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双極性障害、リチウムは最良の選択か

 双極性障害の治療ではリチウムが頻繁に使用されており、最も確立された長期治療法と考えられる。実際に、リチウムは再発リスクを最小限にとどめ、エピソード間の症状を改善するための治療の基本である。イタリア・ローマ・ラ・サピエンツァ大学のGabriele Sani氏らは、双極性障害治療におけるリチウムの入手可能なエビデンスを検討した。それには、効能、限界、潜在的な利点や、別の製剤を考慮した有効性も含まれた。また、双極性障害患者への抗てんかん薬、抗うつ薬、抗精神病薬の長期的代替使用に関する、顕著な比較をオーバーレビューした。Clinical drug investigation誌オンライン版2017年5月5日号の報告。双極性障害患者の多くに初期治療としてリチウムを使用すべき 双極性障害治療におけるリチウムの有効性を検討した主な結果は以下のとおり。・入手可能なエビデンスによると、双極性障害患者は主としてリチウムで治療し、いくつかのケース(とくに急性期治療)では抗精神病薬と組み合わせ、リチウム不耐性または無効例では抗てんかん薬を用いるべきであると考えられる。・補助的な抗うつ薬の使用は、ブレークスルーうつ病エピソードに限定されるべきである。・自殺念慮や自殺行為に、リチウムの長期的な利点と潜在的な副作用についての十分な情報を有している場合には、双極性障害患者の多くに初期治療としてリチウムを使用すべきである。・疾患または抗精神病薬の経過を悪化させる、重大で長期的な副作用を引き起こす可能性があるなどの抗うつ薬との併用を行うことなく、多くの患者でリチウムは許容可能である。■関連記事双極性障害に対する抗けいれん薬の使用は、自殺リスク要因か双極性障害の再発リスク、1年目で4割超双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント

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うつ病の再発を予測する3つの残存症状:慶應義塾大

 うつ病における残存症状は、予後に悪影響を及ぼす。しかし、アウトカムを予測するうえで各残存症状の影響については、ほとんど知られていない。慶應義塾大学の櫻井 準氏らは、自己報告および臨床医評価に基づいて、どの症状がその後の再発を予測できるかを検討した。Psychopharmacology誌オンライン版2017年5月3日号の報告。 STAR*D(Sequenced Treatment Alternatives to Relieve Depression)試験において第1段階の治療(citalopramで14週間)で寛解を達成し、1回以上受診した後に、12ヵ月の自然経過フォローアップ期間に入った非精神病性うつ病の外来患者1,133例のデータを分析した。再発予測のフォローアップ項目における、16項目の簡易抑うつ症状尺度自己報告(QIDS-SR16)および臨床医評価(QIDS-C16)によって特定された残存症状は、Cox比例ハザードモデルを用いて確認した。 主な結果は以下のとおり。・不穏(HR:1.197、p=0.018)、過眠症(HR:1.190、p=0.009)、体重変化(HR:1.127、p=0.041)の3つのQIDS-SR16症状が、その後の再発と有意に関連していた。・フォローアップ時における不穏(HR:1.328、p=0.001)、入眠障害(HR:1.129、p=0.047)、体重増加(HR:1.125、p=0.045)の3つのQIDS-C16症状が、再発と有意に関連していた。 著者らは「オリジナルの試験は、うつ病の再発予測を評価するために行われたわけではなく、各症状は互いに関連している可能性があり機能的状態として扱われていない」としながらも、「不穏、不眠、体重変化などのいくつかの残存症状は、うつ病が再発しやすい患者を特定するのに役立つであろう。再発に対する各残存症状の影響は、自己報告と臨床医評価で類似していた」としている。■関連記事うつ病の寛解、5つの症状で予測可能:慶應義塾大学たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

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統合失調症と気分障害の死亡率、高いのは

 精神疾患患者は、重大な公衆衛生上の懸念である過剰な死亡率を示す。韓国・延世大学校のWoorim Kim氏らは、統合失調症、気分障害、精神活性物質使用による精神的および行動的障害と診断された韓国人患者の全死因および自殺死亡率を調査し、これを一般人と比較した。Journal of Korean medical science誌2017年5月号の報告。 対象は、2002~13年の韓国National Health Insuranceコホートより得られた15歳以上の10万7,190例。10万人年当たりの死亡率を算出した。全死因および自殺死亡リスクに対するベースライン特性の影響を定量化するために、ポアソン回帰モデルを用いた。標準化死亡率(SMR)も算出した。 主な結果は以下のとおり。・全死因では、精神的および行動的障害の患者で最も高く(10万人年当たり1051.0)、次いで統合失調症患者(10万人年当たり949.1)、気分障害患者(10万人年当たり559.5)であった。・自殺死亡では、統合失調症患者で最も高く(10万人年当たり177.2)、次いで精神的および行動的障害の患者(10万人年当たり143.7)、気分障害患者(10万人年当たり59.7)であった。・全死因および自殺死亡率に対する率比(RR)は、若者および女性で低下した。・精神疾患患者は、一般集団よりも全死因死亡率が高かった(統合失調症SMR:2.4、95%信頼区間[CI]:2.2~2.5。気分障害SMR:1.4、95%CI:1.3~1.5。精神的および行動的障害SMR:2.6、95%CI:2.5~2.8)。・精神疾患患者は、一般集団よりも自殺死亡率が高かった(統合失調症SMR:8.4、95%CI:7.2~9.6。気分障害SMR:2.8、95%CI:2.1~3.5。精神的および行動的障害SMR:6.8、95%CI:5.7~7.9)。 著者らは「これらの知見より、精神疾患における過剰死亡率を減少させる努力がなされるべきである」としている。関連医療ニュースうつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は重度な精神疾患+物質使用障害、自殺リスクへの影響統合失調症、心臓突然死と関連するプロファイルは

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うつ病は認知症のリスクファクター or 初期マーカー

 うつ病は、認知症のリスクファクターとして知られているが、この関係が原因であるかはわかっていない。オーストラリア・西オーストラリア大学のO. P. Almeida氏らは、うつ病に関連する認知症が抗うつ薬使用により減少するか、うつ病への曝露と認知症が発症した時間との関係性を調査した。Translational psychiatry誌2017年5月2日号の報告。 71~89歳の健常男性4,922例を対象に14年間の縦断的研究を行い、うつ病歴、現在のうつ病、うつ症状の重症度に関連する情報を収集した。抗うつ薬の使用、年齢、教育、喫煙、病歴(糖尿病、高血圧、冠状動脈性心疾患、脳卒中)についても収集した。フォローアップ期間中の認知症発症および死亡は、西オーストラリア州データ連携システムによって確認した。 主な結果は以下のとおり。・うつ病であった男性は682例であった(過去:388例、現在:294例)。・8.9年間のフォローアップ期間中、認知症を発症したのは903例(18.3%)、認知症でなく死亡したのは1,884例(38.3%)であった。・過去および現在うつ病を有している男性の、認知症のサブハザード比(SHR)は、それぞれ1.3(95%CI:1.0~1.6)、1.5(95%CI:1.2~2.0)であった。・抗うつ薬の使用は、このリスクを減少させなかった。・認知症のSHRは、うつ症状のない男性と比較して、うつ症状の疑い例1.2(95%CI:1.0~1.4)、軽度~中等度うつ症状例1.7(95%CI:1.4~2.2)、重度うつ症状例2.1(95%CI:1.4~3.2)であった。・うつ病と認知症は、フォローアップ期間の最初の5年間のみで関連が認められた。 著者らは「うつ病歴のある高齢者は、認知症発症リスクが高い。しかし、うつ病は認知症の修正可能なリスクファクターというよりも、初期認知症のマーカーである可能性が高い」としている。関連医療ニュース 65歳未満での抗うつ薬使用、認知症増加と関連 抑うつ症状は認知症の予測因子となりうるのか たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

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統合失調症とグルテンとの関係

 統合失調症は、さまざまな臨床症状を有する慢性疾患である。そして、疾患の発症タイプ、症状、経過に関しては、異質特性を示す。生涯有病率は1%と低いものの、重度の障害を引き起こす可能性がある。したがって、効率的な治療法を開発することは非常に重要である。いくつかの研究では、食事からグルテンを除去することで、統合失調症の症状が有意に改善するとの仮説が立てられている。また、疫学研究において、統合失調症患者のセリアック病(グルテンに対する自己免疫疾患)の有病率は、一般集団よりも約2倍であると報告されている。トルコ・バフチェシェヒル大学のCan Ergun氏らは、グルテンとセリアック病が統合失調症の発症に及ぼす影響を評価した。また、グルテンフリーの食事療法の効果、グルテンに対する抗体反応、脳腸軸相関、共通の遺伝的存在についても研究している。Nutritional neuroscience誌オンライン版2017年4月9日号の報告。 PubMedデータベースより、統合失調症、グルテン、グリアジン、セリアック病、エキソフィン、脳腸軸、精神疾患について検索を行った(出版日制限なし)。統合失調症とセリアック病の関係に関する記事を本レビューに含んだ。 主な結果は以下のとおり。・いくつかの研究において、統合失調症患者の食事からグルテンを除外した際、関連する症状が最小限に抑えられたことを示すエビデンスが得られた。・疫学的調査により、増加した抗グリアジン抗体を有する統合失調症患者のほとんどは、セリアック病を有していないことが明らかになった。しかし、グリアジンに対する抗体増加は、両疾患においてみられる疫学的異常のシェアポイントでありうることが示唆された。 著者らは「統合失調症とセリアック病との関係を調査した臨床的、免疫学的、微生物学的、疫学的研究において、一貫した結果はなかった。この関係を確認するためには、より大規模な研究が必要となる。そして、2つの疾患の根本的なメカニズムを解明すべきである」としている。関連医療ニュース 抗精神病薬多剤併用大量療法と関連するペントシジン:順天堂大 統合失調症の陰性症状改善へ、グリシン再取り込み阻害 統合失調症、大脳皮質下領域の新発見:東京大学

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急性期統合失調症うつ病や不安症との鑑別に有用なマーカー

 うつ症状や不安症状は、統合失調症の早期または急性期においてみられる症状であり、適切な診断および治療を複雑化する。そのため、統合失調症うつ病および不安症を分類する指標が早急に求められている。潜在的なバイオマーカーとして、統合失調症の3つのアップレギュレーションされたlncRNA、うつ病の6つのダウンレギュレーションされたlncRNA、全般不安症の3つのアップレギュレーションされたlncRNAが、lncRNAマイクロアレイプロファイリングおよびRT-PCRを用いて同定されている。中国・南京医科大学のXuelian Cui氏らは、潜在的なバイオマーカーによる、早期または急性期統合失調症の診断が可能かを検討した。American journal of medical genetics. Part B, Neuropsychiatric genetics誌オンライン版2017年3月28日号の報告。 すべてのlncRNAは、統合失調症患者40例、うつ病患者40例、全般不安症患者40例と正常対照者40例において、交差検定を行った。主な結果は以下のとおり。・統合失調症の3つのアップレギュレーションされたlncRNAは、正常対照者と比較して、全般不安症患者において有意なダウンレギュレーションを発現したが、うつ病患者では認められなかった。・うつ病の6つのダウンレギュレーションされたlncRNAは、統合失調症患者において反対の作用で発現し、全般不安症の3つのアップレギュレーションされたlncRNAの発現は、統合失調症患者と全般不安症患者で有意に異なっていた。 著者らは「これらの結果から、統合失調症の3つのアップレギュレーションされたlncRNA発現パターンは、うつ病患者や全般不安症患者において完全に複製されず、その逆であることが示唆された。これら3つの統合失調症lncRNAは、統合失調症診断のための潜在的な指標として確立され、うつ病や全般不安症と分類可能である」としている。関連医療ニュース 初発統合失調症患者の脳変化を調査 初発統合失調症、陰性症状の経過と予測因子 日本のDPCデータより統合失調症診断患者を分析

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肥満が双極性障害の病態生理に影響

 双極性障害(BD)患者の60%以上で肥満が報告されている。肥満は、疾患の重症度を悪化させ、認知や機能アウトカムに影響を及ぼす。白質(white matter:WM)の異常は、BDの神経イメージング研究において、最も一貫して報告された知見の1つである。イタリア・Scientific Institute Ospedale San RaffaeleのElena Mazza氏らは、BD患者においてBMIとWM統合性が相関すると仮定し、検討を行った。Bipolar disorders誌2017年3月号の報告。 BDうつ病患者164例のサンプルにおけるBMIを評価した。WM統合性の拡散テンソル画像(DTI)測定(FA、MD、AD、RDを含む)のために、閾値のないクラスター強化法を用いて全脳線維束に基づく空間統計を行った。 結果、BMIは、いくつかの線維束、前放射冠、前頭視床、下前頭後頭部束、脳梁において、WM統合性と関連していることがDTI測定で観察された。 著者らは「気分調整や神経認知機能に不可欠なWM経路におけるBMIの関連は、重要な皮質辺縁系ネットワークでの構造的な連結性への有害作用を介し、BMIがBDの病態生理に影響する可能性のあることが示唆された」としている。関連医療ニュース双極性障害とうつ病の鑑別診断への試み:奈良県立医大白質の重症度で各抗認知症薬の効果に違い:岡山大ドパミンD2/3受容体拮抗薬、統合失調症患者の脳白質を改善

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うつ病患者、身体症状から見つけて

 2017年5月17日、東京において塩野義製薬株式会社主催のプレスセミナーが開催され、「うつ傾向のある人の意識と行動に関するアンケート調査※1」の結果が、藤田保健衛生大学 精神神経医学 教授の内藤 宏氏より発表された。その後、患者の身近な相談医として日常診療にあたっている宮崎医院 院長の宮崎 仁氏を交え、うつ傾向のある患者とかかりつけ医のコミュニケーションについて語られた。潜在的なうつ病患者の発掘は「かかりつけ医」にかかっている うつ病の患者数は、厚生労働省の統計で約73万人と推計されている1)。しかし、うつ病・うつ状態でありながらも医療機関で診断・治療を受けていない潜在的な患者が230万人存在すると推定されており2)、うつ症状を医師に相談できていない患者はまだ多く存在すると考えられる。うつ病・うつ状態の放置は、症状の悪化や治療の長期化につながることから、潜在患者の発掘は急務といえる。そのためには、かかりつけ医によるうつ状態の早期発見が望まれるが、潜在的なうつ病患者にどのような特徴があるのかを知るプライマリケア医は多いとはいえない。うつ傾向のある人はさまざまな不調を感じているが、内科医に相談する人は少ない そのような背景から、うつ病のスクリーニングに用いられる二質問法※2をベースに判定した「うつ傾向のある人」の特徴と行動の把握を目的として、インターネット調査が実施された。まず、うつ傾向のある回答者の基本属性や特性を把握するための予備調査が行われ、その後、潜在患者調査が行われた。予備調査の結果、うつ傾向がある人のうち、現在「うつ病/うつ状態」の診断をされている人は1割弱で、9割以上の人が未診断であることが明らかになった。また、うつ傾向のある人は、「疲労倦怠感」、「肩・腰・首の痛み」、「頭痛」といった身体症状を訴える割合が多かった。また、抑うつ気分以外にも「体のあちこちが重く感じる」、「不安でいてもたってもいられない」、「話や本の内容が入ってこない」などの訴えが多かった。潜在患者調査の結果、「うつ傾向ありで未診断」の人のうち、約半数は最近内科を受診しており、内科医との接点は少なくないことが示唆された。しかし、その内科医に「専門外のことでも相談できる」と回答した人は約2割で、精神的・身体的不調について相談意向があって、実際に相談したという人は約1割にとどまった。MUS(Medical Unexplained Symptoms)の陰に潜むうつ病 今回の調査で明らかになった「うつ傾向患者」における身体症状の特徴を示し、宮崎氏は、「“MUS”のラベルを付けただけで満足し、うつ病が見落とされている可能性がある」と非専門医によるうつ病診療の課題について語った。MUSとは、何らかの身体疾患が存在するかと思わせる症状が認められるものの、診察や検査で原因疾患が見いだせない病像である。不定愁訴や自律神経失調症などがMUSに該当し、プライマリケア外来患者の実に3~4割を占めるという3)。原因疾患不明の身体症状を訴える患者を、単なる不定愁訴として扱うのではなく、うつ病の可能性を意識して診療を行うことが大切である。「不定愁訴+不眠」に遭遇したら“心療モード”を起動 宮崎氏は、プライマリケア医が精神科診療のテクニックを導入して、精神科的な対応ができるようになるための教育訓練を行うPIPC(Psychiatry In Primary Care)研究会の活動を行っている。PIPC研究会では、初心者でもフォーマットに従って10分程度で精神科的評価ができる背景問診・MAPSO※3問診チェックリストを作成しており、日常診療で役立てるのも良いかもしれない。宮崎氏は、「MUSの患者に遭遇したら、睡眠について問診し、不眠であれば“心療モード”を起動して二質問法のうつ病スクリーニングを行う。さらにその他のうつ症状や希死念慮、躁・軽躁エピソードについても問診で探っていく」と、自身が行っている気分障害の問診手順について語った。専門医の治療が必要と判断した場合は、速やかに精神科医に紹介する。うつ病の早期発見・早期治療のために かかりつけ医は、患者の不調を発見するゲートキーパー的な役割を担っている。患者が相談しやすい良好な関係性を構築するためには、医師のほうから「最近どうですか?」、「気になるところはありませんか?」、「よく眠れていますか?」などと問いかけてみることも大切である。「患者が原因疾患不明の身体症状や不眠、食欲不振を訴える場合はうつ病の可能性を意識して、適切な問診を行い、潜在的なうつ病患者の早期発見・早期治療につなげてほしい」と宮崎氏は強調し、講演を締めくくった。※1 【調査概要】調査時期:2016年2月調査手法:インターネット調査(全国)調査対象:[事前調査]一般生活者の男女20~69歳 19,975人     [本調査]以下の対象者条件に合致する2,028人          対象者条件…事前調査に回答した人のうち、          二質問法で「うつ傾向あり」かつ          「うつ病の診断なし(および最近専門医に受診していない)」          に該当調査主体:塩野義製薬株式会社     ※調査結果の詳細は、セラピューティック・リサーチ誌2017年4月号      に掲載。     (内藤 宏ほか. Therapeutic Research. 2017;4:413.)※2 二質問法:「最近1ヵ月間、気分が沈んだり、憂鬱な気持ちになることがよくあった」または「最近1ヵ月間、物事に対して興味がわかない、心から楽しめないことがよくあった」のいずれか1項目該当で「うつ傾向あり」と判定(鈴木竜世ほか. 精神医学. 2003;45:669-708.)※3 MAPSO:Mood(気分障害)、Anxiety(不安障害)、Psychoses(精神病群)、Substance induced(薬物誘発性障害)、Organic/Other(器質性・その他)の略参考1) 厚生労働省. 平成26年患者調査(傷病分類編).2) 川上憲人. 神経・精神疾患診療マニュアル. 2013;142巻 特別号2:30.3) 宮崎 仁. 日本内科学会雑誌. 2009;98:188.

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精神的健康を保つには、友人関係が重要

 友人たち(自身およびパートナーの)との社会的関係と、晩年カップルにおける抑うつ症状との個々の関連性を調査し、婚姻の質がその関連性を緩和するかについて、米国・マサチューセッツ・ボストン大学のSae Hwang Han氏らが調査を行った。The journals of gerontology誌オンライン版2017年4月26日号の報告。 Health and Retirement Study(2004~12年)の縦断的データを用いて、既婚サンプルを調査した。研究の仮説テストには、二項成長曲線モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・友人たちとの頻繁な社会的交流は、個々の抑うつ症状の減少と関連しており、この関連には配偶者交流効果(cross-spousal effects)が示された。・婚姻の質は、友人たちとの社会的関係と抑うつ症状との個々の関連性を緩和し、婚姻関係が不良な人は良好な人と比較し、この関連性がより強かった。 著者らは「友人関係は、晩年の自身の精神的な健康に対して重要な要素であり、そのメリットは、自身の他の重要事項にも大きな影響を及ぼす。他の健康領域においても、友人関係との関連性を婚姻状況に応じて調査する必要がある」としている。関連医療ニュース検証!結婚できない男性の精神的健康状態うつ病になりやすいのは、太っている人、痩せている人?たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

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慢性疼痛患者に対する医療用大麻、オピオイドとの比較

 慢性疼痛患者では、抑うつや不安を高率に合併している。オピオイド(OP)の処方は、疼痛の薬理学的治療において一般的な方法の1つであるが、米国および世界のいくつかの国において、疼痛管理のための医療用大麻(medical marijuana:MM)が増加している。イスラエル・アリエル大学のDaniel Feingold氏らは、OPおよびMMを処方された疼痛患者の、抑うつおよび不安レベルの比較を行った。Journal of affective disorders誌オンライン版2017年4月21日号の報告。 対象は、OP処方慢性疼痛患者(OP群)474例、MM処方慢性疼痛患者(MM群)329例、OPとMMの両方を処方された慢性疼痛患者(OPMM群)77例。抑うつおよび不安は、こころとからだの質問票(PHQ-9)および全般性不安障害尺度(GAD-7)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・抑うつの有症率は、OP群57.1%、MM群22.3%、OPMM群51.4%であった。・不安の有症率は、OP群48.4%、MM群21.5%、OPMM群38.7%であった。・交絡因子で調整した後、OP群はMM群と比較し、抑うつ(調整オッズ比:6.18、95%CI:4.12~9.338)および不安(調整オッズ比:4.12、95%CI:3.84~5.71)が陽性になる可能性が有意に高かった。・また、OPMM群はMM群と比較し、抑うつの傾向がよりみられた(調整オッズ比:3.34、95%CI:1.52~7.34)。 著者らは「本検討は、横断的研究であり、因果関係を推論することはできない」としたうえで、「MM群と比較しOP群では、抑うつおよび不安レベルが高いことから、とくに抑うつや不安リスクのある慢性疼痛患者に対する最適な治療法を決定する際には、本所見を考慮する必要がある」としている。関連医療ニュース とくにうつ病患者は要注意?慢性疼痛時のオピオイド使用 検証!「痛み」と「うつ」関係は?:山口大学 たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

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うつ病患者、入浴がうつ症状を軽減

 うつ病治療は進歩しているにもかかわらず、3分の1のうつ病患者は、従来の抗うつ薬では対応できていない。副作用の少ない、より効果的な治療が求められている。ドイツ・フライブルク大学のJohannes Naumann氏らは、うつ病性障害を有する成人において温熱浴がうつ症状を軽減するかを検討した。BMC complementary and alternative medicine誌2017年3月28日号の報告。うつ病患者において温熱浴が一般的に有用であることが示唆された ランダム化2アームプラセボ対照8週間のパイロット試験として実施した。ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)17項目版のスコア18点以上の中等度のうつ病であった安定したうつ病性障害(ICD-10:F32、F33)の外来患者を対象に、週2回の温熱浴(40℃)群またはグリーンライトによる偽介入群に無作為に割り付け、4週間介入を行った後、さらに4週間フォローアップを行った。主要アウトカム指標は、ベースライン(T0)から2週間時点(T1)までのHAM-D総スコアの変化量とした。 うつ病患者の温熱浴効果の主な結果は以下のとおり。・うつ病患者36例が、温熱浴群17例、偽介入群19例に無作為に割り付けられた。・intention-to-treat分析では、T1における温熱浴群(温熱浴4回実施後)は、偽介入群と比較し、HAM-D総スコア3.14点の有意な差が認められた(p=0.037)。 著者らは「本パイロット試験で、温熱浴がうつ病患者において一般的に有用であることが示唆された」としている。

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抗うつ薬治療により誘発される躁病、リスクプロファイルは男女間で異なる

 抗うつ薬治療により誘発される躁病(antidepressant treatment-emergent mania:ATEM)を発症する男女の有病率および臨床プロファイルを、英国・ニューカッスル大学のJ Scott氏らが調査を行った。Acta psychiatrica Scandinavica誌2017年5月号の報告。 双極性障害患者754例の元サンプルから、厳密な基準を満たしたATEM症例75例とATEM対照群135例を抽出した。ATEM症例の男女を最もよく分類した臨床学的因子の組み合わせを特異的に検討した。主な結果は以下のとおり。・ATEM症例として分類された75例において、ATEMイベントの85%は、抗うつ薬単独療法中に発現した。・回帰分析では、男性の73%において、アルコールと物質使用障害の両方または一方(オッズ比[OR]:6.37)、1回以上の自殺企図歴(OR:4.19)、1年当たりのうつ病エピソード数の多さ(OR:1.71)が分類された。・対照的に、女性の84%は、甲状腺疾患の有病歴(OR:3.23)、双極I型障害の家族歴(OR:2.68)、極性発症抑うつ症状(OR:2.01)に基づいて分類された。 著者らは「ATEM状態の厳密な定義を使用し、偽陽性症例と偽陰性対照の包含の可能性を減少させることにより、ATEM症例のリスクプロファイルが性別により異なることを初めて確認した」としている。関連医療ニュース 双極性うつ病に対するドパミン作動薬の効果は 双極性障害に対する抗うつ薬使用の現状は うつ病、男女間で異なる特徴とは

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統合失調症の短期治療、2つのLAIでみられる違い

 統合失調症に対するアリピプラゾール月1回投与(AOM)とパリペリドンパルミチン酸エステル(PP)の相対的な有効性および忍容性を比較するため、韓国・カトリック大学校のChi-Un Pae氏らが検討を行った。International clinical psychopharmacology誌オンライン版2017年4月20日号の報告。 AOMおよびPPを使用した短期プラセボ対照ランダム化研究を、広範なデータベースより検索した。2つの長時間作用型抗精神病薬注射剤(LAIA)の間接的な治療比較を行った。有効性の主要エンドポイントは、LAIAとプラセボのPANSS総スコアの平均変化量とした。エフェクトサイズは、2つのLAIA間の有効性の主要エンドポイントと安全性、忍容性についての平均差、オッズ比(OR)、95%CIとした。 主な結果は以下のとおり。・有効性の主要エンドポイントにおける平均差は有意に異なっており、PPよりもAOMで良好であった(OR:-6.4、95%CI:-11.402~-1.358)。感度分析と非劣性テスト(AOM vs.PP)が主要な結果であることを確認した。・全体の早期脱落率は、両群間で有意な差は認められなかった(OR:1.223、95%CI:0.737~2.03)。・しかし、有効性の欠如による早期脱落率について、PPよりもAOMで有意に良好であった(OR:0.394、95%CI:0.185~0.841)。 著者らは「本分析には限界があるものの、統合失調症の短期治療において、PPよりもAOMに相対的な利点があることが示唆された」としている。関連医療ニュース 急性期統合失調症に対するアリピプラゾール持効性注射剤の効果を解析 統合失調症に対する短期治療、アリピプラゾール vs.リスペリドン 2つの抗精神病薬持効性注射剤、その違いを分析

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アプレミラスト、156週以上投与の安全性を確認

 中等症~重症の尋常性乾癬および関節症性乾癬に対する経口PDE4阻害薬アプレミラスト(商品名:オテズラ)は、156週以上の長期投与においても安全性プロファイルは良好であり、忍容性も概して良好であることが示された。米国・Bakersfield DermatologyのJeffrey Crowley氏らが、アプレミラストの有効性および安全性を検証する海外第III相無作為化比較試験のESTEEM-1および2のプール解析を行い明らかにした。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年4月14日号掲載の報告。 研究グループは、アプレミラストのESTEEM-1および2の長期継続試験から、0~156週以上の投与における安全性について解析した。 解析対象は、アプレミラスト30mg1日2回を0~156週以上投与の1,184例であった(曝露量1,902.2患者年)。 主な結果は以下のとおり。・0~52週における発現率5%以上の主な有害事象は、下痢、悪心、上気道感染症、鼻咽腔炎、緊張性頭痛および頭痛であった。・0~156週以上において、新しい有害事象(発現率5%以上)は報告されなかった。・有害事象、重篤な有害事象、および有害事象による投与中止の頻度は、長期投与で増加しなかった。・0~156週以上において、0~52週と比較し、主要心イベント(曝露期間で調整した発現率[EAIR]:0.5/100患者年)、悪性腫瘍(EAIR:1.2/100患者年)、うつ病(EAIR:1.8/100患者年)、および自殺企図(EAIR:0.1/100患者年)の増加は認められなかった。・重篤な日和見感染、結核の再活性化または臨床的に意味がある臨床検査異常は報告されなかった。・本試験は脱落率が高かったが(156週以上投与された患者1,184例中249例[21%])、ほとんどは安全性の問題とは関連がなかった。

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職業性ストレス対策、自身の気質認識がポイント:大阪市立大

 就労者の不眠症は、QOLを低下させ、健康管理費の経済的負担やワークパフォーマンスの損失を引き起こす。これまでの研究では、職業性ストレスと不眠症との関連は報告されていたが、労働安全衛生研究における気質には、あまり注目されていなかった。大阪市立大学の出口 裕彦氏らは、気質、職業性ストレス、不眠症との関連について検討を行った。PLOS ONE誌2017年4月13日号の報告。 対象は、日中勤務の日本の地方公務員133例。気質の評価には、Temperament Evaluation of Memphis, Pisa, Paris, and San Diego-Auto questionnaire(TEMPS-A)を用いた。職業性ストレスの評価には、Generic Job Stress Questionnaire(GJSQ)を用いた。不眠症の評価には、アテネ不眠尺度(AIS)を用いた。ステップワイズ多変量ロジスティック回帰分析を行った。主な結果は以下のとおり。・ステップワイズ多変量ロジスティック回帰分析において、「役割葛藤」(OR:5.29、95%CI:1.61~17.32)と不安気質スコア(OR:1.33、95%CI:1.19~1.49)により細分化された高ストレスグループは、不眠症の有症と関連していた(他の要因を除外し調整されたモデルを使用)。・調査の限界は、本研究はサンプルサイズが小さく、日本の地方公務員のみが対象であった点である。 著者らは「本検討により、就労者の不安気質、役割葛藤と不眠症との関連を明らかにした。自分自身の不安気質を認識することは、自己洞察につながる。不安気質の認識と、上司や同僚による役割葛藤の軽減が、職場における就労者の不眠症有症率を低下させるであろう」としている。関連医療ニュース 不眠症になりやすい食事の傾向 仕事のストレスが大きいほど、うつ病発症リスクは高い:獨協医科大学 認知症になりやすい職業は

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妊娠初期の抗うつ薬、児への影響は?/JAMA

 妊娠初期の妊婦の抗うつ薬服用は、交絡因子を調整すると非服用群と比較して早産のリスクがわずかに上昇したものの、在胎不当過小(SGA)、自閉症スペクトラム障害あるいは注意欠如・多動症(ADHD)のリスク増加との関連は確認されなかった。米国・インディアナ大学のAyesha C. Sujan氏らが、「妊娠初期の抗うつ薬服用と出産や神経発達の問題との関連はセロトニンシグナル伝達の機能不全に起因する」という説の、対立仮説を検証する目的で行った後ろ向きコホート研究の結果を報告した。胎児期の抗うつ薬曝露は有害転帰と関連することが示唆されてきたが、先行研究では交絡が十分に検討されていなかった。JAMA誌2017年4月18日号掲載の報告。スウェーデンの出生児を最長17年追跡 研究グループは、1996~2012年の期間にスウェーデンで生まれた子供を2013年まで、または死亡や移住による中止まで追跡調査し、妊娠初期の抗うつ薬服用と出産や神経発達の問題との関連性を検証した。解析は、妊娠の共変量(経産歴、出産年)、母親および父親に関する共変量(出生国、出産時年齢、最終学歴、犯罪歴、重度精神疾患歴、自殺企図歴)を補正して行うとともに、兄弟姉妹比較、曝露時期比較、父親についての比較モデルを作成して、関連性を評価した。 抗うつ薬曝露は、妊娠初期に抗うつ薬を服用したという母親の自己報告と、妊娠初期の抗うつ薬処方で定義した。 主要評価項目は、早産(在胎週数37週未満)、SGA児(出生体重が在胎週数平均値よりも2SD超低い)、自閉症スペクトラム障害またはADHDの初回の臨床診断(入院または外来)とした。妊娠初期の抗うつ薬曝露は早産とわずかに関連、SGAや神経発達問題との関連なし 母親94万3,776例(出産時の平均年齢30歳)から生まれた158万629例が解析対象に含まれた。出生児の平均在胎期間は279日、女児48.6%、妊娠初期の抗うつ薬服用を自己報告した母親から生まれた児は1.4%(2万2,544例)であった。 このうち早産児は、曝露群6.98% vs.非曝露群4.78%、SGA児はそれぞれ2.54% vs.2.19%、15歳までに自閉症スペクトラム障害と診断されたのは5.28% vs.2.14%、15歳までのADHDの診断は12.63% vs.5.46%であった。 母集団レベルの解析では、妊娠初期の抗うつ薬曝露は、非曝露群の子供と比較し、すべての転帰と関連していた。早産のオッズ比(OR)は1.47(95%信頼区間[CI]:1.40~1.55)、SGAのORは1.15(95%CI:1.06~1.25)、自閉症スペクトラム障害のハザード比(HR)は2.02(95%CI:1.80~2.26)、ADHDのHRは2.21(95%CI:2.04~2.39)であった。 しかし、妊娠・母親・父親の特性を補正した兄弟姉妹比較モデルでは、妊娠初期の抗うつ薬曝露は、早産(OR:1.34、95%CI:1.18~1.52)と関連していたが、SGA(OR:1.01、0.81~1.25)、自閉症スペクトラム障害(HR:0.83、0.62~1.13)、ADHD(HR:0.99、0.79~1.25)との関連は確認されなかった。母親の妊娠前の抗うつ薬処方ならびに妊娠初期の父親に対する抗うつ薬処方との関連を評価した解析結果は、兄弟姉妹比較モデルの結果と一致した関連性がみられた。 著者は研究の限界として、すべての交絡因子を完全に排除できないこと、妊娠初期の曝露に限定していること、他の国で一般化できるかは不明であることを挙げている。

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うつ病と体重変化の関連を調査、なりやすいのは太っている人、痩せている人?

 ボディサイズや体重変化とうつ病との関連(とくに低体重)は、システマティックにサマライズされていない。韓国・ソウル大学校のSun Jae Jung氏らは、ボディサイズ、体重変化とうつ病との関連を調査するため、システマティックレビューとメタ解析を行った。The British journal of psychiatry誌オンライン版2017年4月20日号の報告。低体重の人はうつ病リスクが高かった 183件の研究より、完全に調整されたハザード比(HR)またはオッズ比(OR)が抽出された。76件の研究より、ランダム効果モデルによるデータ合成を行い、潜在的なモデレーターの影響を評価するためサブグループ分析を行った。 うつ病とボディサイズ、体重変化との関連を調査した主な結果は以下のとおり。・ベースライン時に低体重の人は、その後のうつ病リスクが高かった(OR:1.16、95%CI:1.08~1.24)。・過体重の人(BMI:25~29.9kg/m2)は、うつ病との間に統計学的に有意な関連は認められなかったが、サブグループ分析では男性(OR:0.84、95%信頼区間[CI]:0.72~0.97)と女性(OR:1.16、95%CI:1.07~1.25)で性差が認められた。・横断的デザインでは、BMI 40kg/m2超は、30kg/m2超よりも統合ORが大きかった。 著者らは「低体重の人と肥満の人の両方でうつ病リスクが高い。また、肥満とうつ病との関連は、性別により異なる」としている。関連医療ニュース たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 認知症になりやすい職業は 産後うつ病になりやすい女性の特徴:高知大

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産後うつ病になりやすい女性の特徴:高知大

 出産年齢の女性において、主要な障害の1つである産後うつ病。産後うつ病リスクのある女性を特定することは、そのマネジメントを改善する可能性がある。高知大学のSifa Marie Joelle Muchanga氏らは、産後うつ病といくつかの先天性婦人科疾患罹患率との関連を調査した。Journal of affective disorders誌オンライン版2017年3月30日号の報告。 全国出生コホート研究であるthe Japan Environment and Children's Study(JECS)のデータより、出産後1ヵ月までのデータを分析した。産後うつ病を評価するためエジンバラ産後うつ病自己評価票(EPDS)を用い、11の先天性婦人科疾患罹患率を危険因子として考慮した。共変量には、精神疾患の既往、心理社会的因子、妊娠の有害アウトカム、出生アウトカム、患者背景、健康行動因子を含んだ。主な結果は以下のとおり。・過去の流産、平滑筋肉種および多嚢胞性卵巣症候群の有病を除き、うつ病女性は、非うつ病女性と比較し、より多くの婦人科疾患罹患率を有していた。・ロジスティック回帰分析では、子宮内膜症(OR:1.27、95%CI:1.15~1.41)、月経困難(OR:1.13、95%CI:1.06~1.21)、不正子宮出血(OR:1.21、95%CI:1.15~1.29)が産後うつ病と関連していた。 著者らは「子宮内膜症や月経問題を有する女性では、産後うつ病を発症するリスクがあった。この結果より、素因のある女性に対する周産期メンタルヘルススクリーニングの必要性が示唆された」としている。関連医療ニュース 産後うつ病への抗うつ薬治療、その課題は うつ病の診断年齢を分析、とくに注意が必要なのは 父親の産後うつ病、日本での有病率は

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急性期統合失調症に対するアリピプラゾール持効性注射剤の効果を解析

 長時間作用型持効性抗精神病薬は、統合失調症患者の急性期および長期治療のための治療選択肢である。過去に実施した試験では、急性エピソード統合失調症患者を対象としたアリピプラゾール月1回400mg(AOM400)の12週間無作為化二重盲検プラセボ対照試験において、AOM400は、プラセボと比較し、主要エンドポイントである10週目のPANSS総スコアの有意な改善を示した。カナダ・カルガリー大学のZahinoor Ismail氏らは、この試験の事後解析を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌2017年6月号の報告。 統合失調症における、興奮を含むさまざまな症状に対するAOM400の有効性を調査するため、過去に実施した急性エピソード統合失調症患者を対象としたAOM400の12週間無作為化二重盲検プラセボ対照試験の事後解析を行った。PANSS Marder因子モデル(陽性症状、陰性症状、思考解体、制御不能な敵意/興奮、不安/抑うつ)およびPANSS-EC(Marder因子モデルにおいて制御不能な敵意/興奮に相当する項目、および緊張の項目)について、AOM400とプラセボにおけるベースラインからの変化量を比較した。解析には、反復測定のために混合モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・すべての因子に対するAOM400とプラセボとの差は統計的に有意であり、1週目や2週目の早期に見られ、12週まで維持された。・治療開始後2週間に経口アリピプラゾールを併用したAOM400は、プラセボと比較し、急性期統合失調症患者における5つのMarder因子モデルにも、PANSS-ECスコアにより概念化される興奮状態にも、有意な効果を示した。 著者らは「本結果は、AOM400が急性期統合失調症患者のスペクトラム全体に有効であり、短期間および長期的に患者アウトカムに影響を及ぼすことを示している」としている。関連医療ニュース アリピプラゾールLAIのレビュー、メリット・デメリットは 2つの月1回抗精神病薬持効性注射剤、有用性の違いは 統合失調症に対する短期治療、アリピプラゾール vs.リスペリドン

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うつ病患者のモニタリングツール、実現性の検証

 プライマリケアでのうつ病患者のモニタリングのために患者報告アウトカム測定(PROM)の実施が可能かを判断するため、英国・サウサンプトン大学のTony Kendrick氏らは、部分的にランダム化された部分的クラスターランダム化比較試験を行った。BMJ open誌2017年3月30日号の報告。 対象は、南イングランドの9つの診療所における新規エピソードうつ病患者47例。介入群22例、対照群25例に無作為に割り付けた。診断の10~35日後、うつ病モニタリングのために患者健康アンケート(PHQ)、Distress Thermometer Analogue Scale、PSYCHLOPS problem profileによる介入を行った。患者スコアのフィードバックは、診療医により実施した。主要アウトカムは、ベックうつ病調査表(BDI-II)で評価した。副次的アウトカムは、仕事と社会性の調整尺度(Work and Social Adjustment Scale:WSAS)、QOL評価のためのEuroQol 5項目、5レベル(EQ-5D-5L)スケール、コスト評価のためのmodified Client Service Receipt Inventory、医療情報適合満足度(Medical Informant Satisfaction Scale:MISS)で評価し、実施の可能性と受容性について、患者14例およびスタッフ13例より定性的インタビューを行った。主な結果は以下のとおり。・3つの診療所で、12ヵ月間で6例の目標患者を達成できなかった。・介入群におけるフォローアップ率は、12週で18例(82%)、26週で15例(68%)であった。対照群では、12週で18例(72%)、26週で15例(60%)であった。・介入群における12週目の平均BDI-IIスコアは、対照群と比較し5.8ポイント(95%CI:-11.1~-0.5)低かった(ベースライン差とクラスタリングで調整)。・WSASスコアに有意な差が認められなかった。・26週での症状、社会機能、QOL、コストに有意な差は認められなかったが、平均満足度スコアは、22.0ポイント(95%CI:-40.7~-3.29)高かった。・介入群の患者は、PROMを完遂することを好んだが、その結果を診療医が管理者に伝えるために使用しなかったことに失望した。 著者らは「PROMは、その結果を診療医が管理者に知らせなかったとしても、短期間でうつ病アウトカムを改善する可能性がある。患者を募集し、フォローアップする際の課題は、管理者に知らせることのできる比較的簡単な対策に取り組む必要がある」としている。関連医療ニュース うつ病の診断年齢を分析、とくに注意が必要なのは たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 自殺予防に求められる、プライマリ・ケア医の役割

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