皮膚科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:82

爪真菌症治癒の再定義を

 米国・University Hospitals Case Medical CenterのM. Ghannoum氏らは、爪真菌症治癒の定義について、菌類学的アウトカムと臨床試験期間の解釈を再検証した。その結果、現状の臨床試験期間は見直す必要があり、爪真菌症治癒の定義は、十分なウォッシュアウト後の臨床所見が、KOH直接鏡検法が陰性か否かにかかわらず、培養検査が陰性であることでみなすべきであると報告した。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年8月19日号の掲載報告。

イソトレチノインの新製剤は吸収率が2倍に

 にきび治療薬として世界中で使用されているイソトレチノイン(国内未承認)は、吸収率を至適なものとするために高脂肪食の摂取が必要とされるが、脂肪食を摂取しない場合に吸収率を高める新しい製剤が開発され、米国食品医薬品局(FDA)において承認されたという。米国・ジェファーソン医科大学のGuy F. Webster氏らは、その薬物動態について従来製剤との比較を行った。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2013年8月13日号の掲載報告。

乾癬が就業に与えるリアルな影響

 イタリア・ナポリ大学のAyala.F氏らによって、中等症~重症乾癬患者における、就業への影響が調査された。それによると、乾癬の罹患が患者の就業に対して深刻な影響を及ぼし、雇用の機会、就業日数、将来への期待、収入を得る機会に影響することが報告された。乾癬が及ぼす身体的、心理社会的な影響のため、患者さんは充実した生活を送るのが難しいことがあるが、これまで就業関連への影響については、調査が十分とはいえなかった。J Eur Acad Dermatol Venereolオンライン版2013年8月21日掲載報告。

妊娠線とQOLの意外な関係 ―本当は何がQOLに影響するか―

 妊娠線は明確な発現機序は明らかになっていないが、一度生じると治療は困難で、QOLに影響する。妊娠線の予防のため、保湿剤がよく用いられているが、これまでこうした予防策とQOLの関係については不明のままであった。京都大学の山口 琴美氏らは、妊娠線の予防を実施している中部地方の日本人妊婦を対象に横断調査を行い、保湿の効果とQOLについて評価した。

中等度~重症小児湿疹にナローバンド紫外線療法は有用

 中等度~重症の小児湿疹に対するナローバンド紫外線(NBUVB)療法は、臨床的効果がありQOLを改善することを、英国・Royal Victoria InfirmaryのS. Darne氏らが前向きコホート研究の結果、報告した。効果は治療後6ヵ月時点でも持続していた。これまで小児湿疹に対するNBUVB療法の効果についてのエビデンスは、後ろ向きなものに限られていた。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年8月12日号の掲載報告。

ビタミンDはアトピー性皮膚炎に有用

 ビタミンDの補給は、アトピー性皮膚炎の臨床症状改善に有用である可能性が示された。安全性、忍容性とも良好だという。ポーランド・ワルシャワ医科大学のZbigniew Samochocki氏らによる検討の結果、報告された。Journal of the American Academy of Dermatology誌2013年8月号(オンライン版2013年5月2日号)の掲載報告。  ビタミンDには免疫調整作用がある。免疫機構はアトピー性皮膚炎(AD)の病因となっていることから、ビタミンDがADの病態に影響を及ぼす可能性があった。そこで研究グループは、AD患者におけるビタミンD濃度と臨床的・免疫学的・体質的・環境的因子との関連を調べること、またビタミンDの補給がADの臨床症状に影響を及ぼすかどうかについて検討することを目的とした。