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頸動脈内膜剥離術では全身麻酔と局所麻酔のいずれを選択すべきか?

アテローム動脈硬化性の頸動脈狭窄に対する頸動脈内膜剥離術施行時の麻酔法として、全身麻酔と局所麻酔では周術期の脳卒中やその他の合併症の抑制効果に差はないことが、イギリスWestern General Hospital臨床神経科学科(エディンバラ市)のSteff C Lewis氏らが行ったGALA(General anaesthesia versus local anaesthesia for carotid surgery)試験の解析結果から明らかとなった。今後、いずれの麻酔法を選ぶかは、患者の好みや他の医学的な理由に委ねられることになりそうだ。Lancet誌2008年12月20/27日合併号(オンライン版2008年11月27日号)掲載の報告。主要評価項目、QOL、入院期間に有意差なし頸動脈内膜剥離術は、重篤な動脈硬化性の頸動脈狭窄による同側の脳卒中発症リスクを低下させるが、術中あるいは術後の合併症がその効果を相殺することが知られている。周術期の脳卒中を予測してそれを回避するには、全身麻酔下よりも局所麻酔下のほうが容易である可能性が示唆されている。GALA試験の研究グループは、これらの麻酔法のイベント抑制効果の比較を目的に、多施設共同無作為化対照比較試験を実施した。1999年6月~2007年10月までに、24ヵ国95施設から症候性あるいは無症候性の頸動脈狭窄患者3,526例が登録された。全身麻酔群に1,753例が、局所麻酔群には1,773例が割り付けられた。主要評価項目は、無作為割り付け時から術後30日までの脳卒中(網膜梗塞を含む)、心筋梗塞、死亡の発生率とした。主要評価項目の発生率は、全身麻酔群が4.8%(84例)、局所麻酔群は4.5%(80例)であり、局所麻酔による1,000例あたりのイベント抑制数は3例にすぎなかった(リスク比:0.94、95%信頼区間:0.70~1.27)。QOL、入院期間は両群間に有意な差はなく、事前に規定されたサブグループ(年齢、対側頸動脈閉塞の有無、ベースライン時の手術リスク)における主要評価項目の解析でも有意差は認めなかった。以上により、GALA試験の研究グループは「頸動脈内膜剥離術においては全身麻酔と局食麻酔で有用性は同等であった」と結論し、「麻酔科医と外科医は、患者コンサルテーション時に、個々の患者の病態に応じていずれの麻酔法を選択するかを決めるべきである」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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RNA干渉とがん転帰との関連

遺伝子発現が、「RNA干渉」という細胞内機構で調節されていることが発見され、がん治療研究の最前線では、特異的な遺伝子を沈黙させるRNA干渉分子の研究が進んでいる。米テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンターのWilliam M. Merritt氏らは、RNA干渉機構の酵素であるDicerとDroshaに着目し、細胞内でのこれらの発現レベルと卵巣がん転帰との関連を調べた。NEJM誌2008年12月18日号より。がん細胞中のDrosha、Dicerレベルと、臨床転帰との関連について検討RNA干渉は、細胞内の比較的長い2本鎖RNAが短く切断され、それと相補的な配列を有する遺伝子情報を伝えるメッセンジャーRNA(mRNA)を分解する現象である。細胞核において最初に切断に関わるのがDroshaで、切断された短いヘアピン形2本鎖のRNAが細胞核から細胞質に移動すると、今度はDicerによって切断されmiRNAと呼ぶ短いRNAが産生される。一方、細胞質中の長いRNAが切断される場合はDicerによる切断プロセスのみでsiRNAと呼ぶ短いRNAが産生される。miRNA、siRNAは、細胞質でRISCというタンパク質に取り込まれて、標的とするmRNAを分解する。一方これまでの研究で、ヒトのがん細胞でmiRNAレベルが変化していること、卵巣腫瘍ではmiRNAが減少していることが見いだされていたが、転帰との関連などについては明らかではなかった。そこでMerritt氏らは、卵巣がんにおけるDroshaおよびDicerのmRNAレベルの変化を調べ、臨床転帰との関連について検討を行った。Dicerの低レベルと病期進行が有意に関連111例の患者から採取した浸潤性上皮性卵巣がん組織標本のうち、Dicerレベルが低いものが60%で見られ、それらは病期の進行と有意に関連していた(P=0.007)。Droshaレベルが低いものは51%で見られ、細胞削減手術(残余腫瘍を直径1cm以下にする)が最適に行われなかったことと有意に関連していた(P=0.02)。DicerレベルもDroshaレベルも高い場合、生存期間中央値の延長と関連していた(11年超、いずれかレベルが低いなどその他の組み合わせ群は2.66年、P<0.001)。生存率低下に関して、「Dicerの発現低下(ハザード比:2.10、P=0.02)」「組織学的所見がハイグレード(2.46、P=0.03)」「薬物療法反応不良(3.95、P<0.001)」の3つの独立因子が明らかになった。Dicerが低レベルの患者の臨床転帰の不良は、マイクロアレイデータを用意し比較検討した乳がん患者群、肺がん患者群でも確認されている。(武藤まき:医療ライター)

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サーモドックスの日本におけるライセンス契約が締結

株式会社ヤクルトは16日、セルシオンコーポレーションと同社の薬剤輸送技術から創製されたThermoDox(サーモドックス)の日本市場における商業化に関する最終的な契約を締結したと発表した。同社はこれから、国内における臨床開発の全ての必要事項を完遂させ、サーモドックスの原発性肝がんおよびその他がん腫での適応取得と、販売承認申請を目指すとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.yakult.co.jp/cgi-bin/newsrel/prog/news.cgi?coview+00343

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イチョウ葉エキスに認知症予防効果なし

イチョウ葉エキス(学術名:ギンコウ・ビロバ)サプリメントには、認知症の発症予防効果はないようだ。米National Center for Complementary and Alternative MedicineのSteven T. DeKosky氏らが、5ヵ所の医療施設で行った、無作為化プラセボ対照二重盲検試験で明らかにしたもので、JAMA誌2008年11月19日号で発表された。ギンコウは、認知力や記憶力の温存に効果があるとして広く使われているものの、これまで、その効果の有無を示す適切な研究は少なかった。3,000人超を約6年間追跡DeKosky氏らは、2000~2008年にかけて、75歳以上で、認知度が正常(2,587人)または軽度認知機能障害(482人)の合計3,069人を、無作為に2群に分け、一方にはギンコウ・ビロバ120mgを1日2回、もう一方にはプラセボを投与した。追跡期間の中央値は、6.1年。試験期間中、認知症を発症したのは、ギンコウ群で277人、プラセボ群で246人だった。そのうち92%が、アルツハイマー性認知症の可能性、または脳血管疾患を伴うアルツハイマー性認知症だった。認知症、アルツハイマー性認知症の発症率ともに有意差なしギンコウ群とプラセボ群の原因を問わない認知症発症率はそれぞれ、3.3人/100患者年と2.9人/100患者年で、両群に有意差はなかった(ハザード比:1.12、95%信頼区間:0.94~1.33、p=0.21)。また、アルツハイマー性認知症の同ハザード比も、1.16(95%信頼区間:0.97~1.39、p=0.11)と、両群で有意差は見られなかった。試験開始時に軽度認知機能障害のあった人の認知症発症について見てみたが、同じく両群に有意差はなかった(ハザード比:1.13、95%信頼区間:0.85~1.50、p=0.39)。一方、出血性脳卒中の発症件数が、ギンコウ群で16件とプラセボ群8件の2倍だったが、両群に有意差はなかった。その他、出血や冠動脈性心疾患、脳卒中などといった有害事象についても、有意差は見られなかった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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長期追跡試験PETRO-Exの結果が米国心臓病協会で発表される

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は17日、発作性・持続性・慢性(永続性)心房細動(AF)患者における血栓塞栓症イベント発症予防に関するプラダキサ(ダビガトラン エテキシラート)の長期臨床試験データが、米国心臓協会(AHA)第80回年次総会で発表されたと伝えた。発表されたPETRO-Ex試験は、PETRO試験(the Prevention of Embolic and Thrombotic Events Study in Patients with AF Randamised to dabigatran)の延長試験として、ダビガトラン投与患者を非盲検で追跡したもの。デンマーク、オランダ、スウェーデン、米国などからの53施設で登録された、心房細動(AF)およびその他少なくとも1つ以上の脳卒中発症危険因子を持つ患者361人を対象としている。追跡期間は平均29ヵ月間、最長では51ヵ月にわたり、新規経口抗凝固剤の試験として最も長いものとなる。PETRO試験およびPETRO-Ex試験では、ダビガトラン150mgおよび300mg 1日2回投与群での血栓塞栓症イベント発症率は低く、大出血は300㎎1日2回投与群で増加傾向が見られ、ダビガトラン投与群で臨床的に問題となる肝機能異常は見られなかったという。詳細はプレスリリースへhttp://www.boehringer-ingelheim.co.jp/news/p-release/08_1117.html

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アリスキレンが65歳以上の患者においてラミプリルよりも強い降圧効果を示す

ノバルティス ファーマ株式会社は17日、スイス本社から11日に発表された新しい臨床データによると、新しいクラスの直接的レニン阻害剤(Direct Renin Inhibitor:DRI)アリスキレン(製品名:米国ではTekturna、その他の国ではRasilez)が65歳以上の高血圧症の患者さんにおいて、アンジオテンシン変換酵素(ACE: angiotensin-converting enzyme)阻害剤のラミプリル(国内未発売)に比べ、有意な降圧効果を示すことが証明されたと発表した。この臨床データはAGELESS試験で得られた結果であり、米国心臓協会(AHA: American Heart Association)の2008年度学術集会で発表されたもの。それによると、アリスキレンは、65歳以上の患者さんにおいて、主要評価項目である12週間の治療後の収縮期血圧を、ACE阻害剤のラミプリルに比べてさらに2.3 mmHg低下させたという。AGELESS試験は65歳以上の収縮期高血圧の患者900名を対象に実施され、12週間の治療後、アリスキレン(1日150mgから300mgに増量)は収縮期血圧を13.6 mmHg低下させた。この降圧効果は、ラミプリル(1日5mgから10mgに増量)群の患者さんの収縮期血圧の低下(11.3 mmHg)に比べ強いものであり(p< 0.0001)、また、拡張期血圧においても同様の結果が得られたという〔アリスキレン群:4.8 mmHg、ラミプリル群:3.5 mmHg(p< 0.0001)〕。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2008/pr20081117.html

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高血圧症治療剤SEVIKARRが欧州で販売承認を取得

第一三共株式会社は11月13日、同社の欧州子会社である第一三共ヨーロッパGmbH(ドイツ、ミュンヘン)が、高血圧症治療剤「SEVIKARR」(オルメサルタン・メドキソミルとベシル酸アムロジピンとの配合剤、開発番号:CS-8663)に関して、11月12日にドイツ当局より販売承認を取得したと発表した。SEVIKARRは現在、欧州ではドイツに加えて、オランダ、スペイン、フランス、英国、ベルギー等で販売承認を取得しており、今後、その他の欧州主要国でも順次販売承認を取得する見込みだという。米国では2007年10月に上市されており「AZOR」の製品名で販売されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.daiichisankyo.co.jp/4less/cgi-bin/cs4view_obj.php/b_newsrelease_n1/766/081113v1-j.pdf

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生物学的製剤の安全性問題の多くは感染症関連

生物学的製剤は相対的に新規クラスの薬剤で、免疫原性など特異的なリスクを伴うが、承認後の安全性の問題に関する情報入手が限られている。そこで、オランダ・ユトレヒト薬学研究所のThijs J. Giezen氏らは、米国およびEU(欧州連合)で承認された生物学的製剤の、その後にとられた安全性に関する規制措置を追跡調査し検証した。JAMA誌2008年10月22日号より。1995年~2007年の米国・EU承認薬を追跡調査追跡調査されたのは、1995年1月~2007年6月に米国およびEUで承認された生物学的製剤で、ワクチン、抗アレルギー薬、後発薬および輸血目的の製品は除外した。主要評価項目は、安全性規制措置の特徴と頻度、タイミングについてで、1995年1月~2008年6月になされた、(1)米国では医療専門家への文書、EUでは医療専門家への直接連絡、(2)米国で黒枠(強調)警告、(3)米国・EUで安全性に関わる薬剤の市場からの回収を調べ評価した。生物学的製剤承認後の安全性に関する規制措置は23.6%期間中に承認された生物学的製剤は計174製剤(米国136、EU105、両地域67)。安全性関連の規制措置は82回(医療専門家への文書46回、医療専門家への直接連絡17回、黒枠警告19回、市場回収なし)で、174製剤のうち41種(23.6%)に出された。カプラン‐マイヤー解析に基づく初回の安全性規制措置の確率は、承認から3年後が14%(95%信頼区間:9~19%)、承認から10年後29%(20~37%)だった。同クラスの生物学的製剤のうち、最初に承認を得た製品は、後から承認された製品と比較して、安全性規制措置が発動されるリスクはより大きかった(12.0/1,000ヵ月対2.9/1,000ヵ月、ハザード比:3.7、95%信頼区間:1.5~9.5)。警告の大部分は、一般疾患、投与部位の様態に関すること、感染症、寄生虫症、免疫系疾患、良性または悪性腫瘍、その他詳細不明だった。このためGiezen氏は「生物学的製剤の承認後に確認される安全性に関わる問題は、しばしば免疫調節作用(感染症)に関連がある。また同クラスで最初に承認された生物製剤が、規制措置を受ける可能性がより高く、緊密な監視が必要である」と結論付けている。(朝田哲明:医療ライター)

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リハビリ介入は認知症患者には効果が乏しい

要介護高齢者へのリハビリプログラムの効果について、認知機能正常な場合はわずかだが効果は認められるが、認知機能低下が認められる高齢者にはベネフィットがないことが、オークランド大学(ニュージーランド)のNgaire Kerse氏らによって報告された。BMJ誌2008年10月18日号(オンライン版2008年10月9日号)より。41ヵ所の施設入所者対象に集団無作為化試験Kerse氏らは、長期療養施設に入所する要介護高齢者へのリハビリプログラム実施が、機能・QOL・転倒改善に効果があるかを、集団無作為化試験にて1年間追跡調査し検討した。対象としたのはニュージーランドにある41ヵ所の軽度要介護入所施設。試験参加者は65歳以上682例で、このうち330例は、老人看護専門看護師によって改善目標の設定と、個別ADL活動プログラムが提供され、日々の介入がヘルスケア・アシスタントによって提供された。352例は、施設介護を受け続けた。主要評価項目は、機能・QOL・転倒指標の変化について。機能は、LLFDI(生命機能低下と能力障害指標)、EMS(高齢者可動スケール:スコア16以下の割合)、FICSIT-4(平衡機能検査指標:直立10秒以上の割合)、TUG(timed up and go検査:秒)の変化を、QOLはLSI(生活満足度指標:判定スコア最大20)、EuroQol(判定スコア最大12)の変化を、転倒は12ヵ月の転倒回数の変化を評価した。副次評価項目は、抑うつ症状と入院とした。認知機能が正常な入所者にはわずかだがベネフィットがある試験を完了した入所者は437例(70%)だった。全体的にプログラム介入の影響は認められなかったが、介入群の中で、認知機能障害のある入所者と比べて認知機能が正常な入所者は全体的に機能の維持(LLFDIによる総合的な機能評価、P=0.024)、下肢機能の維持(LLFDIによる下肢機能評価、P=0.015)が認められた。また介入群で認知機能障害のある入所者では、うつ病の可能性が増大することが認められた。その他の転帰については両群間で差異はなかった。Kerse氏は、「施設に入所する要介護高齢者に対する機能改善のリハビリテーションプログラムは、認知機能が正常であれば多少なりとも影響はあるが、認知機能が低下した入所者にとってベネフィットはない」と結論している。

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COPDの早期治療は必要か? ―大規模臨床試験が示すもの―

2008年10月29日、COPD(慢性閉塞性肺疾患)に対する大規模臨床試験UPLIFT(Understanding Potential Long-term Impacts on Function with Tiotropium)の結果発表を受けて、COPD治療薬チオトロピウム(商品名:スピリーバ)の販売会社である日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社/ファイザー株式会社による記者会見が、久留米大学医学部内科学講座 呼吸器・神経・膠原病内科主任教授 相澤久道氏(=写真)を迎えて開催された。日本呼吸器学会理事も務めている相澤氏はUPLIFTの結果紹介に先立ち、COPDにおける現状について、『開業医の身近にある疾患にもかかわらず、多くのCOPD患者が見逃されている』、『重症ほど医療費が大きくなる』ことを紹介し、積極的な治療が必要であることを強く訴えた。UPLIFTはCOPDに関する臨床試験の中では最大規模の5,993名の患者が参加し、最長試験期間である4年間にわたって実施された。日本から約100名の患者が参加したこと、通常治療をベースとした試験デザインが採用されたことも本試験の特徴である。特に、チオトロピウム群およびコントロール群の双方で、長時間作用型β2刺激薬(LABA)や吸入ステロイド(ICS)、テオフィリンなど、吸入抗コリン薬以外のすべての薬剤使用が許可されていた点が他の臨床試験と大きく異なり、注目すべきと相澤氏が強調した。UPLIFTの主要評価項目は、FEV1(一秒量)の経年的低下量であった。副次的評価項目は、その他の呼吸機能、増悪、健康関連QOL、すべての有害事象、すべての原因による死亡患者数、呼吸器疾患による死亡患者数であった。UPLIFTの結果では、チオトロピウム群はコントロール群に比べ、FEV1の低下率に差はみられなかったものの、FEV1を試験開始30日時点で有意に改善し、その差は4年間の試験期間にわたって維持された(気管支拡張薬投与前87~103 mL、気管支拡張薬投与後47~65 mL、P

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乳幼児の骨折で原因が確認できない場合は虐待を疑うべき

子どもの骨折が虐待によるものなのか、骨折タイプから虐待の可能性を見極めることを目的とする骨折指標の同定作業が、公表論文のシステマティックレビューによって行われた。カーディフ大学(英国)ウェールズ・ヒースパーク大学病院臨床疫学学際研究グループ/ウェールズ児童保護システマティックレビューグループのAlison M Kemp氏らによる。研究報告は、BMJ誌2008年10月2日号に掲載された。システマティックレビューで異なる骨部位の骨折を比較研究レビューのデータソースは2007年5月までのMedline、Medline in Process、embase、Assia、Caredata、Child Data、CINAHL、ISI Proceedings、Sciences Citation、Social Science Citation Index、SIGLE、Scopus、TRIP、Social Care Onlineのオリジナル研究論文、参考文献、テキスト、要約を対象とし言語文献検索(32のキーワード)された。選択された研究は、異なる骨部位の骨折(身体的虐待によるもの、および18歳未満の子どもに起きたその他ケースを含む)を比較研究したもの。総説、専門家の意見、検死研究、成人対象の研究は除外された。各論文を2人ないしは議論の余地がある場合は3人の異なる専門家(小児科医、小児レントゲン技師、整形外科医、児童保護に任ぜられている看護師のいずれか)によってレビューし行われた。またレビューではNHS Reviews and Disseminationセンターのガイダンスをベースとするデータ抽出シート、評価査定用紙、エビデンスシートが用いられた。メタ解析は可能な限り行われ、研究間の異質性を説明するため変量効果モデルで適合を図った。部位、骨折タイプ、発育段階も含めて判断することが大切選択された研究は32。乳児(1歳未満)と幼児(1~3歳)で頻繁に、虐待から生じている骨折が全身にわたって見受けられた。共通して見られたのが多発性骨折だった。自動車事故、虐待の証拠があった外傷を除き、虐待によると思われる骨折の可能性の確率が最も高かったのが肋骨骨折だった(0.71、95%信頼区間0.42~0.91)。虐待の定義付けに基づき、上腕骨骨折が虐待による確率は0.48(0.06~0.94)と0.54(0.20~0.88)の間だった。骨折タイプの解析は、子どもが転倒などで負いやすい上腕骨顆上骨折によってうまくいきそうもなかった。虐待の定義付けに基づき、大腿骨骨折が虐待による確率は0.28(0.15~0.44)と0.43(0.32~0.54)の間にあった。そして小児の発育段階は重要な選定要因であることが示された。頭蓋骨折が虐待による確率は0.30(0.19~0.46)で、虐待による骨折で最もよく見られた。虐待と無関係な骨折は線状骨折であった。本研究では、虐待による骨折の可能性の確率を算出するには、他の骨折タイプのデータが不十分だった。Kemp氏は「乳児や幼児の骨折で原因が確認できない場合は、身体的な虐待があることを潜在原因として考えなければならない。骨折それ自体だけでは、虐待によるものなのかそうでないかは区別できない。個々の骨折の評価では、部位、骨折タイプ、発育段階が、虐待可能性の判定を助けてくれる」と結論。「この分野の質の高い比較研究は限られている。さらなる前向きな疫学研究の必要が示される」と提言している。

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欧州でBRIDION(SUGAMMADEX)の発売を開始

2008年9月10日、米国ニュージャージー州ケニルワース―シェリング・プラウ・コーポレーションは、スウェーデンでの発売を皮切りに、欧州におけるBRIDION(sugammadex)の発売を開始し、英国およびドイツでは近日発売、また欧州のその他複数の市場でも今年末から2009年初めにかけて発売を開始すると発表した。BRIDIONは選択的筋弛緩薬結合剤(SRBA)で、7月29日に欧州委員会から販売承認を取得した。詳細はプレスリリースへhttp://www.schering-plough.co.jp/press/index.html

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世界10ヶ国の調査から40歳以上の健康上リスクの自覚が低い

バイエル薬品は、世界10ヶ国の40歳以上を対象にした調査により、多くの人が自分は健康上のリスクを冒した生活をしていないと考えているのに対し、実際の生活習慣ではリスクが高い行動が含まれており、認識との間に大きな差があることが明らかになったと発表した。調査はアルゼンチン、カナダ、中国、ドイツ、イタリア、日本、メキシコ、韓国、スペイン、および米国で実施。全体的に見ると、回答者の約半分以上が、自分は世界一の死因である心血管系疾患(CVD)などのリスクは冒していないと回答。しかし、回答者の約半分から4分の1の人はCVDリスクが高い状態にあった。また、ほとんどの国でCVDのリスクが高いと考えられる人のうち4分の1以上が、低用量アスピリンの予防効果について医師と相談したことがないと回答。さらに、各国の回答者の多くが、血圧値やコレステロール値のチェックには気を遣うにもかかわらず、50歳以降の定期的な乳房X線写真(マンモグラフィ)、前立腺癌検診、大腸内視鏡検査やその他の検査を怠ったり、高血圧症や脂質異常症で処方された薬の服用をしていなかった。詳細はプレスリリースへhttp://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2008%2Fnews2008-09-29_1.html

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がん患者さんの思い 浮き彫りに

 千葉市にて、千葉県がん患者大集合2008が開催された。「千葉のがん医療を考える」と題し、アンサーパッドを用いた会場参加型のシンポジウムも行われた。現在あるいは過去に受けたがん診療に対するがん患者さんの思いが明らかにされるとともに医療者との意識差が垣間見られている。「がん診療に満足」3割 まず、がん診療に対する安心度合いについて、がん患者とその家族267名に回答を求めた。その結果、「がん医療に満足している」は87名で33%。対象者の3割は満足していると答えたが、逆に7割は満足と答えなかった。 インフォームドコンセントの理解については、「医師の説明が良く理解できないことがあった」は117名と対象者の44% 半数弱が理解できないことがあったと回答した。 よく理解できなかった理由を、上記117名にたずねたところ、「医療用語が難しくて理解できなかった」が75名で70%「説明の時間が短くて理解できなかった」は93名で90%弱「精神的に余裕がなくて理解できなかった」は71名で70%弱医療用語が難解であることも背景にあるが、それ以上に説明時間の短さが理解の障害要因として印象に残っているようである。インフォームドコンセントの受け止め方について、患者さんと家族267名に尋ねたところ、「副作用や合併症、後遺症の説明で不安になった」は144名で70%弱。 しかし、「ごく稀にしか起こらない副作用、合併症、後遺症の説明も説明すべき」は199名と91%にのぼった。 不安ではあるが細かなことも話して欲しいのが患者さん、家族の心理であるようだ。「十分な心のケアを受けていた」2割 心のケアについてがん患者さんと家族に尋ねた。その結果、「十分に心のケアのサポートを受けていた」と答えたのは47名で18%。対象者の8割以上は十分な心のケアを受けていたとは回答しなかった。 また、がん相談窓口について尋ねたところ、「がんの相談窓口があることを知っていた」は93名29% 「相談窓口について担当医から説明を受けたことがある」は23名で9% 3割が相談窓口を知っていたが、ほとんどは担当医からの説明を受けていないことがわかった。 その他、「院内にがん体験者が相談にのる場があれば利用したい」、「同じような立場の人と話してみたいと思うことがある」、「院内に患者同士が交流する場があれば参加したい」は患者さん家族の70%以上であり、患者同士の相談交流への要求の高さが伺える。医療者と患者の相互信頼 引き続き行われた、がん経験者の講演では次のように述べられた。 病気そのものへの不安はなくせないが、診断治療を受ける際の不安は少なくできる。意味がわからない事からくる不安は大きいが、正体がわかってしまえば不安は軽減する。そういう意味でも医師の説明は重要である。 また、悪い知らせを聞くときは、医師の説明に気持ちがついて行かないことが多い。信頼できる人に付き添ってもらいメモを取ってもらうなどの工夫が必要。医師と患者の情報量の違いは明らかであり医療者には病気だけではなく、病気を持つ人を診て欲しい。しかし、患者もお任せにせず自分の病気を知ることが必要。そのようにして、医療者と患者の相互の信頼関係を築いてゆくべきである。 そして、乳がん体験者である耳鼻咽喉科医師小倉恒子氏が自身の体験を説明。今は副作用対策も進化し、自分自身は化学療法を受けていても社会生活に問題はない状態。医師は、重症であっても最期までがん患者を救って欲しいと述べた。

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植込み型除細動器が作動するとその後の死亡リスクが高い

致命的な初回不整脈イベントを防ぐ一次予防を目的として植込み型除細動器(ICD)を装着した心不全患者は、ICDの作動による電気ショックを受ける可能性がある。ICD治療の長期予後に関する研究を行っていたワシントン大学(米国)のJeanne E. Poole氏らは、適切・不適切を問わず電気ショックを受けた患者の死亡リスクは、電気ショックを受けなかった患者より大幅に高くなることを報告している。NEJM誌2008年9月4日号より。811例にICDを植込んで45週間追跡調査試験は、「心不全による突然死に関する試験」(SCD-HeFT)に参加した患者を対象とし、無作為にICD治療群に割り付けた829例中811例にICDを装着し追跡調査を行った。ICD作動による電気ショックのうち、心室性頻拍または心室細動発現後の電気ショックは「適切」と判断し、その他のICD作動による電気ショックは「不適切」とした。中央値45.5ヵ月の追跡調査期間中、適切な電気ショックだけを受けた(適切ショック群)のは128例、不適切な電気ショックだけを受けた(不適切ショック群)のは87例、両方の電気ショックを受けた(両ショック群)のは54例で、合計269例(33.2%)が、少なくとも1回、ICDの電気ショックを受けた。適切な作動では全死因死亡リスクが有意に上昇ベースラインの予後因子で補正したコックス比例ハザードモデルで解析したところ、「適切ショック群」は、当該群以外の患者と比べて、全死因死亡リスク上昇との有意な関連が認められた(ハザード比:5.68、95%信頼区間:3.97~8.12、P

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乳がんの最新治療を講演

2008年9月3日、都内で大鵬薬品主催のオンコロジーセミナーが開催された。その中で聖路加国際病院 中村清吾氏、日本医科大学 芳賀駿介氏、坂元記念クリニック 坂元吾偉氏の3氏がそれぞれの立場で最新の乳がん診療の情報について解説した。聖路加国際病院 ブレストセンター長 中村清吾氏 乳がんの治療はがん細胞の増殖メカニズムが解明されTargeted Therapyへ移行した。中でもハーセプチンは乳がんの20%に見られるHER2陽性症例の標準治療である。加えて、術後の患者でも半数の再発を予防することが報告され、本邦でも本年2月から術後補助療法の適応が認められている。 一方、乳がん学会でも班研究を実施しているTriple Negative乳がん(ER感受性-、PgR感受性-、HER2-)では、通常の抗がん剤が無効という症例もあり課題が残る病型である。そのような中、血管新生阻害薬であるアバスチンは再発乳がんの再発抑制に関し良好な結果が報告されるなど、Triple Negative乳がんのキードラッグとしても期待される。日本での乳がんへの保険適応も早期に望まれる。その他、新たな分子標的治療薬ラパチニブなどが登場する。ホルモン感受性、HER2、血管新生阻害薬、他の分子標的治療薬など選択肢が増え、個別化治療はより細密化してくると考えられる。 また、化学療法適応の指標として21種の遺伝子の組み合わせにより再発リスクを評価するOncotypeDXという遺伝子検査法について紹介した。この検査は、同じステージの乳がんでもリスクの重度度を識別し、化学療法の実施の意思決定ツールとなる。米国で爆発的に普及、保険未承認ではあるが日本でも幾つかの先進施設で用いられている。日本医科大学 乳腺科 芳賀駿介氏 乳がんにおけるリンパ節郭清は、その後の治療の指標となる。しかし、郭清によるリンパ浮腫、上肢内側知覚障害、術後のリハビリテーションなど患者さんへの負担とともに入院期間も増加する。 そこで不要な腋下リンパ節郭清を省略するためセンチネルリンパ節生検が実施されるようになってきている。乳がん学会認定施設でのアンケートの結果、87%の施設がセンチネルリンパ生検を実施、行っていない施設でも殆どが実施したいと考えていることがわかった。センチネルリンパ節生検の実施により患者さんの身体的負担の軽減と医療費の削減の双方が実現できる。この手段を保険承認させるため乳がん学会では多施設協同試験を実施し、試験結果を厚生労働省に提出する。中間報告は9月の乳がん学会にて報告予定である。坂元記念クリニック 乳腺病理アカデミー 坂元吾偉氏 乳がんの確定診断は病理組織診断である。実は、治療を受ける前に本当に乳がんなのかを確認することが重要であるともいえる。 乳腺病理には経験が必要である。また、他のがんとの細胞異型の尺度の違い、乳管腺腫などの新たな疾患概念、組織型だけでも39、亜型も含めると100以上という病型の多彩さなどから乳腺病理は非常に難しいものであるといえる。最近は針生検の普及から検体が小さくなり更に難易度が上昇している。 しかし、日本の病理医は米国の1/5というのが現状。病理専門医のいない施設は多く見られ、患者さんだけなく、臨床医さらには病理医も困惑している状況である。乳腺病理医の確保が乳がん治療における非常に重要な課題といえる。経験ある病理医であればリスクを分けることができる。実際、St.Gallen Conferences 2007での7つのリスクカテゴリーのうち6つは病理診断の結果で明らかになるものであり、病理医の適切な診断により適切な治療が可能になる。 そのような中、坂元氏は坂元記念クリニックを設立した。08年4月から病理診断科が標榜可能になったため、乳腺病理を唯一標榜。精度の高い乳腺病理診断を目指し、臨床医病理医に正しい情報を提供することを目的とする。坂元氏は、乳腺病理診断が正しく行われることは社会全体にとっても有益であると考えると語った。《参考リンク》第16回日本乳癌学会総会 http://www.jbcs.gr.jp/meeting/soukai.html 坂元記念クリニック http://www.a-bp.net/index.html(ケアネット 細田雅之)

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【レポート】第16回 日本乳癌学会学術総会開催前プレスカンファレンス

 2008年9月26、27日に大阪国際会議場にて開催される「第16回日本乳癌学会学術総会」に先立ち、9月3日にプレスカンファレンス(ファイザー株式会社共催)が開催された。そこで話された日本乳癌学会の取り組みと、本総会のトピックスについてレポートする。 初めに、日本乳癌学会理事長の園尾博司氏より、「我が国の乳癌の現状/日本乳癌学会の概要と活動実績」が紹介された。 日本乳癌学会が取り組んでいる全国主要施設の乳癌統計を、ウェブ上で会員だけでなく一般市民にも公開することで、乳癌の早期発見と診療の均てん化を目指しているという。しかし、検診による乳癌の発見率が不十分であることで、乳癌の見逃しが起こっていると園尾氏は訴え、視触診だけではなくマンモグラフィの受診率を高めることが重要であることを強調した。その他、乳房温存術、センチネルリンパ節生検、保険適用の取得状況、ガイドラインについて紹介した。 園尾氏は乳腺外科標榜についても言及し、学会としては賛成であるとの立場を明確にした。最後に、乳癌学会は常に患者の立場に立っていたい、と結び患者重視の姿勢をアピールした。 続いて、大阪府立成人病センター乳腺・内分泌外科の稲治英生氏より「日本乳癌学会学術総会のトピックス紹介~標準化から個別化へ~」が紹介された。 冒頭、今回のメインテーマである「標準化から個別化へ」について稲治氏は、「EBMに基づき治療の標準化が進んだことで、均一な治療が受けられるようになった。一方、標準化治療はあくまでレディーメイドであり、今後はそれぞれの癌の顔つきに最適化した治療を進めていくべきであろう、と考え、このテーマを掲げた」と述べた。 本総会では、臨床的な研究成果に偏らず、乳癌の基礎から臨床について学術的機運が高まることを期待していると稲治氏は述べた。 続いて、プログラム全体像が紹介された。乳癌診療ガイドライン改訂(薬物療法編を除く)、乳癌取り扱い規約改訂、センチネルリンパ節生検に対する多施設共同臨床確認試験の中間報告などの特別報告に多くの時間を当てている。その他、様々な基調講演、招待講演、ディベートセッション、教育・病理・画像診断・看護の4つのセミナーなどが行われる。

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QRISK2は心血管系イベントのハイリスクの予測に優れている

心血管系イベントの予測ツールとして、英国人データを基に開発されたQRISK(10年間心血管系イベント率予測スコア)(2007年8月10日配信号参照)。その進化バージョンQRISK2(心血管疾患リスクアルゴリズム)の開発・検証報告が、英国ノッチンガム大学のJulia Hippisley-Cox氏らにより発表された。QRISK2は、英国立医療技術評価機構(NICE)が推奨するFraminghamスコア補正バージョンよりもパフォーマンスが優れたもの、イングランドとウェールズ特異の人種コホートを鑑み心血管リスクの正確な推定値を提供できることを目的とし開発された。BMJ誌2008年6月28日号(オンライン版2008年6月23日号)掲載より。英国のQRESEARCHで登録された230万人を基にツール開発は、QRESEARCHでデータベース登録された35~74歳の230万人(1,600万人 年超)、心血管イベント14万件を基とする。全母集団(開発コホートと検証コホート合わせて)のうち、222万人が白人または人種不明の集団で、22,013人が南アジア人、11,595人がアフリカ系黒人、10,402人がカリブ系黒人、19,792人が中国系またはその他アジア系で構成されていた。主要評価項目は、心血管疾患(虚血性心疾患、脳卒中、一過性脳虚血発作)の初回診断(インシデント報告)記録。リスク因子は、自己申告を含む民族性、年齢、性、喫煙状態、収縮期血圧、血清総コレステロール、BMI、60歳未満家族(一親等)の虚血性心疾患歴、貧困スコア、および高血圧、2型糖尿病、腎疾患、心房細動、関節リウマチの治療歴。Framinghamスコアよりも優れている検証の結果、QRISK2はFraminghamスコアよりも優れていることを示した。R2乗検定によるモデル適合度は、QRISK2(女性43% 、男性38%)vs. Framingham(39%、35%)。ハイリスク群(10年リスクが20%以上)にFraminghamで分類されたのは112,156人だったが、QRISK2で検証するとそのうちの46,094人(41.1%)にとどまる。そしてこのうち実際の10年リスクは16.6%で、20%閾値以下だった。一方QRISK2でハイリスクに分類されたのは78,024人。Framinghamで分類できたのはそのうち11,962(15.3%)人、実際の10年リスクは23.3%で20%閾値を上回っていた。検証コホートにおいて、年間インシデント20%以上と予測されたのは、QRISK2では女性で30.6/1,000人年、男性で32.5/1,000人年。一方、Framinghamでは、26.4/1,000人年、25.7/1,000人年で、実際の20%以上のイベント発生はQRISK2で予測された集団のほうが高かった。これらからCox氏は「QRISK2は特に“20%”を閾値とするハイリスク群の選定に優れ、心血管疾患の第一次予防のためのより効果的なツールである」と結論した。また、検証グループの属性を変えてさらなる妥当性の検証を行う必要性も述べている。

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中国製原料使用のヘパリンが毒ヘパリンであるEBM

年明けの日本では毒ギョーザが話題となっていたが、米国では透析患者から相次いでいた静脈注射用ヘパリン投与後のアナフィラキシー様反応の報告が大きな関心事となっていた。死亡例も相次いだ本件に関して米国疾病管理センターは共通の症例報告からBaxter Healthcare社のヘパリン製剤を特定。1月17日にリコール開始、2月28日に回収を終了する。しかし3月6日、ドイツから他社製品での事例が報告。これを受け米食品医薬品局(FDA)はヘパリンの全製造業者に汚染物質混入の検査を命じた。そして混入が明らかになったのが、過硫酸化コンドロイチン硫酸(OSCS)。本論は、これまで立証されていなかったOSCSと臨床有害事象との生物学的関連を目的に、Momenta Pharmaceuticals社のTakashi Kei Kishimoto氏らが、FDAの協力を得て行った試験結果。NEJMオンライン版2008年4月23日に速報され、本誌では2008年6月5日号にて掲載された。ブタ体内で有害事象の再現実験試験はFDAから、有害事象との関連が疑われたヘパリン製剤ロットと比較対照用のロットの提供を受けて実施された。OSCSの有無、および汚染物質と観察された臨床有害事象(低血圧、顔面浮腫、頻脈、蕁麻疹、吐き気など)とを結び付ける可能性がある生物活性について盲検下でスクリーニング。in vitroで接触系活性化と補体カスケードを分析。さらにブタの生体内でOSCSが問題の臨床症状を再現するかどうかin vivoの試験も行われた。ブタもヒトもOSCSに同様の反応示す未分画へパリンの汚染ロットで見つかったOSCSは、標準試料の合成OSCSと同様に直接、ヒト血漿中のキニンカリクレイン経路を活性化したが、これは強力な血管作用を持つブラジキニン産生につながる可能性を示唆するものでもあった。加えてOSCSは、補体系タンパク由来の強力なアナフィラトキシンであるC3a、C5aの産生も誘導した。意外なことに、この2つの経路の活性化は連鎖しており、第XII因子の液相活性化に依存していた。また、さまざまな種の血漿サンプルのスクリーニングによって、ブタとヒトのOSCSの作用に対する感受性は同様なことがわかった。ブタの静脈に投与したOSCS汚染ヘパリンと合成OSCSは、いずれもカリクレイン活性化に関連する低血圧を引き起こした。これらからKishimoto氏は「本試験結果は、疑惑のヘパリン・ロットに混入しているOSCSが、観察された有害事象と生物学的な関連のあることを示す科学的根拠を提供するものだ」と結論。また、カリクレインのアミド溶解性の活性を評価する分析試験を行い、ヘパリンのOSCSや、その他の接触系を活性化する高度の過硫酸化多糖類の混入物質をスクリーニングすることで、ヘパリン供給経路を保護するための分析試験を補足できるとも報告した。(武藤まき:医療ライター)

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「厳格な血圧コントロール」と「腎機能の改善」によって糖尿病合併高血圧例の予後が改善 -Challenge DM study CKDサブ解析より-

CKD治療のポイントは「厳格な血圧コントロール」と「腎機能改善」5月31日、第51回日本腎臓学会学術総会において梅村敏氏(横浜市立大学大学院医学研究科病態制御内科学)は、腎機能の低下と不十分な血圧コントロールが糖尿病を合併した高血圧症例の心血管系イベントの発症を増加させることを示し、血圧コントロールと腎保護の重要性を訴えた。これは『Candesartan antiHypertensive Assessment for Long Life Enrolled by General practitioners - target on hypertension with Diabetes Mellitus (Challenge-DM) study』に参加した16,860例(有効性評価対象症例数)のうち、登録時から酵素法によって血清クレアチニン値を測定していた4,799例を用いたCKDサブ解析の結果によるもの。Challenge-DM studyは、糖尿病を合併した高血圧症例にカンデサルタンをベースとした治療を施行し、平均2年5ヵ月追跡した観察研究であり、総イベントは突然死、脳血管系イベント、心血管系イベント、脳・心血管疾患系イベント、重篤な不整脈、重篤な腎障害、その他の血管障害と設定された。eGFRが60mL/min/1.73m2未満をCKDと定義した場合、糖尿病を合併した高血圧症例4,799例中、1,704例(35.5%)が登録時にCKDであった。糖尿病合併高血圧にCKDを併発すると、心血管系イベントの発現がさらに高率になるCKD群では非CKD群と比べると、総イベントが有意に多く発現した。これをCKDのステージ分類別にみると、ステージ4(eGFR15以上30未満)群で14.6%と総イベント発現率が高く、ステージ3(eGFR30以上60未満)群と比較すると有意に高かった。CKDの放置は心血管系イベントの発症を招くまた、「登録時におけるCKDの有無」と「経過観察時におけるCKDの有無」によって、「登録時も経過観察時もCKDが認められなかった群(無→無群)」、「経過観察中にCKDが発症した群(無→有群)」、「経過観察中にCKDが改善した群(有→無群)」、「登録時も経過観察時も継続してCKDが認められた群(有→有群)」の4群に分けて解析した。「有→有群」は「無→無群」より有意に総イベント発現率が高く(p

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