嚢胞性線維症患者への悪影響は間接喫煙曝露と遺伝子変異が相互に連関

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ケアネット

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嚢胞性線維症(CF)は白人に高頻度でみられる単一遺伝子疾患だが、Johns Hopkins医科大学遺伝学部門のJ. Michael Collaco氏らは、本疾患をめぐる遺伝子-環境の相互連関を調べることで疾患変異の洞察を試みた。具体的に間接喫煙曝露とCF患者の肺機能やその他転帰との関連性、また間接喫煙曝露と肺疾患重症度との社会経済学的側面からみた関連性、肺機能に影響を与える間接喫煙曝露は特異的な遺伝子-環境なのかを検証。JAMA誌2008年1月30日号で結果が掲載された。

2000年10月~2006年10月の米国人CF患者を調査




対象はUS Cystic Fibrosis Twin and Sibling Studyから集められ、2000年10月から2006年10月の間にCFと診断された主として米国人。欠落データについては嚢胞性線維症財団の登録データで補完された。

このデータについて、環境因子および遺伝的因子で階層化し、肺機能に関するレトロスペクティブな評価を実施。主要評価項目は、横断的および縦断的肺機能測定時の疾患特異性。

間接喫煙曝露群は横断・縦断的肺機能とも有意に低下




家庭での間接喫煙有無が確認できた812例のうち188例(23.2%)が曝露群。妊娠期間中に母親の能動喫煙有無が確認できた780例のうちでは129例(16.5%)が曝露群だった。

家庭での間接喫煙曝露群は非曝露群と比較して、横断的評価でも(パーセンタイル値9.8ポイント減、P<0.001)、縦断的評価でも(同6.1ポイント減、P=0.007)有意に肺機能が低かった。

また回帰分析の結果、肺機能への間接喫煙曝露の有害性は社会経済的背景とは関連性は認められなかった。

変異遺伝子と間接喫煙曝露の相互連関が肺機能の有意な低下を招いていることも明らかとなった(嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子CFTR non-ΔF508 ホモ接合体はパーセンタイル値12.8ポイント(P=0.001)、トランスホーミング増殖因子TGFβ1-509 TTホモ接合体は同22.7ポイント(P=0.006)、トランスホーミング増殖因子TGFβ1codon10CCホモ接合体も同20.3ポイント(P=0.005)それぞれ低下)。

このため「どのような間接喫煙曝露もCF患者の肺機能に悪影響を及ぼす。またCF遺伝子(CFTR)とCF変異遺伝子(TGFβ1)は、間接喫煙曝露の負の影響を増幅する」と結論付けている。

(朝田哲明:医療ライター)

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