糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:72

潜在性甲状腺機能低下症併発の急性心筋梗塞患者、ホルモン療法は有効か/JAMA

 潜在性甲状腺機能低下症を併発した急性心筋梗塞患者において、甲状腺ホルモン製剤レボチロキシンはプラセボと比較して、52週後の左室駆出率(LVEF)を改善しないことが、英国・ニューカッスル大学のAvais Jabbar氏らの検討で示された。研究の詳細は、JAMA誌2020年7月21日号に掲載された。甲状腺ホルモンは心筋収縮能の調節に重要な役割を果たしており、急性心筋梗塞患者における潜在性甲状腺機能低下症は不良な予後と関連するという。

2型糖尿病適応のimeglimin、国内製造販売承認を申請/大日本住友製薬

 2020年7月30日、大日本住友製薬は2型糖尿病治療薬として開発中のimegliminの国内製造販売承認の申請を行ったと発表した。本剤は2021年度に国内で世界初となる上市を予定している。  imegliminは、ミトコンドリアの機能を改善するという独自の作用機序を有し、膵臓・筋肉・肝臓において、グルコース濃度依存的なインスリン分泌の促進と、イ ンスリン抵抗性の改善および糖新生の抑制という作用を示すことで血糖降下作用が期待されている。さらに、本剤の作用機序は、糖尿病によって引き起こされる細小血管・大血管障害の予防につながる血管内皮機能および拡張機能の改善作用や、膵臓β細胞の保護作用を有する可能性も示唆されている。

医師の2020年夏季ボーナス支給、新型コロナの影響は?

 6~7月と言えば、業務に追われるもボーナス支給日を心待ちに日々励んでいる人が多い時期。ところが今年は新型コロナウイルスの影響で状況は一変。外来患者減などが医療施設の経営に大打撃を与え、医療者の給与や将来設計もが脅かされる事態に発展している。  この状況を受け、ケアネットでは7月9日(木)~15日(水)、会員医師1,014名に「夏季ボーナスの支給状況などに関するアンケート」を実施。その結果、全回答者のうち14.6%は本来支給されるはずの夏季ボーナスが不支給または未定であり、支給された方でも25%は例年より減額されていたことが明らかになった。

糖尿病患者にエクササイズ動画を配信/ノボ ノルディスク ファーマ

 新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大により、高血圧や糖尿病などの慢性疾患を抱える患者の診療の手控えに加え、不要不急の外出への遠慮から外での運動機会も減少している。とくに糖尿病では、運動療法は患者にとって食事療法・薬物療法と並ぶ治療の3本柱の1つであり、運動不足により血糖値のコントロール不良が憂慮されている。  ノボ ノルディスク ファーマ株式会社は、こうした状況に鑑み、糖尿病患者の健康維持を目的とした「自宅で簡単にできるエクササイズ動画」を制作し、7月より配信を開始した。  糖尿病患者向けエクササイズ動画は、日本糖尿病協会(理事長:清野 裕)の監修のもと、自身も1型糖尿病である元エアロビクス世界チャンピオンの大村 詠一氏がエクササイズ内容を考案し、自ら動画で実演しているもの。

ビタミンCやカロテノイドが2型DM発症を抑制?/BMJ

 果物と野菜の摂取量の指標である血漿中のビタミンC濃度、カロテノイド濃度およびこれらを組み合わせた複合バイオマーカースコアが高いほど、2型糖尿病の発症リスクが低いことが明らかになった。英国・University of Cambridge School of Clinical MedicineのJu-Sheng Zheng氏らが、欧州8ヵ国で実施した大規模前向きケースコホート研究「EPIC-InterAct」の結果を報告した。これまで果物や野菜の摂取量と2型糖尿病のリスクとの関連に関する調査は、自己申告の食事質問票に依存しており、結果に一貫性がなく、摂取量の客観的指標によるエビデンスが不足していた。BMJ誌2020年7月8日号掲載の報告。

全粒食品摂取量と2型DMリスクは逆相関/BMJ

 全粒穀物およびいくつかの全粒食品(全粒朝食用シリアル、オートミール、ライ麦パン、玄米、ふすま入り、小麦胚芽など)の摂取量が多いほど2型糖尿病のリスクは有意に低下することが示された。米国・ハーバード公衆衛生大学院のYang Hu氏らが、3つの前向きコホート試験(米国看護師健康調査[NHS]、看護師健康調査II[NHS II]、医療従事者追跡調査)のデータを分析し明らかにしたもので、BMJ誌2020年7月8日号で発表した。これまで、全粒穀物摂取と2型糖尿病のリスク低下との関連は一貫していることが認められていたが、個々の全粒食品摂取との関連はあまり検討されていなかった。

身体活動ガイドライン順守で、全死因・原因別死亡リスク減/BMJ

 米国では、「米国人の身体活動ガイドライン2018年版」で推奨されている水準で、余暇に有酸素運動や筋力強化運動を行っている成人は、これを順守していない集団に比べ、全死因および原因別の死亡リスクが大幅に低いことが、中国・山東大学のMin Zhao氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2020年7月1日号に掲載された。本研究の開始前に、身体活動ガイドラインの推奨を達成することと、全死因死亡や心血管疾患、がんとの関連を評価した研究は4件のみで、その結果は一致していなかった。また、身体活動ガイドラインと他の原因別の死亡(アルツハイマー病や糖尿病などによる死亡)との関連を検討した研究は、それまでなかったという。

GLP-1受容体作動薬適応外使用への警告/日本糖尿病学会

 近年、GLP-1受容体作動薬が痩身やダイエットなどの目的で使用される目的外使用が問題となり、一般報道などでも取り上げられている。その多くは、個人輸入や一部のクリニックでなされているものであるが、こうした事態に対し日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎)は、「GLP-1受容体作動薬適応外使用に関する日本糖尿病学会の見解」を7月9日に公表した。  本見解では、現時点で「一部のGLP-1受容体作動薬については、健康障害リスクの高い肥満症患者に対する臨床試験が実施されているが、その結果はまだ出ていない。したがって、2型糖尿病治療以外を適応症として承認されたGLP-1受容体作動薬は存在せず、美容・痩身・ダイエットなどを目的とする適応外使用に関して、2型糖尿病を有さない日本人における安全性と有効性は確認されていない」と述べるとともに、「医師とくに本学会員においては、不適切な薬物療法によって患者の健康を脅かす危険を常に念頭に置き、誤解を招きかねない不適切な広告表示を厳に戒め、国内承認状況を踏まえた薬剤の適正な処方を行っていただきたい」と強く適正な使用を要望している。

リナグリプチンの心血管・腎の安全性/日本ベーリンガーインゲルハイム

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は、心血管疾患の既往もしくは心血管イベントリスクのある、アジアの早期成人2型糖尿病患者を対象としたCAROLINA試験のサブグループ解析の結果を発表した。  発表によれば、本解析においてグリメピリドと比較し、リナグリプチン(商品名:トラゼンタ)は心血管疾患の既往もしくは心血管イベントリスクのあるアジアの早期成人2型糖尿病患者において心血管リスクを増加させないことが明らかになった。  また、心血管や腎イベント、またはその両方のリスクが高い成人2型糖尿病患者を対象としたCARMELINA試験とともに、アジアの幅広い2型糖尿病患者におけるリナグリプチンの心血管および腎の安全性のプロファイルが示された。

内臓脂肪指数は大腸がん発症の予測因子~日本人コホート

 内臓脂肪蓄積は大腸がん発症に関連しているが、内臓脂肪蓄積と機能障害のマーカーである内臓脂肪指数(VAI)と大腸がん発症との関連についての報告はない。今回、京都府立医科大学の岡村 拓郎氏らが大規模コホートNAGALA研究で検討した結果、VAIの最高三分位群において大腸がん発症リスクが有意に高いことが示された。BMJ Open Gastroenterology誌2020年6月号に掲載。  本研究では、2万7,921人(男性1万6,434人、女性1万1,487人)の参加者をVAIによって三分位に分けた。VAIは、男性では(腹囲/(39.68+1.88×BMI))×(トリグリセライド/1.03)×(1.31/HDLコレステロール)、女性では(腹囲/(36.58+1.89×BMI))×(トリグリセライド/0.81)×(1.52/HDLコレステロール)で算出した。性別、年齢、喫煙、飲酒、運動、ヘモグロビンA1c、収縮期血圧で調整し、Cox比例ハザードモデルを用いて評価した。