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COPDの大うつ病併存 8つの質問で予測可能

 軽度低酸素血症を有するCOPD(慢性閉塞性肺疾患)患者では、COPD Assessment Test(CAT)スコアが大うつ病の予測変数になりうることを、ブラジル・ゴイアス国立大学医学部のJose Laerte Junior氏らが明らかにした。BMC Pulm Med誌オンライン版2014年11月28日号の掲載報告。 うつ病は、COPD患者の併存疾患として一般的であり、COPDの経過に著しい影響を与えていることが知られている。本研究は、CAT(8つの質問項目でCOPDの状態が患者にどのような影響を与えているか把握するためのツール)と、軽度低酸素血症を有する安定期のCOPD外来患者でみられる大うつ病との関連を調べることを目的としている。 大うつ病の患者30例と、うつ病ではない患者30例により、症例対照研究を実施した。大うつ病は、精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM)に従って診断された。そして、睡眠パラメーターを調節しながら、考えられるすべての予測変数を、多変量ロジスティック回帰モデルに組み込み、大うつ病と各独立変数との関連を評価した。 研究の結果、CATスコアが20を超える場合、大うつ病と関連していることが明らかになった(OR:7.88、95%CI:1.96~31.7、p=0.004)。 このことから、今後、大うつ病が併存しているかどうかを具体的に評価するツールの1つとして、CATを検討すべきであろうと著者らは述べている。

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聴覚障害と精神疾患リスク、ドパミンとの関連は

 聴覚障害を有する人では精神疾患リスクの増大が観察されている。社会的挫折論(social defeat hypothesis)によれば、長期的に排除されるという経験が、脳内のドパミンシステムの活性や感受性の強化に結び付き、精神疾患リスクを増大するとされている。オランダ・アムステルダム大学のMartin Gevonden氏らは、その関連性を実証するため、重度聴覚障害の若年成人におけるドパミン放出と、前述の社会的挫折論との関連を調べた。JAMA Psychiatry誌2014年12月号の掲載報告。 検討では、重度聴覚障害を有する若年成人が、より強い社会的挫折を感じているかどうか、デキストロアンフェタミンへの反応としてより多くのドパミン放出がみられるか、また、同物質に対して正常聴覚成人よりもより強い主観的反応を示すのかについて調べた。また、ドパミン放出が、社会的排除感を訴えること、およびデキストロアンフェタミンにより誘発された精神疾患と関連しているかについても調べた。対象は、19例の患者と、喫煙・年齢・性別で適合した健常対照19例であった。被験者は、大学病院で硫酸デキストロアンフェタミン(0.3mg/kg)の静脈投与を受け、その前後にSPECT画像検査で評価を受けた。主要評価項目は、ベースラインのD2/3レセプター結合と内因性ドパミンの放出とした。 主な結果は以下のとおり。・患者群のほうが、より多くの社会的挫折感(U=109、z=-2.09、p=0.04)、孤独感(U=87.5、z=-2.72、p<0.001)を報告したが、ベースラインの精神症状に差はみられなかった(U=156.5、z=-0.70、p=0.48)。・ベースラインのD2/3レセプター結合に有意な差はみられなかった。・しかし、年齢(単位:月齢)、喫煙(同年間パック数)を共変数とした反復計測多変量解析の結果、健常群よりも患者群のほうが、アンフェタミンにより誘発された線条体のドパミン放出がより多いことが示された(F1,34=4.55、p=0.04)。・アンフェタミン投与後、患者群は健常群よりも変化が大きかったが、精神症状は増大しなかった。・同様に、社会的排除感の報告と精神症状の増大は、ドパミン放出とは関連していなかった。 結果を踏まえ著者らは、「以上のような所見が、聴覚障害者の社会的排除感におけるドパミン感受性のエビデンスとして示された。さらに、他の排除感を有するグループにおける検討で同様の所見が得られれば、今回の所見は精神障害の基礎を成す機序の理解において、またその予防に重大な意味を持つことになるだろう」とまとめている。関連医療ニュース アリピプラゾールの聴覚認知機能改善に対する影響は 認知症では味覚に関する機能も低下:東北大学 自殺念慮と自殺の関連が高い精神疾患は何か

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日本人統合失調症、暴力行為の危険因子は:千葉大

 統合失調症患者の暴力行為に関連する広範な危険因子について、多くの研究が行われている。しかし、さまざまな社会的・文化的背景に関係する危険因子は不明なままである。千葉大学の今井 淳司氏らは、精神科救急により入院した日本人統合失調症患者における暴力行為に関連する因子を調査し、他の集団研究で見つかった因子との比較を行った。Schizophrenia research誌2014年12月号の報告。統合失調症患者の暴力行為は統合失調症自体の要素と関連 対象は、1986~2005年に暴力行為のため東京の精神科救急により入院した日本人統合失調症患者420例。性別、年齢、入院年でマッチした非暴力的な統合失調症入院患者をコントロール群として比較した。すべての医療記録をレトロスペクティブに検討した。評価のために、評価者間信頼性試験が実施された。暴力に関連する因子を特定するために、条件付きロジスティック回帰分析を用いた。 統合失調症の暴力に関連する因子を特定する試験の主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者の暴力との関連は、著しい興奮症状、事前の暴力、幻聴、体系妄想、話の矛盾、関係妄想、TCO(Threat-control override)症状、他人との生活、罹病期間の長さにおいて認められた。・対照的に、反社会的特徴(たとえば、薬物乱用や反社会的エピソードなど)は、統合失調症患者の重大な暴力関連因子ではなかった。 結果を踏まえ著者らは、「日本人統合失調症患者の暴力行為は、反社会的特徴よりも、統合失調症自体の要素と関連していた。この知見は、他国での結果と異なっており、文化や人種を考慮したコホート研究の必要性を示すものである」とまとめている。

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【2014年コンテンツ閲覧ランキング】人気を集めた記事・スライド・動画のトップ30を発表!

デング熱やエボラ出血熱の流行、高血圧治療の新しいガイドライン、人間ドック学会が発表した新たな健診基準値など、今年の医療界での出来事が反映された記事やスライド、動画を多数お届けしてまいりました。そのなかでもアクセス数の高かった人気コンテンツ30本を紹介します。 1位 デング熱、患者さんに聞かれたら・・・ 2位 NHK特集で報道された「シロスタゾールと認知症の関係」についての患者さん説明用パンフレットを作りました。 (Dr. 小田倉の心房細動な日々~ダイジェスト版~) 3位 頓服薬の査定のポイント (斬らレセプト — 査定されるレセプトはこれ!) 4位 岩田健太郎が緊急提言!エボラ出血熱にこう備えよ! (CareNeTV LiVE! アーカイブ) 5位 高血圧治療ガイドライン2014が発刊 6位 医療者は正しい理解を。人間ドック学会“基準値”の解釈 7位 Dr.山下のアリスミアのツボ 第1回 8位 非専門医も知っておきたいうつ病診療(2)うつ病治療の基本 9位 カルベジロール査定のポイント (斬らレセプト — 査定されるレセプトはこれ!) 10位 ケアネットオリジナル『患者説明用スライド』 ~高血圧Vol.1~ 11位 デング熱での解熱剤に注意~厚労省がガイドライン配布 12位 ケアネットオリジナル 『患者説明用スライド』 ~高血圧Vol.2~ 13位 妊娠糖尿病の診断基準の覚え方 (Dr. 坂根のすぐ使える患者指導画集 -糖尿病編-) 14位 エキスパートに聞く!「血栓症」Q&A Part2 15位 知識を整理!GERD診療(2)症状を診る 16位 レビー小体型認知症、アルツハイマー型との違いは? 17位 アシクロビル(商品名: ゾビラックス)の査定 (斬らレセプト — 査定されるレセプトはこれ!) 18位 非専門医も知っておきたいうつ病診療(1)うつ病の現状と診断 19位 休診日(12月28日)の休日加算の査定 (斬らレセプト — 査定されるレセプトはこれ!) 20位 アジスロマイシンとレボフロキサシンは死亡・不整脈リスクを増加する (1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより~) 21位 休日診療をやってみた (スキンヘッド脳外科医 Dr. 中島の 新・徒然草) 22位 内科医のための睡眠障害(1) 知って得する睡眠の話 23位 自分の適正なお寿司の皿数、わかりますか? (Dr. 坂根のすぐ使える患者指導画集 -糖尿病編-) 24位 ナトリウムから食品相当量への換算方法を教えるコツ (Dr. 坂根のすぐ使える患者指導画集 -糖尿病編-) 25位 金属がなくてもMRIで熱傷を起こすことがある (Dr. 倉原の”おどろき”医学論文) 26位 出血性ショックに対する輸血方法が不適切と判断されたケース (リスクマネジメント 救急医療) 27位 知識を整理!GERD診療(1)基本を整理 28位 ケアネットオリジナル 『患者説明用スライド』 ~高血圧Vol.5~ 29位 非専門医も知っておきたいうつ病診療(4)抗うつ薬の副作用と対処法 30位 非専門医も知っておきたいうつ病診療(3)抗うつ薬の使い分け #feature2014 .dl_yy dt{width: 50px;} #feature2014 dl div{width: 600px;}

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過食性障害薬物治療の新たな可能性とは

 過食性障害に対する薬理学的アプローチについて、米国・ノースカロライナ大学のKimberly A. Brownley氏らが現状を紹介している。これまでに、食欲過剰、気分調節、衝動制御に関連する神経伝達物質を標的とした検討が行われており、なかでもグルタミン酸シグナル伝達回路に着目した研究に新たな可能性があることを示唆している。Drugs誌オンライン版2014年11月27日号の掲載報告。 Brownley氏らによれば、米国において、過食性障害は最も頻度の高い摂食障害で、生涯有病率は成人女性で最大で3.5%、成人男性で2.0%、思春期で1.6%と報告されているという。過食性障害は、過食を制御できないという感覚を伴う頻繁な暴食症状を特徴とし、その結果として著しい心理的苦痛を患者に与える。また、過食性障害は肥満そしてうつ病などの精神医学的症状を高頻度に併発し、実質的な役割障害と関連する。 現在、米国FDAにより認可された過食性障害治療薬はない。一方で、動物およびヒトを対象とした研究により、脳の報酬系領域内のドパミン、オピオイド、アセチルコリン、セロトニンが神経回路において調節異常を来している可能性が示唆されており、今日に至るまで、食欲過剰、気分調節、衝動制御に関連する複数の神経伝達物質を標的としたさまざまな薬剤の有効性が、過食性障害治療の分野で研究されてきているという。 これまでに得られている主な知見は以下のとおり。・抗うつ薬、抗けいれん薬の中に、過食症状の発生抑制に有効なものがあったが、治療の主要目的である食欲抑制を達成できた患者は限られていた。・臨床的に意味のある体重減少、あるいはプラセボに比べ有意な体重減少の達成に関しても、効果の高いもの(トピラマート)から低いもの(フルボキサミン)まで、ばらつきがあった。・全体的にみて、過食性障害に対する薬理学的アプローチに関する文献は限られており、適切なフォローアップによる多面的検証試験(multiple confirmatory trials)が実施された薬剤は非常に少なく、年齢、性別、多人種の患者集団からなる大規模サンプルを用いて評価された薬剤はほとんどない。・さらに、これまでの研究は、試験デザインや本疾患の患者集団に共通して認められるプラセボに対する高い反応性により、適切に実施されてこなかった。・いくつかの新しい薬剤がさまざな研究段階にあるが、扁桃体と外側視床下部をつなぐグルタミン酸シグナル伝達回路に着目した最近の動物実験により、新しい研究や薬剤開発の可能性が示唆されている。・新しくFDAに認可された長期肥満治療薬の研究、食欲や気分に影響を与える成分を含有するサプリメントや栄養食補助食品のさらなる開発も、有意義な取り組みになると思われる。関連医療ニュース 抗精神病薬による体重増加や代謝異常への有用な対処法は:慶應義塾大学 統合失調症患者の体重増加、遺伝子との関連を検証 情動障害患者よりも統合失調症患者で有意に体重を増加:オランザピンのメタ解析  担当者へのご意見箱はこちら

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統合失調症の陰性症状治療にMAO-B阻害薬は有望

 統合失調症の持続的な陰性症状の治療に、選択的MAO-B阻害薬が有望であることを裏付ける試験結果が示された。米国メリーランド・スクール・オブ・メディスン大学のRobert W. Buchanan氏らが、12週の二重盲検無作為化プラセボ対照試験の結果、報告した。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2014年11月2日号の掲載報告。 選択的MAO-B阻害薬ラサギリン(rasagiline)による統合失調症の持続的陰性症状治療の有効性と安全性を検討した。対象は、DSM-IVに基づき統合失調症または統合失調感情障害の診断基準を満たし、経験的な基準により持続的な陰性症状を有する患者60例。被験者は、ラサギリン1mg/日を受ける群(31例)またはプラセボ群(29例)に無作為に割り付けられ、各12週の投与後に評価を受けた。陰性症状の変化については、陰性症状評価尺度(SANS)総スコアで、また認知について、神経心理検査RBANS(Repeatable Battery for the Assessment of Neuropsychological Status)、N-Back検査、確率学習作業、時間的遅延がある作業(delay discounting task)で評価した。 主な結果は以下のとおり。・ミックスモデル共分散分析(MM-ANCOVA)の結果、連続変数としての時間に伴う有意な治療×時間効果が、SANS総スコアによる評価で認められた(F=5.61(df=1, 40.3)、p=0.023)。・また治療×時間相互作用効果についても、SANS avolition(意欲消失)サブスケールスコアによる評価で有意差が認められた(F(1, 40.2)=10.41、p=0.002)。・試験後MM-ANCOVA分析においては、分類変数としての時間に伴う12週時点のSANS総スコア(t(37.3)=2.15、p=0.04、d=-0.41)、およびSANS avolitionサブスケールスコア(t(49.0)=3.06、p=0.004、d=-0.46)による評価でいずれも群間差が有意であった。・SANS avolitionスコアが20%以上減少した参加者の多くで有意差が認められた(χ2(1)=10.94、p=0.0009)。しかしSANS総スコアの評価においては認められなかった(χ2 (1)=1.11、p=0.29)。・RBANS、N-Back、確率学習作業、時間的遅延作業に関する有意な群間差は認められなかった。関連医療ニュース 統合失調症の陰性症状改善は何と相関するか 統合失調症の陰性症状軽減へ新たな選択肢となりうるか 統合失調症の陰性症状に対し、抗うつ薬の有用性は示されるのか  担当者へのご意見箱はこちら

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難治性うつ病におけるドパミンの役割は

 これまでの検討で、ドパミン作用神経伝達異常が示唆される難治性うつ病患者において、ドパミンアゴニスト服用によるうつ症状の改善が報告されている。オランダ・アムステルダム大学医療センターのBart P. de Kwaasteniet氏らは、これまで行われていなかった難治性うつ病患者における、ドパミンD2/3受容体との結合を介したドパミン神経シグナル伝達の役割を明らかにするため、線条体内ドパミンD2/3受容体(D2/3R)のアベイラビリティを評価する検討を行った。PLoS One誌オンライン版2014年11月20日号の掲載報告。 本研究では、[123I]IBZMのSPECT画像診断法を用いて、難治性うつ病(TRD)患者における線条体内D2/3Rの結合を調べた。対象は、重篤なTRD患者6例、抗精神病薬投与中の重篤なTRD AP患者11例(TRD AP群)、マッチさせた健常コントロール15例であった。 主な結果は以下のとおり。・TRD患者と健常コントロールの間で、線条体内D2/3Rのアベイラビリティに有意差は認められなかった(p= 0.75)。・TRD AP群におけるD2/3Rのアベイラビリティは、TRD患者および健常コントロールに比べ有意に低かった(p<0.001)。この結果は、抗精神病薬によるD2/3Rsの占有を反映しているものと思われた。・一方で、TRD AP群とTRD患者の間に、臨床症状の差はみられなかった。・今回の予備調査において、重篤なTRD患者においては、D2/3アベイラビリティが大きく異なるというエビデンスは示されず、TRDサブグループがドパミン伝達の変化により特徴づけられないことが示唆された。・すなわち、その強力なD2/3Rs占有にもかかわらず依然としてうつが持続している重篤なTRD患者について、非定型抗精神病薬を用いることは臨床的ベネフィットがないように思われた。関連医療ニュース ケタミンは難治性うつ病に使えるのか 難治性うつ病に対する効果的な治療は何か 治療抵抗性うつ病に対し抗精神病薬をどう使う  担当者へのご意見箱はこちら

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各種抗うつ薬の長期効果に違いはあるか

 大うつ病性障害(MDD)の治療目標は、再発の長期予防であるべきだが、MDDに対する抗うつ薬の長期治療効果を比較した研究は少ない。イタリア・ミラノ大学のMassimiliano Buoli氏らは、MDD患者における異なる薬理学的特性を有する抗うつ薬の長期効果(再発、入院、副作用のための中断)を検討した。Human psychopharmacology誌オンライン版2014年11月13日号の報告。 対象は、単剤の抗うつ薬により治療中の外来MDD患者150例。フォローアップ期間は24ヵ月、カルテ、患者および家族からのインタビュー、ロンバルディア地域のレジスターから情報を得た。生存率分析(カプラン・マイヤー法)により、再発、入院、死亡イベントなど副作用による中断)を検討した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者の48.7%は、治療開始2年以内に再発を認めた。・ブプロピオンは他の抗うつ薬と比較し、MDDの長期治療において効果的とはいえなかった(フルオキセチン以外:p=0.09、アミトリプチリン:p=0.13、フルボキサミン:p=0.83、ベンラファキシン:p=0.5、トラゾドン:p=0.58)。・フルボキサミンも他の抗うつ薬と比較し、効果的とはいえなかった(シタロプラム:p=0.036、パロキセチン:p=0.037、クロミプラミン:p=0.05、セルトラリン:p=0.011、デュロキセチン:p=0.024)。関連医療ニュース 新規抗うつ薬の実力、他剤比較で検証 パロキセチンは他の抗うつ薬よりも優れているのか 抗うつ薬による治療は適切に行われているのか?:京都大学

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【医療ニュース トップ100】2014年、最も読まれた「押さえておくべき」医学論文は?

今年も、4大医学誌の論文を日本語で紹介する『ジャーナル四天王』をはじめ、1,000本以上の論文をニュース形式で紹介してきました。その中で、会員の先生方の関心の高かった論文は何だったのでしょう? ここでは、アクセス数の多いものから100本を紹介します。 1位 日本男性の勃起硬度はアレと関連していた (2014/11/13) 2位 日本人若年性認知症で最も多い原因疾患は:筑波大学 (2014/1/7) 3位 子供はよく遊ばせておいたほうがよい (2014/3/28) 4位 思春期の精神障害、多くは20代前半で消失/Lancet (2014/1/27) 5位 なぜコーヒーでがんリスクが低下? (2014/7/31) 6位 メロンでかゆくなる主要アレルゲンを確認 (2014/4/15) 7位 新たな輸液プロトコル、造影剤誘発急性腎障害の予防に有効/Lancet (2014/6/9) 8位 体幹を鍛える腹部ブレーシング、腰痛に効果 (2014/5/7) 9位 コーヒーを多く飲む人は顔のシミが少ない (2014/8/7) 10位 スタチンと糖尿病リスク増大の関連判明/Lancet (2014/10/9) 11位 スルピリドをいま一度評価する (2014/5/16) 12位 米国の高血圧ガイドライン(JNC8)のインパクト/JAMA (2014/4/16) 13位 インフルエンザワクチン接種、無針注射器の時代に?/Lancet (2014/6/16) 14位 新規経口抗凝固薬4種vs.ワルファリン-心房細動患者のメタ解析-/Lancet (2013/12/25) 15位 アルコール依存症、薬物治療の減酒効果は?/JAMA (2014/5/29) 16位 SGLT2阻害薬「トホグリフロジン」の日本人への効果 (2014/2/28) 17位 大人のリンゴ病 4つの主要パターン (2014/7/29) 18位 脳動脈瘤、コイルvs. クリッピング、10年転帰/Lancet (2014/11/12) 19位 ACE阻害薬を超える心不全治療薬/NEJM (2014/9/8) 20位 アルツハイマーに有用な生薬はコレ (2014/11/14) 21位 塩分摂取と死亡リスクの関係はJカーブ/NEJM (2014/8/25) 22位 スタチン投与対象者はガイドラインごとに大きく異なる/JAMA (2014/4/14) 23位 食後血糖によい食事パターンは?(低脂肪vs低炭水化物vs地中海式) (2014/3/27) 24位 成人ADHDをどう見極める (2014/5/21) 25位 各種ダイエット法の減量効果/JAMA (2014/9/16) 26位 牛乳1日3杯以上で全死亡リスクが2倍/BMJ (2014/11/13) 27位 腰痛持ち女性、望ましい性交体位は? (2014/11/21) 28位 ロマンチックな恋愛は幸せか (2014/3/26) 29位 無糖コーヒーがうつ病リスク低下に寄与 (2014/5/8) 30位 下肢静脈瘤、ベストな治療法は?/NEJM (2014/10/10) 31位 せん妄管理における各抗精神病薬の違いは (2014/9/18) 32位 降圧薬投与量の自己調整の有用性/JAMA (2014/9/11) 33位 深部静脈血栓症の除外診断で注意すべきこと/BMJ (2014/3/20) 34位 StageII/III大腸がんでのD3郭清切除術「腹腔鏡下」vs「開腹」:ランダム化比較試験での短期成績(JCOG 0404) (2014/2/26) 35位 たった1つの質問で慢性腰痛患者のうつを評価できる (2014/2/21) 36位 スタチン時代にHDL上昇薬は必要か/BMJ (2014/8/7) 37位 就寝時、部屋は暗くしたほうがよいのか:奈良医大 (2014/8/29) 38位 認知症のBPSD改善に耳ツボ指圧が効果的 (2014/10/28) 39位 統合失調症患者の突然死、その主な原因は (2014/4/18) 40位 うつ病と殺虫剤、その関連が明らかに (2014/7/9) 41位 帯状疱疹のリスク増大要因が判明、若年ほど要注意/BMJ (2014/5/26) 42位 慢性のかゆみ、治療改善に有用な因子とは? (2014/7/1) 43位 女性の顔の肝斑、なぜ起きる? (2014/5/8) 44位 DES1年後のDAPT:継続か?中断か?/Lancet (2014/7/30) 45位 駆出率が保持された心不全での抗アルドステロン薬の効果は?/NEJM (2014/4/23) 46位 レビー小体型認知症、パーキンソン診断に有用な方法は (2014/10/30) 47位 アトピー性皮膚炎患者が避けるべきスキンケア用品 (2014/2/6) 48位 タバコの煙を吸い込む喫煙者の肺がんリスクは3.3倍:わが国の大規模症例対照研究 (2014/6/18) 49位 世界中で急拡大 「デング熱」の最新知見 (2014/10/17) 50位 円形脱毛症とビタミンDに深い関連あり (2014/4/10) 51位 不眠の薬物療法を減らすには (2014/7/23) 52位 オメプラゾールのメラニン阻害効果を確認 (2014/11/6) 53位 タバコ規制から50年で平均寿命が20年延長/JAMA (2014/1/16) 54位 ICUでの栄養療法、静脈と経腸は同等/NEJM (2014/10/15) 55位 認知症のBPSDに対する抗精神病薬のメリット、デメリット (2014/3/17) 56位 COPDにマクロライド系抗菌薬の長期療法は有効か (2014/1/13) 57位 座りきりの生活は心にどのような影響を及ぼすか (2014/5/12) 58位 PSA検診は有用か:13年後の比較/Lancet (2014/8/22) 59位 気道感染症への抗菌薬治療 待機的処方 vs 即時処方/BMJ (2014/3/17) 60位 血圧と12の心血管疾患の関連が明らかに~最新の研究より/Lancet (2014/6/19) 61位 マンモグラフィ検診は乳がん死を抑制しない/BMJ (2014/2/21) 62位 機能性便秘へのプロバイオティクスの効果 (2014/8/14) 63位 超高齢の大腸がん患者に手術は有用か:国内での検討 (2014/2/14) 64位 糖尿病予防には歩くよりヨガ (2014/8/4) 65位 乳がん術後リンパ節転移への放射線療法、効果が明確に/Lancet (2014/3/31) 66位 75歳以上でのマンモグラフィ検診は有効か (2014/8/11) 67位 大腸がん術後の定期検査、全死亡率を減少させず/JAMA (2014/1/23) 68位 「歩行とバランスの乱れ」はアルツハイマーのサインかも (2014/5/13) 69位 食事由来の脂肪酸の摂取状況、国によって大きなばらつき/BMJ (2014/4/28) 70位 心房細動合併の心不全、β遮断薬で予後改善せず/Lancet (2014/9/19) 71位 薬剤溶出ステントの直接比較、1年と5年では異なる結果に/Lancet (2014/3/24) 72位 ピロリ除菌、糖尿病だと失敗リスク2倍超 (2014/8/21) 73位 認知症にスタチンは有用か (2014/7/25) 74位 RA系阻害薬服用高齢者、ST合剤併用で突然死リスク1.38倍/BMJ (2014/11/20) 75位 腰痛へのアセトアミノフェンの効果に疑問/Lancet (2014/8/6) 76位 食べる速さはメタボと関連~日本の横断的研究 (2014/9/12) 77位 うつになったら、休むべきか働き続けるべきか (2014/9/16) 78位 英プライマリケアの抗菌治療失敗が増加/BMJ (2014/10/1) 79位 総胆管結石疑い 術前精査は必要?/JAMA (2014/7/21) 80位 歩くスピードが遅くなると認知症のサイン (2014/10/8) 81位 前立腺がん、全摘vs.放射線療法/BMJ (2014/3/10) 82位 緑茶が認知機能低下リスクを減少~日本の前向き研究 (2014/6/3) 83位 高力価スタチンが糖尿病発症リスクを増大させる/BMJ (2014/6/16) 84位 乳がんの病理学的完全奏効は代替エンドポイントとして不適/Lancet (2014/2/27) 85位 Na摂取増による血圧上昇、高血圧・高齢者で大/NEJM (2014/8/28) 86位 抗グルタミン酸受容体抗体が神経疾患に重大関与か (2014/8/15) 87位 歩数を2,000歩/日増加させれば心血管リスク8%低下/Lancet (2014/1/8) 88位 肩こりは頚椎X線で“みえる”のか (2014/3/19) 89位 地中海式ダイエットと糖尿病予防 (2014/4/7) 90位 閉塞性睡眠時無呼吸、CPAP vs. 夜間酸素補給/NEJM (2014/6/26) 91位 揚げ物は肥満遺伝子を活性化する?/BMJ (2014/4/3) 92位 6.5時間未満の睡眠で糖尿病リスク上昇 (2014/9/4) 93位 セロトニン症候群の発現メカニズムが判明 (2014/3/14) 94位 日本発!牛乳・乳製品を多く摂るほど認知症リスクが低下:久山町研究 (2014/6/20) 95位 肥満→腰痛のメカニズムの一部が明らかに (2014/8/8) 96位 低炭水化物食 vs 低脂肪食 (2014/8/7) 97位 認知症患者の調子のよい日/ 悪い日、決め手となるのは (2014/3/21) 98位 統合失調症患者は、なぜ過度に喫煙するのか (2014/7/2) 99位 血糖降下強化療法の評価―ACCORD試験続報/Lancet (2014/8/20) 100位 小児BCG接種、結核感染を2割予防/BMJ (2014/8/21) #feature2014 .dl_yy dt{width: 50px;} #feature2014 dl div{width: 600px;}

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認知症によいサプリメント、その効果は

 大豆レシチンより生成したホスファチジルセリン(PS)とホスファチジン酸(PA)を配合したサプリメントは、高齢者において記憶、気分、認知機能を改善すること、アルツハイマー病(AD)患者の日常機能や感情に対して有益な影響を及ぼすことが明らかにされた。ドイツ・Analyze & realize GmbHのMargret I. More氏らによる検討の結果、示された。Advances in Therapy誌オンライン版2014年11月21日号の掲載報告。 研究グループは、大豆レシチンより生成したPS 100mgとPA 80mgを配合した脳の健康を保つための食物サプリメントの有用性を検討するため、早期パイロットスタディを実施した。同様の検討はこれまで行われていない。 はじめに、健常ボランティアにおいてPS+PA単回摂取後の血清分析を実施。次に、機能障害や抑うつを認めないが記憶に問題のある高齢者(記憶および気分に及ぼす影響をウエクスラー記憶検査とうつ症状リストを用いて評価)を対象とし、3ヵ月間の二重盲検プラセボ対照試験にて、PS+PA 3カプセル/日(300mg PS+240mg PA/日)とプラセボの有用性を比較評価した。さらに、AD患者を対象とした2ヵ月間の無作為化二重盲検プラセボ対照試験において、PS+PA 3カプセル/日(300mg PS+240mg PA/日)とプラセボの、日常機能、メンタルヘルス、感情、自己報告による全身状態に及ぼす影響を比較評価した。 主な結果は以下のとおり。・血清中PS濃度は、摂取後90分でピークに達し、180分後にベースライン値に回復した。・高齢者において、PS+PA群(per protocol[PP]のn=31)ではプラセボ群(PPのn=26)と比べて記憶力の有意な改善が認められ、摂取前後の比較において冬季うつ病(ウインターブルー)の抑制が認められた。・AD患者において、PS+PA群(PPのn=53)では日常生活機能(日常生活における7つの活動)が維持されていたが、プラセボ群(PPのn=39)では5.62から4.90へと低下し(p=0.035)、有意な群間差を認めた(p=0.021)。・日常生活機能について、PS+PA群では悪化が3.8%、安定が90.6%であったのに対し、プラセボ群ではそれぞれ17.9%、79.5%であった(p=0.066)。・PS+PA群では、自己報告による全身状態の改善を認めた患者は49%であったが、プラセボ群では26.3%にとどまった(p=0.084)。・PS+PA群では、試験後もサプリメント摂取(二重盲検期間中)を継続した患者が約43%いたが、プラセボを受けた患者はいなかった。ネガティブな副作用は認められなかった。・以上のことから、PSは、経口摂取により効果的に吸収されることが示された。また、高齢者を対象とした試験により、PS+PAの記憶、気分、認知機能に対する有益な効果が示された。AD患者に対する短期間のPS+PA摂取は、日常機能、感情、自己報告による全身状態に対し、安定した効果を示した。・本パイロット研究の結果は、AD患者そして記憶や認知機能に問題のある高齢者に対するPS+PAの長期試験の実施を促すものであった。関連医療ニュース 認知症にイチョウ葉エキス、本当に有効なのか アルツハイマーに有用な生薬はコレ 認知症タイプ別、各認知機能の経過を比較  担当者へのご意見箱はこちら

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最新、抗精神病薬の体重増加リスクランキング

 第二世代抗精神病薬(SGA)は、いくつかの精神疾患に対し広く使用されている。その際、抗精神病薬誘発性の体重増加が問題となるが、そのリスクは薬剤間で異なる。抗精神病薬誘発性の体重増加は、メタボリックシンドロームや心血管イベントの増加と関連しており、これらのリスクに対する知識は、さらなるモニタリングや対策を行ううえで重要である。ドイツのルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンのRichard Musil氏らは、関連する直接比較試験についてシステマティックレビューとメタアナリシスを行った。Expert opinion on drug safety誌オンライン版2014年11月15日号の報告。 著者らは、PubMed、Web of Scienceから、2010~2014年に公表されたサンプルサイズが100例以上、ゾテピン以降に発売されたSGA、体重増加に関するデータが含まれた無作為化対照試験、自然観察研究を抽出した。 主な結果は以下のとおり。・最近公表されたデータは、これまでにレビューされていたSGAのランク付けを支持するものであった。高リスク:クロザピン、オランザピン中リスク:アミスルプリド、アセナピン、イロペリドン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドン、セルチンドール低リスク:アリピプラゾール、ルラシドン、ジプラシドン・NNH(何人の患者を治療すると1例の有害症例が出現するかを示す指標)は、本メタアナリシスでは大きく変動した。・若年患者とベースラインのBMIが低い患者が、最も影響を受けやすかった。・体重増加の大半は、治療開始1週以内に認められた。・抗精神病薬誘発性の体重増加は、すべての診療群で発生し、第一世代抗精神病薬による治療でも一般的に認められる。そのため、体重増加への注意はどの抗精神病薬を使用する場合においても不可欠である。関連医療ニュース 抗精神病薬による体重増加や代謝異常への有用な対処法は:慶應義塾大学 最初の1年がピーク、抗精神病薬による体重増加と代謝異常 オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学

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抗うつ薬と妊娠中絶との関連は

 抗うつ薬の使用は選択的妊娠中絶と関連するのであろうか。また、薬剤間で差はあるのだろうか。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や三環系抗うつ薬、ミルタザピン、ベンラファキシン、その他の抗うつ薬が妊娠後の中絶にどのような影響を与えるかを、スウェーデン・カロリンスカ研究所のH Kieler氏らが評価した。BJOG誌オンライン版2014年11月14日号の報告。 1996年~2007年のデンマーク、フィンランド、ノルウェーの全国レジスターのデータを利用したケースコントロール試験。対象は、妊娠12~23週に人工妊娠中絶を行った女性1万4,902例。コントロール群は、妊娠を継続し、かつ主要な因子をマッチングした14万8,929例。主要評価項目は、妊娠中の抗うつ薬使用と妊娠12~23週における中絶(胎児異常、母体の健康障害、社会経済的問題による)との関連とした。 主な結果は以下のとおり。・少なくとも1つの抗うつ薬が処方されていた女性は、中絶群で3.7%、コントロール群で2.2%であった。・いずれかの抗うつ薬の使用と、母体の健康状態または社会経済的問題による中絶との間に関連が認められた(オッズ比[OR]:2.3、95%CI:2.0~2.5)。・胎児異常による中絶はミルタザピンの使用と関連していた(OR:2.2、95%CI:1.1~4.5)。他の抗うつ薬の使用と胎児異常による中絶との間には関連が認められなかった。関連医療ニュース 統合失調症女性の妊娠・出産、気をつけるべきポイントは 妊娠初期のうつ・不安へどう対処する 新規抗てんかん薬の催奇形性リスクは  担当者へのご意見箱はこちら

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抗精神病薬は統合失調症患者の死亡率を上げているのか

 一般的に、抗精神病薬の長期使用は死亡率、とくに心血管死のリスクを増加させるといわれているが、この知見を実証する明確なデータは存在しない。フィンランド・国立健康福祉センターのMinna Torniainen氏らは、初回エピソード統合失調症患者を対象に、抗精神病薬曝露と死亡率との関係を検討した。Schizophrenia bulletin誌オンライン版2014年11月24日号の報告。 2006年以前にスウェーデンで統合失調症と診断された2万1,492例のうち、17~65歳の初回エピソード統合失調症患者1,230例を、2006~2010年までフォローアップした。患者情報は、全国レジスターを通じて収集した。全死亡率および原因別死亡率は、2006年1月~2010年12月までの累積抗精神病薬曝露の関数として計算した。1日当たりの抗精神病薬の用量はDDD(defined daily dose)/日で示し、高曝露群(>1.5DDD/日)、中間曝露群(0.5~1.5DDD/日)、低曝露群(<0.5DDD/日)、未曝露群(0DDD/日)とした。 主な結果は以下のとおり。・一般集団から年齢、性別をマッチさせた対照群(21万4,920人)と比較すると、全死亡率は、未曝露群で最も高かった(HR 6.3、95%CI:5.5~7.3)。・次いで、全死亡率が高かったのは、高曝露群(HR 5.7、95%CI:5.2~6.2)、低曝露群(HR 4.1、95%CI:3.6~4.6)、中間曝露群(HR 4.0、95%CI:3.7~4.4)の順であった。・高曝露群(HR 8.5、95%CI=7.3~9.8)と未曝露群(HR 7.6、95%CI:5.8~9.9)では、低曝露群(HR 4.7、95%CI=3.7~6.0)、中間曝露群(HR 5.6、95%CI:4.8~6.6)のいずれかよりも、高い心血管死亡率との関連が認められた。・初回エピソード統合失調症患者では、超過死亡率は未曝露群で最も高かった(HR 9.9、95%CI:5.9~16.6)。 結果を踏まえ著者らは、「統合失調症患者の死亡リスクは、抗精神病薬を使用しない場合に最も高く、全死亡と累積抗精神病薬曝露との相関はU字型の曲線を示す。適切な用量で使用する限りは、全死亡および心血管死亡とも抗精神病薬以外の要因に起因するものである」とまとめている。関連医療ニュース 自殺念慮と自殺の関連が高い精神疾患は何か 統合失調症患者の突然死、その主な原因は 統合失調症患者、合併症別の死亡率を調査

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自殺念慮と自殺の関連が高い精神疾患は何か

 さまざまな精神疾患患者を対象に、自殺念慮とその後の自殺との関連性を調べた結果、統合失調症スペクトラム患者での関連性が気分障害患者よりも強いことが示された。オーストラリア・Prince of Wales HospitalのC. L. Chapman氏らがメタ解析の結果、報告した。なお著者は結果について、試験間の不均一性や、自殺念慮と自殺の関連を誇張するような手法の試験も含まれている点を考慮して、慎重に解釈すべきと述べている。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2014年10月31日号の掲載報告。 最近の検討において、複数の精神疾患を有する患者について自殺念慮とその後の自殺との間に、わずかな、または弱い関連性があることが示唆されていた。本検討で研究グループは、さまざまな精神疾患と診断された患者を対象に両者の関連を調べた。「気分障害」(大うつ病、気分変調症、双極性障害を含むと定義)または「統合失調症スペクトラム」(統合失調症統合失調症様障害、妄想性障害を含むと定義)を有する患者における、自殺念慮とその後の自殺との関連性を報告していた試験を系統的メタ解析にて特定・分析した。 主な結果は以下のとおり。・自殺念慮とその後の自殺の関連は、統合失調症スペクトラム患者において強かった[14試験で報告された自殺は567例、OR:6.49、95%信頼区間[CI]:3.82~11.02]。・気分障害患者において、自殺念慮と自殺との関連は、有意ではなかった(11試験で報告された自殺は860例、OR:1.49、95%CI:0.92~2.42)。・精神疾患の診断群は、試験間の不均一性に有意に関与していた(Q値=16.2、df=1、p<0.001)。それにより2つの診断群間の自殺念慮と自殺との関連の強さについて、有意な差が示された。・メタ回帰分析および多重メタ回帰分析により、主要研究における方法論的な問題のために、所見は支持できないことが示唆された。・追跡期間10年未満の気分障害患者の試験において、自殺念慮と自殺の関連性は弱いものではあったが有意であった。関連医療ニュース 日本人統合失調症患者の自殺、そのリスク因子は:札幌医大 日本人統合失調症患者における自殺企図の特徴は?:岩手医科大学 双極性障害、退院後の自殺リスクが高いタイプは  担当者へのご意見箱はこちら

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ケタミンは難治性うつ病に使えるのか

 難治性うつ病患者において、NMDA受容体拮抗薬ケタミンは迅速な抗うつ効果を示すが、認知機能への有害作用については十分な検討が行われていなかった。米国・マウントサイナイ医科大学のJames W Murrough氏らは、難治性うつ病患者に対するケタミンの使用に関する検討の結果、有害認知作用は治療後7日時点で消失し、ベースラインでの処理速度が緩徐である患者ほどうつ症状の改善効果は大きいことを報告した。結果を踏まえて著者は、「さらなる検討を行い、臨床検体におけるケタミンの認知プロファイルを明らかにし、また臨床的に有用な治療反応モジュレータ―を特定することが求められる」とまとめている。Neuropsychopharmacology誌オンライン版2014年11月6日号の掲載報告。 本検討は、無作為化試験にて、難治性うつ病におけるケタミンの認知機能への影響を調べること、また抗うつ反応のベースラインでの予測因子を調べることを目的とした。被験者は、抗うつ薬を併用していない62例の難治性うつ病患者で、ケタミン(0.5mg/kg)またはミダゾラム(0.045mg/kg)単回静注の前後に、MATRICS Consensus Cognitive Battery(MCCB)の評価項目を用いて、認知機能について評価を受けた。治療後の評価は7日時点で行われた。なお被験者は、2対1の割合でケタミンまたはミダゾラムを二重盲検条件下で受ける群に無作為に割り付けられ、うつ症状の評価は、治療後24、48、72時間および7日時点で、Montgomery-Asberg Depression Rating Scale(MADRS)により評価を受けた。 主な結果は以下のとおり。・被験者62例は、平均年齢46.2±12.2歳であった。・治療条件にかかわらず、認知機能は治療後に改善した。・認知機能への特異的な治療の影響は認められなかった。また、抗うつ反応との関連も認められなかった。・年齢、うつ病重症度、その他の認知領域パフォーマンスで調整したところ、ベースライン時の処理速度がより遅いことが、24時間後の時点におけるうつ症状の改善がより大きくなることを予測する独立因子であった(t=2.3、p=0.027)。関連医療ニュース 難治性うつ病に対する効果的な治療は何か 治療抵抗性うつ病に対し抗精神病薬をどう使う 治療抵抗性うつ病患者が望む、次の治療選択はどれ  担当者へのご意見箱はこちら

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肺がん患者と医療者の乖離を埋める―WJOG

 「患者さんのためのガイドブック よくわかる肺がんQ&A(第4版)」(編集:NPO法人西日本がん研究機構、以下WJOG)の発行を記念して、「肺がんの最新治療に関するセミナー~分子標的薬の登場で肺癌治療は大きく変わった~」が2014年11月28日、都内にて行われた。当日は、中川和彦氏(近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門 教授)、本書の編集を行った澤 祥幸氏(岐阜市民病院 がん診療局長)が講演した。 中川氏の講演では、肺がん診療の最新情報が紹介された。講演の中で、中川氏は次のように述べた。肺がんの治療は最近の20~30年で大きく進歩している。とくに2002年のEGFR–TKIゲフィチニブの登場以降、ALK阻害薬、第2世代EGFR-TKIが次々に登場している。今後も第3世代EGFR-TKI、PD-1やPD-L1など新たな免疫療法なども治療選択肢として加わってくると考えられ、肺がん治療は大きく変化していくことが予想される、と述べた。また、このように新たな臨床試験が数多く出てくる中、EBMや診療ガイドラインを踏まえ、肺がんについての正しい情報を研究者から一般社会に伝えることが重要であるとも述べた。 続いて、澤 祥幸氏が、肺がん患者の疑問とその対応に関して次のように述べた。がん患者は告知の際、医療者に対し自分自身の不安を解決するため希望的回答を期待している。しかし、がんであるという事実は最悪の知らせである。将来への見通しを根底から否定的に変えてしまうため、冷静な状態ではいられない。担当医にしてみれば、しっかり説明したのに理解してもらえない。一方、患者も家族も真剣に説明を聞いていたはずなのに覚えていないという事態に陥る。また、希望的回答への期待を裏切られたことが医療者への不信を招き、診療への否認行動をとるなど、その後のトラブルにつながることもある。さらに、悪い知らせを聞いた後、一部の患者は適応障害やうつ病に陥る。がん患者の自殺率は健康人の4倍との報告もあり、これも大きな問題である。 がんと診断された後、がん患者・家族はどのような情報を求めているのか? 肺がんの種類・進行度、標準治療といった情報を伝えようとする医療者とは乖離があるようだ。WJOGはその乖離を明らかにするため、各地で開催する市民講座の際、患者・家族の疑問や質問を収集した。その結果、患者の疑問・質問の上位は、「もっといい病院・医者は?」「抗がん剤治療が不安」「補完代替医療、免疫療法」「術後の痛み」「がん告知の問題」などであった。実際にサプリメントや高額な民間療法に頼る患者、治療拒否により手遅れになる患者、医療費控除制度を知らず経済的不安から治療を拒否するケースも少なくないと、澤氏は言う。 「よくわかる肺がんQ&A(第4版)」は、このように収集した疑問・質問をまとめる形で、本年(2014年)11月7日に発行された。Q&A は119項目からなり、医師向けのガイドラインにはない、補完代替医療の説明、不安・衝撃へのアドバイス、医療費といった項目も含まれる。今版は市民の要望に応え、書店でも購入可能である。価格帯も市民が気軽に買えるよう2,200円(+税)に設定。今後はwebフリーダウンロードの予定もある。amazon リンク:「患者さんのためのガイドブック-よくわかる肺がんQ&A(編集;西日本がん研究機構-WJOG)」はこちら。

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統合失調症のドパミン・コリン仮説を検証

 統合失調症における神経生物学的な側面(とくに陰性症状や認知障害に関連する生理学的基礎)の多くは、まだ明らかになっていない。1989年にTandonやGredenは、統合失調症ではドパミン/コリン作動性の不均衡が中心的な原因であると仮定した。この仮説を検討するため、Tanja Veselinovic氏らは、精神病理、認知、注意への抗コリン薬の作用を検討した。Psychopharmacology誌オンライン版2014年11月7日号の報告。 薬物治療介入のない統合失調症患者12例および健常者12例における、精神病理、認知、注意への抗コリン薬の効果を検討した。1回目の検査は薬物治療開始前に、2回目の検査は中枢作用性抗ムスカリン薬ビペリデン5mgを静脈内投与直後に行い、測定した。 主な結果は以下のとおり。・ビペリデンの作用は、両群においてPANSSスコアの著しい上昇を引き起こし、その変化は患者群で有意により顕著であった(反復測定分散分析[rmANOVA]:F[df]=6.4[1,22]、p=0.019)。・PANSSスコアの増加は、患者の年齢と有意な負の相関を示した。これは、ドパミン動態の年齢依存的変化の関連やムスカリン受容体のアベイラビリティの年齢に伴う減少と関連している可能性がある。・ビペリデンは、両群で著しい認知障害を引き起こした。・有意な群間差は、TMT-Bで観察された(F[df]=11.29[1,22]、p=0.003)。 抗コリン薬による介入は、健常者よりも統合失調症患者において、より顕著な精神病理、認知低下作用を引き起こした。これは、統合失調症患者ではコリン作動性伝達の異常が関連している可能性を示唆している。結果を踏まえ著者らは、「精神疾患患者に対し抗コリン薬は限定的な使用にとどめる必要がある」としたうえで、さらなる調査の必要性を強調した。関連医療ニュース 抗精神病薬と抗コリン薬の併用、心機能に及ぼす影響 夢遊病にビペリデンは有望? 遅発型統合失調症、脳の変化に違い:産業医大  担当者へのご意見箱はこちら

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うつ病治療、概念や診断方法の相違が課題

 うつ病患者に対し、精神科医とかかりつけ医(general practitioner)が協同してケアを実践していくべきという考えの下、日常臨床でうつ病の概念がどう位置付けられているか、また、うつ病の診断方法に対する精神科医とかかりつけ医の認識について、デンマーク・コペンハーゲン大学のAnnette S. Davidsen氏らは調査を行った。その結果、精神科医はうつ病の概念を実用的であると考え、診断方法の正当性に疑問を感じていなかったのに対し、かかりつけ医はうつ病を「グレーな領域」と考えており、うつ病診断の臨床的有用性に疑問を持っている状況を報告した。International Journal of Qualitative Studies on Health and Well-being誌オンライン版2014年11月6日号の掲載報告。 うつ病の診断は精神科医によって行われ、うつ病患者に対する治療ガイドラインは精神科領域にて作成される。しかしながら、うつ病患者の大半はもっぱら一般診療で治療を受けている。この現状を踏まえ、かかりつけ医による治療は十分とはいえず、これを打開するためには精神科医とかかりつけ医によるコラボレーションケア(CC)モデルの導入が必要である、と精神科医は指摘する。ただし、CCモデルを成功に導くためには、うつ病の概念と診断方法について、精神科医とかかりつけ医の間で統一した見解を築いておく必要性が指摘されていた。 研究グループは、精神科医とかかりつけ医のうつ病に対する認識を調査することを目的とし、精神科医11人、一般開業医12人を対象に、質的に詳細な(qualitative in-depth)インタビューを実施し、解釈学的現象学的分析(Interpretative Phenomenological Analysis)を用いて解析を行った。 分析から得られた主な所見は以下のとおり。・うつ病という概念の実用性に対する見解、およびうつ病患者について話すときに使う言葉や話し方において、2つの医師グループの間でかなりの相違が認められた。・この相違は、2つのグループにおける経験の範囲を表す3つの局面により確認された。・精神科医はうつ病の概念を実用的であると考え、診断方法に対しても満足しており、その正当性に疑問を感じていなかった。・かかりつけ医は、うつ病を「グレーな領域」と考えており、一般診療におけるうつ病診断の臨床的有用性に疑問を持っていた。・その一方でかかりつけ医は、精神科領域で考案された基準に基づいて診断を行うよう、精神科医から求められていると感じていた。・これに対し精神科医は、自らの臨床的印象に基づいて診断しており、考案された基準は重症度の評価に用いていた。・全体的にかかりつけ医は、診断基準が判断をミスリードする可能性があると感じており、懐疑的であった。 所見を踏まえて著者は、「このような理解の相違がある場合には、CCモデルが導入されても主張の衝突につながる可能性がある。今回得られた結果が、CCを実施しているセクター間において、相違に対しどのように対応しているのかを探るための、実際の連携事例を調査する組織研究の有益な材料となることを期待する」とまとめている。関連医療ニュース うつ病患者とかかりつけ医、認識のギャップが浮き彫りに うつ病診断は、DSM-5+リスク因子で精度向上 うつ病+認知障害への有効な治療介入は  担当者へのご意見箱はこちら

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C型肝炎は内服でほぼ全例が治癒する時代へ

 C型肝炎ウイルスに対する治療は、2011年の直接作用型抗ウイルス薬(Direct Acting Antivirals;DAA)の登場で大きく変換した。現在、効果のより高い薬剤・レジメンの開発が続いている。2014年11月26日、都内で開催されたC型肝炎プレスセミナー(主催:アッヴィ合同会社)にて、熊田 博光氏(虎の門病院分院長)がC型肝炎治療の進歩と著効率の変遷を解説、さらに開発中のレジメンを紹介し、「来年にはC型肝炎は内服薬のみでほぼ全症例が治癒する時代が到来するだろう」と予測した。■日本人で多いのは「ジェノタイプ1b型・高ウイルス量」 C型肝炎ウイルスの遺伝子型は民族によって異なり、日本人ではジェノタイプ1b型・高ウイルス量の患者が多く、5割以上を占める。しかしながら、1992年に承認されたインターフェロン(IFN)単独療法では、このジェノタイプ1b型・高ウイルス量の患者に対して、虎の門病院における著効率は11.7%と低く、全体でも著効率は3割と、つらい治療にもかかわらず7割が無効であったという。また、次に承認されたペグ-IFN+リバビリン(RBV)併用療法でも、2004年~2011年における、ジェノタイプ1b型・高ウイルス量の患者の著効率は48.8%と5割に満たなかった。しかし、2011年にDAAが登場し、IFN+RBV+プロテアーゼ阻害剤併用療法により、ジェノタイプ1型のSVR率は、初回治療例ではテラプレビルで73%、シメプレビルで88%、バニプレビルで84%と高い効果を示した。しかし、前治療無効例に対しては、順に34%、50%、61%と徐々に増えているものの低いことが課題であった。■IFNフリーの経口剤が登場 日本人のC型肝炎患者の特徴として、高齢者が多いこと、副作用(とくにIFN)に敏感なこと、高齢化のために欧米より肝がんの発生頻度が高いことが挙げられる。そのため、高齢者・うつ病・IFNが使えない患者にも使える、IFNフリーの経口剤治療が求められていると熊田氏は述べた。このような状況から、IFNフリーの経口治療薬であるダクラタスビル(NS5A阻害剤)+アスナプレビル(NS3阻害剤)併用療法が開発され、今年9月に両薬剤が発売された。 これら2剤の併用療法における第III相試験での著効率は、ジェノタイプ1b型のIFN治療に不適格の未治療または不耐容の患者で87.4%、IFN治療無効の患者で80.5%と、高い有効性が示された。また、この有効性には、性別、年齢、開始時HCV-RNA量、肝硬変などの背景因子の影響はみられなかった。有害事象については、鼻咽頭炎、頭痛、ALT増加、AST増加、発熱が多く、有害事象による投与中止例は5%であったと熊田氏は紹介した。■「前治療無効でNS5A・NS3耐性変異株あり」は著効率が低い この2剤併用経口療法の登場により、厚生労働省「科学的根拠に基づくウイルス性肝炎治療ガイドラインの構築に関する研究班 C型肝炎ガイドライン」が今年9月に改訂された。このガイドラインの治療選択肢の患者群ごとのSVR率をみると、・IFN適格の初回・再燃例:88%(IFN+RBV+シメプレビル3剤併用療法)・IFN不適格の未治療/不耐容例:89%(ダクラタスビル+アスナプレビル2剤併用療法)・前治療無効でNS5A・NS3耐性変異株ありの患者:43%(IFN+RBV+シメプレビル3剤併用療法)・前治療無効でNS5A・NS3耐性変異株なしの患者:85%(ダクラタスビル+アスナプレビル2剤併用療法)となる。 熊田氏は、前治療無効でNS5A・NS3耐性変異株ありの患者では43%と低いのが問題であると指摘した。■内服薬のみでほぼ全症例が治癒する時代が到来 最後に熊田氏は、わが国で経口剤のみの臨床試験がすでに実施されているレジメンとして以下を紹介し、このうち、ギリアド、アッヴィ、ブリストルの薬剤は来年には発売されるという見通しを語った。・NS5B阻害剤+NS5A阻害剤(ギリアド・サイエンシズ、2014年9月申請)・NS5A阻害剤+NS3阻害剤(アッヴィ、Phase3)・NS5A阻害剤+NS5B阻害剤+NS3阻害剤(ブリストル・マイヤーズ、Phase3)・NS5A阻害剤+NS3阻害剤(MSD、Phase2~3) これらレジメンの治療期間は12週と短くなっている。熊田氏は、これらの著効率が海外で95~100%、日本でもギリアドのNS5B阻害剤+NS5A阻害剤が99%(Phase3)、アッヴィのNS5A阻害剤+NS3阻害剤が95%(Phase2)と高いことから、「C型肝炎は内服薬のみでほぼ全症例が治癒する時代が到来するだろう」と述べた。

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