の低下はみられない。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 臨床症状1)女性女性患者では、本症と診断されないまま無月経に対してエストロゲン投与が継続されていることがあり、その場合、臨床症状から本症を想定することは困難である。患児が本症に罹患している場合、妊娠中に母体の進行性男性化(活性低下の軽い例では欠如)と胎児外陰の男性化(全例にみられる)が診断の手掛かりになる。妊娠母体の男性化は、P450酸化還元酵素欠損症や妊娠黄体腫(母体卵巣)にもみられ鑑別が必要である。P450酸化還元酵素欠損症では、アロマターゼのほか複数のステロイド産生酵素の活性も低下し、性ステロイド以外のホルモンによる症状が出現する。2)男性妊娠母体の男性化症状とエストロゲン低値から胎児の罹患が疑われて、出生後早期に診断された男性患者も報告されているが、実際に出生時に診断される例は少ない。弟妹の女性発端者が手がかりとなって診断されることもある。思春期以降に身長の伸びが止まらず、高身長となって成人期に初めて診断されることが多い。思春期の身長急伸の欠如、成人期の骨端線閉鎖の欠如、高身長、骨粗鬆症が、本症を推定する手がかりとなる。肥満、内臓脂肪の増加、インスリン抵抗性、脂質異常症などの代謝異常の合併も診断の参考となる。■ ホルモン検査1)女性ゴナドトロピン値(FSH、LH)は成人に至るまで一貫して高値を示す。とくにFSH優位の高値を示すのが特徴である。一般に、出生後数週~6ヵ月頃にかけて、視床下部下垂体性腺系は生理的活性化(mini-puberty)を示し、ゴナドトロピンは一過性に上昇する。その後、視床下部下垂体性腺系は強く抑制される時期に入り、ゴナドトロピンは低値となる。前思春期に入ると抑制が徐々に解除され、ゴナドトロピンは上昇に転ずる。アロマターゼ欠損症のゴナドトロピンも同様の二相性変動を示すが、常に同年齢対照より高値を示す。アンドロゲン値も同年齢対照者より高く、同様の二相性の変動を示す。血中エストラジオールは一貫して同年齢対照より低値を示すが、基準域に近い値を示す症例もみられる。測定感度の問題もあり、エストラジオール単独での診断は難しい。FSH値の上昇は、エストロゲン欠乏や表現型の強さを反映し治療効果の指標になる可能性がある。2)男性FSHが高値を示す例は男性では60%で女性よりFSHの診断意義は低い。E2が測定感度以下となるのは男性患者の80%であり、除外診断には注意を要する。LHが高値を示す例は20%、Tが高値となるのは30%と少なく、除外診断には使いにくい。■ 遺伝子型本症の確定診断には、15q21.2にあるCYP19A1に活性喪失変異(loss-of-function mutation)を同定する。これまでに、1塩基置換によるミスセンス変異、ナンセンス変異、スプライシング異常の他、1〜数塩基の欠失や挿入などさまざまな変異が報告されている。ヘテロは無症状で、ホモまたは複合ヘテロで症状が認められ、常染色体潜性(劣性)遺伝を示す。変異は酵素活性に関連するエクソン9に比較的多く認められるが、エクソン2を除きすべてのエクソンにほぼ均等に認められる。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)根本的な治療法はない。欠乏するエストロゲンによる諸症状・疾病の発生を予防するために長期のエストロゲン補充が行われる。■ 46,XX DSDほとんどが女性として育てられている。性自認は女性である。外陰形成術が施行される。性腺摘除が併施されることもある。二次性徴や骨量の獲得と維持を目的にエストロゲン(子宮を有する性成熟期女性ではプロゲスチンを併用)投与を行う。エストロゲン投与により、血清ゴナドトロピン値が正常化し、卵巣嚢胞は消失する。骨量も増加する。■ 46,XY最終身長の適正化と骨量増加・骨粗鬆症の予防を目的にエストロゲン投与を行う。思春期前からの治療では、少量のエストロゲン投与から開始し、漸増させて生理的時期での骨端閉鎖を促す。骨端閉鎖後は、経皮的にエストラジオール25μg/日を生涯にわたって投与する。思春期症例にエストロゲンを投与すると、身長の急伸、骨端閉鎖、骨量の増加といった生理的骨成長と同様の変化が認められる。成人では維持量の投与により、ゴナドトロピン値の正常化、脂質異常の改善、インスリン抵抗性の改善なども期待できる。4 今後の展望本症の発見は、骨におけるエストロゲンの生理的役割などの解明に大きく貢献した。エストロゲン補充により、症状の多くは軽減されるが、女性患者の妊孕性については回復が認められていない。本症の患者数は少なく、系統的な研究が困難である。5 主たる診療科内科、小児科、婦人科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報小児慢性特定疾病情報センター アンドロゲン過剰症(ゴナドトロピン依存性思春期早発症及びゴナドトロピン非依存性思春期早発症を除く)アロマターゼ欠損症は、小児慢性特定疾病対策事業においてアンドロゲン過剰症(ゴナドトロピン依存性思春期早発症およびゴナドトロピン非依存性思春期早発症を除く)の原因疾患の1つに包含されている。(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Shozu M, et al. J Clin Endocrinol Metab. 1991;72:560-566.2)Singhania P, et al. Bone Reports. 2022;17:101642.3)Stumper NA, et al. Clin Exp Rheumatol. 2023;41:1434-1442.4)Rochira V,et al. Nature Reviews Endocrinology 2009;5:559-568.公開履歴初回2023年8月29日

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モモアレルギー、生か加工品かで対応は異なる!【乗り切れ!アレルギー症状の初診対応】第8回

モモアレルギー、生か加工品かで対応は異なる!講師藤田医科大学 ばんたね病院 小児科 講師 森 雄司 氏【今回の症例】17歳の男性。過去に食物アレルギーによる症状が誘発された経験はない。海外在住歴はない。最近、給食で桃ゼリーを食べて蕁麻疹、咳が出るエピソード、モモの缶詰を食べて蕁麻疹が出るエピソードを経験した。最も考えられる原因アレルゲンはどれか。1.Pru p 1(PR-10)2.Pru p 3(LTP)3.Pru p 4(プロフィリン)4.Pru p 7(GRP)

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過去10年間、日米間の抗がん剤ドラッグラグはどのくらいか

 抗がん剤の日米間のドラッグラグに関する既存の研究や統計では、ドラッグラグは減少したとするものもあるが、一方で日本では未承認の薬剤が多く残されている。北里大学の立花 慶史氏らは、未承認薬がドラッグラグに与える影響を定量化することを目的とした研究を行い、結果をInternational Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2023年8月10日号に報告した。 本研究では、2011~22年の間に米国で承認された抗がん剤136品目の情報が収集された。米国での承認日から日本での承認日までの日数として定義される承認ラグをすべての選択された薬剤について算出し、中央値をKaplan-Meier法で算出した。なお、日本で承認されていない医薬品の承認ラグについては、打ち切りデータとして扱った。承認ラグと関連する可能性のある因子を、Cox回帰分析を用いて検討した。 主な結果は以下のとおり。・前半期(2011~16年)と後半期(2017~22年)の承認ラグの中央値は、それぞれ961日(2.6年)と1,547日(4.2年)であった(log-rank検定のp=0.0687)。・国際的なピボタル試験への日本の参加は承認ラグ短縮と関連し、世界的な売上高トップ20にランクインしていない非日系企業の新薬承認申請は承認ラグ延長と関連した。 著者らは結論として日米間の抗がん剤のドラッグラグはこの10年間減少していないとし、米国での承認に関わるピボタル試験における日本の参加割合は増加しており、今後さらに増加が見込まれることに言及。今後は、中小の非日系企業による国際的な臨床開発計画への参加を促す制度が必要なのではないかとしている。

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血尿診断ガイドライン2023

2013年版から10年ぶりの大幅改訂!血尿の原因疾患を診断する「血尿診断アルゴリズム」を提示わが国では母子保健法、学校保健法、労働安全衛生法、老人保健法などにより、生涯にわたり検尿を受けることが可能。こうした検尿での異常所見(潜血)が契機となって重篤な腎疾患や泌尿器疾患が発見されることも少なくない。本書は潜血が認められた患者における、血尿のタイプの判定と原因疾患の診断のためのガイドラインで、血尿の原因疾患を診断するための手順を初めて詳細な「血尿診断アルゴリズム」として提示。また、ワクチン接種後の血尿例の報告を受けて、最終章で「新型コロナワクチンと血尿」について解説している。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    血尿診断ガイドライン2023定価3,080円(税込)判型A4判頁数80頁発行2023年6月編集血尿診断ガイドライン改訂委員会Amazonでご購入の場合はこちら

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若者のうつ病・不安症、未治療での1年後の回復率~メタ解析

 抑うつ症状や不安症状を有する若者に対し、特別なメンタルヘルス介入を行わなかった場合の1年後の回復率は、どの程度か。英国・ロンドン大学クイーンメアリー校のAnna Roach氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を実施し、これを明らかにしようと試みた。その結果、不安や抑うつ症状を有する若者の約54%は、特別なメンタルヘルス介入を行わなくても回復することが示唆された。BMJ Open誌2023年7月21日号の報告。 1980年~2022年8月に公表された論文をMEDLINE、Embase、PsycINFO、Web of Science、Global Healthよりシステマティックに検索した。特別な介入を行わなかった10~24歳の若者を対象に、ベースラインおよびフォローアップ1年後の抑うつ症状および不安症状を評価した査読済みの英語論文を対象とした。3人のレビュアーにより関連データを抽出した。メタ解析を実施し、1年後の回復率を算出した。エビデンスの質は、Newcastle-Ottawa Scaleを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・スクリーニングされた参考論文1万7,250件のうち5件(1,011例)をメタ解析に含めた。・1年間の回復率は、47~64%の範囲であった。・メタ解析では、全体をプールした若者の回復率は0.54(0.45~0.63)であった。・今後の研究において、回復の予測因子や回復に寄与するリソース、活動を調査する必要がある。

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