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脊柱管狭窄症の硬膜外ステロイド注射、より有効な注射経路は?

 腰部脊柱管狭窄症において、硬膜外ステロイド注射は短期的な疼痛改善に有効であることはよく知られているが、その注射経路によって効果に違いがあることがギリシャ・ヨアニナ大学病院のAvraam Ploumis氏らの研究で明らかになった。坐骨神経痛を有する腰部脊柱管狭窄症患者を対象とした検討で、注射6ヵ月後の疼痛改善は、仙骨注射より経椎間孔注射のほうが優れていた。Pain Medicine誌オンライン版2013年12月16日の掲載報告。 研究グループは、坐骨神経痛を有する腰部脊柱管狭窄症患者31例(平均年齢62歳)を対象に、仙骨硬膜外ステロイド注射(CESI)と経椎間孔硬膜外ステロイド注射(TFESI)の有効性を前向きに比較検討した。 研究は2施設にて行い、一方の施設の患者11例がCESI、他方の施設の20例がTFESIを受けた。注射は全例、同じ医師が行った。 主要評価項目は注射6ヵ月後における疼痛消失または50%以上の疼痛改善(視覚的アナログスケール[VAS]による)、副次的評価項目は注射6ヵ月後における機能改善(オスウェストリー障害指数[ODI]15ポイント以上)であった。 主な結果は以下のとおり。・注射6ヵ月後に疼痛緩和が得られた患者の割合は、CESI群(54.54%)に比べTFESI群(90%)が有意に高かった。・注射6ヵ月後の機能改善は、TFESI群では全例で認められたのに対し、CESI群ではわずか3例(27.27%)であった。 ・CESI群の2例は、注射15日後に2回目の注射を受け、3~6ヵ月の間に除圧術を受けた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」・腰痛診療の変化を考える~腰痛診療ガイドライン発行一年を経て~・知っておいて損はない運動器慢性痛の知識・身体の痛みは心の痛みで増幅される。知っておいて損はない痛みの知識

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子だくさんの女性は変形性膝関節症を発症もしくは増悪しやすい

 変形性膝関節症(OA)のリスクを有する高齢女性は、経産回数がX線学的OA(ROA)や人工膝関節置換術(KR)と関連することが明らかになった。米国・カリフォルニア大学デービス校のBarton L. Wise氏らが、OAおよびそのハイリスク患者を対象とした多施設変形性関節症研究MOST(Multicenter Osteoarthritis Study)を解析したもので、とくに4人を超える子供を有する女性で強い関連がみられるという。Osteoarthritis and Cartilage2013年12月号(オンライン版2013年9月30日)の掲載報告。 MOSTは、50歳から79歳の症候性OAを有する、またはOAを発症するリスクが高い患者を対象とした縦断的観察研究である。研究グループは、参加者のうち経産回数を報告した女性1,618例(平均年齢:62.6歳、平均BMI:30.7kg/m2、WOMAC疼痛スコア:3.7)について解析した。 ベースライン時と30ヵ月後にX線検査を行い、ROA(ケルグレン/ローレンス分類でグレード2以上)およびKRについて評価し、これらの発生と経産回数との関連を解析した。 主な結果は以下のとおり。・30ヵ月間でKRは115例、ROAは134例を認めた。 ・出産回数が1回に比べ5~12回の被験者では、KRの相対リスクが2.7倍(95%信頼区間:1.0~7.3)、ROAが2.6倍(同:1.2~5.3)であった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」・腰痛診療の変化を考える~腰痛診療ガイドライン発行一年を経て~・知っておいて損はない運動器慢性痛の知識・身体の痛みは心の痛みで増幅される。知っておいて損はない痛みの知識

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腰痛診療の変化を考える~腰痛診療ガイドライン発行一年を経て~

腰痛診療ガイドライン策定の背景腰痛は一つの疾患単位ではなく、“症状”の名称であり、その背景には数多くの病態・疾患が潜んでいる。そして腰痛を有する患者数は非常に多く、わが国においては最も代表的なcommon disease(一般的な、ありふれた病気)、つまり「国民病」の一つとなっている。実際、日本人の有訴者率をみると、男性では1位、女性では2位と男女ともに腰痛は上位を占めている(平成22年 厚生労働省 国民生活基礎調査)。国民病であるがゆえに、腰痛に関する研究、文献や書籍は非常に多く存在している。また、一般向けの雑誌やテレビなどでも腰痛に関わる記事や番組の特集企画は後を絶たない。腰痛という国民病に対し、玉石混淆の情報が発信され氾濫している、というのが現状である。そうした背景を鑑み、われわれ整形外科医が運動器のエキスパートとしてすべきことは何か。本ガイドラインは、そうした想いから、日本整形外科学会が企画し日本腰痛学会が主体となって作成されたものである。その理念は、「腰痛治療のプライマリケアに焦点を絞り、腰痛に苦しむ患者さんに対して、正しく的確なトリアージを可能せしめること」である。腰痛に関して最も豊富な治療経験をもつ整形外科医はもちろん、内科をはじめとする各領域の先生方に対しても、EBMに則った適切な情報を提供するとともに、本ガイドラインを有効活用していただきたいと願っている。腰痛におけるトリアージの重要性腰痛というと、「腰部に存在する疼痛」という定義が成り立つが、その部位に関してはさまざまな見解がある。具体的には、「触知可能な最下端の肋骨と殿溝の間の領域」とするのが一般的である。有症期間については、急性、亜急性、慢性と分類される。3ヵ月以上持続する腰痛を「慢性腰痛」とし、発症から4週間未満を「急性腰痛」、そして慢性と急性の間、つまり4週間以上3ヵ月未満の腰痛を「亜急性腰痛」と定義した。原因からみると、「原因の明らかな腰痛」と「原因の明らかでない腰痛(非特異的腰痛)」に大別される。原因の明らかな腰痛の代表としては、腫瘍(原発性・転移性脊椎腫瘍)、感染(化膿性脊椎炎など)、外傷(椎体骨折など)の3つがとくに重要である。また、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、脊椎すべり症などの神経症状を伴う腰椎疾患もこれに含まれる。一方、非特異的腰痛は、前述したような明らかな原因のない腰痛、あるいは原因を特定できない腰痛を総称する言葉である。下肢症状を伴わない腰痛の場合、その85%が非特異的腰痛である。実際、広く長い脊柱の中で、どこに痛みの原因があるか、X-PやMRIにおける変性所見と症状が必ずしも一致するわけではなく、原因部位を特定することは困難である。よって、腰痛治療においては、初診での正しい鑑別(トリアージ)が非常に重要となってくる。何よりも大切なのは、注意深い問診と身体検査(診察)であり、これにより(1)危険信号(red flags)を有し重篤な脊椎疾患の合併が疑われる腰痛、(2)神経症状を伴う腰痛、(3)非特異的腰痛 という3つのトリアージを的確に行うことが大切である。日本整形外科学会、日本腰痛学会.腰痛診療ガイドライン2012.南江堂;2012.画像を拡大するプライマリ・ケアにおける問診では、発症以前の症状、治療歴、治療効果だけでなく、痛みの部位、症状の頻度、痛みの持続期間などを尋ね、脊椎以外の内科的疾患由来の腰痛の可能性を考慮する。とにかく、重篤な脊椎疾患(腫瘍、炎症、骨折など)を見逃さないことが非常に重要であり、そのためには危険信号(red flags)の有無をしっかりと見極めることが基本となる。危険信号がなく、神経症状もない場合には、「非特異的腰痛」と仮に判断する。そして4~6週間の保存的治療を行い、それによる改善の有無を観察する。そこで改善のない場合には、画像診断の再実施、危険信号の再評価、あるいは心因性要素の再評価によって、隠れている病気を探し出していただきたい。また、初診で危険信号がなくても、神経症状(足の痛み、しびれ、麻痺など)がみられる場合には、積極的に前述の再検査を行うべきである。そして、発熱や体重減少などの危険信号がある場合には、何か原疾患が隠れているのではないかという疑いをもって画像検査や血液検査をしっかりと行っていただきたい。原疾患が特定された場合には、それに応じた治療を進めるべきである。日本整形外科学会、日本腰痛学会.腰痛診療ガイドライン2012.南江堂;2012.画像を拡大する運動療法は腰痛に有効か運動療法には、ストレッチやエアロビクスなどさまざまな方法があるが、慢性腰痛に対する有効性には高いエビデンスがある。慢性腰痛における運動療法については、開始後1年以内で欠勤日数を軽減させ、職場復帰率を増加させるというデータがある。日本におけるランダム化比較試験においても、運動療法実施群での腰痛関連QOLの改善が良好であったという研究結果も出ている。このように、運動療法は慢性腰痛に対して強く推奨される治療法であるといえる。また、日常生活においても、以前は腰痛に対して安静にするよう指導することが多かったが、近年は動ける範囲で動くことを推奨している。一方、急性腰痛に対してはあまり効果がない。亜急性腰痛に対しても、効果はあるものの慢性腰痛の場合に比べると限定的であり、時期に応じた適切な運動療法を行うべきであろう。心理社会的因子と腰痛の関係心理社会的因子が腰痛の遷延に関与するというエビデンスをもった論文は多い。これはとくに慢性腰痛にみられる特徴である。具体的に挙げると、ストレス、うつ状態、過労、職場環境や収入への低い満足度、人間関係の不良などが慢性腰痛の出現や悪化に関与している。ここで一つ興味深いのは、慢性の肩の痛みや膝の痛みの場合にはそうした関与があまり指摘されていないことである。心理社会的因子は、肩や膝よりも腰との関係性が深いように思える。ただ、誤解しないでいただきたいのは、“慢性腰痛の患者さん=(イコール)うつ病”という単純な図式にはならない、ということである。慢性腰痛の患者さんがすべてうつ病だということはありえないし、慢性腰痛のすべての要因が精神的なものだと決めつけてしまうのは非常に危険なことである。個人的な見解としては、非特異性腰痛の原因の多くは、脊柱の支持組織、つまり椎間板や椎間関節の老化、筋力の低下、筋・筋膜などの支持性軟部組織の拘縮などによるものが多いと考えている。これは画像検査では発見しにくい部分であるし、また仮に椎間板が老化していても症状が出ないケースも多々あるため、その判断は難しい。ガイドライン策定から一年を経て 全国の先生方へ腰痛診断ガイドラインが策定されてから一年になる。その間、全国各地で講演を行ってきたが、EBMを重視する先生方が増えてきたように感じられた。腰痛は民間療法や代替療法などさまざまな治療法が散見される分野であるため、エビデンスを重視することは非常によい動きであり、歓迎すべきことだと受け止めている。薬物治療に関しても大変よく勉強されている先生が多かった。また、慢性腰痛における運動療法の有効性についても多くの先生が認識してくださっており、本ガイドラインが徐々に浸透してきていると肌で感じることができた。最後に付け加えておきたいのは、このガイドラインはあくまでも一つの目安でしかない、ということである。われわれガイドライン委員会でも、患者さん一人ひとり病態が異なるのにアルゴリズム(診断手順)にまとめられるのだろうか、という議論があった。しかし、common diseaseである腰痛に対し、数多くの情報が氾濫している昨今において、整形外科専門医だけでなく、一般の臨床医の先生方にも実地で活用していただけるような指針を打ち出すことは、腰痛に苦しむ患者さんのためにも意義のあることだという考えに至った次第である。先生方にはその点を念頭に入れて腰痛の診察にあたっていただきたい。そして専門医への紹介が必要な患者さんを見逃すことのないよう、的確なトリアージのために細心の注意を払っていただきたいと願ってやまない。

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虚血性僧帽弁逆流症、僧帽弁形成術vs.置換術のアウトカムは同等/NEJM

 虚血性僧帽弁逆流症に対し、僧帽弁形成術と置換術では、12ヵ月の左室収縮終末期容積係数(LVESVI)は同等であることが示された。死亡率も有意差はなかったが、中等度~重度の僧帽弁逆流症の再発率については、形成術群が置換術群より有意に高率だった。米国・ペンシルベニア大学のMichael A. Acker氏らが、251例の患者について行った無作為化比較試験の結果、明らかにした。虚血性僧帽弁逆流症は、死亡リスクが高く、ガイドラインでは手術が推奨されているが、形成術か置換術かを支持するエビデンスは限定的であった。NEJM誌オンライン版2013年11月18日号掲載の報告より。僧帽弁形成術と置換術をそれぞれ実施、12ヵ月後のLVESVIを比較 Acker氏らは、重症虚血性僧帽弁逆流症の患者251例を無作為に2群に分け、一方には僧帽弁形成術を、もう一方には僧帽弁置換術を行い、その有効性と安全性を比較した。主要アウトカムは、12ヵ月後のLVESVIだった。 被験者の平均年齢は、68~69歳、男性は61~62%だった。LVESVI値、死亡率、主要有害心・脳血管イベント発生率ともに両群で同等 結果、12ヵ月後、僧帽弁形成術群の生存患者の平均LVESVI値は54.6(標準偏差:25.0)mL/m2であり、僧帽弁置換術群は60.7(同:31.5)mL/m2と、ベースライン時からの平均変化量はそれぞれ-6.6mL/m2と-6.8mL/m2だった。 死亡率は、形成術群が14.3%、置換術群が17.6%と、両群で有意差はなかった(形成術群の置換術群に対するハザード比:0.79、95%信頼区間:0.42~1.47、log-rank検定p=0.45)。また、死亡について補正を行った後のLVESVI値も、両群で有意差はなかった(Zスコア=1.33、p=0.18)。 一方、12ヵ月後の中等度~重度の僧帽弁逆流症の再発率は、形成術群32.6%に対し、置換術群では2.3%と有意に低かった(p<0.001)。 その他、12ヵ月後の主要有害心・脳血管イベントや、身体機能状態、生活の質についても、両群で有意差はなかった。

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院外心停止に対する機械的心肺蘇生、予後は手動と同等/JAMA

 院外心停止患者に対する、除細動併用の機械的心肺蘇生(CPR)と手動CPRとを比較した結果、4時間生存率に有意差は認められなかったことが判明した。スウェーデン・ウプサラ大学のSten Rubertsson氏らが、英・オランダを含めた3ヵ国6施設で登録された2,589例の院外心停止患者を対象に行った多施設共同無作為化試験「LINC」の結果、報告した。院外心停止に対する機械的CPRは、予後を改善する可能性が示唆されていたが、これまで大規模試験は行われていなかった。なお、6ヵ月時点までの神経学的アウトカムについても報告されているが、両群間に有意差はなく生存患者の94~99%のアウトカムが良好であったという。JAMA誌オンライン版2013年11月17日号掲載の報告より。3ヵ国6施設2,589例を対象に無作為化試験 LINC(LUCAS in Cardiac Arrest)試験は、胸部圧迫とともに除細動で機械的に心マッサージを行う機械的CPR(LUCAS Chest Compression System、米国Physio-Control社/スウェーデンJolife AB社製)アルゴリズムが、ガイドラインに即して手動で行うCPRと比較して、4時間生存率を改善するかを明らかにすることを目的とした。被験者は2008年1月~2013年2月に、救急サービスまたは搬送先病院(スウェーデン4施設、英国1施設、オランダ1施設)に登録された院外心停止患者2,589例であった。無作為に、機械的CPR群1,300例、手動CPR群1,289例に割り付けられ、6ヵ月間フォローアップを受けた。 主要アウトカムは、4時間生存率。また、副次エンドポイントとして6ヵ月時点の脳機能カテゴリー(CPC)スコアで測定した神経学的アウトカムなども評価した。CPCスコアは、1、2をアウトカム良好と定義した。4時間生存率、6ヵ月後神経学的アウトカムに有意差みられず 結果、4時間生存率は、機械的CPR群23.6%(307/1,300例)、手動的CPR群23.7%(305/1,289例)で、有意差はみられなかった(リスク差:-0.05%、95%信頼区間[CI]:-3.3~3.2%、p<0.99)。 CPCスコア1、2の患者は、ICU退室時点では機械的CPR群7.5%(98例)、手動的CPR群6.4%(82例)(リスク差:1.18%、95%CI、-0.78~3.1%、p=0.25)であった。また、病院退院時ではそれぞれ8.3%(108例)、7.8%(100例)(同:0.55%、-1.5~2.6%、p=0.61)、1ヵ月時点では8.1%(105例)、7.3%(94例)(同:0.78%、-1.3~2.8%、p=0.46)、そして6ヵ月時点では8.5%(110例)、7.6%(98例)(同:0.86%、-1.2~3.0%、p=0.43)だった。 6ヵ月時点で生存していた患者でCPCスコアが1、2であった患者は、機械的CPR群99%・110/111例(スコア1:103例、同2:7例)、手動的CPR群94%・98/104例(スコア1:88例、同2:10例)だった。 これらの結果を踏まえて著者は、「日常診療において、機械的CPRアルゴリズムは、手動的CPRと比べて効果の改善には結びつかなかった」と結論している。

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LDLコレステロールを推算する新方程式/JAMA

 LDLコレステロール(LDL-C)値推算法について、従来のFriedewald式よりも正確なガイドラインのリスク層別化に優れた新たな方程式が、米国・ジョンズ・ホプキンス大学チッカローネ心疾患予防センターのSeth S. Martin氏らにより開発された。Friedewald式は1972年に448例の患者のデータを分析して編み出された、LDL-C実測の手間とコストがかからない計算式であり、長年、研究や臨床の目標値として、また国際的ガイドライン等の主要目標として取り入れられてきた。新推算法は、従来式の「トリグリセリド(TG)/5」の5という固定係数の解消を図ったもので、135万人の脂質データを分析して新たに補正係数を作成し、それを用いた評価法を開発した。JAMA誌2013年11月20日号掲載の報告より。全米の小児~成人135万人の脂質データを分析し開発 従来のFriedewald式([総コレステロール値]-[HDL-C]-[TG/5])では、VLDL-Cに対するTG(TG:VLDL-C)比は5と固定されていたが、実際のTG:VLDL-C比はTG値とコレステロール値によって有意に変動する。研究グループは、TG:VLDL-C比に補正係数を用いることで標準脂質プロファイルからLDL-C推定値を導き出す新たな方程式の開発に取り組んだ。 係数開発には、2009年~2011年に、米国人(小児、若者、成人)135万908人の臨床脂質プロファイルの連続検体を用いた。コレステロール値は遠心分離法にて直接測定し、TG値も直接測定した。脂質分布は、全米健康栄養調査(NHANES)と適合させて行った。 検体は、無作為に開発群(90万605例)と検証群(45万303例)の各データセットに割り付けられ、臨床診療ガイドラインのLDLリスク分類の一致について、推定値と実測値を用いた場合を比較した。TG値400mg/dL未満のリスク分類一致率、85.4%から91.7%に有意に改善 開発群のTG:VLDL-C比中央値は、5.2(IQR:4.5~6.0)だった。TG:VLDL-C比とTG値およびnon-HDL-C値とのバリアンスは65%だった。 TG値とnon-HDL-C値を組み合わせて、新たに180通りのTG:VLDL-C比中央値を評価するセルテーブルを作成した。それを、検証群に適用し新たなLDL-C推算法を開発した。 その結果、TG値400mg/dL未満の患者において、LDL-C直接測定法によるガイドラインリスク分類との一致率が、従来のFriedewald式では85.4%(95%信頼区間[CI]:85.3~85.5%)であったが、新推算式では91.7%(同:91.6~91.8%)と有意に改善した(p<0.001)。 改善が最も大きかったのは、LDL-C値70mg/dL未満への分類で、とくにTG値が高値の患者において改善が大きかった。 すなわち、推定LDL-C値70mg/dL未満群において、実際にLDL-C値70mg/dL未満であったのは、TG値100~140mg/dL群では従来式79.9%(95%CI:79.3~80.4%)、新推算式94.3%(同:93.9~94.7%)、TG値150~199mg/dL群では、61.3%(同:60.3~62.3%)と92.4%(同:91.7~93.1%)、TG値200~399mg/dL群では、40.3%(同:39.4~41.3%)と84.0%(同:82.9~85.1%)だった。 上記の結果から著者は、「TG:VLDL-C比の補正係数を用いた新たなLDL-C推算法は、Friedewald式よりもより正確なガイドラインリスク分類を提供した」と結論している。そのうえで「外的妥当性の検証と臨床的意義についての評価が必要ではあるが、この新たな推算法の臨床導入は簡便でコストがかからないものだろう」と述べている。

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国際疼痛学会が神経障害性疼痛に対する侵襲的治療について新しい勧告を発表

 神経障害性疼痛は、薬物療法あるいは非侵襲的治療に不応性のことが多い。国際疼痛学会の神経障害性疼痛部会は、神経障害性疼痛の侵襲的治療に関するシステマティックレビュー、臨床試験および既存のガイドラインを評価し、勧告を発表した。同部会を代表し米国・ロチェスター大学のRobert H. Dworkin氏らは、今後の研究の優先事項としてはさまざまな侵襲的および非侵襲的治療の無作為臨床試験、長期研究および直接比較試験が挙げられる、とまとめている。PAIN誌2013年11月(オンライン版2013年6月7日)。 以下の末梢性および中枢性神経障害性疼痛患者における神経ブロック、脊髄電気刺激(SCS)、髄腔内薬物投与および脳神経外科的治療に関するエビデンスがまとめられた。・帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛(PHN)・有痛性糖尿病性およびほかの末梢神経障害・脊髄損傷後神経障害性疼痛、脳卒中後の中枢性疼痛・神経根障害および腰椎術後疼痛症候群(FBSS)・複合性局所疼痛症候群(CRPS)・三叉神経痛と末梢神経障害 主な勧告内容は以下のとおり。・質の高い臨床試験が不足しているため、強い推奨を行うことはできない。・有効性と安全性の程度を含むエビデンスの量および一貫性に基づき、以下の4治療を「弱い推奨」とする。 1)帯状疱疹に対する硬膜外注射 2)神経根障害に対するステロイド注射 3)FBSSに対するSCS 4)CRPSタイプ1に対するSCS・PHNに対する交感神経ブロック、神経根障害に対する高周波療法の使用は推奨しない。・これらの侵襲的治療は、可能な限り無作為化臨床試験の一部として行うか、または登録研究に記録するかのどちらかでなければならない。 ~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・知っておいて損はない運動器慢性痛の知識・身体の痛みは心の痛みで増幅される。知っておいて損はない痛みの知識・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する

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ヒュー・ジャックマン氏が公表した基底細胞がんとは

 豪俳優のヒュー・ジャックマン氏が今月21日、鼻にできた基底細胞がんの治療を受けていたことを公表した。また、鼻にばんそうこうを貼った写真を公開し、定期的に診察を受けること、日焼け止めを使用することを呼びかけた。 基底細胞がんは、表皮の基底細胞に発生する悪性腫瘍。皮膚がんの中では、最も頻度が高いものの、転移はまれで予後はよい。原因は不明であるが、紫外線による光老化、外傷・熱傷の瘢痕、放射線が関与していると考えられている。 高齢者の顔面に好発し、性状はほくろと似ているが、ほくろよりも青黒く、進行すると腫瘤や潰瘍となる。詳細な臨床的評価とダーモスコピーの所見において他の色素性腫瘍と鑑別するが、診断が確定できない病変においては、生検を実施して確定する。 基底細胞がんの治療の第一選択は手術療法である。初回手術で病変を切除しきることができれば、根治の確率は高くなる。高齢者などで、外科切除が困難な場合は放射線療法、凍結療法、掻爬・電気凝固術などを検討する。 今回、ヒュー・ジャックマン氏は、妻のデボラ・リー・ファーネス氏の勧めにより、診察を受けることで、早期発見につながったとみられる。参考:皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン作成委員会編.皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン

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ステント留置患者における非心臓手術時の心事故リスク(コメンテーター:大野 貴之 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(147)より-

現行のガイドラインでは、冠動脈ステント留置術後の非心臓手術の実施時期について、薬剤溶出性ステント(DES)は1年後、ベアメタルステント(BMS)は6週間後に延期することを推奨しているが、その根拠となるエビデンスは限られていた。 米国・アラバマ大学のMary T. Hawn氏らによる研究グループは、冠動脈ステント留置後24ヵ月以内に手術を受けた4万1,989例の退役軍人(VA)および非VAの全米患者を対象とした後ろ向きコホート試験を行った。試験は、冠動脈ステント留置後に非心臓手術を受けた患者における有害心イベント発生のリスク因子を特定することを目的とした。 対象コホートのうち、冠動脈ステント留置術を受けていたのは12万4,844例(DES:47.6%、BMS:52.4%)だった。そのうち術後24ヵ月以内に非心臓手術を受けていたのは2万8,029例(22.5%、95%信頼区間[CI]:22.2~22.7%)で、うち術後30日MACE発生例は1,980例(4.7%、95%CI:4.5~4.9%)だった。 ステント留置術を実施してから非心臓手術をするまでの期間が短いほど、MACE発生率(全死因死亡・心筋梗塞・心血行再建術)は高く、6週間未満では11.6%、6週間~6ヵ月は6.4%、6~12ヵ月は4.2%、12~24ヵ月は3.5%だった(p<0.001)。DESはMACEとの関連はみられず、またDES、BMSともに、MACEリスクはステント留置術後6ヵ月以降は安定した。また抗血小板薬の周術期投与中止とMACE発生との関連は認められなかった。結果を踏まえて著者らは、「DESとBMSのステントタイプおよび手術のタイミングについて強調している、現行のガイドラインについて再評価する必要がある」と提言している。 わが国の実際の臨床現場でも、非心臓手術(がん手術など)の術前検査で冠動脈疾患が診断されることはよく経験する。このような場合で冠血行再建術が必要と考えられる場合には、術後抗血小板薬投与が必須ではない冠動脈バイパス手術も考慮するのが望ましい。

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点滴ヘパリンロックの際に間違えて消毒薬を注入したケース

整形外科最終判決平成16年1月30日 東京地方裁判所 判決概要関節リウマチによる左中指の疼痛・腫脹に対し、左中指滑膜切除手術を行った58歳女性。手術翌朝、術後の抗菌薬を点滴静注後、ライン内にヘパリンナトリウム生理食塩水を注入してヘパリンロックをしようとしたところ、間違えてヒビテン®・グルコネート液を注入し、まもなく急性肺血栓塞栓症で死亡した。遺族の了解を得て病理解剖を行ったが、所轄警察署への届出が死亡から11日後となってしまい、病院長は医師法第21条違反で実刑判決を受け、主治医は3ヵ月の医業停止処分となった。詳細な経過患者情報約20年前から、関節リウマチ、高血圧で通院治療を受けていた58歳女性経過平成11(1999)年1月8日左中指の疼痛および腫脹が増強したため、都立病院整形外科を受診。関節リウマチによる滑膜病変と考え、左中指滑膜切除手術が予定された。2月8日入院、全身状態は問題なし。2月10日左中指滑膜切除手術施行(手術時間1時間24分)。術後経過は良好で、10日程度で退院できる予定であった。2月11日08:15看護師Aがヘパリンナトリウム生理食塩水(以下ヘパ生)10mL入り注射器(注射筒部分に「ヘパ生」と黒色マジックで記載)を保冷庫から取り出して処置台に置く。その直後、看護師Aが洗浄用のヒビテン®・グルコネート液(以下ヒビグル)を新しい10mLの注射器に入れ、ヘパ生入り注射器と並べて処置台に置いた。このときメモ用紙に黒色マジックで「○○様洗浄用ヒビグル」と手書きし、処置台に置かれた2本の注射器のうちの1本に貼り付けた(実際にはヘパ生入り注射器にヒビグルと書いた手書きメモを貼り付けてしまった)。08:30看護師Aが術後の抗菌薬アンピシリン(商品名:ビクシリン)を点滴するため訪室。抗菌薬と点滴セット、アルコール綿に加えて、メモ用紙の貼られていない10mL注射器1本(実際には洗浄用ヒビグル入り注射器)を持参した。08:35抗菌薬の点滴を開始。09:00ナースコールあり、点滴終了。09:03看護師Bが点滴ラインにヘパ生を注入してヘパリンロックした。実はこのとき注入したのはヘパ生ではなくヒビグルであり、約1mLが体内に注入され、残り約9mLは点滴ライン内に残留した。09:05訪室した看護師Aに対し、「何だか気持ち悪くなってきた。胸が熱い気がする」といって苦痛を訴え、胸をさする動作をした。09:15顔面蒼白となり、「胸が苦しい。息苦しい。両手がしびれる」などと訴えたので、ただちに当直医師をコール。指示により既存の点滴ルート(ライン内にはヒビグルが充満)からソルデム3Aの点滴静注が開始された。血圧198/78mmHg、心電図V1で軽度ST上昇、V4で軽度ST低下がみられたが、不整脈なし。このとき看護師Aは処置室で「ヘパ生」と黒色マジックで書かれた注射器を発見し、ヘパリンロックの際に薬剤を取り違えたことに気づき、病室内の当直医師を手招きして呼び出し、「ヘパ生とヒビグルを間違えたかもしれない」と告げた。すでにソルデム3Aが点滴ラインにつながれ急速点滴された結果、点滴ライン内に残留していたヒビグル約9mL全量が体内に静注された。09:30突然意識レベル悪化、眼球上転、心肺停止状態。ただちに救急蘇生を開始。10:20主治医到着。心臓マッサージを行いながら、容態急変した前後の状況および看護師が薬剤を間違えて注入したかもしれないといっていることを聞かされた。蘇生の気配はまったくなし。10:44死亡確認。11:00遺族へ説明:抗菌薬点滴直後に容態が急変したことから、心筋梗塞または大動脈解離を起こした可能性があるが、死因は今のところ不明。その解明のために病理解剖の必要性を説く。遺族に誤投薬の可能性を聞かれたが、「わかりません」と答え、看護師による誤投薬の可能性を伝えないまま病理解剖の承諾書をとる。なお、蘇生措置から死後処置をしている間に、右腕血管部分に沿って血管が紫色に浮き出ているという異常な状態にスタッフは気づいていた。事後経過平成11年2月11日(死亡翌日)08:30病院の幹部職員9名(病院長、副院長、主治医、医事課長、庶務課長、看護部長、看護科長)による対策会議。看護師:「ヒビグルとヘパ生を間違えたかもしれない。それしか考えられない」と涙声になりながら、現場で回収した点滴チューブなどを使用しながら状況説明。主治医:「所見としては心筋梗塞の疑いがあります。病理解剖の承諾をすでに遺族からもらっています」事務長:「ミスは明確ですし、警察に届けるべきでしょう」病院長:「でも、主治医は心筋梗塞の疑いがあるといっているし」と非常に迷いながら優柔不断ともいえる態度を示す。副院長:「医師法の規定からしても、事故の疑いがあるのなら、届け出るべきでしょう」病院長:「警察に届け出るということは、大変なことだ」事務長:「やはり、仕方がないですね。警察に届け出ましょう」医療事故について警察に届け出ることにいったんは決定。その後都衛生局の幹部職員に電話で相談。衛生局:「本部に判断しろといわれても困るよな。病院が判断してくれなくちゃ。これまで都立病院から警察に事故の届出を出したことがない。すでに病理解剖の承諾はいただいているとのことだが、誤薬の可能性も含めてすべて事情を話して、その結果再度承諾が得られれば、その線でいったら良いのではないか。詳しい事情もわからないから、おれが今から病院へ行くから警察に届け出るのは待ってくれ」衛生局の幹部職員到着。病院長:「どうしてこれまで病院から届け出た例がないんだろう」衛生局:「病院自ら警察に届け出るということは、職員を売ることになるから、これまで例がないんじゃないですか」事務長:「どんな場合に警察に届け出るんですか。これまではどうだったのですか」衛生局:「過失が明白な場合に届けなければいけない。今まで都立病院自ら警察に届け出た例はありません。遺族から病理解剖の承諾をもらっているということですけれども、薬の取り違えの可能性もあるんなら、包み隠さずお話しないといけませんね。遺族が病院を信用できないというなら、警察に連絡して監察医務院で解剖する方法もあるということも説明してください。それでも遺族が病院での病理解剖を望まれるなら、それでいいじゃないですか。もし遺族が警察に届け出るというならそれはそれで仕方ないですね」副院長:「医師法の規定からしても、事故の疑いがあるのなら、届け出るべきでしょう」病院長:「警察に届け出るということは、大変なことだ」事務長:「やはり、仕方がないですね。警察に届け出ましょう」病院長、主治医は、「病院事業部としては誤投薬の可能性を遺族に話さずに済ませることは避けねばならない」としながらも、遺族の理解が得られるなどの事情により、医療事故を警察に届け出ることについては「可能であればできるだけ避けたい」という意向を読みとる。すなわち、衛生局は医療事故については警察への届出を必ずしもしなくとも良いという見解であると解釈した。病院長:「じゃ、それでいきましょうか。しょうがないでしょう」出席者全員に対し、それまでの方針を変更してとりあえず警察への届出をしないまま、遺族の承諾を得たうえで病理解剖を行う方針で臨むことを了承させ、対策会議は散会。11:50院長室において遺族と面談。病院長:「実はこれまで病死としてお話してきたのですが、看護師が薬を間違えて投与した事故の可能性があります」遺族:「間違いの可能性は高いのですか」病院長:「今は調査中としかいえない。病院が信用できないというのであれば、監察医務院やほかの病院で解剖してもらうという方法もありますが、どうしますか」決定的な確証はまだないのに、遺族に薬剤取り違えの可能性を伝えてくれたものと解釈して、ある意味では病院側が公平で誠実な対応をしてくれているものと受け止め、病院の医師らを信用できないというまでの気持ちはなかったため、遺族は当該病院で病理解剖することを承諾した。病院長:「改めて遺族に薬の取り違えの可能性を伝えたうえで、病院で病理解剖をすることの承諾を頂きました」衛生局:「病院自ら警察に届けると、ひいては職員を売ることになりますよね」病院長:「そうですよね」病理解剖:外表所見で右手根部に静脈ラインの痕があり、右手前腕の数本の皮静脈がその走行に沿って幅5~6mm前後の赤褐色の皮膚斑としてくっきりみえ、前腕、手背、上腕下部に及んでいるのが視認された。この赤色色素沈着は静脈注射による変化で、劇物を入れた時にできたものと判断し、解剖を担当した病理学の大学助教授(法医学の経験あり)は、警察または監察医務院に連絡することを提案した。ところが、病院長から「警察に届けなくても大丈夫です」という回答を得たので、病院幹部が監察医務院に問い合わせた結果、監察医務院のほうから後は面倒をみるから法医学に準じた解剖をやってくれとの趣旨の回答があったものと理解した。解剖の結果、右手前腕静脈血栓症および急性肺血栓塞栓のほか、遺体の血液がサラサラしていること(溶血状態:薬物が体内に入った可能性を示唆)が判明し、心筋梗塞や動脈解離症などを疑う所見はなく、病院長へポラロイド写真を持参して、右腕の血管から薬物が入った模様であること、90%以上の確率で事故死、それも薬物の誤注射によって死亡したことはほとんど間違いないと報告病院長は遺族へ、「肉眼的には心臓、脳などの主要臓器に異常が認められなかったこと、薬の取り違えの可能性が高くなったこと、今後は保存している血液、臓器などの残留薬物検査などの方法で必ず死因を究明すること」を伝えた。2月20日遺族の自宅を訪問し、それまでの経過、異常所見としては右上肢の血管走行に沿った異常着色を認めたこと、ヘパ生とヒビグルとを取り違えたため薬物ショックを起こした可能性が一層強まったといえることなどを報告。これに対し遺族は、事故であることを認めるように要求し、病院のほうから警察に届け出ないのであれば「自分で届け出る」と主張。それを受けて病院関係者と話し合った結果、医療事故を警察に届け出ることを決定した。2月22日衛生局長と面談して医療事故を警察に届け出る旨を報告。病院から誤投薬という過失があったことをはじめから認めるかたちでの届出ではなく、むしろ死因を特定して欲しいという相談を警察に対して行うかたちでの届出をするように指示を受け、所轄警察署に届け出た。3月5日組織学的検査の結果が判明:前腕静脈内および両肺動脈内に多数の新鮮凝固血栓の存在が確認され、前腕の皮静脈内の新鮮血栓が両肺の急性血栓塞栓症を起こしたと考えられた。心臓の冠動脈硬化はごく軽度(内腔の狭窄率は25%以下)であり、組織学的に冠動脈血栓や心筋梗塞は認められず、そのほかの臓器にも死因を説明できるような病変なし3月11日主治医は診断書の交付を求められたが、死因の記載を病死にするのか中毒死にするのか悩み、病院長に記載方法について相談。病院長は「困りましたね」といって、副院長らと死亡診断書の死因をどのように記載するかを話し合った。この時点では血液鑑定結果が出ていなかったので、死因の記載を「病死」としてもまったくの間違いとはいえず、むしろ入院患者の死因を不詳の死とするのはおかしいなどとの発言もあった。副院長の「病名がついているので病死でもいいんじゃないですか」とのコメントを受けて、病院長は「そういうことにしましょう」と決定。主治医は死亡診断書に、死因の種類「病死および自然死」、直接の死因「急性肺血栓塞栓症」、合併症欄に「関節リウマチ」などと記載した。これをみた病理医は、「死亡の種類」が病死とされていたため、病院長に「この病死はまずいんじゃないですか」と意見を述べたが、病院長は「昨日みんなで相談して決めたことだからこれでいいです」と答え、遺族からクレームがついたら「現時点での証明であることを説明するように」と指示した。5月31日血液からヒビグルに由来すると考えられる物質(クロルヘキシジン)がかなりの高濃度で検出されたという鑑定結果がでた。当事者の主張患者側(原告)の主張1.死亡自体に関する義務違反抗菌薬点滴終了後、点滴ライン内にヘパ生を注入するべきであったのに、誤って消毒液ヒビグルを注入されることにより死亡したものであるが、担当看護師は薬剤の準備に当たってその内容を取り違えたうえに、点滴後の処置に当たり投与する薬剤の確認を怠ったことは、看護師としての基本的注意義務に違反した結果であるさらに病院組織としても、薬剤の専門家でない看護師に調剤行為を行わせていたため、当該薬剤に応じた扱いを怠る可能性があった複数の人間が薬剤の準備から投与までの作業を分担して行っていたため、自分が担当する前後の作業内容をよく把握しないまま自分の作業を行う危険があった薬剤容器への記入方法が統一されていなかったため、注射器にメモ紙を貼り付けることにより充てんされている薬剤を表示しようとしたが、メモ紙を間違えて貼り付けることにより間違った薬剤を表示してしまう危険があったヒビグルとヘパ生の計量に、同形状の注射器を計量器として使用していたため、注射器の外形上からは内容物の区別がつかず取り違えを防ぐことができない態勢がとられていた消毒薬と点滴液用の注射器を同じ処置台の上で同時に準備したうえ、患者ごとに個別のトレーを用意し、薬札を付けるなどしなかったため、薬剤の取り違えを防げなかったという諸事情が存在し、このような事故を誘発する危険な態勢を除去するシステムが構築されなかったために、看護師らの注意義務違反を誘発し、医療事故を引き起こすことになった2.死亡後の行為に関する義務違反医師法21条の異状死体届出義務により、刑事司法の手続上で医療事故の原因や責任が明らかにされるので、医療事故による患者死亡の原因究明の端緒として機能する場面がある。そのため診療上の事故によって患者が死亡した可能性のある場合には、当該病院で病理解剖をするのではなく、所轄警察に届け出ることが、診療契約の当事者である患者またはその遺族に対する原因究明義務として課される。本件はそもそも医療事故である可能性が明白であったから、病理解剖は許されず、警察に届け出たうえで司法解剖が行われるべきであった。医療事故について病院としての対応方針を決定づける立場にあった病院長は、対策会議終了後ただちに警察へ届け出る義務があったそれにもかかわらず病院長は、医療事故を警察に届け出る方針にいったん決定したにもかかわらず、「院長が警察に届けるとは何事だ」、「職員を売ることはできませんね」との衛生局の意向を受けて、遺族に誤投薬の可能性を説明したうえで病理解剖の承諾をとる方針に転換した。そして、病理解剖を担当した医師らからポラロイド写真や具体的事情を示されたうえで、誤投薬の事実はほとんど間違いがないとの報告を受けても、医療事故を警察に届け出なかった。対策会議の時点で、事故死の無視し得ない可能性の認識はおろか、事故死の原因が誤投薬である可能性が高い旨の認識を有しており、病理解剖の結果の報告を受けた以降は、事故死の原因が誤投薬であることはほぼ確実であるとの認識に達していた。したがって病院長には原因究明義務違反行為につき確定的故意が認められる主治医については、死亡後に死体検案し、医師法21条の届出義務があるうえに、主体的に原因を究明すべきであった。それにもかかわらず医療事故の可能性を示唆する形跡を残さないために、平成11年2月22日に至るまで死亡を警察に届け出なかった。カルテにも事故の可能性を示唆する形跡を残さないため、看護師が誤投薬の可能性を申告しているという重要な事実を記載しなかった。そして、診療中の患者が死亡した場合には医師法21条の届出義務がないとの考え方があったこと、遺族が病理解剖に承諾したら警察に届け出る必要はないとの考えのもと、原告ら遺族に事故の可能性を告げず、夫から薬物性ショックの可能性について問われても、一般論としてその可能性もある旨の返答をするにとどめたうえで、原告ら遺族から病理解剖の承諾書をとった。看護師の誤投薬の可能性について報告を受けた一方で、病死したとの説を支持するさしたる根拠はなかったにもかかわらず、対策会議においてことさら病死説を唱えたことから、可能な限り医療事故の可能性を打ち消そうとしていた3.死亡診断書について死亡直後の平成11年2月11日付け死亡診断書には死因を「不詳の死」と記載したが、誤投薬の事実が明らかになりつつあった以上、新たに作成する死亡診断書の死因は「外因死」と記載するか、前回同様不詳の死と記載すべきであった。ところが、平成11年3月11日に依頼された死亡診断書には、主治医、病院長、副院長と相談のうえで、死亡の種類欄に「病死および自然死」と虚偽の記載をすることで合意し、誤投薬の事実を原告ら遺族に伝えず、死亡診断書に医療機関の都合の良いように変更した虚偽の事実を記載した病院側(被告)の主張主治医の主張1.死亡後の行為に関する義務違反患者が死亡した場合には遺族に対し死亡の経過を説明すれば十分であり、死因解明を希望するか、希望するならどのような手段をとるかは遺族が任意に決めることであって、医療機関に死因解明に必要な措置を提案する法的義務は存しない。また、医療機関が医療事故を警察に届け出たとしても、捜査は犯罪の嫌疑を明らかにするためになされるものであり、遺族に対して死亡原因を究明するためのものではないから、医療機関の警察に対する医療事故届出義務を根拠に、遺族への説明義務を導き出すことはできないさらに、医療機関に警察への届出義務を課すのは、不利益なことを自らなすように法的に強制することであり、憲法が黙秘権を保障した趣旨に抵触するおそれがあることに加えて、人間の自然の情に反するものであって、同義務を課すとかえって事故防止のための情報の収集を阻害しかねない。仮に医療機関が、遺族に対する関係で医療事故を警察に届け出るとの法的義務と負うとしても、病院長は平成11年2月12日の昼前頃に遺族に対し、死亡原因としては心疾患などの疑いがある一方で、薬の取り違えの可能性もあること、死亡原因究明のために病院で病理解剖させて欲しいこと、もし遺族の側で病院が信用できないというのであれば警察に連絡したうえで監察医務院などで解剖を行う方法もあることを説明したうえで、遺族の承諾を得て病理解剖を実施し、臓器や血液を保存し、できる限り真相を究明することを目指して臓器および血液の組織学的検査や残留薬物検査を行うように病院職員らに指示した2.死亡診断書厚生労働省の講習会では、不詳の死は白骨死体の場合に限るという意見を聞いていたし、さらに不詳の死では保険金がおりないのではないかという心配や、血液の残留薬物検査などの警察の捜査の結果が出ておらず、事故死とも書けないと考えた。そして、最終的には、病理解剖で急性肺血栓塞栓症と診断されていたため、現段階では「病死および自然死」と記載するという方向で良いのではないかという意見に落ち着いたことに基づき、病院長の立場で主治医へその旨助言したにすぎない。診断書の作成は主治医の全権に属するから、院長の助言は単なる参考意見である主治医の主張1.死亡後の行為に関する義務違反医療事故が発生した場合には、医療現場は混乱し、医師または看護師のひとりが組織体と無関係に対応ないし行動すべきではなく、医療現場全体が組織として対応することが重要であって、警察への届出も病院長がすべきものである。本件医療事故は、病院という組織体が一体としてすべての対応をすることとなったので、具体的には警察への届出も病院長がすべきであった2.死亡診断書死亡診断書記載は、病院長らとの協議の結果指示を受けて記載したものであり、主治医は事実の隠ぺいなどを考えたわけではない。せめて遺族らによる保険金請求手続がスムーズに進むほうが良いと思って、死因の種類を「病死および自然死」と記載した裁判所の判断死亡自体に関する義務違反ヘパ生入りの注射器には「ヘパ生」と黒色マジックで記載されていたにもかかわらず、2本の注射器のうち、ヘパ生入り注射器における「ヘパ生」との記載を確認することなく、ヒビグル入り注射器であると誤信し、他方、もう1本のヒビグル入り注射器には「ヘパ生」との記載がないにもかかわらず、これをヘパ生入り注射器と誤信して病室に持参し、床頭台に置いたという注意義務違反が認められる。看護師は医師から投与を指示された薬剤を取り違えてはいけないという、いついかなる場合においても患者に対して怠ることを許されない義務があるにもかかわらず、きわめて初歩的な態様によってこの義務を怠ったものであるから、これは病院の看護および投薬システムに何らかの問題があったからこそ生じたものではなく、もっぱら看護師両名の個人的注意義務の懈怠によって生じたものである。死亡後の行為に関する義務違反診療契約の当事者である病院開設者としては、患者が死亡した場合には、具体的状況に応じて必要かつ可能な限度で死因を解明すべき義務があり、遺族から説明の求めがある以上、遺族に対し事案の具体的内容、保有する情報の内容などに応じて、死亡に至る事実経過や死因を説明すべき義務を、信義則上診療契約に付随する義務として負うと考えられる。病院長は対策会議の主催者であり、本件医療事故についての病院としての対応方針を決定するに当たり、大きな影響力を有していた。平成11年2月12日の対策会議において、看護師をはじめとする関係者から薬剤の取り違えの具体的可能性がある旨の話を聞き、いったんは医療事故を警察に届け出るとの方針に決めたにもかかわらず、衛生局の見解としては警察への届出を消極的に考えているものと解釈したうえで、方針を転換して本件医療事故を警察に届け出ないことに決定した。さらに同日病理解剖に協力した大学助教授から警察へ連絡することを提案されたにもかかわらず、これを受け入れずに病理解剖するよう指示し、右腕の静脈に沿った赤色色素沈着を撮影したポラロイド写真を示されたうえで薬物の誤注射によって死亡したことはほぼ間違いがないとの解剖の結果報告を受けたにもかかわらず、警察に届出をしないという判断を変えなかった。後日遺族から、病院のほうから警察に届け出ないのであれば自分で届け出るといわれ、ようやく2月22日警察に届け出た。このような経過から、病院長は解剖結果の報告を受けた段階で医療事故を警察に届け出なければならなくなったにもかかわらず、あえて同月22日まで届出をせず、死因解明義務を果たしたとはいえない。医師法21条が異状死体について届出義務を課していることからすれば、法は犯罪の疑いがある場合には、当該医療従事者が自ら死因を解明するのではなく、警察に死因の解明をゆだねるのが適切である。ここにいう警察への届出とは、「異状死体があったことの届出」に過ぎず、それ以上の報告が求められるものではないから、憲法38条1項において黙秘権が保障されている趣旨に抵触するとはいえない。主治医は死体を検案し、医師法21条の届出義務を負っていたのであるから、主体的に死因解明および説明義務を履行すべき立場にあった。看護師が薬剤を間違えて注入したかもしれないといっていることを知らされたうえ、症状が急変するような疾患などの心当たりがまったくなく、さらに死亡翌日に行われた病理解剖で死体の右腕の静脈に沿って赤い色素沈着がある異状を認めたのであるから、警察へ届け出る必要があった。ところが、漫然と病院の方針に従い、自ら警察へ届け出なかったのは死因解明義務違反にあたる。東京都原告(遺族)側、1億4,410万円の請求に対し、5,988万円の判決病院長原告(遺族)側、600万円の請求に対し、80万円の判決主治医原告(遺族)側、360万円の請求に対し、40万円の判決病院長平成15年5月19日東京高等裁判所において、医師法違反、虚偽有印公文書作成および同行使罪につき、懲役1年および罰金2万円(執行猶予3年)。主治医医師法違反の罪で罰金2万円の略式命令。厚生労働省医道審議会から3ヵ月の医業停止処分。担当看護師業務上過失致死罪で禁固1年(執行猶予3年)考察この事件は、医療ミスとしてはきわめてエポックメイキングな「横浜市大患者取り違え事故」からわずか1ヵ月後に発生し、その後はご存知のように、マスコミの医療ミス報道がますます過熱するようになりました。事故の内容は、消毒薬を間違えて静脈注射したというとてもショッキングな出来事であり、この事件を契機として、医療現場には透明の注射器以外に「色つきシリンジ」が急速に普及し始め、内服薬をはじめとする誤注射の頻度はかなり減少しました。もう1つの大事な教訓は、患者へ輸血や注射薬を投与した直後に容態急変した場合、できる限り同じルートから補液や救急薬品を注入してはならないということです。このケースでは静脈内に留置した持続点滴針から、抗菌薬の静脈投与を行っていて、注射が終わると点滴ルート内をヘパ生で満たしていました。その状況でヘパ生とヒビグルを間違えて注入したのですが、当初体内に入ったのは約1mLで、残りの9mLは点滴ルート内に止まっていました。そして、患者の容態が急変し輸液が必要ということで、同じルートを用いてソルデム3Aを接続したため、点滴ルート内に残っていた約9mLのヒビグルがすべて体内へ移行してしまいました。合計10mLものヒビグルが注入された結果、前腕皮静脈内に血栓が生じ、さらに急性肺血栓塞栓症へ発展して短時間で死亡に至りました。もし、異物が静注されたかもしれないということが早期に報告されていれば、既存の点滴ルートはすぐさま抜針され、別の静脈ルートを確保していたと思います。そうしていれば、もしかすると救命の余地がわずかながらも残されていたかもしれません。その次に問題となるのが、普段の診療ではあまり意識することのない「異状死体」の取り扱いです。医師法第21条では、「医師は異状死体を検案した場合、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない」と規定され、これに違反すると2万円の罰金が科せられます。そもそもこの法律がつくられた背景には、多くの遺体が死因を解明されないままにされるという実情があり、異状死体の届け出を契機として、殺人事件をはじめとする犯罪捜査の端緒にしようという目的がありました。これに対し日本法医学会は、「病死と考えられても、DOA(到着時死亡)や死因を確定するのが困難な場合には異状死体として取り扱う」という見解を示し、「異状死体」の概念をかなり広げてしまいました。その結果、前述した医師の「異状死体届出義務」が広い概念の「異状死体」とセットで議論されるようになり、医師が「合併症」による死亡と思っても、家族が不幸な結果を受け入れられず医療ミスを疑えば、ただちに警察が医療現場に介入する可能性があるという事態になっています。ところが、警察には医療内容を詳細に評価する知識や能力はありませんので、いたずらに医療関係者が捜査対象となってしまいます。しかも、医療機関が「医師法第21条」に沿って異状死体の届出をしたと思っても、警察の側では刑法第211条「業務上過失致死」の疑いで捜査を開始する可能性があり、医師や看護師が不当に「犯人扱い」されることも考えられます。本件では、死亡直後から消毒薬の誤注射が疑われていたので、あとから振り返れば死亡から24時間以内に異状死体として届け出なければならないケースでした。ところが、病院内の調整や都の衛生局との関係から届出をめぐって明確な方針が決まらず、死亡から11日後の通報となりました。それも、「病院が警察へ届けないのならば遺族が届ける」ということで、ようやく重い腰を上げたので、遺族の不信感は相当大きなものだったと思います。ところが、医師の側からみれば、消毒薬の誤注入が早い段階から疑われて当初は警察へ届けるつもりだったのに、死因を確定することはできなかったし、「病院自ら警察に届けると、ひいては職員を売ることになる」という心配から、病院幹部職員のコンセンサスとして届出を躊躇してしまったのも十分に理解できることです。また、これまでみたこともない異例の事故であっただけに、病院長、衛生局、主治医などの意見が錯綜し、警察署への届出のみならず死亡診断書の記載内容も不適切となってしまいました。さらに裁判過程でも、病院長は「届出義務は主治医に責任があり病院長はアドバイスしただけ」と主張する一方で、主治医は「病院長の方針に従っただけ」と発言するなど、身内同士の言い合いにまでなっています。そもそもこのケースは看護師による単純ミスであり、判決でも病院組織としての問題ではなく、看護師個人の問題を重視しました。つまり、行政処分を受けた病院長や主治医には明らかな医療ミスといえるほどの医療行為はまったくなかったと思います。問題とされた警察への届出についても、別に悪意があったために遅くなった訳ではなく、その間にも衛生局の職員と綿密な打ち合わせを行っていたし、大勢での意思決定であったといってもよいでしょう。それなのに、医師法第21条違反ということで病院長には実刑判決、主治医には3ヵ月もの医業停止処分が下ったのですから、こんな理不尽な結末はないといっても過言ではありません。もしこの事件の当事者となった場合には、おそらくほとんどの医師が同様の処罰を受けた可能性が高いと思います。なお、現状でも異状死体届出については混沌としているのに、日本外科学会から出された異状死体のガイドラインがさらに波紋を広げてしまいました。このガイドラインは、「重大な過失で障害が発生すれば届け出ること」を前提とし、「患者に同意を得た合併症であれば医師法第21条の対象外である」という内容です。これはよく考えると、外科学会のいうとおりに死亡直後は患者の同意を得て異状死体を届け出ず、24時間経過したあとの検証で実は合併症ではなかったというような症例は、事後的に医師法第21条違反として処罰される余地が残ることになってしまいます。さらに、異状死体届出の対象者は本来「死体検案医」であったのに、医師の高い倫理性を理由に「診療を行った医師自身」と別の基準も作ってしまいました。このため、ますます警察介入の範囲を拡大してしまうことになり、当初外科学会が想定した意図とは異なる方向へ進むことになりました。やはりここで重要なのは、少々極論となってしまうかもしれませんが、異状死体、あるいは患者の急死に際しては、一歩間違えると警察署への届出をめぐって「刑事事件」に発展しかねないので、自らの医師免許をかけるつもりで、対応を心がけなければならないということだと思います。だからといって、病院内の急死をすべて警察に届けるということではありません。なかには事前に予想された合併症で亡くなるようなケースも数多くありますし、医師の医療行為とはまったく関係なく死亡するような重篤例もあります。法律の知識に明るくないわれわれ医師にとって、警察へ届けるということは「自首する」と同じことだと思いがちですが、実際の運用場面ではけっしてそうではありません。ましてや、本件で問題となったように「警察へ届け出るのは職員を売ること」と短絡すべきものでもないと思います。この場合の明確な届出基準を提示するのは難しいと思いますが、本件のような消毒薬の誤注入など、争いようのない医療過誤の場合には必ず届出するべきでしょう。問題なのは、家族が急死という事実を受け入れがたい場合や、医師の立場で死因をはっきりと特定できない症例だと思います。そのような時には、「警察の見解を聞く」という考え方で所轄警察署に一報だけ入れておく、ということでも対応可能な場合があります。そうすると警察から「事件性はありますか」と質問されるようですから、医療行為に問題がないと考えられる時には「事件性はないと思います」と回答すると、警察のほうもむやみな介入はしないのが一般的なようです。そして、警察へ連絡を入れておいたこと(連絡した時間、医師の氏名、相手の警察官の氏名、連絡内容など)をカルテに記載しておくことによって、少なくとも医師法第21条の問題はクリアできるようにも思います。ただし、都道府県によっては対応が異なる場合がありますので、できれば病院内でどのようにするのかあらかじめ話し合っておく必要があるでしょう(たとえば東京都23区内の場合には、病院から警察へ異状死体の届出があると、必ず警部補以上の担当者が検視を行うと同時に、監察医務院の医師が死体検案に立ち会うという内規があるようです)。また、数々のストーカー事件などで初動捜査が遅れ、世論の非難を浴びたという苦い反省から、患者の遺族から告訴、告発があった場合には、警察は必ず捜査に着手するようです。この場合は刑法211条(業務上過失致死)を念頭においた捜査ですので、告訴・告発という最悪のかたちにならないように、医師からの事後説明をおろそかにせず、患者家族とのコミュニケーションを十分にはかる必要があると思います。整形外科

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糖尿病患者へのベスト降圧薬は?/BMJ

 糖尿病患者における腎保護効果はACE阻害薬のみで認められ、ARBがACE阻害薬と比べて良好な効果を示すというエビデンスはみつからなかったことが、台湾・亜東記念医院のHon-Yen Wu氏らによるシステマティックレビューとベイズネットワークメタ解析の結果、報告された。結果を踏まえて著者は「薬剤コストを考慮した場合、今回の知見において、糖尿病患者の降圧薬の第一選択はACE阻害薬とすることを支持するものであった。そして十分な降圧が得られない場合は、ACE阻害薬+Ca拮抗薬の併用療法とするのが好ましいだろう」と結論している。BMJ誌オンライン版2013年10月24日号掲載の報告より。単独・併用を含む降圧治療についてベイズネットワークメタ解析 コストを考慮しない場合、主要なガイドラインでは、糖尿病を有する高血圧患者の降圧薬の第一選択は、ACE阻害薬またはARBを提唱している。しかしこれまでACE阻害薬とARBを比較した臨床試験は稀有であり、糖尿病患者に関する両薬剤間の腎保護効果の差は不確定で、RA系阻害薬との併用療法の選択についてコンセンサスは得られていなかった。 研究グループは本検討で、糖尿病患者における異なるクラスの降圧薬治療(単独・併用含む)の、生存への影響および主要腎転帰への効果について評価することを目的とした。 PubMed、Medline、Scopus、Cochrane Libraryの電子データベースで2011年12月までに公表された文献を検索した。適格とした試験は、糖尿病高血圧患者を対象とし、追跡期間が12ヵ月以上の降圧治療(ACE阻害薬、ARB、α遮断薬、β遮断薬、Ca拮抗薬、利尿薬、およびこれらの併用)の無作為化試験で、全死因死亡、透析導入または血清クレアチニン濃度倍増を報告していたものとした。 ベイズネットワークメタ解析では、直接的および間接的エビデンスを組み合わせ、治療間の効果の相対的評価、および保護効果に基づく治療ランキングの見込みを算出した。死亡抑制の最善治療はACE阻害薬+Ca拮抗薬 解析には、63試験・3万6,917例が組み込まれた。死亡例は2,400例、透析導入は766例、血清クレアチニン濃度倍増報告例は1,099例だった。 血清クレアチニン濃度倍増について、プラセボとの比較で有意に減少したのは、ACE阻害薬のみであった(オッズ比[OR]:0.58、95%信頼区間[CI]:0.32~0.90)。治療戦略間の比較(ACE阻害薬vs. ARB)では有意差は示されなかったが、最善の治療である確率はACE阻害薬が最も高かった。 末期腎不全(ESRD)への降圧治療の効果については、その転帰に関して治療間の有意差はみられなかったが、ESRD発生を最も抑制したのはACE阻害薬であった(OR:0.71)。次いでわずかな差でARBが続いていた(OR:0.73)。 死亡率で有意差が示されたのは、β遮断薬のみであった(同:7.13、1.37~41.39)。 ACE阻害薬の薬効は必ずしも有意ではなかったが、3つのアウトカムについて一貫してARBよりも効果が優れることを示す高位の位置を占めていた。 プラセボと比較した死亡を抑制する最善の治療は、ACE阻害薬+Ca拮抗薬が、統計的有意差は示されなかったが最も高率(73.9%)であることが示された。次いで、ACE阻害薬+利尿薬(12.5%)、ACE阻害薬(2.0%)、Ca拮抗薬(1.2%)、そしてARB(0.4%)であった。

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第20回 診療ガイドライン その3:望まれる診療ガイドラインのかたち

■今回のテーマのポイント1.検察官には診療ガイドラインの「行間」を読むことはできない2.したがって、素人が読んでも理解できるようなガイドラインを作成することが肝要である3.システムエラー型であることを明記した事故報告書を作成しても、刑事訴追されるのがわが国の現状である。速やかにWHOドラフトガイドラインに即した事故調査制度に変更しなければならない事件の概要44歳女性(X)。乳がんと診断されたため、平成20年4月、左乳房部分切除術実施目的にてA病院に入院しました。手術当日午前8時55分。Xに対し、麻酔科医であるY医師が麻酔導入を行いました。その結果、Xは、人工呼吸器管理下に置かれ、自発呼吸のできない意識消失・鎮痛・筋弛緩状態となりました。Y医師は、Xに対する麻酔導入が終わり、バイタルサインも安定したことから、インチャージ(責任者)として別の手術室で後期研修医の麻酔導入を指導・補助するため、9時7分頃、手術室を出ました。なお、Y医師は、連絡用のPHSを携帯しており、手術室を出る際、看護師に対し、「インチャージのため退室するが、何かあったら知らせてほしい」と告げていました。9時15分頃、執刀医であるZ医師は、Y医師が不在のまま、看護師に手術台の高さおよび角度の調整をさせ、手術を開始しました。9時16分頃、Xに酸素を供給していた蛇管が麻酔器の取付口から脱落し、Xへの酸素供給が遮断されてしまいました。しかし、蛇管の脱落あるいはそれによるXの状態の異変に気が付く者はいませんでした。9時31分頃、看護師が、モニター上にSpO2の表示がないことに気付き、執刀医であるZ医師に伝えるとともに、PHSでその旨をY医師に伝えました。連絡を受けたY医師は、直ちに手術室に引き返したところ、蛇管が麻酔器から脱落しているのを発見しました。9時34分頃、直ちに用手換気に切り替えるなど応急措置を行いましたが、9時37分頃、Xは心肺停止となりました。Z医師や応援に駆け付けた医師らによる蘇生措置により、心拍の再開は得られたものの、Xには、低酸素脳症による高次脳機能障害および四肢不全麻痺が残ることとなりました。これに対し、横浜区検は、Y医師を「Xの身体の状態を目視するほか、同人に装着されたセンサー等により測定・表示された心拍数・血圧・酸素飽和度等を注視するなどの方法で同人の全身状態を絶え間なく看視し、異変があれば適切に対処すべき業務上の注意義務があるのにこれを怠り、同日午前9時7分頃、漫然と同室から退室して約27分間にわたって前記手術室を不在にし、その間、同人の全身状態を看視するなどせずに放置した過失により、Xに完治不能の低酸素脳症に基づく高次脳機能障害及び四肢不全麻痺の傷害を負わせた」として、起訴(刑事訴追)しました。事件の判決検察官は、(1)麻酔担当医である被告人は、Xに全身麻酔を施したことにより、Xを自発呼吸のできない意識消失・鎮痛・筋弛緩状態にしたのであるから、Xの生命維持のため、呼吸管理をするなどして、Xの全身状態を適切に維持・管理することが不可欠となった、(2)したがって、被告人には、Xの身体の状態を目視するほか、Xに装着されたセンサー等により測定・表示された心拍数等を注視するなどの方法で、Xの全身状態を絶え間なく看視すべき業務上の注意義務があると主張するので、これについて付言する。(1)の点は、一般論としては、全くそのとおりである。しかも、(1)でいう、患者の全身状態を適切に維持・管理することが、麻酔担当医の役割であることも、異論はない。ここまでは、弁護人も認めるところである。しかし、そうであるからといって、(2)のように、麻酔担当医が、常時、手術室にいて、患者の全身状態を絶え間なく看視すべきであるとして、具体的な注意義務を導くのは、余りにも論理が飛躍しているというほかない。(1)のような事情は、別に本件に特有のものではなく、他の全身麻酔が行われる場合にも、共通していえることである。それでは、我が国の麻酔担当医が、当該医療機関での職務の体制や患者の容態、麻酔や手術の進行状況を問わず、全身麻酔をした患者に対し、手術室にいて絶え間ない看視をしているかといえば、決してそうではない(少なくとも、そうであるとの立証は、本件では全くされていない。)。確かに、検察官が援用する日本麻酔科学会作成の「安全な麻酔のためのモニター指針」によると、麻酔中の患者の安全を維持確保するため、「現場に麻酔を担当する医師が居て、絶え間なく看視すること。」という指針の記載がある。しかし、このモニター指針は、モニタリングの整備を病院側に促進させようという目的から作成されたものであり、麻酔科学会として目標とする姿勢、望ましい姿勢を示すものと位置づけられている(甲医師証言)。すなわち、この指針に適合せず、絶え間ない看視をしなかったからといって、許容されないものになるという趣旨ではない。なお、乙医師及び丙医師は、麻酔科医は絶え間ない看視を行うべきであるとの見解を、証人として述べているが、これは、麻酔科医が専門家として追求すべき手術中の役割は何かといった観点からの見解であって、我が国での麻酔科医の実情を述べるものではない。以上みてきたところによると、手術室不在という被告人の行動は、その不在時間の長さ(手術室に戻るまでに約27分間、蛇管が外れたときまででも、約9分間)からして、インチャージの担当として後期研修医の指導・補助をしていたという事情があったとはいえ、いささか長過ぎたのではないかとの問題がなくはないが、被告人の置かれた具体的状況、更には当時の我が国の医療水準等を踏まえてみたとき、刑事罰を科さなければならないほどに許容されない問題性があったとは、到底いいがたい。したがって、本件事故について、被告人には、検察官が主張するような、常時在室してBの全身状態を絶え間なく看視すべき業務上の注意義務を認めることはできない。以上のとおりであるから、被告人には、本件事故について過失は認められないから、本件公訴事実については、犯罪の証明がないことに帰着し、刑訴法336条により、被告人には無罪の言渡しをする。(*判決文中、下線は筆者による加筆)(横浜地判平成25年9月17日)ポイント解説予定では、各論の4回目となるところでしたが、診療ガイドラインに関する重要な判決が出ましたので、今回は「診療ガイドライン その3」として紹介させていただきます。本事例では、日本麻酔科学会が作成した「安全な麻酔のためのモニター指針」に、麻酔中の患者の安全を維持確保するため、「現場に麻酔を担当する医師が居て、絶え間なく看視すること」と記載されていたことから、検察は、Y医師を刑事訴追したものと考えられます。しかしながら、判決にも記載されているように、医師不足が問題となっているわが国の医療現場において、同ガイドラインが勧告する「麻酔科医が絶え間なく看視すること」をすべての医療機関・手術室において実施することが不可能であることはご存じのとおりです。したがって、少しでも医療現場を知っている者が本ガイドラインを読めば、このガイドラインが述べているのは「あるべき理想的な姿」であって、将来的にそれに近づくことが望まれるものの、現在の医療現場においてそれを義務づけると、行える手術件数が著しく低下する結果、手術が受けられず死亡する患者が多数生じてしまうことから、現状における本ガイドラインの記載は、あくまで「目標」、「道標」に過ぎないと読み取ることができます。ですが、検察は、医療の素人ですし、医療現場を知りませんので、この医療従事者ならば当然把握できる「行間」を読むことができません。その結果、検察は、本ガイドラインの字面だけを捉え、Y医師を刑事訴追してしまったのです。裁判の結果、Y医師は無罪となりましたが、裁判中のY医師の心労は計り知れないものであったと思われます。このような不幸な事態が生じないよう、ガイドラインの作成に当たっては、その記載内容が医療従事者以外の者、特に検察官、弁護士に読まれることを十分に意識して作成する必要があるといえます。なお、報道によると、「毛利晴光裁判長は、言い渡しの後、『捜査が十分ではないのに起訴した疑いが残る。このような捜査処理がないことを望む』と検察側に注文をつけた」(読売新聞 2013年9月17日)と報道されており、現在でも裁判所が、医療現場に対する刑事司法の介入に謙抑的な姿勢を持っていることがうかがえます。本事例では、院内事故調査が行われ、事故調査報告書が公表されています。平成20年12月に作成された事故調査報告書では、「7.再発防止に向けた提言」において、1麻酔科医、外科医、看護師間の役割分担、連携が十分でなかったこと。さらに、麻酔科医不在時における全身管理の取り決めがないこと2麻酔器及び生体情報モニターに関する教育が不足していたこと3医師は経験を優先し、マニュアル等を重要視しないことがあること以上3つの根本原因を前提に、次のとおり再発防止策を提言する。と示しており、「8.終わりに」において、「今回の事故は、技術の巧拙の問題ではなく、それぞれの職種間あるいは個人の間の連携や意思疎通が十分でなかったこと、麻酔器モニターなど機器への慣れや過信等が根本的な原因であると考え、再発防止策を提言した。今後、病院をあげてこうした取組を進め、安全で安心な医療を確立しなければならない。特に医師は、指針やマニュアルが継続して遵守され、質の高い医療を提供していくよう、その中心となって取り組むよう要請する」と示し、本事例は、システムエラー型の事案であり、誰か特定の個人の責任に帰せしめることは適当ではない旨を示していたものの、残念ながら刑事訴追がなされてしまいました。本事故調査報告書に記載されているように、今後、同種事例が発生しないためにも、医療機関において改善すべき点はいくつもあります。したがって、本事例は広く知識として共有されるべきものと思われます。しかしながら、当事者が正直に話した結果、刑事訴追されるとすれば、だれも事故調査において正直に話せなくなってしまいます。本事例のような事故調査報告書の記載でも、刑事訴追がなされるのであれば、現状の事故調査システム自体に欠陥があると言わざるを得ません。「WHO draft guidelines for adverse event reporting and learning systems」にも明記されているとおり、報告制度によって処罰されないこと(non-punitive)、そのためには情報が秘匿(confidential)されなければならないことという世界標準に沿った事故調査システムが、速やかに構築されなければいけません。裁判例のリンク次のサイトでさらに詳しい裁判の内容がご覧いただけます。(出現順)横浜地判平成25年9月17日

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医師の間でもタブレットの利用者急増 4人に1人はスマホと両方所持

 NTTドコモのiPhone参入で戦いが激しくなってきたスマートフォン市場。タブレット型端末も各社が新製品を投入して活況を呈しているかにみえるが、実際にどのくらいの医師が、スマートデバイスを所有しているのか。ケアネットは10月31日、ケアネット・ドットコム医師会員1,000人に対して実施したスマートデバイスの利用状況の調査結果を発表した。電子カルテや遠隔画像診断など、医療分野でもICT化が進むなかで、医師のスマートデバイスの利用状況に変化があったのか、2011年、2012年に実施した調査結果と比較して報告する。 アンケートは10月18日にインターネット上で行った。主な結果は以下のとおり。 全体ではスマホ・タブレットのいずれかを所有している医師が37.9%、いずれも所有していない医師が35.4%、両方所有していると答えた医師は26.7%となり、医師の4人に1人がスマホとタブレットを両方所有しているという結果になった。 スマホの所有率は、医師全体では、2012年の調査から9ポイント増えて47.6%となり、年代別では、30代以下が前年の調査から6ポイント増えて60.2%、40代が12.3ポイント増えて54.8%、50代が9.6ポイント増えて38%、60代以上が4.8ポイント増えて30.6%となった。若い世代だけでなく、40代、50代の世代でもスマホが普及している様子が見受けられた。 今回の調査では、タブレット所有率の急増が顕著に見られた。医師全体では、2012年の調査から14.5ポイント増えて43.7%となり、年代別では、30代以下が前年の調査から16.7ポイント増えて48%、40代が14.1ポイント増えて46.3%、50代が14.7ポイント増えて39.1%、60代以上が12.6ポイント増えて41.8%となり、年代を問わずにタブレットの所有率が急増していることがわかった。 医師が所有しているスマホのOSを尋ねたところ、iOSが55.3%、Androidが45.4%と、iOSが過半数を超える結果となった。MM総研が発表した一般市場のスマホOSのシェア※は、Androidが63%、iOSが35.6%と、Androidが過半数を超えているだけに、医師の中では未だiOSが根強い人気を誇っていることがわかった。また、医師の所有するタブレットのOSは、iOSが76.7%、Androidが25.9%となっており、iOSが圧倒的に強い結果となった。 所有者に対し医療での用途を聞いたところ、スマホで最も多かったのは「医学・医療関連のニュース閲覧」で37.2%。タブレットで最も多かったのは、「医学・医療に関する書籍・論文閲覧」で46.9%であった。コメントでは、「新薬や検査の種類が多く、ガイドラインも増えたため、iPadやiPhoneに頼らざるを得ない」「学会の重い抄録集がアプリになったので便利」「パソコンを開けない外来の合間に情報を収集できる」「動画を見せながら患者に説明でき、理解を得やすくなった」「分娩監視装置がリアルタイムで見ることができる」など、医師ならではの活用方法が寄せられた。 また、スマートデバイスを所持することでライフスタイルで変化した点や利用方法、所持していない理由など、寄せられたコメントや意見もあわせて公開した。医師の4割がタブレットを所有、年代を問わず利用者が急増!

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統合失調症の再発、どう定義とすべきか

 統合失調症の再発は、症状悪化、機能障害、認知機能やQOLの低下など破壊的な影響をもたらす。それらの漸進的な低下は、患者や家族に多大な負荷を与える。そのため、再発予防は治療において最も重要なポイントのひとつとされているが、広く定義された再発の基準はなく、再発予防を達成することは困難とされている。スペイン・ビゴ大学病院のJose M Olivares氏らは、統合失調症再発の定義と再発のリスク因子を特定することを目的に、システマティックレビューを行った。その結果、「入院」が、再発の報告として最も頻度が高く有用であることを報告した。また、再発リスクを増大する因子として、抗精神病薬服用のアドヒアランス不良やストレス/ 抑うつ症状、依存症などがあるとしている。Annals of General Psychiatry誌オンライン版2013年10月23日号の掲載報告。 研究グループは、文献レビューによって、再発の報告が何をもってなされているかを調べ、また入院が再発を定義する因子として有効であるかを調べた。本検討における主要な目的は、観察的または自然主義的状態で、再発を特定する際に用いられていた手法の頻度と妥当性を評価することであった。第2の目的は、再発リスクの予測または影響を及ぼした因子が何かを明らかにすることであった。文献は、PubMedデータベースを用いて検索し、国および国際レベルのガイドラインもレビューの対象とした。 主な結果は以下のとおり。・検索にて選定された150本の公表論文およびガイドラインのうち、87本が再発定義について述べていた。またそのうち54本(62%)の論文が入院について検討していた。・54本の論文において56症例について再発の定義を検討しており、その半数以上(55%)において、入院を再発定義の指標として、あるいは再発定義の一要因として用いていた。・ただし、入院の期間・タイプはさまざまで、明確に定義することはできなかった。・再発を定義する尺度は、53症例において特定され、10種の異なる尺度が用いられていた。ただし同一の定義において、複数の尺度が用いられていることが多かった。・再発につながる因子についての言及は95件みつかった。そのうち21件が抗精神病薬服用のアドヒアランス不良を、11件はストレス/抑うつ症を、9件は依存症であった。・公表論文25本が、抗精神病薬治療の再発率低下について検討し、継続的な抗精神病薬治療が入院の頻度の低下および期間短縮と関連していたことを報告していた。・非薬物治療(精神療法、認知行動療法など)も概して、再発を減らす因子として報告されていた。・著者は「本レビューにおいて、再発を特定する多数の因子が特定された。自然主義的な状況では、再発の定義に用いられていたのは入院が最も頻度が高く、有用であると思われる。また、再発リスクを増大するいくつかの因子が報告されており、それらを観察することがリスクのある患者を特定するのに役立つ可能性がある」とまとめている。関連医療ニュース 統合失調症の再入院、救急受診を減らすには 統合失調症“再発”の危険因子は? 統合失調症の寛解予測因子は初発時の認知機能

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個人情報保護

個人情報保護方針個人情報保護規程個人情報保護方針株式会社ケアネット 代表取締役社長 藤井 勝博株式会社ケアネット(以下、「ケアネット」といいます。)は、社員の個人情報を安全に管理することに加え、当社の基幹事業であるインターネットを媒介にした医療情報提供サービスを実施する上でお客様の個人情報に関する管理が重大であると認識し、以下の目的を実現する為に基本方針を制定し、全社員に周知徹底します。1. 個人情報の収集・利用および提供について個人情報の収集は、目的を明確にし、その目的達成に必要な限度において適法かつ公正な手段を用います。又、個人情報の利用および提供は、法令に基づき、事前に明確にした目的の範囲内で行うものとし、ケアネットは、目的外利用を行わないための措置を講じます。2. 開示、訂正請求等への対応についてケアネットは、当社の保有する個人情報のうち、当社が開示等の権限を有するもの(以下「保有個人データ」といいます。)について本人から開示の要求があった場合は、合理的な期間、妥当な範囲内で対応致します。また、個人情報に誤りや変更があり、本人から訂正等の要求があった場合は、合理的な期間、必要な範囲内で対応致します。3. 安全対策の実施についてケアネットは、個人データの正確性および安全性を確保するために、情報セキュリティ対策をはじめとする個人データ(当社が取得し、又は所得しようとしている個人情報であって、当社が個人データとして取扱うことを予定しているものを含む)の安全対策を実施し、不正アクセス、または紛失、破壊、改ざん、漏えい等を確実に防止します。尚、内部監査の結果、セキュリティ事故の実例およびお客様や社内からの要望等により改善が必要とされたときには、速やかにこれを是正します。4. 法令・規範の遵守についてケアネットは、個人情報の取り扱いにおいて個人情報の保護に適用される法令、国が定める指針その他の規範を遵守します。また、ケアネットの個人情報保護マネジメントシステムを、これらの法令、国が定める指針その他の規範に適合させます。5. 個人情報保護・管理の継続的改善ケアネットは、個人情報のために策定された個人情報保護マネジメントシステムの有効性を保つため、定期的な内部監査や代表取締役社長による個人情報保護マネジメントシステムの見直しの機会を通じて、個人情報保護マネジメントシステムを継続的に改善し、常に最良の状態を維持します。6. 個人情報に関する苦情または相談についてケアネットは、お客様からお預かりしている個人情報の取扱、管理体制に関するお客様からの苦情、相談について適切に対応し、確実に是正処置を講じていきます。2004年03月01日 策定2006年12月01日 改定2011年04月25日 改定2014年08月07日 改定2015年01月13日 改定2015年03月09日 改定2017年03月01日 改定2024年04月01日 改定個人情報保護規程1. 収集する個人情報についてケアネットでは、医療情報の提供、商品のお届け、本人確認またはご請求等のために、皆さまから以下の情報を収集することがあります。お名前ご住所生年月日性別診療科目勤務先の情報電子メールアドレス電話番号およびファックス番号その他CareNet.com(ケアネット・ドットコム)会員規約に基づき収集する個人情報株主情報監視カメラ・防犯カメラの映像なお、ケアネットは、収集した個人情報につき、公知・公用の情報または公正に取得した情報により変更を知り得たときは、皆さまへの事前の通知なくして、これを変更することができるものとします。また、ケアネットが提供する各種サービスに必要な個人情報の全部または一部をご提供いただけない場合は、各種サービスのご利用をお断りする場合がございます。2. 個人情報の利用目的についてケアネットでは、皆さまの個人情報を以下の目的で利用いたします。(1)サービス利用者の皆さまの個人情報医療情報の提供アンケート調査ケアネットおよびグループ会社の商品やサービスに関するご案内および資料請求への対応ケアネットが運営する各種会員制サービスの提供ケアネットが提供する各種会員制サービスにおける映像コンテンツの提供ケアネットが提供する各種会員制サービスにおける会員ポイントプログラムの管理ケアネットが提供する各種会員制サービス利用料の請求ケアネットが提供する各種会員制サービス内で購入した商品の発送処理ケアネットの商品やサービス開発のための調査・分析ケアネットの提携企業や団体における支払い等の確認法令に許容されている範囲および手段での広告・宣伝・マーケティング等の施策の実施(2)お問い合わせをいただいた皆さまの個人情報各種お問い合わせへの対応(3)取引先の皆さまの個人情報取引等に関する連絡取引開始に必要な事項の確認および取引に関する支払い、その他取引に必要な管理オフィスに来社された場合の監視カメラ・防犯カメラ等による防犯、安全管理(4)株主の皆さまの個人情報会社法等法令に基づく株主の権利行使に対する義務の履行株主としての地位に対する各種便宜の供与会社法等法令に基づく株主管理各種株主施策の実施(5)採用応募者の皆さまの個人情報求人に関する情報提供およびお問い合わせに対する回答面接日時の連絡および選考結果の通知採用選考(6)従業者等の皆さまの個人情報通常の業務および連絡等人事関連業務福利厚生の提供給与支給ならびに源泉徴収手続きおよび社会保険業務健康管理ならびに適正な就業環境の確保および労働時間管理業務上必要な連絡法律上必要な諸手続き3. 個人情報の第三者への提供について(1)ケアネットは、皆さまの事前の同意がある場合、法令に基づく場合、必要な範囲内で個人情報を委託する場合および下記(3)または(4)に該当する場合を除き、皆さまの個人情報を第三者に提供することはありません。(2)ケアネットは、より良いサービスを提供するために、ケアネットが提供するサービスの運営サポート等、利用目的の達成に必要な範囲において、皆さまの個人情報の取扱いを委託する場合があります。皆さまの個人情報を委託する場合、当該委託先は「個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)」その他の関連法令および「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」(以下、総称して「個人情報保護法令等」といいます。)を遵守し、組織的、人的、物理的および技術的な安全管理措置を講じている組織であることを、ケアネットが確認した企業に限るものとし、また、ケアネットは、事前に当該委託先との間で秘密保持義務および個人情報保護義務に係る契約を締結します。(3)ケアネットは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)その他の規制当局および製薬企業等(以下「規制当局等」といいます。)の要求に従い、医薬品医療機器法第68条の10に定める報告義務の対象となる副作用その他の有害事象に係る情報の提供者の個人情報(お名前、勤務先の情報、電話番号、電子メールアドレス等)を開示・提供できるものとします。(4)ケアネットは、医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者や医療機関勤務者(以下「医師等」といいます。)の情報を必要としている下記提供先に対し、以下に定めるところに従い、医師等に関する後記情報を提供します。当該情報で識別できるご本人は、後記6)に定めるところにより、第三者への提供を行わないよう請求することができ、当社は当該請求に応じるものとします。1)個人データ(当社が取得し、または取得しようとしている個人情報であって、当社が個人データとして取扱うことを予定しているものを含みます)の提供先a.当社サービスまたは当社関連会社の提供するサービスを利用する者であって、医薬品、再生医療等製品もしくは医療機器の製造業、販売業、輸入業もしくは賃貸業を営む者または医療機関その他ヘルスケア、医療関係事業を現に営む者b.aの事業に参入することを予定する者c.医師等の職業紹介事業もしくは労働者派遣業を現に営みまたは営むことを予定する者d.当社有価証券報告書に記載された当社企業集団に属する会社e.当社と契約を締結した広告配信サービス等を提供する提携会社(提携会社には、以下の企業が含まれます。)及びそれらの子会社・関連会社Google LLC(アメリカ合衆国)Meta Platforms, Inc.(アメリカ合衆国)X Corp.(アメリカ合衆国)LINEヤフー株式会社2)第三者に提供される個人データの項目a.氏名b.性別c.医療従事者識別番号・識別コードd.診療科目e.専門医・指導医・認定医等の保有資格、肩書、学位f.執筆論文・書籍等の文献情報g.講演・発表に関する事項の情報h.研究・試験(治験を含む)に関する事項(実施者名、参加研究・試験名等)i.所属学会名j.勤務先情報(住所、電話番号、所属部課・診療科、肩書等)その他会員登録などの際に登録のコンタクト情報(電子メール、希望連絡先電話番号など)k.勤務先識別番号・識別コードl.外来担当情報m.文献情報に記載している病名・臓器等の医療専門領域n.学歴・経歴o.医師登録年p.論文等の公表情報を分析して得られた情報q.インターネットその他のメディアでの公開情報を分析して得られた情報r.アンケートの回答その他アンケートで得られた情報3)第三者に提供される個人データの取得の方法a.インターネット上で公開されている情報の閲覧またはダウンロードによる取得b.新聞、雑誌、書籍または動画の閲覧による取得c.厚生労働省(地方厚生局、都道府県労働局を含みます)その他国または地方公共団体の公開情報からの取得d.当社が自らまたは第三者に委託して実施するアンケートまたは当社のサービスの提供に関連して当社が当該サービスに関する規程・約款に基づき皆さまからの同意を得た上で直接取得4)第三者に提供される個人データの更新取得した情報に基づきデータベースを作成し、新たに情報を取得した場合は、既存の情報と新たに取得した情報を比較の上でデータベースの情報を更新します。5)第三者への提供方法a.当社ウェブサイトに掲載b.電子メール添付、クラウドストレージやファイル転送システムを用いた送信、データ授受のために指定されたサーバーへの格納等、インターネットや電磁的方法を用いた提供(提供形式は、txt/csv/tsv形式等の電子ファイル等)c.外部記録媒体形式(CD-R、DVD-RおよびUSBメモリ)での交付d.印刷物での提供6)第三者提供の停止の求めを受け付ける方法以下に宛てた郵送または電子メールによるものとします。郵送の場合〒102-0071東京都千代田区富士見一丁目8番19号 住友不動産千代田富士見ビルケアネット カスタマーセンター(オプトアウト係)電子メールの場合ケアネット カスタマーセンターoptout@carenet.co.jp7)第三者提供開始日2022年11月1日4. 共同利用について(1)ケアネットは、株式会社日本アルトマークが管理するメディカルデータベース(以下、略称「MDB」といいます。)について、製薬企業を中心とした医療・福祉・保健等の分野に限定した会員企業(以下「会員企業」といいます。)と共同利用いたします。共同して利用する個人データの項目、共同して利用する者の範囲および利用する者の利用目的等については、株式会社日本アルトマークのウェブサイト(https://www.ultmarc.co.jp/privacy/shared_use/index.html)をご参照ください。【共同利用する個人データの管理について責任を有する者の名称】株式会社日本アルトマーク詳細は下記ウェブサイトをご参照ください。https://www.ultmarc.co.jp/privacy/shared_use/index.html【共同利用する個人データの取得方法】専用のネットワーク回線を通じて取得(2)ケアネットは、皆さまの個人情報を、当社グループ企業の間で共同利用いたします。【共同利用する個人情報】お名前ご住所生年月日性別診療科目勤務先の情報電子メールアドレス電話番号およびファックス番号その他CareNet.com(ケアネット・ドットコム)会員規約に基づき収集する個人情報CareNet.com上でのサイト内閲覧情報など行動履歴【共同して利用する者の範囲】株式会社ケアネットワークスデザイン、その他ケアネットが株式・持分の過半数以上を保有する企業と共同して利用いたします。【利用する者の利用目的】お問い合わせ等への適切な対応サービスの提供に必要な情報の収集・検討サービス開発のための調査・分析文書等による求人情報に関するサービス提供職業紹介で応募を希望する求人先への応募情報の提供職業紹介で求職者に開示の許諾を得た業務提携先への提供法令に許容されている範囲および手段での広告・宣伝・マーケティング等の施策の実施【共同利用する個人データの管理について責任を有する者の名称】〒102-0071 東京都千代田区富士見一丁目8番19号 住友不動産千代田富士見ビル株式会社ケアネット代表取締役社長 藤井 勝博【共同利用する個人データの取得方法】書面またはメール等電子的方法により取得します。5. 匿名加工情報についてケアネットは、特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって、当該個人情報を復元することができないようにしたもの(以下「匿名加工情報」といいます。)を作成したときは、個人情報保護法令等に従い、当該匿名加工情報に含まれる個人に関する項目を公表します。また、ケアネットは、匿名加工情報の作成に際しては個人情報保護法令等で定める基準に従うものとし、作成した匿名加工情報を、元の個人情報に係る本人を識別する目的で他の情報と照合いたしません。なお、ケアネットが作成した匿名加工情報を第三者に提供する場合は、個人情報保護法令等に従い、当該匿名加工情報に含まれる個人に関する情報の項目および提供の方法を公表するとともに、当該第三者に対して、提供に係る情報が匿名加工情報である旨を明示します。6. 仮名加工情報についてケアネットは、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように加工することで得られる個人に関する情報(以下「仮名加工情報」といいます。)を作成したときは、個人情報保護法令等に従い、当該仮名加工情報の利用目的を公表します。7. 端末情報やクッキー等の利用についてケアネットは、管理運営するウェブサイトのアクセスログに記録された利用者の皆さまのIPアドレスや、オペレーティングシステム、ブラウザ、リファラ等の端末情報(以下「端末情報等」といいます。)を、主に以下の目的で利用します。サーバーで発生した問題の原因を突き止め、解決するためウェブサイト管理のためケアネットは、クッキーやウェブビーコン、その他技術(以下、総称して「クッキー等」といいます。)を使用することがあります。クッキー等は、ウェブサイトが利用者のブラウザに送信する小規模の情報で、利用者の接続端末にファイルとして格納されることもあります。クッキー等の使用により、ウェブサイトは利用者がどのページを訪れたか等の個人関連情報を収集し、記録できます。ケアネットは、以下の目的でクッキー等を使用します。利用者の皆さまがウェブサイトにアクセスする際に、毎回パスワードを入力しなくても済むようにするため利用者の皆さまのアクセス状況を把握するため利用者の皆さまの閲覧履歴や購買履歴等の情報を分析して、ケアネットや第三者の商品に関する広告をウェブサイト内およびその他広告媒体において提供するため利用者の皆さまは、ブラウザの設定を変更することによって、クッキー等の受け取りを拒否したり、クッキー等を受け取ったときに警告を表示させたりすることができます。ただし、すべてのクッキー等を拒否する設定にした場合、サービスの利用上制限を受けることがあります。端末情報等やクッキー等、その他ケアネットの取得した情報が個人関連情報に該当する場合、利用者の皆さまからの同意なくして、それらの情報を第三者に提供することはありません。【アクセス状況の把握について】ケアネットは、利用者の皆さまのアクセス状況を把握するために、Google LLC(以下「Google」といいます。)のサービス『Google 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SNSの「ボタン」等の設置に係る留意事項https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/sns_button/なお、各SNSのプライバシーポリシー等は、各運営会社のウェブサイトでご確認ください。8. 保有個人データその他個人情報に関するお問い合わせへの対応ケアネットは、保有個人データその他個人情報について、皆さまから(1)利用目的の通知、開示、内容の訂正、追加もしくは削除(以下「訂正等」といいます。)、利用の停止、消去もしくは第三者提供の停止(以下「利用停止等」といいます。)、または(2)第三者に提供し、もしくは提供を受ける際の記録の開示(以下「開示等」といいます。)のお申し出があった場合は、遅滞なく調査を行い、適切に対応いたします。開示等のお求めは、下記お問い合わせ窓口にお申し出ください。※電磁的手続きによる開示等をご希望の場合には、その旨を下記お問い合わせ窓口まで個別にお申し出ください。【お問い合わせ窓口】【手数料】以下のお申し出への対応にあたっては、500円の手数料をいただいております。個人情報の利用目的の通知個人情報の開示第三者提供記録の開示訂正等および利用停止等につきましては、手数料は不要です。【必要書類】(ご本人による開示等のご請求の場合)開示等のお申し出をいただいた後、下記いずれかの写しを郵送にてご提出いただきます。利用目的の通知、保有個人データまたは第三者提供記録の開示のお申し出をいただく場合のご郵送の際は、500円分の郵便切手または定額小為替証書をご同封ください。運転免許証各種健康保険証各種年金手帳各種福祉手帳住民票旅券(パスポート)在留カード、特別永住者証明書印鑑証明書(代理人による開示等のご請求の場合)前号の確認書類に加えて、代理人本人であることを確認できる書類(戸籍全部事項証明書の写し、住民票の写し、成年後見人等の権限の範囲の記載のある登記事項証明書)を郵送にてご提出いただきます。※各書類に含まれる本籍地情報は都道府県までとし、それ以降の情報には黒塗り等の処理をしてください。※各書類は個人番号を含まないものをお送りいただくか、全桁に黒塗り等の処理をしてください。代理人が利用目的の通知、保有個人データまたは第三者提供記録の開示をお申し出いただく場合の郵送の際は、500円分の郵便切手または定額小為替証書をご同封ください。【お申し出への対応について】お受けした開示等のお申し出については、出来るだけ早く対応いたしますが、事情により遅れることがございます。※開示請求の電磁的記録による提供をご希望の場合は、個別にお問い合わせください。 また、以下の場合、開示等のお申し出に応じられない場合がございます。その際は、その旨と理由を通知いたします。ご本人確認ができない場合代理人によるご請求の場合で、代理人であることが確認できない場合ご提出書類に不備がある場合開示等の求めの対象が「保有個人データ」でない場合ご本人または第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害する恐れがある場合当社の業務に著しい支障を及ぼす恐れのある場合その他法令に違反する場合【お問い合わせ先】ケアネットにおける、保有個人データその他個人情報の取扱いに関するご意見、ご質問等は前述のお問い合わせ窓口までお寄せください。ケアネットは、会員等から当社の個人情報の取扱いについて苦情のお申し出を受けた場合、適切かつ迅速に対応するものといたします。9. 安全管理措置に関する基本的な考え方ケアネットは、個人データを取扱うにあたり、個人データを安全に管理するため、以下のような措置を適切に実施するよう努めます。(1)基本方針の策定個人データの適正な取扱いの確保のため、「法令・規範等の遵守」、「苦情・相談窓口」等に関する個人情報保護方針/個人情報保護規程を策定しています。(2)個人データの取扱いに係る規律の整備取得、利用、保存、提供、削除・廃棄等の取扱い方法、責任者・担当者等について規定を策定しています。(3)組織的安全管理措置個人データの取扱いに関する責任者(以下「責任者」といいます。)を設置するとともに、個人データを取扱う従業者および当該従業者が取扱う個人データの範囲を明確化し、個人情報保護法令等や当社規程に違反している事実または兆候を把握した場合の責任者への報告連絡体制を整備しています。個人データの取扱い状況について、他部署や外部の者による監査を実施しています。(4)人的安全管理措置個人データの取扱いに関する留意事項について、従業者に定期的な研修を実施しています。個人データについての秘密保持に関する事項を就業規則に記載しています。(5)物理的安全管理措置個人データを取扱うことのできる従業者および本人以外が容易に個人データを閲覧できないよう措置を実施しています。個人データを取扱う機器、電子媒体および書類等を持ち運ぶ場合、事業所内の移動を含め、容易に個人データが判明しないよう措置を実施しています。(6)技術的安全管理措置アクセス制御を実施して、担当者および取扱う個人情報データベース等の範囲を限定しています。個人データを取扱う情報システムを外部からの不正アクセスまたは不正ソフトウェアから保護する仕組みを導入しています。(7)外的環境の把握個人情報を外国に保存する、または外国にある第三者に提供する等、外国で取扱う場合には、各国の個人情報の保護に関する制度を把握して適切な措置を講じます。10. 従業者等の個人情報の取扱いについてケアネットは、従業者および退職者の個人情報については、「従業者等の個人情報の取扱いについて」(https://www.carenet.co.jp/.assets/jugyouin_230801.pdf)、採用応募者の個人情報については、「採用応募者の個人情報の取扱いについて」(https://hrmos.co/pages/1760535597133414400/treatment)のとおり、取扱うものとします。11. 個人情報保護管理者についてケアネットが管理運営するウェブサイトでご提供いただいた個人情報の保護管理者への連絡・お問い合わせ等は、以下の、【お問い合わせ窓口】で承ります。【お問い合わせ窓口】2004年03月01日 策定2006年12月01日 改定2011年04月25日 改定2014年08月07日 改定2015年01月13日 改定2015年03月09日 改定2015年04月01日 改定2015年09月01日 改定2015年10月01日 改定2016年07月01日 改定2017年03月01日 改定2017年09月01日 改定2017年12月08日 改定2018年03月01日 改定2018年07月01日 改定2019年04月01日 改定2019年08月01日 改定2020年04月01日 改定2020年10月15日 改定2021年02月01日 改定2022年02月01日 改定2022年03月01日 改定2022年04月01日 改定2022年10月20日 改定2023年03月03日 改定2023年08月01日 改定2023年10月16日 改定2024年03月01日 改定2024年04月01日 改定2024年05月01日 改定2025年03月10日 改定2025年06月02日 改定※プライバシーマークについてケアネットは、「プライバシーマーク」付与事業者です。認定番号:第10820369号

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医師の4割がタブレットを所有、年代を問わず利用者が急増!

NTTドコモのiPhone®参入で戦いが激しくなってきたスマートフォン(以下、スマホ)市場。タブレット型端末(以下、タブレット)も各社が新製品を投入して活況を呈しているかにみえます。しかし、実際にどのくらいの医師が、スマートデバイスを所有しているのでしょうか?2010年、2011年、2012年に続き、今年も医師のスマートデバイスの利用状況について調査しました。お隣の先生がどのようにスマートデバイスを使っているのか?その活用方法が見え隠れするフリーコメントもぜひチェックしてみてください。コメントはこちら結果概要医師の4人に1人がスマホとタブレットを両方所有全体ではスマホ・タブレットのいずれかを所有している医師が37.9%、いずれも所有していない医師が35.4%、両方所有していると答えた医師は26.7%となり、医師の4人に1人がスマホとタブレットを両方所有しているという結果になった。40代50代を中心にスマホへの移行が進むスマホの所有率は、医師全体では、2012年の調査から9ポイント増えて47.6%となり、年代別では、30代以下が前年の調査から6ポイント増えて60.2%、40代が12.3ポイント増えて54.8%、50代が9.6ポイント増えて38%、60代以上が4.8ポイント増えて30.6%となった。若い世代だけでなく40代50代の世代でもスマホが普及している様子が見受けられた。年代を問わずタブレットの所有率が急増今回の調査では、タブレット所有率の急増が顕著に見られた。医師全体では、2012年の調査から14.5ポイント増えて43.7%となり、年代別では、30代以下が前年の調査から16.7ポイント増えて48%、40代が14.1ポイント増えて46.3%、50代が14.7ポイント増えて39.1%、60代以上が12.6ポイント増えて41.8%となり、年代を問わずにタブレットの所有率が急増していることがわかった。医師の中ではiOSが根強い人気、スマホ、タブレットともに過半数を占める医師が所有しているスマホのOSを尋ねたところ、iOSが55.3%、Androidが45.4%と、iOSが過半数を超える結果となった。MM総研が発表した一般市場のスマホOSのシェア※は、Androidが63%、iOSが35.6%と、Androidが過半数を超えているだけに、医師の中では未だiOSが根強い人気を誇っていることがわかった。また、医師の所有するタブレットのOSは、iOSが76.7%、Androidが25.9%となっており、iOSが圧倒的に強い結果となった。※「スマートフォン市場規模の推移・予測(2013年10月):株式会社MM総研」 医師ならではの活用方法所有者に対し医療での用途を聞いたところ、スマホで最も多かったのは「医学・医療関連のニュース閲覧」で37.2%。タブレットで最も多かったのは、「医学・医療に関する書籍・論文閲覧」で46.9%であった。コメントでは、「新薬や検査の種類が多く、ガイドラインも増えたため、iPad®やiPhone®に頼らざるを得ない」「学会の重い抄録集がアプリになったので便利」「パソコンを開けない外来の合間に情報を収集できる」「動画を見せながら患者に説明でき、理解を得やすくなった」「分娩監視装置がリアルタイムで見ることができる」など、医師ならではの活用方法が寄せられた。設問詳細スマートフォン・タブレット型端末についてお尋ねします。Q1.先生は現在iPhone®のようなスマートフォンを所有していますか。所有している(長期貸与も含む)所有していないが、いずれ購入したい購入するつもりはない(Q1で「スマートフォンを所有している」を選択した方にお聞きします)Q1-2.スマートフォンのOSは何ですか。(複数回答)iOSAndroidその他(Q1で「スマートフォンを所有している」を選択した方にお聞きします)Q1-3.先生はスマートフォンを、医療の用途においてどのようなことに利用していますか。(複数回答)医学・医療に関する書籍・論文閲覧医薬品・治療法に関する情報収集(書籍・論文以外)医学・医療関連のニュース閲覧臨床に役立つアプリの利用患者とのコミュニケーション医師・医療従事者とのコミュニケーション医療をテーマにしたゲーム特に利用しているものはないその他Q2.先生は、iPad®のようなタブレット型端末を使用していますか。所有している(長期貸与も含む)所有していないが、いずれ購入したい購入するつもりはない(Q2で「タブレット型端末を所有している」を選択した方にお聞きします)Q2-2.タブレット型端末のOSは何ですか。(複数回答)iOSAndroidその他(Q2で「タブレット型端末を所有している」を選択した方にお聞きします)Q2-3.先生はタブレット型端末を、医療の用途においてどのようなことに利用していますか。(複数回答)医学・医療に関する書籍・論文閲覧医薬品・治療法に関する情報収集(書籍・論文以外)医学・医療関連のニュース閲覧臨床に役立つアプリの利用患者とのコミュニケーション医師・医療従事者とのコミュニケーション医療をテーマにしたゲーム特に利用しているものはないその他Q3.コメントをお願いいたします(ライフスタイルで変化した点、院内・移動中・プライベートでどのように利用されているか、所有していない方はその理由など、どのようなことでも結構です)。2013年10月18日(金)実施有効回答数1,000件調査対象CareNet.com会員の医師 コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)その場で医学書を持っていなくても必要な情報を瞬時に捕まえることができるようになったので良かった。(40代,男性,心療内科)外来のちょっとした合間に、パソコンを開けない状況でも、スマートフォンなら直ぐに情報を収集できる。(50代,男性,代謝・内分泌科)通勤中、移動中など空いた時間でも情報収集に役立っている。(50代,男性,内科)以前はノートパソコンの持ち運びが面倒で病院以外では仕事をしていませんでしたが、今はどこでも好きな時間にある程度の事は出来ます。(40代,男性,精神・神経科)メーカーに踊らされている。(40代,男性,外科)治療方法を調べるときなどに使用する。(60代,男性,神経内科)学会場にもっていき、抄録などはそちらを用いて検索している。パソコンを持参するより荷物がコンパクトになった。(40代,女性,内科)職場のコンピューターと連動しているのでメールの確認など大変役に立っています。(50代,男性,外科)PC タブレットなしでは仕事が出来ないがスマートフォンは携帯電話で足ります。(60代,男性,外科)職場にはネットがすぐ使えるパソコンがあるので、また移動は車でありモバイル端末は使用頻度と経費を考慮すると所有するつもりはありません。(40代,男性,精神・神経科)スマホを利用する機会が増えたが、PCの利用もそれほど減っていない。このため、全体として、インターネットの利用時間が、増えた印象。代わりに、TV、新聞は減った。(30代,男性,精神・神経科)学会の抄録がアプリになっている、重い抄録集がなくなって便利。気軽にネットを閲覧できるので、医療ニュースも見る機会が増えた。(40代,男性,外科)院内はすべてオンラインコンピュータで事足りる。外で使うことはほとんどない。訪問診療も紙記録で事足りる程度。(50代,男性,内科)ときどき『イヤーノート』はiphone®でみる。(40代,男性,脳神経外科)パソコンを扱っている時間の方が多いので、それほど活用していない。(40代,男性,神経内科)本棚の教科書がとても少なくなりました。外来でも患者説明用に使っています。(40代,男性,循環器科)分娩監視装置がリアルタイムで見られるので、他の業務中にもチェック可能で有用である。同僚との連絡にも便利となった。(50代,男性,麻酔科)所有すると、それにふりまわされるような気がする。(50代,男性,精神・神経科)いまだノートパソコンのほうが重宝する。(30代,男性,内科)電車で論文を読みやすくなった。(30代,男性,代謝・内分泌科)出張先でもネットを使えるので便利になった。(50代,男性,産業医)老眼で使いづらい。(50代,男性,内科)移動中も手軽に利用できる。診察中もパソコンの横において薬剤情報の検索などで便利。(50代,男性,精神・神経科)ちょっとした情報収集がスピーディになった。余暇に無料の電子書籍やYouTubeを楽しむようになった。(60代,男性,外科)便利。もはやITリテラシー無しでは、臨床は遂行できない。(40代,男性,内科)公共交通機関での移動中に使用する。(40代,男性,循環器科)携帯端末に縛られる生活を希望していないため。(50代,男性,整形外科)患者を対象とした活用はまだしていない。主に自宅で活用。医学関連情報やさまざまな検索、ニュースを閲覧している。(50代,男性,脳神経外科)現時点では外出時のインターネットの使用が少ないためスマートフォンは所有していないが、あれば便利なのでいずれ購入したい。(40代,女性,循環器科)本を持ち歩くことが減った。しかし、ちょっと依存しすぎかな。(30代,男性,外科)タブレットは学会参加時の抄録、プログラムの閲覧、出張時にはメールを転送してメールチェック等に主に使用している。(50代,男性,麻酔科)動画を見せながら患者に説明することで、理解が非常に得られやすくなった。診察の合間にいろいろなチェックができ、時間の有効利用ができ便利である。(50代,男性,循環器科)通勤中に本などを持たずに、スマホで済ましている。学会などで出張時もノートパソコンを持ち歩く頻度が減って、荷物が軽くなった。(40代,男性,内科)iPad®に必要最小限の医学関係書籍を入れてあるので、書籍を持ち歩かなくてもよくなった。(50代,男性,基礎医学系)スマートフォンやタブレット端末は今後ますます医療においても有用となる可能性があると思う。(40代,男性,精神・神経科)論文・雑誌・本等をスキャナーで電子化しPC,iPadで閲覧している院内メールをiPhoneでやり取りし自身のスケジュール管理も行っている。(50代,男性,外科)診療環境のICTが急速に進んでいます。(60代,男性,循環器科)タブレットにて遠隔画像診断を行っている。教科書を100冊ほどPDF化していて、それを参照している。その他、医療の情報収集等はPCで行うので、モバイルはプライベートのみに使用している。(40代,男性,放射線科)患者様の住所などを検索して、紹介先を探すのに非常に有用。(30代,男性,整形外科)薬剤や疾患などすぐに調べられるので、分厚い教科書を持ち歩く頻度が少なくなった。(30代,男性,神経内科)自由で拘束されない時間が欲しい。(60代,男性,内科)外来で簡単に検索できる(疾患、紹介先の病院と担当Drの名前、地図など)のが便利で良い。また、もともと手帳派だったが、スケジュール管理をスマホでするようになった。(30代,男性,小児科)重たい書籍を持たなくても、資料や本(すでに所有している書籍を自炊した)の閲覧ができるのが利点。(40代,男性,その他)パソコン、タブレット、スマートフォンを、移動、場所、時間帯などによって使い分けています。(60代,男性,消化器科)学会出張時も抄録をDLして便利です。(50代,男性,外科)講演会や勉強会でわからない言葉の検索に使用。(60代,男性,脳神経外科)医学英語アプリがもっと増えればよいです。(40代,男性,形成外科)辞典、事典、医薬品集などの持ち運びが不要。いつでも閲覧可能。麻酔中の薬物血中濃度予測のような従来PCが必須であったアプリ使用の自由度が高くなった。(50代,男性,麻酔科)薬の添付文書などの閲覧が便利。(30代,男性,その他)基本的に、院内では使っていません。一番使っているのは、電子書籍として。本を保管するスペースを心配することはなくなったので、携帯電話としてはスマートフォンでなくてもガラケーで十分。(40代,男性,外科)ずっと携帯電話だったがこの10月に変更したばかり。しかし思ったより自然に生活に溶け込んでいる。既に社会がスマートフォンに合わせて変わってきているという事だと実感した。(30代,男性,循環器科)新薬が多くなり、検査の種類が多く、ガイドラインも増えた。年齢からか物忘れが多くiPad®やiPhone®に頼らざるを得ない。(60代,男性,腎臓内科)書籍購入が明らかに減った一方で、知識の吸収において深みがなくなった気もします。(50代,男性,神経内科)学会の抄録などがデジタル化している。(50代,男性,整形外科)なるべく使用しないようにしている。ストレスの元だから。(60代,男性,内科)肝性脳症の診断のナンバーコネクションテストを行っている。(50代,男性,消化器科)往診先でも使用可能。必要なアイテム。(50代,男性,内科)出かけたときの隙間時間を埋めるのに、紙媒体で持ち歩かなくて良いので楽です。動画でも勉強できますし。(20代,男性,救急医療科)在宅医療に従事しているため、専門外の訴えに対応しなくてはいけないことが多い。つねに大量の参考書を電子書籍として持ち歩いており、私にとってタブレットは診療になくてはならないものである。(50代,女性,内科)持ってみて初めてわかりますが、不要なものです。頼れば自身の学力は低下するでしょう。医師個人の能力低下につながる機器です。(40代,男性,内科)セキュリティに不安があるので、医療情報関連はノートパソコンで、プライベートはタブレットやスマホでとしています。(30代,男性,脳神経外科)ソファに座りながら、ネットサーフィンが出来る。電子書籍は保管場所を気にする必要がなくなり、購入が増えた。sky drvive、one note for ipadを使用することで、出張している病院でパソコンを用いることなく、論文のまとめが出来る。(40代,男性,外科)軽く目を通したい論文を印刷しなくなった。保管していつでも見られる、記録にもなるので非常に便利。(30代,男性,眼科)院内移動用のカルテにしようしている。(50代,男性,整形外科)田舎で従来の携帯電話では電波が入らなくなったので、スマホに替えざるを得なかった。(30代,男性,泌尿器科)講演会の纏めをその場で作成できるようになりました。(40代,男性,内科)

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患者の声を聴き、適切な治療選択を ~動き続けるための、膝の痛みの解消法の実際~

2013年9月24日(火)、ヤンセンファーマ株式会社主催の疼痛メディアセミナーが開催された。このセミナーで石島 旨章氏は、変形性膝関節症について講演。変形性膝関節症のわが国での実態や、解明されつつある病態、治療法について述べた。変形性膝関節症の痛みの要因膝関節の軟骨が摩耗し、関節に炎症や変形が生じる変形性膝関節症は、わが国では患者が約2,500万人、そのうち痛みを伴う患者は約800万人と推定されている。膝の痛みにより活動が制限され、移動能力が低下しロコモティブシンドロームにつながり、ひいては生命予後にも影響しかねない疾患である。変形性膝関節症の痛みは侵害受容性疼痛であるが、疼痛をもたらす要因として「炎症反応」と、軟骨の減少とともに関節が変形し、荷重を支える部位が狭くなり痛みを誘発する「生体力学的異常」がある。これに対し、診断に一般的に用いられる単純レントゲン検査は軟骨の厚みを間接的にみているにすぎず、症状と病態の連関が不十分で、レントゲンで診断できる段階では、軟骨だけでなく軟骨下骨や半月板などの組織にも障害が及んでいる。今後、患者の治療満足度の向上を図るためには、病態の解明を進め診断能力と進行予知能力を向上していく必要がある。進む病態研究現在は、とくに初期の変形性膝関節症をみていくために、バイオマーカーおよびMRIを用いて関節内の代謝異常と構造変化を詳細に評価し、疼痛との関連を評価する試みが進められている。この中で、近年の研究の進展とともに、疼痛に対する炎症の寄与はかなり初期の段階に限られており、変形性膝関節症が進行した状態では炎症の寄与は決して増加しないこと、また、初期の段階でも今まで認識できなかった構造異常に伴う生体力学的異常が起きていることが少しずつ解明されてきている。治療は非薬物療法と薬物療法変形性膝関節症の治療としては、現在は疾患修飾型治療が存在せず、既存の保存療法の選択肢の拡充とエビデンスを確立していくことが現在の課題である。保存療法では、運動療法を中心とした非薬物療法と薬物療法の併用がガイドライン*で推奨されており、薬物療法ではNSAIDsが推奨度Aとされ、広く用いられている。しかし、NSAIDsでは疼痛を改善できない患者も多数存在している。このようなNSAIDsが効かない疼痛に対し、海外ではオピオイドが有効であるとのエビデンスが、システマティクレビューにより報告されつつある(わが国ではオピオイドは本疾患への臨床経験がなく、ガイドラインに未掲載)。これについて前述の形態学的な話でいえば、構造変化に伴う生体力学的異常が進行している状態では、NSAIDsでの疼痛治療は困難と考えられ、このような場合にオピオイドの使用を考慮する余地がある。骨粗鬆症では治療により骨折を予防できる可能性が出てきた。変形性膝関節症ではその段階まで達していないが、病態の理解を丁寧に進めていくことで疾患の進行抑制につながるものと考えている。*変形性膝関節症の管理に関するOARSI(Osteoarthritis Research Society International)勧告:OARSIによるエビデンスに基づくエキスパートコンセンサスガイドライン(日本整形外科学会変形性膝関節症診療ガイドライン策定委員会による適合化終了版) (ケアネット 萩原 充)

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CRT、QRS幅130msec未満への適応は死亡を増大/NEJM

 収縮期心不全でQRS幅130msec未満の患者では、心臓再同期療法(CRT)は死亡や心不全による入院を抑制せず、むしろ死亡率を増大する可能性があることが示された。スイス・チューリッヒ大学病院のFrank Ruschitzka氏らが、多施設共同無作為化試験EchoCRTの結果、報告した。現行のガイドラインでは、慢性収縮期心不全患者のCRTの適応はQRS幅120msec以上では推奨されていて、120msec未満の患者も多くいるが推奨されていない。しかし、それらの患者の半数以上で、機械的同期不全のエビデンスが示されていることから、CRTが有用である可能性が示唆されていた。NEJM誌2013年10月10日号(オンライン版2013年9月2日号)掲載の報告より。115施設で被験者を募り無作為化試験 EchoCRT試験には115施設(米国、カナダ、イスラエル、オーストラリア、ヨーロッパ)が参加し、NYHA心機能分類IIIまたはIVの心不全を有し、左室駆出率35%以下、QRS幅130msec未満で、左室同期不全の心エコー所見が認められた患者におけるCRTの有効性を評価した。 全患者にデバイスを植え込み、CRTを起動する(on)群と起動しない(off:対照)群に無作為化した。 主要有効性アウトカムは、全死因死亡・心不全悪化による初回入院の複合とした。主要複合アウトカムに有意差ないが、全死因死亡単独評価では有意な差 試験は2008年8月に開始され、2013年3月13日に無益性のためデータ・安全性モニタリング委員会によって中止が勧告された。その間に809例が無作為化を受けた(CRT群404例、対照群405例)。ベースライン時におけるQRS幅の平均値は、CRT群105.0msec、対照群105.4msecだった。その他についても両群の特性で有意な差はなかった。 追跡期間は平均19.4ヵ月(生存患者19.8ヵ月)だった。 主要有効性アウトカムの発生は、CRT群116/404例(28.7%)、対照群102/405例(25.2%)だった。CRT群のハザード比(HR)は1.20(95%信頼区間[CI]:0.92~1.57、p=0.15)だった。 試験期間中の死亡は、CRT群45/404例(11.1%)、対照群26/405例(6.4%)、CRT群のHRは1.81(同:1.11~2.93、p=0.02)で有意な差がみられた。心不全悪化による入院については両群間に有意差はみられなかった(99例対90例、HR:1.16、95%CI:0.87~1.55、p=0.25)。

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ステント留置後の非心臓手術における危険な患者のタイプ/JAMA

 冠動脈ステント留置術後の非心臓手術における、主要有害心イベントのリスク因子は、非待機的手術入院や術前6ヵ月以内の心筋梗塞、改訂心リスク指標が2超などであることが明らかになった。非心臓手術の実施時期やステントの種類は、同イベント発生との関連については低かった。米国・アラバマ大学のMary T. Hawn氏らによる検討の結果、明らかになったもので、JAMA誌2013年10月9日号で発表された。現行のガイドラインでは、冠動脈ステント留置術後の非心臓手術の実施時期について、薬剤溶出性ステント(DES)は1年後、ベアメタルステント(BMS)は6週間後に延期することを推奨しているが、その根拠となるエビデンスは限られていた。30日MACE発生率を主要アウトカムに検討 研究グループは、冠動脈ステント留置後24ヵ月以内に手術を受けた4万1,989例の退役軍人(VA)および非VAの全米患者を対象とした後ろ向きコホート試験を行った。試験は、冠動脈ステント留置後に非心臓手術を受けた患者における有害心イベント発生のリスク因子を特定することを目的とした。 コホートについて、患者・術式・心リスク因子で補正した主要有害心イベント(MACE)の発生と手術のタイミング・ステントの種類との関連について、非線形一般化加法モデルにより分析し、また、コホート内ケースコントロール試験により、周術期抗血小板薬投与中止とMACEとの関連についても評価した。 主要アウトカムは、全死因死亡・心筋梗塞・心血行再建術の複合とした術後30日MACE発生率だった。 対象コホートのうち、冠動脈ステント留置術を受けていたのは12万4,844例(DES:47.6%、BMS:52.4%)だった。そのうち術後24ヵ月以内に非心臓手術を受けていたのは2万8,029例(22.5%、95%信頼区間[CI]:22.2~22.7%)で、うち術後30日MACE発生例は1,980例(4.7%、95%CI:4.5~4.9%)だった。非待機的手術入院でMACEリスクは4.8倍に ステント留置術を実施してから非心臓手術をするまでの期間が短いほど、MACE発生率は高く、6週間未満では11.6%、6週間~6ヵ月は6.4%、6~12ヵ月は4.2%、12~24ヵ月は3.5%だった(p<0.001)。 ステントの種類では、DESを使用した人の同発生率は4.3%で、BMSを使用した人の5.1%に比べて低率だった(p<0.001)。 補正後、MACE発生に最も関連していた因子は、非待機的手術入院(補正後オッズ比[AOR]:4.77)、術前6ヵ月以内の心筋梗塞(同:2.63)、改訂心リスク指標が2超(同:2.13)だった。 モデルに含まれた12変数のうち、「手術の実施時期」は関連性が5番目、「ステントの種類」は最下位と、いずれもMACEとの関連性が低かった。DESはMACEとの関連はみられず(AOR:0.91)、またDES、BMSともに、MACEリスクはステント留置術後6ヵ月以降は安定した。 284例の適合ペアによるコホート内ケースコントロール分析の結果、抗血小板薬の周術期投与中止とMACE発生との関連は認められなかった(OR:0.86)。 結果を踏まえて著者は、「DESとBMSのステントタイプおよび手術のタイミングについて強調している、現行のガイドラインについて再評価する必要がある」と提言している。

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CKD患者、血圧5mmHg下げれば、心血管イベント17%減る/BMJ

 降圧治療の心血管系への効果について、慢性腎臓病(CKD)の有無別で検証したメタ解析の結果が報告された。オーストラリア・シドニー大学のV Perkovic氏らBlood Pressure Lowering Treatment Trialists' Collaborationによる解析報告で、腎機能レベルを問わず、収縮期血圧(SBP)5mmHg低下につき主要心血管イベントが6分の1抑制されることが示された。これまでガイドラインでは、CKD患者への降圧も推奨はされていたが、エビデンスは限定的であった。今回の解析の結果を踏まえて著者は「わずかでも推定糸球体濾過量(eGFR)が低下した人への降圧治療は心血管イベントを予防する有効な戦略である」と結論している。また、降圧薬のクラスエフェクトの解析も行われたが、エビデンスが示されず、「CKD患者の心血管イベント予防について、特定クラスの薬を優先的に選択することを支持するエビデンスは少しもない」とも結論している。BMJ誌オンライン版2013年10月3日号掲載の報告より。CKD 3万295例のデータを含む26試験のデータをメタ解析 研究グループは、CKD有無別でみた降圧と主要心血管イベントとの関連について無作為化試験を対象としたメタ解析を行った。解析は、プラセボまたはその他の降圧薬とで降圧について比較した試験、あるいは異なる降圧目標を比較した試験で、割り付け群それぞれが1,000人年以上であった試験を適格とした。 主要評価項目は、複合および個別の主要心血管イベント(脳卒中・心筋梗塞・心不全または心血管死)と全死因死亡とした。 解析には26本の試験が組み込まれた。被験者総数は15万2,290例であり、そのうち3万295例が腎機能低下例(eGFR値<60mL/分/1.73m2で定義)であった。 メタ解析は、ベースライン時の腎機能に即して行われ、ランダム効果モデルを用いて、5mmHg降圧当たりのハザード比を算出して検討した。腎機能を問わず5mmHg降圧につき約6分の1イベントを抑制 その結果、プラセボと比較して、降圧治療は、CKDの有無に関係なく主要心血管イベントを抑制した。すなわち、非CKD群(eGFR値≧60mL/分/1.73m2)のハザード比(HR)は0.83(95%信頼区間[CI]:0.76~0.90)であり、SBPの5mmHg降圧につきイベントを約6分の1抑制する効果が認められ、CKD群でも同程度であった(HR:0.83、95%CI:0.79~0.88)。効果の差についてのエビデンスは得られなかった(均一性のp=1.00)。 またこの結果は、降圧が、ACE阻害薬、Ca拮抗薬、もしくは利尿薬、βブロッカーのいずれのレジメンによって図られたかを問わず同程度であった。eGFR値が異なる患者の主要心血管イベントは、クラスエフェクトが異なる降圧薬によって変化するというエビデンスは得られなかった(均一性についてすべてのp>0.60)。

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