皮膚科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:26

ウパダシチニブ、ステロイド併用でアトピー性皮膚炎を改善/Lancet

 中等症~重症のアトピー性皮膚炎の治療において、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬ウパダシチニブと副腎皮質ステロイド外用薬の併用は、プラセボと同外用薬の併用と比較して忍容性および有効性が優れ、ベネフィット・リスクのプロファイルが良好であることが、ドイツ・ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センターのKristian Reich氏らが実施した「AD Up試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年5月20日号で報告された。  本研究は、日本を含む22ヵ国171施設が参加した二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験であり、2018年8月~2019年12月の期間に参加者の無作為化が行われた(米国・AbbVieの助成による)。

皮膚がん再発率、広範囲切除術vs.モース手術vs.段階的切除術

 頭頸部皮膚がんの再発率について、術式による違いはあるのか。米国・インディアナ大学のPeter G. Bittar氏らはシステマティックレビューとメタ解析により、広範切除術(WLE)とモース顕微鏡手術(MMS)または段階的切除術の術後再発率を調べた結果、MMSまたは段階的切除術のほうがWLEと比べて再発率が低いことが示された。これまでに、異なる術式を比較した前向き試験は行われておらず、研究グループは各術式後の局所再発率を明らかにする目的で本検討を行った。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2021年5月4日号掲載の報告。

痒みの悩みは軽そうでじつは重い問題/マルホ

 マルホ株式会社は、同社の実施した「頭皮トラブルを抱える生活者実態調査の結果」がまとまったことから「頭部の皮膚炎特有の悩みがもたらすQOL への影響と治療法の広がり」をテーマにWEB上でメディアセミナーを開催した。  セミナーでは、調査結果の概要とともに最新の頭部皮膚炎の治療法などの説明が行われた。  はじめに「頭皮トラブルを抱える患者の実態とQOLへの影響」をテーマに江藤 隆史氏(あたご皮フ科 副院長)が講演を行った。

進行悪性黒色腫患者におけるオプジーボ・イピリムマブ併用療法、6.5年の追跡調査(CheckMate-067)/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年5月20日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法およびオプジーボ単剤療法が、イピリムマブ単剤療法と比較して、ファーストライン治療の進行悪性黒色腫患者において生存期間の持続的な改善を示した無作為化二重盲検第III相CheckMate-067試験の新たな6.5年データを発表した。  最短6.5年の追跡調査において、ニボルマブ・イピリムマブ併用療法の全生存期間(OS)中央値は72.1ヵ月であった。これは進行悪性黒色腫に対する第III相試験において報告された最長のOSの中央値である。ニボルマブ単剤群のOS中央値は36.9ヵ月、イピリムマブ単剤群では19.9ヵ月であった。また、ニボルマブ・イピリムマブ併用群の6.5年無増悪生存(PSF)率は34%(中央値11.5ヵ月)、ニボルマブ単剤群では29%(中央値6.9ヵ月)、イピリムマブ単剤群では7%(中央値2.9ヵ月)であった。追跡調査で生存していた併用群患者のうち、77%(145例中112例)が無治療であり、その後の全身療法を受けていなかった。同様の患者の割合は、ニボルマブ単剤群で69%(122例中84例)、イピリムマブ単剤群では43%(63例中27例)であった。

BRCA変異、免疫チェックポイント阻害薬のバイオマーカーとなるか

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の効果に関するバイオマーカーとしては、腫瘍遺伝子変異量(TMB)、PD-L1発現、DNAミスマッチ修復機能欠損が知られている。一方、BRCA1およびBRCA2はDNA修復において重要な役割を果たすが、免疫療法においてこれら遺伝子変異の役割は不明のままである。今回、米国・University of Oklahoma Health Sciences CenterのZhijun Zhou氏らは、BRCA1/2の変異がTMBに関連していると仮説を立て、コホート研究を実施した結果、TMBと組み合わせたBRCA2変異が、ICI治療のバイオマーカーとなる可能性が示唆された。JAMA Network Open誌5月3日号に掲載。

抗LAG-3抗体relatlimab+二ボルマブ、未治療の悪性黒色腫の第III相データを提示/BMS

 ブリストルマイヤーズスクイブは、2021年5月29日、第II/III相RELATIVITY-047試験の結果を発表した。ニボルマブと抗LAG-3抗体relatlimabの固定用量の組み合わは、未治療の切除不能悪性黒色腫において、ニボルマブ単独と比較して、統計的に有意かつ臨床的に意味のある無増悪生存期間(PFS)の改善を示した。  同試験における併用療法患者のPFS中央値は10.12ヵ月であったのに対し、ニボルマブ単剤では4.63ヵ月と、併用群で有意に良好であった(HR:0.75、95%CI:0.62~0.92、p=0.0055)。PFS改善は早期に観察され、時間経過しても一貫していた。PFS改善は、事前に指定されたサブグループおよび層別化因子にかかわらず認められた。

遺伝性血管性浮腫患者の支援団体が稼働/遺伝性血管性浮腫診断コンソーシアム

 遺伝性血管性浮腫(Hereditary Angioedema:HAE)は、主に遺伝子変異が原因で血液中のC1インヒビターの低下などに起因し、体のいたるところで持続する腫れやむくみを繰り返す疾患である。皮膚手足、顔面、生殖器などが腫れた場合は、一見すると「じんま疹」に似ていることがあるが、強いかゆみを伴わないのが特徴だ。特にのどが腫れた場合、呼吸困難となり、生命の危険を来す可能性があり、早期の確定診断が必要だが、本症と診断されずに、日ごろの症状に苦しむ患者も多い。

山火事でアトピー性皮膚炎・かゆみ受診率が増加

 山火事による大気汚染の短期間曝露と、アトピー性皮膚炎(AD)およびかゆみを有する患者の受診機会の増加には関連性が認められることを、米国・カリフォルニア大学のRaj P. Fadadu氏らが横断研究によって明らかにした。大気汚染は世界的な公衆衛生上の課題で、近年の山火事による悪化も深刻になっている。しかし、山火事と大気汚染、および炎症性皮膚疾患との関連は明らかにされていない。著者は、「今回の結果は、大気の質の悪化とスキンヘルスの関連の理解を深めることに寄与するものであり、医療の専門家による皮膚疾患患者のカウンセリングと公衆衛生の実践に参考となるだろう」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年4月21日号掲載の報告。

アトピー性皮膚炎に正しい理解を―患者1,000人への意識調査

 アトピー性皮膚炎は、罹患率だけでなく認知度も高い疾患でありながら、その疾患特性、患者に及ぼす影響、治療法などについての理解は十分ではない。  4月16日、アッヴィ合同会社は、『アトピー性皮膚炎による患者さんの生活や対人関係への影響~患者さん1,000人を対象にした疾病負荷 調査結果を発表~』と題したセミナーを開催した。  本セミナーでは、片岡 葉子氏(地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター 副院長兼主任部長 アトピー・アレルギーセンター長)と江藤 隆史氏(東京逓信病院皮膚科客員部長、あたご皮フ科副院長)が、アトピー性皮膚炎の正しい理解をテーマに講演を行った。

アダリムマブ、バイオシミラーへの切り替えでアウトカムは?

 2021年4月現在、日本では15種のバイオシミラー(バイオ後続品)が承認されており1)、アダリムマブ(先発品:ヒュミラ)もその1つだが、アダリムマブバイオシミラーへの切り替え後のアウトカムについて、デンマークの乾癬患者に関するコホート研究の結果が、同国・コペンハーゲン大学のNikolai Loft氏らにより示された。切り替え群と非切り替え群の計726例を対象とした検討で、両群間の1年治療継続率の有意差はなかったという。アダリムマブバイオシミラーの有効性は、臨床試験で先発品と同等であることが示されているが、リアルワールドにおけるデータは限定的である。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年4月7日号掲載の報告。