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Dr.岡田の膠原病大原則

第7回「実践!ステロイドの有害事象対策」第8回「大胆解説!欧州リウマチ学会SLE診療指針」第9回「手で診断!日常診療で膠原病を見逃すな」 第7回「実践!ステロイドの有害事象対策」「ステロイドの副作用を10個挙げなさい」。指導医がよくする質問のひとつですが、大切なのは副作用を予防するための適切な対策を取ることです。そのためには、どの副作用がいつ出現しやすいかを理解すること、そして有害事象に対する検査を適切に行い、検査値を正しく解釈することが必要です。 今回は、一歩進んだ骨粗鬆症対策として、実際のDXA(二重エネルギーX線吸収法)の読み方のコツに加え、消化器、心臓血管、免疫、眼、皮膚、内分泌・代謝、精神神経、皮膚の副作用に関して、実践的な視点から解説します。 本当は防げたかもしれないステロイドの有害事象で後悔しないために、ルーチン対策をもう一度しっかりと押さえておきましょう!第8回「大胆解説!欧州リウマチ学会SLE診療指針」自己免疫疾患は、膠原病のみならず、消化器内科、内分泌科、神経内科など多くの診療科で見受けられます。全身型自己免疫疾患の代表であるSLEの病態をしっかり把握することによって、臓器別自己免疫疾患に関しても理解を深められます。 今回は、臨床医が知っておくと役立つ免疫系の仕組みを、豊富な図とともに解説。そして、SLEの症例を用いながら、2008年に出された欧州リウマチ学会のSLE診療指針に沿って詳しく見ていきます。 これまでは断片的に理解されがちだった臨床免疫を、明快で二度と忘れないビジュアル免疫学としてマスターしましょう!また、ループス腎炎を例に、臨床医として即役立つ腎臓疾患の考え方について、単純化した図解でお届けします。第9回「手で診断!日常診療で膠原病を見逃すな」手を見て診断をつけられる膠原病は実はたくさんあります。爪周囲紅斑、爪床毛細血管異常、爪上皮延長、ゴットロン徴候、強皮などは、臨床症状と組み合わせれば特異度の高い所見となります。皮膚筋炎、全身性硬化症は決して珍しい疾患ではないのです。 また早期診断で、間質性肺炎、肺動脈性肺高血圧症を発見し、早期治療できれば予後が改善します。特発性と思われていた間質性肺炎が治療に反応の良い膠原病肺であったり、年のせいだと思っていた息切れが肺高血圧症であったり。有効な治療が確立した現在では、早期診断は患者さんのQOLに大きく影響します。 「何かおかしい」と思った時は、“絨毯爆撃検査”をする前に身体所見で検査前確率をアップさせましょう

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Dr.岩田のFUO不明熱大捜査線 -入院患者シリーズ-

「入院患者 case1」―56歳男性・・3週間の発熱・腹痛―「入院患者 case2」―46歳女性・・皮下結節を伴う発熱―「入院患者 case3」―69歳女性・・長期間下がらない熱― 「入院患者 case1」 ―56歳男性・・3週間の発熱・腹痛―外来シリーズで不明熱がどんな状況で生まれるか、またどう対峙していけば良いかという基本的な姿勢を学んでいただきました。入院患者シリーズでは、名古屋大学の鈴木富雄先生をお招きして、入院患者での不明熱の症例を検討していきます。いろいろな精査を行っても診断に行き着かない難解な症例を通して、不明熱へのアプローチをさらに深く解説します。今回は、不明熱の症例を数多く経験されている鈴木先生が独自に編み出した「不明熱へのアプローチ13ヵ条の原則」を大公開。抗菌薬やステロイドの考え方、検査所見の注目点、主治医としての心構えなど、驚きの奥義を伝授します。この機会に是非会得してください !「入院患者 case2」 ―46歳女性・・皮下結節を伴う発熱―鈴木先生が提唱する「不明熱へのアプローチ13ヵ条の原則」。この原則には、「抗菌薬やステロイドを中止」、「フェリチン、赤沈、尿沈査に注目」、「CTには造影剤を使う」など、テクニカルなヒントが多く含まれていますが、それだけではなく、医師として患者さんと向き合う姿勢も示されています。今回の症例はまさにその姿勢が問われる一例です。みなさんは、診断に向かう変わらぬ姿勢を貫かれていますか? 患者さんとともに苦楽を共有し常にベストをつくしていますか? 医療チームとして統一した対応ができていますか? このような姿勢で臨んでこそ初めて診断がつく症例があります。是非本編で確認してみてください。「入院患者 case3」 ―69歳女性・・長期間下がらない熱―今回の症例は数多くの不明熱の症例を診てこられた鈴木富雄先生にとっても、相当診断に難渋した症例の一つです。病歴や身体診察、検査では特別な所見がなく、時間ばかりが過ぎていく。繰り返す検査の中で疲弊する患者さん、憔悴する主治医団。抗菌薬やステロイド使用の誘惑…。そんなときはどうしたらいいのでしょう。「ブレない論理的思考が重要です。患者さんと苦しみを共有する中でプロとして患者さんにとってのベストを考え続けることが必要です」と鈴木先生は語ります。診断までに半年を要したこの症例から、技術的な側面だけでなく、それと向かい合う医師の姿勢を学んでください !

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Dr.岡田のみんなの関節リウマチ診療

第1回「診断と治療 総論編」第2回「治療各論と関節注射 実践編」 第1回「診断と治療 総論編」関節リウマチの治療は、ここ5年間で想像をはるかに超えるほど変化しました。生物学的製剤の使用もそのひとつですが、それ以上に抗CCP抗体などで早期に診断をつけて抗リウマチ薬を投与することにより、劇的に治療への反応性が向上し、患者さんのQOLを改善することが明らかになってきたのです。最近では関節の変形・破壊を抑える根本的な治療が当たり前になり、少量ステロイドやNSAIDは、抗リウマチ薬の効果が出るまでの“つなぎ”の役割となっています。約100人に1人が発症する関節リウマチは、総合診療医、内科医が決して避けて通れない疾患です。今回は、関節リウマチの治療の概念と一般外来で見逃さないための診察、他の関節炎との鑑別方法などを一気に解説します。第2回「治療各論と関節注射 実践編」「メトトレキサートは副作用が怖い」と思っていませんか ?実は、世界中の関節リウマチ患者の半数以上がメトトレキサートを服用していて、効果と副作用のバランスがもっとも良い抗リウマチ薬だと考えられています。今回は先ず、メトトレキサートを安全に処方するためのスクリーニングとモニタリングを解説します。また、抗TNF製剤のような生物学的製剤の劇的効果と投与するべき患者の選択方法については、日米のガイドラインを用いて詳しく説明します。そして、糖尿病の治療と対比した関節リウマチ治療のステップの考え方、数箇所だけ残ってしまった関節炎に有効な関節注射の方法を具体的に伝授します。

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Dr.須藤のビジュアル診断学

第7回「訴えられなかった症状」第8回「PMRと類似症例」第9回「SpPinな病歴」 第7回「訴えられなかった症状」今回は、「75歳男性の不明熱」という症例について、患者から「訴えられなかった症状」とは何か、詳細に検討していきます。患者の言葉や訴えをどう聞くべきか、迫真の講義をお楽しみください!【 症 例 】75歳男性。他院から紹介により精査のため入院。患者の娘さんから、「こちらのように多くの症例をご経験なさっているところで是非見ていただきたい!」といわれ、さらに、診断がつかずに度重なる検査を受けさせられる患者本人からは、「治療もせずに検査ばっかりで、俺は実験台みたいなものだ。もういいよ…」とさらなるプレッシャーがかかります。いくつか候補となる疾患はあっても、最終的な診断がつかないまま、治療を開始しますが・・・。さて、その決断は正しかったのでしょうか。第8回「PMRと類似症例」リウマチ性多発筋痛症(PMR)は、ステロイドが劇的に著効する、「診断して名医と賞賛される」疾患です。今回は、ほんの数日間のステロイド投与で、まるで別人のように元気になる様子を豊富な動画症例でご紹介します。一方、診断確定前の安易なステロイド投与には注意が必要です。少量でも免疫抑制による合併症が起こり得るため、悪性腫瘍や感染症を否定する必要があります。一見PMRに見える類似症例について診断・治療上の注意点を詳しく解説します。代表的な類似疾患の「環軸関節偽通風」はPMRや側頭動脈炎、髄膜炎に誤診されやすい疾患です。特にDr.須藤の体験した「冷や汗モノ」な症例は必見です!第9回「SpPinな病歴」これまでは、さまざまな身体所見を動画・画像中心に見てきましたが、いよいよ最終回では病歴、特に患者の語ることばにこだわってみます。患者が語ることばの中には、特定の疾患・診断に非常に特徴的な表現があります。患者がその「表現」を使ったとき、ある疾患の可能性が高くなる、或いは、その疾患を想起できることがあります。86歳男性:「4日前から身体中が痛くなり歩けなくなった」、58歳女性:「右の首のどくどく脈打つところを触ると飛び上がるほど痛む」、52歳男性:「仰向けに寝ると胸の痛みが強くなり、起き上がると痛みが楽になる」などのことばから、“疾患を絞り込む三種の神器”「年齢、性別、主訴」を当てはめて考えていきます。

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Dr.林の笑劇的救急問答5

第3回「さ、さ、酸素! ~一酸化炭素中毒~」第4回「さ、さ、酸素! ~気管支喘息~」 第3回「さ、さ、酸素! ~一酸化炭素中毒~」一酸化炭素(以下CO)中毒は、案外日常生活の中や事件・事故現場に潜んでいます。しかし、疑わないと分からないのがCO中毒の落とし穴。患者さんの主訴や血液検査の結果だけでは見逃してしまう事もあります。何を、どう疑えば診断に辿り着けるのか、そしてCO中毒と診断した場合どのように戦えばいいのか、習得してください。 40歳男性 頭痛と嘔吐を主訴に来院。本人は食あたりを主張するが下痢はない…。 家具工場の火事から救出された三人の男性。それぞれの状態に合せどう対応すればいいのか?第4回「さ、さ、酸素! ~気管支喘息~」気管支喘息は非常によくある疾患で、夜間外来などにも老若男女を問わず来院します。重症の患者さんが徒歩で来院することも決して珍しくありません。また「吸入で改善するだろう」などと甘く見ていると吸入薬が効かなかったり、来院後にみるみる具合が悪くなっていくケースもあります。そんなとき、次の一手はどうするか? 様々な戦術をDr.林が披露します ! 27歳女性 喘息発作で来院。呼吸困難でピークフローは100l/min SpO2 88% 75歳男性 夜間、喘息発作で救急へ。気管支拡張薬やステロイドが著効しない…。

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【アンケート】アトピー性皮膚炎患者さんの治療意欲は?その3

医師対象:株式会社ケアネットの運営するwebサイトCareNet.com会員の皮膚科標榜医師方法:インターネット調査 実施時期:2012年6月~8月患者対象:軽症から重症のアトピー性皮膚炎で現在も治療中の患者100名方法:インターネット調査 実施時期:2012年8月【患者さんへのアンケート】Q処方された塗り薬を担当の医師の指示通りに塗っていますか。Qなぜ、指示通りに塗れなかったのでしょうか。(いくつでも)【皮膚科医師へのアンケート】Q先生が診ているアトピー性皮膚炎の患者さん(16歳以上)は、どの程度、先生の指示を守って薬剤を塗布していますか?Q患者さん(16歳以上)がステロイド外用剤やタクロリムス軟膏などの外用剤を自己判断で中止したり、塗る回数を減らしたりする理由で、今までに先生がご経験されたものについて、下記よりお選びください。≪ケアネット編集後記≫今回は、薬剤塗布に関する指示の遵守度と自己中断・減量の理由について示しました。患者さんは『100%守っている』と回答した人が16%だったのに対し、医師が『100%守ってくれている』と考えている割合は1.7%と、大きな認識の差があるようです。自己中断・減量の理由として、63.1%の患者さんが『症状が改善したと感じたため』と回答しています。一方で、医師に患者さんが自己中断する理由のうち、経験したことがあるものを聞いたところ、87.6%が『外用薬への不信感』を挙げました。ある程度見た目で症状が改善してもしばらくは薬剤の塗布が必要であることを患者さんに理解してもらうのは一筋縄ではいかないようです。先生はこの“ギャップ”に関してどう思われますか?

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平本式 皮膚科虎の巻

第1回「まずは、皮膚科診療の流れ」第2回「ステロイド外用剤で“湿疹”成敗 !」第3回「湿疹に擬する曲者を見破る ! その1」第4回「湿疹に擬する曲者を見破る ! その2」 第1回「まずは、皮膚科診療の流れ」まずは、内科における皮膚科診療の流れを振り返ります。皮膚疾患の患者さんにまずどうやって対応するか? 放置観察か、紹介か、治療か ? …治療するならステロイドを使う ? まずは診療所でするべきこと、してはいけないことを確認してください。第2回「ステロイド外用剤で“湿疹”成敗 !」「よくわからないけど、たぶん湿疹だろう。とりあえずステロイドと抗生剤の合剤を出しておこう」… こんな診断・治療をした経験はありませんか? あるいは「なんとなくステロイドを処方することをためらってしまう」という先生も多いのでは?ステロイド外用剤によってかえって症状が悪くなる疾患もありますが、皮膚炎症の多くに対して有効な武器となるのがこの薬剤。「本当に処方してよかったのだろうか、どうも自信がない」、こんな不安は今日からなくなります。尚、ステロイド外用剤が禁忌となる疾患については第3、4回で詳しくご紹介します。第3回「湿疹に擬する曲者を見破る! その1」 第4回「湿疹に擬する曲者を見破る! その2」前回までのお話で、表皮の炎症である湿疹には、ステロイドの使い分けで、診療所でも十分に対応できることがお分かりいただけたと思います。しかし、皮膚疾患の中にはステロイドを塗ってしまっては症状を悪化させてしまう、湿疹と紛らわしい症例も沢山あります。そこで今回から2回に渡り、ステロイドを禁忌とする疾患の見分け方を詳しく解説していきます。第3回では「ウィルスと細菌による疾患の見分け方」、第4回では「ムシとカビ」について解説します。平本先生が数十年かけて培った、現場での臨床技術。ほかのどんな教科書にも載っていない秘伝の技術を是非ご覧下さい !

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整形外科領域にみる慢性疼痛

整形外科疼痛の特徴腰痛・関節痛といった整形外科領域の疼痛は慢性疼痛の3割以上を占め最も多い1)。なかでも腰痛が多く、肩および手足の関節痛がこれに続く2)。整形外科での痛みの発生頻度は年齢および性別により偏りがあるが、多くは変性疾患が原因となっていることから、50歳代頃から増加し60歳代、70歳代ではおよそ3割近くが痛みを訴える。高齢者においては、もはやコモンディジーズといっても過言ではないであろう。整形外科領域の痛みは慢性の経過をたどるものが多い。患者さんの訴えは「突然痛みが起こりました」と急性を疑わせるものが多いが、単純X線所見ではかなり時間経過した骨の変形が確認されることもしばしばであり、長期間にわたって徐々に進行し最終的に痛みが発症するケースが多いと考えられる。変性疾患の多くは荷重関節に生じ、加齢に伴い関節に痛みが起こる。日本人はO脚が多いため痛みは負荷がかかる膝関節に多くみられるのが特徴である。近年、食生活や生活習慣の変化に伴って肥満が多くなり、その傾向に拍車がかかっていることから、膝人工関節手術は年約10%の割合で増加している。また、肥満や運動不足との関係もあり、生活習慣病などの内科疾患との関連も深くなっている。一方、股関節の痛みは減少傾向である。出生時から足を真っすぐにしてオムツをしていた時代、日本人には臼蓋形成不全が多かったが、現在は紙おむつで足を開いている。その結果、臼蓋形成不全も先天性股関節脱臼も減少している。国民性の変化は整形外科治療に大きな影響をもたらしているといえるだろう。一昔前であれば、膝が曲がっていてもあきらめて治療を受けなかったが、今では膝が曲がっていると見た目も悪いし、痛いから手術したいという人が多くなっている。また、痛みがあれば家で寝ている人が多かったが、痛みを改善して運動や旅行をしたいなど積極的に治療を受ける患者さんが、多くなっている。慢性疼痛の病態慢性疼痛には、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、非器質性疼痛の三つの病態があるが、整形外科の患者さんでは約8割に侵害受容性疼痛の要素がみられる。疼痛の原因として多い変性疾患は軟骨の摩耗が原因であり、滑膜の炎症が併発して痛みを引き起こす。神経障害性疼痛も侵害受容性疼痛ほどではないが、整形外科領域でみられる痛みである。これは神経の損傷により起こる痛みであるが、以前はその詳細について十分に解明されておらず、また有効な治療薬がなかったため疼痛非専門医には治療が困難であった。しかし現在ではMRIなどの検査で診断可能であり、プレガバリンが末梢性神経障害性疼痛に効能・効果を取得したことにより、広く認知されてきた。侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛といった器質的疼痛のほかに機能性疼痛症候群がある。機能性疼痛症候群は諸検査で器質的所見や病理所見が明らかにできず、持続的な身体愁訴を特徴とする症候群である。その中には中枢機能障害性疼痛があり、線維筋痛症はその代表と考えられる。全身の筋肉、関節周囲などにわたる多様な痛みを主訴とし、種々の随伴症状を伴うが、その病態は明らかになっていない。治療アプローチ痛みの治療にあたっては、症状だけをみてに安易にNSAIDsで治療するのではなく、痛みの原因を明らかにすることが重要である。痛みの原因となるものには前述の変性疾患以外にも炎症性疾患や感染性疾患があるが、いずれによるものかを明らかにして、適切な評価と適切な原疾患の治療を行う。変性疾患の進行は緩徐であるため、極端にいえば治療を急がなくてもとくに大きな問題はない。炎症性疾患では、痛風やリウマチなど内科疾患の診断を行い、それぞれの適切な治療を速やかに行うことになる。感染性疾患は治療に緊急性を要し、中には緊急手術が必要となる場合もある。痛みの原因を調べる際には、危険信号を見逃さないようにする。関節疾患の多くは、触診、採血、単純X線検査などで診断がつき、内臓疾患との関連は少ないが、脊椎疾患では重大な疾患が潜在するケースがある。とくに、がんの脊椎転移は頻度が高く注意を要する。よって、高齢者で背中が痛いという訴えに遭遇した場合は、結核性脊椎炎などに加え、がんも念頭にておく必要がある。さらに、高齢者で特定の場所に痛みがあり、なおかつ継続している場合もがんである事が少なくない。また、感染性脊髄炎では、早期に診断し適切な治療を行わないと敗血症により死にいたることもある。このような背景から、1994年英国のガイドラインでred flags signというリスク因子の概念が提唱された。腰痛の場合、この危険信号をチェックしながら診療にあたることが肝要である3)。red flags sign発症年齢<20歳または>55歳時間や活動性に関係のない腰痛胸部痛癌、ステロイド治療、HIV感染の既往栄養不良体重減少広範囲に及ぶ神経症状構築性脊柱変形発熱腰痛診療ガイドライン2012より治療期間、治療目標、治療効果を意識すべし疼痛の治療期間は痛みの原因となる疾患によって異なる。たとえば変形性腰椎症など不可逆的な疾患では治療期間は一生といってもよく、急性の疾患であれば治療期間も週単位と短くなる。初診時にどのような治療がどれくらいの期間必要で、薬はどのくらい続けるかなどについて患者さんに説明し同意を得ておく必要がある。疼痛の診療にあたり、治療目標を設定することは非常に重要である。急性の場合は痛みゼロが治療目標だが、慢性の場合は痛みをゼロにするのは困難である。そのため、痛みの軽減、関節機能の維持、ADLの改善が治療目標となる。具体的には、自力で歩行できる、以前楽しんでいた趣味などが再開できる、買い物などの外出ができる、睡眠がよくとれる、仕事に復帰できる、などのようなものである。痛みは主観的なものであり、本人の感覚で弱く評価したり、疼痛(顕示)行動で強く訴えたりする。そのため、効果判定はADLの改善を指標として行う。患者さんへの聞き方として、少し歩けるようになったか、家事ができるようになったか、以前よりもどういう不自由さがなくなったかなどが具体的である。患者さんの痛みの訴えだけを聞いて治療しているとオーバードーズになりがちであるが、ADLの改善をチェックしていると薬剤用量と効果、副作用などのかね合いが判定できる。たとえば、痛みが少し残っていてもADLの改善が目標に達していれば、オーバートリートメントによる薬剤の副作用を防止できるわけである。痛みと寝たきりの関係寝たきり高齢者の医療費や介護費は一人年間300~400万といわれる。日本では寝たきりの高齢者が非常に多い。この高齢者の寝たきりの原因の第2位は痛みであることをご存じだろうか。痛みによりADLが落ち、寝たきり傾向になる。すると筋肉や関節機能が低下して痛みがより悪化し、重度の寝たきりになっていくという悪循環に陥る。寝たきりから自立するためには、痛みを減らして動いてもらうことが重要なのである。動くことで筋力がつき姿勢が矯正され痛みが改善する。バランスも良くなるので寝たきりの原因となる転倒も減るという好循環を生み出す。痛みの診療における運動の重要性は近年非常に注目されている。参考文献1)平成19年度国内基盤技術調査報告書2007;1-222)平成22年9月 厚生労働省「慢性の痛みに関する検討会」今後の慢性の痛み対策について(提言)3)矢吹省司:ガイドライン外来診療2012:P.243

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早産に対する分娩遅延効果が最も優れる子宮収縮抑制薬とは?

 早産への対処において、子宮収縮抑制薬としてのプロスタグランジン阻害薬とカルシウム拮抗薬は、他の薬剤に比べ分娩遅延効果が高く、新生児と母親の双方の予後を改善することが、米国・インディアナ大学医学部のDavid M Haas氏らの検討で示された。早産のリスクのある妊婦では、子宮収縮抑制薬を使用して分娩を遅らせることで、出生前に副腎皮質ステロイドの投与が可能となり、新生児の予後が改善される。子宮収縮抑制薬には多くの薬剤があり、標準的な1次治療薬は確立されていない。少数の薬剤を比較した試験は多いが、使用頻度の高い薬剤をすべて評価する包括的な研究は行われていないという。BMJ誌2012年10月20日号(オンライン版2012年10月9日号)掲載の報告。分娩の遅延に最も有効な薬剤をネットワーク・メタ解析で評価 研究グループは、分娩の遅延において最も有効な子宮収縮抑制薬を明らかにする目的で、系統的なレビューとネットワーク・メタ解析を実施した。 文献の検索には、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Medline、Medline In-Process、Embase、CINAHLを用いた。対象は、2012年2月17日までに発表された早産のリスクのある妊婦に対する子宮収縮抑制薬投与に関する無作為化対照比較試験の論文とした。 複数のレビュアーが、試験デザイン、患者背景、症例数、アウトカム(新生児、妊婦)のデータの抽出に当たった。ネットワーク・メタ解析にはランダム効果モデルを用い、薬剤のクラス効果(class effect)も考慮した。また、2度の感度分析を行って、バイアスのリスクの低い試験および早産リスクの高い女性(多胎妊娠や破水)を除外した試験に絞り込んだ。産科領域でネットワーク・メタ解析を用いた初めての試験 子宮収縮抑制薬の無作為化対照比較試験に関する95編の論文がレビューの対象となった。 プラセボとの比較において、分娩を48時間遅延させる効果が最も高かったのはプロスタグランジン阻害薬[オッズ比(OR):5.39、95%信頼区間(CI):2.14~12.34]であった。次いで、硫酸マグネシウム(同:2.76、1.58~4.94)、カルシウム拮抗薬(同:2.71、1.17~5.91)、β刺激薬(同:2.41、1.27~4.55)、オキシトシン受容体遮断薬であるアトシバン(同:2.02、1.10~3.80)の順だった。 新生児呼吸窮迫症候群の低減作用をプラセボと比較したところ、子宮収縮抑制薬の有効性に関してクラス効果は認めなかった。薬剤の変更を要する副作用の発現は、プラセボに比べβ刺激薬(OR:22.68、95%CI:7.51~73.67)が最も高頻度で、次いで硫酸マグネシウム(同:8.15、2.47~27.70)、カルシウム拮抗薬(3.80、1.02~16.92)の順であった。 子宮収縮抑制薬としてのプロスタグランジン阻害薬とカルシウム拮抗薬は、分娩48時間遅延効果、新生児呼吸窮迫症候群、新生児死亡率、妊婦に対する副作用(全原因)において、最も有効な上位3剤の中に位置づけられた。 著者は、「両薬剤は分娩遅延効果が最も高く、新生児と母親双方の予後を改善した」とまとめ、「われわれの知るかぎり、本研究は産科領域で最初のネットワーク・メタ解析を用いた試験であり、異質性が高い治療選択肢を使用した産科的介入にもこの方法論を適用可能なことが示された」と考察している。

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口腔粘膜の固定薬疹、鑑別診断で考慮すべきことは?

 口腔粘膜の固定薬疹(FDE)の特性については、ほとんど知られていない。トルコ・イスタンブール大学のOzkaya E氏は、臨床的に注目すべきポイントおよび鑑別診断を提示するため後ろ向き断面研究を行った。その結果、主要所見として口腔内局所のアフタ性病変や重度の水疱性/びらん性病変と、残存性色素沈着の欠如は、鑑別診断を難しくする可能性があると述べた。そのうえで、女性患者における月経困難に関連した非ステロイド性抗炎症薬による口腔内FDEと、月経が引き起こす単純ヘルペス感染症によるもの、およびベーチェット病由来の局所のorogenitalなアフタFDAとを区別することが、とくに疾患頻度の高い国では不適切な治療を避けるために重要であると結論した。J Am Acad Dermatol誌オンライン版2012年10月5日号の掲載報告。 後ろ向き断面研究は、口腔内FDEを有する61例を対象とした。原因となる薬品は経口誘発試験で確認した。 主な結果は以下のとおり。・被験者61例(男性23例、女性38例)の年齢範囲は7~62歳であった。・主要な誘発因子は、ナプロキセン(商品名:ナイキサン)とコトリモキサゾールであった。・14例(23%)の患者は、口腔内の局所病変が、主として舌背上や硬口蓋にみられた。舌背上の局所病変は、コトリモキサゾールの関連が統計的に有意であった。・形態学的には、水疱性/びらん性病変47例、アフタ性12例、紅斑性2例が認められた。・被験者の相当数が、単純ヘルペスとベーチェット病の診断歴があって紹介されてきた患者であり、何人かは、アシクロビル(商品名:ゾビラックスほか)とコルヒチン(商品名:コルヒチン)の長期治療を受けていた。 なお筆者は、本検討は後ろ向きに行われたという点で、結果には限りがあると言及している。

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(26)〕 集中治療室(ICU)における入院患者の厳格な血糖管理はいかにあるべきか

集中治療室に入室する重症患者においては、ストレスによる内因性のカテコラミンやコルチゾール、炎症性サイトカインの増加、さらには治療薬剤として用いられる外因性のステロイド薬やカテコラミンなどの影響により、糖尿病の有無にかかわらず、高血糖を示すことが多い。高血糖は、脱水、電解質失調、内皮機能の低下、好中球遊走能の低下をひきおこし、循環動態、創傷治癒機転、感染症の経過に悪影響を及ぼして、IUCにおける死亡率に影響を与える重要な因子の一つとして考えられている。 実際に、きめ細かなインスリン治療によって平均血糖値110mg/dL前後の厳格な血糖管理を行うことが、重症患者の生命予後を改善することを示すという報告が散見される(Van den Berghe G et al. N Engl J Med. 2001. 345; 1359-1367.、 Van den Berghe G et al. N Engl J Med. 2006; 354: 449-461.、 Hermanides J et al. Crit Care Med. 2010; 38: 1430-1434.)。 しかし、2009年に発表されたNICE-SUGAR (Normoglycemia in Intensive Care Evaluation-Survival Using Glucose Algorithm Regulation)研究では、6,104人の患者を対象に、30分から1時間ごとに血糖を測定して適宜インスリンの静脈内投与を行い、厳格な血糖管理をめざす群(血糖値81~108mg/dL)と、通常の管理(180mg/dL以下)の2群に分けて90日以内の生命予後について検討した結果、厳格な血糖管理群における死亡率は27.5%、通常管理群では24.9%、オッズ比1.14(95%信頼区間:1.02~1.28、p=0.02)であり、厳格な血糖管理の有用性に疑問を投げかける成績を示した。 今回の論文は、NICE-SUGAR研究の事後比較分析(post hoc analysis)データについての報告であり、治療経過において中等度の低血糖(41~70mg/dL)、重症低血糖(40mg/dL以下)をひきおこすことが死亡のリスクを高めることを示した成績である。厳格な血糖コントロール群では低血糖をひきおこす頻度は通常群の4.6倍であり、集中治療の現場における厳格な血糖管理をめざすことのリスクを示している。 確かに、厳格な血糖管理により炎症反応や血栓の形成を抑止することができるが、血糖を下げ過ぎることにより低血糖をひきおこすことの弊害が大きいことが、臨床の場での大きな問題となる。米国内科学会および米国糖尿病学会では、集中治療室における血糖管理の基準を140~180(200)mg/dLとしているが、このレベルは妥当なものではないかと考えられる。

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小児扁桃腺摘出術中のデキサメタゾン投与、術後の有意な出血イベントとは関連しない

 小児扁桃腺摘出術における術中のデキサメタゾン(商品名:デカドロンほか)投与は、過度の臨床的に有意な出血イベント(レベルII、III)とは関連しないことが明らかにされた。米国・ポーツマス海軍医療センターのThomas Q. Gallagher氏らによる、プラセボと比較した非劣性試験の結果で、事前に設定した5%閾値を超えなかった。ただし、自覚的な出血(レベルI)については5%閾値を超え、デキサメタゾンによる増大が除外できなかったと結論している。試験は、コルチコステロイドを投与された扁桃腺摘出術を受けた小児では、術後の悪心嘔吐が減少する頻度は高いが、術中または術後の出血リスクを増大する可能性が示唆されていたことを受けて行われた。JAMA誌2012年9月26日号掲載の報告。デキサメタゾン群とプラセボ群に無作為化し、扁桃腺摘出術後14日間追跡研究グループは、小児扁桃腺摘出術後の出血について、デキサメタゾンの影響を調べる多施設前向き無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行った。2010年7月15日~2011年12月20日に、3次医療センター2施設で扁桃腺摘出術を受けた、出血障害歴がなく直近でのコルチコステロイド服用歴のない3~18歳の314例を試験に登録。デキサメタゾン群のプラセボ群に対する出血イベントの非劣性マージンを5%と設定し、検証試験を行った。被験者を2群(各群157例、年齢中央値6歳)に分け、介入群には、デキサメタゾン0.5mg/kg(最大量20mg)を術中1回投与し、プラセボ群には同量の0.9%生理食塩水を投与し、14日間追跡した。主要評価は、術後14日間の術後出血の発生率と重症度で、評価には出血重症度スケール(レベルI:自己または保護者による術後出血の報告、II:入院を要した術後出血、III:入院で再手術を要した術後出血)を用いた。出血発生率、レベルIIとIIIはデキサメタゾン群の非劣性を確認出血イベントは、デキサメタゾン群17例(10.8%)、プラセボ群13例(8.2%)で発生した。intention-to-treat解析の結果、レベルIの出血発生率は、デキサメタゾン群7.0%(11例)、プラセボ群4.5%(7例)で、両群の差は2.6%、97.5%信頼区間上限値7.7%であり、デキサメタゾン群の非劣性は認められなかった(p=0.17)。一方、レベルIIの出血発生率は、デキサメタゾン群1.9%(3例)、プラセボ群3.2%(5例)で、両群の差は-1.3%、97.5%信頼区間上限値2.2%であり、デキサメタゾン群の非劣性が認められた(p<0.001)。レベルIIIの出血発生率も、デキサメタゾン群の非劣性が認められた(p=0.002)。各群発生率は1.9%(3例)、0.6%(1例)、両群の差は1.3%、97.5%信頼区間上限値3.8%だった。■「デキサメタゾン」関連記事術前デキサメタゾン追加で術後24時間の嘔吐が低減/BMJ

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乙葉さんをナビゲーターに起用し、喘息患者の啓発を開始

喘息疾患啓発活動 チェンジ喘息! 乙葉さん啓発キャンペーン・ナビゲーター 就任記者会見 9月26日東京ソラマチ(東京都墨田区)にて、記者会見が行われた。 冒頭、主催者であるアストラゼネカ株式会社およびアステラス製薬株式会社から、今回のキャンペーンの内容、趣旨が発表された。今回のキャンペーンでは、タレントの乙葉さんをナビゲーターに迎え、テレビCMを中心として、患者さん向けにWEBサイトの開設や患者向けパンフレットの医療機関への配布などが行われる予定だという。  足立満氏(国際医療福祉大学山王病院 教授)と乙葉さんが登壇し、二人によるトークセッションが行われた。足立氏は、喘息発症率や喘息治療法、吸入ステロイドの使用率増加等を解説し、乙葉さんは、自身が喘息患者であることを公表したうえで、自身の経験を述べた。  乙葉さんは、8歳から喘息で苦しみ、大人になってからも発作は続いていたという。テレビ収録においても、とくに生放送では、いつ咳き込むかわからない不安な気持ちで収録に臨み、頓服の治療薬も常に持ち歩いていた。それは、乙葉さんのマネージャーがみても、痛々しいものであった。それが、最近の喘息治療薬の登場により、収録時の不安も解消し、健康な人と同様に外を走り回れるようになった。 乙葉さんは、「このキャンペーンを通じて、自分と同じように喘息に苦しむ喘息患者が、一人でも多く、健常人と同じように元気な毎日を送れるよう、喘息治療の啓発をしていきたい。」と抱負を語った。 これから、秋になると喘息患者が増えるという。これからTV CMを中心とした患者啓発を受け、治療意欲を持った患者が、医療機関を訪問することが増えることが期待される。

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成人喘息患者における吸入コルチコステロイド投与量の調整

 軽症~中等度成人喘息患者の治療失敗を予防するための吸入コルチコステロイド投与量の調整戦略について、呼気一酸化窒素濃度や症状に基づく調整が、医師の評価に基づく調整よりも優れてはいないことが明らかにされた。米国・テキサス大学のWilliam J. Calhoun氏らによる無作為化比較試験「BASALT」の結果で、これまで同戦略についてはコンセンサスが得られていなかった。JAMA誌2012年9月12日号掲載報告より。医師評価vs.バイオマーカーvs.症状BASALT(Best Adjustment Strategy for Asthma in the Long Term)試験は、2007年6月~2010年7月の間、米国内の10の大学病院が参加するAsthma Clinical Research Networkで被験者を募り、9ヵ月間にわたって行われた無作為化並行3群間プラセボ対照multiply-blinded試験。342例の被験者が、低用量吸入コルチコステロイド療法について、医師評価に基づく調整群(114例、試験完了101例)、バイオマーカー(呼気一酸化窒素濃度)に基づく調整群(115例、同92例)、日々の症状に基づき調整する群(113例、同97例)に無作為に割り付けられた。医師評価調整群とバイオマーカー調整群は6週間ごとに用量を調整、症状調整群はアルブテロール(サルブタモール)の緊急使用ごとの摂取とした。治療失敗までの期間、3つの戦略間に有意差なし主要アウトカムの治療失敗までの期間について、3群間に有意な差は認められなかった。Kaplan-Meier解析による9ヵ月間の治療失敗率は、医師評価調整群22%(97.5%信頼区間:14~33%、イベント件数24件)、バイオマーカー調整群20%(同:13~30%、21件)、症状調整群15%(同:9~25%、16件)だった。ハザード比は、医師評価調整群vs.バイオマーカー調整群が1.2(97.5%信頼区間:0.6~2.3、p=0.68)、医師評価調整群vs.症状調整群が1.6(同:0.8~3.3、p=0.18)、バイオマーカー調整群vs.症状調整群が1.4(97.5%信頼区間:0.6~2.9、p=0.35)だった。

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扁桃摘出術後のステロイド全身投与、出血リスクに影響はないが・・・

 扁桃摘出術後の悪心・嘔吐の予防を目的に行われるステロイド全身投与は、出血イベントを増加させないが、出血が起きた場合の重症度が上がり、出血に対する再手術の施行率が高くなることが、カナダLaval大学(ケベックシティ)のJennifer Plante氏らの検討で示された。扁桃摘出術は耳鼻咽喉科領域で世界的に最もよく行われている手術だが、根本的な術後の有害事象として悪心・嘔吐が高頻度にみられる。対策としてステロイドの全身投与が行われ、最近のガイドラインでは5-HT3受容体拮抗薬の併用が推奨されている。ステロイドの全身投与により扁桃摘出術後の出血の発生率が増加するとの指摘があるという。BMJ誌2012年9月8日号(オンライン版2012年8月28日号)掲載の報告。術後出血、再介入のリスクをメタ解析で評価研究グループは、扁桃摘出術施行患者に対するステロイド全身投与の術後出血および再介入のリスクを評価するために、無作為化対照比較試験の系統的レビューを行い、メタ解析を実施した。データベースを検索し、得られたレビュー論文や臨床試験論文の参考文献も精査した。対象は、扁桃摘出術時のステロイド全身投与と対照を比較した無作為化対照比較試験とした。主要評価項目は術後出血、副次的評価項目は出血による入院、出血による再介入、輸血、死亡とした。リスクとベネフィットのバランスを重視すべき29試験(2,674例)が解析の対象となった。7試験はバイアスのリスクが低いと判定されたが、術後出血の系統的な同定を意図してデザインされた試験はなかった。ステロイド全身投与によって扁桃摘出術後出血の発生率が増加することはなかった[29試験、2,674例、オッズ比:0.96、95%信頼区間(CI):0.66~1.40、I2=0%]。ステロイド全身投与で出血がみられた患者では、手術による再介入の頻度が有意に高かった(12試験、1,178例、オッズ比:2.27、95%CI:1.03~4.99、I2=0%)。死亡例の報告はなかった。ステロイド全身投与で出血による入院は増加しなかった(17試験、1,722例、オッズ比:1.16、95%CI:0.68~2.00、I2=19%)。輸血および死亡について検討した試験はなかった。異質性の可能性を把握し、結果の頑健性を評価するために感度分析を行ったところ、得られた知見の整合性が確認された。著者は、「ステロイド全身投与により扁桃摘出術後の出血イベントは増加しないが、出血が起きた場合の重症度が上がり、そのため出血に対する再手術の施行率が上昇する可能性がある」と結論し、「ステロイド全身投与の使用条件を明確化するにはさらなる検討を要する。現時点では、ステロイド全身投与は慎重に行うべきで、扁桃摘出術による術後の悪心・嘔吐の予防ではリスクとベネフィットのバランスを重視し、とくに子どもへのルーチン投与は行うべきではない」と指摘する。

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【アンケート】アトピー性皮膚炎患者さんの治療意欲は?その1

医師対象:株式会社ケアネットの運営するwebサイトCareNet.com会員の皮膚科標榜医師方法:インターネット調査 実施時期:2012年6月~8月患者対象:軽症から重症のアトピー性皮膚炎で現在も治療中の患者100名方法:インターネット調査 実施時期:2012年8月【患者さんへのアンケート】Q塗り薬を処方されるとき、医師またはスタッフから薬剤に関してどのような説明を受けましたか。(いくつでも)【医師へのアンケート】Q先生はアトピー性皮膚炎患者さん(16歳以上)にステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などの外用剤を処方する際、どのような点について説明されますか?≪ケアネット編集後記≫アンケートの結果から、『今後の治療の予定、または治療方針』『外用剤を使用する期間の目安、または辞め時の目安』『塗りにくい部位への塗り方』『塗り忘れた時の対処法』などについては、患者さんの「医師から説明を受けた」という認識が低いようです。反対に『保湿の重要性』については説明を受けた印象を強くお持ちのようです。外来における指導に関して、「伝える」ことと「伝わっている」ことは同じではないことがうかがえます。先生はこの"ギャップ"に関してどう思われますか?

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概論:慢性疼痛治療(1)

慢性疼痛患者の7割が治療に満足していない痛みには、急性疼痛と慢性疼痛がある。外傷、熱傷、術後などに発生する急性疼痛に関しては、どの医療機関でもそれほど問題なく治療が行われていると思う。一般的な鎮痛薬や麻薬製剤、麻酔科的な手技で、急性疼痛は十分に管理できるからである。問題は慢性疼痛である。慢性疼痛患者は日本にどのくらいいるのか。2011年の中村らの調査1)では成人人口の約15%、2012年の矢吹らの調査2)では約23%の有病率であり、全国でおよそ2,000万人の方がたが慢性疼痛で苦しんでいると推計される。その慢性疼痛の中で圧倒的に多いのが腰痛であり、ついで肩、膝など運動器疼痛が、女性では肩こりや頭痛も多い。慢性疼痛患者の8割以上が整形外科を受診している。それではどのくらいの慢性疼痛患者が治療に満足しているか。いくつかの統計があるが、大体7割の患者が治療に満足していない、という残念な結果が出ている3)。なぜ満足しないか、一番の理由は、「痛みやしびれがとれないから」である。2番目の不満足の理由には、「納得のいく説明が得られないから」が上がっている。確かに慢性疼痛は除痛が難しい。なぜ痛みがとれないのか。圧倒的に多い腰痛について考えてみると、実は腰痛の85%は痛みの原因がわからない非特異的腰痛なのである4)。原因がわかる腰痛は、完全な圧迫骨折や脊柱管狭窄症、ヘルニアなど15%に過ぎない。そのため、原因に見合った治療が行えていないのである。原因がはっきりしないため、患者に満足のいく説明もしにくいのであろう。画像を拡大する画像を拡大する「侵害受容性疼痛」と「神経障害性疼痛」の鑑別痛みを発生する要因はたくさんあるが、「侵害受容性疼痛」「神経障害性疼痛」「心因性疼痛」と3つに分類することができる。侵害受容性疼痛とは、包丁で手を切ったとか、打撲やヤケドをしたといった侵害を受けたために生じる痛みである。神経障害性疼痛は、末梢神経系や中枢神経系における損傷や機能障害に起因する痛みである。心因性疼痛とは、文字通り心理的原因に由来する痛みである。実は慢性腰痛のほとんどの患者が何らかの心理社会的な問題を抱えていることがわかっているが、今回はこの心因性疼痛は除外して考える。画像を拡大する画像を拡大する慢性疼痛の治療をする場合に最も重要な点は、侵害受容性疼痛なのか、神経障害性疼痛なのか、あるいは混合性なのかを鑑別することである。痛みの種類により、効く薬が異なってくる。たとえば非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、炎症のある侵害受容性疼痛であれば効くが、炎症は治まっているものの痛みだけが残る神経障害性疼痛にはほとんど効果がない。腰が痛いと患者が訴えると、NSAIDsで済ませてしまうケースが多々みられるが、神経障害性疼痛の要素が強い腰痛の場合にはNSAIDsは効かないのである。神経障害性疼痛には、神経の異常な興奮を抑えるための抗けいれん薬(Caチャネルα2δリガンド)とか、ノルアドレナリンやセロトニンに作用して痛みを抑える抗うつ薬を第一選択で使う。それでも効果がない場合は、痛みを感じる部位を直接抑えるオピオイド製剤を用いる。まず弱いオピオイド薬であるトラマドール製剤(配合剤を含む)を使い、さらに効果のない場合は強いフェンタニルやモルヒネなども組み合わせて使う。画像を拡大するごく普通の診察が最も重要であるプライマリケアで痛みの患者さんを診療する場合、まずは神経障害性疼痛という病態があることを理解することが一番重要だと思う。たとえば、腰痛であればNSAIDsを使用することが多い。ところが、とくに慢性腰痛の痛みには、神経障害性疼痛の病態を非常に色濃く含んでいる患者がいる。その場合は、NSAIDsの効果は弱く、抗けいれん薬が奏効することになる。神経障害性疼痛を診断するために最も必要なのは特別な検査ではなく、ごく普通の診察である。腰痛患者に、足のほうに響くしびれとか神経に沿った放散痛がある、また通常なら痛くない程度の軽い刺激で痛がるアロディニアがある。このような症状を呈する場合は、神経障害性疼痛の要素が強いといえる。たとえば帯状疱疹を触ると痛がる患者もいるし、痛がらない患者もいる。神経障害性疼痛の要素が多いか少ないかは、そのような普通の診察で推察することができる。また慢性疼痛の診断ではred flags(赤旗)といって、絶対に見逃していけない危険な疾患への注意も欠かせない。たとえば腰痛の場合では、がんの脊椎転移とか感染性脊椎炎などがred flagsであり、完全な麻痺が生じたり生命に関わる疾患である。めったに遭遇しないが、red flagsを見逃さないように注意深く診察することも必要である。概論:慢性疼痛治療(2)へ続く >>引用文献1)Nakamura M, et al. J Orthop Sci. 2011;16:424-432.2)矢吹省司ほか. 臨整外. 2012;47:127-134.3)服部政治ほか. ペインクリニック. 2004; 25: 1541-1551.4)Deyo RA, et al. JAMA. 1992;268:760-765.

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乳房外パジェット病の治療体制確立を目指して がん・感染症センター都立駒込病院 皮膚科・皮膚腫瘍科 吉野 公二氏

日本、アジアに多く、欧米に少ない乳房外パジェット病 乳房外パジェット病は、東南アジア、特に日本や韓国に多く、欧米に少ない疾患です。多くのがんの場合、欧米で確立したエビデンスをもとに日本で治験を組む、あるいはそれを基に公知申請で治療薬を導入するという方法が今の世の流れです。しかしながら、乳房外パジェット病には欧米でのエビデンスはありません。つまり、公知申請はできない状況で、日本で一から治験を組まないと新しい治療体制が生まれてこないのです。 ところが、乳房外パジェット病は疾患数が少なく、市場の小ささが障害となり製薬会社としても新たに治験を組めません。また、医師主導治験も製薬会社からの薬剤供給が確立できず実現不可能です。もうひとつ、高度先進医療という方法がありますが、キードラッグであるドセタキセルはがん領域で十分な実績のある薬であり、新たな治療法を対象とする高度先進医療の適用とはなりません。日本発のデータで新しい治療体制を さまざまな検討を行った結果、実際の治療実績のデータを、日本から世界に向かって発信し、それを基にして公式な臨床研究や申請の実現を目指すことになりました。そのためには単独施設ではなく、多施設の臨床研究を行う必要があります。そこで、乳房外パジェット病の治療に携わる医師が主体となり「乳房外パジェット病研究会」を設立しました。臨床研究といっても保険適応外ですので、多施設の後ろ向き研究となります。その結果を、乳房外パジェット病研究会で論文化し、早ければ来年中にpublishするという方針です。 同研究では、抗がん剤だけにとどまらず、他の治療関連エビデンスも検討する予定です。そのひとつはステージ分類です。乳房外パジェット病には国際的なステージ分類がありません。今回の研究で、日本オリジナルのTNM分類を世界に向かって発信しようと計画しています。 また、センチネルリンパ節生検の有用性についても調べています。乳房外パジェット病では、センチネルリンパ節転移陰性例の予後は良く、5年生存率は100%です。リンパ節腫脹後にセンチネルリンパ節生検を実施した例と、事前にセンチネルリンパ節生検を実施した例とを比較することで、予後予測因子ならびに予後の改善に結びつくか有用性を確認したいと思っています。現在、乳房外パジェット病でのセンチネルリンパ節生検は保険未認可であり、結果次第では保険適応も視野に入れたいと思っています。 乳房外パジェット研究会は皮膚科だけの集まりでしたが、婦人科、泌尿器科、形成外科にも広げています。患部が陰部であることも多く、さまざまな診療科が関わるため、より幅広いデータを収集しようという試みです。乳房外パジェット病の治療報告は、世界的にみても1例のケースレポートがほとんどです。同研究では、現在ドセタキセルを使用した約20例を収集しており、すでにかなりのインパクトはあると思います。また乳房外パジェット病自体で最終的には400例近くのデータ収集を目指しています。世界的にも大きなインパクトを示すことになるでしょう。発見が遅れがちな乳房外パジェット病 乳房外パジェット病の患者さんは、皮膚科に行ったり、泌尿器科に行ったり、女性は婦人科に行ったりしています。陰部が痒いという症状から単なる湿疹と判断され、湿疹の薬を処方されたり、症状が改善せずドクターショッピングを繰り返すことも多いようです。 そのためか、医療機関を受診しているにもかかわらず、発見されるまで数年かかり、来院時にはすでにリンパ節転移があるケースも少なくありません。通常の湿疹だと思われるケースのなかには、わずかですが乳房外パジェット病も隠れています。早期発見すれば、ほとんどの症例は予後良好なので、ステロイドや抗真菌薬を使っても奏効しない例では、1ヵ月以内に皮膚生検を行うなど、乳房外パジェット病を念頭に置いて診療をしていただければと思います。

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(6)〕 女性の急性腎盂腎炎、抗菌薬の7日間投与が有効

急性腎盂腎炎の治療は、原因菌に感受性のある抗生物質を10~14日間投与するプロトコールが、本邦で長らく用いられてきた方法であろう。第一選択の薬剤は培養検査の結果が判明するまで、βラクタムあるいはニューキノロンが選択されるが、院内感染症対策部門の意向も取り入れて選ばれることと思う。 女性の単純性腎盂腎炎に関する診療ガイドラインには、Infectious Disease Society of AmericaおよびEuropean Society for Microbiology and Infectious Diseaseによる2010年版ガイドラインがある1)。これによると、フルオロキノロン耐性菌検出率が10%を超えない地域で入院の必要がない症例に対しては、シプロフロキサシン(500mg ×2回/日)を7日間投与というプロトコールが推奨されている。ただしその根拠となる研究は、シプロフロキサシン7日間とST合剤14日間との比較であり、対象症例は平均25歳、血液培養陽性症例は3%と、若年の軽症患者が主体であった2)。本研究はシプロフロキサシンの7日間と14日間投与との比較、しかも中高年症例(平均年齢46歳)、血液培養陽性症例27%と、ある程度対照症例に幅をもたせた研究であったが、7日間投与は14日間投与に劣らない結果となった。治療期間の短縮は患者さんにとって福音だし、医療経済的にもメリットがある。ただし、7日間投与の優良性はほかの抗菌薬にはかならずしも当てはまらないとしている。 この文章を執筆中、1週間程度の急性腎盂腎炎の治療を受け改善したのち、再発して筆者の外来を訪れた患者さんを拝見した。関節リウマチで少量ステロイド投与中の方だった。 今回はしっかり14日間の治療を行い、元気に退院された。シプロフロキサシンではなかったが、discussionの内容に合致していたので印象に残っている。

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寄稿 線維筋痛症の基本

廿日市記念病院リハビリテーション科戸田克広痛みは原因の観点から神経障害性疼痛(神経障害痛)と侵害受容性疼痛(侵害受容痛)およびその合併に分類され、世界標準の医学では心因性疼痛単独は存在しないという考えが主流である。通常、日本医学ではこれに心因性疼痛が加わる。線維筋痛症(Fibromyalgia、以下FM)およびその不全型は日本医学の心因性疼痛の大部分を占めるが、世界標準の医学では神経障害痛の中の中枢性神経障害痛に含まれる。医学的に説明のつかない症状や痛みを世界の慢性痛やリウマチの業界はFMやその不全型と診断、治療し、精神科の業界は身体表現性障害(身体化障害、疼痛性障害)と診断、治療している。FMの原因は不明であるが、脳の機能障害が原因という説が定説になっている。器質的な異常があるのかもしれないが、現時点の医学レベルでは明確な器質的異常は判明していない。脳の機能障害が原因で生じる中枢性過敏症候群という疾患群があり、うつ病、不安障害、慢性疲労症候群、FM、むずむず脚症候群、緊張型頭痛などがそれに含まれる。先進国においてはFMの有病率は約2%であるが、その不全型を含めると少なくとも20%の有病率になる。FMおよび不全型の診断基準は「「正しい線維筋痛症の知識」の普及を目指して! - まず知ろう診療のポイント -」に記載されている1)。医学的に説明のつかない痛みを訴える場合には、FMあるいはその不全型を疑うことが望ましい。FMもその不全型も治療は同一であるため、これらを区別する意義は臨床的にはほとんどない。薬物治療のみならず、禁煙、有酸素運動、患者教育、認知行動療法などが有効である。ただし、認知行動療法は具体的に何をすればよいかわからない部分が多く、それを行うことができる人間が少ないため、実施している施設は少ない。人工甘味料アスパルテームによりFMを発症した症例が報告されたため、その摂取中止が望ましい1)。当初は必ず一つの薬のみを上限量まで漸増し、有効か無効かを判定する必要がある。副作用のために増量不能となった場合や、満足できる鎮痛効果が得られた場合には、上限量を使用する必要はない。つまり、上限量を使用せずして無効と判断することや、不十分な鎮痛効果にもかかわらず上限量を使用しないことは適切ではない(副作用のために増量不能の場合を除く)。一つの薬の最適量が決まれば、患者さんが満足できる鎮痛効果が得られない限り、同様の方法により次の薬を追加する。これは国際疼痛学会が神経障害痛に一般論として推奨している薬物治療の方法である。2、3種類の薬を同時に投与することは望ましくない。どの薬が有効か不明になり、同じ薬を漫然と投与することになりやすいからである。世界標準のFMでは有効性の証拠の強い順に薬物を使用することが推奨されているが、その方法は臨床的にはあまり有用ではない。投薬の優先順位を決定する際には有効性の証拠の強さのみならず、実際に使用した経験も考慮する必要がある。さらに論文上の副作用、実際に経験した副作用、薬価も考慮する必要がある。FMは治癒することが少ない上に、FMにより死亡することも少ないため、30年以上の内服が必要になることがしばしばあるからである。FMの薬物治療においては適用外処方は不可避であるが、保険請求上の病名も考慮する必要がある。さらに、日本独特の風習である添付文書上の自動車運転禁止の問題も考慮する必要がある。抗痙攣薬、抗不安薬、睡眠薬、ほとんどの抗うつ薬を内服中には添付文書上自動車の運転は禁止されているが、それを遵守すると、少なくない患者さんの生活が破綻するばかりではなく、日本経済そのものが破綻する。以上の要因を総合して、薬物治療の優先順位を決めている1)。これにより医師の経験量によらず、ほぼ一定の治療効果を得ることができる。ただし、それには明確なエビデンスはないため、各医師が適宜変更していただきたい。副作用が少ないことを優先する場合や自動車の運転が必須の患者さんの場合には、眠気などの副作用が少ない薬を優先投与する必要がある。すなわち、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液(ノイロトロピン) 、メコバラミンと葉酸の併用、イコサペント酸エチル、ラフチジン、デキストロメトルファンを優先使用している。痛みが強い場合には、有効性の証拠が強い薬、すなわちアミトリプチリン、プレガバリン、ミルナシプラン、デュロキセチンを優先使用している。抗不安薬は常用量依存を引き起こしやすいため、鎮痛目的や睡眠目的には使用せず、パニック発作の抑制目的にのみ使用し、かつ3ヵ月以内に中止すべきである。FMにアルプラゾラムが有効と抄録に書かれた論文2)があるが、本文中では有効性に関して偽薬と差がないという記載があるため、注意が必要である。ステロイドはFMには有害無益であり、ステロイドが有効な疾患が合併しない限り使用してはならない。昨年、日本の診療ガイドラインが報告された。筋緊張亢進型、腱付着部炎型、うつ型、およびその合併に分類する方法および各タイプ別に優先使用する薬は世界標準のFMとは異なっており、私が個人的に決めた優先順位と同様に明確なエビデンスに基づいていない。たとえば、腱付着部炎型にサラゾスルファピリジンやプレドニンが有効と記載されているが、それはFMに有効なのではなく、腱付着部炎を引き起こすFMとは異なる疾患に有効なのである。糖尿病型FMにインシュリンが有効という理論と同様である。薬を何種類併用してよいかという問題があるが、誰も正解を知らない。私は睡眠薬を除いて原則的に6種類まで併用している。1年以上投薬すると、中止しても痛みが悪化しないことがある。そのため、1年以上使用している薬は中止して、その効果が持続しているかどうかを確かめることが望ましい。引用文献1) CareNetホームページ カンファレンス Q&A:戸田克広先生「「正しい線維筋痛症の知識」の普及を目指して! - まず知ろう診療のポイント-」2)Russell IJ et al: Treatment of primary fibrositis/fibromyalgia syndrome with ibuprofen and alprazolam. A double-blind, placebo-controlled study. Arthritis Rheum. 1991;34:552-560.

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