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ER陽性乳がん、5年内分泌療法後の再発のリスクは?/NEJM

 エストロゲン受容体(ER)陽性で5年間の内分泌療法を実施後に無病状態にあった女性患者の、5~20年の乳がん再発は、期間を通して一定の割合の発生であったことが明らかにされた。また、遠隔再発リスクは、当初の腫瘍径とリンパ節転移の状態(TN分類)と強く関連しており、10~41%の範囲にわたっていた。英国・オックスフォード大学のHongchao Pan氏らが、88試験(被験者総数6万人超)のデータに基づき行ったメタ解析の結果で、NEJM誌2017年11月9日号で発表した。これまでの検討で、ER陽性早期乳がん女性患者は5年間の内分泌療法によって、治療中および治療後の再発率が大きく低下することが示されていた。治療期間を5年以上延長すると、再発率はさらに低下するが副作用の発現も増大する。研究グループは、5年間で中断した場合のその後の遠隔再発の絶対リスクのデータを入手することは、治療を延長すべきかどうかの判断に寄与する可能性があるとして検討を行った。TN分類、腫瘍悪性度などと5~20年アウトカムの関連を分析 研究グループは、ER陽性の乳がん患者で、予定した5年間の内分泌療法を実施後、無病状態にあった6万2,923例を被験者とする88試験の結果を基にメタ解析を行った。 試験と治療による層別化を行い、Kaplan-Meier法とCox回帰分析を用いて、TN分類、腫瘍悪性度、その他の因子と、5~20年のアウトカムについての関連を分析した。腫瘍悪性度とKi-67値も中等度の予測因子として有用か 追跡した5~20年間を通して、乳がん再発は一定の割合で発生し、遠隔再発リスクは当初のTN分類と強い関連が認められた。 具体的には、T1の患者で、リンパ節転移がないT1N0の患者では、遠隔再発リスクは13%、リンパ節転移が1~3のT1N1~3の同リスクは20%、リンパ節転移が4~9のT1N4~9では34%だった。同様にT2の患者でも、T2N0患者の同リスクは19%、T2N1~3で26%、T2N4~9で41%だった。 乳がん死亡リスクも、TN分類に依存していたが、対側乳がんリスクとは関連がみられなかった。 同じTN分類では、互いに強い関連のある腫瘍悪性度(4万3,590例で確認)とKi-67値(7,962例で確認)が、遠隔再発リスクに関する中等度の独立予測因子だった。一方で、プロゲステロン受容体(5万4,115例で確認)とヒト上皮成長因子受容体2(HER2)(トラスツズマブ非使用試験の1万5,418例で確認)は、いずれも予測因子とは認められなかった。 遠隔再発絶対リスクについて乳がんの重症度別にみてみると、T1N0乳がん患者の5~20年の遠隔再発リスクは、低悪性度乳がんで10%、中悪性度乳がんは13%、高悪性度乳がんでは17%だった。また、全再発または対側乳がんの絶対リスクはそれぞれ17%、22%、26%だった。 なお研究グループは、「今回の試験の主な目的として、遠隔再発リスクが低く、5年超の内分泌療法の有益性が低いと考えられるサブグループを特定することがあった。しかしながら、T1N0乳がんの患者でも遠隔再発リスクが13%であった。確かなエビデンスは得られていないが、そのような低リスクの患者についても5年超の内分泌療法により遠隔再発リスクは数%低下する可能性が考えられた」と考察している。

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閉経後ホルモン補充療法、長期死亡への影響は?/JAMA

 閉経後女性に対するホルモン補充療法の、長期死亡への影響は認められないことが報告された。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のJoAnn E. Manson氏らが、1990年代に行われた2つの閉経後ホルモン補充療法に関する無作為化試験(Women's Health Initiative Estrogen Plus Progestin and Estrogen-Alone Trials)の参加者を18年間追跡した結果で、全死因死亡、心血管疾患死、がん死いずれにおいても関連性は認められなかった。これまでに同試験から健康アウトカムの解析は報告されているが、概して全死因および疾患特異的死亡に注視した論文はなかったという。JAMA誌2017年9月12日号掲載の報告。CEE+MPA vs.プラセボ、CEE単独 vs.プラセボを解析 研究グループは、ホルモン補充療法試験の介入中および介入後の長期フォローアップ中における、全死亡および原因別死亡の累積発生率を調べた。 1993~1998年に、米国居住の民族的に多様な50~79歳の閉経後女性2万7,347例が2つの無作為化試験に登録され、2014年12月31日まで観察フォローアップを受けた。被験者は、結合型エストロゲン製剤(CEE)0.625mg/日+酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)2.5mg/日 vs.プラセボを受ける介入を、またはCEE単独 vs.プラセボを受ける介入を受けた。前者のCEE+MPA vs.プラセボ試験(8,506例 vs.8,102例)の介入期間は中央値5.6年、後者のCEE単独 vs.プラセボ試験(5,310例 vs.5,429例)は同7.2年であった。 研究グループは、2つの試験のプールデータおよび各試験データにおける、全死因死亡(主要アウトカム)、原因別死亡(心血管疾患死、がん死、その他主要な死因によるもの)を調べ、事前に規定した、無作為時の年齢をベースにした10歳階級群別で解析を行った。介入中および18年累積の全死因および原因別死亡ともプラセボ群と有意差なし 無作為化を受けた2万7,347例のベースライン時の平均年齢(SD)は63.4歳(7.2)、白人80.6%であった。死亡に関するフォローアップデータは、98%超で入手できた。 累積18年のフォローアップ中における死亡は7,489例であった(介入試験中1,088例、介入後フォローアップ中6,401例)。 全プールコホートの解析で、全死因死亡率はホルモン補充療法群27.1%、プラセボ群27.6%であった(ハザード比[HR]:0.99、95%信頼区間[CI]:0.94~1.03)。CEE+MPAのプラセボに対するHRは1.02(95%CI:0.96~1.08)、CEE単独の同HRは0.94 (同:0.88~1.01)であった。 心血管疾患死のプール解析では、ホルモン補充療法群(8.9%) vs.プラセボ群(9.0%)のHRは1.00(95%CI:0.92~1.08)、また全がん死のプール解析では、ホルモン補充療法群(8.2%) vs.プラセボ群(8.0%)のHRは1.03(95%CI:0.95~1.12)、その他の主要な死因による死亡のプール解析では、ホルモン補充療法群(10.0%) vs.プラセボ群(10.7%)のHRは0.95(95%CI:0.88~1.02)であった。 全プールコホートにおいて、10歳階級群別の分析に基づき若い年齢(50~59歳)群と高齢(70~79歳)群を比較した結果、全死因死亡の名目HR比は、介入期間中が0.61(95%CI:0.43~0.87)、累積18年のフォローアップ中は0.87(95%CI:0.76~1.00)であった(試験間の有意な不均一性なし)。

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小さな乳がんはたちが良い?たちが良いから小さい?/NEJM

 生物学的に“favorable”な乳がんはサイズが小さい腫瘍に多く、その頻度は若年女性のほうが低く、生物学的に“favorable”で小さな乳がんは予後が良好であり、過剰診断率は加齢に伴って増加することが、米国・イェール大学のDonald R. Lannin氏とShiyi Wang氏の調査で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2017年6月8日号に掲載された。マンモグラフィの導入以降、腫瘍サイズの小さな乳がんの発症率が、大きな乳がんの3倍以上に達することがH. Gilbert Welch氏らにより報告されている。これは、小さな乳がんの多くが大きな乳がんには進行せず、小さな乳がんの検出の際に過剰診断が起きることを意味するという。生物学的特徴で3群に分け、腫瘍サイズ、年齢別の過剰診断を評価 研究チームは、Surveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)データベースから、2001~13年に診断された浸潤性乳がんを同定し、3つの生物学的因子(悪性度[Grade]、エストロゲン受容体[ER]、プロゲステロン受容体[PR])に基づく12の組み合わせを用いて、次の3つの予後グループに分類した。 (1)生存率が最も不良の群であったのは、Grade 2/ER陰性/PR陰性、Grade 3/ER陰性/PR陰性、Grade 3/ER陽性/PR陰性、Grade 3/ER陰性/PR陽性の4群で、これらは「生物学的unfavorable」に分類された(13万5,388例)。(2)生存率が最も良好であったのは、Grade 1/ER陽性/PR陽性、Grade 1/ER陽性/PR陰性、Grade 1/ER陰性/PR陽性の3群で、これらは「生物学的favorable」と特徴づけられた(13万1,896例)。(3)他のすべての群は「中間的」とみなされた(31万8,325例)。 これら3群の腫瘍サイズの分布を調べ、腫瘍サイズ、生物学的特徴と乳がん特異的生存との関連を検討した。また、3つの群の平均リードタイム(スクリーニングでがんが検出された時期と、スクリーニングしない場合にがんが臨床的に顕在化すると推定される時期の時間差)を評価した。 Welch氏らの方法を適用すると、浸潤性腫瘍の過剰診断率は22%と推定されたが、生物学的favorable例は過剰診断率が高く、unfavorable例は低いと仮定して、この割合を可能性のある範囲で修正した。次いで、年齢別に3つの群の平均余命とリードタイムをシミュレートした。40歳未満の生物学的favorable例は、40歳以上の約半分 40歳以上の女性では、生物学的favorable例は、最大径が1cm以下の腫瘍の38.2%を占めたが、5cm以上の腫瘍では9.0%と少なかった。これに対し、生物学的unfavorable例は、1cm以下の腫瘍では14.1%に過ぎず、5cm以上の腫瘍の35.8%を占めた。40歳未満の女性では、同様の傾向がみられたが、生物学的favorable例が占める割合は40歳以上の約半分であり、unfavorable例の割合がより高かった。 また、40歳以上では、生物学的特徴および腫瘍サイズの両方が予後に大きな影響を及ぼした。すなわち、乳がん特異的な生存率は、生物学的favorable例がunfavorable例に比べ良好で、両群とも腫瘍サイズが小さい例(0.1~2.0cm)が大きい例(2.1~5.0cm)よりも良好だった。腫瘍サイズ別の生存の差は、生物学的favorable例がunfavorable例に比べ小さかった。 さまざまなモデルを用いて3群のリードタイムを推定したところ、Welch氏らによって提示された過剰診断率(22%)が今後も保持されると予測された。推定リードタイムは、モデルによってかなり広範囲に変動したが、すべてのモデルで生物学的favorable例がunfavorable例に比べ、少なくとも1桁分は長いことが示された。 モデルの1つ(過剰診断が生物学的favorable例53%、中間例44%、生物学的unfavorable例3%)で、3つの群の年齢別の過剰診断率を推定した。リードタイムは、生物学的特徴別のばらつきは大きいが、年齢別のばらつきは大きくないと仮定した場合、過剰診断率は年齢が若いほど低く、加齢に伴って着実に増加した。 著者は、「これらの知見により、ある程度は、サイズが大きい乳がんは生物学的悪性度が高い可能性があるといえよう。また、生物学的にfavorableで小さな乳がんは、患者の生存中に大きな腫瘍に進行する可能性は低く、大きな乳がんはすべての小さな腫瘍が進行したのではなく、一部の生物学的に不良な小さながんから進行することが示唆される」とし、「乳がんにはおとなしい腫瘍があり、個別化医療を提供する治療アルゴリズムを用いることで、問題に対処できることを、医師や患者、社会一般に知らせる必要がある」としている。(医学ライター 菅野 守)【訂正のお知らせ】 タイトルおよび本文中の表記に誤りがあったため、一部訂正いたしました(2017年6月20日)。

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日本人乳がん患者の特徴と予後 最新の知見を紹介!

 乳がんは日本人女性にとって最も典型的ながんの1つである。ほかの典型的ながんとは異なり、高齢より中年女性での発症頻度が高い点が特徴といえる。このように、乳がん患者の臨床的な特徴を知ることは、個別化医療を行っていくうえで重要である。そこで、The BioBank Japan(以下、BBJ)Projectと呼ばれる日本人乳がん患者を対象とした研究概要を紹介する。北海道大学大学院 中村 幸志氏らによる調査。Journal of Epidemiology誌3月号(オンライン版2017年2月20日号)掲載の報告。 BBJとは、がんや心臓病といった一般的な病気を個別化治療を行うために、大規模なバイオバンクに基づいて計画されたプロジェクトである。本調査は、20歳以上の乳がん患者で、BBJに2003年~08年に登録されたうち、診断から90日以内の2,034人を対象に行われた。主な調査項目は患者の臨床的な特徴などであった。さらに、この臨床的な特徴が死亡率に与える影響も検討された。この研究によって、いくつかの臨床的兆候と乳がんにおける死亡率の相関が明らかになった。 主な結果は以下のとおり。・対象患者において、ステージ分類の割合はそれぞれ以下のとおりであった。ステージ0または未分類、ステージI、ステージII、ステージIII、ステージIV:11.4%、47.9%、37.0%、2.9%、0.8%・組織型分類の割合はそれぞれ以下のとおりであった。非浸潤がん、浸潤がん、ページェット病タイプ、その他:12.9%、81.0%、0.2%、5.8%・エストロゲン受容体が陽性の患者は75.8%、プロゲステロン受容体が陽性の患者は62.1%であった。・1,860人(登録患者2,034人より脱落した174人を排除)のうち、218人はフォローアップ期間に亡くなった。

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HR陽性乳がんへのフルベストラント、PFSを有意に延長/Lancet

 ホルモン受容体(HR)陽性局所進行または転移乳がんに対し、フルベストラント(商品名:フェソロデックス)500mg投与はアナストロゾール1mg投与に対し、無増悪生存(PFS)を有意に延長し、有効性について優越性を示したことが、英国・ノッティンガム大学のJohn F R Robertson氏らによる第III相の国際多施設共同無作為化二重盲検試験FALCONの結果、報告された。HR陽性局所進行または転移乳がんは、アロマターゼ阻害薬が標準治療とされている。研究グループは、ホルモン療法既往のない閉経後患者を対象に、選択的エストロゲン受容体抑制薬のフルベストラントが、標準治療のアロマターゼ阻害薬と比べてPFSを改善するかを検討した。Lancet誌オンライン版2016年11月28日号掲載の報告。20ヵ国113の大学病院から患者を集めて試験 試験は、20ヵ国113の大学病院で患者を集めて行われた。適格とされたのは、組織学的所見でエストロゲン受容体陽性またはプロゲステロン受容体陽性が確認された、局所進行もしくは転移乳がん患者で、ホルモン療法既往なし、WHO分類で0~2、測定可能または測定不能病変が1つ以上あるとした。 患者を無作為に1対1の割合で、フルベストラント投与群(500mg筋注を0、14、28日に、その後は28日ごとに投与)またはアナストロゾール投与群(1mgを1日1回経口投与)に、コンピュータ無作為化法で割り付けた。 主要エンドポイントはPFSで、RECISTガイドラインver1.1で判定した増悪(disease deterioration)による手術もしくは放射線治療の介入、または全死因死亡をintention-to-treat集団で評価した。 安全性アウトカムは、少なくとも1回以上割付治療(プラセボを含む)を受けた全患者を対象に評価した。フルベストラント群のPFSがアナストロゾール群に比し有意に延長 2012年10月17日~2014年7月11日に、524例の患者が試験に登録された。このうち462例が無作為化を受けた(フルベストラント群230例、アナストロゾール群232例)。 結果、PFSはフルベストラント群がアナストロゾール群に比べ有意に延長した(ハザード比[HR]:0.797、95%信頼区間[CI]:0.637~0.999、p=0.0486)。PFS中央値は、フルベストラント群16.6ヵ月(95%CI:13.83~20.99)に対し、アナストロゾール群は13.8ヵ月(同:11.99~16.59)であった。 頻度の高かった有害事象は、関節痛(フルベストラント群17% vs.アナストロゾール群10%)、ホットフラッシュ(同11% vs.10%)であった。なお、有害事象のため投与中断となった患者は、フルベストラント群16/228例(7%)、アナストロゾール群11/232例(5%)であった。 これらの結果を踏まえて著者は、「フルベストラントは、ホルモン治療歴のないHR陽性局所進行または転移乳がんについて、これら患者の1次治療の標準療法とされる第3世代のアロマターゼ阻害薬と比較して、有効性に優れており、優先すべき治療選択肢である」とまとめている。

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うつ病女性に対する避妊法に関するレビュー

 うつ病や双極性障害の女性は、望まない妊娠をするリスクが高い。米国疾病対策予防センターのH Pamela Pagano氏らは、うつ病や双極性障害女性に対するホルモン避妊法の安全性を検討した。Contraception誌オンライン版2016年6月27日号の報告。 2016年1月までに発表された論文を対象に、うつ病や双極性障害を有する女性のうち臨床的診断またはスクリーニングツールによる検証で閾値レベル以上であった女性における、任意のホルモン避妊法を使用した際の安全性に関する論文を検索した。症状変化、入院、自殺、薬物療法の変更(増量、減量、薬剤変更)をアウトカムとした。 主な結果は以下のとおり。・2,376件中、6件が選択基準を満たした。・臨床的にうつ病や双極性障害と診断された女性に対する研究は以下のとおり。 1)経口避妊薬(OCs)は、双極性障害女性の月経周期全体にわたって気分を変動させなかった。一方、OCsを使用しなかった女性では月経周期全体にわたって気分が有意に変動した。 2)デポ型酢酸メドロキシプロゲステロン(depot medroxyprogesterone acetate:DMPA)、子宮内避妊用具(IUDs)、不妊手術を用いた女性における精神科入院頻度に有意な差は認められなかった。 3)OCsの使用有無にかかわらず、fluoxetine、プラセボのどちらの治療群においても、うつ病女性のうつ病尺度のスコア増加は認められなかった。・スクリーニングツールでの測定によりうつ病の閾値を満たした女性における結果は以下のとおり。 1)OCsを併用した思春期女性は、プラセボ群と比較し、3ヵ月後のうつ病スコアが有意に改善した。 2)OC使用者は、非使用者と比較し、フォローアップ時にうつでなかった割合は同程度であった。 3)OC併用者では、IUD使用者と比較して、11ヵ月にわたりうつ頻度が少ないことが示唆された。 著者らは「6件の限られた研究から得られた結果によると、OC、レボノルゲストレル放出IUD、DMPAを使用したうつ病または双極性障害の女性では、ホルモン避妊法を使用しなかった女性と比較して、症状の臨床経過の悪化との関連はみられなかった」としている。関連医療ニュース 妊娠中のSSRI使用、妊婦や胎児への影響は 妊娠に伴ううつ病、効果的なメンタルヘルス活用法 妊娠初期のうつ・不安へどう対処する

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トリプルネガティブ乳がん、veliparib+CBDCA併用の術前化学療法でpCR向上/NEJM

 トリプルネガティブの乳がん患者では、術前補助化学療法として標準療法に加え、ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬veliparib+カルボプラチンを併用することで、病理学的完全奏効率が向上することが示された。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のHope S. Rugo氏らが、多施設共同の適応的無作為化第II相試験「I-SPY2」で明らかにしたもので、NEJM誌2016年7月7日号で発表した。乳がんは、遺伝的・臨床的不均一性から有効な治療の特定が困難になっている。研究グループは、実験的試験で効果のあるがんサブタイプを見つけることを目的とした。被験者を10種のバイオマーカー標識に分類 試験は、腫瘍が直径2.5cm以上でステージIIまたはIIIの乳がんの女性を対象に、実験的レジメンにより治療アウトカムが向上する乳がんサブタイプについて調べるもので、現在も継続中である。 具体的には、乳がんをヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)、ホルモン受容体、70の遺伝子アッセイにより8つのバイオマーカー・サブタイプに分類。そのうえで、あらかじめ定義したバイオマーカーの組み合わせで10種のバイオマーカー標識を作成し、標準治療と実験的レジメンを比較することとした。被験者は、標準療法よりも良好な成績のレジメンを受けられるよう、バイオマーカー・サブタイプ内で適応的無作為化を行った。 今回報告されている標準療法にveliparibとカルボプラチンを併用するレジメンは、HER2陰性腫瘍について検討され、3標識について評価が行われた。 主要評価項目は、病理学的な完全奏効で、治療中にMRIで腫瘍体積を測定して完全奏効を予測する形で評価。また、ベイズ確率で第III相試験での成功予測が高いと示されたレジメンについて、第II相から第III相へ進めると判定することとした。標準療法にveliparib+カルボプラチンで病理学的完全奏効が51% veliparib+カルボプラチンを投与した被験者は72例、対照群は44例だった。トリプルネガティブ(エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・HER2が陰性など)の患者において、化学療法終了時点で病理学的完全奏効が予測された人の割合は、veliparib+カルボプラチン群が51%(95%ベイズ確率区間:36~66)だったのに対し、対照群では26%(同:9~43)だった。 また、トリプルネガティブ乳がんに関して、veliparib+カルボプラチンレジメン治療が第III相で成功する確率は88%だった。 なお、veliparib+カルボプラチン群の毒性は、対照群より高かった。

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複合ピルの肺塞栓症リスク、低用量エストロゲンで低減/BMJ

 複合経口避妊薬は肺塞栓症のリスクを増大することが知られるが、エストロゲンの用量を低量(20μg)とすることで、同高用量(30~40μg)の場合と比べて、肺塞栓症、および虚血性脳卒中、心筋梗塞のリスクは低減することが示された。フランス全国健康保険組織公衆衛生研究部門のAlain Weill氏らが、フランス人女性500万例を対象としてコホート研究の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「エストロゲン20μg用量のレボノルゲストレルを組み合わせた経口避妊薬が、全体として肺塞栓症、動脈血栓塞栓症の低リスクと関連していた」とまとめている。BMJ誌オンライン版2016年5月10日号掲載の報告。ピル服用歴のあるフランス人女性500万例を対象に観察コホート研究 研究グループは観察コホート研究にて、エストロゲン(エチニルエストラジオール)とプロゲステロンの組み合わせ用量が異なる複合経口避妊薬と、肺塞栓症、虚血性脳卒中、心筋梗塞発生との関連を調べた。 フランス全国健康保険組織のデータベースと、フランス病院退院データベースを活用。2010年7月~2012年9月に、フランスで生活をしている15~49歳の女性494万5,088例のデータを包含した。被験者は、経口避妊薬について1回以上の償還払いを受けており、がん、肺塞栓症、虚血性脳卒中、心筋梗塞について入院歴がなかった。 主要評価項目は、初発の肺塞栓症、虚血性脳卒中、心筋梗塞の相対リスクおよび絶対リスクとした。20μgレボノルゲストレル使用群では、肺塞栓症、虚血性脳卒中、心筋梗塞が低減 経口避妊薬使用が認められた544万3,916人年において、3,253例のイベント発生が観察された。肺塞栓症が1,800例(10万人年当たり33例)、虚血性脳卒中1,046例(同19例)、心筋梗塞は407例(同7例)であった。 プロゲステロンおよびリスク因子補正後、20μgの低用量エストロゲン使用群の30~40μgエストロゲン使用群に対する相対リスクは、肺塞栓症について0.75(95%信頼区間[CI]:0.67~0.85)、虚血性脳卒中は0.82(同:0.70~0.96)、心筋梗塞は0.56(同:0.39~0.79)であった。 エストロゲン用量およびリスク因子補正後、レボノルゲストレルとの比較において、デソゲストレルlおよびgestodeneの肺塞栓症の相対リスクは統計的に有意に高く、それぞれ2.16(95%CI:1.93~2.41)、1.63(同:1.34~1.97)であった。 エストロゲン20μg用量のレボノルゲストレルは、同30~40μg用量のレボノルゲストレルと比べて、3つの重大有害イベントいずれの発生リスクについても統計的に有意に低かった。

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リスペリドン誘発性高プロラクチン血症への補助療法

 統合失調症女性におけるリスペリドンまたはパリペリドン誘発性高プロラクチン血症に対する低用量アリピプラゾール補助療法について、上海交通大学医学院のYing Qiao氏らが検討を行った。Psychiatry research誌2016年3月30日号の報告。 リスペリドンまたはパリペリドンによる4週間の治療後、症状が有意に改善し、高プロラクチン血症を経験した漢民族系の統合失調症女性患者66例から60例を抽出した。対象患者は、治療群30例(アリピプラゾール補助療法)または対照群30例(非補助療法)に無作為に割り付けられた。リスペリドンおよびパリペリドンの用量は維持され、アリピプラゾールは5mg/日で8週間の試験期間中維持された。 主な結果は以下のとおり。・8週間後のプロラクチンレベルは、対照群よりも治療群で有意に低かった。・8週間の試験終了後および4週ごとのエストラジオールレベルは、治療群、対照群の両群において血清プロラクチンレベルと負の相関が認められた。・8週間の試験期間中、PANSSスコアは、両群ともに有意に改善した。・治療時の有害事象発現率は、両群ともに同等であった。 結果を踏まえ、著者らは「統合失調症女性患者に対する低用量アリピプラゾール補助療法は、有害事象を増加させることなく、リスペリドン、パリペリドン誘発性高プロラクチン血症の緩和に有効である」とまとめている。関連医療ニュース 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症にアリピプラゾール補助療法 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症、乳がんリスクとの関連は プロラクチン上昇リスクの低い第二世代抗精神病薬はどれか

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閉経後ホルモン補充療法の血管への影響、開始時期で異なる?/NEJM

 閉経後早期(6年以内)に開始した経口エストラジオール療法は、頸動脈内膜中膜肥厚(CIMT)で評価される無症候性アテローム性動脈硬化の進行抑制と関連していることが明らかにされた。ただし、閉経後早期あるいは閉経後10年以上経過して開始した場合のいずれにおいても、心臓CTで評価されるアテローム性動脈硬化に有意な影響は認められなかった。米国・南カリフォルニア大学のHoward N. Hodis氏らが、健康な閉経後女性を対象としたELITE(Early versus Late Intervention Trial with Estradiol)試験の結果、報告した。これまで多くの研究で、閉経後まもなく開始したエストロゲンを含むホルモン療法の心血管疾患に対するベネフィットが示唆されている。しかし、閉経後ホルモン療法の心血管系への影響は治療開始時期で異なるという仮説(タイミング仮説)について、これまで検証されていなかった。NEJM誌オンライン版2016年3月31日号掲載の報告。閉経後6年未満か10年以上に分け、CIMTの増加を評価 ELITE試験は、単独施設で行われた無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験である。対象は健康な閉経後女性643例で、閉経後6年未満(閉経後早期)と閉経後10年以上(閉経後後期)に層別し、エストラジオール群とプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付けた。 エストラジオール群では、17β-エストラジオール1mg/日を経口投与するとともに、子宮を有する女性にはプロゲステロン45mg膣ゲルを、1サイクル30日として10日間1日1回連日投与した。プラセボ群では、プラセボ経口投与ならびに、子宮を有する女性にはプラセボ膣ゲル投与を行った。 主要評価項目は、6ヵ月ごとに測定したCIMTの変化率で、副次評価項目は、治療終了時の冠動脈造影CTによる冠動脈アテローム性硬化の評価などであった。早期開始のエストラジオール群、同プラセボ群に比しCIMTの増加が有意に少ない 中央値5年後において、CIMT増加に対するエストラジオールの効果は、プロゲステロンの有無にかかわらず、閉経後早期開始群と閉経後後期開始群で異なった(交互作用のp=0.007)。 閉経後早期開始群のCIMT増加は、平均値でプラセボ群0.0078mm/年に対し、エストラジオール群は0.0044mm/年であった(p=0.008)。一方、閉経後後期開始群の増加は、両群間で有意差はみられなかった(それぞれ0.0088mm/年、0.0100mm/年、p=0.29)。 なお、冠動脈造影CTで評価した冠動脈石灰化、狭窄およびプラークは、閉経後早期開始群より閉経後後期開始群でスコアが有意に高かったが、エストラジオール群とプラセボ群とで有意差は認められなかった。 著者は研究の限界として、症例数や追跡調査期間が冠動脈評価項目の治療群間差を検出するのに不十分であったこと、ベースライン時の冠動脈画像を利用できず新たな冠動脈病変へのホルモン療法の影響は評価できなかったことなどを挙げている。

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治療抵抗性統合失調症へ進展する重要な要因とは:千葉県精神科医療C

 統合失調症における予後不良には、さまざまな要因が関連することが知られているが、それらの相互作用は不明である。ドパミン過感受性精神病(DSP)は、長期的な薬物療法に関連した臨床概念であり、治療抵抗性統合失調症(TRS)へ進展する重要な要因の1つといわれている。千葉県精神科医療センターの山中 浩嗣氏らは、TRS進行へのDSPの影響を検討した。Schizophrenia research誌オンライン版2016年1月13日号の報告。 レトロスペクティブ調査と直接インタビューにより、患者265例をTRS群と非TRS群のいずれかに分類した。DSPエピソードの有無を含む予後に関連する主要な要因を抽出し、それぞれの要因を両群間で比較した。 主な結果は以下のとおり。・未治療期間を除く全パラメータは、非TRS群と比較しTRS群で有意に悪化した。・とくに、TRS群は非TRS群よりもDSPエピソードの割合が有意に高かった。・回帰分析により、DSPはTRSの進展に重要な役割を果たすことが裏付けられた。・さらに、欠損症候群はTRSの診断サブカテゴリーであることが示唆された。 結果を踏まえ、著者らは「予後不良の重要な予測因子が確認され、これはTRSの進展に何らかの形で影響を及ぼすことが示唆された。薬物治療中のDSPエピソードの発生は、治療不応性を促進することが示唆された」としている。関連医療ニュース 難治例へのクロザピン vs 多剤併用 治療抵抗性統合失調症女性、エストラジオールで症状改善 統合失調症治療、ドパミン調節の概念が変わる

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非浸潤性乳管がんでもアロマターゼ阻害薬は術後の選択肢に/Lancet

 非浸潤性乳管がん(DCIS)の閉経後女性における術後の再発予防では、アナストロゾールとタモキシフェンの効果に明確な差はなく、アナストロゾールは治療選択肢となりうることが、オーストラリア・ニューカッスル大学のJohn F Forbes氏らが行ったIBIS-II DCIS試験で示された。マンモグラフィ検診導入後の数十年間で、DCISの診断率は実質的に上昇しており、検診で検出される乳がんの約5分の1を占めるという。浸潤性乳がんの術後の再発予防では、第3世代アロマターゼ阻害薬はタモキシフェンよりも有効性が高いとされるが、DCISにおけるアナストロゾールの優越性は確証されていなかった。Lancet誌オンライン版2015年12月11日号掲載の報告。2剤の再発予防効果をプラセボ対照試験で比較 IBIS-II DCIS試験は、閉経後DCIS女性に対する術後の再発予防におけるアナストロゾールとタモキシフェンの有用性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化試験(英国がん研究所などの助成による)。 対象は、年齢40~70歳、エストロゲンもしくはプロゲステロン受容体が陽性で、割り付け前の6ヵ月以内にDCISと診断され、乳房温存術を施行された閉経後女性であった。1mm以内の微小浸潤がんは許容された。 被験者は、アナストロゾール(1mg/日)+プラセボ、またはタモキシフェン(20mg/日)+プラセボを5年間経口投与する群に無作為に割り付けられた。放射線照射は各施設の基準に従って施行することとした。 主要評価項目は、DCISの再発、対側乳房の新規病変などを含むすべての再発とした。治療割り付け情報は統計解析者だけに知らされ、データを解析に含めることへの同意を取り消した患者を除く、全割り付け対象患者を解析の対象とする修正ITT解析が行われた。 2003年3月3日~12年2月8日に、14ヵ国236施設に2,980例が登録され、アナストロゾール群に1,449例、タモキシフェン群には1,489例が割り付けられた。NSABP B-35試験と一致する結果 年齢はアナストロゾール群が60.4歳、タモキシフェン群は60.3歳、BMIは両群とも26.7、初潮年齢は両群とも13.0歳、第1子出産年齢は両群とも24.0歳であった(いずれも中央値)。喫煙者はそれぞれ34%、33%で、ホルモン補充療法は47%、44%、子宮摘出術は21%、22%が受けており、放射線照射は両群とも71%に施行された。腫瘍径は両群とも13mmだった。 フォローアップ期間中央値は7.2年(四分位範囲:5.6~8.9)であり、この間に144例(アナストロゾール群:67例[5%]、タモキシフェン群:77例[5%])が再発した。 年間再発率は、アナストロゾール群が0.64%、タモキシフェン群は0.72%であった(ハザード比[HR]:0.89、95%信頼区間[CI]:0.64~1.23、p=0.49)。アナストロゾール群はタモキシフェン群に対し非劣性であった(95%CIの上限値<1.25)が、優越性は認めなかった(p=0.49)。 Kaplan-Meier法による解析では、5年再発率はアナストロゾール群が2.5%、タモキシフェン群は3.0%、フォローアップ期間終了から10年後の再発率はそれぞれ6.6%、7.3%であった。 カットオフ日までに69例が死亡した(アナストロゾール群:33例、タモキシフェン群:36例)。死亡率に差はなく(HR:0.93、95%CI:0.58~1.50、p=0.78)、特定の死因の差も認めなかった。乳がん死は4例のみで、それぞれ1例、3例であった。 有害事象の発現率は、アナストロゾール群が91%(1,323例)、タモキシフェン群は93%(1,379例)であり、両群で類似していたが、副作用プロファイルには以下のような違いがみられた。 アナストロゾール群では、骨折(9 vs.7%、p=0.027)、筋骨格系イベント(64 vs.54%、p<0.0001)、脂質異常症(3 vs.1%、p<0.0001)、脳卒中(脳血管障害:1 vs.<1%、p=0.025、一過性脳虚血発作:1 vs.<1%、p=0.05)の頻度が高かった。 タモキシフェン群では、筋痙攣(2 vs.7%、p<0.0001)、婦人科がん(子宮内膜がん:1 vs.11例、p=0.0044、子宮がん:0 vs.5例、p=0.027)、婦人科症状/血管運動症状(ホットフラッシュ、膣乾燥など、61 vs.69%、p<0.0001)、深部静脈血栓(肺塞栓症は除外、<1 vs.1%、p=0.0011)が多くみられた。 著者は、「これらの結果は、類似の試験であるNSABP B-35試験と一致する。アナストロゾールはホルモン受容体陽性閉経後DCIS女性の治療選択肢であり、タモキシフェンが禁忌の場合は適切な治療法と考えられる」としている。

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非浸潤性乳管がん、術後ホルモン療法の5年QOL評価/Lancet

 閉経後の非浸潤性乳管がん(DCIS)の術後の再発予防において、タモキシフェン(商品名:ノルバデックスほか)とアナストロゾール(同:アリミデックスほか)のQOL(身体機能、心の健康)に差はないが、薬剤関連症状には違いがみられることが、米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のPatricia A Ganz氏らが実施したNSABP B-35試験で示された。2002年に本試験が立案された時点のDCISの標準治療はタモキシフェンの5年投与であったが、同年、ATAC試験により、浸潤性乳がんの術後補助療法ではアナストロゾールがタモキシフェンに比べ無病生存期間を延長し、毒性も良好であることが明らかにされた。NSABP B-35試験では、最近、60歳未満の患者においてアナストロゾール5年投与による無乳がん期間の、わずかだが有意な改善効果が確認されている(非浸潤性乳管がん、アナストロゾールの再発予防効果を確認/Lancet)。Lancet誌オンライン版2015年12月10日号掲載の報告。約1,200例で5年投与期間中のQOLを評価 NSABP B-35試験は、閉経後DCISの再発予防(局所、領域、遠隔部位、対側乳房)におけるタモキシフェンとアナストロゾールの効果を比較する二重盲検無作為化第III相試験(米国国立がん研究所[NCI]などの助成による)。 対象は、乳房温存術+全乳房照射療法を受けたエストロゲンもしくはプロゲステロン受容体陽性の閉経後DCIS女性であった。 被験者は、タモキシフェン(20mg/日)またはアナストロゾール(1mg/日)を5年間投与する群に無作為に割り付けられた。また、ベースラインおよびその後は6ヵ月ごとに5年間、QOLに関する質問票に回答した。 主要評価項目は、SF-12の身体機能と心の健康のスコアおよび血管運動症状(Breast Cancer Prevention Trial[BCPT]の症状スケール)とした。副次評価項目は、膣症状および性交機能であった。 2003年1月6日~2006年6月15日に北米の333施設に3,104例が登録され、このうち1,193例(タモキシフェン群:601例、アナストロゾール群:592例)でQOL評価が行われた。5年時まで質問票への回答を完遂したのは、それぞれ393例、380例だった。60歳以上が54%、52%含まれた。タモキシフェンで相対的に血管運動症状が不良、膣症状は良好 身体機能の平均重症度スコアは、タモキシフェン群が46.72点、アナストロゾール群は45.85点であり、有意な差は認めなかった(p=0.20)。心の健康はそれぞれ52.38点、51.48点であり、やはり有意差はみられなかった(p=0.38)。 SF-36の活力スケールのエネルギー/疲労(58.34 vs.57.54点、p=0.86)および疫学研究用うつ病尺度(CES-D)によるうつ状態(6.19 vs.6.39点、p=0.46)にも有意な差はなかった。 血管運動症状(1.33 vs.1.17点、p=0.011)、排尿制御困難(0.96 vs.0.80点、p=0.0002)、婦人科症状(0.29 vs.0.18点、p=0.0001)は、タモキシフェン群で有意に重症度が高かった。 一方、筋骨格系の疼痛(1.50 vs.1.72点、p=0.0006)および膣症状(0.76 vs.0.86点、p=0.035)は、アナストロゾール群で有意に重症度が高かった。 認知機能(0.89 vs.0.92点、p=0.72)、体重問題(1.15 vs.1.17点、p=0.48)、性交機能(43.65 vs.45.29点、p=0.56)は、両群間に有意な差はなかった。 60歳未満の患者は60歳以上に比べ、血管運動症状の重症度スコア(1.45 vs.0.65点、p=0.0006)、膣症状(0.98 vs.0.65点、p<0.0001)、体重問題(1.32 vs.1.02点、p<0.0001)、婦人科症状(0.26 vs. 0.22点、p=0.014)が不良であった。 著者は、「60歳以上の女性では両薬剤の効果は同等であり、薬剤の選択は重篤な有害事象(血栓塞栓症、子宮がん、骨量減少)や薬剤関連症状のリスクのほか、患者の好みを考慮して決めるべきである。一方、60歳未満では、効果がより良好なアナストロゾールを選ぶべきと考えられるが、血管運動症状や膣症状、婦人科症状などの副作用が耐容不能な場合はタモキシフェンに変更するのがよいだろう」と指摘している。

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非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明か

 先行研究で、小胞体の4つのタンパク質複合体(ステロール調節配列結合タンパク[SREBP]、SREBP-cleavage-activating protein[SCAP]、インスリン誘導遺伝子[INSIG]、プロゲステロン受容体膜成分-1[PGRMC1])が、非定型抗精神病薬による脂質異常の重要な調節因子であることが示唆されている。今回、中国・中南大学湘雅二医院のHua-Lin Cai氏らは、ラットの肝臓を用い、定型および非定型抗精神病薬ならびにグルココルチコイド受容体拮抗薬mifepristoneの、PGRMC1/INSIG/SCAP/SREBP経路に対する作用および脂質への影響を調べた。その結果、非定型抗精神病薬による脂質異常は、体重増加が出現する前の初期段階で生じる可能性があることが示唆されたという。結果を踏まえ、著者らは「非定型抗精神病薬による脂質異常は、PGRMC1経路を増強するmifepristoneの追加投与により改善できる可能性があることを示すもので、PGRMC1/INSIG-2シグナル伝達が非定型抗精神病薬による体重増加治療のターゲットになりうる」と報告している。Translational Psychiatry誌2015年10月20日号の掲載報告。 研究グループは、ラットに各種薬剤を投与し、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)と、ウエスタンブロット解析を用いて肝臓のPGRMC1/INSIG/SCAP/SREBP経路への作用を調べるとともに、血清中のトリアシルグリセロール、総コレステロール、遊離脂肪酸および各種ホルモン(プロゲステロン、コルチコステロン、インスリン)も同時に測定した。 主な結果は以下のとおり。・クロザピン、リスペリドンを投与したラットでは、PGRMC1/INSIG-2の阻害およびSCAP/SREBP発現の活性化を介した脂質生成およびコレステロール生成の増加を認めた。・これらの代謝異常は、アリピプラゾール、ハロペリドールを投与したラットでは認められなかった。・mifepristoneの併用投与は、PGRMC1/INSIG-2発現の上方制御とそれに続くSCAP/SREBPの下方制御を介して、非定型抗精神病薬により誘発された脂質異常を改善する効果を示した。関連医療ニュース 抗精神病薬誘発性の体重増加に関連するオレキシン受容体 どのような精神疾患患者でメタボリスクが高いのか 抗精神病薬、日本人の脂質異常症リスク比較:PMDA  担当者へのご意見箱はこちら

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アロマターゼ阻害薬術後療法での乳がん死抑制効果~TAMとの比較/Lancet

 閉経後早期乳がんの術後ホルモン療法において、アロマターゼ阻害薬(アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール)はタモキシフェン(TAM)に比べ、再発や乳がん死の抑制効果が高いことが、Early Breast Cancer Trialists’ Collaborative Group(EBCTCG)の検討で明らかとなった。閉経後早期乳がんの治療では、アロマターゼ阻害薬の5年投与またはTAM 2~3年投与後のアロマターゼ阻害薬2~3年投与は、TAM 5年投与よりも再発率が低いことが示されているが、乳がん死への影響などはいまだに不明だという。Lancet誌2015年7月23日掲載の報告。アロマターゼ阻害薬とタモキシフェンの5つの組み合わせの比較試験のメタ解析 研究グループは、閉経後のエストロゲン受容体(ER)陽性早期乳がんの治療において、アロマターゼ阻害薬とTAMを比較した無作為化試験(2005年までに開始された試験)の個々の患者データを用いたメタ解析を行った(Cancer Research UKなどの助成による)。 解析の対象は、次の5つの組み合わせを比較した無作為化試験であった。(1)アロマターゼ阻害薬5年投与とTAM 5年投与、(2)アロマターゼ阻害薬5年投与とTAM 2~3年投与後にアロマターゼ阻害薬に切り換えて5年まで投与、(3)TAM 2~3年投与後にアロマターゼ阻害薬に切り換えて5年まで投与とTAM 5年投与、(4)アロマターゼ阻害薬5年投与とアロマターゼ阻害薬2年投与後にTAMに切り換えて5年まで投与、(5)アロマターゼ阻害薬2年投与後にTAMに切り換えて5年まで投与とTAM 5年投与。 主要評価項目は、乳がんの再発(遠位、局所、対側乳房)、乳がん死、無再発死亡、全死因死亡とした。intention-to-treat解析を行い、有効性の評価にはlog-rank検定を用いた。初回イベント発生の率比(RR)およびその95%信頼区間(CI)を算出した。 9試験に参加した閉経後ER陽性早期乳がん患者3万1,920例について解析を行った。アロマターゼ阻害薬 5年投与、非施行に比べ10年乳がん死を約40%抑制 アロマターゼ阻害薬5年投与とTAM 5年投与の比較では、乳がん再発率は治療開始から1年まで(RR:0.64、95%CI:0·52~0.78)および2~4年(同:0.80、0.68~0.93)はアロマターゼ阻害薬が有意に良好であったが、5年以降は有意な差はなくなった。また、10年乳がん死亡率は、アロマターゼ阻害薬がTAMよりも有意に低かった(12.1 vs.14.2%、RR:0.85、95%CI:0.75~0.96、2p=0.009)。 アロマターゼ阻害薬5年投与とTAM 2~3年投与後にアロマターゼ阻害薬に切り換えて5年まで投与の比較では、乳がん再発率は治療開始から1年まではアロマターゼ阻害薬で有意に良好であった(RR:0.74、95%CI:0.62~0.89)が、2~4年および5年以降は有意な差はなくなった。全体としては、アロマターゼ阻害薬5年投与は、TAMからアロマターゼ阻害薬への切り換えよりも乳がん再発率が低かった(同:0.90、0.81~0.99、2p=0.045)が、乳がん死には有意な差はなかった(同:0.89、0.78~1.03、2p=0.11)。 TAM 2~3年投与後にアロマターゼ阻害薬に切り換えて5年まで投与とTAM 5年投与の比較では、乳がん再発率は、2~4年はアロマターゼ阻害薬への切り換えが有意に良好であった(同:0.56、0.46~0.67)が、その後この差は消失した。10年乳がん死亡率は、アロマターゼ阻害薬への切り換えがTAM 5年投与よりも低かった(8.7 vs.10.1%、2p=0.015)。 これら3つのタイプの比較を統合すると、乳がん再発率は異なる薬剤による治療期間中はアロマターゼ阻害薬が良好で(RR:0.70、95%CI:0.64~0.77)、その後この差は有意ではなくなった(同:0.93、0.86~1.01、2p=0.08)。 また、乳がん死は、異なる薬剤での治療期間(同:0.79、0.67~0.92)、その後の期間(同:0.89、0.81~0.99)、および全期間を通じて(同:0.86、0.80~0.94、2p=0.0005)、アロマターゼ阻害薬の抑制効果が優れていた。全死因死亡についてもアロマターゼ阻害薬の効果が高かった(同:0.88、0.82~0.94、2p=0.0003)。 年齢、BMI、Stage、Grade、プロゲステロン受容体の状態、HER2の状態で補正しても、これらのRRはほとんど変化しなかった。 著者は、「アロマターゼ阻害薬は、異なる薬剤による治療が行われている期間は、TAMに比べ乳がんの再発を約30%抑制したが、それ以降は有意な差はなかった。アロマターゼ阻害薬5年投与は、10年乳がん死亡率をTAM 5年投与よりも約15%低下させ、ホルモン療法を施行しない場合に比べると約40%抑制した」としている。

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乳がん患者は禁煙の重要性を知らされるべき

 乳がん患者における能動喫煙と死亡リスクとの関連について、これまでの報告は一貫していない。宮城県立がんセンターの角川 陽一郎氏らは、女性の乳がん患者において、能動喫煙および受動喫煙と全死因死亡および乳がん特異的死亡リスクとの関連を、閉経状況およびエストロゲン受容体/プロゲステロン受容体(ER / PR)の状態別に検討した。その結果、長期間の能動喫煙は、閉経前の、おそらくホルモン受容体陽性乳がん患者における、全死因死亡および乳がん特異的死亡リスクの増加と関連することが示唆された。著者らは、「乳がん患者は禁煙の重要性を知らされるべき」としている。Cancer science誌オンライン版2015年6月6日号に掲載。 本研究では、1997~2007年に国内の1つの病院に入院した848例の患者を調査した。能動・受動喫煙の状況は自己管理質問票を用いて評価し、2010年12月31日まで観察した。ハザード比(HR)はCox比例ハザードモデルを用いて推定した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値は6.7年で、その間に全死因死亡170例、乳がん特異的死亡132例が観察された。・閉経前患者において、現喫煙者の全死因死亡と乳がん特異的死亡のリスクが高かったが、有意ではなかった。・閉経前患者において、21.5年超の喫煙が、全死因死亡(HR 3.09、95%CI:1.17~8.20)および乳がん特異的死亡(HR 3.35、95%CI:1.22~9.23、傾向のp=0.035)と正の相関を示した。・ER+もしくはPR+の閉経前患者では、喫煙期間の長さが全死因死亡および乳がん特異的死亡リスク増加と関連するという示唆もあった。・受動喫煙については、有意なリスクは示されなかった。

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統合失調症女性のホルモンと認知機能との関連は

 これまで、統合失調症の女性患者において、ホルモン療法やオキシトシン投与により認知機能が強化されることが示唆されていた。米国・イリノイ大学のLeah H. Rubin氏らは、女性の統合失調症患者の認知機能に、月経周期中のホルモン変化がどのような影響を及ぼすかを調べた。検討の結果、まず、認知機能の性差は統合失調症においても認められること、オキシトシン値は月経周期において変化することはなく、女性においてのみ「女性ドミナント」タスクの強化と関連していることを明らかにした。Schizophrenia Research誌オンライン版2015年5月16日号の掲載報告。女性の統合失調症、ホルモン変化は認知パフォーマンスと関連せず 検討に当たり研究グループは、女性患者は、月経周期の卵胞期初期(卵胞ホルモン[エストラジオール]と黄体ホルモン[プロゲステロン]が低値)のほうが中間期(卵胞ホルモン黄体ホルモンが高値)よりも、「女性ドミナント」タスク(ことばの記憶/流暢さ)のパフォーマンスが悪化し、「男性ドミナント」タスク(視覚空間)のパフォーマンスは良好になると仮定した。また、卵胞ホルモンには影響を受けるが、黄体ホルモンは影響しないとも仮定した。 女性54例(23例が統合失調症)の認知機能を比較し、また血液検体の提供を受けて性差ステロイドアッセイを行い、卵胞期初期(2~4日目)と中間期(20~22日)のオキシトシン値を比較した。また、認知機能テストの予想性差パターンを調べるため男性も検討対象とした。 女性の統合失調症患者の認知機能にホルモン変化がどのような影響を及ぼすかを調べた主な結果は以下のとおり。・予想された性差は、「女性ドミナント」と「男性ドミナント」において観察された(p<0.001)。しかし、その差の大きさは、患者と対照で有意な差はみられなかった(p=0.44)。・「女性ドミナント」または「男性ドミナント」タスクにおける認知パフォーマンスの月経周期における変化は、患者、対照ともにみられなかった。・卵胞ホルモン黄体ホルモンは、認知パフォーマンスと関連していなかった。・オキシトシン値は、月経周期において変化しなかった。しかし、女性の統合失調症患者においてのみ、「女性ドミナント」のタスクパフォーマンスとポジティブな関連がみられた(p<0.05)。 結果を踏まえ、著者らは「統合失調症ではエストロゲンよりもオキシトシン値が、認知機能ドメインのベネフィットを強化すると考えられる」とまとめている。関連医療ニュース 統合失調症患者の社会的認知機能改善に期待「オキシトシン」 日本人女性の統合失調症発症に関連する遺伝子が明らかに 治療抵抗性統合失調症女性、エストラジオールで症状改善  担当者へのご意見箱はこちら

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外傷性脳損傷後の早期プロゲステロン投与は有用か/NEJM

 急性外傷性脳損傷のアウトカム改善に、プロゲステロン投与はプラセボと比較して、ベネフィットが認められないことが示された。米国・エモリー大学のDavid W. Wright氏らが、第III相の無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。これまでに、外傷性脳損傷へのプロゲステロン投与については、複数の実験モデル検討や2件の単施設臨床試験で、神経学的アウトカムを改善することが示されていた。本検討では、大規模な多施設での検討により、プロゲステロンの早期投与の有効性を、重度、中等度~重度、中等度の急性外傷性脳損傷について調べることが目的であった。NEJM誌オンライン版2014年12月10日号掲載の報告より。重度、中等度~重度、中等度のTBI患者882例を無作為化 試験は、2010年4月5日~2013年10月30日に、米国内49の外傷センターで行われた。被験者は、重度/中等度~重度/中等度(グラスゴー・コーマ・スケール[GCS]:4~12、全体スコアは3~15で低スコアほど低意識レベルを示す)の急性外傷性脳損傷(TBI)患者で、プロゲステロン投与群とプラセボ群に無作為に割り付けられた。外傷後4時間以内に試験治療を開始し、総計96時間の管理投与を行った。 主要アウトカムは、受傷後6ヵ月時点のExtended GCI(GCS-E)で評価した機能回復。副次アウトカムは、死亡率、障害評価尺度(Disability Rating Scale)スコアなどだった。 試験の主要目的は、プロゲステロン群の有効性で、アウトカムの改善を示した患者の割合がプラセボ群よりも絶対値で10%増大した場合と定義した。アウトカム改善は、当初の外傷重症度により定義した。例えば、中等度の患者(GSCスコア9~12)が6ヵ月時点でGSCスコア7超であった場合、アウトカムの改善とみなすなどとした。 検討では、有効性の評価のためには総計1,140例の被験者を無作為化する必要があると推算していた。しかし882例を無作為化した時点で、主要アウトカムに関してプロゲステロンの無益性が明らかになったとして試験は終了となった。プロゲステロン群で静脈炎の頻度が有意に増大 882例の試験群(プロゲステロン群442例、プラセボ群440例)のベースライン特性はバランスが取れたものだった。年齢中央値35歳、男性73.7%、黒人15.2%、外傷重症度スコアの平均値は24.4(スコア範囲:0~75、高値ほど重症度が高い)であり、外傷理由で最も多かったのは自動車事故だった。 分析の結果、プロゲステロン群でアウトカム改善を認めたのは51.0%であった。一方プラセボ群は55.5%で、プロゲステロンの相対的ベネフィットは0.95(95%信頼区間[CI]:0.85~1.06)であった。有意差はなかった(p=0.35)。 死亡率は、試験群全体では6ヵ月時点で17.2%であり、中等度外傷群13.0%から重度外傷群27.6%の範囲にわたっていた。投与管理群別では、プロゲステロン群18.8%(83/442例)、プラセボ群15.7%(69/440例)で、ハザード比(HR)1.19(95%CI:0.86~1.63)で有意差は認められなかった。 プロゲステロンの安全性プロファイルは許容できるものであったが、静脈炎または血栓性静脈炎の発生が、プロゲステロン群(17.2%、76/442例)がプラセボ群(5.7%、25/440例)よりも有意に高頻度であった(相対リスク:3.03、95%CI:1.96~4.66)。そのほか事前規定の安全性アウトカムについては、両群で有意差はみられなかった。

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重度外傷性脳損傷後のプロゲステロン、第III相では無効/NEJM

 重度外傷性脳損傷後のプロゲステロン投与は、アウトカム改善効果は認められないことが示された。米国・ホフストラ大学医学部のBrett E. Skolnick氏らが、約1,200例の患者について行った無作為化第III相試験の結果、報告した。これまで、外傷性脳損傷に対するプロゲステロン投与については、動物実験や2つの無作為化第II相試験で、一貫した良好な結果が得られていた。NEJM誌オンライン版2014年12月10日号掲載の報告より。外傷後8時間以内から120時間、プロゲステロンを投与 研究グループは、16~70歳、グラスゴー・コーマ・スケール(GCS)が8以下で1つ以上の瞳孔反射を認める重度外傷性脳損傷(TBI)患者1,195例を対象に、無作為化プラセボ対照試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、外傷を受けてから8時間以内に開始し120時間にわたり、一方にはプロゲステロンを、もう一方にはプラセボをそれぞれ投与した。 主要評価項目は、外傷6ヵ月後のグラスゴー・アウトカム・スケール(GOS)スコアだった。両群のGOSスコア、アウトカム良好な人の割合、死亡率ともに同等 比例オッズ分析で共変数を補正後、プロゲステロン群とプラセボ群のアウトカムは同等だった(プロゲステロン群のプラセボ群に対するオッズ比:0.96、95%信頼区間:0.77~1.18)。 また、GOSスコアで、good recovery(GR:正常生活に復帰)またはmoderate disability(MD:日常生活は自立)だった人の割合も、両群で同等だった(プロゲステロン群50.4%、プラセボ群50.5%)。 一方で死亡率についても、両群で同等だった。 両群間の安全性に関する差は認められなかった。

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